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「クーロンズゲート」(2006/12/15 (金) 05:28:35) の最新版変更点
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<p>
<strong>クーロンズゲート<br></strong>>>14-278~284・412~416、>>18-20~24・35~43・45~46・66~72・226~240・244~249</p>
<hr>
<dl>
<dt><a href="menu:278"><font color="#000000">278</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:46:23ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>
世界は陽界と陰界に分かれている。陽界の生物は陰界を認識できず、逆もまた然り。<br>
もし二つの世界が交われば、互いに相殺しあい、消滅する。<br>
<br>
ある日、陽界の香港に、取り壊された筈の九龍城が出現した。<br>
いや、正しくは陰界の方の九龍城が、陽界に現れた。<br>
すなわち陽界と陰界は混じり始めており、世界消滅の危機が迫っていた。<br>
原因は、陰界の“龍脈”の乱れ。<br>
朱雀、青龍、玄武、白虎……四種の強大な気の流れが、陰界では全て途切れていた。<br>
九龍城に行き、これらを蘇らせなければならない。風水師にしか出来ない仕事だ。<br>
<br>
主人公は超級風水師だった。何が超級なのかは判らない。<br>
九龍城に行き、龍脈を復活させるよう香港最高風水会議から命じられた彼は、<br>
邪気を感知するスコープと8800紙裟(陰界の通貨)を授かり出発。<br>
ドラクエの勇者よりは恵まれた旅立ちだった。<br>
<br>
<a name="a279"></a></dd>
<dt><a href="menu:279"><font color="#000000">279</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:48:14ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>九龍城に潜入。最初の場所は龍城路。<br>
住人達の主人公を見る目は、おおむね暖かくない。めげずに情報収集する。<br>
彼等は鏡屋という男を心配していた。<br>
近所の胡同(ダンジョンのようなもの)に気脈の乱れを直しに行ったきり、戻ってこないらしい。<br>
鏡屋を助けに胡同に入る主人公。<br>
鬼律(この世界での魔物。物に邪気が宿ることで生まれる)を退治し、進んでいく。<br>
住人達によれば、鬼律が増えたのはここ最近のことだという。<br>
陽界に九龍城が現れたように、九龍城にも異変が起きていたのだ。<br>
<br>
探索と戦闘の末、鏡屋を発見。なぜか彼は箱詰めにされていた。<br>
正確に言えば、箱型に変形可能な服を着ており、その変形を自力で解けなくなって立ち往生していた。<br>
「ふあ~、助けてくれたのか。助かった」<br>
近くで拾ったカギ3本で救出し、微妙な日本語で感謝される主人公。<br>
「あと1本カギがあれば鍵穴中心の結界が解ける」と言い、鏡屋は消えた。<br>
鍵穴中心とは何なのか。箱になる服を着る理由は。<br>
陰界は謎と危険と突っ込み所に満ちている。<br>
<br>
<a name="a280"></a></dd>
<dt><a href="menu:280"><font color="#000000">280</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:49:53ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>龍城路から九龍フロントに移動。<br>
地下通路のような龍城路とは違い、ここは深夜のネオン街のようで、人口も多い。<br>
情報収集する主人公。地道な活動の結果、辻占いに5000紙裟ボラれた。<br>
あと偽造アクセスカードをつかまされた。それを奪われたりもした。<br>
初対面の質屋に何か勘違いをされて、知らない人への届け物も押しつけられた。<br>
人間社会は胡同よりも容赦がない。<br>
<br>
ところで陽界の龍脈は“地形”にあり、特定の場所で“見立て”を行えば復活する。<br>
しかし陰界の龍脈が、これと同じ性質である保証はない。<br>
主人公も超級風水師とはいえ、陰界の知識は乏しい。早急に龍脈の情報を得る必要があった。<br>
幸い、ここで龍脈に詳しい人物に会えた。気功塾を営む男ウェイである。<br>
彼によれば、九龍城は4つの龍脈すべてが集まっている場所。<br>
龍脈が乱れた現在、陰界の中で真っ先に九龍城だけが陽界へ出てきたのも、<br>
これが関係しているようだ。そして龍脈の一つ、青龍の話も聞けた。<br>
「青龍の龍脈は木彫りの仏像に姿を変えたそうだ」<br>
……陰界の龍脈は、想像以上に特殊な仕様らしい。<br>
あるいは単に、ウェイの頭が電波を受信しているだけなのかもしれない。<br>
<br>
<a name="a281"></a></dd>
<dt><a href="menu:281"><font color="#000000">281</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:53:11ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>
次に龍城飯店という店で、バーテンダーのリッチと知り合う。<br>
やや無愛想で顔も怖いが、この世界には珍しい真人間だった。<br>
主人公の持つ木札(先述の質屋に押しつけられた物。質屋で品物と交換する引換券)を見て、彼が一言。<br>
「小黒(シャオヘイ)の奴、質屋に何か頼んでたのか」これの届け先はここにいるらしい。<br>
噂をすれば影で、二階から降りてくる小黒。黒髪短髪で、利発そうな顔立ちの少女だ。<br>
<br>
彼女は2年ほど前から九龍城に現れ、龍城飯店で手伝いをしたりしながら暮らしてきた。<br>
だが最近見るようになった予知夢をきっかけに、生き別れの姉捜しを始めたという。<br>
しかしリッチは彼女の身を案じていた。<br>
九龍城では蛇老講(オールドスネーク)という組織が、双子を集めているというのだ。<br>
「もしその姉貴とやらが双子だったら、スネークの奴らに目をつけられちまう」<br>
オールドスネークは人工的に双子を作ったり、それに英才教育を施したりもしているらしい。<br>
<br>
<a name="a282"></a></dd>
<dt><a href="menu:282"><font color="#000000">282</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:56:30ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>ゲームセンターで本物のアクセスカードを入手。<br>
客の落とし物だが、店員からもらった。陰界は万事がアバウトだ。<br>
これは各所の端末でネットに接続するのに必要な他、身分証明書も兼ねている。<br>
これを使い、スネークの経営する店「双子屋」で会員登録してみることにした。<br>
双子を集める目的を探るために、潜入して調査する必要がある。<br>
<br>
登録完了には時間がかかるので、姉妹店「双子中心」にも行ってみた。<br>
頭に妙な器具をつけた男が端末に陣取っていた。主人公と目が合う。<br>
「あんただろ俺のアクセスカード盗ったのは。<br>
でも大丈夫! 俺は脳味噌だけで生体通信できるんだ。<br>
実演してやるから見てろよ。<br>
え!?ちょっとまってこんな難しい早すぎるようぎゃあああああ」<br>
一方的にまくしたてて一方的に精神崩壊してしまった。<br>
これが件の英才教育だとしたらスパルタ過ぎる。<br>
<br>
<a name="a283"></a></dd>
<dt><a href="menu:283"><font color="#000000">283</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
22:58:50ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>双子屋に戻る。登録は終わっていた。<br>
「お前はれっきとした双子みたいだな。よし登録しよう」<br>
潜入成功。カードの本来の持ち主が、ここの会員(=双子)だったことが幸いしたようだ。<br>
<br>
さっそく龍城飯店の端末から、会員専用サイト「リゾーム」にアクセス。<br>
「“セミナー”の話でもしませんか」<br>
「今日の“メディア”は誰ですか、やっぱり○○?」<br>
「あの人は“おはじめ式”だけで、今日はもっと強いメディアが来るそうですよ」<br>
「おーい、いよいよだって!“老力(ロウリー)”」<br>
「ここらでそれぞれ“鳴力(ミンリー)”の修行に入りませんか。」<br>
「賛成!もういろんなイメージが湧いてきましたよ!」<br>
潜入成功したはいいが、出てくる単語がことごとく新興宗教系だ。<br>
身の危険でも感じたか、リッチに心配されるほど顔色が悪くなる主人公。<br>
小黒が主人公に話があるというので、気を取り直して彼女の部屋へ行く。<br>
<br>
「あなた、“ファイアの日”ってわかる?」<br>
……こっちもだ。<br>
<br>
<a name="a284"></a></dd>
<dt><a href="menu:284"><font color="#000000">284</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/08(金)
23:01:36ID:xjYQ20Q/</font></dt>
<dd>
「『ファイアの日に会える』それが姉の言葉なの。夢の中で、いつも決まって同じ……」<br>
小黒が質屋に頼んでいた品は、古い暦の本だった。<br>
夢に何度も出てくる『ファイアの日』について調べるためのものだ。<br>
「いつも見る夢……私はみるみる身体を失って地面に潜り込んでいく。<br>
足や腰が枯れ木のように割れて力を失い、肩の辺りまで潜り込んだ時っ、<br>
私は叫び声をあげる! 声にならない声……すると決まって、姉が手を差し伸べてくれるの。<br>
姉は静かな口調で一言……『ファイアの日に会える』」<br>
会って一日も経たない主人公に、自分の予知夢を熱弁しだす小黒。<br>
「変ね、初めて会った人に、こんな話するなんて」<br>
全くだ。ここが陰界でなければ恐らくサイコさん扱いされている。<br>
<br>
陰陽では暦を5つの属性に分ける。ファイアの日はその一種で、特定の一日のみを示す言葉ではない。<br>
要は曜日のようなものだと思っていただければ判りやすい。<br>
「火曜日に会える」と言われただけでは、<br>
いつ会えるか見当がつかないのと同じだ。これだけでは手がかりとして心許ない。<br>
暦の本と、夏(しゃ)先生という近所の賢人の話から上記のことを知った小黒は、<br>
主人公も夏先生に会ってくれないかと頼んでくる。<br>
風水師の主人公になら、もっと詳しく夏先生の話を理解できるのではないかというのだ。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:412"><font color="#000000">412</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/20(水)
21:47:41ID:K1umffHD</font></dt>
<dd>
小黒は姉に会ったことが一度もない。姉の存在を確信する根拠は夢だけだ。<br>
「いるかどうかも判らねえ姉のことで、どうしてあんなに真剣になれるんだ?」<br>
真人間のリッチは至極もっともなボヤき方をしている。<br>
ただ、陰界の双子には時折、鳴力(ミンリー)という超能力が宿ると言われている。<br>
もし小黒にも鳴力があるなら、予知夢は視覚や触覚と同じく、単体で根拠になるほど確かな感覚なのだろう。<br>
そしてオールドスネークは鳴力を育てるために、<br>
双子を幼い頃に離ればなれにさせて、片方だけを手元に置くとも言われている。<br>
もしかしたら小黒の姉はスネークにいて、リゾームの電波系チャットにいそしんでいるのかもしれない。<br>
<br>
ともあれ夏先生に会うが、ファイアの日について新情報は得られない。<br>
「それよりも私は、小黒が假鳴(ガーミン)に侵されていないかが心配だ」<br>
假鳴は鳴力の粗悪な偽物で、鳴力と違い、使用者の精神に悪影響がある。<br>
スネークは假鳴を鳴力といつわって双子達に植え付けており、<br>
会員達が一様に電波ユンユンなのも、それが原因らしい。<br>
小黒に本当に双子の姉がいて、夢が假鳴による本物の予知夢だとしたら、<br>
彼女もユンユンになってしまうという。確かに心配だ。<br>
しかし仮に小黒が假鳴を持っておらず、<br>
ただの夢を予知夢と信じて実在しない姉を捜しまくっているだけだとしても、<br>
それはそれで一種の立派なユンユンだから結局心配だ。<br>
<br>
<a name="a413"></a></dd>
<dt><a href="menu:413"><font color="#000000">413</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/20(水)
21:50:15ID:K1umffHD</font></dt>
<dd>
龍城飯店に戻る。小黒は再び夏先生に会うと言い、また出ていった。<br>
リッチに報告される。「メールが来てるぜ。龍城路の鏡屋からだ」陰界はプライバシーが全く無い。<br>
4本の鍵が揃ったから、胡同の気脈を直せるという内容だった。<br>
『でもコンパスドールも探さないtjfhdgt故障かこいつjdfhgkhk』<br>
小黒も気になるが、ひとまずはこっちを手伝うことにする。<br>
龍城路へ戻る途中、剥製屋(動物のいない九龍城で何の剥製を作っているというのか)から<br>
サンシーという虫を捕まえてくるよう頼まれ、これを了承。<br>
<br>
