<p><strong>脱出狂想曲 ワルモノ<br /> part68-125~129</strong></p> <hr /><p>125 :脱出狂想曲 ワルモノ:2014/12/08(月) 01:46:05.71 ID:m7cCtrDM0<br /> ガラケーのゲームサイト『ゲーム大好き』にある脱出アドベンチャー、<br /> 『脱出狂想曲ワルモノ』、行きます。例によって細部が曖昧ですがご容赦を。<br /> このゲームはマルチエンディングですが、トゥルーエンドと言えるエンディング、<br /> 『ワルモノ快進劇』エンドに行く際のストーリーを書かせてもらいます。<br /><br /> 『登場人物』<br /> (ハルマ)<br /> 主人公の探偵。父親を探すために舞台となる町へ来て、<br /> 調査をしている最中に何者かに襲われ、謎の部屋に閉じ込められた。<br /> 探偵物語の主人公の工藤俊作に似ている。<br /><br /> (モーガン)<br /> 片言な喋り方をする屈強な黒人。格闘の腕はハルマより上。<br /> 日本の時代劇オタクらしいが、その知識には怪しいところがある。<br /><br /> (レン)<br /> 薄幸そうな雰囲気を持つ東洋系の女性。<br /> 態度や名前をコロコロ変えるので精神的に不安定に見える。<br /><br /> (カペロ)<br /> 落ち着いた感じの老人。ゲーム中盤までは床に倒れていて会話は出来ない。<br /><br /><br /> 『本編』<br /> (オープニングから暖炉に火をつけるまで)<br /> 舞台は19世紀の西洋のとある町。<br /> ハルマは父親を探すための調査をしていると不意に背後から襲われ気絶し、<br /> 気がつくと暗い部屋の中にいた。<br /> 幸いライターを持っていたのでそれをつけてみると、<br /> 屈強な黒人、東洋系の女性、そして倒れている老人を見つける。<br /> 立っている二人に話しかけるが、相手もこの状況に困惑しているのか、ろくに返事をしない。<br /> 黒人はモーガンという名前を教えてくれたが、東洋系女性は名前すら教えてくれない。<br /> 「見知らぬ相手に緊張して黙ってるとは、こいつら思春期か」とか言いつつ、<br /> しょうがないので一人でライターの明かりを頼りに部屋の調査を始めるハルマ。<br /> 部屋には暖炉があり、その近くには薪も置いてあるようなので、薪を暖炉に入れ、<br /> 枯れて乾燥した花に最初に火をつけて種火として、薪を燃やした。<br /> これで部屋がある程度明るくなった。<br /><br /> すると部屋から出るためのドアが見えたが、そのドアノブには紐が巻き付いていて、<br /> 紐はバッグの中に繋がっていた。バッグの中を調べると、中には爆弾が。<br /> 多分、普通にドアノブをひねって部屋を出ようとすると爆発するだろう。<br /> そして、バッグを動かすとか紐を切るといった単純な方法で爆弾を無効化しようとしても<br /> 爆発するようになっているだろうとハルマは考える。<br /> 爆弾はパスワードで解除できるようだが、そのパスワードは分からない。<br /> とりあえず中にいる自分以外の三人と情報交換してみる事にした。<br /><br /> 126 :脱出狂想曲 ワルモノ:2014/12/08(月) 01:46:31.28 ID:m7cCtrDM0<br /> (モーガンとゴム手袋)<br /> 暖炉に明かりをつけてもまだろくにモーガンとは話せないので、<br /> もっと明るくするために電灯を点けようとするハルマ。<br /> すると配電盤を見つけて中の線が切れているのに気づき、修理に使えそうな銅線も見つけた。<br /> だが電気が通りっぱなしなせいで素手で修理しようとすると感電してしまうようだ。<br /> 感電を防ぐ道具がないものかと調べていると、モーガンがゴム手袋を持っているのに気づく。