アイドルマスターSP

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アイドルマスターSP - (2011/05/08 (日) 12:04:08) のソース

<p><strong>アイドルマスターSP </strong></p>
<p>(ミッシングムーン)part50-335~337,339,341,345~348</p>
<hr /><dl><dt>335 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
01:21:38 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>アイドルマスターSP ミッシングムーン<br />
三浦あずさ(20)の場合。<br /><br />
俺は765プロに所属する駆け出しプロデューサー。<br />
今日からあずささんをプロデュースすることになった。<br />
「ふつつか者ですけれど、よろしくお願いしますね」<br />
というわけで、あずささんとのミーティングと初レッスンを終えて1週目の活動は終了した。<br />
アイドルとしてデビューするには、まずオーディションに勝って、TV出演を果たさなければいけない。<br />
それまでは、アイドルランキング外という扱いになり、ファンも付かない。<br />
あずささんの初めてのファンとして、俺からステージ用のアクセサリーをプレゼントした。<br /><br />
夜になり、道がわからないというあずささんを送っていくことになって、事務所を出てしばらく歩いていると、<br />
俺は忘れ物をしていることに気が付いた。<br />
あずささん、事務所に忘れ物を取って来るんで、待っててもらえますか?<br />
快くうなずいてくれたあずささんをその場に残して、急いで事務所に戻ると、<br />
誰もいないはずなのに人の気配がする。誰だっ?<br />
「おにぎりで出来たお城だ~。ミキ姫は王子様と幸せに暮らしましたとさ、なの~」<br />
女の子がソファで眠っていて、寝言を言っていた。<br />
起こした方がいいと思った俺は、女の子に近づこうとした。<br />
そのとき、足元に落ちていた何かを蹴飛ばしてしまった。拾い上げるとそれは、おにぎり型のマスコット?<br />
物音に気付いたのか、女の子は目を覚まして俺を見た。<br />
「あ、それ、ミキのおまじない用マスコットなの。もしかして、拾ってくれたの?」<br />
俺はマスコットを女の子に渡した。<br />
「ミキは星井美希なの。はじめまして、ミキの王子様☆」<br />
え?王子様、って・・・。<br />
「あのね、ミキ、彼氏ほしいなーって思って、雑誌に載ってたおまじないしてたの。<br />
おにぎりのマスコットを道路に置いておくと、それを一番先に見つけてくれた人が、<br />
ミキだけのステキな王子様になってくれるっていう、おまじないなの」<br />
俺は王子様じゃなくて、プロデューサーだよ。<br />
だいたい、そんなおまじないで彼氏を決めるなんて、よくないよ。・・・って、聞いてるか?<br />
「うん、聞いてるの。すっごくいい声・・・。こういうの初めてだけど、ミキ、ホントに好きなのかも」<br />
ダメだ、全然聞いてない。話を変えよう。キミは、アイドル候補生なの?<br />
「うん、まぁ、そんなとこ。高木社長がいろいろうるさくて、まだデビューさせてもらえないんだけど・・・。<br />
ヒマだから、寝てたの」<br />
他にすることないのか?自主トレとか。<br />
「ミキ、トレーニングしなくても、歌もダンスもそこそこ出来ちゃうの。<br />
だから、ミキのプロデュース、すっごく楽だと思うよ。ねぇねぇ、やってみない?」<br />
ダメだよ。俺には、あずささんという担当アイドルがいるし。<br />
「むー、残念なの。ミキ、大好きな人のためになら、すっごく頑張るのに。今度、社長に頼んでみちゃおっと」<br />
彼女は言いたいことだけ言って、帰ってしまった。<br />
結構時間がかかってしまったが、あずささんは嫌な顔もせずに待っていてくれた。<br />
俺はあずささんに、星井美希に会ったことを話した。<br />
「美希ちゃんはまだ正式なアイドル候補生じゃないのですけれど、<br />
歌もダンスも新人離れしているって、評判なんですよ」<br />
ふーん。そんな子が765プロにいたのか。<br /><br /><br /></dd>
<dt>336 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
01:24:17 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>2週目の活動。<br />