4本そろった鍵を鏡屋達からもらい、龍城路の胡同に再び潜入。<br>
目標は結界を解き、コンパスドールを見つけ、八卦鏡の角度を直し、気脈を復活させること。<br>
ナビ(ネットで雇える胡同の案内役)はリトルフライ。<br>
小型飛行機で移動する、つぶらな瞳の青年だ。彼の案内で鍵穴中心に行く。<br>
鍵穴型の空洞が空いた肉塊のような生き物がいた。鬼律に似ているが邪気は感じない。<br>
「うへへへへ、妄人(ワンニン)だよ、妄人」<br>
リトルフライが解説してくれた。瞳はつぶらだが笑い方はキている。<br>
陰界では特定の物について考えすぎていると、妄人という半人半物の存在になってしまうらしい。<br>
この妄人は、鍵穴が好きで鍵穴になってしまった鍵穴男。<br>
元々4本の鍵は彼の宝物で、これを鬼律に奪われたせいで胡同に結界が生じてしまっていたという。<br>
鍵穴男に鍵を返し、結界を解除。<br>
<br>
<a name="a414"></a></dd>
<dt><a href="menu:414"><font color="#000000">414</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/20(水)
21:53:17ID:K1umffHD</font></dt>
<dd>奥に進んでいくとコンパスドール発見。<br>
邪気に憑かれており、鬼律のように襲いかかってきたが、<br>
鏡屋からもらった超級マグネットで撃退した。例によって何が超級なのかは判らない。<br>
邪気の消えたコンパスドールを八卦鏡の前で使うと、笑いながら八卦鏡の角度を修正してくれた。<br>
「ウヒュヒュヒュキャヒャヒャヒャアヒャヒャヒャハアーー」便利な道具だが笑い方はキている。<br>
<br>
まだ他にもあるらしい八卦鏡を探して龍城路付近を探索。道端の人達が道具を色々くれる。<br>
「ほら、用意しといたぞ、太い管だ」これが陰界流の応援方法らしい。<br>
「ほうら、とびきりの壊れた時計だ」いや単なる嫌がらせかもしれない。<br>
<br>
別の入口から再び胡同へ潜入。<br>
しかし鍵のかかった扉が多く、なかなか進めない。<br>
迷っていると妄人ボイラー男と出会う。<br>
管が壊れて動けないというので、太い管で修理してやる。<br>
ついでなので壊れた時計を焼却処分してもらうと、針金だけが燃えずに残った。<br>
この針金でピッキングの限りを尽くす主人公。<br>
無事二つ目の八卦鏡を発見そして修正。<br>
<br>
<a name="a415"></a></dd>
<dt><a href="menu:415"><font color="#000000">415</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/20(水)
21:56:12ID:K1umffHD</font></dt>
<dd>
もういくつか八卦鏡を見つけて直せば、龍城路の気脈が復活し、邪気が消える。<br>
それなのに龍城路の人々は落ち着かない雰囲気だ。<br>
話をきくと、どうやら胡同のサンシーを恐れているらしい。<br>
本来サンシーは鬼律に寄生する虫だが、もし胡同から邪気が消え、鬼律が消えたら、<br>
今度は人間に取り憑くかもしれないという。<br>
深い心の闇を持つ者(要するに電波やメンヘル系)が特に狙われやすいらしいが、<br>
「穴にねじを回し込んで…ねじで塞ぐんだ…はあはあ、頭が、頭が痛い…」(ねじ屋)<br>
全員こんな調子なので、誰が狙われるか全く見当がつかない。<br>
仕方がないので次の八卦鏡を探しに行こうとした矢先、油屋に頼み事をされる。<br>
妄人になってしまった友人、発電機男が胡同の中にいるから、<br>
潤滑油を渡してきてほしいという。<br>
発電機男は、油が切れたせいで長らく動きが止まっている。<br>
妄人は動かないでいると物になってしまう。油屋は彼が、完全な発電機になってしまわないか心配していた。<br>
妄人になってしまっても友達だし、妄人でもいいから生き続けて欲しいと。<br>
「はははははははは、燃えてるのに熱くない燃えてるのに熱くない…<br>
ぱちぱちめらめら俺が燃えてるんだはははははははは」(古靴屋)<br>
全員こんな調子の陰界人にも、いちおう友愛の情はあるのだ。<br>
<br>
<a name="a416"></a></dd>
<dt><a href="menu:416"><font color="#000000">416</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">補足 なんで八卦鏡で気脈が直るか</font></a></b><font color="#8080FF"
size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/04/20(水)
22:01:20ID:K1umffHD</font></dt>
<dd>
読まなくても話は多分わかります。世界観を把握したい人だけどうぞ。<br>
<br>
大雑把に言うと、龍脈は大地全体、世界全体にある気の流れで、<br>
気脈は建物や部屋など、限定された空間での気の流れ。<br>
気脈の乱れは、建物の構造や部屋の間取りが悪いから生じるもので、<br>
工事して空間そのものを造り替えないと直せない。<br>
でもいちいち工事していたらきりがないので、一般には八卦鏡を貼ることで対処する。<br>
要は風通しの悪い部屋に扇風機を置くようなもの。根本的な解決ではないが効果は充分ある。<br>
ただし八卦鏡は、角度が狂うと逆効果になる。<br>
つまり正しい場所に貼っても何かの拍子で角度が狂えば、たちまち乱れは悪化する。<br>
そして実際に八卦鏡がズレて邪気が集まり、胡同になってしまったのが、<br>
龍城路の一部地域という事情。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:20"><font color="#000000">20</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火)
23:44:44ID:WvpehS1J</font></dt>
<dd>>クーロンズゲートの続きを投下します。<br>
>前の人が一人称だったので、それに合わせます。<br>
>でも風水師の中の人は交代という事で。<br>
>ディスク4枚あるので、少々クリアに時間がかかると思いますが。<br>
<br>
本当に物になってしまうよりいい、最後のチャンスなんだ、あいつの為にも俺の為にも。<br>
油屋は気になる事を言いながら、油をくれた。<br>
庇利路(パイレーロード)に入り、いくつか鬼津を倒しながら発電機を探して回る。<br>
どうやらこの自動扉で行くらしいが、どうやっても開かない。<br>
「ここの仕組みが分かったよ。発電機が動かなくなって、それで開かないんだ」<br>
とリトルフライに言われ、さっそく発電機の所に行く。<br>
妄人になった者だけが行く所があるが、中には行かない妄人も居る。<br>
発電機は、そういったうちの一人だった。<br>
さっそく油をさしてやると、発電機が動き出した。<br>
しかし発電機は話し出さない。<br>
妄想が途絶え、ついに本当の物になってしまったらしい。<br>
油屋に何て言えばいいのか…鬱な気持ちでその場を後にする。<br>
自動扉が開くようになったので、重慶花園にある自動扉を開いて八卦鏡の角度を修正し、龍城路へ戻った。<br>
八卦鏡の修正に向かう途中、生体通信で何か見えた気がするが、気のせいだろうか。<br>
あれは香港最高風水会議の部屋だったような…。<br>
<br>
<br>
<a name="a21"></a></dd>
<dt><a href="menu:21"><font color="#000000">21</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火)
23:46:12ID:WvpehS1J</font></dt>
<dd>
次の沙角(シャーコック)は何でも金がカタを付けるらしく、<br>
キーカード機能が必要だというので錠前屋にアクセスカードを預けた。<br>
その間に龍城路を歩いてみると、古靴屋も水銀屋もねじ屋も居なくなっているし、<br>
油屋は発電機が物になったとも知らずに<br>
「鬼津が居なくなったら、勇気を出して会いに行ってもいいな」などと言っている。<br>
地下に行ったら、骨接ぎ屋もいなかった。<br>
しかも胡同に潜っている間に知らない奴が龍城路に来て、<br>
クーロネットの端末を弄っていったらしい。<br>
時計屋が言うには、紅頭(ホントウ)という超能力を持った連中らしい。<br>
紅頭は突然現れ、頼み事を持ちかけてきた。<br>
彼らは是空の使者であるらしい。<br>
是空は気功塾のウェイが率いる組織で、スネークとは敵対関係にある。<br>
また、プロジェクト扶起という、双子を安全に鳴力に目覚めさせる計画を行っていた。<br>
紅頭達は、この龍城路の奥、沙角に張魯という男の家があるから、<br>
そこで彼のアクセスカードを手に入れて欲しいという。<br>
張魯はオールドスネークの幹部の地位にある。<br>
紅頭がプロジェクトを発動させ、彼の鳴力を安全に覚醒させて以来張魯迅は、<br>
スネークの情報を流してくれていたが、急に連絡が取れなくなっていた。<br>
彼のアクセスカードがあれば、スネークの企みがわかる。<br>
錠前屋にアクセスカードを返してもらってクーロネットに接続すると、<br>
夏先生からメールが来ていた。<br>
<br>
<br>
<a name="a22"></a></dd>
<dt><a href="menu:22"><font color="#000000">22</font></a> <font color=
"forestgreen"><b>クーロンズゲート</b></font> <font color="#808080"
size="2">2005/08/23(火) 23:48:11 ID:WvpehS1J</font></dt>
<dd>わかったぞ、ファイアの日は今日なんだよ!<br>
小黒が持ってきたブレスレットの文字で解明出来たんだ。<br>
今日5月22日は、霹靂火(へきれきか)といって、<br>
雷のように激しい炎の意味なんだ。<br>
…私としたことが…興奮してつい小黒に話してしまった…。<br>
<br>
ヤバス。<br>
小黒はさっそく、素性の知れない陰陽師に会いに行ったらしい。<br>
しかも夏先生は小黒を追いかけず、まだ調査を続けるから、<br>
戻ってきたら自分の所に来てほしいとある。<br>
追いかけなくて本当に良かったのか、一抹の不安を感じる。<br>
<br>
クーロネットで、是空のデータベースも見てみる。<br>
双子政策(オールドスネークが進めている計画。<br>
双子の眠れる力を目覚めさせ、不老不死を得ようというもの。<br>
この力は生体通信を介して、<br>
双子中心のどこかに集められているらしい)や<br>
妄人、鳴力、プロジェクトの事などが書かれていた。<br>
<br>
龍城路の八卦鏡はこれで最後らしい。<br>
沙角に入り、八卦鏡の部屋を探す。<br>
最下層まで降りると、鍵のかかった部屋があった。<br>
どうやらここが張魯の家らしい。<br>
だがアクセスカードを使って入ると同時に、四千紙紮も取られてしまった。<br>
クーロネット端末の据え付けられた部屋の真ん中には、<br>
張魯のアクセスカードが落ちていた。<br>
むろん、本人の姿はどこにも無い。<br>
さっそく彼のカードでクーロネットにアクセスしようとしたが、アクセス出来ない。<br>
今度は自分のカードでアクセスすると、小黒からのメールが届いていた。<br>
小黒は夏先生の話を聞いて驚いていたが、<br>
昨日から姉の印象が強かったから、その予感はあったのだと言う。<br>
<br>
<br>
<a name="a23"></a></dd>
<dt><a href="menu:23"><font color="#000000">23</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火)
23:48:50ID:WvpehS1J</font></dt>
<dd>スマソ、上げてしまった。<br>
<br>
ネットから落ちて気が付くと、四千紙紮増えていた。<br>
誰かは知らないが、先ほどの入室料の返金に応じてくれたのかもしれない。<br>
八卦鏡の部屋に近づくと、また鍵穴男がやって来た。<br>
この奥にある鍵穴だけは、鍵穴男にもどうにもならないらしい。<br>
ためしにあんたのアクセスカードを使ってみるといい、<br>
と言うので張魯のカードを使いたい気持ち一杯で、自分のカードを差し込む。<br>
やはり四千紙紮取られた(このお金は誰の所に流れていくんだろう。<br>
ちなみに出るたび、搾取される)。<br>
中には、大量のテレビ画面を貼り付けたものが蠢いていた。<br>
テレビは邪気の鏡を持っており、それを渡してきた。<br>
もともとこの鏡は人間に巣くった邪気を払うものであった。<br>
だが霊力は失われ、心の歪みを生み出すようになっていった。<br>
このテレビゴミは、その邪気を利用して物の怪となったのである。<br>
そのかわりに、このブラウン管が悪い気を反射していた。<br>
もとよりここの八卦鏡は、正しい角度を指していたのだった。<br>
気脈の歪みがこの街だけでなく、全体に広がりつつある。<br>
九龍全ての物の怪を我に返してやってくれ。<br>
テレビゴミはそう伝えて来ると、再び眠りについた。<br>
<br>
<br>
<a name="a24"></a></dd>
<dt><a href="menu:24"><font color="#000000">24</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火)
23:49:41ID:WvpehS1J</font></dt>
<dd>これで胡同の邪気が全て払われた。<br>
邪気が払われたのはいいが、かわりに出てきたはずの三尸に不安を覚えている住民。<br>
皆、急に姿を消した住民が怪しいと思っているようだった。<br>
メールを確認した所、ガタリという者から来ていた。<br>
今回のテーマは信頼。<br>
どんな如才よりも親交を深めるかけがいのない絆だ。<br>
という一文からはじまり、信頼が心臓を引き裂かないうちに急げ、<br>
