学校であった怖い話(Part2/2) ページ容量上限の都合で2分割されています。part16-256・322~324・331・457・459、part18-376~377・385、part19-138・709~710・722、part20-16・18・25・43~45・52・92~95・98~99・101~103・110~111、part22-516~520
256 学校であった怖い話 sage 2005/06/26(日)13:42:15ID:huzqWv1H岩下:1話学校に伝わる七不思議、岩下はそれを大した怪異ではないと言う。この学校には悪霊が憑いており、その悪霊こそが本当の恐怖なのだ、と。岩下は悪霊が引き起こした惨事の一つ、内山浩太という生徒に纏わる話を語る。偶然だろうか、主人公は内山浩太を同じクラスの者として知っていた。内山はいじめられっ子で今はもう登校していないのだ。
岩下は内山がどういじめられていたか、どう苦しんでいたかを語る。そして、悩んだ末に内山がいじめは悪霊のせいだと結論づけたことを。無論、悪霊の存在を訴える内山の話を誰も相手にしなかった。いじめが続く中、内山は悪霊の姿が見えるようになる。見るもおぞましい姿の悪霊が周囲の皆を扇動しているのだ。やがて内山は登校拒否に陥り、一日中を自宅で過ごすことに。しかし、ここでも彼に付き纏わんと悪霊が姿を現す。内山は悪霊に立ち向かうも敵わず、ついに憑依されてしまう。追い詰められた内山はついにカッターで自らの喉を・・・彼の自殺死体は家族が発見したらしい。はたして悪霊は実在したのだろうか、内山の幻覚だったのか。
内山と悪霊との戦いの話は終わった。知っている人間の話のせいか、居心地の悪い主人公。それを知ってか知らずか、岩下の口調は主人公を責めるようだ。何か尋常ならざる雰囲気の岩下に怯える主人公。そんな主人公に岩下は「浩太を殺した責任はこれから取ればいい」と告げる。途端、岩下は豹変し凶刃を手に主人公へ迫る。「おまえだ!おまえが浩太を殺したんだ!」岩下は主人公が内山いじめの張本人だとして襲い掛かってくる。必死に誤解だ、と弁解する主人公だが、やがて恐怖のあまり気絶してしまう。
しばらく後に主人公が目を覚ますと岩下の姿はすでに無かった。心配そうにしている他の語り部たちからその後の経緯を聞く。主人公が気絶した後、岩下が泣きながら語り部たちに話したのは・・・実は内山浩太は岩下の実弟だったというのだ。両親の離婚を経たため姓こそ違えど、姉弟の仲の良さは変わることなくそれだけに岩下は浩太を死に追いやったクラスの連中が許せなかった。誤解こそあれ、いじめた連中、いじめを知りながら助けなかった連中、岩下の憎悪は同じクラスの連中ほぼ全員に向けられていたのだ。岩下はそこまで語ると、ふらふらと外へ出て行ったという。最後に語り部たちが付け加える。「悪霊が実在するかどうかはわからない。 しかし、先ほど主人公を襲う岩下の鬼気迫る表情、 憎悪に歪むそれは正に悪霊の如きものであった」と。
その後、主人公は語り部たちと相談し会合を解散することにした。足早に帰宅し、複雑な胸中のまま就寝する主人公。しかし、その夜、再び岩下が凶刃を手に自室の主人公を襲う。”自分も弟と同じく悪霊に憑かれてしまった”、そう語る岩下の喉はかって内山が自殺したとき同様の状態に・・・岩下の、そして自身の鮮血を浴びつつ主人公の意識は遠のいてゆく。(バッドエンドです。会合をそのまま続ける、とすると 岩下は登場しないままゲームが続き、死亡を回避できます。 他のストーリーとしては、少し違った悪霊絡みの話、 あるいは内山浩太本人の霊に関する話、に分岐します)
322 学校であった怖い話 sage 2005/06/29(水)23:35:12ID:JGlHZDZu岩下:2話 (1/3)唐突に岩下は主人公の性格を尋ねる。「あなたは優しい人かしら?」「あなたはどんな約束でも守れる人かしら?」「あなた、人の忠告は素直に聞けるほうかしら? たとえ、それが自分と違う意見であっても」
戸惑う主人公だが、岩下は答えを求める。結局、岩下に押し切られるような形で全てをYesとしてしまう。主人公の答えに満足する様子を見せると岩下は怪談を語り始めた。それは一人の男子生徒が遭遇した怪異の物語。男子生徒の名前を主人公と同じものとして語る岩下。それは何か特別な意図あってのことなのだろうか。
その男子生徒がある日、居残りで帰宅が遅くなってしまった。すでに日は落ち、校舎内の灯りもまばらだ。彼は教室から暗い廊下へ一人歩き出した。彼の教室は三階にあったので、先ずは階段を下りることにした。階段を下りた先は二階の廊下・・・のハズが何故か自分の教室だ。確かに階段を下りたのに、目の前にあるのは三階の光景。念のため、再度階段を下りてみる。しかし、何度下りても辿りつくのは元いたはずの三階なのだ。
目の前の階段からの脱出を諦めた彼は廊下を進み始めた。反対側にあるもう一つの階段で試してみようと考えたのだ。すでに夜分遅いせいだろうか、蛍光灯の明かりが心無し小さく思える。しばらく歩いた後、彼は奇妙な点に気づく。この廊下はこんなに距離があるものだったろうか?もうずいぶんな距離を進んだ気がするが・・・。背後を振り返ると、確かに今まで進んできたであろう痕跡が見える。しかし、彼の前には廊下の先が見えないほどの距離が残っている。不安が増大する中、迷いつつも彼は再び歩き始めた。
また、しばらく後、彼は周囲の状況の変化に気づく。蛍光灯の明かりが小さくなっている?違う、自分を取り囲む闇が大きくなっている!それが何なのかはわからない。しかし、確かに自分が元いた教室の辺りから漆黒の塊が迫ってきている。パニックに陥った彼は廊下の反対側に向かって全力で疾走し始めた。走れど、走れど、やはり廊下の先は見えもしない。そんな中、彼は少し先の端にうずくまるモノを見つける。人か、あるいは別のモノか、恐る恐る近づくと・・・それは女子生徒だった。自分以外にもこの異常に巻き込まれた人がいる、自分だけじゃない、そうした安心感から彼は駆け寄った。女子生徒は両手で顔を覆いながら、隙間から視線を彼へと向けた。事情を聞くと足を痛めて身動きがとれなくなっていたらしい。女子生徒は助けを求めている。
ここで岩下が主人公へと尋ねる。「あなたなら・・・どうする?」
323 学校であった怖い話 sage 2005/06/29(水)23:36:25ID:JGlHZDZu岩下:2話 (2/3)岩下の問いかけに「助ける」と答える主人公。すると岩下は「そうしなきゃいけないわ。だってあなたは優しい人だもの。 自分でそれを認めたのだから。 もしも、『助けて』いなければ・・・私、あんたを殺したかもね。 私は嘘吐きが嫌いなの。あなたも嘘はつかないでね」と言う。何故だろう、冗談に聞こえない。
(この辺りから話がおかしくなってきます。 話の内容ではなく、岩下の語り口調が、です。 主人公への呼び方も「あなた」→「あんた」となり 話の中の男子生徒の行動も、「あんた」は~した、と まるで主人公がそうしたかのように語ります)
「あんた」は彼女を抱き起こすと背負ってあげたわ。彼女は「あんた」にもう一つ頼んだわ。
「私のこと、離さないでね」
「あんた」は優しいものね、何て答えたかはわかるはずよ。・・・そう、それでいいのよ。だって「あんた」は優しいのだから。「あんた」は彼女を背負ったまま歩き出した。彼女はその両手を「あんた」の首へと回しているわ。そのうち、後ろから妙な音が聞こえてきたわ。そういえば、背後から迫っている闇もどうなっているのか。でも、振り向こうとする「あんた」を彼女が止めたわ。
「振り向いてはだめ。大変なことが起きるから。 だから、振り向かないで。お願い」
何となしに「あんた」が視線を下ろすと彼女の両手が見える。その両手はまるでミイラのように朽ち果てていたわ。途端に喋り続ける彼女の声が老婆のように枯れた声に聞こえてくる。さっき背負ったときには普通の女子生徒だったはずなのに。今、「あんた」が背負っているのは何でしょうね?どうする?「あんた」、振り向いてみる?・・・そうよね、「あんた」、人の忠告は聞くんだものね。「あんた」、私に言ったんですもの。人の忠告を聞くことができる、って。嘘はつかないでね、嘘吐きは殺すから。
324 学校であった怖い話 sage 2005/06/29(水)23:37:54ID:JGlHZDZu岩下:2話 (3/3)「あんた」は歩き続けたわ。得体の知れない何かを背負いながら。「あんた」の首にかかる朽ちた両手は力がどんどん増していくわ。やがては首を絞められるような苦しさが・・・。どうする?振り向けば、振り落とせば、どうする?・・・そうよ、それでいいのよ。いいえ、「あんた」はそうしなければならないわ。
我慢しながら「あんた」は廊下を歩き続ける。先の距離が見えない廊下を、ね。彼女、背負った何かの喋りはすでに女の子の声ではなくなっているわ。誘うような声、「苦しいだろう、怖いだろう、不安だろう、振り向いてみないか? 振り向けば助かるかもしれないよ。ねえ」。「あんた」は・・・、そう、振り返らなかった。ただ、やめてくれ、と叫ぶのが精一杯だったのよ。突然、背負った何かが金切り声を上げて「あんた」の首を絞め始めたわ。今までよりもずっと強い力で・・・、「あんた」の意識は遠のいていった。
・・・ふふふ、ごめんなさいね。「あんた」じゃなかったわよね。もう一人の「あんた」。仮に同じ名前にした「あんた」とは別の男の子。
話の彼は翌日、廊下で気絶しているのを友人に見つけられたそうよ。朝陽が射し込む廊下は昨夜の様子など微塵も残ってはいなかったわ。夢だったのかしらね、・・・いいえ、彼の首には残っていたわ。絞めたような跡が、くっきりと。もし、振り向いていたら、約束を、忠告を破っていたら、どうなっていたのかしらね?ところで、今の話、「あんた」の教室前の廊下なのよ。もしかしたら「あんた」の身に今話したのと同じことが起こるかもね。けど、大丈夫よ。だって、「あんた」は約束を守れるのだから。人の忠告だって聞けるし、優しいのだから。そうでしょ?
