バロック~歪んだ妄想~

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541 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 12:01 ID:pzQYIiEj 【バロック】 前兆はあった。 例えば、恋人に弄ばれたあげく捨てられて自殺した少女の話がある。 彼女の遺した日記には、恋人との思い出や、彼女の味わった苦しみが生生しく記されていた。 しかし、その後の調べで、彼女の「恋人」はどこにも存在していなかったことがわかった。 少女は架空の恋人との、歪んだ妄想が生み出した思い出に苦しんで自殺したのだ。 それから、少女のように歪んだ妄想を発端とする事件や事故が相次いで起こり始めた。 人々はいつしか、歪んだ妄想とそれを抱える人々を「バロック」と呼ぶようになった。 【大熱波】 誰もがバロックを抱え始めた頃に、それは起きた。 マルクト教団という宗教団体の建造物「神経塔」を中心にして、 神の叫びとも言うべき熱波は世界中を駆け巡り、包み込んだ。 その日から全てのものは歪んでしまった。 ある人間は理性を失い、異形と呼ばれる存在となり、 ある人間は、自身が抱えているバロックに相応しい姿へと歪められた。 546 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 12:30 ID:pzQYIiEj 【主要キャラ】 主人公:記憶と言葉を失った青年。 その代わりというべきか、深い罪の意識と、異形をイデアセフィロスに変える浄化能力を所持している。 上級天使:大きな偽物の翼(偽翼)をつけた金髪の青年。主人公以外で唯一まともな姿をしている人間。 大熱波以前から存在するマルクト教団という宗教の偉い人。しかしゲーム中では妙にピリピリしていて余裕がない。 天使銃という強力な武器を主人公に渡し、神経塔に潜って最下層に行くように言ってくる。 天導天使:上級天使の部下だった人物。偽翼……というか、二羽の鳥を背負っている。 熱波の影響で変な姿になってしまったが、元は美人秘書だったらしい。 ドクトル.アンゲリウスだか、アンゲリアスだか、そんな感じの本名がある。 コリエル:大熱波の原因を生み出した者たち。神経塔内に幽閉されている。 全部で13人いるはずだが、神経塔内には12人しかいない。 アリス:神経塔内で出会う、謎の浮遊少女。 自分のことを「ぼく」と呼ぶ。彼女も主人公のことを知っているようだ。 イライザ:神経塔内で出会う、謎の浮遊女性。主人公の「綺麗な水」を求めている。 創造維持神:マルクト教団が崇めていた神様。神経塔の最深部にいる。 548 バロック~歪んだ妄想~ sage 説明終わり 04/03/12 12:44 ID:pzQYIiEj 【その他のキャラ】 角女:自己を失った女性。すぐ傍にいる人物の心を読み、そのまま返す。 袋の者:他人の言葉を引用する形でしか物事を語れなくなった人。どうも女性らしい 物の者:アイテムコレクター。主人公のアイテムを保管してくれる。 首の者:首が妙に長い。天導天使と一緒になにかをやったらしく、それについて深い苦悩を抱えている。 カンオケ男:練習用ダンジョンを作っている男。練習ダンジョンで死んだ人の身ぐるみはいで生活している。  「~やがって下さい」「~~やがるんデス」など、妙な喋り方をする。 心読みの者:感覚球という物体と融合してしまい、  他人の心を読めるようになってしまった婆さん。 箱の者:箱の中に娘がいる、というバロックを抱えた親父。 ウリムとトンミム:マルクト教団の信者で、作業天使と呼ばれる者たちの一人。  外見は一人の人間の肩からもう一人分顔が生えている感じ。お互いに仲がいい。 殺戮部隊:上級天使の部下。数人いる。天導天使を追っている。 警備天使:上級天使の部下。スタート地点にある施設の警備をしている。 呪装天使:マルクト教団の元信者。とてもじゃないが元人間には見えない。  アイテムの合成をしたり、肉や心臓を焼いてくれたりする。 549 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 13:37 ID:pzQYIiEj 【-1回目・意識シミュレート】 歪んだ町に放り出された主人公は、 上級天使から天使銃という武器を渡される。 そして彼に命じられるまま、神経塔の地下へ潜っていくことになる。 なお天使銃は、どんな敵でも一撃で殺せる武器。 ただし弾数が限られているので、大抵は素手で殴るか、拾った剣で攻撃することになる。 -1回目は地下五階が最下層に設定されているので、そこまで降りる。 「さあ、天使銃を撃て。