<br /> それを渡してくれないかと頼むと、<br /> 「オマエ、シンヨウデキナイ。オマエガ、ドウセンヲワタセ。オレガ、シュウリスル」<br /> と言ってくる。ハルマは、モーガンが信用できないのと同時に、、<br /> 上手い事言って精神的に優位に立とうと思ったのか、こう言ってやった。<br /> 「いいか?俺は明かりの修理に必要な銅線を持っているんだ、<br /> そのゴム手袋がなくとも、感電しない方法を別に探せばいい。<br /> だがお前の持ってるゴム手袋だけで何ができる?つまり俺達の立場は五分じゃないんだ」<br /> その言葉に納得したモーガンはゴム手袋を渡してきたので、<br /> それを使い無事に配電盤を修理し、電灯をつけることができた。<br /><br /> その後、本棚の本の中から拳銃を見つけ、後述の方法で札束も見つけ、<br /> モーガンに対して脅迫も買収も出来るようになったハルマだったが、<br /> あくまでそんな物に頼らず言葉で説得する事にしたハルマ。<br /> 話しかけると、モーガンは日本の時代劇について話してきたので、話をあわせる。<br /> 「オレハ日本ノ剣豪、宮本武蔵ノ、アニデシ、ダ」と言ってくるので、<br /> 「おお、そうか、俺も宮元武蔵の弟子なんだぜ」と適当に言ってみる。<br /> 「ソウカ、オマエモ、アニデシ、カ」と返答するモーガン。<br /> こいつは兄弟子の意味を知っているのかと呆れるハルマだったが、<br /> とりあえずモーガンとは友好的になれたようだ。<br /><br /> (レンとナイフ)<br /> 明かりをつけた後でもまだ名前を名乗らない東洋系の女性と話をしてみるハルマ。<br /> すると女性は「お店へ様こそ、私はこの店のナンバー1なのよ」と、<br /> いきなり水商売の売れっ子のような事を言ってくる。<br /> とりあえず話を合わせて店の客になりきってみると、<br /> 部屋の中のフルーツをナイフで切って出してくれた。<br /> ナイフという道具が脱出に役立つと思ったハルマはナイフを渡すように頼む。<br /> すると女性は「あなたはこのナイフで世界を変えられるというの?」<br /> と唐突に壮大な事を言ってくる。<br /> ハルマが「できるとも」と言い切ると、女性はナイフを渡してくれた。<br /> その後部屋を探すとソファっぽい椅子の中に硬いものがあるのでナイフで切ってみると<br /> アタッシュケースが出てきた。中身は、うなるほどの札束でいっぱい。<br /><br /> 前述した方法で拳銃も見つけアタッシュケースの金も手に入れたハルマは<br /> 女性に対して脅迫も懐柔もできるようになったが、<br /> ハルマはそんな事はせず、言葉で説得する事を選んだ。<br /> 根気良く説得を続けると、「お願い、ここから私を助けて」と素直に頼んできて、<br /> 自身の名前がレンだと言ってきた。<br /> どうやら、レンは能動的に色んな人格を使い分けているだけで精神的には大丈夫らしい。<br /><br /> 127 :脱出狂想曲 ワルモノ:2014/12/08(月) 01:47:07.05 ID:m7cCtrDM0<br /> (老人カペロ)<br /> ハルマが部屋の中で目覚めてから今までずっと、倒れたままの老人。<br /> 本当にこの老人が気絶しているのか怪しんだハルマが拳銃で脅してやると、<br /> 老人は慌てて飛び起きた。どうやら気絶したフリだったようだ。<br /> 話しかけると「話をしたいならタバコを一本もらいたい」と言ってきたので、<br /> 部屋に飾ってあった絵の女性が持っているタバコの葉の部分に<br /> 本物のタバコの葉がくっついているのに気づいてそれを渡すと、<br /> 老人は自分でタバコの葉を刻み、紙の筒にくるんでタバコを完成させて吸った。