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Part1


人魚の海を渡りきり、新大陸へと到着したジャスティンとフィーナ。決意を新たに未開の地へと足を踏み出す。
森の中で見慣れたウサギを発見する2人。ウサギの名はモグ族のギド。ダイトの宿屋で出会って以来の再会であった。
勇気のあるカップルさんと声を掛けるギド。現場にはいなかったはずなのに相変わらずの情報通であった。
2人はギドのテントに通された。ジャスティンはダンボの浜辺でたくさんの精霊を見かけた事をギドに話した。
「キミが精霊石を持っていることにはやっぱりちゃんとした意味があったんだね。」相変わらず意味深な事を言うウサギ。
ギドは一体何者なんだとジャスティンが尋ねる。ギドはジャスティン達の持つ勇者の腕輪に敬意を表して自分の知っている事を少し教えてあげると言った。
精霊石を持っている意味について聞くジャスティン。
「精霊石は人間が精霊に認められた証さ。その証を持っているキミには果たすべき役割があるんだ。それはキミ自身の手で見つけるんだよ。ジャスティン。いまは旅をつづけることだろうね。精霊石の導きに従ってどこまでもどこまでも・・・。道がまちがってなければいつかきっとたどり着けるはずさ。キミの本当の役割にね。」ギドはにっこり微笑んだ。
アレントの場所について尋ねるジャスティン。
アレントのある場所はギドもはっきりとは分からないらしい。しかし、アレントにいけるのは精霊の祝福を受けた者だけ。即ちジャスティンがジャスティンらしくいる事がアレントへ行くただ一つの方法だと教えてくれた。
モゲ族は何をしているのか尋ねるジャスティン。
「オイラたちの一族は見つけるために旅をしてるんだ。キミがアレントを探して旅をしてるように。」
「探してるってなにを?」「世界のみんなが滅亡から立ち直るためのやり方をさ。」
「へぇ~そりゃ大変だ・・・。え、い、いまなんてったッ!?世界が破滅するだってぇ!?どういうことだよ、ギド。世界が破滅するとかオレの本当の役割とか・・・。いったいなにがどうなってんだ!?」
「ジャスティン、それは自分自身の目で確かめなきゃいけない。だって冒険者なんだろ、キミは。だいじょうぶさ。キミらしく旅を続けるかぎり、精霊の祝福はいつもキミと共にある。だから約束してくれジャスティン。途中で旅をやめたりしないって。」
「あ、ああ・・・。よし、約束するぜギド!冒険者は決してあきらめたりしないんだ!」
「『冒険者は決してあきらめない』か。いい言葉だね。覚えとくよ、ジャスティン。」
夜も更け2人はギドのテントに泊まることになった。

翌朝、テントの外。ギドはジャスティン達に進むべき道を指し示す。
ジャスティン達は森を抜けカフーの村へ向かう事となった。そしてカフーの先にはギド達が住む街、ジールパドンがあるのだという。
ギドに礼を言い先に進もうとするジャスティン達。「ちょ~っと待ったぁ!キミたちなんか忘れてないかい?」
「武器も持ったし、腕輪もはめたし・・・。忘れ物はないみたいよ。」
「なに言ってんのさ。お金だよ、お・か・ね。泊めてあげたろ、昨日。」ギドは目を輝かせて言った。
「え~っ!!タダで泊めてくれたんじゃなかったのかよ!?」「『正当な労働には正当な見返りを。』常識じゃないか、それぐらい。100Gでいいよ。」
「ちぇっ、ちゃっかりしてんなぁ。」
「毎度ありっ!オイラしばらくはここにいるからさ。つかれたらまた寄ってくれよな。」「負けたよ、おまえには・・・。」
そして再会を約束し、ジャスティン達はその場を離れた。

森を進む2人。
「この森を荒らすのはだれだー。」辺りから突然声が響く。「きゃ!?どこからか声が聞こえる・・・」
「・・・この森はカフーの民のものだ。命が惜しければいますぐ立ち去れっ!」
「やいっやいっやいっ!だれだか知らないけど言いがかりつけんのやめろ!!言いたいコトがあるんならかくれてないで出てこいっ!オクビョー者!!」
「おれがオクビョー者だと!?ふざけんなっ!このヤロー!!」突然ジャスティンとフィーナの足下が崩れた。2人は落とし穴に落ちてしまう。

2人は幾人かカフーの人間に囲まれ、リーダーと思しき少年の前に連れて行かれた。
「ほら、コイツらだよ、ラップ兄ちゃん!さっき、オイラが言ってたのは!」
「おう!ニッキ、よく知らせてくれたな。ごくろう、ごくろう!」ラップと呼ばれた少年が先ほどジャスティンと言葉を交わした声の主であった。
リーダー格の少年をはじめ、回りにいる人間は皆長い耳を持っている。
ニッキと呼ばれた男の子はラップの子分格である。
「バカヤロー!!おまえたちヒキョーだぞ!」「私たちは冒険者なの。旅の途中でこの森を通りかかっただけよ。」
「・・・ケッ!おれァ女の言うことなんか信じねえ!!」ラップは鼻をほじくりながら言う。
「なっ、なんですってぇ!?」「こいつら塔のヤツらの仲間に違いないよ!村に連れてってしばり首だ。」
かわいい顔に似合わず過激な事を言うニッキ。
「このやろー!!なんなんだ、おまえら!」「おれはカフーのラップ!!ケッ!どうやら痛い目にあわなきゃわかんねえらしいなぁ・・・。」
「なんだよ、やるってのか!?」
「おい、おめえらは村にもどってこのことを若い連中に知らせてこい!」ラップが指示するとニッキをはじめとするカフーの子供達は村へと戻っていった。
「きたないぞっ!1対1の勝負じゃないのかよ!?」「はははははっ!ブルってやんの、バーカ!心配すんなって!村のモンが来るころにはオメエはすっかりオネンネさ!」
「ふざけんなっ!ぶちのめされんのはおまえの方だ!!」
その時先ほどカフーの子供達が去った方向からニッキの叫び声がする。
「どうした、ニッキっ!?チッ!運のいいヤツらだ。てめえらの命、ひとまずあずけとくぜ!」
ラップが声の方向へ駆けて行く。ジャスティンとフィーナもラップの後を追いかけた。

ニッキを捕らえているモンスターに挑むラップ。ジャスティン達も後から到着し共闘を申し出るもラップは敵だからと言う理由で拒否するが、何時も通りジャスティンがごり押し、3人で挑む事になる。

モンスターを撃破した3人。ラップはジャスティンが塔のヤツらの仲間ではない事を信じ、子分を助けた事に礼を言った。
「まっ、だれにでもまちがえはあらぁ。笑って水に流してくれや、な!」
改めて自己紹介をする一同。ラップは再びニッキ達に村に戻るように指示。今度は客人を迎える準備をさせるために。
カフーの子供達は一足先に村に戻った。
「ところでラップ。さっきから『塔のヤツら』って言ってるけどいったい・・・。」
「んぁ?ああ、くわしいことはウチのジジイから聞いてくれや。んじゃ行くか。おれ達の村、カフーはすぐそこだぜ。」

カフーの村に入った3人。
入り口でカフー人の青年2人に足止めをされる。客人が来るとは聞いていたが、耳の短い連中を連れてくるとは思わなかったと。
カフーはよそ者は村に入れることが出来ない掟らしく、村長の孫であるラップがその掟を破るのが許せないらしい。
しかしラップはゴチャゴチャ言うな、俺の客だ、それで十分だろうと青年達を一喝し、青年達もしぶしぶ道を空けた。
町全体がアスレチックのようになっているカフーの村。村長の家も入った部屋から村長の部屋までは登り棒を使って移動する程である。
「・・・待っておったぞ、ラップ。そちらが例の・・・?」
「ああ、ジャスティンにフィーナだ。ニッキのヤツがすっかり世話になっちまった。」
「ふむ、なるほど。おまえがカンちがいするのもムリはない。塔の連中によく似ておる。あのいまわしき禍いの塔の連中に・・・。」
「さっきから気になってたんだけどさ。塔の連中っていったい・・・。」
「・・・カフーの民は昔からここに住んどったわけではない。以前わしらが暮らしておった森は石となって滅びたのじゃ。ヤツらがあの森の近くに禍いの塔を完成させてから時を移さず・・・な。それはそうとラップ。今日も行くのか?滅びしカフーの石の森へ。」
「ああ、もちろんだ。やっぱ毎日行ってやらねえとさみしがるからな。」
ジャスティンはラップに同行を申し出る。ラップは危険だと言っていたが、真剣なジャスティンにおされ折れた。
3人は村の北にある旧カフーの村へ行くこととなった。

旧カフー村に着いた3人。周りの家も人も皆石と化しており、まるで人気がない。
ラップがもっと小さかった頃、禍の塔に現れた者たちによって全てが石化してしまったのだと言う。
そして、その時生き残ったものたちの手によって今あるカフーの村が作られたのだと。
当時小さく無力だったラップだったが、大人になったら絶対に塔を破壊すると心に決めたんだと2人に話した。
3人は人ほどもある楕円の形をした石の前に立つ。それは何と聞くジャスティンに、ラップは自分の両親だと答えた。
「墓参りのたびに念入りにみがいてたら、ずいぶんと丸くなっちまった。あはは、おれが大人になる頃にはなくなっちまうかもな。」「・・・ラップ・・・。」「ラップ、今すぐ禍いの塔を壊そう。」「ジャスティン?」ラップとフィーナは驚く。
「いくらなんでもこんなことがあっていいもんか!そうだろ、ラップ!?」「ぶ、ぶっ壊すってもよォ、やれんのか?今のおれ達に。」
「オレ達ならやれる!いやオレ達がやらなきゃいけないんだ!」
暫く考えるラップ。「おしっ!行くか、ジャス!」
「ああ!行こうぜ!・・・ところでさ、なんだよ、そのジャスってのは?」
「へッ、ジャスティンなんてまどろっこしくて呼んでられっかよ。ジャスでいいだろ、ジャスでよォ。おらっ、ボサッとしてんじゃねえ!禍いの塔はこの森の向こうだぜ!」

塔に向かう途中、ラップが高台に見える塔を紹介する。
「あれは・・・、軍の建物じゃないか。」3人は塔を目指し進んだ。

禍いの塔に辿り着いた3人。しかし、入り口は何者かの襲撃を受けたのか、壁などが崩れ物々しい雰囲気に包まれている。
どうやら先客がいるようだとラップが言った。
「おれのカンだとこんなことやるのは・・・、レーヌ人だな。この感じだと多分1人だ。」
「ええっ!?ひ、1人って!?あのガーライル軍を相手にか!?いったいレーヌ人って・・・。」
「頭に血がのぼったレーヌ人はマジでシャレになんねえ。へへっ・・・今から本物のバケモノってやつが見れるかも知れねえな・・・。準備はいいか、ジャス?行くぞっ!」
先に進む3人。行く手には破壊された戦車などもあった。

向かった先の扉が開き、3人よりも頭一つ分以上大きい銀髪の女が姿を現した。
「ケッ!出やがったな。レーヌのあばずれ女がッ!!」「ふざけんじゃあないよ・・・。ブッ殺してやる!!」
「なッなんなんだよ、アイツ!?目がふつうじゃないぞ!」「フン・・・、やっぱキレてやがったか・・・。ただですみそうにはねぇなあ。」
「おや、カフー人までいるようだね・・・?・・・おまえたちも・・・連中と組んでたってわけかい!!」
「あ~ん?なんだおめえ?誰がここの仲間だって?フザけたこと言ってっと、しまいにゃぶっ殺す・・・」
そう言い掛けたラップに銀髪の女はショルダータックルをかます。ラップは10m以上も飛ばされた後、壁に叩きつけられ、
更に距離を詰めた女にぼこぼこに殴られてダウンしてしまう。「ウホッ!ウホッ!ウガ~アァ!!」
女は理性を失っているのか、胸をドンドンと叩きジャスティン達を威嚇する。
ジャスティンとフィーナは女との戦いを避けることが出来なかった。

銀髪の女に勝利したジャスティンとフィーナ。
「つ、強いね、あんた・・・。名・・・前は・・・?」「オレはジャスティン、冒険者ジャスティンさ!」
「ジャ・・・スティン・・・か・・・。アタシはレーヌの・・・ミル・・・ダ。うぅ・・・禍いの・・・塔は、ダーリン・・・の・・・言った・・・とおりの・・・。・・・こわさ・・・なきゃ・・・。」そういった後、ミルダは気を失ってしまう。
自分達と目的が同じかもしれないと、ジャスティンとフィーナは倒れている2人を安全な場所に運んだ。

「・・・うっ、うう・・・、ッてててて・・・。」ラップが目を覚ます。心配する2人だが、ラップは平気だとアピール。
「これしきで参るラップ様じゃ・・・」そう言い掛けた時、ラップは横に倒れているミルダを見つけた。
「っておい!ジャス!そいつはッ!?くそッ!ぶっ殺してやる!!」
フィーナが目的が同じかも知れないとラップを制するがラップは止まらない。
ジャスティンもラップを止める。「どうしてもやるってんならオレが相手だ!」「ジャスおめえ・・・。」
ミルダもまた目を覚ます。ミルダはジャスティンが自分に止めを刺さなかった事を不思議に思った。
ジャスティンは塔を壊しに来たとミルダに伝え、ミルダも納得する。そしてミルダも自分も同じ目的だと説明した。
「けど、途中で見つかっちまってね。」「おめぇバカか?あんだけハデにやりゃあ見つかるに決まってんじゃねーか!」
「なんだって!?もう1回言ってみな!」「んだコラァ!やるってのかぁ!?」フィーナは目的が同じである以上協力をしようと2人を止める。
「そうだね・・・。わかったよ。ここの連中と仲間とカンちがいしてメイワクかけちまったことだしね。」
「レーヌ人といっしょだぁ?けっ!おれはごめんだね!」「ラップ!」
ミルダがラップの方へ歩く。「なんだ?文句あんのかコラァ!?」「アタシのカンちがいでケガさせて悪かった。さ、1発なぐんな!カフーの兄ちゃん。」殴った回数は1発どころではなかったが手打ちを持ちかけるミルダ。
「・・・。けっ!おれはそんなチンケなこと気にしちゃいねーんだよ!!」「ラップ・・・。」
「おいジャス。こんなところでチンタラしてねーでとっとと行くぞ!」ラップがいつもの調子を取り戻す。

