第4話 「"10年前"の女」

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第4話 「"10年前"の女」」(2006/02/03 (金) 14:36:34) の最新版変更点

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第4話 「"10年前"の女」<br> <hr size="2" width="100%"> <br> 場所:20XX年…日本、六本木<br> <br> フェリシア「ねぇ~、まだ着かないの~?」<br> 桃「もう、フェリシアさん…さっきから5分おきに言ってる…。もう少しですって」<br> レジーナ「スターって人種は、こらえ性はなさそうだしね。<br>    密林で沼地を半日歩き続けれる事に比べれば…これくらいなんて事ないわ」<br> フェリシア「スターに限らず、普通の人はそんな状況にならないよ!」<br> ブルース「そうだ、サインの一つでも貰っとくか。いいかい、マネージャーさんよ」<br> キング「…私はマネージャーではない」<br> シャオムゥ「いやあ、何ともにぎやかな集団じゃのう」<br> 零児「…目立って仕方ないがな。ところでシャオムゥ…どうなんだ?」<br> シャオムゥ「…駄目じゃな。未だに本部とは音信不通のままじゃ」<br> 零児「ちっ…。どういう事だ…?」<br> M.O.M.O.「連絡つかないみたいですね」<br> 中村(ベラボーマン)「困りましたね。<br>    先ほどの化け物を連れていた女性も、<br>    たしか『森羅』の方に向かうと言っていましたよねえ…」<br> レイレイ「なんか、零児とはのっぴきならないカンケイっぽかった、あのボインアルな」<br> 桃「ええと…モトカノ…なのかな?」<br> シオン「モ、モトカノ…って?」<br> KOS-MOS「"元・彼女"の略称だと思われます。<br>    異性交遊における男女間の関係が、何かしらのトラブルで途切れた場合…<br>    関係のあった女性を男性から見てそう呼称するようです」<br> シオン「そ、そうなんだ…ありがとう、KOS-MOS。<br>    (…こんなデータベース、このコにあったかしら…)」<br> 零児「…そこ、好き勝手な事を言うな。奴とは…そんなんじゃない」<br> シャオムゥ「………」<br> フォンリン「…言いたくなければいいけど、これだけははっきりとしておいてほしいわ。<br>    …あの女は"敵"って事でいいのね?」<br> 零児「…それは間違いない。できれば…俺の手で決着をつけたい。」<br> シャオムゥ「…零児、あまりこだわるでない。<br>    こだわって…いい事は何もないぞ…」<br> 零児「………」<br> <br> フェリシア「…やっぱマジだね、こりゃ」<br> キング「なんだ?そんな小さい声で…」<br> フェリシア「だってださ、シャオムゥちゃん、こういう話好きそうじゃない?<br>    なのにさ、この件になるともう全部だんまり…」<br> M.O.M.O.「それって…つまりどういう事ですか?」<br> 桃「そうか…"今"と"前"の…って事?」<br> レイレイ「キナ臭~。そうなると修羅場…ってワケ?<br>    …そりゃマジにもなるアルなぁ」<br> シャオムゥ「…聞こえとるぞ、ぬしら」<br> M.O.M.O.「あ、あの…マ、マジなんですか…?」<br> シャオムゥ「こんの小娘、意味わかって使っとんのか!<br>    そんなわけなかろうが!<br>    まったく…若い娘はすぐに恋愛にファンタジーを夢見るから…」<br> 零児「(彼らを巻き込みたくはないが…そうもいかんか、このままでは。<br>    あの女との決着…早々につける…!)」<br> <br> <br> 同時刻…南海の孤島、アイビス島<br> <br> ベガ「(アイビス島…<br>    『サードエナジー暴走事件』以来使われなくなったこの辺境の孤島で…<br>    こんな面白い事が起こるとはな。