七ツ風の島物語

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七ツ風の島物語<br> &gt;&gt;18-13<br> <hr size="2" width="100%"> <br> <dl> <dt><a href="menu:13">13</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語1</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:34:10 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>私達とは異なる世界にある七ツ風の島。<br> ここでは数多くの生き物が力強く暮らしている。<br> 七ツ風の島物語は、あなたが紡いでいく新たな物語<br> <br> 島の住民の一生は、「前身年」、「後身年」という区切りがある。<br> あたかも芋虫が蝶に変わるように、<br> 前身年を終えたものはサナギの状態をへて、新しい生き物へと生まれ変わるのだ。<br> さて、島の上空に浮かぶ小さな浮島で、新たに後身年を迎えるものがいた。<br> <br> 【序章 風岩】<br> サナギから出てきたのはちょっと太った竜人。<br> 一人ぼっちの竜人が辺りを見回すと、「黒いハネ」が落ちていた。<br> どこかなつかしい「黒いハネ」の匂いに浸っていると、<br> 黒い風が吹いてきて竜人を吹き飛ばしてしまう。<br> 落ちた先は七ツ風の島。竜人のカバンに木の実が入る。<br> 木の実を植えると、立派な木の家になった。<br> 木の家の中で、扉の顔に自己紹介。<br> 竜人が今も昔も変わらずに大好きなもの。<br> 竜人が昔からどうしてもキライなもの。<br> そして、竜人の名前。<br> 扉の顔は、竜人を木の家の主として認めた。<br> 知恵ある竜人の名前はガープ。新しい物語を紡ぐもの。<br> <br> <a name="a14"></a></dd> <dt><a href="menu:14">14</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size= "2">2005/08/23(火) 22:36:09 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第1章 はじめてのトモダチ】<br> チョキチョキという、草を切る音に気付いたガープ。<br> 外にはハサミネズミのコドモがいた。彼を追いかけて島を探検。<br> 名前を集めているクサネズミのニーフ。名前をつけると「角笛」をくれた。<br> 虫を集めている大グモのタム婆。もらった「虫とり器」で虫を捕まえると「青い角笛」をくれた。<br> 「青い角笛」を吹くとハサミネズミのコドモが戻ってきた。<br> 名前をほしがる彼に、キスケという名前をつけるガープ。<br> ハサミネズミのキスケ。ガープのはじめてのトモダチ。<br> <br> 【第2章 カンゾウ、あらわる!】<br> 島一番の暴れん坊、ヨロイペンギンのカンゾウがやってきた。<br> 木の家を欲しがるカンゾウは、ガープに何かと勝負を挑んできた。<br> 力比べ、ジャンプ比べ、勝負はガープの勝ち。<br> 負けたカンゾウは、連れてたプロペラウサギのコドモにウサ晴らし。<br> プロペラウサギは何か言いたげだったけど、カンゾウと共に去っていった。<br> キスケと共に島を散歩。アゲハダマのイールたちや、カタツムリのソウルとの出会い。<br> またまたカンゾウ、今度は羽ばたき勝負。ガープは不利だ。<br> 勝ったカンゾウもう一度、するとプロペラウサギがガープを掴み、飛び上がった。<br> ガープの勝ち。カンゾウは怒ってプロペラウサギを追いかける。<br> 腹いせに縛られたプロペラウサギ。キスケのハサミで縄を切る。<br> クリオンと名づけるガープ。クリオンは二人目のトモダチになった。<br> <br> <a name="a15"></a></dd> <dt><a href="menu:15">15</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語3</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:39:06 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第3章 空飛ぶ木の実】<br> 木の家が木の実を産んだ。ある石の下の土が好きだと木の実。<br> 石のそばではフクロガエルのコドモが寝ていた。<br> 起こしてみると大あくび、大きな声に光る石も砕けた。<br> 実を植えると小さな芽を出す。フクロガエルも興味深深。<br> 風使い、風ライオンに会うガープ。彼のおこした不思議な風で木の芽は急成長。<br> ガープは葉っぱを押さえる枝を切り、害虫も追っ払う。<br> 木は翼のような葉を広げて飛んでいく。木にとびつくフクロガエル。<br> 木の根っこが落ちてきた。フクロガエルも落ちてきた。頭をうって名前を忘れた。<br> 大変大変、名前がないと皆に忘れられてしまう。<br> ロクゾウと名前をつけるガープ。ロクゾウは三人目のトモダチになった。<br> <br> 【第4章 風をつかうモノ】<br> シロガラスのヒューがやってきた。風ライオンの伝言から、風石を見つけるガープ。<br> 風石に認められたガープ、風使いの素質があると風ライオン。<br> 風ライオンは空飛ぶ木の根っこから、七色のムチを作った。<br> 風岩に乗ってムチを振るガープ。草を揺らすキミドリの風を覚えた。<br> ガープは島で三番目の風使いになった。<br> <br> <br> <a name="a16"></a></dd> <dt><a href="menu:16">16</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語4</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:40:44 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第5章 羽の泉】<br> ガープが聞いた、知らない風が吹き荒れる音。<br> 風ライオンにもわからない。手掛かりは前身年にある?<br> 羽の泉では、懐かしいものがあれば前身年の夢を見れるという。<br> 見えないものが見えるムラサキの風を覚えたガープ。<br> 緑の中の大きな顔、隠れていた島人のグリンに会う。