ヘラクレスの栄光IV~神々からの贈り物>>3-205・214~217・441・443~445・458~459、>>4-262~263、>>7-249~254・375~380
205 ヘラクレスの栄光4 sage 04/01/08 01:09 ID:CEobJOe0本編の前にちょこっと人物紹介や設定を書きます。ヘラクレスの栄光にはギリシャやローマの神話が入り乱れており突っ込みどころも少しありますがキニシナイでください。テキスト命な後期DECOゲーを削った上に思い出して書いておりますので。
この世界の魔法・各神殿で沐浴する事によりその神に生来与えられた力が開花する(手軽すぎ)ヘラクレス;本編の主人公。半神、がそれゆえに神々の恵みが得られず魔法が使えない。ハデスを打ち破って囚われたヴィーナスを救った事もある。ゼウス;主神だが4では放任主義の極み。3ではDQNオヤジ。アトロポス・モイライ;運命を司る女神3姉妹の未来を司る末妹。口調からしてばあさんの姿。アトランティス;4000年前に神の怒りを買って沈んだ海洋都市国家。アトラスを信奉する民が住み、ギリシアに似た民主主義国。だが鎖国をしており国を丸ごと壁で囲んでいる。特産品はアトラスに授けられた超金属オリハルコン。アールモア先生;物語の中核。エピファーの姉の婚約者。アトランティスが滅ぶ原因。有限である人間から永遠へと近づく研究をしていた。エピファー;主人公と恋仲プラトンのお友達。姉が死んだ事により少し暗くなっている。プラトン;自己中な親友。エピファーに魅かれている。主人公;デフォルト名なし。アトランティスの若年兵士兼学生。エピファーと恋仲、プラトンの親友。214 ヘラクレスの栄光4 sage 04/01/09 16:18 ID:DDKHqJSbあ~在宅は楽だわぁ……。てなワケでヘラ4の御話。
主人公は名前がありません。書き手も聞き手も2ちゃんねらーですので「ナナシ」でいいでしょう。目覚めると寒い神殿の中。辺りを見回し外の風景をみるとやはり雪国、呑気に雪が降っています。そして自分は何故か四つん這い。手足を見ると犬になっているようです。でもなぜか驚きはありません、きっともっと驚く事があったのでしょう。だけどナナシは何故か思い出せません。ありがちな頭痛もしませんし気分も悪くなりません。雪のように頭の中は真っ白です。とにかくここにいても仕方が無いので外に出ます。すると入り口には老婆がいてナナシに話しかけてきました。「まさか、犬になっているとはねぇ……そんなに犬が好きかい?」あんた誰?と声に出して問います。でも犬ですのでワンとしか言えません。「ワンときたもんだ、頼りないけどあんたに任せるしかないんだ。」老婆は自己紹介をしてくれます。彼女の名前はアトロポス・モイライ運命を司るモイライ3姉妹の一人。そして自分はナナシが犬に入った一因となっている事。姉が奪った記憶をもどす事が出来るがどうかと問うてきました。もちろんナナシは返せと返事します。いいえと返事をする事が出来ますが、主人公的には返せでしょうしね。「ワン!!」「ワンって言われてもねぇ、情けなくて涙が出てくるよ」アトロポスは一人ごちた後に少し大げさな振る舞いで記憶を返してくれました「さぁ!あんたがあんたであった最後の日に行ってきな!!」
215 ヘラクレスの栄光4 sage 04/01/09 16:23 ID:DDKHqJSb頭の中ではもの凄い勢いで自分が人間の体に入っていた最後の日が再生されます。犬に入る4000年前。此処はアトランティスの大学。アールモア先生の講義が終わり食堂へと皆は急ぎます。その最中、隣にいたエピファーがメモを渡してきます。「東の壁公園で待っています エピファー」そうしてこっそり抜け出そうとすると抜け目無くプラトンが来ました。「エピファーにメモ貰ったろ!?俺も連れて行けよ」なんでだ、少し察しろと言うと「実はな……オレはエピファーが好きなんだぁぁ!」そしてエピファーがナナシを好きなのは分かっている。オレはそれがどうしても気になるからついて行くと語ってきました。本の読みすぎで少し頭がねじれているようです。とにかくエピファーが最近暗くなっているので気になります。急いで壁公園に行くと、エピファーが壁の展望部分に上っていったと聞きそして上ろうとするとジジィが邪魔して通しません、どいてくれと言うと「学生さん、この壁はな我ら……」ジジィは話を聞かずに語りだします。要約するとゼウスに幽閉されたアトラスをかわいそうに思った人々が集まって、アトランティスという国を作り上げた。そうした人間達を可愛く思ったアトラスは神々の知恵と知識をアトランティス人に授けるのでした。それにも腹を立てたゼウスは幾度も自分が御神体の国を差し向けます。それらにもめげずにアトランティスは知恵と知識で退けていき、とうとう壁で国を覆うのでした。防御が完璧となったアトランティスは無敗を誇り鎖国に徹しましたが、ゼウスはとうとうアトラスをどこかに連れて行ってしまいました。そして信奉する民は大部分此処に残ったのでした「さあ!アト(ry」無視して上ります。こういった老人にほとんどの人はなるのですが若い身空、他人事です。アホみたいに長い梯子(きっとアトラス様が螺旋階段を教える前に)を登り展望台に着くと、憩いの一時を楽しむ人々の中にエピファーもいました
216 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 04/01/09 16:49 ID:DDKHqJSb沈みがちな目で遠くを眺めるエピファーに話しかけます。「来てくれたんだナナシ!ありがとう……」するとエピファーの視界に強引に(隣の男女を押しのけて)プラトンが入ります。「いや~どうしてもナナシが付いてきてくれって言うから俺まで来たよ」アトランティス1の剣術使いであるナナシはプラトンを海に放り込む事が出来ましたが、無口で友達の少ない身の上、我侭でうるさく同じ友達の少ないプラトンを許してやりました。「え……うん、ありがとうプラトン」不承不承プラトンにも礼を言うエピファー。「いやぁさぁ、俺たち最近エピファーが暗いから心配してるんだぜ」俺たちという分、プラトンもナナシとエピファーの中は認めているみたいです。ついでに喋るのが面倒なので(例え相手が恋人でも!!)流れを一任します。「……ありがとう、ナナシ、プラトン。私ね……」どうやらエピファーは姉が事故で死んでから自分達人間は儚い存在である事を直に感じてしまったようです。それゆえ幸せは脆く、一瞬のものだと嘆いているようです。ここでエピファーはあなたと私は永遠の中になれるかなと問うてきます。(答えの選択可能)いいえと答えるほど鈍くはないので永遠だと答えました「私……ゴメンね、わざわざあなた(主人公)を呼び出してこんな事言い出したりなんかして」そうして言いたいことを言い終えるとはらはらと泣き出してしまいましたした。するとプラトンがナナシの袖を引っ張ります「泣き出しちまったぞ、どうするよ!」そんなんだからお前は頭がよく美形でもモテないんだ。近くにオリハルコン製飾り売りを見つけ、プラトンに金を出させます。エピファーに慰めのプレゼントです。「エピファー、プレゼントだよ!そうだ!!此処に俺たちの友情を記念して字を彫ろう!字を壁に彫れば永遠に残る!俺たちも永遠の一部になれるんだ!」なんだかんだといってプラトンはいい奴かもしれません。それにはエピファーも同意してナナシも頷きます。するとプラトンは文字の内容を一任すると言い出しました。決めるトコも決められないからお前は(略まぁ文字はベタに「我らの愛と友情を」にしておきました(文字は入力できます、ヘラスレを見ればスレ住人の後悔炸裂ですんでよろしく)そうして友情の文字彫りが終わるとプラトンはオリハルコン鉱山の手伝いに行きました。基本的に食い扶持は誰もが自分で稼ぐ、アトランティスはそういった国家なのです。プラトンも去り二人はいいムードです。きっと男の9割はキスするくらいいいムードです。でもみんな、あわてると碌な事がないよ。だからナナシも慌てませんでした。しかし何だか下の様子が変です……周りの人間も下を覗き始めました。すると!!
