新桃太郎伝説>>21-63~68・416~417・554~559・562~567・569・571・656~659・738~745、>>22-216~217・508~512、>>23-63~64・170~172・309
63新桃太郎伝説:オープニングその1sage2006/02/03(金)21:25:49ID:oc+oACd5桃太郎が鬼ヶ島のえんま大王をこらしめてから、6年の歳月が流れました。こらしめられたえんま大王は改心してめでたしめでたし、村人たちが鬼に苦しめられることもなくなった・・・のですが、月日が経つ間にまたぞろ不穏な動きが出てきました。
その中心人物こそが、鬼ヶ島の地底深くの地獄に鎮座し、えんま大王のさらに上に立つ王の中の王、鬼族のすべてを統べる伐折羅(ばさら)王です。伐折羅王は鬼族による世界制覇をもくろんでおり、これまでじっと機会をうかがっていたのがついに動き出したのです。桃太郎にこらしめられて人格が180°転換したえんま大王は伐折羅王のこの方針に反対していましたが、これに対し伐折羅王は6年前の敗戦とその後の変節を咎めてえんま大王を幽閉してしまいます。そして伐折羅王は、かねてより鬼族の世界制覇にとって厄介な存在であると考えていた月のかぐや姫に手を下すべく、側近のカルラ、ならびに第一王子で王位継承者であるダイダ王子をかぐや姫のいる月の宮殿に派遣しました。
一方、かぐや姫の身に鬼たちの魔の手が迫っていることを知らされた桃太郎は月の牛車に飛び乗り、一路月の宮殿に急行しました。月の宮殿の門前に降り立った40段・最強装備の桃太郎は見張りの鬼を蹴散らし、宮殿の奥にあるかぐや姫の居室まできました。すると、居室の中では既にカルラと配下の鬼たちがかぐや姫に詰め寄っているところでした。桃太郎はかぐや姫を助けようとしましたが、その前にダイダ王子が立ち塞がって戦いを挑んできます。ダイダ王子はとんでもなく強く、40段・最強装備の桃太郎をもってしても歯が立ちません。桃太郎は術は奪われ装備は弾かれ、コテンパンにやられて吹き飛ばされてしまいます。そして、その時に桃太郎が持っていた月の宝物である「月の水晶」も砕かれ、8つのかけらに分かれて散り散りに飛んでいきました。かくて月の宮殿はあえなく陥落し、かぐや姫は鬼たちにとらわれて宮殿に軟禁されてしまいました。
64新桃太郎伝説:オープニングその2~旅立ちの村sage2006/02/03(金)21:27:21ID:oc+oACd5さて月の宮殿から吹き飛ばされた桃太郎は地上まで落っこちてきます。ものすごい音を立てて地面に激突した桃太郎は程なくして近くの村人に発見され、おじいさんとおばあさんがいる生家にかつぎ込まれました。三日三晩うなされ続けていた桃太郎が目を覚ますのとほぼ同時に、知らせを聞いたスリの銀次と天の仙人が駆けつけてきました。無理をおして起き上がろうとする桃太郎を銀次が押しとどめます。そして天の仙人曰く、ダイダ王子はやたら強いし、誰も無理強いはしないから鬼退治はあきらめろとのこと。
・・・ところでこのゲームには人気度というシステムがあって、桃太郎の行動によってパラメータが上下するようになってます。例えば村を支配している鬼をこらしめると上がり、仲間を倒れさせてしまうと下がる、といった具合です。人気度が高いと村人がすすんで協力してくれますが、逆に低いと店で買い物をする時にふっかけられたりして不利になります。そしてこの天の仙人のお言葉はゲーム中最初の人気度変動イベントで、鬼退治はあきらめろ、と言ってきたときに「はい」と答えると人気度が下がってしまいます。しかも「はい」と答えると天の仙人のセリフが無限ループするので「いいえ」と答えるまで人気度が下がり続けます。どっちが鬼だかわかりゃしないような状況ですがともかく鬼退治はあきらめない、と桃太郎が男気を見せます。すると天の仙人、まだ愛と勇気が残っておったか、と白々しくのたまって桃太郎の怪我を治してくれます。でもダイダ王子戦の後遺症はしっかり残っているので1段・装備なし・術なしです。こんなんではそこらのザコ鬼にもやられてしまいそうなので、銀次が同行してくれて旅立つことになりました。
おじいさんとおばあさんに見送られて生家を出発した桃太郎たちが最初に立ち寄ることになる村は、その名も旅立ちの村というぞろっぺな名前の村です。ここで当座の武具や道具をそろえたりするわけですが、他にも重要な話があります。なぜか村の神社でまったりしている天の仙人曰く、ダイダ王子が砕いた月の水晶はもともと8つの水晶からできていたのだそうです。それを全部集めれば月の水晶は復活するのですが、月の水晶にはまだ鬼たちも気付いていない力が宿っていて、その力がいずれ桃太郎たちの助けになるだろうということ。と、いうわけで、桃太郎たちには各地に侵攻を開始している鬼たちをこらしめていく他に、地上のあちこちに散らばった月の水晶のかけらを探し集めるという目的もできました。
65新桃太郎伝説:おむすびころりん~松葉山sage2006/02/03(金)21:29:28ID:oc+oACd5旅立ちの村から北に向かって進んでいくと、山のふもとにお地蔵様がいる場所があります。このゲームではお地蔵様は当たり前のようにしゃべるので話しかけてみると、お供え物におにぎりを置いていけと無駄に図々しい態度でおにぎりを要求してきます。桃太郎がおにぎりを供えようとすると、地面に開いた穴の中におにぎりが転がっていき、桃太郎たちもそれを追って穴の中に入っていきます。
おにぎりを追って入っていったのはおむすびころりんの穴。ここではネズミたちが地下に村を作ろうとしていましたが、鬼がやってきてそれを邪魔しています。鬼はここを破壊するために来ているようで、赤鬼や青鬼の他に猛毒の息を吐く巨大なツチグモ、さらにそのツチグモを操っている両鉄(りょうてつ)という鬼によって制圧されています。おむすびころりんの穴は上層と下層に分かれていて、上層にネズミや旅人たちが避難しています。ネズミたちの長に話しかけると上記の事情を説明してくれた上で土を掘る道具「くまでぐわ」をくれます。これがあれば下層で土に埋まっている通路を掘り進んでいくことができます。くまでぐわを使って下層を進んでいくと、突然ジグモが襲ってきます。このジグモとの戦いに勝つとツチグモが出現、さらにツチグモの後には首領格の両鉄が現れて戦闘になります。これらの戦いを制するとおむすびころりんの穴は解放され、ネズミたちの村作りが本格的に始まり、また、地下を通って山の反対側に抜けることができます。
おむすびころりんの穴からさらに進むとスズメが暮らしているすゞめのお宿があり、またその先には松葉山という高い山があります。ここから先に進むには松葉山を越えなければならないのですが、お宿のスズメの話によると鬼たちが松葉山に門を作って通せんぼしているのだとか。さらに松葉山には桃太郎のおとものキジも住んでいるので、山越えの困難やらキジの安否やらいろいろと心配ではあります。
桃太郎たちが松葉山のふもとに行ってみると、すゞめのお宿で聞いた通り大きな門があって鬼たちが守っています。見張りの鬼を蹴散らすと門が開いて山へと分け入っていくことができます。山道や洞窟を進んでいくと、キジが檻の中に押し込められていました。そしてその檻は餓鬼が見張っていて、桃太郎を見つけると戦いを挑んできます。この戦闘に勝つとキジを助けることができ、きびだんごをあげるとおともとして連れて行くことができます。きびだんごをあげないとキジが道をふさいで通り抜けできません。キジをおともにして山を下ると、唐突に銀次が情報収集を買って出て桃太郎と離れて行動することになります。
66新桃太郎伝説:花咲かの村~音無しの洞窟sage2006/02/03(金)21:36:36ID:oc+oACd5松葉山を越えた一人と一羽は次に花咲かの村にやってきます。花咲か爺さんの住むこの村は年がら年中桜が咲き誇っているのですが、村に立ち入るといきなりカルラが部下をしたがえて登場し放火、桜並木は見るも無惨に焼け焦げてしまいました。そして鬼たちは花咲か爺さんの家に向かって走っていきます。鬼たちは花咲か爺さんの家を占領して拠点にしており、おじいさんと桃太郎のおとものイヌを捕え、さらに家の地下にあなぐらを掘っていました。桃太郎が花咲か爺さんの家に行くと鬼たちはこのあなぐらの中に逃げていきます。さらに追ってあなぐらに踏み込んだ桃太郎ですが、途中で深い竪穴に落っこちてしまいました。この竪穴は中の空間を水で満たして閉じ込めた者を溺死させる、水牢というしかけでした。上から首領格の鬼、ばっかんきの声が聞こえてきます。曰く、この水牢が水でいっぱいになればおまえは死ぬが、知力があれば脱出できるだろうとのこと。そしてその言葉と時を置かずして大量の水が竪穴の中に流れ込んできます。この水牢を脱出する秘訣は流れ込んでくる水を逆に利用すること。竪穴の壁のかなり高いところに一箇所だけ壁が開くところがあり、水位が上昇すれば水に浮かんでこの脱出口に手が届くようになります。水牢を脱出した桃太郎には、今度はばっかんきとの直接対決が待っています。ところが、この戦いで桃太郎が勝ちを収めると見るや、静観していたカルラが役立たずは死ねと言わんばかりに…というか実際にそんなセリフを吐いてばっかんきを殺害してしまいました。そして、伐折羅王にはばっかんきは自害したと伝えろ、と言って去ってしまいます。すると、カルラ達が去るのとほぼ同時に笛を持った人物が桃太郎の前に現れました。そして、ひとしきり笛を吹いて去っていきます。おとものキジ曰く悲しそうな人だそうですが、いったい何者なんでしょう。
ともかく鬼たちを追い払い花咲かの村は解放されました。助け出された花咲か爺さんはせめてもの恩返しにと、枯れ木に花を咲かせましょう~と灰を撒いて歩きます。すると焼け焦げた桜並木が見事に復活してとりあえず一件落着。そして、花咲か爺さんと一緒に暮らしいているイヌもきびだんごを与えておともにすることができます。