<br> 怯えるグリンをキミドリの風で癒すと、羽の泉への道を開いてくれた。<br> 羽の泉、先客はスズウサギのリムル。満足げなリムルだけど、黒い風が吹いてきた。<br> 黒い風に吹かれたリムルはヌケガラになってしまった。<br> 風ライオンも黒い風のことはわからない。<br> 忘れられたスズウサギの心を発見。リムルという名前を思い出させると、元に戻った。<br> 「黒いハネ」のナツカシイ匂い。ガープは羽の泉にある水球に包まれ、夢を見る。<br> <br> 夢を見た。<br> 黒いカラダに大きな目。黒いコドモは、じっとこっちを見ていた。<br> <br> 【第6章 石の雨】<br> ガープのところに、傷ついた大グナイのクーポがやってきた。<br> 石の雨にやられたというので、ガープは代わりにリムルへの届け物を運ぶ。<br> ガープに会えて喜ぶリムル。リムルはクーポの治療を頼む。<br> 向かったのは岩人の住処。石の雨の正体は、泣いている岩人の赤ん坊だった。<br> ヒューの子守唄で、なんとか赤ん坊を眠らせるガープ。<br> その先にあった風岩で、傷をいやすオレンジの風を覚える。<br> オレンジの風でクーポの傷を治すと、クーポは空で見つけたという「黒いヒゲ」をくれた。<br> 「黒いヒゲ」はガープと同じ匂いがするらしい。<br> <br> <a name="a17"></a></dd> <dt><a href="menu:17">17</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語5</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:43:40 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>夢を見た。<br> 黒いコドモと、竜人が生まれたサナギ。<br> 雨に打たれ、氷の雨に降られ、害虫を追い払う黒いコドモ。<br> 黒いコドモは、ずっとサナギのそばにいた。<br> <br> 【第7章 いろんなヒミツ】<br> トモダチの様子がおかしい。ガープに何か隠し事。<br> 住民の様子もおかしい。だれもかれもが怯えている。<br> トモダチの前で悩むガープ。そこにヘンなヤツ、マキオがやってきた。<br> マキオはトモダチを飲み込んで消えてしまった。<br> 住民はマキオに怯えてた。怯えるグリンをいやすと、グリンの左手と右手が目覚めた。<br> 左手に右手の欠片を、右手に左手の欠片をわたすと、さらに先へ進めるようになった。<br> 島の広場の風車の前で、マキオと対決するガープ。<br> 飲み込まれたガープはマキオの嫌いな木の実を使い、トモダチと脱出。<br> 「黒いウロコ」を吐き出し、逃げていったマキオ。<br> 無事だったトモダチは、ガープに三人で作っていた「竜人の像」を送った。<br> 自分そっくりの像に喜ぶガープ。トモダチも喜んだ。<br> <br> 夢を見た。<br> 黒いコドモと、大きな竜。<br> 何か話をする二人。そして一緒に空を飛ぶ二人。<br> 曖昧でバラバラだけど、とても懐かしい夢だった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:29">29</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語6</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/24(水) 19:44:45 ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>【第8章 ウマムカデレース】<br> 発明家のセルベットがやってきた。ガープに何か頼みゴト。<br> 小さくなれるミズイロの風を覚えたガープに、レースに出て欲しいとセルベット。<br> レースのためのクルマの材料、ウマ、車輪、帆を集めるガープ。<br> 長い長いウマムカデの背を走るレースに、セルベットは連敗中。<br> 相手は二番目の風使い、二番目の風使いはカンゾウだった。<br> 木の家を賭けて、レース開始。<br> 追いつけ追いこせ、ムチを振るうガープとカンゾウ。<br> レースはガープの勝ち。セルベットはお礼に「島の模型」をガープに送った。<br> <br> 【第9章 リュウナマズ ドンキル】<br> 大きな地震に目を覚ましたガープ。<br> 地震の原因は、島で一番大きな生き物、リュウナマズのドンキルにあるようだ。<br> ドンキルの背中が回す歯車が止まり、風車が止まって大問題。<br> 背中にニオイをつけてもらい、用心深いドンキルの尻尾に会うガープ<br> 尻尾は痛みを訴える。ガープはシビレさせるキイロの風を覚え、尻尾の痛みをマヒさせる。<br> ガープに自分のニオイをつけ、頭、前足、後ろ足を訪ねてほしいとドンキルの尻尾。<br> 地面を掘るアカの風を覚え、地中のいたドンキルの前足、後ろ足にニオイをつけてもらう。<br> リュウくさくなったガープに、痛みに苛立つドンキルの頭も落ち着いて話す。<br> 痛みは虫歯のせいだった。キイロの風で麻酔して、ロクゾウの大声で虫歯を壊す。<br> 痛みが治まったドンキルの頭は、スヤスヤと寝息を立てた。<br> <br> <a name="a30"></a></dd> <dt><a href="menu:30">30</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語7</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/24(水) 19:45:39 ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>【第10章 前身年の夢】<br> 島の広場の大ホール。住民は集まり、「前身年の夢」を語り合っていた。<br> 皆が気になるのはガープの前身年。でも見た夢はバラバラで上手く話せない。<br> しょんぼりするガープ。しょんぼりしていたクサネズミ。<br> クサネズミは最初にもらった名前を忘れてしまっていた。<br> 竜人からもらった大事な名前。ガープが思い出させると、「黒いツメ」をくれた。<br> ガープにはとてもナツカシク、クサネズミにはかすかにナツカシイ匂いの黒いツメ。<br> <br> 吹いてきた黒い風。羽の泉では夢見るための水球がなくなっていた。<br> これじゃ夢が見られない。手掛かりを集めるガープ。<br> 最初の水球は、「伝説の月人」が島人の心からつくったらしい。<br> グリンのココロは前身年の小さな木。