狂った創造維持神を浄化するんだ。  お前の使命を頭に焼き付けろ! 最下層で銃を撃ち、世界を浄化しろ!」 上級天使の声に命ぜられるまま、奥にある物体=創造維持神を天使銃で攻撃するとクリア。 意識シミュレートが終わり、いよいよ現実の世界で目覚める。 (ちなみに-1回目では、途中で死亡してもクリア扱いになる。ただしクリアムービーが少し違ったものになる) 110 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:49 ID:9EmeElih 前スレ>546 ごめん、間違い。コリエルは全部で12人で、神経塔内にいるのは11人。 【現実世界】 シミュレート内と同じく、いきなり歪んだ町に放り出された主人公。 後ろには施設があるが、警備天使が邪魔をして入れない。 結局、前回と同じように、上級天使から天使銃を受け取って神経塔に入ることになる。 なお、今回からは現実世界の話なので、死ぬとLV1+持ち物なしでスタート地点からやり直しになる。 (一般的なRPGのように時間が巻き戻っているわけではない。 あんまり死にすぎると、上級天使に無能呼ばわりされたり怒られたりする) ただし、神経塔内にある「感覚球」にアイテムを放り投げると 町にいる物の者(多分PS版限定キャラ)が、そのアイテムを保管しておいてくれる。 最初は少ししか保管してくれないが、何種類も預けているうちに預けられる個数が増える。 「感覚球」は、割と色々な場所にある。 そして最下層の一つ手前の階にあるものは最下層への階段代わりにもなっている。 また、他にも色々な効力や使用用途があるのだが 主人公にとっては階段代わりかアイテム転送装置にしかならない。残念。 111 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:51 ID:9EmeElih 【神経塔内部】 神経塔に侵入すると、いきなり「おわぁ」と鳴くキモい生物に遭遇する。 バロックのマスコットにもなっているその生物の名は「天使虫リトル」。 しかし今の段階では、リトルの正体が何なのかはわからない。 地下1階では、主人公と同じ顔をした青年の幻影を見る。 彼は主人公と青年の思い出の断片を語り、消える。 そのすぐ下、地下2階でイライザと会うが、「下の階で会いましょう」と言い残して消えてしまう。 また、地下4階ではアリスと遭遇。 「覚えてないの? ぼくのことは遊びだったのね! シンジラレナイ!」と、妙に人聞きの悪いことを言われる。 その後、地下15階でイライザと再開。 「あなたの綺麗な水を下さい」という、奇妙な依頼を受ける。 さて、最下層である地下17階に行くには、地下16階にある感覚球を使うことになるのだが…… その感覚球に、神経塔の入り口にいたはずの上級天使が、あお向けに串刺しになっている。 話によると、刺さっている方が本物で、地上にいるのは立体映像のようなものらしい。 上級天使は言う。 「お前が創造維持神を狂わせた。すべて、お前のせいだ。  狂った創造維持神を浄化しろ。それがお前の罪を癒す方法、世界を救う方法だ」 112 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:53 ID:9EmeElih 【浄化ED:リインカーネーションの結晶】 創造維持神を天使銃で撃つと、神は浄化され、魂の結晶=イデアセフィロスへと変わった。 上級天使は新しい世界を作り出すため、神のイデアセフィロスをよこせという。 しかし主人公はそれを拒む。 新しい世界などいらない。ただ今ある世界を、もう一度やりなおしたいと…… 【融合ED(1):20320514の心臓・右】 主人公は天使銃を撃たず、創造維持神と融合する道を選んだ。 そして神との融合の中で、失われた記憶の断片を取り戻す。 神経塔で見た幻影。それは、死んだ主人公の双子の兄のものだった。 主人公と兄は、双子として生まれたのだ。 しかし、二人は体が腰の部分で融合しているシャム双生児で、心臓を一人分しか持っていなかった。 そのため、手術によって二人は分離され、片方だけが生き残ったのだ。 「どちらが死ぬ?」「……僕は死にたくない」 「では、僕が殺される」 そう言い残し、神経塔から飛び降りていく兄の幻影を見つめながら、主人公は願う。 僕が死んで、兄さんが生きてよ。やりなおさせてあげるよ、と。 【融合ED(2):2032514の心臓・左】 創造維持神と主人公(弟)によって、一度やりなおされた世界。 主人公(兄)は再び創造維持神の元にたどり着いた。 彼もまた、弟と同じように、塔から飛び降りる己の半身の幻影を見る。 「おまえの代わりに僕が死ぬよ! やりなおせばいい!」 