トワイライトシンドローム~探索編~

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<p><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></p> <p>part37-150~153,173~176,210~213,216~219,227,231</p> <hr width="100%" size="2" /><p><br /></p> <dl class="thread"><dt>150 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/11(火) 01:16:52 ID:WlarT6rD0</dt> <dd>トワイライト投下します。<br /> 2ディスクでかなり長いので、ちょっとずつ書いていこうと。<br /> マルチエンドなので、大吉エンドにしぼります。<br /><br /> 主人公達<br /><br /> 【長谷川ユカリ】<br /> メイン主人公。雛代高校の2年生。帰宅部(元バスケ部)。<br /> 美人でスタイルも良く、強気で大人びた、スーパークールな女子高生…<br /> というのはうわべで、彼女の取っているポーズに過ぎない。<br /> やせがまんする性格だが、両親の離婚、失恋、強がる結果孤立すること、色んな悩みに揺れ動く16歳の少女。<br /> 探検のリーダーだが、実はオカルト嫌いで怖がり。<br /><br /> 【逸島チサト】<br /> ユカリのおさななじみであり親友、クラスメイト。弓道部。<br /> 古風な家で長女として育った、無口でおだやかな少女。<br /> ハッキリ言って、地味でダサくてパッとしない女子高生。でも珍しい位の人格者で、幼い頃からユカリをずっと支えてきた。<br /> 強い霊感があり、またそういうものに正しい理解を示す、探検のキーマン。<br /> それだけに、危険な事に面白半分で首を突っ込むミカやユカリを心配している。<br /><br /> 【岸井ミカ】<br /> 雛代高校の一年生。バドミントン部&ラクロス同好会。<br /> イマドキ(96年当時)の女子高生。茶髪にミニスカ、ルーズソックス。<br /> 自由奔放、楽しければオッケー。話題の中心にいるのが得意だし、好きでもある。<br /> 子供っぽい同級生達に飽き足りず、アコガレのユカリセンパイと親しくなろうと計画する。<br /> 張り巡らしたネットワークから、あやしげなウワサを次から次へ仕入れてくる、探検の発案者。<br /><br /></dd> <dt>151 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/11(火) 01:23:18 ID:WlarT6rD0</dt> <dd>『はじまりの噂』<br /><br /> どこの学校にも、怖い噂はある。この雛城高校にも…。<br /> ユカリ、チサト、ミカの3人は、夜更けに旧校舎に忍び込んだ。<br /> 3F女子トイレに出る、おかっぱ少女の霊のウワサを検証する為だ。<br /><br /> こんなことして大丈夫かな?と心配するチサトに、ミカは<br /> 「来といて何言ってんですか?大体私、イツシマセンパイ呼んでませんけどー?」<br /> ユカリが、私が呼んだの!チサトだって先輩なんだからちゃんと気ィ使いなさいよ、とたしなめる。<br /><br /> 問題のトイレまで行くと、ある個室が封鎖されていた。噂は、本当かも…。<br /> 霊の呼び出し方は、三回回ってノック。やってみたが、何も起こらなかった。<br /> 女の子を呼び出せたら、願いが叶う、という噂だが、デマだったらしい。<br /> しょうがないので帰ろうとした時、チサトがユカリを呼び止める。<br /><br /> 「ごめんねユカリちゃん、実はわたしも、このウワサ知ってるの…」<br /> チサトは、昔誰かから聞いたことがあるらしい。<br /> 大筋は一緒だけど、呼び出し方が少し違う。3回回った後に、「キックキックトントン、キックキックトン」と唱えるらしい。<br /> そうすると、女の子は一緒に遊びたくて出てくる、という所も違う。<br /> 試してみたが、何も起こらない。<br /><br /> そもそも、ユカリと親しくなりたくて探検を計画したミカは、チサトが来たこと自体が気に食わないので、嫌味を言う。<br /> ミカと、黙ってただ何かを案じているチサトを促して、ユカリは帰ろうとする。<br /> が、おしっこしたくなって、ユカリ一人でトイレに戻る。<br /> 用を足して、手を洗おうとすると、おかっぱの少女が、鏡に映りこんでいた。<br /><br /> ひたすら走って女の子から逃げる。<br /> 女の子は、「どうして逃げるの?