ARMORED CORE Ⅴ

Part73-437-450


437ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 01:54:51.10ID:8+QOa3RS0[1回目]
■ARMORED CORE Ⅴ
かつての戦災によって大地は汚染され尽くし、人々は残された僅かな土地にしがみつくように生きていた。
行商人「ミグラント」たちはそんな世界においても各地を行き来し、生活必需品や戦力を売買して生計を立てていた。
そして、彼らの商品の中でも最も重要な戦力は、世界が荒廃する以前に普及していた人型機動兵器「アーマード・コア(AC)」である。

物語の舞台は、かつての名が忘れられ、ただ「シティ」とのみ呼ばれる街。
そこでは指導者である「代表」が独裁支配体制を布き、シティへの居住を許されない人々は過酷な地下世界へ追いやられていた。
代表の腹心であったある男は、いかなる故か地下世界へ追いやられ、やがて代表への反旗を掲げる「レジスタンス」のリーダーとなっていた。
レジスタンスは代表の支配を打倒すべくクーデターを実行に移すが、その情報は事前に漏れていた。
代表と契約を交わした大規模武装ミグラント「企業」は、レジスタンスを殲滅すべく出撃する。

それから一年後、レジスタンスは再び反抗作戦を実施する。
しかしそれはあまりにも絶望的な戦いだった……

・登場人物
主人公:レジスタンスに雇われた傭兵。かつては企業に属していた。それ以外の一切は不明(プレイヤー自身と考えてよい)。
フラン:かつてのレジスタンスリーダーの娘。レオンによって半ば担ぎ上げられる形でリーダーの座を継いだ弱気な女性。
リーダー:かつてのレジスタンスリーダーでフランの父。1年前の戦いで搭乗していたACを撃破され死亡した。
レオン:リーダーの腹心だった男性。現在はフランの補佐という名目で実質的にレジスタンスのリーダーを務める。ロザリィとは旧知の仲。
ロザリィ:レジスタンスに協力するミグラント。守銭奴であり歯に衣着せぬ発言が目立つが、確かな情報網と密かな優しさを持つ快活な女性。
RD:ロザリィの助手。身に迫る危機や敵戦力などを予知する超能力じみた直感を持つ男性。言動は弱気でロザリィにこき使われている。

主任:企業の一員でレジスタンス殲滅作戦の代表責任者。戦士としては有能だが、おどけた言動の皮肉屋であり、凄まじい冷酷さと狂気を併せ持つ男性。
キャロル・ドーリー:レジスタンス殲滅作戦補佐を務める冷静な女性。主任の秘書的な存在。主任からの愛称は「キャロりん」。

ポール・オブライエン:若くしてシティ警備部隊の隊長を務める男性。優秀だが短気な完璧主義者で常に苛立っている。通称:警備隊長殿。
代表:シティに独裁支配体制を布く指導者。

リーガン:大規模ミグラント「MoH」を率いる女性。ロザリィとの間に因縁があるようだが……?
オズワルド:リーガンに仕える忠臣の男性。ACパイロットとしても高い技量を持つ。

アンジー:謎のAC部隊「ゾディアック」を率いる女性オペレーター。隊員からの私語などは徹底的に無視する傾向にある。
No8:ゾディアックのメンバー。主人公たちの力を認め、自分たちを倒す事を願うような発言する。
 
438ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 01:55:59.93ID:8+QOa3RS0[2回目]
・チャプター00
レジスタンスによるクーデターは失敗に終わり、彼らは地下への撤退を始めていた。
キャロル・ドーリーの指揮の下、企業の新人傭兵としてレジスタンス殲滅作戦に参加していた主人公は、リーダーの搭乗するAC「ヴェンデッタ」と交戦する。
リーダーは主人公の強さを認め、「彼が自分たちの仲間ならば」と悔いながら撤退する。
続いてレジスタンス戦力を殲滅していると、主任から「地下道に逃亡したヴェンデッタを追撃しろ」という命令が入る。
キャロルは「主人公機はダメージが大きいので追撃任務にあたらせるには危険では」と指摘するが、
主任は「あっそうなんだ……で、それが何か問題?」と意に介さない。

やむなく地下道に突入する主人公。
撃破された8機もの味方ACの残骸を越えて最奥部の地下治水施設に辿り着くと、そこにはヴェンデッタが待ち受けていた。
リーダーは自身の敗北を認めつつ、「それでも勝ったのは我々だ」と言い放ち、オーバード・ウェポン(規格外の大型武装)グラインドブレードを起動。
主人公機を仕留めようとするが、その場に乱入してきた主任のAC「ハングドマン」の攻撃で撃破される。
主任は主人公に対し、「地下のゴミ虫(レジスタンス)相手にはちょうどいい腕だ」と褒めているのか罵倒しているのか分からない言葉を残して去っていった。
主人公もまたキャロルの指示で撤退を開始する。