217 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 04/01/09 17:04 ID:DDKHqJSbなんと驚く事にギリシャ海軍が攻め寄せてきています!壁の門を破壊して上陸してきました!!「大変!!ナナシ、街に戻らなきゃ!!」エピファーはきっとアトランティス1の剣士ナナシを信じてくれているのでしょう。でも相手は強国ギリシャ。鎖国内のナナシ以上が兵士長レベルの大軍です。死にたくはないけど主人公的(ryちなみにギリシャ兵は全員ゼウスの策略で殺人狂と化しています。女子供のべつ幕なしに皆殺しです。陵辱といった事もありません。とにかく街に戻ると、死体と怪我人の山です。辺りには軍用ライオンや軍用犬に魔物まで放たれておりこの世の終わりもかくやといった惨状です。エピファーを庇いながら大学を目指します。大学は怪我人の収容所兼司令部と化しておりました。生存者に聞くと戦況は圧倒的に不利。殲滅されるのも時間の問題となっています。するとアールモア先生が元気なものを集めています。プラトンも無事でその中にいました。「我らアト(ry」とにかく要約すると先生の最終鬼畜兵器並にスンゲー研究の成果を使えばギリシャ人皆殺しッス!というわけです。あからさまに怪しいですが、皆はそれぞれの大切な人の仇を打ちたいと賛同します。先生は付いて恋!と言うと大学の地下へと案内してくれます。地下には武器庫があり、それで武装して下水道からオリハルコン鉱山に向かえといいました。武器庫があるのに武装しないタワケは俺以外いません。(ノリすぎて特攻しました)とにかく、皆武装して下水道に降ります。そ こ が ギ リ シ ャ 兵 の 待 ち 伏 せ 場 所 だ と 知 ら ず に … …441 ヘラクレス4 sage 04/02/03 02:48 ID:XaQgwJilこの書き方はウザイと思いますがOPとEDが原液って言うくらい濃いのでもう少し許してください。
エピファーを守りつつ何とかギリシャ兵達の追跡を振り切ったナナシ(デフォルト名なし主人公)。そして下水道から出たときに後ろから学友のニルとローテが追いかけてきます。「一緒に行こうよ、ナナシ」そしてオリハルコン鉱山へ向けて歩を進める一行。だがギリシャ兵は皆殺しを旨としているのか執拗に追いかけてきました。「うげへへへ、皆殺しだぁぁ!アトランティス人はっけーん!!」←マジでこんな事言ってる相手は二人、ですが見たところ兵士長クラスの達人。防戦一方に追い込まれてとうとうローテが負傷します。このままでは殺される、一行がそんな予感にとり憑かれたその時!「やめろぉ!この戦いは間違っている!どこにも邪悪な者なぞおらんではないかぁ!」一人の巨躯の男が怒号を揚げつつ駆けつけました。ギリシャ人のようですが正気を保っておりしかし兵士長達はおかしくなっており男の言う事を聞きません。「げへへへ!もっとやるんだぁぁあ!うげへへへ」「……ヘラクレスの名にかけ、許さん!!」そう、彼こそが半神半人の英雄ヘラクレスだったのです。彼は兵士長達をあっという間に切り伏せてしまい、何も言わずに立ち去りますするとその背中をエピファーが呼び止めました。「待ってください、もう一度お名前を……」「私の名はヘラクレス、もう助けてやる事は出来ない。早くお逃げなさい」そうして彼を見送った後に一行は出発しようとするがローテの血が止まりません。彼は旅の神ヘルメスの像にもたれかかり、途切れ途切れに呟きました。「駄目だ、血が止まらない。僕はここで……君たちの安全を祈るから……オリハルコン鉱山は……もうすぐ……頑張って、ニル……頑張ってくれよ」もう助からない、その事が分かった一行は悲しみを押し殺して鉱山へと急ぐ。鉱山に着くとエレベーターの動力室に皆が集まっている。その中にはプラトンもいます。話を聞くとギリシャ兵達が動力室を調査しているらしく、武装の貧弱な自分達ではどうにもならないとの事。手をこまねいて方法を模索していると集まっている皆が次々と立ち上がります。「このまま死んでたまるか~」「やられっぱなしで終わるかよ!」そうして次々となだれ込みます。必死に駆け込む若者達。そして最後にニルも続きます。「ローテの仇を討つんだ!!奴らめ見ていろよ!!」止める間もなくドアの向こうへ消えるローテ。急いで後を追うが動力室に生きている者は誰一人いません。さっきまで動いていた仲間達と知らない兵士の死体が折り重なっているだけです。その惨状を見てアールモア先生は嘆きます。「私の可愛い教え子達……アトランティスの子供たち……いいですか皆さん、生き残った皆さんの責任は重大です。私の研究室へ急いでください」443 ヘラクレス4 sage 04/02/03 03:47 ID:XaQgwJilその言葉を受けて、研究室へと急ぐ二人。プラトンもいきり立っています。「行こう!ナナシ!犠牲になった人達のためにも、町の人達のためにも!!」そうしてギリシャ人が放った魔物を撃退しながら最深部の研究室へと急ぐ一行。研究室のある最深層に辿り着き部屋を目指すと不気味な女の声が聞こえてきました。「アールモア?ダレ、ソコニイルノハダレ?」幻聴だと一蹴し、研究室になだれ込む一行。そして後続の仲間を待っていると先生だけが来ました。他の皆のことを聞こうとすると彼は開口一番「残ったのはこれだけですか……」他の皆は……三人だけとなった生徒にアールモア先生は講義を始めます。アトランティスを救う研究。先生の婚約者、エピファーの姉が死んだ事から始まったのだ。先生、彼は愛する人を亡くしてから毎晩夢を見た。それも死んだ思い人が助けを求める夢。次第に彼は彼女が生きて助けを求めているのではと考えるようになり……とうとう墓を掘り返した。すると!なんと彼女が生き返ったではないか!