云々と書かれて居た。<br>
意味が分からないので、放置しておく事にする。<br>
とりあえず鏡屋に邪気の鏡を渡しに行くと、<br>
嬉しそうに亀の甲羅のフレームに入れてくれた。<br>
これを使うと、三尸を瓶に封じ込める事が出来るらしい。<br>
さっそく三尸探しに向かう事にする。<br>
まずは怪しいねじ屋で一匹。<br>
びん屋に向けたら、俺には大切なピアスがあるから、邪気なんて寄せ付けない、<br>
と言われた。<br>
「びんにはなあ、ピアスを入れてなあ、ちりんとしているからな、はあはあ……」<br>
……放っておこう。<br>
二匹目は、ぶつぶつ言っていた古靴屋で。<br>
えび剥き屋に無視され、水銀屋で手応えがなく、<br>
最後の一匹を探して彷徨う。<br>
最後の一匹は、骨接ぎ屋だった。<br>
<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:35"><font color="#000000">35</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:12:15ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>
三尸が集まったので、九龍フロントの剥製屋の所に持ち込む事にした。<br>
「遅かったじゃないか、てっきりあんたも力つきたのかと思った」<br>
力つきなくて悪かったな、と心の中で文句を言いながら三尸を渡すと、<br>
それと交換に剥製を押しつけられた。<br>
虫亀(亀に喰われた虫が腹の中で増え続け、そのうち…ry)の豪華剥製で、<br>
五〇万にはなると言っていたが、<br>
結局質屋で500紙紮にしかならなかった詐欺師。<br>
質屋には小黒が来て、胎息人形を探してほしいと頼んでいったらしい。<br>
どうやら、陰陽師の所でいろいろと吹き込まれたようだった。<br>
<br>
小黒の事も気に掛かり、久しぶりに九龍フロントを歩き回る。<br>
宗じいさんから「石がおまえさんと話したがっている」<br>
という占いを聞いた後、小黒の行方を聞く為に龍城飯店に行く。<br>
すると、龍城飯店前にいた路人から、<br>
「おい、あんた剥製屋の手先か。三尸を渡してしまっただろう」<br>
と詰め寄られた。<br>
龍津路の封印石は龍脈を塞いでいた。<br>
彼が言うには、三尸は封印石を崩す目的で蓄えていたのだという。<br>
どうやら、剥製屋に渡してしまったのは、マズかったらしい。<br>
龍城飯店のリッチから、小黒は夏先生の所にいって戻って無いと言うので、<br>
海鮮中心の先生の所まで迎えに行くことにする。<br>
夏先生のうちは留守なのか、誰も出ない。<br>
仕方なく帰ろうとすると…<br>
双子師の顔がアップで見え…(怖)<br>
問答無用で、双子師に“ミスター・チェン”という人物の所に連れて行かれた。<br>
<br>
<br>
<a name="a36"></a></dd>
<dt><a href="menu:36"><font color="#000000">36</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:13:26ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>
チェンは、水槽の前でバックルをした気にくわない男の話をしはじめた。<br>
男人街に来たその男は、豪華なバックルをして、<br>
これ見よがしにチェンの方に向けてきた。<br>
そうだ、そのバックルはカメラに違いない。<br>
俺の事を撮ってやがる、と妄想にかられたチェンは、<br>
男の血を残らず抜いて、亀に飲ませた。<br>
そう話ながら、チェンは目の前で、今まで触っていた亀の首を引き抜く。<br>
血まみれのまま、笑い続けるチェン。<br>
龍の奇跡がおきれば、亀の血なんて飲まなくてもいい。<br>
不老不死の力は俺のもんだ。<br>
しんじられんのか、偉大な力だ。<br>
詮索をやめないなら、今度はお前の血を亀にくれてやる、<br>
あまりの出来事に、俺は呆然と立ちつくしていた。<br>
双子師はこちらに顔を寄せて、<br>
チェンと自分達は不老不死の力を手に入れるのだから、<br>
さっさと出ていけと脅すと、外に放り出した。<br>
酷い目にあった。<br>
<br>
ふらふらと海鮮中心から出てくると、路人達が“今、紅頭が通り過ぎた”<br>
と教えてくれた。<br>
急いで追いかけると、そこには紅頭は居らず、<br>
ゲームセンターに居た双子の男(張魯と双子の男)がいた。<br>
顔が変形しながらも、何やら叫んでいる男。<br>
せっかく、とととと扉を、見つけたのにぃぃぃ、<br>
ここは……違う!<br>
そう言うと、男は目玉を一つ残して、溶けて消えた。<br>
<br>
<br>
<a name="a37"></a></dd>
<dt><a href="menu:37"><font color="#000000">37</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:14:14ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>今は行き来出来なくなっている龍津路では、<br>
おがくずを集めて、封印石を崩そうと、街の人が力を合わせているらしい。<br>
サンシーは、それに関係して居るようだった。<br>
再び先ほどの、あぶく男の通りまで行ってみると、<br>
今度は紅頭が現れた。<br>
どうやらあの男が泡になって消えたのは、<br>
気のレベルが違う場所に居たからああなったかららしいが…<br>
彼らにとってはどうでもいいようだ。<br>
<br>
張魯のカードを渡すと、龍津路には青龍ではない神獣がおり、<br>
見立てが必要であると紅頭は言った。<br>
本来俺は見立てを行う為に陰界に来たのだから、<br>
何としても龍津路に行かねばならない。<br>
ひとまず小黒の手がかりを求め、<br>
茸売りに夏先生の家の鍵を不法な手段で開けてもらう。<br>
そして不法に侵入し、夏先生のアクセスカードを盗んで逃走した。<br>
香港最高の風水師とは思えない行動だが、まあ気にしない。<br>
盗んできた先生のカードを使ってメールを覗くと、<br>
小黒からのメールが届いていた。<br>
<br>
十年ほど前に龍津路に入っていった風水師が居る、<br>
とウェイが小黒達に話したらしい。<br>
小黒は、その風水師が目的を果たせなかったのなら、<br>
まだ龍津路には風水にまつわる何かが残されているはずだ、<br>
と考えていた。<br>
小黒の行方を捜していたはずが、<br>
意外な所で龍津路の話を手に入れる事が出来たようだ。<br>
メールによれば、小黒はまだ龍津路への道を見つけていない。<br>
急げば、先回りが出来るかもしれない。<br>
とはいえ、既に龍津路への道は閉ざされていて出入り出来ない。<br>
そこにリッチが「今日は双子中心でイベントがある、って噂だ」<br>
……行ってみる?<br>
<br>
<br>
<a name="a38"></a></dd>
<dt><a href="menu:38"><font color="#000000">38</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:14:51ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>
セミナーに参加する為には、おはじめ式を済ませなければならない。<br>
双子屋の二階に上がると、双子屋の店員にアクセスカードを見せた。<br>
(相変わらず、彼らは誰が誰だか見分けがつかない)<br>
左側に巨大なモニター画面が設置され、クーロネット端末が奥に置かれていた。<br>
リゾートを覗いてみると、会員達がチャットをしていた。<br>
どうやら彼らは、イベントに参加するらしい。<br>
オールドスネークに対して、若干不信感を感じている者、<br>
それを制止するものも居る。<br>
どうやら、臨時セミナーには媽妃も参加しているようだった。<br>
<br>
媽妃様が来ます。<br>
心を沈めて、持てる力を解放するのです。<br>
眠っている意識の奥深くから、本当の自分が目を覚ます。<br>
共振しましょう。<br>
媽妃の力は、本当の自分を教えてくれます。<br>
<br>
巨大モニターから、声が出た。<br>
入り口に居る双子屋店員は、なにやらハミングをしていて、こちらに気づかない。<br>
<br>
ふたたびリゾートに入る。<br>
今度は、参加者は一人だった。<br>
コニー揚という名前のその人物は、俺のアクセスナンバーを指定して、<br>
声をかけてきた。<br>
文鳥のマリアが、餌が無くて死にそうだ、だから解放してやって欲しいと。<br>
コニーの家に行くと、確かに鳥籠があった。<br>
鳥かごに手を差し出した瞬間、<br>
そこに媽妃の顔が重なって見えた。<br>
中に居た文鳥は、こちらにくちばしを向けて、媽妃の声で話し始めた。<br>
<br>
<br>
<a name="a39"></a></dd>
<dt><a href="menu:39"><font color="#000000">39</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:16:32ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>どうやら、みくびっていたようだな。<br>
是空の奴らにでも、入れ知恵されたか。<br>
ここでお前に救えるものなど、何もない。<br>
この小さな鳥でさえ、お前には救えないのよ。<br>
<br>
文鳥はいびつな形にゆがむと、破裂した。<br>
不幸な文鳥だ。<br>
しかし、そもそもコニーが俺に頼み事しなければ、<br>
媽妃も関わって来なかっただろうに…。<br>
<br>
メールのチェックがしたかったが、龍城飯店の端末は調子が悪いようだ。<br>
仕方がないので、双子中心まで行く事にする。<br>
クーロネットのリゾートを覗くと、<br>
再びコニーが干渉して来た。<br>
メディアと呼ばれる媽妃には鳴力を覚醒させる事は出来ず、<br>
ネットの人々は媽妃に力を管理されているらしい。<br>
しかも何故かはわからないが、<br>
彼女は俺に激しい敵意を持っているようだった。<br>
<br>
<br>
<a name="a40"></a></dd>
<dt><a href="menu:40"><font color="#000000">40</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:17:12ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>夏先生に龍津路への行き方を聞いて、<br>
小黒が俺を追いかけていったらしい。<br>
おはじめ式に出ている間に、すれ違ったに違いない。<br>
もはや双子屋は後回しだ。<br>
途中で血燕の巣の通りに行くと、そこに切り株のようなシルクハットをかぶった、<br>
小さな片眼鏡の男が立っていた。<br>
こちらが話しかけなくとも、彼はステッキを振りかざしながら、<br>
壁に映像を映しだした。<br>
壁に映ったのは、白虎、青龍、朱雀、玄武。<br>
そう、これはあるべき位置の四神獣だ。<br>
そのうち白虎は、龍津路に閉じこめられていた。<br>
九龍フロントの連中の話によれば、<br>
石を破壊すればいいらしい。<br>
何故閉じこめられているのか?<br>
それは、俺にも関係している……男は言った。<br>
言い返す間もなく、視界がゆがむ。<br>
気がつくと、龍津路に立っていた。<br>
<br>
龍津路の通路を迷いながら、録画屋のクーロネット端末をチェック。<br>
一つは、キッズからのメールだった。<br>
小黒が、生体通信のやり方を知りたがったから教えた、というものだった。<br>
ついでに、盗んだ夏先生のカードもチェックしてみる事にする。<br>
除福という名前のものからだった。<br>
メールによれば、夏先生は不老不死の妙薬について何か知っているらしい。<br>
箱船に乗り損なう? 何の話なのだろう。<br>
龍津路の人々は、風水師に期待しているようだった。<br>
<br>
<br>
<a name="a41"></a></dd>
<dt><a href="menu:41"><font color="#000000">41</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:18:12ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>この街には、かつて一人の風水師がいたらしい。<br>
それが、アニタの兄だ。<br>
とびっきりの可愛い子というから期待していたが、<br>
アニタ・ドールというのは立派な男性だった。<br>
アニタの兄は、十年前に白虎の龍脈を見つけるといって、この街で姿を消した。<br>
封印石か現れたのも、この頃の話だ。<br>
石とアニタの兄。何らか関係がある…少なくとも、アニタはそう考えている。<br>
しかし、石を崩すには大量のおがくずが必要だった。<br>
オガクスは、地下のプロマイド屋の所に貯めてあるので、<br>
取りにいかなければならない。<br>
メールチェックをしてみると……コニーからだ。<br>
ネットの会員は、全て双子であるらしい。<br>
彼らは双子である事を教えられず育っていく。<br>
その間、離ればなれになった双子が呼び合い、ある時力を覚醒させる。<br>
それが、スネークや是空が行っている計画の力だった。<br>
だが、スネークの呼び覚ます力は鳴力ではなく、偽物の力。<br>
彼らが共鳴しているのは、双子の兄弟ではなく……眠れる龍だった。<br>
その眠れる龍が目覚めるとどうなるのか、まだコニーにも分かっていなかった。<br>
<br>
<br>
<a name="a42"></a></dd>
<dt><a href="menu:42"><font color="#000000">42</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:21:29ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>