<br> ココロは害虫の大ゼンマイに襲われた記憶に苦しんでいた。<br> 大ゼンマイを撃退し、安心したグリンのココロから水球の元をもらう。<br> 羽の泉に水球がもどり、ふたたび夢が見れるようになった。<br> <br> 夢を見た。<br> 大きな体を横たえて眠っている大きな竜。<br> そこに黒くて小さな体のコドモがやってきた。<br> 「キミは一人?ボクは一人なんだ。トモダチになってくれる?」<br> 竜は飛び上がった。黒いコドモもついていった。<br> 「ボクもつれてって。<br>  ホントにいいの? ありがとう」<br> 二人はトモダチになった。二人は一緒に飛ぶようになった。<br> <br> 「ボクには、まだ名前がないんだ。<br>  よかったら、キミが名前をつけてほしい。<br>  キミが今も昔も変わらずに、いちばん好きなモノの名前を。」<br> <br> <a name="a31"></a></dd> <dt><a href="menu:31">31</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size= "2">2005/08/24(水) 19:49:01 ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>そんな二人にも、前身年の終わりはやってくる。<br> 悲しいけれど、後身年になると以前のことは忘れてしまう。<br> 「でも、自分の名前と好きなもののことだけは覚えているんだって、<br>  キミがボクを忘れてしまっても、ボクの名前を教えれば、<br>  きっとキミはボクのコトを気に入ると思う。」<br> 島の上空にある小さな浮島で、二人は並んでサナギになった。<br> 月が優しく二人を照らしていた。<br> <br> 島の広場の大ホール。ガープはみんなの前で、前身年の話をした。<br> 忘れてはいけないこと、ガープは今よりずっと立派な竜だった。<br> 大きな竜のそばにはトモダチがいた。黒い小さなトモダチだった。<br> <br> 【第11章 小さくてキレイなもの】<br> アゲハダマのイールたちの前身年が終わるという。<br> その前に見たいものがあると、イールたちはガープの頭にくっついてしまう。<br> イールたちの見たいもの、小さくてキレイなもの。<br> 岩人の長老たち、タム婆が集めた虫。<br> どれを見ても、意見がバラバラで満足しないイールたち。<br> ついには誰も見たことのない魚を探すことに。<br> 伝説の魚タチサキウオ、尻尾についてた小さなリボン。<br> イールたちは満足し、それぞれのココロが一つになった。<br> イールたちが変わったサナギに、オレンジの風をあてるガープ。<br> サナギの中からは美しいカラスアゲハが生まれた。<br> でもガープのことは覚えていない。前身年のことは覚えていない。<br> 哀しいけれど、誰もが同じ。もちろんガープもそうだった。<br> <br> <br> そして島中に黒い風が吹き荒れる。<br> 黒い風が残した音。<br> <br>  モウイチド キミニ アイタイ・・・<br> <br></dd> <dt><a href="menu:49">49</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語9</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:51:41 ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd><br> ボクハ ダレ? ダレモ ボクヲ シラナイ・・・<br> <br> 【終章 ワスレサラレタモノ】<br> <br> 木の家を出ると、誰もいなくなっていた。<br> 草木も姿を消し、虫も魚もいない。<br> 羽の泉へ行くと、そこは黒い霧で覆われていた。<br> 風ライオンの最後の言葉から、伝説の月人ムーニーに会うガープ。<br> ムーニーはずっと空からガープを見ていた。<br> 島を救う風使い、罪をせおった竜人。ムーニーはガープをそう呼んだ。<br> ムーニーは羽の泉と同じ水球をつくり、夜空で見つけた「黒いキバ」を渡す。<br> ガープのせおった罪、知らずに誰かを傷つけた罪。<br> <br> 夢を見た。<br> 島の上空にある小さな浮島。二つ並んだサナギ。<br> サナギの中で、コワイ夢を見た大きな竜。<br> 身震いした竜のサナギは、黒いサナギのほうへと倒れてしまう。<br> 割れてしまった黒いサナギ。出てきたのは黒いコドモ。<br> 「まだ、前のボクと同じカラダ・・・」<br> <br> <br> <a name="a50"></a></dd> <dt><a href="menu:50">50</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語10</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:53:58 ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd> サナギのそばの黒いコドモに、シロガラスがやってきた。<br> シロガラスは楽しげに笛を吹き、そして最後にこう言った。<br> 「可哀想だがそのサナギはもうダメだ。傾いていると死んでしまうからな。」<br> 黒いコドモは、必死でサナギをまっすぐに直した。<br> <br> サナギのそばの黒いコドモに、雲の顔が話しかける。<br> 「もうすぐ氷の雨が降るよ。ここから逃げたほうがいい。」<br> 黒いコドモはサナギのそばにいた。氷の雨が降ってきた。<br> 大きな氷が頭にあたって、黒いコドモは倒れた。<br> <br> 竜のサナギは無事だった。気が付いた黒いコドモは、ふと頭をかかえた。<br> 「う、わすれた。 名前、ボクの名前。<br>  キミがつけてくれた、ステキな名前・・・」<br> 頭を打って、黒いコドモは自分の名前を忘れてしまった。<br> それでも黒いコドモはサナギのそばにいた。<br> 雨に打たれ、大ゼンマイを追い払い、サナギを守っていた。<br> <br> <a name="a51"></a></dd> <dt><a href="menu:51">51</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語11</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:56:06 ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd> サナギのそばの黒いコドモに、クサネズミがやってきた。