トワイライトシンドローム~探索編~

トワイライトシンドローム~探索編~

part37-150~153,173~176,210~213,216~219,227,231



150 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/11(火) 01:16:52 ID:WlarT6rD0
トワイライト投下します。
2ディスクでかなり長いので、ちょっとずつ書いていこうと。
マルチエンドなので、大吉エンドにしぼります。

主人公達

【長谷川ユカリ】
メイン主人公。雛代高校の2年生。帰宅部(元バスケ部)。
美人でスタイルも良く、強気で大人びた、スーパークールな女子高生…
というのはうわべで、彼女の取っているポーズに過ぎない。
やせがまんする性格だが、両親の離婚、失恋、強がる結果孤立すること、色んな悩みに揺れ動く16歳の少女。
探検のリーダーだが、実はオカルト嫌いで怖がり。

【逸島チサト】
ユカリのおさななじみであり親友、クラスメイト。弓道部。
古風な家で長女として育った、無口でおだやかな少女。
ハッキリ言って、地味でダサくてパッとしない女子高生。でも珍しい位の人格者で、幼い頃からユカリをずっと支えてきた。
強い霊感があり、またそういうものに正しい理解を示す、探検のキーマン。
それだけに、危険な事に面白半分で首を突っ込むミカやユカリを心配している。

【岸井ミカ】
雛代高校の一年生。バドミントン部&ラクロス同好会。
イマドキ(96年当時)の女子高生。茶髪にミニスカ、ルーズソックス。
自由奔放、楽しければオッケー。話題の中心にいるのが得意だし、好きでもある。
子供っぽい同級生達に飽き足りず、アコガレのユカリセンパイと親しくなろうと計画する。
張り巡らしたネットワークから、あやしげなウワサを次から次へ仕入れてくる、探検の発案者。

151 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/11(火) 01:23:18 ID:WlarT6rD0
『はじまりの噂』

どこの学校にも、怖い噂はある。この雛城高校にも…。
ユカリ、チサト、ミカの3人は、夜更けに旧校舎に忍び込んだ。
3F女子トイレに出る、おかっぱ少女の霊のウワサを検証する為だ。

こんなことして大丈夫かな?と心配するチサトに、ミカは
「来といて何言ってんですか?大体私、イツシマセンパイ呼んでませんけどー?」
ユカリが、私が呼んだの!チサトだって先輩なんだからちゃんと気ィ使いなさいよ、とたしなめる。

問題のトイレまで行くと、ある個室が封鎖されていた。噂は、本当かも…。
霊の呼び出し方は、三回回ってノック。やってみたが、何も起こらなかった。
女の子を呼び出せたら、願いが叶う、という噂だが、デマだったらしい。
しょうがないので帰ろうとした時、チサトがユカリを呼び止める。

「ごめんねユカリちゃん、実はわたしも、このウワサ知ってるの…」
チサトは、昔誰かから聞いたことがあるらしい。
大筋は一緒だけど、呼び出し方が少し違う。3回回った後に、「キックキックトントン、キックキックトン」と唱えるらしい。
そうすると、女の子は一緒に遊びたくて出てくる、という所も違う。
試してみたが、何も起こらない。

そもそも、ユカリと親しくなりたくて探検を計画したミカは、チサトが来たこと自体が気に食わないので、嫌味を言う。
ミカと、黙ってただ何かを案じているチサトを促して、ユカリは帰ろうとする。
が、おしっこしたくなって、ユカリ一人でトイレに戻る。
用を足して、手を洗おうとすると、おかっぱの少女が、鏡に映りこんでいた。

ひたすら走って女の子から逃げる。
女の子は、「どうして逃げるの?遊ぼうよ」と言いながら追いかけてくる。
階段の繋がりがめちゃくちゃになって、1Fに降りられない。3人は屋上へ逃げ込む。
おかっぱの女の子は、3人のすぐそばまで来て、こう言って笑った。

「このくらいで怖がってちゃだめだよ。おねえちゃんたち、これからもっと怖いものを見るんだから」


152 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/11(火) 01:29:57 ID:WlarT6rD0
第一の噂『心霊写真量産公園』

ミカは友達のキミカに、ある写真の事で相談された。
キミカが彼氏と2ショットで写っているが、赤い光のようなものが、二人の首を切断するように横切っている。
あんたオカルト好きだったでしょ。どうしたらいいか知らない?と聞かれて、
私にまかしときなって!と、その写真を借り受ける。