遊ぼうよ」と言いながら追いかけてくる。<br /> 階段の繋がりがめちゃくちゃになって、1Fに降りられない。3人は屋上へ逃げ込む。<br /> おかっぱの女の子は、3人のすぐそばまで来て、こう言って笑った。<br /><br /> 「このくらいで怖がってちゃだめだよ。おねえちゃんたち、これからもっと怖いものを見るんだから」<br /><br /><br /></dd> <dt>152 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/11(火) 01:29:57 ID:WlarT6rD0</dt> <dd>第一の噂『心霊写真量産公園』<br /><br /> ミカは友達のキミカに、ある写真の事で相談された。<br /> キミカが彼氏と2ショットで写っているが、赤い光のようなものが、二人の首を切断するように横切っている。<br /> あんたオカルト好きだったでしょ。どうしたらいいか知らない?と聞かれて、<br /> 私にまかしときなって!と、その写真を借り受ける。<br /><br /> ミカが、ユカリに写真を見せに来た。<br /> また来たの?なんか君、なれなれしいな…とユカリは邪険に扱うが、ミカは語尾にハートをつけまくって、写真を見せてくる。<br /> くだらない、現像ミスか何かでしょ、と取り合わないユカリに、ミカは、<br /> 私霊媒体質だからわかるんですよ♪つよ~い霊気がこの写真に!と食い下がる。<br /><br /> ユカリは、専門家に聞くか、とチサトに写真を見せる。<br /> まさか、と尋ねるミカに、ユカリは、「そう、チサトは本物の霊媒体質。」と答えるが、今度はミカが信じない。<br /> チサトは、この場所に行って見ないとわからないと答える。<br /> ミカは、じゃあ行ってみよう!と強引に誘い、夜に探検に行くことになってしまった。<br /><br /> 問題のスポットは、I公園の鳥居がある駐車場。目的は、心霊写真を撮ること。<br /> 公園に入り、設置してある地図で駐車場の位置を確認して、こうべ橋に向かう。<br /> 途中で、古い地図を見かけて、もう一度道を確認する。<br /> こうべ橋を渡る時チサトが、よくない感じがする…と言い出す。<br /> 階段を登って駐車場で記念撮影。チサトがユカリとミカを撮り、元来た道を帰る。<br /><br /> 帰りに、公衆トイレで怪奇現象。トイレを出ると、犬と目の見えない老人に会う。<br /> 坂井さんと盲導犬のフィラストー。公園の見回りが日課らしい。<br /> 鳥居のことを尋ねると、あんな所で写真を撮った!?いかん、すぐ焼きなさいと言われる。<br /> 別れてから、ミカはせっかく撮った写真を誰が焼くモンか!バカじゃないの と息巻く。<br /> そして、何かを心配するチサト。一日目終了。<br /><br /></dd> <dt>153 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/11(火) 01:32:56 ID:WlarT6rD0</dt> <dd>焼却炉の前に居たチサトの所に、ミカが駆けつける。<br /> 現像した先日の写真を、有頂天になって見せてくる。<br /> 見てみると、ミカとユカリの首に赤い光が走っていて、二人の頭は切断されたように体からずれていた。<br /> チサトは、一目見てよくないと心配する。その反応に、ミカは、じゃあ本物!と喜ぶ。<br /> 捨てたほうがいいとチサトは説得するが、ミカはどこ吹く風。<br /> チサトは、もう一度見せて…とミカから写真を受け取り、そのまま焼却炉に投げ入れて燃やしてしまう。<br /> 「…最低。逸島先輩、今の行為は、ちょっとした噂になると思いますよ。」ミカは走り去っていく。<br /><br /> 放課後、ミカがユカリに直談判に来る。<br /> 代償に、もう一回一緒に探検しよう!というミカの要求を、今回はこちらに非があるからね、と受けるユカリ。<br /> やっぱり何かを心配するチサト。<br /><br /> また鳥居のある駐車場を目指すが、チサトが気になるものがあると言い出す。<br /> それは、この前見た古い地図。もう一度よく見てみると、今駐車場のある場所に、居ノ頭神社 と記してあった。<br /> 神社を潰して、駐車場を作った。だから鳥居があったんだ…と納得するミカとユカリ。<br /> チサトが、「理由があったからそこに在ったのに…こわしちゃいけなかったのに…これじゃいつ誰かが傷ついても不思議じゃないよ!」<br /> と珍しく怒る。<br /><br /> こうべ橋が、その先に渡るのを拒むように、歪みその距離を伸ばす。下の水面からは、いやな気配が立ち上る。<br /> それを振り切るように、ひたすら走り、向こう岸へ着く。