その場に遺されたヴェンデッタの残骸からは、レジスタンス撤退完了の知らせと父の無事を祈るフランの通信が虚しく響いていた……


・チャプター01
クーデター失敗から一年後、壊滅的被害を受けたレジスタンスは、
新たな指導者フラン、そして彼女を補佐するレオンの下、再び代表との決戦に備えていた。
しかし、企業の戦力はますます増大しており、対するレジスタンスの戦力はかつての規模に及ばない。
レジスタンス最後の戦いは初めから絶望の中にあった。

レオンの指示の下、反抗作戦の予備工作としてレジスタンス工作部隊はシティ高層区に突入。
彼らがシティの警備を行う「監視ユニット」の制御施設破壊に向かっている間、陽動として傭兵の搭乗するACが付近で警備部隊と交戦する事になった。
件の傭兵は、かつて企業の一員だった主人公である(何故、どういう経緯で移籍したかは作中で語られていない)。

また、作戦にはACの補給・整備担当として、レオンと旧知のミグラント・ロザリィも参加していた。
守銭奴の彼女がレジスタンスの理念に共感したわけもなく、
参加した理由は「負けそうな方に賭けた方が儲かる」という逆張りによるものだった。

敵戦力と交戦していると、RDがイヤな予感を訴え始める。
彼の直感通り、上空から警備部隊の支援型(狙撃タイプ)、防衛型(重装甲ガトリング砲タイプ)兵器が降下を始めた。
それらを殲滅すると作戦は第2フェイズへ移行。主人公は工作部隊脱出を支援する為にシティ高層区へ突入する事になる。

高層区へ向かうトンネルの中では装甲列車や警備部隊ACが襲撃してきたが、主人公はそれを突破。
引き続き工作部隊を支援する為に高層区へと侵入する。
 
439ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 01:57:14.90ID:8+QOa3RS0[3回目]
・チャプター02
一年ぶりに足を踏み入れたシティは様変わりし、代表の為の街と化していた。
主人公は工作部隊撤退を支援すべく、高層区全域に現れた警備部隊と交戦する。
そんな中、ロザリィはレオンに「いつまであの娘(フラン)を担いでいるのか」と疑問を呈する。
更に「誰が見たってリーダーってガラじゃないでしょう」と指摘するも、レオンはそれを「黙れ」と一蹴した。

一方レジスタンスに侵攻され怒り心頭の警備隊長は高層区内に装甲列車を出撃させる。
しかもそれは以前遭遇したものより車両数が増加しており、各車両に搭載された武装も大幅に強化されていた。
ACでは到底勝ち目がないと言われる程の相手だったが、レオンは主人公に戦わせるほかないと判断する。
ロザリィからの情報を活かし、主人公は装甲列車の破壊に成功する。
不甲斐ない部下たちにブチギレる警備隊長。
それと同時に工作部隊の脱出も始まり、あとは主人公が脱出すれば作戦完了かに思われた。

その時、レジスタンスの通信に主任が割り込んでくる。
彼は主人公にプレゼントがあると語り、装甲列車の貨車に隠していたミサイルを発射する。
高層区各所に着弾したそのミサイルはただのミサイルでは無かった。
地面に突き刺さったミサイルから蛇のようにうねる小型追尾ミサイルが無数に射出されるという未知の兵器だったのだ。
かろうじて脱出に成功したレジスタンスたちだが、企業が未だ底知れぬ力を隠し持っている事は明らかだった。
加えて企業が通信に割り込めたという事は「その気になればいつでもレジスタンスを止められた」という事でもあり、
レジスタンスは再び反抗作戦の立て直しを強いられるのだった……


・チャプター03
代表に対する一大決起作戦が迫る中、改めて企業の力を目の当たりにしたレジスタンスは、
より優れた武器を求めて市街の外へ向かった。
俗に「汚染地域」と呼ばれるそうした地域には、世界が荒廃する以前の物資や兵器が遺棄されているのだ。

主人公とフランはロザリィの持つ汚染地域の情報に縋って探索を始める。
探索中、その場にレオンがいないのをいい事に、ロザリィはフランがリーダーとして相応しくない事を指摘し始める。
その歯に衣着せぬ態度にフランは苛立つが、ロザリィの言葉はどれも正論だった。
二人がケンカのようなやり取りを繰り広げる中、主人公はただひたすら汚染地域を突き進む。