録音屋にもらった録音機を天堂劇場の入り口で使うと、<br>
閉じていた扉が開いた。<br>
さっそく、このエリアの案内屋が姿を現す。<br>
前に来た案内屋は少年のような姿だったが、<br>
今度はかなり露出の激しい格好の女だった。<br>
頭に触覚のようなコードがはえ、足下に羽がついている。<br>
ハニー・レディと名乗った案内屋は、この地下にある古い劇場の方が好きだった、<br>
と言うと、劇場の中を探索に去ってしまった。<br>
劇場内を探索していると、地下に楽器庫を発見した。<br>
小さなピアノにオルガン、猿や兵隊の玩具。使われる事のない楽器がもの悲しい。<br>
それにしても、この劇場は広い。<br>
ハニーに案内されながら、一つずつ鬼津を片づけていく。<br>
「そうか、分かったよ! (楽器庫にあった)4つの音を録音して、それを全部鳴らして音楽にするんだよ」<br>
楽器の妄人になったもの達を、鬼津達が演奏する手段を奪って隠した。<br>
あの楽器庫にいたのは、元々この劇場の…。<br>
やがて四つの玩具の音が集まり、舞台への道を開く。<br>
ステージで玩具の音を鳴らすと、3階までせり上がっていった。<br>
調整室に入ると、鬼津が出鱈目に楽器をかき鳴らしていた。<br>
煩い鬼津を沈めて、封印石の前にゆく。<br>
だが今は、封印石を崩す事が出来ない。<br>
(ここにあるクーロネットで生体通信を行うと、夏先生が見える。<br>
……カード盗んだのバレた?)<br>
<br>
地下から劇場の裏側に出ると、<br>
そこにはひっそりとブロマイド屋が立っていた。<br>
今夜もレビューが楽しみだ、と呟くブロマイド屋。<br>
とっくに劇場は閉まっているというのに、彼女も妄想に取り憑かれているのだろうか。<br>
彼女からオガクズを押しつけられ、<br>
アニタも自分で集めたのだから、あんたに出来ないはずはない、と言われる。<br>
正気なのかそうでないのか、分からない…。<br>
オガクズを持って調整室まで戻ると、<br>
封印石にオガクズを掛けて破壊した。<br>
ここの楽器は、元々この劇場に居たベロニカという踊り子のなれの果てであった。<br>
ベロニカは、龍城路の水銀屋の妹だ。<br>
妄想の果てに楽器になったベロニカは、妄人になってしまう前、<br>
自分の心と体を引き裂いたという。<br>
その心がどこに行ったのか、誰にもわからない。<br>
劇場に散らばった音楽は、ベロニカの好きな音楽だった。<br>
<br>
<br>
<a name="a43"></a></dd>
<dt><a href="menu:43"><font color="#000000">43</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
00:22:10ID:N3dRar/O</font></dt>
<dd>ひとまずこれで、半分…弱くらいです。<br>
なにせ4枚組なので、長いです。<br>
しかもテキストが停止せずどんどん流れていくので、<br>
見ながら打ち込むしかない鬼仕様。<br>
<br>
天堂劇場の地下には、<br>
隠しキャラが出ます。<br>
ダミアヌスくん<br>
:天堂劇場で初顔会わせ。無理矢理話を聞かされる。<br>
劇場の間の何もない空間にハマったような状態で、<br>
ウロウロさせられる。<br>
「死にたくないんだろ、そうだろ」<br>
リセット? もしかして、リセットなの?<br>
それとも扇風機?<br>
嫌な汗をかきます。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:45"><font color="#000000">45</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">名無しさん@お腹いっぱい。</font></a></b> <font color=
"#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size=
"2">2005/08/25(木)03:21:29 ID:0gK3rjMd</font></dt>
<dd>クーロンの人乙。<br>
<br>
一つだけツッ込ませてもらうけどあぶくの人は双子の片割れじゃなくて赤の他人ですよ。<br>
<br>
<a name="a46"></a></dd>
<dt><a href="menu:46"><font color="#000000">46</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木)
08:18:55ID:DtZWad7E</font></dt>
<dd>
あれ、あぶく男ってゲームセンターのお兄ちゃんじゃなかったっけ?<br>
グラフィックが似てたんで、勘違いしたのかも……。<br>
すみません。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:66"><font color="#000000">66</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:09:20ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>
アニタの所に戻ると、彼女は兄のものだという超級羅盤を探し出してくれていた。<br>
まだ戻らない小黒の事を彼女も心配し、<br>
もし小黒が劇場に入っていったなら、捕らえられているのかもしれない、<br>
劇場の事を電灯屋に聞いてみたらどうか、<br>
と助言してくれた。<br>
アニタの言葉に従い、電灯屋に劇場の仕掛けの事を聞いて、<br>
再び得利会館から劇場に侵入していく。<br>
電灯屋が言うには、劇場の地下には元々照明係だった妄人がいるらしい。<br>
扉に大きな口のついた妄人だ。<br>
妄人の口に赤い電球を放り込むと、扉を通してくれた。<br>
それぞれ青い扉、黄色い扉に電球を食べさせて、扉を開いていく。<br>
地下二階の奥に、舞台を動かしているというモーター男は居た。<br>
オガクズをあげるから、小さなものでもいい、モーターを持ってきて欲しい。<br>
モーター男の頼み事を聞くと、俺はオガクズを持って、<br>
まず舞台地下にあるという、二つ目の封印石を破壊した。<br>
ハニーに龍津路まで送ってもらい、ひとまずメールを確認する事にする。<br>
しかしリッチの所にあっ端末同様、録画屋の端末もおかしくなっていた。<br>
メールはコニーからだったが、ほとんどが文字化けしていて読めない。<br>
媽妃が何かに関係していて、何かから目を離さないように…。<br>
読めたのは、それだけだった。<br>
(夏先生のカードには、嫌がらせのように何度も、<br>
コニーからの“このカード変よ”というメールが届き続けている)<br>
アニタの所に向かっていた時、彼が突然あらわれた。<br>
体を石に埋め込まれた男が、地面からわき上がってくる。<br>
アニタの兄、スイジェンだった。<br>
スイジェンは、神獣となる宿命を背負っていた。<br>
まさか自分がその宿命を負っているとは知らず、<br>
スイジェンはたどり着いた。<br>
しかし流れ込んできたのは邪な暗い力で、スイジェンを覆い尽くして、<br>
石と化した。<br>
全ての石を取り除き、自分を見立てて欲しい……。<br>
スイジェンは俺に頼むと、消えていった。<br>
<br>
<a name="a67"></a></dd>
<dt><a href="menu:67"><font color="#000000">67</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:10:14ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>モーターを持って舞台地下に急ぐ。<br>
扉の照明男は、静かになっていた。<br>
モーター男も、耐えきれずに物に……と思ったが、彼は何とかモーターを持って来る<br>
のを待って耐えていた。<br>
モーターを彼に渡すと、舞台を動かす為に副調整室に向かう。<br>
(ここでは生体通信で小黒が映る)<br>
上がってきた右舞台を通って、楽屋に入っていく。<br>
「誰? 誰かいますか?」<br>
……小黒の声が聞こえる。<br>
小黒は、ここの鬼津よりも強力な鬼津によって封取られた扉の奥に居た。<br>
街の人達が気にしていた、強力な鬼津というのは、こいつの事らしい。<br>
しかし部屋に居たのは小黒ではなく、<br>
シンバルを持った女だった。<br>
スネークに雇われて、封印石のうちの二つを護っていたというシンバル女。<br>
石はあと二つある、その全てを崩さなければ神獣の見立てなんで、<br>
出来やしない。<br>
そう言うと、高笑いをして女はシンバルを叩いた。<br>
部屋中に木霊する、シンバル音。<br>
それに応じるかのように、空間が割れて小黒が姿を現した。<br>
「助けに来てくれたのね」<br>
小黒は嬉しそうだが、こんな思いはもうまっぴらごめんだ。<br>
陰陽師に会った事、彼が代々伝わる古い書物に書かれている言葉に従い、<br>
俺を遠い時代に送り届けようとしている事を小黒は話した。<br>
何故会った事も無い人間の書物に、俺の事が書かれていなければならないのか、<br>
さっぱり分からない。<br>
しかも小黒は小黒で、俺に「姉の印象を強くかんじたの」<br>
なんて言っている。<br>
ともかく、陰陽師の所に来て欲しい…。<br>
小黒は俺に頼むと、ハニーとともに龍津路へと戻っていった。<br>
<br>
<a name="a68"></a></dd>
<dt><a href="menu:68"><font color="#000000">68</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:11:23ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>
邪気を払っているせいで、街は静けさを取り戻しつつある。<br>
それなのに、異常は続いているようだった。<br>
半導体屋が言うには、マグネ気という気脈の一つの影響らしい。<br>
それにあの山高帽の男があらわれて、彷徨いているようだ。<br>
山高帽男を追って龍津路の地下に行くと、<br>
男が目の前にあらわれた。<br>
どうやら封印石に続く道は封印されていたようだが、<br>
今は半分ほど消えていて中に入れる。<br>
石を崩してくれ。<br>
長島さんみたいな口調で山高帽男は言うと、<br>
俺をトイレの方に押しやった。<br>
えー、こんな所にあるの。<br>
嫌々ながらトイレの壁から中に入り、封印石を崩した。<br>
あとは一つだ。<br>
「やれやれ、人間を神獣に見立てるとは、アンビリーバブルですね」<br>
山高帽男は、ステッキを光らせると、<br>
怪しい力で俺を九龍フロントに強制転移させた。<br>
<br>
小黒はヤバイ事に首を突っ込みすぎだ、あんたからも言ってやってくれ。<br>
リッチの愚痴を久しぶりに聞きながらメールを確認しようとすると、<br>
ぶっ壊れた端末はリッチによって電源が落とされていた。<br>
あちこちの街の端末が壊れてきているのに、<br>
双子中心の端末はビクともしない不思議。ガタリの電波なメールを見て、<br>
リゾートにアクセスすると、<br>
また変な事が起こった。延々と“------”が続く。<br>
……嫌がらせ?<br>
やがて、パピヨンというIDが話しかけてきた。<br>
リゾートの連中は、俺の正体を知りたがっているようだった。<br>
しかしパピヨンはコニーの友達で、彼女が渡したい物がある、<br>
と伝えて欲しがっていた事を話した。<br>
そこに再び、何者かが強制介入してきた。<br>
頭に機械をたくさんくっつけた、怪しい男だ。<br>
何事か早口で喋りまくって、ぷつん……と回線は途絶えた。<br>
<br>
<a name="a69"></a></dd>
<dt><a href="menu:69"><font color="#000000">69</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:12:39ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>コニーは、家に手鏡を残していた。<br>
彼女はここ最近行方を眩ませており、紅頭にもその行方は判明していなかった。<br>
コニー、そして張魯の行方も、紅頭も掴めていない。<br>
しかも双子中心では、新たなセミナーが予定されていた。<br>
予定外であるはずなのに、会員達は既にそれを把握している。<br>
紅頭達はまた、小黒の動きも気にしていた。小黒の動きは予定外だ……というのだ。<br>
リッチや紅頭の心配を余所に、小黒はあの怪しい陰陽師に会いに行っていた。<br>
男人街に住んでいるという陰陽師を訪ねると、<br>
彼はさきほど介入してきた、早口の男だった。<br>
陰陽師は、怪しい機械の説明を早口で説明しながら、<br>
その機械をつつきはじめた。<br>
よくわからないが、俺は遙か過去に送られるらしい。<br>
戻って来られるのか、おい陰陽師。<br>
行くのは俺一人?<br>
え、ちょっと待って、まだ心の準備が……。<br>
陰陽師は、歴史の一幕になるだなんだと、陶酔しきった顔で喋っていた。<br>
<br>
たどり着いたのは、どこかの屋敷の庭だった。<br>
賀先生と呼ばれる者の家であるらしい。<br>
玄太という医師に比べ、賀先生は人徳が無いようだ。<br>
四神獣を見立てる為の儀式である天道式は、城内で執り行われる事になっていた。<br>
以前の青龍の天道式では、見立てをするはずの風水師が邪気に襲われ、<br>
見立てられるはずの僧侶を木彫りの像に変えてしまった。<br>
今回の天道式では、予言者も現れる。<br>
それなのに、見立てを行うのが誰なのか、街の人々にも分かっていなかった。<br>
城内には、物の怪使いが陛下の命で住んでいるが<br>
物の怪が逃げだし、徘徊している有様。<br>
城周辺は、護符を張った木で隙無く固められていた。<br>
嫌な空気が、城内には漂っていた。<br>
<br>
<br>
<a name="a70"></a></dd>