事務所に行くと、社長室から大きな声が聞こえてきた。<br />
「ミキだってやれば出来るもん!高木社長のバカっ!」<br />
突然社長室のドアが開いて、美希が飛び出してきた。美希はそのまま事務所の外へ飛び出してしまった。<br />
高木社長に事情を聞く。美希は、俺のプロデュース担当を変えるようにと頼んだが、<br />
社長が断ったので、怒って出て行ってしまったらしい。<br />
しばらくして、あずささんが事務所に来た。<br />
「おはようございます、プロデューサーさん」<br />
今日はステージ衣装を決めてから、作曲家さんに挨拶しに行って、デビュー曲のレコーディング。<br />
2人目のファンである作曲家さんからあずささんに、銀のペンダントが贈られた。<br /><br />
そして3週目。今日はいよいよデビューするためのオーディションだ。<br />
なんとかオーディションを突破したあずささんはTV出演を果たし、晴れてランクFアイドルとなった。<br />
事務所に戻って、高木社長にオーディションの結果を報告する。<br />
「無事デビューすることが出来たな。おめでとう。<br />
キミたちは、これから『アイドルアルティメイト(IU)』を目指してもらう」<br />
IUとは、年一度開催されるアイドルの祭典で、優勝すれば誰もが認めるトップアイドルになれる。<br />
本戦に出場するだけでも大変なもので、5回に渡る予選を突破しなければならない。<br />
だが、困難が多ければそれだけ、勝ち取った喜びも大きいだろう。<br />
俺はあずささんと、IUで優勝することを誓い合った。<br /><br />
いきなり表情を変えて、社長が言う。<br />
「それはそうと、キミたちに謝罪しなければならない事がある。これを見てくれたまえ」<br />
  ♪カッコ悪いわよ<br />
   アタシを墜(お)とすのバレてるの<br />
   カッコつけたところで<br />
   次に出るセリフ 計画(プラン)Bね<br />
それは美希のTV出演の模様を収めたビデオだった。<br />
美希はうちのライバル事務所である961プロに引き抜かれ、デビューしたのだという。<br />
高木社長が言うには、961プロはあまり評判が良くない事務所らしい。<br />
強引なやり方で、潰されたアイドルがたくさんいたとか。美希、大丈夫かな・・・。<br />
でも、どうしてこんなことに?社長が俺の担当を変えるのを断ったから?<br />
「もしかして、あのときのアレが原因なのかな・・・」<br />
社長は暗い顔をしている。って、あのときのアレって何だ?<br />
「大丈夫ですよ。美希ちゃん、きっと帰ってくるって、信じてます」<br />
あずささんは、つとめて明るく、そう言った。<br /><br /><br /><br /></dd>
<dt>337 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
01:26:39 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>それから何週間か後。俺とあずささんはIU1次予選に出場した。<br />
予選と言ってもTV出演があるし、普段のオーディションとまぁ、似たようなものだ。<br />
唯一違うのは、失敗したらそれで終わりの一発勝負って所。<br />
控え室で俺たちは、美希に会った。<br />
「プロデューサー、久しぶりなの」<br />
美希は既に、ぶっちぎりのトップで1次予選を通過してしまったのだという。<br />
「すごいでしょ。プロデューサー、ミキのこと、好きになってもいいよ☆」<br />
どうしてそういう話になるんだ!<br />
「美希ちゃん!事務所のみなさんは、美希ちゃんのこと、心配しているのよ。ねぇ、プロデューサーさん」<br />
言いながら、あずささんは俺を見た。<br />
「ミキの前でラブラブしないでよ!見つめ合っちゃってさ」<br />
別に俺にはそんなつもりは・・・。<br />
「ミキ、今日は帰る。さよならなの」<br />
美希は怒った様子で行ってしまった。<br />
「私が美希ちゃんを怒らせてしまったのでしょうか・・・」<br />
気にすることないですよ、あずささん。<br />
結局、今日は美希と大した話も出来なかった。<br />
でも、美希がIUを目指していることがわかった。<br />
予選に出場し続ければ、また美希に会って話をするチャンスが出来るかもしれないな。<br /><br />
そして2次予選。<br />
「今回も合格することができました。プロデューサーさんのおかげです~」<br />
TV出演を終えたあずささんと控え室で話している所へ、美希が通りかかった。<br />
