ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト

ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト

part39-246~250,457~463、part41-203~206、part43-150~159


246 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/06(金) 20:37:27 ID:guS84ymZ0
ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト、
とりあえず今書けている分だけ行きます。

まずはプレイヤーキャラの紹介から。

■ ユーリィ :クラヴァット族♂
 双子の弟の方。姉のチェリンカと対照的に恐いもの知らず。
クリスタルから引き出された力を制御する能力を持つが、チェリンカと一緒でないと魔法を使うことが出来ない。

■ チェリンカ :クラヴァット族♀
 双子の姉。ユーリィに対して姉らしく振る舞おうとするが、実はとても恐がり。
魔法の第一段階としてクリスタルの力を引き出すことが出来るが、ユーリィがいないと魔法として意味をなさない。
彼女は実際の戦闘には一切参加しない。

■ アルハナーレム :ユーク族♂
 双子が幼い頃から家族同然に暮らして来た人物で、薬草学と魔法学に精通している。
通称アル。ユーク族はヘルメットのような仮面を身に付けているため素顔は不明。
一人称は「我」、語尾は「~である」。

■ ミース :リルティ族♀
 アルとともに双子の師匠のような存在。リルティ族は成人しても子供のような外見。
錬金術を得意とし、元素をポットに溶かすことで魔石(魔法を使うために必要なアイテム)を錬成することが出来る。
外見の印象とはかけ離れたエキセントリックな発言が多い。語尾は「~なのです」。

■ ナッシュ :セルキー族♂
 森で生まれ育った野生児。鋭い勘と、敏捷なセルキーの中でもずば抜けた身体能力を持つ。
犬や猫とも会話できるらしい。正直陰が薄い。


ちなみにこの世界では月は真っ赤で、まがまがしい星だとされています。

247 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/06(金) 20:39:25 ID:guS84ymZ0
大雨の降る、山間の小さな村。
不気味な仮面をつけた人物が、高台から村をじっと見下ろしている…。

冒頭とはうって変わって快晴の空。
幼い双子の姉弟、ユーリィとチェリンカは父ラトフの薪割りの様子をじっと眺めている。
双子の無言の催促に押されて、ラトフは薪割りを子供達にやらせてみることにした。
どちらが先にやるかで言い合いをするユーリィとチェリンカ。
チェリンカは自分が先に生まれたのだから自分が先だと主張し、ユーリィは双子に姉も弟もないと言い張る。
結局二人で協力して薪割りをすることに。
しかし、薪割り用のナタは二人がかりでも持ちあがらない。
そこへ双子の師でもあるアルハナーレム(以下、アル)とミースがやって来た。
アルへタックルして抱き付くチェリンカと、ミースの頭をなでなでするユーリィ。
「子供扱いするなですー」と言いつつもミースはうっとりした表情をする。
力に頼りすぎだ、とアルとミースは魔法の原理を教えるが、双子の子供にはまだ理解できない。
実践するのが一番だと、今度はラトフに支えてもらい、再び薪割りに挑戦する。
目を閉じて集中する双子に、ラトフは強い心に出来ないことなどない、と言う。
出来ないとあきらめた時、すべての道が閉ざされるが、
出来ると信じた時、世界のすべてが力を貸してくれる。
こっそりラトフが手を離したのにも気付かず、ユーリィとチェリンカがナタを振り降ろすと見事に薪が割れた。
驚いている二人に、ラトフは今使ったナタをくれた。双子は早速そのナタを持って遊びに行くことにする。
そんな二人を遠くから見ながら、ラトフ達は密かに二人の能力に舌を巻いていた。
これではすぐに追い越されてしまう、とラトフは嬉しそうだ。
そして子供達の成長を実感しながら、あれからずいぶん経つのか、と何かを思い出しているラトフであった。

ユーリィの提案により、双子は「いつものところ」、裏山の洞窟に行くことにする。
洞窟の中は暗く、何も見えなかったが、ユーリィはチェリンカに「あれをやってよ」と催促する。
チェリンカがポケットからクリスタルを取り出すと、クリスタルは強い光を放って輝き出した。このクリスタルはチェリンカが触れたときだけ輝くらしい。
クリスタルの光で辺りがよく見えるようになり、二人は洞窟の奥へと進む。
内心は恐くてたまらないチェリンカは、そろそろ帰ろうと言い出した。
この洞窟は昔、死者を埋葬した場所であるらしい。しかしユーリィはそんなのただの抜け殻じゃん、と気にしない。
そしてお腹が減ったから帰る前に、あの特大の箱を開けようと言い出した。
それはどう見ても棺桶。慌てるチェリンカ。
しかもユーリィが何か仕掛けを踏んだような音がして、棺桶がふっ飛び、
いきなりサソリ型の巨大なモンスターが飛び出して来た。
サソリの針にあたる部分には、気持ち悪い紅い色のクリスタルが。
無事サソリを倒すと、ユーリィは「おもしろかった」とけろりとしている。
二人が帰ろうとした時、目の前に見知らぬ少女の幻影が現れた。
悲しげな表情で何か言いたげにユーリィ達を見つめる少女。
チェリンカは「でたぁぁ!」と絶叫。有無を言わさずユーリィの手を引っ張り、その場から逃げ帰るのであった。
幻影の少女も、人の気配を感じると消えてしまう。それは、あの仮面の男だった。

248 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/06(金) 20:42:48 ID:guS84ymZ0
その日の晩、一旦はベッドに入ったユーリィとチェリンカだが、ユーリィは家の外へ出ていってしまったラトフを追って外へ出ることにした。
戸口にモーグリのスティルツキンを置いて、チェリンカを閉じ込めるユーリィ。
ラトフは丘に立って遠くを眺めている。
ユーリィがラトフに声をかけると、いつの間にかチェリンカが後に付いて来ていた。
ラトフが眺めていたのは、遠くに見えるシエラ湖の上を舞うたくさんの光だった。
あれは鬼火と呼ばれ、以前にあそこで死んだたくさんの人達の魂らしい。
あれだけ燃えても燃えつきない光だから、きっと心の強い人達だったんだろうと言うユーリィ。
ユーリィは死んだ母、アーチェスのことをラトフに聞く。
アーチェスは代々の巫女の家系に生まれ、その中でも希代の力を持っていたらしい。
家に戻る途中、ラトフは冬ごもりの準備のために明日は王都に行くと告げた。
そして、ユーリィとチェリンカも王都へ連れていってもらえることになった。

翌朝、ユーリィはチェリンカより寝坊したことを悔しがる。
戸口を塞いだまま眠っているスティルツキンを「強い心」でふっ飛ばすラトフ。
一方、チェリンカはアルとミースの家にいた。
チェリンカはアルに頼まれ、自分のクリスタルを貸す。チェリンカはこのクリスタルを握りしめて生まれて来たらしい。
アルは彼女のクリスタルをペンダントにしてくれた。
チェリンカにしか使えない最高のものだから、なくさないようにということらしい。
さらに、彼女に本格的に魔法を教えようとする。
ユーリィと二人なら力の生成も制御も思いのままなのに、一人だけだと何故か全く魔法が使えないらしい。
クリスタルの力を意志の力で制御し、意味付けをすることで初めて魔法が発動する。
教わった通りにやろうとするチェリンカだが、うまく出来ない。
ラトフとユーリィが待っているからと、アルの家を出て行くチェリンカ。
アルは、そのクリスタルはそう簡単には使えない、なぜならそれの魔力許容量は天体並みの…とつぶやく。
その時、チェリンカが出ていった扉の外からまぶしい光があふれて来た。
同時に、力を解放されたクリスタルが放つ澄んだ音が聞こえて来たのだった。

家の外で待つ父とユーリィに、チェリンカは嬉しそうにペンダントを見せる。
全員そろったところで、王都レベナ・テ・ラに出発する。
初めて見る大きな街にユーリィとチェリンカは興奮気味。
さらに、ラトフから神殿の鐘が3回鳴るまで自由に街を見て回ってもいい、買い物もおkと言われ大喜びする。
最後にラトフは、「神殿には決して近づいてはならない」と厳しく注意するのだった。
早速いろいろと街を見て回る。
広場にはこの国を治める王様の銅像があり、王様の名前はコルカというらしい。
名君として有名だったが、一人娘を亡くしてからはあまり人前に姿を現わさないそうだ。
街を見て回るうちに鐘が3回鳴ったので、集合場所の広場に行く。
しかし、時間が過ぎて夕方になってもラトフは姿を現わさない。その時、待ちくたびれた二人の視界に、ラトフと思しき姿が。
ラトフの後を追う二人。街の人達の様子も何だかおかしい。
父の姿は、レベナ・テ・ラの旧市街に入っていったので、二人もその後を追う。

