遠隔捜査 -真実への23日間-

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97 :遠隔捜査 -真実への23日間-:2010/05/15(土) 18:34:00 ID:umbgJKxR0
酔っ払って目が覚めたら殺人犯になっていた探偵助手の主人公。
元恋人の新人弁護士に調査を依頼し、取調べで事態を悪化させないよう苦労する。
被害者のおっさんと自分は無関係だ!動機がないと訴える中、死んだ両親との関係が発覚。さらなる疑いがかかる。
犯人は主人公を飲みに連れて行った女探偵…だが、全てを裏で操っていたのはある天才心理学者。
主人公と同じ留置所に入っていたエセ文学者だった。でも逃げられる。所長は主人公に謝って自首
女探偵の死んだ恋人の心臓が被害者のおっさんに移植されていて(兄弟)、オカルトなのか恋人の魂が
被害者を動かして所長のアリバイ作りしてたみたいな話だった。

312 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:10:58 ID:vzgm0Wm10
遠隔捜査 -真実への23日間-

『23日間』
逮捕後、起訴されるまでの最大日数。
1)48時間以内に送検を決定
2)24時間以内に勾留を決定
3)10日の勾留期限
4)更に10日の勾留延長
以上を合計して23日間である。


オレは夢を見ていた。
「コウちゃん、起きなさい」
ちゃん付けってのもどうかと思うが、オレを呼んだのはおふくろだった。
5年前、事故で――階段から落ちて、死んだおふくろ。
「その笑顔があれば、どんなに辛いことでも、乗り越えていけるわ」
ああ、そうだな。おふくろはいつもそう言っていた・・・。


◇11月11日 事件の発端

目を覚ます。オレは、どうして・・・?
ええと、オレは斉藤光志(さいとう こうじ)、25歳。水谷探偵事務所に所属する探偵だ。
うん、だんだん意識がハッキリしてきた。
昨夜、酒に弱いオレはバーで酔いつぶれて、それからは思い出せない。
今朝、刑事がやってきてわけがわからないまま殺人容疑で逮捕されて、ここにいる、というわけだ。

事件のあらましはこうだ。
被害者は白川ハウジングという大会社の社長、白川一朗。
11日0:44頃、バー「ライトブルー」のVIPルームから、銃声が鳴り響いた。
VIPルーム内で白川一朗が血を流して死んでいた。
第一発見者は、たまたま店内に居合わせた近藤という刑事。
店内を捜索したところ、凶器と思われる拳銃が出てきた。
その拳銃に、オレの指紋がついていたらしい。



313 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:13:50 ID:vzgm0Wm10
◇11月12日 不測の再会

オレは取調室に連れて行かれた。
オレの取調べを担当するのは、三浦という、いかにも正義感に燃えてますといったような若い刑事だ。
さっそく尋問が始まった。
「お前が殺した被害者の名前は?」
これは引っ掛けだ。ハッキリと解らないこと、知らないことには黙秘権を行使すること、
それが尋問の基本だ。
オレは殺してない。当然、黙秘権を行使しして、切り抜けた。
見当違いのことを答えたり、あいまいな答えを返すと、三浦の心象が悪くなる。
最悪の場合、速攻で起訴されてそれで終わりだ。
一旦起訴されてしまったら、無罪判決を勝ち取ることは難しい。
だから、起訴される前に、オレの無実を証明しなければ・・・。

接見があるというので、接見室に行く。
そこには思いもかけない人物――法子がいた。
新城法子。大学時代、オレは法子といつも一緒にいたっけ。
そして、共に弁護士を目指していた。
だが5年前、おふくろがが死んだ。
幼い頃、親父を亡くしていたオレは、一人ぼっちになった。
何もかもが崩れそうになるのを感じて、オレはすべてから逃げ出した。
弁護士になる夢を捨て、法子の前から姿を消した。そして、探偵になった。
法子はオレがいなくなった後も勉強を続け、晴れて弁護士になっていた。
「5年ぶりなのに、こんなかたちの再会なんて・・・。
どうしてこんなことになっちゃってるの?」
「法子、オレの話を聞いてくれ。言いたいことは一言だけだ。オレはやってない」
オレの言葉を聞いて、法子は笑った。
「コウジ、変わってないね」

