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<strong>永遠のフィレーナ Part2</strong>(Part1の続き)<br>
>>16-54~55・79~89・150~160・286~292・377~387・420~431
<hr>
<br>
<a name="a54"></a>
<dl>
<dt><a href="menu:54"><font color="#000000">54</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/11(土) 15:05:06
ID:TzIYx1ZY</font></dt>
<dd>バラバ室。<br>
ラリテニア反乱軍は勢いを増しているらしい。<br>
バラバ1はフィレーナ殺害を優先しろと命じる。<br>
3が疑問を口にした。<br>
「バラバ1…おかしいとは思わんか?<br>
何故定期船に密航するような危険までおかすのだ…?<br>
何か目的があるとしか思えん!」<br>
1<br>
「脱走バトラーに目的だと…!?」<br>
<br>
集落。アマネラが道を説明してくれる。<br>
森を抜けた先で暮らすフラクじいさんを訪ねるようにと言う。<br>
自分は行けないが、そのかわりにギャッピーを貸してくれるという。<br>
そしてギャッピーの首輪に、事情を説明した手紙を結びつけた。<br>
「くれぐれも2人を頼んだよ!」<br>
ギャッピーはとてもフィレーナに懐いているらしい。<br>
「フィレーナ、いつかまた会いたいもんだね。<br>
あんたが女として自由に生きられる時が来るように祈ってるよ…」<br>
アマネラは最後に一度振り返ると、子が待つ集落に戻っていった。<br>
<br>
フラグじいさんの家に到着。<br>
家の中に突撃していったギャッピーがフラクに飛びついて喜ぶ。<br>
「お前の集落の近くで、派手なクレチア狩りがあったと聞いて<br>
心配しとったんじゃよ…。アマネラたちは無事かい?」<br>
喜んで回るギャッピー。<br>
フラクは安心した顔で良かったと言い、続いて入ってきた2人に気がついた。<br>
<br>
「はじめましてフラクさん、私の名前はリラ…」<br>
「ボクはフィレーナ…」<br>
「どうやらギャッピーと一緒のところを見ると、アマネラの友達のようじゃな…」<br>
ギャッピーが首の手紙を見せる。<br>
「ほうほう…おまえさんら、ボーに?」<br>
リラが前に出た。<br>
「フラクさん、助けてください。<br>
私たち、ボーで刀鍛冶をしているウトという人に会いたいんです」<br>
<br>
<a name="a55"></a></dd>
<dt><a href="menu:55"><font color="#000000">55</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/11(土) 15:05:55
ID:TzIYx1ZY</font></dt>
<dd>
帝国の首都ボー。簡単には入れないが何とか考えてみようと言うフラク。<br>
アマクネ族のアマネラは、娘のようなものだと言う。<br>
「大船に乗った気持ちで休みなさい。」<br>
2人はフラクの好意に甘えて、休ませてもらうことになった。<br>
眠る前にリラは思い出して笑った。<br>
「大船に乗るのは、これで二度目ね」<br>
「定期船のことかい?」<br>
ギャッピーはフラクの足元で眠っている。<br>
<br>
ベッドに入った後でリラは言った。<br>
「あの日の夜…、波の音を聞きながら思ったの<br>
あなたとこれからもずっと、一緒にいるんだって…」<br>
「センチメンタルだな…」<br>
「センチメンタルで悪い!?」<br>
慌てて首を振った。<br>
<br>
朝。庭で作業をするフラクと、隅で眠るギャッピー。<br>
リラが伸びをしながら起きてきた。挨拶をするフィレーナ。<br>
「おはようさん…ちょいと早いが、ボーに出発するぞ<br>
さあ、みんな乗っておくれ!朝のうちにボーにつかんとな」<br>
リラが薪が積まれた荷車に近づく。<br>
「フラクさん、これにのってボーの都へ?」<br>
フラクは頷いた。この中に隠れていけば、まず見つからないという。<br>
乗り込むフィレーナとリラ。<br>
「ギャッピー!」<br>
リラが呼ぶと、ギャッピーが飛び起きてきた。<br>
「ちょいとせまいが、しばらくガマンしておくれ」<br>
こうして荷車(山盛りの薪+人2人+犬)をフラク自ら引っぱり出発する。<br>
馬は使わない。タフだ。<br>
こうして一行はボーに到着したのであった。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:79"><font color="#000000">79</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:26:18
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>帝国の都・ボー。建物の中に街がある。<br>
<br>
入り口を守る保安兵はフラクの姿を見ると門を開けた。 <br>
どうやらフラクは、昔から薪を売りに来ていた模様。<br>
荷車を調べられそうになるもリラの鳴きまね(猫)でごまかす。<br>
建物の中までくると、フラクはウトに会えるよう祈ってると言った。<br>
<br>
鍛冶師のウトを探して地下のクレチア地区まで降りてきた。<br>
奥の家の男にウトの名を出し尋ねてみるが反応は冷たい。そして怒鳴られる。<br>
今度は『フィレーナの剣』について尋ねてみる。<br>
結構いい反応するものの、老人は帰ってくれ!の一転ばり。<br>
<br>
取り付く島もなく背を向ける老人を見ながら、リラが言った。<br>
「人違いだったみたい…帰りましょう、フィレーナ…」<br>
その言葉に老人が振り向いた。<br>
「フィレーナだって…!?」<br>
<br>
バラバ室で会話中の1と3。<br>
3<br>
「アルメイの星?」<br>
1<br>
「そうだ、労働許可証のな…<br>
鉱山現場の主任をしているレパードという属国民から<br>
手配書が出されている」<br>
3<br>
「アルメイの星を手にしたまま行方が分からなくなった<br>
男と女、2人のクレチアか…」<br>
1<br>
「鉱山からの脱走者を発見するために、アルメイの星には発信機能がある…<br>
2人の発進元をたどっていけば…」<br>
<br>
<a name="a80"></a></dd>
<dt><a href="menu:80"><font color="#000000">80</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:05
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>クレチア地区、老人の家。<br>
フィレーナの名を聞いた老人がさらに怒っていた。<br>
「ワシの知っているフィレーナ様は男などではない!<br>
貴様ら一体何者だ!?覚悟しろ」<br>
<br>
戦闘を仕掛けてくる老人。<br>
フィレーナの動きを見て「フィロセラ剣術か」と驚くものの戦いはやめない。<br>
しかし、フィレーナがゼナから受け取った首飾り『フィロセラの希望』を取り出すと<br>
印籠を見せられたかの如く動きを止めた。<br>
「それでは…あ、貴方様が!?」ハハーorz<br>
<br>
やはり老人が、鍛冶師ウトだった。<br>
「よくぞ生きておいでに…。このウト、お待ち申しておりましたっ<br>
それにしても男の姿で来られるとは…」<br>
後ろのリラとギャッピーに視線を移す。<br>
「して、この女と犬は…?フィレーナ様のしもべの者ですか?」<br>
「シ…シモベですって!?」<br>
ウトの言葉にピュアな乙女心が傷ついたリラ。<br>
「あなたとフィレーナがどういう知り合いか存じませんが<br>
私はこの人の妻です!ツ・マ!」<br>
ジジイは文字通り飛び上がって驚いた。<br>
<br>
フィレーナがウトに言った。<br>
「ウトさん、どこか話のできるような場所はありませんか?<br>
詳しい話はちょっとここでは…」<br>
フィレーナの言葉にウトは頷くと、2人と1匹を隠し部屋へ導いた。<br>
<br>
<a name="a81"></a></dd>
<dt><a href="menu:81"><font color="#000000">81</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:30
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バラバ室。<br>
通信機から連絡が入ってくる。<br>
フィレーナ達が所持するアルメイの星の発信元を辿っていくと<br>
ボーにたどり着くらしい。<br>
3<br>
「信号が途切れた…<br>
おそらくバラバ22がボーの近くにいるはずだ…」<br>
1<br>
「ヤツらもボーにいるのか!<br>
我等帝国の首都に入り込んで一体何をするつもりだ!!」<br>
<br>
ウトの隠し部屋内。<br>
ゼナや自分の今まで、そして知らされた真実について話すフィレーナ。<br>
一方リラは、フィレーナがフィロセラの王女だと知って複雑な顔。<br>
「リラさん…、フィレーナ様は我が祖国フィロセラの王女様で<br>
私は王宮に仕える身でありました…」<br>
ウトは壁に大切にかけられた剣を外すと、恭しくフィレーナに差し出す。<br>
「こうしてこの王家の剣をお渡しできる日が来ることを<br>
このウト、待ちわびておりました…」<br>
<br>
『フィレーナの剣』をゲット<br>
<br>
ウトは、国王の命令により帝国によって汚された海を<br>
綺麗な海水に変える実験を密かに行っていたと言う。<br>
そしてその成果は『フィレーナの剣』の中に納まっている。<br>
<br>
「この剣の中に?」<br>
ウトは頷いた。<br>
「その剣から出る光は、汚れた海を元の美しい水に戻す力を持っています…<br>
この剣の力を、フィロセラの海で試していただきたいのです…」<br>
<br>
<a name="a82"></a></dd>
<dt><a href="menu:82"><font color="#000000">82</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:55
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>
突然、大人しかったギャッピーが屋内に向かって吼えた。<br>
「…帝国の兵士です!この場は私にお任せを。何とか切り抜けて見せます」<br>
ウトは本棚の仕掛けを動かし、隠し通路を開いた。<br>
「我が国王の願いを、是非とも叶えてください。そしてフィロセラの海を再び…」<br>
かつてフィロセラのあった地、ボーの南を目指すように言うと<br>
ウトは皆を通し通路を閉じた。<br>
<br>
「フィロセラの希望の光よ…。どうかご無事で…!」<br>
<br>
隠し部屋内に進入してきた兵士は変装を解いてバラバになった。<br>
応戦するウトを壁に押し付け、殺す。<br>
隠し通路の仕掛けに気がついたバラバは、先回りをすべく部屋を出て行った。<br>
<br>
地下通路。<br>
階段を下りた2人と1匹。<br>
リラがフィレーナに尋ねた。<br>
「さっきウトさんが言っていたフィロセラ国王の願いって…?」<br>
「王国を再興する事…。<br>
帝国に滅ぼされた海洋王国フィロセラを、再び蘇らせる事さ…」<br>
まだ見ぬ王国に思いを馳せるフィレーナを見ながら、リラが呟いた。<br>
「フィロセラ…それがあなたの故郷なのね…。リラも故郷…欲しいな…」<br>
寂しい表情を浮かべるリラを見て、フィレーナは約束する。<br>
「リラ…君の故郷は、いつか必ずボクが見つけてあげるよ…」<br>
<br>
<a name="a83"></a></dd>
<dt><a href="menu:83"><font color="#000000">83</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:28:28
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>通路を抜け、出口付近まで近づいた時<br>
リラが何かのかすかな音に足をとめた。<br>
フィレーナも気がつく。<br>
「シッ…静かに、もしかしたら…。こいつだっ」<br>
懐から小さな発信音を放つアルメイの星を取り出す。<br>
「私たちが持っているアルメイの星から…?」<br>
「鉱山現場からの脱走者を発見するための発信機かもしれない…<br>
リラ、アルメイの星を出して…」<br>
フィレーナは2つのアルメイの星を捨てた。むしろ壊せ。<br>
<br>
『気づくのが遅すぎたな…』前方出口からバラバ22が現れた。<br>
「ウトとかいうジジイにあって、一体何を企んでいる?」<br>
「ウトさんに何をっ!」<br>
ゆっくりとフィレーナ達に近づくバラバ22。<br>
「死んでもらったよ、お前と関わったためにな…」<br>
引き返そうとした2人と1匹の前に瞬間移動で現れ道をふさぐ。<br>
戦闘開始。ボコる。勝利。<br>
<br>
ウトの死を知り、肩を落とすフィレーナ。<br>
自分に関わって亡くなった人達を思い出す。<br>
「ボクが会いに行かなければ…」<br>
リラがその傍らに立ち、はっきりと言った。それは違う。<br>
「ウトさんは貴方に会えた事をあんなに喜んでいたじゃない!」<br>
悲しんでばかりはいられない、そうでしょう?と励ます。<br>
顔を上げ、リラを見る。<br>
「ありがとう、リラ…。君がいなければ…ボクは……」<br>
「2人で行きましょう…。貴方の国、フィロセラへ!」<br>
自分もいるとばかりにフィレーナに寄るギャッピー。<br>
2人と1匹は、フィロセラに目指して歩き出した。<br>
<br>
<a name="a84"></a></dd>
<dt><a href="menu:84"><font color="#000000">84</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:28:59
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バイセーラ(行商人)の村・ベルーシ<br>
南下して村に到着。<br>
宿屋で出あったバイセーラが言うには、旧フィロセラ領に入るには<br>
さらに南の帝国軍事基地ルシベを超える必要があるという。<br>
「クレチアが基地に入れるはずないべさ。服着てけ(要約)」<br>
バイセーラの服を購入し、偽装していく事になった。<br>
<br>
ベルーシ山を通って川を越えると、一軒の家があった。<br>
扉をノックしようとすると、中から怒鳴り声が聞こえてくる。<br>
<br>
「何度言ったらわかるんじゃ!王様の額は、もっと聡明で威厳がおありじゃ!」<br>
その言葉と同時に中から黒髪の少女が飛び出してきた。泣き崩れる。<br>
「ううっ…あたしには無理よ…」<br>
心配したリラが事情を聞くと、祖父に絵を書き直すように言われたのだという。<br>
「わかった…お姉ちゃんが一緒に行ってあげるわ…」<br>
少女を伴い、家に入るリラと後を追うフィレーナ。<br>
ギャッピーは外でお留守番。<br>
<br>
中では老人が一枚の絵を前に仁王立ち。<br>
「あんたらはだれだね?余計な口出しはせんでくれ。<br>
旅の人よ、ご親切はありがたいが…うん…!?」<br>
<br>
老人の視線がフィレーナの顔の前で止まる。<br>
「こっ…これはっ!夢でも見ているのかっ、ソフィカ!ここに来なさいっ」<br>
呼ばれた少女がビクビクと老人の側へ行く。<br>
「じいちゃん、許して…」<br>
「いいからこの人の額をよく見てごらんっ!」<br>
少女をフィレーナの前に立たせると興奮して叫んだ。<br>
「生き写しじゃー!」<br>
<br>
<a name="a85"></a></dd>
<dt><a href="menu:85"><font color="#000000">85</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:29:25
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>
老人は、絵描きのヤコスだと名乗った。少女は孫のソフィカ。<br>
「じいちゃんは死ぬ前にどうしても完成させたい絵があるって…。王様の絵よ」<br>
祖父は手が不自由なので、変わりにソフィカが描いているのだと言う。<br>
<br>
フィレーナにすがり、モデルになって欲しいと懇願するヤコス。<br>
「すごいわ、モデルだって!」と素直に喜ぶリラ。<br>
「いや…あの…」<br>
「承知してくださるんじゃなっ、ああ…これで絵が完成する!<br>
ソフィカ!もうひと頑張りじゃっ」<br>
「ちょっと…」と言いつつ引っ張られてイーゼルの前に立たされるフィレーナ。<br>
<br>
外でお留守番のギャッピーが退屈そうに扉を見つめる。<br>
<br>
絵を描くソフィカに、隣でリラが話しかけた。<br>
「王様の絵って、どこの国の王様なの?」<br>
「じいちゃんの生まれた国…。とても美しい国だったんだって<br>
でも今はもう消えちゃったの…」<br>
何かに思い当たるリラ。亡くなった国、フィレーナとよく似た王様。<br>
「ソフィカ!その話は人前でしてはならんとあれほど言ったじゃろうがっ!!」<br>
怒鳴るヤコスに謝るソフィカ。<br>
「ヤコスさん…、その王様ってフィロセラの…」<br>
その言葉を遮ったヤコスは、今すぐ出て行くように言った。<br>
<br>
「…ヤコスさんたち、もしかしたらフィロセリアン(フィロセラ人)の生き残り?」<br>
「変な噂を立てられては迷惑じゃ!出て行ってくれ!」<br>
リラは気にせずフィレーナを指した。王女様デスヨ。<br>
飛び上がるヤコス。フィレーナが一歩前にでた。<br>
「ボクの名前はフィレーナ…。フィロセラ王はボクの父です」<br>
「なななっなんとっ」<br>
<br>
急激に血圧が上がったジジイはムセた。<br>
<br>
<a name="a86"></a></dd>
<dt><a href="menu:86"><font color="#000000">86</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:30:06
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バラバ室。<br>
ボーで調査しているバラバから連絡が入ってきた。<br>
1<br>
「ボーの刀鍛冶の部屋から、フィロセラの実験道具が出てきた!?<br>
だからその刀鍛冶がフィロセリアンだというのか?」<br>
馬鹿馬鹿しい!と言う1。3はモヤモヤしてるっぽい。<br>
「…バラバ1、確かにフィロセリアンは16年前に全て息絶えた。…だが」<br>
1<br>
「フハハッ…、あのフィレーナがフィロセリアンだとでも言うのか?<br>
…フィロセリアンは国と共に16年前、この世から消えたのだ!」<br>
<br>
ムセてベッドに運ばれたヤコス。<br>
落ち着きを取り戻すとフィレーナに話しかけた。<br>
「フィレーナ様…このヤコス、身を隠して生きてきた甲斐がございましたっ」<br>
そしてムセる。ソフィカが休ませようとするが王女の前で失礼だというヤコス。<br>
<br>
待ちくたびれたギャッピーが鼻を鳴らして入ってきた。<br>
フィレーナはヤコスに約束をする。<br>
「フィロセラ王国が復活したら、きっと迎えに来ますよ…」<br>
感無量のヤコス。<br>
2人と1匹はソフィカに挨拶を済ませると、家をあとにした。<br>
<br>
帝国軍事基地ルシベ。<br>
物物しい雰囲気に圧倒されつつもバイセーラの服に着替る2人。<br>
保安兵が近づいてくる。<br>
閉門の時間なので追い出されそうになるが、気が変わったのか<br>
中に入れてくれるという。どうやらリベート目当てらしい。<br>
<br>
「どうせうるさい幹部達も、明日の朝まで戻って来んし…」<br>
保安兵について建物内へ。<br>
<br>
<a name="a87"></a></dd>
<dt><a href="menu:87"><font color="#000000">87</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:30:43
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>
部屋に連れていかれる途中で、陸軍幹部と鉢合わせした。<br>
「こいつらは何者だ!?」<br>
閉門時間なのに何故バイセーラがいるのがと問う幹部。<br>
焦る保安兵。<br>
「どうせリベートでも取るつもりだったんだろう。今回だけは見逃すが、今夜は徹夜で警備しろ」<br>
そういうと去っていった。ため息をつく保安兵。<br>
「まさか幹部殿がいらっしゃるとは…<br>
クレチア反乱軍の取り締まりで、明日まで戻らんと思ってたが…」<br>
明日の開門時間まで目立たないように、と釘をさされ保安室に通された。<br>
門は朝にならないと開かないので休む事に。<br>
<br>
『全く、クレチア相手に何をやっているんだ!<br>
我々は陸軍隊なんだぞっ、情けないとは思わんのか!』<br>
怒鳴りながら陸軍幹部が保安室に入ってきた。<br>
ベッドで休むフィレーナ達を発見してブチキレる。<br>
<br>
慌てて部屋から出ようとするフィレーナ達だったが<br>
ベッドに『フィレーナの剣』を置き忘れてしまった。<br>
目ざとく発見した幹部は、剣を手にして不審に思った。<br>
「バイセーラが何故帝国製ではない武器を持ち歩いているんだ!?」<br>
幹部に身体検査をされそうになったので<br>
「何故逃げる!?」剣を取り返して逃げた。<br>
<br>
部屋を出たところで幹部の怒鳴り声が響く。<br>
「そのバイセーラをひっとらえろ! 反乱軍の一味だっ」<br>
バイセーラの衣装を脱ぎ捨て、保安兵たちと戦闘。勝利。<br>
建物内に響くアラーム。<br>
入り口の扉はロックされているので、仕方なし建物を奥へ。<br>
<br>
<a name="a88"></a></dd>
<dt><a href="menu:88"><font color="#000000">88</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:31:14
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>
上まで上がると、扉の奥から何故か幹部が。不敵に笑う。<br>
「私はガイラス…。ルシベ陸軍隊の隊長にして、黒い悪魔のサブリーダーだ!」<br>
そういうとバラバに姿を変えるガイラス。<br>
「く、黒い悪魔のサブリーダー!?」<br>
<br>
戦闘開始。倒す。勝利。<br>
「ブ、ブレーン様…。後は…た・の・み……」消滅するガイアス。<br>
「サブリーダーって言ってたわね。って事はリーダーもいるの?」とリラ。<br>
「死ぬ間際に確か、ブレーンとか言ってたな。早く脱出した方がよさそうだ!」<br>
そういうとフィレーナは扉の奥に進んだ。<br>
<br>
そこは巨大な機械が並ぶ部屋だった。コンピュータの前でリラが立ち止まる。<br>
「リラ…?」<br>
「このコンピュータで出口を開門できるか試してみる…<br>
エンターテイメント・クレチアは何でもできるように教えられているの」<br>
<br>
そう言うとリラはサブコンピュータにアクセスする。<br>
ロック解除に成功。<br>
出口へ向かおうとするフィレーナに、リラが声をかけた。<br>
「これ見てっ」<br>
巨大画面に映し出されたのは、フィレーナとリラの映像だった。<br>
<br>
「見てっ、このデータ…」<br>
そこにはフィレーナとリラの情報以外にも<br>
ドラを出てから出あった人物、辿ってきた足取りまで詳しく乗せられていた。<br>
フィレーナが部屋を見渡して言った。<br>
「いったい、この部屋は…、機密情報兵団の支部か…<br>
それとも帝国軍の情報部…。リラ、とにかく早く出よう!」<br>
リラは脱出前にコンピュータのデータを消そうとするがサブコンピュータに拒否された。<br>
ここでは機密情報は消せないという。<br>
<br>
<a name="a89"></a></dd>
<dt><a href="menu:89"><font color="#000000">89</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:31:44
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>オート・パワーオフ。<br>
<br>
「何これっ、コンピュータが勝手にパワーを切っちゃったわ」<br>
フィレーナはリラを促すとコンピュータから離れようとした。<br>
突如、電源が落ちたはずの画面に映る黒い悪魔の姿。<br>
「お前はっ!!」<br>
画面の中から話しかけてくる相手。<br>
「部下のガイラスが大変世話になったようだ…」<br>
そう言うと、画面から消え、次の瞬間にはフィレーナ達の前に立っていた。<br>
青い光を体から放ちながら悪魔は名乗った。<br>
「我が名はグランブレーン。黒い悪魔のリーダーだ!」<br>
急速に膨らんだ青い光がフィレーナ達をはじく。<br>
戦闘開始。<br>
「このグランブレーンと闘おうなど、10年早いわ!」<br>
倒す。勝利。<br>
<br>
グランブレーンは画面に溶けいるように消えた。<br>
どこからか声が聞こえる。<br>
<br>
『アッハハハハ…ねぇ、どうして?』<br>
周囲を見回す2人と1匹。<br>
目の前にカプセルに入った胎児が浮かんでいる。胎児は語りかけてくる。<br>
『ねぇ、どうしてにくまないの…?』<br>
カプセルは2人と1匹の頭上を通過した。<br>
『にくまなくちゃっ…。もっと、にくまなくちゃっ』<br>
無邪気にそう言い残し、カプセルと胎児は消えていった。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:150"><font color="#000000">150</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:02:25
