第2話 「集う超絶倫人たち」

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//2009-02-11 第1話がダブっていたので削除 第2話 「集う超絶倫人たち」<br /><hr size="2" width="100%" /><br /> 場所:西暦20XX年…日本、三島財閥ビル前<br /><br /> ブルース「ここか…三島コンツェルンビル」<br /> フォンリン「でも本当なの?三島財閥に…例のウィルスのサンプルが流れたって話」<br /> ブルース「確かなスジからの情報だ。…でなければ、こんなヤバい国にわざわざ来やしない」<br /> レジーナ「ミシマ…。<br />    アイビス島のサードエナジー研究所跡地で何かやっているという噂も聞くわ。<br />    あくまで噂…裏は取れてないけどね。そしてそれに目を付けたのがシャドルー…」<br /> フォンリン「あなたがここまで来た理由はそれね」<br /> レジーナ「その通りよ。ただ、どうあれ…<br />    サードエナジーの実験結果をまとめたファイルは私が押さえたから、<br />    しばらくは動けないはずよ(…その起動ディスクも含めて)」<br /> ブルース「…それにしてもおまえのその格好、どうにかならないのか?<br />    目立ってしょうがないぜ」<br /> レジーナ「…誰のせいだと思ってるの?<br />    あの船の上での騒ぎ…収拾がつかないから撤退しようって言ったのはあなたよ」<br /> ブルース「………」<br /> レイレイ「まったくもってドングァアル」<br /> フォンリン「…そのせいで、この娘も連れてくるはめになったと」<br /> ブルース「さっきから俺ばかり責められてるが、その提案に乗ったのはおまえ達だろうが」<br /> レイレイ「…ま、それもそうアルな」<br /> フォンリン「………」<br /> レジーナ「………」<br /> フォンリン「…で?ここで待ち合わせしているってのは誰なの?」<br /> レジーナ「カラテを使っていた連中はどこへ行ったのかしらね」<br /> ブルース「…都合が悪くなったからって話題を逸らすな。<br />    待ち合わせしているのは『シンラ』…日本の特務機関だ。<br />    それからカラテマン達は、俺らと同様にあの船を抜け出したらしい。以上だ」<br /> フォンリン「『シンラ』?聞いた事ないけど…大丈夫なの?」<br /> ブルース「俺も上から言われただけだ。<br />    …かなり昔からある組織らしいが、表舞台には滅多に出てこない連中らしい」<br /> レジーアン「対テロ特殊部隊のようなもの?」<br /> ブルース「対オカルト…って事らしい」<br /> レイレイ「な~んか嘘っぽい話だよねぇ」<br /> フォンリン「あなたがそれを言うってのも…」<br /> レジーナ「ただ待っているのもなんだし…。色々聞かせてもらいましょうか」<br /><br /><br /> 同時刻…三島財閥ビル、社長室<br /><br /> 平八「………」<br /> ???「お呼びかな、三島平八殿」<br /> 平八「聞かせてもらおう。ナムコシアターの件だ。<br />    なぜわしに黙ってアンドロイドどもを出撃させた?」<br /> 爆田「あれはわしの手駒だ。文句を言われる筋合いはない」<br /> 平八「自分の立場を理解していないようだな」<br /> 爆田「ならばどうするかね、三島殿?この哀れな老人を放り出すかね」<br /> 平八「…フン、貴様の事だ。何か言い訳を用意しているんだろう」<br /> 爆田「フフフフ…プロジェクト『WAYA』が最終段階に入った」<br /> 平八「…ほう」<br /> 爆田「夢想抜刀流…今は失われた忍術…文献からの解析が終了したのだよ。<br />    これで我が娘は最強の戦士となる!」<br /> 平八「我が娘…ふん、あのアンドロイドか。<br />    せいぜい期待しているぞ。おかしな格好をした"仮面の男"にまた敗れぬようにな」<br /> 爆田「…ぐ……」<br /> 平八「貴様の持つアンドロイド技術…そのために拾ってやった事を忘れぬ事だ、爆田よ。<br />    『新田四丁目事件』…あの戦いに敗れ、すべてを失った貴様をな」<br /> 爆田「………」<br /> 平八「爆田、やってもらいたい事がある。<br />    …今、このビルのすぐ近くに、邪魔者が来ておる」<br /> 爆田「…邪魔者?」<br /> 平八「そう…我が財閥を嗅ぎ回っている連中だ。奴らを消せ。<br />    …それも以って、今回の件は不問としよう」<br /> 爆田「相手は?」<br /> 平八「貴様が知る必要はない」<br /> 爆田「ならば、すぐに我がアンドロイド部隊を用意しよう。失礼する。<br />    (敵の多い男だとは思っていたが…外にいるのは、恐らくどこぞの諜報機関…。<br />    ふん…実験データを録るには申し分ないが…一体何を探りに来た?)」<br /><br /> 平八「…アメリカ統合戦略軍か。"あのウィルス"…わしの所にあると思っているようだが…。<br />    …ふん、本来はその予定だったがな」<br /><br /><br /> 同時刻…日本、渋谷<br /><br /> 風間仁「ここが…渋谷?…"閉鎖都市指定"…たしかなようだな。<br />    ………。ここまで来れば、追っ手もかからんはず。<br />    船で会った連中には悪い事をしたが…面倒はごめんだからな。<br />    …行くか。やっと…この時が来たんだからな」<br /><br /><br /> 同時刻…???<br /><br /> ??「…ど…うな…って…い…る…」<br /> ???「ご心配なく。