涅槃~完全版~

涅槃~完全版~
>>35-493~499・501・518


 493 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 19:53:09 ID:MUTH0D5j0

RPGツクール2000でのフリーソフト「涅槃」投下。
物語の内容としては突如狂った空間に迷い込んだ主人公たちが、そこの住人であるサイコを退けながら脱出を目指すゲーム。
クトゥルフ神話に影響を受けているらしく、ところどころにそんな表現が存在する。
一応ここは十八禁お断りだけど、スプラッタ表現で十八禁レベルなので苦手な人は注意。
フリーソフトの割には非常にグロくて鬱なので、駄目な人は本当に駄目だと思う。
ちなみにエンディングひとつで分岐なし、ついでに救いもありません。


主要キャラ紹介
▼主人公(私)
サラリーマンらしき見た目の主人公。
名前は変更可能で(仲間は全員変更可能)、デフォ名が「私」。
名前を呼ばれることがあるが、デフォ名だと「私さん」とか呼ばれることになるので変更推奨。
全くの一般人。

▼女性
物語序盤で救出することになる女性。デフォ名だと「女性」。
主人公と同じくどっかで会社員をやってるらしい。
物語中で主人公に好意を抱く。

▼若者
不良っぽい若者(高校生)。
物語中盤から協力して戦うことになる。リーゼント。
不良の割には素直で行動力もある、それなりにいいやつ。

▼その他の住人
主人公たちが迷い込んだ空間に元から住んでた人達。
揃いも揃ってサイコのキチガイ。
主人公たち以外にも様々な人をさらっては殺害していたらしい。

 
494 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 19:55:31 ID:MUTH0D5j0
シナリオ

主人公が目覚めると、見知らぬ部屋の一室に寝ていた。
部屋は殺風景で、本棚と鉄パイプ、そして何故か角に巨大で深そうな穴が開いていた。
自分はなぜこんな所にいるのだろうか?
疑問に思うが、思い出せない主人公はとにかく部屋から脱出することを考える。

本棚で隠された出口を見つけ、貼り付けられた板を部屋にあった鉄パイプで破壊し部屋から抜け出す。
しかしその先は窓もなくやはり不気味な廊下であった。
とにかく出口と人を探すことにする主人公。
廊下にあるいくつかの扉を開けていくと、そのうちの一部屋で後ろ向きに座った男を見つける。
呼びかけるが、何も反応を示さない彼。
訝しんだ主人公が彼を調べに部屋に入る。そして、驚愕。

なんとその男には目玉がなく、腹は裂け、内臓が取り出され苦悶の表情で死んでいた。(エグい画像が出ます)
あまりの光景に部屋から逃げ出す主人公。
次の瞬間、開かなかった隣の扉から顔を白塗りにした男がナタを構え飛び出してくる。
殺される、と悟った主人公は最初に目覚めた部屋に逃げ込むが追いつかれ、白塗りの男は部屋に侵入してくる。
だが主人公は手にもつ鉄パイプでその男を返り討ちにし殺害してしまう。
初めて人を殺した感触に嫌悪を覚える主人公、しかし正当防衛だったとして思い直し、とにかく脱出を試みる。
現実から逃げるためと復活しないようにと襲ってきた男は部屋の角にある巨大な穴へ落とすことにした。

白塗りの男の部屋にあったビデオをヒントに、隠し部屋を発見する。
そこには多くの死体と、まだ生きている女性がベッドに縛り付けられていた。
男の部屋にあった鍵を使って拘束を解くと、女性は感謝して一緒に脱出しようと協力を誓う。
こんな状況でありながら、自分と同じ境遇の人がいたことに少なからぬ救いを覚える主人公だった。

 
495 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 19:56:47 ID:MUTH0D5j0
救出した女性とともに新たな道を開き、そこにあった階段を下っていく。
下の階の廊下には食堂と玄関への扉があるが、玄関への扉は鍵がかかっていて入れない。

食堂に入ると、とたんに強烈な腐敗臭が鼻を突く。
恐怖を感じる二人だったが、とにかく先へすすむことにする。
そして、調理場に入ると…

そこはまさに地獄であった。人間の血や肉片が飛び散り、凄惨な状況となっていた。
そして奥からコックの姿をした男が現れる。手に血まみれの出刃包丁を握って。
必死で走り、廊下の途中にあった小部屋に逃げ込む二人。
しかしコックは扉を破壊しようと何度も突進してくる。
このまま破られるくらいならと、不意をついて攻撃をしかけようと決める主人公。
そして扉をあけ、不意を突いてコックを攻撃し、これを殺害。