<br> 「オレ、ニーフ。名前を集めてる。<br>  オマエの名前は?<br>  名前が無い?そいつは大変!<br>  みんながオマエのことを忘れたら、<br>  ワスレサラレタモノになっちゃうよ。」<br> <br> サナギのそばの黒いコドモは、小さくうずくまっていた。<br> 大きな竜が生まれ変われば、自分のことも忘れてしまう。<br> 大好きだった大きな竜、そんな記憶も砕けて消えた。<br> 黒いコドモとサナギに、静かに雪が積もっていく。<br> <br>   ワスレタ。  ボクハ ダレ?<br>   ダレモ ボクヲ シラナイ<br>   ダカラ ワスレサラレタモノ<br> <br> 大きな竜が竜人へと変わるそばで、もうひとつの命も生まれ変わった。<br> ワスレサラレタモノ、その姿はまるで黒い風のようだった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:86">86</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語12</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:13:01 ID:uTYsusME</font></dt> <dd>ガープのせおった罪、知らずに誰かを傷つけた罪。<br> ムーニーは言った。全てのカタチあるものは、罪を忘れて前身年を終える。<br> ガープは忘れられた名前を呼んだ。今も昔も変わらず、いちばん好きなものの名前を。<br> ムーニーは竜人のコトバを欠片にして、月の欠片とともに渡した。<br> ガープはマボロシの風、闇を照らすシロの風を覚えた。<br> <br> 黒い霧に包まれた羽の泉、シロの風が霧を吹き飛ばす。<br> 羽の泉はガラクタで埋め尽くされていた。<br> 「オボエテル ミタクナイ ヨルノ ヒカリ。」<br> 月の欠片の光が、硬く閉ざされた扉を開く。<br> 「オボエテル コオルヨウニ アタタカイ オモイデ。」<br> 月の光はココロの中まで届かない。ガープは暗闇へと踏み出した。<br> <br> 「ズット マッテタ。 キミノコト マッテタ。<br>  スキ。 ダケド キライ。 クルナ!<br>  ダケド アイタイ・・・」<br> 中にはヌケガラになった住民たちがいた。<br> ひとりひとり、名前を思い出させていくガープ。<br> <br> 「フタリデ  トンダコト オボエテル? イマ キミハ ダレト トブノ?」<br> クリオンはバラバラになって、消えた。<br> <br> 「ナンデ ボクハ ナマエ ワスレタ? クダキタイ ツメタイ コオリ。」<br> ロクゾウは氷の雨に押しつぶされ、消えた<br> <br> 「オボエテル アノヒノカゼ アノヒノクサ? キリサカレタ キオク。」<br> キスケは黒い草に切り裂かれ、消えた。<br> <br> 「イナクナッタ。 ダレモ イナクナッタ。」<br> <br> <a name="a87"></a></dd> <dt><a href="menu:87">87</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語13</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:16:27 ID:uTYsusME</font></dt> <dd> 「キミモ一人 ボクモ一人 トモダチになってくれる?<br>  ボクノ ナマエ キミニ オシエル。 トモダチニ ナレル。<br>  デモ ワスレタ。 ワスレサラレタ。 」<br> <br> 最深部には、大きな怪物がいた。<br> ガラクタのカラダに、どの生き物ともいえないカラダ。<br> その姿は、自分が何なのか忘れたようだった。<br> ガープを責める怪物、自分を責める怪物。<br> ガープは七つの風を吹かせ、怪物のココロを癒していく。<br> 最後に吹かせたシロの風が、怪物の黒い風を吹き飛ばした。<br> <br> 気付けば島の上空にある小さな浮島。<br> 竜人が生まれ、黒い風が生まれた始まりの場所。<br> 黒いコドモは硬いカラに包まれ、じっとうずくまっていた。<br> 「ボクハ ダレ? ダレモ ボクヲ シラナイ・・・」<br> <br> ガープはナマエの欠片をかざした。欠片の光が黒いコドモを包んでいく。<br> <br> 「ガープを、かんじる。<br>  ボクのコト、忘れていない!?<br>  おもいだしてくれた!おぼえていてくれた!<br>  ボクの名前!」<br> <br> <a name="a88"></a></dd> <dt><a href="menu:88">88</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語14</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:19:58 ID:uTYsusME</font></dt> <dd>ガープのキモチが、黒いコドモのココロに届いた。<br> 殻を破って、黒いコドモが飛び出した。<br> <br> 長い時をへて、ガープと黒いコドモは再び出会った。<br> ガープの姿が変わっても、もう飛べなくなっても、二人はトモダチのままだった。<br> <br> 「でも・・・もう終わり。ボクはここにはいられない。<br>  ボクが最後にできるコト。<br>  ガープ、いつまでも、トモダチ。<br>  ボクは忘れない。キミのコト、忘れない。」<br> <br> 黒いコドモは、チリになって消えていった。<br> 残ったのは3つのサナギ。<br> サナギの中から、キスケ、クリオン、ロクゾウ、消えたトモダチが飛び出した!<br> <br> トモダチがいる トモダチが笑っている。<br> アヤマチは いつもココロにイタイ<br> そんなアヤマチをくりかえしそうになる<br> だから 忘れない 忘れてはいけない<br> 心の中の 大切なもの<br> 七ツ風の物語。それはあなたが作った物語。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:89">89</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size= "2">2005/08/28(日) 15:20:58 ID:uTYsusME</font></dt> <dd>以上、七ツ風の島物語でした。<br> クリア後は探索のみの【番外編 七ツ風の島物語】へと続きます。</dd> </dl>