249 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/06(金) 20:44:34 ID:guS84ymZ0
レベナ・テ・ラの旧市街には住む人の姿もなく、魔物がうろついていた。
街のすぐ近くに魔物がいることに驚くユーリィとチェリンカ。
それでも父を探すために旧市街の奥へと進んで行く。
二人が一番奥までたどり着いたとき、神殿から鐘の音が聞こえて来た。
それを聞いて何故か気分が悪くなり、ユーリィはその場にうずくまってしまう。
そこへ牛のような姿のボス(ベヒーモス)登場。その身体には例の紅いクリスタルが。
鐘がやむとユーリィも頭痛から開放されたので、早速ボスを倒す。
敗北したボスは逃げ出す。ボスが広場に行けば大変なことになると、二人もその後を追う。
ボスを追いかける二人の前に、裏山の洞窟で出会った少女の幻影が現れる。
おびえるチェリンカ。しかし、少女は何も言わずに消えてしまう。
騒ぐ二人の前に、今度はラトフが現れた。彼も時間通りに広場に行ったはずなのだが、なぜ自分がここにいるのか記憶にないらしい。
ともかく親子3人無事に再会できたので、村に戻ることにした。

紅い月に照らされたテラスに、いかにも悪役面の人物が立っている。
その後ろには、仮面の男の姿が。
二人はよい素材が見つかった、アレがいくら優秀でもそろそろ…と思わせぶりな会話をする。
さらに仮面の男は主の命を受け、どこかへ行ってしまうのだった。

朝、ユーリィとチェリンカはアルとミースの家に遊びに行く。しかし、家にアルの姿はなかった。
巨大ポットでスティルツキンを煮込んでスープのだしにしようとしているミースに尋ねると、「ついさっき、ヴァール山に薬草を取りに出かけた」という。
アルは物陰に隠れて双子をやりすごしたのだが、結局あっさりと二人に見つかってしまった。
仕方なくアルはユーリィとチェリンカをヴァール山に連れて行くことにしたのだった。
雪の降り積もったヴァール山に到着した三人。この山はユーク族の修行の場でもあるそうだ。
この山にはモーグリそっくりの姿をしたモーグリ草という草が生えている。
この花は開花するとモーグリそっくりの姿になり、成分も変化して貴重な回復薬の原料になるらしい。
今回は、その中でもひときわ大きいデカモーグリ草が目的。この季節なら頂上近くに生えているだろうという話なので、三人は頂上を目指して山を登ることに。
頂上で目的のデカモーグリ草を回収した三人の前に、鳥型のボスが出現する。
ユーリィとチェリンカがボスの紅いクリスタルに見覚えがあることにアルは驚くが、ボスは問答無用で襲いかかって来る。
ボスを倒した後、アルはあの紅いクリスタルについて説明してくれた。
通常、クリスタルは淡い青色をしており、紅い色のものは存在しない。
しかし邪悪な意志によってねじ曲げられたクリスタルは、拒否反応によって紅くなるらしい。
こういったクリスタルに気をつけるように注意するアルだが、ユーリィは楽天的に考えているようだった。
三人が村に帰ると、旅に出るらしいスティルツキンをラトフとミースが見送りに出ているところだった。スティルツキンを見送った後、皆は食事を取りに家の中に帰っていく。
しかしアルだけが今にも降り出しそうな空を見上げて、「…イヤであるな」とつぶやくのだった。

(続く)

250 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/06(金) 20:47:26 ID:guS84ymZ0
今回はとりあえずここまで。
ストーリーはこの後雰囲気が一変します…。
次からはもっと簡潔に書くつもり。

457 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:06:20 ID:u54AuVRq0
続き行きます。
全然簡潔になってないのはご勘弁を…orz

夜、村は予想通り大雨になった。ラトフ達親子三人がくつろいでいると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
ユーリィがドアを開けに行くが、外には誰も見当たらない。
その時、アルの「ラトフ様、神殿の者である!」という叫び声が。
それを聞いてラトフはユーリィに戻るよう叫ぶが、次の瞬間ユーリィは何者かにふっ飛ばされ、家の中に転がりこんで来る。駆け寄るチェリンカ。
ゆっくりと家の中に入って来た仮面の男を、ラトフは「クー・チャスペル」と呼んだ。
アーチェスのみならず子供達までもと憤るラトフに、チャスペルは教皇は「予備」と望んでいると答える。
子供達を「予備」と呼ばれ激昂したラトフだが、逆にチャスペルから反撃を喰らう。
しかし、隙をついたユーリィの一撃で仮面を傷つけられたとチャスペルは逆上。
それを見たラトフはチャスペルに斬りかかるが、チャスペルはユーリィとチェリンカに向けて魔法を放つ。
子供達をかばって自ら魔法を受けるラトフ。
さらにチャスペルは、背後からラトフが落とした剣を彼自身の背中に突き立てるのだった。
チャスペルは笑いながらチェリンカを連れ去ろうとするが、倒れたはずのラトフの一撃で事なきを得る。
あなたは化け物ですかとうろたえるチャスペルに、この子達を守るためなら何にでもなろうと言い放つラトフ。
そしてラトフはユーリィとチェリンカに、辛い思いをさせてすまなかった、と謝るのだった。しかし、そこで彼は今度こそ力尽きてしまう。
崩れ落ちる父を呆然と見つめるユーリィとチェリンカ。
チャスペルは狂ったようにラトフを嘲笑う。
その時、強い光に気付いてチャスペルは笑うのをやめた。その光はユーリィとチェリンカからあふれていた。
ぼくはお前をゆるさない、とつぶやくユーリィ。
強烈な力にチャスペルはうろたえ、その姿は二人の放つ輝きに飲み込まれていった。

ユーリィが気が付いたとき、既にチャスペルの姿はなかった。
目の前に横たわっているもの言わぬ父の姿が、あれが夢でなかったことを示していた。
ユーリィは寒空の下、たった一人で家の近くに父を埋葬する。
家に帰って、チェリンカに食事を運ぶユーリィ。彼はチェリンカにいろいろと語りかけるが、彼女からの反応はない。
あの時以来、チェリンカは心を失い、人形のようになってしまったのだ…。

簡素な父の墓の前に立ち、ユーリィはラトフに語りかける。
どうしたらいいか分からないけど、ぼくは大切な人を…チェリンカを守りたい、と。
その時、ユーリィの脳裏にラトフの言葉がよみがえって来た。
「できないとあきらめたとき、すべての道が閉ざされるが、
 できると信じたとき、世界の全てがお前に力を貸してくれる。
 強い心にできないことなどない」
父の言葉に励まされたユーリィは、父が遺した剣を手に取り、
「生きて、生きて、生き抜いてやる!」と誓うのだった。

458 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:09:50 ID:u54AuVRq0
年月は流れ、ユーリィはたくましく成長していた。
ある日、いつものように彼が剣の稽古をしていると、脳裏に(ユーリィ…)と呼びかける声が聞こえて来た。
気のせいだろうと再び稽古に励むユーリィ。
しかし、再び自分に呼びかける声が聞こえ、後ろを振り返る。
そこには、やはり美しく成長したチェリンカの姿が。彼女は戻って来たのだ。
成長したユーリィを見て、少しとまどうチェリンカ。
しかし、彼女は声を失っていた。(ユーリィとは心の声?みたいなもので会話している)
それでもチェリンカが戻って来たことを喜ぶユーリィ。
彼はチェリンカが戻って来た喜びと安堵で、ついに泣きくずれてしまうのだった。

夜、丘に立って鬼火を眺めているユーリィ。そこへチェリンカがやって来る。
チェリンカからこれからどうしたいのか問われ、ユーリィは戦うつもりだと答える。
あの時のアルの「神殿の者」という言葉から考えて、このまま彼らが自分達を見逃すとは考えられないというのだ。
チェリンカは言う。自分は力を使うことは出来るが、それに意味を込めることができない。
力に意味を込めるのはユーリィの役目だというチェリンカ。
ユーリィとチェリンカはどこまでも一緒にいることを誓うのだった。