彼は弟と同じように自分の死を願い、時はまた繰り返される。 113 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:57 ID:9EmeElih 【二回目以降・外界】 さて、神経塔内部・地下十五階でイライザに会うと 「あなたの綺麗な水を下さい」という奇妙な依頼を受けることになる。 その後、外界に戻ると首の者がなぜか地面に埋まっている。 どうも彼はかつての罪の意識に苛まれ、そのせいで死にたがっているらしい。 一発殴ると、首の者は浄化されてイデアセフィロスになってしまう。 そして首の者のイデアセフィロスを警備天使に見せた後、 神経塔かカンオケ男のトレーニングダンジョンから帰還すると、警備天使までが土に埋まっている。 そのおかげで、スタート地点にある謎の施設に入れるようになる。 【施設内部】 施設の中では、自分と同じ姿の人間がカプセルの中に入っていた。 そう、主人公(と今まで死んでいった主人公)はある人物を元に培養されたクローンだったのだ。 しかしどれほど生産しても、一度に目覚めるのは一人だけ。 そこで上級天使は感覚球を使い、死んだクローンの記憶を別のクローンに受け継がせることで クローンが最下層へたどり着く可能性を少しでも上げようとした。 これが「神経塔やトレダンで死んでも、気が付くとまた外界にいる」仕組みの答えである。 主人公は眠りつづける自分の分身を浄化し、遺されたイデアセフィロスを手にする。 この結晶こそが、イライザの求める「綺麗な水」だったのだ。 【神経塔内部・三回目】 神経塔に入り、イライザに自分のイデアセフィロスを渡すと イライザが新しい感覚球を作り出す。 彼女は語る。 「狂ったかあさん」を元に戻すために、新しい感覚球が必要なのだと。 彼女が主人公のイデアセフィロスを欲したのは、 彼女の「かあさん」が主人公に浄化能力を与えたため、だという。 また、主人公は浄化能力と引き換えに、彼女たちに言葉を与えたのだ、とも教えてくれる。 114 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:59 ID:9EmeElih 【コリエルとダァパール融合】 神経塔内に幽閉されている謎の人物たち、コリエル。 彼等に会うと、大熱波に関するいくつかの情報を聞くことができる。 また、彼らは浄化を望んでいる。そのため、攻撃することでイデアセフィロスに浄化できる。 彼らはマルクト教団の一員であり、上級天使に並ぶ、教団幹部たちであった。 コリエル達は、ゆるやかに歪みはじめた世界を前にして、 神の真意を聞き出すために、神と人との融合=ダァパール融合を試み、神に言葉を与えようとした。 その際に選ばれたのが12番目のコリエルである。 しかし、その歪みを作り出していた張本人である上級天使によって、 創造維持神とコリエル12号は融合途中で切り離されてしまう。 その時の神の叫びが大熱波となり、世界を大きく歪ませたのだ。 そして12号以外のコリエルは、上級天使に捕らえられ幽閉の身となったのだった。 【天導天使の罪の記憶】 かつては上級天使の秘書だったという天導天使。 イライザに自分の結晶を渡した後ならば、 彼女の罪が記憶されているという感覚球を見ることができる。 上級天使は神を歪ませるために、偽感覚球を作り出した。 しかしそれだけでは、創造維持神の自己補正能力の方が高いためたいした歪みにはならなかった。 そこで上級天使は、創造維持神から「痛み」を切り離すことを思いついた。 痛みとは、自分に異常が発生しているというシグナル。 痛みを取り除くことで、創造維持神から自分が歪んでいるという自覚を失わせたのだ。 そして、神の痛み=天使虫リトルを抽出したうちの一人が、天導天使だった。(ちなみに、もう一人は首の者である) 彼女は主人公に言う。「培養室のリトルを、あなたの浄化能力で助けてください」と。 115 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:02 ID:9EmeElih 【融合ED(3):痛みを知らぬ者】 最下層で、創造維持神との融合を選んだ主人公。 それを見た上級天使は言う。 「世界中の者たちがバロックに支配され苦しんでいるというのに、  その根源のお前たちは、自閉して世界を狂ったままにするというのか?」 そして、主人公の脳裏に響く創造維持神の声。 「狂わないで狂わないで狂わないで狂わないで狂わないで 狂わないで 世界を救って 狂わないで あなただけは 狂わないで」 二人の声の間で、主人公は思う。 「僕は世界より君が大切だ。大丈夫、僕は君を選んだんだ」 「でも、私は私を保てない。痛みを、苦しみを私に返して!  