<strong>七ツ風の島物語</strong><br> &gt;&gt;18-13~17・29~31・49~51・86~89<br> <hr width="100%" size="2"> <br> <dl> <dt><a href="menu:13">13</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語1</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:34:10ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>私達とは異なる世界にある七ツ風の島。<br> ここでは数多くの生き物が力強く暮らしている。<br> 七ツ風の島物語は、あなたが紡いでいく新たな物語<br> <br> 島の住民の一生は、「前身年」、「後身年」という区切りがある。<br> あたかも芋虫が蝶に変わるように、<br> 前身年を終えたものはサナギの状態をへて、新しい生き物へと生まれ変わるのだ。<br> さて、島の上空に浮かぶ小さな浮島で、新たに後身年を迎えるものがいた。<br> <br> 【序章 風岩】<br> サナギから出てきたのはちょっと太った竜人。<br> 一人ぼっちの竜人が辺りを見回すと、「黒いハネ」が落ちていた。<br> どこかなつかしい「黒いハネ」の匂いに浸っていると、<br> 黒い風が吹いてきて竜人を吹き飛ばしてしまう。<br> 落ちた先は七ツ風の島。竜人のカバンに木の実が入る。<br> 木の実を植えると、立派な木の家になった。<br> 木の家の中で、扉の顔に自己紹介。<br> 竜人が今も昔も変わらずに大好きなもの。<br> 竜人が昔からどうしてもキライなもの。<br> そして、竜人の名前。<br> 扉の顔は、竜人を木の家の主として認めた。<br> 知恵ある竜人の名前はガープ。新しい物語を紡ぐもの。<br> <br> <a name="a14"></a></dd> <dt><a href="menu:14">14</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:36:09 ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第1章 はじめてのトモダチ】<br> チョキチョキという、草を切る音に気付いたガープ。<br> 外にはハサミネズミのコドモがいた。彼を追いかけて島を探検。<br> 名前を集めているクサネズミのニーフ。名前をつけると「角笛」をくれた。<br> 虫を集めている大グモのタム婆。もらった「虫とり器」で虫を捕まえると「青い角笛」をくれた。<br> 「青い角笛」を吹くとハサミネズミのコドモが戻ってきた。<br> 名前をほしがる彼に、キスケという名前をつけるガープ。<br> ハサミネズミのキスケ。ガープのはじめてのトモダチ。<br> <br> 【第2章 カンゾウ、あらわる!】<br> 島一番の暴れん坊、ヨロイペンギンのカンゾウがやってきた。<br> 木の家を欲しがるカンゾウは、ガープに何かと勝負を挑んできた。<br> 力比べ、ジャンプ比べ、勝負はガープの勝ち。<br> 負けたカンゾウは、連れてたプロペラウサギのコドモにウサ晴らし。<br> プロペラウサギは何か言いたげだったけど、カンゾウと共に去っていった。<br> キスケと共に島を散歩。アゲハダマのイールたちや、カタツムリのソウルとの出会い。<br> またまたカンゾウ、今度は羽ばたき勝負。ガープは不利だ。<br> 勝ったカンゾウもう一度、するとプロペラウサギがガープを掴み、飛び上がった。<br> ガープの勝ち。カンゾウは怒ってプロペラウサギを追いかける。<br> 腹いせに縛られたプロペラウサギ。キスケのハサミで縄を切る。<br> クリオンと名づけるガープ。クリオンは二人目のトモダチになった。<br> <br> <a name="a15"></a></dd> <dt><a href="menu:15">15</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語3</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:39:06ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第3章 空飛ぶ木の実】<br> 木の家が木の実を産んだ。ある石の下の土が好きだと木の実。<br> 石のそばではフクロガエルのコドモが寝ていた。<br> 起こしてみると大あくび、大きな声に光る石も砕けた。<br> 実を植えると小さな芽を出す。フクロガエルも興味深深。<br> 風使い、風ライオンに会うガープ。彼のおこした不思議な風で木の芽は急成長。<br> ガープは葉っぱを押さえる枝を切り、害虫も追っ払う。<br> 木は翼のような葉を広げて飛んでいく。木にとびつくフクロガエル。<br> 木の根っこが落ちてきた。フクロガエルも落ちてきた。頭をうって名前を忘れた。<br> 大変大変、名前がないと皆に忘れられてしまう。<br> ロクゾウと名前をつけるガープ。ロクゾウは三人目のトモダチになった。<br> <br> 【第4章 風をつかうモノ】<br> シロガラスのヒューがやってきた。風ライオンの伝言から、風石を見つけるガープ。<br> 風石に認められたガープ、風使いの素質があると風ライオン。<br> 風ライオンは空飛ぶ木の根っこから、七色のムチを作った。<br> 風岩に乗ってムチを振るガープ。草を揺らすキミドリの風を覚えた。<br> ガープは島で三番目の風使いになった。<br> <br> <br> <a name="a16"></a></dd> <dt><a href="menu:16">16</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語4</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:40:44ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>【第5章 羽の泉】<br> ガープが聞いた、知らない風が吹き荒れる音。<br> 風ライオンにもわからない。手掛かりは前身年にある?<br> 羽の泉では、懐かしいものがあれば前身年の夢を見れるという。<br> 見えないものが見えるムラサキの風を覚えたガープ。<br> 緑の中の大きな顔、隠れていた島人のグリンに会う。<br> 怯えるグリンをキミドリの風で癒すと、羽の泉への道を開いてくれた。<br> 羽の泉、先客はスズウサギのリムル。