ジャスティンが予想した通り、禍いの塔はガーライル軍の施設であった。
ガーライル軍の兵を退けながら最上階を目指す4人。

最上階へと辿り着いた3人。周りの兵士に気付かれないようにこっそりと部屋の様子を伺う。
部屋の中央では巨大な容器に何かが培養されている様子が伺える。別の入り口から何者かが最上階の部屋へやってきた。
それらはジャスティンとフィーナがよく見知った顔、ナナ、サキ、ミオであった。
「・・・リーンのことはとりあえず置いとくとしてさぁ。どうすんのよ、バール将軍への報告。ここんとこ、ガイアの成長がず~っと止まったまんまじゃない。」
「ガイアの育成は軍のすべてのプロジェクトの中でも最重要ですものね。遅れていることがわかったらバール将軍がどんなにお怒りになるか。」
「今日はナナが報告する番だろ。うまいこと言ってごまかしちゃえよ。ガイアは計画どおりに育ってますって。」
3人娘の話を聞いているジャスティン達4人。
「・・・ガイア?育ってる?なんなんだよっ、アイツは!?軍のヤツらなにするつもりなんだ!?」
3人娘は話を続ける。
コイツ見てるとトリハダ立つのよね。なんていうか、こう・・・。生理的に受けつけらんなくて・・・。」
容器の中の生物らしきものが脈打っている。
「・・・あたしだってそうさ。こんなモンで理想の世界が創れるとはとても思わないね。」
「不マジメですわよ、2人とも。そんなことがバール将軍のお耳に入ったら・・・。」
突如呼び出し音がし3人は同じ方向へ振り向く。立体映像を投射する装置からはバールの姿が映し出され、3人娘と周りの兵士は皆敬礼をする。
「ガイアの様子はどうだ?順調に育っておるだろうな?」
「ハッ!ごらんください、バール将軍。すべて計画どおりに進んでおります。このぶんなら近いうちに・・・」
「・・・貴様ら、わしをあざむく気か。なにも進展が見られんではないか!この役立たずどもがッ!!」
「も、申しわけありません、バール将軍!この次までにはかならずやよい成果を・・・。」
「近くにあった村もどうやら完全に石になったようだな。やはりこのあたりが限界か。」
その言葉に隠れて聞いていたラップが反応する。
「んだとォ!っつうことはあのガイアとかいうヤツがおやじたちのカタキじゃねえかッ!!」
興奮するラップをミルダが押さえる。「どうしたのかしら、私・・・。あの人を見てから体のふるえが止まらない・・・。」「フィーナ・・・。」
「しかしバール将軍。亜人たちが石になったこととガイアの成長になんの関係が?」
「貴様らがそれを知る必要はない。与えられた任務をこなしさえすればそれでよい。そうすれば貴様らにも聞こえてこよう。とこしえの眠りから目覚めんとするヤツのうめき声がな。クックックックッ・・・フハハハハハッ!」バールの顔は狂気をはらんでいる。
「ハッ!我々は任務の遂行に全力をつくします!」「ム・・・それでよい・・・。次の指示があるまでガイアの育成に専念しろ。よいな。」「ハッ!」バールがその場から消えた。

ジャスティン達は容器にそっと近づき容器を管理する装置を攻撃した。
当然の如く3人娘は気が付き、お互い臨戦態勢をとろうとしたその時、容器が割れ、中身の生物が露出する。
生物はその場に根を張り、触手を伸ばして膨張した。その場にいた一同は戸惑う。
「これが・・・ガ、ガイア・・・!?」ナナ、サキ、ミオはこんな生き物を育てていたとは知らなかったと、危険を感じ急いでその場を離脱する。
次の瞬間、ガイアが何かをした。周りにいた兵士達は皆、石化してしまう。
ジャスティン達の身にも同様の変化が起こるはずだったが、ジャスティンの所持する精霊石がジャスティン達を守り難を逃れる。
ガイアは次の行動に出た。部屋の中央にある本体がつぼみのように開き、中から人のような形をしたような生物が現れる。
襲い掛かってくる生物、ガイアバトラーに4人は挑んだ。

何とか勝利する4人。
「おっしゃあ!やったぜ!!これでもう村が石になるこたねえだろ!!それにしてもよ、おれァ、レーヌのヤツらを見る目が変わったぜ。ミルダ、おめえみてえなのもいるたぁな。」
「アタシゃカフーってのは腰ぬけの集まりだと思ってたよ。ラップ、あんたに会うまではね!」
「一流の冒険者2人とラップ、ミルダが手を組んだんだぜ。無敵に決まってんだろっ!」称えあう3人。だがフィーナの顔は沈んでいる。
「ジャスティン・・・、これって・・・さっきの・・・。」
足下にはさっきの生き物の残骸だろうか、球根のようなものが落ちている。軍がこれを育ててどうしようとしていたのか、ジャスティンが疑問に思うが答えは出ない。
「そうだ!なあラップ、昔のカフーはこいつのせいで石にされちまったんだろ?だったらこいつを調べりゃ元にもどす方法がわかりゃしないかねぇ?」ミルダが提案した。それは名案だとラップが賛成する。
4人はその球根のようなもの、『ガイアの芽』をカフーに持ち帰ることになった。

カフーの村に着いた4人。
入り口では長老他カーフの村人が待ち構えていた。
外部の者は入れれないという掟を固持し、長老はミルダがカフーの門を潜ることを許さない。
ラップが抗議し、お互いの主張をぶつけ合わせた。
その仲介に立ったのがミルダであった。「・・・もういい・・・。もういいんだ、ラップ・・・。」
「よかねえ!このジジイ、1発なぐってやらねえとおれの気がすま・・・」
「あんたがカフーの長老かい?村のオキテは尊重させてもらうよ。アタシが出ていきゃすむことだろ?」
ラップが食らいつくも話は収まり、ガイアの芽を長老に預け、4人は村の門の外にある宿屋に泊まることになった。

夕食時、フィーナは禍いの塔以来、沈んだ顔をしている。
フィーナの暗い顔からラップが便秘を連想し、カフーでは便秘を治すには頭をツルッパゲにしてお尻を3回叩くと良いと言った。
ミルダがその話に乗ってくる。レーヌでは便秘を治すには塩水をたんまり飲んで腹筋を1500回やるらしい。
お互いの独創的な治療方法を笑う2人。
ミルダがジャスティンとフィーナはどこを目指して旅をしているのか聞く。
ジャスティンはアレントと答えた。ミルダもアレントを知っていた。
「ウチのダーリンはレーヌ3賢者の1人ですっごく物知りなんだけど・・・。ダーリンの口からもよく出るんだ。そのアレントって地名がさ。」
「へぇ~っ!じゃあその人に聞けばなんかわかるかな!?賢者っていうぐらいなんだからさっ!」
「あったりまえさね!ウチのダーリンにわからないことなんて1つもあるもんか!」
話が進むうちに、今度は4人でレーヌに行くと言う話になった。フィーナはまだ元気がない。
そしてフィーナは席を立ち、外に行ってくると言い残し部屋を後にした。ジャスティンもフィーナを探しに部屋を出る。

フィーナを見つけたジャスティン。
フィーナは禍いの塔で見た恐ろしい生物、ガイアを見た後から、姉リーンの事を考えていた。
軍がガイアを悪用しようとしており、リーンがそれに一枚噛んでいるのだとしたら、と1人で悩んでいたらしい。
リーンはそんなに悪い子じゃないよと慰めるジャスティン。しかしフィーナの不安は拭い去れなかった。
その時、突如轟音が響く。ラップとミルダもジャスティン達の元へと駆けつけてきた。
どうやらカフーがガーライル軍の襲撃を受けたらしい。急いで村に戻る4人。

村にいたがガーライル兵を倒し、村人を救いつつガイアの芽の保管場所に急ぐ4人。
目的地に着いた時、その場には既にリーンとガーライル兵がいた。
「姉さんっ!!そんな・・・どうしてっ!?」
「ジャスティン、フィーナ。あなたたちだったのね、やっぱり・・・。ガイアはガーライル軍が接収します!なおさまたげる者はこれを敵とみなし実力を行使します!」
「んだとォ!コラぁ!人の村さんざん荒らしといて勝手なこと言ってんじゃねえッ!!」
「1つの村をまるごと石にしといてまだ足りないってのかい!?」「やめてぇーッ!!おねがい・・・、もうやめて・・・。どうして、どうしてなの姉さん!?なんの罪もない人たちを苦しめて。姉さんはそれで平気なの!?わたし・・・、姉さんが軍に入ったのはなにかわけがあるんだって思ってた。それなのに・・・。」
「・・・。なにをしているのです!ガイアをはやく運びだしなさい!」「姉さんっ!!」
「フィーナ・・・、あなたにはあなたの思うとおりに生きてほしい。そう、風のように自由に。けれど・・・、私にはこの生きかたしかないのっ!!」
その時、ガイアの芽が急成長し再びガイアバトラーが現れる。
その際、ガーライル兵は石化されてしまった。ジャスティン達は再び精霊石に守られたが、生身のはずのリーンは石化しない。
「できることならこの力は使いたくなかった。フィーナの前でだけは・・・。」リーンが躊躇う。そして手を広げると、リーンの背中に赤く光る翼がはえ、体が浮かび上がる。「・・・!?」ジャスティンとフィーナが驚く。
「じょ、じょうだんだろ。おい・・・。」「あ、あの翼は・・・!?」ラップもミルダも呆然としている。
「これでわかったでしょう、フィーナ。この翼があるかぎり、私は自由に飛べないの・・・。あなたが知ってるリーンは・・・もういないのよ!!」
「そ、そんな・・・。」「ウソだろ・・・。リーンが光翼人だったなんて、ウソなんだろ・・・。」
「ジャスティン。光翼人はあなたが思ってるほどすばらしいものじゃないわ。今からそれを証明してあげる!」「リーンっ!!」
辺りは激しい光に包まれ、4人は気絶してしまう。
気がつくとその場にはリーンがおらずもガイアも消え去っていた。

カフーの村の中央には長老達がいた。
古の掟を破り外の者を招いた結果がこれだと、長老は言った。禍いの塔は壊してきた、掟が村を救ったことがあるのかとラップが叫ぶ。
それをミルダが再び宥めた。4人は宿屋に戻る。

宿屋に戻った4人。フィーナは酷くショックを受けており、ジャスティンはそれを慰めた。

翌朝、長老が4人を出迎えた。
長老はミルダだけでなく、ジャスティンとフィーナも村を退去して欲しい旨を伝えた。
ラップが激しく反抗するが、ミルダもジャスティンも長老の頼みを受け入れる。
「・・・いろいろありがとな、ラップ。おまえが長老になったころまたくるからさっ。そんときはお祭りでもしてくれよ!」ジャスティンがラップに別れの挨拶をした。
「・・・おい、なに寝ボケたこと言ってやがんだ。おれも行くぜ!おめえらだけじゃあぶなっかすぎらぁ!」
「えっ?でもラップ。おまえは村に残って・・・。」「水くせえこと言ってんじゃねえ!おれ達ゃマブダチだ!そうだろ、ジャス!?」
「ラップ・・・。」「フフフッ!アッハッハッハッ!ラップ、あんたならそう言うと思ってたよ!」ミルダが笑う。
ラップを正式に仲間に加え、一行はレーヌを目指す。

カフーの村の外。外にはニッキとその両親が待っていた。
「ラップ兄ちゃん・・・!」「なんでえニッキ。おらっ、そんなシケた顔すんな!帰ってくっからよ、いつかかならず。」
「ホントにホントだね!約束だよっ、ラップ兄ちゃん!!」
「どうか長老を悪く思わないでください。あの人もあなたたちに感謝してるんです。ただ長老という立場上・・・。」ニッキの両親が釈明する。
「ああ、あの目ぇ見りゃわかるさ。昨日は一晩中悩みつづけてたんだろ。」ミルダも長老の心中を察していたらしい。
「この子が大きくなるころにはきっとカフーも変わっていると思います。くだらないオキテにしばられたりしない自由な村に・・・。」
「そうだよ、あんなオキテがなかったらミルダ姉ちゃんとももっとお話できたはずだもんね!」
「おっ!いいこと言うねえ、この子は。」「ったりめえだ!おれさまの1番の子分だからな。こいつは!じゃあなニッキ!おれが帰ってくるまでにちったぁ強くなっとけよっ!」
「ほらジャスティン。ちゃんとわかってくれる人もいるんだ。いつまでもそんな顔してんじゃないよ!」
「・・・ああ!わかってるさ、ミルダ!」
温かい見送りを受け、4人はジールパドンを経由してレーヌを目指すことになる。

ジール砂漠を越え、大陸一の街、ジールパドンに到着した4人。
その日はそこで宿を取ることにした。レーヌへは南のサバナ原野を越えなくてはいけないらしい。
街中いたるところにモゲ族がいるが、その他にもアルカダ族、ラフェーヌ族が住んでおり、ジールパドンはその3種族が集まって出来た街らしい。
その中でアルカダ族とラフェーヌ族は非常に仲が悪く、顔を会わせる度に喧嘩をしてしまうようだ。

宿に泊まる4人。夕食を囲む。
ミルダは、ジールパドンには3種族だけでなく最近は石になってしまう現象で村を追われた難民も流れてきているのだと説明した。また、モゲ族は変わった種族で大陸中で商業活動をしており、彼らの口癖は『命を大切に』だと話す。
フィーナはジールパドンに入ってから、そこに住まう人々の気持ちがバラバラになっていると感じていた。
カフーが村人一丸で村を守ろうとしていたのと比較するとなおさらだったのだろう。

翌朝街を出てサバナ原野を目指す4人。

サバナ原野を越えるとブリナン山脈へと差し掛かる。
ミルダはそこを越えればいよいよレーヌだと説明した。

レーヌに到着した4人。街に至る所には雪が残っている。街の入口でミルダはレーヌの男は皆頭がいいと説明する。
街を歩くと急にミルダが立ち止まる。どうかしたのかと心配するジャスティン。
「ダーリンっ!!ダァ~リィ~ン!あ・い・た・か・っ・た・の~。」ミルダの視線の先にいたのは、牛人間であった。
ミルダとダーリンは熱い口づけを交わしている。「こ、こいつが~ぁ!?」ジャスティンとラップが驚いている。
「ダーリンのあのモコモコした腕マクラがなかったから旅の間じゅうさびしかったのぉ。」
「私もだよ。となりでミルダが昼寝をしていないと本を読んでいても落ち着かなくてね。でも今夜はひさしぶりに2人でゆっくり食事ができるね。」牛が喋った。
「うん、2人で、ねっ。」「お、おいおい、『2人で』って・・・、まさか、そ、その・・・が・・・?」
漸く抱擁を解く2人。「アハハッ、ゴメンゴメン。ひさしぶりだったもんだから、つい・・・ね。あらためて紹介するよ。この人が3賢者の1人。そしてアタシの愛するダーリンだよ!」ミルダが3人を紹介した。
「初めまして、みなさん。ミルダがお世話になったそうですね。歓迎します。さあどうぞ。」

ダーリンの家。禍いの塔を止めた事をダーリンに報告。ダーリンは皆を代表してジャスティン達に礼を言った。
どうやらダーリンも石化現象を防ぐ為に禍いの塔を調べていたようだ。
ガイアについて話をすると、ダーリンはエンジュール文明が地上から姿を消した事と関係があるかも知れないと言う。
ダーリンはジャスティンが持っている石に目をつけた。ジャスティンが精霊石だと説明する。
「こいつのおかげなんだ。リエーテに出会えたのもアレントを目指すことになったのも・・・。ほらっ、カギだってもらったんだぜ!」
「伝説にあるエンジュール神殿のカギ、『知恵のメダル』じゃないか!いくら探しても見つからなかったのに。うぅ~むこいつはおどろいた。精霊石、リエーテ、知恵のメダルか・・・。なるほど、君はまさにエンジュールへ招かれる者というわけだ。」
「エンジュールに招かれる者?オレが・・・?」更に話は続く。
ジャスティンはカフーで光翼人を見た話をした。
「精霊石の力が1つに集まろうとするとき力を受けつぐもの『光翼人』が生まれる。あの言い伝えは真実だったか・・・。」「それともう1人リエーテを見てる。リーンとリエーテの2人の光翼人・・・。光翼人っていったい・・・?」
「ん?ジャスティン君。リエーテは光翼人などではないぞ。彼女はアレント神殿の神官なのだから。」
ジャスティンは石になった人々を助ける方法を尋ねた。3賢者はその救う方法をアレントに求めたいたらしいが、結局扉を開くことはできなかった。今はそれをジャスティンに託すらしい。
ジャスティンはエンジュール文明とガイアの関係について尋ねた。
ダーリンの持つエンジュールの知識は今までジャスティン達が聞き知った知識と大差はなかったが、
3賢者の1人デーリンはエンジュール文明の専門家であり、より詳しい話が聞くことが出来るかもしれないとのことだった。
4人はデーリンに会いに行く。