<br /><br /> 階段を登り鳥居をくぐった時、ユカリは舗装されていない地面と、赤い空を幻視し、生臭い匂いをかいだ。チサトにも見えているらしい。<br /> 「…刑場だったんだよ、きっと。」<br /> お社に抑えられていた怨念が噴出し、ここは危険な場所になってしまっている、とチサトは語る。<br /> 怖がり、帰ろうとするミカをとどめて、階段下に戻って会話していると<br /> 駐車場からトラックが押し出されるようにバックして、斜面を転がり落ちてきた。<br /> チサトは避けそこね、池に落ちてしまう。<br /><br /> 沈んでいくチサトは、池の中で怒り狂う無数の首(こうべ)を感じていた。<br /><br /> チサトが気が付くと、坂井さんが介抱してくれていた。他の二人は助けを呼びに行ったらしい。<br /> 坂井さんは、あそこが昔首切り場だったこと、切られた首は斜面を転がり、池へ落ちていたこと<br /> お社が長い間霊を供養していたこと、そのお社が壊されて、霊たちが怒っていることを教えてくれた。<br /> 心配するチサトに、坂井さんは大丈夫だと請合う。坂井さんには仲間が居て、何かアテがあるらしい。<br /> 坂井さんにお礼を言い、検証終了。<br /><br /> 翌日、チサトはお礼がしたくて坂井さん宅を探している内に、坂井さんが昨日のあの時間、すでに亡くなっていた事を知る。<br /> そして、後日。あの駐車場には、小さなお堂が建った。随分前から市民団体の要望があったらしい。<br /> 坂井さんが約束してくれたのは、この事だったのだ…。<br /> チサトは今も覚えている。あの日、旅立つ前に最後の日課を終わらせようと、少し急いで去った坂井さんの姿を…。</dd> </dl><br /><dl><dt>173 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/12(水) 00:58:43 ID:P+3oLh7D0</dt> <dd>第二の噂<br /> 『音楽室のM・F』<br /><br /> 「奥野先生、奥野先生、至急音楽室までおこしください…」<br /> 雨の校舎に、女生徒の声で放送が響く。呼ばれた教師が渡り廊下を渡っていく。<br /> 音楽室の扉を開いた彼が見たのは、薄闇から伸びて宙に揺れる、二本の足…。<br /><br /> 今、雛代高校は事件に沸いている。音楽室で、女子生徒が首吊り自殺をしたのだ。<br /> 彼女のイニシャルは、MF。この噂の最大の目玉は、彼女が死んだ原因。<br /> MFは、音楽教師の奥野先生とデキていて、フラれてあてつけに自殺した…というウワサが、学校中に蔓延していた。<br /><br /> 生物室で、教育実習生の北村に、カギを貸してと頼むユカリ。<br /> 前回、夜中の学校を探検した時も、北村にカギを借りておいたのだ。<br /> 「バレたら、教職の単位全部パーだ。」とぼやく北村に<br /> 「大丈夫だって。カズヤならいい先生になれるよ。」と返すユカリ。<br /><br /> ユカリは、北村カズヤと雨の中で出会った。<br /> 自転車のチェーンが外れて困っていたユカリを、カズヤが助けてくれたのが出会いだった。<br /> そして二人は、教育実習生と生徒、という許されない関係にもかかわらず、秘密の交際を始めた。<br /><br /> だからかも知れない。ユカリは今回のウワサにいつになく関心を持っていて、<br /> 封鎖されている音楽室に夜忍び込もう、というミカの誘いを受けていた。<br /> チサトも含め3人で、カズヤから借りたカギで自殺現場を目指す。<br /><br /></dd> <dt>174 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/12(水) 01:01:57 ID:P+3oLh7D0</dt> <dd>目的は、奥野とMFの関係を検証すること。<br /> 奥野の私室化している音楽準備室に、二人の関係を裏付けるものがないか調べる。<br /> 特に収穫がなく、(カレンダーを調べるとチサトが反応するが、何も言い出さない。)ミカがMFのウワサの最新版を話し出す。<br /><br /> MFことフジタマユミは放送委員で、奥野と交際してからは、お互いを校内放送で呼び出して逢引していた。<br /> しかし奥野はMFを捨て、MFは校内放送で奥野を呼び出し、奥野が音楽室に来る前に自殺した。<br /> そして、今でも奥野に呼び出されるのを待っていて、校内放送で呼ぶとMFが現れるというウワサ。<br /><br /> 証拠がない以上、MFの霊を呼び出してほんとのとこを聞きましょう!というミカは、<br /> 二人を引っ張って放送室に連れて行く。<br /> そこで、もう一つのウワサをミカが話し出す。<br /> 放送室から音楽室は距離がある。