満足げなリムルだけど、黒い風が吹いてきた。<br> 黒い風に吹かれたリムルはヌケガラになってしまった。<br> 風ライオンも黒い風のことはわからない。<br> 忘れられたスズウサギの心を発見。リムルという名前を思い出させると、元に戻った。<br> 「黒いハネ」のナツカシイ匂い。ガープは羽の泉にある水球に包まれ、夢を見る。<br> <br> 夢を見た。<br> 黒いカラダに大きな目。黒いコドモは、じっとこっちを見ていた。<br> <br> 【第6章 石の雨】<br> ガープのところに、傷ついた大グナイのクーポがやってきた。<br> 石の雨にやられたというので、ガープは代わりにリムルへの届け物を運ぶ。<br> ガープに会えて喜ぶリムル。リムルはクーポの治療を頼む。<br> 向かったのは岩人の住処。石の雨の正体は、泣いている岩人の赤ん坊だった。<br> ヒューの子守唄で、なんとか赤ん坊を眠らせるガープ。<br> その先にあった風岩で、傷をいやすオレンジの風を覚える。<br> オレンジの風でクーポの傷を治すと、クーポは空で見つけたという「黒いヒゲ」をくれた。<br> 「黒いヒゲ」はガープと同じ匂いがするらしい。<br> <br> <a name="a17"></a></dd> <dt><a href="menu:17">17</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語5</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/23(火) 22:43:40ID:yRLtKy4g</font></dt> <dd>夢を見た。<br> 黒いコドモと、竜人が生まれたサナギ。<br> 雨に打たれ、氷の雨に降られ、害虫を追い払う黒いコドモ。<br> 黒いコドモは、ずっとサナギのそばにいた。<br> <br> 【第7章 いろんなヒミツ】<br> トモダチの様子がおかしい。ガープに何か隠し事。<br> 住民の様子もおかしい。だれもかれもが怯えている。<br> トモダチの前で悩むガープ。そこにヘンなヤツ、マキオがやってきた。<br> マキオはトモダチを飲み込んで消えてしまった。<br> 住民はマキオに怯えてた。怯えるグリンをいやすと、グリンの左手と右手が目覚めた。<br> 左手に右手の欠片を、右手に左手の欠片をわたすと、さらに先へ進めるようになった。<br> 島の広場の風車の前で、マキオと対決するガープ。<br> 飲み込まれたガープはマキオの嫌いな木の実を使い、トモダチと脱出。<br> 「黒いウロコ」を吐き出し、逃げていったマキオ。<br> 無事だったトモダチは、ガープに三人で作っていた「竜人の像」を送った。<br> 自分そっくりの像に喜ぶガープ。トモダチも喜んだ。<br> <br> 夢を見た。<br> 黒いコドモと、大きな竜。<br> 何か話をする二人。そして一緒に空を飛ぶ二人。<br> 曖昧でバラバラだけど、とても懐かしい夢だった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:29">29</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語6</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/24(水) 19:44:45ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>【第8章 ウマムカデレース】<br> 発明家のセルベットがやってきた。ガープに何か頼みゴト。<br> 小さくなれるミズイロの風を覚えたガープに、レースに出て欲しいとセルベット。<br> レースのためのクルマの材料、ウマ、車輪、帆を集めるガープ。<br> 長い長いウマムカデの背を走るレースに、セルベットは連敗中。<br> 相手は二番目の風使い、二番目の風使いはカンゾウだった。<br> 木の家を賭けて、レース開始。<br> 追いつけ追いこせ、ムチを振るうガープとカンゾウ。<br> レースはガープの勝ち。セルベットはお礼に「島の模型」をガープに送った。<br> <br> 【第9章 リュウナマズ ドンキル】<br> 大きな地震に目を覚ましたガープ。<br> 地震の原因は、島で一番大きな生き物、リュウナマズのドンキルにあるようだ。<br> ドンキルの背中が回す歯車が止まり、風車が止まって大問題。<br> 背中にニオイをつけてもらい、用心深いドンキルの尻尾に会うガープ<br> 尻尾は痛みを訴える。ガープはシビレさせるキイロの風を覚え、尻尾の痛みをマヒさせる。<br> ガープに自分のニオイをつけ、頭、前足、後ろ足を訪ねてほしいとドンキルの尻尾。<br> 地面を掘るアカの風を覚え、地中のいたドンキルの前足、後ろ足にニオイをつけてもらう。<br> リュウくさくなったガープに、痛みに苛立つドンキルの頭も落ち着いて話す。<br> 痛みは虫歯のせいだった。キイロの風で麻酔して、ロクゾウの大声で虫歯を壊す。<br> 痛みが治まったドンキルの頭は、スヤスヤと寝息を立てた。<br> <br> <a name="a30"></a></dd> <dt><a href="menu:30">30</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語7</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/24(水) 19:45:39ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>【第10章 前身年の夢】<br> 島の広場の大ホール。住民は集まり、「前身年の夢」を語り合っていた。<br> 皆が気になるのはガープの前身年。でも見た夢はバラバラで上手く話せない。<br> しょんぼりするガープ。しょんぼりしていたクサネズミ。<br> クサネズミは最初にもらった名前を忘れてしまっていた。<br> 竜人からもらった大事な名前。ガープが思い出させると、「黒いツメ」をくれた。<br> ガープにはとてもナツカシク、クサネズミにはかすかにナツカシイ匂いの黒いツメ。<br> <br> 吹いてきた黒い風。羽の泉では夢見るための水球がなくなっていた。<br> これじゃ夢が見られない。手掛かりを集めるガープ。<br> 最初の水球は、「伝説の月人」が島人の心からつくったらしい。<br> グリンのココロは前身年の小さな木。<br> ココロは害虫の大ゼンマイに襲われた記憶に苦しんでいた。<br> 大ゼンマイを撃退し、安心したグリンのココロから水球の元をもらう。<br> 羽の泉に水球がもどり、ふたたび夢が見れるようになった。