あの組織から"封鎖"してしまえば、<br />    後は簡単です。すべては…万事抜かりなく」<br /> ??「…通れ…ない…まだ…我…は…」<br /> ???「私めにお任せを。…"10年前"のような事は二度とありません」<br /> ??「…任…せ…た…」<br /><br /> ???「ここまでに…10年。あの男に邪魔されてから…10年。<br />    …私の肉体の再生まで…10年…。<br />    うふふ…だけど、有栖正護(ありす・しょうご)…あの男はもういない…。<br />    有栖家の血が絶えた今、"あの時"のような間違いは…もう起こらない」<br /><br /><br /> 再び、三島財閥ビル前。<br /><br /> レジーナ「話をまとめるとこういうこと?あなたは一度死んで、<br />    東洋のマジックを使って、また蘇ったってこと?」<br /> フォンリン「…ウィルス感染者じゃなくても、ゾンビはいるってわけね」<br /> レイレイ「そういうワケ。アタシはキョンシーだケドね。<br />    ま、人間に悪さをするわけでもないから、心配無用アルよ」<br /> ブルース「面倒なのを拾ったな。任務に支障を来たさなけりゃいいが」<br /> レジーナ「で、そのダークストーカー…<br />    魔界の住人がなぜあの時、スペンサーレイン号に乗っていたの?」<br /> レイレイ「すごい妖気というか"力"を感じたアル。<br />    たぶん、日本には相当大きな穴があるワケ」<br /> フォンリン「"穴"…?どういう事?」<br /> レイレイ「この世界と、別の世界をつなぐ通路みたいなものアルよ」<br /> レジーナ「それが本当なら…世界中で起こってる、異世界のモンスターが現れてる事件は…」<br /> ブルース「その穴から這い出て来てるってわけか?ちっ、世の中どうなっちまってるんだ」<br /> レジーナ「異世界のモンスターは任せるわ。シャドルーを相手にしてる方がマシね」<br /> ブルース「………」<br /> レイレイ「どうしたアルか?」<br /> ブルース「さっきから…静か過ぎやしないか…?」<br /> フォンリン「…そう言えば…そうね」<br /><br /> ビルから爆田博士のアンドロイドが出現する。<br /> レジーナ「……ッ!」<br /> フォンリン「な、なに…!?」<br /> ブルース「まさか…罠だと!?」<br /> レジーナ「罠って、誰の!?」<br /> ブルース「わからん!ミシマか、シャドルーか…船上で戦った連中か…」<br /> レイレイ「どれでもないかもね。今まで見た事ない敵なワケだし」<br /> ブルース「…くそ、応戦するぞ!」<br /><br /><br /> ブルース「これで2体か。それにしても…ロボットだったとはな」<br /> フォンリン「ブルース、敵は誰だと思う?…これだけ精巧な戦闘用ロボットを造れるなんて」<br /> レジーナ「さすがメイド・イン・ジャパンといったところね」<br /> レイレイ「見た目はふざけてるけど」<br /><br /> 新たな敵が出現。<br /> ブラック・ブラボー「フフフ、アメリカの特殊部隊か。<br />    この日本で、銃撃戦などやりおって。」<br /> ブルース「誰だ、あんた。見たところ人間のようだが…<br />    その格好、新しいファッションかい?」<br /> B・ブラボー「アメリカンジョークというやつか?くだらん」<br /> フォンリン「あれはプロテクターの一種じゃないの?真面目にやってほしいわね、ブルース」<br /> ブルース「…そんなつもりで言ってねえ。ちっ、言葉が通じるだけマシか」<br /> レジーナ「相手に敵対の意思があるなら、どっちにしたって変わらないわよ。<br />    答えて。なぜ私達を狙うの?目的は?」<br /> B・ブラボー「理由は命令されたから。目的は諸君らの抹殺。以上だ」<br /> レイレイ「的確…アルね」<br /><br /> そこへ風間仁も現れる。<br /> 風間仁「誰に命令されたか、聞かせてもらいたい」<br /> ブルース「あいつは!」<br /> レジーナ「スペンサーレイン号にいたカラテマスターの一人ね」<br /> B・ブラボー「なに…?貴様は何者だ?」<br /> 風間仁「…風間仁。あんたが命令を受けたのは…三島平八じゃないのか?」<br /> B・ブラボー「さて。クライアントの不利になる事には触れない…。ビジネスの鉄則でな。<br />    (カザマ…?ふん、なるほどな)」<br /> 風間仁「………」<br /> フォンリン「(三島平八の居城の前で、再び出会った…もうこれは偶然ではないはず。<br />       風間仁…資料どおりなら、彼は三島平八の息子、三島一八の…)」<br /> レイレイ「アレって、前にザベルに目を付けられてた兄さんだよねぇ?」<br /> ブルース「悪いな、カラテマスター。どうやら腐れ縁らしい」<br /> 風間仁「気にしないでくれ。…俺は俺の目的のために戦っているだけだ。いくぞ…!」<br /><br /> 零児達も到着する。<br /> シャオムゥ「おお、おるおる。お待たせ~!待ったぁ?」<br /> M.O.M.O.「あの…そんなのん気な状況じゃないです。<br />    一部のデータが、先程の戦闘データと一致してます」<br /> ベラボーマン「…そのようですね」<br /> 風間仁「敵の援軍か?」<br /> ブルース「いや、お仲間のようだぜ。紅いジャケットが目印だって話だからな」<br /> 零児「アメリカ統合戦略軍、ブルース・マッギャヴァンは…」<br /> ブルース「俺だ。で…あんたが『シンラ』のエージェントか。すごい組織だな。