デーリンは既にジャスティン達の事を知っていた。モゲ族に話を聞いていたらしい。
デーリンはエンジュール文明を滅ぼしたのはガイアであることは間違いないと言う。
人が石になるってのはどういう訳なんだと、ラップが聞く。
「かつてエンジュールが消滅した時にはその直前に異常なまでの精霊の減少が確認されています・・・。つまり精霊の減少が石化を引き起こすのではないかと・・・こう考えられるわけです。」
「・・・!それってもしかしてガイアが精霊を吸収して成長するってこと!?」フィーナが質問する。
「ふむ、なかなか鋭くていらっしゃる。たしかにそう考えればつじつまが合いますね。」
精霊が減ったことで石化が起きるなら精霊を戻せば石化は治る。そうデーリンは説明した。
古の書で精霊を取り戻す方法を調べたが・・・。「ページが破れていてわかりません。」
「・・・んだと!てめえケンカ売ってやがんな!?ローストビーフになりてえのかッ!」
「やれやれ、乱暴な人だ。方法がないとは言ってませんよ。アレントへ行けば、あるいは・・・。」
そのアレントに行く方法が分からないとジャスティンは言った。
デーリンはアレントについては同じく3賢者の1人、ドーリンが詳しいというが、何かを躊躇しているようだった。

ドーリンの家についた4人。ドーリンは鼻水を垂らしている。アレントについて聞く4人。
「おお、あれんと!えんじゅ~るのちしきをつかさどり、いだいなるこうよくじんのしんでんがおかれるばしょ!」
ジャスティンがリエーテにアレントに来いと言われた事をドーリンに説明する。
「りり、り、りえ、りえりえ、りえ~て!りえ~てといわなかったか?いや、いったぞ。おおお、おしえてくれ!ひとみのいろはぶらうんか、ぐり~んか、それともぶる~か?ん?ん?ん?お~、りえ~てどのぅ・・・。そうだ!」ドーリンは何かにひらめいた様だ。
「リエーテどのといえば・・・。」「え!?なに!?なんなの!?」「おお、あなたがりえ~てどのか!まさにまさにわしのイメージどおりのおすがたじゃ!」
「ち、ちがうよ、オレはジャスティン。でさ、こっちがフィーナとラップ。それよりアレントへの行きかたを・・・。」
「お~!さ~ゆかん、わかものよ!にぢのいずみよりあれんとへ・・・。うるわしのりえ~てどのにあうために。」
「そうだ!リエーテどのといえば、たしか・・・。」ドーリンはまたひらめいたらしい。「え!?なにか知ってんの!?」
「たしかにわしは・・・、だれだったっけ?ここはいったいどこなのじゃ!?」
この惨状の説明をミルダに求めた。どうやらドーリンは前にレーヌがあった場所に角を置いて来てしまったらしい。
よく見ると片方の角がない。そしてその角は賢者の知識の源らしく、それが無い故に現在は少しおかしくなっているのだという。
今のレーヌもカフーと同じく異変に巻き込まれ、前の住処を捨てて創られた新しい街だとミルダが説明した。

旧レーヌに入った4人。旧レーヌは異次元空間に呑まれていた。巨大な迷宮と化していた。
迷宮の奥ではガイアバトラーが待ち構えたいた。

ガイアバトラーに勝利し、ドーリンの角を手に入れ、4人はレーヌに戻る。

ドーリンの家。「おお~!きみわきみぢゃないか!よ~くおぼえているぞ!わすれよ~としてもおもいだせない!!」
ミルダはドーリンの頭に角をつけた。
「ふははははははーはっはっはっ!!ふっっっかーつ!!」ラップが本当に大丈夫なんだろうなと信用なさそうな目で見る。
ジャスティンはドーリンにメダルを見せた。
「こ、これは・・・いにしえの言葉にあるエンジュールへの扉のカギではないか!!これでまた一歩リエーテ殿に!」
アレント神殿のカギなんだねと聞くジャスティン。「いや、アレント神殿のカギではない!これはそなたらもよく知る場所・・・、ジールパドン神殿のものだ。」
「え!?ジールパドンって・・・神殿なの?」
「うむ・・・、いにしえの言葉によればアレントは知識、ジールパドンは知恵をそれぞれ象徴する1対の空中神殿らしい。アレントとジールパドン・・・。2つの都市は互いの相手のカギを持ち、資格を認めた者にそのカギを与えあった。ジールパドン中心部にある神殿の扉には立ち入る者の資格を見極める3つの瞳が描かれている。アレントへのカギ『知識のメダル』は太古のエンジュールから続くこの地上で最も古い血を持つ民族・・・、モゲ族が持っていると伝えられている。モゲ族はジールパドンの神殿と共に地上に降りたと伝えられているエンジュール期から続く最も古い部族だ。ジールパドン神殿を司るモゲの民・・・、資格を持つだけでなく彼らに認められなければ神殿の扉は開かぬ。アレント神殿へ道を望むならば、ジールパドンへおもむきアレントのカギ『知識のメダル』を手にいれるのだ。そのメダルを『虹の泉』に投げ入れた時、長きに渡り閉ざされたアレントへの扉はふたたび開かれるであろう。そなたが伝説の空中神殿へたどりつき、リエーテ殿にお目見えできたならばぜひともお姿を目に焼きつけ・・・、私にその話を聞かせてくれたまえ。そうすればついにつ・い・に!リエーテ殿のお姿を!!この手で!!」正気に戻ってもドーリンはリエーテフリークだった。
「その手で何するつもりだよ・・・、あっぶねぇオッサンだな。」ラップが冷静な突込みをした。

ドーリンの家を出た4人。
ミルダはそこでジャスティン達と別れる旨を伝えた。暫く留守にしていた間、ダーリンがろくなモノを食べていなかったらしく、酷く痩せてしまったらしい。
ミルダはジャスティン達の背中を押し、ジャスティン達はミルダに見送られジールパドンへ向かった。

ジールパドンについた3人。街の中央にある神殿の入り口を探す。

街の中央にある噴水には目印となる3つの瞳が描かれていた。扉らしきものもあるが水が入り口を塞いで入れない。
「・・・となると、3人であの水を飲みほすしかねえな。おれとジャスで半分はいけるとして・・・。」
「そうじゃなくって!ほらドーリンさんが言ってたじゃない。モゲ族の協力が必要なのよ。」
3人が話をしていると1人のモゲ族が声を掛けてきた。
「あっ!ホントにここにいた!ねえ、あなたでしょ?精霊石を持った冒険者って。ふ~ん、長老の言ったとおりすっごくきれいな赤毛をしてるのねぇ。でもウチのおばあちゃんだってちょっとしたモンなのよ!そりゃもうふさふさした赤毛で・・・。」
「あ、あの、君。どうして知ってんの?オレが精霊石を持ってるってこと。それに・・・。」
「・・・テヘッ、ごめんなさ~い!またムダ話しちゃった!悪いクセなのよねぇ。あたしはチット。長老に言われたんだ。あなたを探してくるようにって。」
チットに説明を受けてモゲ族の長老に会いにいく3人。

指定された家にはギドがいた。
「やあっ、ひさしぶり。勇気のあるカップルさん!きてくれたんだね。約束どおりに!エンジュールに招かれる者をお迎えするには質素な家だけどさ、まっゆっくりしてってよ。」
「ギド、おまえってホントになんでも知ってんだなぁ。レーヌのこともお見通しってワケか?」
「商人にとって情報は命だからね。で、どうだった、レーヌの3賢者の話は?」
ガイアに石にされた人々を助けるにはアレントに行くしかないとジャスティンはギドに説明した。
「しまった!こんなことしてる場合じゃないんだ!!たのむ、ギド!モゲ族の長老に会わせてくれ!」
「・・・わかったよジャスティン。ただしその前に1つだけオイラの質問に答えてほしい。キミはどうしてアレントへ行きたいんだい?」
「みんなが住む世界を守りたいんだ。」「・・・?どういうことだい?」「・・・旅をはじめたころはただ行ってみたい。それだけだった・・・。でも今はちがう!アレントへ行ってこの世界を守りたいんだ!」
「世界を守る?精霊でも光翼人でもないキミがいったいどうやって?」「それは・・・」悩むジャスティン。
「おめでとうジャスティン。モゲ族の長老はキミのことを認めたよ。アレントへ行くにふさわしい者としてね。」
「へ?長老って・・・?ええ~ッ!?も、もしかして長老ってギドのことだったの!?」
「・・・オイラ、キミが好きさ、ジャスティン。キミはいつも前も見てる。みんなよりずっとずっと前を・・・。さあ行こう!ジールパドンの地下神殿へ。アレントのカギを探しにさっ!」
ギドは部屋にあった仕掛けを動作させ、噴水の水を引かせた。

知恵のメダルを水が引いた噴水の床にはめ、ジールパドンの地下神殿への扉が開く。

4人は神殿の奥で知識のメダルを手に入れることに成功する。
神殿から地上に戻る過程でジャスティン達はバール、ミューレン、リーンを始めとするガーライル軍を発見した。
「・・・まだかッ!まだ見つからんのか、ミューレン!!」
「ハッ!全力をあげて捜索を続けておりますがいまだ発見にはいたっておりません。」
「神殿の扉が開かれていたということはエンジュールへ招かれる者がここへきたということ。エンジュールへ招かれる者と精霊石とは常に共にある。それがわかっていながら・・・。こい、リーン!」
「お言葉ですがバール将軍。現在リーン中尉は副官としての任にあたっています。中尉が持ち場を離れることで捜索活動に支障をきたす恐れが・・・。」
「ミューレン、貴様、本気で精霊石を探しておるのだろうな。」
「!?な、なにをおっしゃるのです!?精霊石はユグドラシル計画には不可欠なカード。その重要性はわきまえているつもりです。」
「ならば精霊石を手に入れるため、リーンの力を用いることになんの問題もあるまい?」ミューレンは何も答えることができなかった。
「おまえはこれまでどおり精霊石の捜索を続けろ、よいな。ゆくぞ、リーン!!」
「は、はいっ、バール将軍。」リーンがバールの後を着いて行く。
バールとリーンが去った後、ミューレンが血相を変える。
「もはや片時もムダにはできん!ミューレン隊の名にかけてなんとしても精霊石を発見しろ!!行け!」
部下達は散り散りになってジャスティン達の捜索を始めた。
「父上より先に精霊石を見つけねばな。・・・なんとしても・・・。」
バールはリーンをどうするつもりだと心配するジャスティンとフィーナだが、思案したところでどうしようもない。
ガーライル軍に見つからないように4人は道を模索する。
4人は壁に描かれている巨大な絵を見た。
ギドはその絵について神殿を守るゴーレムと説明をし、時が来るまで封印されている神殿の守護者と語った。
「そこまでだ、ジャスティン!」逃げ場のない場所でジャスティン達はミューレンに見つかったしまう。
「ミューレン!」精霊石を渡せと要求するミューレン。ミューレンにはいつものような余裕が見られない。
渡さないなら力ずくでもと剣を構え、ジャスティンも決着を付けてやると武器を構えた。
その間にフィーナが割ってはいる。「おねがい!やめて、ジャスティン。どうして2人が戦わなきゃいけないの!?きっとわかりあえるはずなのに!!」「なに言ってんだ、フィーナ!こいつらに精霊石を渡したら・・・」
突然神殿全体が激しく揺れだす。「この地響き・・・、まさか!あれを動かしたら大勢の兵たちがまきこまれるぞ!父上、ご乱心なされたかっ!?」

バールは遺跡内の一室でリーンを何らかの装置に掛け、光翼人の力をしぼり出している。
「・・・そうだ、リーン。あと少し・・・あと少しで『ゴーレム』の封印が解ける。エンジュールへ招かれる者を始末するのだ。そして精霊石をわが手に・・・。フハハハハハハッ!!」
「ああっ・・・!ぐっ、くうっ!ミ・・・ミューレン・・・大佐っ・・・!!」自らの意思に逆らって力を出力させられてるせいか、
リーンの顔は苦痛を伴っている。「フン・・・、ミューレンか。あれも母親に似てあわれな男よ。精霊石などに関わらねば多少は生きながらえたものを。もはやヤツは用済みだ。この神殿で永遠に眠るがいい!」
「そ、そんな・・・。いやっ・・・。大佐が・・・!」「ほぅ、逆らう気か。おもしろい。だが・・・ムダなことだ!」
バールが装置をいじると、リーンは更に苦しみだす。「ああああっ!ミュ、ミューレンさまぁぁっ!」

神殿の壁に描かれていたゴーレム達は壁から抜け出し、辺りを破壊する。
ミューレンは部下達に退去命令を出すが多くの兵士が崩れる床に飲み込まれていく。
ミューレンとフィーナの足下もまた崩れ去ろうとするが、ミューレンはフィーナを突き飛ばし、ミューレンは1人落ちていった。
フィーナはミューレンの身を案じるが、更に崩れ行く床に仲間達と共に逃げざるを得なかった。
逃走中に変調をきたすフィーナ。4人は皆足を止めるが、その時ゴーレムから不意の一撃を食らい、ラップとギドが床を崩され落ちてしまう。
「ジャス・・・ティ・・・か、体が・・・あっ!熱い・・・の・・・。・・・ダメっ、・・・体が・・・焼けちゃう!」フィーナはついにうずくまってしまう。」
「フィーナっ!?しっかりしろっ!フィーナぁっ!!」「ね、姉・・・さ・・・なの?姉さ・・・きゃあああっ!」

バールは何らかの異変に気付く。
「・・・むっ!?なんだ、この感じは・・・。なにか大きな力が発動しつつある・・・。そんなバカな!!光翼人の力に対抗できるものなど・・・。・・・もしや、もう1人の光翼人か!?」「あ・・・うぅ・・・、フィーナ・・・、フィーナあぁぁっ!」

辺りをゴレーム数体に囲まれたジャスティン。周りの足場は全て崩れ逃げ場もない。
その時フィーナの体が緑色に輝く。光はゴーレムを照らし貫き、光が消えた後ゴーレム達はただの石になって崩れだした。

ジャスティンが気がつくと、辺りには誰もいなかった。
3人を探すジャスティン。ジャスティンが最初に見かけた人間はミューレンであった。
「フィーナはどこだ、ミューレン!」「生きていたのか、ジャスティン!?」「フィーナはどこだ!答えろっ、ミューレン!」
「・・・いいか、ジャスティン。いますぐ精霊石を持ってここから脱出しろ。」「なッ!?なに言ってんだ!フィーナはどこかって聞いてんだろ!!説明している時間はない!!とにかく一刻もはやくここを離れろ!いいな!!」
近くから、ガーライル兵の声が聞こえて来る。ミューレンはジャスティンを近くにあった扉の奥に押し込む。
そして、その場をやりすごす。
「ご無事でしたか、ミューレン大佐!ああ、私はこのとおりだ。それより救出作業はどうなっている?
「ハッ!まだ多くの兵士がガレキの下敷きになっており、現在救護班を総動員しております。大佐、私には解せません。バール将軍はいったいなぜ我々を巻きぞえにするような・・・。」
「言うな!その件については私が直接将軍にうかがう。将軍はどこにおられるか?」
「先ほど光翼人の娘を連れてグランドールへ帰艦されました。たしかフィーナとかいう・・・。」「なにっ!フィーナだと!?精霊石の回収は後まわしだ!グランドールへもどるぞ!!」
ミューレンは兵士を連れ立って帰艦した。
その話を聞いていたジャスティン。遺跡を脱出しフィーナ奪還を目指す。

ジャスティンが地上に姿を現した地点はバールのいる場所とは遠かった。
「精霊石こそ手に入れられなかったが代わりにもう1人光翼人が手に入るとはな。クックックッ・・・。喜べミューレンよ。我らの計画がまた一歩前進したぞ。」
「バール将軍!半数の兵がガレキの下敷きとなったのですぞ!どうされるおつもりか!」「半数の兵・・・?フッ・・・。わしはこの『グランドール』でガイアの眠る城・・・、軍事要塞『J』に向かう。せっかく手に入れたこの娘、早速ガイアにささげることにしよう。おまえは兵の撤収が終わり次第、お前の艦『リオンロット』で帰ってこい。よいな・・・、ミューレン。」「・・・。クッ・・・!」
バールの前にはフィーナが横になって気絶していた。フィーナは戦艦に回収され、バールも3人娘を連れ立って戦艦に乗り込んだ。