(岩下の話はほとんどが上記のような感じです。 執拗に主人公を責めるような話し方で怪談を語ります。 原文の雰囲気を出そうと思い、岩下の口調のイメージそのまま で書いてみましたがどうだったでしょうか? 岩下の話についてはゲーム本編を実際にプレイしなければ 内容自体はあまり”怖い”といった感じはしないかも)
331 学校であった怖い話 sage 2005/06/30(木)02:43:56ID:8qH8dmsF岩下:2話、に追記。→岩下からの質問については上記のパターン以外の答え方も当然存在します。 最初に、約束守れない、忠告聞けない、優しくない、とも言えますし、 話の途中で、振り向く、振り落とす、ともできます。 最初の質問に「できない」旨を答え続けると、恋人に執着するあまりに 常軌を逸してしまった女子生徒の話に分岐します。 話の途中で、振り向くor振り落とす、を選択すると 岩下が激怒したり、場合によっては死亡エンドに・・・
457 学校であった怖い話 sage 2005/07/06(水)23:45:09ID:l4FLnQ04岩下:3話十数年前、主人公たちの学校に清水智子という女子生徒がいた。美術部に在籍していた清水は物静かで、何より絵を描くことが大好きだった。当時、彼女はコンクールに向けて自画像の作製に心血を注いでいたが・・・自画像を完成できずに清水智子は殺された。死因は絞殺だったらしい。通り魔の仕業として警察が捜査したが結局犯人はわからず仕舞いであった。彼女の死後、作製半ばの自画像は遺族の願いもあり美術室へと展示された。
しかし、しばらく後、遺作となった絵に何者かが手を加えていると噂がたった。確かに絵を見ると、日毎に絵が微妙に変化している。まるで完成へ近づくかのように。気になった美術部員の一人が夜通し美術室の絵を見張っていると、なんと、夜中の美術室に死んだはずの清水智子が出現し絵を描き始めたのだ。気味悪いものを感じた部員たちは飾ってあった絵を取り外し、部室の隅に置かれた絵の束の一つとして保管することとなった。
が、皆が帰宅し、翌日部室を訪れると絵は元通りに飾り直してある。今まで通り、ほんの少しの修正が加えられながら・・・誰もが、清水智子の霊がやったものだと考えた。困った部員たちは絵を彼女の家族へと渡したり、あるいは住職を呼んで供養してもらったりした。しかし、全く効果は無く、日が経つと絵は元通り部室へと帰ってくるのだ。とうとう諦めた部員たちは絵をそのまま放置することにした。とりたてて実害も無く、絵が完成すれば成仏するだろうと考えてのことだった。
ほどなくして絵は完成した。そして、完成した直後に今度は絵が部室から消失してしまったのだ。捜索の結果、間も無く絵は発見された。発見場所は清水智子の死体が発見された正にその場所だったという。
以降、清水智子の自画像は見る者によってその表情が変わって見えるという。物静かな彼女らしい微笑を浮かべる表情であったり、そして、おそらくは殺された瞬間であろう苦悶の表情であったり。眼は飛び出し、顔は歪み、口からは血を滴らせ、その無残かつ恐ろしい表情を見てしまった者は自ら首を絞めて死んでしまうらしい。清水智子の怨念か、あるいは寂しがる彼女が仲間が欲しいと呼ぶのか、原因は今もなおわからないままだ。絵は人目につかぬように部室に保管されているらしい。
・・・話が終わり、岩下の提案で美術室へ移動する一同。話に聞いた清水智子の自画像をその目で確かめようというのだ。気が進まぬも同行する主人公。美術室の扉が開けられ、岩下の手で問題の絵が運ばれる。果てして主人公が見る清水智子の表情は・・・(大抵の場合、主人公の見る表情は”死相”となります。 その場合も何かとカンに障る物言いをする岩下さんですが。 この話の後、新堂を語り手に指名すると隠しシナリオが始まります。 その場合、清水智子を殺した犯人、自画像の謎が明かされます)
459 学校であった怖い話 sage 2005/07/07(木)02:52:16ID:NFbYQ976>>458隠しシナリオについては基本の42話を書き終えた後でどうしようか考えるつもりですが、概要だけ。
・清水智子は孤独だった(幼い頃の新堂にとっては近所のお姉さん)→絵に描いた人物(男)を実体化させた(具体的な方法は不明)・やがて実体化した男は彼女の手を離れ暴走し始める→清水は男を封じ込めようと元絵に自画像を上描きし始める・自画像の完成前に男が清水を殺害する→何とか男を封じ込めようと清水は霊となり自画像を完成させる・自画像完成後の呪い、及び犠牲者は封印された男の仕業?
主人公たちは清水智子の自画像から下地となった男の絵を発見する。主人公、新堂たちが見る中で男(の絵)はだんだんと消えてゆく。・・・呪いは解けたのか?