<br />    …メンバーの構成基準がまったくわからん」<br /> シャオムゥ「全部が全部『森羅』のメンツじゃないっちゅうの」<br /> 零児「メンバーは俺とこっちの小さいのだけさ。<br />    他の連中は…後で話す。長くなりそうなんでな」<br /> レイレイ「アイヤー!フェリシアちゃん?」<br /> フェリシア「んにゃ?何でこんなところにいるの!?」<br /> フォンリン「知り合いなの?」<br /> フェリシア「うん。同じダークストーカーだもの」<br /> レイレイ「だから、アタシはキョンシーで、ダークストーカーじゃないアル」<br /> ワンダーモモ「ダークストーカー…!?フェリシアさんって人間じゃなかったんですか!?」<br /> キング「(こんな形でバレたか…)」<br /> レジーナ「…なんか…ややこしい事になってない?面倒は嫌よ、私は」<br /> KOS-MOS「こちらはさらに問題が大きそうですが」<br /> B・ブラボー「………」<br /> ベラボーマン「………」<br /> シオン「そうね。知り合い…といっても、何か違うみたい…」<br /> キング「黒いマスクマンか」<br /> ワンダーモモ「キング…さん?」<br /> キング「いや、そういう男がいた。…昔な」<br /> フェリシア「あの…お師匠さんの事?」<br /> キング「…ああ、もうこの世にはいないがね」<br /> B・ブラボー「久しぶりだな、ベラボーマン…いや、中村等」<br /> ベラボーマン「同じサラリーマンとして感心しませんね。<br />    …また同じ過ちを繰り返そうというのですか…妙島」<br /> B・ブラボー「"過ち"?"試み"だよ、中村」<br /> ベラボーマン「…爆田博士はどこにいるのです?」<br /> B・ブラボー「守秘義務がある」<br /> ベラボーマン「…そうでしょうね」<br /> B・ブラボー「そういう事だ」<br /><br /> ザコ敵を全て退ける。<br /><br /> B・ブラボー「復帰第一戦なら、こんなものか…」<br /> ワンダーモモ「逃げるの!?」<br /> フェリシア「卑怯だぞ!」<br /> B・ブラボー「卑怯?引き際をわきまえていると言え」<br /> ブラボーマン「…妙島」<br /> B・ブラボー「また会おう、中村…いや、ベラボーマン。戦いは…まだ始まったばかりだ」<br /> ベラボーマン「………」<br /> 風間仁「待て。あんたには聞きたい事がある」<br /> B・ブラボー「また貴様か。…俺には話す事などない」<br /><br /> 立ち去るB・ブラボー。<br /><br /> 風間仁「待て!逃がさん!」<br /><br /> B・ブラボーを追う風間仁。<br /><br /> シャオムゥ「ちょ、ちょい待ち!…駄目じゃ、行ってしもうたのう…」<br /> 零児「風間仁…何者だったんだ?」<br /> フォンリン「………」<br /> レイレイ「何はともあれ…もう終わりアルな。こっちの人数も減っちゃったけど」<br /> シオン「でも…何とかなるものね」<br /> フェリシア「数の暴力ってやつだよね~」<br /> KOS-MOS「待ってください。…空間の歪曲を感知しました」<br /> 零児「なに…!?」<br /> シャオムゥ「まさか…"ゆらぎ"じゃと!?」<br /> M.O.M.O.「来ます!」<br /><br /> "ゆらぎ"が起き、敵が出現する<br /><br /> ブルース「なんだ、こいつら!?」<br /> キング「モンスター!?しかし…」<br /> ベラボーマン「カマイタチ…?日本の妖怪じゃありませんか?」<br /> ワンダーモモ「…ほんとだ。子供の頃、本で読んだ事があるかも…」<br /> シャオムゥ「そうじゃ。"閉鎖都市"渋谷では、ポピュラーな連中じゃが…」<br /> 零児「こんな所にまで出てきた…!?しかも、一度にこの数だと?」<br /> フェリシア「敵には変わりないんでしょ?やっちゃおうよ!」<br /> シオン「分析は!?KOS-MOS」<br /> KOS-MOS「依然不明です。生体反応はなし。<br />    ですが、グノーシスのような存在とも異なっています」<br /> レジーナ「撃てば効くの?」<br /> M.O.M.O.「物理的な干渉は可能のようです」<br /> フォンリン「だったら何でもいいわよ、私は」<br /> キング「同感だ。蹴りや投げが通用するなら、どうにかなる。<br />    我々に何の用があるか知らないが…」<br /> シャオムゥ「では聞いてみるかのう。…え~と、なんか妖怪?」<br /> ワンダーモモ「…うわ、ベタだ…」<br /> KOS-MOS「そのような言葉遊びは、この状況下では不適切だと思われますが」<br /> シャオムゥ「ぐ…シャレのわからんカラクリ娘め」<br /> 零児「それに用など、聞くまでもない。<br />    …俺達にちょっかいを出したいらしいな。ぐ…っ!?」<br /><br /> 急に額の古傷が痛み出す零児。<br /><br /> ブルース「ん?おい…」<br /> シャオムゥ「零児…?」<br /> 零児「…だ、大丈夫だ。やるぞ」<br /><br /><br /> M.O.M.O.「あの…アリスさん、どうしたんですか?」<br /> ブルース「気になってたが、その頭の派手な傷跡…。まさか、戦闘で傷が開いたのか!?」<br /> レジーナ「止血剤なら持ってるわよ」<br /> KOS-MOS「出血などは確認できないようですが?」<br /> 零児「…大丈夫だ。まだ敵は残ってる…俺の事は気にするな」<br /><br /> また新たな敵が出現する。<br /><br /> ワンダーモモ「また新しい敵が!?」<br /> KOS-MOS「識別不能ですが、"カマイタチ"と呼称される存在と、構成成分は同一のようです」<br /> キング「では、敵の援軍という事か」<br /> シャオムゥ「な…!