フィーナが連れ去られた現場を遠目で見たジャスティン。戦艦が飛び去るのを追いかけるが当然追いつけない。
「フィーナーっ!!」叫び声も空しく戦艦はドンドンと小さくなっていく。「くそ!どうすりゃいいんだっ!!」
そこにジャスティンを呼ぶ声があった。「ラップ!ギド!」ジャスティンが振り返ると、巨大なエイの背に乗ってラップとギドが空を飛んでいる。
「飛行クジラさ。いざとなればボクらはこんなものまで用意できるのさ。」「何やってんだよ!ジャスティン早く乗れ!フィーナが行っちまうぞ!」
ジャスティンもまた飛行クジラの背に乗り、3人は戦艦グランドールを追いかける。

戦艦の一室。その場にはバールとフィーナがいる。
「フフフ・・・、まさかリーンに双子の妹がいようとはな・・・。だがそう考えれば合点がいく・・・。古来より光翼人をかたどった像は4本ウデの女性像であった。あれは双子の姉妹を意味していたのだ。おまえこそまさしくもう1人の光翼人だ。」
「・・・そんな・・・わたしは・・・わたしはただの人間よ!みんなのところに帰して!」
追い詰められてもジャスティンを信じ、必ず助けに来てくれると言うフィーナ。バールはジャスティンを完全に侮っていた。

戦艦内に警報が響く。ジャスティン達が乗る飛行クジラがグランドールに追いついた。グランドールの砲撃を受けながらも何とか甲板に落ちる事が出来たジャスティン達はフィーナの捜索を始める。

戦艦内で3人娘と対峙するジャスティン達。
ジャスティン達は3人娘を何とか撃退する。3人娘は軍事要塞Jに着くまでの時間稼ぎが目的だったと負け惜しみを言って去っていく。
軍事要塞『J』に着いてしまえばガーライルの援軍に囲まれてしまう。3人は何とかしてグランドールを止める必要があった。
近くにあった装置をラップがいじると最終命令を実行しますとの機械音が流れ、船が揺れだしてしまう。
もたもたしていたらやばそうだと、更にフィーナを探す3人。通路に差し掛かると船は前後に真っ二つに割れ、ギドとラップは地上に落下する機体に巻き込まれてしまう。
「ラップ!ギドーッ!!」「おれ達にかまうな!はやくフィーナん所へ行ってやれ!!」「だっ、だけど・・・」
「いいから行けーっ!!」ラップとギドはあっという間に見えなくなってしまう。

ついにフィーナを見つけたジャスティン。フィーナはバールによって捕えられていた。
「フィーナを放せ!!」「ほう・・・、お前が精霊石を持つ男か。こんな少年だったとはな・・・。」
「ジャスティン!来ちゃダメ!!」「くっくっくっ・・・。精霊石の光と光翼人の翼が互いに呼びあうというのはあながちウソでもないらしい・・・。この娘は君に返してあげよう。ジャスティン君。ただし・・・、精霊石と交換だ!」
「ウソ!ジャスティン、信じちゃダメ!!精霊石を渡したらきっと殺されちゃう。お願い、逃げて!!」
「我が艦はじきに沈む・・・。その手で選ぶがいい。君にとって真に大切なものを。」「・・・!わかった、取引だ・・・。早くフィーナを放せ!」
「フフフッ・・・賢明な少年だ。エンジュールの大いなる謎は君達の手にはあまるもの・・・。さあ、精霊石をこちらへ!」
ジャスティンが精霊石をバールに投げると、次の瞬間床が開きジャスティンは落下してしまう。
「ジャスティ~ン!!」「はーっはっはっはっ!ついに我が手にしたり!無限なるエンジュールの力よ!死ね、虫ケラめ!この燃える艦とともにな!はーっはっはっはっはっ!」バールの高笑いが響く。
落下したはずのジャスティン。船の外に落とされたものの、何とかしがみ付き地上への落下は免れていた。
戦艦に復帰し、バールを追いかけるジャスティン。

ジャスティンは再びバールを発見した。どうやら用意してあった小型艇で逃げようとしていたらしい。
「ジャスティン!!」「フィーナっ!」「しぶとい虫ケラめ・・・。こんな小娘がそれほど大事だというのか?」
「そのうす汚い手でオレのフィーナにさわるな!!」「この光翼人はワシのものだ。光翼人の力などおまえには必要ない!」
「ふざけんなっ!なにが光翼人だ!!フィーナはフィーナだ!・・・もう1度だけ言うぞ!フィーナからいますぐ手を放せ!!」
「フフフ・・・、虫ケラごときの身でよくぞそこまでほえたものだ。よかろう!ワシの手にかかって死ぬことをほこりに思うがいい!!」
落ち行く艦の中で2人の決闘が始まった。

バールに勝利したジャスティン。ロープで縛られているフィーナに近寄る。
「・・・ジャスティン!わたし信じてた。かならず助けにきてくれるって!!」フィーナの目には涙があった。
「あたりまえさっ!オレなんでもできるよ。フィーナのためなら!!」
「・・・ジャスティン・・・。・・・!そういえば精霊石は?はやくあいつから・・・。うん、わかった!精霊石をとりもどしたら、すぐにこの戦艦から脱出だ!!」
「・・・させぬわ!小僧め!いい気になるなっ!!ワシの本当の姿を・・・、大いなるガイアの力を見せてくれるわ!」
バールの右肩がマントの中で膨らむ。バールがマントを翻すとバールの右腕は緑色の触手と化していた。
「な・・・、なな、なんなんだこいつ!?ば、化け物め!こーなったら何度だってブチおめしてやらぁ!!」
切りかかるジャスティンにバールは床から触手を生やし退ける。「うわっ!!」「ジャスティン!!」
ジャスティンに近寄ったフィーナは一瞬のうちにバールの触手に絡め取られる。
「いやーあっジャスティン!」「ふはははは!あまいわっ!しょせんは人間!!ワシの力にはおよびもせん!!」
「くっそーっ!よくもやりやがったな!!今度こそ・・・。」吹き飛ばされた後何とか立ち上がったジャスティンは、
再びバールに向かう。が、更に巨大な触手でジャスティンは艦の下に叩き落されてしまう。
「うわーっ!!」「ジャスティンっ!!」フィーナが泣き叫ぶ。フィーナから一瞬緑色の光が発せられるとフィーナを掴んでいた触手が砕けた。
そのままフィーナはジャスティンが落ちた方向へと駆け出す。
「ジャスティーンっ!!」そして、無造作に飛行中の戦艦から飛び降りてしまった。
「うむむ・・・バカな光翼人め!みずから死を選ぶとは・・・。だが・・・!そんなことどうでもよいわ!!ついに最後の精霊石を手に入れたのだ!ただえよ!我が力を!!従えっ!ガイアに!!ぐわーっはっはっはっ!」
燃える戦艦の火がバールの身にも移るが、バールはそんな事気にも留めずに高笑いを続けた。

戦艦から落とされたジャスティンは落下を続けている。
「くっそ~、マジか?ここでオレの冒険はオワリなのかよ!」
「ジャスティン!」「フィ・・・、フィーナ!!どうして・・・。オレを追って来たのか?」
フィーナがジャスティンに追いついた。ジャスティンは手を差し伸べ空中で2人は手を繋ぐ。
そしてジャスティンはフィーナを抱き寄せた。「なんで来たんだよ、フィーナ!!とびおりたって2人とも死んじゃうんだぞ!ばかっ!」
「よかった・・・。やっと・・・。もうはなさないわ、ジャス・・・。」「フィーナ!?フィーナっ!・・・。バカだよ・・・。キゼツするほどこわいならどうして・・・。フィーナ・・・、ちくしょう!こんなところで死んでたまるかぁーっ!」
ジャスティンの叫びに呼応したのか、フィーナの背から緑色の羽がはえ、辺りは激しい緑の光に包まれる。
光は天と地とを結び、ジャスティンとフィーナの落下は停止した。
その光を見つけたのか、ラップとギドを乗せた飛行クジラは光の柱の周りをゆっくりと飛行していた。

フィーナは救出から3日後に目を覚ました。
「いやぁあんときは太陽でも出てきたのかと思っちまったぜ!ま、あの光のおかげでジャスとフィーナを見つけられたんだけどよ。」
「フィーナ・・・ホントにだいじょうぶなのか?」「ジャスティン・・・。ごめんね。わたしのために大切な精霊石を・・・。」
「いいんだよ!精霊石よりフィーナの方がずっと大切なんだから!あれでよかったんだ。精霊石とバールが燃えちゃったら軍のおかしな計画もなくなるさ!」
「・・・やっぱりわたし光翼人だったのね・・・。」
「光翼人なんて関係ないさ!フィーナはフィーナだろ!?なにもかわらないよ!なッ?」
フィーナは自分が光翼人だと自覚し、自分もまたアレントに行って知りたい事が出来た事を仲間に告げる。
4人は改めてアレントを目指すことになった。アレントへの道はレーヌの賢者達が教えてくれるとのギドの助言の元、レーヌを目指す。

レーヌに着いてまずダーリンの元へ向かう4人。

ジャスティンはアレントに行く為に必要なモノが揃った旨をダーリンに伝える。ダーリンは改めてジャスティンに一体どうしたいのか問う。
「・・・リエーテが言ってた。多くの答えを望むならアレントへくるようにって。いまはわかるんだ。旅をはじめたころにはわからなかったその言葉の意味が・・・。オレには知りたいことが・・・。いや、知らなきゃいけないことがたくさんあるんだ!世界をおおうほど栄えたエンジュール文明がなぜ滅んだのか・・・。光翼人のこと・・・、精霊石のこと・・・、そしてガイアのこと・・・。オレ、アレントへ行きたい!!アレントへ行けば見つかるはずなんだ!そのすべての答えが!」
ジャスティンの決意を聴き、ダーリンが自分達が隠していた素性を明かす。
ダーリンら三賢者は研究者というだけでなくアレントの門番でもあるのだという。そのダーリンはアレントの門番としてジャスティンにアレントへ行く資格があると認めた。

ジャスティン達はドーリンにアレントの詳細な行き方を聴きに行く。
「おお~!きみわきみぢゃないか!よ~くおぼえているぞ!いったいだれだっけかな?」「え~っ!!ま、またかよ~っ!?」
「はっはっはっ!ジョ・ウ・ダ・ンだ!!今日はいったいどうした?」ジャスティンはアレントのカギを手に入れたことを伝えた。
「て、手に入れたのかねっ!?これでリエーテ殿にまた一歩。いいぞ~、君たちは本当にいいぞ~!!」
村の裏山にある泉に知識のメダルを投げ込むと泉に虹が掛かりアレントへの道が開くのだと言う。
「虹の山への門は開いておこう・・・。かならず答えを手に入れてくるのだ。そして、リエーテ殿のお姿をわが手で!!」
「だから、その手でど~するつもりだオッサン・・・。」ラップがいつものように冷ややかな目でドーリンを見ていた。
(ドーリンはリエーテのフィギアを作りたがっています。)

ガーライル軍の施設。バール管理下の元、ガイアは着実に成長し、宙を揺ら揺らと浮かんでいる。
(ガイアの姿は、ツインタワーの壁画に描かれており、ジャスティンとフィーナが悲しい絵と評したそのモノになっている。)
ある一室で、バールはガイアの成長を見守っている。そこにミューレンとリーンが現れる。
「・・・、ミューレンか?フフフ・・・、とうとうこの時が来たのだぞ。神話の時代にくだけたこの精霊石がふたたび1つに再生する時がな。」
バールの目の前には巨大な精霊石が置かれている。「・・・父上!本当にガイアをよみがえらせるおつもりか!?」
「いまさら何を言う?ガイア復活こそユグドラシル計画の最終目的であろうが・・・。見よ、ミューレン・・・。ガイアも喜びにうちふるえておるわ。わしには聞こえるのだ。はやく精霊石のエネルギーを食らいたいというガイアの声がな・・・。」
「父上!まだわからぬのですか!?ガイアが人の手にはあまる存在ということが!!このままでは過去のあやまちをくりかえしてしまいます!ガイアの呪われた力で物言わぬ石像と化した兵士や亜人達のことをお忘れか!」
「あんな虫ケラどもなどしょせんガイアのエサにすぎん。」
「・・・虫ケラと・・・言われるか!それが父上の本当のお考えだとするなら・・・。我がガーライル軍の大義・・・、理想世界建設などすべてウソいつわりだったのか!!」
ミューレンが激高するがバールの表情に変化はない。「理想世界はガイアによってのみもたらされる・・・。ガイアの意思を受け入れた者には無限の福音が与えられるのだ・・・。このワシのようにな・・・。フフフ・・・。」
バールはその場を離れ精霊石の最後のひとかけらを取りに行った。
「戦艦グランドール墜落のときバール将軍以外のすべての兵士は脱出しました。落下現場に戦艦リオンロットで向かった救助隊の報告ではそうとうひどい状況だったそうです・・・。にもかかわらず・・・、なぜかバール将軍は無傷のまま・・・。」「・・・。」
「私おそろしいんです・・・。バール将軍を見るとふるえが・・・、ふるえが止まりません・・・。」
「やはり・・・、あの男に精霊石を渡すわけには・・・。」

虹の泉に着いた4人。ついに夢にまでみたアレントに行けるとジャスティンは直ぐに知識のメダルを泉に投げた。
泉から虹色の光が飛び出し、まっすぐ天に向かって伸びている。
「・・・オイラの仕事はここまでさ。」急にギドが切り出した。「ここから先の道はキミが創るんだ。・・・キミ自身の手で。」
「えっ?なんだよ、ギド。いっしょにきてくんないのかよ?」「・・・、はじめて会ったとき、オイラが言ったことおぼえてるかい?人はだれもが役割を持ってこの世に生まれてくるんだ。1人の例外もなく、ね。だからオイラにはオイラにしかできない仕事があるし、それはキミだって同じことさ。だいじょうぶ。アレントに行けば見つかるさ。キミの本当の役割もね。」「オレの・・・本当の役割・・・。」
ギドに別れを告げ、ジャスティン達3人は空に伸びる虹の中央へ歩む。
そしてそのままエレベーターのように浮上し、雲を越え、ついには宇宙へと飛び出す。
ジャスティン達が住んでいる星の近くに浮かぶ衛星。それがアレントだった。
「あれが、アレント・・・。あそこに全ての答えがあるんだ・・・!」

