ANGEL CRY

ANGEL CRY

part38-141~152

part38-163 登場人物一覧、犯行・凶器一覧


141 :魔導物語A-R-S:2008/04/12(土) 13:24:29 ID:pNxumJXBO
そしてangel cry貼り。
threeとこれは一旦クリアするまではグラ無し推奨だと今更

142 :angel cry:2008/04/12(土) 13:39:10 ID:pNxumJXBO
三島遥は警察犬のミッシェルと埠頭にいた。
突き止めた麻薬の取引現場、一刻を争う状況だが当分援軍は望めない。
手遅れになる前に遥は単身乗り込む。
20人近いバイヤーも、放たれた銃弾も、遥の体を傷付ける事は出来ない。
「未来は見えているの……」

◆day1
外の天気と対称的な、うず高く積まれた資料の間で衛は筆を進めていた。
ふと時計に目をやるとけたたましい音と共にドアが開く。
来訪者―遥は崩れた文献に目もくれず衛の前に座る。
遥は衛の説教を聞かず連続嬰児絞殺事件の担当になったことを告げた。
先日の無茶な行動を婉曲的に責める衛に、現場で耳飾を無くした遥は八当たる。

事件は新宿駅から始まる。
12月12日、赤いコードで絞殺された女児がロッカーから発見された。
前日から捜索願いが出されており、母親の訴えは昼夜問わず報じられていた。
誘拐から死亡まで丸1日のラグを衛は気にかける。

14日深夜、御陵公園のトイレで男児が発見される。
青いハンガーを解いた針金で前日の昼に絞殺、閉園後に遺棄された。
そして今日、20日。池袋のデパートの屋上で女児、神田川と山手線線路から男児が発見された。
死因は同様に全て絞殺。

謹慎を言い当てられた遥が衛を締め上げていると、教授が戸口に立っていた。
衛に書かせた論文を引き取ると嫌味を吐いて出て行く。
遥はもっと自分を生かせと言うが、衛は頓着しない。

話は捜査本部へと遡る。
遥は鳥越警視正に遅刻と先日の不始末を咎められていた。
―鳥越は衛の父親だが絶縁状態にあり、また遥の父親の親友でもあった。
遥は事態の悪化に伴う人員不足から、謹慎を解き捜査に加わるよう指示される。
振り返ると憎たらしい同僚の他に懐かしい人物が居た。
高校の合気道部の先輩だった金島医師。
今回の捜査に精神学の観点から協力するという。
憧れの先輩との再会に浮かれる遥に同僚―羽生が水を差す。
先日の埠頭の山の恨みと非協力な態度のことで口論になる2人を、鳥越が一喝した。
今回の事件、初回は突発的だが以降は計画的な主張を持つ犯行だと言うこと。
体力、時間的に2、30代無職男性の犯行だと金島は分析する。
虐待の痕跡から一度連れ帰って居ること、山手線西に生活拠点があると推測する。
息巻いた羽生が出ていった後、金島は首の痕から左利きの可能性が高いと付け加えた。

143 :angel cry:2008/04/12(土) 13:44:04 ID:pNxumJXBO
遥はその足で衛のもとに向かい今に至る。
聞き終えた衛は何故か不機嫌な顔を浮かべていた。
これといった収穫をここで得られなかった遥は自信の持つ特殊な力を使おうとする。
それが与える負担を思い止める衛の言い種に激昂した遥は、
感情と正義感から制止を聞かず力を使ってしまう。
―赤ん坊の声。
遥は突然叫び声をあげて昏倒してしまう。

『私は呪う。
このような運命をたどらなければならなかった全てに対して、
神を、世間を、運命さえも…
知らなければ、罪を背負わずに済んだのかも知れない。
しかし、私は知ってしまった…。
黒き羽音とともに、漆黒の闇が体の中に染み込んでいく。
もはや天国にはいけない。
この13の翼をもって哀れな魂と共に地獄へ堕ちよう…。
それだけが私のかすかな望み…それだけが私の唯一の願い…それだけが私の存在を示す慟哭…
私は呪った…穢れた身体を…壊された精神を…』