青い牛に…赤い馬じゃと…!?零児!あやつらを見ろ!」<br /> 零児「…やつらは…馬鹿な!」<br /> ???「どこをほっつき歩いているかと思えば…こんな所で遊んでいたとは、ね」<br /> ベラボーマン「女性…!?」<br /> フェリシア「…うわ、すご!」<br /> M.O.M.O.「な、なにがですか?」<br /> ???「あなた達…自分の持ち場へお戻りなさいな」<br /> 退却する妖怪達。<br /> キング「指示に従った…?モンスター達の仲間か!?」<br /> シャオムゥ「おぬしは…!」<br /> ???「あん…なるほど、あなたを見つけて、あのコ達はここに来たってわけね。<br />    久しぶりじゃない、おチビちゃん。相変らず、どこもかしこも小さいままね」<br /> シャオムゥ「…大きなお世話じゃ。あちこち出っ張っとればいいというものでもあるまい」<br /> 零児「………」<br /> ???「同じ紅いジャケット…なるほど、その坊やが新しいパートナーってわけね?<br />    ふふ~ん?なかなかいい男じゃない?」<br /> 零児「………」<br /> シャオムゥ「(10年…か。零児の事には…気付いておらんようじゃの)」<br /> フェリシア「あんた…ダークストーカー?」<br /> レイレイ「…同じようで…なんか違う気もするアル」<br /> ???「さあ、ね。今度ゆっくりお話しましょうか、お嬢ちゃん達。<br />    今は急がないと、デートの約束に送れちゃうの」<br /> シャオムゥ「ふざけるでない!あれから10年…なぜおぬしがここにおるッ!」<br /> ???「ふふ…すぐにわかるわ。では皆様、ご機嫌よう…」<br /> 零児「…待て」<br /> ???「ん?なぁに?坊や」<br /> 零児「…デートの場所というのは『森羅』本部だな?」<br /> シャオムゥ「……!」<br /> ???「………。あん、のぞきに来ちゃ駄目よ?<br />    素敵なおじさまと危険なデートがあるの。<br />    ふふ…シャドルーのベガっておじさまと、ね」<br /> ブルース「シャドルーだと!?」<br /> フォンリン「あなた、どういう関係が!?」<br /> ???「さあ?はい、お話はここまで。それじゃあ、ね」<br /> 零児「ああ、また…会う事になる」<br /> ???「それは楽しみね。顔色が悪いわよ、坊や。…養生なさいな」<br /><br /> 立ち去る妖怪達。<br /><br /> M.O.M.O.「な、なんだったんですか…今の女の人…」<br /> フェリシア「…お色気担当…って感じだったね」<br /> シオン「(そ、それを言うなら負けてないんじゃ…)」<br /> 零児「………」<br /> シャオムゥ「零児…あやつ…」<br /> ベラボーマン「有栖君…知り合いなのですか?」<br /> 零児「ただの…親の仇さ」<br /> ワンダーモモ「え…!?」<br /> シャオムゥ「零児、熱くなるな。…気持ちはわかる…だが…」<br /> 零児「シャオムゥ、そんな顔をするな。…おまえらしくもない。<br />    …すぐに六本木の本部へ向かうぞ」<br /> レジーナ「待って。彼女が誰だかは知らないけど、…あれはどう考えても"誘い"よ」<br /> フォンリン「たしかに…喋りすぎてたわね。不自然にキーワードを出している感じがしたけど」<br /> 零児「…おしゃべりが好きな女なのさ。それはよく知って…いや、覚えている」<br /> シャオムゥ「………」<br /> キング「どういう関係なんだ?…親の仇…というのは穏やかではないが」<br /> 零児「そのままの意味さ。…ブルース、急用ができた。<br />    統合戦略軍の操作には、後から合流する」<br /> ブルース「…わかった。俺達は独自の判断で、捜査を続行する」<br /> レイレイ「え!?知らん顔するワケ!?」<br /> ブルース「俺達は、あんな得体の知れない女と、そいつが率いるヨーカイ…だったか?<br />    そんな連中とは関係ないからな」<br /> フォンリン「………」<br /> ブルース「…だが、シャドルーとの関係ってのは怪しいな。そう思わないか?フォンリン」<br /> フォンリン「フッ…そうね。六本木は調べてみる必要があるでしょう」<br /> レジーナ「…まったく、お人好しね」<br /> ブルース「俺は"ドングァ"だからな」<br /> ワンダーモモ「私達も本部まで同行って事ですものね」<br /> キング「私達はそこまで見送る…だったな」<br /> フェリシア「とーぜん!」<br /> シオン「私達は置いていかれたら困ります。だから、一緒に行きますよ、有栖さん」<br /> 零児「勝手にしてくれ。…だが、安全は保障できないぞ」<br /> KOS-MOS「ここにいる方々は全員、その事を理解した上で発言していると考えられます」<br /> 零児「…やれやれ。わかった…行くか」<br /> シャオムゥ「………。<br />    (零児…そっとしておいてやりたかったが、<br />    こんな日が来るのではないかとも…思っておった。<br />    そしてわしも…真実を告げねばならんのかも知れん…)」<br /> M.O.M.O.「どうしたんですか?シャオムゥさんらしく…ないですけど…?」<br /> シャオムゥ「そ、そんな事はないぞ?わしはいつも通り、元気満々じゃ。<br />    さあ、どこからでもかかって来んかい!」<br /> KOS-MOS「すでに敵は殲滅しています。<br />    目的地も決定された今、その発言は不適切であると考えられますが?」<br /> シャオムゥ「カラ元気を絞り出したと思えばこれか!このダメ出しロボ!」<br /><br />