「あ、プロデューサーにあずさ・・・」<br />
「美希ちゃんは、765プロに戻ってきてくれるの?」<br />
まぁそれよりも、気になるのは移籍の理由、だな。<br />
「ミキ、やりたいことがあったから、961プロに移ったんだもん。簡単には戻れないよ」<br />
「美希ちゃん、下賎な者とは話すなと言ってあるだろう?」<br />
誰だ?やけに派手なオッサンが現れた。<br />
「黒井社長・・・。あずさとプロデューサーは、友達だもん」<br />
この人が961プロの黒井社長か。<br />
「ノン!トップアイドルになるものが、唯一友と呼べるのは、孤独だけだ」<br />
黒井社長は、美希を連れて行ってしまった。<br />
「いくらなんでも、厳しすぎますよね。友達と話すのもダメなんて」<br />
あずささんは眉をひそめた。<br />
きっと美希は、黒井社長にだまされているんです。<br />
だから、美希に勝って、黒井社長のやり方が間違っていることを証明してやりましょう!<br />
「はい。私、美希ちゃんのためにも、頑張ります」<br /><br /><br /></dd>
<dt>339 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
01:33:05 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>3次予選の日。今日も美希は現れた。<br />
今日は黒井社長がいないので、ゆっくり話せるとのことだ。<br />
例によって美希は既に予選を通過していて、今は他の仕事の途中で寄ったのだという。<br />
そういえば、美希にはプロデューサーっていないのか?<br />
「うん。送り迎えの人はいるんだけど、お仕事はいつもひとり。それが、961プロの方針なの」<br />
そうなのか・・・。ところで、前にも聞いたけど、移籍の理由、ちゃんと聞かせてくれ。<br />
「ミキ、早くデビューしたかったの。ミキのいいところ、いっぱい見てほしくて。<br />
そしたらゼッタイ好きになってくれるって思ったから・・・」<br />
えっ、誰が?<br />
「でも、高木社長がミキのこと、ジャマしてくるんだもん。<br />
ミキはまだデビューできる状態じゃない、心構えができてない、とか言っちゃって」<br />
それについては、俺も高木社長と同意見だな。<br />
「それに高木社長、あんなひどいことするし、しばらくは戻る気ないってカンジ」<br />
高木社長は美希に何をしたんだ?<br />
「とにかく、ミキはプロデューサーにラブアタックするために移籍したの!<br />
あずさには負けないからね」<br />
お、俺?美希は、あずささんを睨むと、去っていった。<br />
「お、驚きました。美希ちゃんが、プロデューサーさんのことを・・・。<br />
美希ちゃんが、戻りたくないって気持ち、わかります」<br />
あずささんはうつむいてしまった。美希の話、相当ショックだったのかな。<br /><br />
4次予選。だんだん合格するのが難しくなってきたが、あずささんは合格した。<br />
「あずさ、合格したんだ。やっぱ、ミキのこと、ジャマする気なんだね」<br />
美希がやってきた。<br />
「美希ちゃん、私は決してそんなつもりは・・・」<br />
「じゃあ、ミキとプロデューサーのこと、応援してくれるの?」<br />
「それは・・・プロデューサーとのコンビは、解消できないわ」<br />
そうだ。あずささんがどんなに俺のことキライでも、それは無理だ。<br />
「もういい!プロデューサーはあずさが大事で、ミキのことはどうでもいいんでしょ!」<br />
美希は今にも泣きそうな顔をしている。<br />
「美希ちゃん、そんなことないわ。プロデューサーさんは・・・」<br />
「プロデューサーをひとりじめしているあずさの言うことなんて、聞きたくないの。<br />
あずさなんて、大ッ嫌い!」<br />
美希はそう言い残して、走り去った。<br />
「あの優しい美希ちゃんが、あんなに声を荒げるなんて・・・。<br />
美希ちゃん、追いつめられているんでしょうか。<br />
ずっと黒井社長の下で働いていて、そばで支えてくれる人もいない。<br />
なのに、目の前にはいつも、プロデューサーさんと一緒にいる私がいて・・・。<br />
そんな状況、もし私だったらすごく辛いと思います。<br />
プロデューサーさん、もし美希ちゃんのことプロデュースしたいのでしたら、私は・・・」<br />
あずささん・・・。今の俺は、あずささん以外をプロデュースする気はありません。<br />
だから、あずささんは余計なことを気にしないで、アイドル活動に専念してください。いいですね。<br />
「は、はい!」<br /><br /><br /></dd>