翌朝、チェリンカはこれからどうするつもりなのか尋ねる。
ユーリィは村に墓がふたつ足りないことを指摘する。
あれからアルとミースをいくら探しても、どこにも見つからなかったのだ。
ユーリィには心当たりがあるらしく、二人は再びヴァール山に向かうことに。
久々に頂上に立った二人だが、辺りは猛吹雪で周囲がよく見えない。
ユーリィが精神を集中して剣を振るうと、吹雪を切り裂いて周りがよく見えるようになった。
すごい、と目を丸くするチェリンカに、ユーリィはこれくらいなら出来るようになったと言う。
そして、チェリンカほどではないものの、近くに誰がいるか感じられるようになったとも。
その視線の先には巨大な紅いクリスタルに囚われたアルの姿が。
ユーリィはこの事に以前から気付いていたものの、チェリンカのそばを離れられなかったのだ。
ユーリィはクリスタルが繰り出す魔法を避けながら、何とかクリスタルの破壊に成功。
解放されたアルがその場に倒れ込む。
目を覚ましたアルは、ユーリィとチェリンカから詳しい事情を聞き、
二人の成長に内心驚きながらも協力を申し出てくれた。
アルはレベナ・テ・ラの王様にこの異変を直接報告するつもりらしい。
というわけで、三人は一路レベナ・テ・ラへ。

459 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:11:31 ID:u54AuVRq0
王都に到着したところで、アルはようやくチェリンカの声が本当に出ないことに気付く。
今までは恥ずかしがって念語を使っていただけだと思い込んでいたらしい。
アルによると、大きな力を使うには、それなりの代償が必要となる。
チェリンカの場合、力の代償と衝撃的な出来事に遭遇したせいで声を失ったので、
時間が経てば必ず元に戻るだろうとのことだった。
さて、久々に訪れたレベナ・テ・ラだが、少々状況が変わっているようだった。
三人は街に入った途端、なんとクリスタルの持ち込みが禁止されていることを知った。
どのクリスタルもいつ紅く変質し、魔物を呼ぶか分からないからだというのだ。
チェリンカのクリスタルは見つかることなく、三人は城へ向かう。
王に会おうとするも、門番から阻まれどうしても通してもらえない三人。
その時アルが、思い切った様子で自らの昔の肩書きを名乗る。
「我が名はアルハナーレム、かつて宮廷魔術師として王宮に仕えていたものである」と。
アルの意外な過去に驚くユーリィとチェリンカ。
しかし、それを聞いた門番は意外なことを口にする。
アルハナーレムなら今でもコルカ王のそばに仕えているというのだ。
揚げ句の果てには目の前のアルは偽物扱いされ、三人は城から追い払われてしまった。
仕方なく城を離れるユーリィ達。
そこへ、広場で王からのお触れが読み上げられた。
深淵の森と呼ばれる森で、凶悪な魔物が多数徘徊するという異変が起きており、
近くコルカ王は討伐隊を出すつもりらしい。
そのために森の情報を必要としており、重要な情報を持っている者には王が直接会って話を聞くとのこと。
ただし、森は非常に危険なため、一般人は立入禁止、ということだった。
それを聞いてユーリィとチェリンカは当然のように森へ行こうとする。
慌ててアルが止めようとするが、王様に会うには情報を得るしかないと説得され、
渋々三人で森へ行くことを了承するのだった。

森と言うよりジャングルのような雰囲気に変わってしまった深淵の森。
ユーリィは久々に探検が出来るせいか、心なしか嬉しそうな様子。
森を進んで行くうちに、三人はセルキー族の少年が魔物に襲われているところに遭遇する。
魔物から毒を受けてピンチの少年。
三人は魔物を撃退し、少年の毒をアルの魔法で中和してやった。
ユーリィ達から名前を聞かれ、少年は自分の名前がナッシュであることを思い出す。
ナッシュの話によれば、森がヘンになったのはヘンな花が現れてかららしい。
さっそくそのヘンな花を倒しに行こうとするユーリィ達。
自分がいなければ花は倒せない、とユーリィ達にナッシュも加わることになった。
野生児ナッシュの驚異の跳躍力と、謎の物体「矢じろべ」(食べるとうまいらしい)のおかげで、ユーリィ達は例の花のところへたどり着いた。
超巨大な花弁の中央には、やはりあの紅いクリスタルが。
花型のボスを倒してナッシュが耳を澄ますと、少しずつ森の動物達が戻って来る声が聞こえて来た。
ユーリィ達は異変の情報を持ち帰るどころか、異変そのものを解決してしまったのだ。
さっそくコルカ王に謁見するため、レベナ・テ・ラに戻ろうとするユーリィ達。
するとナッシュも当然のようにユーリィ達について行こうとする。
命の恩人には、恩を返すまで絶対離れないつもりらしい。
こうして、改めて森の野生児ナッシュが仲間に加わったのだった。

460 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:13:21 ID:u54AuVRq0
レベナ・テ・ラでは、空の向こうに黒い雲が湧き起こり、今にも雨が降り出しそうな雰囲気。
四人となったユーリィ達が城に入ろうとすると、やはり門番達に止められる。
四人の、森の異変を解決したという主張を信じていない門番だったが、
アルの半ば脅しのような言葉で、慌てて城の中に入ることを許可してくれるのだった。
ようやく謁見かなったコルカ王だが、玉座に力なく座り、アルの言葉にも反応薄。
おまけにアルのことも覚えてないらしく、仕方なくアルはユーリィとチェリンカを王に紹介する。
この二人はラトフとアーチェスの忘れ形見である、と。
ラトフ、アーチェスという名前にコルカ王は反応を示す。
そして何かを思い出そうとするのだが、その直後頭痛に襲われ玉座に座り込んでしまう。
王の傍らに侍していたユーク族の人物は、王の体調不良を理由に、王に私室まで戻るように勧める。
それに答えて私室へ戻ってしまうコルカ王。
しかもそのユーク族を「アルハナーレム」と呼んだのだ。
それを聞いて驚くアル。「アルハナーレム」と呼ばれた人物は、自分こそアルハナーレムだと胸を張る。
「しかしお前は女ではないか!」と仰天するこちらのアル。
が、周囲には王のそばにいた人物が女性かどうかすら分かっておらず、
むしろアルの言葉に驚いた様子。
アルハナーレムを騙る人物は、魔術師を名乗る割には魔法の初歩すら分かっていない様子。
アルは自分こそアルハナーレムであることを証明するため、
「我が我である証」を持ってくると宣言。
そのためにアルの「置いて来た過去」があるというレラ・シエルに行くことになった。

かつてシエラ湖にあった都市、レラ・シエル。
しかし、今では往時の繁栄の見る影もなく、ところどころ水没して廃墟と化していた。
雨の降る中レラ・シエルにやってきたユーリィ達だが、施設の入口にはカギがかかっていた。
しかし、レラ・シエルのカギはアルが預かっているという。
アルはこの大雨ではさらなる崩壊が近いと考え、四人は先を急ぐのだった。
仕掛けでスイッチを調節しつつ、レラ・シエルの奥へ急ぐユーリィ達。
その途中、一行はまるで村のアルとミースの家のような雰囲気の部屋にたどり着いた。
すると、ユーリィ達が入って来たのとは反対側の入口から、ひょっこりミースが入って来る。
「ただいまなのですー」「おかえりなのですー」と哀しい一人芝居をしては、結局寂しさでうなだれてしまうミース。
そこへユーリィ達が驚いて声をかける。
最初は成長したユーリィとチェリンカが分からなかったミースだが、
本当に二人と再会できたことが分かって、嬉しさのあまり泣きだしてしまうのだった。
しかし、レラ・シエルの崩壊が近いため、先を急ぐしかないとアルが警告した途端、
ユーリィ達が入って来た方の入口が崩れ去ってしまった。
仕方なく、ミースがやって来た方の入口から出口を探すことに。
この先はミースしか通れないところがあるらしく、しばらくミースの単独行動になる。
この時、仲間との会話で次のようなことが分かる。
あの雨の日、ミースの前に仮面の男が現れ、彼女を錬金ポットに押し込めて、
村の崖から投げ落としてしまったらしい。
ポットに詰め込まれたまま転がり落ちて、彼女は気が付いたらレラ・シエルの貯水槽にいたらしい。
そして、出口が閉じられていたためあちこち出口を探し回るうちにすっかり迷ってしまったのだ。
さらに、アルはミースに我が持っていた杖を見たことはないか、と尋ねる。
それはかつてアルが王から賜ったものであるらしい。
しかしミースの答えは「あるけどない」。
なんとアルの錫杖は、ミースが燃料にするためにとっくの昔に燃やしてしまったらしい。
アルはその杖を「我が我である証」と考えていたらしく、
「杖より命の方が大事」というミースの言葉に納得しつつも落ち込んでしまうのだった。