フジタマユミが奥野が来るより前に戻って自殺できたのは何故か?<br /> そもそも、フジタマユミの死体は、発見された時すでに、死後数時間が経過していたという…。<br /><br /> とりあえず校内放送を流す。<br /> 「フジタマユミさん、フジタマユミさん、奥野先生が音楽室でお待ちです…」<br /><br /> 音楽室に戻る途中、校内放送で音楽が流れ出す。曲名は『RAINY』。誰も居ないはずなのに…。<br /> 音楽室は何も起きていなかった。あきらめきれないミカと、釈然としない思いに押されて、ユカリももう一度準備室を調べる。<br /> ミカが、カレンダーが先月のだ、とめくろうとして落としてしまう。<br /> 隠れていた壁には、たくさんの文字が書き連ねられていた。<br /><br />  今日夢で先生に会った。<br />  ちょっぴり冷たくて、やっぱり素敵だった。<br />  先生、『RAINY』少し弾けるようになったよ。<br />  中間終わったらまたピアノ教えてね<br />  先生、プレゼント嬉しかったよ。<br />  新人の河合、けっこう可愛いけど浮気するんじゃないゾ<br />  今日、女子が先生の悪口いってるのきいちゃった。<br />  その子のうわばき、今しょうきゃくろ。私、悪いコです。<br />  先生、私ずいぶんここで待ってます。<br />  放送かけたのに、聞いててくれなかったの?<br />  雨が降ってきた…先生、私カサ持ってないよ<br />  先生、どうして来てくれないの?私のこと嫌いになったの?<br />  先生…<br />  超最悪!誰かアイツを殺して!<br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して <br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して<br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して <br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して<br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して <br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して<br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して <br />  殺して 殺して 殺して 殺して 殺して<br /><br /></dd> <dt>175 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/12(水) 01:03:47 ID:P+3oLh7D0</dt> <dd>証拠を見つけて喜び、いるんですよねー、こういう少女漫画を地でいくヤツ と笑うミカ。<br /> 「死ぬ程追いつめられるってどんな気持ちか考えたことないの?」とユカリがたしなめるが、<br /> ミカは「あるわけないじゃないですか。大体、ここまでいっちゃうと病院行きですよ」<br /> 中2の時もらったラブレター思い出しちゃう。あの時はクラス回し読みの刑にしてやりましたけど。とふざける。<br /> 珍しく、それに食ってかかるユカリ。<br /> 「他人のプライバシー暴き立てて喜んでるアンタの方が、よっぽどオカシイわよ!」<br /> 「あれー、カウンセリング受けんのアタシですかー?何この人、突然マジになっちゃって。超ムカつくんですけど。」<br /><br /> 険悪な雰囲気になるが、ひとまず帰ることにする。<br /> が、音楽室の空気がおかしい。チサトが警告する。<br /> 「気をつけて…彼女、来てる。」<br /><br /> なんとか逃げ出すが、気付くとミカがついてきていない。<br /> はぐれたのか、と廊下でしばらく待つ間、チサトと話をする。<br /><br /> ユカリは、フジタマユミとどこか似てること。<br /> ユカリも思いつめる性格なこと。<br /> だから、自殺した本当の原因が知りたかったこと。<br /><br /> そして、出るとこに出て、奥野に思い知らせてやりたい、というユカリをチサトが止める。<br /> そんな事しても、彼女はいなくならない。それより、カレンダーの事、皆に知られるほうが嫌だと思うよ。<br /> ユカリちゃんは少し、この事件に思い入れが強すぎる。あまり自分と重ねすぎないで。引きずられてしまうよ…とチサトは心配してくれた。<br /><br /> 余りに遅いミカを探しに、音楽室に戻る。<br /> ミカはピアノを弾いていた。