ミカが、ユカリに写真を見せに来た。
また来たの?なんか君、なれなれしいな…とユカリは邪険に扱うが、ミカは語尾にハートをつけまくって、写真を見せてくる。
くだらない、現像ミスか何かでしょ、と取り合わないユカリに、ミカは、
私霊媒体質だからわかるんですよ♪つよ~い霊気がこの写真に!と食い下がる。

ユカリは、専門家に聞くか、とチサトに写真を見せる。
まさか、と尋ねるミカに、ユカリは、「そう、チサトは本物の霊媒体質。」と答えるが、今度はミカが信じない。
チサトは、この場所に行って見ないとわからないと答える。
ミカは、じゃあ行ってみよう!と強引に誘い、夜に探検に行くことになってしまった。

問題のスポットは、I公園の鳥居がある駐車場。目的は、心霊写真を撮ること。
公園に入り、設置してある地図で駐車場の位置を確認して、こうべ橋に向かう。
途中で、古い地図を見かけて、もう一度道を確認する。
こうべ橋を渡る時チサトが、よくない感じがする…と言い出す。
階段を登って駐車場で記念撮影。チサトがユカリとミカを撮り、元来た道を帰る。

帰りに、公衆トイレで怪奇現象。トイレを出ると、犬と目の見えない老人に会う。
坂井さんと盲導犬のフィラストー。公園の見回りが日課らしい。
鳥居のことを尋ねると、あんな所で写真を撮った!?いかん、すぐ焼きなさいと言われる。
別れてから、ミカはせっかく撮った写真を誰が焼くモンか!バカじゃないの と息巻く。
そして、何かを心配するチサト。一日目終了。

153 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/11(火) 01:32:56 ID:WlarT6rD0
焼却炉の前に居たチサトの所に、ミカが駆けつける。
現像した先日の写真を、有頂天になって見せてくる。
見てみると、ミカとユカリの首に赤い光が走っていて、二人の頭は切断されたように体からずれていた。
チサトは、一目見てよくないと心配する。その反応に、ミカは、じゃあ本物!と喜ぶ。
捨てたほうがいいとチサトは説得するが、ミカはどこ吹く風。
チサトは、もう一度見せて…とミカから写真を受け取り、そのまま焼却炉に投げ入れて燃やしてしまう。
「…最低。逸島先輩、今の行為は、ちょっとした噂になると思いますよ。」ミカは走り去っていく。

放課後、ミカがユカリに直談判に来る。
代償に、もう一回一緒に探検しよう!というミカの要求を、今回はこちらに非があるからね、と受けるユカリ。
やっぱり何かを心配するチサト。

また鳥居のある駐車場を目指すが、チサトが気になるものがあると言い出す。
それは、この前見た古い地図。もう一度よく見てみると、今駐車場のある場所に、居ノ頭神社 と記してあった。
神社を潰して、駐車場を作った。だから鳥居があったんだ…と納得するミカとユカリ。
チサトが、「理由があったからそこに在ったのに…こわしちゃいけなかったのに…これじゃいつ誰かが傷ついても不思議じゃないよ!」
と珍しく怒る。

こうべ橋が、その先に渡るのを拒むように、歪みその距離を伸ばす。下の水面からは、いやな気配が立ち上る。
それを振り切るように、ひたすら走り、向こう岸へ着く。

階段を登り鳥居をくぐった時、ユカリは舗装されていない地面と、赤い空を幻視し、生臭い匂いをかいだ。チサトにも見えているらしい。
「…刑場だったんだよ、きっと。」
お社に抑えられていた怨念が噴出し、ここは危険な場所になってしまっている、とチサトは語る。
怖がり、帰ろうとするミカをとどめて、階段下に戻って会話していると
駐車場からトラックが押し出されるようにバックして、斜面を転がり落ちてきた。
チサトは避けそこね、池に落ちてしまう。

沈んでいくチサトは、池の中で怒り狂う無数の首(こうべ)を感じていた。

チサトが気が付くと、坂井さんが介抱してくれていた。他の二人は助けを呼びに行ったらしい。
坂井さんは、あそこが昔首切り場だったこと、切られた首は斜面を転がり、池へ落ちていたこと
お社が長い間霊を供養していたこと、そのお社が壊されて、霊たちが怒っていることを教えてくれた。
心配するチサトに、坂井さんは大丈夫だと請合う。坂井さんには仲間が居て、何かアテがあるらしい。
坂井さんにお礼を言い、検証終了。