高層区で主人公を襲った蛇のようなミサイル「OOTHECA」や、一つ目タコのような未確認兵器「AMMON」を退けながら先へ進む一同。
しかし、何か物資が残されていると期待されていた三件の廃墟では何の収穫も得られなかった。
ロザリィはやむなく「一番見込みがある代わりに一番ヤバイ」と目される四件目の廃墟探索を提案。
危険を察知したRDは猛反対するが、手ぶらで帰るわけにはいかないフランもその廃墟への突入を許可する。

期待通り四件目の廃墟には有用な物資が残されていた。
しかし、RDの直感が的中し、廃墟の外に佇んでいた超大型四脚機動兵器「L.L.L.(Lady Long Leg)」が起動、レジスタンスに襲い掛かる。
ACのあらゆる武装が通用しない重装甲と強力なレーザーキャノンの火力を併せ持つL.L.L.を前に窮地に陥る一同。
しかし、レーザーキャノン発砲時の砲塔が弱点であることをロザリィが看破し、その情報を基に主人公は砲塔を集中攻撃、L.L.L.の破壊に成功する。
主人公の圧倒的な「力」を目の当たりにして、フランは絶句する事しか出来なかった。

作戦終了後、自身にリーダーの資質が無い事を認めてロザリィに謝罪するフラン。
しかし感情をぶつけあい、共に窮地を乗り越えた事で二人の間には友情が芽生えたらしく、ロザリィはフランを激励する。
一方、RDはそんな情に絆され始めたロザリィを非難し、主人公を置いて逃げれば良かったとまくしたてる。
ロザリィはRDの指摘を認めつつも、「あんたは私の命令を聞いてればいいの」と意に介さないのだった。
 
440ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 01:59:02.22ID:8+QOa3RS0[4回目]
・チャプター04
代表の信任を受けて街を実質的に支配し始めた企業は、警備部隊の意向をも無視して街中に奇妙な新兵器を配備し始めた。
もとより不利なレジスタンス側にとって未知の戦力の出現は脅威でしかない。もはや時間の猶予は無かった。
レジスタンス最後の反抗作戦が始まった。
代表が死ぬか、レジスタンスが全滅するか、全ての運命は今日この日に決まる。

作戦の詳細を伏せられたまま参加した主人公は、水没した沿岸部を通ってシティ低層区へ向かうことになった。
企業の配備したハゲワシのような未知の無人兵器「SCAVENGER」を排除し、低層区へ侵入する主人公。
低層区では無数の敵機に包囲され、強力な警備部隊ACまでもが出現したが、それらも排除に成功。
遂に作戦の準備が整った。

レオンは本作戦の目的がシティ行政区への侵攻、そして代表の拘束あるいは殺害である事を明かす。
既に歩兵部隊が行政区への侵攻を始めており、「ある仕掛け」が発動すると同時に攻撃が始まるのだという。
当然、主人公にも行政区侵攻への参加命令が下された。
主人公は低層区から沿岸区へ戻り、道を阻むヘリ部隊を迎撃しつつ合流地点の海上施設へ向かう。
輸送用トレーラーに乗って待っていたRDは、周囲に警備部隊がいない事を既に確認したと語り、トレーラーに乗るように促す。
「早く乗ってください。もう準備は出来てるんで……全部ね」


・チャプター05
レジスタンスは代表のいる行政区へ侵攻すべく、合流地点である海上施設へ向かっていた。
その道すがら、RDが主人公に語り掛けてくる。
本当にこの戦いに勝てると思うのか?代表や企業は半端じゃない、自分は死ぬのだけは絶対に嫌だと。
そして「この戦いが終わったら俺は……」と彼が言い掛けたその時、トレーラーに敵からの砲弾が直撃した。
RDがいたはずの操縦席は木っ端みじんに吹き飛んでいた。

やむなくトレーラーを降りた主人公はACの足で海上施設に向かう。
施設内には企業からの情報提供を受けた警備部隊が待ち伏せしていた。
警備部隊の兵器群、そしてSCAVENGERを排除すると、遂に警備隊長が自らのAC「警備部隊一番機」に搭乗して出陣する。
間違いなく強敵だったが、フランは主人公の力、そして勝利を信じていた。