アレントに着き、リエーテを探す3人。そしてついにリエーテのいるアレント神殿・礼拝堂に辿り着く。

リエーテは神殿の入り口で3人を出迎えた。ジャスティンがついに来たというと、リエーテがあるでジャスティンとは初対面と言うような感じで話す。3人が辺りを見回すと、そこら中に無数のリエーテが立っている。それに驚いていると目の前のリエーテが消えてしまった。
無数のリエーテの中の1人説明する。「このアレントにはリエーテがたくさんおりますが・・・、命あるリエーテはただ1人。永遠の静寂を生きねばならない彼女はこの地を街に似せようとわたくしたちを作ったのです。」と。そして話が終わると幻のように消えてしまう。
無数のリエーテは語りだす。
「2つのメダルはたがいを象徴しています。『知恵のメダル』はモゲ族を。そして『知識のメダル』はリエーテを。知恵の豊かなモゲ族は地上で商人を、知識の豊かなリエーテは天空で歴史の証人をつとめています。」
「ここはエンジュール文明の記憶の保管所・・・。リエーテははるかな時を越え、たった1人でこのアレントを守り続ける記憶の保管者。かつてリエーテの父は言ったそうです。この子は悲しい目を見ることになると。わたくしにはなぜだかわかりません。リエーテが悲しい顔を見せたことなどありませんもの・・・。」
「欲と悪意を持って精霊をその活動の糧とする精霊石のなれの果てがガイアです。精霊を取り込み成長する・・・。それがガイアの性質です。ガイアはひとたび成長を始めるとこの世界のすべての精霊を取りこむまで成長しつづけます。そして精霊を奪われた世界はその姿を変えるのです。『死の世界』へと・・・。」
「本来、精霊石は光翼人と共にあるときのみその力を発揮するのです。光翼人に頼らず精霊石の力を引きだそうとした結果・・・、それがガイアなのです。ガイアは単に精霊石が姿を変えたものではありません。人の欲と悪意の影響を受けた扱う者の姿を映す鏡なのです。」
「耳の長い種族、角を持つ種族、体の大きな種族、足の速い種族。人間には様々な種族がいます。かつてこの世界ではその全ての種族がわけへだてなく共に暮らしていたのです。様々な姿の全ての人間が共に暮らしていたのです。」
「伝説によれば時の初めに精霊が精霊石を人間に与えたとき・・・、精霊石に呼ばれたかのように人の中から双子の姉妹・・・、すなわち光翼人があらわれたとあります。精霊石と光翼人とは1つの運命を共にするさだめ・・・。精霊石が1つに集まりしとき光翼人が生まれると言われています。しかし精霊石が7つに砕けたあのときより、光翼人はあらわれなくなりました。」
「光翼人は常に双子で生まれてきます。それは光翼人と双子が共に調和を象徴しているからなのです。双子は体が別々であっても心は1つであるとされています。一方光翼人は精霊が人間を祝福している証として認識されています。したがって共に調和の象徴とされているのです。これ以上の話は『教王の間』の命あるリエーテからうかがってください・・・。」

3人は教王の間へ入った。
「リエーテ・・・、今度こそ本物のリエーテだよな。」「ようこそ、エンジュールへ招かれし者よ。そして・・・、多くの答えを望む者、ジャスティン・・・。」
リエーテは知る限りの事をジャスティンに話始めた。
「私が受け継いだものはエンジュールの古い記憶の数々・・・。その記憶と共に私は『リエーテ』の名を受け継いだのです。遥か彼方の過去、人は精霊と語らう事が出来ました。まだ人間が世界の一部であった時代のお話です。時の人々は如何に多くの事を精霊達と語った事でしょう。そして人々は以下に多くの事を世界から学んだ事でしょう。約束の印である精霊石の光は世界を照らし続け、人々は、連なる星々の彼方さえ旅するほどの力を手に入れました。そして・・・、奪う事を人が覚える日がやって来ました。自らの大地から富を奪い、空から力を奪い、そして最後に双子の光翼人の手から精霊石が奪われました。彼らはその光によって世界さえも変えようとしたのです。ガイアは世界の姿を大きく変えました。しかし、人々は忘れていたのです。精霊石の光は自らの心を映し出す光だと言う事を。約束を忘れた人々にもはや精霊の祝福は失われていたのです。世界の死を止める事は、もはや不可能でした。彼らがかつて、自分達の欲望を留める事が出来なかったように・・・。」
いつの間にか4人は幾つもの石板が立っている場所に移動していた。
「精霊石がくだかれたとき、人と世界とのきずなもまたくだかれたのでしょう。人が世界の1部となり想いを1つにすることは、・・・2度とないのかもしれません。・・・あちらをごらんなさい。」
リエーテが無数の石板を見るように言った。石板は数十あり、赤い石板が2,3、それ以外は皆青い石板であった。
リエーテが言うには石板は代々のリエーテの心を示すものであって、赤い石板は幸せな時を、青い石板は悲しみの時を過ごしたリエーテの心を映し出しているとの事だった。そして世界を滅ぼしたガイアを双子の光翼人がその命と引き換えに停止させて以来は、
赤い幸せの石板が表れた事は一度もないのだという。
「リエーテ、君の石板はなに色なんだい?」「私の石板にはまだ色がついていませんが・・・、おそらくは青色に染まるでしょう。」
何故?と疑問に思う3人にリエーテは答える。精霊石のもつ力でガイアを蘇らせ、世界を滅ぼそうとしているものがいると。
ジャスティン達はバールを倒し、精霊石は燃え、ガイアの復活が止まったと思っていた。
しかし、リエーテは精霊石は燃えておらず、それどころか精霊石が一つになる時が近づいていると予見した。
「なんだって!じゃあバールも生きてるっていうのか!?」「精霊石が1つになるとき、ガイアは復活をとげます。エンジュールの悲しい神話がいまふたたびくり返されようとしているのです・・・。」
「リエーテさん・・・、今までのお話は・・・もしガイアが復活したらそれを止められるのは私と姉さんだけ、そういう意味なんですか?」
「ええ、そのとおりです。」
「待ってくれリエーテっ!!それって神話と同じようにリーンとフィーナが死ぬってことだろ!?そんなことできるもんか!他にガイアを倒す方法はないのかっ!?ここにはあるんだろ、すべての答えが!!」
「・・・ここアレントにはすべての過去が存在します。けれど・・・。未来はひとかけらも存在しないのです。」
「未来が・・・存在しない・・・?じゃあオレはどおすればいいんだ!?すべての答えを求めてここまできたのに。」
「・・・精霊の力を借りるしかないでしょう。『世界の真理を体現した者』にのみ、そのトビラが開かれるという『精霊の聖地』で・・・。」
「精霊の聖地・・・?それはどこにあるんだ、リエーテ?」
「この世界のどこにでも存在し、同時にどこにも存在しない場所。そう伝えられています。けれどあなたたちならたどり着けるかもしれませんね。ここへたどり着けたあなたたちなら。」
「1つ聞いていいか、リエーテ。さっき言ってたよな。ここには未来が存在しないって。君の未来はどうなんだ?ここには君の未来もないっていうのか!?」
「・・・私の石板の色を決めるのは私ではありません。私の生きる時代がそれを決めるのです。」
「ちがう!そうじゃないっ!リエーテの生きる時代が石板の色を決めるんなら、時代ごと変えてやればいい!未来は他人が創るものじゃない!生きて・・・、せいいっぱいに生きて自分で創っていくものなんだ!!」
「未来を創る・・・?」「そうさ!ここにいちゃ未来なんて創れやしない!だから・・・、いっしょに行こう、リエーテ!君も自分の未来を自分で創るんだ!」
「・・・私は歴史を司る者、リエーテ。あなたが創る未来を見届けること。それが私の未来を創るということなのかもしれません。わかりました。行きましょう、ジャスティン。あなたの創る未来で私の石板を赤色に染めるために。」

リエーテを仲間にし、元の世界に戻る4人。入り口から出ると見慣れない場所に出た。
「あれっ、どこだここ?ヘンなトコに出ちゃったぞ!?」
「いいえ、これでよいのです。地上に降りるためのシャトルへはこのゴンドラのみで行けるのです。」
ゴンドラがゆらゆら揺れる。漆黒の空間に浮かんでいる為、高いんだか低いんだか分からないとラップが言った。
「安心してください。このゴンドラは極めて安全ですから。」ゴンドラはすーっと上の方に登っていく。

4人はシャトルに乗り込んだ。
「これで地上に戻んの?」「ええ、これに乗れば地上まであっという間に落下しますわ。」
「落下するって・・・。・・・おい!こいつはすとーんと下に落ちんのかっ!?」「ええ、すとーんと。」
「ちょっと待ってっ!ここから落ちたらタダじゃ・・・」フィーナが止めに入るがとき既に遅く、シャトルは噴射を始めた。
ジャスティン、フィーナ、ラップはギャー!だのウワァ!だの阿鼻叫喚である。
「そんなに慌てなくても、地上にぶつかればちゃんと止まりますわ。」「バカやろぉ~!降ろせぇ~!!」
「ですから、こうして降りていますわ。」「だから、そうじゃなくってぇ~!」3人声を揃えて叫ぶが、それから間もなくシャトルは地面に突き刺さった。

場面は変わってガーライル軍。
「クックックッ・・・、聞こえるか、ガイアよ。この地におまえの城を完成さえて以来わしは・・・、どれほど待ちのぞんだことか。お前のめざめ、すなわち・・・世界を我が手にする日を!!」
そこにミューレンと何人かの兵隊がやってくる。「ただいまより、我がガーライル軍は私の指揮下に入ります!ユグドラシル計画の中止・・・、そして精霊石とガイアの処分を行います。さあ、父上・・・、いやバールよっ!精霊石のかけらをさしだしていただこう!!」
「フッ!たわけたことを・・・。」ミューレンによるクーデターも、バールはまるで動じていない。
「人間のワクを越えた究極の進化形態。それがガイアなのだ。いやしき亜人どもの血が流れる貴様にはわかるまい。この進化がなにをもたらすのか・・・。すべてはガイアのために存在する!わしも貴様もそしてこの大地もッ!!」
「・・・聞けぬ!そんなたわ言!!覚悟するがいい、バール!」
「クックックッ・・・、ミューレンよ。貴様ごとき虫ケラに・・・この私を倒せると思うのか!ハーッハッハッハッーッ!!」
「我が剣の力!受けてみよ!!」

場面が変わって墜落したシャトル。
モンスターと戦闘をした訳ではないのにリエーテ以外は満身創痍だった。(リエーテは何故か無傷)
シャトルはサバナ原野に落ちたらしい。そしてリエーテがガイアのいる方向、ルゼット山脈にガイアの気配を感じると3人に伝えた。
4人はガイアを止める為にルゼット山脈を目指す。

リエーテが示す場所に着いた4人。そこはガーライル軍の基地となっていた。
リエーテもそれは予想外だったらしく、エンジュールの遺跡の上に基地を立てたものであると推測する。
基地はジャスティン達が入る前から物々しかった。ミューレンがバールに対してクーデターを行っていたからである。
クーデターはほぼ成功し、後はバールのいる作戦室を残すのみという事だった。
ジャスティン達はガイアを探し基地の内部を進む。
通路でミューレンが倒れており、リーンが寄り添っている。バールの手に掛かったのであろうか。
「しっかりしろ、ミューレン!バールはどこだ!?」「ジャスティン、なぜ・・・、なぜバールに精霊石を渡した!!」
「・・・。」「ヤツに精霊石を渡すことは破滅への扉のカギを渡すも同じこと・・・。そのことがおまえにはわからなかったのか!!」
「そ、それは・・・。」「急がねば・・・、バールを止めねば世界は・・・。ヤツはガイアを・・・。」
そういうとミューレンは気を失ってしまう。リーンに精霊石の奪還を託され4人は先に進む。

そしてジャスティン達はバールに追いついた。バールは精霊石の最後の1ピースをはめ込まんとしている。
「やめろっ!バール!!ガイアを目覚めさせるな!」「来たか・・・小僧。だがもうおそい・・・。今まさに貴様の精霊石をうめこんだ。大いなるエンジュールの力はよみがえったのだ・・・!感じぬか?ガイアの息吹を・・・。グググ・・・、今度こそ・・・、我が根を・・・世界中にはりめぐらせてやる・・・。」
バールは既に正気を失っている。
「そのときはおまえも滅びるんだぞ!いますぐガイアを止めろ!!」
「わしを止めることなど・・・だれにもできんわ!世界中の生命を食らいつくすのだ!」「こ、こいつ・・・、なに言ってんだ・・・?」
「ガイアの意識と同調しています。この男性の強い欲望こそが真にガイアをよみがえらせるのです!」
「・・・おおっ!そこにいるのは光翼人ではないか・・・?」「・・・ッ!」「ふたたびわしを封じようというのか?フハハハッ、そうはいかんぞ!今度はわしがおまえを食らってやる!!」
「させるかっ!ガイアは絶対に止めてみせる!!」

4人力を合わせバールを倒したのもつかの間、バールは完全にガイアと同調をしてしまう。
ガイアと化したバールの一撃に4人は圧倒されてしまうが、その場に現れたリーンが光翼人の力を発動し4人を守り、その場を離脱する。
「なぜ、あらがうのだ・・・。その身をゆだねるがいい・・・。お前達がガイアを生みだしたのだ。人の欲望が我を産みだしたのならば・・・破滅こそが貴様らの望みなのだ!さあ、見るがいい。これが貴様らの新たな神の姿よ!」
ガイアは外殻を破り、数本の巨大な触手が辺りを破壊する。そして触手はそのまま伸びて世界中に張り巡らされていく。

リーンによって救われた4人。そのままミューレンの戦艦に移動する。

ミューレンの戦艦の中、ガーライル軍の兵士がジャスティン達がいる部屋に入ってきた。
「フィーナ少尉、命令が下りました。直ちに任務についてほしいとのことです。」
フィーナが少尉?何の冗談と4人は戸惑う。
どうやらミューレンの意向でフィーナが本日付でガーライル軍に少尉待遇で迎えられてしまったらしい。本人の同意も得ず。
事情が呑めない4人はミューレンに問い詰めにいく。

ミューレンとリーンは会議をしていた。ガイアは恐るべき勢いで増殖をしているらしく、早急に手を打つ必要があるようだった。
そして2人はガイアの狙いは、人口が多いジールパドンだと考える。
ジャスティン達がミューレンのところにやってきた。
「おいっ、ミューレン!フィーナが少尉ってどういうことなんだっ!」
「・・・知っての通りガイアは復活した。我々は現在苦境に立たされている・・・。いったん軍事要塞『J』を退き、ルゼット山脈のふもとに設営した前線キャンプで対ガイアの作戦を準備する。だが状況を好転させるためのすべはもはや1つしか残されていない。我々ガーライル軍はそう判断した・・・。神話の再現だ・・・。ヤツの体内に吸収されし精霊石を打ち砕くのだ。古代文明と我が軍の技術力を集めた兵器、『蒸気砲』を投入することになる・・・。あれならガイアの動きを止められる。しかし・・・、精霊石を砕くことは普通の人間には不可能だ。光翼人のパワーがどうしても必要なのだ。協力してくれるな?・・・フィーナ少尉・・・?」

戦艦は前線キャンプに着いた。フィーナは1人ジャスティン達と別行動をしている。
キャンプ地にフィーナのテントがあると聞いたジャスティンはキャンプ地を目指す事になった。

キャンプ地でフィーナを見つけた3人。フィーナは考え事をしていたらしい。
フィーナはリーンと話をしたいらしく、4人でリーンの元へと移動する。

リーンもフィーナに話す事があったらしい。
「これまでミューレン大佐は精霊石をバール将軍に渡すまいとしてこられたわ・・・。そして大佐は今も不眠不休で軍の指揮をとっておられる。世界を破滅から救うために。けれど・・・。あなたも知ってるわね。ガイアが復活した今、世界を救うには精霊石を砕くしかないってこと。そのために私たちの力が必要だってこと。おねがいフィーナ!力を貸して!私、今こそ大佐のお力になりたいの。大佐が苦しんでおられる今こそ!」
「ちょっと待てよ、リーン!ミューレンはジールパドンを見捨てるつもりじゃないかっ!?そんな作戦に力を貸せるわけがないだろ!」
ガイアの侵攻が早く、ガーライル軍にもそれ程の余力がない今、ガイアの第一目標になっているであろうジールパドンは切り捨てざるを得ない。それがミューレンとリーンの出した答えだった。
「ジャスティンの言うとおりよ、姉さん。私ジールパドンの人たちを助けに行くわ。ジャスティンといっしょに。」
リーンはその考えが余りにも危険だとジャスティンとフィーナを説得しようとするが、
ジャスティンは危険だからこそいかなければならないと言った。「世界を救うためにジールパドンの人たちを見捨てるなんてそんなのまちがってる!目を覚ませリーン!ミューレンのなんかの言葉にだまされちゃ・・・」
「ミューレンさまを悪く言わないで!!いつか大佐はおっしゃったわ。『この母なる大地を守ることが私の使命であり願いなのだ』と。それがかなうなら、私はどうなってもかまわない。たとえ命を失っても・・・。」
「ちがうわ姉さん!姉さんや他のみんなの命とひきかえに世界が救われたってそれがなんになるっていうの!?」
「オレ達は世界を救う前にジールパドンの人たちを助けるんだ!行くぞみんな。ジールパドンへ!!」
4人はジールパドンへ向かった。