翌日、チサトはお礼がしたくて坂井さん宅を探している内に、坂井さんが昨日のあの時間、すでに亡くなっていた事を知る。
そして、後日。あの駐車場には、小さなお堂が建った。随分前から市民団体の要望があったらしい。
坂井さんが約束してくれたのは、この事だったのだ…。
チサトは今も覚えている。あの日、旅立つ前に最後の日課を終わらせようと、少し急いで去った坂井さんの姿を…。

173 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/12(水) 00:58:43 ID:P+3oLh7D0
第二の噂
『音楽室のM・F』

「奥野先生、奥野先生、至急音楽室までおこしください…」
雨の校舎に、女生徒の声で放送が響く。呼ばれた教師が渡り廊下を渡っていく。
音楽室の扉を開いた彼が見たのは、薄闇から伸びて宙に揺れる、二本の足…。

今、雛代高校は事件に沸いている。音楽室で、女子生徒が首吊り自殺をしたのだ。
彼女のイニシャルは、MF。この噂の最大の目玉は、彼女が死んだ原因。
MFは、音楽教師の奥野先生とデキていて、フラれてあてつけに自殺した…というウワサが、学校中に蔓延していた。

生物室で、教育実習生の北村に、カギを貸してと頼むユカリ。
前回、夜中の学校を探検した時も、北村にカギを借りておいたのだ。
「バレたら、教職の単位全部パーだ。」とぼやく北村に
「大丈夫だって。カズヤならいい先生になれるよ。」と返すユカリ。

ユカリは、北村カズヤと雨の中で出会った。
自転車のチェーンが外れて困っていたユカリを、カズヤが助けてくれたのが出会いだった。
そして二人は、教育実習生と生徒、という許されない関係にもかかわらず、秘密の交際を始めた。

だからかも知れない。ユカリは今回のウワサにいつになく関心を持っていて、
封鎖されている音楽室に夜忍び込もう、というミカの誘いを受けていた。
チサトも含め3人で、カズヤから借りたカギで自殺現場を目指す。

174 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/12(水) 01:01:57 ID:P+3oLh7D0
目的は、奥野とMFの関係を検証すること。
奥野の私室化している音楽準備室に、二人の関係を裏付けるものがないか調べる。
特に収穫がなく、(カレンダーを調べるとチサトが反応するが、何も言い出さない。)ミカがMFのウワサの最新版を話し出す。

MFことフジタマユミは放送委員で、奥野と交際してからは、お互いを校内放送で呼び出して逢引していた。
しかし奥野はMFを捨て、MFは校内放送で奥野を呼び出し、奥野が音楽室に来る前に自殺した。
そして、今でも奥野に呼び出されるのを待っていて、校内放送で呼ぶとMFが現れるというウワサ。

証拠がない以上、MFの霊を呼び出してほんとのとこを聞きましょう!というミカは、
二人を引っ張って放送室に連れて行く。
そこで、もう一つのウワサをミカが話し出す。
放送室から音楽室は距離がある。フジタマユミが奥野が来るより前に戻って自殺できたのは何故か?
そもそも、フジタマユミの死体は、発見された時すでに、死後数時間が経過していたという…。

とりあえず校内放送を流す。
「フジタマユミさん、フジタマユミさん、奥野先生が音楽室でお待ちです…」

音楽室に戻る途中、校内放送で音楽が流れ出す。曲名は『RAINY』。誰も居ないはずなのに…。
音楽室は何も起きていなかった。あきらめきれないミカと、釈然としない思いに押されて、ユカリももう一度準備室を調べる。
ミカが、カレンダーが先月のだ、とめくろうとして落としてしまう。
隠れていた壁には、たくさんの文字が書き連ねられていた。

 今日夢で先生に会った。
 ちょっぴり冷たくて、やっぱり素敵だった。
 先生、『RAINY』少し弾けるようになったよ。
 中間終わったらまたピアノ教えてね
 先生、プレゼント嬉しかったよ。
 新人の河合、けっこう可愛いけど浮気するんじゃないゾ
 今日、女子が先生の悪口いってるのきいちゃった。
 その子のうわばき、今しょうきゃくろ。私、悪いコです。
 先生、私ずいぶんここで待ってます。
 放送かけたのに、聞いててくれなかったの?
 雨が降ってきた…先生、私カサ持ってないよ
 先生、どうして来てくれないの?私のこと嫌いになったの?
 先生…
 超最悪!誰かアイツを殺して!
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して 
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して 
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して 
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して 
 殺して 殺して 殺して 殺して 殺して