花咲かの村を旅立った桃太郎は音無しの洞窟という場所にやってきました。この洞窟は花咲かの村から金太郎の村につながる通り道になっているのですが、なぜか桃太郎のおとものサルがここに捕えられています。サルをふんづかまえている天賊鬼(てんぞくき)をさくっとこらしめ、きびだんごをあげるとおともとして連れて行くことができます。きびだんごをあげないとサルが道をふさいで通り抜けできません。
67新桃太郎伝説:金太郎の村~すずめのお宿2sage2006/02/03(金)21:38:07ID:oc+oACd5サルをおともにして洞窟をぬけると金太郎の村はすぐそばです。ところが村に立ち入ってみると異様によそよそしい村人が出迎え、なんとも穏やかでない雰囲気です。村を歩き回っていると、茶店に銀次がいました。曰く、村祭りの時期なのに祭りをやってないのはおかしいし村人の態度も変なので、さぐりをいれてみたところ、やはり鬼たちが悪さをしているというのです。やってきた鬼たちは子供を人質にとって村の男たちに足柄山の金鉱で労働を強制していて、金太郎もその中に入っているのだとか。そして、鬼をこらしめ足柄山を解放するため銀次が再加入します。
村のはずれにある足柄山では坑道のそこらじゅうに見張りの鬼がいて、村の男たちが銀次の言った通り金を掘る作業をやらされていました。よくわからん動力で動いている滑車に乗ったりして進んでいくと、奥の広間に子供たちが捕えられていて、その傍らで金太郎が子供たち全員をひと息に押しつぶしてしまえそうな巨大な岩を必死に支えていました。怪力の金太郎もこれは危ういか、という状況でしたが、桃太郎が駆けつけたことで金太郎は元気百倍、気合いを入れて岩を吹っ飛ばします。と、ここにダイダ王子とカルラが登場。カルラがひとしきり桃太郎を罵ったところでダイダ王子が前に進み出て戦いを挑んできます。しかし、桃太郎がまだ弱いのでダイダ王子はちょっと戦っただけでやる気をなくしてしまい、すばやさが足らんだの仲間をかばうことばかり考えてるだの言うだけ言って帰ってしまいました。ダイダ王子が帰っていったところを見計らって、カルラが「者どもかかれ!」と配下の鬼をけしかけてきます。これを蹴散らすとカルラの切り札、竜燈鬼(りゅうとうき)が出てきて戦いを挑んできます。桃太郎に勝てばこの金山をお前にまかせる、とカルラに言われ張り切って戦う竜燈鬼ですが、勝ったのは桃太郎たちでした。これを見ていたカルラは逆上し、弱い奴は土に還れとばかりに…というか実際にそう言って竜燈鬼を殺害してしまいました。この仕打ちに金太郎が怒りますが、カルラはどこ吹く風といったノリでお前たち虫ケラに鬼の世界がわかるかと言い捨てて去ってしまいます。すると、カルラが去るのとほぼ同時に笛を持った人物が桃太郎たちの前に現れました。そして、ひとしきり笛を吹いて去っていきます。花咲かの村に続いて二度目の登場となるこの人物、金太郎いわく笛はもっと楽しく吹かなきゃとのことですがいったい何者なんでしょう。
ともかく鬼たちを追い払い金太郎の村は解放され、めでたく祭りも行われるはこびとなりました。また銀次が情報収集のため再度離脱し、ここからは桃太郎と金太郎、それにおともの三匹で旅をしていくことになります。次の目的地は浦島の村。金太郎の村からいったん北上し、山やら海やらをまわりこんでずっと南下したところにあります。浦島の村に向かう長い道のりの途中にはすずめのお宿2があります。ここで村人や旅人に話を聞いてまわると、浦島太郎が怪しい人に頼まれて天の仙人のもとに養老の滝の水を届けに行ったこと、彼の留守中に鬼が浦島の村にあらわれたことなど、何やらまたきな臭い様子です。
68新桃太郎伝説:浦島の村~竜宮城sage2006/02/03(金)21:40:17ID:oc+oACd5すずめのお宿2からさらに南下して浦島の村にたどり着くと、いきなりカルラが部下を従え、大きな箱を手にしてあらわれました。カルラが持っているのは、かの玉手箱です。これを開けると人間はじじいになるが、なぜか鬼はならんのだ、とのたまいつつカルラが玉手箱を開封すると、白い煙が出てきて桃太郎たちはおじいさんになってしまいました。そしてさらにカルラの言うには、この村には若返り効果のある養老の滝が湧き出ているからすぐに元に戻れる…といいたいところだが、滝は怪鬼・魅鬼・魃鬼(けき・みき・ばっき)の三兄弟が枯らしてしまって水は一滴も無いといえよう。一生じじいのままくらすがよい。とのこと。カルラはそこまで言うと、笑いながらどこかに行ってしまいました。
さておじいさんになってしまった桃太郎たちですが、能力値が大幅に弱体化した上に、歩く速度まで極端に遅くなってしまうという絶望的な状況です。見かねた村人たちが若返りにききめがあるという薬や食べ物をすすめてくれますがどれもこれも効果がありません。養老の滝の水源が復活すればもとの姿に戻ることができそうなんですが、その水源がある山の頂きまで行こうと思ったらヌメヌメとして気持ち悪い洞窟を抜けていかなければなりません。しかもこの洞窟やら山にはしっかり敵が出てきます。敵はそこまで強くないのですが、何しろおじいさんの姿になって能力値が極端に低下している桃太郎たちにとってはそんな敵にも苦労しながら進んでいくハメになるのでした。
そしてヒーコラいいながらやっとこさ山頂に到達すると、しめ縄のついたばかでかい要石が水源をふさいでいて、その前にカルラが立っています。カルラに話しかけると、俺の部下にならないかと誘ってきます。乗ってもよさそうですが、それだと話が進まないし人気度も気になるので蹴りましょう。するとカルラが怪鬼・魅鬼・魃鬼の三兄弟をけしかけてきて戦闘になります。とはいえ、桃太郎たちはひどく弱体化しているので最初から防戦一方。やはりじじいのままでは勝てないか、と思ったところに浦島がハァハァしながら駆けつけました。そして養老の滝の水をかけてくれて桃太郎たちは若返ります。若返って力が元に戻ったところで銀次も駆けつけ、形勢は一気に逆転し桃太郎たちは怪鬼・魅鬼・魃鬼の三兄弟に打ち勝つことができました。
あと一歩のところで桃太郎たちに勝てなかったカルラは怒り心頭で、次からは本気でお前たちの相手をしてやる、大江山で待っているぞと言い捨てて去っていきます。と、次の瞬間水源をふさいでいた要石が砕け散り、押さえられていた水がものすごい勢いで噴き出してきました。水は怪鬼・魅鬼・魃鬼の三兄弟を吹っ飛ばし、桃太郎たちも水の流れに乗って川下まで流されていきます。
桃太郎たちが村の中の池まで流されてくると、浜のほうからカメがやってきます。何やら切羽詰まった様子です。話を聞いてみると、竜宮城に鬼たちが現れて乙姫が捕らわれてしまった。しかも竜宮にはまだ鬼たちの気付いていない大事なものがあるので、乙姫を助け出しその大事なものを守ってほしい、とのこと。というわけで、桃太郎たちは休む間もなくカメの背に乗って鬼たちの魔手から竜宮城を救いに行くことになるのでした。
やって来た竜宮城は既にそこらじゅうに鬼が徘徊しています。桃太郎たちを乗せてきたカメいわく、乙姫は奥の間にいるということ。襲ってくる鬼たちを退けながら奥の間に踏み込むと、そこでは乙姫がたくさんの鬼たちに取り囲まれて今しも小一時間問い詰められようとしているところでした。これを阻止しようとすると鬼たちとの連続の戦闘になり、すべて蹴散らすと竜宮城を解放することができます。助け出された乙姫はお礼にということで魚たちの舞い踊りを披露してくれます。華麗です。…ちなみに竜宮城解放後竜宮の女官たちに話しかけると魚の死骸、じゃなくて鮮魚をくれます。しかも腐らないうちに食べてしまうようにとのお言葉つきです。416新桃太郎伝説:竜宮城~静かの村sage2006/02/22(水)02:25:38ID:3AM/42HOそんなわけでお魚さんの悲哀を噛みしめつつ乙姫さまのありがたいお言葉を拝聴してみると、先ほどの魚たちの舞い踊りは竜宮に隠された「月の社」をひらく儀式なんだそうです。月の社は地上と月のある地点をつないで双方向に行き来できる施設。そして、竜宮に隠されている大事なものの正体でもあるのでした。月に行けばかぐや姫を助けられるということで勇んで月の社を通ろうとすると、銀次が唐突に高いところは苦手だと言い出して離脱します。どうも昔かぐや姫に懸想していた銀次は対面が照れ臭いようなのでした。
月の社を通ると一瞬にして荒涼とした月世界に到着、しばらく歩いていると村が見えてきます。月には月の民とウサギが暮らす村がいくつかあって、静かの村というこの村もそのひとつ。かぐや姫を救い出すためのいい話はないかと村の中で聞いてまわってみたところ、どうも状況はよろしくありません。まずかぐや姫は月の宮殿に捕らわれているわけですが、この静かの村からは月の宮殿まで歩いて行けないということ。そして月の宮殿に行くには月の船という乗り物が必要なのですが、その月の船はとても遠い嵐の村という村にしかないということ、つまりここからかぐや姫を助けに月の宮殿に向かうことは不可能だとわかりました。しかしかぐや姫を救い出すための筋道はなんとなく浮かんできたといえそうです。それからかぐや姫のこと以外にも、ちょっと気になる話がふたつあります。ひとつめはこの村が鬼に攻め入られそうになったときに笛のうまい人が助けてくれたことで、しかもその人は鬼族らしいとのこと。笛といえば花咲かの村や足柄山で桃太郎たちの前にあらわれ、笛を吹いて去っていったあの人物が思い起こされます。いったい何者なんでしょう。そしてふたつめは、この静かの村の宝物庫には月の鏡という品がおさめられていて、それを使うと世界中にちらばった月の水晶のかけらのありかがわかるということです。さっそく宝物庫にいってみると、月の鏡を手に入れるには臥龍(がりゅう)の試練を突破しなければならないと言われます。試練の内容は、村の地下に鎮座する臥龍と一対一で戦って勝つこと。試練といいつつ臥龍はしょっぱなに術封印を使ってきてセコいのですが、とにかく勝てば臥龍が月の鏡に変身してこれを手に入れることができます。