いや、それはミカに憑依したフジタマユミだった。<br /> チサトの説得にもフジタは応じない。ユカリもフジタに話しかける。<br /><br /> ねぇフジタ、アンタの事わかるって思ったけど、今は全然わかんない。<br /> 何の為に奥野を待つの?復讐なの?まだ好きなの?<br /> 好きなら何故傷つけるの?それとも、死にたくなるくらい好きだったの?<br /> ねぇ教えて、フジタマユミ<br /> 好きになるのって、死ぬほどつらいことだった…?<br /> 私に教えてよ…<br /><br /> ユカリに共鳴したのか、フジタがぽつりと呟く。<br /><br /> 先生…私の先生……<br /> …指輪…シルバーのムーンストーン………ずっと一緒だよね?…<br /><br /></dd> <dt>176 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/12(水) 01:08:32 ID:P+3oLh7D0</dt> <dd>彼女は暴走を始め、ユカリとチサトは逃げ出す。<br /> 奥野に電話をかけて、学校に来てフジタに謝るように説得する。<br /> 初めは取り合わなかった奥野だったが、カレンダー裏のことを持ち出すと、態度が変わった。<br /> あれは、僕が消しておいたはずだ…とうろたえる奥野。<br /> とどめに、ムーンストーンの指輪をプレゼントした事を暴いてやると、奥野は電話を切る。<br /><br /> 保健室で、ミカに効く気付け薬を探していると、誰かが廊下を歩く気配がする。<br /> 慌ててミカを連れに行こうとすると、ミカはもう元に戻っていた。<br /> 早く!奥野が来た!と報告するミカ。<br /><br /> 奥野先生はピアノの前に佇んでいた。<br /> そして、君達は帰りなさいと言う。どうしようもないので帰宅して、翌日音楽準備室を訪ねてみる。<br /> 奥野先生は、あの後ずっとフジタが好きだった曲を弾いていたと言う。彼女の気配を感じながら。<br /> かける言葉も思い浮かばず、立ち去ることも出来ず、彼女の気配が消えるまで、ずっと弾いていた。<br /><br /> それ以後、フジタのウワサは廃れていき、奥野先生は転勤が決まった。<br /> 彼女の気持ちは、ユカリ達にもわからない。<br /><br /> 音楽準備室のカレンダーがひとりでに落ちる。そこには<br /><br /> あ り が と せ ん せ い<br /><br /> と書かれていた。<br /><br /></dd> </dl><dl><dt>210 :<a href="mailto:sage"><b>ゲーム好き名無しさん</b></a>:2008/03/14(金) 21:06:49 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>トワイライト、続き投下します。<br /> この話は、2年二人とミカがやっと友達同士になった感じがして結構好きです。<br /><br /></dd> <dt>211 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/14(金) 21:08:10 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>第三の噂『最終電車』<br /><br /> 放課後、カズヤに話しかけるユカリ。<br /> だが、カズヤはよそよそしい。フジタマユミ事件以来、過敏になっているらしい。<br /> 校門で会おう、と言ったが、カズヤは来なかった。<br /> 家では、母がカバンをこっそり覗き、何か見つけては、<br /> 離婚した父と、ユカリへの責任について電話でケンカを始める。<br /><br /> 気晴らしに電話をかけるが、チサトは部活で帰ってない、カズヤはずっと留守電。<br /> しょうがなくミカにかけると、ミカは大喜びした。<br /> 面白い話があるから、と夜会うことになる。<br /> 3人でファストフードで待ち合わせ。事故が多発している村山台駅を探検することになる。<br /> チサトが 行かないほうがいい、と言い出してミカが反発する。<br /> 逸島センパイは帰っていいですよ と言うミカをなだめて、3人で行くことに。<br /><br /> 村山台駅には色々な噂がある。その一つが、子供の幽霊の噂。<br /> 小さな男の子が、母親が目を離した隙に、何かを追いかけるように線路へ落ちて、電車に轢かれたらしい。<br /> それ以来、その子が出るとか…。<br /><br /> 終電の終わった駅へ潜入。目的は心霊写真を撮ること。<br /> OLの霊が出るという連絡橋を目指す。<br /> すぐそばを、車庫に帰る電車が猛スピードで駆け抜けていく。この時間人がいないので、飛ばしているようだ。