461 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:16:13 ID:u54AuVRq0
さて、チュートリアルがてらミースが先に進むためのスイッチを押して、
改めてユーリィ達とミースが合流。出口を探しに先へ進むのだった。
しかし、あるところで目の前の扉が開かず、それ以上進めなくなってしまう。
その時アルとミースに、頭から水がぶっかけられる。
傍らの巨大水槽の中を泳いでいる、巨大な魚の仕業のようだ。
まるでアルやミースに恨みでもあるかのような攻撃だった。
一方ミースは「これもゆとり教育の弊害なのです、近頃の若者はすぐキレやがるのです」と自分がキレまくり。
ミースの宣戦布告でボスとの戦闘開始。
見事ユーリィ達が勝利すると、ボスはミースの復讐リストに名前を載せたまま逃げて行った。
ようやく開いた扉をくぐり、まっすぐに伸びた通路を急いで進むユーリィ達。
すでに多量の雨による崩壊が始まっており、周囲には不気味な轟音が。
途中で転んでしまったチェリンカをユーリィが助け起こした、まさにその時。
ついに水圧に耐え切れなくなった天井が崩落、大量の水とともに瓦礫が五人の頭上へ降り注いだ。
自分に向かって落ちて来る瓦礫を見つめながら、ユーリィは「こんなところで終わりたくない」と強く思う。
そしてチェリンカの制止を振り切って、チェリンカの介在なしに一人で魔法を発動させてしまう。
ユーリィの魔法によって時が止まったかのように瓦礫や水流がその場に静止する。
その隙に目の前の横穴に飛び込むユーリィ達。
横穴の先は円形の広間になっており、中央には光を失ってしまった巨大クリスタルがあった。
ここはまだ施設の機能が生きているらしく、ひとまず崩壊の危機からは逃れ得た。
しかし、今度はユーリィの様子がおかしい。
心配する仲間たちに大丈夫だと言いつつも、ついにその場に倒れ込んでしまうユーリィ。
その身体はどんどん冷えて行く。
どうやらチェリンカなしで魔法を使った結果らしい。
風前の灯のユーリィを前に、仲間たちには打つ手がない。
その時、チェリンカが「誰かユーリィを助けて!」と叫び、彼女に声が戻って来た。
そんなチェリンカの叫びに応えるように、クリスタルの前にあの少女の幻影が現れる。
もはや少女を恐がることなく、必死にユーリィを助けてほしいと懇願するチェリンカ。
チェリンカのクリスタルと呼応するように、広間のクリスタルも輝き始めた。
彼女はそばに落ちていた衣服を示すと、再び消え去ってしまった。
その、少女が着ていたものと同じ服をユーリィに着せかけてやるチェリンカ。
服の不思議な力によるものか、チェリンカの呼びかけにユーリィが答え、
彼は命の危機を脱することができた。
アルの話により、ここがクリスタルの間と呼ばれ、地上まで吹き抜けであること、
さらに地上のスイッチを押せばワープが開くことを聞いたナッシュは、足掛かりすらない縦穴をジャンプして見えなくなってしまう。
一方ミースはその服に見覚えがあるらしく、激しく動揺し始めた。
チェリンカとユーリィから、二人が子供の頃に何度か出会った少女の話を聞くミース。
チェリンカは、ユーリィを助けてくれたのは彼女だと話した。
二人の話す少女の特徴から、ミースはそれがテテオと呼ばれる少女だと理解したらしい。
テテオ様がおかわいそう、といきなり泣きだしてしまった。
詳しく話を聞くと、テテオはコルカ王の第一王女であり、優秀なクリスタル使いでもあったという。
クリスタル使いとは、特異なまでにクリスタルの力を使うことの出来る人間のことであり、チェリンカや双子の母・アーチェスもそうだったという。
特にアーチェスはレベナ・テ・ラ最強のクリスタル使いとされ、
未来をも見通すことから星詠みの巫女と呼ばれていたらしい。
そして、ミースはアーチェス付きの侍女兼テテオの教育係をしていたのだ。
ミースはあの日、テテオのクリスタル制御の勉強を兼ねてレラ・シエルにやって来たと語る。

462 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:17:54 ID:u54AuVRq0
話の続きを引き取るアル。
クリスタルを制御する技術により、いにしえから栄えて来た国、レベナ・テ・ラ。
そのレベナ・テ・ラがシエラ湖上に長い時間をかけて築き上げたのがレラ・シエルだった。
魔術師達はここのクリスタルを中心に複雑な魔法を張り巡らせ、シエラの水量を完全に制御することに成功。
レラ・シエルは王都を水難から守ることと、学術機関としての二つの顔を持っていた。
そしてラトフとアルはレラ・シエルの責任者だったらしい。
ある日、連日の大雨でシエラの水量が増え、大事を取ってラトフとアルは人々を避難させ始めた。
その時、クリスタルの間から真っ赤な光の柱が立ちのぼり、クリスタルは拒否反応を起こして暴走。
結果として多数の犠牲とともにレラ・シエルは崩壊したのだった。
アルによれば、巨大クリスタルを暴走させるにはクリスタル使いレベルの者が介入しないとダメらしい。
テテオが疑われていると誤解して、憤慨しながら話に割り込むミース。
しかし、アルによればそこが謎らしい。
クリスタル使いであることは、すなわち清浄な力に満たされているということ。
それならクリスタルが邪悪な意志で紅く変質することは考えられないというのだ。
アルは何かに思い当たったようにつぶやく。月…月…月の民、と。
「月の民」という言葉を聞いたミースは、はっとして現在の教皇の拝命式のことを思い出した。
テテオが教皇を見るなりひどくおびえ、月の民だと言ったというのだ。
もはや一連の黒幕が神殿と教皇であることが確定し、ミースは怒り心頭。
アーチェス様だけでなくテテオ様まで…とつぶやいてしまう。
すかさずチェリンカに突っ込まれ言葉を濁すアルとミースだったが、
チェリンカに叱られ、仕方なく真実を話す。
双子の母であるアーチェスは、二人が生まれてまもなく神殿にさらわれたというのだ。
しかし、二人に復讐に囚われて欲しくないという思いから、
ラトフとアーチェスが子供達にこの事実を秘密にしておいたものらしい。
両親の願い通りまっすぐ育ったユーリィとチェリンカを喜ぶアルとミース。
いつの間にか地上からナッシュが戻って来ており、
このことを王に報告するためにも、彼が起動してくれたワープを通って五人は地上へ戻るのだった。

(続く)

463 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/06/21(土) 18:22:16 ID:u54AuVRq0
補足
ナッシュもミースもチェリンカの心の声は聞こえているらしい。
今後チェリンカは肉声で会話するのであんまり意味ないですが…。

203 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/09/04(木) 17:16:22 ID:1fKzPyrr0
レベナ・テ・ラに到着した頃には雨もやみ、すっかり夜も遅くなっていた。
今度は門番に阻まれることなく城の中へ入ることが出来たが、玉座の間には王はおらず、アルを騙る偽物がいるのみ。
コルカ王はすでに私室で休んでおり、偽アルはユーリィ達を追い返そうとする。
そんな偽アルにテテオの法衣を見せ、王に会わせろと迫るミース。
偽アルはテテオの法衣を見た途端顔色を変え、すぐに五人を叩き出そうとする。
そんな騒ぎを聞きつけ私室から降りて来るコルカ。
ミースの持っている愛娘の法衣を見ると、コルカも顔色を変えた。
同時にアルとミースのことも思い出したらしく、偽アルを退けてユーリィ達を私室へ招いたのだった。
ユーリィ達は王の私室で、自分達が目にしたことをコルカに語った。
コルカは愛娘に起こったことをすでに覚悟しているようだった。
この法衣は彼が娘の誕生日に作らせた特別なもの。
さらにこれがテテオのものである証拠として、法衣の中に仕舞ってあるカギを取り出した。
これは単なるカギだが、これの持つ意味は果てしなく重い、とつぶやくコルカ。
さらに、ユーリィ達になぜこの国がレベナ・テ・ラと呼ばれるか知っているかと問う。
それはこの国に世界の全てがあるからだ、と言う。そしてこのカギはそれを開くカギなのだと。
しかし、愛娘を失った悲しみからか、コルカはその重みに耐えられなくなったと嘆く。
その時、どこからか不気味な声が聞こえて来た。「安心してお逝きなされませ」と。
次の瞬間クー・チャスペルが現れ、すばやくコルカの背後から彼を刃物のようなもので突き刺した。
驚いて立ち上がるユーリィ達。
苦しい息の下、コルカはチャスペル達神殿のものを「月の民」と呼び、お前たちにクリスタルは使えないはず、と呻く。
しかし、チャスペルによればその方法は実証済みで、テテオはよい実験体だったという。
さらにコルカに駆け寄ったユーリィを見て、あの日自分は抱いてはならない「恐れ」に身を焦がしたと言うチャスペル。
城内は侵入者に気付いて騒然となり始めた。
ユーリィに向かって「置き土産」を差し上げましょう、というチャスペル。
彼は大声で「賊に王が刺された!」と叫び、カギを奪って不敵に笑いながら去っていってしまった。
そこへチャスペルの叫び声を聞いた兵士達が駆け込んで来る。
彼らが見たものは、声の言う通り何者かに刺されて倒れているコルカ王と、そのすぐそばにたたずんでいるユーリィ達だった。
かくしてユーリィ達はコルカ王暗殺の犯人として誤解され、為す術なく捕らえられてしまったのだった。