417 新桃太郎伝説:大江山 sage 2006/02/22(水) 02:27:00ID:3AM/42HOさっそく月の鏡をのぞきこんでみると、すゞめのお宿2の北のあたりに月の水晶のかけらがあるようです。しかし、この場所は大江山の要害と完全に一致していました。大江山は今まで旅してきた地方から北の雪国に行くためにはかならず通らなければならない交通の要所で、しかも鬼たちが種々の趣向をこらした仕掛けをつくって堅固な要塞と化しています。各階層にひとつずつ用意されている謎解きができないと先に進むことができません。謎解きをすべて突破してさらに進むと山頂に出ます。山頂にはすゞめのお宿3があるので話を聞いてまわると、大江山の下りの道のりの途中には毒の沼地が広がっている箇所があることや、鬼族の中で軍神と称されて名高い酒呑童子や、酒呑童子の部下で数千の鬼の中から選び抜かれた精鋭である四天王が目撃された話などがあります。
さてすゞめのお宿3から山道を下って北面の出口にたどり着くと、酒呑童子にカルラとダイダ王子が待ち受けています。ただしカルラとダイダ王子は静観しています。まず酒呑童子の四天王が登場し、このうちの3名と桃太郎・金太郎・浦島がそれぞれ一対一で戦う前哨戦があります。先に桃太郎たちが2勝すれば次に酒呑童子との対決、逆に四天王が2勝したら桃太郎たちは大江山の入口までふきとばされてしまいます。四天王との戦い、そして酒呑童子との対決に桃太郎たちが勝つと、またしてもカルラがキレはじめました。ふがいない酒呑童子をカルラが殺害しようとしたその時、突然に笛の音が聞こえてきました。音のしたほうを見ると例の人物が立っています。ここでカルラの口から彼の正体が明かされることになります。今まで笛を手にして各所に登場した彼の正体は伐折羅王の第二王子、アジャセ王子。王位継承権を兄のダイダ王子に譲り、鬼族のまつりごとに口をはさまないと誓ったかわりに行動を束縛されない立場にあります。そうして笛を片手にほっつき歩く遊び人のような彼が乱入してきたことでダイダ王子はヘソを曲げてしまい、やる気をなくして帰ってしまいます。そしてダイダ王子を追ってカルラも去り、アジャセ王子も姿を消してしまったので酒呑童子と桃太郎たちがこの場に残されました。ここで酒呑童子が口を開きます。曰く、今の鬼の世界は硬直していろいろ弊害が出てきているようだ、力で制圧するよりもやさしさの時代が来る気がする、と言って、懐から月の水晶のかけらを取り出しました。そして、伐折羅王への手みやげにしようと思って持っていたが、桃太郎のほうがこれを託すのにふさわしいようだ、と言うとかけらを渡して去っていきました。
555新桃太郎伝説:寝太郎の村~でか太郎の庵sage2006/03/04(土)07:11:50ID:/su+nc6M酒呑童子を下しいよいよ雪が降り積もる北国に足を踏み入れた桃太郎たち。大江山から道を間違えずに歩いてこられたら、まず寝太郎の村という村に到着します。この一帯は6年前に桃太郎にこらしめられて改心したしこめが村人たちの守り神のような存在になっています。でもこんな雪国でも鬼たちの動きが活発になってきてしこめのことが心配なのだとか。そんな話を仕入れて村を通り抜けようとしたところ、村の真ん中にかかる橋の真ん前で爆睡こいてる奴がいます。このお邪魔な奴こそ村の名前にもなっている寝太郎で、まるっきり目を覚ます気配がないし、図体もやたらでかいので橋を渡れそうにありません。高いびきの寝太郎の前で途方に暮れていると、いきなり空からぶっといつららが物凄い勢いで降ってきました。この異常気象のために村は一瞬にしてつららまみれになり、村人は1名をのぞいて村はずれの切り立った崖に掘られたあなぐらの中に避難しました。そして逃げ遅れた(?)1名、寝太郎はこんな非常事態にもめげず、橋の真ん前で元気に惰眠をむさぼるのでした。避難した村人の話によるとつららは西の氷の塔がある方から飛んできたとのこと。氷の塔はしこめが住んでいるところなので、先ほど話題になったしこめの身の上も急に危ぶまれてきました。そして、しこめは寝太郎の目を覚まさせる道具「氷室(ひむろ)のきんちゃく」を所持しているので。そっちの方面でもしこめのことが気がかりです。装備をととのえて一刻も早く氷の塔に急行したいところですが、氷の塔は最近の地球温暖化のせいか床が陥没していてかぎなわを使わないとのぼれません。そのかぎなわを持っているのは聞こえた偏屈者のでか太郎なんだとか。一抹の不安を覚えつつでか太郎がひとりで住んでいる西の庵をたずねましたが、でか太郎は快くかぎなわを譲ってくれました。さすがは人気者の桃太郎です。
556 新桃太郎伝説:氷の塔 sage 2006/03/04(土) 07:13:14ID:/su+nc6M首尾よくかぎなわを入手した桃太郎たちはさらに西へ進んで氷の塔にたどりつきました。すると、銀次が登場します。前に別れたときから装備も能力値も変わってなくて弱いままの彼がこの強敵てんこ盛り地帯でどうやってたった一人生き延びていたのか疑問ですが、とにかく村につららが降るのはカルラのしわざで、しこめも捕えられてしまっていると言います。そうしてひとしきり話すと銀次が再び仲間に加わります。かぎなわを使って氷の塔をのぼっていき最上階に到達すると、カルラとしこめの姿が目に入りました。そしてその傍らでは鬼たちが並んで例のつららを東の方に向かって投げ続けています。ものすごい強肩です。カルラに話しかけると浦島の村の時と同じように桃太郎を懐柔しようとしてきます。10000両の大金をやってもいいと言ってくるのですが、この質問に「はい」と答えると塔の最下層まで落とされてしまいます。きっぱり断りましょう。ですが、カルラは性格がねじまがっているせいか「いいえ」と答えても10000両を桃太郎たちに押し付けてきます。これで人気度が下がることはありませんが。そしてカルラは部下の鬼たちをけしかけてきて連続での戦闘になります。これをすべて蹴散らすとカルラは逃走します。かくて氷の塔は解放されしこめも無事救出、氷室のきんちゃくも手に入れて一件落着、かと思いきやいきなり邪魔が入りました。乱入してきたのは伐折羅王の末娘の夜叉姫(やしゃひめ)。強い男が好きだという彼女は桃太郎の進撃、そして酒呑童子をも破ったことの話を聞くと居ても立ってもいられなくなり地獄から抜け出してきたのだとか。そんなワケで否応なしに夜叉姫との戦いに突入します。夜叉姫の強さは今までの鬼とは桁違いで、しかもある程度戦うと本気を出してきてさらに強さが増します。激しい戦いのすえ夜叉姫をこらしめると、彼女は何やら感じるところがあったようで桃太郎たちに同行を申し出てきて否応なしに仲間に加わります。そして夜叉姫のかわりに銀次が再び離脱して先々の情報を集めてくることになりました。氷室のきんちゃくも手に入りようやく一件落着です。夜叉姫を伴って氷の塔を出ると、氷の塔は最近の地球温暖化のせいか崩落して入れなくなってしまいます。
557新桃太郎伝説:ふたたび寝太郎の村sage2006/03/04(土)07:15:37ID:/su+nc6Mこうして寝太郎の村に戻るとつららも消えていて、村人たちもあなぐらでの避難生活が終わってほっとした様子です。そして一連の出来事が過ぎ去った今になっても寝太郎は橋の真ん前で爆睡こいてやがるので、氷室のきんちゃくを使って起こしてやりましょう。きんちゃくのなかからものすごく冷たい氷室のけずりひを取り出して寝太郎の目にたらすと寝太郎はついにやっと目を覚まします。そして、自分が交通の妨げになっていたことを知ると少しだけ移動してまた眠ってしまいました。
そうして胸躍らせながら新たなる大地に足を踏み入れようとする桃太郎たちが橋の真ん中あたりまでさしかかると、いきなり笛の音が聞こえてきてアジャセ王子が登場しました。これを見た夜叉姫は兄が自分を連れ戻しにきたと思って思いっきり反発します。曰く、今の鬼の世界は戦って制圧する事ばかり考えていておかしい、でも桃太郎にはやさしさがある、しいたげられる側の痛みも知っているし戦うことのつらさも知っている、とこんな感じでアジャセ王子に口を開くいとまを与えずまくし立てます。それを最後まで聞いていたアジャセ王子、夜叉姫がそこまで言う桃太郎の人物に興味を持ったようで、力量を知るために一対一の戦いを申し出てきます。しばらく戦っているとアジャセ王子に桃太郎の人物が伝わったらしく、心にくもりがないとかなんとか言って戦いをやめてまいます。どうやら妹をまかせるに足る人物だと判断したようで、夜叉姫をよろしく頼む、と言って去っていきます。…笛を吹き吹きにやけながら歩いていった姿が橋向こうの村人に目撃されていました。
558新桃太郎伝説:一方その頃…sage2006/03/04(土)07:16:36ID:/su+nc6Mところでカルラは逃げ帰ったかと思いきやこっそりと桃太郎たちの動向を見張っていたようで、それが逐一地獄にいる伐折羅王に報告されていました。今までのやりとりを見るに伐折羅王はわりと鷹揚な性格をしているようで、前線の細かい事はあまり気にせずカルラの好きなようにさせていたと思われたのですが、夜叉姫が桃太郎に同行し、その夜叉姫にアジャセ王子が接触ししかも引き止めもしなかったという、我が子に関わる重大かつ予想だにしなかった事態が出来したことで衝撃を受けた模様です。報告を受けた伐折羅王は大地を揺るがして怒りに震え、カルラがそれらの事態を阻止できなかったことを厳しく責め、さらにお前には任せておけんとばかりに新幹部を呼びつけます。そしてカルラは自分に対する伐折羅王の信頼が揺らいでいることを悟って新たな策略を企むのでした。そんな放送開始から最初の1クールが過ぎた特撮番組みたいな展開を経て、桃太郎たちの戦いは新たなる局面に向かっていきます。
