クロックタワー3

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クロックタワー3」(2013/01/24 (木) 16:14:28) の最新版変更点

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<p> <strong>クロックタワー3<br></strong>&gt;&gt;14-77~79・81~82・84~86・88~89・107~116・118・123・178~179・189・191</p> <hr> <dl> <dt><a href="menu:77">77</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 17:31:16 ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>クロックタワー3をやります。<br> あやふやな記憶で書くので間違いがあったら誰か補完よろしく。<br> <br> アリッサ・ハミルトン<br> このゲームの主人公の14歳の女の子。明るく芯が強いヒロイン的性格。<br> 寄宿学校に通っていてそこの制服を着ているが、なんかスカートの丈が短い。<br> 「正義のパンチラ少女」とGoogle検索するとアリッサに関するページのみHitするらしい。<br> <br> デニス<br> アリッサの幼なじみでたぶん同い年くらい。子供っぽくて時には軽率な行動もとるが、<br> 命をかけてアリッサを助けてくれたりもする意外と勇敢な少年。<br> <br> 早くに父を亡くし、大好きな祖父と母との三人でハミルトン家の邸で暮らしてきたアリッサ。<br> しかし三年前に祖父が謎の失踪を遂げてしまう。<br> アリッサは、今は故郷から離れた町の寄宿学校で暮らしている。<br> もうすぐ15歳の誕生日が近づいたある日、母からの謎めいた手紙がアリッサに届きます。<br> 「お祖父ちゃんが失踪した理由がわかった。あなたの身に危険が迫っているの。<br> 15歳の誕生日が過ぎるまで、どこかに身を隠していて。(要約」<br> この手紙に不安を煽られ、母が心配になったアリッサは、母の言い付けを破って<br> 隠れたりすることなく実家のハミルトン邸に帰ってきてしまいます。<br> <br> <a name="a78"></a></dd> <dt><a href="menu:78">78</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 17:46:23ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> しかし、ハミルトン邸の中は妙にがらんとして人気が感じられない。<br> 親子だけで住むには広すぎるので、部屋を貸している下宿人達も居るはずなのに。<br> ただ一人居た黒衣の紳士に話し掛けると、不気味な笑顔を浮かべながら<br> 「お母さんは帰ってきていないよ。永遠に帰ってこないかもしれないなぁ!」<br> などと不吉な言葉を並べてどこかへ消える。<br> 気を取り直して邸の中を探索すると、母の部屋に通じるドアに<br> 不思議な紋章で封印がなされており、それに触れた時のショックで<br> 暖炉の中の隠し通路が開く。<br> 這いずってその中を抜けると、母の手紙と聖水の小瓶が見つかった。<br> 手紙によれば、ハミルトン家の女性はみな「ルーダー」という聖なる能力な持ち主で<br> ずっと昔から「魔の物」という勢力と戦ってきているらしい。<br> そしてこの聖水は、「魔の物」をひるませたり封印を解いたりといった効果があるそうだ。<br> 早速聖水を使い、母の部屋の封印を解いて中に入るアリッサ。<br> そこで何か手がかりがないか調べていると、突然どこからか、<br> 「幻想即興曲」のピアノ演奏が聞こえてきて、アリッサは不安に駆られているうちに<br> どこか異なる場所へと飛ばされる。<br> <br> <a name="a79"></a></dd> <dt><a href="menu:79">79</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 18:13:02ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>書き忘れていたけどたしか舞台はイギリスです。<br> ムービーの時は、登場人物たちが英語を話して字幕が出るバイオハザード式ではなく<br> 日本語をペラペラ話すメタルギアソリッド式です。<br> <br> <br> 妙に古い感じの町並みの道路に立っていたアリッサ。と、ヒューッという落下音と共に、<br> 次々に爆発が起こる。空を見上げると、そこにはサーチライトに照らされて<br> 無数の爆撃機の影が。どうやら第二次世界大戦の時代に紛れ込んでしまったようだ。<br> アリッサはなんとか爆撃が終わるまでやりすごすことができ、<br> まだ奏でられ続けているピアノの音が聞こえる方へ進む。<br> するとその途上に、入り口が封印された仕立て屋さんがあったので、<br> 聖水で解除して中に入って探索してみることにする。<br> 中で見つけた新聞記事や手紙によればこの家では仕立て屋の父と小さな女の子が<br> 暮らしていたが、父が戦争に行っている間に連続殺人鬼によって女の子が<br> 殺害されてしまったらしい。<br> と、その時、その殺人鬼、大きなハンマーを担いだ覆面の男が女の子を殴り殺した<br> 過去の場面の幻影が流れる(魔の者の力なのか、これからも度々アリッサは過去の<br> 凄惨な場面の幻影を見せられる)。<br> しかもその殺人鬼だけは現実となってアリッサに襲い掛かってくる!<br> <br></dd> <dt><a href="menu:81">81</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 18:34:53ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> 急いで仕立て屋の試着室に隠れて息を潜めると殺人鬼はアリッサを見失い、<br> 光を放ってひとまずは消えていく。どうやら単なる人間の殺人鬼ではないようだ。<br> 先程殺人鬼が飛び出てきたため入れるようになった女の子の部屋を探索すると、<br> ピアノ発表会への招待状と、ぜひ優勝したいという内容の日記があった。<br> しかし先程読んだ別の新聞記事によると優勝は別の子で、この仕立て屋の女の子は<br> おしいところで間違えてしまい、優勝を逃してしまったらしい。<br> そこでまた殺人鬼が襲ってくる。今度は隠れるところなどないため大ピンチ。<br> しかしアリッサは椅子を殺人鬼にぶん投げ、それをあっさり払われてもその隙をついて<br> 殺人鬼の巨体にタックルを食らわせて転ばせ、殺人鬼は頭を打ってダウンする。<br> アリッサは仕立て屋から出て、再びピアノの音色が聞こえてくる方へ、<br> そのピアノの発表会の会場だったホールへと向かう。<br> <br> ホールのステージの上では、あの女の子の幽霊がピアノをひきながら泣いていた。<br> アリッサが近づいて話そうとするが、アリッサを追ってきた殺人鬼の姿を見て<br> 恐怖に駆られた女の子は姿を消してしまう。<br> <br> <a name="a82"></a></dd> <dt><a href="menu:82">82</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 19:08:31ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> 殺人鬼を避けたり、機転や運で撃退したりしながらホールを探索してペンチを手に入れた<br> アリッサは、仕立て屋に針金で厳重に封じられた部屋があった事を思い出す。<br> 仕立て屋へと戻り針金をペンチで切ってその部屋に入ってみると、<br> 開くと幻想即興曲のオルゴールが流れるようになっている仕掛けの懐中時計を見つけた。<br> アリッサがそれを手にとった時、また過去の幻影が流れだす。<br>  ……時計の音色を聞きながら、父親が女の子に戦争に行くという話をしている。<br>  「私、ピアノの発表会でこの曲を弾くわ。優勝すればラジオで演奏が流れるから、<br>  戦争に行った先でもお父さんが私のピアノが聞けるでしょ?」<br>  「ああ、楽しみにしているよ。」<br>  (会話や手紙の内容はうろ覚えの要約です。以後のものも全て同じ)<br>  場面は切り変わって最前線の戦場。砲撃で吹き飛んだ兵士の死体が鉄条網の上に落ちるが、<br>  その死体からオルゴールの音色が聞こえ始める。周りの兵が驚いてその兵士の<br>  死体を見上げると、その胸からは懐中時計が下がっていた……<br> 女の子の父親も既に戦死しているようだ。<br> アリッサはその懐中時計を手にして、あの女の子の幽霊のところへ向かう。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:84">84</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 20:56:21ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> しかしホールの正面広場では殺人鬼がアリッサを待ち伏せしていた。<br> 殺人鬼が目前に迫ったその時、アリッサの持つ聖水の入った瓶が輝いて<br> 聖なる力を持った弓へと変化する(変身少女アニメみたいなノリです)。<br> 魔のモノと闘うルーダーとしての力が目覚めたのだ。<br> <br> 「ハンマー男 懲役換算年数○○○年(具体的な数値は忘れました」と表示され、<br> その年数、彼の犯した罪の象徴がそのまま彼のヒットポイントとなる。<br> アリッサはハンマー男の攻撃を避けて、聖なる弓から光の矢を射ち込んでゆく。<br> 聖なる力を溜めて射た矢の一本一本がハンマー男に命中するたびに<br> 彼は光の鎖で動きを封じられていき、ついに完全に地に繋ぎ止めた時<br> 彼を中心に光の魔法陣が地面に浮かびあがった。<br> アリッサはそれを見て、空へと矢を放つ。すると天から雲を割って<br> 眩しいほどの光が魔法陣めがけて落ち、ハンマー男は遂にその存在を抹消された。<br> <br> 仕立て屋にあった新聞記事によると、彼は労働者であったが仕事中に突然乱心、<br> その時使っていたハンマーで同僚を殴り殺し、その後も無差別連続殺人を犯して<br> 死刑になったはずの人間だった。<br> なぜ死んだはずの犯罪者が復活しているのだろうか?<br> <br> <a name="a85"></a></dd> <dt><a href="menu:85">85</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 21:26:32ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> アリッサはハンマー男を倒したことにより、ルーダーの力を増すお守りである<br> 四つ葉のクローバー型のペンダントの葉の部分のパーツの一つを入手して、<br> ホールへと入った。<br> <br> まだステージのピアノの所で泣いている女の子の幽霊に懐中時計を渡すと<br> そのオルゴール仕掛けの音色が流れ、女の子は涙を止めて聞き入る。<br> その時ステージの上に天国からの階段が表れ、女の子の父親が迎えに降りてきた。<br> しっかりと抱き合う親子。<br> 彼らは「ありがとうアリッサ!」などとお礼を言って、ともに天に昇っていく。<br> アリッサは、スポットライトを浴びながら彼らに「さようならー!」と手を振っていた。<br> (舞台演劇のようなノリです)<br> <br> <a name="a86"></a></dd> <dt><a href="menu:86">86</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 21:58:11ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> アリッサが目覚めると、母の部屋のベッドに俯いていた。<br> 夢だったのか?と思っていると、突然窓を叩く人影が!<br> びっくりしたアリッサだったが、それは単に窓から入ろうとして<br> 落っこちそうになっていた、幼なじみでこの近くに住むデニスだった。<br> デニスはアリッサに、久しぶりだなー、そういえばこの前お前のお母さんに会ったぜ、<br> などと言い、それを聞いたアリッサに母の様子を問われると、<br> えらく慌てていたようだと答える。<br> また、アリッサに会ったらこれを渡してほしいと頼まれて預かった、と鍵を渡す。<br> それは三年前に失踪した祖父の部屋の鍵だった。<br> 鍵を見つめて考え込むアリッサに対し、お前何年か見ないうちに大人っぽくなったよなー、<br> などとデニスが言っているが、あまり耳にも入っていない様子。<br> そして謎を解くためにも祖父の部屋に入ることに決め、母の部屋を駆け出していく……<br> が、途中でちょっと引き返して「デニスも大人っぽくなったわよっ?」<br> とデニスの頬をちょん、とつついてから出ていった。<br> 頭をかくデニス。<br> <br> お祖父ちゃんの部屋を探索したアリッサは、「魔のモノ伝承の古書」という資料的な本を見つけ出す。<br> その中には、ルーダー一族と魔のモノに関する様々な知識が収められていた。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:88">88</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 22:26:59ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> その本によると、古来から魔のモノと呼ばれる邪悪が存在し、それらは人間に憑いて<br> 連続殺人を犯させるどころか、殺人犯が死してもなお魔物として凶行を続けさせるらしい。<br> それら魔のモノやその配下である殺人鬼たちと闘争を続けてきたのがルーダー一族。<br> ルーダーとなれるのは一族の中でも若い女性のみなのだ。<br> <br> その本を読んで、さっきの戦いは夢ではなく今回の事件には魔のモノが<br> 関わっていると確信したアリッサはルーダーとして戦う決意をする。<br> そこにデニスがまた現れ、こう見えても男だ、何か手伝うぜ、と協力を申し出てくれ、<br> 二人で何か手がかりがないか手分けして屋敷を調べることになった。<br> <br> 祖父の部屋で金のネジまきと銀のネジまきを手に入れたアリッサは<br> 母の部屋に動かないネジまき式の時計があったことを思い出し、<br> ネジで時間を調節して壁の絵に描かれた時計の時刻に合わせてみる。<br> すると隠し扉が現れ、中の部屋は母がルーダーとしての活動に使っていたらしく<br> 魔術的な本や道具がたくさん置いてあり、地面には大きな魔法陣が敷いてあった。<br> 置いてあった魔術書をヒントに、聖水をかけることで魔法陣を起動させると<br> その力でアリッサは再び家とは異なる場所へと転移していた。<br> <br> <a name="a89"></a></dd> <dt><a href="menu:89">89</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 23:30:35ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> アリッサが到着したのは暗い町並みの中にある公園。<br> 魔法陣はこちらにもあるのでいつでも邸には戻れる。<br> ゴミ箱に入っていた新聞を読んでみると、連続硫酸殺人犯が出没しており<br> 被害者の死体は硫酸漬けにされていた、と言う記事が見つかる。<br> おそらくこれも魔のモノが関わっているのだろう。