204 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/09/04(木) 17:20:56 ID:1fKzPyrr0
ユーリィ達が気が付いたのは、どことも知れぬ場所だった。
あれから船に乗せられ、目隠しされたままここへ放り出されたのだ。
灼熱の溶岩が流れる不気味な場所だったが、アルによればここはキランダ島というらしい。
火山性の孤島であり、またの名を…罪人島。
その名の通り、昔から海に囲まれた脱出不可能な罪人の牢獄として使われている島らしい。仕方なくユーリィ達は罪人島を探索することに。
あちこちに灼熱の溶岩が流れているかと思えば、その傍らを触れただけで凍り付いてしまう極寒の大地が広がるという、不思議な光景を進んで行くうちに、五人は火山の火口のようなところへたどり着いた。
そこへ不格好なドラゴンに乗った処刑人登場。
襲いかかって来た処刑人を退けたユーリィ達だったが、その時島が轟音とともに激しく揺れ始めた。
危険を察知して逃げようとする五人。しかし、気が付くと地面から吹き出した炎に取り囲まれ、逃げ場がなくなってしまった。
しかも足元の地面が突如崩れ落ち、ユーリィ達はなす術なく地の底に落下していくのだった。

気が付くと、そこは罪人島とは全く違う、何かの建物の中だった。
ナッシュにも生きているものの気配が感じられず、こんなところは始めてだと言う。
アルによると、ここはもしかしたら死者の国かもしれないと言う。
それを聞いて軽くパニックになるミース。しかしユーリィの頭なでなでで落ち着きを取り戻した。
とりあえずユーリィ達は死んでおらず、生きているようだ。もしここが死者の国なら、生者がいるべきところではない。
というわけで、なんとか地上に戻る道を探すことに。
生き物はいなくともちゃっかり魔物は多数存在している神殿のような雰囲気の場所を進んで行くうち、五人の前に、大きなフクロウのような見たこともない存在が現れた。
驚いて悲鳴を上げるミース。その声にフクロウ人間はユーリィ達に気が付いた。
(ゲーム中ではフクロウ人間の名前は出て来ませんが、攻略本によるとこいつがカーバンクルだそうです…)
フクロウ人間…もといカーバンクルに地上に出る道を尋ねるユーリィ。
カーバンクルはうなずき、ユーリィ達を地上へ帰そうとする。
その時、どこからともなく大きな赤い球体がものすごいスピードですっ飛んで来て、ユーリィ達のそばの壁に激突。
それを見て、カーバンクルは「お前たちはクリスタルの加護を…やつめ、ここに気がつきおった」とつぶやく。
球体が激突した壁が崩れ落ち、その向こうから人影が姿を現わした。…その人影は、何と死んだはずのラトフ。
いきなりの父親登場に目を丸くするユーリィとチェリンカ。
カーバンクルによると、ここは戦場で傷付き倒れた魂がその傷を癒す場所。そしてラトフはあの赤い物体に魂を汚されてしまったらしい。
すぐにラトフを救うことを決心するユーリィとチェリンカ。
異様な眼光のラトフと戦ううち、ラトフに取り憑いていたものが正体を現わした。
それは「リッチ」と呼ばれる巨大なアンデッドの化け物。
しかし、リッチを倒してもラトフは倒れたまま何の反応も示さない。
この男の魂はあまりにも深く傷付いてしまった、と言うカーバンクル。
ユーリィとチェリンカは、自分達は父から多くのものを受け取った、だから自分達が受け取ったものでお父さんを癒せるなら、お父さんを癒したい、と答える。
双子の願いにこたえ、カーバンクルの頭上のクリスタルのようなものが輝きを放ち始めた。
これからお前たちが行くのはラトフにまつわる世界の記憶。
しかし、過去に起こったことは変えられない。どんな道をたどっても、必ずここにたどり着く。それでもいいなら行くがよい。
カーバンクルの言葉とともに、ユーリィ達は光に包まれた。

205 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/09/04(木) 17:24:22 ID:1fKzPyrr0
光がやむと、ユーリィ達は大雨の降る中にたたずんでいた。
彼らのすぐそばを大勢の人達が走ってどこかへ逃げて行く。
そう、ここは崩壊寸前のレラ・シエルだった。
過去のアルが避難している人々を誘導している横で、過去のミースが半泣きになりながらテテオ姫を探している。
そこへ若き日のラトフと、後に双子の母となる女性、アーチェスがやって来た。
避難中の人々が暴徒とならないよう、アルや兵士達に指示を送るラトフ。
一方、ミースはアーチェスにテテオが見当たらないことを訴える。
その時、レラ・シエルの中心部から真っ赤な光の柱が立ち上った。
どうやら光はクリスタルの間から発しているらしく、ラトフはクリスタルの間へ去っていった。
アーチェスも一度はアルに止められるが、ラトフの後を追ってクリスタルの間へ向かうのだった。
レラ・シエルのとある部屋では、兵士達が湖の水位を調節する制御棒を押し込む作業に追われていた。
しかし、どうしても一本の制御棒だけがびくともしない。兵士が諦めかけたその時、「諦めるな!」とラトフとアーチェス登場。
そして、ラトフはその怪力によるものか、それとも「強い心」の力によるものか、どうしても動かなかった制御棒を見事押し込むことに成功。
ラトフとアーチェスは兵士達を励まし、クリスタルの間へ向かうべく、さらにレラ・シエルの奥へ進んで行くのだった。
ユーリィ達もラトフ達の後を追ってレラ・シエルの中を進む。
途中、以前にミースが巨大魚から水をぶっかけられた水槽のそばへやって来た。
ラトフとアーチェスはその奥へと姿を消したのだが、扉が閉まって先へ進めない。
その時、水槽の中を見覚えのある巨大な影が…。
復讐すべき対象を見出したミースは、ここで会ったが百年目とばかり、さっそく超高速で魔石を錬成、片っ端から水槽の中へ放りこんで行く。
突然の大爆撃を受けた巨大魚は、当然怒り狂ってユーリィ達に襲いかかって来た。
ユーリィ達は再び巨大魚に勝利。念願の復讐を果たしたミースは高笑い。
しかし、ここは過去の世界。巨大魚はあの時ミースと出会う前なので、今回なぜ復讐を受けたのか身に覚えがないはず…。
こうして、巨大魚は後にミースと再会し復讐に水をぶっかけるまで、胸に恨みを抱いてレラ・シエルに潜んでいましたとさ。

(続く)

150 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:32:48 ID:BLBY9C5M0
クリスタルの間にたどり着いたラトフとアーチェスの目に飛び込んで来たのは、真っ赤に変質したクリスタルと、その中に囚われているテテオの姿だった。
ラトフはテテオを助けようとするが、そこへ「枢機卿」、つまりクー・チャスペルが現れた。
一目でチャスペルを月の民と見破るラトフ。チャスペル達月の民は、彼らの神のためにクリスタルを利用しているらしい。
そして、本来なら月の民はクリスタルを扱えないものの、クリスタル使いを介することでそれが可能になったのだと言う。
それを聞いて、ひどい、と声を上げるアーチェス。
力を使い果たしたクリスタル使いは、存在そのものが消えてしまうのだ。
さらにチャスペル達はテテオだけでは足りないらしく、今度はアーチェスの希代の力に目を付けている様子。
そして、怒りに震えるラトフを見て、チャスペルは笑い声を上げる。
その時、クリスタルの中のテテオがあれが落ちて来る…とつぶやいた。
次の瞬間クリスタルからすさまじい光がたちのぼり、ラトフもアーチェスもチャスペルも、その光の中に飲み込まれて行くのだった。
気が付いたとき、ラトフは雨の降る中に倒れていた。
そばにいたアーチェスは、「一般人の避難は済みました、でも…」と言い、顔を曇らせる。
立ち上がったラトフが目にしたものは、かつて水の都とうたわれたレラ・シエルの、見る影もなく崩壊した姿だった…。