559新桃太郎伝説:微笑みの村sage2006/03/04(土)07:17:53ID:/su+nc6Mさて橋を渡り寝太郎の村を後にした桃太郎たちは新しい地域に足を踏み入れたワケなんですが、これがまただだっ広い平原に「アホ」の花文字があったり鬼がおにぎりを食わせてきたり突然天気予報を始めたり歴史の問題を出したり何とも緊張感のない場所ではあります。こんな地域にも村があるので立ち寄ってみると、人智を越えたような音が高らかに鳴り響いていてあからさまに変です。村人たちに話を聞いてみるとこんな事情でした。曰く、村でダジャレ大会の準備をしていたら「ましらとブルーモンキーズ」という変な鬼たちがやってきて会場を占拠した。ましらは激烈な音痴で毎日々々会場でジャイアンリサイタルを開いている。自分たち村人はダジャレ大会はできないしましらの超ヘタクソな歌をずっと聞かされて困り果てている。てゆうかもうなんだかあのうたすきになって しまいそです かゆ うま…とまあそんな感じなのでダジャレ大会の会場に行って「ましらとブルーモンキーズ」をこらしめましょう。戦って勝つとなぜかましらは自分の歌のレベルを思い知って自爆し、村が平和になります。ダジャレ大会も無事開催できるようになりました。
564 新桃太郎伝説:希望の都sage2006/03/04(土)23:39:46ID:W2WJSZfg微笑みの村を南下し、勢い勇んで希望の都に入ってみれば何やら薄暗い上に兵具屋も万屋も宿屋も民家も完全シャットアウト、おまけに鬼がうろついている有様です。ご自慢の五重の塔も無数の荊と鬼の監視のおかげで入れません。唯一開いていた料亭に入ってみれば、住人大集合。長老らしき人物に話を聞いてみれば、なにやらあしゅらという鬼が希望の都を占領してしまったようであります。このあしゅら、なかなかのナルシストのようで「三つの謎々がわかったら都を開放してやってもいい」という趣旨のことを言っているようです。この類のキャラはおいしいけどやられ役だということを解っているのでしょうか。といいますか、ぶっちゃけ新桃版マ・クベです。あの人より性格はいいですが。それはともかく、この料亭の若旦那でもある銀次もヒント係として駆けつけてきます。ともかく、解かない訳にもいかないので、各地を奔走することになる訳ですが、最初の謎々は夜叉姫が自動的に解いてくれます。ここで夜叉姫は花嫁衣裳(無論文金高島田)に着替えるため一時離脱。そして、残りの謎を解くために飛燕仙人の所に行ったり花咲かの村に行ったりします。各地から答えのブツを拝借してくると、着付けの終わった夜叉姫と一同がお出迎え。揃ったと伝えると五重の塔にいるあしゅらにそいつを届けろと言われます。ここで初めて五重の塔に入れるようになる訳ですが、この中がダメージゾーンの荊だらけ。おまけに届けるだけのはずなのに、何故か配下の鬼も襲ってきます。お前ら殺す気満々ですね。届かなくてもええんか。鬱陶しい荊を浮遊の術で避けつつ、鬼の妨害もなんとかしながら最上階に上ると、あしゅら様がお出迎え。ご本尊に話しかけるとあっさりと花嫁の招待が地獄の脱走プリンセスであることを看破した上で「届けろなんてお前らを纏めて始末するための罠に決まってるだろ。ご苦労さん。じゃあ死ね」という趣旨のことを言ってきます。まあ、そんなことは配下の鬼が襲ってきている時点で解っていたことですが。実際はもっときざったらしい言い回しなので実にむかつきます。お決まりのごとくバトル。そして勝つとやっぱり改心。マさんみたいに死なないでよかったですね。希望の都は晴れやかに。ついでに、希望の都が出資者となって桃太郎用の城を造ってくれます。流石は新桃世界一の商業都市、金持ってますね。と言うか、この城エレベーターがついてます。お前ら何者ですか。早速、先ほどのあしゅらや寝太郎、でか太郎といった面子が仲間として入城してきます。店も勿論フルオープンです。ここからが本格的な冒険の幕開けとなります。
余談となりますが、ここでは伝統の女湯覗きができます。無論、やってしまうと人気度がガタ落ちとなりますのでやるならリセット前提で。
565名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/03/04(土)23:42:17ID:W2WJSZfg>>563雪だるまはどうしましたか。
566名無しさん@お腹いっぱい。sage2006/03/05(日)00:06:17ID:RoznUG1s>>565さよならなのだ
569 555-559の新桃の人◆sLm/y/KfCUsage2006/03/05(日)07:32:55ID:y8HzHp3T>>564ちょwwwこれ俺じゃないwwwwww面白いけどwwwwwwwww
つか重複したり抜けが出たりするとマズーなので執筆引き継ぎ(?)するかしないか表明キボン
571 564 sage 2006/03/05(日) 11:13:20 ID:xrdlHVhe>>569少し騙りがやりたくてやった。今も反省はしていない。
引継ぎはしない。以上だ。
657新桃太郎伝説:風神の谷~伏龍の洞窟sage2006/03/09(木)09:13:19ID:Jvb65Ssn希望の都を解放し一城の主にまでなった桃太郎は、仲間をひきつれ北風の吹きつける人跡未踏の地へと足を踏み入れます。神々の住まう山や不思議な生き物が暮らす森を通りつつ歩いていくと、左右から山がくっつきそうなほどに迫っている峡谷に堅い門が築かれていました。門の前に立つとカルラが現れ、この門は体重48kgの人間(もしくは鬼)が立つと開くようになるといいます。仲間全員の平均体重が48kgになる組み合わせでこの門を訪れなければなりません。そういう組み合わせで再度門前まで来るとカルラが扉を開き、奥で待ち受ける風神との戦闘が始まります。風神はしばらく戦っていると風を起こして仲間を一人ずつ吹き飛ばしていき、最終的には桃太郎も吹き飛ばされてしまいます。桃太郎は豪快に空を飛んで地上に落下、気付くと仲間ともおとものイヌ・サル・キジともはぐれひとりでどこかの野原にいました。
ふたたび風神のいた門を訪れると、扉は開け放たれたままですが風神もカルラもいなくなっています。谷を抜けるとそこは雪原地帯で、お地蔵様が並んで立っています。お地蔵様に話しかけると、風神に吹き飛ばされた仲間の行方を占ってくれます。中には今まで行ったことのない場所に飛ばされた仲間もいるとか。並び地蔵を通り過ぎてさらに雪原を進むと、近くのすゞめのお宿4のスズメがなにかを囲んでいるのが見えます。近寄ってみると、なんと雪の中に夜叉姫が倒れていました(注:夜叉姫は風神の門を開くための体重48kgの条件を満たすためにかならず連れてくることになります)。桃太郎が愕然としたところに銀次が登場、夜叉姫をすゞめのお宿4にかつぎ込みます。
夜叉姫はお宿の医者の家に移されましたが、医者の診立てはかなり厳しいものでした。命を取り留めるのは難しいと言われて顔色を曇らせる一行。そこに銀次が駆け込んできます。銀次は万病に効能があるという「龍のうろこ」の話を聞き込んできていました。龍のうろこはすゞめのお宿4から少し東に行ったところにある伏龍(ふくりゅう)の洞窟にあるという話ですが、例によってそこに行って帰ってきたものはいないのだとか。ですが夜叉姫を見捨てるわけにはいきません。というわけで桃太郎たちは東に向かい伏龍の洞窟に足を踏み入れます。伏龍の洞窟は氷に覆われたせまい洞窟で、奥に進むと青い龍が地面に寝そべっています。こいつが伏龍で、話しかけると、うろこが欲しいなら俺を倒してみろ、といって戦闘に突入します。戦闘が長引くと強制的に洞窟の外に放り出されるので速攻で決着をつけましょう。みごと伏龍に勝つと龍のうろこが手に入ります。なぜか伏龍のうしろのつづらに後生大事に収められています。桃太郎たちは龍のうろこをお宿に持ち帰り、夜叉姫は龍のうろこの煎じ薬を飲んで命を取り留めました。しばらくすると意識が戻り、元気になった夜叉姫が復帰します。また銀次も再加入し、以降は離脱しません。
ところで伏龍の洞窟では「鬼の命令系統図」という品がつづらに入っています。なぜこんなものがこんなところにあるのかよくわかりませんが、広げてみると伐折羅王を頂点とする鬼の軍事体系がどうなっているかがわかります。
658新桃太郎伝説:鬼の命令系統図sage2006/03/09(木)09:15:22ID:Jvb65Ssn┌────┐ ┌────┐ ┌────┐│伐折羅王├┬┤えんま王 ├┬┤しこめ.... │└────┘│└────┘│├────┤ .│ .├┤風神 │ .│ .│├────┤ .│ .├┤雷神 │ .│ .│├────┤ .│ .└┤あしゅら│ .│ .└────┘ .│┌─────┐ ┌────┐ .└┤ダイダ王子 ├┬┤羅生門 │ .└┬────┘│├────┤ .│ .├┤酒呑童子│ .│ .│├────┤ .│ .└┤三千世界│ .│ .└────┘ .┌┴──┐ ┌───┐ .│カルラ..├┬┤右魂鬼│ .└───┘│├───┤ └┤左魂鬼│ └───┘
これや今までの展開を参考に鬼たちの組織を考えてみましょう。伐折羅王の直下にはえんま王とダイダ王子がいて、カルラはダイダ王子の部下というよりは補佐的な立場にいるようです。えんま王の部下ですが、しこめはこらしめられたことで鬼の軍籍を外れて人間側につき、ついにはカルラに狙われる立場にまでなりました。残りの3名、風神・雷神・あしゅらはえんま王が幽閉されたことで直接の指揮権が伐折羅王に繰り上がっており、直々に呼び出されてあしゅらは希望の都を占拠しました。一方ダイダ王子の直属の部下は酒呑童子・羅生門・三千世界の3名で、羅生門と三千世界は未登場です。そしてカルラの直属の部下はこれも未登場の右魂鬼と左魂鬼です。しかし、カルラは酒呑童子を殺害しようとしたり、風神の谷では風神に命令していたりとこの系統から外れた行動が目につきます。一体どうしてなんでしょう。
