ざくろの味

「ざくろの味」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

ざくろの味」(2008/08/07 (木) 23:30:55) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

<p><strong>ざくろの味</strong></p> <p>part40-184,185,187</p> <hr /><dl><dt>184 :<a href="mailto:sage"><strong>ざくろの味</strong></a>:2008/08/02(土) 02:11:07 ID:2HkU4LZO0</dt> <dd>登場人物<br /><br /> 土門(名前変更可)・・・主人公(僕)。浪人しながら、SF雑誌「月刊サイファイ」で「月面のアヌビス」という小説を書いている。裕子先輩に思いを寄せている。<br /> 裕子先輩(名前変更可)・・・主人公の先輩であり、このゲームのパートナー。「月刊サイファイ」の編集部で働いている。<br /> 朝藤・・・「月刊サイファイ」の女編集長。<br /> 五味川・・・副編集長。関西弁を話す。</dd> </dl><dl><dd>田代・・・編集部で働く人その一。<br /> 多田・・・編集部で働く人その二。パソコンにやたらと詳しい。<br /> 勝又・・・編集部のアルバイト。空手が強い。<br /> 神田マチ・・・編集部で働く人その四。勝又のことが好きらしい。<br /><br /><br /> ひどく寒い夜だった。<br /> 凍てつく闇と吹雪の底に、そのビルはあった。<br /> 狂ったような白い夜の向こうで、常夜灯の灯火の中、ぼやけた輪郭が見えた。<br /> いつもとは何処か違ったそのビルの、光る入り口に、僕は足を踏み入れた。<br /><br /><br /> 東京都心近くの、4階建ての古びた雑居ビル「中井ユニオンビル」。<br /> その4階に「月刊サイファイ」の編集部はあった。<br /> その夜、僕は原稿を持って、編集部を訪れていた。<br /> 朝藤さん、田代さん、五味川さん、多田さん、勝又、マチさん。いつもと変わらない人たちがいた。<br /> そして、憧れの裕子先輩。裕子先輩に原稿を渡すと、先輩はさっそく原稿のチェックを始めた。<br /> 「あれ?揺れてない?」<br /> 裕子先輩がそう言ったとき、机からボールペンが落ちた。<br /> そして、大きい地震がやってきた。震度5ぐらいはあっただろう。揺れはすぐにおさまった。<br /> ロッカーや棚がいくつか倒れて、下敷きになったマチさんが気絶してしまった。<br /> それ以外の人は、僕も含めて、大した怪我はしていなかった。<br /> その数分後、本当の恐怖が襲ってきた。<br /> さらに大きい地震が来たかと思うと、降りのエレベーターに乗っているような感覚が襲ってきて、<br /> 窓の外の明かりが一瞬にして消えた。上から瓦礫が落ちてきて、僕は気を失った。<br /><br /> 気が付いたときには、辺りは真っ暗だった。僕は怪我をしていたが、動けないほどではない。<br /> 側にいた裕子先輩も大丈夫だ。<br /> どうやら、このビルの真下で地盤沈下が起こったらしい。窓の外を見ると土があった。<br /> つまり、ビル全体がすっぽり入ってしまうほどの沈下が起こったということだ。<br /> 懐中電灯の灯りを頼りに、他の人たちを探す。田代さん以外は全員、命に別状はなかった。<br /> 田代さんを探しにいこうとしたとき、ドアが開いて、頭に包帯を巻いた田代さんが入ってきた。</dd> </dl><dl><dd><br /> 田代さんは一足早く、ビルの中を見回ってきたという。<br /><br /><br /></dd> <dt>185 :<a href="mailto:sage"><strong>ざくろの味</strong></a>:2008/08/02(土) 03:04:24 ID:2HkU4LZO0</dt> <dd>僕と勝又、他数名で、他の生存者がいないかと、ビルの中を見て回ることにする。<br /> 2階にはOL3人がいた。安全なところに連れて行く。<br /> 同じく2階のデザイン事務所を覗いてみたが、そこの人たちは全員死んでいた。<br /> しかし、何かがおかしい。死体にはえぐり取られたような跡がある。<br /> そして、さっきの地盤沈下で死んだにしては、腐敗が進みすぎていた。<br /> 1階の管理人夫婦は死んでいた。夫婦の息子の敦くんは生きていた。<br /> 敦くんはなんと、死体が動くのを見たと言った。<br /> 1階の出入り口の向こうに、血だまりがある。その中に、田代さんが使っていたペンが落ちているのを発見した。</dd> </dl><dl><dd>頭の傷はここで出来たらしい。でも、この出血量</dd> </dl><dl><dd>は尋常じゃない――。<br /><br /> 多田さんが、パソコンの前に、皆を呼び集めた。<br /> 電話回線は通じなくなっていたが、3階の会社が引いていた光ケーブルは生きていた。<br /> それを利用して、このビルを建てた建設会社にハッキングしたのだという。<br /> そこで、興味深い資料を発見した。