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
「フィレーナ…、今のは何?カプセルに入った、赤ちゃんが…」<br>
「分からない…、ボクらに何かを伝えようとしていたような…」<br>
謎がモヤモヤ消えないまま、フィレーナ達は建物を脱出した。<br>
<br>
外の風に触れたリラが深呼吸する。<br>
「どうにか脱出できたみたいね…」<br>
「リラ、ケガはないか?」<br>
なんのこれしき!と元気をアピールするリラ。<br>
フィレーナは、フィロセラが近づいている事を感じる。<br>
「何が起こるかはわからないが…」<br>
「分かってる…でも悪魔のリーダーを倒したんだもん<br>
もう怖いものなんてないわ…」<br>
<br>
そういうとフィレーナを抱きしめる。<br>
「ちょ、ちょっとリラ…。もう少し離れてくれないか!?」<br>
リラは膨れた。<br>
「…んもうっ、せっかくムードを出してるのに…」<br>
しぶしぶフィレーナから離れると笑顔を見せた。<br>
「リラは奥さんなんだから、たまには甘えさせてくれてもいいんじゃない?<br>
恥ずかしがりやなんだから…」<br>
フィレーナは瞬きし、ギャッピーは器用にため息をついた。<br>
<br>
西のママミア橋を渡り、さらに西へ。<br>
海沿いに立てられた小屋を尋ねると、ギャッピーと色違いの犬が奥へ逃げていった。<br>
どうやらここが旧フィロセラの領地らしい。<br>
ここに住む漁師のクリムさん曰く、海には汚れていて出られないとの事。<br>
<br>
<a name="a151"></a></dd>
<dt><a href="menu:151"><font color="#000000">151</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:03:08
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
海の水を綺麗にする力を秘めた『フィロセラの剣』。<br>
ウトの言葉を思い出し、フィレーナは浜辺に立った。<br>
<br>
「何をするの…?」<br>
「試してみる。『フィレーナの剣』が持っている、海を生まれ変わらせる力を!」<br>
リラは広い海を眺める「本当にそんな事…」<br>
<br>
フィレーナはリラとギャッピーを下がらせると、剣を掲げた。<br>
『フィレーナの剣』から浄化光線が発せられた。<br>
青い光が海上を走っていく。<br>
<br>
沈黙。<br>
<br>
変化の起こらない海を眺めて、フィレーナが1人と1匹に向き直った。<br>
「ダメだ…何も…」<br>
地面が揺れる。海が震えた。<br>
「何が起きてるの!?」とリラ。<br>
海を見たフィレーナが叫んだ。<br>
「リラ!アレを!!」<br>
<br>
フィレーナが指差す先。<br>
海が揺れ、波しぶきが上がり、ゆっくりと海中から建物が浮上してきた。<br>
<br>
フィロセラ王宮。<br>
<br>
浮上した城は、フィレーナ達が立つ浜辺へと到着した。<br>
「ドラの情報管理局で見た王宮の映像と全く同じだ…」<br>
「これが…、フィロセラ王宮?」<br>
門へと近づく2人と1匹。リラが扉を開けようと手をかける。<br>
ビクともしない。ついでに鍵穴もない。<br>
「王宮に入るにはいったい、どうしたら…」<br>
リラが門の側の人魚の像に近づいた。<br>
「フィレーナ、来てっ!人魚像に何か書いてあるみたい」<br>
<br>
<a name="a152"></a></dd>
<dt><a href="menu:152"><font color="#000000">152</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:03:40
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>像に書かれていたものはフィロセラ文字だった。<br>
「ゼナじいさんから教わった文字…」<br>
「フィレーナ、読めるの?」<br>
頷く。文字を読むフィレーナ。<br>
<br>
『開けたかったらフィロセリアン2人で人魚像に触ってね。<br>
でもフィロセリアンじゃなかったら海の藻屑(要約)』<br>
<br>
「帝国の手から王宮を守るために<br>
…多分、フィロセラ王がこの門に仕掛けを施したのね…」<br>
フィレーナ以外のフィロセリアンをリラは考える。<br>
「水車小屋のヤコスさん!フィレーナ、頼みにいきましょう」<br>
来た道を戻ることになった。<br>
(ちなみに漁師のクリムさんはラリテニアン。<br>
亡くなった嫁さんがフィロセリアンなんだそうです)<br>
<br>
ママミア橋を渡り、ルシベの軍事基地を通り、戻ってきました水車小屋。<br>
家にいたのはヤコスだけだった。<br>
「孫は薬を買うため、外に出ておりまして…<br>
でもご安心めされ…。王女様のためなら、このヤコス…」<br>
咳き込んだ。<br>
フィレーナを引っ張って下がるリラ。<br>
「あきらめましょ…フィレーナ。あの体じゃ…」<br>
流石に老人のヤコスにフィロセラまでの旅は辛いと思ったようだ。<br>
<br>
<a name="a153"></a></dd>
<dt><a href="menu:153"><font color="#000000">153</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:04:14
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
フィレーナはベッドの側まで戻ると、ヤコスの身体を案じた。<br>
「しかし、フィレーナ様…。私に何か頼みごとがあったのでは…?<br>
王宮が復活するという大事にこんな身体になってしまうとは…」<br>
ヤコスはフィレーナとリラに向かって詫びた。<br>
「申し訳ありませぬ…フィレーナ様…フローラ様…」<br>
<br>
リラがフローラって?と尋ねる。<br>
ヤコスは謝ると、リラとよく似ている娘の話をした。<br>
「フローラ様は若い頃の知り合いで、それは美しい娘でした……」<br>
「私に似た人がフィロセラに…?」<br>
<br>
長話はヤコスの老体に悪いと思ったフィレーナが、一旦中断させる。<br>
家の外で話す2人と1匹。リラは先ほどから何か考え込んでいる。<br>
「フィレーナ…もしもフィロセリアンが見つからなかったら…<br>
…ヤコスさんが言っていたフローラって女性…<br>
もしかしてリラのお母さんだったりしてっ!」<br>
自分で言って黙る。<br>
「…そんなはずないわね…。さてと、占い師にでも頼る?」<br>
<br>
リラがそういうので、ベルーシの占い師の下に行ってみる事に。<br>
「探す人はすでに見つかり、汝の目の前に…」と出た。<br>
<br>
水車小屋でソフィカを待とうにも(多分イベントが終わるまでは)<br>
帰ってこないと思われるので、フィロセラに戻ることにした。<br>
<br>
結局手がかりのないまま、王宮入り口に戻ってきてしまった。<br>
リラが門に近づき、自分に試させて欲しいという。<br>
「試すって、何を?」<br>
このフィロセラがとても懐かしく思えると言うリラ。<br>
「ヤコスさんが言っていた、フローラという女性は<br>
もしかしたら…、リラの…」<br>
<br>
<a name="a154"></a></dd>
<dt><a href="menu:154"><font color="#000000">154</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:04:53
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>フィレーナがリラに問いかける。<br>
「分かっているのか?<br>
フィロセリアン以外の者が人魚像に触れれば海の藻屑となって…」<br>
リラは覚悟を決めていた。フィレーナの役に立ちたい。<br>
「どうして…、そこまで…」<br>
「あなたが好きだからよっ!」<br>
そう言うとリラは、フィレーナが止める間もなく人魚像に触れた。<br>
<br>
「リラッ!!」<br>
駆け寄るフィレーナにリラは言った。<br>
「フィレーナ…早く、手が…とける…」<br>
「なんてバカな事を!」<br>
フィレーナは後ずさると、対となる人魚像に触れた。<br>
震える王宮。<br>
地響きと振動にギャッピーがぺちょんと伏せた。<br>
<br>
人魚像の前で倒れている2人。<br>
王宮の門は開かれた。<br>
2人の間を通り、ギャッピーが入っていく。<br>
<br>
意識を取り戻したフィレーナは、リラを揺さぶる。<br>
「……リラ…、リラ…返事をしてくれ!」<br>
リラは倒れたまま答えない。顔を伏せるフィレーナ。<br>
<br>
リラが目を覚ました。まだ夢を見ているような顔だ。<br>
「…リラ!」<br>
「…リラがフィレーナと同じフィロセリアンだったなんて…」<br>
ぼんやりそう言うと、視線を落とす。<br>
「…どうしたのかしら…。嬉しいはずなのに…涙が…とまらないの…」<br>
涙を見せないように背を向けたリラにフィレーナは言った。<br>
「さあ、リラ。王宮に入ろう…」<br>
<br>
<a name="a155"></a></dd>
<dt><a href="menu:155"><font color="#000000">155</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:05:28
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
王宮内。先に入ったギャッピーはそこで待っていた。<br>
「…素敵な王宮ね…」辺りを見回しリラが言う。<br>
十数年間海中に沈んでいたにも関わらず、全てが新しかった。<br>
「ドラの家とは大違いだわ」<br>
<br>
そしてフィレーナの正面に立つ。<br>
「帰ってきたご感想は?フィロセラの王女さま?」<br>
はしゃぐリラとは対照的に、静かなフィレーナ。<br>
「リラ…、わからないんだよ…<br>
ウトさんの言ったとおり、海も、王宮も復活させた…<br>
でもフィロセラを復興させるには、これから何をすればいいんだ…」<br>
<br>
1人先へ歩き出し、立ち止まって叫んだ。<br>
「王国を復活させるために、ボクは何をすればいいんだっ!!」<br>
リラはなだめるように言った。<br>
「あなたへのメッセージが、王宮のどこかにあるかも…<br>
ここでくじけちゃダメよっ」<br>
<br>
宝箱をあさりながら王宮内を歩きまわり王座にたどり着いた。<br>
王と王妃の玉座の間に立つと、どこからともなく優しい声が聞こえてくる。<br>
『お帰りなさいフィレーナ…そしてフィロセラの民よ…<br>
お前たちの帰りを、長い間待ち望んでいました…』<br>
声はフィレーナに告げた。<br>
<br>
『6つの灯台を直してフィロセラ復興プリーズ(要約)』<br>
<br>
灯台の台座に"フィロセラの希望(宝石)"をはめると、光が戻るのだと言う。<br>
声は、まず宮殿の近くにある第1灯台の明りを灯すように告げると聞こえなくなった。<br>
<br>
<a name="a156"></a></dd>
<dt><a href="menu:156"><font color="#000000">156</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:06:08
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
王宮の外にでて、灯台へ向かおうとすると何やら浜辺に集団が見える。<br>
浮上した王宮を見て騒ぐ男の1人に話しかけると<br>
『オルカのフィレーナ』と名乗った。<br>
<br>
自分の名前に、思わずフィレーナが聞き返す。<br>
デビス帝国と闘う反乱軍だという。(オルカは男の名前)<br>
<br>
「俺たちの他にも反乱軍は大小いくつもあるがな。今、世界中で結成されているんだ」<br>
「フィレーナ、この人たち怪しくない?」<br>
リラの言葉にオルカが反応した。<br>
「俺たち反乱軍と同じ名前とは奇遇だな…」<br>
"フィレーナ"という名は、いまや反乱軍のシンボルなのだと言う。<br>
奇遇ついでにオルカの仲間に誘われるが、フィレーナは断った。<br>
<br>
「…せっかくだが、ボク達もボク達なりに自由の為に闘っているんだ…」<br>
オルカはフィレーナの両隣を見ると、鼻で笑った。<br>
「たった2人と犬1匹でか?ハハハッ」<br>
後ろに並んでいた反乱兵の1人が、オルカの背中をつつく。<br>
「リーダー、この男、もしかしたら地下新聞の記事の…」<br>
オルカは首を振った。<br>
「そのフィレーナはラリテニアでの戦争で死んだと、地下新聞にも書いてあったはずだ」<br>
<br>
フィレーナが地下新聞について尋ねた。<br>
「帝国軍と闘ってるくせに、お前地下新聞も知らないのか?<br>
バトル作家だった男が発行している全国の反乱軍向けの秘密新聞だ」<br>
何でもその作家の書く、帝国にたった1人で反逆を起こした脱走バトラー<br>
フィレーナの記事は大人気で、多くの反乱軍がフィレーナの名を名乗っているのだと言う。<br>
<br>
<a name="a157"></a></dd>
<dt><a href="menu:157"><font color="#000000">157</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:06:40
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>そうしてオルカたちは去っていった。<br>
最後に振り返って忠告する。ママミア橋辺りで<br>
帝国軍と反乱軍の攻防戦がはじまるらしい。気をつけろよ。<br>
<br>
橋での騒動も気になるが、とりあえず北の第1灯台へ向かう。<br>
<br>
○第1灯台<br>
灯台に残されたフィロセラ古文書を発見。<br>
それによると、海洋王国フィロセラはデビス帝国に次々と国が支配されていく中<br>
6つの灯台の光と強大な海軍力で対抗していたらしい。<br>
フィロセラと闘うことは、すなわち陸VS海。<br>
勝負の鍵を握るのは6つの灯台の光だと記されていた。<br>
フィロセラ王は、灯台が光を失った場合の復活方法を作った。<br>
作られた灯台の順番どおりの台座に、"フィロセラの希望"をはめ込む事である。<br>
全ての灯台に光が戻った時、奇跡はおきるという。<br>
<br>
最上階には、黒く濁った玉が浮かんでいた<br>
フィレーナが台座に宝石をはめ込むと、玉は青い光を放ち、輝きを取り戻した。<br>
<br>
漁師のクリムさんに船を借り、次の灯台があるライ島へ。<br>
2人と1匹が島に下りると、乗ってきた船が流されて陸地から離れていった。<br>
「クリムさんの船が…、どうしよう、フィレーナ」<br>
<br>
どうしようもないので先へ進む。<br>
<br>
<a name="a158"></a></dd>
<dt><a href="menu:158"><font color="#000000">158</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:07:07
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>○第2灯台<br>
台座に宝石をはめ、同じように輝きを取り戻した。<br>
…と、はしごを登って老人が現れる。<br>
「こんなところまで入り込んだか、このモンスターめ!」<br>
何か勘違いしている老人をギャッピーが威嚇した。<br>
<br>
ふと台座を見た老人は、変化に気がついて驚きの声をあげた。<br>
「信じられん…台座が復活しておる!こいつはもしや、あんたらがやったのか?」<br>
リラが答えた。<br>
「そ、そうですけど…、あの、おじいさんは?」<br>
「こんな事はできるのは、この星にただお1人だけ…」<br>
じじいはリラを抱きしめた。<br>
「生きておいででしたかっ、フィレーナ王女様!!」<br>
「フィレーナは、と・な・り!」<br>
慌てて離れる老人。フィレーナの持つ宝石を見て、謝罪する。<br>
<br>
じじいはここの灯台守だった。2人と1匹を案内し、地下の部屋を訪れる。<br>
乗ってきた船が流されてったので帰れないッスと説明した。<br>
話を聞いたじじいは、何やら考え込んでいたが<br>
第1灯台も復活した事を知ると部屋を探し回り、マリンコンパスを手に戻ってきた。<br>
「マリンコンパス?」<br>
「はい、これさえあれば、なんの心配もなく大陸へ帰ることができます…」<br>
明りの灯った台座の前で使うと、復活した灯台の間を行き来できるという。<br>
そう言ってフィレーナに手渡す。<br>
「これからの道中、お気をつけて…」<br>
<br>
<a name="a159"></a></dd>
<dt><a href="menu:159"><font color="#000000">159</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:07:33
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
第2灯台の台座から、マリンコンパスを使って第1灯台に移動する。<br>
とりあえずクリムさんに船の事を謝りに行った。<br>
ボロ船だし、気にせんでええだトホホと言ってくれる。<br>
それより、不在の間に男が2人を探して訪ねてきたという。<br>
<br>
「怪しかったからルシベに言ったと嘘ついてやっただよ(要訳)」<br>
<br>
じいちゃん、それはネストだ。<br>
心遣いに涙しながら、ネストと第3灯台を探すためルシベ方面に戻る事に。<br>
<br>
ママミア橋。<br>
帝国軍と反乱軍のぶつかりあった後があちこちに見える。<br>
リラは橋の途中で立ち止まり前方を指差した。<br>
向こうもこちらに気がついたようだ。<br>
「フィレーナ…フィレーナじゃないか!それに、リラ!!」<br>
ネストを発見。<br>
「…よく、生きていたな!」<br>
「ネストこそ」<br>
「俺は物書きだ、書き残したもんがあるうちはそう簡単に死ねんよ」<br>
2人とも元気そうでよかった、と喜ぶネスト。<br>
<br>
背後の岩に帝国兵が潜みこちらの様子を探っている。<br>
<br>
「フィレーナ…、あちこち流れ歩いているうちに俺はようやくつきとめたんだ!」<br>
リラは首を傾げる。<br>
「…?いったい何の話?」<br>
ネストは、敵の正体だといった。ボーの神殿にいる大祭司。<br>
その人物が帝国を操っているのだという。<br>
<br>
<a name="a160"></a></dd>
<dt><a href="menu:160"><font color="#000000">160</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/21(火) 20:08:05
ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>
「ボーの大祭司を消せば、帝国はその機能を失うことになる!」<br>
デラシーナで別れてから、ネストは単独でフィレーナの事情を調べていた。<br>
「なんたってお前は、俺が発行している地下新聞じゃ<br>
反デビス帝国のシンボルとして反乱軍兵士のヒーローだからな。<br>
鍛冶屋のウトさんのことも分かった…。俺は帝国機密の一部を知ったよ…」<br>
ギャッピーが背後の兵士に気がついた。<br>
<br>
バラバ室。<br>
バラバ3が、サブリーダーとリーダーの生命シグナル消滅に動揺している。<br>
1は気にする様子もない。<br>
「それがどうした…。機密情報兵団の建て直しなら、俺1人でもできる。<br>
それよりも今すべきことは、我らデビス帝国に刃向かう反乱軍を始末することだ!」<br>
<br>
ママミア橋。<br>
ネストが背後の帝国兵士を撃った。<br>
「びっくりした…、今のは、帝国の兵士?」<br>
襲われるのはしょっちゅうだというネスト。<br>
「何しろ、帝国と反乱軍で戦争が始まったんだからな」<br>
フィレーナに向き直るネスト。<br>
「フィレーナ、大祭司を倒しに行こう<br>
さっきお前が言っていた、フィロセラの復興だって<br>
目的は帝国を倒すことだろ?<br>
今ならボーの警備も、外の戦争に人手をとられて手薄になってるはずだ」<br>
<br>
ネストの話を聞いたリラは、フィレーナに問う。<br>
「フィレーナ、灯台の復活は?」<br>
「帝国を倒してからでも遅くはないと思う…」とフィレーナ。<br>
喜ぶネスト。<br>
「決まったな!目指すは、大祭司のいる神殿の町、ボーだ!」<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:286"><font color="#000000">286</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:12:26
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>呼ばれて来ましたよ。<br>
――――――――――――――――<br>
ウトに逃されて通った地下通路からボー内部に潜入。<br>
<br>
大祭司を見つけたい→居場所分からない→祈祷場の祭司が知ってるらしいよ→<br>
祈祷場へ向かう→兵士が通せんぼ→『信者の証』持ってないヤツ入れないネー<br>
<br>
マタカヨーと歩き回っていると、クレチア地区の女性が<br>
「夫と脱走して反乱軍に入るからもう要らんわー」と証をくれる。<br>
<br>
祈祷場で祭司に大祭司の居場所を聞いてみるも<br>
「大祭司さまはお忙しいんじゃヴォケ(要約)」と教えてもらえない。<br>
そのまま辺りを探っていると、右奥の壁が動き、奥にテレポート用の床発見。<br>
ワープ。<br>
<br>
着いた部屋でリラが悲鳴に近い声をあげた。<br>
「な、何てことを!」<br>
部屋にある幾つもの巨大な水槽のような筒状のカプセル装置。<br>
その中でゆらゆらと漂う何人もの裸の女性。<br>
隣の部屋にも女性達が人形のように重なって倒れている。<br>
動かない。死んでいる。<br>
足元には見覚えのある猫耳仮面の衣装が脱ぎ捨てられていた。<br>
<br>
フィレーナが呟く。<br>
「ミメズたちだ…」<br>
<br>
ネストが装置に近づく。<br>
「モルモットにされているんだ…、人体実験のモルモットに…!<br>
うすうす分かってはいたが、これが帝国の正体…!!」<br>
デビス神に仕える為に入信し、都に到着したミメズ達は全て実験台にされていた。<br>
踊る意味はあったのか。<br>
<br>
「新しい"純種"を作るためなら何をしても許されるというのか…?<br>
このやり方…、悪魔に魂を売っているとしか思えん…」<br>
「許せない…絶対に許せない!!」<br>
フィレーナは怒りをあらわにする。<br>
<br>
<a name="a287"></a></dd>
<dt><a href="menu:287"><font color="#000000">287</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:13:27
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>マスターコンピュータが侵入者を発見する。<br>
『実験室に侵入者有り…ドアを全てロックします…』<br>
閉じ込められる3人と1匹。<br>
順調に来られたのは罠だったのかと言うネスト。<br>
<br>
マスターコンピュータがメッセージを表示する。<br>
『進化プログラム…実行待機中…<br>
"進化プログラム"とは…<br>
優れた遺伝子を結合し合い成長時間をコントロールする事で<br>
さらに優れた人間を作る実験<br>
"モルモット"、"ミメズ及び子供"<br>
……モルモット不足により<br>
実行待機中…、次の命令を待ちます』<br>
<br>
壁が開く。<br>
「皆さん、お待ちしてましたよ」<br>
青年が出てきた。<br>
「……やあ、みなさん…。ボクが誰だか、分かりますか?<br>
フィスですよ…。ミリカの息子のフィスです…」<br>
「…フィス?」<br>
面影はあるがどう見ても大人だ。<br>
<br>
驚くフィレーナを見て、フィスは言った。<br>
「無理はないですね…、前に会った時、ボクはほんの子供でしたから…<br>
進化プログラムのお陰で、こんなに早く成長したんですよ…<br>
今じゃボクは帝国軍の幹部です」<br>
<br>
<a name="a288"></a></dd>
<dt><a href="menu:288"><font color="#000000">288</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:14:08
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>
「トマの幽霊屋敷で会ってからそんなに日は経ってないわ…!」とリラ。<br>
フィスはその言葉を笑う。<br>
「それが進化プログラムの成果ですよ」<br>
そしてフィレーナを見る。<br>
「さあ、大人になったボクと勝負しよう!<br>
…どうしたフィレーナ、ボクが怖いのか!!」<br>
リラが止めようとするがフィスに突き飛ばされ倒れる。。<br>
邪魔をすれば女でも容赦しませんよ、そう言ったフィスを睨むフィレーナ。<br>
<br>
起き上がったリラが、自分は大丈夫だと言う。<br>
「フィスは敵じゃないわ…。帝国に騙されているのよ<br>
お願い、フィスと闘わないで!」<br>
叫ぶフィス。<br>
「今度こそ復讐してやる!」<br>
戦闘開始。<br>
「どうしたフィレーナ、何故本気で闘わない!<br>
父さんを殺せたなら、ボクも殺せるだろ!」<br>
<br>
「フィス、誤解よ!あれはドラのバトルショーで…」<br>
リラの言葉にフィスは耳を貸さない。<br>
「父さんだけじゃない!ボクの母さん…<br>
ミリカもお前に…ゴア橋で突き落とされて…<br>
だからボクは…死んだ父さんと母さんの為に…」<br>