人を殺してしまったと悲鳴を上げる女性だが、主人公が今は自分が生きることが重要だと落ち着かせる。
そして動かなくなったコックから包丁と鍵を奪い取り、部屋から出る。
入手した鍵で玄関への扉をあけ、そこから外へ出る。

もしかしたらこれで脱出できるかと期待を寄せた二人だったが、庭には高い壁がそびえていた。
まるでこの建物からの脱出を禁じるかのように…
人の気配も全くなく、正面の門には大きな錠前がかかっていて開きそうにない。
そして庭の中心に奇妙な魔法人と人骨。
そこから「彼ら」は悪魔崇拝者ではないかと推測する主人公。
とにかく脱出するため、気は進まないが裏口から再び建物へ侵入する二人だった。

 
496 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 19:57:42 ID:MUTH0D5j0
再び建物の内部へ入る二人。
階段を下り、地下らしき場所の廊下を進んでいく。

しばらく歩くと二股に道が分かれ、北側の道から何かが聞こえてくる。
耳をすましていると、それは上から吊るされた下半身のない死体が降りてくる音だった。
驚愕していると、北側の道からラバーマスクとゴムパンツ、手にはバタフライナイフという色んな意味でのサイコが襲ってくる。
道を走りぬけ、たまたまそこにあった部屋にまたしても逃げ込む二人。

以外にもそこには先住者がいた。そこにいた若い男はとにかくあの男を倒そうと呼びかける。
彼の言う通りに三人で一斉に襲撃をかけ、そのラバーマスクは死ぬ。
サイコを殺したことにも特に動じず、逆にその死体に悪態をつく肝の据わった若者。
彼も気が付くとこの部屋にいて、あのラバーマスクのために外に出られない状態だったようだ。

ラバーマスクの持っていた鍵とナイフを取り、一緒に脱出しようと目的を一致させる。
そして鍵を使い、一階にある開かなかった扉を開ける。するとそこには黒マントにマスクの男が。
(余談ですが上記のラバーマスク戦で、部屋に逃げ込まずに階段で戦おうとするとコイツとラバーマスクに囲まれて殺されます)
彼は巨大なハサミを持っていたが多勢に無勢で、三人の一斉攻撃によりあっさりと倒れる。

怒って黒マントに襲ってくる真意を聞こうとする若者だが、女性がもう死んでると止める。
人を殺すという特異な状態に慣れてしまった主人公。
しかしその黒マントをよく見てみると、突如記憶が蘇ってくる。


主人公の回想の中では、自分と友人が自宅の部屋で座っている。
そうだ、俺はあの時タバコを切らして、買いに外へ出たんだった。
通行人の誰もいない道路で、俺は道を急いだ。すると突然この黒マントに襲われたんだ!
スプレーを使われ気を失う自分。そして黒マントは自分をかついで暗い穴の中を、ハシゴを使って登って…
そうだ、この穴は俺が最初に目覚めた部屋にあった穴だ!
そしてあの時俺は、朦朧とした意識の中で今まで会ったサイコたちに囲まれていたんだ!
くそっ、なんて忌々しい記憶なんだ!
 
497 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 19:59:10 ID:MUTH0D5j0
記憶を完全に取り戻した主人公。その内容を話し、自分はハシゴで穴から来たんだと結論付ける。
そしてちょうどいいことにこの黒マントの部屋には同じハシゴがある。
それを使って最初の部屋に戻り、脱出しようと決める。
そしてどうしようもなくなれば、山道を迷うのを承知でハシゴを使い外の門から脱出することも考えつつ。

最初の部屋に戻り、ハシゴを使って穴を下りていく三人。
下は真っ暗で何も見えず、主人公の持つライターで明かりをつけた瞬間。
死んだと思っていた白塗りの男が復活して襲ってきた。
傷ついた彼は苦もなく倒され、今度こそ完全に死んだ。

しかし彼は穴に落ちた後、ずっと暗闇と孤独の中で待っていたという事実。
もはや彼らには常識的な人間の概念は通用しないのか?
そう考え、気分の悪くなる主人公。
しかしこんなものに構っている暇はないと、無理やりに思考を断ち切る。

異様に長い地下の一本道を進んでいく三人。あまりに長いので疲労がたまってくる。
特に女性は疲労の色が濃いので、主人公は二人が見張りに立ち一人ずつ休息することを提案する。
最初に女性が休息し、主人公はせっかくだからと若者と自分たちのことを語り合う。