<dt><a href="menu:70"><font color="#000000">70</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:14:08ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>
この城内のどこかに、玄太という医師が閉じこめられている。<br>
俺は妻に頼まれて医師を捜す為、宿牢に潜入した。<br>
ここは苦しみを味わいながら自己の心の平穏を取り戻す、という施設。<br>
中では、マゾヒズムに支配された人々が、苦しみに身をゆだねていた。<br>
ここには、不老不死の方法を探していたという賀先生が捕らわれていたようだ。<br>
しかし城内で急に物の怪の気配が強くなり、喰われてしまった。<br>
中の様子を調べるため、衛兵に贈り物をして極宮の鍵を手に入れて調査に向かう。<br>
八角堂に入ると、部屋重を凄いスピードで走り回る人形が俺を待ち受けていた。<br>
奴もまた俺の事を、時の彼方から現れた風水師、と呼んだ。<br>
お前にも迷いが見えるぞ。<br>
喰ってやる、喰ってやる、喰ってやる、喰って……<br>
壊れたレコードのように口走る人形。<br>
すると、それが突然収まり、女性の声が中から聞こえてきた。<br>
「陛下にお仕えするもの、梁艾丹。<br>
退魔の札を早く……わたくしを、ここから救い出してください」<br>
俺はダッシュで部屋を出た。<br>
宿牢を出た所で物の怪使いに出くわし、彼から家宝だという退魔の札を預かり、<br>
再び八角堂の梁の元に急ぐ。<br>
喰ってやる、喰って……。<br>
甲高い声で叫びながら、人形は俺に猛烈な勢いで突撃してきた。<br>
何とか退魔の札で退けると、人形が消え去り梁が姿を現した。<br>
「何とか、前の天道式の二の舞だけは、避けねばなりません」<br>
梁はそう言うと、別の部屋の鍵を渡してくれた。<br>
その部屋には、木の彫り物が置いてある。あの青龍の見立てを行われるはずだった、<br>
僧侶の変わり果てた姿だった。<br>
強い邪気に取り憑かれそうになりながらも、<br>
僧侶は木彫りの仏像に身を変えて逃れた。<br>
部屋につり下げられた木彫りの仏像に、胎息人形を使う。<br>
しかし梁はそれで蘇ると言っていたのに、完全に蘇生しない。何故だ?<br>
「その人形が偽物だったなんてな。<br>
おいおい、俺がすり替えたんじゃない。<br>
小僧が持って帰ったものを、そのままあんたに渡したんだ」<br>
言い訳じみた言葉を放つ物の怪使いを無視して、本殿に急ぐ。<br>
柱の影で待っていた梁は、俺に見立てを行って欲しいと告げる。<br>
玄武として見立てられるのは、他でもない皇帝陛下だった。<br>
<br>
<br>
<a name="a71"></a></dd>
<dt><a href="menu:71"><font color="#000000">71</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:15:07ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>ズラリと整列して平服した、兵士達。<br>
はるか前の方に座した帝は、俺の事を旅人風情といって追い出そうとした。<br>
「天道式が終わるまで妖術はならん、騒ぎも起こすな、ただちに城下に下がれ」<br>
兵士に槍を向けられては、俺もどうにも出来ない。<br>
仕方なく引き下がると、梁が悲しそうに首を振った。<br>
陛下が見立てを拒否した事を、梁は察していた。<br>
神獣として見立てを受けるのを、恐れている。<br>
神獣となるのは、すなわち人としての生を終える事。<br>
陛下の血を分けた甥である、玄太もともに見立てを受けねばならないようだ。<br>
梁は玄太の居る、地下牢への鍵を差し出した。<br>
地下の一番奥に、玄太は居た。<br>
今日という日を恐れていたという玄太。<br>
ここに地下に居れば、運命が自分を忘れてくれるかもしれない。<br>
そう考えていた。しかし、今日俺はやって来た。<br>
全てを受け入れる覚悟を決め、玄太は見立てを行うようにすすめた。<br>
<br>
超級羅盤を使い、玄太に見立てを行う。<br>
神獣としての見立てを受けた玄太は光にかわり、羅盤に宿った。<br>
<br>
次は、皇帝の番だ。<br>
「お前は、どこから来たのだ。<br>
この私に、なにをもとめているのだ…」<br>
皇帝は怯えた様子で聞いてくる。<br>
羅盤を差し出すと、羅盤から玄太の声が漏れてきた。<br>
私たちはともに見立てを受けなければならない。<br>
そう言う玄太。既に見立てを受けた玄太の声を聞き、<br>
皇帝は落ち着いた様子で、運命を受け入れる決意をする。<br>
「かつて青龍の力は邪な闇に消えた。<br>
しかしわたしには、まことの見立てが行われた。<br>
未来では、民は平和の中に暮らしているか。<br>
教えてくれ」<br>
皇帝は俺にそう語りかけると、羅盤に消えた。<br>
<br>
階段を降りていくと、メカ鷹がそこで待っていた。<br>
早く来てくれ、元の時代に戻せなくなる。<br>
早口で、鷹が喋った。……あの陰陽師の先祖なのは、間違いない。<br>
さ、早く準備をするのだ。みよ、この渾天儀を……。<br>
以下略。相変わらず、話が長い。<br>
<br>
<br>
<a name="a72"></a></dd>
<dt><a href="menu:72"><font color="#000000">72</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/27(土)
19:16:20ID:0Gt8qbEz</font></dt>
<dd>
九龍に戻って来るとあちこちで、あんたどこに行ってたんだ、<br>
と詰め寄られた。<br>
俺は俺で忙しいのに、逆切れまでされる始末。<br>
メールを見てみると、龍城路から来ていた。<br>
どうやらあのピアスハァハァのびん屋は、ついに末期らしい。<br>
最近とびきりのピアスを手に入れたらしいが、<br>
そのピアスの持ち主が西城路から来たのだという。<br>
しかも龍城路の半分が消え去り、西城路と繋がったのだ。<br>
えび剥き屋の子供は、俺に退魔の効果があるというむきえびを渡す為、<br>
九龍フロントに来ていて助かったらしい。<br>
さっそく海老を賄賂代わりに海鮮中心の番人に渡し、<br>
夏先生に家に寄る。<br>
当然ながら、鍵は開いていた。<br>
しかし中で待っていたのは、小黒だった。<br>
「どうやら私、悪い夢でも見ていたようね。<br>
今、夏先生と話していて、そう思ったの。<br>
先生は、セミナーの様子を見に行ったわ。<br>
おつとめがあるのよ」<br>
機械じみた口調で、小黒が言った。<br>
今までの彼女の様子とは、全く違う。<br>
宗じいさんはそれを、人の格好をした邪気、と言った。<br>
<br>
さて、まず一つはあの胎息人形の事だ。<br>
どうやら小黒は、男人街ですり替えられたらしい。<br>
行ってみると、幸い開店前なのか、「美女大世界」は扉が開いていた。<br>
こっそり入って胎息人形を見つけ、陰陽師の所に駆け込んだ。<br>
陰陽師は、先祖の伝書を残したデータベースが壊れたとか、<br>
ウイルスだとか叫んでいた。<br>
俺が行かねばならない(歴史上行った事になっている)、ファイアの日が、<br>
もう一日存在する。しかし、データベースが壊れていて、見られない。<br>
データベースの復旧は陰陽師に任せ、<br>
本物の胎息人形を持って夏先生の家へと向かった。<br>
夏先生の家には、まだ小黒が居た。<br>
姉が言っていたファイアの日は、風水が生まれる日の事だった。<br>
清王朝に行ったのは……。<br>
小黒の声が、次第に夏先生のものにすりかわっていく。<br>
こざかしい事をするな。<br>
お前達の歴史は、もう終わろうとしている。<br>
夏先生はそう言うと、ズフズブと消えていった。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:226"><font color="#000000">226</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:02:37ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
ウェイからの呼び出しで九龍飯店に行くと、そこでウェイと紅頭が待っていた。<br>
是空を率いているのは、ウェイだったのだ。<br>
双子中心は、俺がゲームセンターで張魯の双子・張陵と接触してから、<br>
張陵を監禁してしまった。<br>
彼らの目的は、兄貴の張魯をおびき寄せ、弟を覚醒させる事にあった。<br>
既に張魯の鳴力は安定しているが、弟の力が狂えば、また張魯の力も狂う。<br>
その為に、双子中心は婆童と呼ぶ強い媒介者を呼んだ。<br>
婆童の力は、老力を生み出すかもしれない。<br>
スネークはその力こそ、眠れる龍を覚醒させる力だと考えているようだった。<br>
現在覚醒しようとしている龍は、かつて清王朝で木彫りの仏像にされた僧侶だ。<br>
僧侶の中には、怨霊となったかつての風水師・妖帝が居り、<br>
スネークの組織を操っていたのだ。<br>
眠れる龍が目覚める時、全ての邪気が不滅となる。<br>
スネークはそれを、不老不死の奇跡と呼んでいた。<br>
<br>
九龍飯店を出ると、紅頭から張陵の覚醒が始まったという報告を受けた。<br>
すぐに双子中心に向かうが、双子師に追い返される。<br>
偉大な力に生まれ変われば、皆おまえにひれ伏すだろう。<br>
双子中心の前で、老女の声が響く。しかし婆童の力は乱れる。<br>
「お前か、邪魔するものは……」<br>
婆童はこちらに攻撃の手を差し向ける。<br>
邪気の鏡を向けると一瞬ゆるんだが、双子師の力を命を吸い込み、覚醒を続けようとした。<br>
そこに張魯が現れ、婆童に相対する。<br>
張魯の力は婆童にうち勝ち、気を失う。だが長くは保たない。<br>
四天王が現れ押さえつけられる張魯、無理矢理張陵と合成させていく。<br>
二つの力を合成させられた張魯と張陵は、人でないもの……妄人にかわっていく。<br>
更に四天王は、力を失い掛けている婆童を差し向けてきた。<br>
邪気を退ける、魔を退ける力を……張魯の言葉を思い出し、<br>
退魔の札を向けると、彼女は光となって消えた。<br>
<br>
<br>
<a name="a227"></a></dd>
<dt><a href="menu:227"><font color="#000000">227</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:03:12ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
言い忘れた事があるから、急いで戻ってくれ、というリッチのメールを読んで、<br>
這々の体で龍城飯店に戻ると、リッチはのんきな様子で、<br>
「言い忘れていたが、小黒の探している医者ってのは、妄人なんだそうだ」<br>
……俺、たった今死にかけて戻ったんですが?<br>
小黒の行方を捜して宗じいさんの所に寄ると、周囲から不思議な声が聞こえた。<br>
子供のような声で、何か叫んでいる。<br>
するとひょい、とキッズが現れ、夏先生のカードにウイルスがあったとかで、<br>
夏先生のカードを持っていかれた。<br>
何の事だか分からないが、生体通信、と言っていたのは聞こえたので、<br>
端末で生体通信に繋いでみる事にした。<br>
画面に現れたのは、宗じいさんに似た老人の顔だった。しかし声は、子供の声だ。<br>
子供は、誰かを通してしまった事を責められていた。<br>
いやだ……ぼくは……こんなふうになりたくない……。<br>
“はやく……約束の日……急いで……”女性の声。<br>
画面に、老女になった小黒が映る。<br>
やめろ、その人に手を出すな!<br>
ぼくはもう駄目……おねえちゃんのことを……。<br>
海鮮パック……大事なおばあちゃんが居る……<br>
叫び声をあげると、シンクロするように画面に胎児の姿が映る。<br>
プツン、と画像は切れた。<br>
<br>
<br>
<a name="a228"></a></dd>
<dt><a href="menu:228"><font color="#000000">228</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:04:13ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>海藻パック?<br>
あの画面に映っていたのは、確かに宗じいさんだった。<br>
海鮮中心で海藻パックを手に入れると、宗じいさんに渡した。<br>
海藻パックを渡すと、じいさんは威張りくさった屍が見える、<br>
と呟きながら“向こう側”に俺を通してくれた。<br>
扉を抜けると、向こう側は狭い通路だった。<br>
<br>
通路の壁には、ウェイが埋まっている。<br>
体の四肢はバラバラになり、壁から生えている。<br>
その一つ一つが、ビクビクと動いていた。<br>
「意識が宙を舞っている。ははは、きっと誰かに呪いをかけられたんだな」<br>
ウェイは楽しそうに笑いながら、自分の状況を話した。<br>
ウェイの掛けられたのは、意識を体から切り離す呪い。<br>
小黒の行方を探っている時、ウェイの意識と体はバラバラにされたという。<br>
彼女も同じ呪いに掛けられたかもしれない、<br>
ウェイは呪いのもとを探ってくれ、<br>
と言うと、すうっと四肢がちりぢりの方向へと去って消えた。<br>
ウェイの言っていた小黒の行方は、彼女のメールとリッチの言葉で、<br>
あらかた見当はついていた。<br>
小黒は、玄機(実は玄太の息子。命名札の相手)という人物を捜しているのだ。<br>
それは元々医師で、今は妄人になっていた。<br>
彼を元の場所、と定める場所に連れて行かねばならないらしい。<br>
ウェイの事が気に掛かって九龍飯店に向かう。<br>
そこにはウェイの体が浮かんでいた。<br>
ウェイの掛けられたのは魂が遊離する、リトルタンキーの呪いで、<br>
何かの巻き添えになったと思われた。<br>
彼らの目的が小黒の鳴力なら、大変な事になる。<br>
とにかく、呪いが掛けられたタンキー人形を見つけてくれ。<br>
紅頭に頼まれ、俺は街を歩いて少し情報を集めてみた。<br>