376 学校であった怖い話 sage 2005/09/17(土)00:00:35ID:pWsSgrDL岩下:5話(1/2)岩下の同級生に矢口節子という女子生徒がいた。彼女には伊達守というとても仲の良い恋人がいた。が、どうしたことか互いの家族は仲が悪く、そのことは二人の悩みでもあった。
あるとき、二人が隠れて会っていたことが家族に知られ騒動になった。家族の者たちは互いに「息子(娘)は相手に騙された!」と主張し大喧嘩に。結果、二人は外出を制限され、また学校以外で会うことも難しくなってしまった。困り果てた二人は相談し学校以外では電話でお喋りすることに決めた。(ゲームが発売された当時は携帯電話は無かった・・・・っけ?)もちろん、うかつに連絡しては家族の者にバレてしまうかもしれない。そこで二人は毎晩九時に時間を決めて日毎交互に連絡を取り合うことにした。この関係は成功し学校以外で直接会うことはままならぬものの二人は毎晩九時の秘密のお喋りを続けて一層と絆を深めていった。
あるとき、伊達が部活で下校が遅れ九時までに帰宅できなくなってしまった。二人の時間を大切に思っていた彼はやむを得ず九時を待ち公衆電話で連絡をとることに。しかし、この公衆電話、『悪魔の電話』、に関わったことで二人の仲は───
その日は問題なく終わった。いつも通りの楽しい一時を過ごす二人。異変は翌日から始まった。前日に続いて再び伊達から矢口へ連絡が入ったのだ。日毎交互に連絡を取り合う約束だったはずなのに・・・・そのことを電話口で問う彼女に彼は「待ちきれずに電話してしまった」と答えた。仕方なく思えながらも、彼からの想いも感じられその日も彼女は楽しく過ごした。しかし翌日、学校で伊達は「昨日はなぜ連絡をくれなかったんだ!?」と尋ねてくる。彼女は「昨日は伊達くんから連絡をしてくれた」と反論するが彼は覚えがないらしい。不思議な食い違いから言い争いにまで発展してしまう二人。なんとか和解し二人で話し合い、何者かが伊達の名を語ったのでは?と考える。二人はさらに相談し、時間以外に新しいルールを決めて連絡を取ることにした。そしてその晩はあらためて伊達から連絡をとることになったのだった。
その夜、彼女は電話の前で連絡を待つが、待てども一向に連絡は入らない。約束の九時を回り十時近くになろうか、それでも伊達からの連絡は入らなかった。不安に思い彼女から連絡を取ろうともしたが、伊達家の電話はずっと話中の状態だ。彼女の不安が頂点に達したとき、ついに電話の呼び出し音が鳴り響いた。受話器をとった彼女に聞こえてきたのは伊達の声だった。しかし、何やら様子がおかしい。彼は自宅ではなく屋外、学校前にいるらしいのだ。事情を聞くと、なんと彼女から呼び出されたというのだ。もちろん彼女は呼び出してなどいないのだが。彼だけでなく彼女を騙る者までいるのか?呼び出した者の考えはわからないが、伊達の提案により彼女も学校前へ行くことにした。『学校前の電話ボックス』を待ち合わせ場所にして───
到着した彼女。しかし彼の姿は見えない。途方に暮れる中、突然公衆電話から呼び出し音が鳴り響く。どうするか?1、受話器をとらない2、受話器をとる。(自分からは話さない)3、受話器をとる。(自分から話してみる)
377 学校であった怖い話 sage 2005/09/17(土)00:01:38ID:pWsSgrDL岩下:5話(2/2)3、を選ぶと・・・・
ここで語りは一旦途切れる。岩下は主人公へ「キスしてもらえれば続きを話す」と言い出す。(省略しましたが、話が始まる前に岩下は主人公に 「私を恋人にしてくれない?」とアプローチしています)
突然の話にうろたえる主人公。腕をつかんで強引に迫る岩下を突き飛ばします。すると岩下は体勢を崩し、倒れ、後頭部がテーブルにぶつかり、そして。動かない岩下、目を閉じ、息をしていない???主人公は慌てて近寄りますが、瞬間、目を開けた岩下が「よくも・・・・呪ってやる」的なセリフを。主人公の意識がプツリと途切れ。
気が付くと主人公は自分の席に座っており、岩下も怪我した様子もなく座ってます。恐ろしい夢だった、と考える主人公。すると岩下はどこかで聞いたような話を始める。それは同級生の矢口節子という女子生徒に関する話。彼女と恋人の伊達守は(以下略何から何まで主人公が先ほど聞いた内容と同じ。最後に岩下がキスを求めるところまで。そして、まるで予定されていたかのように岩下を突き飛ばす主人公。倒れる岩下に駆け寄る主人公に、岩下はやはり同じ呪いの言葉を。主人公の意識はプツリと切れて、目を覚ますと予想通りの状況が・・・・
(岩下の呪いに囚われた後は、全ての選択肢に『もうやめてくれ!』が追加されます。 それを選ぶと・・・・経緯を考えると理不尽ですが、ゲームオーバー)
1、2、を選ぶと・・・・
公衆電話、『悪魔の電話』は矢口の声に惚れて、それを手に入れようと画策した。悪魔の電話はその怪物性を剥き出しにして彼女を襲う。(受話器のコードが延びたり、濃硫酸を吹き出したり、受話器に飲まれたり、 もう何でもアリです。『地獄のデビルトラック』で公衆電話が怪物化したら こんな感じだろうなぁ、と思います)
(話の分岐としては上記以外に、矢口が自宅で取った電話で話したのが 伊達の家族、という場合があります。この場合、矢口は生還できます。 伊達は死亡してしまいますが。結局どうあっても二人揃って無事とはいきません。 (二人揃って助かる結末もあるかもしれませんが、私は見たことないです))
385名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/09/17(土)16:29:35ID:wF1pM9RS>>377乙。たしか二人が生還できるルートもあったはず。ニセモノから学校に呼び出された時に『行かない』を選択し続ければ、相手が怒って電話を切る。翌日学校に行くと、あの電話ボックスの中で犬(多分)が死んでいたってオチだったと思う。
138 学校であった怖い話 sage 2005/11/02(水)21:26:06ID:kOKW1bGI岩下:6話
あらかじめ決まっている『運命』を変えることはできるのか?できるとしたらどうすればいいのか、努力か、それとも・・?岩下のクラスの一人、大川百合子はパワーストーンに頼ることで自分をより高みへ誘おうとした。・・完全な『石』頼みで。大川は元々数多くのパワーストーン ──宝石を持っていたが最強の力を宿すというルーベライズに惹かれ欲していた。大川は毎日「神様、どうかルーベライズを授けて下さい」と祈りつづけた。そんな大川に神がチャンスを与えたのか、こんな話が伝わってきた。
この学校の卒業生がルーベライズを持っていた しかしその人は卒業後に事故で死んでしまったルーベライズはお墓に一緒に埋められたらしい・・と
クラスメイトから話を聞いた大川は執念でその卒業生を調べ上げた。それは25年前の卒業生、岡崎幸枝のことだった。自分がこれほど欲しがる宝石をそんな昔から持つなんて──物欲は嫉妬に変わり、嫉妬が憎悪へと変わり、暴走した大川はルーベライズを手に入れるべく行動を開始した。
大川は事故死した岡崎幸枝の遺族を訪ね口八丁手八丁でルーベライズを要求した。曰く、あれは呪われた宝石だ、幸枝さんが亡くなったのも宝石のせいだ、どうか自分に処分させてくれ、自分にならできる、お願いします!と。・・結果、ふざけるな、と追い返されたのだった。
しかし大川は諦めない。深夜、岡崎幸枝の墓を訪れ、墓を掘り返し始めた。墓石をどけ骨壷を取り出し、ルーベライズを探す。しかし宝石は見当たらず。「な、なぜ!?」大川は混乱し、そして考えた。埋葬だけではなく火葬の段階から宝石が岡崎幸枝と一緒だったなら・・ルーベライズが燃え尽きたと考えた大川は骨壷から灰を持ち帰るのだった。
念願の宝石を手に入れ意気揚々と帰宅した大川。自室で薔薇色の未来を思うが・・そんな彼女の前に女生徒の幽霊が現れた。岡崎幸枝の霊だ!驚いた大川は逃げようとするが、何故か自室のドアが消えて部屋から出られない。岡崎は慌てふためく大川を笑うと、その手に輝くルーベライズを差し出した。宝石は彼女と一緒に灰になったワケではなかったのだ。それを知った大川は持ち前の物欲を復活させ何の警戒も無しに岡崎に近づいた。次の瞬間、大川の首は岡崎によって絞められていた。大川が咽から手が出るほど欲しがっていたルーベライズ(のペンダントチェーン)で。幽霊相手では大川の抵抗も効を成さずあっさりと絶命してしまう。翌朝、発見された遺体の口内には灰がみっちり詰まっていた。他力本願の末路、これにあり。
(上記の岡崎の幽霊や別ルートでの宝石の力などよりも大川の異常さが目立ちます。 別ルートでも霊に殺されはしませんが、やはり大川は自滅します)
709 学校であった怖い話 sage 2005/12/22(木)02:14:26ID:Bq03vmw4岩下:7話(1/2)