<dt>341 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
01:35:32 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>そして、最終予選。<br />
「あずさとプロデューサー・・・フンっだ!」<br />
美希は俺たちの顔を見るなり、逃げるように去っていってしまった。<br />
「あ、美希ちゃん、私の話を・・・」<br />
それから俺は、あずささんにいろいろ話しかけてみたが、あずささんは上の空だ。<br />
「すみません、お話、聞いていませんでした」<br />
悩みごとがあるなら、俺に相談してください。<br />
「やっぱり、プロデューサーさんには隠せませんね。<br />
そろそろ私も自立しなければいけないかな、と思うんです。美希ちゃんのように」<br />
あずささん、何を言ってるんですか?<br />
「私はもう、ひとりで大丈夫です。私は大人ですから。強い大人の、女性ですから・・・。<br />
だから、プロデューサーさんは、美希ちゃんのところに行ってあげてください」<br />
それって、あずささんのプロデュースをやめろってことですか?<br />
前にも言ったでしょう?今の俺は、あずささん以外、プロデュースする気はないって。<br />
「・・・プロデューサーさんは私にはもったいないくらいの人です。<br />
だからこそ、いつまでも甘えるわけには行かない、そう思ったんです」<br />
あずささん、俺がイヤになったんですか?<br />
「その、逆です。美希ちゃんに色々言われて、初めてはっきり自分の気持ちに気付いたんです。<br />
たぶん、私が、美希ちゃんと同じ人を・・・。<br />
私、美希ちゃんには、プロデューサーさんが必要だと思うんです。私より、もっと」<br />
だから、俺に、美希の方に行けと?<br />
「きっと私がいてはダメなんです。私は立場を利用して、プロデューサーさんの隣にいる。<br />
それを美希ちゃんがズルいと思うのは仕方のないいことです。立場が逆なら私だって・・・。<br />
とにかく、美希ちゃんには、プロデューサーさんが必要なんです。<br />
これからは、美希ちゃんと一緒にいてあげてください」<br />
あずささんは、自分が身を引くことで美希を連れ戻そうとしているんだ。でもそんなの間違ってる!<br />
さっき、自分は大人だから大丈夫だっていいましたよね?<br />
そんなのとんだ思い違いです。あずささん、あなたは頼りないです。<br />
すぐ道に迷うし、、ボーっとしてるし、運動神経もいまいちだ。<br />
「そんなにはっきりといわれると・・・自信なくなっちゃいます」<br />
だから、あすささん。俺があなたを守ります。<br />
「プロデューサーさん、そんな風に考えていてくださったなんて・・・」<br />
それに、いまここで引くのは、美希にとってもよくありません。<br />
ワガママを言えば、それが通る。そんな考え方をさせてしまっては、美希の今後はお先真っ暗です。<br />
今だってアイドルとしての自覚に欠けているのに。<br />
「あ、そうですね・・・」<br />
あずささんは、やさしすぎます。美希くらいワガママ言ってもいいと思いますよ。<br />
「私のワガママ・・・。あの、私、どこまでいけるかはわかりませんけれど、<br />
IUの優勝を目指したいです。プロデューサーさん一緒に」<br />
良かった。これからも、俺たち、一緒ですね。<br /><br /><br /></dd>
<dt>345 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
10:22:02 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>いよいよIUの本戦だ。優勝するためには、準々決勝、準決勝、決勝と、3週連続で勝ち抜かなくてはならない。<br />
「ついに、ここまで来れたんですね。でも、まだ信じられません。<br />
本戦に勝ち残れなかった多くの子たちのためにも、頑張らなきゃいけませんね。<br />
そして、プロデューサーさんのためにも」<br />
「ちょっと待った、なの!」<br />
だしぬけに美希がやってきた。<br />
「あずさばっかりプロデューサーにプロデュースしてもらって、ズルイの!<br />
ミキだってプロデューサーと一緒にお仕事がしたいのに!<br />
でね、ミキ、考えたの。もしミキがIUであずさに勝ったら、<br />
プロデューサー、961プロに来て、ミキをプロデュースしてほしい」<br />
俺の意思は?俺はOKしてないぞ、そんなこと!<br />