せいぜい利用させてもらう…<br>    完全なるサイコドライブの完成のために)」<br> ???「うふふ…こんな所にいらしたなんて…。<br>    直前でデートの約束場所を変えるなんて、ルール違反じゃなくて?」<br> ベガ「フン…貴様がモタモタしておるからそうなるのだ。わしは忙しい」<br> ???「あん、こんな蒸し暑くてムードのない島に呼び出しておいて、<br>    すいぶんなお言葉ね。<br>    そうそう、この島…"ゆらぎ"の影響で、別の世界からお客様がいろいろと<br>    見えているようよ…?<br>    特にここは…次元がすごく不安定みたいなの。<br>    これからも色々起こるかも、ね?」<br> ベガ「知っておる。…貴様のような化け物もおる今、別に驚きはせぬわ」<br> ???「(人の事言えないでしょうに)」<br> ベガ「それよりも、邪魔な"あの組織"…本当に壊滅させられるのだろうな?」<br> ???「壊滅させる…っていうのとは、少し違うけれど、ね。<br>    任せなさいな」<br> ベガ「…貴様の指示通り、我が親衛隊をすでに向かわせておる。<br>    報告によると、現在実働している『シンラ』のエージェントは二名…<br>    それ以外は本部で足止めをさせておる」<br> ???「…おチビちゃんと、もう一人の坊やね」<br> ベガ「この機を逃すな。行け。…失敗は許さんぞ」<br> ???「了解です!ベガ様!<br>    あん…これじゃまるで、私もシャドルー親衛隊の一人ねえ。<br>    成功した時の約束、お忘れなく」<br> ベガ「成功したならば、だ」<br> ???「ほんとに愛想のない悪の総帥だこと。<br>    では閣下、行って参ります!<br>    なんてね…うふふ」<br> <br> 立ち去る???。<br> <br> ベガ「(フン…貴様のような得体の知れない化け物に、<br>    サイコドライブの情報などやれぬわ)」<br> <br> <br> 同時刻…日本、六本木森羅本部前<br> <br> 春麗「なんて逃げ足の速い…!待ちなさいって言ってるでしょ!」<br> キャミィ「…しつこい奴」<br> ユーニ「ベガ様より連絡がありました…任務を実行に移せ、との事です…」<br> キャミィ「了解。<br>    …この女のせいで、計画に遅れが出始めている…そろそろ邪魔になってきた」<br> ユーリ「提案:完全排除」<br> キャミィ「…憂いは取り除いておくべきか。排除する」<br> ユーニ「任務、了解しました」<br> ユーリ「任務:了解」<br> 春麗「やっとやる気になったようね。(でも1対3…やれるの?)」<br> ???「おいおい…今日はやけに知り合いと会う日だな」<br> 春麗「え…!?」<br> ??「ああ。…おい、大丈夫か?」<br> <br> 現れたのはケンとリュウ。<br> <br> ケン「よお、久しぶりだな」<br> リュウ「元気そうだな、春麗」<br> 春麗「ケンに…リュウ!?<br>    あなた達、どうしてこんな所に!?」<br> ユーリ「人物データ照合:ケン・マスターズ」<br> ユーニ「もう一人は…リュウです」<br> ケン「おっと、サインは後だぜ?」<br> リュウ「…ケン、あの腕章…」<br> ケン「へへ、わかってるよ。…シャドルー…こんな子供を使って、何やってやがる」<br> キャミィ「消せ」<br> <br> 春麗「リュウ、ケン。あなた達、なぜここへ!?」<br> リュウ「…"奴"に会った」<br> 春麗「…奴?もったいぶらないで、リュウ」<br> ケン「わからねえか?こいつがこんな顔をする相手は…一人しかいねえさ」<br> 春麗「まさか…!拳を…"拳を極め者"に!?」<br> リュウ「………」<br> ケン「こいつはもう二回目だけどな。