<br /> 連絡橋を渡り始めると、、角に消えるOLが…<br /> 終電逃したOLだったら笑い話なので、追いかけて確かめる。<br /> チサトが止めるが却下され、反対側のホームに降りて、探索を始める。<br /><br /> 何も起こらず、ミカがチサトに当たり始める。<br /> 「なんだかなー。もしかして逸島センパイって、けっこう目立ちたいヒト?<br /> いっつも、意味深なこといってさー、結局何もないじゃん。」<br /> その時、 ゆるせない と小さな女の声がミカの耳に届く。<br /> 次の瞬間、ミカの体は、ホームから突き飛ばされていた。<br /><br /> 線路に落ちると同時に、回送電車が突進してくるのが見えた。何とか回避するミカ。<br /> ホームでは、ユカリがチサトを見て呆然としていた。<br /> ミカの隣りにいたのは、チサトだった。チサトは、私やってないよと否定する。<br /><br /> あのOLさんは、何か許せないことがあって、自殺してしまった。<br /> そしてやっと怒りを忘れて、自分の死を受け入れられそうだったの。だからここで何かを待っていた。<br /> 生きてる私達を見せちゃだめだったの。決心が揺らいじゃうから…<br /><br /> チサトはそう言い、這い上がってきたミカを見て駆け寄った。<br /> 心配するチサトに、ミカが怒鳴りつける。<br /> 「今更何ツクってんの!?<br /> センパイ、私のこと殺したいくらい嫌い!?こんな形でしかフクシュウできないなんて、超暗いよ!!」<br /> チサトは否定するが、ミカは収まらない。<br /> ミカはチサトをいいかげんな人と非難し、一緒にいたくないと叫ぶ。ユカリが怒り、チサトを引っ張って帰ってしまう。<br /><br /></dd> <dt>212 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/14(金) 21:10:25 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>一人になったミカは、自分も帰ろうとして歩き始める。すると公衆電話が鳴り出す。<br /> 取ってみると、若い男が、待ち合わせに遅れたことを弁解しはじめた。<br /> 調子を合わせていたが、バカバカしくなって切ると、ポケベルが鳴る。<br /> 誰のベル番かわからないので、その公衆電話からかけると、さっきの男に繋がった。<br /><br /> 「ほんとごめん!言い訳する気はないんだけどさぁ、でも行けなかったんだ!<br /> 踏み切りでさぁ、気が付いたらさぁ、ないんだよ!」<br /> アタシじゃないよ…と言うミカを無視して、男は続ける。<br /> 「ないんだよ…オレの足が両方とも!そんで周り見たら、オレが散らばっててさぁ!」<br /><br /> 切ってもまた電話が鳴る。取ってみると、<br /> 「でもさぁ、もうちょっと待ってくれよ!会いたいんだ!<br /> 今度こそ遅れないからさぁ、そこで待っててくれよ!」<br /> ミカは走って改札のあるホームへ渡るが、階段を下りるとそこは元居たホーム。そして電話が鳴り始める。<br /> 「帰してよぉ…」ミカはしゃがみこむ。<br /><br /> その頃、ユカリとチサトは連れ立って歩いていたが、急にチサトが立ち止まった。<br /> 「ユカリちゃん、やっぱり戻ろう!」<br /> 岸井さん一人じゃ危ないよ、とチサトは駆け出し、ユカリも続く。<br /> 駅に着いて探し回ると、公衆電話のそばでミカがうずくまっていた。<br /> もう行っちゃったから大丈夫だよ とチサトがミカを励まして、無責任に置いて帰った事をあやまる。<br /> ミカもチサトにあやまり、3人とも仲直りする。<br /><br /> 改札側のホームに渡ると、さっきいたホームに酔っ払いがいるのが見える。<br /> 電車が通過すると、酔っ払いは消えていた。<br /> 自動販売機のそばに、小さな男の子が現れて、消えた。<br /> チサトが、あの子がいる場所を見つけて!と言い出して、ホームを探し回る。<br /> 階段のそばに、花が供えられていた。<br /><br /> チサトが霊視する。<br /> あの子は、はじめて自分でジュースを買うことになって、うれしかったらしい。<br /> でも、自動販売機に駆けていく途中、お金を落としてしまった。転がる小銭を追いかけて、線路に落ちてしまい…。<br /> 3人は、あの子の為にジュースをお供えした。<br /><br /></dd> <dt>213 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索編~</b></a>:2008/03/14(金) 21:12:14 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>連絡橋をもう一度登ると、何か違和感がある。