659新桃太郎伝説:雷神の洞窟sage2006/03/09(木)09:16:02ID:Jvb65Ssnさて、無事に夜叉姫が復帰した桃太郎たちですが、すゞめのお宿4から南下して雷神の洞窟という洞窟にやってきました。洞窟の入口ではダイダ王子が現れて戦闘になりますが、やっぱり桃太郎が弱いのが気に入らないようでやる気をなくして帰ってしまいます。この洞窟は別の大陸に通じているのですが、中央に深い亀裂が走り、それを迂回するように一度深く潜ってまた上らなければならないという長く複雑な構造をしています。鬼たちの軍勢もさらなる精鋭をそろえてきており激しい戦いの連続になります。
ところがこの洞窟のところどころには檻があって、そこに鬼が押し込められていて別の鬼が見張っています。見張りの鬼は話しかけると戦闘になり、これをこらしめると檻が開きます。檻の中の鬼とは戦闘にならず、カルラに逆らったために閉じ込められていたと話します。彼ら囚われの鬼が語ったところによると、カルラは伐折羅王やダイダ王子に取り入って、その権威を利用して鬼たちを思いのままに動かしているのだとか。他にも、カルラの口から伝えられる伐折羅王の命令にはいつわりのものも含まれているという話や、ダイダ王子は武道一筋でカルラにいいように操られていることに気付いていないという話、また風神や雷神といったえんま王の元部下に対しては、えんま王の処遇をちらつかせて命令に従わせているらしいという話を聞くことができます。カルラが本来の指揮系統を越えて好き勝手できる理由はこのあたりで説明できそうです。
そんな鬼の世界の裏話を聞きつつ洞窟を進むとまた檻があって、今度はおとものイヌ・サル・キジが閉じ込められています。そして檻の前にカルラが立っていて、話しかけるとまたもや桃太郎を懐柔しようとしてきます。今度の報酬は破格の50000両。しかもかつてのえんま王と同じ地位まで用意するといいます。と、ここで雷神が乱入してきました。えんま王の解放を条件にカルラに従っている雷神は話が違うといきり立ち、なし崩しに戦闘に突入します。戦闘中におとものイヌ・サル・キジが加入し、また雷神側も風神が駆けつける混戦になりますが、これを制すると風神・雷神は一旦退却し、洞窟を通り抜けて新しい大陸に進むことになります。
739新桃太郎伝説:すゞめのお宿5~新しい村・鬼の牢獄・夢の村sage2006/03/11(土)15:13:42ID:ctbT+Q51雷神の洞窟を抜けて、桃太郎たちは新しい大陸にやってきました。しばらく歩いているとすゞめのお宿5が見えてきます。ここで話を聞いてみると、鬼の爪あとを抜けたところで人間と鬼が力を合わせて新しい村をつくっているという明るい話が聞けます。鬼の爪あとというのはすゞめのお宿5の東側の一帯のことで、鬼がかぎ爪で引き裂いたように山や河川が複雑に入り組んでいて大変迷いやすくなっている旅の難所です。
鬼の爪あとを何とか抜けると、南のほうに村があります。これが新しい村です。すゞめのお宿5では新しい村がカルラに荒らされなければいいと言っていた村人がいましたが、入るとやっぱりというかなんと言うかカルラに荒らされていました。カルラと配下の鬼たちはどうやったのか知りませんが城で待機させている仲間を捕え、つくりかけの村の広場にはりつけにしています。カルラに詰め寄ると、仲間を助けたかったら月の村にある「たそがれの夢」という美しい石を差し出せと要求してきます。しかも、桃太郎たちが月に行っている間夜叉姫が人質としてここに残るという条件まで出してくるので、しぶしぶ夜叉姫をおいていくことになります。
たそがれの夢があるという月の村は前に訪れた静かの村ではなく、夢の村という別の村です。新しい村の南にそびえ立つ鬼の牢獄に月の社があって夢の村に行けるというので、桃太郎たちは鬼の牢獄を目指すことになります。鬼の牢獄は迷宮化された塔である地上部分と、鬼を押し込める檻がある地下部分からなっていて、月の社は塔のてっぺんにあります。塔をいちばん上まで上ってのぼっていくと、カルラが放った刺客、蛇骨婆(じゃこつばばあ)が待ち受けています。蛇を投げつけて攻撃してくるじゃこつばばあをこらしめると、月の社を通って月に行くことができます。
そうして桃太郎たちは月の夢の村にやってきました。さっそく村人やウサギにたそがれの夢のことを聞いてみますが、誰も知りません。そんな名前はじめて聞いたとか、そもそも石ははっきり形があるものなのにそういうはかなげな名前をつけるのはおかしいとまで言われます。なんだかおかしいので村のえらい人、夕月(ゆうづき)の住まいをたずねてみました。夕月に話を聞いてみてもやっぱりたそがれの夢のことは知りません。と、ここで笛の音がしてアジャセ王子が登場しました。アジャセ王子いわく、どうもたそがれの夢というのはカルラのでまかせではないかとのことで、嫌な予感がするから急いで地上に戻ってくれ、といいます。
新しい村に戻ってくると夜叉姫まではりつけになっていました。カルラに詰め寄ると、たそがれの夢という石など存在しないことをあっさりと認め、人質をたてにして今度こそ部下になれと要求します。これを蹴ると、カルラは桃太郎を口汚く罵って配下の鬼をけしかけてきます。これをすべて蹴散らすと、カルラはやぶれかぶれになってはりつけ台に火を放って逃走しました。火の手が上がりあわや、というところでアジャセ王子がやってきて火を消し止めます。人質にされていた仲間と夜叉姫もなんとか無事に助け出せました。
740新桃太郎伝説:新しい村~サルカニの村sage2006/03/11(土)15:15:30ID:ctbT+Q51さて逃走したカルラは鬼の牢獄のてっぺんまで飛んでいき、直属の部下にしてカルラ自身の魂からつくり出した分身、右魂鬼・左魂鬼(うこんき・さこんき)を呼び出します。そして3名で力を合わせ、悪霊を使役して毒の雨による攻撃を仕掛けてきました。このままでは地上すべてが毒の沼地になってしまいます。カルラがついに野望をむき出しにして動き始めたことを知ってアジャセ王子も覚悟を決めたようで、カルラを止めるためにサルカニの村にある船を手に入れるよう桃太郎たちに言います。サルカニの村へは鬼の牢獄の地下にある通路を使って行くことができるのだとか。そして、アジャセ王子本人は地獄に情報を集めに行くと言って一旦姿を消します。
ふたたび鬼の牢獄をおとずれ今度は地下に足を踏み入れると、カルラに逆らった鬼たちが檻の中に閉じ込められ鎖でつながれています。その中には大江山で戦った酒呑童子の姿もありました。酒呑童子に話しかけると、大江山で敗れた自分は伐折羅王の前に引き出されて裁きを受けるはずで、その時に自分の考えを伐折羅王に伝えられると思ったのだが、実際にはカルラは直接自分をこの牢獄に連れてきた、と言います。そして自分は後から必ず行くからお前たちは先に進め、と桃太郎を促しました。
酒呑童子の檻を通り過ぎて地下通路にさしかかろうとしたところで、塔のてっぺんにいるカルラの声が聞こえてきました。カルラは桃太郎たちにこれから面白いものを見せてやる、と言い、右魂鬼・左魂鬼とともに新しい村に毒の雨を集中させました。この攻撃で新しい村の地面も建物も真っ赤な毒液に覆われてしまい、村にいた人間も鬼もひとりのこらず毒の沼地の中で苦しみ悶えながら死んでいきました。彼らの悲痛な断末魔、そしてまた自分に逆らう者はこうなるのだと哄笑するカルラの声が桃太郎たちの耳に届いてきます。このカルラの行いに、一同みな体を震わせて怒りをあらわにするのでした。
衝撃さめやらぬまま地下通路に足を踏み入れた桃太郎たちの前に、地獄での情報収集を終えて帰ってきたアジャセ王子が姿を見せました。それによるとカルラは今度は水軍を手中にしようとしているようで、カルラが海を制圧する前に急いでサルカニの村へ向かうように言います。最後にアジャセ王子は地獄の警備がきびしくなったと言って姿を消します。地獄でもカルラによる締め付けが始まったか、あるいはアジャセ王子をはじめとする反カルラ派を警戒しているのかもしれません。
桃太郎たちがアジャセ王子とそんな会話をしている頃、カルラは地獄の伐折羅王の間にいました。まずカルラは桃太郎が夜叉姫を火あぶりにしようとして自分が助け出した、という嘘の報告をします。伐折羅王が怒りに震えたところでカルラは桃太郎が海に出ようとしていると言い、これを阻止するため軍船の建造を進言します。こうしてカルラは舌先八寸で水軍を手に入れました。
鬼の牢獄の地下通路を抜け、サルカニの村までやってきた桃太郎たち。村に入ると、おじさんやおばあさんや村娘が軽やかに宙を舞っています。これはカルラが風神と雷神を連れてきて超局地的な大嵐を起こしているもので、船の建材になる材木を水びたしにして桃太郎たちに船を作らせまいとする魂胆なのでした。風神・雷神はえんま王の助命のためにカルラに従っていて、村の奥に陣取って風雨を操っています。戦ってこらしめましょう。
桃太郎たちが戦いに勝つと風神・雷神は改心し、みそぎの雨を降らせてカルラが大地に撒いた毒を浄化して桃太郎の仲間に加わります。村の中の大嵐も止みますが、まだ完全に村が解放されたわけではありません。というのは、サルカニの村の船大工たちはまだやまんばの洞窟に缶詰にされていて、そこで鬼の軍船をつくらされているのです。洞窟に住んでいるやまんばは6年前に桃太郎にこらしめられて改心し、サルカニの村の船大工のため洞窟を作業場として開放していたと村人はいいます。一度は改心しながら再び人間を虐げる側にまわったやまんばの真意はどこにあるのでしょうか。