ついに集まった6人がそれぞれの怪談を語り終えた。結局姿を現さなかった7人目の語り部を思いつつ解散を考える主人公。しかし、その前に部室を訪れる者が、──新聞部部長の日野先輩。日野の説明によると実は語り部を7人用意できないまま会合の日になってしまい、やむなく日野自身が語り部として来た、とのことだった。7人目が来ないのは元からいなかったからか、と納得する主人公。話し始める前に日野は先ず差し入れと皆に飲み物をふるまう。主人公は主催者側の人間だから、と自ら残り物を選ぶが・・・・残ったのは『おしるこドリンク(温)』。
日野が話した怪談は理科教師の白井にまつわるものだった。老いてるわけでもなしに頭髪が白く、行動にも怪しい噂の多い男だ。日野は白井が理科室の奥に持つ秘密の倉庫に興味を抱き調査したというのだ。倉庫には常時頑丈な錠前がかけられ、白井が独自に管理している。噂では白井が倉庫で得体の知れない研究をしているらしいのだが・・・・
日野は級友の岩山康夫に協力を仰ぎ、白井の倉庫へと侵入した。倉庫の中は真っ暗なため2人は手探りで奥へ奥へと進む。入り口では仄かに漂うだけだった酸っぱい臭いが強くなってゆく。そして、どこからか聞こえる赤ん坊が鳴くような声・・声と同時に、ちゃぷちゃぷと水が跳ねるような音も聞こえてきた。倉庫の中に『何か』がいることを確信した日野はその正体を見てやろうと必死に灯りの電源を探しだした。しかし、日野の努力が実る前に岩山が際限無く強まる悪臭にダウン。結局、『何か』がいる、とわかっただけで2人は退散したのだった。
それが1週間前のことだった、と語り終えた日野。日野は主人公たちに白井の倉庫へ行って今度こそ中のモノを見てやろうと誘いをかける。どうやら最初からそのつもりだったようだ。日野が言うには岩山も誘ったが、2度をごめんだと断られたらしい。話を聞き興味を覚えた主人公は日野と語り部たちと理科室へ向かった。理科室へ向かう道中、日野から白井が細菌学の権威だと聞く主人公。日野は倉庫の中のモノが白井の生み出した新種の生命と考えているらしい。
710 学校であった怖い話 sage 2005/12/22(木)02:15:07ID:Bq03vmw4岩下:7話(2/2)
理科室へ到着し問題の倉庫へ侵入する一行。日野の指示で主人公は灯りの電源を探す。しかし話通りの悪臭とまるで迷路のように配置されたカーテンによっていつの間にか皆とはぐれ、主人公は気を失ってしまう・・
目を覚ますと主人公は倉庫の中で身動き取れないように縛られていた。周囲からはちゃぷちゃぷと水の音、そして赤ん坊のような泣き声、近くに『何か』がいることを察知して身を竦ませる主人公。そこへ日野ともう一人白髪の男、問題の人物白井が現れた。状況が飲み込めない主人公に日野が真相を語り始める。
1週間前、倉庫で日野と岩山は白井に発見され実験を施されていたのだ。日野は実験の成功により、人間とは違う『何か』へと変態し岩山は実験の失敗からグロテスクな肉塊へと成り果ててしまった。倉庫の中に響く鳴声はその肉塊のものだったのだ(水音は肉塊が入る水槽から)。唖然とする主人公に日野は語り部たちの全員をすでに肉塊へ変えたと告げる。見れば部屋の隅に積み上げられた人間の手足、近くの水槽の中には変わり果てた岩下の姿もあった。岩下であろう物体が産声をあげる・・実は怪談の前に配られた飲み物に薬品が混入されており語り部たちがいとも容易く四肢をもがれ改造されたのは薬の効果だったという。主人公が未だ無事なのは、残り物の『おしるこドリンク(温)』が実は日野の好物で唯一薬品の混入されていない飲み物だったからだ。
主人公を含め自分の気に入らない者たちを集めて罠にはめたと日野は語り、最後の仕上げとばかりに主人公へ魔手を伸ばす。が、そのとき語り部たちが変態した肉塊が突如として融合し巨大な肉塊となり日野と白井を襲う。肉塊(巨大)は2人をあっさりと飲み込むと諸共溶けて流れて消えた。ただ独り残された主人公は為す術無く佇む他なかった。
(肉塊となったのが実験の失敗だったかどうか記憶が曖昧です。 もしかしたら肉塊になってしまうのはそれはそれでOKな結果だった 気もします。どちらにせよ日野が気に喰わない者を実験台にしようと 企んだことには違いありませんが。『おしるこドリンク(温)』を 選ばなかった場合は、主人公は四肢をもがれ水槽の中ダルマ状態で ぷかぷか浮かびながら目を覚まします)
722 学校であった怖い話 sage 2005/12/26(月)00:23:25ID:1YQUHnxo福沢:1話
福沢のクラスメイト、元木早苗は彼女の大親友だ。日頃からおかしな言動が多々見られる早苗だったが、ある日福沢は早苗の秘密を知ってしまう。
体育の授業中、ひとり教室に残っていた早苗の口からエクトプラズムがモワモワと噴き出している!驚いた福沢が思わず声をかけるとエクトプラズムは見る見る内に早苗の口から体内へと戻り消えてしまった。
後に早苗が語ったところによるとエクトプラズムは彼女の死んだ祖母の霊魂みたいなものらしい。祖母は早苗に色々なことを教えてくれるという。
結局、秘密を知った後も福沢と早苗は大親友のまま。それから判明したことだが早苗に宿っているのはどうやら祖母ひとり?だけではないようだ。福沢と一緒に弁当を食べているときの早苗の口元を見ると口内にはマッチ棒くらいの人の形をしたモノが無数に・・
(怪談というよりはヘンな友達紹介みたいなノリの話です。 元木早苗が再登場する隠しシナリオもあります。)16 学校であった怖い話 sage 2006/01/02(月) 22:56:24ID:QxLARHOr福沢:2話(1/2)
水道からは何が出てくるかわかったものじゃない、と言う福沢。ゴミ、虫、髪の毛・・・・、どれも噂に過ぎないのかもしれないが福沢はどうにも気になって水道水を飲むことができないらしい。そんな福沢は主人公へ学校の水道にまつわる話を語る。
学校の水道はどれも同じ貯水池から水を引いているのだが体育館脇の水道からは他とは異なるモノが出てくるらしい。今では針金で封印され確かめることもできないのだが・・
昔々、当時の2年生に大原茂子という女生徒がいた。彼女は大の潔癖症。何かに触るときはハンカチで手を覆い、素手で触れれば手を洗い、飲料水は当然ミネラルウォーター、水道水などとても飲めないという性格だった。
学校では毎年7月に敷地内の草取りが行事になっており彼女も同級生と一緒にグランドの草取りに参加していた。折しもその夏は異常気象とされるほどの猛暑。強烈な陽射しの中の作業で彼女は日射病にかかってしまう。他の生徒に断りを入れ、彼女はひとり保健室へと向かう。その途中、ふと体育館脇の水道が目に入る。
水道の水を浴びるように飲めたら・・いやいや、水道水を飲むなんてとんでもない・・半ば脱水症状になりつつ彼女は迷う。葛藤の後、水への欲求には勝てずフラフラと水道へ。早く水を、と焦る彼女はいつもの潔癖症も忘れ直接口を付けると蛇口を捻り、思い切り啜った。途端に口内に広がる違和感。小さく、蠢く、モノが無数に──18 学校であった怖い話 sage 2006/01/02(月) 22:58:48ID:QxLARHOr福沢:2話(2/2)
水じゃない!と気づいた彼女が口を離し蛇口を見ると水道からは水ではなくアリの大群が迸るように流れ出ていた。そのときはちょうど断水の最中。猛暑で空っぽの貯水タンクに無数のアリが湧いていたのだ。パニックに陥った彼女はアリを吐き出そうと躍起になる。が、上手くいかず、さらに髪の毛の間や服の中にまでアリが・・結局、気絶してアリまみれで倒れていたのを教師に発見されたのだった。命に別状は無かったものの完全なトラウマになってしまい水を見ればアリの幻覚が見える始末。口から水を摂取できずに点滴に頼る日々が続き、入院も長引いていった。そんなある日、彼女が病院から忽然と姿を消してしまった。
彼女はしばらく後に貯水タンクの中で発見された。あの事件があった水道に水を引いていたタンクの中で。死因は水死、彼女の死体は完全に白に染まっていた。どうやらタンクに漂白剤を注ぎ込む最中に足を滑らせたらしい。彼女はすでにおかしくなっていたのだろうか、水をきれいにするために漂白剤を入れるなんて・・
以降、問題の水道からは真っ白なアリの大群が湧いて出るようになった。それが彼女の呪いなのかどうかはわからないが、気味悪がる生徒が増えたため教師たちに針金で封印され今に至るらしい。
(分岐によっては水道からアリの他、ミミズや粘液が出てきます。 『貯水タンクに拉致監禁』『オレンジジュースだー』)25 学校であった怖い話 sage 2006/01/02(月) 23:47:56ID:QxLARHOr福沢:3話
旧校舎の裏に立つ一本の大きな桜の樹。樹齢千年以上と伝えられる桜の樹にも怪異が宿っているという。