どうも進化の他にもプチ洗脳入ってる模様。<br>
<br>
フィスに駆け寄るリラ。<br>
「ミリカさんは復讐なんて望んじゃいないわ!」<br>
フィレーナは剣を構えない。<br>
「ボクは闘わない…」<br>
「何を言う!」<br>
<br>
<a name="a289"></a></dd>
<dt><a href="menu:289"><font color="#000000">289</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:14:50
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>リラが、いつかフィスに形見として渡すため<br>
大切に持っていたミリカの笛を手渡した。<br>
「母さんの笛…」<br>
「覚えていたのね…」<br>
「母さん…、母さんの笛の音が聞こえる…」<br>
<br>
ミリカの言葉がフィスの中で蘇る。<br>
『フィス…あたしの可愛い息子…』<br>
記憶の中で母を捜すフィス。闇の中でミリカの姿を見つけた。<br>
母は我が子に語りかける。<br>
『憎むべき相手は、フィレーナじゃない。<br>
全ては帝国の作り話さ…。あたしはいつも、お前の心の中にいるよ…』<br>
「母さんっ! 母さん…」<br>
消えていく母の姿を見つめるフィス。<br>
<br>
フィレーナの声で意識を取り戻す。<br>
「大丈夫かい…」<br>
「今、ボク、母さんと話していたんだ…」<br>
「ミリカさんと…!?」<br>
「母さんがボクの心の中で、本当の事を教えてくれたんだ…<br>
どうやらボクは…帝国に…だまされて…いた…よう……」<br>
足元がふらつき、床に膝をつくフィス。<br>
<br>
「ウッ…、どうやら…寿命が…来たみたいだ…」<br>
実験で急激に成長した彼は、副作用で死も早く訪れる。<br>
フィスは、帝国の中心には自分と同じ成長実験の犠牲者がいると言った。<br>
「帝国の中心は…大きな海で隔たれた…南の…大陸…に…塔…が…」<br>
<br>
死が間近に迫るフィスは、最後の力を振り絞ってメインコンピュータにアクセスした。<br>
命令受理。<br>
『まもなくSD命令を実行します…』<br>
<br>
<a name="a290"></a></dd>
<dt><a href="menu:290"><font color="#000000">290</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:15:33
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>「間もなく、ボーは…崩壊します…」<br>
早く脱出を…。そういうとフィスはゆっくりと歩き出す。<br>
「フィス…!」<br>
「追わないで…。死ぬ時は…1人で…」<br>
一歩一歩歩きながら、フィスは言う。もう誰も恨まない。<br>
ただもう一度、母さんと光の中で…。<br>
<br>
フィスは、母との思い出を口にする。<br>
「人は、自然のまま…、ゆっくりと大人になる方が…<br>
幸せ…です…よね…」<br>
後を追おうとするリラをフィレーナがそっと止めた。<br>
「フィスの言うとおりだ…。自然に逆らっては、いけない…」<br>
<br>
メインコンピュータが命令を実行しだした。<br>
『神殿破壊プログラムを実行します』<br>
<br>
「早く脱出しよう!」<br>
ネストの言葉に頷くと、フィスが出てきた壁の扉からテレポート装置で移動する。<br>
「ここはどこ?」<br>
「わからん…、だいぶ下に降りたからな…」<br>
用心しながら直線の通路を走りに走って、どこかの部屋に到着。<br>
<br>
入るなり唸り、走り出すギャッピー。<br>
3人が後を追うと、男の声が聞こえてきた。<br>
「どうやらフィスは私の見込み違いだったようだ…」<br>
奥でメインコンピュータにアクセスする男。<br>
SD命令を解こうとするが、ガッチリロックで取り消しがきかないようだ。<br>
ネストが男を見て声をあげた。<br>
「だ、大祭司!!」<br>
<br>
<a name="a291"></a></dd>
<dt><a href="menu:291"><font color="#000000">291</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:16:12
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>
振り返る大祭司。ロック解除の権限もないのか大祭司。<br>
「フフフ…、全ての暗黒を自由に操る神の分身…」<br>
イってる台詞を吐くと、瞬間移動でフィレーナの前に現れた。<br>
「お前がフィレーナか…。フィスと闘って素直に死んでいればいいものを…」<br>
自分を狙っていたことは、最初から知っていたという大祭司。<br>
「あのガキが裏切り、神殿が消えようとも<br>
この星の支配者は変わらんっ。今こそ暗黒の力を見せてやる!」<br>
<br>
タコ殴り。勝利。<br>
「デビスの神に…栄光…あ…れ…」<br>
<br>
大祭司から『オーロラパウダー』を手に入れた。<br>
<br>
揺れが激しくなる神殿。<br>
「神殿が崩れ落ちるぞ!」<br>
「でも、どこから出れば…?」<br>
「隠し扉があるはずだ!!」<br>
ネストが走り、壁を探り扉を開く。その手際のよさはまるでスパイ。<br>
急いで走りテレポート装置に乗る3人と1匹。道は地下2階のバトル場に繋がっていた。<br>
クレチア地区を走り抜ける途中で、ネストが1人別方向へ走り出すが<br>
フィレーナ達は気づかない。<br>
<br>
バラバ室<br>
神殿の異常に気がついたバラバ3が驚く。<br>
「神殿のコンピュータがSDプログラムを実行している!」<br>
1<br>
「大神殿の自爆プログラムか…。大祭司が命令したのか?」<br>
3<br>
「今調べてるところだが…大祭司と通信ができんのだ!」<br>
<br>
<a name="a292"></a></dd>
<dt><a href="menu:292"><font color="#000000">292</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/06/27(月) 22:16:42
ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>ボーの神殿は内部から崩壊した。<br>
後には巨大な穴。<br>
ボーの入り口で2人と1匹は振り返り、ネストがいない事に気がついた。<br>
「ネスト…」<br>
「…嘘でしょう…ネストさん…」<br>
俯くリラとフィレーナ。<br>
2人を見ていたギャッピーが、ふいに建物の中に入っていく。<br>
「ギャッピー…?」<br>
戻ってきたギャッピーの後ろについて現れるネスト。<br>
無事を喜ぶ2人。<br>
<br>
「書き残したものがあるうちは簡単には死なんと言っただろ…?」<br>
残っていたクレチアを、ウトの部屋の地下通路から逃がしてきたという。<br>
<br>
振り返って、崩壊した神殿を見るネスト。<br>
リラが残った人たちを心配する。<br>
「宿屋のおっさん達はしっかり生き残っていたよ。<br>
全く、運がいいっていうか…、さてと、これからどうする?」<br>
<br>
フィスが言い残した帝国の中心について考える。<br>
リラが思い出しながら答える。<br>
「帝国の中心は、遙か南の大陸にあるって…」<br>
ネストも考える。<br>
「だが南の大陸に行くには、海を渡る船がなければ…。それに…」<br>
フィレーナが言葉を繋げる。<br>
「それに、明りのない海じゃとても航海はできないと言うんだろ?<br>
それなら、まず灯台を復活させよう」<br>
<br>
今度はボクらに付き合うかい?<br>
フィレーナはネストに男前な誘い文句を言った。<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:377"><font color="#000000">377</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:56:14
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室。<br>
ボー神殿は崩壊した。怒るバラバ1。<br>
「大祭司ともあろう者がなぜSD命令など発したのだ!」<br>
3<br>
「バラバ1…、もしも都を失えば我々の戦いは、かなり不利に…」<br>
1<br>
「うろたえるな!帝国のシンボルが消えただけだ!」<br>
通信兵に命を出す。<br>
「すぐに帝国の全部隊に伝えろっ!クレチア相手と言えども、全力で叩き潰せとな!」<br>
通信兵退出後、別の通信兵が入ってくる。<br>
「反乱軍の名前がわれました!いくつかのグループがありますが<br>
みな同様に『フィレーナ』の名を…」<br>
<br>
○第3灯台に到着するが、男が入り口の前で眠っていて入れない。<br>
起きる気配がしないので、一旦別の場所へ行く事にした。<br>
<br>
○第4灯台へ到着するが、男が入り口の前で作業をしていて入れない。<br>
灯台守かと思いきや、勝手に住んでいるだけだと言う。<br>
勝手に居ついてる男ミートは、道具箱の鍵がないから扉を開けられないとのたまう。<br>
<br>
兄に道具箱を借りたはいいが、鍵を忘れるルーズぶり。<br>
「兄貴から鍵借りてきてー」<br>
灯台に入れなくては意味がないのでおつかいを引き受ける。<br>
兄貴ローフについて聞くと、どうも第3灯台で寝こけてる男のことらしい。<br>
<br>
第3灯台に戻り、まだ眠っているローフを無理矢理起こす。<br>
<br>
<a name="a378"></a></dd>
<dt><a href="menu:378"><font color="#000000">378</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:56:47
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ部屋。<br>
怒りっぱなしのバラバ1。<br>
「帝国軍はたかがクレチア相手に一体何をしているのだっ!」<br>
通信兵<br>
「バラバ様!ボーの復興には相当時間が…」<br>
1「放っておけ!」<br>
3「バラバ1…、何かをせんと…」<br>
1「…わかっているっ、俺に指図をするな!」<br>
<br>
○第3灯台<br>
弟のマヌケさに呆れると、ローフは道具箱の鍵を渡してくれた。<br>
「さてと、散歩でもするかな…」<br>
やっと入り口からどいてくれたので、中に入る。<br>
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br>
<br>
○第4灯台<br>
ミートに鍵を渡すとウヒョーと喜ぶ。<br>
道具を使い灯台の鍵を開けると、やはり散歩に行ってしまった。<br>
やっと入り口からどいてくれたので、中に入る<br>
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br>
<br>
○第5灯台<br>
入り口で立つ男は、灯台ガイドのミゴだと名乗った。<br>
灯台に入りたいと言うと、入場料として1000クリス取られる。<br>
「中でも家族が大サービスしとりまっせ~」<br>
<br>
どの灯台にも、地下から上まで一気にいけるエレベーターがついているのだが<br>
この灯台は使用禁止にされている。<br>
<br>
仕方がないので階段で行こうとすると、その前に立つミゴの弟に1000クリス取られた。<br>
上の階、ミゴの兄に1000クリス取られた。<br>
その上の階、ミゴの従兄弟に1000クリス取られた。<br>
サービスってこれか。<br>
<br>
<a name="a379"></a></dd>
<dt><a href="menu:379"><font color="#000000">379</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:57:08
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>
ようやく到着最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させる。<br>
残る灯台はあと一つ。リラが疑問を口にした。<br>
「海に明りが灯ったところで、南の大陸に渡る船はどうやって手に入れるの?」<br>
とりあえず全ての灯台を復活させてから、という事になった。<br>
<br>
灯台から出ると、ミゴ(逆さ読みすると素敵)とその家族達は<br>
フィレーナ達から取った金でウキウキと家族旅行に出かけていった。<br>
<br>
第6灯台前には男がいる。<br>
近づくと「うひーっ!」という奇声を発して飛びのくが、ネストを見て近づいてきた。<br>
「あんたは…、確かドラの闘技場でバトル作家をしていた…!?」<br>
「何故、俺のことを?」<br>
男は闘技場で働いていたと言った。<br>
「やばいっ!隠れて!」<br>
そう言うと塔の陰に走る。フィレーナ達も後を追う。<br>
遅れたギャッピーが、その辺で適当に寝ている犬のフリをする。<br>
入り口に近づいてきた海賊たちが、中に入っていった。<br>
<br>
バラバ室。<br>
問題山積みなのに何一つ解決してないバラバ1。<br>
「海の中に沈んだはずのフィロセラ王宮が姿を見せた?<br>
だから、どうしたというのだ、…ほうっておけ!<br>
王民もいない国の王宮など、敵の数のうちには入らん<br>
問題はクレチア反乱軍だ。軍情報からの報告はまだか?」<br>
<br>
<a name="a380"></a></dd>
<dt><a href="menu:380"><font color="#000000">380</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:57:29
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>○第6灯台前<br>
ネストと男が話している。<br>
「それでドラを脱走して、クレチア反乱軍のスパイに…?」<br>
「ええそうです…、しかし驚きましたよ<br>
バトラーのフィレーナはとっくに死んだものと…」<br>
男は、灯台を根城にしている海賊たちを反乱軍にスカウトしにきたものの<br>
土壇場で尻込みしていたようだ。仲間の下に帰るそうな。<br>
「スカウトはどうするんだ?」<br>
「いやぁ、そんな事より、フィレーナさんが生きていることを<br>
早く仲間に知らせなくちゃ…」<br>
足早に立ち去る男。<br>
灯台の前に集まる3人と1匹をこっそり隠れて見ていたが<br>
ギャッピーに見つかり逃げていった。<br>
<br>
海賊をボコりながら灯台を登るフィレーナ達。<br>
途中で、第1灯台で発見したのと同じ、フィロセラ古文書発見。<br>
<br>
『6つの灯台直したら、氷山が復活して氷の神ノアが船をくれるよ。<br>
動力はフィロセラの剣だから便利だね(要約)』<br>
<br>
古文書に、灯台を直したら起こる奇跡とやらのネタバレをされながらも<br>
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br>
<br>
復活した順に、強い光を放ちだす灯台。<br>
第6灯台まで光が溢れた時、南西の氷雪地帯の海に<br>
巨大な氷山が姿を現した。<br>
<br>
<a name="a381"></a></dd>
<dt><a href="menu:381"><font color="#000000">381</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:57:54
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>フィレーナ達は不思議な声を耳にする。<br>
『奇跡はおこれり…。世界は光を取り戻した…<br>
デビスの民が汚した海に命を取り戻すことができれば<br>
フィロセラは復活するだろう…<br>
永久氷山へ行き、氷の神ノアに会うがいい…』<br>
<br>
声の言葉について話し合う4人。<br>
「海に命を与えれば、ついにフィロセラは復活する…」<br>
「でもそれが…、南の大陸にある帝国の中心を倒す事といったい何の関係が?」<br>
ネストが首を傾げつつ、一行は永久氷山を目指す。<br>
<br>
アイスバーグの村を通り、永久氷山へ向かおうとするフィレーナ達を<br>
老人が制止した。<br>
「氷の神に見つかったら戻って来れない、やめとけ」と言ってやたら脅かしてくる。<br>
<br>
バラバ室<br>
通信機から音声が聞こえてくる。<br>
「くり返します。エルシューレ海岸の灯台近くでフィレーナの生存を確認…<br>
次の指令を待ちます…」<br>
舌打ちするバラバ1。<br>
「しぶといヤツだっ…」<br>
3<br>
「バラバ1…ヤツは何者だ!? たんなる脱走バトラーとは思えん」<br>
1<br>
「バラバ3…考えすぎだ。ただの運のいいクレチアにすぎん」<br>
そう言うと1は、各軍情報局へ指令を出す。<br>
「フィレーナなどどうでもいい!それよりも反乱軍との戦いに全力をそそげっ…」<br>
不服の3<br>
「バラバ1…、勝手に指令をだすな…<br>
リーダーが死んでしまった今、全ての決定は我等の合意で…」<br>
その言葉を聞いて笑い出す1。<br>
「リーダーが死んだ今だと…?<br>
フハハッ…フハハハッ!バラバ3…もう少し利口だと思っていたよ…」<br>
<br>
<a name="a382"></a></dd>
<dt><a href="menu:382"><font color="#000000">382</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:58:50
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>一方アイスバーグのフィレーナ達。<br>
「それじゃあ…、おじいさんはこの村で生まれて?」<br>
「ああ…、そうじゃ。氷山の噂を耳にして、はるばる戻ってきたんじゃ」<br>
くわばらくわばら。不安にさせるだけさせといて、老人は去っていった。<br>
<br>
永久氷山の奥。<br>
王宮の門にあったものと同じ人魚の像を発見するが、行き止まりだった。<br>
辺りを見回すリラ。<br>
「行き止まりだわ…氷の船なんてどこにも…」<br>
ネストがフィレーナに尋ねる。<br>
「フィレーナ、どうする?ノアという氷の神の話も、たんなる伝説だったのかもな…」<br>
フィレーナは首を振った。「いや、ボクは信じる」<br>
そう言うと奥の壁を探る。<br>
「見ろ…穴だっ」<br>
<br>
壁が開く。奥から獣のような声が聞こえてくる。<br>
「グフッ…グフフッ…」<br>
中から白い獣のような大きな生き物(イエティっぽい)が現れた。<br>
「バ、バケモノッ!」あとずさるリラ。<br>
一緒に下がりながら声をかけるネスト。<br>
「フィレーナ、下がれ!」<br>
フィレーナは2人と1匹を見た。<br>
「待って…みんな手を出さないでくれ!」<br>
「正気か!?相手はバケモノなんだぞ」<br>
視線を戻すフィレーナと、近づいてくるイエティ(仮)。<br>
<br>
<a name="a383"></a></dd>
<dt><a href="menu:383"><font color="#000000">383</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:59:20
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室。<br>
フィレーナ達が氷山に入り、姿を消したという報告が入る。<br>
不審に思うバラバ3。<br>
「その氷山はいつからあるのだ?」<br>
返答→不明。椅子に座って2人の通信を聞いていたバラバ29が3に言った。<br>
「バラバ3…もしやあの一味、帝国の中心を探しているのでは?」<br>
3<br>
「多分、そうだろうな…<br>
しかしこの帝国の中心には、誰も近づけはしない…」<br>
<br>
永久氷山内。<br>
白い生き物が話し出した。言葉がたどたどしい。<br>
「…船…この奥…来るの…ずっと…待ってた…」<br>
フィレーナが心を込めて礼をいった。<br>
「ノア…礼…いらない…灯台…光…蘇った…<br>
帝国の…中心…ドラゴニア…。塔の中…海の命…ある…<br>
外から…見えない…。でも…大祭司…見える…」<br>
<br>
そう言うと、白い生き物ノアは壁の奥に消えていった。<br>
リラが呟く。「あれが、氷の神、ノア…」<br>
<br>
我に返ったネストがフィレーナに近づく。<br>
「それにしても、よくあれが氷神ノアだってわかったな…」<br>
とても懐かしく、不思議と昔から知っているような気がしたと言うフィレーナ。<br>
「氷神というのは本当なのかしら…」<br>
「………正体は誰にもわからない。この永久氷山の主という以外はね…」<br>
少し考えた後<br>
「…氷の塊と思えばいいかな…」フィレーナは謎な結論を出した。<br>
<br>
<a name="a384"></a></dd>
<dt><a href="menu:384"><font color="#000000">384</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 19:59:55
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>しかしリラはフィレーナを信じる。<br>
「とっても神秘的な男性ね…やっぱり男は顔じゃないわっ」<br>
ネストが言う。<br>
「ノアが神秘的な男性…?<br>
ふーむ……、どこかに神秘的な美女が眠っていないものかね」<br>
リラの乙女心が反応する。自分とフィレーナを指してネストに言った。<br>
「こんな美女2人と一緒に旅ができるんだから、あなた幸せ者よっ」<br>
「へえ…へえ…」<br>
<br>
ノアの後を追ってさらに奥へ進み、拓けた空間に出る。<br>
そこには、巨大な氷の船があった。<br>
さっそく乗り込む一行。<br>
リラが船上にある不思議なくぼみを発見する。<br>
「ここにある穴…、カギ穴にしちゃ大きいわね…」<br>
どうみても剣の形をしている。<br>
フィレーナが前に立ち、『フィレーナの剣』をはめる。<br>
ぴったりだった。<br>
<br>
揺れる揺れる。<br>
氷山が大きく割れ落ち、中から氷の船が姿を現した。<br>
<br>
船をゲットした一行は、さっそく南の大陸へ向かう。<br>
ノアの話では、この地に帝国の中心ドラゴニアタワーがあると言うのだが<br>
それらしい建造物は見当たらない。<br>
砂漠を歩き回って、ようやく山の洞窟で人を発見した。<br>
声をかけると、老人は飛び上がって驚いた。<br>
<br>
<a name="a385"></a></dd>
<dt><a href="menu:385"><font color="#000000">385</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 20:00:27
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>ドラゴニアタワー内。<br>
機械仕掛けの円柱のカプセルの中で浮かぶ、グランブレーンの死体。<br>
見張りの兵士は、カプセル内の死体が動いたのを見て驚き逃げた。<br>
<br>
老人に事情を聞くフィレーナ達。<br>
ロンという名の老人は、タワーから逃げてきたという。<br>
リラが尋ねた。ロンさんにはタワーが見えるの?<br>
「ああ、心の目で見ればの」<br>
「心に目なんてあるの!?」<br>
2人の会話を聞いていたフィレーナが言う。<br>
「わかるような気がする…」<br>
フィレーナは、自分の目が見えなかった時の事を語る。<br>
気持ちを集中すると、人や物の気持ちが感じられたのだ。<br>
ロンがザッツライト。フィレーナの謎の経験値を褒める。<br>
「でも心の目で見えても、実際にタワーの中に入るには入り口がなければ入れないんじゃ?」<br>
「それもそうだな…」ふりだしのフィレーナ。<br>
<br>
「わかってないなぁ~」とロン。<br>
唐突に、透明人間を目視する方法について話し出す。<br>
「ペンキか砂をぶっかけろ(要約)」<br>
静観していたネストが、疑問を口にした。<br>
「それで、ドラゴニアタワーの中では、今でも秘密実験が…?」<br>
他にも脱走したものはいるのか尋ねた。<br>
<br>
「わかってないなぁ~」とロン。<br>
「ドラゴニアタワーは帝国の中心部じゃよっ!脱走なんてできるかい!」<br>
「それじゃあんたは!?」<br>
「わしが脱走できたのは…ズバリ!ラッキーじゃ!」<br>
言葉をなくし、フィレーナに視線を向けるネスト。<br>
「フィレーナ…、時間の無駄だったな。帝国の中心は俺たちの足で探そう」<br>
<br>
<a name="a386"></a></dd>
<dt><a href="menu:386"><font color="#000000">386</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 20:00:57
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>砂漠を歩き回る一行。<br>
北の海辺で、フィレーナが足をとめた。<br>
「フィレーナ、どうしたの?目を閉じたりして…」<br>
「…静かに…何かの気配を感じる…」<br>
<br>
その場所で、ボーの大祭司からゲットした『オーロラパウダー』を使う。<br>
周囲が七色の光に包まれた。<br>
皆が目を開いた時、目の前に巨大なタワーがそびえたっていた。<br>
ドラゴニアタワー登場。<br>
<br>
中に入っていくと、どこかで見た円柱のカプセルが立っていた。<br>
ネストが近寄ってみる。<br>
「液体の中に入っているのは死体か!?気味が悪いな…」<br>
<br>
リラがカプセルの中のものを覗き込んで驚いた。<br>
「こ、この死体っ!」<br>