第2話 「集う超絶倫人たち」<br /><hr size="2" width="100%" /><br /> 場所:西暦20XX年…日本、三島財閥ビル前<br /><br /> ブルース「ここか…三島コンツェルンビル」<br /> フォンリン「でも本当なの?三島財閥に…例のウィルスのサンプルが流れたって話」<br /> ブルース「確かなスジからの情報だ。…でなければ、こんなヤバい国にわざわざ来やしない」<br /> レジーナ「ミシマ…。<br />    アイビス島のサードエナジー研究所跡地で何かやっているという噂も聞くわ。<br />    あくまで噂…裏は取れてないけどね。そしてそれに目を付けたのがシャドルー…」<br /> フォンリン「あなたがここまで来た理由はそれね」<br /> レジーナ「その通りよ。ただ、どうあれ…<br />    サードエナジーの実験結果をまとめたファイルは私が押さえたから、<br />    しばらくは動けないはずよ(…その起動ディスクも含めて)」<br /> ブルース「…それにしてもおまえのその格好、どうにかならないのか?<br />    目立ってしょうがないぜ」<br /> レジーナ「…誰のせいだと思ってるの?<br />    あの船の上での騒ぎ…収拾がつかないから撤退しようって言ったのはあなたよ」<br /> ブルース「………」<br /> レイレイ「まったくもってドングァアル」<br /> フォンリン「…そのせいで、この娘も連れてくるはめになったと」<br /> ブルース「さっきから俺ばかり責められてるが、その提案に乗ったのはおまえ達だろうが」<br /> レイレイ「…ま、それもそうアルな」<br /> フォンリン「………」<br /> レジーナ「………」<br /> フォンリン「…で?ここで待ち合わせしているってのは誰なの?」<br /> レジーナ「カラテを使っていた連中はどこへ行ったのかしらね」<br /> ブルース「…都合が悪くなったからって話題を逸らすな。<br />    待ち合わせしているのは『シンラ』…日本の特務機関だ。<br />    それからカラテマン達は、俺らと同様にあの船を抜け出したらしい。以上だ」<br /> フォンリン「『シンラ』?聞いた事ないけど…大丈夫なの?」<br /> ブルース「俺も上から言われただけだ。<br />    …かなり昔からある組織らしいが、表舞台には滅多に出てこない連中らしい」<br /> レジーアン「対テロ特殊部隊のようなもの?」<br /> ブルース「対オカルト…って事らしい」<br /> レイレイ「な~んか嘘っぽい話だよねぇ」<br /> フォンリン「あなたがそれを言うってのも…」<br /> レジーナ「ただ待っているのもなんだし…。色々聞かせてもらいましょうか」<br /><br /><br /> 同時刻…三島財閥ビル、社長室<br /><br /> 平八「………」<br /> ???「お呼びかな、三島平八殿」<br /> 平八「聞かせてもらおう。ナムコシアターの件だ。<br />    なぜわしに黙ってアンドロイドどもを出撃させた?」<br /> 爆田「あれはわしの手駒だ。文句を言われる筋合いはない」<br /> 平八「自分の立場を理解していないようだな」<br /> 爆田「ならばどうするかね、三島殿?この哀れな老人を放り出すかね」<br /> 平八「…フン、貴様の事だ。何か言い訳を用意しているんだろう」<br /> 爆田「フフフフ…プロジェクト『WAYA』が最終段階に入った」<br /> 平八「…ほう」<br /> 爆田「夢想抜刀流…今は失われた忍術…文献からの解析が終了したのだよ。<br />    これで我が娘は最強の戦士となる!」<br /> 平八「我が娘…ふん、あのアンドロイドか。<br />    せいぜい期待しているぞ。おかしな格好をした"仮面の男"にまた敗れぬようにな」<br /> 爆田「…ぐ……」<br /> 平八「貴様の持つアンドロイド技術…そのために拾ってやった事を忘れぬ事だ、爆田よ。<br />    『新田四丁目事件』…あの戦いに敗れ、すべてを失った貴様をな」<br /> 爆田「………」<br /> 平八「爆田、やってもらいたい事がある。<br />    …今、このビルのすぐ近くに、邪魔者が来ておる」<br /> 爆田「…邪魔者?」<br /> 平八「そう…我が財閥を嗅ぎ回っている連中だ。奴らを消せ。<br />    …それも以って、今回の件は不問としよう」<br /> 爆田「相手は?」<br /> 平八「貴様が知る必要はない」<br /> 爆田「ならば、すぐに我がアンドロイド部隊を用意しよう。失礼する。<br />    (敵の多い男だとは思っていたが…外にいるのは、恐らくどこぞの諜報機関…。<br />    ふん…実験データを録るには申し分ないが…一体何を探りに来た?)」<br /><br /> 平八「…アメリカ統合戦略軍か。"あのウィルス"…わしの所にあると思っているようだが…。<br />    …ふん、本来はその予定だったがな」<br /><br /><br /> 同時刻…日本、渋谷<br /><br /> 風間仁「ここが…渋谷?…"閉鎖都市指定"…たしかなようだな。<br />    ………。ここまで来れば、追っ手もかからんはず。<br />    船で会った連中には悪い事をしたが…面倒はごめんだからな。<br />    …行くか。やっと…この時が来たんだからな」<br /><br /><br /> 同時刻…???<br /><br /> ??「…ど…うな…って…い…る…」<br /> ???「ご心配なく。あの組織から"封鎖"してしまえば、<br />    後は簡単です。すべては…万事抜かりなく」<br /> ??「…通れ…ない…まだ…我…は…」<br /> ???