<br> <br> 夢を見た。<br> 大きな体を横たえて眠っている大きな竜。<br> そこに黒くて小さな体のコドモがやってきた。<br> 「キミは一人?ボクは一人なんだ。トモダチになってくれる?」<br> 竜は飛び上がった。黒いコドモもついていった。<br> 「ボクもつれてって。<br>  ホントにいいの? ありがとう」<br> 二人はトモダチになった。二人は一緒に飛ぶようになった。<br> <br> 「ボクには、まだ名前がないんだ。<br>  よかったら、キミが名前をつけてほしい。<br>  キミが今も昔も変わらずに、いちばん好きなモノの名前を。」<br> <br> <a name="a31"></a></dd> <dt><a href="menu:31">31</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/24(水) 19:49:01 ID:z5iBy1WS</font></dt> <dd>そんな二人にも、前身年の終わりはやってくる。<br> 悲しいけれど、後身年になると以前のことは忘れてしまう。<br> 「でも、自分の名前と好きなもののことだけは覚えているんだって、<br>  キミがボクを忘れてしまっても、ボクの名前を教えれば、<br>  きっとキミはボクのコトを気に入ると思う。」<br> 島の上空にある小さな浮島で、二人は並んでサナギになった。<br> 月が優しく二人を照らしていた。<br> <br> 島の広場の大ホール。ガープはみんなの前で、前身年の話をした。<br> 忘れてはいけないこと、ガープは今よりずっと立派な竜だった。<br> 大きな竜のそばにはトモダチがいた。黒い小さなトモダチだった。<br> <br> 【第11章 小さくてキレイなもの】<br> アゲハダマのイールたちの前身年が終わるという。<br> その前に見たいものがあると、イールたちはガープの頭にくっついてしまう。<br> イールたちの見たいもの、小さくてキレイなもの。<br> 岩人の長老たち、タム婆が集めた虫。<br> どれを見ても、意見がバラバラで満足しないイールたち。<br> ついには誰も見たことのない魚を探すことに。<br> 伝説の魚タチサキウオ、尻尾についてた小さなリボン。<br> イールたちは満足し、それぞれのココロが一つになった。<br> イールたちが変わったサナギに、オレンジの風をあてるガープ。<br> サナギの中からは美しいカラスアゲハが生まれた。<br> でもガープのことは覚えていない。前身年のことは覚えていない。<br> 哀しいけれど、誰もが同じ。もちろんガープもそうだった。<br> <br> <br> そして島中に黒い風が吹き荒れる。<br> 黒い風が残した音。<br> <br>  モウイチド キミニ アイタイ・・・<br> <br></dd> <dt><a href="menu:49">49</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語9</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:51:41ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd><br> ボクハ ダレ? ダレモ ボクヲ シラナイ・・・<br> <br> 【終章 ワスレサラレタモノ】<br> <br> 木の家を出ると、誰もいなくなっていた。<br> 草木も姿を消し、虫も魚もいない。<br> 羽の泉へ行くと、そこは黒い霧で覆われていた。<br> 風ライオンの最後の言葉から、伝説の月人ムーニーに会うガープ。<br> ムーニーはずっと空からガープを見ていた。<br> 島を救う風使い、罪をせおった竜人。ムーニーはガープをそう呼んだ。<br> ムーニーは羽の泉と同じ水球をつくり、夜空で見つけた「黒いキバ」を渡す。<br> ガープのせおった罪、知らずに誰かを傷つけた罪。<br> <br> 夢を見た。<br> 島の上空にある小さな浮島。二つ並んだサナギ。<br> サナギの中で、コワイ夢を見た大きな竜。<br> 身震いした竜のサナギは、黒いサナギのほうへと倒れてしまう。<br> 割れてしまった黒いサナギ。出てきたのは黒いコドモ。<br> 「まだ、前のボクと同じカラダ・・・」<br> <br> <br> <a name="a50"></a></dd> <dt><a href="menu:50">50</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語10</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:53:58ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd> サナギのそばの黒いコドモに、シロガラスがやってきた。<br> シロガラスは楽しげに笛を吹き、そして最後にこう言った。<br> 「可哀想だがそのサナギはもうダメだ。傾いていると死んでしまうからな。」<br> 黒いコドモは、必死でサナギをまっすぐに直した。<br> <br> サナギのそばの黒いコドモに、雲の顔が話しかける。<br> 「もうすぐ氷の雨が降るよ。ここから逃げたほうがいい。」<br> 黒いコドモはサナギのそばにいた。氷の雨が降ってきた。<br> 大きな氷が頭にあたって、黒いコドモは倒れた。<br> <br> 竜のサナギは無事だった。気が付いた黒いコドモは、ふと頭をかかえた。<br> 「う、わすれた。 名前、ボクの名前。<br>  キミがつけてくれた、ステキな名前・・・」<br> 頭を打って、黒いコドモは自分の名前を忘れてしまった。<br> それでも黒いコドモはサナギのそばにいた。<br> 雨に打たれ、大ゼンマイを追い払い、サナギを守っていた。<br> <br> <a name="a51"></a></dd> <dt><a href="menu:51">51</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語11</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/25(木) 21:56:06ID:9BLgT/Ku</font></dt> <dd> サナギのそばの黒いコドモに、クサネズミがやってきた。<br> 「オレ、ニーフ。名前を集めてる。<br>  オマエの名前は?<br>  名前が無い?そいつは大変!<br>  みんながオマエのことを忘れたら、<br>  ワスレサラレタモノになっちゃうよ。」