444 ヘラクレス4 sage 04/02/03 03:49 ID:XaQgwJilその事を聞いてエピファーが舞い上がります。「先生!姉は生きているのですね!何で教えてくれなかったんですか!!」暗い表情、どこか危険な輝きの眼光で先生は呟く。「彼女は誰にも自分の姿を見せたくないと――」「わかった!さっきの部屋ね!!」話を聞かずに部屋から出るエピファー、プラトンも嫌な予感をしていたのか彼女を止めます「エピファー、駄目だ!行っては駄目だ!!」しかし彼女は鉄砲玉のように走っていってしまいます。後を追いかけようとしたそのとき!不運な事に地震が起きたのだ!そして揺れが収まり、辺りを見回すと部屋は一変していた。整然と並んでいたオリハルコンの立方体も部屋の大部分も落盤で埋まってしまったのだ。いや、違う。埋まったのはそれだけではない。自分達もどうやら閉じ込められたようだ。恐らく鉱山で生きている人間はいまここにいる三人だけだろう。「先生、研究は……」すがるように聞くプラトン。「全て……終わりです」無常。線が切れたのか叫びだすプラトン。「嫌だ~こんな事で死んでたまるか!!」そして落盤で出来た崖を上りだすプラトン。幸か不幸か横穴が開いていた。希望にすがるように横穴へ駆け込む三人。するとそこには人間業ではない、異常な大きさのオリハルコン製の箱が鎮座していた。アールモア先生はそれを冷静に検分し二人に語り始めた。「いいですか、幸か不幸かこの箱もオリハルコン製です。神の贈り物といっていいのかもしれません。これで私の研究もなんとか完成させる事が出来るでしょう。」すると再び地震が起きる。揺れは短いがその分さっきより大きい。「もしかしたら兵士に襲われるよりもっと恐ろしい事になるかもしれません。先ほど話したように私の恋人は生き返りました。彼女が何故生き返られたのか、その話を元に私は研究に着手したのです」まるで話を妨害するように立て続けに起きる地震。「急がねば……私の研究は永遠に関する研究です。人間を永遠の物とする研究です。死を恐れなくてよいのです!いま、これから私たちは永遠となり、アトランティスは永遠になるのです私たちがアトランティスなのです」(出典・フルメタルジャケット)そうして箱の蓋を開けるアールモア先生。すると次々と箱から悪徳や負の感情、病気などが世界中へと撒き散らされる!そして最後に出てきたものが先生にとりつくが別段、異常は無いのか話は続いた。「これは……話に聞くパンドラの箱……。いや、今はこの箱がオリハルコン製なのが重要だ」プラトンが恐る恐る先生に尋ねます。「先生、俺たちは研究の為に何をすればいいのですか」「こうするのです!」突然、短剣でプラトンを刺す先生!何を……と詰め寄る間もなく刺されるナナシ。「許してください、こうするしかないのです。いいですか、あなた達は今から死にます。ですが傷の痛み、心の痛み、すべては永遠を得る代償なのです。これだけは覚えておいてください!レーテー川の水は決して飲んではなりません!レーテーは忘却の川、その水は飲んではなりません!!川を渡って戻ってくるのです!そして知恵と知識の都、アトランティスへと帰ってくるのです!!ここに在る君たちの体へと戻ってきた時が永遠の始まり。すべての始まりなのです!!」
445 ヘラクレス4 sage 04/02/03 04:12 ID:XaQgwJil長い長い間、ナナシの耳にはその声が響いていました。眠ってるようにも起きているようにも感じます。周りは真っ暗で何も見えません。ただ時が流れていくだけ。しかし徐々に回りに違う音が聞こえ気配を三つ感じました。「最初の奴は大失敗」「次の人間は記憶を奪って下界に送ったけど何もしない人間に期待なんかするのが間違いだったんだよ」そうして二つ気配が消えて、残った物が語りかけてきます。「姉さん達はああいうけど、まってな。今出してやるよ」壷に長い間閉じ込められていたようです。ですが体がありません!!霊魂だけの存在になってしまったようです。周りには川などありませんしどこかの神殿のようです。出してくれたのはどうやらアトロポスのようです。彼女はとにかく地上で会おうと言い、消えてしまいました。そして奥にいた姉二人のうち、クロートーはナナシを運命を持たないものと嘲り、ラケシスは人間の運命が消えると嘆いておりました。ワケが分からないまま地上に戻され、そうしたら犬の中。ここからナナシの自分探しの旅が始まるのです。458 ヘラクレス4 sage 04/02/03 22:02 ID:n2cfnkc3こうして9000年ぶり(スイマセン5000年足りませんでした)に自分を再確認したナナシ。モイライからは与えられた力を聞く。曰く、高いところから飛び降りても死なない。曰く他人の体をのっとる事が出来る(自分の本体と合わせて全100種)そして何よりも、この依頼を完遂したのなら死んでもいない生きてもいないナナシに運命を与えてくれるのだ。(不老不死になったナナシは人間でありながら神の領域に近づいたので異常な存在、プログラムのバグに近いのである)話が長いと文句を言うとまた消える。とにかく犬の体に入ったままでどうしようか?そう考えると神殿の入り口には看板がある。そこにはなんと!「アトランティスの事を聞かせてください イマンドラのプラトン」とにかくプラトンがイマンドラという場所にいる事は間違いない。体の持ち主(犬)の嫁さんからは浮気は許さないわよと釘を刺されつつ旅に出るのであった。途中、放牧地にいる羊の中に憑依可能なのがいたり、そこで腹を壊している羊飼いに乗移れそうだったりする。でも下痢腹抱えた人間に憑依するのも見張られたりする羊に憑依するのもゴメンなのでスルーしました。そうして都合の良い事にイマンドラという村につきました。