175 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/12(水) 01:03:47 ID:P+3oLh7D0
証拠を見つけて喜び、いるんですよねー、こういう少女漫画を地でいくヤツ と笑うミカ。
「死ぬ程追いつめられるってどんな気持ちか考えたことないの?」とユカリがたしなめるが、
ミカは「あるわけないじゃないですか。大体、ここまでいっちゃうと病院行きですよ」
中2の時もらったラブレター思い出しちゃう。あの時はクラス回し読みの刑にしてやりましたけど。とふざける。
珍しく、それに食ってかかるユカリ。
「他人のプライバシー暴き立てて喜んでるアンタの方が、よっぽどオカシイわよ!」
「あれー、カウンセリング受けんのアタシですかー?何この人、突然マジになっちゃって。超ムカつくんですけど。」

険悪な雰囲気になるが、ひとまず帰ることにする。
が、音楽室の空気がおかしい。チサトが警告する。
「気をつけて…彼女、来てる。」

なんとか逃げ出すが、気付くとミカがついてきていない。
はぐれたのか、と廊下でしばらく待つ間、チサトと話をする。

ユカリは、フジタマユミとどこか似てること。
ユカリも思いつめる性格なこと。
だから、自殺した本当の原因が知りたかったこと。

そして、出るとこに出て、奥野に思い知らせてやりたい、というユカリをチサトが止める。
そんな事しても、彼女はいなくならない。それより、カレンダーの事、皆に知られるほうが嫌だと思うよ。
ユカリちゃんは少し、この事件に思い入れが強すぎる。あまり自分と重ねすぎないで。引きずられてしまうよ…とチサトは心配してくれた。

余りに遅いミカを探しに、音楽室に戻る。
ミカはピアノを弾いていた。いや、それはミカに憑依したフジタマユミだった。
チサトの説得にもフジタは応じない。ユカリもフジタに話しかける。

ねぇフジタ、アンタの事わかるって思ったけど、今は全然わかんない。
何の為に奥野を待つの?復讐なの?まだ好きなの?
好きなら何故傷つけるの?それとも、死にたくなるくらい好きだったの?
ねぇ教えて、フジタマユミ
好きになるのって、死ぬほどつらいことだった…?
私に教えてよ…

ユカリに共鳴したのか、フジタがぽつりと呟く。

先生…私の先生……
…指輪…シルバーのムーンストーン………ずっと一緒だよね?…

176 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/12(水) 01:08:32 ID:P+3oLh7D0
彼女は暴走を始め、ユカリとチサトは逃げ出す。
奥野に電話をかけて、学校に来てフジタに謝るように説得する。
初めは取り合わなかった奥野だったが、カレンダー裏のことを持ち出すと、態度が変わった。
あれは、僕が消しておいたはずだ…とうろたえる奥野。
とどめに、ムーンストーンの指輪をプレゼントした事を暴いてやると、奥野は電話を切る。

保健室で、ミカに効く気付け薬を探していると、誰かが廊下を歩く気配がする。
慌ててミカを連れに行こうとすると、ミカはもう元に戻っていた。
早く!奥野が来た!と報告するミカ。

奥野先生はピアノの前に佇んでいた。
そして、君達は帰りなさいと言う。どうしようもないので帰宅して、翌日音楽準備室を訪ねてみる。
奥野先生は、あの後ずっとフジタが好きだった曲を弾いていたと言う。彼女の気配を感じながら。
かける言葉も思い浮かばず、立ち去ることも出来ず、彼女の気配が消えるまで、ずっと弾いていた。

それ以後、フジタのウワサは廃れていき、奥野先生は転勤が決まった。
彼女の気持ちは、ユカリ達にもわからない。

音楽準備室のカレンダーがひとりでに落ちる。そこには

あ り が と せ ん せ い

と書かれていた。

210 :ゲーム好き名無しさん:2008/03/14(金) 21:06:49 ID:5s9JcWBC0
トワイライト、続き投下します。
この話は、2年二人とミカがやっと友達同士になった感じがして結構好きです。