ジャスティン達が街に入って程なくして、ガイアがジールパドンを強襲する。ガイアの放つ光は木の葉すら石化させてしまう。
巨大な触手は街の建物に襲い掛かり次々と破壊し、その恐ろしさをまざまざと見せ付けた。

ジャスティン達が生存者を探しに街の中を駆け巡る。街のいたるところには逃げ遅れ石化された人間達がいた。
生き残った人の悲鳴を聞きつけジャスティン達が走る。悲鳴の主をモンスターから救い出し、他の生き残りがモゲ族の居住区に固まって避難していると聞く。
街を回っているとフィーナの名が呼ばれた。声の主はリーン。手伝いに来てくれたと期待するジャスティン達だったが、
リーンはフィーナを作戦実行の為に軍事要塞『J』に待機せよと伝えに来ただけだった。
分かり合えないジャスティン達とリーン。その時、また新たな悲鳴が聞こえてくる。声の方向に向かうジャスティン達。
モンスターを倒し襲われていた人を助けるも、モンスターは直ぐ復活し、今まで幾度となく対峙したガイアバトラーの姿になる。
「あなたたちにはガイアは倒せないわ。」再びリーンがジャスティン達の前に姿を現す。
「ガイアを倒せるのは・・・、戦うための翼を持った私たち光翼人だけなの!!」リーンが翼を開くとガイアバトラーは一瞬のうちに消滅してしまう。
「・・・わかったでしょう、フィーナ。私たちが存在する理由が・・・。私たちはガイアと戦うために生まれてきたのよ。」「・・・。」
ここでもジャスティンとリーンはそれぞれの主張をぶつけ合っていたが、不意にガイアの巨大な触手でリーンが殴り飛ばされ気絶してしまう。
4人はリーンを抱え、街の人間と共にモゲ族の居住区に避難した。

避難所の人間は皆絶望していた。口々にもうお仕舞いやら、なんで死ななきゃならないのやらと叫んでいる。
ジャスティンが俺が守ると回りを元気付けるが大して効果はなかった。
対ガイアの決め手がない4人に打つ手はない。そこにモゲ族のチットがやってきて、ジャスティン達と再会を果たす。
街を守ってくれていたジャスティン達に礼を言うチット。ギドは今行商で街にはいないと言うことも説明する。
頼れるギドが不在な状況にいずれはここもやられてしまうと不安がるチット。
「あきらめちゃダメだ!!ここには来させやしない。ヤツらから皆を守ってみせるよ!」
「・・・ですが、ジャスティン。ガイアは光翼人の力を使わないかぎり、何度も復活してしまうのですよ。」
「光翼人の力・・・。姉さんが言ってた戦うための翼・・・!?戦うため・・・戦うための存在!?ジャスティン・・・。わたしは・・・、わたしは・・・戦うための存在なの?姉さんみたいな力も使えずにいるのに!?」「フィーナ・・・!?」
「ちがう・・・、ちがうの・・・。・・・戦いじゃない。わたしは・・・、わたしは守りたい・・・。ジャスティンを・・・、リーン姉さんを・・・、ここにいるみんなを守りたいの!!」そう叫んだ瞬間、フィーナの背中に緑色の光を放つ翼が生える。
リエーテはフィーナの中で新たなる力が芽生えようとしているのを感じると言った。
「そう、それは想う力。かつてガイアを封じ込めた光翼人でさえ手にすることのできなかった力・・・。そして・・・、その力を解放するために必要ななにかをあなたはつかもうとしているのです。」「想う・・・力・・・?」
けたたましい音と共に再びガイアの光が照射され、辺りは騒然とする。
居住区の入り口に向かう4人。その場で待ち受けていたガイアバトラーに挑む。
1体倒した後に、直ぐに10体近いガイアバトラーが押し寄せてくる。
劣勢にも後ろに避難民がいる為に引く事ができない。ジャスティン達は戦うしかなかった。
「ジャスティン!わたしといっしょに強く想って!!みんなを守ると!!ガイアに負けないと!!」フィーナが叫んだ。
「フィーナァーッ!!」フィーナが更に激しく光を放つ。リーンはいつの間にか目を覚ましていて、その光景を目の当たりにした。
「ジャ・・・、ジャスティン、フィーナ・・・!あなたたちの力は・・・!?」光はあっという間に広がりジールパドンを包む。
目の前にいたガイアバトラーは消滅し、ジールパドンを襲っていた触手も活動を停止する。

ガイアを退けたジールパドン。ジャスティン達の戦いぶりをリーンは見ていた。
「ジャスティン、フィーナ・・・。」「リーン・・・。」「私、あやまらなければいけない・・・。この街を見捨てるという作戦をあなたたちに押し付けようとしたことを。そして感謝しなくてはいけない。次に私が進むべき道を示してくれたことを・・・。私は大佐のもとへ帰るわ。あなたたちは軍に動きがあるまでこの街から出ないでいて。あとは私にすべてまかせて・・・。」
「姉さん・・・。」「さようなら、ジャスティン。フィーナ。」リーンはジャスティン達の前から去った。

前線キャンプのテントの中。
リーンの元へミューレンがやってくる。
「・・・なぜ1人でもどってきた。リーン。おまえの任務はフィーナを説得し、我々の作戦に参加させることだったはずだ。」
「・・・。ミューレン大佐。私たちはまちがっていたのではないでしょうか?」「・・・どういう意味だ。」
「私の・・・いえ、光翼人の力ではガイアを倒すことはできません。ジールパドンで人々を守ろうとしたフィーナの力は私の力とは明らかにちがっていました。・・・あれは、光翼人の力ではなかった・・・。もっと、ずっと大きな・・・。」「・・・。」
「世界を救うために今本当に必要なのは、フィーナとジャスティンが見せたあの力なのです!私たちもそれを探すべきではないでしょうか!ミューレン様!!」
ミューレンは暫く考える。「・・・わかった。リーン中尉。」「そ、それでは!」
「作戦に変更はない!明朝までになんとしてもフィーナの協力を得るのだ。いいな!」
「大佐っ!お願いです!私の言うことをわかってください!!」リーンの説得をミューレンが遮る。
「なにもわかっていないのは、おまえのほうだリーン!」「・・・あ・・・。」「もはや夢物語を追っている時間はない!ガイアに対抗するためには、2人の光翼人の力が必要なのだ。それ以外に世界を破滅から救う方法はない!それがわからんのかッ!!」「で、ですが・・・。」
「我々はみな罪深くおろかな存在だ。この母なる大地に生きる資格などないのかもしれん・・・。だが、たとえこの世界が罪に満ちあふれたものだとしても、・・・私はそれを守りたいのだ。」「・・・。」
「おまえならわかってくれるはずだ。おまえの背に光る光翼人の翼は、罪の象徴でもあるのだから・・・。」
「私の翼が・・・、罪の・・・象徴・・・。」「力を貸してくれ、リーン。我々には光翼人の力が必要なのだ。おまえとフィーナ。2人の力が・・・。」
「・・・わか・・・り・・・ました、大佐。明朝予定どおり・・・。」「それでこそ、私の副官だ。・・・たのむぞ、リーン。」

ジールパドン。
フィーナが自分が戦うための存在なのかと自問自答している。ジャスティンに訪ねるがジャスティンも分からないと言い、答えられなかった。
ラップが騒がしく報を伝える。どうやらガーライル軍が前線キャンプから東にある軍事要塞『J』に移動を始めたとのことだった。
軍の作戦はフィーナがいなければ出来ないはず、リーンは1人でガイアに挑もうとしているのかと推測するジャスティン達。
4人は急いで軍事要塞『J』に向かうこととなった。

リエーテが、ガイアの力が周りのモンスターに影響されて強化されていることを伝える。
軍事要塞『J』に向かう途中にガイアは進化し第二形態を迎える。

ジャスティン達がまだ軍事要塞『J』に到達していない頃、要塞内にてリーンがミューレンの命令を無視して作戦実行場所の蒸気砲3番砲塔へと向かう。
進化したガイアは要塞へと侵攻を始めた。

ジャスティン達が軍事要塞『J』に到着した。司令部にはミューレンがいた。
「・・・まだか!まだリーンとの連絡はとれんのか!このままでは動くに動けん!!」
「ミューレン!どうなってんだよ、いったい!?リーンはどこだ!?」「!ジャスティン!?なぜフィーナがここにいる!リーンは1人で・・・まさかッ!!」
リーンがフィーナを説得し、作戦を実行する算段だったため、ミューレンは驚く。
その時室内の全てのモニターにリーンの顔が映し出された。
「・・・報告します。ただいまから軍事要塞『J』の全機関はすべて私の制御下に入りました。くりかえします。軍事要塞『J』の全機関は現在リーン中尉の制御下にあります!」
「どこにいる!?戻れっ!戻るんだっ、リーン!!」
「・・・そこにいるのね?フィーナ・・・、ジャスティンも。感じるわ、あなたたちを・・・。」「姉さん!」「リーン!」
「あなたたちに伝えたい・・・。いま私たちがかつての悲劇をふたたびくり返そうとしていることを。光翼人の力に頼ることは、悲しい運命の神話をくり返すだけだということを・・・。そして・・・、私がこの作戦を止めるためにここにいるということを!」
周りの兵士達がざわめく。「世界を救う本当の力。それは・・・フィーナにはあって私にはない力・・・。それがジャスティン。あなたなのよ。ただ、その力は今はまだとても小さく掴みにくいもの。だから、私が時間を作ります。この世界を救うために必要なほんの一握りの時間を。人が生きるということは幾つもの過ちを重ねてしまうことなのかもしれません。ガイアもまた、その過ちの一つから生まれました。ミューレンさま・・・。・・・あなたは言われましたね。この翼は、そうした罪の象徴なのだと・・・。けれど、あなたを苦しめている人々の罪を少しでも軽くできるのなら、私は呪われたこの翼でさえ誇りに思うことができます。」
「なにを言うリーン!それは私のセリフだ!!おまえを苦しめているその翼から、おまえを解放してやりたかった!!私はずっとそれを願っていたのだ!!」
「世界中のみんな・・・。これから先の闘いは、どうか同じ過ちをくり返さないで!新しい道を歩いて、汚れのない世界を創りだすために闘って!!そして、それができる人は・・・、・・・あなたよ、ジャスティン。あなたならかならずたどりつけるわ。この世界を悲しい運命の鎖から解き放つための答えに!」
「待ってくれリーン!!オレはなにをすればいいんだッ!?」誰の声もリーンのいる場所には届かない・・・。
「ミューレン大佐・・・。・・・私の最後の言葉・・・、聞いてください。・・・あなたを、だれより・・・愛して・・・います。ずっと、ずっと・・・。」
「リィィィーンッ!」
モニターからリーンの顔が消える。
「光翼人の力は2人で1つ。どちらが欠けても意味はありません。それなのに・・・。いったい・・・、リーンさんにはどのような『答え』が見えたのでしょう。」
「そんな・・・、姉さん・・・。」「見たか、ジャス?アイツの目・・・アイツ本気で死ぬ気だぞ!」
ミューレンは虚脱状態に陥っている。何とかリーンの居場所を聞きだし、砲塔へ急ぐジャスティン。

砲塔にたどり着いたジャスティン。しかし、リーンは更に高台にいた。「やめるんだっ!リーンッ!!」
リーンは羽を開き、蒸気砲へ赤い光を行き渡らせる。リーンは数門ある蒸気砲を制御し、今まさに襲い掛からんとするガイア照準を合わせた。
ガイアの頭の一つが口を開いた時、蒸気砲はガイアの口に目掛けて発射された。辺りは蒸気砲発射に伴う煙に包まれる。
しかし煙が晴れるのを待たずに、ガイアの触手は何事も影響がなかったかの如く蒸気砲に絡まり、次々と破壊していく。
無傷な蒸気砲は後1つ、砲塔の上にはリーンが乗っている。砲塔はゆっくりと構えられガイアに照準が向けられる。
ガイアの頭の一つがバックリと口を開き、最後の砲塔を呑み込もうとしている。そして、ガイアはリーンごと砲塔をくわえ込んだ。
完全に咥えられた砲塔は、そのまま蒸気砲を発射した。ガイアの頭とも砲塔とも分からない破片が辺りに飛び散り、リーンは命を失った。

ジールパドン。
リーンの犠牲によりガイアは活動を停止した。フィーナはリーンの死に酷くショックを受けて、塞ぎこんでいた。
ジャスティン達が寝泊りしている宿屋にミューレンが訪れる。
「・・・その中にフィーナがいるだろう。彼女と話がしたい。」
「バカ野郎ッ!!フィーナはだれにも会いたくないって言ってんだ!おまえにも責任があるんだぞ!」
「時間がないのだ。そこをどけジャスティン。」「どくもんかッ!おまえリーンだけじゃなくてフィーナまで殺すつもりだろッ!!いまフィーナがどんな気持ちでいるかそれぐらいわかっ・・・」
「知った風な口きくなっ!!光翼人として生まれたリーンやフィーナの苦しみがおまえにわかるかッ!!あの翼の重さをおまえは知っているのかッ!!他人の行動を責める前におのれの無力さを恥じるがいい。」
ジャスティンはミューレンに何も言い返せず、道を空けることしかできなかった。ジャスティンはミューレンの後を追い、フィーナがいるテントに入る。

「・・・よく考えてくれ。ガイアの活動が止まっている今こそが最後のチャンスなのだ。フィーナ。」「・・・。」
「我々はヤツの体内に攻め込み、力の源である精霊石を打ち砕く・・・。そのために君の力を必要としている。もはやこの世界に残された光翼人は君しかいないのだから・・・。」
「そして・・・私は・・・、神話と同じように・・・死ぬのね?いつか見たあの壁画のように・・・。」
「・・・。・・・そうだ。命の保証はできない。」ジャスティンが部屋に入ってくる。「やめろ、ミューレン!また同じことをくり返す気か?フィーナをまきこむな!」
「作戦の開始は明日の朝だ、フィーナ。あとは君の意思で決めてくれ。君に強制するつもりはない。」
「待てよ、ミューレン!リーンの言葉を忘れたのか!!オレ達はいま新しい道をさがさなくちゃいけないんだ!」
「だまれジャスティン!そんなものどうやって探すつもりだ!新しい道などどこにある!!」「それは・・・。」
「私は戦う!戦うことでしか新しい道は開けないのだ!!それ以外の答えがあるというのなら、答えてみろジャスティン!!」
「・・・。」「答えられないのか?おまえはリーンの死を無意味なものにするつもりか!」
「やめて!・・・姉さん・・・きっと悲しんでるわね。残された私たちがこんなことしてるなんて・・・。・・・帰ってください。」
「いまこの時間さえも、リーンの命とひきかえに手に入れたかけがえのない時間なのだ。それを忘れないでくれ・・・。」
ミューレンはテントを去った。
「・・・ジャスティン。姉さんの言ってた新しい道って本当にあるのかな・・・?」
「もちろんだよ!オレがぜったい見つけてみせる!!」
「だったら!ミューレンさんにもそう言えばよかったのよ!!なんでさっきは言えなかったの!?」
フィーナは珍しく語気を荒げた。
「・・・ごめんね、ジャスティン・・・。わたし、どうしていいかわからないの・・・。」「あきらめちゃだめだ。・・・時間はまだあるから。」
「変よね・・・。足が・・・ふるえが止まらないの・・・。こわい・・・。わたし、死にたくない・・・。ジャスティン…。」

テントから出たジャスティン。中でのやり取りは外にも聞こえていたらしい。
「・・・まあその、なんだ。フィーナのヤツも本気で言ったわけじゃねえだろ。とにかく元気出せや。なっ、ジャス!」
その時モゲ族のチットがジャスティン達の所にやってきた。どうやらギドがジャスティンを探しているらしい。
ジャスティンも丁度いいと、ギドにどうすればよいのかアドバイスを貰うことにした。