桜は本来ならば切り倒し跡地に運動場を造るはずだったらしい。しかし工事に参加した人間に怪死する者が続出、工事は無期延期となりその後も手をつけられないままだそうだ。御祓いをしても何をしても全く効果無し。為す術なし、だ。あるいは桜には神聖なものではなく邪悪が憑いているのだろうか。
桜のあった場所は戦時中死体置き場に使われていたらしい。桜の根元には穴が掘られ、毎日のように死体が放り込まれていった。おびただしい数の死体の中には捨て置かれたそのときにはまだ生きていた者もいたらしく、そんな者たちは苦しみ呻き死んでいったという。
桜を含む植物は高い知能を備えているといわれており、それが樹齢千年を越えるような桜であれば人に匹敵するのかもしれない。人に双肩する知能を有しながら、その意に関わらず死体を見せ続けられ・・根からは死体の養分を吸い取ってすらいるとすれば・・桜に邪悪が宿っているのではなく、桜自体が邪悪に染まっているのか。
そんな旧校舎裏の桜にはひとつの噂がある。桜の幹に顔を近づけ目を凝らすと戦時中の犠牲者たちの顔が浮かび上がる、と。半信半疑な主人公を、福沢は無邪気に「確かめてみない?」と誘う。同意した主人公は場を移し、問題の桜に近づき目を凝らすが・・
(最後に福沢から(桜の幹に顔が)見えたかどうか尋ねられます。 あくまでも「見えなかった」と言い張ってから岩下に話を聞くと・・ 桜の樹にまつわる本当の怪談が語られます→首吊りの樹(隠しシナリオ))43 学校であった怖い話 sage 2006/01/03(火) 02:47:34ID:UhT2KR+g福沢:4話(1/3)
旧校舎の13怪談にまつわる話を始めた福沢だったが・・「旧校舎に行ったことがある?」と尋ねる福沢に「ない」と答える主人公。すると福沢は「行ったことがないんじゃ話を聞いても 臨場感がわかないよね。やーめたっと。違う話をするわ」・・と本当に全く違う話を始めてしまった。
赤い宝石、と人が聞いて思い浮かべるのはルビーだという。しかしルビーの色は真紅ではない、血の色なのだ。
数年前、石川小夜子という女生徒がいた。おとなしめで保護欲を駆り立てるような少女だったらしい。彼女は別の学校の男子生徒に恋人を持っておりその恋人から送られた指輪を何より大切にしていた。血の色をした赤いルビーの指輪を。
そんな矢先、その恋人が急死してしまった。彼は死の直前、付き添う彼女にこう言い残した。「この先どんなことがあっても僕の気持ちは変わらない」その言葉を遺言に彼はあっけなくこの世を去ってしまった。指輪はそのまま彼の形見になってしまったのだ。
傷心の彼女に近づく男がひとり。彼女の学校の理科教師、深山であった。恋人が生前の頃から彼女に恋慕していた深山は嫉妬の心から、彼女が学校で着けていた指輪を没収した。指輪を諦めるわけにいかない彼女は深山に指輪を返して貰えるよう頼み込むが叶わない。深山に指輪を返してと頼み込む日が続き、そして・・
ある日、彼女と深山が揃って失踪してしまった。
44 学校であった怖い話 sage 2006/01/03(火) 02:48:42ID:UhT2KR+g福沢:4話(2/3)
なんと二人は駆け落ちしていたのだった。深山は指輪を返してとやって来る彼女に対して指輪は返さないと告げる一方でおまえが好きだからだ、と告白。その後も傷心の彼女を懸命に慰めアタックを続けていたらしいのだ。とうとう石川は寂しさから深山に心を許してしまうのだった。
・・が、その日その瞬間から、指輪より血が滲み始めた。まるで亡くなった彼の涙のように血は流れ続けた。たまたま指輪が入っていた深山のコートは血塗れに。慌てて駆け寄る彼女を深山はなんと振り払った。瞬時に湧いた恐怖は気味悪さへと変わり、深山の恋は終わった。そして彼女の駆け落ちも一日と経たずに終わってしまった。二人が別れると、指輪から流れ出ていた血も止まった。
「この先どんなことがあっても僕の気持ちは変わらない」血の涙?は死んだ彼の心の現われだったのだろうか。
その後、彼女はまた指輪を着け始めたが、今度は指輪が指から外れなくなってしまった。学校では教師たちが指輪のことを問い詰めるが問い詰めるその度に指輪からは血が流れ落ちる。やがて気味悪さから指輪に言及する者はいなくなってしまった。彼女自身は流れ出る血を死んだ恋人の遺志の現れと考えておりもともと指輪を肌身離さずにいるつもりだったので問題はなかった。
45 学校であった怖い話 sage 2006/01/03(火) 02:50:20ID:UhT2KR+g福沢:4話(3/3)
そのまま月日は流れ、彼女には新しい恋人もできないままだった。が、しかし、再び彼女に恋する男が現れた。その男子生徒は彼女を「死んだ者に囚われ続けてはいけない」と説得した。男子生徒はいい奴だったので彼女の心はまたも揺れだした。そして確かにいつまでも思い出を引きずっていてはいけないと指輪を外す決心をした彼女だったが・・
指輪は外れなかった。そしてまたもや血を流し始めた。最早呪いと言っても差し支えない、執念にも勝る思いだったが彼女はこれも死んだ彼の思いなのだ、と受け入れることにした。「この先どんなことがあっても僕の気持ちは変わらない」彼はその死後もずっと遺言となった言葉を守り続けているのだ。ずっと彼との思い出と一緒に生きていこう、彼女がそう考えた瞬間
指輪がするりと外れた。同時に色も血の赤から透明な透き通った色へと変化した。流れ落ちていた血も透明に変わり、それこそまるで涙のようになった。ルビーがホワイトサファイアになったのだ。
彼女が彼の想いと共に生きてゆくと考えたことで指輪での拘束も必要なくなったのであろうか・・しかし、死んだ彼の意思は遺言通りに変わらない。死んでいるが故に。果たして彼女は生きていく中で彼の想いを持ち続けられるのだろうか。
(全話中でもなかなかに良さげな話ですが 福沢のコメントは「彼女が独りで生きていけるとは思えない」 「もしも次に裏切ってしまったときはどんなことが起こるのか」 「彼の遺言は甘い言葉であると同時に怖い言葉」と現実的です)52 学校であった怖い話 sage 2006/01/04(水) 00:37:11ID:N0X7heBg福沢:5話
福沢には七つ年上の姉がおり同じ学校の卒業生らしい。その姉が現役の頃、水泳部にすごい女子生徒がいたという。瀬戸祐子という名前の女子生徒がその人だった。
周囲は彼女を「魚の生まれ変わり」とまで噂しまた彼女が泳ぐ際は部員以外の人々までもが見惚れたらしい。が、瀬戸祐子はあっけなくこの世を去った。プールで水泳中に心臓マヒを起こしてしまったのだ。彼女の死後からだった。水泳部で奇妙な現象が見られるようになったのは・・
水泳中に何かに足を引っ張られた、誰もいないはずの部室が水浸しになっていた、この二つが日常茶飯事的に起き始めたのだ。皆は早速噂し始めた。曰く、「瀬戸さんが生前の部活を忘れられず 部室を使っているのだ」と。「瀬戸さんは淋しさから仲間を呼ぼうと 水泳中の他の部員を引っ張るのだ」と。やがて噂を裏付けるかのように新事実が判明する。部室の瀬戸さんのロッカーを使った人間は必ずプールを使用中に足を引っ張られるのだ。最初の内は面白がってわざと問題のロッカーを使う者もいた。が、実際に被害に遭う者も続出。結局、最後は誰も瀬戸さんのロッカーを使わなくなった。今では使用禁止となり『開かずのロッカー』になっているらしい。
ここで福沢が「瀬戸さんの幽霊が出るか確かめよう」と言い出す。押しに弱い主人公は福沢に連れられるように水泳部部室へと向かう。まんまと鍵を開けて部室に忍び込んだ二人。しかし目当てのロッカーが一体数ある内のどれなのかわからない。仕方なく片っ端から開けてゆくことになったのだが・・部活動中の者もおらず、中身はどれも空っぽか忘れ物ばかり。しかし最後に開けたロッカーは───
(どう見ても腐乱死体です。本当にありがとうございました。 ここまでの展開によっては福沢はロッカーに「喰」われます)92 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:01:12ID:zNDpbC8V福沢:6話(1/3)
福沢には七つ年上の姉がおり同じ学校の卒業生らしい。当時その姉の同級生に平井香苗という女子がいた。容姿端麗で気立ても良かったという平井さん。そんな彼女は少し変わっていて結婚願望がとても強かった。そして結婚相手の理想も変わっていた。その条件とは・・、名前、血液型、出身地、等々。容姿、性格といった一般的な見解は全く入らず生まれついたものを重要視していたのだ。
何でも彼女が幼少の頃、著名な占い師に二十歳までの間に運命的な出会いが起こると予言を受けたらしい。そのとき、占い師から聞いた運命の相手の詳細、すなわち名前、血液型、出身地、等々に合致する人物が彼女の理想の男性になるらしい。