赤ん坊の声。
闇の中に何処からか響く声を頼りに歩を進める。
耳元で発せられた声に我が身を顧みると、四肢に纏わりつく無数の嬰児。
響き渡る声に恐怖が全身を支配する。
遠くに己を呼ぶ声を聞きながら遥の意識は深く沈んでいく。

◆day2
気がつくと真っ白な部屋に横になっていた。
アンナと名乗る女医によると疲労による失神で搬送された(と言うことになっている)のだという。
現れた衛に彼氏と偽ったことを責めた後念の為記憶を確認する。
安易に力を使うことを責める衛に遥は感情的になるが、
遥を想う故の言葉に多用禁止と日に一度までの制限に応じる。
…その力には意味がある。
殉職した刑事の父が遥に残した言葉。

衛に問われ視たものを告げる。
いつもなら未来を見せるその力は、今回犯人の心理を映したのではないか。
angel cry―赤子の泣き声
犯人は自らを天使に模し、あと8つの犯行を重ねるのではないかと衛は言う。
一刻を争う事態に遥は衛を連れ現場へと向かう。

線路脇の遺体は19日の昼に病院から連れ出され、夜に殺害されていた。
虐待の痕があり凶器はパチンコ屋の風船の青い凧糸、遺棄時刻は終電から始発までの3時間。
線路へは落差があり外から投げ込む事は難しい。

新宿駅周辺には留学生の行方不明のポスターが貼られ、娘を探すビラを撒く母親がいた。
遺体には絞殺以外の外傷は無く、凶器は車のコードだと判明する。
発見時刻は深夜、赤ん坊の泣き声がしたので気付いたのだという。

144 :ゲーム好き名無しさん:2008/04/12(土) 13:56:36 ID:pNxumJXBO
捜査本部に戻った遥は鳥越に説教を貰った後凶器と検死結果を確認する。
1人目は数日前から脱水症状、2人目は飢餓状態、3人目には虐待の痕、
4人目は飢餓による萎縮、5人目には虐待ないし遺棄時の酷い損傷があるという。

新宿に戻り衛と合流した後、御陵公園へと向う。
遺棄現場が用具箱の洗面台であったことで、遺棄が殺害直後から可能になった。
凶器は被害者の自宅から持ち去られた物だと言う。

デパート屋上で、発見者の佐伯雄太に話を聞くが母親に拒絶されてしまう。
被害者は18日の朝に連れ去られ捜索届けが出されていた。
凶器は赤い荷造り用のビニール紐で、殺害時刻は午後。
ライドの天井に隠されていた遺体が落下したものと思われる。
ライドの近くに雄太の物らしき玩具を見つけた遥は返すべく一旦預かることに。

神田川の遺体は金島の指示でミッシェルが発見していた。
気が弱いが誰にも懐くミッシェルが衛には威嚇する。
被害者は17日の夕方、託児所から攫われ殺害されている。
捜索届けはその日に出されており、凶器は青い靴紐。
三牛会関連の店にしかない輸入靴だという。
また、1件目の凶器も三牛会が所有するのと同じ、外車のエンジンプラグらしい。

問題の靴屋に向かうが情報は得られない。
周辺の歓楽街には風俗店の外国人美女を売りにした看板があった。
新宿まで戻った遥は三牛会の人間をみつけ、腕ずくで事務所の場所を聞き出す。
2っの証拠から三牛志摩を問い詰めるが、令状無しでは話にならない。
追い出されようとした時、衛が留学生と風俗店の関連を口にする。
志摩は、白沢が仮釈放された事、幼児用拷問具の発注があったことを話した。
白沢について訪ねる衛に、金島の所で報告がてら話すとつげた。

5年前池袋でおきた連続幼女監禁事件。
当時未成年だった犯人が白沢であり、その時説得に失敗し殉職した警官が遥の父であった。
重い空気を割いて金島の妻涼子が帰宅する。
彼女は最初遥達を不妊治療の患者と勘違いした。
2年前に式をあげたばかりだと言う妻の自慢の手料理を進められたが、
遥が腹の虫を誤魔化す為に取り出した携帯が新たに2体の遺体発見を告げた。