フィレーナも近づいた。<br>
「グランブレーンだ。ボクらがルシベで倒した、黒い悪魔のリーダーだ!」<br>
「黒い悪魔のボスの死体?」<br>
フィレーナが死体を見る。<br>
「体は腐っている…。このカプセルは、棺おけか…?」<br>
<br>
リラがカプセルから目をそらし、建物内を見回した。<br>
「ここが帝国の中心なの?」<br>
<br>
<a name="a387"></a></dd>
<dt><a href="menu:387"><font color="#000000">387</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/01(金) 20:01:28
ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室<br>
通信兵が走ってくる。<br>
「報告します!波止場に船らしき物体がっ」<br>
3<br>
「すぐにバラバ1を呼べ!」<br>
何故か余裕のバラバ1が戻ってくる。<br>
「何を慌てふためいておる…」<br>
3が、ドラゴニア大陸に侵入者がきた事を話す。<br>
「…だからどうした?」<br>
3<br>
「何だと?何といったのだ!」<br>
1<br>
「クククッ…、探す手間が省けたわけだ<br>
…バラバ3、なんだ?その目は!?何か言いたい事があるのか?」<br>
1に詰め寄る3<br>
「いったい何様のつもりだっ!リーダーをきどりやがって…<br>
お前の指図にはウンザリだっ。誰もお前を新リーダーとは認めていないっ!」<br>
<br>
笑い出すバラバ1。光線であっさりと3の身体を貫いた。<br>
「1階のカプセルの中の元リーダーは私の命令で動いていたのだ…<br>
本当のリーダー…、つまり帝国の支配者は……」<br>
<br>
警報システムが鳴り響き、タワー内への侵入者を知らせる。<br>
「どうやらモルモットの代わりに、ネズミが迷い込んだらしい…」<br>
<br></dd>
<dt><a href="menu:420"><font color="#000000">420</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:53:31
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>最深部。<br>
そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。<br>
<br>
イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。<br>
「フィレーナ…ようこそ」<br>
瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。<br>
「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」<br>
<br>
本当の姿を見せるバラバ1。<br>
それを見たフィレーナが言う。<br>
「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」<br>
否定も肯定もしない。<br>
「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム…<br>
黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」<br>
<br>
戦闘開始。<br>
ルーブラム<br>
「どうだ?私と組むつもりはないか?」<br>
戦闘は続く。<br>
「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ…<br>
せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」<br>
戦闘終了。<br>
「…ウッ…ウググッ…<br>
デビス帝国に…栄光あ…れ…」<br>
<br>
勝ったー。ルーブラムは消滅した。<br>
<br>
<a name="a421"></a></dd>
<dt><a href="menu:421"><font color="#000000">421</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:53:41
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>最深部。<br>
そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。<br>
<br>
イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。<br>
「フィレーナ…ようこそ」<br>
瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。<br>
「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」<br>
<br>
本当の姿を見せるバラバ1。<br>
それを見たフィレーナが言う。<br>
「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」<br>
否定も肯定もしない。<br>
「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム…<br>
黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」<br>
<br>
戦闘開始。<br>
ルーブラム<br>
「どうだ?私と組むつもりはないか?」<br>
戦闘は続く。<br>
「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ…<br>
せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」<br>
戦闘終了。<br>
「…ウッ…ウググッ…<br>
デビス帝国に…栄光あ…れ…」<br>
<br>
勝ったー。ルーブラムは消滅した。<br>
<br>
<a name="a422"></a></dd>
<dt><a href="menu:422"><font color="#000000">422</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:54:20
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>リラが安堵の声を漏らす。<br>
「終わったのね…戦いはこれで終わったのね…」<br>
フィレーナは言った。<br>
「いや…まだだ。まだ海に命を蘇らせてはいない!」<br>
<br>
フィレーナとリラ、ギャッピーがルシベで聞いたあの声が響く。<br>
『みんな、よく来てくれたね…<br>
ボクたち…ずっとたいくつしてたんだ』<br>
<br>
3人と1匹の目の前に、カプセルに入った胎児が浮かび上がる。<br>
『ボクたちは、産まれるはずのない"命"さ…<br>
こんなにたいくつなことはないよ』<br>
<br>
「産まれる予定のない命って…それは…どういう事…?」<br>
リラの言葉に、あどけなく笑う胎児。<br>
ネストが言った。<br>
「お前も帝国の回し者かっ!?」<br>
『帝国?そんなもの…とっくにこわしちゃったよ。誰も気づいていないだけさ』<br>
聞き返すフィレーナに胎児は答える。<br>
<br>
『帝国はきらいさっ、だから消したんだ…<br>
産まれる予定のない"命"を、こんなに作っちゃって…<br>
それが人間のしあわせのための実験なんて、笑っちゃうよっ』<br>
<br>
帝国の秘密実験によって作られ、特殊な能力を与えられ<br>
用済みとなっては産まれず消えていく子供たちの声だった。<br>
<br>
<a name="a423"></a></dd>
<dt><a href="menu:423"><font color="#000000">423</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:54:56
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>胎児はフィレーナに語りかけた。<br>
『ねえ…フィレーナ、君に頼みがあるんだ<br>
ボクたち…産まれる場所が欲しいんだよ…<br>
それには、帝国がよごしてしまった。この星のままじゃムリだ…』<br>
「どうすればいいんだ?」<br>
『"命の壷"を一番…美しい海に君の手で沈めてほしいんだよ…<br>
そうすれば…この星も、きっと蘇るはずさ…』<br>
「その"命の壷"というのは、一体どこにあるんだ?」<br>
<br>
胎児は答えた。<br>
『ボクらから分離した憎しみの心が盗んでった。<br>
もう手に負えん。やっちゃって(要約)』<br>
<br>
そう言うと胎児は姿を消し、辺りは不思議な空間に包まれた。<br>
フィレーナ達は別の空間に運ばれる(強制的に)。<br>
そこは、柱が数本立っているだけの何もない闇の部屋だった。<br>
<br>
別の声が話しかけてくる。<br>
『ようこそ…妄想の部屋へ…』<br>
声は語る。<br>
『妄想の部屋では、皆さんの愛した人々が<br>
恐ろしい妄想となって現れるのです…<br>
愛などというものがどんなに儚く…<br>
そして愚かなものか、よく分かりますよ…』<br>
<br>
フィレーナの目の前に、ミリカ、フィス、ゼナじいさんが現れる。<br>
続けて、フィコス(ミリカの旦那)、フィラード(サラの旦那)。<br>
そしてラリス、ウトも…。つかラリスも死んでたのか。<br>
<br>
<a name="a424"></a></dd>
<dt><a href="menu:424"><font color="#000000">424</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:55:25
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>現れた人々を見て、ネストが叫ぶ。<br>
「これは幻だ、だまされるな!」<br>
3人+1匹いるにも関わらず、何故か全員がフィレーナ関係で死んだ人物。<br>
<br>
じょじょに迫ってくるが、フィレーナもリラも懐かしい人々の姿に闘う意志が持てない。<br>
ネストの声が空しく響く。<br>
「おいっ皆!なぜ闘わない!殺されるぞ!」<br>
<br>
7人の亡霊は、フィレーナ達を目前にして動きを止めた。<br>
『私とは闘えぬか…フッフッフッ…』<br>
そのまま重なりあい、一つの大きな亡霊の姿になる。<br>
人面が全身にボコボコ出ててキモいです。<br>
<br>
『私は憎しみの亡霊…<br>
ためらってくれたおかげで、やっと自分の姿に戻れたよ…』<br>
その禍々しい姿に、ネストが言う。<br>
「みんな、こいつはミリカでもフィスでもない!<br>
こいつこそが帝国の中心…。帝国を支配する悪の化身なんだっ!」<br>
『憎しみは愛に勝るのだ…その事を教えてやろう…』<br>
<br>
倒す。勝利。<br>
「勝った!ついに倒したぞ!帝国の支配者を倒したんだ」<br>
ネストが歓喜の声をあげる。<br>
ボロボロと朽ち果てながら消える憎しみの亡霊。<br>
しかし身体を失いながらも、心だけが形となり、再び向かってきた。<br>
<br>
『まだ私は死んではいない…私は憎しみの心…私の体を返せ!』<br>
「なんてヤツだ…」<br>
<br>
<a name="a425"></a></dd>
<dt><a href="menu:425"><font color="#000000">425</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:55:52
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>トドメさす。勝利。倒れる3人と1匹。<br>
憎しみの心が消え去った後には、一つの壷が置かれていた。<br>
<br>
起き上がり皆の無事を確認するネスト。<br>
「何とか生きてるよ…リラ?ギャッピー?」<br>
「…だいじょうぶ…」<br>
「クン…クン…」<br>
リラが起き上がるとフィレーナに話しかけた。<br>
「フィレーナ、私たち…この星の命を手に入れたのね…」<br>
<br>
奥の壁が開かれ、光が指してくる。<br>
フィレーナ達は光の方を向いた。<br>
<br>
フィロセラ。<br>
王宮前には反乱軍が集結していた。<br>
反乱軍の兵が皆を励まし力づける。<br>
残った帝国軍と最後のぶつかり合いに向かうのだ。<br>
その光景を、側でヤコスとソフィカが見守っていた。<br>
<br>
「気をつけてな…」<br>
「心配はいりませんよ。全員生きて帰ってきます…<br>
それじゃ、後をよろしく!ヤコスさん…」<br>
<br>
生き残った兵をまとめ出発した反乱軍たちを見送りながら、ソフィカが尋ねた。<br>
「王女様、帰ってくるの?」<br>
ヤコスは王宮を見つめる。<br>
「勿論だともソフィカ…、必ずやこの王宮にな…」<br>
<br>
<a name="a426"></a></dd>
<dt><a href="menu:426"><font color="#000000">426</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:56:24
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>妄想の部屋<br>
リラがフィレーナに声をかけた。<br>
「…フィレーナ、待ち遠しいわね…」<br>
「さあ、行こう。"命の壷"をこの星の海に戻して<br>
フィロセラを復興させなければ」<br>
<br>
フィレーナは壷を抱くと、光の中を進む。<br>
空間を通り、元のバラバ室へ戻ってきたフィレーナ達は<br>
ドラゴニアタワー内部を走り、外を目指す。<br>
入り口付近、グランブレーンの死体が浮かぶカプセルの横を通って外にでる。<br>
無人になる塔内。<br>
カプセルから赤い球体が浮かび上がるとフィレーナ達の後を追っていった。<br>
<br>
フィロセラに戻ってきたフィレーナ達。<br>
地面に降りると、氷船はゆっくりと陸地から離れていく。<br>
「フィレーナ…氷船がっ」<br>
「これでいいんだ…、氷船には帰るところがあるんだ…<br>
…ボクたちと同じように…」<br>
<br>
王宮の側、海に向かって立つ3人と1匹。<br>
リラが言う。<br>
「フィレーナ…"命の壷"をフィロセラの海へ…<br>
あなたの国を復興させて…!」<br>
ネストが言う。<br>
「世界を変えるんだ」<br>
<br>
その言葉に、フィレーナが壷を抱き、海へ入ろうとしたその時<br>
物凄いスピードで赤い球体が突っ込んできた。間一髪でよける。<br>
球体は3人と1匹の目の前で浮遊しながら止まると人語を発する。<br>
<br>
「オロカナル反逆者ドモヨ…<br>
名モナク消エテモラオウ…」<br>
<br>
<a name="a427"></a></dd>
<dt><a href="menu:427"><font color="#000000">427</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:56:57
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>球体は人の形をとり、海の上に立った。<br>
その姿を見てリラが叫ぶ。<br>
「グ、グランブレーン!死んだ…はずじゃっ」<br>
「死ンダ…?バカナ…」<br>
その反応に、何かに気づいたネストが叫んだ。<br>
<br>
「そうか!お前…ドラゴニアタワーのカプセルにいた…<br>
帝国の実験で産み出された、レプリカントだったのか!」<br>
ネストの言葉に、グランブレーンが動揺する。<br>
「レプリカント…何ダ、ソレハ…?」<br>
「ロボットだ!」<br>
その体はまぎれもなく、人型の機械。<br>
<br>
それでも人の意識がある為か、事実を認識できないグランブレーンは言う。<br>
「オレハ、ロボットデハナイ!<br>
チュウジツナ帝国ノ人間ダ…<br>
オマエタチトハ、話ガ合ワン…」<br>
<br>
戦闘開始。<br>
仲間たちはフィレーナに"命の壷"を海に沈めるように言った。<br>
「フィレーナ、このバケモノはリラたちにまかせて!」<br>
「バケモノ…?誰ノコトダ…?」<br>
ネストが叫ぶ。<br>
「お前のことだよ、このレプリカントめ!」<br>
<br>
「オレハ人間ダ……、ユウシュウナ帝国人民ダ…」<br>
<br>
<a name="a428"></a></dd>
<dt><a href="menu:428"><font color="#000000">428</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:57:28
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>「フィレーナ、早く海に!」<br>
「バケモノの相手は俺たちにまかせろっ!!」<br>
「オレヲバケモノト呼ブナッ…」<br>
<br>
何かもう、化け物連呼してこちらが悪者のような錯覚に陥りながらも戦闘終了。<br>
<br>
フィレーナは海中に飛び込むと、"命の壷"をフィロセラの海に沈めた。<br>
叫ぶグランブレーン。<br>
「グワアアアッ!体ガ、トケル…、ウガガガッ!」<br>
清められた海水に浸かったグランブレーンは、体を溶かされ海中に沈む。<br>
<br>
「終わったのね…」<br>
そう言ったリラの前方の水面に、半解したグランブレーンが浮かび上がる。<br>
「オレ…ニ…命…ヲ… 命…ヲ……」<br>
沈んだ。<br>
<br>
水際まで近づくリラ。「終わったのね…」<br>
その隣にネストが立つ。「…違う、今始まったのさ…」<br>
<br>
タワー内で出あった、産まれる予定のない命たちを思う。<br>
「新しい"命"たちが、きっと豊かな未来を築いてくれるはずだ…」<br>
<br>
<a name="a429"></a></dd>
<dt><a href="menu:429"><font color="#000000">429</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:58:01
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>ギャッピーが何かに気づいて走り出す。<br>
その先には色違いの犬がいた。<br>
戯れる2匹。その光景を眺める3人。<br>
<br>
「ギャッピーったら、もうお友達ができたみたい」<br>
リラがそういうと、ネストがもう1匹の犬を見て疑問を持った。<br>
「オスかな…それともメスかな…」<br>
「女友達に決まってるわ…<br>
ギャッピーは女性には全く目がないんだから!ねっフィレーナ」<br>
3人は顔を見合わせ、ギャッピー達の方へ歩き出した。<br>
<br>
夕暮れのフィロセラ海岸で、リラと並んで海を眺めるフィレーナ。<br>
その後ろでネストとギャッピー+1が見守る。<br>
「フィレーナ…海を見て何を考えているの?」<br>
「新しいフィロセラを、ボクたちの手で作らないと…」<br>
<br>
ネストが動き、フィレーナが後方を振り返ると<br>
ヤコスやソフィカ、そして戦いより戻った反乱軍兵士たちが控えていた。<br>
<br>
フィレーナの闘いは、今はじまったばかりだった…<br>
<br>
<a name="a430"></a></dd>
<dt><a href="menu:430"><font color="#000000">430</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:58:33
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>月夜の晩。<br>
かつてゼナとウトが沈みゆく王宮を見た丘の上に座り<br>
髪を風になびかせながらフィレーナは月明りに照らされたフィロセラを眺める。<br>
ドラで男として育った日々。バトラーとして闘った試合。<br>
リラやネスト、ミリカとの出会い。ゼナ。<br>
自分が殺した人たち。自分を守って死んでいった人たち。<br>
実験で捻じ曲げられた運命。産まれた命と悲しい命。<br>
ドラを出てから今までを追憶する。<br>
<br>
記憶の旅が終わると、フィレーナは立ち上がった。<br>
<br>
ヤコス達に見守られ、王座に座るフィレーナ。<br>
王妃の席に座らせてもらい、はしゃぐリラ。<br>
そして並んで、ソフィカが完成させた父王の肖像画を眺めた。<br>
<br>
お披露目の日。<br>
逃げだすフィレーナと後を追うリラ。<br>
結局捕まり、引きずられて部屋に戻される。<br>
フィレーナに王女の正装をさせてリラは大満足である。<br>
<br>
王宮の前では、ネストや兵士たち、ヤコス祖父孫、犬2匹に<br>
祝いにかけつけてくれたアマネラと赤ん坊が王女の登場を待っている。<br>
バルコニーから姿を見せるフィレーナとリラ。<br>
皆の視線を一度にうけ、真っ赤になったフィレーナは逃げた。<br>
いつもの男の服装に戻って。凄い勢いで追うリラ。<br>
<br>
フィレーナの闘いは、はじまったばかりだった…<br>
<br>
<a name="a431"></a></dd>
<dt><a href="menu:431"><font color="#000000">431</font></a> <b><a href=
"mailto:sage"><font color=
"#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size=
"2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/07/03(日) 22:59:35
ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>1レスで終わるまとめ<br>
<br>
デビス帝国が他の国を潰して大陸を支配しました。<br>
生き残ったフィロセラの王女フィレーナは男として育てられ、バトラーになりました。<br>
仕組まれた試合で師を殺してしまい、代わりに自分の素性を知らされました。<br>
情報を集めていたら、機密に触れて指名手配されてしまったので<br>
仲間と4人で逃亡し、気がついたら奥さんと2人旅になってました。<br>
<br>
地道に旅を続け、たまに人を助け、集落では犬をゲットです。<br>
旅の間、帝国の黒い人が入れ替わりたちかわり番号を変えて<br>
絶え間なく襲ってくるので、来たもの順にボコります。<br>
<br>
師の遺言どおり、帝国の首都で王家の剣をゲット。<br>
剣を故郷の海にかざすと、海中から実家(王宮)が出てきましたよ。<br>
6つある灯台を直している間に、仲間の1人と再会です。<br>
帝国では絵にも描けないようなひどい人体実験しているそうです。<br>
許せないのでとりあえず帝国の偉い人を倒しました。ついでに神殿は崩壊しました。<br>
<br>
全ての灯台が直ると、氷の神さまが船をくれました。<br>
船で敵の本拠地へ行き、最後に残ってる黒い人をぬっころしました。<br>
幻覚とか見せられましたが勝利。最重要アイテムの"壷"ゲット。<br>
これを海中に沈めると、世界は救われるそうです。<br>
<br>
海に入ろうとすると、また黒い人がロボットになって邪魔します。<br>
全員で悪口を言って精神ダメージを与えたところで壷を海に放り込みました。<br>
ロボットは綺麗な海水に溶けました。<br>
生き残った人たちがお城に集まってきています。<br>
帝国も消滅したし、もうクレチアだの帝国人民だの言わせません。<br>
フィレーナはこれからが大忙しなのでした。終。</dd>
</dl>
<strong>永遠のフィレーナ</strong> (Part2/2) ページ容量上限の都合で2分割されています。<br />
>>16-54~55・79~89・150~160・286~292・377~387・420~431
<hr /><br /><a name="a54"></a>
<dl><dt><a><font color="#000000">54</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/11(土) 15:05:06
ID:TzIYx1ZY</font></dt>
<dd>バラバ室。<br />
ラリテニア反乱軍は勢いを増しているらしい。<br />
バラバ1はフィレーナ殺害を優先しろと命じる。<br />
3が疑問を口にした。<br />
「バラバ1…おかしいとは思わんか?<br />
何故定期船に密航するような危険までおかすのだ…?<br />
何か目的があるとしか思えん!」<br />
1<br />
「脱走バトラーに目的だと…!?」<br /><br />
集落。アマネラが道を説明してくれる。<br />
森を抜けた先で暮らすフラクじいさんを訪ねるようにと言う。<br />
自分は行けないが、そのかわりにギャッピーを貸してくれるという。<br />
そしてギャッピーの首輪に、事情を説明した手紙を結びつけた。<br />
「くれぐれも2人を頼んだよ!」<br />
ギャッピーはとてもフィレーナに懐いているらしい。<br />
「フィレーナ、いつかまた会いたいもんだね。<br />
あんたが女として自由に生きられる時が来るように祈ってるよ…」<br />
アマネラは最後に一度振り返ると、子が待つ集落に戻っていった。<br /><br />
フラグじいさんの家に到着。<br />
家の中に突撃していったギャッピーがフラクに飛びついて喜ぶ。<br />
「お前の集落の近くで、派手なクレチア狩りがあったと聞いて<br />
心配しとったんじゃよ…。アマネラたちは無事かい?」<br />
喜んで回るギャッピー。<br />
フラクは安心した顔で良かったと言い、続いて入ってきた2人に気がついた。<br /><br />
「はじめましてフラクさん、私の名前はリラ…」<br />
「ボクはフィレーナ…」<br />
「どうやらギャッピーと一緒のところを見ると、アマネラの友達のようじゃな…」<br />