自らを制御するために痛みを!」 神の言葉を裏付けるかのように、あるいは融合を阻止するかのように、上級天使が言い放つ。 「離れろ! 神の苦痛は取り去られ、天使虫として培養されているのだから  痛みを知らぬものは 自らを制御できぬ!」 そして、痛みを求める神の願いか……世界はまた、繰り返される。 116 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:05 ID:9EmeElih 【番外1:箱の者と袋の者】 外界にいる、誰かの言葉を引用する形でしか物事を語らない「袋の者」と、 神経塔にいる、『死んだ娘は箱の中にいて復活の時を待っている』というバロックを抱えた「箱の者」。 実はこの二人は親子である。 娘(袋の者)が歪んでいくことに耐えられなかった箱の者は、 心中するつもりで娘を殺そうとした。 しかし、動かなくなった娘を見た箱の者は死ぬのが怖くなり 娘殺しの罪悪感とあいまって箱のバロックにすがるようになった。 だが、娘は生きていた。 袋の者を浄化し、彼女の結晶を箱の者に渡すと 箱の者はバロックから開放され、娘の分まで生きていく決意を固める。 【また外界から神経塔へ】 さて、何度も神経塔内部でアリスと会話をすると 彼女とイライザが、欠落した部分を補うために 創造維持神が生み出した分身=創造維持神の多重神格であることがわかる。 イライザは融合半ばで引き裂かれたコリエル12号=主人公を求め、 アリスは欠落した感情=痛みを求めていた。 神経塔地下の培養槽エリア。 天使銃の弾にするため培養された「痛み」=天使虫リトルは苦痛からの開放を求めていた。 主人公はリトルを浄化し、イデアセフィロスを手にする。 そして下層で再会したアリスにリトルの結晶を渡すと、 彼女は痛みを取り戻して、創造維持神の元に戻っていった。 117 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:07 ID:9EmeElih 【番外2:上級天使】 上級天使は大熱波の際、感覚球に串刺しになってしまった。 彼が死なないのは、感覚球が彼の生命を維持しているからだが 別に苦痛まで和らげているわけではない。 そのことは、あるイベント後に上級天使に会いに行くと聞ける 「歪みの中で生きていくのは構わないが、 刺さっているのは痛いのでとってほしい」というセリフでわかる。 また、彼には姉が一人いたらしい。 姉の歪んだ姿を恥じた父親は姉を人目から遠ざけ、 姉は自分の中に隠れていってしまった。 上級天使にはそれが耐えられなかったらしい。 彼は姉ではなく、世界こそが間違っているのだ、ということを示そうと 世界に隠されていた歪みを表に出させ始めた。 しかし、その途中で姉は死んでしまう。 上級天使は、姉のために世界の再構築を望み そのために創造維持神のイデアセフィロスを欲するようになった。 118 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:11 ID:9EmeElih 【最終ED:我らの主あらざる多重神格者よ】 地下31階にて上級天使と再会すると、彼はこう言う。 「オリジナルだな? 私にはわかる。 この世界にけりをつけられるのはお前自身だけのようだ」 そして彼は、主人公を説得するように言う。 歪みきった世界を癒すには、一度全てを終わらせて再創造するしかない、 主人公が再び融合してもなんの解決にもならない。 歪んだ創造維持神を浄化して歪んだ世界を終わらせろ、と。 しかし主人公は、浄化ではなく融合する道を選んだ。 上級天使は、お前では話にならない、自分を解放しろ、と叫ぶが、二人には届かない。 「二人とも歪んでしまったのか?」  焦る上級天使。そこに鳴き声が響く。 (おわぁ、おわぁ、ここの家の主人は病気です、おわぁあ) どこからか舞い降りた天使虫達。 彼らもまた創造維持神の元へ戻っていく。 創造維持神は言う。 世界の浄化そのものが、歪んだ妄想。 これは自分たちが生み出した世界 自分は自分のままで、それぞれの中に存在する歪みを抱えたままで 歪んだ者同士、歪みから目を逸らさずに、お互いを見つめて 「さぁ、ここを突き抜けましょう」 そして 世界はバロックを抱えたまま あるがままに続いていく…… 119 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:19 ID:9EmeElih ED後も神経塔(B31階まで)で冒険を続けることは可能。 また、カンオケ男が地獄ダンジョン(100階)を作って、てぐすね引いて待っている。 でも、ストーリーは一応ここで終了。 長くなっちまってスマソ。