ギドの家。
「話は聞いたよ。ここが正念場だね、ジャスティン。」
「教えてくれ、ギド!フィーナが死なずに世界が救われる方法を!・・・フィーナが助かる方法を!リーンの言ってた答えなんてオレにはわからないんだ!オレだけの力じゃとても・・・。」
「・・・ジャスティン。ガイアは死んじゃいない。オイラたちはまだピンチのままさ。キミはこんな試練に1人で立ちむかうつもりだったのかい?こんなときこそ助けあう支えが必要さ。」「助けあう支え・・・?」
「こんなことを考えたことないかい?人は自分のために戦うときよりだれかのために戦うときのほうがずっと大きな力が出せる。だから1番大切な人のために戦うとき、1番大きな力が出せるんだ。」
「1番大切な人・・・?そうか・・・、フィーナだ・・・。」「ほーらっ、ビンゴさ!これでわかったろ。今キミがやらなくちゃいけないことが。オイラはキミとフィーナが力を合わせれば何かできると思ってるよ。この間ジールパドンを救ったようにね!」
「・・・そうか、オレだけじゃなくてふぃーなとなら・・・。サンキュー、ギド!もう1度フィーナと話してみるよ!」

再びフィーナのいるテントへ。
しかしフィーナの姿はそこにはなく、先ほどフィーナがいた場所には勇者の腕輪が置かれていた。
ジャスティン達は軍のキャンプへと急いだ。

キャンプに着くと、ミューレンとフィーナがミューレンの飛行戦艦に乗ろうとしている所だった。
「待て!フィーナ!!フィーナが行くことないよ!オレがガイアを止めてやる!!」
「ジャスティン・・・、おまえの気持ちはよくわかる・・・。だがおまえの力でヤツは止められまい。」
「ありがとう、ジャスティン・・・。ジャスティンはわたしを守るためにバールに精霊石を渡してくれた・・・。わたしとてもうれしかった・・・。でも・・・、それがガイアを目覚めさせ、たくさんの人たちが死んでしまった。そう、姉さんも・・・。今度はわたしの番ね。ガイアの手からすべてを守るの・・・。世界を・・・、そしてあなたを・・・。」
「待ってくれよフィーナ!!バールに精霊石が渡ったのはオレの責任だ!だから・・・。」
ジャスティンがフィーナに近づく。しかしフィーナは光翼人の羽を広げ、ジャスティンと吹き飛ばした。
「うわ~っ!」フィーナの力によって仰向けに倒れるジャスティン。立ち上がる事ができない。
「これがわたしのちから・・・。光翼人というわたしにしかないちから。ガイアをこのままにしておけば、すべてが・・・滅びることになるわ。だれかがいま、止めなければならないの。そして・・・、それは光翼人の義務。光翼人であるわたしの義務・・・。だからわたし・・・、わたしの・・・。・・・ジャス・・・、・・・ジャスティン・・・!!・・・さようなら・・・。忘れないで、わたしのこと・・・!」
フィーナの悲壮な覚悟の前にジャスティンは何も言うことが出来なかった。
ミューレンとフィーナが戦艦に乗り込み、シャッターが閉まる。ジャスティンは戦艦は飛び去っていく戦艦を見送ることしか出来なかった。

ラップとリエーテもその様子を伺っていた。ジャスティンは打ちひしがれた顔をしている。
「ラップ、リエーテ・・・。行こう・・・。」「あん・・・?行こうだぁ?なにいってやがんだッ!行くったってどこ行くんだよ!!テメエの行くとこはフィーナのとこに決まってんだろうが!そうじゃねぇのかよッ!!」
「・・・。」「おい!なんとか言えよ!!フィーナのとこへ行くんだろ!?ジャスッ!?」
「・・・オレには・・・フィーナを守れない。止めることすらできなかった・・・。なんの・・・なんのちからもないんだ・・・。」
「・・・テメエこのバッカ野郎!ふざけたことぬかしてんじゃねえッ!!ショボくれてるテメエなんざぁ見たかねぇんだよッ!!オラッ、フィーナを追うぞ!ジャスッ!!」ジャスティンはラップの言葉に反応できなかった。
「・・・ケッ!!ビビリやがって・・・。見損なったぜ、ジャスティンさんよぉ。テメエなんざあもうダチでもなんでもねえ!とっとと・・・、とっととくたばっちまえッ!!」ラップはジャスティンの前から去っていった。
「ジャスティン?本当に・・・このままでいるつもりなのですか?あなたの創る未来で私の石板を赤く染めさせてくれるのではなかったのですか?」「・・・。」
「そうですか・・・。それでは私にもあなたといる理由はないようですね。アレントに帰ることにしましょうか・・・。永遠の時を待ち続ける存在とはいえ、あなたと共にいたことは時間のムダだったようですね・・・。」
リエーテもまたジャスティン前から立ち去った。

辺りは急に雨が降り出してくる。一人ぼっちになってしまったジャスティンは、キャンプ地をトボトボと歩いている。
目の前をガーライル軍の戦車隊が通り過ぎた。1台の戦車が止まり、その上に乗っていた見なれた人間がジャスティンに声を掛ける。
声を掛けてきたのは3人娘であった。
「おう、ジャスティン!おまえ用なしになったらしいな!!っていってもミューレンさまの命令で・・・、あたしたちも用なしなんだけどな。」
「ミューレンさまの命令で特攻作戦に参加しない兵士を故郷に送りとどけなければなりませんの。あたしたちも出撃したかったんだけどな。でもミューレンさまはあたしたちに『残った兵士たちは任せたぞ』と・・・。」
「あなたとはいろいろありましたが軍は解散しましたからもう2度と会うこともないと思いますわ。」
「ジャスティン。おまえも命あるうちにはやくお逃げなさい・・・。せっかく助かった命なんだから・・・大切にしなさい・・・。」
「おらっ、行くぞ!!メッシナ大陸に帰るんだ!」
立ち止まっていた戦車もジャスティンの目の前を通り過ぎて行ってしまう。
「みんな・・・、みんないなくなっちゃった・・・。オレ・・・、どこに行けばいいんだ・・・。」
サバナ原野を歩くジャスティン。ぬかるみに足を滑らせ、うつ伏せに倒れてしまう。
「オレ・・・、なんで冒険者なんかなりたかったんだっけ・・・。わざわざこんな遠いところまできて、なにやってんだ・・・。」
ジャスティンの側に一羽の九官鳥がとまる。
「なんだよ、おまえも1人なのか。オレといっしょだな、ヘヘヘ・・・。」
「ガイアガイアニゲロッ!モウヨウナシッ!トオクニゲロケケケケケーッ」「用なしか・・・そうだよな・・・。」
九官鳥がまた何処かに飛び立ってしまう。
「オレ、なんで・・・、世界を守れるなんて思ったんだろう・・・。人の力で未来を創れるなんて・・・、人が時代を変えれるなんて・・・、なんでそんなふうに思ってたんだろう。自分の未来を創るどころかいまのオレにはなに1つ・・・。なに1つできないじゃないかッ!!世界の果てが越えられたからってなんだっていうんだ・・・。アレントにたどり着けたからってなんだっていうんだ・・・。いまのオレは大好きな・・・大好きな女の子ひとり守れないじゃないかッ!!リーン・・・、ごめんよ。リーンのいってた『新しい道』なんてオレには見つけられないよ・・・。」
ジャスティンの目の前を精霊の光が横切った。
「精霊・・・、呼んでいるのか・・・?オレを・・・?あれはジールパドンの・・・。そうだ・・・、ギドなら・・・ギドならいまのオレにもできるなにかを教えてくれるかも・・・。」
ジャスティンはジールパドンの方角へと歩き始めた。

ジールパドンに着いたジャスティン。少しずつだが確実にジールパドンの復興は進んでいた。
ギドは別の種族の人間と話をしている所だった。
「ギドたちの金・・・おかげで助かったよ。モゲ族は金にしか興味がないなんて・・・、ホントおれたち恥ずかしいよ。モゲ族がこんなこと考えてたなんて思いもしなかった。ホントにありがとう。」
「お金はこういうときのために使うもんさ。さ、みんなでがんばろう!!」「ああ!」
今まで話していた人間と入れ違いにジャスティンがギドの前に訪れる。
「ははは・・・、ギド・・・、そうか・・・おまえたちは本当にずっと前から何をやるべきか考えていたんだな。すごいや・・・。オレみたいに考えなしに行動してるのとは全然ちがうってわけだ。やることがあってうらやましいよ。オレは何の役にも立たないんだ。・・・そうだ!ギドの手伝いをさせてくれよ。いいだろ?ギド!」
「お断りするよジャスティン。キミにはこの仕事向いてないと思うしね。」
「・・・ははは。おまえにまで捨てられるとは思ってなかったよ・・・。」
「捨てる・・・だって?知らなかったのかい?ジャスティン、モゲ族は何も捨てないんだ。どんな価値の無いように思える物でもそれには精霊が宿っている。それは人間が利用していいものなのさ。だからオイラたちは何でも利用する・・・。そう、なんだってね・・・。」
「頼むよ、ギド・・・。オレにも手伝わせてくれよ。オレには・・・もうそれくらいしか・・・。」
「ジャスティン・・・、オイラ言ったはずだよ?それぞれに役割があるってさ。」
「でも、オレにはなにもできない!なにができるっていうんだ!」
「そう思ってるのはキミだけじゃないか?ほら!見えるだろ?」辺りには精霊が飛び回っていた。
「精霊・・・、精霊たち!?どうしたんだ、どうしてこんなところに?」
「はるかなる神話の時代には人間はつねに精霊と共に暮らしていた。ガイアが人々の心を砕くまでは・・・。永い間、砕けた心を再び1つにしようと考える人は誰もいなかった。誰にもできなかった・・・。でもジャスティン!君はちゃんとやってのけたじゃないか。オイラの見込んだとおりにね!」
「オレが?オレがなにをしたって言うんだ?いつだってオレじゃなかった!!ジルパを救ったのはフィーナだ!ガイアを止めたのはリーンだ!!最後の戦いに挑むのはミューレンだ!オレじゃない・・・。オレには・・・なにもできない・・・。」
「ねえ、ジャスティン・・・。キミはヒーローになりたかったのかい?1人の力でなにができるんだろう?」
「できないよ!なにもできないよ!けど・・・、オレは1人ぼっちで・・・、だから・・・。」
「キミが1人ぼっちだって?なんだい、まだ気付いていないのかい?」
「ジャスティン。」聞き慣れた可愛らしい声がジャスティンの名前を呼ぶ。
ジャスティンは声の方向を振り向いた。「スー!?」
スーだけではない。そこにはラップ、ガドイン、ミルダ、リエーテもいた。
「なんでこんなとこに!?それに・・・、みんなも!」
「えへへ・・・、来ちゃった。」「みんな、どうして・・・。」
「ジャスティン・・・、ここでキバってこそ男だよ!女はいつだって、ほれた男が助けにきてくれるのを待ってるのさ。・・・もちろん、フィーナだってね。」
「そーよっ、ジャスティン。いつまでも落ち込んでるなんてジャスティンらしくないわっ。だいたい約束ちがうじゃない!フィーナと2人でいつまでも冒険をつづけるって言ったくせに!!」
「・・・しかし、フィーナには光翼人としての運命があります。それから逃れる道はないのです!」「リ、リエーテ・・・?」
「だから、あなたが道を作るのですよ。理性の力では決して開かないトビラをこじ開けられるのはあなただけです。」
「まっ、ようはおれもジャスもよ。アタマ使うようなコトはにあわねーって話だろっ!」「そういうことですわ。」リエーテがにっこりと微笑む。
「アタマ使ってウジウジ悩むぐれぇなら、とりあえずやっちまおうぜ!なんとかなるさ。オメェならな!」「ラップ・・・。リエーテ・・・。」
「うむっ!おまえの武人としての・・・、そして男としての大きさ。このガドイン、しかと見とどけたぞ!・・・いい仲間を持ったな。ジャスティン。」
「みんな・・・、みんなぁ!」ジャスティンは泣きそうな声になる。
「ほら、ごらん!キミは1人なんかじゃないだろ?これこそ・・・、キミの力なんだ。ここにいる人たちだけじゃない。君は世界中の村を結んできたんだ。君が植えた種は近いうちに実を結ぶよ。それが君のちからなのさ。だから、ジャスティンはジャスティンの力を使って世界を救ってくれ。それが君の仕事のはずだろ?」
「ジャスティン!いつまで休んでいるつもり!?フィーナを助けてあげないの!?」
「それによ、石の森のカタキを取るっての忘れないでほしいよなぁ?」
「運命の鎖ははずれかかってます。私はそれを私の石板に記すことができそうですね。」
「そうか・・・。オレにはまだ使えるちからが残っていたんだ・・・。みんなと・・・力を合わせればいいだけだったんだ・・・。簡単なことじゃないか!オレは1人じゃない!みんながいてくれるんだ!!精霊たちよ!オレはやってやるぜ!」ジャスティンは拳を高々と上げ、宣誓をした。
ジャスティンの周りを飛び回っていた精霊が近くに集まり始める。そして集まった精霊たちは大きな門となり、扉が開く。
「あっ!?あれは・・・?」「あれは・・・、せ・・・精霊の門です!ジャスティン!このトビラはエンジュール文明初期に真理の体現者へ開かれたトビラと同じものです。世界の始まりにのみ現れると思っていた真理の体現者がいま生まれようとしています・・・。精霊たちがあなたを認め、聖地にあなたを招いているのです。そして、新しい世界を創るつもりなのです・・・。」
「精霊たちが・・・、オレを認める・・・?」「新しい精霊石の所有者としてあなたを認めたのですよ。行きましょうジャスティン。精霊の聖地へ。そして精霊の想いに答えるのです。精霊の想いにあなたが答えたとき、精霊はかならずあなたに力をかしてくれるでしょう。」
「・・・ああ・・・。ああッ!行こう、精霊の聖地へ!」

精霊の聖地の最深部に到達したジャスティン、ラップ、リエーテ。
「ここからは選ばれし者のみが歩める道です。そう、ジャスティン。あなただけが・・・。精霊にあなたの想いを伝えなさい。その想いがとどいたとき、世界は・・・、人はもう1度変われるのです。」
「おれァバカだからよ・・・。むずかしいこたぁぜんぜんわかんねえ!けどこれだけは言える・・・。ジャス・・・、てめえはいいヤツだ!シンリだのチョーワだのってのはなんのことやらさっぱりだがよ・・・。ジャスならなんとかなるさっ!おら!とっとと行って、でもってさっさとすませてこいや!!」
ジャスティンは階段を昇り、広い足場に着く。
「・・・オレここまで来たよ!やっとここまで・・・、オレは・・・最後の答えを手に入れにきたんだ。君達精霊と・・・、オレ達人間と・・・、失ってしまったものと・・・、まだ守れるはずのものと・・・、そして・・・これから創らなきゃならないものを見つけるために・・・!オレはここまで来たんだ!!」
宣言したジャスティンに答えるように新しい足場へ階段が出来る。
「・・・オレ達人間は!いままで・・・まちがいと悲しみばかりを積み重ねてきた・・・。神話の光翼人と同じようにオレ達はリーンを・・・、リーンを死なせてしまった!そしてフィーナもいま・・・。これじゃまた悲しい運命がくりかえされるだけだ。オレ達人間にはこれっぽっちの力しかないのか・・・?何も変えられないってのか・・・?」
更に階段が現れる。
「・・・オレは信じる!運命なんて変えられる!!もうたくさんなんだ!だれかが犠牲になるのは!!オレはこれ以上悲しむ人たちを見たくない!悲しみのくさりを断ち切って、すべての人々と君達精霊とがともに生きる世界を作りたいんだ!!だからオレに力を貸してくれっ!!」
最後の足場への階段が現れた。ジャスティンはそれを駆け上がる。
ジャスティンの目の前に精霊が集まり精霊石が出来る。これをジャスティンに取れということだろうか。
しかしジャスティンは拒否した。「・・・これじゃダメなんだっ。いまは戦う力を!新しい未来をきりひらく力を!!」
精霊石が空に浮かび、更にまばゆい光を放つ。光が収まる頃、精霊石は一振りの剣に姿を変えた。
「やったなジャス!やっぱてめえはスゲーやつだぜっ!!」
「ついに過去の神話が再現されました。ジャスティン・・・。あなたはとうとう手に入れたのです。かつて光翼人が手にした力・・・。世界と人間たちを結ぶための力を!」
「オレ、いまこそはっきりわかった・・・。精霊たちはずっとオレ達に手をさしのべてくれてたんだ・・・。いっしょに未来を創るために!!精霊のこの想い・・・。かならず伝える!あの2人に・・・。フィーナとミューレンに!!」