741新桃太郎伝説:やまんばの洞窟~からくりの村sage2006/03/11(土)15:17:34ID:ctbT+Q51やまんばの洞窟に入るとダイダ王子が待っています。あしゅらやアジャセ王子、そして風神・雷神もまた桃太郎側についた今になってもダイダ王子はカルラのことを疑ってはいない模様です。しかしそのような事情に何か思うところでもあったのか、今回は問答無用で戦闘とはならず、受け答えによってはダイダ王子は、今度会う時には本気で戦えそうだ、と言って去っていきます。
そして洞窟の最下層では、頭から燈台が生えた鬼が監視する中船大工たちが軍船をつくらされていました。洞窟の主、やまんばは奥にある祭壇のところにいます。風神・雷神のときもそうだったのですが、鬼族は戦いの中にまことを見出すのだそうで、今回のやまんばも戦ってこらしめることでようやくカルラにだまされていたとわかります。とにかくやまんばと戦って勝てば船大工たちも解放され、桃太郎のために船をつくってくれます。
船大工たちが腕によりをかけて作った船で漕ぎ出した桃太郎たちですが、海は広いな大きいななのでいろんなところにいろんなものがあります。適当に回ってもよいのですが、ここはサルカニの村の北の島にあるすゞめのお宿6から訪れましょう。村人や旅人が海のいろんな場所の話をしてくれますが、特に注目なのはからくりの村の話です。からくり職人が集うこの村は鬼の爪あとの下にあるそうです。行ってみましょう。
からくりの村の入口は地上からは見えませんが、すゞめのお宿6の北の入り江から船で行くことができます。この村のからくり職人は物凄く、巨額の費用がかかりますが城を改造して空を飛ばせたり海に潜らせたりすることができます。蜂乃屋にもらった城を改造して空が飛べるようにすれば世界中に飛んでいくことができますし、これに海へ潜る機能を追加すれば海底で鮫やクジラや潜水艦とドンパチできます。もう無茶苦茶です。ところで城が空を飛べるようになっても、かぐや姫のいた竹取りの村がある島にだけは行くことができません。この島はなぜか少しずつせり上がっているらしく、今では島全体の周囲が高い断崖になってしまっているためです。
城を改造して空中散歩に海底散歩。海底といえば竜宮城です。城で潜って竜宮城を訪れてみましょう。竜宮の女官に話を聞いてみると、海のどこかに神仙郷という場所があることがわかります。仙人たちの暮らす外界とは隔絶された土地なのだとか。
742新桃太郎伝説:神仙郷・七夕の村 sage2006/03/11(土)15:22:24ID:ctbT+Q51神仙郷を見つけ出し船に乗って訪れると、入口に仙人が立っています。神仙郷には人気度が非常に高い水準にあってはじめて入れます。中には8人の仙人がいて、貴重な道具を買ったりカルラの過去の話が聞けます。ただしカルラの話については後述します。そしてここでは天樹のタネという品物が手に入ります。これを海のどこかにある島の真ん中に植えると天まで届く木に育って天の川までのぼれるのだとか。
神仙郷でもらった天樹のタネを使ってやって来られるのが、天の川の上にある七夕の村です。ここには天の川から下界を見下ろして暮らしている一族がいて、カルラの過去のほか鬼の王族にまつわる昔の話が聞けます。また、ここでは鬼の王族の血縁関係がわかる「鬼の系図」が手に入ります。七夕の村はかならず神仙郷の後に来ることになりますが、神仙郷の仙人の話と七夕の村の民の話は複雑に関連しており別々に説明していると煩雑になるので、両方の話を時系列でまとめます。
743新桃太郎伝説:神仙郷・七夕の村 カルラの野望sage2006/03/11(土)15:23:10ID:ctbT+Q51鬼の世界は伐折羅王が頂点に立ち、王族を除いた臣下の中ではえんま王とカルラが最も伐折羅王に近い立場にあります。このふたりは両方とも鬼の名門の出ではなく、金も名誉も持たない裸一貫からの出発でしたが、それぞれが鬼の世界でのし上がっていった道のりはまったく対照的なものでした。えんま王が自分の実力で武功をあげていったのに対し、カルラは鬼の世界でいちばんたっとばれる戦いが苦手だったのです。
戦場で武勲をあげることのできないカルラが出世するためにとった方法は、他の鬼を使って自分の手柄とすることでした。カルラは若く有能な鬼を無名なころから見出して育て上げ、彼らのあげてくる手柄をもって自分の出世の道筋をつけていったのです。カルラが育て上げた鬼は実に多岐にわたり、6年前に桃太郎と戦った金の鬼や銀の鬼、またばっかんきや竜燈鬼、酒呑童子もカルラが手塩にかけて育てたのです。カルラは自分の育てた鬼に手柄を立てさせるため、ひいては自分の出世のため他の鬼の手柄を横取りするようなこともしていました。
そしてこれまでのカルラの行いを見るに、この方法以外にもあまたの権謀術数を駆使してのし上がってきたであろうことは想像に難くありません。偽りや裏切り、軽いものから重いものまで含めてカルラが自分のために利用して切り捨てていった鬼の数は百や二百をくだらないのだとか。そうして伐折羅王のもとで地位を上げていくにつれ、カルラは今度は伐折羅王の権威を借りて他の鬼を従わせ、自分のために働かせるようになっていきました。
伐折羅王の側近の地位まで上り詰めたカルラは、鬼の世を大きく広げることを皆に示すべきだと進言し、月の姫と人間の娘をさらってきて伐折羅王に差し出しました。これは月の民も人間も鬼が支配するのだという野望を象徴していると思われます。また、想像をたくましくすれば、伐折羅王が世界制覇に乗り出したのもカルラがこのように陰に陽に伐折羅王を焚き付けたからだと言えるかもしれません。
その後、伐折羅王に待望の第一子、ダイダ王子が誕生します。ダイダ王子の母親は伐折羅王の正妻の鬼司母神で、彼女は鬼族なのでダイダ王子は純血の鬼です。跡取りたるダイダ王子の養育を任されたのはカルラでした。カルラはこの役目を大そう喜び、誰もダイダ王子に触れさせず自らの全身全霊を注ぎ込んで育てました。結果、ダイダ王子は最強の武人ではあるものの、世の中のことを知らない人物に育つことになります。
それから伐折羅王とカルラのさらってきた月の姫との間に第二王子、アジャセ王子が誕生します。アジャセ王子の母親である月の姫は間もなく亡くなってしまいます。さらに今度は人間の娘が夜叉姫を産みます。ですので、次兄のアジャセ王子は鬼と月の民の血を半分ずつひいていて、末妹の夜叉姫は鬼と人間の血をひいていることになります。夜叉姫の母親、またダイダ王子の母親である鬼司母神のその後は語られませんが、おそらくふたりとも既にこの世の人ではないのでしょう。
さらに時は流れ、今から6年前、えんま王が軍勢を率いて地上に侵攻した時点までやってきます。えんま王が地上征服を進めていた時、カルラは伐折羅王に取り入って地獄から出ようとしませんでした。もともとカルラはかなり前からえんま王を妬ましく思っていた模様です。清廉潔白で公明正大なえんま王はカルラにとって気に障る存在なのかもしれません。えんま王が地獄にいない間、カルラは自分の勢力拡大やえんま王の追い落としのために奔走したことでしょう。
結局えんま王は桃太郎に敗れ、鬼族による地上制覇は失敗に終わります。これによりえんま王は失脚し、カルラが伐折羅王のもとで強大な権力を一手に握ることになったのはほぼ間違いないと見ていいでしょう。えんま王が桃太郎に敗れてから裁きを受けて幽閉されるまでには6年の時間がありますから、この間にカルラはさらに自分の権力の強化・保守にいそしみ、えんま王は地獄で愛や勇気や友情を説いて回っていたものと思われます。
744新桃太郎伝説:神仙郷・七夕の村 鬼族の系譜sage2006/03/11(土)15:24:30ID:ctbT+Q51ところでカルラによって伐折羅王に差し出された月の姫、つまりアジャセ王子の母親には妹がいました。妹の姫は鬼族の魔手が自分の娘にまで及ぶことを大いに恐れ、思い悩んだあげくに地上の竹取りの村に託すことによって娘の身の安全をはかろうとしました。その娘こそがかぐや姫なのです。かぐや姫は天道をつかさどる神の末裔であり、もしかぐや姫が息絶えれば地上は支えを失って崩れ果ててしまうのだそうです。
そういった鬼の王族をめぐる複雑な血縁関係をあらわしたのが「鬼の系図」です。系図を開いてみると以下のようになっています。
┌────┐ │鬼司母神│ └┰───┘ ┃ ┌─────┐ ┠──────┤ダイダ王子 │ ┃ └─────┘ ┃┌────┐ ┃│人間の娘│ ┃└┰───┘ ┃ ┃ ┌───┐ ┃ ┠──────┤夜叉姫│ ┃ ┃ └───┘ ┌┸─┸─┐ │伐折羅王│ └──┰─┘ ┃ ┌──────┐ ┠───┤アジャセ王子 .│ ┃ └──────┘ ┃ ┌┸──────┐┌───┐┌┤月の一番目の姫││月の民├┤├───────┤┌────┐└───┘└┤月の二番目の姫├┤かぐや姫.│ └───────┘└────┘
※太線は婚姻関係、細線は親子関係を表します
この中で鬼の王族と月の民との関係は特に入り組んでいます。月の一番目の姫が伐折羅王との間にアジャセ王子を産み、二番目の姫はかぐや姫を産みました。月の二人の姫は姉妹の関係にありますから、かぐや姫は伐折羅王の姪にあたり、そしてかぐや姫とアジャセ王子はいとこということになります。また、かぐや姫は天道の神の末裔ということですので、その血筋が母方のものならばアジャセ王子もまた神の系統を受け継いでいるのではないかと思われます。