「私めにお任せを。…"10年前"のような事は二度とありません」<br /> ??「…任…せ…た…」<br /><br /> ???「ここまでに…10年。あの男に邪魔されてから…10年。<br />    …私の肉体の再生まで…10年…。<br />    うふふ…だけど、有栖正護(ありす・しょうご)…あの男はもういない…。<br />    有栖家の血が絶えた今、"あの時"のような間違いは…もう起こらない」<br /><br /><br /> 再び、三島財閥ビル前。<br /><br /> レジーナ「話をまとめるとこういうこと?あなたは一度死んで、<br />    東洋のマジックを使って、また蘇ったってこと?」<br /> フォンリン「…ウィルス感染者じゃなくても、ゾンビはいるってわけね」<br /> レイレイ「そういうワケ。アタシはキョンシーだケドね。<br />    ま、人間に悪さをするわけでもないから、心配無用アルよ」<br /> ブルース「面倒なのを拾ったな。任務に支障を来たさなけりゃいいが」<br /> レジーナ「で、そのダークストーカー…<br />    魔界の住人がなぜあの時、スペンサーレイン号に乗っていたの?」<br /> レイレイ「すごい妖気というか"力"を感じたアル。<br />    たぶん、日本には相当大きな穴があるワケ」<br /> フォンリン「"穴"…?どういう事?」<br /> レイレイ「この世界と、別の世界をつなぐ通路みたいなものアルよ」<br /> レジーナ「それが本当なら…世界中で起こってる、異世界のモンスターが現れてる事件は…」<br /> ブルース「その穴から這い出て来てるってわけか?ちっ、世の中どうなっちまってるんだ」<br /> レジーナ「異世界のモンスターは任せるわ。シャドルーを相手にしてる方がマシね」<br /> ブルース「………」<br /> レイレイ「どうしたアルか?」<br /> ブルース「さっきから…静か過ぎやしないか…?」<br /> フォンリン「…そう言えば…そうね」<br /><br /> ビルから爆田博士のアンドロイドが出現する。<br /> レジーナ「……ッ!」<br /> フォンリン「な、なに…!?」<br /> ブルース「まさか…罠だと!?」<br /> レジーナ「罠って、誰の!?」<br /> ブルース「わからん!ミシマか、シャドルーか…船上で戦った連中か…」<br /> レイレイ「どれでもないかもね。今まで見た事ない敵なワケだし」<br /> ブルース「…くそ、応戦するぞ!」<br /><br /><br /> ブルース「これで2体か。それにしても…ロボットだったとはな」<br /> フォンリン「ブルース、敵は誰だと思う?…これだけ精巧な戦闘用ロボットを造れるなんて」<br /> レジーナ「さすがメイド・イン・ジャパンといったところね」<br /> レイレイ「見た目はふざけてるけど」<br /><br /> 新たな敵が出現。<br /> ブラック・ブラボー「フフフ、アメリカの特殊部隊か。<br />    この日本で、銃撃戦などやりおって。」<br /> ブルース「誰だ、あんた。見たところ人間のようだが…<br />    その格好、新しいファッションかい?」<br /> B・ブラボー「アメリカンジョークというやつか?くだらん」<br /> フォンリン「あれはプロテクターの一種じゃないの?真面目にやってほしいわね、ブルース」<br /> ブルース「…そんなつもりで言ってねえ。ちっ、言葉が通じるだけマシか」<br /> レジーナ「相手に敵対の意思があるなら、どっちにしたって変わらないわよ。<br />    答えて。なぜ私達を狙うの?目的は?」<br /> B・ブラボー「理由は命令されたから。目的は諸君らの抹殺。以上だ」<br /> レイレイ「的確…アルね」<br /><br /> そこへ風間仁も現れる。<br /> 風間仁「誰に命令されたか、聞かせてもらいたい」<br /> ブルース「あいつは!」<br /> レジーナ「スペンサーレイン号にいたカラテマスターの一人ね」<br /> B・ブラボー「なに…?貴様は何者だ?」<br /> 風間仁「…風間仁。あんたが命令を受けたのは…三島平八じゃないのか?」<br /> B・ブラボー「さて。クライアントの不利になる事には触れない…。ビジネスの鉄則でな。<br />    (カザマ…?ふん、なるほどな)」<br /> 風間仁「………」<br /> フォンリン「(三島平八の居城の前で、再び出会った…もうこれは偶然ではないはず。<br />       風間仁…資料どおりなら、彼は三島平八の息子、三島一八の…)」<br /> レイレイ「アレって、前にザベルに目を付けられてた兄さんだよねぇ?」<br /> ブルース「悪いな、カラテマスター。どうやら腐れ縁らしい」<br /> 風間仁「気にしないでくれ。…俺は俺の目的のために戦っているだけだ。いくぞ…!」<br /><br /> 零児達も到着する。<br /> シャオムゥ「おお、おるおる。お待たせ~!待ったぁ?」<br /> M.O.M.O.「あの…そんなのん気な状況じゃないです。<br />    一部のデータが、先程の戦闘データと一致してます」<br /> ベラボーマン「…そのようですね」<br /> 風間仁「敵の援軍か?」<br /> ブルース「いや、お仲間のようだぜ。紅いジャケットが目印だって話だからな」<br /> 零児「アメリカ統合戦略軍、ブルース・マッギャヴァンは…」<br /> ブルース「俺だ。で…あんたが『シンラ』のエージェントか。すごい組織だな。<br />    …メンバーの構成基準がまったくわからん」<br /> シャオムゥ「全部が全部『森羅』のメンツじゃないっちゅうの」<br /> 零児「メンバーは俺とこっちの小さいのだけさ。<br />    他の連中は…後で話す。