<br> <br> 近くの家に入ってみるとその家の住人らしい男性が現れてこちらの気配を感じたのか<br> 「どなたですか……」と話しかけてくるが、様子がおかしい。<br> 目からは血を流していてアリッサが見えていないようだし何かとおびえている。<br> アリッサが答えにつまっていると、恐れに耐えきれなくなったのか<br> 男性はかき消えてしまう。どうやら幽霊だったようだ。<br> その近くにあった扉に入ってみると、そこにいた老婆が「○○かい?(名前忘れました)」<br> と息子の名前を呼ぶが、この老婆も目から血を流しており、そして怯えきっている。<br> そして息子ではないようだ、と気が付くと恐慌状態に陥り、ポルターガイスト現象を<br> 起こしてアリッサを部屋の外へと弾き出す。この老婆も幽霊のようだ。<br> <br> 老婆のいる部屋はあきらめてそこ以外の探索を行なうと、ある部屋で<br> あの男性の書いた日記を発見することができる。<br> それによるとここはもともと玩具職人である男性とその母の老婆が暮らしていた家で、<br> 息子は目を悪くしていた母を医者にかからせるお金を貯めようと<br> 熱心に仕事をしていた。<br> ある時から遠縁にあたる男が下宿するようになって、息子は表面的には愛想がいい<br> その男になんとなく嫌なものを感じていたが、人に偏見を持つものではないという<br> 母の意見に同意して気にしないようにしていたようだ。<br> 日記は、その遠縁の男がこの家の裏手にあるメッキ工場で働き始めた、<br> と言うところで止まっていた。<br> あの公園のゴミ箱の新聞記事によると、殺人事件の犯人の硫酸魔が使っていた硫酸は<br> メッキ工場から盗まれたものだったらしいので、おそらくこの遠縁の男が<br> 硫酸魔であり、この家の親子を殺したのもこいつだろう。<br> <br> また、キッチンには記者の死体とその幽霊が居た。<br> 理性を失っている幽霊とは話せないが、死体のそばの手記を読むことができる。<br> 彼はこの家に硫酸殺人事件のことを調べに来た者で、ある仕掛けを見つけたが<br> フィルムを切らしていて写真を撮れなかったらしい。<br> <br> 裏庭に通じるドア以外は全て探索したが、このドアの開け方がわからないので<br> アリッサは一旦邸に戻ることにする。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:107">107</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 14:34:58ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> 邸へと続く魔法陣がある公園へと戻ると、なんと母が魔法陣の方へ歩いていく。<br> しかし、体が半分透けているように見える上に、驚いて呼び掛けるアリッサの<br> 声が聞こえないかのようにそのまま行ってしまう。<br> しかし母が通っていった後に落ちていた鍵を見付けて拾ったアリッサ。<br> どうやら祖父の部屋の机の引き出しの鍵のようだ。<br> <br> さっそく邸に戻って祖父の部屋で鍵を使い、引き出しを調べてみると<br> 「魔のモノ伝承の古書」の続きが見つかる。<br> ルーダーの力が最高になるのは15歳の頃で、それ以降だんだんと力が衰えることや、<br> 魔のモノの配下に殺された人々に、彼らの生前の思い入れのある品を渡して<br> 彼らを昇天をさせることが魔のモノの配下たちを打倒する助けになることなどがわかった。<br> その古書とともに引き出しから見つかったのはお祖父ちゃんの<br> コレクションの一枚らしい奇妙な仮面。そういえば壁にも仮面は数枚飾ってある。<br> と、仮面を架ける金具が一つ空いていることに気付いたアリッサは<br> そこに今手に入れた仮面を架けてみる……すると、そこに隠し扉が開いた。<br> <br> その中の隠し部屋にあったお祖父ちゃんの日記を読むと、ハミルトン家に婿に来た当初は<br> オカルト的なことなど信じてはいなかったが現在は疑う余地もない、<br> 崇高な役目を負うルーダーの一族の一員となったことに深く感動している、<br> といったような内容がやや熱狂的に記されていた。<br> アリッサはその隠し部屋でカメラのフィルムも見つけ、先程の古書の内容と<br> 記者の死体のことを思い出し、あの記者の魂を昇天させるのに役立つかもしれないと<br> 持っていくことにする。<br> <br> ふたたび魔法陣を通り玩具職人の家まで戻ったアリッサ。<br> 記者の死体の傍にカメラのフィルムを添えると記者の幽霊は昇天してゆく。<br> おそらく、殺人事件の事を調べにきたのに目撃したものを写真にも撮れずに<br> 硫酸魔に殺されたことが心残りだったのだろう。<br> 昇天させてもらった礼として彼が創りだしたものか、二枚の写真がその場に残される。<br> そこには、裏庭に通じる開かなかったドアを開けるための仕掛けの様子が映っていた。<br> <br> 写真をヒントとして扉を開け、裏庭に出たアリッサがそこにあった仕事場に<br> 入ってみるとまたもや過去の幻影が流れだす。<br> <br>  母親が寒くないようにと肩掛けをプレゼントし、優しく母の肩にかけてあげる息子。<br>  母は礼を言うと、また新しい仕掛けの玩具を考えているの?子供たちもきっと喜ぶよ、<br>  と息子の仕事熱心をねぎらう。<br>  そんななごやかな親子の語らいに突然、謎の男が乱入する!<br>  ガスマスクを付けてボロボロのコートを着込み、背中に背負ったタンクに<br>  つながった噴霧器を構えているその男は親子を捕まえ、ドラム缶の中に叩き込む。<br>  その時、母親の肩掛けはスルリと落ちて下水に繋がる排出口に落ちてしまった。<br>  ガスマスクの男はドラム缶の中の二人に対し、噴霧器から液体を浴びせかける。<br>  その液体に焼かれて苦しみ悶えて死んでいく親子に対し、<br>  『硫酸風呂の湯加減はどうだぁ?』とあざけり笑うその男こそ、<br>  硫酸殺人事件の犯人であった。<br> <br> ハンマー男が登場した時のように、幻影が終わってもその硫酸魔だけは<br> 実体となって襲い掛かってくる。<br> しかし、アリッサが作業場の隅にあった薬品を苦し紛れに投げ付けると<br> 化学反応を起こしたのか発火して硫酸魔を灼き、一時的に撃退する事ができた。<br> <br> <a name="a108"></a></dd> <dt><a href="menu:108">108</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 15:21:39ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> あの親子を昇天させてあげるためには、やはりあの肩掛けが最適だろうが、<br> しかしあれは下水へと流れてしまったようだ。<br> 作業場から出たアリッサがフェンスの向うの下水の流れる川を見やると、<br> なんと下流の方で肩掛けが引っ掛かって残っているのを見つける。<br> 思わぬ幸運に感謝し、その肩掛けを取りに行くために、下流側にある<br> メッキ工場を抜けて下水へと近づくアリッサ。<br> 途中であの硫酸魔が追いかけてくるが、感電させるなどしてなんとか逃げきる。<br> だが、肩掛けを手に入れて親子のところへ行こうとするアリッサの前に<br> 今度こそとどめを刺そうと硫酸魔が立ちふさがった。<br> アリッサは再びルーダーとしての力を覚醒させ、光の弓矢を構える。<br> <br> 「硫酸男」という名称が表示されたこの敵は、遠くからは硫酸をジェットのように<br> 一直線に噴出させ、近くからは広範囲に硫酸の霧を散布する強敵だった。<br> しかし何度も広範囲に撒きちらすと噴霧器の中の硫酸が切れてしまうため<br> 噴霧器を振ってタンクから硫酸を補給しなければならない、という弱点をつき、<br> ついにアリッサは光の鎖で硫酸男を地上に繋ぎ止めて前回と同じように<br> 天から降り注ぐ光によって彼を滅ぼした。<br> <br> 血の涙を流して怯えている老婆の幽霊の元に向かい、その肩にそっと<br> あの肩掛けを掛けてあげるアリッサ。すると血の涙は消え、彼女の目に光が戻る。<br> その時部屋に入ってきた息子の目にも血の涙は既に無かった。<br> 彼らはようやく再会できたと喜び、ピアノの少女と父親の時と同じように<br> アリッサに礼を言って天国への階段を二人で昇っていった。<br> <br> そんな親子に笑顔で手を振っていたアリッサだが、気がつくと邸に戻っていた。<br> その時彼女の前に現われたのは、邸に入ってすぐに会ったあの黒い紳士。<br> 彼が何かしたのか邸は崩壊し、その場から巨大な時計塔が生え始める。<br> その間アリッサは、空中をすごいスピードで飛び回る時計塔の盤面に乗せられ、<br> 時計塔が完全に出現するとやっとアリッサは塔の屋上に降ろされる。<br> 彼女に近付き、お前の母親はもう死んだぞ、とニタニタ笑って言う黒い紳士。<br> アリッサが思わず「嘘、嘘よ!」と叫ぶが、紳士は「お前も死ぬがいい!」と<br> 叫んで彼女を塔の上から突き落とした。<br> <br> <a name="a109"></a></dd> <dt><a href="menu:109">109</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 16:22:06ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>洞窟のような場所で目覚めたアリッサ。<br> あの高さから落ちたらまず命は無いはずだが、幻影だったのだろうか?<br> とりあえず先に進むと下水道のような場所に繋がっていた。<br> 梯子を昇った先は下水道の管理施設か何かのようだ。<br> <br> そこに新たな「魔のモノの配下」が現われた。<br> 上半身は裸で、青みがかった肌。スキンヘッドを始めとした全身の皮膚に<br> 紋様が浮かんだその男は、両手に手斧を構えて「俺を今までの奴らを一緒にするなよ!」<br> と言うと、「お前をぶっ殺してやる!」的なことを言いながら<br> 片手の斧でアリッサを示してポーズを決める。<br> これまでの「ハンマー男」や「硫酸男」はまだ「陰惨な猟奇殺人者」に見えたが、<br> この敵はもうノリも外見もヒーローものの悪役怪人かRPGの中ボスかのよう。<br> 青い光を帯びた手斧を投げ付けてくるなど、攻撃法も怪人風だ。<br> <br> ともかく、その怪人から必死で逃げたりガソリンを使って焼きあげて<br> 一時撃退したりしつつこの施設を探索していく。<br> 配電を修理したり、眼鏡を探していた幽霊を昇天させてカードキーを手に入れたりして、<br> アリッサは電子ロック式の出口からこの施設を脱出することに成功した。<br> <br> しかし、扉を抜けた先はなぜか先程時計塔の出現によって壊されたはずの、<br> ハミルトン邸の廊下だった。<br> ここに通じているわけがないのに、と不思議に思いながら邸の中を歩くアリッサ。<br> すると、ある部屋から楽しげな声が聞こえてきたので覗いてみると、<br> 若い母が赤ちゃんに向かってアリッサと名前を呼んで話かけている。<br> するとここは過去のハミルトン邸のようだ。<br> 若き日の母は赤ん坊のアリッサにあのルーダーの魔を祓う力を高めるお守り、<br> クローバーのペンダントを見せている。それはちゃんと四つ葉揃っていた。<br> ハンマー男と硫酸男を倒した時に一つずつ、二つの葉のパーツを取り戻しているが、<br> 魔のモノの配下がこれを持っているということはやはり母から<br> 奪ったということなのだろうか?<br> <br> その時別の場所から声が聞こえたような気がして裏庭へ近づくと、<br> 「うっ、うわぁ!何をするんですかお義父さん!」<br> と言う声が聞こえてくる。<br> 見るとあのやさしいお祖父ちゃんが鬼のような形相で、テラスの上で<br> 「お前のような男があの子の夫だと・・・!?」<br> そのような言葉をもらしながら男性の襟首をつかんで振り回している。<br> しまいにはテラスの下に落とされてしまう男性。<br> ちょうどその頭のところには薪割りの斧が刃を上にして立て掛けられており――<br> <br> ドカッ!<br> <br> <a name="a110"></a></dd> <dt><a href="menu:110">110</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 17:00:29ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> お祖父ちゃんは娘婿を殺してしまったことに動揺し、こんなことでハミルトン家の<br> 名誉を傷つけるわけには、と殺人を隠蔽することを考えはじめている。<br> あまりのことに呆然としているアリッサのところにあの手斧を持った怪人が現われ、<br> 「そうさ、お前の大好きなお祖父ちゃんはお前の父親を殺したんだっ!」<br> と言って嘲笑を浴びせた。<br> そのまま裏庭で、ルーダーと魔のモノの配下との戦いが始まる。<br> <br> 「斧男」という名称らしいこの怪人はなぜかあっさり光の矢に射られていくが、<br> 光の鎖で完全に地面に繋ぎとめ、光の魔法陣が出現したその瞬間、<br> 気合いを込めて鎖と魔法陣を粉砕してしまった。<br> 自らの力が通用しない敵に戦慄するアリッサに対し、斧男が怪しい術をかける。<br> アリッサは黒い地面へと飲み込まれてしまった。<br> <br> 気が付くと墓地のような場所に立っていたアリッサ。<br> そこにはお祖父ちゃんの手記が落ちていた。<br> それを読んだアリッサは祖父の暗い闇を見てしまう。<br> アリッサの父はルーダーの戦いを知り、危険で恐ろしいことだと感じていた。<br> ルーダーの使命を誇り高いものだと考えていたお祖父ちゃんは彼を苦々しく<br> 思っていたが、自分の娘までそれに感化され、アリッサをルーダーにはしたくないと<br> 言い始めたことについに激昂し、アリッサの父と口論になって殺してしまったのだ。<br> 警察も娘もうまく誤魔化したお祖父ちゃんはそのまま優しい祖父としてアリッサの<br> そばで成長を見守っていたが、アリッサが愛らしく成長するにつれて、<br> 彼女に対して偏執的なまでの愛情と強い執着心を抱くようになる。<br> 『アリッサはどんどん美しく成長していくことだろう。しかし、私は年老いていき、<br> いつか死んでしまう。いやだ。アリッサと永遠に一緒に居たい。』<br> <br> <a name="a111"></a></dd> <dt><a href="menu:111">111</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 17:44:35ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> 墓地の一角には、たくさんの幽霊たちが集まっていた。<br> アリッサと同じくらいの年で戦士のような格好をしている女の子の姿が多い。<br> どうやら、魔のモノの配下との戦いに敗れたルーダーたちの亡霊のようだ。<br> 『私は魔のモノの配下に殺されてしまった…』<br> 『生き返って魔のモノと戦いたい…!』<br> 口々に悲しみの声をあげている彼女たちを昇天させてあげる方法を探すべく<br> アリッサが墓地を探索すると、何か丸いものをはめ込むくぼみがある台座が二つと<br> 移動の魔法陣が二つ見つかった。<br> <br> とりあえず片方の魔法陣に入ると、霊廟のような建物の中に移動した。<br> ここには特に功績の高かった三人のルーダーの棺が安置されているが、<br> 魔のモノの仕業なのか彼女らの象徴である「ルーダーストーン」が<br> バラバラに入れ替えられている。<br> 死してなお侮辱されたことに対する怒りからか、三人のルーダーは<br> 会話も通じない怨霊となっていたが、アリッサが元通りに入れ替えなおすと<br> 昇天していき、「光の羅針盤」という丸いプレートが手に入った。