<br>    …船でちょいゴタゴタがあったんだが、そこをフけて師匠の墓に行ってみたら…<br>    居やがってよ」<br> <br> キャミィ「時間があまりない。仕掛けるぞ」<br> ユーニ「了解です」<br> ユーリ「了解」<br> 春麗「ゆっくり話してる時間はないようね」<br> ケン「へっ、続きは簡単だぜ?<br>    あの野郎"ロッポンギに行け"…だとさ」<br> 春麗「ここに?…何があるって言うの?」<br> リュウ「…わからない。少なくとも、君達はここにいた」<br> 春麗「………」<br> ケン「さて、残りは後にしようぜ。…お嬢ちゃん達、やる気みてえだ。<br>    こんな殺気の中で、おちおち話なんてしてられねえからな」<br> 春麗「…そうね、やりましょう」<br> リュウ「………。<br>    (豪鬼…俺に何を見せたい?何を…させたいんだ…?)」<br> <br> ベガ親衛隊と交戦するが、今ひとつ本気を見せない相手に不信を感じる春麗。<br> <br> ユーリ「任務継続困難:撤退」<br> 春麗「逃げる!?」<br> ユーリ「………」<br> 春麗「(引き際が良すぎる…。なんなの?嫌な予感がする…)」<br> ケン「へへ、思ったよりいい動きするじゃねえか、こいつら」<br> ユーニ「………」<br> 春麗「どうも気になるわね」<br> リュウ「ああ」<br> ケン「ん?何がだよ?」<br> リュウ「…踏み込んでこない感じがする。あれじゃ拳半分届かない」<br> ケン「初めての対戦なんだ、間合いを取ってるだけだろ?」<br> 春麗「そう…間合いよ。<br>    勝つために相手を見てるというより…何かを待っている感じね」<br> <br> キャミィ「…頃合いか」<br> ユーニ「もう間もなくですが…情報と異なる人物の接近を感知しました」<br> キャミィ「なに…?」<br> <br> そこへ現れる人影。<br> <br> さくら「ええっと…ここだよね?」<br> かりん「…間違いないようですわよ。見知った顔もおりますもの」<br> ケン「おい、リュウ!あれは…神月財閥のお嬢様と…」<br> リュウ「さくらちゃんか!?」<br> さくら「リュウさん!リュウさんだ…!<br>    あの怖いおじさんの言ってた"会わねばならん男"って…<br>    やっぱりリュウさんだったんだっ!それに春麗さんも!?」<br> 春麗「さくらちゃん!?」<br> かりん「それにケン・マスターズ付きとは、大盤振る舞い…。<br>    以前敗れたお返し…ここでするのも悪くありませんわね」<br> ケン「俺はおまけかよ。だがよ、お嬢様。<br>    あんたの相手はまた今度だ。仲良く殴り合ってる場合じゃねえ」<br> キャミィ「………」<br> 英雄「闘っているのですか?…あんな小さな娘さん達と…」<br> 春麗「あのコ達は、ある組織の特殊工作員。見た目に騙されると後悔するわよ。<br>    一般人は避難して!早く!」<br> かりん「…秘密結社シャドルーですわね」<br> 春麗「……!・」<br> かりん「ならば、私とは無関係ではございません。<br>    シャドルー…神月財閥を脅迫しようなどと浅はかな考えを」<br> さくら「そ、そんな事されてたんだ」<br> <br> ユーニ「…カンヅキ家次期当主、カンヅキ・カリンと確認」<br> キャミィ「話が違う…どういう事だ?」<br> 春麗「どうやら、待っていたのと違う人間ばかり来てしまったようね。」<br> リュウ「…早めに決着をつけるべきだ。<br>    状況が悪くなれば、彼女達を無傷で捕らえるのは難しくなるかもしれない。<br>    そうでなくても、相当な手練だ」<br> さくら「リュウさんが闘ってるなら…あたしも闘うよ!<br>    悪い人なんでしょ?あのコ達!」<br> 響子「…どうしますか?英雄先生」<br> 英雄「…他校の生徒とはいえ、教え子には変わりありません。