―宵闇の池袋で対峙する古びたコートの刑事と幼女の首筋に刃物をあてがう少年。
逆手に銃を持ち歩み寄る刑事に遥は駆け寄る―彼女は何が起きるのか知っている。

誰が知り得るだろう。誰が知り得ただろう。
それ自体が、運命の一部であったなど…


145 :angel cry:2008/04/12(土) 14:07:17 ID:pNxumJXBO
◆day3
遥は捜査本部の椅子の上で目を覚ます。
昨夜は衛を大学まで送り、その足で現場に向かった。
行き先は渋谷の公団の非常階段と百人町のマンホール。
手応えが得られず、戻った捜査本部でそのまま寝てしまったようだ。
時間を確認して叫び声を上げた所に鳥越が現れる。
白沢が噛んでいる事で遥に捜査から抜けるよう告げた。

捜査本部を出た遥は、隠し持っていた警察手帳を手に単身捜査を開始する。
新宿駅で会った涼子に衛との関係を訂正した後、必要な情報を得る為本部へ引き返す。
幸い無人だった捜査本部で白沢の写真と住所を入手した遥は、百人町の現場に向かった。
遺体は男児、青い釣り糸で絞殺後、地上から落とされていた。
殺害は21日の夕方、発見は夜、捜索願いは今朝出されていた。
落下のショックかオムツが糞尿で酷く汚れていた。

公団で見つかった男児は髪留めの青いゴム紐で絞殺され虐待の痕があった。
殺害時刻は15日の夕方で直後に遺棄、捜索願いは17日に出ていた。
発見は21日の夕方、外部からの遺棄は困難。
佐伯宅を発見した遥は玩具を返そうとするがまたも母親に追い返されてしまう。

白沢の部屋は、肌の幼児の写真や拘束具、悲惨な内容のビデオだらけだった。
貼られた幼児のポスターの枚数が13という妙な符合が気にかかる。
本部からの連絡に逃げようとした遥に、警官は8人目の発見を告げる。
後手に回る状況を打開すべく力を使う遥。
―白沢の凭れた手すりが壊れるのが見えた。

駐輪場で見つかった女児は血染めの縄で絞殺され、暴行の形跡があった。
発見は今日の午後、匿名の女性からの通報だった。
遺体が見つかった自転車の籠と縄に付いた血液は人の物だという。

白沢の居場所を突き止める為、遥は衛に相談する。
協力の前に、衛は遥が白沢をどうするのか確認した。
自宅に白沢のコレクションが残っている事から、奴が必ず戻ると衛は言う。
犯行を立証する手掛かりを求める遥は衛に今日の成果を報告する。
凶器の色と性別の関連、線路の遺体は陸橋から終電の天井に遺棄された事。
謎の声、遺棄時刻の変更、不明確な遺棄の場所、警察が見つけた遺体、遺体のその後に無頓着な事。
それぞれの疑問点を上げた所で衛は遥に一度帰宅を勧めた。

146 :angel cry:2008/04/12(土) 14:16:17 ID:pNxumJXBO
◆day4
捜査を開始した遥は羽生が白沢宅の警備を減らしたことを知る。
衛を信じて向かったそこは、何故か無人だった。
不審に思い調べると、ベランダで警官の遺体を発見する。
風呂場に隠れていた白沢を追い、遥は病院、そして公団へ。
取り押さえようとした瞬間、運悪く雄太が人質になってしまう。
無防備な遥に近寄ろうとした白沢は手すりに凭れ、壊れた手すりと共に落下。
とっさに腕を掴んだ遥と駆けつけた鳥越の手で2人は引き上げられる。
(事前にみていなければそのまま落下)
白沢は容疑を否認しているが、事件は解決ということになった。

◆day5
白沢が逮捕された事で、遥は休みを使って買い物に着ていた。
ついでに雄太やアンナを訪ねるが生憎どちらも不在。
駅前に戻ると学会帰りのアンナが声をかけ衛のことでからかう。
アンナに言われ、協力の礼という形ではあるが、遥は衛にワゴンセールのネクタイを買った。