''バロック~歪んだ妄想~'' >>4-541・546・548~549、>>5-110~119 ---- 541 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 12:01 ID:pzQYIiEj 【バロック】 前兆はあった。 例えば、恋人に弄ばれたあげく捨てられて自殺した少女の話がある。 彼女の遺した日記には、恋人との思い出や、彼女の味わった苦しみが生生しく記されていた。 しかし、その後の調べで、彼女の「恋人」はどこにも存在していなかったことがわかった。 少女は架空の恋人との、歪んだ妄想が生み出した思い出に苦しんで自殺したのだ。 それから、少女のように歪んだ妄想を発端とする事件や事故が相次いで起こり始めた。 人々はいつしか、歪んだ妄想とそれを抱える人々を「バロック」と呼ぶようになった。 【大熱波】 誰もがバロックを抱え始めた頃に、それは起きた。 マルクト教団という宗教団体の建造物「神経塔」を中心にして、 神の叫びとも言うべき熱波は世界中を駆け巡り、包み込んだ。 その日から全てのものは歪んでしまった。 ある人間は理性を失い、異形と呼ばれる存在となり、 ある人間は、自身が抱えているバロックに相応しい姿へと歪められた。 546 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 12:30 ID:pzQYIiEj 【主要キャラ】 主人公:記憶と言葉を失った青年。 その代わりというべきか、深い罪の意識と、異形をイデアセフィロスに変える浄化能力を所持している。 上級天使:大きな偽物の翼(偽翼)をつけた金髪の青年。主人公以外で唯一まともな姿をしている人間。 大熱波以前から存在するマルクト教団という宗教の偉い人。しかしゲーム中では妙にピリピリしていて余裕がない。 天使銃という強力な武器を主人公に渡し、神経塔に潜って最下層に行くように言ってくる。 天導天使:上級天使の部下だった人物。偽翼……というか、二羽の鳥を背負っている。 熱波の影響で変な姿になってしまったが、元は美人秘書だったらしい。 ドクトル.アンゲリウスだか、アンゲリアスだか、そんな感じの本名がある。 コリエル:大熱波の原因を生み出した者たち。神経塔内に幽閉されている。 全部で13人いるはずだが、神経塔内には12人しかいない。 アリス:神経塔内で出会う、謎の浮遊少女。 自分のことを「ぼく」と呼ぶ。彼女も主人公のことを知っているようだ。 イライザ:神経塔内で出会う、謎の浮遊女性。主人公の「綺麗な水」を求めている。 創造維持神:マルクト教団が崇めていた神様。神経塔の最深部にいる。 548 バロック~歪んだ妄想~ sage 説明終わり 04/03/12 12:44 ID:pzQYIiEj 【その他のキャラ】 角女:自己を失った女性。すぐ傍にいる人物の心を読み、そのまま返す。 袋の者:他人の言葉を引用する形でしか物事を語れなくなった人。どうも女性らしい 物の者:アイテムコレクター。主人公のアイテムを保管してくれる。 首の者:首が妙に長い。天導天使と一緒になにかをやったらしく、それについて深い苦悩を抱えている。 カンオケ男:練習用ダンジョンを作っている男。練習ダンジョンで死んだ人の身ぐるみはいで生活している。  「~やがって下さい」「~~やがるんデス」など、妙な喋り方をする。 心読みの者:感覚球という物体と融合してしまい、  他人の心を読めるようになってしまった婆さん。 箱の者:箱の中に娘がいる、というバロックを抱えた親父。 ウリムとトンミム:マルクト教団の信者で、作業天使と呼ばれる者たちの一人。  外見は一人の人間の肩からもう一人分顔が生えている感じ。お互いに仲がいい。 殺戮部隊:上級天使の部下。数人いる。天導天使を追っている。 警備天使:上級天使の部下。スタート地点にある施設の警備をしている。 呪装天使:マルクト教団の元信者。とてもじゃないが元人間には見えない。  アイテムの合成をしたり、肉や心臓を焼いてくれたりする。 549 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/12 13:37 ID:pzQYIiEj 【-1回目・意識シミュレート】 歪んだ町に放り出された主人公は、 上級天使から天使銃という武器を渡される。 そして彼に命じられるまま、神経塔の地下へ潜っていくことになる。 なお天使銃は、どんな敵でも一撃で殺せる武器。 ただし弾数が限られているので、大抵は素手で殴るか、拾った剣で攻撃することになる。 -1回目は地下五階が最下層に設定されているので、そこまで降りる。 「さあ、天使銃を撃て。狂った創造維持神を浄化するんだ。  お前の使命を頭に焼き付けろ! 