オレは法子を担当の弁護士に指名することにした。
そして、身動きが取れないオレの代わりに、
いろいろな場所へ行き情報を集めてきてもらうことになった。
その情報を元に、オレは推理を組み立て、真犯人を暴くのだ。

留置所の自分の部屋へと帰る。
「お帰り~光志君。疲れたでしょ」
人懐っこそうに見えるこの男は七芝伊月(ななしば いつき)。この部屋の同居人だ。
なんでも自称小説家で、わいせつ物頒布罪で捕まったらしい。
「ああ、メチャクチャ疲れた。こんな日はゆっくり風呂に入りたいよ」
「残念。ここはお風呂は週2回。だから今日は入れないよ」
2日に1回かと思ってた。くそー。



314 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:15:09 ID:vzgm0Wm10
◇11月13日 無意義な談

今日は検事による勾留請求を目的とした取調べを受けるために、検察庁に来ている。
形式的な質疑応答の後、10日間の勾留が決定した。
次に裁判所に行って勾留質問を受ける。

その夜、久々に風呂に入ったんだが・・・。
湯船のお湯はなんと真っ黒だった。
勾留されてる奴らみんなが週2回しか風呂に入れないとなると、これは仕方ないのかもしれないが。
七芝は平気な顔して入っていた。



315 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:16:17 ID:vzgm0Wm10
◇11月14日 記憶の境界

法子が接見しに来た。
法子はまず白川家に行って話を聞いてきたらしい。
白川一朗の家族は、妻のと大学生になる一人娘、のぞみ。
それから、写真を見せてもらったが、美佐恵はおふくろにそっくりだった。
法子は戸籍を調べてみたが、美佐恵はおふくろとは血縁関係がない。ただの空似らしい。

それから水谷探偵事務所へ。所長の朝露さん――水谷朝露(みずたに あさつゆ)に会ってきたという。
朝露さんは妙齢のナイスバディなお姉さん(と言っておこう。歳は知らない)。
フラフラしてたオレを雇ってくれた恩人でもある。
事件当夜、オレは朝露さんにライトブルーに連れて行かれて、そして酔いつぶれた。
朝露さんはオレと一緒にカウンターで飲んでいたらしい。
0時過ぎ、オレをタクシーに乗せた。その後で銃声が聞こえたという。
だから、オレは犯人ではないと、朝露さんは太鼓判を押したという。

法子が帰った後、息つく暇も無く次の接見。
「元気だった、コウちゃん?」
朝露さんが来てくれた。
「朝露さ~ん、待ってたんですよ」
朝露さんと、ライトブルーでのことをしばらく話す。
それから朝露さんはあわただしく帰っていった。
ただでさえ少ない所員がさらに少なくなっているこの状況じゃ、しょうがないか。

それから現場検証のために、ライトブルーへ連れて行かれた。
殺人現場のVIPルームに入る。三浦は何か思い出したか、とオレに聞くが、
オレはやってないし、入ったことない場所なんだから思い出せるはずもない。
被害者の白川一朗は、うつぶせになるように倒れていたらしい。
銃で撃たれて倒れたような体制には見えなかったが・・・。

またまた接見人が来た。やって来たのは、オレの友人だと名乗る20歳前後の女の子だった。
まったく見覚えがない子だ。誰なんだ?
とりあえず、立会人に怪しまれないように話をすることにした。
「えっと、花子、だっけ?久しぶりだな。花子は勉強がよくできたよな」
「あ、ええと、はい。私も、先生に勉強を教えてもらって、楽しかったです」
この子は大胆かつ、頭の回る子だ。オレの意図を汲み取って話を合わせてきた。
さて、この子が何者なのか探りを入れないと・・・。
「ご両親は元気か?花子、一人暮らしは初めてだろ?お父さんは心配してるんじゃないのか?」
女の子は突然涙ぐんだ。なぜだ?「お父さん」に反応したのか?
この子のお父さんはもう死んでいる・・・?
あっ、まさか!この子は、白川一朗の娘の、のぞみだ。
くそっ、父親を殺したかもしれない男に、両親は元気かなんて言われたら・・・。
「人殺し・・・」
そう呟くと、のぞみは席を立ち、去って行こうとする。このまま行かせてはダメだ。
「オレはやってない!」
のぞみの背中に呼びかけたが、彼女はそのまま去っていった。



