夢幻戦士ヴァリス
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ACT1麻生優子はごく普通の女子高生だが、ある日下校中に雨が降ってきた。優子「雨がやんでる…いつの間に…?いやな天気…そういえば…昨日はあの夢見なかったな…遠くから誰かに呼ばれる夢って…何の象徴なんだろ…」麗子「フロイトは何か言ってったっけ…」優子「!麗子!」麗子「雨宿りのついでに居眠りなんて…いかにもあなたらしいわね、優子。」優子「麗子こそ、傘なんかさして…雨はもう降ってないわよ。」麗子「ああ、これ?いいのよ、別に。またすぐふるんだもの。…そうか、だったらもう少しそこで居眠りしてたほうがいいかもね…少なくとも雨には濡れないわ。家へは帰れないでしょうけど…。」 優子「?…あなたこそ早く家へ帰ったら?だいたい方向が逆じゃない。なんでこんな所にいるの!?」麗子「挨拶に来たのよ、お別れのね…ちょっと遠くへ行かなきゃならないから…もっともあなたとはどこかでバッタリ出会う事になるかも知れないけど、一応は…ね。」 優子「?何を言っているの?なんのこと!?」麗子「フフッ…じゃあね優子、さようなら。あなたの無事を祈ってるわ。」優子「なによ、あなたがどこへ行こうと知るもんですか!もしあれが予知夢で、声の主が麗子……バカみたい、そんな事ある訳ないもの…。…じゃあ…誰…?」優子の友達である桐島麗子は遠くへ行かなければならないと別れを告げる。麗子が去った後、突然魔物が現れ、優子を襲う。しかし、突然現れた剣が優子を守った。そして、優子の戦いが始まった。
ACT2ガイーダを倒した優子は夢幻界に迷い込み、夢幻界の女王ヴァリアに、世界で最も明と暗の力のバランスの取れた戦士、ヴァリスの戦士として、暗黒の力ヴェカンタをつかさどる魔王ログレスを打ち倒すよう言いつかり、ヴァリスアーマーを授かる。しかしあまりもの唐突なことに、優子は戦う自信がないようだ。 ヴァリア「ヴァニティへようこそ、優子…ヴァリスの戦士よ…。」優子「これは夢よ、夢…私はまだ寝てるんだわ…きっとそうよ!そうに決まってる…!…夢じゃないの!?なぜ!?」ヴァリア「一時はどうなる事かと思いました・・・本当によく戦ってくれましたね。頼もしい限りです。私の力も、もうほとんどリアリティには及ばなくなって・・・あなたを呼ぶのも難しかったのです。」 優子「私を…私を呼んだのはあなただったの!?あなたは誰!?ここはどこなの!?これが夢じゃないとしたらいったい…!」ヴァリア「どうか落ち着いて、優子…戦いで気が高ぶっているのはわかります。でも、これは夢ではありません。…私の名はヴァリア。ここはヴァニティという、あなた方の世界とは別の時空です。優子…全てがあなたの理解を超えている事でしょう。でも、黙って聞いて下さい…。人の心は今、滅びかかっています。人の心は”明”と”暗”の二つの異なった性質を持って成り立っているのですが、最近になって”暗”の部分が著しく増殖し、そのバランスを失いかけているのです。」 優子「いったい何の事なの!?さっぱりわからないわ!」ヴァリア「最後まで聞いて下さい、優子。あなたの世界で戦争や暗い出来事が多く起こるのも、全ては人の心の”暗”に作用する、”ヴェカンタ”という”力”のせいなのです。」 優子「ヴェカンタ…?」ヴァリア「そうです。その力は”ヴェカンティ”という、また別の時空から及んでいて、張本人は”ログレス”という暗黒の王なのです。私は幾千年もの間・・・人の歴史が始まってからずっと戦い続けて来たのです。でも優子、今はあなたに助けてほしいのです。もう私一人の力ではどうにもなりません。」 優子「私に。。。!?私に戦えというの!?どうやって!?ただでさえわけがわからないのに!」ヴァリア「あなたはここまで戦って来たではありませんか。」優子「それは…襲われたからよっ!」ヴァリア「私が時空転移で投げた剣を受け取れたのは、あなたが戦士だからです。最も自然な心、”明”と”暗”のバランスがとれている事がその明かしです。」優子「いいがかりだわ、私はそんな人間じゃない!」ヴァリア「では、あなたの世界が滅びてもいいのですか!?戦争が起きても、大勢の人々が苦しむのを見ても平気だと言うのですか!?」優子「そ、そんな事言ってないわ、ただ…ただ私には関係ないでしょう!?」ヴァリア「なんということを…あなたまでがそんな…戦士にヴェカンティの心があるなんて…!向こうでは既に戦士が誕生したというのに…その上あなたまでを敵にまわすわけにはいきません。」 優子「…何をする気…!?キャアァッ!こ、これは…!いったい何を!?」ヴァリア「これ以上の問答はあなたのヴェカンティを増殖させるだけ…このまま行って下さい、優子!」優子「そんな…!無理矢理…アァッ!」ヴァリア「…私の言った意味など…あなたにはまだわからないでしょう…。でも、戦いの中からそれを知ってくれると信じています…ログレスを倒すまでに、かげがえのないものを失っても…それが戦士の宿命だと…あなたにわかってもらえるといいのですが…」