「貴様も!企業の連中も!私の邪魔をするものは皆死ねばいい!」
怒り狂いながらビルの屋上から高威力スナイパーキャノンで狙撃してくる警備隊長に肉薄し、ダメージを与える主人公。
その時、海上施設沖合の洋上プラントに主任のハングドマンが現れた。
彼は「いやいや、ちょっとお手伝いをね!」などとおどけながらオーバード・ウェポン ヒュージキャノンを起動する。
発射された核砲弾に晒されたのは、主人公機ではなく警備部隊一番機だった。
警備隊長は「貴様は、貴様らは何者だ!?」と言い残して息絶える。
「ターゲットが違うようですが」」と指摘してくるキャロルに対し、主任はあくまでふざけた態度を崩さない。
更に主任は「あっち(主人公)が残った方が面白いよ」と言いながら再度ヒュージキャノンを起動した。
「見せてみな、お前らの力をさ」
彼はそう言いながら、次は主人公たちにその砲口を向ける。

ヒュージキャノンを連射してくるハングドマンに対し、主人公は海上施設を足場に、そして盾にしながら接近する。
また通信へ介入してきた企業に対し、「よくもあっさり味方を殺せるものだ」と激怒するレオンだが、
主任は「俺たちに敵も味方もいない。愛しているんだ君たちを!ハハッ!!」などと意味不明な戯言を吐き続ける。
とうとうプラントに辿り着いた主人公機はブーストチャージ攻撃を繰り出し、ハングドマンを一蹴。大破炎上させる。
それを見たキャロルは主人公の力を認め、「今この瞬間から貴方達は我々の敵」「この世界から消え去るべき敵です」と評する。
ハングドマンの上半身は主任の狂ったような笑いと共に爆散、その残骸は海中へと沈んでいった。
 
441ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 02:00:19.80ID:8+QOa3RS0[5回目]
・チャプター06
レジスタンスの反抗以降、他人を信じる事をやめた代表は行政区の市街そのもの巨大な要塞へと変えていた。
一方、遂に集結したレジスタンスは、何故か企業が介入してこない事に不安感を覚えながらも侵攻を開始する。
主人公の力を信じることでレジスタンスのリーダーとして覚醒を始めたフラン。
彼女の成長のきっかけになったロザリィに感謝するレオン。そしてRDの死に想いを馳せるロザリィ。
様々な思いが交錯する中、彼らの最後の戦いが始まった。

レジスタンスは行政区の送電設備を破壊(これが件の「仕掛け」である)。
電力供給を失った敵部隊は行政区内に点在する防衛拠点の自家発電装置に頼らざるを得なくなるが、
拠点に隣接するエネルギータンクを破壊すれば発電も不可能になり、拠点を無力化する事ができる。
主人公は警備部隊の攻撃を掻い潜って次々にタンクを爆破していく。
拠点を失い、停電により混乱した警備部隊を突破して行政区へ侵攻していくレジスタンス。

しかし、道半ばといったところでまたも企業が通信に介入してくる。
キャロルは「我々(企業)のこの街でのミッションは終了しました。レジスタンスが何をしようが我々の預かり知らぬことです」
「しかし、そのAC(主人公)だけは別、そのACだけは我々の存在を懸けて消去しなければなりません」などと謎めいた言葉を語る。
フランが「では目的は何なのか」と問うが、キャロルは「貴方がたにそれを知る権限はない」と答えると、市街にあのL.L.L.を投下してきた。
戦況は一気に絶望的になったが、フランは迷わず決断を下す。
どのみち主人公が狙われるなら敵を撃破するほかないと判断し、主人公にL.L.L.の撃破を命令したのだ。

拠点の無力化とL.L.L.の撃破、困難な二つのミッションを主人公は見事にやり遂げた。
それでも余裕を崩さないキャロルに対し、「あの腕利き(主任)も死んだことだし、アンタ内心焦ってるでしょ」と煽るロザリィだが、
キャロルは「浅はかな、誰が死んだというのです?」とバカにしたような声で答える。

一方、レオン率いる歩兵部隊は代表の牙城であるシティ中枢施設「塔」への侵攻を始めていた。
彼らが代表を捕える時間を稼ぐため、主人公は塔前の広場で警備部隊の残存勢力と交戦を続ける。
企業は更にAC「サイレントハウラー」を投入してくるが、それすらも撃破する主人公。
ちょうどその時、レオンから代表を拘束したという報告が入る。こうして遂にレジスタンスの勝利が確定した……はずだった。

次の瞬間、行政区上空に飛来した企業のヘリ部隊から「OOTHECA」が発射された。
その攻撃目標はなんと雇用主であるはずの代表がいる塔だった。
呆然とするフランの眼前で、塔は無数のミサイルに襲われ、あっという間に爆炎に?まれていった……
 
442ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:01:27.14ID:8+QOa3RS0[6回目]
・チャプター07
塔もろとも代表とレオンを葬り去った企業の軍勢はシティに対する無差別攻撃を開始した。
レオンの死に動揺するロザリィだが、フランは彼女を厳しい口調で諌めるとレジスタンスの撤退を指示する。
その勇ましい声に、かつての弱気でレオンの傀儡同然だった彼女の面影は無かった。
ロザリィも落ち着きを取り戻し、撤退ルートの指示を始める。

破壊され尽くした行政区から脱出する為に地下世界のスラムへ突入する主人公。
その時、通信に思いがけない声が割り込んでくる。
「聞いて下さいよ姐さん、ゲームに勝つ方法ってヤツです。バカなんで時間かかったっすけど」
そこに現れたACは、かつてのリーダーの機体ヴェンデッタを改修したAC「ヴェンジェンス」。そして搭乗者はRDだった。
「勝つ為には誰かが負ければいい、俺以外の誰かが!」
ロザリィにこき使われていた時からは想像できない強気な口調で襲い掛かってくるRD。
主人公はヴェンジェンスにダメージを与えたものの、RDが天性の直感で危機を察したのかトドメは刺しきれなかった。
「アンタたちの事は嫌いじゃない。だが俺を癒せるのは俺だけなんだ」彼はそう言いながら撤退していった。

更に地下世界を進み、奇しくもかつてリーダーを追って侵入した地下道へ入っていく主人公機。
そこに今度は死んだはずの主任が通信に割り込んでくる。
主任はRDのことを「一種の天才」と評したうえで、彼に裏切りを唆し、
(恐らくフランたちへの嫌がらせとして)ヴェンジェンスを与えたのは自分である事を明かす。

かつてリーダーが殺された地下治水施設で待ち構えていたハングドマン。
主任もまた「そのAC(主人公)には消えてもらわなければならない」と語る。
もはや理由を聞くこともせず、出来るものならやってみろと挑発するフラン。
「ホントは好きじゃないんだこういうマジな勝負ってやつはさ、俺の趣味じゃないしね」
「まぁやるんなら本気でやろうか!その方が楽しいだろ!ハハハッ!」

一対一の決闘は主人公の勝利で終わったかに見えた。
しかし、どう見ても致命的な損傷を負っているにも関わらず再起動したハングドマンは、
戦闘で倒壊したコンクリート付き巨大鉄柱を拾うと、
それに謎のエネルギーを注ぎ込み即席のオーバード・ウェポン マスブレードとして装備した。
「やっぱやるもんじゃないね、キャラじゃない事は……これだから面白いんだ、人間ってヤツは」
通信から聞こえる主任の声にはノイズが混じっているようにも思える。

触れたもの全てを破壊する鉄柱を振り回して襲い掛かってくる主任。
しかし、それでも勝ったのは主人公だった。
「ハハハハハ!そうだ!それでいい!最高だ貴様ら!!」
まるで自らの敗北を喜ぶような哄笑を上げながら、今度こそハングドマンは大爆発した。
 
443ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:02:29.46ID:8+QOa3RS0[7回目]
・チャプター08
企業の無差別攻撃によって街は崩壊を始めた。
その圧倒的物量を前に為す術の無いレジスタンスは、可能な限りの人員を連れて脱出する事を決定する。
主人公は撤退部隊の殿として作戦を支援する事になる。損な役回りだが彼にしか出来ない任務だった。

行く場を失った難民たちはロザリィの案内で付近の都市まで向かう予定が決まった。
たとえ辿り着いても諍いになることは目に見えているが他に手はない。
ロザリィだけならどこにでも行けるはずと彼女の立場を案ずるフランだが、
彼女は「あんたがリーダーじゃなかったらそうしてたと思うわ」と苦笑する。

港湾地帯での撤退支援が終わり、地下道から低層区へ向かう主人公。
そこに再びヴェンジェンスが立ちはだかる。
ロザリィの懇願も聞かず、「怖いもの(主人公)を消し去ればいい!」と言いながら襲ってくるRD。
「やっぱり大したことない!やっぱりやれるんだ俺は!」
返り討ちにされたにも関わらず、RDは何故か自信を増大させながら去っていった。
彼がああなった理由は自分にあると悔いるロザリィに対し、フランは「彼がそれを選んだだけ」と切り捨てる。

