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相沢(3)

ばけつ氏

「ん・・うん。」
「ごめんな拓海、その・・。」
「何で相沢が謝るんだよ。謝るのは俺・・・」
「いや、ごめん。俺が余計な事言ったから。」
「・・・!違うって。俺が悪いんだよ。だから・・」
「俺のせいで拓海にそんな態度取らせたんだ。ほんとごめん。」
「や、ちょっと待・・」
「いつも見てるだけで我慢してたんだけどな。つい・・・。」
「だから相沢じゃなくて俺の方が・・・・え?我慢?」
「拓海・・俺の事、分かってるんだろ・・?」
問いかけてきた相沢の目が俺をじっと見つめている。
相沢の事?そりゃ親友だと思ってるくらいだから多少は分かってるつもりだけど・・。
我慢って何なんだ?俺が我慢させてるって事か???


今更の問いに、俺はどう返事をしたらいいのか分からず戸惑っていた。
今更と言っても相沢の言ってる事は難しい。
俺は相沢が言った断片的な言葉を繋ぎ合わせて整理するのに必死だった。
一生懸命考えている俺を、返事に困って俯いているのだと勘違いしたのだろう。
「・・やっぱりな・・。」
と、相沢がため息をつきながら諦めたような声を出した。
「やっぱりって・・相沢・・?」
「俺のこと、薄々感づかれてるような気はしてたんだ。」
「・・・・え?」
「分かってるんだろ?」
さっきと同じ問いだけど、何が分かってるのかその内容が分からない。
取りあえず、
「お・・お前の事は大体分かってるつもり・・だけど・・。」
と、答えてみた。
「そっか、やっぱりそれでか。」
「・・え?」


なんかおかしい。
俺と相沢の論点がズレている。
というか全く噛み合っていないような気がするのは何故だ。
大体、相沢は何を一人で納得してるんだ?
俺のきょとんとした顔を見た相沢は、更に勝手に納得して
「心配しなくても何もしねーよ。お前を追い詰める気はないからさ。」
と言ってきた。
「・・・・・・・・・・はあ!?」
なんだ?何を追い詰めるって!?
「・・・ちょっと待て相沢。」
「何だよ。心配しなくていいっつってんだろ。」
「いやだから、ちょっと待て。」
「あ?」
「さっきから思ってたんだけど。」
「ああ。もういいって。」
「よくないって。相沢、お前なに一人で納得してるんだ?」


「そりゃ・・・・えぇ?」
「さっきから聞いてたら相沢一人で話を進めてるし。
  ”悪いのは俺だ”って何でだよ。」
「え・・・・。」
「相沢の気持ちも考えられない俺の方が悪いんだから、謝るなよ。」
「俺の気持ち・・?」
「そう、相沢の気持ち。ごめんな。俺、まだ子供っぽくて。」
「・・・拓海、俺の気持ち分かってるのか?」
「うん。そりゃまあ全部ってわけじゃないんだろうけど。
  相沢が俺のことをどう思ってるかくらいは分かってるつもりだよ。」
どんくさくて頼りにならない俺を相沢はいつもかばって助けてくれる。
”しょうがないヤツだな”って思われているのは確かだと思う。
それでも変に気が合って、一緒にいると楽しいと感じる気持ちだけはお互い同じだと信じておきたい。


「・・・・・・・・マジで!?いつから!?」
「いつからって・・ずっとだろ?」
「えぇ!?拓海・・・・本当に・・?」
「俺が勝手にそう思い込んでるだけかもしれないけど・・。」
「・・拓海はそれで・・いいのか?・・・・平気?」
「・・?うん。平気って・・当たり前だろ。」
「ーー拓海・・・!!」
「え・・・・・・??!!!!!」
返事をしながら相沢の顔を見ようとした俺は、急に何かに覆われて話せなくなった。
「拓海・・・!俺・・!」
気がつくと俺は相沢の胸の中にいた。
相沢の早くて強い鼓動が身体全体から伝わってくる。