彼女は二十歳までに運命の相手が見当たらなければ結婚できないどころか、自分の命が失われてしまうとさえ思い込み、必死になって理想の人を探し続けた。・・が、名前だけならともかく血液型や他の条件まで完全に一致する男子となると見当たらない。中には彼女の様子を面白がった者が冗談で話を合わせたりもしたが後でバレて半殺しにされたらしい。それくらい彼女にとっては真剣で切実なことだったのだ。
93 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:02:29ID:zNDpbC8V福沢:6話(2/3)
学校外の男子まで捜索するも成果があがらない中運命の相手は意外な形で現れた。それは学校に新しく赴任してきた男性教師。名は(占い通り)、近藤真司といった。髪はボサボサ、太り気味の体型、牛乳瓶みたいな眼鏡、と冴えない風貌の男性だったが彼女はそんなことに拘らない。要は占い師の予言に合致してさえいればいいのだ。早速、近藤に血液型、出身地、その他を聞くと奇跡だろうか、全てが予言と一致していた。運命の相手が見つかったと狂喜する彼女だったが当の近藤には全く意味が理解できない。運命の人?占い師の予言?二十歳までに結婚できないと死ぬ?近藤にとっては到底受け入れることのできない話であり年頃の少女がかかる妄想のようなものに思えた。愛を告白し結婚を申し込んでくる彼女に対し「自分は教師で君は生徒だ」と近藤は説得を試みる。が、結果、「卒業すれば結婚する」と押し切られてしまう。
「はりせんぼん、うそついたらのーます!」
説得するはずが逆に約束をするはめに陥り弱った近藤だが卒業までは彼女も落ち着くだろうと考え様子を見ることに。その考えは甘かったのだが。翌日、進路指導の教師に呼び出される近藤。どうやら彼女が進路相談の際に近藤との結婚をほのめかし大学へは行かないと言い張ったらしい。これが本当なら問題だと言われ慌てる近藤。その場しのぎの言い訳中につい本音を漏らしてしまう。「自分と平井は結婚するつもりはないし、 彼女が何を言おうと自分には何の関係もない」と。同僚の教師たちを納得することはできたが何と当の彼女が影から今の言葉を聞いていた。今までの愛情たっぷりの表情が一変、憎悪さえも伺える冷たい表情となった彼女は突き刺すような視線のみでその場を去っていった。
94 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:03:31ID:zNDpbC8V福沢:6話(3/3)
もうどうしたらよいかわからない近藤。彼女のことを気にしつつも帰宅し落ち着かない時間を過ごす。と、そこへドアをノックする者が。───彼女だ。裏切りを責める彼女に近藤は必死に許しを請う。やがてノックの乱打と責める声が止み去っていく足音が。その場しのぎを得た近藤は疲労から眠りに落ちる。
そして目を覚ますと、彼女が、目の前にいた。彼女は運命の婚約者宅のスペアキーを予め作っていたのだ。再度、許しを請う近藤。彼女は微笑みながら「約束を守ってもらえればそれでいい」と告げる。約束とは結婚、・・ではなく、
とても女子とは思えぬ力に口をこじ開けられ近藤の口内に文字通りの千本の針が流し込まれる。肉が裂け、舌が貫かれ、針が頬を飛び出しても彼女の罰を執行する手は治まらない。やがて近藤が物言わぬ屍に成り果てるたが彼女はそのことを理解できていたのか・・彼女は針で自分の小指と近藤の小指を抉り神経の糸を抜き出し結びつける。血塗れの神経を「運命の赤い糸」に例えるかのように。
結局、運命の人になるはずの近藤は死亡。その後も結婚できないままの彼女は二十歳を越えて───はおらず、何と七年後の現在も十九歳のままでいるらしい。この話も病院で過ごす彼女に福沢の姉が聞いてきた話だという。予言の力か、彼女自身の思い込みの力なのか、彼女は十九歳のまま運命の条件に合う男性を探し続けている。
(分岐によって平井香苗の人物像が多種多様に変わります。 占い好き、結婚したがり、という共通点を持ちつつ お兄ちゃんっ娘(兼ウソつきっ娘)になったり 黒魔術に傾倒したり、どうしても最後は異常性が付きますが)
95 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:04:11ID:zNDpbC8V福沢:7話
ついに集まった六人全員の話が終わった。が、七人目の語り部が姿を現すことも無かった。
そこへ七人目の代わりに姿を現す者が。宿直の黒木先生だ。どうやら先生には新聞部の取材のことが伝わっていなかったらしく、主人公たちは放課後遅くまで残っていたことをこっぴどく叱られてしまう。弁解も許されぬまま半ば追い出されるように学校から帰される主人公たち。明日の呼び出しを覚悟しつつ気が重い主人公であった。
・・一方、主人公たちが帰った後の学校。宿直室では黒木先生がたった今出来たばかりの死体と共にいた。なんと満月の夜に殺人衝動が起こる先生が七人目になるはずだった生徒を殺害していたのだ。死体の処理方法を考える先生は、死体を夕食の材料にしようと思いつき早速準備にとりかかる。(ここで終劇)
(7話目の中では風間のものと並んで短く簡単なシナリオです。 なお、細田の7話と違い黒木先生は現実の教師のようです)98 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:55:15ID:zNDpbC8V隠しシナリオ『仮面の少女』(1/5)(6話目までの話の内容・粗筋は まとめサイトか過去ログを参照願います)
岩下:1話主人公を自殺した弟の仇と誤解した岩下は話の最中、凶刃を手に主人公へ迫るが復讐を果たすことはできず。岩下はひとり部屋を出て行き・・姿を消してしまった。(語り部残り、5人)
風間:2話ひとりでしょーもない怪談?を6つも話し1話目と合わせて七不思議完成だ、とする風間。その後、皆が目を離した一瞬の間に風間は消失する。(語り部残り、4人)
荒井:3話ある生徒、相沢による自殺実験の記録を話し終えた荒井。荒井は主人公に今も屋上に住み憑く相沢の召喚を提案する。主人公は了解し、一同は屋上へと移動する。主人公が荒井に指示された言葉、「相沢さん、実験を始めましょう!」を叫ぶ。直後、荒井は空中を指差しつつ屋上から身を投げる。荒井はそのまま粒子に分解するかのように消失した。呆然とする一同が荒井の指差していた方向を見ると───空一面に広がる巨大な髑髏が出現していた。髑髏は一瞬で消えてしまったが、あれが「相沢」だったのか・・(語り部残り、3人)
新堂:4話過去に起きたボクシング部の惨劇を語り終えた後、新堂は卒業アルバムで事件の関係者の顔を見てみようと言い出す。新堂の指示に従って該当する年のアルバムを開く主人公。当時一年生でこの世を去った被害者の赤坂、それに───赤坂を殺害したリンチグループのリーダーの顔は新堂に瓜二つだった!慌てて新堂に向き直る主人公だったが、新堂はすでに消失していた。(語り部残り、2人)
99 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:57:00ID:zNDpbC8V隠しシナリオ『仮面の少女』(2/5)
福沢:5話福沢に押し切られるように「開かずのロッカー」を探す主人公。水泳部部室のロッカーを片っ端から開けていくが怪異は見当たらない。そんな中、最後に開けたロッカーから何かが福沢を内へ引きずり込んだ!一瞬だけ見えたそれは女子生徒の腐乱死体ではなかったか・・主人公は慌てて閉じたロッカーを開けようとするがびくともしない。ロッカー自体がゴトゴトと揺れ、福沢の悲鳴が徐々に低い呻き声に。それに伴い、何かを砕くような鈍い音と後には咀嚼するような音が・・
中からの音が止み、ロッカーの振動も止まる。そして静寂が訪れた。固く閉じられていたロッカーは打って変わってすんなりと開いたが福沢の姿は無かった。一瞬見えたあの腐乱死体さえも見当たらない。何も入っていないロッカーと鉄の臭いだけが残されている。臭いは果たして血の臭いだったのかもしれない・・
ついに語り部はひとりを残して消失してしまった。さすがに意気消沈し、会の中止を考える主人公。しかし現れた残ったひとり、細田は会の続行を強く主張。有無を言わせず、主人公を旧校舎へと誘ってゆく。(語り部残り、1人)
細田:6話花子さんを噂を実践して確かめようという細田。主人公は何か義務感のようなものさえ感じてそれを了解する。怪談を聞き終えた後、3階のトイレまで移動する2人。見ると灯りの無いはずの旧校舎でトイレに光が・・怪異が待ち受けていることを承知で主人公は進む。そしてトイレの中、噂通り奥から2番目の戸を3回ノックする。返事は・・、ノックが返ってきた!