<br>    得体の知らない組織の陰謀などに、巻き込ませるわけにはいきません…!」<br> 響子「決まりですね」<br> さくら「ありがとう、島津先生、水無月先生…!」<br> かりん「まったく…お節介焼きですこと。<br>    …そういえば、あの忍者二人はどうしましたの?」<br> 響子「急用ができたとかで、いつの間にか消えてしまったわ。<br>    …アイビストウ…がどうとか」<br> 春麗「(…アイビス島?)」<br> <br> キャミィ「予定外だが、計画実行まで戦闘を続行する」<br> ユーニ「了解」<br> かりん「来るようですわね」<br> 英雄「しかし多勢に無勢…これでは弱い者いじめです。<br>    何とか説得できないものでしょうか…」<br> ケン「へっ。先生よ、考えが甘いな」<br> 春麗「そうよ。あのコ達の目を見て。組織で訓練を受けた暗殺者…それが正体よ」<br> 響子「彼女達を救うために、闘わなければならない…。<br>    矛盾しているけれど…仕方ないようですわ、英雄先生」<br> 英雄「………」<br> <br> そこへ敵の増援が出現する。<br> <br> さくら「え!?急になに!?」<br> リュウ「化け物!?」<br> ケン「船で見たやつとは違うタイプだな。…にしても、結構な数だぜ」<br> キャミィ「…来たか」<br> 春麗「(これを待っていたの!?シャドルーと化け物に、どんな関係が!?)」<br> <br> <br> 戦闘を続行中に、零児達が到着する。<br> <br> 零児「ちっ…やはり押さえられていたか…!」<br> シャオムゥ「また特盛りでおるのう…」<br> リュウ「ここは危ない!近寄っては…」<br> ブルース「あれは…あの時のカラテマン!?<br>    それにチャンプか。よう、また会ったな」<br> ケン「なんなんだよ、今日は。…縁があるっていってもありすぎだぜ」<br> フォンリン「春麗!?春麗なの!?」<br> 春麗「フォンリンじゃない!なぜ安全部のあなたがこんな所に!?」<br> フォンリン「あなたと同じよ。…そこの娘達に用があってね」<br> キャミィ「………」<br> レジーナ「あの腕章…なるほど、シャドルーの工作員ね」<br> M.O.M.O.「モモ達がこっちの世界に来た時…シブヤにいた人達ですね」<br> シャオムゥ「ふぅ…こんなこったろうと思っとったら…。<br>    本部のすぐ近くでこんな騒ぎとはのう。<br>    しかも、ずいぶんと顔見知りが多いようじゃて」<br> 零児「そんな事より…なぜ、誰もでてきていない?<br>    俺達以外のメンバーは、常時詰めているはずだ」<br> シャオムゥ「む?そういえば…そうじゃの。なんじゃ、サボっとるんちゃうか?」<br> KOS-MOS「注意してください。…この地域を中心に、空間歪曲が発生しています」<br> シオン「ちょっとKOS-MOS!?それじゃあ、私達は…!」<br> KOS-MOS「人体に影響はないようです。ただし、指向性歪曲より、ある特定の方向から、<br>    この地域に進入できません」<br> キング「意味がよくわからないんだが?」<br> 零児「…この空間には、決まったルートからしか入る事ができないという事だ」<br> かりん「馬鹿をおっしゃい!そんな今時SF小説でもないような…」<br> <br> レジーナ「あるわ。<br>    …サードエナジー研究所で見た事がね。<br>    でも、なんの設備もなしに、そんな事が可能なの?」<br> レイレイ「妖力や仙術を使えば可能アル」<br> フェリシア「そうだね。アナカリスとか得意だったし」<br> 零児「陰陽道にも似たような業がある。<br>    『逢魔(おうま)』の連中は得意だったと親父から聞いた」<br> シャオムゥ「『逢魔』…!<br>    まさか…三島ビルやナムコシアター前に誰もおらんかった理由は!?」<br> 零児「そうだ…そういう事だ。