ギャッピーが首の手紙を見せる。<br />
「ほうほう…おまえさんら、ボーに?」<br />
リラが前に出た。<br />
「フラクさん、助けてください。<br />
私たち、ボーで刀鍛冶をしているウトという人に会いたいんです」<br /><br /><a name="a55"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">55</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/11(土) 15:05:55
ID:TzIYx1ZY</font></dt>
<dd>帝国の首都ボー。簡単には入れないが何とか考えてみようと言うフラク。<br />
アマクネ族のアマネラは、娘のようなものだと言う。<br />
「大船に乗った気持ちで休みなさい。」<br />
2人はフラクの好意に甘えて、休ませてもらうことになった。<br />
眠る前にリラは思い出して笑った。<br />
「大船に乗るのは、これで二度目ね」<br />
「定期船のことかい?」<br />
ギャッピーはフラクの足元で眠っている。<br /><br />
ベッドに入った後でリラは言った。<br />
「あの日の夜…、波の音を聞きながら思ったの<br />
あなたとこれからもずっと、一緒にいるんだって…」<br />
「センチメンタルだな…」<br />
「センチメンタルで悪い!?」<br />
慌てて首を振った。<br /><br />
朝。庭で作業をするフラクと、隅で眠るギャッピー。<br />
リラが伸びをしながら起きてきた。挨拶をするフィレーナ。<br />
「おはようさん…ちょいと早いが、ボーに出発するぞ<br />
さあ、みんな乗っておくれ!朝のうちにボーにつかんとな」<br />
リラが薪が積まれた荷車に近づく。<br />
「フラクさん、これにのってボーの都へ?」<br />
フラクは頷いた。この中に隠れていけば、まず見つからないという。<br />
乗り込むフィレーナとリラ。<br />
「ギャッピー!」<br />
リラが呼ぶと、ギャッピーが飛び起きてきた。<br />
「ちょいとせまいが、しばらくガマンしておくれ」<br />
こうして荷車(山盛りの薪+人2人+犬)をフラク自ら引っぱり出発する。<br />
馬は使わない。タフだ。<br />
こうして一行はボーに到着したのであった。<br /><br /></dd>
<dt><a><font color="#000000">79</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:26:18
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>帝国の都・ボー。建物の中に街がある。<br /><br />
入り口を守る保安兵はフラクの姿を見ると門を開けた。 <br />
どうやらフラクは、昔から薪を売りに来ていた模様。<br />
荷車を調べられそうになるもリラの鳴きまね(猫)でごまかす。<br />
建物の中までくると、フラクはウトに会えるよう祈ってると言った。<br /><br />
鍛冶師のウトを探して地下のクレチア地区まで降りてきた。<br />
奥の家の男にウトの名を出し尋ねてみるが反応は冷たい。そして怒鳴られる。<br />
今度は『フィレーナの剣』について尋ねてみる。<br />
結構いい反応するものの、老人は帰ってくれ!の一転ばり。<br /><br />
取り付く島もなく背を向ける老人を見ながら、リラが言った。<br />
「人違いだったみたい…帰りましょう、フィレーナ…」<br />
その言葉に老人が振り向いた。<br />
「フィレーナだって…!?」<br /><br />
バラバ室で会話中の1と3。<br />
3<br />
「アルメイの星?」<br />
1<br />
「そうだ、労働許可証のな…<br />
鉱山現場の主任をしているレパードという属国民から<br />
手配書が出されている」<br />
3<br />
「アルメイの星を手にしたまま行方が分からなくなった<br />
男と女、2人のクレチアか…」<br />
1<br />
「鉱山からの脱走者を発見するために、アルメイの星には発信機能がある…<br />
2人の発進元をたどっていけば…」<br /><br /><a name="a80"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">80</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:05
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>クレチア地区、老人の家。<br />
フィレーナの名を聞いた老人がさらに怒っていた。<br />
「ワシの知っているフィレーナ様は男などではない!<br />
貴様ら一体何者だ!?覚悟しろ」<br /><br />
戦闘を仕掛けてくる老人。<br />
フィレーナの動きを見て「フィロセラ剣術か」と驚くものの戦いはやめない。<br />
しかし、フィレーナがゼナから受け取った首飾り『フィロセラの希望』を取り出すと<br />
印籠を見せられたかの如く動きを止めた。<br />
「それでは…あ、貴方様が!?」ハハーorz<br /><br />
やはり老人が、鍛冶師ウトだった。<br />
「よくぞ生きておいでに…。このウト、お待ち申しておりましたっ<br />
それにしても男の姿で来られるとは…」<br />
後ろのリラとギャッピーに視線を移す。<br />
「して、この女と犬は…?フィレーナ様のしもべの者ですか?」<br />
「シ…シモベですって!?」<br />
ウトの言葉にピュアな乙女心が傷ついたリラ。<br />
「あなたとフィレーナがどういう知り合いか存じませんが<br />
私はこの人の妻です!ツ・マ!」<br />
ジジイは文字通り飛び上がって驚いた。<br /><br />
フィレーナがウトに言った。<br />
「ウトさん、どこか話のできるような場所はありませんか?<br />
詳しい話はちょっとここでは…」<br />
フィレーナの言葉にウトは頷くと、2人と1匹を隠し部屋へ導いた。<br /><br /><a name="a81"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">81</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:30
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バラバ室。<br />
通信機から連絡が入ってくる。<br />
フィレーナ達が所持するアルメイの星の発信元を辿っていくと<br />
ボーにたどり着くらしい。<br />
3<br />
「信号が途切れた…<br />
おそらくバラバ22がボーの近くにいるはずだ…」<br />
1<br />
「ヤツらもボーにいるのか!<br />
我等帝国の首都に入り込んで一体何をするつもりだ!!」<br /><br />
ウトの隠し部屋内。<br />
ゼナや自分の今まで、そして知らされた真実について話すフィレーナ。<br />
一方リラは、フィレーナがフィロセラの王女だと知って複雑な顔。<br />
「リラさん…、フィレーナ様は我が祖国フィロセラの王女様で<br />
私は王宮に仕える身でありました…」<br />
ウトは壁に大切にかけられた剣を外すと、恭しくフィレーナに差し出す。<br />
「こうしてこの王家の剣をお渡しできる日が来ることを<br />
このウト、待ちわびておりました…」<br /><br />
『フィレーナの剣』をゲット<br /><br />
ウトは、国王の命令により帝国によって汚された海を<br />
綺麗な海水に変える実験を密かに行っていたと言う。<br />
そしてその成果は『フィレーナの剣』の中に納まっている。<br /><br />
「この剣の中に?」<br />
ウトは頷いた。<br />
「その剣から出る光は、汚れた海を元の美しい水に戻す力を持っています…<br />
この剣の力を、フィロセラの海で試していただきたいのです…」<br /><br /><a name="a82"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">82</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:27:55
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>突然、大人しかったギャッピーが屋内に向かって吼えた。<br />
「…帝国の兵士です!この場は私にお任せを。何とか切り抜けて見せます」<br />
ウトは本棚の仕掛けを動かし、隠し通路を開いた。<br />
「我が国王の願いを、是非とも叶えてください。そしてフィロセラの海を再び…」<br />
かつてフィロセラのあった地、ボーの南を目指すように言うと<br />
ウトは皆を通し通路を閉じた。<br /><br />
「フィロセラの希望の光よ…。どうかご無事で…!」<br /><br />
隠し部屋内に進入してきた兵士は変装を解いてバラバになった。<br />
応戦するウトを壁に押し付け、殺す。<br />
隠し通路の仕掛けに気がついたバラバは、先回りをすべく部屋を出て行った。<br /><br />
地下通路。<br />
階段を下りた2人と1匹。<br />
リラがフィレーナに尋ねた。<br />
「さっきウトさんが言っていたフィロセラ国王の願いって…?」<br />
「王国を再興する事…。<br />
帝国に滅ぼされた海洋王国フィロセラを、再び蘇らせる事さ…」<br />
まだ見ぬ王国に思いを馳せるフィレーナを見ながら、リラが呟いた。<br />
「フィロセラ…それがあなたの故郷なのね…。リラも故郷…欲しいな…」<br />
寂しい表情を浮かべるリラを見て、フィレーナは約束する。<br />
「リラ…君の故郷は、いつか必ずボクが見つけてあげるよ…」<br /><br /><a name="a83"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">83</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:28:28
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>通路を抜け、出口付近まで近づいた時<br />
リラが何かのかすかな音に足をとめた。<br />
フィレーナも気がつく。<br />
「シッ…静かに、もしかしたら…。こいつだっ」<br />
懐から小さな発信音を放つアルメイの星を取り出す。<br />
「私たちが持っているアルメイの星から…?」<br />
「鉱山現場からの脱走者を発見するための発信機かもしれない…<br />
リラ、アルメイの星を出して…」<br />
フィレーナは2つのアルメイの星を捨てた。むしろ壊せ。<br /><br />
『気づくのが遅すぎたな…』前方出口からバラバ22が現れた。<br />
「ウトとかいうジジイにあって、一体何を企んでいる?」<br />
「ウトさんに何をっ!」<br />
ゆっくりとフィレーナ達に近づくバラバ22。<br />
「死んでもらったよ、お前と関わったためにな…」<br />
引き返そうとした2人と1匹の前に瞬間移動で現れ道をふさぐ。<br />
戦闘開始。ボコる。勝利。<br /><br />
ウトの死を知り、肩を落とすフィレーナ。<br />
自分に関わって亡くなった人達を思い出す。<br />
「ボクが会いに行かなければ…」<br />
リラがその傍らに立ち、はっきりと言った。それは違う。<br />
「ウトさんは貴方に会えた事をあんなに喜んでいたじゃない!」<br />
悲しんでばかりはいられない、そうでしょう?と励ます。<br />
顔を上げ、リラを見る。<br />
「ありがとう、リラ…。君がいなければ…ボクは……」<br />
「2人で行きましょう…。貴方の国、フィロセラへ!」<br />
自分もいるとばかりにフィレーナに寄るギャッピー。<br />
2人と1匹は、フィロセラに目指して歩き出した。<br /><br /><a name="a84"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">84</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:28:59
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バイセーラ(行商人)の村・ベルーシ<br />
南下して村に到着。<br />
宿屋で出あったバイセーラが言うには、旧フィロセラ領に入るには<br />
さらに南の帝国軍事基地ルシベを超える必要があるという。<br />
「クレチアが基地に入れるはずないべさ。服着てけ(要約)」<br />
バイセーラの服を購入し、偽装していく事になった。<br /><br />
ベルーシ山を通って川を越えると、一軒の家があった。<br />
扉をノックしようとすると、中から怒鳴り声が聞こえてくる。<br /><br />
「何度言ったらわかるんじゃ!王様の額は、もっと聡明で威厳がおありじゃ!」<br />
その言葉と同時に中から黒髪の少女が飛び出してきた。泣き崩れる。<br />
「ううっ…あたしには無理よ…」<br />
心配したリラが事情を聞くと、祖父に絵を書き直すように言われたのだという。<br />
「わかった…お姉ちゃんが一緒に行ってあげるわ…」<br />
少女を伴い、家に入るリラと後を追うフィレーナ。<br />
ギャッピーは外でお留守番。<br /><br />
中では老人が一枚の絵を前に仁王立ち。<br />
「あんたらはだれだね?余計な口出しはせんでくれ。<br />
旅の人よ、ご親切はありがたいが…うん…!?」<br /><br />
老人の視線がフィレーナの顔の前で止まる。<br />
「こっ…これはっ!夢でも見ているのかっ、ソフィカ!ここに来なさいっ」<br />
呼ばれた少女がビクビクと老人の側へ行く。<br />
「じいちゃん、許して…」<br />
「いいからこの人の額をよく見てごらんっ!」<br />
少女をフィレーナの前に立たせると興奮して叫んだ。<br />
「生き写しじゃー!」<br /><br /><a name="a85"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">85</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:29:25
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>老人は、絵描きのヤコスだと名乗った。少女は孫のソフィカ。<br />
「じいちゃんは死ぬ前にどうしても完成させたい絵があるって…。王様の絵よ」<br />
祖父は手が不自由なので、変わりにソフィカが描いているのだと言う。<br /><br />
フィレーナにすがり、モデルになって欲しいと懇願するヤコス。<br />
「すごいわ、モデルだって!」と素直に喜ぶリラ。<br />
「いや…あの…」<br />
「承知してくださるんじゃなっ、ああ…これで絵が完成する!<br />
ソフィカ!もうひと頑張りじゃっ」<br />
「ちょっと…」と言いつつ引っ張られてイーゼルの前に立たされるフィレーナ。<br /><br />
外でお留守番のギャッピーが退屈そうに扉を見つめる。<br /><br />
絵を描くソフィカに、隣でリラが話しかけた。<br />
「王様の絵って、どこの国の王様なの?」<br />
「じいちゃんの生まれた国…。とても美しい国だったんだって<br />
でも今はもう消えちゃったの…」<br />
何かに思い当たるリラ。亡くなった国、フィレーナとよく似た王様。<br />
「ソフィカ!その話は人前でしてはならんとあれほど言ったじゃろうがっ!!」<br />
怒鳴るヤコスに謝るソフィカ。<br />
「ヤコスさん…、その王様ってフィロセラの…」<br />
その言葉を遮ったヤコスは、今すぐ出て行くように言った。<br /><br />
「…ヤコスさんたち、もしかしたらフィロセリアン(フィロセラ人)の生き残り?」<br />
「変な噂を立てられては迷惑じゃ!出て行ってくれ!」<br />
リラは気にせずフィレーナを指した。王女様デスヨ。<br />
飛び上がるヤコス。フィレーナが一歩前にでた。<br />
「ボクの名前はフィレーナ…。フィロセラ王はボクの父です」<br />
「なななっなんとっ」<br /><br />
急激に血圧が上がったジジイはムセた。<br /><br /><a name="a86"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">86</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:30:06
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>バラバ室。<br />
ボーで調査しているバラバから連絡が入ってきた。<br />
1<br />
「ボーの刀鍛冶の部屋から、フィロセラの実験道具が出てきた!?<br />
だからその刀鍛冶がフィロセリアンだというのか?」<br />
馬鹿馬鹿しい!と言う1。3はモヤモヤしてるっぽい。<br />
「…バラバ1、確かにフィロセリアンは16年前に全て息絶えた。…だが」<br />
1<br />
「フハハッ…、あのフィレーナがフィロセリアンだとでも言うのか?<br />
…フィロセリアンは国と共に16年前、この世から消えたのだ!」<br /><br />
ムセてベッドに運ばれたヤコス。<br />
落ち着きを取り戻すとフィレーナに話しかけた。<br />
「フィレーナ様…このヤコス、身を隠して生きてきた甲斐がございましたっ」<br />
そしてムセる。ソフィカが休ませようとするが王女の前で失礼だというヤコス。<br /><br />
待ちくたびれたギャッピーが鼻を鳴らして入ってきた。<br />
フィレーナはヤコスに約束をする。<br />
「フィロセラ王国が復活したら、きっと迎えに来ますよ…」<br />
感無量のヤコス。<br />
2人と1匹はソフィカに挨拶を済ませると、家をあとにした。<br /><br />
帝国軍事基地ルシベ。<br />
物物しい雰囲気に圧倒されつつもバイセーラの服に着替る2人。<br />
保安兵が近づいてくる。<br />
閉門の時間なので追い出されそうになるが、気が変わったのか<br />
中に入れてくれるという。どうやらリベート目当てらしい。<br /><br />
「どうせうるさい幹部達も、明日の朝まで戻って来んし…」<br />
保安兵について建物内へ。<br /><br /><a name="a87"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">87</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:30:43
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>部屋に連れていかれる途中で、陸軍幹部と鉢合わせした。<br />
「こいつらは何者だ!?」<br />
閉門時間なのに何故バイセーラがいるのがと問う幹部。<br />
焦る保安兵。<br />
「どうせリベートでも取るつもりだったんだろう。今回だけは見逃すが、今夜は徹夜で警備しろ」<br />
そういうと去っていった。ため息をつく保安兵。<br />
「まさか幹部殿がいらっしゃるとは…<br />
クレチア反乱軍の取り締まりで、明日まで戻らんと思ってたが…」<br />
明日の開門時間まで目立たないように、と釘をさされ保安室に通された。<br />
門は朝にならないと開かないので休む事に。<br /><br />
『全く、クレチア相手に何をやっているんだ!<br />
我々は陸軍隊なんだぞっ、情けないとは思わんのか!』<br />
怒鳴りながら陸軍幹部が保安室に入ってきた。<br />
ベッドで休むフィレーナ達を発見してブチキレる。<br /><br />
慌てて部屋から出ようとするフィレーナ達だったが<br />
ベッドに『フィレーナの剣』を置き忘れてしまった。<br />
目ざとく発見した幹部は、剣を手にして不審に思った。<br />
「バイセーラが何故帝国製ではない武器を持ち歩いているんだ!?」<br />
幹部に身体検査をされそうになったので<br />
「何故逃げる!?」剣を取り返して逃げた。<br /><br />
部屋を出たところで幹部の怒鳴り声が響く。<br />
「そのバイセーラをひっとらえろ! 反乱軍の一味だっ」<br />
バイセーラの衣装を脱ぎ捨て、保安兵たちと戦闘。勝利。<br />
建物内に響くアラーム。<br />
入り口の扉はロックされているので、仕方なし建物を奥へ。<br /><br /><a name="a88"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">88</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:31:14
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>上まで上がると、扉の奥から何故か幹部が。不敵に笑う。<br />
「私はガイラス…。ルシベ陸軍隊の隊長にして、黒い悪魔のサブリーダーだ!」<br />
そういうとバラバに姿を変えるガイラス。<br />
「く、黒い悪魔のサブリーダー!?」<br /><br />
戦闘開始。倒す。勝利。<br />
「ブ、ブレーン様…。後は…た・の・み……」消滅するガイアス。<br />
「サブリーダーって言ってたわね。って事はリーダーもいるの?」とリラ。<br />
「死ぬ間際に確か、ブレーンとか言ってたな。早く脱出した方がよさそうだ!」<br />
そういうとフィレーナは扉の奥に進んだ。<br /><br />
そこは巨大な機械が並ぶ部屋だった。コンピュータの前でリラが立ち止まる。<br />
「リラ…?」<br />
「このコンピュータで出口を開門できるか試してみる…<br />
エンターテイメント・クレチアは何でもできるように教えられているの」<br /><br />
そう言うとリラはサブコンピュータにアクセスする。<br />
ロック解除に成功。<br />
出口へ向かおうとするフィレーナに、リラが声をかけた。<br />
「これ見てっ」<br />
巨大画面に映し出されたのは、フィレーナとリラの映像だった。<br /><br />
「見てっ、このデータ…」<br />
そこにはフィレーナとリラの情報以外にも<br />
ドラを出てから出あった人物、辿ってきた足取りまで詳しく乗せられていた。<br />
フィレーナが部屋を見渡して言った。<br />
「いったい、この部屋は…、機密情報兵団の支部か…<br />
それとも帝国軍の情報部…。リラ、とにかく早く出よう!」<br />
リラは脱出前にコンピュータのデータを消そうとするがサブコンピュータに拒否された。<br />
ここでは機密情報は消せないという。<br /><br /><a name="a89"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">89</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/16(木) 20:31:44
ID:47cz1PmH</font></dt>
<dd>オート・パワーオフ。<br /><br />
「何これっ、コンピュータが勝手にパワーを切っちゃったわ」<br />
フィレーナはリラを促すとコンピュータから離れようとした。<br />
突如、電源が落ちたはずの画面に映る黒い悪魔の姿。<br />
「お前はっ!!」<br />
画面の中から話しかけてくる相手。<br />
「部下のガイラスが大変世話になったようだ…」<br />
そう言うと、画面から消え、次の瞬間にはフィレーナ達の前に立っていた。<br />
青い光を体から放ちながら悪魔は名乗った。<br />
「我が名はグランブレーン。黒い悪魔のリーダーだ!」<br />
急速に膨らんだ青い光がフィレーナ達をはじく。<br />
戦闘開始。<br />
「このグランブレーンと闘おうなど、10年早いわ!」<br />
倒す。勝利。<br /><br />
グランブレーンは画面に溶けいるように消えた。<br />
どこからか声が聞こえる。<br /><br />
『アッハハハハ…ねぇ、どうして?』<br />
周囲を見回す2人と1匹。<br />
目の前にカプセルに入った胎児が浮かんでいる。胎児は語りかけてくる。<br />
『ねぇ、どうしてにくまないの…?』<br />
カプセルは2人と1匹の頭上を通過した。<br />
『にくまなくちゃっ…。もっと、にくまなくちゃっ』<br />
無邪気にそう言い残し、カプセルと胎児は消えていった。<br /><br /></dd>
<dt><a><font color="#000000">150</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:02:25 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>「フィレーナ…、今のは何?カプセルに入った、赤ちゃんが…」<br />
「分からない…、ボクらに何かを伝えようとしていたような…」<br />
謎がモヤモヤ消えないまま、フィレーナ達は建物を脱出した。<br /><br />
外の風に触れたリラが深呼吸する。<br />
「どうにか脱出できたみたいね…」<br />
「リラ、ケガはないか?」<br />
なんのこれしき!と元気をアピールするリラ。<br />
フィレーナは、フィロセラが近づいている事を感じる。<br />
「何が起こるかはわからないが…」<br />
「分かってる…でも悪魔のリーダーを倒したんだもん<br />
もう怖いものなんてないわ…」<br /><br />
そういうとフィレーナを抱きしめる。<br />
「ちょ、ちょっとリラ…。もう少し離れてくれないか!?」<br />
リラは膨れた。<br />