<br /> 昭和20年ごろ、戦中に、このビルの真下の地下壕で、恐ろしい薬品が開発されていたという。<br /> それが「柘榴(ざくろ)」という名前の薬品だ。<br /> 「柘榴」を死体に投与すると、なんと、死体が生き返るのだそうだ。<br /> だが、欠点もあった。ひとつは、腐敗が早くなること、もうひとつは、思考能力の著しい低下。<br /> 震度5ほどの弱い地震で沈下が起こったのは、ビルの真下に地下壕があったからだ。<br /> そして、敦くんが見たという動く死体、そしてデザイン事務所の腐敗が進んだ死体、<br /> それらは「柘榴」のせいかも知れない。資料には、研究は中止されたとあるが、<br /> 密かに研究は続けられていたらしい。「柘榴」は気化して、ビル内に充満しているのだろう。<br /> だが、何故「柘榴」という名前なのか。それを考えていると、朝藤さんが口を開いた。<br /> 「ざくろは、人肉の味がするという俗説があるの・・・」<br /> 人の子を取って食らうという鬼子母神に、お釈迦様がざくろを与えて、<br /> もう人の子を食べないよう約束させたとか、そんな伝説があるという。<br /><br /> 閉めていたドアを激しく叩く音がする。僕はじゅうぶん注意してドアをあけた。<br /> そこには、顔が半分ない田代さんが、腐臭を漂わせながら立っていた。<br /> 田代さんは一度死んでいたのだ。そして「柘榴」によりゾンビ化していた・・・。<br /> 田代さん、いや、田代さんだったモノを鉄の棒で殴り倒した。<br /> デザイン事務所の人たちもゾンビ化して、何かをむさぼり食っていた。<br /> それは、人の死体だった。<br /><br /> 皆でビルから出ようということになった。<br /> 僕と勝又が中心になり、迫り来るゾンビを蹴散らしながらビルから出て、<br /> かつて地下壕だったところを通り、地上へと出た。<br /> 生きていた人は全員無事だった。<br /> 腕時計を見ると、午前5時。雪は上がっていて、朝日が射してきた。<br /><br /> 終<br /><br /></dd> <dt>187 :<a href="mailto:sage"><strong>ゲーム好き名無しさん</strong></a>:2008/08/02(土) 08:09:23 ID:f4vQv+qT0</dt> <dd>乙!<br /> これは一番最初に見られるシナリオだね<br /> あと悪霊編、サイバー編、テロ編の3編があるはず<br /><br /> 上のエンドも実はフラグをこまめに回収していくと<br /> 地上まで出た所で裕子先輩がウイルスにかかっている事が分かって<br /> 泣き別れになったりするというマルチシナリオだったりする・・・<br /><br /></dd> </dl>
<p><strong>ざくろの味</strong></p> <p>part40-184,185,187</p> <hr /><dl><dt>184 :<a href="mailto:sage"><strong>ざくろの味</strong></a>:2008/08/02(土) 02:11:07 ID:2HkU4LZO0</dt> <dd>登場人物<br /><br /> 土門(名前変更可)・・・主人公(僕)。浪人しながら、SF雑誌「月刊サイファイ」で「月面のアヌビス」という小説を書いている。裕子先輩に思いを寄せている。<br /> 裕子先輩(名前変更可)・・・主人公の先輩であり、このゲームのパートナー。「月刊サイファイ」の編集部で働いている。<br /> 朝藤・・・「月刊サイファイ」の女編集長。<br /> 五味川・・・副編集長。関西弁を話す。</dd> </dl><dl><dd>田代・・・編集部で働く人その一。<br /> 多田・・・編集部で働く人その二。パソコンにやたらと詳しい。<br /> 勝又・・・編集部のアルバイト。空手が強い。<br /> 神田マチ・・・編集部で働く人その四。勝又のことが好きらしい。<br /><br /><br /> ひどく寒い夜だった。<br /> 凍てつく闇と吹雪の底に、そのビルはあった。<br /> 狂ったような白い夜の向こうで、常夜灯の灯火の中、ぼやけた輪郭が見えた。<br /> いつもとは何処か違ったそのビルの、光る入り口に、僕は足を踏み入れた。<br /><br /><br /> 東京都心近くの、4階建ての古びた雑居ビル「中井ユニオンビル」。<br /> その4階に「月刊サイファイ」の編集部はあった。<br /> その夜、僕は原稿を持って、編集部を訪れていた。<br /> 朝藤さん、田代さん、五味川さん、多田さん、勝又、マチさん。いつもと変わらない人たちがいた。<br /> そして、憧れの裕子先輩。裕子先輩に原稿を渡すと、先輩はさっそく原稿のチェックを始めた。<br /> 「あれ?揺れてない?」<br /> 裕子先輩がそう言ったとき、机からボールペンが落ちた。<br /> そして、大きい地震がやってきた。震度5ぐらいはあっただろう。揺れはすぐにおさまった。<br /> ロッカーや棚がいくつか倒れて、下敷きになったマチさんが気絶してしまった。<br /> それ以外の人は、僕も含めて、大した怪我はしていなかった。<br /> その数分後、本当の恐怖が襲ってきた。