そこで分かったのは、スネークが双子の力を集める為に使っている龍の鏡が、<br>
老人中心にあるという事だった。<br>
そこでは、ブルークロウという麻薬も作っている。<br>
その入り口には呪い人形が置いてあって、うかつに入れないようにしてあるようだった。<br>
<br>
<br>
<a name="a229"></a></dd>
<dt><a href="menu:229"><font color="#000000">229</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:05:14ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
妄人路に入る準備として、案内屋でハニーの思い出をアクセスカードに入れてもらい、<br>
龍城飯店の向こうにある通路から妄人路へと入った。<br>
妄人路には、携帯電話の妄想をする男と、電光掲示板の男、そして壺の男が居た。<br>
ここには妄想のネタを提供する、妄娘という者が居るようだった。<br>
彼らから、持っている者が見ている景色を妄人路に映し出す、<br>
妄想眼鏡を渡され、九龍フロントに引き返す。<br>
この妄想眼鏡は、妄人路の外に居る妄人とも会話する事が出来るようにもなるらしい。<br>
ブルークロウは普通の人間が使うと、心の中に邪気を呼ぶ。<br>
そのせいで双子中心の妄人は扉にされ、双子師達の命令で老人中心への道を守っているのだった。<br>
老人中心にあるはずのタンキー人形を破壊する為、<br>
俺は超級爆竹を爆竹屋からもらい、再び双子中心へと向かった。<br>
入り口で爆竹を使おうとすると、ミスターが現れた。<br>
「今頃は、あの娘は苦しみの中覚醒している頃だろう。あの娘は、本物の力を持っている。<br>
そうだ、おまえの命も、これで吸い取ってやろう。ひゃはははは!」<br>
ミスターが龍の鏡をこちらに向ける。しかし俺は、逆にミスターへ邪気の鏡を向けた。<br>
そんなものをどこで手に入れた!<br>
剥製屋のやつ、おれをだましやがったのか!<br>
ミスターは叫び声をあげた。龍の鏡が砕け落ちる。<br>
俺は急いで爆竹を設置して、部屋を出た。<br>
爆発音が響き、扉が焼けていく。<br>
その衝撃のせいか、炎が収まった後、扉男は完全な扉と化していた。<br>
ミスターのバニティミラーを持って街に戻ると、<br>
人々は俺をミスターだと思っているかのように話しかけてきた。<br>
ミラーを持っていると、ミスターを知っている者はそう見えるらしい。<br>
亀料理屋も俺をミスターだと信じ込み、仕事の後の一本だ、<br>
とブルークロウのアンプルを渡してくれた。<br>
むろん、自分で使うつもりなどない。<br>
宗じいさんにアンプルを渡すと、じいさんは西城路への扉を開けてくれた。<br>
<br>
<a name="a230"></a></dd>
<dt><a href="menu:230"><font color="#000000">230</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:07:12ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
今度は、きちんと西城路へとたどり着くことが出来たようだ。<br>
端末でアクセスすると、パピヨンからメールが来ていた。<br>
小黒の鳴力が完全に覚醒したらしい。<br>
また、スイジェン(アニタの兄)から信箱にメッセージが届き、<br>
龍津路から運び出された封印石が、九龍フロントにある事が分かった。<br>
龍城路と繋がったのは、どうやら海明大廈(カーメルマンション)の地下らしい。<br>
ここには気功師‥‥おそらくウェイが、以前この街に小黒を探して来たようだ。<br>
ウェイは老人中心が壊れた事で人形も破壊され、元の体に戻って小黒を探していた。<br>
路人に頼んでマンションの扉を開けてもらった。<br>
マンションの地下には、グエンというベトナム人の男が住んでいた。<br>
小黒も彼に会ったようだが、彼の言葉はベトナム語の出来ない俺には理解出来ない。<br>
ピアス屋に頼んで、通訳してもらう事にした。<br>
グエンが語るには、小黒に急いでいるからと頼まれて、通路を通したのだという。<br>
彼女は、そこが龍城路に繋がっていると知っており、<br>
自分の持っているピアスを、びん屋に渡して、びんと交換してもらおうとしていた。<br>
扉は、龍城路の錠前屋がやってきて、<br>
元にもどった時、あの通路の中に居るのは危険だから、と鍵をグエンに預けていた。<br>
ピアス屋から、通路を通る勇気があるなら分けてやる、<br>
と言われてピアスを受け取る。<br>
ゆがんだ空間の通路を進むと、扉を抜けて龍城路へと出た。<br>
びん屋から小黒のピアスと特製ビン、<br>
錠前屋から、拾ったという何の鍵かはわからない古い鍵を受け取り、<br>
急いで西城路に戻る。<br>
ここには、小黒は居ないようだ。<br>
グエンは、ベトナム語が出来るという老人に、<br>
盗まれた出世石を取り戻す相談をしていた。出世石は、願いを叶える石だが、<br>
最近邪気を生み出すようになり、胡同の鬼津に力を与えているらしい。<br>
小黒は、大井路に行こうとしていた。<br>
もし石を取り返してくれれば、俺が大井路に行けるように願いを掛けてくれると言った。<br>
<br>
<a name="a231"></a></dd>
<dt><a href="menu:231"><font color="#000000">231</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:08:01ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
地下の胡同は、西城路の気脈を整えていた場所がある。虎口、龍口という場所だ。<br>
そこに鬼津が巣くい、気脈を乱しているのである。<br>
西城路の水路近くで山高帽男に出会い、胡同への道を開いてもらうと中に入った。<br>
<br>
地面をずぶずぶと、何かが進んでくる。それは地上に飛び出し、土煙をあげた。<br>
今度の案内屋は、デカイ筋肉質の男、ミスター・ドープマンだった。<br>
頭の上半分が、つぼみのようになっている。<br>
まずは水門を開く為に、水門室に行く。しかし、西城路の川の水が流れ込むかぎり、<br>
水路は乾かない。そう言われて、俺はそちらの水門を閉じる為に、<br>
操作室に向かった。操作室は元々船の操舵室であったが、<br>
改造して操作室として利用していた。<br>
操作室で水門を閉じ、下水道を通ってさらに奥に行き、<br>
第二水門、更に第三水門を開けて奥に進む。<br>
あんな汚い水でも、海に繋がっている。水が全部無くなったら、海を忘れてしまうかもしれない。<br>
操作室(元・船の操舵室)が言った。<br>
これで、水が流れるようになり、水が流れる事で、邪気が払われるようになった。<br>
奥には、龍口、そして虎口という気脈を整える場があるはずだ。<br>
虎口には鬼津が巣くっていたので、まずはこの鬼津を片づけて虎口を正す。<br>
その龍口には、物の怪使いが待っていた。<br>
棺に入った老人のような姿の物の怪使いは、出世石を持っていた。<br>
邪気を呼ぶ石を盗み、それを利用しようとしていた物の怪使いの力は俺に破られた。<br>
彼には、何も力も残されてはない。<br>
邪気すら消えてしまう場所‥‥欲望も妄想も、何もかもが消えた、真っ白な世界。<br>
最後に行き着くのは、そんな場所なのだと物の怪使いが言った。<br>
石を持っていくと、翻訳機が回復したグエンが声を発したとたん、<br>
グエンは双子四天王の一人・老師になった。<br>
グエンは彼が拘束しているという。俺を大井路に行かせず、この街に足止めする為だ。<br>
老師は命名札と交換で、グエンを解放すると俺に取引を持ちかけた。<br>
グエンの苦しみが、再び胡同に邪気を産み始めている。<br>
<br>
<br>
<a name="a232"></a></dd>
<dt><a href="menu:232"><font color="#000000">232</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:09:13ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
奴の消えたグエンの家の奥の扉を開けると、そこは胡同に繋がっていた。<br>
ドープマンによると、グエンが捕らわれている可能性があるのはドックだという。<br>
ドックに向かうと、再び見知らぬ声が聞こえて来た。<br>
占いの好きな友達と、いくつもの海を渡った思い出について語る。<br>
そこで海原の貝殻を拾った。<br>
これは貝殻屋が、時の歪みを正す力がある、と言っていたものだろう。<br>
奥に進むと、グエンが四天王の手に捕らえられていた。<br>
「お前にしては上出来、と言っておこう。<br>
さて、命名札を持ってきたか?」<br>
ここで戦うと、グエンが傷つくかもしれない。<br>
それに奴にどんな手が有効なのかも、分かっていない。<br>
俺が命名札を渡すと、四天王はグエンを残して姿を消した。<br>
意識を取り戻したグエンは、邪気を呼んでしまった事を反省していた。<br>
グエンは、小黒の写真も持っていた。<br>
彼女が無事であるようにと、祈りを込めて持っていたのだ。<br>
しかし写真が石のように邪気を発するようになったら、自分ではどうにも出来ない。<br>
だから写真は俺に持っていてくれ、そう言うと、グエンは俺を送る為に、<br>
石に祈りを込めた。<br>
<br>
石の力で、俺は西城路にあるモルグの前に立っていた。<br>
このモルグは、かつて大井路に繋がっていた場所。<br>
しかしモルグへの橋が落ちてから、通れなくなっていた。<br>
モルグの奥にある神龍廟には、屏風が置いてあった。<br>
そこには、一人の老人の姿が描かれている。その老人こそ、妄人路の主である、馬山童だった。<br>
ウェイからのメールでは、妄人路の妄想が異常に高まっているという事だ。<br>
妄人路を作り出している馬山童が、このままでは耐えきれなくなってしまう。<br>
そうなれば、中に居るかもしれない小黒も共に、消える事になる。<br>
妄想眼鏡を使って話しかけると、屏風が語りかけてきた。<br>
「そ、そなたは…そなたは、風水を看る為にやってきたのだな…<br>
もう分かっているだろう、その世界では見立ては、<br>
神獣となる宿命を持つ人間になされねばならぬ。しかし青龍だけは、<br>
いくらそなたでも見立てる事は出来ぬだろう…妖帝じゃよ。<br>
そなたと同じ、風水師であった」<br>
かつて天道式で僧侶を石にした妖帝は、僧侶が自分を木彫りの仏像に変えてしまって以来、<br>
邪念となって力を強めてきた。オールドスネークは、妖帝が復活する事で、<br>
不老不死の力を得ようとしていた。<br>
妄人路は自分が守るから、はやく他の神獣の見立てを済ませろ。<br>
馬山童に言われた俺は、大井路へと向かった。(ここから龍城路への道が無いし)<br>
<br>
<br>
<a name="a233"></a></dd>
<dt><a href="menu:233"><font color="#000000">233</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
00:11:15ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>今夜中には、終わらせられると思います。<br>
おそらく、あと2回更新して終わるくらいでしょう。<br>
話が複雑すぎて、何処で区切っていいのか分からず、<br>
長くなってすみません。<br>
<br>
<a name="a234"></a></dd>
<dt><a href="menu:234"><font color="#000000">234</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:35:43ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
大井路は、複雑に入り組んだ街だ。大井路は、小姐路と転送室で繋がっている。<br>
転送室には妖精さんが居て、向こうに送ってくれるのだ。<br>
…………まあ、妖精さんと言っても。<br>
体は確かに少女だが、イノキ顔で金髪の巻髪をしていたりするから、<br>
全く癒されないし、全く興味をそそられないが。<br>
(ちなみに小姐路の兄弟は同じ格好だが、横に成長逞しい体つき)<br>
小姐路に居る麻雀屋は、仲間と協力して胡同の気脈の管理をしたり、<br>
邪気を見張ったりしている。<br>
簡単に胡同を開けられないという麻雀屋に、大切な小黒のピアスを預け、<br>
胡同への入り口の一つ「維多利亜大廈(ビクトリアガーデン)」を開けてもらった。<br>
そこにも、物の怪使いが潜んでいて、鬼津を操っているという。<br>
<br>
さて、今回の案内屋バンブージーは、前にもまして凄い。<br>
顔にジェイソンみたいなマスクを付けていて、手にかぎ爪を付けている。<br>
妖精さんといい案内屋といい、美的感覚を著しく狂わされる。<br>
ここ、維多利亜大廈はいろんな建物が繋がっているらしく、<br>
一旦中庭を通っていった方がいいと案内屋は言った。<br>
言う通りに遮打苑(チャーターコート)から美羅花園(メトロガーデン)へと歩き回りながら鬼津を片づけ、通路を開いていく。<br>
維多利亜大廈に通路が出来たというので戻ってみると、何者かの笑い声が聞こえてきた。<br>
さらに進むと、少年が現れた。手に鬼津を抱えている。<br>
どうやら彼が物の怪使いの一人らしい。<br>
孤独に生きてきた物の怪使いの少年は、仲間は皆スネークには逆らえないと言った。<br>
「もう、あんたを邪魔するやつはいないさ。僕の場所はここだけ、ほかの胡同のことなんて知らない…他の力なんてね」<br>
少年はそう言うと、去っていった。<br>
彼が鬼津を操っていたんだろうか。しかし、邪気は晴れない。<br>
まだここには何かがあるのかもしれない。<br>
とにかく、ひとまず大井路へと戻る事にする。<br>
<br>
<br>
<a name="a235"></a></dd>
<dt><a href="menu:235"><font color="#000000">235</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:36:18ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
ミスターが出入りしているナイトクラブが開店していた。<br>
ナイトクラブに行くと、マネキンが一体そこに置いてあった。<br>
彼女は俺をチェンじゃないと見抜きながら、剥製屋の話をしてくれた。<br>
剥製屋に行けば、特別な体にしてもらえると聞いていたらしい。<br>
邪気が晴れない以上、そのままにして行くわけにもいかない。<br>
俺はもう一度、美羅花園に違う門から潜入してみた。<br>
やはり、邪気が戻っている。<br>
<br>
>ここにもダミアヌスが居る。<br>
死んだ時の画面を何度か見せられる。<br>
レンジで人間をチンとか、冷蔵庫から血液がドロリとか、<br>
扇風機に肉片と目玉が絡まって回ってる所とか。<br>
<br>
中を探っていると、メールが届いていた。<br>
メールは、リゾームの者からだった。スネークの企みに気づいた彼らは、<br>
俺に協力してくれていた。<br>
偽物の老力を作り出してスネークを引きつけておこうとした彼らの計画は成功し、<br>
かりそめの老力が発生、街を駆けめぐっているという。<br>
彼らが引きつけてくれている間に、早く見立てを行わなければ…。<br>
<br>
天窓に集まる邪気は渦巻き、その中心に何かがある…。<br>
バンブージーに言われたように、まず周辺の邪気を片っ端から取り除いていく。<br>
天窓を塞いでいる鬼津を片づけると、その下には車輪のような鬼津が待ち受けていた。<br>
しかしそれを片づけてもまだ、気脈が戻らない。<br>
何故だ、まだ何かあるのか?<br>
ともかく大井路へと一時戻る。<br>
<br>
<br>
<a name="a236"></a></dd>
<dt><a href="menu:236"><font color="#000000">236</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:36:53ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
問診屋の前を通りがかると、突然地響きが起こり、扉が開いた。<br>
「俺は玄機。ここで問診屋をやっていたんだ」<br>
ドロドロのスライム状のものが、そう名乗った。<br>
玄機って、小黒が探していた玄機?<br>
あんなに探していたのに、今頃現れますか。<br>
剥製屋と連んで何かしていた、という噂のある問診屋の玄機は、物の怪達に苦しみを与え、邪気を強めていたと俺に話した。<br>
「じゃあ、頑張って気脈を戻してくれよ」<br>
…訳ワカラナス。<br>
<br>
どうやら向こう側の街には四天王がうろうろして俺を捜しているようなので、<br>
戻らずに美羅花園北門から入る事にする。<br>
中には、やはり邪気が漂っていた。<br>
その大元を捜していると、バンブージーが維多利亜大廈に強い邪気があると俺を強制的に転移。<br>
しかし邪気に阻まれて目的地に転移出来ない。<br>
その元凶は、やはり強い鬼津だった。<br>
鬼津を片づけた先にあった部屋、そこにはコニー揚が居た。<br>
コニーは媽妃によって鞄の妄人にされ、ずっとお供にされていた。<br>
媽妃はまだ、ここに居るのだと言う。<br>
四天王やスネークのせいなのか、気脈はさらに乱れている。<br>
麻雀屋は、あとは俺に任せると言って、小黒のピアスを返してくれた。<br>
そうこうしていると、ついに俺がミスターじゃない事を闇鍋屋にバレる。<br>
けたたましい警報が、四天王を呼んでいた。<br>
事態を察したダンスホールの店長が、ひとまず俺を物置にかくまってくれた。<br>
舞台脇から見える、妖精さんのダンスショー。<br>
それをぼうっと眺めていると、ついに四天王…仙師が追いついた。<br>
「ふふふ……おまえも一緒に、踊りたいか? さあ、玄機を渡して貰おうか」<br>
仙師が迫る。<br>
ビンに入れた玄師を渡せ、と。ビン?<br>
よくわからんが、どの道渡すつもりは無い。<br>
バニティーミラーを掲げると、その光に照らされて仙師は散っていった。<br>
一息ついて横を見ると、モニター男が立っていた。<br>
モニター男のモニターには、小黒が映っている。<br>
ピアスを出して念じると、小黒の声がこちらに届いてきた。<br>
コニーと彼女の意識が繋がるようになってから、小黒もコニーの事を気に掛けていた。<br>
しかしここ最近、コニーと小黒の意識が離れ、意識が感じられなくなっていた。<br>
コニーと同じようにまた、小黒も彼女の事を案じているのだ。<br>
彼女に会いたがる小黒の為にも、俺は胡同に居るコニーの所に戻ってみる事にした。<br>
<br>
<a name="a237"></a></dd>
<dt><a href="menu:237"><font color="#000000">237</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:37:47ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>中は、邪気で一杯だった。<br>
メールが届いているというので見てみると、それはウェイからだった。<br>
向こうは大変な事になっているらしい。<br>
龍穴が妄人路の中に開いたのだという。その影響で、妄人路に妄想の嵐が発生していた。<br>
おまけに安定苑まで来ると、邪気のせいで閉じこめられるハメになる。<br>
バンブージーは慌てているが、俺はもはやこんな事では動じない。<br>
閉じこめていると思われる鬼津を片づける為、周囲に群がっている小さな鬼津を始末する。<br>
それから奥に居た楽器の形をした鬼津を倒すと、やつはコニーの部屋のカギを落としていった。<br>
カギを拾ったとたん、バンブージーとともにコニーの部屋の前に強制移動していた。<br>
これはバンブージーではなく、コニーの仕業らしい。<br>
部屋には、もの凄い勢いで妄想が流れ込んでいた。<br>
コニーは既に、元の鞄の姿すら保って居られないようだった。<br>
変質したコニーは、俺に媽妃を倒すには、鏡で彼女の見にくい欲望を照らしてやるしかない、と言った。<br>
彼女はまだ、玄機に気づいていない。小黒の命に目が眩んでいるのだ。<br>
「玄機は、途絶えた力を繋ぐ人…正しい…」<br>
すると、突然モニター男から小黒が現れ、実体化した。<br>
「コニー!」<br>
「小黒……来てはダメ、あなたはまだ……」<br>
「コニー! ……なんてこと……」<br>
コニーはずぶずぶと消えていく。小黒は、呆然とそれを見つめている。<br>
バンブージーはその場から逃れる為、俺と小黒の転移を試みる。<br>
しかし双方一度に転移させるのはムリだったのか、胡同の地下に落とされていた。<br>
頭上に響く、媽妃の声…彼女が導いたのか?<br>
幸いバンブージーや小黒は無事だったようだ。彼らの手助けが望めなくなったが、<br>
媽妃を倒す為、一人で維多利亜大廈へと向かうしか無い。<br>
彼女はまっていた。<br>
「ふふ……龍の鏡がなくなったからって、インチキはいけないね。あんな見せかけの力で、<br>
騙されるとでも思ったのかい?<br>
小黒をかばい立てするなら、代わりにあんたの命を吸い取るまでだよ」<br>
鏡を掲げると、彼女が光に当てられて羽が舞う。<br>
「いずれおまえも、欲の海に引きずり込んでやる。<br>
深い海でおぼれるがいい」<br>
そう言い残すと、媽妃は消滅した。<br>
<br>
<a name="a238"></a></dd>
<dt><a href="menu:238"><font color="#000000">238</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:39:08ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
それとともに、邪気が払われた胡同と九龍が正常な形に戻り始める。<br>
急いで胡同を出ると、ぐにゃりと景色が変質し、気がつくと小黒とともにリッチの店に立っていた。<br>
玄機が途絶えたものを繋げる、<br>
そしてどこかに連れて行く……。<br>
リッチと小黒は、その言葉の意味を改めて考えていた。<br>
彼女の姉の存在に疑問を抱いていたリッチも、ようやく信用したらしい。<br>
すると、突如外で爆発音が聞こえた。<br>
慌ただしく紅頭が駆け込む。<br>
スネークに新たな動きが見られ、爆発もそれに関係しているらしい。<br>
小黒は出ていこうとするが、彼女が狙っているのは小黒……今は出ていかない方がいい。<br>
紅頭は自分達が彼女を守るから、その間にウェイの所に急いでくれと言った。<br>
「今ここで信用居るのは、ウェイと、あんただけだ!」<br>
リッチの言葉を聞き、俺は店を飛び出した。<br>
この騒ぎは、スネークと手を組んでいる剥製屋の仕業のようだ。<br>
鬼津と合体した剥製屋はやっかいだが、剥製屋の苦手なものは、<br>
女の髪を使ったかつらであるらしい。<br>
「最後の意志を取り除かないかぎり、見立ては不可能だ。急いでくれ……」<br>
どこかからか、スイジェンの声が聞こえた。<br>
ウェイのビルから双子中心へと抜け、剥製屋の元を目指す。<br>
階段を下りると、首の無い人間と半分繋がった剥製屋……物の怪があらわれた。<br>
それを、永遠の命を得たと喜んでいる剥製屋。<br>
「それにしても、龍津路の踊り子は残念だったな。<br>
お前は、誰一人として救えはしないんだ」<br>
そう言って襲いかかってきた剥製屋に退魔の札を投げ、<br>
まず鬼津の邪気を払った。<br>
あとは残る、剥製屋だけだ。<br>
「チェンを腐った屍に戻したのは、お前だったのか。ならば、<br>
とっておきの鬼津玉をくらわせてやる!」<br>
剥製屋は叫びながら、サンシーを投げようとした。<br>
そうはいかない。踊り子のかつらを投げると、<br>
剥製屋は消滅し、七色に光る玉へと変質していった。<br>
これは、剥製にされた生き物たちの、命の塊…。<br>
<br>
<a name="a239"></a></dd>
<dt><a href="menu:239"><font color="#000000">239</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:40:40ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
剥製屋が閉じていたのは、双子中心二階にある部屋だった。<br>
そこにあったのは、最後の封印石。<br>
現れたスイジェンの前でオガクズを使うと、封印石が崩れていった。<br>
「いよいよだ……君の見立てで、私は……白虎となろう」<br>
スイジェンに、白虎の力が流れ込む。<br>
その気配を、九龍の人々も感じ取っているのか、<br>
シルクハットの男、小黒、様々な人達が視線を空に向けた。<br>
ウェイも、見立てに成功した事を感じ取ったようだ。<br>
部屋で、キッズとともに待っていた。<br>
「いよいよ、風水を起こす時が来た」<br>
妄人路に開いた龍穴は、玄武か朱雀のものだとキッズが言う。<br>
その龍穴が開いたのは、陰陽の摂理が戻る前兆に違いない。<br>
だが、神獣はいったいどこに? それに、龍穴は放っておけば、妖帝に利用されてしまう。<br>
龍脈の経路を辿る為……どこから途絶えているのか探る為、<br>
もう一度陰陽師の所に行った方がよさそうだ。<br>
部屋を出ると、またとしてもシルクハット男登場。<br>
あの龍脈は、玄武が最後の力で遠い過去から繋ごうとしているものだ。<br>
シルクハットは言う。しかしこのままの状態を維持するのは危険だ。<br>
言うだけ言うと、男は去った。しかし、何故そんな事を知っているのやら…。<br>
<br>
生体通信で龍城飯店に移動すると、カウンターにリッチは居なかった。<br>
ぐにゃぐにゃと、ビンから緑色のものが這い出てくる。<br>
やはり、氷付けになっていたのは玄機だった。<br>
「もう妄人路はコリゴリだ。あんたと一緒にいさせてくれよ」<br>
と、奴は勝手にビンに戻っていった。<br>
街の人々は妄想に捕らわれ、妙な事ばかり口走っている。<br>
陰陽師の所に行くと…彼はいつもの通りだった(奴は元から妄想だらけだし)。<br>
「もう一つのファイアの日が分かったんだ!」<br>
時代は1920年5月22日、場所は上海。<br>
「オッサン、今日はもう23日だ」<br>
玄機の突っ込みが入る。<br>
機械の調節が済むまで、俺は小黒の様子を見に戻ってみる事にする。<br>
所が、彼女の部屋に龍穴が開いていた。龍穴は妄想をどんどん吸い込んでいく。<br>
キッズが現れ、窓を激しく叩いた。<br>
龍穴は、妄想だけではない…小黒も紅頭もみんな吸い込んでしまったらしい。<br>
窓男が飯店の入り口を塞ぎ、出る事も出来ない。<br>
どうすれば…。俺が端末の方を見ると、画面に陰陽師が映った。<br>
「わしのスペシャルな力で、呼び寄せてやる。動くな、わしを信じて……」<br>
…全然信じられないというのは、さておいて。<br>
奇跡的に、陰陽師の元に到着した。<br>
龍穴に飲み込まれた小黒が、もし姉と会う事があれば…小黒は消滅してしまう。<br>
玄機もそれを恐れていた。<br>
それを防ぐには、龍穴の通じている先、<br>
上海で待ち受け、流れてくる小黒を受け止めるしかない。<br>
陰陽師の力で、俺は再び時間を超えた。<br>
<br>
<br>
<a name="a240"></a></dd>
<dt><a href="menu:240"><font color="#000000">240</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
01:41:44ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>行った先でも、やはり天道式の準備を進めていた。<br>
陰陽師の祖先は、ここで俺の用事が済むまでに目盛りを戻るべき5月22日に、<br>
合わせておいてくれるらしい。<br>
…しかし来たのは23日なんだが、その辺りの問題はいいのか?<br>