316 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:19:14 ID:vzgm0Wm10
◇11月15日 疑惑の取引

取調室で三浦と向かい合っていると、突然中年の刑事が入ってきた。
こいつが第一発見者の近藤だ。
「どうだ斉藤、話す気になったか。今すぐ自白すれば、殺意は無かったと調書に書こう。
この場合、傷害致死だ」
近藤の奴、オレに司法取引を持ちかけるつもりか?もちろん、そんなつもりは無い。
「嘘の事実を捏造するくらいなら、改めて主張する。オレは、やってない」
怒った近藤はオレの胸倉をつかんで揺さぶった。
これ以上は違法だと三浦が止めに入った。
「ぐっ、勝手にしろ!」
近藤は憤然としながら取調室を出て行った。


◇11月16日 届かぬ想い

法子が驚くべき情報をもたらした。
朝露さんは昔優秀な弁護士だったという。そのとき、白川グループの顧問弁護士をやっていたらしい。
だが、体調を崩して辞めたのだという。

また、のぞみが接見にやってきた。
被疑者と被害者の家族の接見は禁止されている。のぞみの正体が知れてはマズい。
それなのにこうして、変装してまでオレに会いにくるなんて、どういうつもりだ?
のぞみは何も言わず、じっとオレの顔を見るだけだった。
「どうした花子?恨み言ならオレにぶつけていいんだぞ」
立会人にバレないスレスレの会話。
「明日、また来ます」
結局、のぞみは何も言わなかった。


◇11月17日 希望と憂鬱

法子がタクシーセンターに問い合わせて、
オレが乗せられたというタクシーの乗車記録を調べてきてくれた。
結果、乗車記録、まるでナシ。そのタクシーは白タクの可能性があるな。
白タクだったら、オレのアリバイはあやふやなままだ。

昨日の言ったとおり、今日ものぞみは来た。
「花子、あの・・・」
「私は先生が殺人犯だなんて、思っていませんから」
目の前がパーッと晴れたような気がした。



317 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:20:11 ID:vzgm0Wm10
◇11月18日 因縁の連鎖

取調べのとき、三浦から古びた手帳を見せられた。
オレの自宅の、おふくろの遺品をまとめた段ボール箱から出てきたものだそうだ。
それは20年前交通事故で死んだ、オレの親父のものだった。
その手帳には、「自分はやがて白川一朗に殺されるだろう」と書かれていた。
新聞記者だった親父は、白川グループの黒い噂を追っていたらしい。
誓って言うが、オレはこの手帳の存在も知らないし、中身を見たことも無い。
だが三浦は、この手帳を見たのが殺しの動機だと疑っている。


◇11月19日 記憶の継承

「そういえば光志君、あの本読んだ?」
あの本とは、先日七芝に勧められて図書室から借りた本のことだ。
「死して生きる」というタイトルだった。
心臓移植をされた主人公は、毎夜、自分が殺される夢を見る。
その夢は、臓器提供者(ドナー)の記憶だった。と、こんなあらすじだ。
心臓に宿った記憶が、移植された後も続く、か。
オレのおふくろは、心臓のドナーだった。おふくろの記憶を受け継いだ人が、
どこかで生きているとしたら、おふくろと再会できるかもな。


◇11月20日 心的な損傷

法子が調査したところによると、白川一朗は心臓病を患っていて、
数年前に渡欧して、移植を受けたとのこと。

それから、ライトブルーで、防犯カメラの映像を確認してもらった。
オレがカウンターで酔いつぶれている映像だった。
そのオレの周りをウロチョロする怪しい影があった。
誰かは解らないが、きっとこいつが拳銃にオレの指紋を付けたのだろう。