「…んもうっ、せっかくムードを出してるのに…」<br />
しぶしぶフィレーナから離れると笑顔を見せた。<br />
「リラは奥さんなんだから、たまには甘えさせてくれてもいいんじゃない?<br />
恥ずかしがりやなんだから…」<br />
フィレーナは瞬きし、ギャッピーは器用にため息をついた。<br /><br />
西のママミア橋を渡り、さらに西へ。<br />
海沿いに立てられた小屋を尋ねると、ギャッピーと色違いの犬が奥へ逃げていった。<br />
どうやらここが旧フィロセラの領地らしい。<br />
ここに住む漁師のクリムさん曰く、海には汚れていて出られないとの事。<br /><br /><a name="a151"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">151</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:03:08 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>海の水を綺麗にする力を秘めた『フィロセラの剣』。<br />
ウトの言葉を思い出し、フィレーナは浜辺に立った。<br /><br />
「何をするの…?」<br />
「試してみる。『フィレーナの剣』が持っている、海を生まれ変わらせる力を!」<br />
リラは広い海を眺める「本当にそんな事…」<br /><br />
フィレーナはリラとギャッピーを下がらせると、剣を掲げた。<br />
『フィレーナの剣』から浄化光線が発せられた。<br />
青い光が海上を走っていく。<br /><br />
沈黙。<br /><br />
変化の起こらない海を眺めて、フィレーナが1人と1匹に向き直った。<br />
「ダメだ…何も…」<br />
地面が揺れる。海が震えた。<br />
「何が起きてるの!?」とリラ。<br />
海を見たフィレーナが叫んだ。<br />
「リラ!アレを!!」<br /><br />
フィレーナが指差す先。<br />
海が揺れ、波しぶきが上がり、ゆっくりと海中から建物が浮上してきた。<br /><br />
フィロセラ王宮。<br /><br />
浮上した城は、フィレーナ達が立つ浜辺へと到着した。<br />
「ドラの情報管理局で見た王宮の映像と全く同じだ…」<br />
「これが…、フィロセラ王宮?」<br />
門へと近づく2人と1匹。リラが扉を開けようと手をかける。<br />
ビクともしない。ついでに鍵穴もない。<br />
「王宮に入るにはいったい、どうしたら…」<br />
リラが門の側の人魚の像に近づいた。<br />
「フィレーナ、来てっ!人魚像に何か書いてあるみたい」<br /><br /><a name="a152"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">152</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:03:40 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>像に書かれていたものはフィロセラ文字だった。<br />
「ゼナじいさんから教わった文字…」<br />
「フィレーナ、読めるの?」<br />
頷く。文字を読むフィレーナ。<br /><br />
『開けたかったらフィロセリアン2人で人魚像に触ってね。<br />
でもフィロセリアンじゃなかったら海の藻屑(要約)』<br /><br />
「帝国の手から王宮を守るために<br />
…多分、フィロセラ王がこの門に仕掛けを施したのね…」<br />
フィレーナ以外のフィロセリアンをリラは考える。<br />
「水車小屋のヤコスさん!フィレーナ、頼みにいきましょう」<br />
来た道を戻ることになった。<br />
(ちなみに漁師のクリムさんはラリテニアン。<br />
亡くなった嫁さんがフィロセリアンなんだそうです)<br /><br />
ママミア橋を渡り、ルシベの軍事基地を通り、戻ってきました水車小屋。<br />
家にいたのはヤコスだけだった。<br />
「孫は薬を買うため、外に出ておりまして…<br />
でもご安心めされ…。王女様のためなら、このヤコス…」<br />
咳き込んだ。<br />
フィレーナを引っ張って下がるリラ。<br />
「あきらめましょ…フィレーナ。あの体じゃ…」<br />
流石に老人のヤコスにフィロセラまでの旅は辛いと思ったようだ。<br /><br /><a name="a153"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">153</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:04:14 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>フィレーナはベッドの側まで戻ると、ヤコスの身体を案じた。<br />
「しかし、フィレーナ様…。私に何か頼みごとがあったのでは…?<br />
王宮が復活するという大事にこんな身体になってしまうとは…」<br />
ヤコスはフィレーナとリラに向かって詫びた。<br />
「申し訳ありませぬ…フィレーナ様…フローラ様…」<br /><br />
リラがフローラって?と尋ねる。<br />
ヤコスは謝ると、リラとよく似ている娘の話をした。<br />
「フローラ様は若い頃の知り合いで、それは美しい娘でした……」<br />
「私に似た人がフィロセラに…?」<br /><br />
長話はヤコスの老体に悪いと思ったフィレーナが、一旦中断させる。<br />
家の外で話す2人と1匹。リラは先ほどから何か考え込んでいる。<br />
「フィレーナ…もしもフィロセリアンが見つからなかったら…<br />
…ヤコスさんが言っていたフローラって女性…<br />
もしかしてリラのお母さんだったりしてっ!」<br />
自分で言って黙る。<br />
「…そんなはずないわね…。さてと、占い師にでも頼る?」<br /><br />
リラがそういうので、ベルーシの占い師の下に行ってみる事に。<br />
「探す人はすでに見つかり、汝の目の前に…」と出た。<br /><br />
水車小屋でソフィカを待とうにも(多分イベントが終わるまでは)<br />
帰ってこないと思われるので、フィロセラに戻ることにした。<br /><br />
結局手がかりのないまま、王宮入り口に戻ってきてしまった。<br />
リラが門に近づき、自分に試させて欲しいという。<br />
「試すって、何を?」<br />
このフィロセラがとても懐かしく思えると言うリラ。<br />
「ヤコスさんが言っていた、フローラという女性は<br />
もしかしたら…、リラの…」<br /><br /><a name="a154"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">154</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:04:53 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>フィレーナがリラに問いかける。<br />
「分かっているのか?<br />
フィロセリアン以外の者が人魚像に触れれば海の藻屑となって…」<br />
リラは覚悟を決めていた。フィレーナの役に立ちたい。<br />
「どうして…、そこまで…」<br />
「あなたが好きだからよっ!」<br />
そう言うとリラは、フィレーナが止める間もなく人魚像に触れた。<br /><br />
「リラッ!!」<br />
駆け寄るフィレーナにリラは言った。<br />
「フィレーナ…早く、手が…とける…」<br />
「なんてバカな事を!」<br />
フィレーナは後ずさると、対となる人魚像に触れた。<br />
震える王宮。<br />
地響きと振動にギャッピーがぺちょんと伏せた。<br /><br />
人魚像の前で倒れている2人。<br />
王宮の門は開かれた。<br />
2人の間を通り、ギャッピーが入っていく。<br /><br />
意識を取り戻したフィレーナは、リラを揺さぶる。<br />
「……リラ…、リラ…返事をしてくれ!」<br />
リラは倒れたまま答えない。顔を伏せるフィレーナ。<br /><br />
リラが目を覚ました。まだ夢を見ているような顔だ。<br />
「…リラ!」<br />
「…リラがフィレーナと同じフィロセリアンだったなんて…」<br />
ぼんやりそう言うと、視線を落とす。<br />
「…どうしたのかしら…。嬉しいはずなのに…涙が…とまらないの…」<br />
涙を見せないように背を向けたリラにフィレーナは言った。<br />
「さあ、リラ。王宮に入ろう…」<br /><br /><a name="a155"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">155</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:05:28 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>王宮内。先に入ったギャッピーはそこで待っていた。<br />
「…素敵な王宮ね…」辺りを見回しリラが言う。<br />
十数年間海中に沈んでいたにも関わらず、全てが新しかった。<br />
「ドラの家とは大違いだわ」<br /><br />
そしてフィレーナの正面に立つ。<br />
「帰ってきたご感想は?フィロセラの王女さま?」<br />
はしゃぐリラとは対照的に、静かなフィレーナ。<br />
「リラ…、わからないんだよ…<br />
ウトさんの言ったとおり、海も、王宮も復活させた…<br />
でもフィロセラを復興させるには、これから何をすればいいんだ…」<br /><br />
1人先へ歩き出し、立ち止まって叫んだ。<br />
「王国を復活させるために、ボクは何をすればいいんだっ!!」<br />
リラはなだめるように言った。<br />
「あなたへのメッセージが、王宮のどこかにあるかも…<br />
ここでくじけちゃダメよっ」<br /><br />
宝箱をあさりながら王宮内を歩きまわり王座にたどり着いた。<br />
王と王妃の玉座の間に立つと、どこからともなく優しい声が聞こえてくる。<br />
『お帰りなさいフィレーナ…そしてフィロセラの民よ…<br />
お前たちの帰りを、長い間待ち望んでいました…』<br />
声はフィレーナに告げた。<br /><br />
『6つの灯台を直してフィロセラ復興プリーズ(要約)』<br /><br />
灯台の台座に"フィロセラの希望(宝石)"をはめると、光が戻るのだと言う。<br />
声は、まず宮殿の近くにある第1灯台の明りを灯すように告げると聞こえなくなった。<br /><br /><a name="a156"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">156</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:06:08 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>王宮の外にでて、灯台へ向かおうとすると何やら浜辺に集団が見える。<br />
浮上した王宮を見て騒ぐ男の1人に話しかけると<br />
『オルカのフィレーナ』と名乗った。<br /><br />
自分の名前に、思わずフィレーナが聞き返す。<br />
デビス帝国と闘う反乱軍だという。(オルカは男の名前)<br /><br />
「俺たちの他にも反乱軍は大小いくつもあるがな。今、世界中で結成されているんだ」<br />
「フィレーナ、この人たち怪しくない?」<br />
リラの言葉にオルカが反応した。<br />
「俺たち反乱軍と同じ名前とは奇遇だな…」<br />
"フィレーナ"という名は、いまや反乱軍のシンボルなのだと言う。<br />
奇遇ついでにオルカの仲間に誘われるが、フィレーナは断った。<br /><br />
「…せっかくだが、ボク達もボク達なりに自由の為に闘っているんだ…」<br />
オルカはフィレーナの両隣を見ると、鼻で笑った。<br />
「たった2人と犬1匹でか?ハハハッ」<br />
後ろに並んでいた反乱兵の1人が、オルカの背中をつつく。<br />
「リーダー、この男、もしかしたら地下新聞の記事の…」<br />
オルカは首を振った。<br />
「そのフィレーナはラリテニアでの戦争で死んだと、地下新聞にも書いてあったはずだ」<br /><br />
フィレーナが地下新聞について尋ねた。<br />
「帝国軍と闘ってるくせに、お前地下新聞も知らないのか?<br />
バトル作家だった男が発行している全国の反乱軍向けの秘密新聞だ」<br />
何でもその作家の書く、帝国にたった1人で反逆を起こした脱走バトラー<br />
フィレーナの記事は大人気で、多くの反乱軍がフィレーナの名を名乗っているのだと言う。<br /><br /><a name="a157"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">157</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:06:40 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>そうしてオルカたちは去っていった。<br />
最後に振り返って忠告する。ママミア橋辺りで<br />
帝国軍と反乱軍の攻防戦がはじまるらしい。気をつけろよ。<br /><br />
橋での騒動も気になるが、とりあえず北の第1灯台へ向かう。<br /><br />
○第1灯台<br />
灯台に残されたフィロセラ古文書を発見。<br />
それによると、海洋王国フィロセラはデビス帝国に次々と国が支配されていく中<br />
6つの灯台の光と強大な海軍力で対抗していたらしい。<br />
フィロセラと闘うことは、すなわち陸VS海。<br />
勝負の鍵を握るのは6つの灯台の光だと記されていた。<br />
フィロセラ王は、灯台が光を失った場合の復活方法を作った。<br />
作られた灯台の順番どおりの台座に、"フィロセラの希望"をはめ込む事である。<br />
全ての灯台に光が戻った時、奇跡はおきるという。<br /><br />
最上階には、黒く濁った玉が浮かんでいた<br />
フィレーナが台座に宝石をはめ込むと、玉は青い光を放ち、輝きを取り戻した。<br /><br />
漁師のクリムさんに船を借り、次の灯台があるライ島へ。<br />
2人と1匹が島に下りると、乗ってきた船が流されて陸地から離れていった。<br />
「クリムさんの船が…、どうしよう、フィレーナ」<br /><br />
どうしようもないので先へ進む。<br /><br /><a name="a158"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">158</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:07:07 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>○第2灯台<br />
台座に宝石をはめ、同じように輝きを取り戻した。<br />
…と、はしごを登って老人が現れる。<br />
「こんなところまで入り込んだか、このモンスターめ!」<br />
何か勘違いしている老人をギャッピーが威嚇した。<br /><br />
ふと台座を見た老人は、変化に気がついて驚きの声をあげた。<br />
「信じられん…台座が復活しておる!こいつはもしや、あんたらがやったのか?」<br />
リラが答えた。<br />
「そ、そうですけど…、あの、おじいさんは?」<br />
「こんな事はできるのは、この星にただお1人だけ…」<br />
じじいはリラを抱きしめた。<br />
「生きておいででしたかっ、フィレーナ王女様!!」<br />
「フィレーナは、と・な・り!」<br />
慌てて離れる老人。フィレーナの持つ宝石を見て、謝罪する。<br /><br />
じじいはここの灯台守だった。2人と1匹を案内し、地下の部屋を訪れる。<br />
乗ってきた船が流されてったので帰れないッスと説明した。<br />
話を聞いたじじいは、何やら考え込んでいたが<br />
第1灯台も復活した事を知ると部屋を探し回り、マリンコンパスを手に戻ってきた。<br />
「マリンコンパス?」<br />
「はい、これさえあれば、なんの心配もなく大陸へ帰ることができます…」<br />
明りの灯った台座の前で使うと、復活した灯台の間を行き来できるという。<br />
そう言ってフィレーナに手渡す。<br />
「これからの道中、お気をつけて…」<br /><br /><a name="a159"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">159</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:07:33 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>第2灯台の台座から、マリンコンパスを使って第1灯台に移動する。<br />
とりあえずクリムさんに船の事を謝りに行った。<br />
ボロ船だし、気にせんでええだトホホと言ってくれる。<br />
それより、不在の間に男が2人を探して訪ねてきたという。<br /><br />
「怪しかったからルシベに言ったと嘘ついてやっただよ(要訳)」<br /><br />
じいちゃん、それはネストだ。<br />
心遣いに涙しながら、ネストと第3灯台を探すためルシベ方面に戻る事に。<br /><br />
ママミア橋。<br />
帝国軍と反乱軍のぶつかりあった後があちこちに見える。<br />
リラは橋の途中で立ち止まり前方を指差した。<br />
向こうもこちらに気がついたようだ。<br />
「フィレーナ…フィレーナじゃないか!それに、リラ!!」<br />
ネストを発見。<br />
「…よく、生きていたな!」<br />
「ネストこそ」<br />
「俺は物書きだ、書き残したもんがあるうちはそう簡単に死ねんよ」<br />
2人とも元気そうでよかった、と喜ぶネスト。<br /><br />
背後の岩に帝国兵が潜みこちらの様子を探っている。<br /><br />
「フィレーナ…、あちこち流れ歩いているうちに俺はようやくつきとめたんだ!」<br />
リラは首を傾げる。<br />
「…?いったい何の話?」<br />
ネストは、敵の正体だといった。ボーの神殿にいる大祭司。<br />
その人物が帝国を操っているのだという。<br /><br /><a name="a160"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">160</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/21(火)
20:08:05 ID:6gEDdeaG</font></dt>
<dd>「ボーの大祭司を消せば、帝国はその機能を失うことになる!」<br />
デラシーナで別れてから、ネストは単独でフィレーナの事情を調べていた。<br />
「なんたってお前は、俺が発行している地下新聞じゃ<br />
反デビス帝国のシンボルとして反乱軍兵士のヒーローだからな。<br />
鍛冶屋のウトさんのことも分かった…。俺は帝国機密の一部を知ったよ…」<br />
ギャッピーが背後の兵士に気がついた。<br /><br />
バラバ室。<br />
バラバ3が、サブリーダーとリーダーの生命シグナル消滅に動揺している。<br />
1は気にする様子もない。<br />
「それがどうした…。機密情報兵団の建て直しなら、俺1人でもできる。<br />
それよりも今すべきことは、我らデビス帝国に刃向かう反乱軍を始末することだ!」<br /><br />
ママミア橋。<br />
ネストが背後の帝国兵士を撃った。<br />
「びっくりした…、今のは、帝国の兵士?」<br />
襲われるのはしょっちゅうだというネスト。<br />
「何しろ、帝国と反乱軍で戦争が始まったんだからな」<br />
フィレーナに向き直るネスト。<br />
「フィレーナ、大祭司を倒しに行こう<br />
さっきお前が言っていた、フィロセラの復興だって<br />
目的は帝国を倒すことだろ?<br />
今ならボーの警備も、外の戦争に人手をとられて手薄になってるはずだ」<br /><br />
ネストの話を聞いたリラは、フィレーナに問う。<br />
「フィレーナ、灯台の復活は?」<br />
「帝国を倒してからでも遅くはないと思う…」とフィレーナ。<br />
喜ぶネスト。<br />
「決まったな!目指すは、大祭司のいる神殿の町、ボーだ!」<br /><br /></dd>
<dt><a><font color="#000000">286</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:12:26 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>呼ばれて来ましたよ。<br />
――――――――――――――――<br />
ウトに逃されて通った地下通路からボー内部に潜入。<br /><br />
大祭司を見つけたい→居場所分からない→祈祷場の祭司が知ってるらしいよ→<br />
祈祷場へ向かう→兵士が通せんぼ→『信者の証』持ってないヤツ入れないネー<br /><br />
マタカヨーと歩き回っていると、クレチア地区の女性が<br />
「夫と脱走して反乱軍に入るからもう要らんわー」と証をくれる。<br /><br />
祈祷場で祭司に大祭司の居場所を聞いてみるも<br />
「大祭司さまはお忙しいんじゃヴォケ(要約)」と教えてもらえない。<br />
そのまま辺りを探っていると、右奥の壁が動き、奥にテレポート用の床発見。<br />
ワープ。<br /><br />
着いた部屋でリラが悲鳴に近い声をあげた。<br />
「な、何てことを!」<br />
部屋にある幾つもの巨大な水槽のような筒状のカプセル装置。<br />
その中でゆらゆらと漂う何人もの裸の女性。<br />
隣の部屋にも女性達が人形のように重なって倒れている。<br />
動かない。死んでいる。<br />
足元には見覚えのある猫耳仮面の衣装が脱ぎ捨てられていた。<br /><br />
フィレーナが呟く。<br />
「ミメズたちだ…」<br /><br />
ネストが装置に近づく。<br />
「モルモットにされているんだ…、人体実験のモルモットに…!<br />
うすうす分かってはいたが、これが帝国の正体…!!」<br />
デビス神に仕える為に入信し、都に到着したミメズ達は全て実験台にされていた。<br />
踊る意味はあったのか。<br /><br />
「新しい"純種"を作るためなら何をしても許されるというのか…?<br />
このやり方…、悪魔に魂を売っているとしか思えん…」<br />
「許せない…絶対に許せない!!」<br />
フィレーナは怒りをあらわにする。<br /><br /><a name="a287"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">287</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:13:27 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>マスターコンピュータが侵入者を発見する。<br />
『実験室に侵入者有り…ドアを全てロックします…』<br />
閉じ込められる3人と1匹。<br />
順調に来られたのは罠だったのかと言うネスト。<br /><br />
マスターコンピュータがメッセージを表示する。<br />
『進化プログラム…実行待機中…<br />
"進化プログラム"とは…<br />
優れた遺伝子を結合し合い成長時間をコントロールする事で<br />
さらに優れた人間を作る実験<br />
"モルモット"、"ミメズ及び子供"<br />
……モルモット不足により<br />
実行待機中…、次の命令を待ちます』<br /><br />
壁が開く。<br />
「皆さん、お待ちしてましたよ」<br />
青年が出てきた。<br />
「……やあ、みなさん…。ボクが誰だか、分かりますか?<br />
フィスですよ…。ミリカの息子のフィスです…」<br />
「…フィス?」<br />
面影はあるがどう見ても大人だ。<br /><br />
驚くフィレーナを見て、フィスは言った。<br />
「無理はないですね…、前に会った時、ボクはほんの子供でしたから…<br />
進化プログラムのお陰で、こんなに早く成長したんですよ…<br />
今じゃボクは帝国軍の幹部です」<br /><br /><a name="a288"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">288</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:14:08 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>「トマの幽霊屋敷で会ってからそんなに日は経ってないわ…!」とリラ。<br />
フィスはその言葉を笑う。<br />
「それが進化プログラムの成果ですよ」<br />
そしてフィレーナを見る。<br />
「さあ、大人になったボクと勝負しよう!<br />
…どうしたフィレーナ、ボクが怖いのか!!」<br />
リラが止めようとするがフィスに突き飛ばされ倒れる。。<br />
邪魔をすれば女でも容赦しませんよ、そう言ったフィスを睨むフィレーナ。<br /><br />
起き上がったリラが、自分は大丈夫だと言う。<br />
「フィスは敵じゃないわ…。帝国に騙されているのよ<br />
お願い、フィスと闘わないで!」<br />
叫ぶフィス。<br />
「今度こそ復讐してやる!」<br />
戦闘開始。<br />
「どうしたフィレーナ、何故本気で闘わない!<br />