最下層で銃を撃ち、世界を浄化しろ!」 上級天使の声に命ぜられるまま、奥にある物体=創造維持神を天使銃で攻撃するとクリア。 意識シミュレートが終わり、いよいよ現実の世界で目覚める。 (ちなみに-1回目では、途中で死亡してもクリア扱いになる。ただしクリアムービーが少し違ったものになる) 110 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:49 ID:9EmeElih 前スレ>546 ごめん、間違い。コリエルは全部で12人で、神経塔内にいるのは11人。 【現実世界】 シミュレート内と同じく、いきなり歪んだ町に放り出された主人公。 後ろには施設があるが、警備天使が邪魔をして入れない。 結局、前回と同じように、上級天使から天使銃を受け取って神経塔に入ることになる。 なお、今回からは現実世界の話なので、死ぬとLV1+持ち物なしでスタート地点からやり直しになる。 (一般的なRPGのように時間が巻き戻っているわけではない。 あんまり死にすぎると、上級天使に無能呼ばわりされたり怒られたりする) ただし、神経塔内にある「感覚球」にアイテムを放り投げると 町にいる物の者(多分PS版限定キャラ)が、そのアイテムを保管しておいてくれる。 最初は少ししか保管してくれないが、何種類も預けているうちに預けられる個数が増える。 「感覚球」は、割と色々な場所にある。 そして最下層の一つ手前の階にあるものは最下層への階段代わりにもなっている。 また、他にも色々な効力や使用用途があるのだが 主人公にとっては階段代わりかアイテム転送装置にしかならない。残念。 111 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:51 ID:9EmeElih 【神経塔内部】 神経塔に侵入すると、いきなり「おわぁ」と鳴くキモい生物に遭遇する。 バロックのマスコットにもなっているその生物の名は「天使虫リトル」。 しかし今の段階では、リトルの正体が何なのかはわからない。 地下1階では、主人公と同じ顔をした青年の幻影を見る。 彼は主人公と青年の思い出の断片を語り、消える。 そのすぐ下、地下2階でイライザと会うが、「下の階で会いましょう」と言い残して消えてしまう。 また、地下4階ではアリスと遭遇。 「覚えてないの? ぼくのことは遊びだったのね! シンジラレナイ!」と、妙に人聞きの悪いことを言われる。 その後、地下15階でイライザと再開。 「あなたの綺麗な水を下さい」という、奇妙な依頼を受ける。 さて、最下層である地下17階に行くには、地下16階にある感覚球を使うことになるのだが…… その感覚球に、神経塔の入り口にいたはずの上級天使が、あお向けに串刺しになっている。 話によると、刺さっている方が本物で、地上にいるのは立体映像のようなものらしい。 上級天使は言う。 「お前が創造維持神を狂わせた。すべて、お前のせいだ。  狂った創造維持神を浄化しろ。それがお前の罪を癒す方法、世界を救う方法だ」 112 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:53 ID:9EmeElih 【浄化ED:リインカーネーションの結晶】 創造維持神を天使銃で撃つと、神は浄化され、魂の結晶=イデアセフィロスへと変わった。 上級天使は新しい世界を作り出すため、神のイデアセフィロスをよこせという。 しかし主人公はそれを拒む。 新しい世界などいらない。ただ今ある世界を、もう一度やりなおしたいと…… 【融合ED(1):20320514の心臓・右】 主人公は天使銃を撃たず、創造維持神と融合する道を選んだ。 そして神との融合の中で、失われた記憶の断片を取り戻す。 神経塔で見た幻影。それは、死んだ主人公の双子の兄のものだった。 主人公と兄は、双子として生まれたのだ。 しかし、二人は体が腰の部分で融合しているシャム双生児で、心臓を一人分しか持っていなかった。 そのため、手術によって二人は分離され、片方だけが生き残ったのだ。 「どちらが死ぬ?」「……僕は死にたくない」 「では、僕が殺される」 そう言い残し、神経塔から飛び降りていく兄の幻影を見つめながら、主人公は願う。 僕が死んで、兄さんが生きてよ。やりなおさせてあげるよ、と。 【融合ED(2):2032514の心臓・左】 創造維持神と主人公(弟)によって、一度やりなおされた世界。 主人公(兄)は再び創造維持神の元にたどり着いた。 彼もまた、弟と同じように、塔から飛び降りる己の半身の幻影を見る。 「おまえの代わりに僕が死ぬよ! やりなおせばいい!」 彼は弟と同じように自分の死を願い、時はまた繰り返される。 