場面は変わって、山間の小さな村。
夜、一人丘に立ってシエラ湖を眺めているラトフのそばに、アーチェスがやって来る。
ラトフが眺めていたのは、湖の上を舞うたくさんの鬼火だった。
それを眺めながら、自分を信じてついて来てくれた者達を守れなかったことを悔いるラトフ。
しかし、アーチェスは彼が自分を守ってくれたことを感謝し、微笑む。
ラトフはこれからもアーチェスを守ることを約束するのだった。
そんなラトフに、「ここに来てから本当に笑ったことがありませんね」とアーチェスが指摘する。
本当に笑いたい時に笑えばいい、そしてその笑顔を一番に見るのはたぶん私、とアーチェスが言う。そしてそれは予言ではなく、カンなのだとも。
アーチェスが一人つぶやく。「そしてそれはもうすぐ…」

月日は流れ、自宅の前でラトフが落ち着かずにうろうろと歩き回っている。
アルはそんなラトフをなだめ、落ち着くように言う。
その時、家の中から元気な赤ん坊の産声が聞こえて来た。
家の中から出て来たミースに、自分の方が慌てて生まれた赤ん坊やアーチェスのことを問い詰めるアル。
そんなアルにドリフの金だらいよろしく頭上から錬金ポットを落として黙らせると、ミースはラトフに生まれたのが女の子であることを告げる。
ミースは早速駆けつけようとするラトフを押しとどめる。生まれる子供は双子だったのだ。
そうしている間に家から二人目の産声が…。
それを聞いて矢も盾もたまらず、ラトフは早速家の中に駆け込むのだった。
家の中には、両腕に双子の赤ん坊を抱いたアーチェスの姿があった。
女の子の名前をアーチェスが、男の子の名前をラトフがつけることになった。
そして、ラトフは男の子を「ユーリィ」と、アーチェスは女の子を「チェリンカ」と名付けた。
アーチェスに勧められて、生まれて初めて我が子を抱いてみるラトフ。
我が子の生きている暖かさに心を打たれた彼は、「自分の全てをお前たちに捧げよう」と誓うのだった。
微笑むラトフを見て、アーチェスは自分のカンが当たったと笑う。
ラトフの抱き方が下手で泣きだしてしまった双子を受け取ったアーチェスは、チェリンカが輝く何かを握りしめているのに気付く。
「そう、あなた達は二人でそれを分けあったのね、それなら二人はいつまでも一緒ね…」とアーチェスはつぶやくのだった。

151 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:35:08 ID:BLBY9C5M0
大雨の夜、ラトフとアーチェスの前に、再びクー・チャスペルが姿を現わした。
ラトフとアーチェスが子供を見捨てて逃げなかったことを嘲笑うチャスペル。
しかしアーチェスは落ち着き払った様子で、自分の命で我が子が助かるなら、いくらでも命を差し出そうと答えた。
彼女は我が子の命と引き換えに、神殿へ連れて行かれることを了承したのだ。
そして双子を抱いてうずくまっているラトフに、
「すべての世界はこの子達のもの、いつか必ず親子で暮らせる日が来るから」と言うのだった。
巫女としての力さえ無くしたか、と笑うチャスペルに、「ただのカンです」と答えるアーチェス。
ラトフに「では、この子達の世界で、また」と意味深な事を言い残し、アーチェスは神殿の者たちに連れ去られて行くのだった…。

再び場面は現在へ。
ラトフの過去をたどってきたユーリィとチェリンカは、倒れたままの父に涙を流しながら呼びかける。
その時、ラトフが「泣くな、もう大人だろう」とその呼びかけに答えた。
そして彼は、子供達が立派に成長したこと、ユーリィに追い抜かされてしまったこと、そして二人が自分のために命をかけて戦ってくれたことを喜ぶのだった。
「神よ、例えこのまま自分が消え去ったとしても、私はあなたに感謝するだろう」
そんなラトフの言葉に、カーバンクルが答える。お前は消え去ることはないと。
ラトフの身体が輝き始め、ゆっくりと上空へ浮き上がって行く。
彼はユーリィとチェリンカの父親であったことを喜び、光を放って消えて行くのだった。
カーバンクルによると、ラトフの魂は癒され、再び輪廻の中へ戻っていったらしい。
おじいさんはもしかして…と何かを勘づいた様子のユーリィに、お前たちが分かるのは早すぎると微笑むカーバンクル。
そして、彼の頭上のクリスタルが再び輝き始め、カーバンクルはユーリィ達をもとの世界に送ってくれることになった。

五人が立っていたのは、巨大な洞窟の中のような場所だった。
眼下に広がるのは、見渡す限り、一面のクリスタル。
あまりの光景に驚いていると、チェリンカがこんな事を言い始めた。
「ここはレベナ・テ・ラ地下に広がる大空洞、ここを登って行けばレベナ・テ・ラに出られる」
なぜチェリンカがそんなことを知っているのかと問うユーリィ。
その声にチェリンカが我に返る。
彼女はなぜ自分がそんなことを言ったのか分からないようだ。
アルによれば、クリスタルの力が強すぎるために意識の中に逆流して来るのだろうという。
「ぼくだけを見て、世界を見ちゃだめだよ」とさらっとすごい事を言って、チェリンカを促すユーリィ。
ともあれ、五人は外へ出るために急いで坂を登って行くのだった。

152 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:36:17 ID:BLBY9C5M0
大空洞を出た先は、なんとレベナ・テ・ラ城内だった。
廊下で兵士が倒れていたので話しかけてみると、無事ではあるものの何者かに眠らされている様子。
彼の言葉によると、どうやらコルカ王が危ないらしい。
ちなみにこの時街へ出ることも出来るが、城内だけでなく街の住人もみな強制的に眠らされている。
王の私室へ駆けつけたユーリィ達。そこにはベッドに伏せっているコルカと、その枕元にたたずむアルの偽物の姿が。
ユーリィ達が生きているのを見た偽アルは笑い始めた。
そして、ベッドに伏せっていたコルカが起き上がり、ユーリィ達の方へと近付いて行く。
異様な眼光をたたえたコルカ王を見て、チェリンカが彼にゆっくりと歩み寄る。
コルカはチェリンカを見ると、おびえて後ずさりし始めた。
彼は娘であるテテオを守れなかったことをひどく後悔しているのだ。
チェリンカは、そんなコルカに呼びかける。
テテオはコルカのことを全く恨んでなどいないのだと。むしろ、今までずっとコルカの事を守って来たのだと。
そして、チェリンカの姿の中からテテオの姿が浮かんで来た。
テテオは父親であるコルカに話しかける。
自分は大きな後ろ姿の父親が好きだった、後ろばかり見ないで、これからは前を見て欲しい、と。
そんな愛娘の言葉にコルカも正気を取り戻し、先に行って待っていてくれと呼びかけるのだった。
本当の気持ちを父と理解しあえたことをチェリンカに感謝し、やがて行くべきところへと消えて行くテテオ。
娘に「その時は父親らしいことをさせてくれ」とつぶやくコルカだった。
その時、偽アルの笑い声が響きわたった。彼女はこれまでの事を茶番を呼び、嘲笑ったのだ。
コルカをはじめユーリィ達が身構えるのを見て、偽アルは自分は「死」で出来ているから「死」を与えられても何も変わらないと笑う。
それを聞いたチェリンカは、なら「生」を与えるとどうなるかしら?と凄んだ。
同時にチェリンカのクリスタルが輝き、偽アルが苦しみ始める。
そして、ついに偽アルがその正体を現わした。
それは、死者の国でも遭遇した巨大なアンデッド、リッチだった。
「あの子からもらった力、あなたで試してあげる」と凄むチェリンカ。
(ちなみにこの戦闘のみ、画面上に待機しているチェリンカと協力して「レラ・クリスタル」という強力な魔法が撃てる。チェリンカの言う「テテオからもらった力」とはたぶんこの事。)
見事リッチを倒したユーリィ達に、コルカは話があるという。
ソファに座った五人に、コルカはこんな話を始めるのだった。

まだこの星が生まれて間もない頃、すべては混沌としていた。
そこへ彼方から光る神が現れ、混沌の中の悪を空へ追放し、地と空を作った。
それはこの世界に伝わる創世神話だった。
コルカによれば光る神とはクリスタル、空へ追放された悪とは月の事だと言う。
クリスタルとは世界の根幹、そしてあらゆる可能性を模索し、その道筋を記録し続けるもの。
そしてクリスタルと月とは正反対の存在であり、クリスタルある限り月は地上に戻ることが出来ない。
そんな月に魅入られた人間のことを「月の民」と呼ぶのだと言う。
クリスタルを使うことの出来ない月の民は、クリスタル使いを贄とし、その力を使おうとする。
そもそもクリスタルを介せば魔法が使えるのも、その力によって(クリスタルに記録された)近い世界の出来事をこの世に引き起こすことが出来るからだと言う。
大きな魔法を使おうとすると、それだけ遠い世界のことを引きよせようとするために、より大きな力が必要となる。
しかし、クリスタルの膨大な記憶の前では、人の魂などあっという間に消し飛んでしまうだろうと言うのだ。
コルカはチェリンカに、決してクリスタルの記憶を覗こうなどとしてはならないと厳しく戒めた。
また、ユーリィには憎しみに染まってはならないと忠告する。憎しみこそ月の民の力の源なのだ。
コルカの話を考えると、どんな未来でも存在することに制限はない。月が地上へ戻って来るという未来でも…。
コルカとユーリィ達は、月の民である教皇・ガルデスの野望を打ち砕く決意をする。
ひとまずユーリィ達は城でゆっくり休むことにし、翌朝神殿へ向かうことになった。