父さんを殺せたなら、ボクも殺せるだろ!」<br /><br />
「フィス、誤解よ!あれはドラのバトルショーで…」<br />
リラの言葉にフィスは耳を貸さない。<br />
「父さんだけじゃない!ボクの母さん…<br />
ミリカもお前に…ゴア橋で突き落とされて…<br />
だからボクは…死んだ父さんと母さんの為に…」<br />
どうも進化の他にもプチ洗脳入ってる模様。<br /><br />
フィスに駆け寄るリラ。<br />
「ミリカさんは復讐なんて望んじゃいないわ!」<br />
フィレーナは剣を構えない。<br />
「ボクは闘わない…」<br />
「何を言う!」<br /><br /><a name="a289"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">289</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:14:50 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>リラが、いつかフィスに形見として渡すため<br />
大切に持っていたミリカの笛を手渡した。<br />
「母さんの笛…」<br />
「覚えていたのね…」<br />
「母さん…、母さんの笛の音が聞こえる…」<br /><br />
ミリカの言葉がフィスの中で蘇る。<br />
『フィス…あたしの可愛い息子…』<br />
記憶の中で母を捜すフィス。闇の中でミリカの姿を見つけた。<br />
母は我が子に語りかける。<br />
『憎むべき相手は、フィレーナじゃない。<br />
全ては帝国の作り話さ…。あたしはいつも、お前の心の中にいるよ…』<br />
「母さんっ! 母さん…」<br />
消えていく母の姿を見つめるフィス。<br /><br />
フィレーナの声で意識を取り戻す。<br />
「大丈夫かい…」<br />
「今、ボク、母さんと話していたんだ…」<br />
「ミリカさんと…!?」<br />
「母さんがボクの心の中で、本当の事を教えてくれたんだ…<br />
どうやらボクは…帝国に…だまされて…いた…よう……」<br />
足元がふらつき、床に膝をつくフィス。<br /><br />
「ウッ…、どうやら…寿命が…来たみたいだ…」<br />
実験で急激に成長した彼は、副作用で死も早く訪れる。<br />
フィスは、帝国の中心には自分と同じ成長実験の犠牲者がいると言った。<br />
「帝国の中心は…大きな海で隔たれた…南の…大陸…に…塔…が…」<br /><br />
死が間近に迫るフィスは、最後の力を振り絞ってメインコンピュータにアクセスした。<br />
命令受理。<br />
『まもなくSD命令を実行します…』<br /><br /><a name="a290"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">290</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:15:33 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>「間もなく、ボーは…崩壊します…」<br />
早く脱出を…。そういうとフィスはゆっくりと歩き出す。<br />
「フィス…!」<br />
「追わないで…。死ぬ時は…1人で…」<br />
一歩一歩歩きながら、フィスは言う。もう誰も恨まない。<br />
ただもう一度、母さんと光の中で…。<br /><br />
フィスは、母との思い出を口にする。<br />
「人は、自然のまま…、ゆっくりと大人になる方が…<br />
幸せ…です…よね…」<br />
後を追おうとするリラをフィレーナがそっと止めた。<br />
「フィスの言うとおりだ…。自然に逆らっては、いけない…」<br /><br />
メインコンピュータが命令を実行しだした。<br />
『神殿破壊プログラムを実行します』<br /><br />
「早く脱出しよう!」<br />
ネストの言葉に頷くと、フィスが出てきた壁の扉からテレポート装置で移動する。<br />
「ここはどこ?」<br />
「わからん…、だいぶ下に降りたからな…」<br />
用心しながら直線の通路を走りに走って、どこかの部屋に到着。<br /><br />
入るなり唸り、走り出すギャッピー。<br />
3人が後を追うと、男の声が聞こえてきた。<br />
「どうやらフィスは私の見込み違いだったようだ…」<br />
奥でメインコンピュータにアクセスする男。<br />
SD命令を解こうとするが、ガッチリロックで取り消しがきかないようだ。<br />
ネストが男を見て声をあげた。<br />
「だ、大祭司!!」<br /><br /><a name="a291"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">291</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:16:12 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>振り返る大祭司。ロック解除の権限もないのか大祭司。<br />
「フフフ…、全ての暗黒を自由に操る神の分身…」<br />
イってる台詞を吐くと、瞬間移動でフィレーナの前に現れた。<br />
「お前がフィレーナか…。フィスと闘って素直に死んでいればいいものを…」<br />
自分を狙っていたことは、最初から知っていたという大祭司。<br />
「あのガキが裏切り、神殿が消えようとも<br />
この星の支配者は変わらんっ。今こそ暗黒の力を見せてやる!」<br /><br />
タコ殴り。勝利。<br />
「デビスの神に…栄光…あ…れ…」<br /><br />
大祭司から『オーロラパウダー』を手に入れた。<br /><br />
揺れが激しくなる神殿。<br />
「神殿が崩れ落ちるぞ!」<br />
「でも、どこから出れば…?」<br />
「隠し扉があるはずだ!!」<br />
ネストが走り、壁を探り扉を開く。その手際のよさはまるでスパイ。<br />
急いで走りテレポート装置に乗る3人と1匹。道は地下2階のバトル場に繋がっていた。<br />
クレチア地区を走り抜ける途中で、ネストが1人別方向へ走り出すが<br />
フィレーナ達は気づかない。<br /><br />
バラバ室<br />
神殿の異常に気がついたバラバ3が驚く。<br />
「神殿のコンピュータがSDプログラムを実行している!」<br />
1<br />
「大神殿の自爆プログラムか…。大祭司が命令したのか?」<br />
3<br />
「今調べてるところだが…大祭司と通信ができんのだ!」<br /><br /><a name="a292"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">292</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/06/27(月)
22:16:42 ID:z75VKJ8R</font></dt>
<dd>ボーの神殿は内部から崩壊した。<br />
後には巨大な穴。<br />
ボーの入り口で2人と1匹は振り返り、ネストがいない事に気がついた。<br />
「ネスト…」<br />
「…嘘でしょう…ネストさん…」<br />
俯くリラとフィレーナ。<br />
2人を見ていたギャッピーが、ふいに建物の中に入っていく。<br />
「ギャッピー…?」<br />
戻ってきたギャッピーの後ろについて現れるネスト。<br />
無事を喜ぶ2人。<br /><br />
「書き残したものがあるうちは簡単には死なんと言っただろ…?」<br />
残っていたクレチアを、ウトの部屋の地下通路から逃がしてきたという。<br /><br />
振り返って、崩壊した神殿を見るネスト。<br />
リラが残った人たちを心配する。<br />
「宿屋のおっさん達はしっかり生き残っていたよ。<br />
全く、運がいいっていうか…、さてと、これからどうする?」<br /><br />
フィスが言い残した帝国の中心について考える。<br />
リラが思い出しながら答える。<br />
「帝国の中心は、遙か南の大陸にあるって…」<br />
ネストも考える。<br />
「だが南の大陸に行くには、海を渡る船がなければ…。それに…」<br />
フィレーナが言葉を繋げる。<br />
「それに、明りのない海じゃとても航海はできないと言うんだろ?<br />
それなら、まず灯台を復活させよう」<br /><br />
今度はボクらに付き合うかい?<br />
フィレーナはネストに男前な誘い文句を言った。<br /><br /></dd>
<dt><a><font color="#000000">377</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:56:14 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室。<br />
ボー神殿は崩壊した。怒るバラバ1。<br />
「大祭司ともあろう者がなぜSD命令など発したのだ!」<br />
3<br />
「バラバ1…、もしも都を失えば我々の戦いは、かなり不利に…」<br />
1<br />
「うろたえるな!帝国のシンボルが消えただけだ!」<br />
通信兵に命を出す。<br />
「すぐに帝国の全部隊に伝えろっ!クレチア相手と言えども、全力で叩き潰せとな!」<br />
通信兵退出後、別の通信兵が入ってくる。<br />
「反乱軍の名前がわれました!いくつかのグループがありますが<br />
みな同様に『フィレーナ』の名を…」<br /><br />
○第3灯台に到着するが、男が入り口の前で眠っていて入れない。<br />
起きる気配がしないので、一旦別の場所へ行く事にした。<br /><br />
○第4灯台へ到着するが、男が入り口の前で作業をしていて入れない。<br />
灯台守かと思いきや、勝手に住んでいるだけだと言う。<br />
勝手に居ついてる男ミートは、道具箱の鍵がないから扉を開けられないとのたまう。<br /><br />
兄に道具箱を借りたはいいが、鍵を忘れるルーズぶり。<br />
「兄貴から鍵借りてきてー」<br />
灯台に入れなくては意味がないのでおつかいを引き受ける。<br />
兄貴ローフについて聞くと、どうも第3灯台で寝こけてる男のことらしい。<br /><br />
第3灯台に戻り、まだ眠っているローフを無理矢理起こす。<br /><br /><a name="a378"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">378</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:56:47 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ部屋。<br />
怒りっぱなしのバラバ1。<br />
「帝国軍はたかがクレチア相手に一体何をしているのだっ!」<br />
通信兵<br />
「バラバ様!ボーの復興には相当時間が…」<br />
1「放っておけ!」<br />
3「バラバ1…、何かをせんと…」<br />
1「…わかっているっ、俺に指図をするな!」<br /><br />
○第3灯台<br />
弟のマヌケさに呆れると、ローフは道具箱の鍵を渡してくれた。<br />
「さてと、散歩でもするかな…」<br />
やっと入り口からどいてくれたので、中に入る。<br />
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br /><br />
○第4灯台<br />
ミートに鍵を渡すとウヒョーと喜ぶ。<br />
道具を使い灯台の鍵を開けると、やはり散歩に行ってしまった。<br />
やっと入り口からどいてくれたので、中に入る<br />
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br /><br />
○第5灯台<br />
入り口で立つ男は、灯台ガイドのミゴだと名乗った。<br />
灯台に入りたいと言うと、入場料として1000クリス取られる。<br />
「中でも家族が大サービスしとりまっせ~」<br /><br />
どの灯台にも、地下から上まで一気にいけるエレベーターがついているのだが<br />
この灯台は使用禁止にされている。<br /><br />
仕方がないので階段で行こうとすると、その前に立つミゴの弟に1000クリス取られた。<br />
上の階、ミゴの兄に1000クリス取られた。<br />
その上の階、ミゴの従兄弟に1000クリス取られた。<br />
サービスってこれか。<br /><br /><a name="a379"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">379</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:57:08 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>ようやく到着最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させる。<br />
残る灯台はあと一つ。リラが疑問を口にした。<br />
「海に明りが灯ったところで、南の大陸に渡る船はどうやって手に入れるの?」<br />
とりあえず全ての灯台を復活させてから、という事になった。<br /><br />
灯台から出ると、ミゴ(逆さ読みすると素敵)とその家族達は<br />
フィレーナ達から取った金でウキウキと家族旅行に出かけていった。<br /><br />
第6灯台前には男がいる。<br />
近づくと「うひーっ!」という奇声を発して飛びのくが、ネストを見て近づいてきた。<br />
「あんたは…、確かドラの闘技場でバトル作家をしていた…!?」<br />
「何故、俺のことを?」<br />
男は闘技場で働いていたと言った。<br />
「やばいっ!隠れて!」<br />
そう言うと塔の陰に走る。フィレーナ達も後を追う。<br />
遅れたギャッピーが、その辺で適当に寝ている犬のフリをする。<br />
入り口に近づいてきた海賊たちが、中に入っていった。<br /><br />
バラバ室。<br />
問題山積みなのに何一つ解決してないバラバ1。<br />
「海の中に沈んだはずのフィロセラ王宮が姿を見せた?<br />
だから、どうしたというのだ、…ほうっておけ!<br />
王民もいない国の王宮など、敵の数のうちには入らん<br />
問題はクレチア反乱軍だ。軍情報からの報告はまだか?」<br /><br /><a name="a380"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">380</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:57:29 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>○第6灯台前<br />
ネストと男が話している。<br />
「それでドラを脱走して、クレチア反乱軍のスパイに…?」<br />
「ええそうです…、しかし驚きましたよ<br />
バトラーのフィレーナはとっくに死んだものと…」<br />
男は、灯台を根城にしている海賊たちを反乱軍にスカウトしにきたものの<br />
土壇場で尻込みしていたようだ。仲間の下に帰るそうな。<br />
「スカウトはどうするんだ?」<br />
「いやぁ、そんな事より、フィレーナさんが生きていることを<br />
早く仲間に知らせなくちゃ…」<br />
足早に立ち去る男。<br />
灯台の前に集まる3人と1匹をこっそり隠れて見ていたが<br />
ギャッピーに見つかり逃げていった。<br /><br />
海賊をボコりながら灯台を登るフィレーナ達。<br />
途中で、第1灯台で発見したのと同じ、フィロセラ古文書発見。<br /><br />
『6つの灯台直したら、氷山が復活して氷の神ノアが船をくれるよ。<br />
動力はフィロセラの剣だから便利だね(要約)』<br /><br />
古文書に、灯台を直したら起こる奇跡とやらのネタバレをされながらも<br />
最上階で台座に宝石をはめ込み、灯台を復活させた。<br /><br />
復活した順に、強い光を放ちだす灯台。<br />
第6灯台まで光が溢れた時、南西の氷雪地帯の海に<br />
巨大な氷山が姿を現した。<br /><br /><a name="a381"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">381</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:57:54 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>フィレーナ達は不思議な声を耳にする。<br />
『奇跡はおこれり…。世界は光を取り戻した…<br />
デビスの民が汚した海に命を取り戻すことができれば<br />
フィロセラは復活するだろう…<br />
永久氷山へ行き、氷の神ノアに会うがいい…』<br /><br />
声の言葉について話し合う4人。<br />
「海に命を与えれば、ついにフィロセラは復活する…」<br />
「でもそれが…、南の大陸にある帝国の中心を倒す事といったい何の関係が?」<br />
ネストが首を傾げつつ、一行は永久氷山を目指す。<br /><br />
アイスバーグの村を通り、永久氷山へ向かおうとするフィレーナ達を<br />
老人が制止した。<br />
「氷の神に見つかったら戻って来れない、やめとけ」と言ってやたら脅かしてくる。<br /><br />
バラバ室<br />
通信機から音声が聞こえてくる。<br />
「くり返します。エルシューレ海岸の灯台近くでフィレーナの生存を確認…<br />
次の指令を待ちます…」<br />
舌打ちするバラバ1。<br />
「しぶといヤツだっ…」<br />
3<br />
「バラバ1…ヤツは何者だ!? たんなる脱走バトラーとは思えん」<br />
1<br />
「バラバ3…考えすぎだ。ただの運のいいクレチアにすぎん」<br />
そう言うと1は、各軍情報局へ指令を出す。<br />
「フィレーナなどどうでもいい!それよりも反乱軍との戦いに全力をそそげっ…」<br />
不服の3<br />
「バラバ1…、勝手に指令をだすな…<br />
リーダーが死んでしまった今、全ての決定は我等の合意で…」<br />
その言葉を聞いて笑い出す1。<br />
「リーダーが死んだ今だと…?<br />
フハハッ…フハハハッ!バラバ3…もう少し利口だと思っていたよ…」<br /><br /><a name="a382"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">382</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:58:50 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>一方アイスバーグのフィレーナ達。<br />
「それじゃあ…、おじいさんはこの村で生まれて?」<br />
「ああ…、そうじゃ。氷山の噂を耳にして、はるばる戻ってきたんじゃ」<br />
くわばらくわばら。不安にさせるだけさせといて、老人は去っていった。<br /><br />
永久氷山の奥。<br />
王宮の門にあったものと同じ人魚の像を発見するが、行き止まりだった。<br />
辺りを見回すリラ。<br />
「行き止まりだわ…氷の船なんてどこにも…」<br />
ネストがフィレーナに尋ねる。<br />
「フィレーナ、どうする?ノアという氷の神の話も、たんなる伝説だったのかもな…」<br />
フィレーナは首を振った。「いや、ボクは信じる」<br />
そう言うと奥の壁を探る。<br />
「見ろ…穴だっ」<br /><br />
壁が開く。奥から獣のような声が聞こえてくる。<br />
「グフッ…グフフッ…」<br />
中から白い獣のような大きな生き物(イエティっぽい)が現れた。<br />
「バ、バケモノッ!」あとずさるリラ。<br />
一緒に下がりながら声をかけるネスト。<br />
「フィレーナ、下がれ!」<br />
フィレーナは2人と1匹を見た。<br />
「待って…みんな手を出さないでくれ!」<br />
「正気か!?相手はバケモノなんだぞ」<br />
視線を戻すフィレーナと、近づいてくるイエティ(仮)。<br /><br /><a name="a383"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">383</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:59:20 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室。<br />
フィレーナ達が氷山に入り、姿を消したという報告が入る。<br />
不審に思うバラバ3。<br />
「その氷山はいつからあるのだ?」<br />
返答→不明。椅子に座って2人の通信を聞いていたバラバ29が3に言った。<br />
「バラバ3…もしやあの一味、帝国の中心を探しているのでは?」<br />
3<br />
「多分、そうだろうな…<br />
しかしこの帝国の中心には、誰も近づけはしない…」<br /><br />
永久氷山内。<br />
白い生き物が話し出した。言葉がたどたどしい。<br />
「…船…この奥…来るの…ずっと…待ってた…」<br />
フィレーナが心を込めて礼をいった。<br />
「ノア…礼…いらない…灯台…光…蘇った…<br />
帝国の…中心…ドラゴニア…。塔の中…海の命…ある…<br />
外から…見えない…。でも…大祭司…見える…」<br />
<br />
そう言うと、白い生き物ノアは壁の奥に消えていった。<br />
リラが呟く。「あれが、氷の神、ノア…」<br /><br />
我に返ったネストがフィレーナに近づく。<br />
「それにしても、よくあれが氷神ノアだってわかったな…」<br />
とても懐かしく、不思議と昔から知っているような気がしたと言うフィレーナ。<br />
「氷神というのは本当なのかしら…」<br />
「………正体は誰にもわからない。この永久氷山の主という以外はね…」<br />
少し考えた後<br />
「…氷の塊と思えばいいかな…」フィレーナは謎な結論を出した。<br /><br /><a name="a384"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">384</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
19:59:55 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>しかしリラはフィレーナを信じる。<br />
「とっても神秘的な男性ね…やっぱり男は顔じゃないわっ」<br />
ネストが言う。<br />
「ノアが神秘的な男性…?<br />
ふーむ……、どこかに神秘的な美女が眠っていないものかね」<br />
リラの乙女心が反応する。自分とフィレーナを指してネストに言った。<br />
「こんな美女2人と一緒に旅ができるんだから、あなた幸せ者よっ」<br />
「へえ…へえ…」<br /><br />
ノアの後を追ってさらに奥へ進み、拓けた空間に出る。<br />
そこには、巨大な氷の船があった。<br />
さっそく乗り込む一行。<br />
リラが船上にある不思議なくぼみを発見する。<br />
「ここにある穴…、カギ穴にしちゃ大きいわね…」<br />
どうみても剣の形をしている。<br />
フィレーナが前に立ち、『フィレーナの剣』をはめる。<br />
ぴったりだった。<br /><br />
揺れる揺れる。<br />
氷山が大きく割れ落ち、中から氷の船が姿を現した。<br /><br />
船をゲットした一行は、さっそく南の大陸へ向かう。<br />
ノアの話では、この地に帝国の中心ドラゴニアタワーがあると言うのだが<br />
それらしい建造物は見当たらない。<br />
砂漠を歩き回って、ようやく山の洞窟で人を発見した。<br />
声をかけると、老人は飛び上がって驚いた。<br /><br /><a name="a385"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">385</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
20:00:27 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>ドラゴニアタワー内。<br />
機械仕掛けの円柱のカプセルの中で浮かぶ、グランブレーンの死体。<br />
見張りの兵士は、カプセル内の死体が動いたのを見て驚き逃げた。<br /><br />
老人に事情を聞くフィレーナ達。<br />
ロンという名の老人は、タワーから逃げてきたという。<br />
リラが尋ねた。ロンさんにはタワーが見えるの?<br />
「ああ、心の目で見ればの」<br />
「心に目なんてあるの!?」<br />
2人の会話を聞いていたフィレーナが言う。<br />
「わかるような気がする…」<br />
フィレーナは、自分の目が見えなかった時の事を語る。<br />
気持ちを集中すると、人や物の気持ちが感じられたのだ。<br />
ロンがザッツライト。フィレーナの謎の経験値を褒める。<br />
「でも心の目で見えても、実際にタワーの中に入るには入り口がなければ入れないんじゃ?」<br />
「それもそうだな…」ふりだしのフィレーナ。<br /><br />
「わかってないなぁ~」とロン。<br />
唐突に、透明人間を目視する方法について話し出す。<br />
「ペンキか砂をぶっかけろ(要約)」<br />
静観していたネストが、疑問を口にした。<br />