長くなりそうなんでな」<br /> レイレイ「アイヤー!フェリシアちゃん?」<br /> フェリシア「んにゃ?何でこんなところにいるの!?」<br /> フォンリン「知り合いなの?」<br /> フェリシア「うん。同じダークストーカーだもの」<br /> レイレイ「だから、アタシはキョンシーで、ダークストーカーじゃないアル」<br /> ワンダーモモ「ダークストーカー…!?フェリシアさんって人間じゃなかったんですか!?」<br /> キング「(こんな形でバレたか…)」<br /> レジーナ「…なんか…ややこしい事になってない?面倒は嫌よ、私は」<br /> KOS-MOS「こちらはさらに問題が大きそうですが」<br /> B・ブラボー「………」<br /> ベラボーマン「………」<br /> シオン「そうね。知り合い…といっても、何か違うみたい…」<br /> キング「黒いマスクマンか」<br /> ワンダーモモ「キング…さん?」<br /> キング「いや、そういう男がいた。…昔な」<br /> フェリシア「あの…お師匠さんの事?」<br /> キング「…ああ、もうこの世にはいないがね」<br /> B・ブラボー「久しぶりだな、ベラボーマン…いや、中村等」<br /> ベラボーマン「同じサラリーマンとして感心しませんね。<br />    …また同じ過ちを繰り返そうというのですか…妙島」<br /> B・ブラボー「"過ち"?"試み"だよ、中村」<br /> ベラボーマン「…爆田博士はどこにいるのです?」<br /> B・ブラボー「守秘義務がある」<br /> ベラボーマン「…そうでしょうね」<br /> B・ブラボー「そういう事だ」<br /><br /> ザコ敵を全て退ける。<br /><br /> B・ブラボー「復帰第一戦なら、こんなものか…」<br /> ワンダーモモ「逃げるの!?」<br /> フェリシア「卑怯だぞ!」<br /> B・ブラボー「卑怯?引き際をわきまえていると言え」<br /> ブラボーマン「…妙島」<br /> B・ブラボー「また会おう、中村…いや、ベラボーマン。戦いは…まだ始まったばかりだ」<br /> ベラボーマン「………」<br /> 風間仁「待て。あんたには聞きたい事がある」<br /> B・ブラボー「また貴様か。…俺には話す事などない」<br /><br /> 立ち去るB・ブラボー。<br /><br /> 風間仁「待て!逃がさん!」<br /><br /> B・ブラボーを追う風間仁。<br /><br /> シャオムゥ「ちょ、ちょい待ち!…駄目じゃ、行ってしもうたのう…」<br /> 零児「風間仁…何者だったんだ?」<br /> フォンリン「………」<br /> レイレイ「何はともあれ…もう終わりアルな。こっちの人数も減っちゃったけど」<br /> シオン「でも…何とかなるものね」<br /> フェリシア「数の暴力ってやつだよね~」<br /> KOS-MOS「待ってください。…空間の歪曲を感知しました」<br /> 零児「なに…!?」<br /> シャオムゥ「まさか…"ゆらぎ"じゃと!?」<br /> M.O.M.O.「来ます!」<br /><br /> "ゆらぎ"が起き、敵が出現する<br /><br /> ブルース「なんだ、こいつら!?」<br /> キング「モンスター!?しかし…」<br /> ベラボーマン「カマイタチ…?日本の妖怪じゃありませんか?」<br /> ワンダーモモ「…ほんとだ。子供の頃、本で読んだ事があるかも…」<br /> シャオムゥ「そうじゃ。"閉鎖都市"渋谷では、ポピュラーな連中じゃが…」<br /> 零児「こんな所にまで出てきた…!?しかも、一度にこの数だと?」<br /> フェリシア「敵には変わりないんでしょ?やっちゃおうよ!」<br /> シオン「分析は!?KOS-MOS」<br /> KOS-MOS「依然不明です。生体反応はなし。<br />    ですが、グノーシスのような存在とも異なっています」<br /> レジーナ「撃てば効くの?」<br /> M.O.M.O.「物理的な干渉は可能のようです」<br /> フォンリン「だったら何でもいいわよ、私は」<br /> キング「同感だ。蹴りや投げが通用するなら、どうにかなる。<br />    我々に何の用があるか知らないが…」<br /> シャオムゥ「では聞いてみるかのう。…え~と、なんか妖怪?」<br /> ワンダーモモ「…うわ、ベタだ…」<br /> KOS-MOS「そのような言葉遊びは、この状況下では不適切だと思われますが」<br /> シャオムゥ「ぐ…シャレのわからんカラクリ娘め」<br /> 零児「それに用など、聞くまでもない。<br />    …俺達にちょっかいを出したいらしいな。ぐ…っ!?」<br /><br /> 急に額の古傷が痛み出す零児。<br /><br /> ブルース「ん?おい…」<br /> シャオムゥ「零児…?」<br /> 零児「…だ、大丈夫だ。やるぞ」<br /><br /><br /> M.O.M.O.「あの…アリスさん、どうしたんですか?」<br /> ブルース「気になってたが、その頭の派手な傷跡…。まさか、戦闘で傷が開いたのか!?」<br /> レジーナ「止血剤なら持ってるわよ」<br /> KOS-MOS「出血などは確認できないようですが?」<br /> 零児「…大丈夫だ。まだ敵は残ってる…俺の事は気にするな」<br /><br /> また新たな敵が出現する。<br /><br /> ワンダーモモ「また新しい敵が!?」<br /> KOS-MOS「識別不能ですが、"カマイタチ"と呼称される存在と、構成成分は同一のようです」<br /> キング「では、敵の援軍という事か」<br /> シャオムゥ「な…!青い牛に…赤い馬じゃと…!?零児!あやつらを見ろ!」<br /> 零児「…やつらは…馬鹿な!」