211 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/14(金) 21:08:10 ID:5s9JcWBC0
第三の噂『最終電車』

放課後、カズヤに話しかけるユカリ。
だが、カズヤはよそよそしい。フジタマユミ事件以来、過敏になっているらしい。
校門で会おう、と言ったが、カズヤは来なかった。
家では、母がカバンをこっそり覗き、何か見つけては、
離婚した父と、ユカリへの責任について電話でケンカを始める。

気晴らしに電話をかけるが、チサトは部活で帰ってない、カズヤはずっと留守電。
しょうがなくミカにかけると、ミカは大喜びした。
面白い話があるから、と夜会うことになる。
3人でファストフードで待ち合わせ。事故が多発している村山台駅を探検することになる。
チサトが 行かないほうがいい、と言い出してミカが反発する。
逸島センパイは帰っていいですよ と言うミカをなだめて、3人で行くことに。

村山台駅には色々な噂がある。その一つが、子供の幽霊の噂。
小さな男の子が、母親が目を離した隙に、何かを追いかけるように線路へ落ちて、電車に轢かれたらしい。
それ以来、その子が出るとか…。

終電の終わった駅へ潜入。目的は心霊写真を撮ること。
OLの霊が出るという連絡橋を目指す。
すぐそばを、車庫に帰る電車が猛スピードで駆け抜けていく。この時間人がいないので、飛ばしているようだ。
連絡橋を渡り始めると、、角に消えるOLが…
終電逃したOLだったら笑い話なので、追いかけて確かめる。
チサトが止めるが却下され、反対側のホームに降りて、探索を始める。

何も起こらず、ミカがチサトに当たり始める。
「なんだかなー。もしかして逸島センパイって、けっこう目立ちたいヒト?
いっつも、意味深なこといってさー、結局何もないじゃん。」
その時、 ゆるせない と小さな女の声がミカの耳に届く。
次の瞬間、ミカの体は、ホームから突き飛ばされていた。

線路に落ちると同時に、回送電車が突進してくるのが見えた。何とか回避するミカ。
ホームでは、ユカリがチサトを見て呆然としていた。
ミカの隣りにいたのは、チサトだった。チサトは、私やってないよと否定する。

あのOLさんは、何か許せないことがあって、自殺してしまった。
そしてやっと怒りを忘れて、自分の死を受け入れられそうだったの。だからここで何かを待っていた。
生きてる私達を見せちゃだめだったの。決心が揺らいじゃうから…

チサトはそう言い、這い上がってきたミカを見て駆け寄った。
心配するチサトに、ミカが怒鳴りつける。
「今更何ツクってんの!?
センパイ、私のこと殺したいくらい嫌い!?こんな形でしかフクシュウできないなんて、超暗いよ!!」
チサトは否定するが、ミカは収まらない。
ミカはチサトをいいかげんな人と非難し、一緒にいたくないと叫ぶ。ユカリが怒り、チサトを引っ張って帰ってしまう。

212 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/14(金) 21:10:25 ID:5s9JcWBC0
一人になったミカは、自分も帰ろうとして歩き始める。すると公衆電話が鳴り出す。
取ってみると、若い男が、待ち合わせに遅れたことを弁解しはじめた。
調子を合わせていたが、バカバカしくなって切ると、ポケベルが鳴る。
誰のベル番かわからないので、その公衆電話からかけると、さっきの男に繋がった。

「ほんとごめん!言い訳する気はないんだけどさぁ、でも行けなかったんだ!
踏み切りでさぁ、気が付いたらさぁ、ないんだよ!」
アタシじゃないよ…と言うミカを無視して、男は続ける。
「ないんだよ…オレの足が両方とも!そんで周り見たら、オレが散らばっててさぁ!」

切ってもまた電話が鳴る。取ってみると、
「でもさぁ、もうちょっと待ってくれよ!会いたいんだ!
今度こそ遅れないからさぁ、そこで待っててくれよ!」
ミカは走って改札のあるホームへ渡るが、階段を下りるとそこは元居たホーム。そして電話が鳴り始める。
「帰してよぉ…」ミカはしゃがみこむ。