459 ヘラクレス4 sage 04/02/03 22:03 ID:n2cfnkc3村に着いた時、羊を連れていて人間だと牧場主から手間賃がもらえるが動物だとびた一文くれない。この村に乗移り可能なのは旅の青年剣士・娘が誰かと逢引している樵・樵の娘と恋する引きこもりの三人。村人に話を聞くとプラトンは年をとらない、と評判でありそんな事はなんのそのとプラトンの事を愛する家族がいた。(なんと妻帯者になっていたのだ)そうしてどのような体であろうと(犬でも!)プラトンの妻からは夫と目の輝きと色が同じ、だから家族を愛するが故に年をとらないことに悩み旅に出た夫を助けてやって欲しいと世界地図を渡される。地図を手に入れ旅を続けるナナシは途中、デメテール神殿とヴィーナス神殿に寄る。そこの泉につかると魔法を覚えるのだ。そして巫女ポフリとアプルに乗移る事も可能。そうして神殿を後にし一路、この地方と世界を隔てる山へと向かう。その山には引退した女海賊がいたり、隠遁しているケンタウロスの長老がいたり、二人に乗移れたりする。山を踏破していると途中、旅人が立ち往生している。聞くと橋が壊れて向こう岸に渡れないとの事。そうしてナナシも悩むのだが、何のことはない。ナナシはモイライから与えられた能力がある。そう、飛び降り。着地点と出発点の見極めに失敗すると大惨事と化すスポーツ。玉を棒でひっぱたくだけの遊びとは違い、男の為のスポーツ。(話ががそれた)そうして旅人の前で飛び降りて見せたナナシ。すると旅人はナナシが普通ではないのに思うところがあったのか自分も飛び降りて見せた。わあ、びっくり。旅人も死ななーい。そうして話すとプラトンだと分かるのだった。そうして妻と息子のためにも自分を探すんだと息巻くプラトン。9000年ぶりに会う彼は変わっていた。「そうだ思い出したぞ!美人のエピファーが俺の事好きで、お前がヤキモチ妬いていたんだよな!?」プラトンを蹴り転がして山を降りるナナシ。そうすると旅の商人がいて彼から話を聞く。近くのテルマという村に旅の翼という便利な物があると。
262 ヘラクレス4 sage 04/03/03 19:11 ID:IldUgHMG旅の翼は覚えている場所へと瞬時に移動する道具。それさえあればアトランティスに帰れる。山を降りて雪国からテルマ村へと着いたナナシたち。だが村人はダリィダリィーとやる気なさげ。色々聞きまわるとなんと家から出ると何故かやる気が削がれてしまうというのだ。ナナシたちには別段異常は無い。その事が逆にナナシ達2人の異常さを物語っているが、とにかく道具屋に旅の翼の在庫は無いか尋ねた。道具屋はだるそうに無いと告げ、欲しけりゃ自分で作れという有様。異常を感じ、そんな彼らに起こる気も無いナナシ達は作り方を聞くのだった。「北の森から水鳥の羽を取ってきて、それを旅の神ヘルメス様の神殿の泉に浸けるといいよ」北の森に着くと歩行樹が闊歩するので迷い込むものがいないように門番がいた。村人以上にやる気が無いのかだるいなどと言わずに最低限の事を確認して門番は道を空ける。途中、動き回る歩行樹に襲われたりしながらも水鳥のいる森とこの森を分ける川に着いた。しかし橋は壊れており近くには復旧に来た村人のテントがあるだけ。そう、案の定その男もやる気がなくなったのだ。それだけでなく門番以上にやる気が無くなり、放置していけば餓死するかもしれない有様。向こう岸に渡りたいと告げると何かに抗うように材料さえ取ってくれば自分がやると約束する男。そんな彼を信じて材料の丸太10本分、歩行樹を切り倒すナナシ。そして男は力を振り絞り嘘みたいな速さで橋をかけ倒れた、生きる気力もなくなりかけているようだ。だが自分達にはどうする事も出来ずに水鳥の巣に繋がる洞窟へと進むナナシ達。するとそこには得体の知れない化け物がいた。
263 ヘラクレス4 sage 04/03/03 20:01 ID:IldUgHMGその化け物の外観は腐り落ちた獣のような体から触手が腹を食い破り、地面に接する部分には緑色の小さな芋虫が群がっている。そして何よりも恐ろしいのは周囲からやる気――生きる力を吸い取るような「怠惰」の気配だ。プラトンと二人がかりでなんとか化け物を傷つけていくと急に光の塊となってどこかへ行ってしまった。腑に落ちないまま水鳥の巣へと向かう二人。途中迷子ゴッコをして本当に迷子になった精霊がいたりするがデコゲーなので乗り移れる材料としか見ない二人。なんとか水鳥の巣へとつき抜け落ちた羽を拾う。そして近くにあるヘルメス神殿でやっと目的の旅の翼を手に入れることが出来た。アトランティスを念じる二人、そして旅の翼は二人を故郷へ送るのだった。
そこには何も無い。ただ大海原に頭を出す建造物だけで他には何も無かった。「おかしいなぁ、ナナシ。お前ひょっとしたら間違えたんじゃないのか?」そんなプラトンの軽口を聞いて怒るよりも建物と状況に既視感を感じるナナシ。いないのはエピファーだけだ。エピファーだけいない?嫌な事を考えたその時、プラトンが決定的なものを見つけてしまった!「我らの愛と友情を」そう、ここがアトランティスだったのだ。ギリシャ兵が攻めてきた上に9000年も経っている。生きているのが自分達2人だけだとしてもアトランティスという大地は、故郷は待ってくれている。そんな都合のイイコトを少し考えていたが、しかしそれも何もかももう終わっていたのだった。プラトンも記憶を取り戻したようで、あの時の事を語り始める。「全て無駄だったんだ!俺たちの本当の体も海の底!ちくしょー!!」そして近くにあった岩の塊に蹴りを入れるプラトン。岩は脆く崩れ去って、その……あの……え~と、とにかく中からヘラクレスが出てきたのだ。「うーむ、流石に待ちくたびれたぞ!!私は!ヘラクレスだ!」いろんなことが起きすぎてワケがわからなくなったナナシ(つかプレイヤー)に矢継ぎ早に語るヘラクレス。「むむ、そなた達は覚えているぞ!その知識と知恵に光り輝く目!そなた達、アトランティスのものだな」→はい いいえ「おお!やはりそうだな!9000年の永き眠りで待ち続けた甲斐があったというものだ!」「9000年、ここで?なんなんだ、あんたわ?」「私はヘラクレスだ。ゼウスと人間の母の間に生まれた男だ」そして語るヘラクレス。邪悪な国を討伐してこいと神々の命令を受けてきたら普通の国だったので文句を言いましたが誰にも聞き入れてもらえませんでしたおわり。あんまりな実情に殴りかかるプラトン。それを胸で受け止め彼を諭すヘラクレス。「気持ちはわかるが聞け!アトランティスは今やもう無い!かといってそなた達には未来がある!その未来の為に手助けするのが私の償いだ!」「だからどうした!俺はイマンドラへ帰る」帰る場所のあるプラトンは言いたい事を言ってくれますがナナシにはありません。「まぁ聞け。そなたたちはどうやら普通の人間ではないようだ。何故そこまでしてそなた達が生かされているか知りたくは無いか?」そしてそれを探すと決めたなら言ってくれとヘラクレスは言い、海を眺め始める。とにかくここに居てもどうしようもないので一応探すと告げる2人。そんな彼らにヘラクレスは沖のほうで変な船が見えると告げるのでしたチャンチャン。