ぐ…」<br> <br> また額の傷が痛み出す零児。<br> <br> 零児「さあ、出てこい…!俺達はまんまと罠にはまってやったぞッ!」<br> シャオムゥ「零児!?」<br> <br> ???「そんな偉そうに宣言されてもねぇ、坊や」<br> <br> 突如出現する零児の仇。<br> <br> ???「そんな偉そうに宣言されてもねぇ、坊や。ちょっと格好悪いんじゃない?」<br> 零児「…どうでもいいさ。仕事だからな。…この場で決着をつける」<br> ???「あん、若いのに仕事熱心ね。<br>    おチビちゃん、いい子をパートナーにsたじゃない?」<br> シャオムゥ「ふん…まだ気付いておらんようじゃの」<br> ???「……?」<br> キャミィ「いつまでくだらん話を続ければ気が済む。<br>    遅れてきた責任、どう取るつもりだ」<br> ???「あん、そんなに怒らないで。ご苦労だったわね」<br> キャミィ「ベガ様の指示だ。…貴様のためにやったわけではない」<br> 響子「…ちょっと、一体何がどういう話になっているの?」<br> 英雄「あの女性は…?い、いやあ…目のやり場に困りますなあ」<br> 中村(ベラボーマン)「彼女は化け物の上司なんです。<br>    まあ、確かに眼福ではありますが…ははは」<br> 響子「…英雄先生」<br> 桃「…中村さん」<br> 英雄「い、いえいえ!そういうつもりでは!」<br> 中村「そ、そそそうですよ!ん…ゴホン<br>    間違いない事は、戦わなければならない相手だという事です。では…変・身ッ!」<br> ベラボーマン「ベラボー…参上!」<br> 桃「え、ええっと…へ、へんし~ん!」<br> ワンダーモモ「ワンダーモモ…が、がんばりまぁ~す!」<br> ???「あらかわいい。そうやってその格好になってたの?<br>    …なんかぎこちなかったけど、ね」<br> ワンダーモモ「ま、まだ慣れてないもので…」<br> ケン「敵ったって…ホントかよ」<br> リュウ「…感じないか?ケン。彼女からは気の流れを感じない…。<br>    もっと何か…別の波動のようなものを感じる…」<br> ???「面白い事を言うわね…あなた。<br>    …ふうん…あなたの中にも、何かあるみたいじゃない?<br>    それでわかったのかしら、ね」<br> さくら「え…?リュウ…さん?」<br> ケン「(…こいつ…)」<br> リュウ「………」<br> ???「さて、と。じゃあ始めましょうか。<br>    時間稼ぎもだいぶできた事だし、あともう少しだけね」<br> 零児「なんだと?」<br> キャミィ「…わかった。仕掛けるぞ」<br> シャオムゥ「時間稼ぎ…!?…シャドルーとの契約は時給計算とか?」<br> 零児「………。そうじゃない、"あの時"と同じだ…!しくじった…!<br>    みんな、あの女を狙えッ!時間はもうほとんどないはずだ!急げ!」<br> シャオムゥ「まさか…!」<br> フェリシア「え?え?急にどうしたの?」<br> シオン「どういう事なんですか?時間がないって!?」<br> 零児「かまうな!奴を!」<br> ???「あん…モテる女は罪、ね」<br> 零児「(なぜもっと早く気付かなかった…!<br>    "あの時"…"10年前"と同じ事がまた繰り返されようとしているのか…!)」<br> <br> 戦闘は続き、キャミィを追い込む春麗。<br> <br> キャミィ「あの女が計画を狂わせなければこんな事には…!く…撤退する…!」<br> 春麗「待ちなさいっ!」<br> キャミィ「…しつこい女だ。<br>    この女がベガ様がおっしゃっていた、インターポールの捜査官…。<br>    だが…もう会う事もあるまい」<br> 春麗「な…!ど、どういう事!?」<br> <br> 撤退するるキャミィ。<br> <br> ???「あん、結構減っちゃったわね…カマちゃん達。<br>    でもまぁ、がんばった方でしょう。