<br> <br> サナギのそばの黒いコドモは、小さくうずくまっていた。<br> 大きな竜が生まれ変われば、自分のことも忘れてしまう。<br> 大好きだった大きな竜、そんな記憶も砕けて消えた。<br> 黒いコドモとサナギに、静かに雪が積もっていく。<br> <br>   ワスレタ。  ボクハ ダレ?<br>   ダレモ ボクヲ シラナイ<br>   ダカラ ワスレサラレタモノ<br> <br> 大きな竜が竜人へと変わるそばで、もうひとつの命も生まれ変わった。<br> ワスレサラレタモノ、その姿はまるで黒い風のようだった。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:86">86</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語12</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:13:01ID:uTYsusME</font></dt> <dd>ガープのせおった罪、知らずに誰かを傷つけた罪。<br> ムーニーは言った。全てのカタチあるものは、罪を忘れて前身年を終える。<br> ガープは忘れられた名前を呼んだ。今も昔も変わらず、いちばん好きなものの名前を。<br> ムーニーは竜人のコトバを欠片にして、月の欠片とともに渡した。<br> ガープはマボロシの風、闇を照らすシロの風を覚えた。<br> <br> 黒い霧に包まれた羽の泉、シロの風が霧を吹き飛ばす。<br> 羽の泉はガラクタで埋め尽くされていた。<br> 「オボエテル ミタクナイ ヨルノ ヒカリ。」<br> 月の欠片の光が、硬く閉ざされた扉を開く。<br> 「オボエテル コオルヨウニ アタタカイ オモイデ。」<br> 月の光はココロの中まで届かない。ガープは暗闇へと踏み出した。<br> <br> 「ズット マッテタ。 キミノコト マッテタ。<br>  スキ。 ダケド キライ。 クルナ!<br>  ダケド アイタイ・・・」<br> 中にはヌケガラになった住民たちがいた。<br> ひとりひとり、名前を思い出させていくガープ。<br> <br> 「フタリデ トンダコト オボエテル? イマ キミハ ダレト トブノ?」<br> クリオンはバラバラになって、消えた。<br> <br> 「ナンデ ボクハ ナマエ ワスレタ? クダキタイ ツメタイ コオリ。」<br> ロクゾウは氷の雨に押しつぶされ、消えた<br> <br> 「オボエテル アノヒノカゼ アノヒノクサ? キリサカレタ キオク。」<br> キスケは黒い草に切り裂かれ、消えた。<br> <br> 「イナクナッタ。 ダレモ イナクナッタ。」<br> <br> <a name="a87"></a></dd> <dt><a href="menu:87">87</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語13</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:16:27ID:uTYsusME</font></dt> <dd> 「キミモ一人 ボクモ一人 トモダチになってくれる?<br>  ボクノ ナマエ キミニ オシエル。 トモダチニ ナレル。<br>  デモ ワスレタ。 ワスレサラレタ。 」<br> <br> 最深部には、大きな怪物がいた。<br> ガラクタのカラダに、どの生き物ともいえないカラダ。<br> その姿は、自分が何なのか忘れたようだった。<br> ガープを責める怪物、自分を責める怪物。<br> ガープは七つの風を吹かせ、怪物のココロを癒していく。<br> 最後に吹かせたシロの風が、怪物の黒い風を吹き飛ばした。<br> <br> 気付けば島の上空にある小さな浮島。<br> 竜人が生まれ、黒い風が生まれた始まりの場所。<br> 黒いコドモは硬いカラに包まれ、じっとうずくまっていた。<br> 「ボクハ ダレ? ダレモ ボクヲ シラナイ・・・」<br> <br> ガープはナマエの欠片をかざした。欠片の光が黒いコドモを包んでいく。<br> <br> 「ガープを、かんじる。<br>  ボクのコト、忘れていない!?<br>  おもいだしてくれた!おぼえていてくれた!<br>  ボクの名前!」<br> <br> <a name="a88"></a></dd> <dt><a href="menu:88">88</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">七ツ風の島物語14</a></b></font> <font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:19:58ID:uTYsusME</font></dt> <dd>ガープのキモチが、黒いコドモのココロに届いた。<br> 殻を破って、黒いコドモが飛び出した。<br> <br> 長い時をへて、ガープと黒いコドモは再び出会った。<br> ガープの姿が変わっても、もう飛べなくなっても、二人はトモダチのままだった。<br> <br> 「でも・・・もう終わり。ボクはここにはいられない。<br>  ボクが最後にできるコト。<br>  ガープ、いつまでも、トモダチ。<br>  ボクは忘れない。キミのコト、忘れない。」<br> <br> 黒いコドモは、チリになって消えていった。<br> 残ったのは3つのサナギ。<br> サナギの中から、キスケ、クリオン、ロクゾウ、消えたトモダチが飛び出した!<br> <br> トモダチがいる トモダチが笑っている。<br> アヤマチは いつもココロにイタイ<br> そんなアヤマチをくりかえしそうになる<br> だから 忘れない 忘れてはいけない<br> 心の中の 大切なもの<br> 七ツ風の物語。それはあなたが作った物語。<br> <br></dd> <dt><a href="menu:89">89</a> <font color="forestgreen"><b><a href= "mailto:sage">名無しさん@お腹いっぱい。</a></b></font><font color="#8080FF" size="2">sage</font> <font color="#808080" size="2">2005/08/28(日) 15:20:58 ID:uTYsusME</font></dt> <dd>以上、七ツ風の島物語でした。<br> クリア後は探索のみの【番外編 七ツ風の島物語】へと続きます。</dd> </dl>

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