<br> <br> 魔法陣を使って墓地に戻ったアリッサはあの丸いくぼみのある台座の片方に<br> 光の羅針盤をはめ込んでみるが、何も起こらない。<br> やはり両方の台座にはめ込まないといけないのだろうか。<br> アリッサは、まだ入っていない方の魔法陣の中に進んでいく。<br> <br> 今度は霊廟とは違い、先程までの墓場とあまり雰囲気が変わらない所に行き着いた。<br> そこを進んでいったアリッサが見つけたものは、母の車。<br> 母は乗っていないが、近くには母の手帳も落ちている。<br> 母の手がかりを見つけたと思ったその時、また斧男が出現した。<br> 「俺は数多くのルーダー達を殺してきた。お前も殺してやる!」<br> どうやら墓地に居たたくさんのルーダーの幽霊はこいつに殺されたようだ。<br> 仇を討ちたいが、今はかなわないので逃げ回るしかない。<br> 逃げ込んだ先の家にあった「魔のモノ伝承の古書」によるとあの斧男もかなり昔は<br> 人間だったようで、自分を手ひどく振った少女を斧で殺してしまって以来<br> 若い女を斧で残虐な方法で殺していた青年のなれの果てであるようだ。<br> 斧男を聖水でひるませながら逃げ、そこで見つけた碑文に書かれたように<br> 順番にスイッチを押してから聖水で碑文を清めると闇の羅針盤が手に入った。<br> 斧男から逃げるためにも、アリッサは急いで墓地に戻る魔法陣へ入る。<br> <br> <a name="a112"></a></dd> <dt><a href="menu:112">112</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 19:19:52ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> 墓地に戻ったアリッサがまだ何もはめ込まれていない方の台座のくぼみに<br> 闇の羅針盤をはめ込むと、二つの台座の間に空間の歪みのようなものが現われる。<br> <br> 歪みをくぐり抜けると、底が見えないほど深い穴に一本だけ残された道があった。<br> そこを通った先の祭壇でアリッサは「古代ルーダーの矢」を見つける。<br> あの昔のルーダーの幽霊たちは再び戦いたいと言っていた。<br> これを使えば彼女たちを昇天させられるかもしれない・・・。<br> その時アリッサは祭壇の後ろの壁画に気が付いた。<br> 何者かが少女の心臓をえぐり出している絵であり、説明を読むと<br> 「契約の儀式」というおぞましい行為の様子らしい。<br> 自らの愛する者の心臓をえぐり出して生け贄に捧げることにより、<br> 新たな魔のモノとして生まれ変わることができる。それが契約の儀式。<br> 気味悪く思いながらも墓地に戻りルーダー達を昇天させてあげるため、<br> 帰ろうとするアリッサ。しかし、その時背後から一本道が崩れだす。<br> 少しでも遅れたら奈落の底へ落ちるところだが、必死に走って<br> なんとか墓地へと戻ることができた。<br> <br> ルーダーの幽霊が居る方へ進むアリッサ。そこに、またも斧男が立ちふさがった。<br> もはや逃げることはできない。光の弓を出し、斧男との再戦が始まった。<br> 今度は本気を出してきている斧男は、光の矢を全てガードしてしまう。<br> 苦戦するアリッサだが、斧男が投げてきた青い光を帯びた手斧を<br> 光の矢で撃ち反すと、そのまま手斧は斧男へと向かっていった。<br> たまらずダウンした斧男に、その隙を逃さず光の矢を射ち込み続ける。<br> 「古代ルーダーの矢」の力でアリッサのルーダーとしての能力が強くなっていたのか、<br> 今度は斧男も光の鎖や魔法陣を打ち砕くことができずに天からの光に撃たれた。<br> これまで多くのルーダーを殺してきた彼も、遂にルーダーによって滅ぼされたのだ。<br> <br> ルーダーの幽霊たちの所へ行くと、斧男が消滅したことで既に未練は絶たれたらしく<br> 「ありがとうアリッサ」「負けないでアリッサ」などと口々に言って<br> 天にのぼってゆく。その過去のルーダー達を、アリッサは見送っていた。<br> <br> <a name="a113"></a></dd> <dt><a href="menu:113">113</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 20:23:09ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> 辺りは暗くなり、次に明るくなった時アリッサは森の中の道に立っていた。<br> そこにアリッサの名を読んで駆け寄って来たのはデニス。<br> 彼にしてみればわけがわからない一連の出来事に混乱しているようだが、<br> とりあえずアリッサと同行してくれることになった。<br> <br> 森からの道は街の通りへと繋がっていたが、人は誰もいないし物音もしない。<br> しかし、ある病院の窓から女性が顔を出し、「デニス!」と呼び掛けて手を振った。<br> 「姉さんだ!」と嬉しそうに言うデニス。しかし、邸で雑談した時に<br> 姉は外国に行っていると言ったはず――<br> アリッサは疑問の声をあげるが、デニスは「きっと帰ってきたんだ!」と言って<br> 病院の中に駆け出して行く。アリッサも後を追うが、そこは明らかに廃病院だった。<br> 二人があの窓の部屋に着くと、デニスの姉がデニスを出迎える。<br> 懐かしさのあまり、姉に抱きつくデニス……しかし、案の定それは偽物だった。<br> そのとたん本来の姿に戻った女は「キャーッハッハッハッ!」と笑い声をあげて<br> デニスを人質にとり、それと同時に別のドアが開いて「アーッハッハッハ!」と<br> やはり笑いながら、台車のようなものに乗って男も飛び出てきた。<br> <br> この男女はこれまでの敵とはかなり趣が違う。まず外見からして違う。<br> 男も女も黒髪だが、男はチョンマゲっぽく、女は中華風に結っている。<br> 顔は、妙なビジュアル系バンドみたいなメイクをしているようだがどちらも東洋系。<br> 男は天草四郎か南蛮商人か、といった感じの派手な赤い服を、<br> 女はサーカスの軽業師かマジシャンのアシスタントといった感じの<br> やはり派手な青い服を着ていて、二人並ぶとチンドン屋のようだ。<br> 二人とも、両手に短剣のようなものを持っている。<br> そんな男女が、キャーッハッハッハとかアーッハッハッハとか<br> 甲高い声で楽しそうに笑いながらポーズをとっている。<br> はっきり言ってシュールすぎて怖がるどころじゃない光景だ。<br> 「とーうとう俺たちのところまで来たなアリッサぁ!」<br> 「おとなしく心臓を差し出すのよぉー!」<br> そんな感じのことをポーズ付きでやっぱり楽しげに言うとデニスを台車に乗せ、<br> 変態的な男女はその台車ごとどこかに去っていった。笑いながら。<br> デニスがさらわれたショックか、それともあの二人のテンションにあてられたのか、<br> 呆然としているアリッサ。<br> <br> <a name="a114"></a></dd> <dt><a href="menu:114">114</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 21:05:58ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> アリッサは気をとりなおしてとりあえず病院内の探索を始めるが、<br> あの変態的な二人のうちの男の方が追いかけてくる。<br> 必死で逃げながら進んでいくと移動の魔法陣があったが、<br> 鍵がかかった部屋の中にあるため使うことができない。<br> そのために鍵を探すが、見つかったのは魔鏡というアイテムくらいだった。<br> 鏡・・・そういえば、廊下には怪しい鏡があった。<br> 変態男に追い詰められながらも、鏡の前に行き「魔鏡」を使ってみるアリッサ。<br> すると次の瞬間、鏡あわせの世界になった病院に移動していた。<br> <br> ホッと一息付く間もなく、今度は変態女の方がアリッサを追いかけてくる。<br> 逃げ、隠れながらこちらの病院を探索し、やっと鍵を手に入れることができた<br> アリッサはふたたび鏡の前で「魔鏡」を使い、元の世界の病院に戻る。<br> そして魔法陣のある部屋に入り、聖水で起動させた魔法陣の中へと入った。<br> <br> 移動した先は荒れ地のような場所。<br> そこを少し進むと、後ろから何か呪文をつぶやきながら歩いてくる人影があった。<br> それはまさしく、三年前から行方不明になっているお祖父ちゃん。<br> アリッサは驚いて呼びかけるが、聞こえていないのか、それともこれは<br> 過去の幻影にすぎないのか、それに反応することなく道の先に行ってしまった。<br> アリッサがふと目を地面に落とすと、先程落としていったものなのか、<br> 祖父の手記の続きが落ちている。<br> 前回の手記の嫌な内容にも臆することなく、手記を読み始めるアリッサ。<br> しかし今回の手記は更に衝撃的な内容が記されていた。<br> <br> 「魔のモノ」に関することを調べていた祖父は「契約の儀式」を<br> 知った時にこう思ったのだ。<br> 『アリッサの心臓を捧げてその力によって魔のモノとなったならば、<br> それはアリッサと永遠に一緒に居るということなのではないか?』と。<br> その悪魔の誘惑に勝てなかった祖父は契約の儀式について<br> 更に詳しいことを調べるために三年前に失踪したのだ。<br> まだ迷いも残っているらしく、<br> 「私に愛するアリッサを殺して心臓をえぐり出すことなどできるのだろうか」<br> という自問自答の文も残されていた。<br> また、資料や手記を残してきたので娘が私の考えにいつか気付くかもしれないとも。<br> おそらくその通り、母はこの企みに気付いてアリッサにあんな手紙を書いたのだろう。<br> <br> 手記を読み終え、祖父が行った方に進むと城があった。<br> ちょうどまた変態男が現れ追いかけて来たので中に逃げ込むことにする。<br> <br> <a name="a115"></a></dd> <dt><a href="menu:115">115</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 22:31:30ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> だがその扉の中は、まるでハミルトン邸を破壊して現れたあの巨大な時計塔の<br> 内部であるかのような構造だった。<br> 外からでは城のように見えたのだが…。<br> 真ん中にある、浮遊しているような螺旋階段は途中で途切れているようなので、<br> 左右にある扉から探索してみることにする。<br> <br> 左の扉に入るとすぐに変態男が襲いかかって来たので、先に進んで<br> 逃げようとするが床が崩れていたため追いつめられてしまう。<br> 「ヒャーッハハハ!」飛びかかってくる変態男。しかしアリッサが素早く<br> 避けたため、勢い余って床の穴へと落ちていった。「ヒャハァーッ!」<br> その穴の手前には死体があり、その傍には城で働いていた使用人の手記が落ちていた。<br> ここはやはり城なのか?確かに、扉の向こうは城の内部のような感じだった。<br> 魔のモノの力で、時計塔と城の空間が歪んだ形で混在しているのかもしれない。<br> ともかく手記の内容に目を落とすと、城で行なわれていた領民に対する虐殺に<br> 心を傷めていたこの使用人は、調理場の窓の鉄格子を外れやすくしておき、<br> 捕まった人々がそこから逃げ出せるようにしておいたらしい。<br> <br> 左の扉は穴の先に行けそうにないので、今度は右の扉に入ってみる。<br> こちらも床に穴が開いていたが、壁にも穴が開いていたのでそこから外に出て<br> 外壁に張りついて進み、鉄格子のはまった窓の鉄格子を調べると手記どおり<br> 簡単に外れたのでそこから調理場の中へと入ることができた。<br> アリッサが調理場の中にあるかまどの前に立ったその時、やはりと言えばやはり<br> 今度は変態女が襲ってきた。アリッサに飛びかかる変態女「キャハハーッ!」。<br> しかしアリッサが素早く避けたため、かまどの中にダイビングしてしまう。<br> 「ギャーッ!!」顔を焼いて動かなくなった。<br> しかしこれまでの敵同様、すぐに復活してくるのだろう。<br> 暖炉の中に何かあるのを見つけたので火を消して取ってみると、<br> 紋章のようなものだった。とりあえず持っていくことにして進む。<br> <br> 少し離れた部屋は長テーブルが一つある、食堂のような場所だった。<br> テーブルには燭台を動かした形跡があったため動かしてみると、<br> 二本の柱がせり上がってきた。柱には紋章をはめ込むくぼみがある。<br> 先程手に入れた紋章を片方の柱にはめ込み、もう一つの紋章を探すために<br> 入ってきたのと別のドアから出てさらに探索を続けることにする。<br> <br> 早くも復活してきた変態女から逃げながら進むと、書庫のような場所に出る。<br> そこにはまた祖父の手記が置いてあった。目を通すアリッサ。<br> この手記は、祖父が契約の儀式の知識を得るために、儀式に関わったとされる<br> バロウズ公爵の城を探していた頃に書かれたものらしい。<br> 未だ、愛する孫娘を殺すことができるかどうかで悩んでいる様子だ。<br> また、先程のように壁の穴から外壁を伝って入ることができた所で<br> もう一つの紋章を見つけることができた。<br> <br> <a name="a116"></a></dd> <dt><a href="menu:116">116</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 23:32:22ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd> あの二本の柱がある部屋へと戻り、先程と同じように二つ目の紋章も<br> 柱のくぼみにはめ込むと、隠し扉が現れた。<br> 扉の向こうは戦斧を持った鎧が立ち並び、鉄の処女が四隅に置いてある部屋だ。<br> さらにそこを抜けると、大広間のような部屋に通じていた。その部屋の正面の壁には、<br> 馬に乗って剣を掲げた勇壮なバロウズ侯爵の大きな肖像画が架かっている。<br> その絵の手前の台には、「魔のモノ伝承の古書」が置かれていた。<br> <br> 古書によれば、バロウズ侯爵には溺愛していた娘がおり、「契約の儀式」について<br> 知った彼は永遠に一つとなるために大喜びでそれを行なおうとしたらしい。<br> しかし儀式の為には娘が15歳である必要があり、そして娘は15歳の誕生日を<br> 目前にして全く偶然に命を落としてしまう。<br> 儀式の直前に娘を失って悲嘆に暮れた侯爵は狂乱し、領地の住民の虐殺を始める。<br> そして最後には討伐された、と言うことだ。<br> そんな古書の中からは祖父の最後の手記も見つかる。<br> 祖父は非常に動揺しているようすだった。<br> 祖父の実家が、実はバロウズ家の血を引いていたとわかったらしい。<br> そしてバロウズ侯爵、侯爵の妻、バロウズの娘のイニシャルはそれぞれ、<br> 祖父、母、アリッサのイニシャルと同じ。<br> そして祖父がついに突き止めたバロウズ城があった場所、それはまさに<br> ハミルトン邸が建っている場所だった。<br> 『これは運命の悪戯なのだろうか、それとも無念を晴らすべく侯爵の妄執が<br> 影で働いた結果なのだろうか?私にアリッサの心臓を生け贄に捧げて<br> 契約の儀式を行なえというのか?』と祖父は記していた。<br> <br> その手記を読み終えたその時、突然この部屋にあった映写機が動きだした。<br> そして壁に映し出された映像は…<br> 『ヒャーッハッハッハ!』<br> 『キャーッハッハッハ!』<br> 『ひ、ひぃぃ~!」<br> デニスが拷問部屋のようなところの処刑台のような所に縛り付けられ、<br> その真上では巨大な刃がブウン、ブウンと振り子のように揺れている。