…いよいよ、ね」<br> 零児「くっ…時間が…!」<br> リュウ「さっきから、何を焦っているんだ?」<br> さくら「そうだよ、こっちが押してるのに!」<br> シャオムゥ「そういう問題ちゃうわ!ほれほれ、空間はどうなっとる!ツッコミロボ!」<br> シオン「え?だ、誰に…」<br> KOS-MOS「はい。先程よりも空間歪曲は大きくなっています。<br>    正確な歪曲値は測定不能です」<br> シオン「………」<br> シャオムゥ「やっぱりか…!まずいそ、あやつの狙いは…!」<br> 零児「急げッ!奴を…あの女を!」<br> ???「お名残おしいけど…そろそろゲームオーバーという事にしましょうか、ね」<br> <br> 戦闘は続き、???を追い詰める。<br> <br> ???「あ…し、しまった…!」<br> 零児「もらったぞ…!…間に合ったようだな」<br> シャオムゥ「やれやれじゃな…」<br> キング「スリーカウント…勝負あったな。色々聞かせてもらおうか」<br> ワンダーモモ「え…えっと…。あの…本当にモトカノなんですか?」<br> シャオムゥ「真っ先に聞くのそこかい!」<br> 春麗「…シャドルーとの関係を聞かせて頂戴。そしてベガの居所…。<br>    腕ずくでもしゃべってもらうわ…!」<br> ケン「おいおい、落ち着けよ」<br> ???「そうそう、落ち着いて。…もう手遅れだもの、ね」<br> 零児「な、なんだと…!?」<br> ???「手遅れなのよ、坊や」<br> <br> 突然広場中央の噴水が吹き上がると同時に巨大な"ゆがみ"が起きる。<br> <br> ベラボーマン「な、何が起こっているのです!?」<br> M.O.M.O.「く、空間の歪みが…!発言点は…中央の噴水です…!」<br> 零児「なに!?本部の…地下じゃないのかッ!?」<br> シャオムゥ「たばかりおったな…!おぬし!」<br> ???「ふふ…うふふふふ…。<br>    たばかるも何も…初めからそのつもりだったのよ」<br> 響子「か、体が…動かない…」<br> 英雄「きょ…響子先生!ぐ…ぐぐ…!<br>    な、なんだ…この…光は…!」<br> <br> 急にどこかへ消えてしまう英雄、響子。<br> <br> さくら「ええ!?し、島津先生!水無月先生!」<br> かりん「さくらさんッ!早くここから…!う…ああっ!」<br> さくら「リュ、リュウさん!」<br> リュウ「こ、これはなんだ!?」<br> <br> さくらとかりんも消えてしまう。<br> <br> リュウ「き、消えた…!?」<br> ケン「お、おいっ!何がおきてるッ!説明しろッ!」<br> KOS-MOS「わかりました。空間歪曲により、基底現実における境界線、いわば…」<br> <br> そう言い残し消えるKOS-MOS。<br> <br> シオン「コ、KOS-MOS!」<br> フェリシア「説明長いよ!全然ワケわかんないうちに…。わ、わわわ!」<br> キング「フェリシア!私につかまれ!」<br> <br> 消えるキング、フェリシア。<br> <br> シオン「そ、そんな…!モモちゃん、状況を知らせて!何が…一体何が!」<br> M.O.M.O.「えっと…あ、あのですね…その…」<br> <br> 消えるシオン、M.O.M.O.。<br> <br> レイレイ「こっちもこっちで頼りにならないアル!」<br> フォンリン「逃げるしかないわ!こっちに!あ、うああっ!」<br> <br> 消えるレイレイ、フォンリン。<br> <br> 春麗「フォンリン!?これが…シャドルーが企んだ事だっていうの!?」<br> ケン「くそっ!なんだってんだよ!」<br> リュウ「(豪鬼…!これが俺にやらせたい事なのか!?<br>    あの子をも巻き込んだのは…なぜだッ!)」<br> ブルース「や、やべ…え…!くそっ…体が…動か…ねえ…」<br> レジーナ「この…皮膚が引っ張られる…感じ…。