ここは線路二本で2.3番ホームまでしか無いはず。<br /> じゃあ、この先は、何?<br /> 現れた4番ホームへの階段を、さっきのあの子が降りていく。<br /> 3人もそれに続き、あるはずのないホームへ。<br /><br /> 時刻表には、「夕闇ヶ丘行き」の文字。駅員がいて、ごく普通の調子で、最終電車が出るよと言う。<br /> 見たことの無い電車が止まり、誰もいないホームに扉を開いた。<br /> 記念に写真を撮り、乗らずにやりすごすと、駅員が、黒くなって消えていく。<br /><br /> ふと気付くと、3人は線路脇の小さな墓地に立っていた。<br /><br /> 後日。駅のいろんな所で撮った写真を3人で見ていると、最後の写真で手が止まった。<br /> あの日、3人と駅員しかいなかったはずの4番ホーム。あの電車に、無数の白い人影が乗り込むのが写っていた。<br /> あの駅にいた色んな人は、あの電車を待ってたのだろう。<br /> 彼らの終着駅、夕闇ヶ丘。どんな所かは分からないが、きっと静かで安らかな所だろうと思うのだった。<br /><br /></dd> <dt>216 :<a href="mailto:sage"><b>ゲーム好き名無しさん</b></a>:2008/03/14(金) 22:38:53 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>トワイライトもいっこいきます。<br /> この話は、時間制限こそあれ、箸休め的な感じで気楽です。一番好きかも。<br /><br /></dd> <dt>217 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索~</b></a>:2008/03/14(金) 22:40:02 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>第四の噂『雛城高校の七不思議』<br /><br /> 七不思議を検証することになる。<br /> 七不思議を検証するには、一つだけルールがある。それは、日が落ちてから、日付が変わるまでに調べ終わること。<br /> そうしないと呪いがかかる…という噂。<br /> ミカが言うには、雛城高校七不思議とは<br /><br /><br /> その1、『新校舎の13階段』<br />     夜になると、二段増えて13段になる。それを数えてしまった者は、そこで死んだ男子生徒に縁へ追い詰められ、落とされてしまう。<br /><br /> その2、『呪われた石膏像』<br />     美術室の石膏像に、一つだけやけに軽いものがある。それは、本物の頭蓋骨が埋め込まれていて、中が空洞だから。<br /><br /> その3、『幽霊の話し声』<br />     図書室の奥の部屋から、夜中に話し声が聞こえる。何人かがわめくような声や、苦痛にうめくような声。結構聞いた人がいるそうだ。<br /><br /> その5、『動き出す骨格標本』<br />     生物室の骨格標本は、決まった時間に動き出す。霊が憑依して、動かしにくい標本から、人間に乗り移ろうとして探しているらしい。<br />     <br /> その6、『開かずの掃除用具入れ』<br />     中庭にあるプレハブの掃除用具入れの中には、黒猫の死体が入っている。夜中にその猫が鳴く間だけ、扉を開けることが出来る。<br />     <br /> その7、『陸上部員の幽霊』<br />     ひたすら走る。夜のトラックをひたすら…<br /><br /> 「その4。」<br /> 「は?」<br /> 「その4抜かしてる。作り忘れたのか?」<br /> 「またそーゆー事言う~。えーと、4番…4番……?じゃあ、こうしましょう!<br />  その4は、数学教師Nと、体育教師Tはホモで、デキている~!」<br /> 「………。」<br /><br /> いきなり七不思議の信憑性自体が薄れるが、検証を開始する。8時開始で12時までに検証終了しなければならない。<br /><br /></dd> <dt>218 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索~</b></a>:2008/03/14(金) 22:42:24 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>まず、一番近い生物室で『動き出す骨格標本』を検証。<br /> 調べていると、カタカタと標本が動き出した。驚いたが、部屋全体が揺れてるような。<br /> 真下のボイラー室に降りてみると、ボイラーが稼動していた。