「でも、もう決まったことなの。ミキ、プロデューサーのためにも優勝してみせるの。<br />
だから、約束だよ。じゃあね!」<br />
あっ、ちょっと、待てよ、美希!<br />
「私、出来ることなら、プロデューサーさんのそばを離れたくないです。ずっと。<br />
ここで負けてしまっては、プロデューサーさんが・・・。<br />
私、頑張ります。見ていてください」<br />
一方的に約束させられてしまったが、それがあずささんのやる気を引き出したようだ。<br /><br />
そして、準決勝。<br />
「ねぇ、約束、覚えてる?」<br />
「ええ。たとえ美希ちゃんでも、プロデューサーさんは渡さない」<br />
あずささんは美希を睨んだ。<br />
「ところで、私が優勝したら美希ちゃんはどうするの?」<br />
「えっ?」<br />
「こういうのはどうかしら?もし私が勝ったら、美希ちゃんが765プロに戻ってくるの」<br />
「でも、黒井社長が・・・」<br />
「フフ、なかなか面白そうな話をしているじゃないか」<br />
ウワサをすれば影。黒井社長が現れた。<br />
「いいだろう。その条件で戦おうじゃないか」<br />
「では、これで決まりですね。いいわね、美希ちゃん。約束よ」<br />
「わ、わかったの。今日のあずさ、なんだか怖い・・・」<br />
美希は黒井社長と一緒に去っていった。<br />
「ふー。頑張って演技しちゃいました」<br />
あずささん?今の演技だったんですか?<br />
「はい。美希ちゃんに、765プロに戻ってきてほしかったから。<br />
でも、これで負けたら、どうしましょう」<br />
あはは。すっかりいつものあずささんですね。大丈夫です。俺が、ついてます。<br />
二人で美希を取り戻しましょう!<br /><br /><br /></dd>
<dt>346 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
10:23:24 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>ついに、決勝の日がやってきた。<br />
「今日で全てが決まるかと思うと、怖いです」<br />
あずささんは不安そうだ。<br />
「プロデューサーさん、足のふるえ、止めてくれませんか?」<br />
そうだな・・・。じゃあ、抱きしめてもいいですか?<br />
「は、はい。お願いします」<br />
俺は、あずささんを抱きしめた。<br />
「はぁ、落ち着いてきました。プロデューサーさん、暖かい・・・」<br />
俺が身を離すと、あずささんは顔を赤くしていた。<br />
「ステキなおまじない、してもらいましたし、今日は、絶対勝ちます」<br />
しばらくすると、美希がやってきた。<br />
「あのね、あずさはいつでもミキの気持ち、わかってくれたよね。<br />
あずさは美希のために勝負を挑んでくれたんだよね?」<br />
美希・・・いつの間にそんなに成長していたのか。<br />
「それに、ミキが765プロに戻ったら、あずさ、プロデューサーを譲る気でしょ?<br />
ミキは、ほしいものは自分で手に入れるの。だから、正々堂々と勝負なの」<br />
「ええ、わかったわ。手加減なしよ」<br /><br />
決勝で、あずささんは「隣に…」を歌った。<br />
この歌は、あずささんのイメージに合わせて、作詞家・作曲家の先生に頼んで作ってもらった曲だ。<br />
  ♪見えなくても 声が聞こえなくても<br />
   抱きしめられたぬくもりを今も覚えている<br />
   この坂道をのぼる度に あなたがすぐそばにいるように感じてしまう<br />
   私の隣にいて 触れて欲しい<br />
そして、あずささんは優勝した。<br />
「私みたいな平凡な人間を、こんな高いところまで・・・。<br />
プロデューサーさんは、とてもすごい方ですね」<br />
俺の力なんて、たいしたことありません。あずささんの努力が優勝への道を開いたんです。<br />
「そんな・・・。でも、そういう謙虚なところも、プロデューサーさんのステキなところですね」<br /><br /></dd>
<dt>347 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
10:24:48 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>「ミキ負けちゃったの。頑張ったのになー。<br />
でも、優勝したのがあずさでうれしいの。ミキがダメなら、あずさに勝手ほしかったから。<br />
おめでとう、あずさ」<br />
黒井社長が怒りながらやってきた。<br />