249 ヘラクレス4 sage 04/04/26 23:55 ID:oeGKwvrM滅んだアトランティスの岸壁にいても仕方がないので偶々遠くに見える船を呼び寄せて乗せて貰う三人。船は装飾だけに特化しており、船主もただただ自慢をするばかり。港に着いた途端、船は沈没する。それでも船主は呑気に次の装飾を考えるだけで気に留めない。着いたところはトランティアという国の船大工と港の町。そこはこの世界の潮流の中心というべき場所で、主をなくした船が流れ着く場所。送ってくれた船主もこの町の船大工で、彼の同僚も同じ様に装飾にだけ腐心している。その様に親方は嘆くばかり。聞いてみると皆が見栄を張りまともに生活が出来ない。それでもナナシ達にとっては他人事だ。目的も無く、かといって他人に親切をするほどお人好しでもないので見ぬ振りをし旅を急ごうとするところが町長に声を掛けられこの怪現象を解決してくれないかと持ちかけられる。聞けば北の大岸壁に何かあるらしいとの事。前述のとおりドライなナナシ達は断ろうとするが、英雄であり神である、人間を助ける義務を背負っているヘラクレスは勝手に引き受けてしまう。不承不承、大岸壁に向かう一行。大岸壁を掘りぬいたトンネルでは何故か人だかりが出来ていた。奥を見ると出口が岩で閉じられている。だが街の皆と同じ様に、いや一層酷く人々は見栄を張っている。だから助けを呼んだり力を合わせる事も無いようだ。人々の様子からここに元凶があると断じ、岸壁を登る一行。そして頂上にいた「見栄」の化けの皮をはがし撃破する。道を戻ろうとする二人にヘラクレスはここから落ちて塞ぐ岩を破壊しようと提案。不死身故の余裕があってか渋々と全員で頭からの人間爆撃を実行して岩を破壊する。倒れている三人を凄い凄いと褒めはやすが助けもせずに通り過ぎる人々。唯一声をかけた人間もいたが彼は商人でトランティア王が不死身の研究をしているので三人を紹介して一儲けする為であった。だが商人の人のよさ、トランティアの入都許可を得るためにそれに協力する三人。
250 ヘラクレス4 sage 04/04/26 23:57 ID:oeGKwvrM検問を通過し入都したがそこで驚くべき事を聞く。この国の王は若々しい男で不老不死であり叡智を秘めている。伝説では高所より飛び降りて自身の力を示したらしい。王は慈悲深く国中の人間が永遠、不老不死にしようと研究している。御名はアールモア。あまりにも出来すぎた内容だ。アールモア先生に違いない。喜ぶプラトンだがナナシは引っかかる、確かモイライが自分を地上に落とすときに何か言ったはずだ。しかしプラトンの喜びように流され謁見のついでに先生かどうか確かめることに同意した。急げとばかりに城へと向かう途中一人の女の子に声を掛けられる。べたべたな仕掛けで他所見する隙に謁見許可証を掏り取られる。なんとか家を見つけて捕まえ問いただすと、名はディアリ、病気の母の診療代と薬代を稼ぐ為に王の研究に貢献するチャンスが欲しかったとの事。それならと一緒に謁見することを許す三人。城に入ると待合室に通され商人とディアリだけが優先して連れいていかれる。それだけで今日の謁見は終わりという事になった。不審な振る舞いに押し通り奥へと向かう。奥殿にいる人間は王の後を追いかけるな、王の研究は知らないほうがいいと警告しつつ言葉の端々に逆の事を込めている。王の助手である女性が一番激しい反応だった。助手の部屋には王の秘密研究所への地図はない、私は何も話さない。彼女の言葉を信じて地図を手に入れ追いかける一行。研究所は厭らしい嘘をつく人々と看板、危険な罠に満ちていたがそれらを見抜いて研究室に辿り着くと扉の前には老人に化けた「不信」が待っていた倒して入るとディアリと王はおらず、実験の恐怖のあまり気絶した商人だけがいた。王に何をされたと聞くと自分はエジプトのミイラの事を聞かれただけと執拗に答えのことを話さない。ぐずってここには一秒たりとも痛くないという商人をなだめ、血糊と解剖台と手術用具が散らばる研究室を後にする。プラトンはただ先生を追う事に腐心、ヘラクレスは魔物退治に執心。そんな二人に流されるままに先生を追うことに決まった。
251 ヘラクレス4 sage 04/04/26 23:58 ID:oeGKwvrM見栄退治の報酬である帆船でエジプトに着いた三人。そこは熱砂と乾き、風が支配する異境だ。強制とも言える労働、ダム作りの警護について砂漠渡りに必要な生き物を手に入れ首都へ向かう。そこは絶世の美女王の君臨する街。奴隷という被差別階級が存在する街。しかし奴隷達はしたたかに眠りながら仕事をし、おびえながら道草を食う。アールモアの行方を聞きまわるとピラミッドへ向かったようだ。ピラミッドではお決まりの罠が満載でまず三人は省略そして中心部分に到達すると誰もいない。見回すとここはミイラ製造所のようで辺りには器具が散らばっていた。並んだ棺おけの中からディアリを見つけるが、肌の色は紫がかりまるで死体のようだ。感情や記憶も茫洋としておりまともな答えは返ってこない。ほっとくわけにも行かず連れて行く事にする三人。出ようとしたときの腹の中から手紙と金が出てきた。手紙は先生とは思えない傲慢な視点からのもので要約するとエジプトのミイラ製造技術は自分の目指す物とは次元が違う低レベルなものだ。だからおまえ(ディアリ)は失敗作であり、化け物となったお前を愛するものなど誰もおらん。お前の犠牲は無駄にはしない。私は必ず復讐を遂げる。そのためにオリハルコンが伝わるギリシャへと向かう。先生の異常に色めきだつプラトン。そしてアレだけ母を思っていたのにディアリは何も覚えていない。先生を追うと喚くプラトンにヘラクレスはとうとう怒る。この異常な魔物発生には君達が大いに関係しているはずだ。世界の危機といえる異常事態に何を悠長な!プラトンはその諭しを突っぱねてヘラクレスと袂を分かつ。心は幼いプラトンを昔のくせで庇ってしまいナナシもヘラクレスの怒りを買ってしまう。そうして四人になった途端三人へと戻った一行はギリシャへと向かう
252 ヘラクレス4 sage 04/04/26 23:59 ID:oeGKwvrMギリシャへの道を守っている城塞都市スパルタに着いたが表には誰もおらず、豪奢な着物を着て王冠を被る子供がいるだけであった。子供は泣きながら助けを求めてくる。聞くと町の人間全てが恐怖に苛まれ家に引きこもっているのだった。子供が言う事には自分はギリシャ王だからどうにかしなくてはいけない。でも子供だから怖くて動けない。仕方無しに原因となる地下の魔物を倒しにいく一行。プラトンはナナシの気も知らずにヘラクレスの思惑とおりに動いているとぼやく。そんなプラトンをは明るく嘲笑する。感情が戻ってきているみたいだ最奥にいた「恐怖」を倒した一行はあの子供王からギリシャでの自由を認められ首都での謁見を許された。話が終わった途端、緊張が解けたのか腹痛が起きた王は一足先に首都へ戻る。後に続いきギリシャへと着き、王が心配で病院に向かう一行。そこでは美人でありながら聾唖の看護婦に甘える王がいた。ナナシとの目が合う。何故かいきなりナナシに抱きついてきた。それにジャミラッた王が城へと一緒に帰るとダダを捏ね始めたのではナナシから離れたそんな珍事を経て城へ行くとなんとプラトンの子供たちがいた。ペルシャ王が宣戦布告してきたので兵役に回されるのだ。プラトンは子供たちが心配か、珍しく傍に居たいのでナナシとだけで謁見してくれという。謁見の間に行く途中、歴史の事実として文官からアトランティスの末路を聞かされる。悪の国であるアトランティスを攻めた理由はオリハルコン獲得の為。ゼウスから欠片を授けられたがそれでは満足できぬと伝える、すると産出地と攻める方法を神託され取りに行けと唆されたらしい。ヘラクレスとの一件、のミイラ化と合わさりますます気が滅入るナナシ。それでも謁見すると、王はギリシャの至宝オリハルコンの欠片を見せてくれた。途端、はその欠片を王から奪い、懇願するようにナナシの前に突きつける。衛兵はすぐそれを取り押さえ、王へとオリハルコンの欠片を戻した。その処遇も幼い王は寛大とはいえない甘えで許す。
253 ヘラクレス4 sage 04/04/27 00:02 ID:uDzuZfXU>そこでは美人でありながら聾唖の看護婦に甘える王がいた。>ナナシとの目が合う。何故かいきなりナナシに抱きついてきた。
>途端、はその欠片を王から奪い、懇願するようにナナシの前に突きつける。
聾唖の看護婦はパリスという名前ですわ。スンマセン。入れ忘れてました。別に看護士服の看護婦を思い返してハァハァしてたわけではありません
254 ヘラクレス4 sage 04/04/27 00:05 ID:uDzuZfXU謁見を終えてプラトンの元に戻るナナシ。プラトンは厳しい表情でナナシを待っていた。子供たちを守る為にペルシャへ行き戦争を止めたい。こんな異常な事態だからきっと原因は魔物だ。だから助けて欲しいと頼まれる。振り回されさらに気が滅入るナナシ。だが断る事はできずにペルシャへと向かう三人。船旅をしペルシャへとついた。するとナナシ達の後から漁船が着いた。なんとパリスがギリシャから追いかけてきていたのだ。気が立っているのもあるが子供たちの未来がかかっているので足手まといはいらないと断るプラトン。それを聞いてどうしようもなく項垂れるパリスを見てディアリが面倒を見るから同行を許して欲しいと頼む。根だけはいいので断れずに勝手にしろと吐き捨てるプラトン。そんな彼の態度をものともせずに許しを得たパリスはナナシに引っ付く。何故パリスがここまで拘るのかはナナシには分からないが何ともいえずにグダグダした結果で四人所帯となった。ペルシャの人々から情報を集めると王様はやる気のない女好きのケダモノなのに、別荘へ行ってからいきなり血に飢えた獣のようになったという。鍵を盗んだマヌケな泥棒から王の別荘の鍵を奪って向かう一行。妖気漂う別荘地下に居たのは「憎悪」の塊で、四人はこれを追い払う事に成功した。が、戦闘のショックで地震が起き、冥界の臭気沸き立つ大穴が開く。逃れる事が出来ずに落ちる4人。375 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:07 ID:gS6ZxLtx気がつくと冥界。死者の街までなんとか辿り着くとプラトンがいつもの言葉を吐いた。なんとかしろよナナシ!勝手な振る舞いにパリスへの酷い扱いとそれまでの所業に腹を据えかねたディアリが怒る。困ればナナシに頼るが自分ではナナシのために動かず振り回すだけ。子供を設けるほどの大人ならいい加減にするべきだ。痛いところを突かれて怒鳴りちらすプラトン。ディアリからもとうとう絶縁を告げられる。それでも街をパリスと見回るナナシに何も考えずに着いて回るプラトン。死者の役所を訪ねるとナナシ達のような死んでない人間の裁量権は持ってないのでハデス神に直接会いに行けと追い出される。やる事もなくナナシがパリスと街を見回っていると見覚えのある女が居た。なんとディアリの母だ。うかつな事に忘れていて自分達が殺したようなものだ。またも気が滅入るナナシ。ディアリはどうなったという問いに答えられず母の直感で気取られディア母は外へ走る。だがディアリは母に冷たくあなたなんか知らないと言い放ち不自然に旅路を急ごうと皆へ告げる。そして三途の川に着いた四人、そこでプラトンは思い出す。この河はレーテーだ!忘却の河で水を飲んではいけないんだ。ディアリも一部記憶を取り戻したようだ、自分は渡ったと言う。渡るときに番のカロンと取引して何か大切なものを渡した、だがそれが思い出せない。それを聞いたプラトンは河を渡り、水を飲んでない一行をいぶかしむカロンに詰め寄った。ディアリの大切なものを返せと怒るプラトンになら全員死人らしくしてやると襲い掛かるカロンなんなく撃退してディアリの元に大切なもの、母との記憶が戻った。どこかで見ていたのか川向こうから走りより思い出してくれたのねと感動する母。だが弱そうなものに強いカロンが母に殴りかかろうとしそれを止めるディアリ。その時に稲妻がカロンに直撃した。そして響く声はハデスのものだった。曰く、貴様に許したのは魂がちゃんと地上へ行くのか見取る役割で乱暴や収賄を受け取るのは許していない。その言葉に恐れ戦き、ディアリの母を許すカロン。丸く収まった事に皆は喜ぶがディアリはこんな身体だし母も心配だから残るという。別れを惜しみながら先を行こうとするとパリスがカロンに何かを訴えている。カロンはパリスを見てお前とは何度も取引したと呟き、先ほどの件でやる気をなくしたのかパリスに何かを返した。パリスに言葉が戻り、彼女はナナシに打ち明けた(プラトンは空気のような存在で)九千年前に死別したエピファーだと。姉の居る部屋へ向かい一部始終を聞き地震もなんとか乗り切ったがギリシャ兵に捕まり、奴隷として一生を終えた事。そして姉から聞いたとおりレーテーの水を飲まず意地汚いカロンと取引し何度もエピファーとして……九千年間、ナナシとの再会を待っていたこと。恋人との再会が嬉しいのか九千年待つその執念が怖いのかそれとも自分だけが時間から取り残された悲しみなのか、胸に去来する感情を言い表す事も受け止める事も出来ないナナシ。とにかくハデスに逢うのが先決とばかりに王城へ向かい、謁見の間に着く三人。荒い声と嘆願の声が奥から聞こえる。荒い声は冥界の主ハデス、嘆願はヘラクレスの声だった。今までの魔物騒動は大抵あなたが関わってきたから人間を苛むのはやめてくれとのかなり失礼な嘆願。それを嘲笑し、今回は人間自身が招き寄せたことで自分は何もしていないと怒気を荒げるハデス。聞き耳を立てていたのがばれて引きずり出された三人にハデスは宣告する。プラトン、ナナシ。生命の循環をまったく無視する不老不死の貴様らは罪深い、ましてや生きたまま冥界に訪れるのは大罪である。エピファー。同じく生命の循環を凌いで個人の魂を固持し続けるのは神への反逆。(じゃぁカロンはどうなのよ)よってお前らタルタロス行き。ついでにヘラクレスもどっか行け。
