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「ごめん、僕が、悪かった。」
嫌な思いまでして、僕にそうやってよくしてくれて。
シュウタは自分の内心的な規範に従って行動していたに過ぎなかったんだ。
そうとわかったら、もうこんな所にいることもないだろう。
銀色のドアノブに手をかけようとしたときだった。
「待って!」
振り返ると、シュウタの顔が間近にあった。
顔と顔が・・・いや、唇同士がぶつかった。
「だから・・・一人にならないで・・・」
シュウタの整った顔が見る見るうちに崩れていく。
顔を手で覆っても耳まで真っ赤で、肩を細かく震わせている。
「ずっと、良彦がこっちに来たときから、ずっとだったんだ。」
涙に音をにごらせながら、シュウタは話し続けた。
「そういうの、嫌でもいいんだ、ただ僕は良彦の力になりたくて。」
嫌なんてことはない。
「僕のこと、どんどん利用してよ、僕はどうなってもかまわないんだ。だから、だから・・・」
「逆だよ!」
そう、逆だ。
僕なんかどうなったっていい。
だけど、シュウタが自分と同じ目にあうことを想像したら、僕はきっともう無人島通いをやめなければならない。
気がつくと僕はシュウタのその暖かな体を抱きしめていた。
二人分の体温はとても厚くて、心臓はいつもの二倍打った。
「ありがとう、脩太。」
そして僕らは動物のネグラへと帰っていった。

「そう、ちょうど一年前だったね。」
シュウタと僕は真っ黒な征服に身を包み、また屋上で冷たい風に吹かれている。
あれから無人島には次々と人が住み始め、400人以上の人口を抱えるにいたった。
ぼくらはずっと一緒で、卒業式の日、隠れて手をつないでいたことは誰にも内緒だ。
「理由なんて些細なもんさ。」
卒業式の日、脩太は旧猿山のボスから呼び出された。
体育館の裏。
不安に思って覗いていたぼくに、「一発殴らせろ。」
求不得苦は怨憎会苦ではなく。

終わり