バレットウィッチ

バレットウィッチ

part44-149~155,158~159


149 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:49:20 ID:IaW0h6Cv0
書き終えたのでこれから載せていきます。
愛ゆえに長くなったけど、どうせならと思って、読んで暇つぶしくらいにはなる程度に充実させることにしました。
これ読んで興味持ってこのゲーム買う気になってくれる人がいたら嬉しい。(完全にネタバレだけど、そこからはじまる興味もありだと思う)
あと、独自の解釈が随所に紛れます。気になった人ごめん。

150 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:51:21 ID:IaW0h6Cv0
【BULLET WITCH~バレットウィッチ~】

OP

淀んだ空気が漂う鬱蒼とした暗い森の中を、息づかいの荒い苦しげな男がふらふらと進んでゆく。
森の中には獣の白骨死体が野ざらしになっている。
やがて男が立ち止まったのは、森の奥の地面に突然ぽっかりと口を開けている大穴。
穴は底が見えないほど深く、穴の内側の壁からは何本もの太いトゲが突き出している。地上へもそのうちのいくつかが飛び出している。
男は大穴に身を投げる。
穴が男を飲み込むと同時に、森じゅうが震え、大量の不気味なカラスが一斉に舞い上がった……。


2007年――アメリカ西部M8.7の超大型地震発生。《死者4万4000人》

2008年――第5次中東戦争勃発。《戦死者60万人以上》

2009年――殺人ウィルス世界中で猛威を振るう。《推定死者数3億2000万人》

2010年――異常気象による食料危機。《飢餓と暴動により死者数推定8億人》

2011年――謎の怪物軍団出現。大量殺戮行為を行う。《死者数不明》

2012年――世界中の国家機関が停止。

2013年――人類は滅亡の危機に瀕していた。


Stage1

2013年10月3日、アメリカ北東部の地に、巨大な銃を携えた黒衣の女性――主人公アリシアが足を踏み入れる。
まずは早速住人相手に殺戮を楽しんでいた数匹のガイスト兵を掃討する。
アリシアの登場シーンには不気味なカラスが伴う。アリシアはカラスたちを従えることができるようだ…。
〈説明。世界を混沌に陥れた怪物軍団とは大きく二つに分けられる。
・ガイスト兵――いわゆるゾンビのような容姿だが、人間のように機敏に動き、言葉を操り、銃器を扱える。
彼らは皆残虐で、下品なジョークを好み、銃を持っている。大量に存在し、いっちょ前に軍隊を組織しており、戦車、ヘリも使用する。
・悪魔――怪物たちの親玉的存在。巨大かつ強力で、人の魂を食らって成長する。一体いれば首都クラスの大都市が滅亡するというヤバさ。
しかしどうやら、こいつらは世界規模で見れば数百体存在するらしい…。〉
ガイストを数匹殺したアリシアは、この周辺に来て一気にガイストの数が増したことに気づく。「本体(悪魔のこと)が近くにいる証拠ね」
すると、アリシアにだけ聞こえる不気味な声が同意する。「このおびただしい死臭。噂どおり…いや、それ以上の悪魔がいるようだな」
声の正体はアリシアの精神に憑依した肉体を持たない悪魔であり、アリシアのパートナー。〈作中触れられることはないが、便宜上名をダークネスと呼ぶ。〉
アリシアとダークネスの目的は一致しており、それが『悪魔の殲滅』。そのために行動をともにしているようだが、
ダークネスの正体や行動の理由、また何故アリシアと行動をともにするようになったかなどは、作中最後まで触れられることがなく、
これは本作において語られない謎の最たるものである。
アリシアは強力な力の宿る巨大な銃と、さらに天変地異まで起こすことのできる魔法を操ることができる。
ステージを進行中ダークネスがアリシアに新たな魔法を授けるシーンがあることを見るに、どうやら魔法はダークネスから伝授された力らしい。巨銃も同様だろう。
ちなみに、stage1でアリシアが覚えるのは大魔法『稲妻』。大魔法とはアリシアの使用できる魔法の中でも〝天災〟を呼び寄せることのできる究極の技。


151 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:52:33 ID:IaW0h6Cv0
stage2

醜悪な怪物の軍団による殺戮はもとより、怪物たちが現れる前段階としての天災、戦争、疫病…。これらもすべて、ある時期から突然頻発しはじめた。
世界は明らかに人知を越えた力によって病魔に冒されてしまっている。――原因不明。2013年、世界の人口は十億を切っている。
人々が絶望する中、ある時期から人々のあいだに黒衣の美女の噂が囁かれ始める…。


アリシアは着々とガイストをなぎ払い、とうとう大都市に足を踏み入れた。
かつては栄華を誇ったアメリカの都市の高層ビル群は皆崩れかけ、上空には晴れない暗雲が渦巻いている。
地獄のような有様で静まりかえった都市を歩いてゆくと、アリシアの耳に銃撃音が聞こえてくる。
そこでは人間の兵士たちがガイストたちと果敢に戦っていた。
ダークネスが漏らす。「ほう、これは驚きだ。人間どもに、まだ戦う意志を持っている連中がいるとはな」
アリシアは彼らに加勢し、一帯のガイストを全滅させる。
アリシアに注目を集める彼らの中から、指揮官らしき気さくなナイスガイが歩み出て自己紹介をはじめ、握手を求める。
彼の名はマクスウェル。「こんな美人の援軍とは、なんのジョークだ?それも、噂の悪魔の力を持つ女。お会いできて光栄だ」
寡黙で無愛想なアリシアは彼の握手をガン無視。マクスウェルはちょっとへこみつつも簡単に状況の説明をはじめる。
彼らは都市の生き残りの住民を近くの空港に避難させる途中だったらしい。しかしガイストに苦戦し、引くも進むもままならなくなっていたという。
しかしそんなせちゅめいにもやはりアリシアは興味なし。「用事があるの」そう言って歩いて行ってしまうアリシア。
この無愛想っぷりにもめげないマクスウェルは、アリシアのことを案じて部下を何人か同行させ、アリシアを見送る。
マクスウェルが同行させた部下たちには一切構わず突き進むアリシア。協調性のないアリシアに、彼らもそれぞれ勝手にやることにしたようだ。
都市の中心部でとうとうアリシアは標的である巨大な無数の蛇の腕を持つ悪魔と対峙する。
しかし相手の体の周囲には結界が張られ、アリシアの弾丸が通らない。
圧倒的な戦力差の前に、ダークネスは今は引けとアリシアを諭すが、アリシアは「まだ戦える」と言う。
ダークネス「奴らすべてを滅ぼすという目的を忘れたのか!今のおまえでは、奴に勝てぬ!」
アリシアの覆せない不利を救ったのは、マクスウェルだった。彼に従い、アリシアは地下に逃げ込むことになる。

152 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:53:06 ID:IaW0h6Cv0
stage3

この先にマクスウェルたちの地下基地があるらしい。そこまで一緒に来て欲しいと言うマクスウェル。
彼と数人彼の部下たちとともに、アリシアは地下の下水道のような道を進む。
基地にたどり着くと、そこにはマクスウェルの部隊の死体が転がっている。基地と言っても小さな地下の部屋だが、今やそこはガイストたちの手に落ちていた。
とりあえず基地の敵を殲滅して一息つくと、マクスウェルは一冊の半分に破けた手記をアリシアに手渡した。
「もし奴らをこの世から消したいと思ってるなら…これを読んでくれ」
手記の内容は、愛する者を事故で亡くした男の絶望の日記だった。


2006年10月9日―― とんでもないいたずら電話だ!よりによって、私の最愛の者が乗った飛行機が墜落したなどと

2006年10月11日―― ニュースは日々詳細を伝えている。だが私には、遠い国の話のようにしか聞こえない。ああ……神よ!

2006年12月24日―― 祈りには、応えがない。安らぎが訪れることもない。ただ、増すのは孤独と絶望ばかり……

2007年6月2日―― ついに探し求めていた文献を発見した。……目に見えぬ神は、生命の摂理を決して曲げぬだろう。だが、悪魔ならば……

2007年9月9日―― あの呪われた村の奥にある忌まわしく深い森に、特異点が存在するのだ。闇の力によって生命を再生する術は存在したのだ!

2007年10月12日―― 時は、拷問にしか過ぎぬ。仮に命長らえたとて、それが果たして何になろう……。明日、旅立つ。愛する者を蘇らせる為に


マクスウェルによると、手記は五年前に消息を絶った考古学者が残したものだという。それを軍の情報部が手に入れた。
軍は手記に記された森に武装した部隊を調査に向かわせたが、帰ってきた者はいなかったらしい。
ここでマクスウェルは、アリシアの力が必要だと迫る。協力して欲しい、一緒に森へ行って欲しい、と。
ダークネスはマクスウェルに聞こえない声でアリシアに言う。「その森こそ、探し続けていた場所に違いないようだ」
アリシアはマクスウェルに同意し、飛行場へ向かう。
森への侵攻に際し、まずは準備を整えるため軍の基地に向かうべく飛行機で飛び立った一行は、上空で空を舞う巨大魚のような姿をした悪魔に遭遇する。
アリシアにより悪魔撃破。しかしエンジンを損傷し、不時着を余儀なくされる。
〈本作で出てくる悪魔はstage2の蛇の腕を持つ巨人トライデントサーペント、stage3の空飛ぶ巨大魚ドラゴンバットのみ〉



stage4

アリシアとマクスウェルら部隊は不時着したポイントから徒歩で基地へ向かうことに。基地までそう遠くない。
道中のガイストを退けながら基地にたどり着くと、案の定というべきか、例のごとく基地はガイストの猛攻を受けており、陥落寸前。
ここは実際のゲーム上でも難関として挙げられるが、基地防衛戦は至難を極める。次々とヘリで増援されるガイスト。
アリシアは戦闘中ダークネスから授かった新たな大魔法『竜巻』を用い、これを撃退する。
アリシアたちはいよいよ例の森への侵攻作戦を開始する。基地のヘリに乗り込み、一行は元凶の森へ……。

153 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:53:56 ID:IaW0h6Cv0
stage5

森のガイストの数はやはり多い。あちこちに潜むガイスト。それらを倒しながら薄暗い森の奥深くへと進んでゆくと、小さな村を見つける。
村には住人の代わりにガイストがはびこっている。村の最奥には、まるで隠れるように教会が建っている。
教会の扉を開けると、そこには今まで一人も見かけなかった人間が多数。村人かもしれない。しかし彼らはアリシアの眼前で怪物化し、襲ってくる。
彼らを皆殺しにしたのち、その教会でアリシアは怪しげな壁画を見つける。腕から蛇が生えた怪物の姿と、その眼前に供えられているかのような人間が描かれている。
ダークネスの読み解くところによると、それは悪魔を無限に生み出すその原理についてだった。
「捧げよ、とあるな。生け贄の思念と肉体、それを媒介として、何らかの《場》のようなものが形成され、そこを通って奴らはこの世界に現れる。
だが、逆に言えば…」
現在その媒介となっているであろう生け贄の肉体を破壊してしまえば、悪魔どもはもう出てはこれない…。
アリシアは一人教会の裏口から出てさらに森の奥へと進み、とうとう探し求めていたすべての元凶の大穴に到達する。
穴からは奇妙な太いトゲが複数飛び出しており、その一つに男が串刺しになっていた。
その男こそが悪魔を呼び出す生け贄となった例の手記の考古学者であり、すべての原因。破壊すべき対象である。
男は干からび、胸を大木のような太いトゲに貫かれていながら、まだ意識を保っていた。目の焦点は合っていないが、苦しそうに唸っている。
穴の手前には半分に破れた本が落ちている。それは例の手記の片割れだろう。
アリシアは手記のページを拾って読んだ。
その部分の日記は、男が愛する者を失う以前の、幸福をつづったものだった。


2006年9月8日―― 娘の旅行まで、残り一ヶ月となった。
13歳になったら旅行をしたい、母親が生まれ育った地中海の海を一度見てみたいと、そう言い始めたのは、去年の今頃だっただろうか

2006年9月16日―― 今日はちょっとしたパーティだった。突然、娘が誕生日だと祝ってくれた。なにやら台所で長いこと格闘していたのは、そのせいだったのだ。
もう自分の歳など忘れていたというのに…。本当に優しい子だ

2006年9月22日―― 帰宅すると、娘が見慣れぬ格好で出迎えてくれた。今日は友達と服を買いに行ったようだ。本当はもっと地味な服にして欲しいのだが……。
変な虫がつかないかどうか気がかりだ。日ごとに、亡くなった妻に似てきている

2006年10月8日―― 明日はいよいよ出発の日だ。短い間でも、私と離れるのは寂しいと昨夜は突然泣き出したが、そんなことも忘れたように楽しそうに準備をしている。あの子は親思いの本当に心の優しい子だ。……私にとって、命よりも大事な、最愛の娘だ


膝をついたアリシアはためらいと苦悩を越え、男を撃った。
アリシアの発砲の前に挟まれた言葉は、
「ここにいるのは、あなたが愛した娘じゃない。途方もない罪を償う為に戦い続けなければいけなくなった、魔女よ」
「……私……今でも愛しているわ。……パパ」

154 :バレットウィッチ/Xbox360:2009/02/21(土) 21:54:51 ID:IaW0h6Cv0
stage6

悪魔のこれ以上の増加を食い止めることはできたが、現状の悪魔やガイストたちが消えるわけではない。これからも人間は長いあいだ戦い続けなければならない。
アリシアたちはstage2の都市に舞い戻ってきた。とりあえず、前回敗退を喫した蛇の腕を持つ悪魔を倒さなければならない。
アリシアは道中でダークネスより最後にして究極の大魔法『隕石』を授かり、突き進む。
そして悪魔との再びの対面。
しかし依然としてアリシアの弾丸は障壁に阻まれ、悪魔の体に届かない。アリシアの弾丸はダークネスの力――つまり相手と同じ悪魔の力。おそらくそれが原因。
逆に言えば悪魔の力以外は通じる。今までアリシアの力と比べると頼りなかったマクスウェルの部隊の銃撃がむしろここに来て頼みの綱になる。
マクスウェルらの奮闘により障壁破壊、アリシアが本体への攻撃、とどめを受け持つことでついに悪魔を撃破する。


ED

都市上空を覆っていた毒素の混じった暗雲は消えた。
悪魔がいなくなったその都市には、ひとまず久方ぶりに太陽の光が差した。
修復不可能なほど無残な姿に成り果てた都市を橋の上から臨むアリシアとマクスウェル。
マクスウェルは自分たちが成し遂げたことに感慨深そうにするも、しかし人類の未来は暗いことを語る。
悪魔の増幅は止めたが、今回彼らは世界中にはびこる悪魔のうちのほんの一体、二体を倒したに過ぎず、未だ世界中が絶望に満たされている。
ここよりひどい場所もいくらでもあるだろう。〈前述したとおり、悪魔は世界規模ではまだ数百体存在するらしい……(人類オワタ)〉
マクスウェルはそんなことを勝手にひととおり語り、そのあとでアリシアに向き直る。
「…だが、アリシア。あんたはその暗闇に差し込んだ光だ」
マクスウェルはアリシアに共闘の感謝を述べるとともに、孤独なアリシアに言葉を贈る。
「それと、あんたには俺達という仲間がいる事を忘れないで欲しい」
アリシアは、胸を詰まらせて顔を逸らす。
最後に、マクスウェルは次の戦地へ向かう自分たちのヘリに乗っていかないかとアリシアを誘うが、アリシアは断る。
「私、空とは相性が悪いみたいね。遠慮しとくわ」
アリシアは飛行機事故で死んだ身だ。ダークネスもどうやら空は苦手らしい。そういえば上空で悪魔に襲われた楽しくない前歴もある。
別れ際、あろうことかマクスウェルはアリシアをくどく。
この場面、当然アリシアに軽くあしらわれることになるマクスウェルだったが、一瞬、アリシアははじめて笑顔を見せた。


人類の、マクスウェルの、アリシアの絶望的なほど長い戦いは、まだ続く…

155 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/21(土) 22:24:09 ID:v9tuc9fa0
バレットウィッチ乙です!

噂しか聞いてませんが適度にすごく難しくて面白いそうですね。
なんだか「俺たちの戦いはまだ始まったばかり」って終わり方ですが
「人気次第で続編決定」とかそんな感じだったんですか?

158 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/21(土) 22:35:34 ID:IaW0h6Cv0
>>155
実はエンディングのエンドロールで人類が復興していく様子が描写されてて、結果的に人類が悪魔に勝つことがすでに決定してる。
この後のアリシアの活躍を描いた続編を是非とも見てみたいと思うけど、とりあえず人類勝利って結末は決まってるっぽい。微妙なとこだな…

ちなみに、人類が復興していく過程を描いたエンドロールには、アリシアもほんの少しだけ登場する。
エンドロールの一番の見所は明らかに曲。あの絶望的な世界をプレイし終えてのあの曲はほろりとくる。
最終更新:2011年04月29日 19:25