その頃、ユカリとチサトは連れ立って歩いていたが、急にチサトが立ち止まった。
「ユカリちゃん、やっぱり戻ろう!」
岸井さん一人じゃ危ないよ、とチサトは駆け出し、ユカリも続く。
駅に着いて探し回ると、公衆電話のそばでミカがうずくまっていた。
もう行っちゃったから大丈夫だよ とチサトがミカを励まして、無責任に置いて帰った事をあやまる。
ミカもチサトにあやまり、3人とも仲直りする。

改札側のホームに渡ると、さっきいたホームに酔っ払いがいるのが見える。
電車が通過すると、酔っ払いは消えていた。
自動販売機のそばに、小さな男の子が現れて、消えた。
チサトが、あの子がいる場所を見つけて!と言い出して、ホームを探し回る。
階段のそばに、花が供えられていた。

チサトが霊視する。
あの子は、はじめて自分でジュースを買うことになって、うれしかったらしい。
でも、自動販売機に駆けていく途中、お金を落としてしまった。転がる小銭を追いかけて、線路に落ちてしまい…。
3人は、あの子の為にジュースをお供えした。

213 :トワイライトシンドローム~探索編~:2008/03/14(金) 21:12:14 ID:5s9JcWBC0
連絡橋をもう一度登ると、何か違和感がある。ここは線路二本で2.3番ホームまでしか無いはず。
じゃあ、この先は、何?
現れた4番ホームへの階段を、さっきのあの子が降りていく。
3人もそれに続き、あるはずのないホームへ。

時刻表には、「夕闇ヶ丘行き」の文字。駅員がいて、ごく普通の調子で、最終電車が出るよと言う。
見たことの無い電車が止まり、誰もいないホームに扉を開いた。
記念に写真を撮り、乗らずにやりすごすと、駅員が、黒くなって消えていく。

ふと気付くと、3人は線路脇の小さな墓地に立っていた。

後日。駅のいろんな所で撮った写真を3人で見ていると、最後の写真で手が止まった。
あの日、3人と駅員しかいなかったはずの4番ホーム。あの電車に、無数の白い人影が乗り込むのが写っていた。
あの駅にいた色んな人は、あの電車を待ってたのだろう。
彼らの終着駅、夕闇ヶ丘。どんな所かは分からないが、きっと静かで安らかな所だろうと思うのだった。

216 :ゲーム好き名無しさん:2008/03/14(金) 22:38:53 ID:5s9JcWBC0
トワイライトもいっこいきます。
この話は、時間制限こそあれ、箸休め的な感じで気楽です。一番好きかも。

217 :トワイライトシンドローム~探索~:2008/03/14(金) 22:40:02 ID:5s9JcWBC0
第四の噂『雛城高校の七不思議』

七不思議を検証することになる。
七不思議を検証するには、一つだけルールがある。それは、日が落ちてから、日付が変わるまでに調べ終わること。
そうしないと呪いがかかる…という噂。
ミカが言うには、雛城高校七不思議とは


その1、『新校舎の13階段』
    夜になると、二段増えて13段になる。それを数えてしまった者は、そこで死んだ男子生徒に縁へ追い詰められ、落とされてしまう。

その2、『呪われた石膏像』
    美術室の石膏像に、一つだけやけに軽いものがある。それは、本物の頭蓋骨が埋め込まれていて、中が空洞だから。

その3、『幽霊の話し声』
    図書室の奥の部屋から、夜中に話し声が聞こえる。何人かがわめくような声や、苦痛にうめくような声。結構聞いた人がいるそうだ。

その5、『動き出す骨格標本』
    生物室の骨格標本は、決まった時間に動き出す。霊が憑依して、動かしにくい標本から、人間に乗り移ろうとして探しているらしい。
    
その6、『開かずの掃除用具入れ』
    中庭にあるプレハブの掃除用具入れの中には、黒猫の死体が入っている。夜中にその猫が鳴く間だけ、扉を開けることが出来る。
    
その7、『陸上部員の幽霊』
    ひたすら走る。夜のトラックをひたすら…

「その4。」
「は?」
「その4抜かしてる。作り忘れたのか?」
「またそーゆー事言う~。えーと、4番…4番……?じゃあ、こうしましょう!
 その4は、数学教師Nと、体育教師Tはホモで、デキている~!」
「………。」