376 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:08 ID:gS6ZxLtx画期的なスピード裁判でこの世の底、地獄に送られたナナシ達。そこでエピファーは姉と会い、アールモアを助けてと頼まれる。なんとか出口はないかと探す一行。その途中、変な親父からこの手紙を地上に居る自分の子孫に届けてくれと頼まれる。これ以上頼まれてはかなわんというわけでもないが守衛に率先して働きたいと告げたら、あと二千年、休憩時間があるがどうでもいいからお好きなようにと許しが出た。閑職のようだ。底無し沼を埋めるナチスが考えたような労働をしていると受刑者達からこんな事を聞いた。どうやら地上とこの沼は繋がってるらしい。だが受刑者達は体が無いので地上に戻っても何もできない。運良く身体ごと放り込まれていたナナシ達は地上へと戻る。地上ではアールモアがトロイに人を集めたそうでギリシャ近辺の住人は誰も居ない。トロイに着くと人々は天に塔を伸ばしていた。そこの頂上で指揮するアールモアと九千年ぶりに再会する。変わってない、あのときのままの先生だ。だが話していくうちに態度が変わった。先ほどまで止められるのは君たちだけだ止めてくれ、助けてくれと静かに語っていたのが荒々しく下卑た笑いを挙げて世界を呪い復讐するのだと宣言し始めたのだ。そして塔から飛び降りどこへとなしに去っていった。先生を見失いどうしたものかと悩む一行にモイライが助言を出す。アールモアはアトラスの体を乗っ取りアトランティスを引き上げ、その間この塔で天を支えるつもりだ。それとそろそろギリシャの宿屋前にいる男と仲直りをしろ。その言葉を聴き頼れるものの居ないナナシ達はギリシャへと行くのだった。ギリシャでは複雑な表情のヘラクレスがいた。いろいろ遭ったが再び手を組むナナシ達。そしてまずはアトランティスの確認をする事になり、海底を潜る方法を模索する四人。確かアルゴーという男が潜水艇を作り、ポセイドンの怒りを買ってタルタロス行きとなった。が、彼の志を子孫たちは継いでいて潜水艇を作ろうとしている。おお、何たる奇遇。タルタロスで変なオッサンから受け取った手紙こそアルゴーの子孫宛の手紙だ。それを届けるともちろん中身は潜水艇の設計図。あっという間にドックへ向かう子孫たち。後を追いかけるドックへ行くと様子がおかしい。まるでペルシャ王のように怒り狂っている。潜水艇のドックに辿り着くとまた「憎悪」がおりそれを完全に倒すナナシ達。正気に戻り、潜水艇を完成させるアルゴー一族。乗り込んでいざアトランティスへと進むナナシ達を今度はポセイドンが邪魔をする。海は私の領域でありムシケラである人間風情が犯すとは万死に値する。でも俺は寛大だから潜水艇だけを破壊し以降君たちの海底暮らしを認めよう。そんなアホなと抗議をするも神様相手にはどうしようもない。ポセイドン御付の妖精にポセイドン自慢の宝物殿でも見てこいと勧められ、当然の如くそれを荒らすナナシ達。最下層でアルゴー自身が作った潜水艇を見つける。その途端、ポセイドンの御前に移動させられる四人。ずうずうしくアレをくれと遠まわしにいう面々に豪胆な笑い声を上げそれを認めるポセイドン。急いでアトランティスに向かう。そこで完全に海に没した国境を見るナナシ達。自分たちの本体が入ってる鉱山は完全に埋まっており、やはりアールモアの計画でないと取り出すことは出来ない。
377 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:10 ID:gS6ZxLtx確認だけを終えて、次はアトラス様の警護へと向かうナナシ達。ダム作りで訪れた強制収容所にアトラス様を守る隠し里への道があるようだ。先に着いていたアールモアを追い返し番人にアトランティス人と告げて隠し里へ案内される一行。隠し里の人々から驚く事を聞かされる。ここはアトランティスがまだ在った時から続く村で、村の人間はアトラス様がここに幽閉される時に一緒に着いて来たアトランティス人の末裔なのだ。アトラス様が呼んでいるので御前へと案内される。天を貫くと思える山を登りきると、山よりもはるかに大きい巨人がいた。その巨人こそが人間に火を与えて天を支える責め苦に繋がれたアトラス。自分の子とも言えるアトランティス人を見て積もる話をしようとする巨人と信者たち。そのとき村への道の番人が現われ大変な事が起きた、アトラス様に報告をと急く。皆が前を空けると番人は気を失い、すぐ取り戻した。そう、アールモアが彼にとり憑いていたのだ。そして次にとり憑かれたのは……なんとアトラス様。アールモアの復讐心は凄まじくアトラス様といえどもそれには抗いきれない。このままでは大変な事になるので自分を石に変えてくれとアトラス様はナナシ達に頼む。石に変えるにはメドゥーサの首が必要だ。そんなものどこにあるんだ?するとヘラクレスが思い出す、あのような危険な物は天界の宝物庫にある。では天界へはどう行くのだ、荒らしたポセイドンの宝物庫にペガサスを呼ぶ絹の手綱がある。窃盗品で天界へと向かう罰当たり達。そして問答無用で天界の宝物庫を荒らす。メドゥーサの首を無事見つけると今度はゼウス神の前に呼び出された。世界を救わんとする人間たちの顔を見ておきたかったのだという。罰当たりたちに淡々と語る主神。このままアールモアがアトラスを乗っ取るのなら世界を一からやり直す。その時は地上の物は一掃される。そんなバカなと抗議をするとゼウスは気軽に答える。人間にも神にも世界を保つ為には犯してはならない領域があり、アールモアはそれを破ろうとしているのだ。見過ごすわけにも行かないので嫌々世界を滅ぼさなければならない。それが主神としての責任である。でも世界をやり直すなんて凄い時間がかかるからとしつこく食い下がる一行。それにも軽くゼウスは答えた。神と人間の時間の感覚は桁違いだ、どちらにも属さない君たちだから世界を救うのだと。言い終えるとゼウスは窓から地上へ四人を放り投げた。俺たちが世界を救えるのか、いつの間にこんな話になったんだ?プレイヤーの気持ちを代弁するプラトン。とにかく世界を滅ぼしてはならないと決意する一同。地上へ着き急いでアトラス様の元に向かうとまだ大丈夫なようだ。石化をするなら私たちにさせてくれと神官に頼まれ、アトラスは石と化した。拍子抜けに終わった。世界は救われたのだ。ヘラクレスの栄光4 完