この振動で動いてた訳だ…<br /> それにしても、こーんな揺れててこのボイラー大丈夫なのか?その途端、ボイラーから蒸気が噴出し、3人とも絶叫して逃げ出す。検証終了。<br /><br /> 次は、美術準備室で『呪われた石膏像』を検証。<br /> 美術教師の際田は、自分を捨てた女を殺して、頭部を作りかけだった石膏像に埋め込んだ。際田は毎日早朝に、その石膏像から流れた血の涙を拭いているとか…。<br /> 際田が毎日、石膏像を磨いたり、しきりにいじっているのは事実らしい。毎日位置を変えるそうで、どれがその石膏像かは分からない。<br /> 探しているうちに、際田が準備室に入ってくる。<br /> 慌てて隠れると、際田はある戸棚を調べて出て行った。<br /> こんな時間に学校にいるなんて、いよいよ怪しい!その戸棚を開けてみると、隠すように石膏像が…<br /> 調べてみると、中には小銭が大量に入っていた。これ貯金箱!?ちっちゃい男…。という事で検証終了。<br /><br /> 新校舎3Fで『新校舎の13階段』を検証。<br /> 他の階段で数えてみると、やはり11段。そして、問題の階段を登ってみると…<br /> 「10…11………12、13…」<br /> 本当に13段あり、怯えるミカに、チサトが尋ねる。<br /> 「ねぇ岸井さん、この階段、昼間に数えてみたことあるの?」<br /> 「え?」<br /> 確かにこの階段だけ13段あったけど、昼間はここも11段なのか?<br /> ミカは、確認してない…と答える。<br /> 「あっはっは いい度胸だねぇ」<br /> 「ユカリちゃん、グーはダメだよ!」検証終了。<br /><br /> プレハブで『開かずの掃除用具入れ』を検証。<br /> この学校の付近には、仲のいい黒猫のカップルがいた。しかし、オス猫がある日いなくなった。<br /> それからというもの、メスの黒猫が夜中にこのプレハブに向かって鳴くらしい。<br /> オス猫は人間に殺されて、この掃除用具入れに入れられているという噂がたつようになった。そして彼女の呼ぶ声に彼が答えて鳴くとき、扉が開くという…<br /> 掃除用具入れからは生臭い匂いがする。意を決してこじ開けると…<br /> ネコの餌が入っていた。黒猫がやって来て、こちらに向かって鳴く。<br /> 「誰かが内緒で飼ってるんだね…。」<br /> 「色気より食い気か…。」     ネコに餌をやって検証終了。<br /><br /></dd> <dt>219 :<a href="mailto:sage"><b>トワイライトシンドローム~探索~</b></a>:2008/03/14(金) 22:46:07 ID:5s9JcWBC0</dt> <dd>図書室で、『幽霊の話し声』を検証。<br /> 入ってみると、司書室から確かに話し声が…。でもなんだか、聞き覚えある声。数学の新倉先生と、体育の田村先生…?<br /> 「先生、ボク、教師なんです これ以上…」<br /> 「いいじゃないか、今更…」 <br /> アッー!という事で盗み聞き開始。<br /> どうやら、嫌がる新倉先生に、しつこく言い寄る田村先生。以前にも行為に及んだような口ぶり。<br /> 「どうしても…ですか?」<br /> 「お前がいなきゃダメなんだよ…!」<br /> 沸き立つミカ、呆れるユカリ、帰ろうとするチサト。<br /> その途端、ガヤガヤと3~4人の声がし始めた。<br /> 「やー、お待たせしました。」<br /> 「おっ新倉先生、大丈夫ですか」<br /> 「こいつ帰りたいって言い出してね、ひきとめるの苦労しましたよぉー」<br /> 「じゃっ始めますか」<br /> ジャラジャラ、ざわ…ざわ…。<br /> 麻雀かよ…この教師どもは…。脱力する二人と、何だか嬉しそうなチサト(新倉は弓道部顧問)。検証終了。<br /><br /> 結局、全部自然現象で、脱力の余り怒るユカリ。<br /> ミカが、最後の一つは本物かも!と食い下がって、『陸上部員の幽霊』を帰りがけに検証しにいく。<br /> 口ゲンカしていると、闇の向こうから何かが走ってきた。まさか、この噂だけは…<br /> 身構える3人の目の前を、二宮金次郎が走り抜けていった。<br /><br /> 「…どこが陸上部員なわけ?」<br /> 「…二宮金次郎でしたね。」<br /> 「…おしかったね」<br /> 「バカバカしい!あーあ、チサト、帰りにラーメン食べてこ」<br /> 「うん、いいね」<br /> 「あーん、私も行きますってばぁ!」<br /><br /> という訳で、七不思議の検証を終了するのだった。<br /><br /></dd> </dl>

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