「なんということだ。765プロの者が優勝するなど・・・。こんな結末、私は認めん!<br />
そ、それで美希ちゃん、本当に765プロに戻るつもりじゃあるまいね?<br />
キミなら、きっと来年、優勝出来るよ」<br />
「ムリなの!ミキ、もう頑張れない!」<br />
「くっ、もういい!お前はクビだ」<br />
俺は黒井社長を呼び止めた。<br />
黒井社長、あなたは勘違いしているのではありませんか?<br />
美希が勝てなかったのは、あなたのせいです。<br />
アイドルが結果を出せるように、環境を整えるのがプロデューサーであり、社長です。<br />
それを放棄して、結果のみを追求し、美希の力をそいでしまったのは、あなただ。<br />
「若造が知ったような口を・・・。不愉快だ。私は帰らせてもらうよ」<br />
黒井社長は行ってしまった。<br />
「さて、私は先にタクシーで事務所に戻ります」<br />
あずささんは、先に帰るという。俺は、美希とふたりきりで話をする。<br />
「765プロに戻ろうかな。そのかわり、プロデューサーは、ミキの彼氏になってほしいの」<br />
・・・ごめん。<br />
「わかってた。ミキだって、あずさとプロデューサーがお似合いだってことくらい、<br />
よくわかってたんだよ。でも、ミキだって、本気だったんだから!<br />
それじゃ、ミキ、行くの。あずさみたいな大人の女になったら、きっと765プロに戻ってくるの。<br />
じゃあね、プロデューサー!あずさによろしく」<br /><br />
俺は事務所に戻った。結局、美希を連れ戻すことは出来なかったな。<br />
「そうですか。美希ちゃん、新しい夢への一歩を踏み出したんですね。<br />
前にお話したかも知れませんが、私の夢は・・・」<br />
運命の人を見つけること、でしたっけ。それで、あずささん、見つけたんですか?<br />
「それが、見つけたような、見つけてないような。相手が気付いてないような・・・。<br />
ということは、相手が私のことキライなのかも・・・」<br />
あずささん、話を聞いてください!あずささんは一人で盛り上がっている。・・・仕方ない。<br />
好きだよ!<br />
「えっ、プロデューサーさん、今、なんて?」<br />
好きだよ、あずさ。俺を、あなたの運命の人にしてくれないかな?<br />
「あ・・・。私の答えは、もちろん、はい、です!<br />
ずっと同じ夢を二人で見てきました。出来ることなら、この後も、<br />
生涯かけて、同じ夢を追っていきたいです。プロデューサーさん、愛して・・・います・・・」<br /><br />
こうして、仕事のパートナーだったあずささんは、俺の生涯のパートナーとなった。<br /><br /><br /></dd>
<dt>348 :<a href="mailto:sage"><strong>アイドルマスターSP</strong></a>:2010/04/11(日)
10:26:25 ID:1pm3OoI00</dt>
<dd>数日後。<br />
あずささんはアイドルを引退すると言っているので、<br />
俺も次にプロデュースするアイドルのことを考えないとな。<br />
朝、事務所に行くと・・・あれ?あずささん、今日、休みじゃなかったんですか?<br />
「お弁当を作ったので、届けようと思いまして」<br />
そんなことか。しばらく後、高木社長が出てきて朝礼が始まった。<br />
「えへ☆帰ってきちゃったの」<br />
ええっ、美希?<br />
「大人になるまで待てなかったってカンジ。ミキはね、プロデューサーとあずさをジャマしに来たの。<br />
ミキのいない間に、あずさとプロデューサーがラブラブしてるって聞いて、くやしくて、くやしくて・・・。<br />
ねぇ、あずさは引退するんでしょ?だったら、その後、ミキのプロデュースして!」<br />
「美希君、キミはまだ正式なアイドル候補生ではない。まだデビューは・・・」<br />
高木社長が美希を止めようとする。<br />
「社長は黙っててなの!社長がミキのおにぎり、勝手に食べたから・・・」<br />
「うっ、それは、謝る。すまなかった」<br />
社長が美希のおにぎりを食べたのが、美希の移籍の原因らしい。なんだ、そりゃ?<br />
「私、引退するのやめます!」<br />
「あずさは引退するの!もー!あずさはあっちへ行ってなの!」<br />
「い、いやよ。プロデューサーさんの隣りは私の特等席なのよ」<br />
「じゃあ、ミキ、こっちの隣りでいいや。ねーねー、プロデューサー!」<br />
だ、誰か、助けてくれぇ~!!<br /><br />
おしまい。<br /><br /></dd>
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