若者は見た目通りの不良で、しかも留年中の高校生だと言う。
毎日ケンカばかりだったが、主人公がまともに心配してくれたこともあり、ここから脱出したら社会復帰を誓う若者。
すると女性が目覚め、次は若者が休息を取る番となった。
主人公は同じように、女性とも自分のことを語る。

女性は中小企業の会社員で、人生を退屈に感じていた。
そしてある日、両親から見合い結婚の話を持ちかけられる。
それに対しての答えは語らなかったが、ただ一言「私はずっと良い子だった」とのみ付け加えた。
そのうち若者も目覚め、主人公が休息を取ることとなった。

若者と女性が何かを語ったのかは分からないが、主人公は今までの人生が退屈だったこと、しかし今は安らぎを感じていること、危険なはずなのに心地よいとすら思っていることを悟った。
そして目覚め、三人は再び長い道を行く。
 
498 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 20:00:01 ID:MUTH0D5j0
しかしその先は行き止まりだった。
愕然とする三人だが、何もないはずがないと辺りを捜す主人公。
すると手帳が落ちていることに気づく。まるで誰かに拾ってもらうのを待っているかのように。

手帳は日記のようで、表紙に外部者からの発見を願って最後にメモを残しておくと絶筆のようなことが書いてある。
そこにはこのメモを記した人間は学者か何かで、この地下洞窟は自分たちが掘ったものであること、歴史的発見になるかもしれないと思ったことなどが記されていた。
そして道を進んでいくと奇妙な門があり、そこを進んでいったこと。
その次のページには精神が破壊され、もはや狂ってしまう以外にないと書かれており、もしこのメモを読んでいる人がいればこれ以上は読むべきではないとある。
しかし主人公は好奇心に勝てず、その先のページを読んでしまう。(「はい」以外の選択肢がない)
この行き止まりより北へ数歩進み、東の壁を破壊しろと記されそのメモは終わっていた…

このメモの内容を疑いながらも、脱出できるかもと道を探っていく。
すると実際にその壁は破壊でき、新たな道が存在した。
その先は奇妙な地層の中にある洞窟で、壁は不思議な緑色で見る者を不安にさせた。

しばらく進むと二股の道で、主人公はここを北に行けば先ほどのメモにあった門があることを思い出す。
もしかしたらその門が出口か、と思い北側へと進む三人。そして奇妙な門はあった。
若者が自分が先に入って安全を確認すると提案し、二人は了承する。

そして三分ほど待つと、彼は戻ってきた。その顔に狂気を張り付けて。
突然彼に襲われて気を失う主人公。気が付くと最初に目覚めた部屋にいた。
そして別の部屋から女性の悲鳴が聞こえてくる。その場所へ急ぐ主人公。

女性が初めに監禁されていた場所へ戻ると、そこには変わり果てた姿の女性と狂った若者がいた。
お前がやったのかと若者に詰め寄る主人公だが、若者は狂った笑い声を上げながら自分を殺せと襲ってくる。

返り討ちにしてしまう主人公だったが、仲間を殺してしまったと絶望する主人公。
あの門の向こうにこの狂気の答えがあると思ったのに、あったのは破滅そのものだったとは。
するとまだ生きていた女性が主人公を呼ぶ。
主人公は今助けるというが、女性はもう助からないと否定する。
そして主人公に向かって私を殺して欲しいと頼む。
実は女性は主人公に惹かれていて、最期はせめて好きな人の手で…と。

一旦は断った主人公だが、女性の自分に対する思いと最後の頼みということで彼女を殺してしまう。
最後にまた一人ぼっちになってしまった主人公。
仲間はもういない。彼が殺したから。そして自身も消えていく…

仲間の死体に囲まれながら笑い出す主人公。
 
499 :涅槃~完全版~:2008/02/03(日) 20:01:00 ID:MUTH0D5j0
ラスト。
精神病院らしき場所の一室で、狂った主人公が医師らしき男にそれまでのことを語る。
医師は主人公の言葉を信じていないようだが、彼が人を殺したことと狂っていることは理解している。
主人公はもはや完全に狂ってしまったようだ。そう、あの住人たちのように…
最後に主人公は医師に対して独り語りする。
↓以下原文

「世界は間もなく素晴らしく変化することでしょう!!」
「その日が待ちわびしくてたまらない!」
「そう・・・」


「涅槃のように・・・」



涅槃2へ続く・・・。
最終更新:2023年09月23日 09:06