<br> 『早く来ないとデニスちゃんが真っ二つよぉ~』<br> といった感じの事を実に楽しそうに変態が言って、映写機は止まった。<br> アリッサが慌てて部屋から出ると、何か動力が作動したらしく鎧は斧を振っており、<br> 鉄の処女は地下に下りるエレベータとして動くようになっていた。<br> 斧をタイミングを読んで避け、鉄の処女で地下に下ってその先の拷問部屋に向かう。<br> <br> 「よく来たわ、アリッサ!」<br> 「さあ、デニスの命と引き替えにお前の心臓を差ぁし出すのだぁー!」<br> 拷問部屋に入ると、アリッサを歓迎してポーズ付きで変態達がそんな事を言った。<br> しかしデニスは、俺のことはいいからお前は逃げろ!と立派な台詞を言う。<br> アリッサに変態達が襲いかかったその瞬間!<br> 拷問部屋の床の一角が崩れ、アリッサはそこから落下してしまった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:118">118</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/27(日) 00:12:59ID:8NfIYcEB</font></dt> <dd> 落ちた先はとても小さな部屋だった。落ちたのはアリッサ一人だけだったようだ。<br> そこには最後の「魔のモノ伝承の古書」があり、あの変態たちについて書かれていた。<br> バロウズ侯爵はある戦争に行った時に東洋人の兄妹を拾って帰った。<br> 兄妹はもともと残忍な性格で動物を楽しみながら殺したりしていたが、<br> 侯爵が領民の虐殺を始めてからはそれに便乗したように、自らの楽しみのために<br> 人々を殺しまくるようになったと言う。<br> <br> とりあえず扉から外に出て進むと、どこかで見た雰囲気の部屋に出た。<br> アリッサが幼い頃描いた絵などが飾られている。すなわちここは祖父の部屋だ。<br> 奥の隠し扉から外に出ると、あの肖像画や映写機がある広間へと戻ってきた。<br> <br>  その時、この部屋に入ってきた人物が居る。なんと祖父その人だ。<br>  おそらく過去の幻影なのだろう、城の前の道で会った時と同じく<br>  アリッサには無反応である。彼は侯爵の肖像画に向かって話かける。<br>  「バロウズ侯爵よ…契約の儀式を果たせなかったその無念、私には痛いほと<br>  それがよくわかる。さあ、私とともに契約の儀式を成し遂げよう!<br>  それが運命だと言うのなら、私はそれを受け入れよう!<br>  侯爵よ!来い!バロウズ侯爵よーっ!!」<br>  その時肖像画から染み出た黒いスライム状のものが祖父へと近づく。<br>  受け入れようとしている祖父をスライムがそのまま包み、<br>  人型の黒い物体となり…それが収束した時そこに立っていたのは、<br>  あの何度もアリッサに近付き苦しめた、黒衣の紳士だった。<br> <br> 大好きだったお祖父ちゃんが歪んだ愛のために自分を殺す決意を固め<br> 人外のものとなってしまったその瞬間を目の当たりにして動揺しているアリッサ。<br> しかしその動揺から立ち直る間もなく、ふたたび映写機が動きだす。<br> 『やっとわかったか、お前のお祖父ちゃんは我らの主と一体となり、<br> お前の心臓を欲していると言うわけさぁー!』<br> そんな風な事を言う変態兄妹。<br> 後ろではやはりまだデニスがあのブウンブウンと動く振り子刃の下に…<br> ザシュゥッ!!<br> ああっ!デニスが縦に真っ二つに!<br> <br> アリッサとプレイヤーは一瞬驚愕したが、それはデニスに似せた人形だった。<br> 『驚いたかぁ!』<br> 『本物はこっちよ!』<br> クルリと台が回って今度こそ縛られたデニスが出てくる。まだ無事だ。<br> しかし本当にこの兄妹は楽しそうだ。<br> <br> そこまでで映写機は止まった。<br> アリッサは先程と同じルートをたどってまた拷問部屋へと急ぐ。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:123">123</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/27(日) 00:57:24ID:8NfIYcEB</font></dt> <dd> 拷問部屋につくと、楽しげにデニスの上の刃を揺らして遊んでいた<br> 変態兄妹は再びアリッサの心臓を要求して、両手に短刀を構え襲いかかってくる。<br> 今度は床が抜けるようなことはなく、アリッサもルーダーとして対抗するため<br> 光の弓を発動して彼らを受けてたつ。<br> <br> アリッサをみくびっているのか、まずは変態妹だけがかかってくる。<br> 表示された名称は「シザーウーマン」。シザー?ハサミ?<br> そういえばこの女は「ちょぉきちょき♪」と言いながら襲いかかってきたし<br> 短刀をクロスさせて突き出してくる様子はハサミのように見えないこともない。<br> あれは短刀じゃなくてバラバラにしてある大バサミだったのか、<br> とプレイヤーが新たな発見をしつつも戦闘が開始される。<br> しかしこのシザーウーマンはライフが低いため、光の鎖をつけるまでもなく<br> あっさりとアリッサに倒されてしまう。<br> <br> 苦しんでいる妹に焦って兄が近づくが、妹はぽんっと紙吹雪になってしまった。<br> なぜ紙吹雪になるのだろうか?<br> こんな変態でも兄妹愛はあるらしく、悲しんでいる兄。<br> その隙にアリッサは妹が持っていたハサミでデニスの縄を解いて<br> 助けようとするが、怒った兄が復讐のために襲いかかってくる。<br> <br> 「よくも俺の妹をぉ!」<br> などと叫び、両手の短刀――ではなくバラバラのハサミを構える兄。<br> 妹がシザーウーマンならその兄は――ビンゴ!予想どおり、表示された名前は<br> 「シザーマン」だった。<br> こんなに声が甲高くやかましく変態で派手なチョンマゲ東洋人がシザーマン…<br> クロックタワー1や2をプレイしたプレイヤーの心に衝撃を与えながらも戦闘開始。<br> 彼のライフはかなり高く、かなり強敵であると予想させられる。<br> しかし実は全然弱かった。<br> 「お見せしよう!」と叫んだ後に大技のために力を溜め始めるのだが、<br> その溜めが長い上にその間あからさまに隙だらけなのだ。<br> ライフだけは多いので天からの光にも一度は耐えたが、それだけ。<br> あっさりと二度目の天からの光を受け、それでライフは0になった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:178">178</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/29(火) 21:59:01ID:tBEKLZJZ</font></dt> <dd> 悲鳴をあげながら苦しんで消滅しかかっているシザーマンはもう無視して、<br> ふたたびデニスの縄を急いで解く作業に入るアリッサ。<br> しかし、シザーマンは最期の力をふりしぼってアリッサに斬りかかってきた。<br> 油断していたアリッサは数回の斬撃をなんとかよけるものの、<br> ヤケクソになったシザーマンに壁に追い詰められてしまう。<br> その時、アリッサが半分解いた縄から自力で脱出したデニスが<br> あの振り子のように揺れる刃をつかんでシザーマンへと思いっきり突き出した。<br> 「伏せろアリッサーっ!」<br> ドガッ!!<br> アリッサが伏せると同時に、その刃の端はシザーマンを貫いて壁に突き刺さる。<br> 「ギャーッ!!」<br> シザーマンは断末魔の声を挙げると、ぽんっと紙吹雪になってしまった。<br> なぜ紙吹雪になるのだろうか?<br> <br> 変態兄妹を倒したことで一息つく二人。しかし、またあの笑い声が聞こえてきた。<br> 『アーッハッハッハ!』『キャハハハハ!』<br> まさか復活したのか?と驚いて声の方を見上げると、青白く透き通った<br> 兄妹の幽霊が振り子刃の両端に座り、ブランコのように揺らしている。<br> ひとしきり楽しげに笑い続けた後、彼らは消えていった。<br> 最後まで楽しそうな奴らだった……<br> ともあれ、彼らを倒したことでまたクローバー型ペンダントのパーツが手に入った。<br> ハンマー男、硫酸男、斧男らを倒した時に手に入れた三つのパーツとあわせて<br> 四つ葉の全てが揃い、ルーダーの力を引き出すペンダントが完全なものとなったのだ。<br> <br> 今度こそ安堵して、無事を喜びあうデニスとアリッサ。<br> しかしその次の瞬間、二人は城の入り口を入ってすぐの、あの巨大な時計塔の<br> 内部のようなホールに立っていた。<br> 混乱する彼らの前にあの黒衣の紳士が現れ、母親を助けたいなら塔の頂上まで<br> 来るがいい、とアリッサを挑発するようなことを言って消えた。<br> すぐに頂上へ向かおうとするアリッサを、デニスは状況の把握ができずに<br> パニックになりかけているようだがとりあえず引き止める。<br> しかしアリッサは私はルーダーだから!と強く言い切り、ここにいて、と<br> デニスを押し止めてから、螺旋階段を駆け登りはじめた。<br> <br> この螺旋階段は途中が崩れていて登り切れなかったはずだが<br> あの紳士が招いているのか今度は足場が現れ、遥か高い天井の上まで上がれた。<br> その上は機械室となっており、巨大な歯車がいくつも回っている。<br> その歯車の下をはいつくばってくぐり抜けて進み、スイッチを押して出した<br> 梯子を登って、アリッサはようやく黒衣の紳士の待つ屋上に到達する。<br> <br> <a name="a179"></a></dd> <dt><a href="menu:179">179</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/29(火) 22:00:20ID:tBEKLZJZ</font></dt> <dd>時計塔の頂上。<br> 闇の紳士は、元の通りのお祖父ちゃんの姿、声でアリッサを出迎えた。<br> 「アリッサ、よく来たね……。さあ、私とひとつになろう。<br> 契約の儀式を行なって、ひとつになって永遠に一緒に居よう、アリッサ!」<br> しかしアリッサは手を広げて近寄ってくる祖父を拒否するかのように後ずさる。<br> 「近づかないで!」<br> 「どうしたんだい、いつまでもお祖父ちゃんと一緒に居られるんだよ、アリッサ!」<br> 「あなたはもう私が大好きだったお祖父ちゃんなんかじゃない!ママを返して!」<br> その言葉に傷ついたかのように顔を歪める祖父。<br> 次の瞬間。彼の姿は徐々に変化していき、そこに立っていたのは<br> あの肖像画に描かれていた中世の殺戮領主――バロウズ侯爵。<br> <br> もはや優しい素振りも捨てた彼はアリッサを掴みあげ、無理矢理に<br> 生け贄の台座に乗せる。契約の儀式に必要なのか、衣服も今まで着ていた<br> 学校の制服(かなりミニスカート)からギリシャ風な衣裳へと不思議な力で<br> 変化させた。(製作者にこだわりでもあるのか、やっぱりミニスカ)<br> ルーダーの力を引き出すクローバーのペンダントも奪われてしまい、<br> そのためか彼の力に抵抗することができないアリッサ。<br> <br> その時彼女が見つけたものは石像に変えられてしまっている母親だった。<br> 「ママ!」と悲鳴をあげるアリッサに対しバロウズは、あんな男と結婚したあげく<br> 今度は私の邪魔までしようとした愚かな娘、と断じ、大剣でその石像を打ち砕く。<br> しかもその時クローバーのペンダントも床の割れ目から塔の下へと落ちてしまった。<br> <br> 絶望に打ち拉がれるアリッサ。<br> バロウズが呪文を唱えだすと、これまで倒してきた魔のモノの配下達の幻影が<br> アリッサを取り囲みポーズを取りはじめる。<br> 儀式の準備は着々と進んでいく……。<br> <br> その時、塔の時計盤の針が深夜0:00を指し鐘の音が鳴り響いた。<br> この瞬間、アリッサは契約の儀式を行なうための年齢である15歳になったのだ。<br> アリッサの上にバロウズがかがみこみ、ついにその心臓を抉ろうと剣を振り上げた!<br> <br></dd> <dt><a href="menu:189">189</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/30(水) 01:45:29ID:wj14M92l</font></dt> <dd>「やめろぉっ!」<br> その時現れた救い主は、なんとデニスだった。<br> 落ちてきたクローバーのペンダントを拾い、アリッサを救うために来てくれたのだ。<br> デニスからペンダントを受け取りルーダーの力を取り戻したアリッサは、<br> バロウズの力による呪縛から逃れることができた。<br> <br> しかし……<br> 「邪魔だっ!」<br> 「うわああああぁぁぁぁぁーー……」<br> 激昂したバロウズはデニスをこの巨大な時計塔の頂上から突き落とした……。<br> またも親しい人を失った怒りと哀しみに燃えるアリッサ。<br> ルーダーの弓矢を発動し、全ての決着をつけるべくバロウズに立ち向かう。<br> 最後の決戦だ。<br> <br> バロウズにはこれまでの魔のモノのしもべと違い、隙らしい隙は無い。<br> 近寄ると、大剣によるとても避けきれないような猛攻を繰り出す上に、<br> 抱き締めてこちらの力を吸い取ってくる。「可愛い奴だぁ…」<br> よって遠ざかって矢を射るチャンスを狙うが、遠距離からは闇を凝らした弾を放ち、<br> それが当たると光の矢と同じように闇の鎖となり、アリッサの動きを縛る。<br> 黒幕なだけあって最強の敵である。<br> それでも闇の弾による激しい攻撃の合間を縫って射ていった光の矢によって、<br> アリッサは苦しいながらも何とか光の鎖で縛り止めて天からの光を発動。<br> 光の魔法陣の中に封じられたバロウズの体は光の柱に撃たれた。<br> <br> だが。アリッサの力だけでは止めは刺せないということなのか、<br> バロウズは天からの光が直撃しても弱った様子を見せない。<br> それどころか光の鎖を打ち砕く能力さえ身につけ、天からの光はもう発動できない。<br> 強い心を持つアリッサはそれでも諦めずに通常の光の矢の攻撃力のみで対抗するが、<br> なんとそれでライフを0まで削ってすらバロウズが攻撃を止めることはない。<br> <br> もはや打つ手はないのか?<br> 焦燥を感じていたアリッサの耳に、母の声が聞こえてくる。<br> 『アリッサ……私の力を使いなさい……』<br> その声にアリッサが母の石像を見ると、ぼんやりと光を放っている。<br> バロウズから必死で離れて石像のかけらを拾うアリッサ。<br> すると、それはルーダーの力が集められた光の剣へと姿を変えた。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:191">191</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font> <font color="#8080FF" size= "2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/03/30(水) 01:49:48ID:wj14M92l</font></dt> <dd> 自分に背を向けているアリッサに向かい、彼女と一つになるという<br> 妄執をむき出しにしてバロウズが襲いかかってくる。<br> その瞬間、振り向いたアリッサは手にした光の剣をバロウズの胸に突き立てていた。<br> 自らの体を貫いている光の剣を信じられないように見つめてうろたえるバロウズ。<br> もはやアリッサすら目に入らないかのように突き飛ばし、もがき苦しむ。<br> 「ぐわあああぁぁぁーっ……」<br> そして、断末魔の声を挙げながら、床の割れ目から墜ちていった……。<br> <br> 全ての元凶、歪んだ愛と執着心によって魔に魂を売ってしまった者、<br> 祖父でありバロウズ侯爵であり黒衣の紳士である男は滅びた。<br> この異常な世界を維持していた魔のモノの魔力が途切れたからか、<br> 時計塔はがらがらと崩れさっていく……。<br> <br> <br> <br> あたりは光にあふれるお花畑。<br> その中で眠っていたアリッサが目覚めてあたりを見回すと、<br> そこには同じく今目覚めたデニスの姿があった。<br> 邪悪な存在を討ち滅ぼしたことを手を取りあって喜びあう二人。<br> アリッサは輝かんばかりの笑顔で、明るい声をあげた。<br> <br> 「ママ、私たちやったわ!!」<br> <br>  ~スタッフロール~<br> <br> END。<br> <br> <br> 結局ママの生死は?とか、このお花畑ってまさか天国じゃないだろうね?<br> などのプレイヤーのさまざまな疑問や不安は放置したままです。<br> <br></dd> </dl>