<br /> 頼みを聞いたので話を聞こうとしたが、自分はカペロだと、簡単な自己紹介をするだけ。<br /> 文句を言うハルマだったが、「たったタバコ一本でどれだけの見返りがあると思ったんだ?」<br /> と反論されてしまった。話を続けるには別の切っ掛けが必要なようだ。<br /><br /> だが、その切っ掛けはすぐに見つかった。<br /> 老人が倒れていた床にメモが落ちていて、その内容は、<br /> 部屋に閉じ込められた後に脱出するための行動の細かい指示だった。<br /> この謎の状況について知っているだろうとカペロを問い詰めると、<br /> カペロは諦めて、現在4人が部屋に閉じ込められている状況についての説明を始めた。<br /><br /> 昔、この町では4つのマフィアが血みどろの抗争を繰り広げていた。<br /> そこにゴッドファーザーという男が現れ、4つのマフィアを纏め上げて統治し、<br /> この町に平和を取り戻した。だがそのゴッドファーザーは、<br /> 現在死線をさまよっているらしい。(その理由はカペロは言わなかった)<br /> このままではゴッドファーザーが死んだ後、再び4つのマフィアは抗争を始めてしまう。<br /> 再び抗争が始まり互いに消耗するのを恐れた4つのマフィアのボス達は、<br /> 4つのマフィアのうち、どのマフィアが町を治めるのかを決定する事にした。<br /> そこで、『物事で一番大事なのは運だ。力も知恵も、運の前にはどうしようもない』<br /> という考えから、4つのマフィアはそれぞれの代表を、<br /> この簡単には脱出できない部屋に閉じ込め、<br /> 最初に脱出できた人間に賭けていたマフィアが町を仕切る、という事にしたそうだ。<br /> だが、口先では運に賭けると言っていたマフィアの代表達は、<br /> 実際には自分の賭けた人間が確実に勝つために色々部屋に細工をした。<br /> だが、4つのマフィアが勝手に細工をしあった結果、<br /> 4人の誰にも簡単には脱出できない部屋が出来上がり、本当の運の勝負になったという事だ。<br /> 実際、カペロは拳銃を手に入れて自分以外の三人を射殺してから<br /> 悠々と脱出する予定だったらしいが、ハルマが拳銃を手に入れそうだから死んだフリをしたらしい。<br /><br /> (脱出)<br /> 三人と話し合って、部屋の情報をまとめた結果、どうやら暖炉の上の煙突から脱出できそうだ。<br /> だが暖炉の中には明かりを確保するために燃やした薪が燃え盛っているのでそのままでは出られない。<br /> そこで、先ほどタバコの葉を取ったあの絵をドライバーで壁から外し、<br /> 燃える薪の上にかぶせるという乱暴なやり方で薪の日を消して脱出の準備を整えると、<br /> 三人に脱出の準備が整った事を知らせ、四人全員で脱出する事にした。<br /><br /> 128 :脱出狂想曲 ワルモノ:2014/12/08(月) 01:47:54.32 ID:m7cCtrDM0<br /> (三人の正体)<br /> 三人と一緒に脱出すると、三人は自身の正体を教えてくれた。<br /><br /> モーガンは部屋から脱出すると、今までのカタコトなカタカナではなく、流暢に話しかけてくる。<br /> 「鈍い奴だと思わせるためにわざとカタコトで話していたのさ。実際、俺の事バカだと思っただろ?」<br /> 「まあ、確かに頭が良いとは思えなかったな」<br /> 「実は俺は4つのマフィアのうちの1つの構成員なんだ。そのマフィアが勝つために参加した。<br /> 事前にドアの爆弾のパスワードを教えられてたからそれを入力してさっさと脱出するつもりだったが、<br /> 他のマフィアの妨害でパスワードが変わってたんだ、焦ったぜ」<br /><br /> レンは、自身がこの勝負に参加した理由を言ってきた。