153 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:38:01 ID:BLBY9C5M0
城で目を覚ましたユーリィ達が外へ出てみると…外は夕暮れだった。
すっかり寝過ごしてしまった五人だが、兵士によると朝に神殿討伐の命令が下されてから、ほとんど神殿は制圧されたらしい。
しかし、まだガルデスとチャスペルだけは抵抗を続けているため、コルカ王自ら出陣したばかりだと言う。
準備が整えば神殿まで来るように、との王からの伝言を受け、ユーリィ達は神殿へと向かう。
神殿の前には兵を率いたコルカ王が待っていた。
コルカを先頭に、神殿の中へ乗り込んで行くユーリィ達。
そこには教皇ガルデスとチャスペルが待ち構えていた。
テテオのみならず多くの人の命を奪ったガルデスの罪を弾劾するコルカ。彼は兵士に二人を捕らえるように命令するが、兵士達はあっけなく吹き飛ばされてしまう。
そしてガルデスは後をチャスペルに任せ、自分は神殿の奥へと姿を消してしまうのだった。
チャスペルと決着をつけるべく、前に進み出るユーリィとチェリンカ。
ついに双子とクー・チャスペルの、最後の因縁の対決が始まった。
戦いの末、ついにユーリィ達はついにチャスペルを打ち破る。
チャスペルは最期に、「明日の朝に教皇が世界を…」という言葉を残して爆発してしまった。
チャスペルの今際の言葉を聞いて何かに思い当たるコルカとアル。
明日は太陽祭、それも56年周期のもの。明日は早朝から皆既日蝕が起こる日らしい。
それは月が完全に太陽を覆い隠し、月の力がもっとも大きくなる時だった。
ユーリィ達は明日の日の出までにガルデスを捕らえるべく、神殿の中を進んで行く。
多くの魔物と仕掛けをかいくぐり、ユーリィ達は神殿の屋上へとたどり着いた。
そこには巨大な紅いクリスタルの前にたたずむガルデスがいた。
クリスタルを見たチェリンカは、「おかあさん…」とつぶやく。
その言葉通り、クリスタルの中にはアーチェスの姿が…。
ガルデスがアーチェスのクリスタルに向けて手をかざすと、そこから凄まじい光があふれ出し、上空の紅い月に向かって光が吸い込まれて行く。
その野望を阻止すべく、ガルデスと戦うユーリィ達。
戦いの末、ガルデスをやぶったユーリィは、倒れたガルデスを無視してアーチェスの元へ。
ユーリィの呼びかけに気付いたアーチェスは、我が子に再び会えたことを喜ぶが、「もう一度あなたたちを抱きしめてあげたかった…」と言い残し、光を放って消えてしまう。
後には光を失ったクリスタルが残るのみ。
せっかく会えたのに…と悲しみに沈むユーリィ。しかしチェリンカはいつかの時のように、何の反応も示さなくなっていた。
さらに彼らの背後で、倒されたはずのガルデスが起き上がり、笑い声を上げる。
その頭上で、ついに月が太陽を完全に覆い隠した。
これが魂を削られるということか、と笑うガルデス。
ユーリィは憎しみをつのらせ、ガルデスに向かって斬りかかる。その刃がガルデスの頭上に振り降ろされた…。

154 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:40:53 ID:BLBY9C5M0
幼いユーリィはそこで飛び起きた。
そこは家のベッドの上で、そばには幼いチェリンカが心配そうな顔をして彼を見ている。
驚くユーリィの元へ今度はラトフがやって来て、雨に打たれたから熱が出たのだろうと言う。
呆然とするユーリィ。そこへ、誰かがドアをノックする音が聞こえて来た。
ユーリィはチャスペルがやって来た日のことを思い出し、チェリンカがドアを開けようとするのをとっさに止めるが、彼女はドアを開けてしまった。
だが、ドアから入って来たのはミースだった。熱を出したユーリィのために薬を作って来てくれたらしい。
まるで何ごともなかったかのような平和な光景にユーリィは戸惑う。
今までのことはすべて夢だったのだろうか…?
翌日、薪割りをしているラトフに、ユーリィは自分が見た夢のことを話した。
それを聞いたラトフは、運命を信じるか?と聞いて来た。
人はあの時ああしておけばよかった、こうしておけばよかったと思うが、そういった選択は分かれ道として存在している。
しかし、どういった選択をしても必ずたどり着いてしまう道を運命と呼ぶ。
ユーリィの見た夢も、そういった道の一つかもしれないとラトフは言う。
何となく納得したユーリィに、ラトフは妙な事を言い出した。
「もし、道の全てが見渡せ、自由に選べるとしたらどうする?」と。
それは未来が自由に選べるということだ。
「でもそんなこと出来ないよ」と笑うユーリィ。
しかし、ラトフは自信たっぷりに「できるさ」と答えた。
その姿がラトフからガルデスへと変わって行く。
ユーリィの絶叫。

気が付くと、今度はレベナ・テ・ラの城の中にいた。
ソファに腰かけたテテオがユーリィとチェリンカに気付き、二人に親しげに話しかけて来る。
チェリンカが妙におとなしいのに気付いたテテオは、チェリンカの事を「元には戻らない」とさらっと言ってのけた。
その言葉にユーリィが驚いていると、今度は部屋の中にコルカが入って来てテテオと言葉を交わす。
「元には戻らない」という言葉の意味を二人に尋ねるユーリィ。
人が大きな力を使うには代償が必要、クリスタル使いが使う力はあまりに大きく、人の魂は削られていってしまう。当然のことだと答えるテテオ。
さらにコルカは、力の代償としてチェリンカは魂を、ユーリィは命の時間を削るのだ、と言う。
呆然としたユーリィをよそに、楽しげに会話するコルカとテテオ。
しかし、その内容がおかしい。明日は太陽祭、ガルデス様が力を得ることは幸せだとか言っている。
コルカの正体に気付いたユーリィは、「ぼくたちをいたぶってそんなに楽しいか!」と叫ぶ。
コルカの姿がガルデスへ変わっていき、これも数ある道の一つ、現実なのだとガルデスは答えるのだった。

155 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:42:27 ID:BLBY9C5M0
再び夕暮れのレベナ・テ・ラ。
ガルデスに翻弄され、すっかり混乱してしまったユーリィは、力なくベンチに座り込んでいた。
そこへチェリンカがやって来て、彼の隣に座った。
何を信じればいいか分からないとつぶやくユーリィに、チェリンカはそれはとても簡単なことだと答える。
どんな世界があろうとも、そこにいる全ての自分はユーリィの味方だ、と。
すべての世界を見て来た、そしてユーリィとチェリンカが同じでない世界はなかったと言い切るチェリンカ。
彼女に励まされ、ユーリィは再びチェリンカと神殿に向かうのだった。

一方、レベナ・テ・ラにいるアル、ミース、ナッシュ。
神殿の鐘の音でユーリィとチェリンカのことを思い出した彼らは、それぞれ再び神殿に向かうのだった。

今や月の神殿となった神殿を進むユーリィとチェリンカ。
そんな二人を、アルやミース、ナッシュが待っていた。
それを見て、「ほら、あなたは一人じゃないでしょ?」とチェリンカが微笑む。
仲間たちに励まされ、ユーリィはガルデスの待つ神殿の奥へと進んで行く。
ガルデスはチェリンカなしでは魔法すら使うことが出来ないユーリィを、彼一人だけの世界に飛ばそうとする。
しかし、五人には何の変化も現れない。うろたえるガルデスに、僕とチェリンカが同じでない世界は存在しない、と言い放つユーリィ。
思い通りに行かないことに恐れを感じるガルデスに、ユーリィは「お前は月に魅入られてしまったただの心の弱い人間だ、月に民など存在しない」と断言する。
怒りに震えるガルデスは、お前たちがいない世界がないのなら、そんな世界を作ればいいとユーリィ達に襲いかかるのだった。
ユーリィ達とガルデスの最後の決戦。ユーリィ達は、半ば化け物と化したガルデスに苦戦しつつも勝利することが出来た。
しかし、敗れてもなおガルデスはあきらめようとしない。
「コノ力ガアレバ、ナンドデモォ!」