<p> <strong>クロックタワー3<br /></strong>&gt;&gt;14-77~79・81~82・84~86・88~89・107~116・118・123・178~179・189・191</p> <hr /><dl><dt><a>77</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 17:31:16 ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>クロックタワー3をやります。<br /> あやふやな記憶で書くので間違いがあったら誰か補完よろしく。<br /><br /> アリッサ・ハミルトン<br /> このゲームの主人公の14歳の女の子。明るく芯が強いヒロイン的性格。<br /> 寄宿学校に通っていてそこの制服を着ているが、なんかスカートの丈が短い。<br /> 「正義のパンチラ少女」とGoogle検索するとアリッサに関するページのみHitするらしい。<br /><br /> デニス<br /> アリッサの幼なじみでたぶん同い年くらい。子供っぽくて時には軽率な行動もとるが、命をかけてアリッサを助けてくれたりもする意外と勇敢な少年。<br /><br /> 早くに父を亡くし、大好きな祖父と母との3人でハミルトン家の邸で暮らしてきたアリッサ。<br /> しかし3年前に祖父が謎の失踪を遂げてしまう。<br /> アリッサは、今は故郷から離れた町の寄宿学校で暮らしている。<br /> もうすぐ15歳の誕生日が近づいたある日、母からの謎めいた手紙がアリッサに届きます。<br /> 「お祖父ちゃんが失踪した理由がわかった。あなたの身に危険が迫っているの。<br /> 15歳の誕生日が過ぎるまで、どこかに身を隠していて。(要約」<br /> この手紙に不安を煽られ、母が心配になったアリッサは、母の言い付けを破って隠れたりすることなく実家のハミルトン邸に帰ってきてしまいます。<br /><br /><a name="a78"></a></dd> <dt><a>78</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 17:46:23ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>しかし、ハミルトン邸の中は妙にがらんとして人気が感じられない。<br /> 親子だけで住むには広すぎるので、部屋を貸している下宿人達も居るはずなのに。<br /> ただ一人居た黒衣の紳士に話し掛けると、不気味な笑顔を浮かべながら<br /> 「お母さんは帰ってきていないよ。永遠に帰ってこないかもしれないなぁ!」<br /> などと不吉な言葉を並べてどこかへ消える。<br /> 気を取り直して邸の中を探索すると、母の部屋に通じるドアに不思議な紋章で封印がなされており、それに触れた時のショックで暖炉の中の隠し通路が開く。<br /> 這いずってその中を抜けると、母の手紙と聖水の小瓶が見つかった。<br /> 手紙によれば、ハミルトン家の女性はみな「ルーダー」という聖なる能力な持ち主でずっと昔から「魔の物」という勢力と戦ってきているらしい。<br /> そしてこの聖水は、「魔の物」をひるませたり封印を解いたりといった効果があるそうだ。<br /> 早速聖水を使い、母の部屋の封印を解いて中に入るアリッサ。<br /> そこで何か手がかりがないか調べていると、突然どこからか、「幻想即興曲」のピアノ演奏が聞こえてきて、アリッサは不安に駆られているうちにどこか異なる場所へと飛ばされる。<br /><br /><a name="a79"></a></dd> <dt><a>79</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 18:13:02ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>書き忘れていたけどたしか舞台はイギリスです。<br /> ムービーの時は、登場人物達が英語を話して字幕が出るバイオハザード式ではなく日本語をペラペラ話すメタルギアソリッド式です。<br /><br /><br /> 妙に古い感じの町並みの道路に立っていたアリッサ。と、ヒューッという落下音と共に、次々に爆発が起こる。空を見上げると、そこにはサーチライトに照らされて無数の爆撃機の影が。どうやら第二次世界大戦の時代に紛れ込んでしまったようだ。<br /> アリッサはなんとか爆撃が終わるまでやりすごすことができ、まだ奏でられ続けているピアノの音が聞こえる方へ進む。<br /> するとその途上に、入り口が封印された仕立て屋さんがあったので、聖水で解除して中に入って探索してみることにする。<br /> 中で見つけた新聞記事や手紙によればこの家では仕立て屋の父と小さな女の子が暮らしていたが、父が戦争に行っている間に連続殺人鬼によって女の子が殺害されてしまったらしい。<br /> と、その時、その殺人鬼、大きなハンマーを担いだ覆面の男が女の子を殴り殺した過去の場面の幻影が流れる(魔の者の力なのか、これからも度々アリッサは過去の凄惨な場面の幻影を見せられる)。<br /> しかもその殺人鬼だけは現実となってアリッサに襲い掛かってくる!<br /><br /></dd> <dt><a>81</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 18:34:53ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>急いで仕立て屋の試着室に隠れて息を潜めると殺人鬼はアリッサを見失い、光を放ってひとまずは消えていく。どうやら単なる人間の殺人鬼ではないようだ。<br /> 先程殺人鬼が飛び出てきた為入れるようになった女の子の部屋を探索すると、ピアノ発表会への招待状と、ぜひ優勝したいという内容の日記があった。<br /> しかし先程読んだ別の新聞記事によると優勝は別の子で、この仕立て屋の女の子はおしいところで間違えてしまい、優勝を逃してしまったらしい。<br /> そこでまた殺人鬼が襲ってくる。今度は隠れるところなどない為大ピンチ。<br /> しかしアリッサは椅子を殺人鬼にぶん投げ、それをあっさり払われてもその隙をついて殺人鬼の巨体にタックルを食らわせて転ばせ、殺人鬼は頭を打ってダウンする。<br /> アリッサは仕立て屋から出て、再びピアノの音色が聞こえてくる方へ、そのピアノの発表会の会場だったホールへと向かう。<br /><br /> ホールのステージの上では、あの女の子の幽霊がピアノをひきながら泣いていた。<br /> アリッサが近づいて話そうとするが、アリッサを追ってきた殺人鬼の姿を見て恐怖に駆られた女の子は姿を消してしまう。<br /><br /><a name="a82"></a></dd> <dt><a>82</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 19:08:31ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> 殺人鬼を避けたり、機転や運で撃退したりしながらホールを探索してペンチを手に入れたアリッサは、仕立て屋に針金で厳重に封じられた部屋があった事を思い出す。<br /> 仕立て屋へと戻り針金をペンチで切ってその部屋に入ってみると、開くと幻想即興曲のオルゴールが流れるようになっている仕掛けの懐中時計を見つけた。<br /> アリッサがそれを手にとった時、また過去の幻影が流れだす。<br />  ……時計の音色を聞きながら、父親が女の子に戦争に行くという話をしている。<br />  「私、ピアノの発表会でこの曲を弾くわ。優勝すればラジオで演奏が流れるから、<br />  戦争に行った先でもお父さんが私のピアノが聞けるでしょ?」<br />  「ああ、楽しみにしているよ。」<br />  (会話や手紙の内容はうろ覚えの要約です。以後のものも全て同じ)<br />  場面は切り変わって最前線の戦場。砲撃で吹き飛んだ兵士の死体が鉄条網の上に落ちるが、<br />  その死体からオルゴールの音色が聞こえ始める。周りの兵が驚いてその兵士の<br />  死体を見上げると、その胸からは懐中時計が下がっていた……<br /> 女の子の父親も既に戦死しているようだ。<br /> アリッサはその懐中時計を手にして、あの女の子の幽霊のところへ向かう。<br /><br /></dd> <dt><a>84</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 20:56:21ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>しかしホールの正面広場では殺人鬼がアリッサを待ち伏せしていた。<br /> 殺人鬼が目前に迫ったその時、アリッサの持つ聖水の入った瓶が輝いて聖なる力を持った弓へと変化する(変身少女アニメみたいなノリです)。<br /> 魔のモノと闘うルーダーとしての力が目覚めたのだ。<br /><br /> 「ハンマー男 懲役換算年数○○○年(具体的な数値は忘れました」と表示され、その年数、彼の犯した罪の象徴がそのまま彼のヒットポイントとなる。<br /> アリッサはハンマー男の攻撃を避けて、聖なる弓から光の矢を射ち込んでゆく。<br /> 聖なる力を溜めて射た矢の一本一本がハンマー男に命中するたびに彼は光の鎖で動きを封じられていき、ついに完全に地に繋ぎ止めた時彼を中心に光の魔法陣が地面に浮かびあがった。<br /> アリッサはそれを見て、空へと矢を放つ。すると天から雲を割って眩しいほどの光が魔法陣めがけて落ち、ハンマー男は遂にその存在を抹消された。<br /><br /> 仕立て屋にあった新聞記事によると、彼は労働者であったが仕事中に突然乱心、その時使っていたハンマーで同僚を殴り殺し、その後も無差別連続殺人を犯して死刑になったはずの人間だった。<br /> なぜ死んだはずの犯罪者が復活しているのだろうか?<br /><br /><a name="a85"></a></dd> <dt><a>85</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 21:26:32ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> アリッサはハンマー男を倒したことにより、ルーダーの力を増すお守りである四つ葉のクローバー型のペンダントの葉の部分のパーツの一つを入手して、ホールへと入った。<br /><br /> まだステージのピアノの所で泣いている女の子の幽霊に懐中時計を渡すとそのオルゴール仕掛けの音色が流れ、女の子は涙を止めて聞き入る。<br /> その時ステージの上に天国からの階段が表れ、女の子の父親が迎えに降りてきた。<br /> しっかりと抱き合う親子。<br /> 彼らは「ありがとうアリッサ!」などとお礼を言って、ともに天に昇っていく。<br /> アリッサは、スポットライトを浴びながら彼らに「さようならー!」と手を振っていた。<br /> (舞台演劇のようなノリです)<br /><br /><a name="a86"></a></dd> <dt><a>86</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 21:58:11ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>アリッサが目覚めると、母の部屋のベッドに俯いていた。<br /> 夢だったのか?と思っていると、突然窓を叩く人影が!<br /> びっくりしたアリッサだったが、それは単に窓から入ろうとして落っこちそうになっていた、幼なじみでこの近くに住むデニスだった。<br /> デニスはアリッサに、久しぶりだなー、そういえばこの前お前のお母さんに会ったぜ、<br /> などと言い、それを聞いたアリッサに母の様子を問われると、えらく慌てていたようだと答える。<br /> また、アリッサに会ったらこれを渡してほしいと頼まれて預かった、と鍵を渡す。<br /> それは3年前に失踪した祖父の部屋の鍵だった。<br /> 鍵を見つめて考え込むアリッサに対し、お前何年か見ないうちに大人っぽくなったよなー、</dd> <dd>などとデニスが言っているが、あまり耳にも入っていない様子。<br /> そして謎を解く為にも祖父の部屋に入ることに決め、母の部屋を駆け出していく……<br /> が、途中でちょっと引き返して「デニスも大人っぽくなったわよっ?」<br /> とデニスの頬をちょん、とつついてから出ていった。<br /> 頭をかくデニス。<br /><br /> お祖父ちゃんの部屋を探索したアリッサは、「魔のモノ伝承の古書」という資料的な本を見つけ出す。<br /> その中には、ルーダー一族と魔のモノに関する様々な知識が収められていた。<br /><br /></dd> <dt><a>88</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 22:26:59ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd> その本によると、古来から魔のモノと呼ばれる邪悪が存在し、それらは人間に憑いて連続殺人を犯させるどころか、殺人犯が死してもなお魔物として凶行を続けさせるらしい。<br /> それら魔のモノやその配下である殺人鬼達と闘争を続けてきたのがルーダー一族。<br /> ルーダーとなれるのは一族の中でも若い女性のみなのだ。<br /><br /> その本を読んで、さっきの戦いは夢ではなく今回の事件には魔のモノが関わっていると確信したアリッサはルーダーとして戦う決意をする。<br /> そこにデニスがまた現れ、こう見えても男だ、何か手伝うぜ、と協力を申し出てくれ、2人で何か手がかりがないか手分けして屋敷を調べることになった。<br /><br /> 祖父の部屋で金のネジまきと銀のネジまきを手に入れたアリッサは母の部屋に動かないネジまき式の時計があったことを思い出し、ネジで時間を調節して壁の絵に描かれた時計の時刻に合わせてみる。<br /> すると隠し扉が現れ、中の部屋は母がルーダーとしての活動に使っていたらしく魔術的な本や道具が沢山置いてあり、地面には大きな魔法陣が敷いてあった。<br /> 置いてあった魔術書をヒントに、聖水をかけることで魔法陣を起動させるとその力でアリッサは再び家とは異なる場所へと転移していた。<br /><br /><a name="a89"></a></dd> <dt><a>89</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/24(木) 23:30:35ID:ssDjBpOW</font></dt> <dd>アリッサが到着したのは暗い町並みの中にある公園。<br /> 魔法陣はこちらにもあるのでいつでも邸には戻れる。<br /> ゴミ箱に入っていた新聞を読んでみると、連続硫酸殺人犯が出没しており被害者の死体は硫酸漬けにされていた、と言う記事が見つかる。<br /> おそらくこれも魔のモノが関わっているのだろう。