<br /> さらに大きい地震が来たかと思うと、降りのエレベーターに乗っているような感覚が襲ってきて、<br /> 窓の外の明かりが一瞬にして消えた。上から瓦礫が落ちてきて、僕は気を失った。<br /><br /> 気が付いたときには、辺りは真っ暗だった。僕は怪我をしていたが、動けないほどではない。<br /> 側にいた裕子先輩も大丈夫だ。<br /> どうやら、このビルの真下で地盤沈下が起こったらしい。窓の外を見ると土があった。<br /> つまり、ビル全体がすっぽり入ってしまうほどの沈下が起こったということだ。<br /> 懐中電灯の灯りを頼りに、他の人たちを探す。田代さん以外は全員、命に別状はなかった。<br /> 田代さんを探しにいこうとしたとき、ドアが開いて、頭に包帯を巻いた田代さんが入ってきた。<br /> 田代さんは一足早く、ビルの中を見回ってきたという。<br /><br /><br /></dd> <dt>185 :<a href="mailto:sage"><strong>ざくろの味</strong></a>:2008/08/02(土) 03:04:24 ID:2HkU4LZO0</dt> <dd>僕と勝又、他数名で、他の生存者がいないかと、ビルの中を見て回ることにする。<br /> 2階にはOL3人がいた。安全なところに連れて行く。<br /> 同じく2階のデザイン事務所を覗いてみたが、そこの人たちは全員死んでいた。<br /> しかし、何かがおかしい。死体にはえぐり取られたような跡がある。<br /> そして、さっきの地盤沈下で死んだにしては、腐敗が進みすぎていた。<br /> 1階の管理人夫婦は死んでいた。夫婦の息子の敦くんは生きていた。<br /> 敦くんはなんと、死体が動くのを見たと言った。<br /> 1階の出入り口の向こうに、血だまりがある。その中に、田代さんが使っていたペンが落ちているのを発見した。</dd> </dl><dl><dd>頭の傷はここで出来たらしい。でも、この出血量は尋常じゃない――。<br /><br /> 多田さんが、パソコンの前に、皆を呼び集めた。<br /> 電話回線は通じなくなっていたが、3階の会社が引いていた光ケーブルは生きていた。<br /> それを利用して、このビルを建てた建設会社にハッキングしたのだという。<br /> そこで、興味深い資料を発見した。<br /> 昭和20年ごろ、戦中に、このビルの真下の地下壕で、恐ろしい薬品が開発されていたという。<br /> それが「柘榴(ざくろ)」という名前の薬品だ。<br /> 「柘榴」を死体に投与すると、なんと、死体が生き返るのだそうだ。<br /> だが、欠点もあった。ひとつは、思考能力の著しい低下、もうひとつは、腐敗が早くなることだ。<br /> まるで化け物の「屍食鬼(グール)」のようになるらしい。<br /> 震度5ほどの弱い地震で沈下が起こったのは、ビルの真下に地下壕があったからだ。<br /> そして、敦くんが見たという動く死体、そしてデザイン事務所の腐敗が進んだ死体、<br /> それらは「柘榴」のせいかも知れない。資料には、研究は中止されたとあるが、<br /> 密かに研究は続けられていたらしい。「柘榴」は気化して、ビル内に充満しているのだろう。<br /> だが、何故「柘榴」という名前なのか。それを考えていると、朝藤さんが口を開いた。<br /> 「ざくろは、人肉の味がするという俗説があるの・・・」<br /> 人の子を取って食らうという鬼子母神に、お釈迦様がざくろを与えて、<br /> もう人の子を食べないよう約束させたとか、そんな伝説があるという。<br /><br /> 閉めていたドアを激しく叩く音がする。僕はじゅうぶん注意してドアをあけた。<br /> そこには、顔が半分ない田代さんが、腐臭を漂わせながら立っていた。<br /> 田代さんは一度死んでいたのだ。そして「柘榴」によりグール化していた・・・。<br /> 田代さん、いや、田代さんだったモノを鉄の棒で殴り倒した。<br /> デザイン事務所の人たちもグール化して、何かをむさぼり食っていた。<br /> それは、人の死体だった。<br /><br /> 皆でビルから出ようということになった。<br /> 僕と勝又が中心になり、迫り来るグールを蹴散らしながらビルから出て、<br /> かつて地下壕だったところを通り、地上へと出た。<br /> 生きていた人は全員無事だった。<br /> 腕時計を見ると、午前5時。雪は上がっていて、朝日が射してきた。<br /><br /> 終<br /><br /></dd> <dt>187 :<a href="mailto:sage"><strong>ゲーム好き名無しさん</strong></a>:2008/08/02(土) 08:09:23 ID:f4vQv+qT0</dt> <dd>乙!<br /> これは一番最初に見られるシナリオだね<br /> あと悪霊編、サイバー編、テロ編の3編があるはず<br /><br /> 上のエンドも実はフラグをこまめに回収していくと<br /> 地上まで出た所で裕子先輩がウイルスにかかっている事が分かって<br /> 泣き別れになったりするというマルチシナリオだったりする・・・<br /><br /></dd> </dl>

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: