エンドネシア

エンドネシア

part41-536,537


536 :エンドネシア:2008/10/17(金) 22:32:01 ID:+YeTf9nq0
学校の帰り道。ランドセルを背負った少年が、公園でリコーダーを吹いていた。
リコーダーを吹くのに飽きた少年はブランコに乗った。
それにも飽きた頃、ブランコを降りると、辺りの景色は一変していた。
奇妙な植物が鬱蒼と生い茂り、あやしい石像が至る所に並べられている。
ここはエンドネシアという、南国の島。そしてあやしい石像は神様たちだ。
「大神様(おおかみさま)」と名乗る神は、少年に語りかける。
元の世界に帰りたければ、石像に封じられている神様たちを解放しろ、と。
大神様とは、この島の神様たちの頂点に立つ存在らしい。

それから少年は、この島に50体いるという神様たちを解放していくことになった。
神様を解放するには、定められたイベントをこなしていけばいい。
石で出来たボードに、少年は名前を入力する。
すると、石像が壊れて、名前の神様が解放された。

この島には、少年のように他の場所から飛ばされてきた人たちがいる。
皆一様に、心に傷を負い、現実世界から逃れたいと思ったから、この島に来たらしい。
飛ばされてきた人たちの他に、原住民も住んでいる。
原住民の少女ギルルに、少年はたびたび会うことになる。
ギルルは少年に、なぜ石像を壊すのか、と問いかける。
実は少年は、ギルルのお婿さんとして、この島に呼ばれたらしい。

石像を壊し神様を解放すること、すなわち、イベントをこなすことは、
少年と島に飛ばされてきた人々との関わりを作り、そして心を救うことに繋がっていく。
ついに少年は49体の神様を石像から解放した。
そして50体目の石像にたどり着いた。
そこに封じられていたのは、大神様かと思いきや、ものまねの神様だった。
彼が大神様の物まねをして、少年に神々を解放するように仕向けたのだった。

そして、少年は、島の最奥の、原住民が住む村に着いた。
そこにはギルルが待っていた。その横には、少年にそっくりの石像があった。
この石像こそが、大神様なのだ。
ギルルは少年に言う。大神様は島を消滅させてしまう悪者だと。
石像を壊して大神様を解放すれば、島に飛ばされてきた人たちは元の世界に帰れるが、
その代わり、この島は消滅してしまうという。
この島は、傷を負った人の心で出来ている。だから、人々がいなくなれば、この島も消える。
原住民のギルルもまた、消えてしまう。島が消えるのを防ぐには、少年がこの島に留まるしかない。
だが、ギルルにも家族がいるように、少年にもまた、家族がいて、思い出がある。
少年は、母のこと、姉のこと、友達のこと、学校のこと、元の世界のことを思い出す。
少年から様々な感情があふれ出す。
それに呼応するように、少年にそっくりの石像は壊れ、大神様が解放された。
大神様の正体は、これまで少年のことをずっと見守ってきたプレイヤー自身だったのだ。
ギルルはプレイヤーに語りかける。あなたは島を消滅させるような悪者には見えない、と。
それが、島の最後の瞬間だった。

心に傷を負って島に飛ばされてきた人たちは、それぞれ、元の生活に戻った。
島での経験を元に、皆前向きに生きているようだ。
少年も、あの公園へ戻った。あの時のようにリコーダーを吹く。
そこへ少年の母と姉が通りかかった。少年は母と姉と共に家に帰った。

おしまい。

537 :エンドネシア:2008/10/17(金) 22:34:28 ID:+YeTf9nq0
★アナザーエンド
 少年は島に留まることを決意した。
 ギルルと結婚し、末永く幸せな生涯を送った。

最終更新:2008年10月18日 21:19