745新桃太郎伝説:神仙郷・七夕の村 鬼族反カルラ戦争記sage2006/03/11(土)15:30:08ID:ctbT+Q51ここからは仙人や天女のそういった話の上にさらに推測を重ねたものですが、鬼の世の跡継ぎをダイダ王子とアジャセ王子のどちらにするかで、地獄を二分しての争いが繰り広げられた可能性があります。その根拠のひとつとして挙げられるのが、跡継ぎがダイダ王子に決まった時にアジャセ王子はまつりごとに口をはさまないと誓ったという趣旨のカルラの発言です。これは裏を返せばアジャセ王子が政治向きの発言をできるほど成長した段階でも王位継承者が決定しておらず、跡継ぎが正式にダイダ王子となるまでアジャセ王子は政治に口出ししていたということです。二人の王子の対立の陰にはカルラとえんま王の政争もあったと思われます。おそらくダイダ王子の後見としてカルラが政治の実権を一手に握ろうとしたのに対し、えんま王がこれを阻止しようとしてアジャセ王子を擁立した、といったところでしょう。カルラは長男であり戦いに秀でた純血の鬼であるダイダ王子が鬼の世界を統べるべきだと主張したはずです。一方アジャセ王子の大義は知力だとか、もしかすると先に述べた天道の神の末裔である可能性まで持ち出してこれに対抗したと思われ、兄弟の資質や血筋の違いがより一層の紛糾を招いたものと推察されます。
最終的にはダイダ王子が正式に世継ぎとなります。王位継承者の決定がいつごろかは明らかではありませんが、6年前にえんま王が桃太郎に敗れたことが決定打となって継承争いに終止符が打たれたのかもしれません。ともかくもアジャセ王子はこれ以降まつりごとに口をはさまぬと誓い、笛を手にして外界を出歩くようになります。しかしアジャセ王子の真意は、世捨て人のように振る舞ってダイダ王子との対立を表面上は避けつつ、地獄の外、特に自分のゆかりの地であり鬼の目が向いていなかった月を中心に独自の人脈や情報網を構築するところにあったと思われます。また、失脚したとはいええんま王はアジャセ王子の後ろ盾でありつづけ、えんま王の派閥の鬼たちも協力していた節があります。
そして伐折羅王による侵攻が始まり、ダイダ王子やカルラは尖兵として各地を制圧します。一方のアジャセ王子は、かなり早くから桃太郎たちの前に姿を見せます。このあたりでのアジャセ王子のねらいは桃太郎の力を見極めることにあったと思われます。桃太郎はめきめき成長して村々を解放していきます。さらに酒呑童子を破り、夜叉姫を仲間に加え、アジャセ王子自身も桃太郎と手合わせしてその実力に確信を持ったことでしょう。そしてカルラの暴虐が日に日にひどくなっていく中、新しい村でのできごとを機に旗色を鮮明にし、カルラをのぞくため桃太郎たちに積極的に協力するようになりました。鬼族の中の反カルラの動きにはえんま王が深く関わっています。しかし、そのえんま王はいまだ幽閉されたままです。
216新桃太郎伝説:左源内の庵~奈落の洞窟sage2006/04/11(火)00:45:26ID:XCLlVgjYえんま王は海の底よりさらに深く、奈落の底という場所に幽閉されています。奈落の底は鬼が島近くの海底の裂け目につながっているのですが、すさまじい水圧がかかるため城で潜って行くことができません。じゃあどうすればいいかというと、水圧に耐えられるよう城を改造するという手があります。それができるのがからくり職人の左源内(ひだり・げんない)という人物で、海底にひとりで住んでいるという変わり者です。彼のいる金太郎の村の近くの海底洞窟に行ってみましょう。左源内に事情を話すと快く城の改造を請け負ってくれます。ただしそのためには海底の人魚の村にある「人魚の涙」が必要だとのことで、それを持ってくるよう言われ「源内の杖」を持たされます。人魚は臆病で一見さんは村に入れてくれないので、左源内の頼みで来たことがわかるようにするためです。
ところがこの会話はカルラに盗み聞きされていました。城で人魚の村に行ってみるとすでに襲撃された後で水が真っ赤に染まり、そこかしこで人魚が倒れ伏しています。瀕死の人魚に近寄ると「遅かったか!」のセリフとともになぜかアジャセ王子が登場。人魚にきんたんの術(回復術)をかけてみろ、元気になれば何かわかるかもしれない、と桃太郎に言い、アジャセ王子自身は竜鬼船(りゅうきせん)を奪ってでも奈落の底に向かうつもりだ、と言って去っていきます。…この竜鬼船はやまんばの洞窟でサルカニの村の船大工が作らされていた鬼の軍船で、木造のくせに潜水航行が可能で魚雷まで搭載しているとんでもない代物なんですが、アジャセ王子の口ぶりからすると木造のくせに深海底の水圧に耐えられるつくりをしている模様。もはや深く考えたら負けな領域に達しています。それからもう少し後でまた月に行くことになりますが、そっちにはコレと同型の飛行戦艦(たぶん木造)がいて、空を飛んでは光学兵器をぶっ放しやがるので覚悟しとくよーに。そんなことはともかく人魚にきんたんの術をかけてまわってみたところ、人魚の涙はなんとかカルラの目を逃れて村の奥に埋められたといいます。掘り出しましょう。左源内のもとに人魚の涙を持って帰ると城を改造してくれます。
城の改造が完了したら海底の裂け目を通って奈落の底に行けるようになります。海の底深く深く、宝石サンゴの群落を通り抜けマリンスノーが舞う暗黒世界のさらに下に奈落の底はあります。奈落の底には洞窟が広がっているので城から下りて徒歩で探索していくことになります。
奈落の洞窟の最下層にたどり着いた桃太郎たちが目にしたのは、牢屋に閉じ込められたえんま王でした。近くに寄って鉄格子の外から話しかけると、何やら腑抜けた返事が返ってきます。と、ここでアジャセ王子が登場。曰く、えんま王が希望を失うのも無理はない、なぜならこの牢屋にはふれると力つきるまで体力を吸い取られるというとんでもない呪いがかかっていて、体力を数値にして500奪われることではじめて牢が開く、というのです。えんま王を助け出す手立てはただこれだけということで桃太郎と仲間たちは勇気をふりしぼって牢にふれてみます。呪いを込められた牢に体力を奪われ、力つきながらも牢にふれつづけ、ついに桃太郎たちは牢獄の呪いに打ち勝ちました。体力500が吸い込まれた牢獄は音を立てて崩れ落ち、えんま王は長い幽閉からようやく解き放たれました。ところが感慨にふける間もなくカルラが右魂鬼・左魂鬼を引き連れて現れました。カルラは鬼の軍法を破って牢から脱出したえんま王を罵り、このことは伐折羅王に逐一報告させてもらうぞ、と宣言します。そして、えんま王と桃太郎たちをまとめて始末すべく落とし穴の罠を作動させました。これによりえんま王と桃太郎たちは深い竪穴の中へと落下し、罠を逃れたアジャセ王子はカルラを追っていきます。
217 新桃太郎伝説:奈落の底sage2006/04/11(火)00:46:53ID:XCLlVgjYえんま王と桃太郎たちが落っこちてきた竪穴は非常に固い岩盤に囲まれていて、えんま王が体当たりしても金太郎が頭突きしてもびくともしません。このままではこの穴の底で死を待つのみ、なんですが岩盤は固くていかんともしがたい。どうしたものかみんなで知恵を出し合ってみよう、みたいな雰囲気になってきた時、何やら地面を掘るような、いやむしろ岩を砕くような音が聞こえてきました。その音はこちらに近づいてきているようでだんだん大きくなってきます。そして音と振動は竪穴に肉薄してきて、次の瞬間には竪穴の壁に人が通れそうなほどの割れ目ができていました。桃太郎たちは何が起きたのかわからないながらも、えんま王を先頭に割れ目の中に足を踏み入れます。すると、割れ目の反対側の空間には酒呑童子がいました。えんま王は鬼の未来を背負って立つべき立場にいるのだからこんなところで朽ち果ててはならない、と言う酒呑童子は鬼の牢獄を脱出して奈落の底のさらに底までやってきたようで満身創痍です。しゃべるのもつらそうな様子の酒呑童子を見てえんま王は制止するのですが、酒呑童子は既に自分の命が尽きようとしていることを知っていて、たとえ死すとも生きている者の心に残ればそれでよし、と言い残して息を引き取りました。
桃太郎たちは平和な未来のためにカルラをこらしめる決意を新たにし、酒呑童子が作ってきた道を上って、奈落の洞窟の入口の城がおいてあるところまできました。すると最初に来る時に通ってきた海底の裂け目につながる通路が巨大な岩石で塞がれています。カルラのしわざのようです。しかし、別の場所から奈落の底につながっている秘密の通路というのが実はあって、城を操縦してその入口に体当たりすれば岩に隠された入口が開くのだとえんま王が言います。そしてここでやっとえんま王が正式に仲間になり、桃太郎たちと城に乗り込みます。城で岩壁をぶち割って秘密の通路に入ると道が南北に分かれています。一見、両方とも袋小路なんですが、突き当たりの岩壁に城をぶつけると外界の湖につながっている通路が開くのだとか。北のほうは金太郎の村の近く、南の方は断崖に隔てられて今まで行けなかった竹取りの島につながっているそうです。南のほうに行きましょう。
さて桃太郎たちが秘密の通路を抜けて竹取りの島の湖に浮上していたころ、カルラはアジャセ王子を振り切って伐折羅王のもとに馳せ参じ、えんま王が奈落の底から脱出したことを報告していました。ともに鬼の今の世を築き上げてきて、しかも掟を一度も破ったことのなかったえんま王が脱出したことは伐折羅王にとって大変な衝撃だったようです。カルラはここで月の宮殿に軟禁していたかぐや姫の話をもちだし、どうもかぐや姫の存在が桃太郎らの支えになっているようなので処分したいと申し出ます。えんま王の脱出を聞いて混乱している伐折羅王はこれを上の空で承諾してしまうのでした。