精霊の聖地の出口はガイアの居場所、軍事要塞『J』の近くに繋がっていた。
その時リエーテはガイアが最終形態への変化を始めた事を告げた。
ガイアは地に根を張り、長い体を直立させる。そして4本の手とそれについている3つの羽を大きく広げた。
その姿はさながら巨大な樹を連想させ、威風堂々と、しかし禍々しい雰囲気をかもし出していた。
ガイアの体から一斉に胞子が放たれ、世界中に広がっていく。胞子が広がりガイアが大地を覆いつくすのも時間の問題だとリエーテは言った。
3人は軍事要塞『J』の地下からガイアの本体を目指す。

先に進む3人はついにフィーナとミューレンに追いついた。
2人は多数のガイアバトラーに囲まれており、フィーナが何とか障壁を張って難を逃れているところだった。
しかし、フィーナにも限界が近づいている。
「・・・くっ!まだだ!!こんなところでたおれるわけには!」「・・・おねがいっ!力を!!」
「・・・待ってろっフィーナ!いま行く!!」「ジャ・・・、ジャスティンっ!?」
ジャスティンが竜陣剣を放つと全てのガイアバトラーが一瞬にして消滅してしまう。
「助けにきたよ、フィーナ、ミューレン・・・。リーンが残してくれた言葉の意味がやっとわかったんだ。オレ達が心を1つにして戦うとき、精霊はオレ達を祝福してくれる!人間の想いと精霊の想いとが1つになれば、どんな奇跡だって起こせるんだ!!オレ達はガイアをたおして新しい未来を創りだせる!」
「・・・ジャ、ジャスティン、その剣は・・・?その剣から精霊たちの力を感じる・・・わ・・・。」
「これは精霊たちがくれた剣だ!ともに・・・、未来を創りだすための剣だっ!!」
「・・・ジャス・・・ティン!ついに、ついに・・・精霊たちに認められたのね!!ジャスティンっ!」
「・・・私には信じられん!精霊が人間達の罪を許すことなどありえんのだ!!おろかな人間達をどうして精霊が許してくれるというのか!?」
「ミューレン・・・。精霊たちは人間をこばんでなんかいなかったんだよ・・・。精霊たちの手はいつも差し出されていたんだ・・・。それをこばんだのは人間自身なんだ!ミューレン!いまのおまえみたいに!!」
「・・・ッ!な、なにぃ!?そ・・・、そんなたわ言など!ジャスティンよ!いくら言葉をついやしてもムダなこと!!もしおまえの言うことが本当だと言うのなら・・・、証明してみせるがいい!!おまえ自身のその剣で!!」
「・・・わかった、ミューレン!勝負だっ!!」

ミューレンとの決闘に勝利したジャスティン。
「ぐっ・・・、ジャスティン・・・。こ、この力っ!おまえが精霊に認められたというのか。人間が精霊に認められたのかっ!!信頼していたはずのリーンの言葉を理解していなかったのは、私だったというわけだな・・・。・・・おろかなことだ。もっと早く気付いておればリーンを失うこともなかったろうに・・・。」
「違うわミューレンさん。今からでも遅くはないの!わたしたちみんなが間違っていた。そしてみんなが気付くと解かっていた・・・。姉さんはこのための時間を作ってくれたのよ!」
「いっしょに行こう!ミューレン!オレ達は戦える!みんなが力を合わせれば、ガイアなんかよりもずっと強くなれるんだ!!」
「この私が・・・、もう1度戦えるのか?私にも精霊の加護が与えられるのか?」
「だいじょうぶよ、ミューレンさん!!私と、ジャスティンと・・・、ミューレンさんと、姉さんと!みんながこの世界の住人よ。みんなが手を取り合えばそこには精霊の祝福があるわ。」
「・・・この場所で力尽きて倒れる・・・。それが私のたどるべき道だったはずだ。・・・だが、運命は変わったぞ!今こそ母なる大地のために、大地に生きる人々のために、共に未来を切り開こう!いっしょに行くぞ!ジャスティン!今度こそ私の力・・・、皆のために役立てて見せる!!」
「ありがとう!ミューレンさん・・・。」

フィーナとミューレンを加え5人になった一行。更に先に進むとバルコニーにのような場所にたどり着く。
「ミューレンさまぁ~!」3人娘の1人、ナナがガーライル軍のカイトに乗り、5人の前を横切った。
「うむ?今のはナナ中尉?なぜこんなところに!軍を去るよう命令しておいたはずだが!?」
「ちょっと!ナナ!抜けがけはナシよ!」「いっしょに行く計画だったはずですわ!」サキもミオもいる。
「なんだよ、あんたらが遅れただけだろ!」
飛行クジラも目の前に現れた。そこにはスー、ガドイン、ミルダ、ギドが乗っている。
「ジャスティーン!応援に来たわよ!」
「ワシとてあらたに修行を積んだのだぞ。このガイアめにひとあわふかせてくれようぞ。」
「ジャスティン!アタシたちも軍人といっしょに戦いに参加するよ!」
「君の行動のおかげで軍も人間も関係なくなったのさ。今共通の敵は1つのはずだろ?」
「各隊の配置完了!各カイト、エネルギーほきゅう完了!民間人用の避難所、設置完了!最終決戦に向けて準備はすべて整いました。指示をお願いします。ミューレン様ー!」
「・・・ふっ、しかたないやつらだな・・・。軍はともかく余計なものまで指揮しなければいけなくなったようだ。この任務、私が引き受けよう。」
ミューレンは精霊石を砕く事をジャスティン達に託し、部隊の指揮にあたった。
「なにもこんなにみんなで来る必要ねーのに、な。まっ、こっちもとっとと片付けちまおうぜ!」

ついにガイアの内部に侵入した4人。ガイアの本体と精霊石を捜索する。

ガイアの体内の最深部でバールと対峙する4人。
「おそかな夢を追う古い人間どもめ・・・。ここまで来た事は誉めてやろう。だが、究極の進化を成し遂げたこのワシを倒す事など出来ぬ!」

幾度と無く変態するバール相手についに勝利した4人。
ガイアの内部にある精霊石が収められている区画の手前。
「行きなさい、ジャスティン、フィーナ。ここからは貴方たちだけができる仕事です。」
「おれ達は外でまってるぜ。最後の仕上げをして来な。」
「この先から精霊石の波長を感じます。・・・おそらくガイアの中心部でしょう。ジャスティン・・・。フィーナ・・・。あなたがたは今、間違いなく運命の輪の外にいます。その手で変えてきてください。世界の運命すべてを輪の外に。」
「うん・・・、わかってる・・・。ガイアも精霊石も光翼人も全部ぶち壊してきてやるよ。」
「ちぇーっ、しょうがないな。いいところはジャスにゆずってやるか。ガイアが壊れるってことはここも無くなるんだろ?おれ達は安全な下で待ってるとするか。な、リエーテ。」
「ええ、そうしましょう。最後の運命は勇者と光翼人だけが変えるべきです。」
「最後までつきあいてぇとこだけどよ。まあおいしいとこはゆずっとくぜ、なんつったって勇者さまだからな。おいおいへんな顔すんなよな。ちょっとしたじょうだんじゃねえか!これでもおれァよ、誇りにおもってんだ。おまえのとなりで戦えたことをよ!勇者だとかそんなんじゃなくてよ。ジャスティンっていうすげぇやつのとなりで戦えたってことがよ!!」
「『リエーテ』の名を受け継いだ時、私は待つことを運命づけられたのです。永遠とも思えるような長い間を・・・。アレントの記録を守りつづけ、運命という大きな輪を見守ることが私の役目だと思っていました。けれどもそれは違ったのですね・・・。悲しい運命の輪から解放された世界。自らの意志で歩くことのできる世界・・・。それを見ることができたのですから。ありがとうジャスティン。私は幸せものですね。代々の『リエーテ』が望んでいたことを記録するのではなく、目で見て感じることができたのですもの。」
「行きましょう、ジャスティン。みんなの希望をいっしょに持って!」「よーし行くぜ!!」

精霊石の前に立つジャスティンとフィーナ。
「精霊石・・・。人々に力をあたえ、人々を破滅に追いやった悲しい神話の鎖・・・。」
「思えばこの精霊石は、オレ達にいろんなことを教えてくれた・・・。この光はいつもオレ達の進む道を照らし続けていたんだ・・・。だけどもう、この光の役割は終わった。これからはオレ達自身の光で未来への道を照らすことができるんだ。」
「さぁジャスティン・・・。長かった悲しい運命が今終わるのね。あなたのその剣で・・・。」
「うん・・・。精霊達!オレ達は新しい時代を始めるんだ。これからもオレ達の姿を見守ってくれ!」
「いくぞー~!!」ジャスティンが精霊から授かった剣を構えた。
「オレたち!みんなで・・・いっしょに!!」ジャスティンが精霊石に切りかかる。
「たぁぁぁぁぁぁ!うぉぉぉおおおぉぉりゃぁああああ!」ジャスティン達は激しい光に包まれた。

禍々しい姿だったガイアの体中から七色の枝が伸びる。更にガイアの体中から七色の光が飛び散り、世界中に飛散した。

ジャスティンが気がつくと、フィーナに手を握られ草原で仰向けになっていた。
「気がついたのね・・・。」「フィーナ・・・。無事だったんだね・・・。ほかのみんなは?」
フィーナが立ち上がる。「あそこを見て、ジャスティン。」フィーナが指差す方向を見たジャスティンが驚く。
「あ、あれがガイア・・・?」ガイアは緑の葉が生い茂る巨大な樹木に変化していた。ジャスティンとフィーナの周りに風が吹く。
「そう、なにもかも新しく生まれ変わったんだわ・・・。ガイアだけじゃない。この世界全部がね・・・。感じるでしょ、ジャスティン?精霊の力が世界中に満ちてる・・・。」
辺り一面には精霊が飛び回っていた。

ジールパドンを始めとする街や村では、石化された人間達が次々と元に戻っていく。

最後の戦いを終えた仲間達、そしてガーライル軍の兵士達が和気藹々と勝利を祝っている。
その様子を遠くから1人で見守っているミューレン。
「見えているか、リーン?全ては邪悪なるくさびから解き放たれたぞ・・・。そう、あのガイアでさえもな・・・。悲しい運命の鎖は砕け散ったのだ・・・。新しい人間の歴史が始まるのだ。おまえが望んでいた歴史がな・・・。間違った道を進むこともあるかもしれん。だが・・・、大丈夫だな。彼らなら手を取り合い、道を切り開いていくさ・・・。私の役目は終わったようだな。」
ミューレンは1人その場を去ろうとする。が、ミューレンの目の前を精霊たちが横切った。
「精霊?私を呼んでいるのか・・・?」精霊が集まる方向を向くミューレン。精霊は益々集まっていき、強い光を放ちはじめる。
集まった光は人の形を成した。「まさか!?リーン!」そこに現れたのは軍事要塞『J』で命を失ったリーンの姿であった。
「う・・・ん・・・。」「リーン!」「・・・ミューレン様・・・?」リーンはキョトンとした顔をしてミューレンを見る。
ミューレンは近づき、両腕を広げた。「リーン!!!!」リーンはミューレンに飛びつき抱きついた。
その様子を遠くから見ていたジャスティンとフィーナ。
「良かった、姉さん・・・。信じられ・・・ううん・・・。奇跡って起こるのね・・・。」
「精霊が運んできたんだよ・・・。世界中のみんなに・・・幸せをね。」
「ううん、ちがうわジャスティン。」フィーナとジャスティンは向かい合った。
「運んできたのはジャスティン、あなたよ。」

---本編終了 以下エンディング---

10年後のパーム。
『精霊石とエンジュールを廻るジャスティン達のお話はこれでおしまい。冒険者ジャスティンの物語は世界中に知られるようになったの。』
ステキなレディになったスーがうみねこ亭から現れる。その頭上を10年前から代わり映えしないプーイが飛んでいる。
「リリィおばさーん。もう船が着く時間だよ!早く早く!」
「まだパイが焼けてないのー!ごめんねぇー。悪いけど先に行っててくれる~?」「うん、わかった~!・・・行こっ、プーイ!!」
「ぷぷぅー!」
『あの長い冒険が終わってからもう10年・・・。あたし達の住む世界は大きく変わっています。』
港に向かうスー。橋を越える時、レーヌ人の大人が人間とモゲ族の子供を叱っている所に出くわす。
「こぉらぁ!まーたお前らか!飽きもせずいっつもいっつもイタズラばっかしやがって!!」
「イタズラなんかじゃないやい!これは訓練なんだ。オレたち冒険者をめざしてるんだよ!」
「おじさんのわからずやー!」「そうだそうだ!」「そんなことは人様にメイワクを掛けないところでやれ!」
『うふふっ、実は余り変わってないのかも。だけど、昔より大分賑やかになったのは確かね。』
街のいたるところには世界の果ての向こうで見かけた様々な種族がいる。
『今日はずっと待ちに待っていた日。ジャスティンとフィーナが10年ぶりに冒険から帰ってくるの!うふふっ。ジャスティン、こーんなステキなレディになったアタシを見て、何て言うかしら!もしかしたらビックリして声もでないかもね。うふっ。とっても楽しみ!』
港に着いたスーは、既に到着していた船の外でジャスティン達を待つ。
船から子供たちの賑やかな声が聞こえて来る。
「わーい!パームに着いたぞー!『うみねこ亭』はどこらへんにあるのかなぁ?」
「すっごくおいしい料理が食べられるんだよね?わたしおなかすいちゃった~。」
子供たちの数は全部で5人。男の子が3人で女の子が2人。その風貌は10年前のジャスティンとフィーナを小型にしたような感じである。
「あっ!なんかいるぞ!」5人の子供は急に駆け出し、スーの周りをぐるぐると回る。
「ぷうぷう!ぷぷーぷぷー!」「あっ、鳴いたぞ!おもしろい鳴き声ー!」「わーい、いじめちゃえー。」
女の子がジャンプしてプーイを掴む。「ぷぷぅぷぷぅ。」「うわぁー、ふわふわしてるー。」
「あっ!これプーイだぁ!お父さんが言ってたとおりだね!ひつじみたい。」(※全然似てません)「えーにてないよぉー。」「やっつけちゃえー。」
「あっ、ちょ、ちょっとあなたたちもしかして・・・。・・・ねえ、あなたたちのお父さんとお母さんはどこにいるの?」
「あっち!まだ船の中だよ。」
「ぷぷぷぷー!ぷー!!」プーイが子供たちの手から離れ逃げ出す。それを追う男の子3人と女の子1人。
「あっ、逃げるぞ!つかまえろ!」「待ーてー!」「食らえー、大地の怒りだー!」
女の子の1人は大人しくスーの横に立っている。スーと女の子は船の入り口の方を見た。
スーが片手を高く上げて叫ぶ。「あっ!ジャ~スティ~ン!フィ~ーナァ~!!」と。

※SSのグランディアデジタルミュージアム(ファンディスク)では、リエーテの石板が赤に染まったのを確認できます。





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