<br /><br /> 近くの家に入ってみるとその家の住人らしい男性が現れてこちらの気配を感じたのか<br /> 「どなたですか……」と話しかけてくるが、様子がおかしい。<br /> 目からは血を流していてアリッサが見えていないようだし何かとおびえている。<br /> アリッサが答えにつまっていると、恐れに耐えきれなくなったのか男性はかき消えてしまう。どうやら幽霊だったようだ。<br /> その近くにあった扉に入ってみると、そこにいた老婆が「○○かい?(名前忘れました)」<br /> と息子の名前を呼ぶが、この老婆も目から血を流しており、そして怯えきっている。<br /> そして息子ではないようだ、と気が付くと恐慌状態に陥り、ポルターガイスト現象を起こしてアリッサを部屋の外へと弾き出す。この老婆も幽霊のようだ。<br /><br /> 老婆のいる部屋はあきらめてそこ以外の探索を行なうと、ある部屋であの男性の書いた日記を発見することができる。<br /> それによるとここは元々玩具職人である男性とその母の老婆が暮らしていた家で、息子は目を悪くしていた母を医者にかからせるお金を貯めようと熱心に仕事をしていた。<br /> ある時から遠縁にあたる男が下宿するようになって、息子は表面的には愛想がいいその男になんとなく嫌なものを感じていたが、人に偏見を持つものではないという母の意見に同意して気にしないようにしていたようだ。<br /> 日記は、その遠縁の男がこの家の裏手にあるメッキ工場で働き始めた、と言うところで止まっていた。<br /> あの公園のゴミ箱の新聞記事によると、殺人事件の犯人の硫酸魔が使っていた硫酸はメッキ工場から盗まれたものだったらしいので、おそらくこの遠縁の男が硫酸魔であり、この家の親子を殺したのもこいつだろう。<br /><br /> また、キッチンには記者の死体とその幽霊が居た。<br /> 理性を失っている幽霊とは話せないが、死体のそばの手記を読むことができる。<br /> 彼はこの家に硫酸殺人事件のことを調べに来た者で、ある仕掛けを見つけたがフィルムを切らしていて写真を撮れなかったらしい。<br /><br /> 裏庭に通じるドア以外は全て探索したが、このドアの開け方がわからないのでアリッサは一旦邸に戻ることにする。<br /><br /></dd> <dt><a>107</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 14:34:58ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>邸へと続く魔法陣がある公園へと戻ると、なんと母が魔法陣の方へ歩いていく。<br /> しかし、体が半分透けているように見える上に、驚いて呼び掛けるアリッサの声が聞こえないかのようにそのまま行ってしまう。<br /> しかし母が通っていった後に落ちていた鍵を見付けて拾ったアリッサ。<br /> どうやら祖父の部屋の机の引き出しの鍵のようだ。<br /><br /> さっそく邸に戻って祖父の部屋で鍵を使い、引き出しを調べてみると「魔のモノ伝承の古書」の続きが見つかる。<br /> ルーダーの力が最高になるのは15歳の頃で、それ以降だんだんと力が衰えることや、魔のモノの配下に殺された人々に、彼らの生前の思い入れのある品を渡して彼らを昇天をさせることが魔のモノの配下達を打倒する助けになること等がわかった。<br /> その古書とともに引き出しから見つかったのはお祖父ちゃんのコレクションの一枚らしい奇妙な仮面。そういえば壁にも仮面は数枚飾ってある。<br /> と、仮面を架ける金具が一つ空いていることに気付いたアリッサはそこに今手に入れた仮面を架けてみる……すると、そこに隠し扉が開いた。<br /><br /> その中の隠し部屋にあったお祖父ちゃんの日記を読むと、ハミルトン家に婿に来た当初はオカルト的なことなど信じてはいなかったが現在は疑う余地もない、崇高な役目を負うルーダーの一族の一員となったことに深く感動している、といったような内容がやや熱狂的に記されていた。<br /> アリッサはその隠し部屋でカメラのフィルムも見つけ、先程の古書の内容と記者の死体のことを思い出し、あの記者の魂を昇天させるのに役立つかもしれないと持っていくことにする。<br /><br /> 再び魔法陣を通り玩具職人の家まで戻ったアリッサ。<br /> 記者の死体の傍にカメラのフィルムを添えると記者の幽霊は昇天してゆく。<br /> おそらく、殺人事件の事を調べにきたのに目撃したものを写真にも撮れずに硫酸魔に殺されたことが心残りだったのだろう。<br /> 昇天させてもらった礼として彼が創りだしたものか、2枚の写真がその場に残される。<br /> そこには、裏庭に通じる開かなかったドアを開ける為の仕掛けの様子が映っていた。<br /><br /> 写真をヒントとして扉を開け、裏庭に出たアリッサがそこにあった仕事場に入ってみるとまたもや過去の幻影が流れだす。<br /><br />  母親が寒くないようにと肩掛けをプレゼントし、優しく母の肩にかけてあげる息子。<br />  母は礼を言うと、また新しい仕掛けの玩具を考えているの?子供達もきっと喜ぶよ、<br />  と息子の仕事熱心をねぎらう。<br />  そんななごやかな親子の語らいに突然、謎の男が乱入する!<br />  ガスマスクを付けてボロボロのコートを着込み、背中に背負ったタンクに<br />  繋がった噴霧器を構えているその男は親子を捕まえ、ドラム缶の中に叩き込む。<br />  その時、母親の肩掛けはスルリと落ちて下水に繋がる排出口に落ちてしまった。<br />  ガスマスクの男はドラム缶の中の2人に対し、噴霧器から液体を浴びせかける。<br />  その液体に焼かれて苦しみ悶えて死んでいく親子に対し、<br />  『硫酸風呂の湯加減はどうだぁ?』と嘲り笑うその男こそ、硫酸殺人事件の犯人であった。<br /><br /> ハンマー男が登場した時のように、幻影が終わってもその硫酸魔だけは実体となって襲い掛かってくる。<br /> しかし、アリッサが作業場の隅にあった薬品を苦し紛れに投げ付けると化学反応を起こしたのか発火して硫酸魔を灼き、一時的に撃退する事ができた。<br /><br /><a name="a108"></a></dd> <dt><a>108</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 15:21:39ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>あの親子を昇天させてあげる為には、やはりあの肩掛けが最適だろうが、しかしあれは下水へと流れてしまったようだ。<br /> 作業場から出たアリッサがフェンスの向うの下水の流れる川を見やると、なんと下流の方で肩掛けが引っ掛かって残っているのを見つける。<br /> 思わぬ幸運に感謝し、その肩掛けを取りに行く為に、下流側にあるメッキ工場を抜けて下水へと近づくアリッサ。<br /> 途中であの硫酸魔が追いかけてくるが、感電させる等してなんとか逃げきる。<br /> だが、肩掛けを手に入れて親子のところへ行こうとするアリッサの前に今度こそとどめを刺そうと硫酸魔が立ちふさがった。<br /> アリッサは再びルーダーとしての力を覚醒させ、光の弓矢を構える。<br /><br /> 「硫酸男」という名称が表示されたこの敵は、遠くからは硫酸をジェットのように一直線に噴出させ、近くからは広範囲に硫酸の霧を散布する強敵だった。<br /> しかし何度も広範囲に撒きちらすと噴霧器の中の硫酸が切れてしまう為噴霧器を振ってタンクから硫酸を補給しなければならない、という弱点をつき、ついにアリッサは光の鎖で硫酸男を地上に繋ぎ止めて前回と同じように天から降り注ぐ光によって彼を滅ぼした。<br /><br /> 血の涙を流して怯えている老婆の幽霊の元に向かい、その肩にそっとあの肩掛けを掛けてあげるアリッサ。すると血の涙は消え、彼女の目に光が戻る。<br /> その時部屋に入ってきた息子の目にも血の涙は既に無かった。<br /> 彼らはようやく再会できたと喜び、ピアノの少女と父親の時と同じようにアリッサに礼を言って天国への階段を2人で昇っていった。<br /><br /> そんな親子に笑顔で手を振っていたアリッサだが、気がつくと邸に戻っていた。<br /> その時彼女の前に現われたのは、邸に入ってすぐに会ったあの黒い紳士。<br /> 彼が何かしたのか邸は崩壊し、その場から巨大な時計塔が生え始める。<br /> その間アリッサは、空中をすごいスピードで飛び回る時計塔の盤面に乗せられ、時計塔が完全に出現するとやっとアリッサは塔の屋上に降ろされる。<br /> 彼女に近付き、お前の母親はもう死んだぞ、とニタニタ笑って言う黒い紳士。<br /> アリッサが思わず「嘘、嘘よ!」と叫ぶが、紳士は「お前も死ぬがいい!」と叫んで彼女を塔の上から突き落とした。<br /><br /><a name="a109"></a></dd> <dt><a>109</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 16:22:06ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>洞窟のような場所で目覚めたアリッサ。<br /> あの高さから落ちたらまず命は無いはずだが、幻影だったのだろうか?<br /> とりあえず先に進むと下水道のような場所に繋がっていた。<br /> 梯子を昇った先は下水道の管理施設か何かのようだ。<br /><br /> そこに新たな「魔のモノの配下」が現われた。<br /> 上半身は裸で、青みがかった肌。スキンヘッドを始めとした全身の皮膚に紋様が浮かんだその男は、両手に手斧を構えて「俺を今までの奴らを一緒にするなよ!」と言うと、「お前をぶっ殺してやる!」的なことを言いながら片手の斧でアリッサを示してポーズを決める。<br /> これまでの「ハンマー男」や「硫酸男」はまだ「陰惨な猟奇殺人者」に見えたが、この敵はもうノリも外見もヒーローものの悪役怪人かRPGの中ボスかのよう。<br /> 青い光を帯びた手斧を投げ付けてくる等、攻撃法も怪人風だ。<br /><br /> 兎も角、その怪人から必死で逃げたりガソリンを使って焼きあげて一時撃退したりしつつこの施設を探索していく。<br /> 配電を修理したり、眼鏡を探していた幽霊を昇天させてカードキーを手に入れたりして、アリッサは電子ロック式の出口からこの施設を脱出することに成功した。<br /><br /> しかし、扉を抜けた先はなぜか先程時計塔の出現によって壊されたはずの、ハミルトン邸の廊下だった。<br /> ここに通じているわけがないのに、と不思議に思いながら邸の中を歩くアリッサ。<br /> すると、ある部屋から楽しげな声が聞こえてきたので覗いてみると、若い母が赤ちゃんに向かってアリッサと名前を呼んで話かけている。<br /> するとここは過去のハミルトン邸のようだ。<br /> 若き日の母は赤ん坊のアリッサにあのルーダーの魔を祓う力を高めるお守り、クローバーのペンダントを見せている。それはちゃんと四つ葉揃っていた。<br /> ハンマー男と硫酸男を倒した時に一つずつ、二つの葉のパーツを取り戻しているが、魔のモノの配下がこれを持っているということはやはり母から奪ったということなのだろうか?<br /><br /> その時別の場所から声が聞こえたような気がして裏庭へ近づくと、<br /> 「うっ、うわぁ!何をするんですかお義父さん!」<br /> と言う声が聞こえてくる。<br /> 見るとあの優しいお祖父ちゃんが鬼のような形相で、テラスの上で<br /> 「お前のような男があの子の夫だと…!?」<br /> そのような言葉をもらしながら男性の襟首をつかんで振り回している。<br /> しまいにはテラスの下に落とされてしまう男性。<br /> ちょうどその頭のところには薪割りの斧が刃を上にして立て掛けられており――<br /><br /> ドカッ!<br /><br /><a name="a110"></a></dd> <dt><a>110</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 17:00:29ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>お祖父ちゃんは娘婿を殺してしまったことに動揺し、こんなことでハミルトン家の名誉を傷つけるわけには、と殺人を隠蔽することを考えはじめている。<br /> あまりのことに呆然としているアリッサのところにあの手斧を持った怪人が現われ、<br /> 「そうさ、お前の大好きなお祖父ちゃんはお前の父親を殺したんだっ!」<br /> と言って嘲笑を浴びせた。<br /> そのまま裏庭で、ルーダーと魔のモノの配下との戦いが始まる。<br /><br /> 「斧男」という名称らしいこの怪人はなぜかあっさり光の矢に射られていくが、光の鎖で完全に地面に繋ぎとめ、光の魔法陣が出現したその瞬間、気合いを込めて鎖と魔法陣を粉砕してしまった。<br /> 自らの力が通用しない敵に戦慄するアリッサに対し、斧男が怪しい術をかける。<br /> アリッサは黒い地面へと飲み込まれてしまった。<br /><br /> 気が付くと墓地のような場所に立っていたアリッサ。<br /> そこにはお祖父ちゃんの手記が落ちていた。<br /> それを読んだアリッサは祖父の暗い闇を見てしまう。<br /> アリッサの父はルーダーの戦いを知り、危険で恐ろしいことだと感じていた。<br /> ルーダーの使命を誇り高いものだと考えていたお祖父ちゃんは彼を苦々しく思っていたが、自分の娘までそれに感化され、アリッサをルーダーにはしたくないと言い始めたことについに激昂し、アリッサの父と口論になって殺してしまったのだ。<br /> 警察も娘もうまく誤魔化したお祖父ちゃんはそのまま優しい祖父としてアリッサのそばで成長を見守っていたが、アリッサが愛らしく成長するにつれて、彼女に対して偏執的なまでの愛情と強い執着心を抱くようになる。<br /> 『アリッサはどんどん美しく成長していくことだろう。しかし、私は年老いていき、<br /> いつか死んでしまう。いやだ。アリッサと永遠に一緒に居たい。』<br /><br /><a name="a111"></a></dd> <dt><a>111</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 17:44:35ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>墓地の一角には、沢山の幽霊達が集まっていた。<br /> アリッサと同じくらいの年で戦士のような格好をしている女の子の姿が多い。<br /> どうやら、魔のモノの配下との戦いに敗れたルーダー達の亡霊のようだ。<br /> 『私は魔のモノの配下に殺されてしまった…』<br /> 『生き返って魔のモノと戦いたい…!』<br /> 口々に悲しみの声をあげている彼女達を昇天させてあげる方法を探すべくアリッサが墓地を探索すると、何か丸いものをはめ込むくぼみがある台座が2つと移動の魔法陣が2つ見つかった。<br /><br /> とりあえず片方の魔法陣に入ると、霊廟のような建物の中に移動した。<br /> ここには特に功績の高かった3人のルーダーの棺が安置されているが、魔のモノの仕業なのか彼女らの象徴である「ルーダーストーン」がバラバラに入れ替えられている。<br /> 死してなお侮辱されたことに対する怒りからか、3人のルーダーは会話も通じない怨霊となっていたが、アリッサが元通りに入れ替えなおすと昇天していき、「光の羅針盤」という丸いプレートが手に入った。<br /><br /> 魔法陣を使って墓地に戻ったアリッサはあの丸いくぼみのある台座の片方に光の羅針盤をはめ込んでみるが、何も起こらない。<br /> やはり両方の台座にはめ込まないといけないのだろうか。<br /> アリッサは、まだ入っていない方の魔法陣の中に進んでいく。<br /><br /> 今度は霊廟とは違い、先程までの墓場とあまり雰囲気が変わらない所に行き着いた。<br /> そこを進んでいったアリッサが見つけたものは、母の車。