509新桃太郎伝説:すゞめのお宿7・竹取りの村・(三途の川)sage2006/05/12(金)23:15:22ID:2Kd7SM0N竹取りの島はその名の通り陸地の大部分が竹林で覆われていて、その中では日の光が地面に届かないほどです。しばらく進んでいくとすゞめのお宿7が見えてきます。村人たちに話を聞いて回ってみると、ここからさらに先にある竹取りの村の村人たちがかぐや姫を奪還しようとして総出で月へ向かったいう話が聞けます。しかしそれ以外には特筆するような情報はなく、もとは砂浜だったこの島の海岸線がいつのまにか切り立った崖に変わってしまったことについても原因はわからずじまいです。
すゞめのお宿7から少し進むと竹取りの村があります。しかし、村の中には聞いていたとおり人影がまったく見当たりません。村のお地蔵様いわく、村人は北にある黄泉の塔へ向かったとのこと。黄泉の塔には月の社があるため村人たちはそこから月へ行こうとしているらしいのですが、村人が鬼に太刀打ちできるはずもなくたいへん危険が危ない状況です。また、村にはお地蔵様のほかに、かぐや姫のおじいさんとおばあさんも残っていて、かぐや姫のために村人たちが危険な目に遭う状況になってしまったことに心を痛めている様子です。
この他に、ふたりからは勇気の剣がこのあたりに飛んできたという話も聞くことができ、勇気の鏡という道具をもらえます。勇気の鏡は物語の最初で桃太郎がダイダ王子と戦ったときに弾き飛ばされた勇気の武具のありかがわかるという道具です。そして勇気の武具のひとつ、勇気の剣がこのあたりにあるらしいというので、かぐや姫のおじいさん・おばあさんの家の裏庭で勇気の鏡を使ってみたところ、地面に埋まっていた勇気の剣が見つかりました。しかし見つけ出された勇気の剣はボロボロに錆びついていてまるで使い物になりそうにありません。鬼退治に使うにはぜひともかつての輝きを取り戻してもらいたいところですがどうすればよいのでしょうか。また、勇気の剣には鬼ヶ島への道を切り開くというもうひとつの重要な使いみちがあります。すゞめのお宿7の北にある岬で勇気の剣を掲げると海を割って鬼ヶ島への道が開かれるのです。勇気の剣を手に入れたらいつでも鬼ヶ島に行けるようになります。ここは先に鬼ヶ島に立ち寄ってみましょう。
竹取りの島の北の岬に立ち、勇気の剣を掲げると海が左右に分かれ、桃太郎たちは波を蹴立てて鬼ヶ島へと導かれます。意外にも鬼ヶ島の地表では敵が出現しません。歩き回っていると地底につながっているとおぼしき穴があるので入ってみます。
不気味に静まり返っている穴の中を下へ下へと進んでいくと、だだっ広い場所に出ます。ここは鬼ヶ島の地底に広がる地獄の入口、三途の川の河原です。しばらく奥へと歩いていくと滔々たる三途の川にぶつかるのですが、向こう岸は本格的な地獄の領域であり人間は死んだ者しか立ち入ることができません。川を渡れないので仕方なくあたりを見渡してみると、河原に一軒の小屋がたっています。中に入るとおじいさんとおばあさんがいますが、こんなところに普通の人間が住むはずもありません。彼らは三途の川を守る鬼、けんね翁(けんねおう)と脱衣婆(だつえば)です。彼らのそばにはつづらが置いてあって、中身は月の水晶のひとつ、満月の水晶だというのですが手をかけてもつづらは開きません。結局けんね翁・脱衣婆と戦うハメになります。桃太郎たちの武器や防具をはぎとってくるので早めにけりをつけましょう。けんね翁・脱衣婆をこらしめるとつづらの中に入っている満月の水晶を手に入れることができます。しかし、この時点では三途の川を渡って向こう岸の地獄に踏み込むことは不可能です。いちど引き返しましょう。
510新桃太郎伝説:黄泉の塔・嵐の村・月の宮殿sage2006/05/12(金)23:17:14ID:2Kd7SM0N竹取りの村から北に進んで黄泉の塔に足を踏み入れると、中にはすでに村人たちが入り込んでいますが、少なからぬ人数が鬼に襲われて落命してしまったようです。塔の中に配置されている、床が上下する仕掛けを突破して最上階にたどりつくと、月の社の前にひときわ大きな体をした鬼が待ち構えています。この鬼は羅生門(らしょうもん)といい、6年前にもこの黄泉の塔で桃太郎と戦ったことがあります。酒呑童子らと並んで鬼の三軍神のひとりに数えられる羅生門ですが、今はカルラのやり方に反対したためにここに左遷されているそうです。彼自身は鬼の世界に新風を吹き込むであろう桃太郎に期待しているのですが命令に背いて見過ごしにすることはできないといい、また自分に勝てないようではカルラやダイダ王子には到底勝てないだろう、とも言って戦闘に突入します。桃太郎と一対一で行われるこの戦闘に勝つと羅生門はどこかに去っていって、彼が守っていた月の社に入れるようになります。
黄泉の塔から月面に移動し、しばらく歩くと嵐の村という村にたどり着きます。嵐の村には月の宮殿に向かうための乗り物、月の船があると聞いていた…のですが、村の天女やウサギから、月の船は鬼の襲撃を受けて一隻残らず壊されてしまったと聞かされます。月の宮殿への道は閉ざされてしまったのか、と思いつつさらに話を聞いて回ってみると、桃太郎たちの前にアジャセ王子がここに訪れてきていたことがわかります。そしてアジャセ王子は月の船が壊されてしまったことを知ると、道がないなら作るまでだ、ちょっくら西の山掘ってくる、と言って村を出て行ったのだそうです。
そういう話を聞き込んで西のほうに向かってみると、山の一角にぽっかりと洞窟が穴をあけています。アジャセ王子が作るといっていた道のことかもしれません。洞窟は険しい山脈のところどころにある平地をつなぐようにいくつも存在しています。奥の方へ奥の方へと進んでいくうちに桃太郎たちは山脈を通り抜け、広々とした平野に立つ月の宮殿が間近に見えるところまできていました。
ついにやってきた月の宮殿はまるで人気がなく異様に静まり返っています。立ち入って歩き回ってみても広い建物の中で人や鬼の姿を見かけることはありません。しかし、宮殿の離れのひと部屋だけは明らかに穏やかでない雰囲気が漂っています。この部屋に踏み込んでみるとカルラがかぐや姫を責め立てていて、それを静観するダイダ王子に制止しようとするアジャセ王子がいました。カルラはかぐや姫から月の水晶の秘密を聞き出そうとしていたようですが、桃太郎たちが入ってきたことで中途に終わり、ダイダ王子と桃太郎たちの戦いが始まります。
ダイダ王子と桃太郎たちの戦いは長きにおよびました。ダイダ王子の一撃はさすがに重く強烈ですが、耐えながら戦っていくと次第にダイダ王子の反応が変わってきます。そして最後にダイダ王子がたどりついた結論は、桃太郎たちの強さの本質は支え合い助け合うところにある、というものでした。一人であらゆる強さを備えた固き大木たらんとする強さではなく、個々は強くなくとも互いを信頼して協力し合う、風にそよぐ葦原のような強さをお前たちは目指していたのか、とダイダ王子はいいます。一人ひとりはけして強くない者たちが力を合わせることで自分を凌駕するほどにもなるという、まったく新しい強さの形を知ってダイダ王子はいたく感銘を受けたようで、桃太郎たちの仲間に加わりたいと申し出てきます。今まで他者の望みに沿って戦ってきた彼にとって、これが初めて自分の意志でとった行動と言えるでしょう。
しかしダイダ王子が自発的に行動するということは、彼がもはやカルラの傀儡ではなくなるということも同時に意味していました。ダイダ王子が利用価値を失ったことを知ったカルラは背後から斬りかかり、致命傷を負わせるとかぐや姫を連れて飛び去っていきました。ダイダ王子は事ここに至ってやっとカルラにとっての自分は道具にすぎなかったことを悟るのですが時すでに遅く、ダイダ王子はアジャセ王子(いれば夜叉姫も)に看取られて静かな眠りにつきました。そして、アジャセ王子はかぐや姫の身に危険が及ぶような事はあってはならないと言ってカルラを追って地獄へ向かっていきます。天道の神の末裔であるかぐや姫が息絶えると世界が崩れてしまうかもしれないからです。
511 新桃太郎伝説:月の宮殿・豊かの村sage2006/05/12(金)23:19:20ID:2Kd7SM0Nアジャセ王子が去っていくと、どこに隠れていたのかわかりませんが月の宮殿の女官が桃太郎たちのもとにやってきました。いわく、かぐや姫の身にもしものことがあったら月の水晶の力を解き放つように言われていたのだとか。そういうわけで女官は8つの月の水晶は全てそろったかと桃太郎たちに聞いてきます。そろっていなければ全部手に入れた後でまた月の宮殿を訪れましょう。
月の水晶を全てそろえた桃太郎たちは宮殿の一室に案内されます。部屋の中には祭壇のようなものがありました。この祭壇に月の水晶をそなえて祈りを捧げると、水晶からまばゆい光があふれ、神々しい姿をした鳳凰が姿を現しました。鳳凰は清き心を持つ者だけがその背に乗ることを許されるという霊鳥で、地上や月の山も谷も、そして地獄の三途の川も越えることができます。
さっそく地獄に踏み込みたいところですが、じつは山に囲まれていて今まで行けなかった月の村があります。鳳凰なら山を越えられるので行ってみましょう。山あいの窪地にあるその村は豊かの村といいます。この辺境の村には青き隕星(いんせい)が落ちるという言い伝えがあります。青き隕星は錆びついた勇気の剣に輝きを取り戻させる力があるらしいのですが、もし隕星が人間にぶつかれば命はないのだとか。それでも勇気の剣がかつての強さを取り戻せるのならばやってみる価値はありそうです。というわけで隕星が落ちるという村の広場に勇気の剣を立てて待っていると、天空から赤や青の隕星が次々に降り注いできて、桃太郎をかすめては砕け散ります。これをじっとこらえてさらに待ち続けると、ひとつの青き隕星が地面に突き立てられた勇気の剣に落ち、勇気の剣はみごとにその輝きを取り戻しました。今までのどんな武器よりも強力な勇気の剣は、地獄での戦いできっと大きな力になってくれるでしょう。
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