ACT3しかし、様々な出来事を経て、優子はログレスと対面する。多数の魔物を倒し続けてきた優子は麗子と再会するが、麗子はログレスの手先となり、優子の敵になったという。
ACT5
それでも戦い続ける優子は遂に麗子と戦う羽目になった。麗子「決着をつける時が来たわね。約束通り、止めを刺してあげる。」優子「麗子!あなたはログレスに騙されているのよ!お願い!目を覚まして!」麗子「ゴチャゴチャとうるさいわね!私とあなたは敵同士!戦う、力が強い物が勝つ。ただそれだけの事よ。」優子「違う!私達は友達…」麗子「うるさい!私はね、あなたのその甘ったるい考えが大嫌いなのよ!さあ、行くわよ!」優子は麗子との戦いに勝つが、優子にとっては悲劇である。麗子「助けられる覚えはないわ!たった今まで戦ってたのに・・・ 優子「またそんな事言って…意地っぱり!こんなケガしてるのに…答えて、麗子、なんであなたと私が戦わなきゃならないの?ねえ!?」麗子「おっきな声出さないでよ…傷に響くわ…あなたと私は敵同士…だから戦うの…それでいいじゃない!」優子「よくないわっ、だって、敵じゃないもの!」麗子「じゃあ…なんなのよ?」優子「友達よ…そう、友達よ!」麗子「…いつもいじめてたのに?ウソおっしゃい!」優子「今…なにも今そんな事言わなくったって…私がそうだっていってるのよ!麗子、何を隠しているの?なぜ本当のことを言ってくれないの!?」麗子「………優子の両親は仲がいい?」優子「えっ?…ええ…」麗子「兄弟がいるでしょう?…喧嘩しない?」優子「…ええ…でも、時々は…麗子なにを…!」麗子「私はぜんぜん反対よ…家もバラバラで…友達もいないわ…ずっと意地はって来たから…そんなものだと思ってたし…ねたんだり、そねんだりして、人を出し抜いて、人の上に立って生きてやろうって…思ってた…だから、ログレスの誘いにも乗ったの。”人の世を支配できる”って言ったのよアイツ…でもちがう、逃げたかっただけなの…いろんな事から…悩みや、嫌な事から…自分でもわかってた…もう、どうでもよくなってたのよ、今さら…ただ…逃げ出したかった…そうゆうことって…あなたにはないの?」 優子「あるわよ、もちろん!」麗子「でも…あなたはいつも戦っていたでしょう?いろんな悩みや、苦しいことと…私は逃げられるだけ逃げて…とうとうこんな所で死ぬハメになったのよ…。」優子「バカな事言わないで!きっと、きっと私が助けてあげるから!」麗子「泣いてくれているの…?私のために?…じゃあ…友達になれたのかな、私…」優子「ええ…ええ…!」涙を流しながら麗子に説得する優子。しかし…麗子「ありがと…暗くなって来たわ…もう…よく、見えない…さようなら…優子…」麗子は優子に看取られて息絶えた。優子「麗子!…麗…!…どうして…あなたが死ぬ理由なんて…ないのに!」麗子の最期を看取りながら泣き崩れる優子の前に現れるログレス。優子「!!」ログレス「フハハハハハ…愚か者めが、情になど流されおって、半端にヴァニティの心なぞ持つからだ…まぁよい、もともとそんな小娘など、あてにしてはおらぬわ!優子とかいったな…ヴァリスの戦士よ、来るがいい。ヴェカンタリアのわしの城までな、そうすれば全てがわかる…待っておるぞ、気長にな。フハハハハハ!」 優子「…許さない、ログレス!…おまえは必ず…必ず私の手で!」
優子は自分の腕の中で死んだ麗子の仇を討つためにログレス城へ乗り込む。ログレスとの最後の戦いが始まった!激闘の末、ログレスを倒した優子は現実世界に戻る。しかし、麗子の姿はもういない。残されたのは猫だけだった。
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【補足】
エンディングの描写はパソコン版とPCE版で流れが異なります。
PCE版では麗子の死の後に形見として手首に巻き付けたスカーフが残されているのを見て
すべてが現実だったと思い知り、悲しみを胸に帰途に就くというシーンで幕を閉じますが、
パソコン版ではスカーフの下りの描写がなく、現実界に戻ったことに優子が気付いた直後、
キャラのセリフは一切なしで締めくくりのナレーションがかぶさって終了です。
また、PCE版においてはPCE版で『II』で大幅な設定変更が加わった影響で削除されたセリフがあります。
1ステージクリア後のヴァリアとの会話で、ヴァリアが暗黒界の戦士として召喚されたのが
優子の近しい人間だと知っていることを暗に仄めかすようなことをつぶやいていたり、
暗黒界で再会した麗子の「散々いじめてやった仕返しを今ここでしたらどう?」って煽ってきたり、
優子に弟がいる旨のセリフがあったりするのですが、PCE版ではカットされてます。
特に麗子の煽りのセリフがカットされてるので、友達だと言い張る優子に対して「あんなにいじめたのに?」
というセリフの件が少々唐突になってたりします。
また、パソコン版だと1ステージクリア後のビジュアルシーンにおける優子とヴァリアのやり取りが
かなりヒステリックかつ強引な感じで、ヴァリススーツに無理やり着替えさえられた時の大仰な
ファンファーレも相まってかなり笑えますw
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