いきなり七不思議の信憑性自体が薄れるが、検証を開始する。8時開始で12時までに検証終了しなければならない。

218 :トワイライトシンドローム~探索~:2008/03/14(金) 22:42:24 ID:5s9JcWBC0
まず、一番近い生物室で『動き出す骨格標本』を検証。
調べていると、カタカタと標本が動き出した。驚いたが、部屋全体が揺れてるような。
真下のボイラー室に降りてみると、ボイラーが稼動していた。この振動で動いてた訳だ…
それにしても、こーんな揺れててこのボイラー大丈夫なのか?その途端、ボイラーから蒸気が噴出し、3人とも絶叫して逃げ出す。検証終了。

次は、美術準備室で『呪われた石膏像』を検証。
美術教師の際田は、自分を捨てた女を殺して、頭部を作りかけだった石膏像に埋め込んだ。際田は毎日早朝に、その石膏像から流れた血の涙を拭いているとか…。
際田が毎日、石膏像を磨いたり、しきりにいじっているのは事実らしい。毎日位置を変えるそうで、どれがその石膏像かは分からない。
探しているうちに、際田が準備室に入ってくる。
慌てて隠れると、際田はある戸棚を調べて出て行った。
こんな時間に学校にいるなんて、いよいよ怪しい!その戸棚を開けてみると、隠すように石膏像が…
調べてみると、中には小銭が大量に入っていた。これ貯金箱!?ちっちゃい男…。という事で検証終了。

新校舎3Fで『新校舎の13階段』を検証。
他の階段で数えてみると、やはり11段。そして、問題の階段を登ってみると…
「10…11………12、13…」
本当に13段あり、怯えるミカに、チサトが尋ねる。
「ねぇ岸井さん、この階段、昼間に数えてみたことあるの?」
「え?」
確かにこの階段だけ13段あったけど、昼間はここも11段なのか?
ミカは、確認してない…と答える。
「あっはっは いい度胸だねぇ」
「ユカリちゃん、グーはダメだよ!」検証終了。

プレハブで『開かずの掃除用具入れ』を検証。
この学校の付近には、仲のいい黒猫のカップルがいた。しかし、オス猫がある日いなくなった。
それからというもの、メスの黒猫が夜中にこのプレハブに向かって鳴くらしい。
オス猫は人間に殺されて、この掃除用具入れに入れられているという噂がたつようになった。そして彼女の呼ぶ声に彼が答えて鳴くとき、扉が開くという…
掃除用具入れからは生臭い匂いがする。意を決してこじ開けると…
ネコの餌が入っていた。黒猫がやって来て、こちらに向かって鳴く。
「誰かが内緒で飼ってるんだね…。」
「色気より食い気か…。」     ネコに餌をやって検証終了。

219 :トワイライトシンドローム~探索~:2008/03/14(金) 22:46:07 ID:5s9JcWBC0
図書室で、『幽霊の話し声』を検証。
入ってみると、司書室から確かに話し声が…。でもなんだか、聞き覚えある声。数学の新倉先生と、体育の田村先生…?
「先生、ボク、教師なんです これ以上…」
「いいじゃないか、今更…」 
アッー!という事で盗み聞き開始。
どうやら、嫌がる新倉先生に、しつこく言い寄る田村先生。以前にも行為に及んだような口ぶり。
「どうしても…ですか?」
「お前がいなきゃダメなんだよ…!」
沸き立つミカ、呆れるユカリ、帰ろうとするチサト。
その途端、ガヤガヤと3~4人の声がし始めた。
「やー、お待たせしました。」
「おっ新倉先生、大丈夫ですか」
「こいつ帰りたいって言い出してね、ひきとめるの苦労しましたよぉー」
「じゃっ始めますか」
ジャラジャラ、ざわ…ざわ…。
麻雀かよ…この教師どもは…。脱力する二人と、何だか嬉しそうなチサト(新倉は弓道部顧問)。検証終了。

結局、全部自然現象で、脱力の余り怒るユカリ。
ミカが、最後の一つは本物かも!と食い下がって、『陸上部員の幽霊』を帰りがけに検証しにいく。
口ゲンカしていると、闇の向こうから何かが走ってきた。まさか、この噂だけは…
身構える3人の目の前を、二宮金次郎が走り抜けていった。

「…どこが陸上部員なわけ?」
「…二宮金次郎でしたね。」
「…おしかったね」
「バカバカしい!あーあ、チサト、帰りにラーメン食べてこ」
「うん、いいね」
「あーん、私も行きますってばぁ!」

という訳で、七不思議の検証を終了するのだった。

最終更新:2008年03月21日 01:18