<br /> 母は乗っていないが、近くには母の手帳も落ちている。<br /> 母の手がかりを見つけたと思ったその時、また斧男が出現した。<br /> 「俺は数多くのルーダー達を殺してきた。お前も殺してやる!」<br /> どうやら墓地に居た沢山のルーダーの幽霊はこいつに殺されたようだ。<br /> 仇を討ちたいが、今はかなわないので逃げ回るしかない。<br /> 逃げ込んだ先の家にあった「魔のモノ伝承の古書」によるとあの斧男もかなり昔は人間だったようで、自分を手ひどく振った少女を斧で殺してしまって以来若い女を斧で残虐な方法で殺していた青年のなれの果てであるようだ。<br /> 斧男を聖水でひるませながら逃げ、そこで見つけた碑文に書かれたように順番にスイッチを押してから聖水で碑文を清めると闇の羅針盤が手に入った。<br /> 斧男から逃げる為にも、アリッサは急いで墓地に戻る魔法陣へ入る。<br /><br /><a name="a112"></a></dd> <dt><a>112</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 19:19:52ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>墓地に戻ったアリッサがまだ何もはめ込まれていない方の台座のくぼみに闇の羅針盤をはめ込むと、2つの台座の間に空間の歪みのようなものが現われる。<br /><br /> 歪みをくぐり抜けると、底が見えないほど深い穴に一本だけ残された道があった。<br /> そこを通った先の祭壇でアリッサは「古代ルーダーの矢」を見つける。<br /> あの昔のルーダーの幽霊達は再び戦いたいと言っていた。<br /> これを使えば彼女達を昇天させられるかもしれない…。<br /> その時アリッサは祭壇の後ろの壁画に気が付いた。<br /> 何者かが少女の心臓をえぐり出している絵であり、説明を読むと「契約の儀式」というおぞましい行為の様子らしい。<br /> 自らの愛する者の心臓をえぐり出して生け贄に捧げることにより、新たな魔のモノとして生まれ変わることができる。それが契約の儀式。<br /> 気味悪く思いながらも墓地に戻りルーダー達を昇天させてあげる為、帰ろうとするアリッサ。しかし、その時背後から一本道が崩れだす。<br /> 少しでも遅れたら奈落の底へ落ちるところだが、必死に走ってなんとか墓地へと戻ることができた。<br /><br /> ルーダーの幽霊が居る方へ進むアリッサ。そこに、またも斧男が立ちふさがった。<br /> もはや逃げることはできない。光の弓を出し、斧男との再戦が始まった。<br /> 今度は本気を出してきている斧男は、光の矢を全てガードしてしまう。<br /> 苦戦するアリッサだが、斧男が投げてきた青い光を帯びた手斧を光の矢で撃ち反すと、そのまま手斧は斧男へと向かっていった。<br /> たまらずダウンした斧男に、その隙を逃さず光の矢を射ち込み続ける。<br /> 「古代ルーダーの矢」の力でアリッサのルーダーとしての能力が強くなっていたのか、今度は斧男も光の鎖や魔法陣を打ち砕くことができずに天からの光に撃たれた。<br /> これまで多くのルーダーを殺してきた彼も、遂にルーダーによって滅ぼされたのだ。<br /><br /> ルーダーの幽霊達の所へ行くと、斧男が消滅したことで既に未練は絶たれたらしく<br /> 「ありがとうアリッサ」「負けないでアリッサ」等と口々に言って天にのぼってゆく。その過去のルーダー達を、アリッサは見送っていた。<br /><br /><a name="a113"></a></dd> <dt><a>113</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 20:23:09ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>辺りは暗くなり、次に明るくなった時アリッサは森の中の道に立っていた。<br /> そこにアリッサの名を読んで駆け寄って来たのはデニス。<br /> 彼にしてみれば訳がわからない一連の出来事に混乱しているようだが、とりあえずアリッサと同行してくれることになった。<br /><br /> 森からの道は街の通りへと繋がっていたが、人は誰もいないし物音もしない。<br /> しかし、ある病院の窓から女性が顔を出し、「デニス!」と呼び掛けて手を振った。<br /> 「姉さんだ!」と嬉しそうに言うデニス。しかし、邸で雑談した時に姉は外国に行っていると言ったはず――<br /> アリッサは疑問の声をあげるが、デニスは「きっと帰ってきたんだ!」と言って病院の中に駆け出して行く。アリッサも後を追うが、そこは明らかに廃病院だった。<br /> 2人があの窓の部屋に着くと、デニスの姉がデニスを出迎える。<br /> 懐かしさのあまり、姉に抱きつくデニス……しかし、案の定それは偽物だった。<br /> そのとたん本来の姿に戻った女は「キャーッハッハッハッ!」と笑い声をあげてデニスを人質にとり、それと同時に別のドアが開いて「アーッハッハッハ!」とやはり笑いながら、台車のようなものに乗って男も飛び出てきた。<br /><br /> この男女はこれまでの敵とはかなり趣が違う。まず外見からして違う。<br /> 男も女も黒髪だが、男はチョンマゲっぽく、女は中華風に結っている。<br /> 顔は、妙なビジュアル系バンドみたいなメイクをしているようだがどちらも東洋系。<br /> 男は天草四郎か南蛮商人か、といった感じの派手な赤い服を、女はサーカスの軽業師かマジシャンのアシスタントといった感じのやはり派手な青い服を着ていて、2人並ぶとチンドン屋のようだ。<br /> 2人とも、両手に短剣のようなものを持っている。<br /> そんな男女が、キャーッハッハッハとかアーッハッハッハとか甲高い声で楽しそうに笑いながらポーズをとっている。<br /> はっきり言ってシュールすぎて怖がるどころじゃない光景だ。<br /> 「とーうとう俺達のところまで来たなアリッサぁ!」<br /> 「おとなしく心臓を差し出すのよぉー!」<br /> そんな感じのことをポーズ付きでやっぱり楽しげに言うとデニスを台車に乗せ、変態的な男女はその台車ごとどこかに去っていった。笑いながら。<br /> デニスが攫われたショックか、それともあの2人のテンションにあてられたのか、呆然としているアリッサ。<br /><br /><a name="a114"></a></dd> <dt><a>114</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 21:05:58ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>アリッサは気をとりなおしてとりあえず病院内の探索を始めるが、あの変態的な2人のうちの男の方が追いかけてくる。<br /> 必死で逃げながら進んでいくと移動の魔法陣があったが、鍵がかかった部屋の中にある為使うことができない。<br /> その為に鍵を探すが、見つかったのは魔鏡というアイテムくらいだった。<br /> 鏡…そういえば、廊下には怪しい鏡があった。<br /> 変態男に追い詰められながらも、鏡の前に行き「魔鏡」を使ってみるアリッサ。<br /> すると次の瞬間、鏡あわせの世界になった病院に移動していた。<br /><br /> ホッと一息付く間もなく、今度は変態女の方がアリッサを追いかけてくる。<br /> 逃げ、隠れながらこちらの病院を探索し、やっと鍵を手に入れることができたアリッサは再び鏡の前で「魔鏡」を使い、元の世界の病院に戻る。<br /> そして魔法陣のある部屋に入り、聖水で起動させた魔法陣の中へと入った。<br /><br /> 移動した先は荒れ地のような場所。<br /> そこを少し進むと、後ろから何か呪文をつぶやきながら歩いてくる人影があった。<br /> それはまさしく、3年前から行方不明になっているお祖父ちゃん。<br /> アリッサは驚いて呼びかけるが、聞こえていないのか、それともこれは過去の幻影にすぎないのか、それに反応することなく道の先に行ってしまった。<br /> アリッサがふと目を地面に落とすと、先程落としていったものなのか、祖父の手記の続きが落ちている。<br /> 前回の手記の嫌な内容にも臆することなく、手記を読み始めるアリッサ。<br /> しかし今回の手記は更に衝撃的な内容が記されていた。<br /><br /> 「魔のモノ」に関することを調べていた祖父は「契約の儀式」を知った時にこう思ったのだ。<br /> 『アリッサの心臓を捧げてその力によって魔のモノとなったならば、<br /> それはアリッサと永遠に一緒に居るということなのではないか?』と。<br /> その悪魔の誘惑に勝てなかった祖父は契約の儀式について更に詳しいことを調べる為に3年前に失踪したのだ。<br /> まだ迷いも残っているらしく、<br /> 「私に愛するアリッサを殺して心臓をえぐり出すことなどできるのだろうか」<br /> という自問自答の文も残されていた。<br /> また、資料や手記を残してきたので娘が私の考えにいつか気付くかもしれないとも。<br /> おそらくその通り、母はこの企みに気付いてアリッサにあんな手紙を書いたのだろう。<br /><br /> 手記を読み終え、祖父が行った方に進むと城があった。<br /> ちょうどまた変態男が現れ追いかけて来たので中に逃げ込むことにする。<br /><br /><a name="a115"></a></dd> <dt><a>115</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 22:31:30ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>だがその扉の中は、まるでハミルトン邸を破壊して現れたあの巨大な時計塔の<br /> 内部であるかのような構造だった。<br /> 外からでは城のように見えたのだが…。<br /> 真ん中にある、浮遊しているような螺旋階段は途中で途切れているようなので、左右にある扉から探索してみることにする。<br /><br /> 左の扉に入るとすぐに変態男が襲いかかって来たので、先に進んで逃げようとするが床が崩れていた為追いつめられてしまう。<br /> 「ヒャーッハハハ!」飛びかかってくる変態男。しかしアリッサが素早く避けた為、勢い余って床の穴へと落ちていった。「ヒャハァーッ!」<br /> その穴の手前には死体があり、その傍には城で働いていた使用人の手記が落ちていた。<br /> ここはやはり城なのか?確かに、扉の向こうは城の内部のような感じだった。<br /> 魔のモノの力で、時計塔と城の空間が歪んだ形で混在しているのかもしれない。<br /> 兎も角手記の内容に目を落とすと、城で行なわれていた領民に対する虐殺に心を傷めていたこの使用人は、調理場の窓の鉄格子を外れやすくしておき、捕まった人々がそこから逃げ出せるようにしておいたらしい。<br /><br /> 左の扉は穴の先に行けそうにないので、今度は右の扉に入ってみる。<br /> こちらも床に穴が開いていたが、壁にも穴が開いていたのでそこから外に出て外壁に張りついて進み、鉄格子のはまった窓の鉄格子を調べると手記どおり簡単に外れたのでそこから調理場の中へと入ることができた。<br /> アリッサが調理場の中にあるかまどの前に立ったその時、やはりと言えばやはり今度は変態女が襲ってきた。アリッサに飛びかかる変態女「キャハハーッ!」。<br /> しかしアリッサが素早く避けた為、かまどの中にダイビングしてしまう。<br /> 「ギャーッ!!」顔を焼いて動かなくなった。<br /> しかしこれまでの敵同様、すぐに復活してくるのだろう。<br /> 暖炉の中に何かあるのを見つけたので火を消して取ってみると、紋章のようなものだった。とりあえず持っていくことにして進む。<br /><br /> 少し離れた部屋は長テーブルが一つある、食堂のような場所だった。<br /> テーブルには燭台を動かした形跡があった為動かしてみると、2本の柱がせり上がってきた。柱には紋章をはめ込むくぼみがある。<br /> 先程手に入れた紋章を片方の柱にはめ込み、もう1つの紋章を探す為に入ってきたのと別のドアから出てさらに探索を続けることにする。<br /><br /> 早くも復活してきた変態女から逃げながら進むと、書庫のような場所に出る。<br /> そこにはまた祖父の手記が置いてあった。目を通すアリッサ。<br /> この手記は、祖父が契約の儀式の知識を得る為に、儀式に関わったとされるバロウズ公爵の城を探していた頃に書かれたものらしい。<br /> 未だ、愛する孫娘を殺すことができるかどうかで悩んでいる様子だ。<br /> また、先程のように壁の穴から外壁を伝って入ることができた所でもう1つの紋章を見つけることができた。<br /><br /><a name="a116"></a></dd> <dt><a>116</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/26(土) 23:32:22ID:gPEd9dYK</font></dt> <dd>あの2本の柱がある部屋へと戻り、先程と同じように2つ目の紋章も柱のくぼみにはめ込むと、隠し扉が現れた。<br /> 扉の向こうは戦斧を持った鎧が立ち並び、鉄の処女が四隅に置いてある部屋だ。<br /> さらにそこを抜けると、大広間のような部屋に通じていた。その部屋の正面の壁には、馬に乗って剣を掲げた勇壮なバロウズ侯爵の大きな肖像画が架かっている。<br /> その絵の手前の台には、「魔のモノ伝承の古書」が置かれていた。<br /><br /> 古書によれば、バロウズ侯爵には溺愛していた娘がおり、「契約の儀式」について知った彼は永遠に一つとなる為に大喜びでそれを行なおうとしたらしい。<br /> しかし儀式の為には娘が15歳である必要があり、そして娘は15歳の誕生日を目前にして全く偶然に命を落としてしまう。<br /> 儀式の直前に娘を失って悲嘆に暮れた侯爵は狂乱し、領地の住民の虐殺を始める。<br /> そして最後には討伐された、と言うことだ。<br /> そんな古書の中からは祖父の最後の手記も見つかる。<br /> 祖父は非常に動揺しているようすだった。<br /> 祖父の実家が、実はバロウズ家の血を引いていたとわかったらしい。<br /> そしてバロウズ侯爵、侯爵の妻、バロウズの娘のイニシャルはそれぞれ、祖父、母、アリッサのイニシャルと同じ。<br /> そして祖父がついに突き止めたバロウズ城があった場所、それはまさにハミルトン邸が建っている場所だった。<br /> 『これは運命の悪戯なのだろうか、それとも無念を晴らすべく侯爵の妄執が<br /> 影で働いた結果なのだろうか?私にアリッサの心臓を生け贄に捧げて<br /> 契約の儀式を行なえというのか?』と祖父は記していた。<br /><br /> その手記を読み終えたその時、突然この部屋にあった映写機が動きだした。<br /> そして壁に映し出された映像は…<br /> 『ヒャーッハッハッハ!』<br /> 『キャーッハッハッハ!』<br /> 『ひ、ひぃぃ~!」<br /> デニスが拷問部屋のようなところの処刑台のような所に縛り付けられ、その真上では巨大な刃がブウン、ブウンと振り子のように揺れている。<br /> 『早く来ないとデニスちゃんが真っ二つよぉ~』<br /> といった感じの事を実に楽しそうに変態が言って、映写機は止まった。<br /> アリッサが慌てて部屋から出ると、何か動力が作動したらしく鎧は斧を振っており、鉄の処女は地下に下りるエレベータとして動くようになっていた。<br /> 斧をタイミングを読んで避け、鉄の処女で地下に下ってその先の拷問部屋に向かう。<br /><br /> 「よく来たわ、アリッサ!」<br /> 「さあ、デニスの命と引き替えにお前の心臓を差ぁし出すのだぁー!」<br /> 拷問部屋に入ると、アリッサを歓迎してポーズ付きで変態達がそんな事を言った。<br /> しかしデニスは、俺のことはいいからお前は逃げろ!