113 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:57 ID:9EmeElih 【二回目以降・外界】 さて、神経塔内部・地下十五階でイライザに会うと 「あなたの綺麗な水を下さい」という奇妙な依頼を受けることになる。 その後、外界に戻ると首の者がなぜか地面に埋まっている。 どうも彼はかつての罪の意識に苛まれ、そのせいで死にたがっているらしい。 一発殴ると、首の者は浄化されてイデアセフィロスになってしまう。 そして首の者のイデアセフィロスを警備天使に見せた後、 神経塔かカンオケ男のトレーニングダンジョンから帰還すると、警備天使までが土に埋まっている。 そのおかげで、スタート地点にある謎の施設に入れるようになる。 【施設内部】 施設の中では、自分と同じ姿の人間がカプセルの中に入っていた。 そう、主人公(と今まで死んでいった主人公)はある人物を元に培養されたクローンだったのだ。 しかしどれほど生産しても、一度に目覚めるのは一人だけ。 そこで上級天使は感覚球を使い、死んだクローンの記憶を別のクローンに受け継がせることで クローンが最下層へたどり着く可能性を少しでも上げようとした。 これが「神経塔やトレダンで死んでも、気が付くとまた外界にいる」仕組みの答えである。 主人公は眠りつづける自分の分身を浄化し、遺されたイデアセフィロスを手にする。 この結晶こそが、イライザの求める「綺麗な水」だったのだ。 【神経塔内部・三回目】 神経塔に入り、イライザに自分のイデアセフィロスを渡すと イライザが新しい感覚球を作り出す。 彼女は語る。 「狂ったかあさん」を元に戻すために、新しい感覚球が必要なのだと。 彼女が主人公のイデアセフィロスを欲したのは、 彼女の「かあさん」が主人公に浄化能力を与えたため、だという。 また、主人公は浄化能力と引き換えに、彼女たちに言葉を与えたのだ、とも教えてくれる。 114 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 14:59 ID:9EmeElih 【コリエルとダァパール融合】 神経塔内に幽閉されている謎の人物たち、コリエル。 彼等に会うと、大熱波に関するいくつかの情報を聞くことができる。 また、彼らは浄化を望んでいる。そのため、攻撃することでイデアセフィロスに浄化できる。 彼らはマルクト教団の一員であり、上級天使に並ぶ、教団幹部たちであった。 コリエル達は、ゆるやかに歪みはじめた世界を前にして、 神の真意を聞き出すために、神と人との融合=ダァパール融合を試み、神に言葉を与えようとした。 その際に選ばれたのが12番目のコリエルである。 しかし、その歪みを作り出していた張本人である上級天使によって、 創造維持神とコリエル12号は融合途中で切り離されてしまう。 その時の神の叫びが大熱波となり、世界を大きく歪ませたのだ。 そして12号以外のコリエルは、上級天使に捕らえられ幽閉の身となったのだった。 【天導天使の罪の記憶】 かつては上級天使の秘書だったという天導天使。 イライザに自分の結晶を渡した後ならば、 彼女の罪が記憶されているという感覚球を見ることができる。 上級天使は神を歪ませるために、偽感覚球を作り出した。 しかしそれだけでは、創造維持神の自己補正能力の方が高いためたいした歪みにはならなかった。 そこで上級天使は、創造維持神から「痛み」を切り離すことを思いついた。 痛みとは、自分に異常が発生しているというシグナル。 痛みを取り除くことで、創造維持神から自分が歪んでいるという自覚を失わせたのだ。 そして、神の痛み=天使虫リトルを抽出したうちの一人が、天導天使だった。(ちなみに、もう一人は首の者である) 彼女は主人公に言う。「培養室のリトルを、あなたの浄化能力で助けてください」と。 115 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:02 ID:9EmeElih 【融合ED(3):痛みを知らぬ者】 最下層で、創造維持神との融合を選んだ主人公。 それを見た上級天使は言う。 「世界中の者たちがバロックに支配され苦しんでいるというのに、  その根源のお前たちは、自閉して世界を狂ったままにするというのか?」 そして、主人公の脳裏に響く創造維持神の声。 「狂わないで狂わないで狂わないで狂わないで狂わないで 狂わないで 世界を救って 狂わないで あなただけは 狂わないで」 二人の声の間で、主人公は思う。 「僕は世界より君が大切だ。大丈夫、僕は君を選んだんだ」 「でも、私は私を保てない。痛みを、苦しみを私に返して!  自らを制御するために痛みを!」 