ここで言い出しっぺの細田がパニックに陥る。逃げ出そうとする細田だったが次の瞬間その巨体が浮かび上がる。細田が浮遊しトイレの天井へと張り付いている!が、細田の意思ではないらしく天井へは押さえつけられているようだ。まるで細田だけが重力から解放されてしまったような───細田は苦悶の表情で助けを求めるが、主人公は立ち竦んで動けない。やがて細田の視線は主人公の背後へと移り、驚愕に見開かれる。主人公が細田の視線を追って振り向くと・・先ほどノックした奥から2番目の個室の戸が開き仮面をつけた少女が姿を現していた。
主人公の頭の中に仮面の少女の(と思われる)声が響く。「天井の奴を助けたいか?助けたいのならお前の両親の命と引き換えだ。 もしも親がいないのなら、将来生まれてくるお前の子供の命とだ」
主人公は迷った挙句、細田を見殺しにするわけにはいかないと判断。引き換えになる命は後で善後策を練ろうと考え、細田の救助を要求する。が、少女の答えは─── 「だめだ」
絶叫と共に細田の体が天井に飲み込まれていく。その巨体が完全に消えると同時に叫び声も途絶えてしまった。(語り部残り、0人)
とうとう残るは主人公ひとりに、否、今さっき現れた仮面の少女との2人になってしまった・・101 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 22:58:47ID:zNDpbC8V隠しシナリオ『仮面の少女』(3/5)
7話
仮面の少女は主人公に語りかける。今度は脳内会話ではなく肉声だ。しかし、それはとても女子の声色とは思えない、まるでテープのノイズのような妙に耳に残る声だった。少女は言う。「私の質問に答えてよ」
質問に答えれば助かるのか?そもそも何を尋ねるのか?こちらだって疑問はつきない。しかし、要求通り答えるしかない。答えなければならないような気がする。
少女の質問、それは今までに聞いた怪談に関することだった。話に出てきた人物の名前、物の名前、を少女は確認するように尋ねてくる。質問は徐々に主人公が語り部たちをどう思うか、そして、主人公が今の現状に至った経緯をどう思うか、そして、仮面の少女自身についてどう思うか。
そして最後に「ねえ、私の素顔を見てみたい?」と。
主人公は考える。少女は主人公の心に直接声を投げかけることができた。ならばこちらの考えている心の内もお見通しなのではないのだろうか。もしそうだとしたら、何故いちいち口に出して尋ねるのか。
少女は主人公の答えを待っている。仮面の奥の素顔は笑っているのだろうか。一息つくと自然と答えが口に出た。「見たい」
答えを聞くと少女は何故か淋しそうなため息をついて話し始めた。細田が話した花子さんの伝説、あれは真実とは違っていると。少女の話した本当の花子さんの伝説とは───
102 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 23:01:16ID:zNDpbC8V隠しシナリオ『仮面の少女』(4/5)
補習を受けていた生徒は本当は7人いたらしい。教師たちが忘れ去り、旧校舎に取り残されたところまでは同じだ。その後が違った。置き去りにされたことに激怒した6人は腹いせに残りの1人を寄ってたかって虐め始めたのだ。虐められた1人は女子生徒だった。仕舞に6人はその1人を3階トイレの奥から2番目の個室に閉じ込めたまま放り出し、自分たちは帰ってしまった。残された1人は何とか帰路につくことはできたがその翌日から虐めに快感を覚えた6人の容赦無い仕打ちが待っていた。女子生徒は虐めの日々に耐え切れず自殺してしまった。補習の日に閉じ込められた3階トイレの奥から2番目の個室で・・
その自殺した女子生徒が、仮面の少女だった。花子さんなどいなかった。根も葉もないただの伝説。あったのは醜い虐めが生み出した1人の犠牲者だけ。
そこまで話すと仮面の少女は岩下がたった今自殺したことを告げる。少女にはこの場にいない岩下の様子がわかるのだろう。存在しない悪霊に悩み首を切った岩下を少女は馬鹿な女と嘲笑う。少女は復讐を遂げないと成仏できない旨を主人公へ話す。
実は語り部たち6人は、かって少女を自殺に追い込んだ6人の子供だったのだ。6人がこの学校に集い、また語り部として集ったのも全ては運命。主人公はたまたまその案内人となってしまったのだ。少女が言うことには消えた6人は自殺した岩下を最後に全員死亡したようだ。少女は主人公へ、犯した罪への罰が下るとき、それは必ずしも罪人本人に向かうとは限らない、他人に向かうこともあるのだ、と語る。
主人公は少女の話を最後まで聞き終えた。少女は話し終えるとため息をついたが、それは前の淋しそうなものではなく今までの自分に決別するかのような切れの良い感じがするものだった。
少女は、今度は主人公に問うことなく仮面を取り外した。その素顔は・・・・
103 学校であった怖い話 sage 2006/01/05(木) 23:16:52ID:zNDpbC8V隠しシナリオ『仮面の少女』(5/5)
朝陽が射し込む旧校舎の中を主人公が歩く。手には白い仮面がある。少女は素顔を見せた後、消えた。語り部たちが消失したのと同じように忽然と姿を消した。同時に主人公の目の前に仮面だけが残されていたのだ。
主人公は奇妙な一夜を思い返しながら考える。語り部たちのこと、少女のこと、少女の言ったこと。
全ては夢だったのだろうか。もしも夢だとするならばどこからが夢だったのか。少女が現れた頃か、語り部たちが姿を消し始めた頃か、あるいは七不思議の取材会が始まったその頃からなのか。夢か現実か曖昧な感覚が主人公を包む。
近日中に取り壊されるであろう旧校舎。主人公は旧校舎に奇妙な懐かしさを覚えながらその無事を祈って帰路に着くのだった。
(少女の素顔は数パターンあります。 少女だったり、獣だったり、悪魔超人ブラックホールだったり。 後日談も含めると、この話がゲームの真エンディングなのかも。 あと、100さんが言うようにずっとバルログみたいな仮面が 表示されたまま淡々と進む本シナリオはオルゴールみたいな BGMと相成って気味悪さとそして奇妙なほのぼの感があります)110 学校であった怖い話 sage 2006/01/06(金) 03:13:53ID:R8THBK6e隠しシナリオ『仮面の少女・後日談』(1/2)
奇妙な一夜が明けて。主人公は未だ夢から覚めていないような感覚でいる。夢から覚めないまま現実を生きているような・・
あの日以来、主人公をとりまく世界はある一つのことを除いて現実へと帰還していた。一つのこと、──七不思議の特集など始めから無かったこと。調べてみると、あの日出会った六人の語り部たち、ただの一人でさえその存在を確認することはできなかった。
あの日主人公が体験したことは何だったのか。仮面の少女が語った過去の出来事は出鱈目だったのか。全てが夢だったのか。否、夢ではない。主人公は覚えている。六人の人となり、仕草、息づかいさえも。たった半日ほどの間だったがあの体験の中で出会い別れた六人は主人公の印象に強く残っているのだ。彼らは、あの六人は、いる。そう確信しながらも主人公は釈然としない気持ちを抱えていた。
しばらく後、ついに旧校舎を取り壊す日が来た。主人公はあの日の体験が夢かどうか確かめられるかも、そんな期待を抱きながら取り壊し作業の現場へと向かった。主人公が作業場に着いたと同時に旧校舎は崩れ落ちた。まるで主人公の到着を待っていたかのように旧校舎は消えた。作業員の制止を無視し、主人公は何かに操られるように旧校舎の残骸の中へと足を進めていく。とある瓦礫を持ち上げる主人公。後から追ってきた作業員が瓦礫の下を見て青ざめる。「し、死体があるぞっ!」
他の作業員も続々と集まってくる。主人公には不思議と驚きや興奮は無かった。何か期待、予想が適ったかのような気分でさえある。死体は学生服を着ており、男四女二の計六人分あった。うつ伏せのため主人公からその顔は見えなかったがわざわざ確認せずともその六つの死体が誰のものなのか主人公にはわかっていた。その後、離れた場所からも作業員の声があがる。聞けば人間の白骨が大量に出てきたらしい。
・・とにもかくにも六人は現実に存在した。おそらく彼らの身元は今後も不明のままだろう。しかし、あの日あのとき彼らは確かに存在した。少なくとも旧校舎にはその存在があったのだ。釈然としない気持ちに整理がついた気がした主人公は旧校舎と、六人と別れ家路へとついた。
111 学校であった怖い話 sage 2006/01/06(金) 03:15:17ID:R8THBK6e隠しシナリオ『仮面の少女・後日談』(2/2)
帰宅した主人公は考える。あの旧校舎には自分たちが暮らす世界とは異なる別世界の住人がいるのではないか。きっとその住人たちは旧校舎を含む別世界で生まれ別世界で生き、別世界で死んで行くのだ。主人公はたまたま旧校舎を通してそれらに魅入られあの日奇妙な一夜を過ごすことになったのだ、と。それとも、全てが主人公の妄想か。仮面の少女も幻覚に過ぎなかったのか。
やはり悩み続ける主人公の前に『仮面』が現れる。少女が被り、そしてあの日ただ一つだけ主人公の前に残った遺品が。
主人公は誘われるように仮面に手を伸ばしそして顔に当ててみた。同時に目眩が。一瞬の後、目の前の光景が一変する。仮面を通して見る光景が・・旧校舎へと変わる。
目の前には、───主人公が立っている。これはあの日の、3階のトイレだ。眼前に立つもうひとりの主人公が言い放つ。「見たくない」