研究室は珍しく無人で、遥は見慣れないダンボールを見つける。
触れようとした瞬間戻ってきた主に前科のある遥は叱責された。
小用から戻ったという衛は遥を労う。
照れ隠しに押しつけるようにしてプレゼントを渡し、遥は赤い顔で研究室を後にした。

解決の祝いも兼ねて、捜査本部ではささやかなXmasパーティーを開いていた。
いつも通りの面子の中、遥宛に荷物が届いていることを婦警に告げられる。
先ほど研究室で見たのと同じような箱に、悪態をつきながら嬉しそうに開封する遥。

―人なつこいミッシェルが吠えついたこと
―出不精が今日に限って部屋を空けていたこと

箱の中には遥があげたのと同じ紺色のネクタイを巻かれた双子の嬰児が詰められていた。

遥は雪の中を研究室へと駆けた。
飛び込んだそこは無人で…遥は絶望に叫びへたり込んだ。
そこに何事かと現れた衛を遥は押さえつける。
問い詰める彼女の目前に紺色のネクタイが収まっていた。

◆day6
振り出しに戻った捜査を打開すべく、遥は白沢を取り調べる。
だが、白沢にはアリバイがあり、縄に付いた血液とも一致しなかった。
(落下を防げていた場合)悩む遥に白沢は自分ならば絞殺など選ばないと言う。

池袋で遥は涼子に会う。
家に居るのが辛いという涼子は突然泣き出し、遥は喫茶店で話を聞く。
涼子は精神性の不妊症で、金島はその事を知らないという。
金島の優しさが辛いと話す彼女に、遥は思い切って事実を伝えることを勧めた。

147 :angel cry:2008/04/12(土) 14:23:42 ID:pNxumJXBO
衛の元を訪ねた遥は白沢は犯人ではないと一蹴される。
駐輪場の女児は新宿でビラ配りをしていた母親の娘だった。
届けは20日の夜に出されている。
娘の親権は別れた父親の方にあった。
箱の双子は誘拐も殺害も遥が白沢を追っている間に行われた。
双子の通院が多いことを聞いた衛は代理ミュンヒハウゼン症候群の可能性を示唆する。
子供に怪我等をさせ、献身的な親を演じ周囲にアピールする。
被害者の親の幾人かにその兆候が見えると言う。
遥は同意は出来ないが、調べてみる事にした。

アンナを介し院長で小児科医の桧皮に被害者の虐待の有無の調査を依頼をした。
娘を持つ桧皮は快諾してくれた。
デパートの屋上では先日の礼を言うために待っていた雄太と話す。
漸く玩具を返すと雄太はライドに何かを隠していた人物を見たと話す。
面相は不明だが、香りから女性だと思ったと雄太は言った。
(玩具を拾っていなければ証言は得られない)

金島にも被害者の通院歴について調査を依頼する。
13日にあった学会の論文も上がった所だという金島も協力を約束してくれた。
涼子は金島とちゃんと話が出来たようだ。
話がついた所で池袋で遺体が見つかったと連絡が入った。

被害男児は自販機の隙間から見つかり、発見者は又も声を聞いたと言う。
凶器は藍染の帯で、被害者と共に車内にあったらしい。
被害者は脱水症状を起こし、殺害前に水を与えられていた。
殺害時刻は今日の午前、届けは丁度出された所だった。
遥の言及に、母親は男児を車上放置した事を認めた。
濃厚になる虐待の線。
声の事を気にした遥は脱水症状からある事に思い当たる。

遥は鳥越に被害者家族の取り調べを要求する。
2人目は育児放棄気味で母親はブランド服に傾倒していた。
3人目は虐待がありビニール紐で子供を縛っていた。
4人目は食事指導を受けており子供は空腹時に靴を噛む癖があった。
5人目は生傷が絶えずそのきっかけは風船を追って怪我をしたことだった。
6人目は誘拐に気付かない程放置され、凶器は母親の物だった。
7人目は育児放棄と虐待があり、当日父親は釣りに行っていた。
8人目は父親に暴行されていた。
9、10人目は常用性の中毒症状があり、ネクタイで互いの手を結ばれていた。
1人目は車上放置され、凶器はその車のものだった。
泣き声は死後硬直が溶ける際、大量の水に肺から押し出された空気の音が反響した為だった。