神の言葉を裏付けるかのように、あるいは融合を阻止するかのように、上級天使が言い放つ。 「離れろ! 神の苦痛は取り去られ、天使虫として培養されているのだから  痛みを知らぬものは 自らを制御できぬ!」 そして、痛みを求める神の願いか……世界はまた、繰り返される。 116 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:05 ID:9EmeElih 【番外1:箱の者と袋の者】 外界にいる、誰かの言葉を引用する形でしか物事を語らない「袋の者」と、 神経塔にいる、『死んだ娘は箱の中にいて復活の時を待っている』というバロックを抱えた「箱の者」。 実はこの二人は親子である。 娘(袋の者)が歪んでいくことに耐えられなかった箱の者は、 心中するつもりで娘を殺そうとした。 しかし、動かなくなった娘を見た箱の者は死ぬのが怖くなり 娘殺しの罪悪感とあいまって箱のバロックにすがるようになった。 だが、娘は生きていた。 袋の者を浄化し、彼女の結晶を箱の者に渡すと 箱の者はバロックから開放され、娘の分まで生きていく決意を固める。 【また外界から神経塔へ】 さて、何度も神経塔内部でアリスと会話をすると 彼女とイライザが、欠落した部分を補うために 創造維持神が生み出した分身=創造維持神の多重神格であることがわかる。 イライザは融合半ばで引き裂かれたコリエル12号=主人公を求め、 アリスは欠落した感情=痛みを求めていた。 神経塔地下の培養槽エリア。 天使銃の弾にするため培養された「痛み」=天使虫リトルは苦痛からの開放を求めていた。 主人公はリトルを浄化し、イデアセフィロスを手にする。 そして下層で再会したアリスにリトルの結晶を渡すと、 彼女は痛みを取り戻して、創造維持神の元に戻っていった。 117 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:07 ID:9EmeElih 【番外2:上級天使】 上級天使は大熱波の際、感覚球に串刺しになってしまった。 彼が死なないのは、感覚球が彼の生命を維持しているからだが 別に苦痛まで和らげているわけではない。 そのことは、あるイベント後に上級天使に会いに行くと聞ける 「歪みの中で生きていくのは構わないが、 刺さっているのは痛いのでとってほしい」というセリフでわかる。 また、彼には姉が一人いたらしい。 姉の歪んだ姿を恥じた父親は姉を人目から遠ざけ、 姉は自分の中に隠れていってしまった。 上級天使にはそれが耐えられなかったらしい。 彼は姉ではなく、世界こそが間違っているのだ、ということを示そうと 世界に隠されていた歪みを表に出させ始めた。 しかし、その途中で姉は死んでしまう。 上級天使は、姉のために世界の再構築を望み そのために創造維持神のイデアセフィロスを欲するようになった。 118 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:11 ID:9EmeElih 【最終ED:我らの主あらざる多重神格者よ】 地下31階にて上級天使と再会すると、彼はこう言う。 「オリジナルだな? 私にはわかる。 この世界にけりをつけられるのはお前自身だけのようだ」 そして彼は、主人公を説得するように言う。 歪みきった世界を癒すには、一度全てを終わらせて再創造するしかない、 主人公が再び融合してもなんの解決にもならない。 歪んだ創造維持神を浄化して歪んだ世界を終わらせろ、と。 しかし主人公は、浄化ではなく融合する道を選んだ。 上級天使は、お前では話にならない、自分を解放しろ、と叫ぶが、二人には届かない。 「二人とも歪んでしまったのか?」  焦る上級天使。そこに鳴き声が響く。 (おわぁ、おわぁ、ここの家の主人は病気です、おわぁあ) どこからか舞い降りた天使虫達。 彼らもまた創造維持神の元へ戻っていく。 創造維持神は言う。 世界の浄化そのものが、歪んだ妄想。 これは自分たちが生み出した世界 自分は自分のままで、それぞれの中に存在する歪みを抱えたままで 歪んだ者同士、歪みから目を逸らさずに、お互いを見つめて 「さぁ、ここを突き抜けましょう」 そして 世界はバロックを抱えたまま あるがままに続いていく…… 119 バロック~歪んだ妄想~ sage 04/03/15 15:19 ID:9EmeElih ED後も神経塔(B31階まで)で冒険を続けることは可能。 また、カンオケ男が地獄ダンジョン(100階)を作って、てぐすね引いて待っている。 でも、ストーリーは一応ここで終了。 長くなっちまってスマソ。

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