<br /> 「私の友達が4つのマフィアのうちの1つに脅されて、助けるために私が参加したの。<br /> あのナイフは最初から私が持ってきたもの。それで他の三人を殺すつもりだったの」<br /> 「そんな事、君に本当にできるのか?」<br /> 「殺すときは、暗殺者の人格になりきるつもりだったから」<br /> 彼女の人格のなりきりの完璧さを知っていたハルマは、<br /> もし暗殺者の人格でナイフで襲われてたらひとたまりもなかったと冷や汗をかくのだった。<br /><br /> カペロは、自分は昔はゴッドファーザーの仲間だったと言う。<br /> 「凄いじゃないか!」と驚くハルマに対し、「あくまで昔の話だから」と謙遜するカペロだった。<br /><br /> 129 :脱出狂想曲 ワルモノ:2014/12/08(月) 01:49:00.36 ID:m7cCtrDM0<br /> (ゴッドファーザーの意思)<br /> こうしてススまみれになりながらも脱出した四人だったが、これでハッピーエンドとはいかないだろう。<br /> もしこの勝負が、一瞬でも早く部屋から出た人間、つまりハルマに賭けたマフィアの勝利だとしたら、<br /> モーガン、レン、カペロは負けた3つのマフィアに報復されるかも知れない。<br /> ハルマも、負けたマフィアに報復されたり、勝ったマフィアに口封じされる恐れもある。<br /> この勝負が、4人で同時に脱出したから引き分けとなったら、<br /> それこそ4人とも勝負を台無しにされたとして4つのマフィアに狙われる危険もある。<br /><br /> そう悩んでいるとカペロが、あの部屋で見つけた貯金箱とコインを調べてみないかと言ってくる。<br /> 部屋の中で見つけた、一度コインを入れたら取り出せないようになっている貯金箱と、<br /> ゲーム開始当初に4人が1つずつ持っていた4つのコインと、部屋の中で見つけた5つのコイン。<br /> これらは、何物かが何らかの意図を持って配置した物であると同時に、<br /> 部屋からの脱出には関係ない物だった。今からでも、これらを調べる価値はありそうだ。<br /><br /> ハルマは合計9個のコインに刻まれたアルファベットを調べると、<br /> 貯金箱の中に『GOD FATHER』の順に9個のコインを入れていった。<br /> すると貯金箱が割れ、中にはGDと刻まれたバッジと、手紙が。<br /> 手紙の内容は『このバッジを持つ者をゴッドファーザーの代理人として、全権を委任する』<br /> というもの。どうやらゴッドファーザーは、ゲーム参加者にこれを手に入れる余地を与えていたようだ。<br /> 「これがゴッドファーザーの意思か」とつぶやくカペロ。<br /><br /><br /> だがそれでも、これでハッピーエンドと楽観的には考えられないだろう。<br /> このバッジを持って上手く立ち回れば、身の安全を確保するどころか<br /> この町をゴッドファーザーの後継者として支配する事すら可能だが、<br /> 4つのマフィアがこのバッジの効力を認めるとは限らないし、<br /> 認めたなら認めたで、町を支配するべくバッジを奪おうとするかも知れない。<br /> そこで、この四人でチームを作り一緒に行動しようという事になった。<br /> そのリーダーとして最初はカペロが指名されたが、カペロは自分はもう年だからと辞退する。<br /> そこで、あの部屋の脱出においてみんなを導いてきたハルマをリーダーにする事にした。<br /><br /> これからも大変だろうが、この四人のチームなら上手く乗り切れるだろう、<br /> そう信じて、ハルマたち四人は歩き出すのだった。<br /><br /><br /><br /> 以上です。ガラケーのゲームなのでゲームデータは小さくプレイ時間は短いですが、<br /> そんな制約の中で脱出ゲームと物語を両立させたゲームとなってます。<br /> </p>