低層区ではまたもや装甲列車が現れ、市民脱出用ヘリを破壊しようと砲撃を仕掛けてくる。
次々に迫りくる敵機を撃ち落とし、4機のヘリを護り抜いた主人公。
頃合いと見たフランは主人公の脱出を指示する。
ロザリィはフランを先に出発させ、主人公機をヘリに係留して飛び立った。

低層区からの脱出したロザリィはフランと会話を交わしていた。
これから始まる行く宛の無い放浪は甘いものじゃないと警告するロザリィに対し、
フランは「でもあなたが来てくれる」と信頼を寄せる。
ロザリィは守銭奴の自分が変わってしまったことを自嘲するも、その声は爽やかだった。
しかし、彼女が「いっそ商売替えでも……」と言い掛けた次の瞬間、ヘリにスナイパーキャノンの砲弾が直撃した。
とっさの判断で主人公機を降下させ、自らは墜落していくロザリィのヘリ。
 
444ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:02:56.32ID:8+QOa3RS0[8回目]
発砲したのはRDだった。
雇い主のキャロルは主人公機を狙うよう指示していたが、RDはロザリィの回避により外してしまったと語る。
「さすが姐さんだよ。まぁ自分が死んだら意味無いけどね!ハハハッ!」
彼もまた、救いようがなく変わってしまっていた。

「俺からは逃げられないって知ってるはずでしょう?。死んでもらう、今度こそ」
手持ちの銃器を捨て、グラインドブレードを起動して襲い掛かってくるRD。
しかし、フランは動じない。
「あなたなんかにそのACは倒せない。死ぬのはあなたのほうよ」
「ああ!?やってみろよ!!」
激怒するRDだが、やはり勝ったのは主人公のACだった。
今度は逃げる事も出来ず、機体は爆炎を上げ始める。
「話が違うっすよ……俺は特別だって……死にたくない……」
かつての気弱な青年に戻ったような声で息絶えるRD。
ヴェンジェンスは爆発四散し、改修以前から機体を飾っていた鳥のエンブレムも焼け焦げていった。
まるで黒い鳥、レイヴンのように。

「あなたは恐ろしい人ね。何もかもを焼き尽くす。真っ黒に」
「それでも一緒に来てもらうわ。私があなたを雇い続ける限り、あなたが戦い続ける限り」
そう主人公を評するフラン。

一方、戦いを監視していたキャロルも通信に割り込んでくる。
「ええ、恐るべき相手です。あなた方は……何故です?私が間違っているとでも?」
それは誰に対して向けられているのか、何が間違っているのか、全てが謎の問いかけだった。

「ああ、ケリをつけようじゃないか」
爆散したはずの主任も通信に参加する。
キャロルは主任の名を呼ぶも「黙れよ、茶番はもう終わりだ」とその言葉を退ける。
まるで「主任」も「キャロル・ドーリー」も茶番劇のため用意された役名に過ぎなかったように。
その落ち着き払った声には、かつてのおちゃらけた態度は全く無かった。
「俺は見たいんだ、こいつらの本当の力を」
 
445ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:03:56.28ID:8+QOa3RS0[9回目]
・チャプター09
汚染地域を横切り、付近の都市へ向かう宛の無い旅に出たレジスタンス。
世界が荒廃する前に何があったのか、巨大な砂嵐が渦を巻き、
生きる者のない広大な荒れ果てた大地だけが彼らの眼前に広がっていた。
そしてなお、戦いは終わっていなかった。

キャロルの声は語る。
「実験は失敗でした。あなたたちはこの荒れ果てた大地に眠る者たちと同じ。
自らを滅ぼすと知りながら争う事を止められない。卑小で愚かな存在」

しかし主任の声はそれに反論する。
「俺はそうは思わん、戦いこそが人間の可能性なのかもしれん」
「証明して見せよう。貴様(主人公)にならそれが出来るはずだ」

謎めいた会話と共に、主人公機の前に謎のエネルギーを放つ異形の巨大機動兵器「EXUSIA」が現れた。
ACはおろかあのL.L.L.すら上回る火力。ACを瞬時に焼き尽くすレーザーブレード攻撃。
大空を自由に舞い、ACの銃撃を軽々と回避する機動力。
にも関わらず信じられないほど強固な機体構造。EXUSIAはまさしく最強の機動兵器だった。

地上から空中から、熾烈で回避困難な攻撃に晒され続ける主人公だが、
彼はそれを耐え凌ぎ、的確に反撃を与えていく。
やがてEXUSIAは致命傷を負い、全身から青白い爆炎を噴き出しながら爆散した。

それを監視していたキャロルは、事態をこう評した。
「ありえません、たかがACごときで」
「愚かな存在……しかし、一考の価値はあるのかもしれません」
「時間が必要です。完全なプログラムを作り上げる時間が」
「今は去りましょう。いずれ答えは出る筈です。もしあなたのような「例外」が存在するのなら」

こうしてシティでの戦いを終え、企業の追撃を振り切ったレジスタンスは、
宛ての無い放浪を開始したのだった。


・オーダーミッション
グラインドブレードを起動して襲い掛かってくるヴェンジェンス。
主人公機は成す術もなく、その刃に引き裂かれた……!

「どうしました?」
為す術なく殺されたかに思えた主人公の耳にフランの声が響いた。
彼が悪夢から目を覚ますと、ACを係留したロザリィの装甲ヘリは一年前にRDを葬ったあの港湾地帯を飛んでいるところだった。
「戻ってきたのね」
「ええ、あの時以来です。始めましょう、私たちの戦いを」

企業との戦いから一年後、シティ付近に帰還したフランとロザリィ、そして主人公ら元レジスタンスは、
様々な勢力が入り乱れる群雄割拠の戦場と化したシティの姿を目の当たりにする。
 
446ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:05:55.22ID:8+QOa3RS0[10回目]
警備部隊の生き残りや汚染地域を徘徊する無人兵器群、
主人公を老害と決めつけて挑んでくる無謀な若者、オリンピアと呼ばれる機体を駆る三兄弟とその母親。
「世に平穏のあらんことを」などと祈りつつ、多額のお布施をかき集めるカルト団体「ビーハイブ」、
様々な相手との戦いを繰り広げる中、やがてレジスタンスは二つの強大な敵と遭遇する。

うち一つは「MoH」と呼ばれる大規模傭兵ミグラント。
戦いの中でロザリィの本名は「コーデリア」であり、MoH創設メンバーの血族であることが発覚する。
どうやら彼女は力と面子に固執するMoHに嫌気が差し、自由に生きるために組織を抜け出したようだ。

ロザリィの実姉リーガンは「主人公を手に入れればMoHの中で力を失いつつある一族を復興できる」
「その為にはロザリィを抹殺しなければならない」という妄執に駆られ、
幾度も大規模部隊やACによる待ち伏せを仕掛けてくる。
しかし、主人公に幾度も敗れた事で彼女の立場は悪化していき、彼女に手を貸す者はいなくなっていく。
その様は側近兼ACパイロットのオズワルドすら「哀れな」と評する程だったが、
リーガンに忠義を誓う彼は最後まで彼女と一緒にいると誓うのだった。

一方、レジスタンスは黄道十二宮をモチーフにしたエンブレムと数字のコードネームを持つ謎の白いAC、
そしてそれを指揮する装甲ヘリと遭遇する。
明らかに通常のACより高い戦闘能力を持つ彼らは、機体が半壊した状態でも襲い掛かってくるなど、
「まるで戦う為に戦っているよう」に思える異常な集団だった。
装甲ヘリから指揮を下す女性オペレーター「アンジー」の言動はかつての企業を思わせる雰囲気だったが、
フランは「企業とは何かが違う」という印象を覚えていた。

遂に迎えたMoH……いや、リーガンとの最終決戦。
撤退を禁じられ、自前の戦力を失った主君を護るため鬼神の如く奮闘するオズワルドだったが、遂に力及ばず敗れ去る。
リーガンは彼の犠牲をも無視してロザリィ殺害に固執するも、そこにあの謎の白いACが現れる。
「あれは!?ゾディアック!?」
直後に白いACの攻撃を受けて撃墜されるリーガンの装甲ヘリ。
ロザリィは彼女の事を「大嫌いだった」と評しつつながらも、内心ではその死を悲しんでいるようだった。

白いACを操る謎の部隊「ゾディアック」は主人公を敵として認定。次々に攻撃を仕掛けてくる。
そのうちの一人、No8は主人公に「貴様は敵なのか」と問うと同時に、謎めいた言葉を投げかけてきた。
「勝つ事のみが我らの存在する意味。貴様が我らの強さを乗り越えるというのならば、
ミッションは終了する。我らは失敗作だったという事だ」
要するに彼はゾディアックがすべて倒される事を望んでいるらしい。しかし何故?
 
447ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:09:11.02ID:8+QOa3RS0[11回目]
戦いの中で数を減らしていくゾディアックは、やがてAC一機を捨て駒にして不意討ちを仕掛けたり、
主人公一機を二機で挟撃するなど手段を選ばなくなっていく。
「変わっちまったなぁアンジー!」
「文字通りプロジェクトに全てを捧げたって事?体も脳髄も、つまり心も?」
「要らないわよねぇ心なんか!それで勝てるって言うんならさ!!」
ゾディアックの正体をほのめかす会話を聞きながら、熾烈な攻撃を掻い潜り、彼らを撃墜する主人公。
「ヒドイ冗談よね、勝つために人形になったのに、それでこのザマ。
何が望みだったのかなんか、もう覚えちゃいないけどさ……ハハハハ!!!」

そして迎えたゾディアックとの最終決戦。残る彼らのACはNo2、No8のみ。
「アンジー、一つ聞きたい。我らが全て居なくなった時、お前はどうなる?」
その問いに答えずに主人公の到来を知らせるアンジー。
「行くぞNo8、我ら二人に勝るものなどあってはならない」
「知っているさNo2、その為に我らは生まれ変わったのだ。始めよう、我々のミッションを」
温存していた最強の戦力を投入したゾディアックだったが、勝ったのは主人公だった。
「ミッションの失敗を確認、機能停止します」
アンジーが乗っていた……いや、操っていたのであろう装甲ヘリは自らその機能を停止。墜落した。

結局ゾディアックとは何者だったのか、誰に操られていたのか、
全ては謎のまま終わった。しかし、どこか爽やかな声で会話を交わすロザリィとフラン。

「戦う事、強さ、そんなのが特別な事なのかしらね」
「いつか、あの男も言っていました。それが我々の可能性なのかもと」
「ま、どうでもいいわよそんなの。私はもう嫌なの。誰かの思惑で生きるなんてさ」
「だからあがくだけ、やりたいことをやるだけよ」
「やりたい事って……例えば?」
「決まってるじゃない。お金儲けよ」

この過酷な世界を生きるレジスタンスの、そしてミグラント達の戦いの日々は続く。

(完)
 
448ARMORED CORE Ⅴsage2022/01/31(月) 02:45:18.12ID:8+QOa3RS0[12回目]
※補足
・主任はなんで死ななかったのか、企業とはなんだったのか
恐らく主任やキャロルは文明荒廃する以前に作られた人工知能(と思われるが確証はない)。
「企業」とは荒廃した世界で人類を生存させる、あるいは人類に生き延びる価値があるかを見定める為の存在。
作中で起きた出来事は彼らの「実験」の一環であり、キャロルはレジスタンス、ひいては人類を滅ぼすべきと考えていたが、
主任は「例外」である主人公の力に可能性を感じ、それは早計だと判断していた。
最終的に主人公の力を見たキャロルも主任の仮説に同意を示し、経過観察する事になった模様。

・RDはなんだったのか
彼の本名はレイ・ドミネイト。
アーマード・コア的にドミネイト=ドミナントとは先天的に戦う事に優れた適性を持つ人間の事。
(この辺りの詳細は『アーマード・コア ラストレイヴン』のストーリーを参照)
RDの直感は本物であり、触れたばかりであろうACで戦える才能があったことを考えると、
彼にも「例外」になり得るポテンシャルはあったんだろうが、それを開花させる間もなく主人公に敗れて死亡した。

・ゾディアックとはなんだったのか
かつて存在した巨大な権力機構によって「デザインド」を施されたパイロットたちの成れの果て。
デザインドとは脳組織以外の肉体を殆ど機械化した強化人間のようなもので、
かつて世界を荒廃させたという「特殊な兵器を操る、驚異的な力を持つ戦闘の天才」に対抗する為に生み出された存在らしい。
仕えるべき権力機構を失った彼らは、ただ自らの存在意義を求めて戦い続けてきたのだろう。

なお、以前のシリーズ経験者なら「特殊な兵器を操る、驚異的な力を持つ戦闘の天才」という言葉に何か思うところがあるだろうが、
この辺りは続編の『ARMORED CORE VERDICT DAY』でより掘り下げられていくことになる。
 
449ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 06:45:45.19ID:E2Z9CAjb0[1回目]
乙!
 
450ゲーム好き名無しさんsage2022/01/31(月) 13:41:53.51ID:gmwkfix40[1回目]
乙です 読んでて面白かった
未プレイだけど台詞は断片的に動画とかで聴いたことあってキャラの演技が魅力的だよね
特に「主任」の演技が狂気がかっててすごい
声優さんが亡くなったのが惜しまれる
最終更新:2022年04月23日 22:52