378 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:11 ID:gS6ZxLtx世界は救われたのだから自分たちの体を取りに行こう。エピファーの強い後押しもあってかすぐに動く一行。でも埋まった鉱山からどうやって?そういう疑問にもエピファーは答える。ギリシャ兵達がやったように爆破すればよい。ギリシャへと戻り歴史を調べると次のことが分かった。アトランティスの壁を破ったのはオリハルコンから作られたゼウスの涙という爆弾で作り方はオリハルコンの欠片をゼウス神殿の泉に漬ける。神殿はすぐ近くだ、だがオリハルコンの欠片はギリシャの至宝。おいそれと持ち出せるわけが……。それもエピファーが解決した。王様に頼んで借りてきたのだ。王の部屋から泣き声が聞こえる気もするがアトランティスへ向かう一行。そして岩盤を爆破し鉱山最深部でパンドラの箱から体を取り出すナナシとプラトン。プラトンは久しぶりに見る自分に少し戸惑っている。そしてナナシは元に戻る事を少し躊躇っていた。そんな二人とそれを眺めるヘラクレスを尻目にエピファーが三人目の体を取り出した。アールモアの体。そう、アトラスが石に変えられる寸前にエピファーへと乗り移ったのだ。そしてアールモアは体を取り戻し復讐の始まりだと語る。全ては婚約者が死んだ時から始まっていた、私から何もかも奪った世界に復讐をするのだ。違う!私が望んでいるのはそんなことではない!アトランティスの子らよ、私の可愛い教え子たちよ聞きなさい。私は化け物にとり憑かれている、「復讐」という化け物に。私は死ぬ事により漸く気がつきました。そう、人間は、全ては元々永遠なのだ。有限だと命を軽んじる事は間違っていた。いや!間違っていない!この世界全ては有限であり矮小だ!そんなことを認める世界を一からやり直させ永遠へと変える事こそが復讐だ!「復讐」と討論しながらアールモアは生徒たちに頼む。私ごとこの化け物を滅ぼしてくれ!最後の戦いだ、気を引き締め自身の体へと戻るナナシ、プラトン。気がつき、戦いの準備をするエピファー。そしてヘラクレス。アールモアの体を食い破り現われる復讐。しかし、真の永遠、箱からそれぞれの希望――プラトンとナナシは自分の体、エピファーはナナシとの再会、ヘラクレスは魔物を封じるパンドラの箱そのもの――を手に入れた者たちには敵うわけもなく、倒される化け物。息も絶え絶えにアールモアは語る。命は元より永遠だ、死ぬ事を恐れず嘆く事もなく生きるのだ。最後の授業の終わりと共に崩壊の時より数段激しい地震が起きる。強制的にアトランティスの大壁へと移動させられるナナシ。取り残される先生。先生は自分の間違いを悟り、嘆いていた有限が限りなく無限に近い事、そして自分の教え子が立派に成長した事を知り静かな気持ちで希望を迎えた。箱からは彼の希望……恋人であるエピファーの姉が出てくる。アールモア、疲れたのね。さぁ行きましょう。希望を吐き出し完全に埋まるパンドラの箱。
379 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:13 ID:gS6ZxLtxアトランティスの大壁に三人と二柱の神がいた。ナナシ達は放心しており、ヘラクレスは戸惑っている。魔物を封じる箱が埋まってしまったからだ。モイライは語る。ゼウスは世界を滅ぼさない代わりに魔物を放置した。色々考えがあってのことだろうがこれからは皆が魔物……この世の悪徳と戦い続けなければいけない。それに答えるヘラクレス。いいだろう、魔物は世界が続く限り何度でも蘇る、なら私はそれを倒し続けるのみだ。それこそが英雄たる私の定め。それを励ますモイライ報われる事のない戦いを頑張りなさい、人間の先頭に立って戦う事こそが英雄たるあなたの定め。プラトンは不安気に呟く。俺の子供たちは無事だろうか、それにこんな姿に変わっちまって女房は驚いたりしないかな、ちゃんと子供たちは父親だと認めてくれるかな。モイライはそれも励ました。大丈夫、あんたが家族を愛しているのならちゃんと家族も愛してくれるさ。エピファーはナナシに語る。ようやく、これでやっと二人っきりで語れる、でも怖い。九千年も先に生きた私をあなたが受け止めてくれるか、あなたが私を愛してくれるか。モイライは頃合とばかりに語り始めた。それはあんた達が決める事。そう、今からが永遠の始まりさ。さぁそれぞれの運命へと戻そう。天界へ戻されるヘラクレス。強く賢い若者たちよ、またいずれ共に戦おう!家族の元へ戻るプラトン。今度はゆっくり遊びに来てくれよ!自分の居場所へと戻るエピファー。私待っているから、九千年も待ったから少しぐらい待てるから!そして取り残されるナナシ。そう、彼はこの騒動を収める為だけにこの世界へと戻る事が許されていたのだ。プラトンやエピファーのようにこの世で生活をしてきていないのだ。そしてヘラクレスのように神の務めがあるわけでもない。自身がいかに空虚な物か痛烈に感じるナナシ。するとモイライはナナシに贈り物をくれたのだった。これからがあんたが自身で決める運命さ。そう、何も染まっていない運命をやるってあんたに言っただろ?もちろん、あんたが人を思い人があんたを思えば再会できるよ。さぁ!ナナシ!運命を人生を楽しみなさい!命は永遠なんだから!モイライにどこかへ飛ばされるナナシ。ナナシは強く思った。彼女の元へ戻るんだ、彼女の元へ。
380 ヘラクレス4 sage 04/04/30 11:14 ID:gS6ZxLtx飛ばされる途中ナナシは二人の運命を見る。プラトンはちゃんと家族と再会でき仲良く暮らしている、エピファーはパリスとして看護婦を続けている。自分は何になるのか分からない。でももう決めている。そういえばヘラクレスはどうしたのだろう?気付くと彼が目の前にいた。そして雄雄しく吼える。「やはり君は戻ってきてくれると思っていたぞ!!」ちょっと待て「さあ!魔物どもをこの世から放逐しよう!」何故そうなる!そしてナナシは永遠の戦いに加わる事となった。もちろん、自分の運命を持っていた彼らプラトンとエピファーは参加しない。だが新しい仲間を二人得て彼らは終わる事のない「世界の破滅」との戦いを繰り広げるのだった。ちなみに彼は戦いの合間合間にエピファーと仲睦まじく幸せに暮らしましたとさ。もちろんこの物語の最後はこう閉められる。めでたしめでたし
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