148 :angel cry:2008/04/12(土) 14:27:06 ID:pNxumJXBO
全員に虐待があった事は犯人の意志を示しても犯人には繋がらない。
衛は言い難そうにしながら現状での推理を述べる。
神田川の遺体に攪乱された事。絞殺がへその緒を切る絹紐に重なること。
遥は衛に手をあげる。
弾かれた眼鏡を直し衛は続ける―遥の初恋の人を疑いたくは無いが―
虐待の調査結果が桧皮より―金島の方が多かったこと。
遥は金島の無実を証明することを宣言する。
手をあげたことを詫びられ、だから言いたくなかったと衛は苦笑した。

◆day7
遥は金島を張り込んでいた。
金島が出かけるのを見て鍵をこじ開け診療所に侵入する。
だが、ワゴンから在るはずの無いカルテと血染めの紐を発見してしまう。
ゴミ箱から遺書のようなメモを見つけた遥は、文面にあった「始まりの場所」を探し
最初の誘拐があったデパートへ向かう。

デパートは雑然としていた。
金島を見つけられないままデパートを駆けずり回る。
女性の悲鳴が聞こえたが場所が分からない。
なおも探すと既に脱出した金島が目に入る。
完全に見失った遥は力に頼る―高架下が一瞬だけ見えた。

力が示す場所―だがそこに人影は無い。
諦めかけた時…金島が現れた。どうやら早すぎたらしい。
泣きながら問う遥に、金島は己が快楽殺人者であると告げる。
赤ん坊にかけられた紐―遥は銃を構え―紐が締まり―引き金が引かれ……
金島は最後に「ありがとう」と言った。

解決した事件。だが、何かが気にかかる。
搬送された金島は助からなかった。
赤ん坊が元気に戻った事だけが、救い。

(リストが埋まって居ない時)
しかし、金島の死を知った涼子はその夜自宅に火を放ち自ら命を断ってしまう。
遥に出来る事は無かったのか…衛は遥を労うが何かが欠けていた事を示唆した。
事件は同じ過ちを犯さない為の…高い授業料になってしまった。
→ Unfinish

(リストが埋まって居る時)
…今までの被害者達は虐待された嬰児だった。
腕の中の子供はあまりに元気過ぎる。
御陵公園に死体が遺棄された日、金島は学会に出席していなかったか。
犯人は快楽殺人者では無い―動機は嫉妬のような渇望であったはずだ。
雄太は犯人が女性だと言っていなかったか。
あと少しの手掛かりを得るため遥は禁を破り力を使ってしまう。

149 :angel cry:2008/04/12(土) 14:33:27 ID:pNxumJXBO
(未来視を使い過ぎた場合)
力が見せた意外な犯人。
驚愕の中、遥は崩れ落ちた。

―一年後

病室で母親は物言わぬ娘を見守る。
来訪者は衛―回復が絶望的な状態で尚、彼は見舞いを欠かさなかった。
力に頼り過ぎた彼女を諫めきれなかった事が、悔やみきれない。
母親は衛に自分の人生を生きろ、それを娘―遥も望んでいるだろうと告げた。
気丈だった母親が漏らした弱音に、衛は彼女を励ました。
遥は彼女に似て強い女性だから―きっと回復する。
衛は続ける、遥の犠牲になったつもりは無い。
―目覚めた彼女に指輪を渡すという希望が自分には満ちている。
→bad end

(未来視の使用が少ない時)
衛は教授のゴーストをいつものように引き受けていた。
テーマは最後の晩餐、ダヴィンチのキリストと12使徒…
―不妊に悩んでいたのは誰だったか―
12番目―ユダは裏切る。
衛は論文は間に合わせると言い残し研究室を飛び出した。