そうか。見たくないのか、顔を。なら見なければいい、自分自身の顔を。
主人公はまだ夢の中にいるのだ。心地よい悪夢の中に。
(短いながらもかなり分岐する話です。 客観的に見て不幸なエンドしかありません。 大抵が「あっち側」に行ってしまう感じです。 一部は小説版のラストにかなり近いです)
(→六人が学校に宿る怪異として再登場。 主人公を仲間に、と誘う。主人公は抵抗するも 周囲からは精神異常者と見なされ病院へ。 やがていつしか周囲に現れる六人を 狂気を帯びながら受け入れる主人公で終劇)
516 学校であった怖い話 sage 2006/05/14(日) 04:21:12 ID:T8P084mr隠しシナリオ『早苗ちゃん登場』(1/5)
1話目に福沢の話を聞き、6話目に岩下か風間の話を聞く。すると7話目が隠しシナリオとしてスタートします。
1話目の概要
福沢の親友、元木早苗、は体内にエクトプラズムを持つ少女だった。福沢はひょんなことからその秘密を知ってしまう。なんとエクトプラズムは早苗の祖父母を始めとする祖先の魂だという。そんな身の上のせいか奇行が絶えない早苗だが、福沢と彼女は今でも親友同士らしい。
その元木早苗が数日前にある『予言』をした。曰く、「福沢がしばらく後に(主人公の名前)という男子に出会う。 そのとき男子には重大な危機が迫る。 注意するように伝えて欲しい」・・・・と。
で、7話目
ついに6人の話を聞き終えた主人公。だが、7人目の語り部が現れることは無かった。そのことが関係しているのかどうか、主人公は言いようの無い胸騒ぎを感じていた。とはいえ語り部たちを引き止める理由もなく考えた末、主人公は会の解散を宣言する。
そんな中、部室を訪れる者がひとり。開いた扉の先にいたのは見たことのない女子生徒。福沢が驚いて声をあげる。
「早苗ちゃん!?」そう、──彼女が福沢の話に登場した親友の少女、元木早苗だった。
唐突に現れた早苗は「自分は7人目ではない」と語る。そして「7人目は来る。・・この中の誰かを殺しにね」とも。
517 学校であった怖い話 sage 2006/05/14(日) 04:22:27 ID:T8P084mr隠しシナリオ『早苗ちゃん登場』(2/5)
早苗は帰ろうとする語り部たちを半ば強引に引きとめ語りだす。7人目はこの中の誰かを殺しにやって来る、自分はそれを防ぎに来た、と。さらに詳しく正確に言うと、彼女は祖母の予言とアドバイスを聞いてやって来たらしい。その予言(とアドバイス)とは・・「貴女の未来の旦那さんが命の危機に陥っている。 もし助けられなければもう一生結婚できない。 命を救うついでに結婚の約束もしちゃいなさい」。
そういうわけで、と主人公に結婚してと言い出す早苗。結婚してくれたら助けてあげるー的な流れになってくるが・・語り部たちが冷やかす中、主人公は「つきあってみれば上手くいくかもしれない」とポジティブに考え結婚を約束する。
そんなこんなで場が賑やかになったところで本題の話が始まる。神田拓郎というひとりの男子生徒の話だ。
神田には恋人の女子生徒がいた。が、その恋人はとても嫉妬深く様々な方法で神田を束縛していた。そんな恋人を煩わしく思った神田は別の新しい恋人と付き合い始めた。当然の如く、元の恋人は怒り狂い神田への思いが憎悪へと変わった。そして新しい恋人に片思いしていた男子生徒も神田を憎み始めた。神田を中心に愛憎入り乱れる状況となったのだ。
数日後、神田は死んだ。線路に横たわっていたところを電車に轢かれてしまったのだ。レールに乗っていた頭は潰れ復元もできないほど損傷したらしい。神田は睡眠薬を服用していたが、自殺か他殺かは分からず仕舞。終わり。
・・・・なんと早苗の話はこれで終わりだという。
518 学校であった怖い話 sage 2006/05/14(日) 04:23:32 ID:T8P084mr隠しシナリオ『早苗ちゃん登場』(3/5)
あまりにも短く普通の早苗の話に対し語り部たちはブーイング。そんな彼らに彼女は「やがて来る7人目は神田さん」と告げる。騒然となる一同。
それぞれの反応から意外な人間関係が浮かび上がってくる。
神田と同じクラスだったという新堂。ただの同級生だというが反応が不自然だ。
神田と恋仲にあったと噂される岩下。ほんのり否定しながらも浮気者の殺害を仄めかす。
神田に片思いしていたという福沢。形相を変えて岩下を殺人者と責めたてている。
そして実は福沢に片思いしていたらしい細田。照れながら笑っている・・。
岩下と福沢が睨み合い、新堂は不貞腐れ、細田は照れ笑い、呆れる風間と、蚊帳の外の主人公、早苗、荒井。部室内が混沌に包まれる中、静かに外からノックがされる。
「神田さんが来た・・」
神田は成仏するために失くした代わりの首を求めてやって来たらしい。誰かひとりが犠牲になれば神田の呪いは解け、神田自身も成仏できる。そして・・、神田を殺した犯人はこの中にいる。
場を包み込む異様な空気、ビクともしない窓、語り部たちもさすがに神田の呪いを信じ始める。誰かひとりが犠牲になれば───
519 学校であった怖い話 sage 2006/05/14(日) 04:24:29 ID:T8P084mr隠しシナリオ『早苗ちゃん登場』(4/5)
語り部たちの口論が始まる。
新堂が、岩下が、福沢が、ついでに細田が、互い互いにおまえが犯人だと糾弾する。
その最中、扉が開きひとりの男子生徒が現れる。着ている服装からかろうじて男子生徒とわかるが首から上はちぎれて見当たらない。
(おそらく神田拓郎と思われる)それを目の当たりにした語り部たち。恐怖に囚われた彼らの口から新たな人間関係が。
神田の彼女であった岩下にちょっかいをかけていた風間。風間は首無し男子に土下座し詫びている。
神田をいじめていたらしい新堂。新堂は遊びのつもりだったんだと震える声で謝っている。
神田と岩下との仲に嫉妬し神田を横取りした挙句に振った福沢。福沢は最初から振るつもりなんてなかったと泣きながら祈っている。
福沢との関係に嫉妬して神田へ陰湿な嫌がらせをしていた細田。細田は僕じゃない、僕は関係ないんですと部屋の片隅に引っ込んでいる。
荒井は・・どうやら本当に関係の無いようだ。
関係者たちが狼狽する中、ただひとり岩下だけが平然としている。あんたなんか死んで当然だ、と挑むかのような視線だ。
関係の無い主人公、早苗、荒井。そして殺意を否定しない岩下。それ以外の全員が神田へ詫びながらも殺害は否定している。いったい誰が殺人犯なのだろうか???
520 学校であった怖い話 sage 2006/05/14(日) 04:26:15 ID:T8P084mr隠しシナリオ『早苗ちゃん登場』(5/5)
場が騒然となる中、主人公の頭中に声が聞こえる。主人公は直感的にそれが喧騒を前に突っ立っている神田の声だと悟る。声は告げる。誰を殺せばいい、おまえが選べ、誰を、と。
有無を言わさない状況に、必死で考える主人公。考える、考える、考える、わからない!焦燥する主人公だが、無慈悲にも神田は部室へ入ってくる。真相の不明なまま誰かが犠牲になるのか、とその時
「神田!おまえ、どうして・・」
部室の入り口に新聞部部長、日野先輩が現れた。首無し男子が神田拓郎と一目で看破した日野先輩はその思いのたけをぶちまけ始めた。
在りし日の神田と日野先輩を親友同士だったこと、しかし実は日野先輩は神田を愛していたこと、女と付き合い始めた神田に我慢できず想いを告白したこと、それから神田が日野先輩を避けるようになったこと、
日野先輩は涙をこぼしながら絶叫する。「お前だけは他の人には渡さない!」日野先輩は神田を担ぎあげると愛しそうに頬擦り廊下を駆けていった。───さすがに一同は言葉を失っていた、岩下でさえ。
全てが終わった?のだ。日野先輩は一週間後、死体で発見された。世間では自殺となっている。主人公はというと、元木早苗とそれなりに上手くやっているのだった。
(なんというかギャグかシリアスか、判断のつかない話です。 神田を殺害した犯人は日野以外の場合ははっきりしませんが 個人的には岩下の仕業ではないかと思えます)
補足
誰を殺せば?の問いに新堂を選ぶと上記
風間を選ぶと、スンバラリア星人である風間が神田を返り討ちに。
岩下だと、岩下が殺され神田にどうやら彼女が犯人だったっぽい。復讐できてよかったと感謝されます。
荒井だと、荒井が殺され、本当に無関係だった荒井の霊に主人公が責められます。
罪悪感があった主人公は荒井の霊のなすがまま、殺されます。
細田だと、細田の首に満足しなかった神田が他の人も殺そうとした時、「こんな首ってなんだよ」と、怒った細田の首に取り付かれ、神田の体は消えます。
残った細田の首も、「嫌な人だね。だから僕に二回殺されるんだ。フヒヒ」といい、主人公に今日のこと忘れないからね。と、言い残し、体と共にどこかに消えます
福沢を選ぼうとすると、神田から殺すのは主人公だね?と、言われ、主人公は驚きます。
そう、神田に誰を殺せばいいのかと聞かれたのは主人公だけではなく、全員だったのです。そして全員が主人公を選んだ模様。
早苗に助けを求めると、大丈夫、ずっと一緒よと言われるも、早苗のお婆ちゃんたちのように、口の中で暮らすようにする。とのことらしく、そのまま殺され早苗の口の中で暮らすことに。
主人公と早苗の場合は、殺される直前に早苗の口からお婆ちゃんが出てきて助けてくれます。
主人公生存パターンの場合はその後、早苗とそれなり仲良くやってるシーンで終わり
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