アイビス島の…あの研究所で…!」<br> ベラボーマン「み、みなさん!な、何という事だ…!」<br> ワンダーモモ「ベ、ベラボー…さん!」<br> ベラボーマン「神田…桃さん…。あなたを…こんな事に巻き込んでしまう…なんて…」<br> <br> 次々に仲間が消えていき、残すは零児、シャオムゥのみになる。<br> <br> 零児「ぐ…うう…」<br> ???「坊や、あなた達でお終い。おチビちゃん?今回は…私の勝ちね」<br> シャオムゥ「く…それは…どうかのう…」<br> ???「……?」<br> 零児「"あの時"と同じだな…『森羅』本部を"次元封鎖"して、鬼の居ぬ間に…<br>    洗濯をしようって…腹か」<br> ???「そういう事。私達『逢魔』の構成員にとって、『森羅』は目の上の…<br>    …って、お待ちなさいな。<br>    あなた、なぜ10年前の…"あの時"の事を…?」<br> シャオムゥ「そう…もう…10年じゃ。わしらにとって10年など…どうという事はない。<br>    じゃが…人間にとっての10年は…意味が違うぞ。<br>    時が過ぎて、こやつの傷は癒えても…その傷の意味は…消えはせん…!」<br> ???「10年…そしてその"傷"。坊や、あなた…まさか…!」<br> 零児「ぐう…う…うおおおッ!」<br> <br> 爆発的な力を出し、???に近づく零児。<br> <br> ???「この"次元封鎖"の中…動けるの!?」<br> シャオムゥ「…10年。わしがどれだけの事をこやつに仕込んだと思うておる…!<br>    わしとて…あの戦いを忘れたわけではない…!」<br> ???「………」<br> 零児「…おまえだけはッ!」<br> ???「あん…驚いた…。<br>    "あの時"、私の『鎬』(しのぎ)を頭に受けて…生きていたとは、ね。<br>    あの坊やが、ずいぶんいい男になったこと」<br> 零児「…この時のために…生きてきたのさ」<br> ???「でも、いいの?坊や。<br>    ここで引き金を引いたら…どうなるかは知っているでしょう?」<br> 零児「………」<br> ???「"次元封鎖"は中断…行き場を失った力は何を引き起こすかわからない…。<br>    そして、先に吹き飛ばされたお友達の運命も、ね」<br> 零児「…それでも引くと言ったら?」<br> ???「うふふ…いいえ、引けないわ。<br>    あなたが有栖正護(ありすしょうご)の血を引いてる限りは、ね」<br> 零児「………」<br> ???「だから死んだのよ…あの男は」<br> 零児「………。親父…すまん。」<br> <br> 銃をしまう零児。<br> <br> シャオムゥ「零児ッ!なぜ引かなかった!<br>    ここしか…ここしかチャンスはなかったんじゃぞ!?」<br> 零児「………」<br> ???「ほらね、私の言った通りでしょう?遺伝かしら?その甘さは」<br> 零児「…かもな。<br>    だが、それが最後にはおまえを一度滅ぼし…最も巨大な"ゆらぎ"を断ち切った」<br> ???「……!」<br> 零児「…今度も同じだ。おまえは…やはり最後には滅ぶ事になるのさ。<br>    その時、先に引き金を引くのは…俺だ」<br> シャオムゥ「………」<br> ???「いい男になったよ…。本当に、惚れ惚れするほどのね。<br>    …私は沙夜。坊や、名前は?」<br> 零児「…零児。有栖零児だ」<br> 沙夜「覚えておくわね、坊や。<br>    もう二度と会う事はないでしょうけど、もし、またこうなる事があったら…。<br>    あなたの言った通り、先に引き金を引かせてあげようかしら、ね」<br> 零児「そいつは…重畳」<br> <br> "ゆらぎ"により消えてしまう零児、シャオムゥ。<br> <br>

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