と立派な台詞を言う。<br /> アリッサに変態達が襲いかかったその瞬間!<br /> 拷問部屋の床の一角が崩れ、アリッサはそこから落下してしまった。<br /><br /></dd> <dt><a>118</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/27(日) 00:12:59ID:8NfIYcEB</font></dt> <dd>落ちた先はとても小さな部屋だった。落ちたのはアリッサ一人だけだったようだ。<br /> そこには最後の「魔のモノ伝承の古書」があり、あの変態達について書かれていた。<br /> バロウズ侯爵はある戦争に行った時に東洋人の兄妹を拾って帰った。<br /> 兄妹は元々残忍な性格で動物を楽しみながら殺したりしていたが、侯爵が領民の虐殺を始めてからはそれに便乗したように、自らの楽しみの為に人々を殺しまくるようになったと言う。<br /><br /> とりあえず扉から外に出て進むと、どこかで見た雰囲気の部屋に出た。<br /> アリッサが幼い頃描いた絵等が飾られている。即ちここは祖父の部屋だ。<br /> 奥の隠し扉から外に出ると、あの肖像画や映写機がある広間へと戻ってきた。<br /><br />  その時、この部屋に入ってきた人物が居る。なんと祖父その人だ。<br />  おそらく過去の幻影なのだろう、城の前の道で会った時と同じく<br />  アリッサには無反応である。彼は侯爵の肖像画に向かって話かける。<br />  「バロウズ侯爵よ…契約の儀式を果たせなかったその無念、私には痛いほと<br />  それがよくわかる。さあ、私とともに契約の儀式を成し遂げよう!<br />  それが運命だと言うのなら、私はそれを受け入れよう!<br />  侯爵よ!来い!バロウズ侯爵よーっ!!」<br />  その時肖像画から染み出た黒いスライム状のものが祖父へと近づく。<br />  受け入れようとしている祖父をスライムがそのまま包み、<br />  人型の黒い物体となり…それが収束した時そこに立っていたのは、<br />  あの何度もアリッサに近付き苦しめた、黒衣の紳士だった。<br /><br /> 大好きだったお祖父ちゃんが歪んだ愛の為に自分を殺す決意を固め人外のものとなってしまったその瞬間を目の当たりにして動揺しているアリッサ。<br /> しかしその動揺から立ち直る間もなく、再び映写機が動きだす。<br /> 『やっとわかったか、お前のお祖父ちゃんは我らの主と一体となり、<br /> お前の心臓を欲していると言うわけさぁー!』<br /> そんな風な事を言う変態兄妹。<br /> 後ろではやはりまだデニスがあのブウンブウンと動く振り子刃の下に…<br /> ザシュゥッ!!<br /> ああっ!デニスが縦に真っ二つに!<br /><br /> アリッサとプレイヤーは一瞬驚愕したが、それはデニスに似せた人形だった。<br /> 『驚いたかぁ!』<br /> 『本物はこっちよ!』<br /> クルリと台が回って今度こそ縛られたデニスが出てくる。まだ無事だ。<br /> しかし本当にこの兄妹は楽しそうだ。<br /><br /> そこまでで映写機は止まった。<br /> アリッサは先程と同じルートをたどってまた拷問部屋へと急ぐ。<br /><br /></dd> <dt><a>123</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/27(日) 00:57:24ID:8NfIYcEB</font></dt> <dd>拷問部屋につくと、楽しげにデニスの上の刃を揺らして遊んでいた変態兄妹は再びアリッサの心臓を要求して、両手に短刀を構え襲いかかってくる。<br /> 今度は床が抜けるようなことはなく、アリッサもルーダーとして対抗する為光の弓を発動して彼らを受けてたつ。<br /><br /> アリッサをみくびっているのか、まずは変態妹だけがかかってくる。<br /> 表示された名称は「シザーウーマン」。シザー?ハサミ?<br /> そういえばこの女は「ちょぉきちょき♪」と言いながら襲いかかってきたし短刀をクロスさせて突き出してくる様子はハサミのように見えないこともない。<br /> あれは短刀じゃなくてバラバラにしてある大バサミだったのか、とプレイヤーが新たな発見をしつつも戦闘が開始される。<br /> しかしこのシザーウーマンはライフが低い為、光の鎖をつけるまでもなくあっさりとアリッサに倒されてしまう。<br /><br /> 苦しんでいる妹に焦って兄が近づくが、妹はぽんっと紙吹雪になってしまった。<br /> なぜ紙吹雪になるのだろうか?<br /> こんな変態でも兄妹愛はあるらしく、悲しんでいる兄。<br /> その隙にアリッサは妹が持っていたハサミでデニスの縄を解いて助けようとするが、怒った兄が復讐のために襲いかかってくる。<br /><br /> 「よくも俺の妹をぉ!」<br /> などと叫び、両手の短刀――ではなくバラバラのハサミを構える兄。<br /> 妹がシザーウーマンならその兄は――ビンゴ!予想どおり、表示された名前は「シザーマン」だった。<br /> こんなに声が甲高くやかましく変態で派手なチョンマゲ東洋人がシザーマン…<br /> クロックタワー1や2をプレイしたプレイヤーの心に衝撃を与えながらも戦闘開始。<br /> 彼のライフはかなり高く、かなり強敵であると予想させられる。<br /> しかし実は全然弱かった。<br /> 「お見せしよう!」と叫んだ後に大技の為に力を溜め始めるのだが、その溜めが長い上にその間あからさまに隙だらけなのだ。<br /> ライフだけは多いので天からの光にも一度は耐えたが、それだけ。<br /> あっさりと二度目の天からの光を受け、それでライフは0になった。<br /><br /></dd> <dt><a>178</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/29(火) 21:59:01ID:tBEKLZJZ</font></dt> <dd>悲鳴をあげながら苦しんで消滅しかかっているシザーマンはもう無視して、再びデニスの縄を急いで解く作業に入るアリッサ。<br /> しかし、シザーマンは最期の力をふりしぼってアリッサに斬りかかってきた。<br /> 油断していたアリッサは数回の斬撃をなんとかよけるものの、ヤケクソになったシザーマンに壁に追い詰められてしまう。<br /> その時、アリッサが半分解いた縄から自力で脱出したデニスがあの振り子のように揺れる刃をつかんでシザーマンへと思いっきり突き出した。<br /> 「伏せろアリッサーっ!」<br /> ドガッ!!<br /> アリッサが伏せると同時に、その刃の端はシザーマンを貫いて壁に突き刺さる。<br /> 「ギャーッ!!」<br /> シザーマンは断末魔の声を挙げると、ぽんっと紙吹雪になってしまった。<br /> なぜ紙吹雪になるのだろうか?<br /><br /> 変態兄妹を倒したことで一息つく2人。しかし、またあの笑い声が聞こえてきた。<br /> 『アーッハッハッハ!』『キャハハハハ!』<br /> まさか復活したのか?と驚いて声の方を見上げると、青白く透き通った兄妹の幽霊が振り子刃の両端に座り、ブランコのように揺らしている。<br /> ひとしきり楽しげに笑い続けた後、彼らは消えていった。<br /> 最後まで楽しそうな奴らだった……<br /> ともあれ、彼らを倒したことでまたクローバー型ペンダントのパーツが手に入った。<br /> ハンマー男、硫酸男、斧男らを倒した時に手に入れた三つのパーツとあわせて四つ葉の全てが揃い、ルーダーの力を引き出すペンダントが完全なものとなったのだ。<br /><br /> 今度こそ安堵して、無事を喜びあうデニスとアリッサ。<br /> しかしその次の瞬間、2人は城の入り口を入ってすぐの、あの巨大な時計塔の内部のようなホールに立っていた。<br /> 混乱する彼らの前にあの黒衣の紳士が現れ、母親を助けたいなら塔の頂上まで来るがいい、とアリッサを挑発するようなことを言って消えた。<br /> すぐに頂上へ向かおうとするアリッサを、デニスは状況の把握ができずにパニックになりかけているようだがとりあえず引き止める。<br /> しかしアリッサは私はルーダーだから!と強く言い切り、ここにいて、とデニスを押し止めてから、螺旋階段を駆け登りはじめた。<br /><br /> この螺旋階段は途中が崩れていて登り切れなかったはずだがあの紳士が招いているのか今度は足場が現れ、遥か高い天井の上まで上がれた。<br /> その上は機械室となっており、巨大な歯車がいくつも回っている。<br /> その歯車の下をはいつくばってくぐり抜けて進み、スイッチを押して出した梯子を登って、アリッサはようやく黒衣の紳士の待つ屋上に到達する。<br /><br /><a name="a179"></a></dd> <dt><a>179</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/29(火) 22:00:20ID:tBEKLZJZ</font></dt> <dd>時計塔の頂上。<br /> 闇の紳士は、元の通りのお祖父ちゃんの姿、声でアリッサを出迎えた。<br /> 「アリッサ、よく来たね……。さあ、私とひとつになろう。<br /> 契約の儀式を行なって、ひとつになって永遠に一緒に居よう、アリッサ!」<br /> しかしアリッサは手を広げて近寄ってくる祖父を拒否するかのように後ずさる。<br /> 「近づかないで!」<br /> 「どうしたんだい、いつまでもお祖父ちゃんと一緒に居られるんだよ、アリッサ!」<br /> 「あなたはもう私が大好きだったお祖父ちゃんなんかじゃない!ママを返して!」<br /> その言葉に傷ついたかのように顔を歪める祖父。<br /> 次の瞬間。彼の姿は徐々に変化していき、そこに立っていたのはあの肖像画に描かれていた中世の殺戮領主――バロウズ侯爵。<br /><br /> もはや優しい素振りも捨てた彼はアリッサを掴みあげ、無理矢理に生け贄の台座に乗せる。契約の儀式に必要なのか、衣服も今まで着ていた学校の制服(かなりミニスカート)からギリシャ風な衣裳へと不思議な力で変化させた。(製作者に拘りでもあるのか、やっぱりミニスカ)<br /> ルーダーの力を引き出すクローバーのペンダントも奪われてしまい、その為か彼の力に抵抗することができないアリッサ。<br /><br /> その時彼女が見つけたものは石像に変えられてしまっている母親だった。<br /> 「ママ!」と悲鳴をあげるアリッサに対しバロウズは、あんな男と結婚した挙句今度は私の邪魔までしようとした愚かな娘、と断じ、大剣でその石像を打ち砕く。<br /> しかもその時クローバーのペンダントも床の割れ目から塔の下へと落ちてしまった。<br /><br /> 絶望に打ち拉がれるアリッサ。<br /> バロウズが呪文を唱えだすと、これまで倒してきた魔のモノの配下達の幻影がアリッサを取り囲みポーズを取りはじめる。<br /> 儀式の準備は着々と進んでいく……。<br /><br /> その時、塔の時計盤の針が深夜0:00を指し鐘の音が鳴り響いた。<br /> この瞬間、アリッサは契約の儀式を行なう為の年齢である15歳になったのだ。<br /> アリッサの上にバロウズがかがみこみ、ついにその心臓を抉ろうと剣を振り上げた!<br /><br /></dd> <dt><a>189</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/30(水) 01:45:29ID:wj14M92l</font></dt> <dd>「やめろぉっ!」<br /> その時現れた救い主は、なんとデニスだった。<br /> 落ちてきたクローバーのペンダントを拾い、アリッサを救う為に来てくれたのだ。<br /> デニスからペンダントを受け取りルーダーの力を取り戻したアリッサは、バロウズの力による呪縛から逃れることができた。<br /><br /> しかし……<br /> 「邪魔だっ!」<br /> 「うわああああぁぁぁぁぁーー……」<br /> 激昂したバロウズはデニスをこの巨大な時計塔の頂上から突き落とした……。<br /> またも親しい人を失った怒りと哀しみに燃えるアリッサ。<br /> ルーダーの弓矢を発動し、全ての決着をつけるべくバロウズに立ち向かう。<br /> 最後の決戦だ。<br /><br /> バロウズにはこれまでの魔のモノのしもべと違い、隙らしい隙は無い。<br /> 近寄ると、大剣によるとても避けきれないような猛攻を繰り出す上に、抱き締めてこちらの力を吸い取ってくる。「可愛い奴だぁ…」<br /> よって遠ざかって矢を射るチャンスを狙うが、遠距離からは闇を凝らした弾を放ち、それが当たると光の矢と同じように闇の鎖となり、アリッサの動きを縛る。<br /> 黒幕なだけあって最強の敵である。<br /> それでも闇の弾による激しい攻撃の合間を縫って射ていった光の矢によって、アリッサは苦しいながらも何とか光の鎖で縛り止めて天からの光を発動。<br /> 光の魔法陣の中に封じられたバロウズの体は光の柱に撃たれた。<br /><br /> だが。アリッサの力だけでは止めは刺せないということなのか、バロウズは天からの光が直撃しても弱った様子を見せない。<br /> それどころか光の鎖を打ち砕く能力さえ身につけ、天からの光はもう発動できない。<br /> 強い心を持つアリッサはそれでも諦めずに通常の光の矢の攻撃力のみで対抗するが、なんとそれでライフを0まで削ってすらバロウズが攻撃を止めることはない。<br /><br /> もはや打つ手はないのか?<br /> 焦燥を感じていたアリッサの耳に、母の声が聞こえてくる。<br /> 『アリッサ……私の力を使いなさい……』<br /> その声にアリッサが母の石像を見ると、ぼんやりと光を放っている。<br /> バロウズから必死で離れて石像のかけらを拾うアリッサ。<br /> すると、それはルーダーの力が集められた光の剣へと姿を変えた。<br /><br /></dd> <dt><a>191</a><font size="+0"><b><a href="mailto:sage">クロックタワー3</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/03/30(水) 01:49:48ID:wj14M92l</font></dt> <dd>自分に背を向けているアリッサに向かい、彼女と一つになるという妄執をむき出しにしてバロウズが襲いかかってくる。<br /> その瞬間、振り向いたアリッサは手にした光の剣をバロウズの胸に突き立てていた。<br /> 自らの体を貫いている光の剣を信じられないように見つめてうろたえるバロウズ。<br /> もはやアリッサすら目に入らないかのように突き飛ばし、もがき苦しむ。<br /> 「ぐわあああぁぁぁーっ……」<br /> そして、断末魔の声を挙げながら、床の割れ目から墜ちていった……。<br /><br /> 全ての元凶、歪んだ愛と執着心によって魔に魂を売ってしまった者、祖父でありバロウズ侯爵であり黒衣の紳士である男は滅びた。<br /> この異常な世界を維持していた魔のモノの魔力が途切れたからか、時計塔はがらがらと崩れさっていく……。<br /><br /><br /><br /> あたりは光にあふれるお花畑。<br /> その中で眠っていたアリッサが目覚めてあたりを見回すと、そこには同じく今目覚めたデニスの姿があった。<br /> 邪悪な存在を討ち滅ぼしたことを手を取りあって喜びあう2人。<br /> アリッサは輝かんばかりの笑顔で、明るい声をあげた。<br /><br /> 「ママ、私達やったわ!!」<br /><br />  ~スタッフロール~<br /><br /> END。<br /><br /><br /> 結局ママの生死は?とか、このお花畑ってまさか天国じゃないだろうね?<br /> 等のプレイヤーの様々な疑問や不安は放置したままです。</dd> </dl>

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