高台に建った屋敷の前には、妙な牛の姿をした物の怪(?)が居た。<br>
屋敷に住んでいるのは、マダム馮という占い師らしい。<br>
蘭という少女は、その天道式に使う為の絵画を運ぼうとしていた。<br>
階段を上り下りしていた俺に彼女が声をかけ、絵画を運ぶ手伝いをしてくれないか、<br>
と言ってきた。<br>
彼女の運んでいる絵は、マダムの占いにあった絵であるらしい。<br>
占い通り、天空から降ってきたものだ。<br>
子供が二人描かれた絵の中には、何故か玄機が居た。<br>
絵の前にあった妄想機に入っている男の体が、震える。<br>
「俺が二人居る……運命から逃れる事は出来ない……? <br>
これが俺の運命じゃなかったのか。妄人である事が!」<br>
絵の中の、もう一つの子供にも顔が浮き出る。<br>
二人は叫び声を上げると、絵の中の少年の姿は双方とも、かき消えた。<br>
同時に、クーロネットが起動。<br>
キッズが、そこに浮かび上がってきた。四天王の一人が、俺を追いかけて、<br>
上海に向かった。その事を伝えたかったようだ。<br>
(以降、妄想機とクーロネットが繋がっている)<br>
余地と占いを得意とするマダムは、俺の到着を承知していた。<br>
天道式の準備を進め、龍脈が繋がる事も知っている。<br>
しかし、マダムが占いで知った絵画は、あの玄機の入っていた絵画では無いらしい。<br>
恐らくそれは、小黒の写真の事だろう。<br>
パイプオルガンの有る部屋で、小黒の写真をかかげると、<br>
小黒の姿が、ぼんやりと現れた。<br>
姉の声と、小黒の声が聞こえてくる。<br>
「あなたは何も覚えていないのね」<br>
そう呟くと、彼女は語り始めた。<br>
小黒は元々、この時代に生きていた。<br>
しかし暗い力によって阻害され、小黒は時の彼方に飛ばされた。<br>
姉は体を滅ぼされて思念だけの存在となりながらも、ずっと小黒へ力を届けていたという。<br>
「あなたは、私と共に、朱雀の見立てを受ける宿命にある」<br>
天道式で蘭を見立てた後、二人は何らかの力を授かるのだ…と姉は言った。<br>
姉は玄機とも話をし、彼に過去へと戻って再びやりなおし、<br>
神獣の見立てを受けるように説得したようだった。<br>
彼は、俺が戻って元の世界(未来)で再び玄機を探すようにと言った。<br>
占い師の部屋は複雑だ。壁を道が這い、扉が壁にくっついている。<br>
うろうろしていると、部屋の奥の扉が開いた。<br>
そこは何故か、海鮮中心に繋がっていた。<br>
辺りは薄暗く、階層パック屋の壁に、恐らく窓男が居たと思われる穴が開いている。<br>
そこから中に入ると、中は狭い部屋に通じていた。<br></dd>
<dt><a href="menu:244"><font color="#000000">244</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:15:15ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>指摘ありがとうございます。<br>
クーロズゲートってなんだよwww<br>
<br>
待っていたのは、四天王の一人巫師だった。<br>
小黒の写真を取り上げ、邪気を放ってくる。<br>
そういえば、海原の貝殻を使えとキッズが言っていた…それを思い出した俺は、<br>
貝殻を使って巫師を消し去った。<br>
扉を再び抜けると、その先には空間の曲がりくねった回廊が長く続いていた。<br>
空間が再び元に戻ったようだ。<br>
部屋の中で、蘭がすやすやと眠っている。<br>
横に置いてあった石像の男、王はそれが遺言だったこと……蘭を見立てて欲しい事を、<br>
頼んできた。眠っている間であれば恐怖は無いという。<br>
少し罪悪感を感じるが、超級羅盤を取りだした。光が彼女を包み込む。<br>
だが、彼女が羅盤に取り込まれる事はなく、むろん神獣となる事もなかった。<br>
「何故だ!」<br>
王はとまどい、李弘を呼べと叫ぶ。李弘……?<br>
李弘というのは、あの九龍フロントの質屋?<br>
未来を失った、と叫びながら妄想へと落ちていく王。<br>
一瞬目の前に小黒の姿が映った。しかし中は、姉であるのか、姉の声が聞こえていた。<br>
まだ、蘭は眠り続けている。彼女はそのまま眠り続け、命を全うする……。<br>
その力は、小黒と姉に受け継がれた。<br>
<br>
<br>
<a name="a245"></a></dd>
<dt><a href="menu:245"><font color="#000000">245</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:16:08ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
ここにもまた、妖帝の力が及んでいる。マダムは、妖帝の力封じる為に、<br>
八仙人の念を込めた五岳の図を使うしかないと話す。<br>
それでも、妖帝が姿を現さなければ意味を為さない。<br>
小黒の写真を姉の居る部屋に残し、陰陽師の所に戻る。<br>
しかし、未来の陰陽師が強引な方法を使ったせいで、<br>
帰るべき時間を見失っていた(そりゃ、23日から来たんだから…)。<br>
陰陽師は、李弘に聞いてくれと言うと、ラボを追い出した。<br>
李弘は、やはり質屋の李弘だったようだ。<br>
彼は未来と過去を行き来していたのだ。彼が行き来する為に使っていたという、<br>
朱雀の鏡を俺に託してくれた。<br>
これで李弘は戻れなくなるが、彼はそれでいいという。<br>
不安ではち切れそうなこの時代が好きだ。だから、残るのだと言った。<br>
俺は鏡を持って妄想機に向かい、それを使った。<br>
現れたのは、九龍フロントの質屋の前…。<br>
彼はもうここに戻って来る事はないのだろうか。<br>
<br>
俺が戻って来ると、ウェイはキッズとともに妖帝の所へと向かっていた。<br>
キッズは俺に、妄人路で使うように、とモンスターROMを残していた。<br>
(ちなみにここで、キッズが紅頭である事がそれとなしに判明)<br>
端末の生体通信で転移しようとした時、端末の影からシェーカーが転がり出た。<br>
なんか付いてる。顔がついてる。眼帯してる。<br>
「なにびっくりしてんだよ、俺だ、リッチだ」<br>
て、エー!<br>
酷い姿です、リッチさん。あの騒ぎのせいで、妄人になっちゃったようだ。<br>
リッチも気になるが、子供姿の宗じいさんも気になる。<br>
彼は、何度かメールを送って来ていた。自分を助けてくれた事を感謝しつつ、<br>
お婆さんの話をしていた。<br>
ばあさんに注射をしたら、突然ばあさんが、<br>
宗の兄を食べて出ていったといなんとか。<br>
恐ろしい……。<br>
<br>
<a name="a246"></a></dd>
<dt><a href="menu:246"><font color="#000000">246</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:16:49ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
小黒の部屋に行くと、扉は点滅しながらばたん、と開いた。<br>
デスクに置かれた、小黒の写真。<br>
写真から小黒と、姉の声が聞こえる。<br>
「あなたに出来るのは、ただしい力を導く事。<br>
羅盤を使ってください」<br>
とうとう、小黒と姉に羅盤を使う時が来たようだ。<br>
羅盤に小黒と姉が取り込まれていく。<br>
俺の脳裏に、今までの小黒の思い出が浮かんでいた。<br>
九龍の街に光りが立ち上り、天空に吸い込まれていく。<br>
神獣としての見立てが、完了した。<br>
<br>
飯店をとぼとぼと出ていくと、頭上から馬山童の声が聞こえた。<br>
何を言っているのか聞き取れないが、行けばいいのだろう。<br>
俺は妄人路へと入っていった。<br>
妄人路を抜けて出たのは、妄人中心だった。妄人たちが住む街だ。<br>
街の扉では、霊師が待ち受けていた。<br>
「どうやら、クロウを与えすぎたようだな、ばばあの醜い屍が蘇った」<br>
と高笑いをする霊師の服には、老人の顔が付いていた。<br>
「不老不死の奇跡は、もうすぐ起きる。お前の冒険も、全てが徒労に終わったようだ」<br>
邪気を放つ、霊師。<br>
……じいさん? 宗じいさん? さっきのメールか。<br>
俺は、アクセスカードを差し出してくれとあった宗少年のメールを思い出し、<br>
アクセスカードを出した。<br>
「だれだ貴様……私の中で交信しているのか。じじいめ!」<br>
モニターが現れ、小黒や陰陽師がうつる。<br>
そして、宗じいさんの顔。ありがとう、と少年が呟いた。<br>
<br>
広場まで来ると、馬山童の声が聞こえてきた。<br>
彼の頭の中を、強い龍脈が通っている。<br>
早く見立てを行わなければ、彼は妄想に取り込まれてしまう。<br>
馬山童から発生した妄娘を祓うと、その奥に絵画を発見した。<br>
たしかその絵画、上海で見たものだ。中に書かれている子供は、一人だけだった。<br>
「あんたがやってきたってことは、俺はやっぱり玄機なんだな。<br>
その証拠を見せてくれ」<br>
絵の中の玄機に俺が命名札を見せると、玄機はぽつりぽつりと話し始めた。<br>
長い時間をかけて、自分の宿命と向き合ってきたことを。<br>
俺が見立てに来た事で、玄機の道は決まったのだと話す。<br>
超級羅盤を出すと、玄機はそこに吸い込まれていった。<br>
玄機の力が天空に上り、街が崩壊していく。<br>
俺はそれに飲み込まれ、龍城飯店に立っていた。<br>
<br>
<a name="a247"></a></dd>
<dt><a href="menu:247"><font color="#000000">247</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:17:29ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>これで最後らしい。<br>
俺は覚悟を決め、龍城飯店から足を踏み出した。<br>
九龍フロントが崩れ、波打つ。<br>
地面が、建物が、妖帝の力はフロントをも変えていく。<br>
その中心で、四天王がこちらを見て笑っていた。彼らは、生きていたのか。<br>
「今まさに、不老不死の奇跡が起きようとしている。<br>
眠れる龍の目覚めの時が来た」<br>
皮肉なことに、私をこの場に導いたのは君自身だ。<br>
君は私の生まれ変わりのようだ。四天王が言う。<br>
俺は奴らを蘇らせる為、力を授ける為に来ただと?<br>
四天王の強力な力が放たれる。<br>
四人の相手にするのは、やはりムリなのか。<br>
俺が命玉をかかげる……すると、獣たちの死体が蘇り、立ち上がった。<br>
それらが一斉に、四天王に向かっていく。<br>
蘇った獣が、馬が四天王を押しつぶした。<br>
うめき声をあげ、祭壇に巨大な顔が浮かび上がる。<br>
妖帝がついに姿を現したのである。<br>
退魔の札……五岳図。退魔の力を持てるだけ放ち、最後に仙人像を掲げる。<br>
石に身を封じていた、木彫りの僧侶……青龍の声が漏れる。<br>
「わしを……見立てるのだ……正しき見立てにより、青龍となろう」<br>
僧侶に超級羅盤を使って、見立てを行う。<br>
青龍、白虎、玄武、朱雀。<br>
僧侶、玄機、小黒、スイジェン。<br>
全ての力が見立てを終え、神獣として姿を現した。<br>
力が街を包み、駆け上る。空の雲間からは、日が差し込んでいた。<br>
光が、ビル街を照らす。<br>
<br>
<br>
<a name="a248"></a></dd>
<dt><a href="menu:248"><font color="#000000">248</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:18:03ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>
がれきの合間に、ぽつんとシルクハット男が立っていた。<br>
「陰陽、二つの世界が元の場所に戻りました。<br>
バット、決して離れたわけではありません。<br>
陰と陽は交わることなく接しています。<br>
お互いに響き合って、ひとつの秩序を作り出しているのです。<br>
それが摂理なのです。あなたは摂理を歪める邪な力に立ち向かい、<br>
そして陰と陽の世界を救ったのです」<br>
そう言うと、男の姿がアイピン(OPで出てきて、陰の世界に送り込んだ女性)<br>
へと変貌した。<br>
<br>
あなたは、現れるべくして現れた。それも宿命というものでしょうか。<br>
古い友に、古い思い出はけっして消え去ることはありません。<br>
最後にこの言葉を、あなたに贈ります。<br>
<br>
(スタッフロール)<br>
<br>
陰と陽が合体し、<br>
天と地が相互に作用しあえば、<br>
内なる気は芽生え<br>
外なる気は形を成し、<br>
内外の気が相乗してはじめて<br>
おのずから風水は立ち現れてくる。<br>
「青鳥経」<br>
<br>
がれきを通り抜ける、俺。<br>
目の前に、蘭が現れる。……何故ここに?<br>
「あ、あなた、さっきの人。やっぱり待っていてくれたのね。そんな気がしてたんだ」<br>
そう言ってこちらに歩いてきた蘭を、後ろから邪悪な影が現れ、<br>
抱え込む。<br>
ふ、と影は蘭とともに消え、そこには切り取られたような腕だけが残された。<br>
<br>
<a name="a249"></a></dd>
<dt><a href="menu:249"><font color="#000000">249</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">クーロンズゲート</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/09/07(水)
20:20:47ID:dtVqyAYX</font></dt>
<dd>これで終わりです。<br>
EDを見ると、どうも2を作る気があったようなのですが、<br>
その話は立ち消えになったみたいですね。<br>
操作性と3D酔いが最悪だという所を除けば面白い作品なのですが。<br>
長文どうもすみませんでした。</dd>
</dl>