「それで、ドラゴニアタワーの中では、今でも秘密実験が…?」<br />
他にも脱走したものはいるのか尋ねた。<br /><br />
「わかってないなぁ~」とロン。<br />
「ドラゴニアタワーは帝国の中心部じゃよっ!脱走なんてできるかい!」<br />
「それじゃあんたは!?」<br />
「わしが脱走できたのは…ズバリ!ラッキーじゃ!」<br />
言葉をなくし、フィレーナに視線を向けるネスト。<br />
「フィレーナ…、時間の無駄だったな。帝国の中心は俺たちの足で探そう」<br /><br /><a name="a386"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">386</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
20:00:57 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>砂漠を歩き回る一行。<br />
北の海辺で、フィレーナが足をとめた。<br />
「フィレーナ、どうしたの?目を閉じたりして…」<br />
「…静かに…何かの気配を感じる…」<br /><br />
その場所で、ボーの大祭司からゲットした『オーロラパウダー』を使う。<br />
周囲が七色の光に包まれた。<br />
皆が目を開いた時、目の前に巨大なタワーがそびえたっていた。<br />
ドラゴニアタワー登場。<br /><br />
中に入っていくと、どこかで見た円柱のカプセルが立っていた。<br />
ネストが近寄ってみる。<br />
「液体の中に入っているのは死体か!?気味が悪いな…」<br /><br />
リラがカプセルの中のものを覗き込んで驚いた。<br />
「こ、この死体っ!」<br />
フィレーナも近づいた。<br />
「グランブレーンだ。ボクらがルシベで倒した、黒い悪魔のリーダーだ!」<br />
「黒い悪魔のボスの死体?」<br />
フィレーナが死体を見る。<br />
「体は腐っている…。このカプセルは、棺おけか…?」<br /><br />
リラがカプセルから目をそらし、建物内を見回した。<br />
「ここが帝国の中心なの?」<br /><br /><a name="a387"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">387</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/01(金)
20:01:28 ID:V2NZqP2L</font></dt>
<dd>バラバ室<br />
通信兵が走ってくる。<br />
「報告します!波止場に船らしき物体がっ」<br />
3<br />
「すぐにバラバ1を呼べ!」<br />
何故か余裕のバラバ1が戻ってくる。<br />
「何を慌てふためいておる…」<br />
3が、ドラゴニア大陸に侵入者がきた事を話す。<br />
「…だからどうした?」<br />
3<br />
「何だと?何といったのだ!」<br />
1<br />
「クククッ…、探す手間が省けたわけだ<br />
…バラバ3、なんだ?その目は!?何か言いたい事があるのか?」<br />
1に詰め寄る3<br />
「いったい何様のつもりだっ!リーダーをきどりやがって…<br />
お前の指図にはウンザリだっ。誰もお前を新リーダーとは認めていないっ!」<br /><br />
笑い出すバラバ1。光線であっさりと3の身体を貫いた。<br />
「1階のカプセルの中の元リーダーは私の命令で動いていたのだ…<br />
本当のリーダー…、つまり帝国の支配者は……」<br /><br />
警報システムが鳴り響き、タワー内への侵入者を知らせる。<br />
「どうやらモルモットの代わりに、ネズミが迷い込んだらしい…」<br /><br /></dd>
<dt><a><font color="#000000">420</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:53:31 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>最深部。<br />
そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。<br /><br />
イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。<br />
「フィレーナ…ようこそ」<br />
瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。<br />
「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」<br /><br />
本当の姿を見せるバラバ1。<br />
それを見たフィレーナが言う。<br />
「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」<br />
否定も肯定もしない。<br />
「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム…<br />
黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」<br /><br />
戦闘開始。<br />
ルーブラム<br />
「どうだ?私と組むつもりはないか?」<br />
戦闘は続く。<br />
「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ…<br />
せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」<br />
戦闘終了。<br />
「…ウッ…ウググッ…<br />
デビス帝国に…栄光あ…れ…」<br /><br />
勝ったー。ルーブラムは消滅した。<br /><br /><a name="a421"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">421</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:53:41 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>最深部。<br />
そこはバラバ室だった。正しくは機密情報兵団本部。<br /><br />
イスに座り、バラバ1が一行を出迎える。<br />
「フィレーナ…ようこそ」<br />
瞬間移動で席からフィレーナ達の前に現れる。<br />
「貴様には私の本当の名を教えてやろう…」<br /><br />
本当の姿を見せるバラバ1。<br />
それを見たフィレーナが言う。<br />
「お前は、ルシベにいたガイラス(←陸軍幹部)!」<br />
否定も肯定もしない。<br />
「ガイラスは私の化身だ。我が名はルーブラム…<br />
黒い悪魔のリーダーにして、デビス帝国の真の支配者…」<br /><br />
戦闘開始。<br />
ルーブラム<br />
「どうだ?私と組むつもりはないか?」<br />
戦闘は続く。<br />
「フィレーナ…、お前は愚かなやつだ…<br />
せっかくの私の好意を受け取らぬとはな…」<br />
戦闘終了。<br />
「…ウッ…ウググッ…<br />
デビス帝国に…栄光あ…れ…」<br /><br />
勝ったー。ルーブラムは消滅した。<br /><br /><a name="a422"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">422</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:54:20 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>リラが安堵の声を漏らす。<br />
「終わったのね…戦いはこれで終わったのね…」<br />
フィレーナは言った。<br />
「いや…まだだ。まだ海に命を蘇らせてはいない!」<br /><br />
フィレーナとリラ、ギャッピーがルシベで聞いたあの声が響く。<br />
『みんな、よく来てくれたね…<br />
ボクたち…ずっとたいくつしてたんだ』<br /><br />
3人と1匹の目の前に、カプセルに入った胎児が浮かび上がる。<br />
『ボクたちは、産まれるはずのない"命"さ…<br />
こんなにたいくつなことはないよ』<br /><br />
「産まれる予定のない命って…それは…どういう事…?」<br />
リラの言葉に、あどけなく笑う胎児。<br />
ネストが言った。<br />
「お前も帝国の回し者かっ!?」<br />
『帝国?そんなもの…とっくにこわしちゃったよ。誰も気づいていないだけさ』<br />
聞き返すフィレーナに胎児は答える。<br /><br />
『帝国はきらいさっ、だから消したんだ…<br />
産まれる予定のない"命"を、こんなに作っちゃって…<br />
それが人間のしあわせのための実験なんて、笑っちゃうよっ』<br /><br />
帝国の秘密実験によって作られ、特殊な能力を与えられ<br />
用済みとなっては産まれず消えていく子供たちの声だった。<br /><br /><a name="a423"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">423</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:54:56 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>胎児はフィレーナに語りかけた。<br />
『ねえ…フィレーナ、君に頼みがあるんだ<br />
ボクたち…産まれる場所が欲しいんだよ…<br />
それには、帝国がよごしてしまった。この星のままじゃムリだ…』<br />
「どうすればいいんだ?」<br />
『"命の壷"を一番…美しい海に君の手で沈めてほしいんだよ…<br />
そうすれば…この星も、きっと蘇るはずさ…』<br />
「その"命の壷"というのは、一体どこにあるんだ?」<br /><br />
胎児は答えた。<br />
『ボクらから分離した憎しみの心が盗んでった。<br />
もう手に負えん。やっちゃって(要約)』<br /><br />
そう言うと胎児は姿を消し、辺りは不思議な空間に包まれた。<br />
フィレーナ達は別の空間に運ばれる(強制的に)。<br />
そこは、柱が数本立っているだけの何もない闇の部屋だった。<br /><br />
別の声が話しかけてくる。<br />
『ようこそ…妄想の部屋へ…』<br />
声は語る。<br />
『妄想の部屋では、皆さんの愛した人々が<br />
恐ろしい妄想となって現れるのです…<br />
愛などというものがどんなに儚く…<br />
そして愚かなものか、よく分かりますよ…』<br /><br />
フィレーナの目の前に、ミリカ、フィス、ゼナじいさんが現れる。<br />
続けて、フィコス(ミリカの旦那)、フィラード(サラの旦那)。<br />
そしてラリス、ウトも…。つかラリスも死んでたのか。<br /><br /><a name="a424"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">424</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:55:25 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>現れた人々を見て、ネストが叫ぶ。<br />
「これは幻だ、だまされるな!」<br />
3人+1匹いるにも関わらず、何故か全員がフィレーナ関係で死んだ人物。<br /><br />
じょじょに迫ってくるが、フィレーナもリラも懐かしい人々の姿に闘う意志が持てない。<br />
ネストの声が空しく響く。<br />
「おいっ皆!なぜ闘わない!殺されるぞ!」<br /><br />
7人の亡霊は、フィレーナ達を目前にして動きを止めた。<br />
『私とは闘えぬか…フッフッフッ…』<br />
そのまま重なりあい、一つの大きな亡霊の姿になる。<br />
人面が全身にボコボコ出ててキモいです。<br /><br />
『私は憎しみの亡霊…<br />
ためらってくれたおかげで、やっと自分の姿に戻れたよ…』<br />
その禍々しい姿に、ネストが言う。<br />
「みんな、こいつはミリカでもフィスでもない!<br />
こいつこそが帝国の中心…。帝国を支配する悪の化身なんだっ!」<br />
『憎しみは愛に勝るのだ…その事を教えてやろう…』<br /><br />
倒す。勝利。<br />
「勝った!ついに倒したぞ!帝国の支配者を倒したんだ」<br />
ネストが歓喜の声をあげる。<br />
ボロボロと朽ち果てながら消える憎しみの亡霊。<br />
しかし身体を失いながらも、心だけが形となり、再び向かってきた。<br /><br />
『まだ私は死んではいない…私は憎しみの心…私の体を返せ!』<br />
「なんてヤツだ…」<br /><br /><a name="a425"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">425</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:55:52 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>トドメさす。勝利。倒れる3人と1匹。<br />
憎しみの心が消え去った後には、一つの壷が置かれていた。<br /><br />
起き上がり皆の無事を確認するネスト。<br />
「何とか生きてるよ…リラ?ギャッピー?」<br />
「…だいじょうぶ…」<br />
「クン…クン…」<br />
リラが起き上がるとフィレーナに話しかけた。<br />
「フィレーナ、私たち…この星の命を手に入れたのね…」<br /><br />
奥の壁が開かれ、光が指してくる。<br />
フィレーナ達は光の方を向いた。<br /><br />
フィロセラ。<br />
王宮前には反乱軍が集結していた。<br />
反乱軍の兵が皆を励まし力づける。<br />
残った帝国軍と最後のぶつかり合いに向かうのだ。<br />
その光景を、側でヤコスとソフィカが見守っていた。<br /><br />
「気をつけてな…」<br />
「心配はいりませんよ。全員生きて帰ってきます…<br />
それじゃ、後をよろしく!ヤコスさん…」<br /><br />
生き残った兵をまとめ出発した反乱軍たちを見送りながら、ソフィカが尋ねた。<br />
「王女様、帰ってくるの?」<br />
ヤコスは王宮を見つめる。<br />
「勿論だともソフィカ…、必ずやこの王宮にな…」<br /><br /><a name="a426"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">426</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:56:24 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>妄想の部屋<br />
リラがフィレーナに声をかけた。<br />
「…フィレーナ、待ち遠しいわね…」<br />
「さあ、行こう。"命の壷"をこの星の海に戻して<br />
フィロセラを復興させなければ」<br /><br />
フィレーナは壷を抱くと、光の中を進む。<br />
空間を通り、元のバラバ室へ戻ってきたフィレーナ達は<br />
ドラゴニアタワー内部を走り、外を目指す。<br />
入り口付近、グランブレーンの死体が浮かぶカプセルの横を通って外にでる。<br />
無人になる塔内。<br />
カプセルから赤い球体が浮かび上がるとフィレーナ達の後を追っていった。<br /><br />
フィロセラに戻ってきたフィレーナ達。<br />
地面に降りると、氷船はゆっくりと陸地から離れていく。<br />
「フィレーナ…氷船がっ」<br />
「これでいいんだ…、氷船には帰るところがあるんだ…<br />
…ボクたちと同じように…」<br /><br />
王宮の側、海に向かって立つ3人と1匹。<br />
リラが言う。<br />
「フィレーナ…"命の壷"をフィロセラの海へ…<br />
あなたの国を復興させて…!」<br />
ネストが言う。<br />
「世界を変えるんだ」<br /><br />
その言葉に、フィレーナが壷を抱き、海へ入ろうとしたその時<br />
物凄いスピードで赤い球体が突っ込んできた。間一髪でよける。<br />
球体は3人と1匹の目の前で浮遊しながら止まると人語を発する。<br /><br />
「オロカナル反逆者ドモヨ…<br />
名モナク消エテモラオウ…」<br /><br /><a name="a427"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">427</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:56:57 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>球体は人の形をとり、海の上に立った。<br />
その姿を見てリラが叫ぶ。<br />
「グ、グランブレーン!死んだ…はずじゃっ」<br />
「死ンダ…?バカナ…」<br />
その反応に、何かに気づいたネストが叫んだ。<br /><br />
「そうか!お前…ドラゴニアタワーのカプセルにいた…<br />
帝国の実験で産み出された、レプリカントだったのか!」<br />
ネストの言葉に、グランブレーンが動揺する。<br />
「レプリカント…何ダ、ソレハ…?」<br />
「ロボットだ!」<br />
その体はまぎれもなく、人型の機械。<br /><br />
それでも人の意識がある為か、事実を認識できないグランブレーンは言う。<br />
「オレハ、ロボットデハナイ!<br />
チュウジツナ帝国ノ人間ダ…<br />
オマエタチトハ、話ガ合ワン…」<br /><br />
戦闘開始。<br />
仲間たちはフィレーナに"命の壷"を海に沈めるように言った。<br />
「フィレーナ、このバケモノはリラたちにまかせて!」<br />
「バケモノ…?誰ノコトダ…?」<br />
ネストが叫ぶ。<br />
「お前のことだよ、このレプリカントめ!」<br /><br />
「オレハ人間ダ……、ユウシュウナ帝国人民ダ…」<br /><br /><a name="a428"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">428</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:57:28 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>「フィレーナ、早く海に!」<br />
「バケモノの相手は俺たちにまかせろっ!!」<br />
「オレヲバケモノト呼ブナッ…」<br /><br />
何かもう、化け物連呼してこちらが悪者のような錯覚に陥りながらも戦闘終了。<br /><br />
フィレーナは海中に飛び込むと、"命の壷"をフィロセラの海に沈めた。<br />
叫ぶグランブレーン。<br />
「グワアアアッ!体ガ、トケル…、ウガガガッ!」<br />
清められた海水に浸かったグランブレーンは、体を溶かされ海中に沈む。<br /><br />
「終わったのね…」<br />
そう言ったリラの前方の水面に、半解したグランブレーンが浮かび上がる。<br />
「オレ…ニ…命…ヲ… 命…ヲ……」<br />
沈んだ。<br /><br />
水際まで近づくリラ。「終わったのね…」<br />
その隣にネストが立つ。「…違う、今始まったのさ…」<br /><br />
タワー内で出あった、産まれる予定のない命たちを思う。<br />
「新しい"命"たちが、きっと豊かな未来を築いてくれるはずだ…」<br /><br /><a name="a429"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">429</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:58:01 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>ギャッピーが何かに気づいて走り出す。<br />
その先には色違いの犬がいた。<br />
戯れる2匹。その光景を眺める3人。<br /><br />
「ギャッピーったら、もうお友達ができたみたい」<br />
リラがそういうと、ネストがもう1匹の犬を見て疑問を持った。<br />
「オスかな…それともメスかな…」<br />
「女友達に決まってるわ…<br />
ギャッピーは女性には全く目がないんだから!ねっフィレーナ」<br />
3人は顔を見合わせ、ギャッピー達の方へ歩き出した。<br /><br />
夕暮れのフィロセラ海岸で、リラと並んで海を眺めるフィレーナ。<br />
その後ろでネストとギャッピー+1が見守る。<br />
「フィレーナ…海を見て何を考えているの?」<br />
「新しいフィロセラを、ボクたちの手で作らないと…」<br /><br />
ネストが動き、フィレーナが後方を振り返ると<br />
ヤコスやソフィカ、そして戦いより戻った反乱軍兵士たちが控えていた。<br /><br />
フィレーナの闘いは、今はじまったばかりだった…<br /><br /><a name="a430"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">430</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:58:33 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>月夜の晩。<br />
かつてゼナとウトが沈みゆく王宮を見た丘の上に座り<br />
髪を風になびかせながらフィレーナは月明りに照らされたフィロセラを眺める。<br />
ドラで男として育った日々。バトラーとして闘った試合。<br />
リラやネスト、ミリカとの出会い。ゼナ。<br />
自分が殺した人たち。自分を守って死んでいった人たち。<br />
実験で捻じ曲げられた運命。産まれた命と悲しい命。<br />
ドラを出てから今までを追憶する。<br /><br />
記憶の旅が終わると、フィレーナは立ち上がった。<br /><br />
ヤコス達に見守られ、王座に座るフィレーナ。<br />
王妃の席に座らせてもらい、はしゃぐリラ。<br />
そして並んで、ソフィカが完成させた父王の肖像画を眺めた。<br /><br />
お披露目の日。<br />
逃げだすフィレーナと後を追うリラ。<br />
結局捕まり、引きずられて部屋に戻される。<br />
フィレーナに王女の正装をさせてリラは大満足である。<br /><br />
王宮の前では、ネストや兵士たち、ヤコス祖父孫、犬2匹に<br />
祝いにかけつけてくれたアマネラと赤ん坊が王女の登場を待っている。<br />
バルコニーから姿を見せるフィレーナとリラ。<br />
皆の視線を一度にうけ、真っ赤になったフィレーナは逃げた。<br />
いつもの男の服装に戻って。凄い勢いで追うリラ。<br /><br />
フィレーナの闘いは、はじまったばかりだった…<br /><br /><a name="a431"></a></dd>
<dt><a><font color="#000000">431</font></a><b><a href="mailto:sage"><font color="#000000">永遠のフィレーナ</font></a></b><font color="#8080FF" size="2">sage</font><font color="#808080" size="2">2005/07/03(日)
22:59:35 ID:NP8fVUeq</font></dt>
<dd>1レスで終わるまとめ<br /><br />
デビス帝国が他の国を潰して大陸を支配しました。<br />
生き残ったフィロセラの王女フィレーナは男として育てられ、バトラーになりました。<br />
仕組まれた試合で師を殺してしまい、代わりに自分の素性を知らされました。<br />
情報を集めていたら、機密に触れて指名手配されてしまったので<br />
仲間と4人で逃亡し、気がついたら奥さんと2人旅になってました。<br /><br />
地道に旅を続け、たまに人を助け、集落では犬をゲットです。<br />
旅の間、帝国の黒い人が入れ替わりたちかわり番号を変えて<br />
絶え間なく襲ってくるので、来たもの順にボコります。<br /><br />
師の遺言どおり、帝国の首都で王家の剣をゲット。<br />
剣を故郷の海にかざすと、海中から実家(王宮)が出てきましたよ。<br />
6つある灯台を直している間に、仲間の1人と再会です。<br />
帝国では絵にも描けないようなひどい人体実験しているそうです。<br />
許せないのでとりあえず帝国の偉い人を倒しました。ついでに神殿は崩壊しました。<br /><br />
全ての灯台が直ると、氷の神さまが船をくれました。<br />
船で敵の本拠地へ行き、最後に残ってる黒い人をぬっころしました。<br />
幻覚とか見せられましたが勝利。最重要アイテムの"壷"ゲット。<br />
これを海中に沈めると、世界は救われるそうです。<br /><br />
海に入ろうとすると、また黒い人がロボットになって邪魔します。<br />
全員で悪口を言って精神ダメージを与えたところで壷を海に放り込みました。<br />
ロボットは綺麗な海水に溶けました。<br />
生き残った人たちがお城に集まってきています。<br />
帝国も消滅したし、もうクレチアだの帝国人民だの言わせません。<br />
フィレーナはこれからが大忙しなのでした。終。</dd>
</dl>