気が付けば、ユーリィは不思議な空間の中に立っていた。
彼は、チェリンカが大きな力を使ったことに気付き慌てるが、チェリンカは時間を止めるなんてとても簡単なこと、と静かに言う。
そこはクリスタルの記憶の中だった。ここでならどんなことも出来る。
ガルデスが欲しがったのはこれだったのだ。
しかし、チェリンカはこんなものいらない、と言う。
そして、ユーリィに「あなたは何を望むの?」と尋ねるのだった。
ユーリィの答えは始めから分かっていたこと。しかし、彼はそれを叶えるのを迷う。
大きな力はチェリンカから魂を削っていってしまう。そして、もし失敗すればユーリィ一人になってしまうかもしれないのだ。
思い悩むユーリィに、チェリンカは優しく語りかける。
この世界の私がいなくなっても、過去の、未来の、すべての世界の私が一緒だよ、と。
だって、私たちは家族なんだから。
ユーリィは意を決して、力を使う。そんな彼に、チェリンカがささやいた。
大丈夫、すぐにまた逢えるよ…と。

156 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:43:43 ID:BLBY9C5M0
ユーリィに敗れてなお、「ナンドデモォ!」と力を使うガルデス。
しかし、ユーリィには何の変化もない。驚くガルデスに、「すべての道をここに繋げた」と言うユーリィ。
どんな世界でも滅びの瞬間に繋げられてしまったガルデスは、まさに「ナンドデモォ」同じ瞬間を繰り返すだけの存在になってしまったのだった…。

全てが終わり、ユーリィは神殿の屋上に横たわっていた。
傍らのチェリンカに声をかけるが、彼女は大きな力を使ったために何の反応も示さず、人形のようになってしまっていた。
そんなチェリンカを連れ、ユーリィは生まれ故郷に帰ることにするのだった。
神殿を出てレベナ・テ・ラの街に行くと、そこにはアルやミース、ナッシュがいた。しかし、話しかけても彼らはユーリィとチェリンカのことを覚えていなかった。
二人は誰とも接点を持たない世界に来てしまったのだ。
彼らは双子の姿を見て何かを思い出そうとするのだが、ユーリィ達はそんな彼らに別れを告げるのだった。
王城を尋ねてみたユーリィとチェリンカ。
門番はチェリンカのペンダントを見て何かに思い当たり、ユーリィ達を呼び止める。
驚くことに門番たちはユーリィとチェリンカの名をコルカ王から聞いており、二人が来たら城へ通すように言われているのだと言う。
ユーリィが城の中へ行くと、コルカが待っていた。
彼はチェリンカの様子を見て何が起こったのかを悟り、あれほど使うなと言ったのに…と後悔するのだった。
王が自分達を覚えていることに驚くユーリィ。
コルカにはレベナ・テ・ラ王家の持つ不思議な力があるのだという。
コルカの力とは、全ての世界に存在すること。
どんな世界でも同一のコルカが存在し、世界を傍観し続けることを強いられているのだ。
彼には世界を変える力はなく、どんな世界でも妻子とともに過ごすことは叶わない。
それがクリスタルに、世界に縛られているということだ、と話すコルカ王。
そして、自らの命を賭けて戦ったユーリィとチェリンカが、誰とも接点を持たない世界に来てしまったことを悲しむのだった。
妻子を失い、自らも孤独となったコルカは、ユーリィとチェリンカにここで一緒に暮らさないか、と申し出た。
しかし、ユーリィはその申し出を丁重に断り、故郷へ帰ることを選択するのだった。

157 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:45:39 ID:BLBY9C5M0
ようやく生まれ故郷に帰って来たユーリィとチェリンカ。
やっと穏やかに暮らせるとユーリィが喜んだのもつかの間、彼は激しくせき込み、その場に倒れてしまう。
ベッドに伏せったままのユーリィを、今度はチェリンカが世話をしている。
チェリンカが料理を作ってユーリィに差し出すが、
彼にはすでに食べ物の味も熱さも分からなくなってしまっていた。
ユーリィはチェリンカに外へ連れていってほしいと頼む。
外に横たわり、星空を見つめるユーリィ。シエラの光ばかりを見ていて、こんなに綺麗だとは知らなかった、とつぶやく。
そしてチェリンカに、最後まで一緒にいられず約束を破ってしまうことを謝るのだった。
苦しそうにユーリィが目を閉じたのを見て、力を使おうとするチェリンカ。
しかし、ユーリィがそれを押しとどめた。
残りはチェリンカが使って、と言うユーリィ。
そして、彼は自分達に残された道がこんな世界しかないことを嘆くのだった。
その時、再びチェリンカのクリスタルが輝き始めた。
驚いてそれを止めようとするユーリィ。
チェリンカの身体はゆっくり浮き上がり、何かをユーリィにささやくのだが、彼にはそれを聞き取ることができなかった。
次の瞬間、チェリンカはまぶしい輝きを放って、消滅してしまう。後に残されたのは、彼女のクリスタルのペンダントのみ。
チェリンカは残りの魂と引き換えにユーリィの命を救ったのだ。
残されたペンダントを握りしめ、ユーリィはチェリンカの名を絶叫するのだった…。

とうとう本当にひとりぼっちになってしまったユーリィは、力なく村の塀に座っていた。
その手からチェリンカのペンダントが滑り落ちる。
それを拾おうともせず、ユーリィは村を見渡し、自分がひとりぼっちになってしまったことをかみしめるのだった。
彼の目に、昔の光景がよみがえって来た。
目の前のアルとミースの家から、ペンダントを握りしめた子供の頃のチェリンカが元気よく飛び出して来る。
ラトフとユーリィに向かって走り出したチェリンカだが、すぐに転んでしまい、その手からペンダントが落ちてしまった。
その光景を目にしながら、一人チェリンカに語りかける現在のユーリィ。
子供のチェリンカは落としてしまったペンダントを拾おうと、ユーリィのそばへやって来た。その時、信じられないことが起きた。
彼女は自分が落としたペンダントだけでなく、ユーリィが落としたペンダントも拾い、ユーリィに差し出したのだ。
驚きながらもそれを受け取るユーリィ。すると、チェリンカでしか輝かないはずのペンダントが彼の手の中で輝き始めた。
さらに驚いているユーリィに、チェリンカが語りかける。
「私達が望めば、それが世界の真実となる。…私達は何を望むの?」
二人が望むのは…。

158 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:46:41 ID:BLBY9C5M0
ユーリィとチェリンカの家。幼いチェリンカが一人で騒いでいる。
どうやら自分が水汲みに行かされるのが不満らしい。
そこへ、ドアが開いてユーリィが入って来る。ユーリィが帰って来た!と喜ぶチェリンカ。
と、いきなりユーリィに顔を近づけたかと思えば、今度はユーリィが臭い!と騒ぎだした。
そこへ、ユーリィの背後からラトフが入って来た。父親の姿を見て驚くユーリィ。
ユーリィ臭い!とチェリンカが騒いでいると、家の奥から誰かがこちらへやって来た。
それはユーリィとチェリンカの母、アーチェスだった。
母の姿を見て、思わず抱きつき大声で泣き出すユーリィ。
そんな我が子をアーチェスは優しく抱きしめ、「辛いことがあったのね、もう大丈夫よ」と語りかける。
いきなり泣きだしたユーリィを不思議そうに見つめるチェリンカ。
すると、アーチェスはそんなチェリンカも一緒に抱きしめるのだった。
そんな我が子と妻を見てもじもじしているラトフ。
彼も子どもたちを同じように抱きしめたいと思っていたのだ。
それを聞いて「おとーさんかわいい!」と言うチェリンカ。照れたように笑うラトフ。
一家の笑い声が明るく家の中に響くのだった。

(ここだけ何故かアニメ調)
母の腕の中で、そっとチェリンカがユーリィにささやく。
「ね、またすぐに逢えるって言ったでしょ?…おかえり、ユーリィ」
「…ただいま」

 -お わ り-

159 :FFCC リング・オブ・フェイト:2008/12/23(火) 19:54:15 ID:BLBY9C5M0
おまけ

このゲームにはマルチプレイモードがあるのですが、
マルチプレイではシングルモードの後日談が見れます。
ユーリィとチェリンカ、アルやミースがいるのはもちろん、影の薄いナッシュも名前だけ登場します。
ユーリィが臭いのは身体を洗うのがいい加減だかららしい…。

最終更新:2008年12月30日 19:04