遥がたどり着くと診療所は既に火の海だった。
火の手を避け潜り込んだ診察室で彼女は痩せこけた嬰児の首を青い絹紐で締めていた。
制止する声に―涼子は顔を上げる。
遥には分からない、彼女の独白は続く。
死にかけた赤ちゃんを助けようとしただけだった。なのに、
我が子を殺しかけた母親は被害者顔でテレビに出ていた。
涼子は怒り、悲しみ、憎み、親元に戻ってもまた同じ目にあうであろう子供を哀れんだ。
彼女が望んでも得られない物を蔑ろにする者達を憎んだ。
だから哀れな子供達と死ぬことを選ぶ、13の翼を持つルシフェルになって。

未来視が見せた彼女の深い絶望、遥は同じ立場なら同じ事をしたかもしれない。
だが、それは赦せないと、生きて償えと遥は叱責する。
もっと早く出会えていれば…そう言い残して涼子は遥を突き飛ばす。
涼子と赤ん坊の姿は瓦礫の向こうに消えた。
逃げようとするが、煙と力の後遺症で体の自由が利かない。
衛の言うとおり、力を使っても結局誰も救えなかった。
無力感に包まれながら遥の意識は遠のいていく。

―遠くで…あいつの呼ぶ声が聞こえた気がした。

(スタッフロール)

150 :angel cry:2008/04/12(土) 14:40:45 ID:pNxumJXBO
不甲斐ない結果に悪態をつく羽生と、個人プレーに釘を差す鳥越に囲まれて、
あちこちに包帯を巻いた遥は珍しく愁傷に聞いていた。
無力さに落ち込む遥に、単身で無くとも全てを救えると想うのは傲慢だと鳥越は諭す。
12人目は助かった、それだけでも無駄ではない。
羽生は金島が末期癌でいずれにせよ長く無かったことを告げ……彼なりのフォローらしい。
一刻も早い復帰を指示し、2人は退室する。

入れ違いに現れたのは衛だった。
説教を重ねられ凹む遥の左耳に手を添える。
耳元には無くした筈のイヤリング―24日の所用とはこれの事だった。
冷やかしに現れたアンナを新米の看護士はターナーと呼び電話を告げた。
電話の主はディッシユ。
遥に告げられた彼女の名前は―アンナ・リン・ターナー……
→true end

以上です…長くなってすいません…
152 :ゲーム好き名無しさん:2008/04/12(土) 15:00:24 ID:YgR7uRlXO
力作乙です。おもしろかった。
しかし暗いし生々しい話だなー。コンシューマーゲーム機だと年齢規制つきそう。
アプリは規制ゆるいのかな。

でも途中でこの名前誰だったっけ?となった。俺の記憶力が悪いせいもあるけど。
最初のレスで人物説明表入れてくれると、そうなったときにそこ見て確認できるから助かる。

163 :angel cry:2008/04/13(日) 00:00:36 ID:pNxumJXBO
>>152
今更ですが……

◆登場人物
遥:主人公。刑事。未来を視る力を持つ。
衛:史学士。遥の幼なじみ。
鳥越:警視正。遥の上司で衛の父親。
羽生:刑事。遥とは犬猿の仲。
金島:医師。遥の先輩で捜査協力者。
涼子:主婦。金島の妻。
アンナ:医師。遥の主治医。
桧皮:医師。アンナの病院の院長。
白沢:容疑者。小児性愛者で遥の父の敵。
佐伯雄太:男児。3件目の発見者。

◆犯行・凶器一覧(発見順)
1:新宿ロッカー。赤いコード。
2:御陵公園。青い針金。
3:池袋デパート。赤いビニール紐。
4:神田川。青い靴紐。
5:山手線線路脇。青い凧糸。
6:渋谷公団。青いゴム紐。
7:百人町マンホール。青い釣り糸。
8:新宿駐輪場。血染めの紐。
9-10:箱。紺のネクタイ。
11:池袋自販機。紺の帯紐。

被害者と発見者はまでかくと際限なく…
コンシューマーだとB相当ですかね…

最終更新:2008年04月14日 19:13