<br /> ???「どこをほっつき歩いているかと思えば…こんな所で遊んでいたとは、ね」<br /> ベラボーマン「女性…!?」<br /> フェリシア「…うわ、すご!」<br /> M.O.M.O.「な、なにがですか?」<br /> ???「あなた達…自分の持ち場へお戻りなさいな」<br /> 退却する妖怪達。<br /> キング「指示に従った…?モンスター達の仲間か!?」<br /> シャオムゥ「おぬしは…!」<br /> ???「あん…なるほど、あなたを見つけて、あのコ達はここに来たってわけね。<br />    久しぶりじゃない、おチビちゃん。相変らず、どこもかしこも小さいままね」<br /> シャオムゥ「…大きなお世話じゃ。あちこち出っ張っとればいいというものでもあるまい」<br /> 零児「………」<br /> ???「同じ紅いジャケット…なるほど、その坊やが新しいパートナーってわけね?<br />    ふふ~ん?なかなかいい男じゃない?」<br /> 零児「………」<br /> シャオムゥ「(10年…か。零児の事には…気付いておらんようじゃの)」<br /> フェリシア「あんた…ダークストーカー?」<br /> レイレイ「…同じようで…なんか違う気もするアル」<br /> ???「さあ、ね。今度ゆっくりお話しましょうか、お嬢ちゃん達。<br />    今は急がないと、デートの約束に送れちゃうの」<br /> シャオムゥ「ふざけるでない!あれから10年…なぜおぬしがここにおるッ!」<br /> ???「ふふ…すぐにわかるわ。では皆様、ご機嫌よう…」<br /> 零児「…待て」<br /> ???「ん?なぁに?坊や」<br /> 零児「…デートの場所というのは『森羅』本部だな?」<br /> シャオムゥ「……!」<br /> ???「………。あん、のぞきに来ちゃ駄目よ?<br />    素敵なおじさまと危険なデートがあるの。<br />    ふふ…シャドルーのベガっておじさまと、ね」<br /> ブルース「シャドルーだと!?」<br /> フォンリン「あなた、どういう関係が!?」<br /> ???「さあ?はい、お話はここまで。それじゃあ、ね」<br /> 零児「ああ、また…会う事になる」<br /> ???「それは楽しみね。顔色が悪いわよ、坊や。…養生なさいな」<br /><br /> 立ち去る妖怪達。<br /><br /> M.O.M.O.「な、なんだったんですか…今の女の人…」<br /> フェリシア「…お色気担当…って感じだったね」<br /> シオン「(そ、それを言うなら負けてないんじゃ…)」<br /> 零児「………」<br /> シャオムゥ「零児…あやつ…」<br /> ベラボーマン「有栖君…知り合いなのですか?」<br /> 零児「ただの…親の仇さ」<br /> ワンダーモモ「え…!?」<br /> シャオムゥ「零児、熱くなるな。…気持ちはわかる…だが…」<br /> 零児「シャオムゥ、そんな顔をするな。…おまえらしくもない。<br />    …すぐに六本木の本部へ向かうぞ」<br /> レジーナ「待って。彼女が誰だかは知らないけど、…あれはどう考えても"誘い"よ」<br /> フォンリン「たしかに…喋りすぎてたわね。不自然にキーワードを出している感じがしたけど」<br /> 零児「…おしゃべりが好きな女なのさ。それはよく知って…いや、覚えている」<br /> シャオムゥ「………」<br /> キング「どういう関係なんだ?…親の仇…というのは穏やかではないが」<br /> 零児「そのままの意味さ。…ブルース、急用ができた。<br />    統合戦略軍の操作には、後から合流する」<br /> ブルース「…わかった。俺達は独自の判断で、捜査を続行する」<br /> レイレイ「え!?知らん顔するワケ!?」<br /> ブルース「俺達は、あんな得体の知れない女と、そいつが率いるヨーカイ…だったか?<br />    そんな連中とは関係ないからな」<br /> フォンリン「………」<br /> ブルース「…だが、シャドルーとの関係ってのは怪しいな。そう思わないか?フォンリン」<br /> フォンリン「フッ…そうね。六本木は調べてみる必要があるでしょう」<br /> レジーナ「…まったく、お人好しね」<br /> ブルース「俺は"ドングァ"だからな」<br /> ワンダーモモ「私達も本部まで同行って事ですものね」<br /> キング「私達はそこまで見送る…だったな」<br /> フェリシア「とーぜん!」<br /> シオン「私達は置いていかれたら困ります。だから、一緒に行きますよ、有栖さん」<br /> 零児「勝手にしてくれ。…だが、安全は保障できないぞ」<br /> KOS-MOS「ここにいる方々は全員、その事を理解した上で発言していると考えられます」<br /> 零児「…やれやれ。わかった…行くか」<br /> シャオムゥ「………。<br />    (零児…そっとしておいてやりたかったが、<br />    こんな日が来るのではないかとも…思っておった。<br />    そしてわしも…真実を告げねばならんのかも知れん…)」<br /> M.O.M.O.「どうしたんですか?シャオムゥさんらしく…ないですけど…?」<br /> シャオムゥ「そ、そんな事はないぞ?わしはいつも通り、元気満々じゃ。<br />    さあ、どこからでもかかって来んかい!」<br /> KOS-MOS「すでに敵は殲滅しています。<br />    目的地も決定された今、その発言は不適切であると考えられますが?」<br /> シャオムゥ「カラ元気を絞り出したと思えばこれか!このダメ出しロボ!」<br /><br />

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