◇11月21日 運命の振り子

法子がライトブルーで集めてきた情報を組み立てる。
まず、VIPルームのBGMを制御する専用の音楽プレイヤーが事務所に設置されていて、
CDなどの音楽をかけることができる。
事件当夜はクラシックのCDがかかっていたそうだが、事件発生直後には音楽は止まっていた。
それに、そのプレイヤーには外部音源が接続された形跡があるとのこと。
外部音源に銃声を録音しておき、音源を切り替えれば、VIPルームに銃声をとどろかせることが可能になる。
つまり、犯行時間は0:44よりもっと前だったのだ。



318 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:23:00 ID:vzgm0Wm10
◇11月22日 予定の調和

今日は勾留期限だ。明日には釈放されてる・・・といいなぁ。
いつものように三浦から尋問を受ける。
「お前がやっていないという証拠はあるのか?」
これは悪魔の証明というやつで、やっていないことを証明することはできない。
当然黙秘。しばらく考えた後、三浦は言った。
「この事件にはまだ謎が残っている。このまま終わりにするわけにはいかない」
どうやら、勾留延長らしい。


◇11月23日 消えた証拠

検察庁へ行って検事から尋問を受ける。
「どうして凶器になった銃に指紋がついているのかね?」
オレはライトブルーの防犯カメラの映像の話をした。
「そんな証拠、受け取ってないけど?」
どういうことだ?


◇11月24日 無力の謝罪

法子が接見にやってきた。今日から、犯行が可能だった人物のアリバイを
一人一人確認していくことを調査方針とする。

朝露さんが接見にやってきたので、過去のことを聞いてみることにした。
昔、白川グループの顧問弁護士だった頃、白川一朗の弟、白川真二と恋人だったという。
そして、弁護士を辞めるきっかけになった病気というのは心臓病で、
5年前に心臓の移植を受けて以来、健康を保っているとのことだ。

尋問のとき、三浦に、証拠のビデオが提出されてないことを問いただした。
三浦はただ謝るだけで、理由も、誰がやったとも言わなかった。


◇11月25日 泣き寝入り

取調室に近藤がやってきた。
「ビデオは部下が紛失させたんだよ。済まなかったな」
そんなのは嘘っぱちで、本当は近藤が握りつぶしたに違いない。
近藤が出て行った後、三浦は黙り込んでいた。
「あんた、本当にこんなんでいいのか?」
三浦をたきつけるように、オレは言った。
「・・・確かにお前の言うとおりだ」
この日以降、三浦と協力関係が出来たような気がする。
いつもと同じようにキツイ口調で尋問されてはいるが、
三浦は、オレが真犯人を探し出すのを手伝ってくれているのだ。



319 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:26:59 ID:vzgm0Wm10
◇11月26日 独断と偏見

法子が、朝露さんが移植手術を受けた病院へ行ってきた。
その病院は、オレのおふくろが看護師として働いていた病院でもある。
おふくろは勤務中に、病院の階段から落ちて脳死状態となり、死んだ。
朝露さんのことも聞いたらしいが、解らなかったらしい。
そういえば、水谷朝露というのは探偵業のための偽名だったな。
本名は、吉本澄香だ。


◇11月27日 融和の兆し

親父の手帳をもう一度見せてもらえることになった。
よく見てみると、真二の心臓を一朗に移植した、と書いてあった。
それと、真二のいた高校が解った。おふくろの出身校と同じだった。

最近、白川ビルの社長室に、吉本ユミというなぞの少女が出没しているらしい。
吉本といえば朝露さんのことか?と思うが、吉本は珍しい名前じゃないからな。


◇11月28日 告発の行先

法子が高校へ行って話を聞いてきた。
白川真二とおふくろは、放送部に所属する先輩後輩の関係だった。
真二はおふくろに相当な憧れを抱いていたようだ。

朝露さんが、あの証拠のビデオを紛失した件で、近藤を告発したと、三浦は言う。
朝露さんはもう一件告発していたが、そちらの方は教えてもらえなかった。


◇11月29日 意外な真実

三浦が証拠のビデオを持ってきたので、見せてもらった。
オレの周りでウロチョロする怪しい影。そいつは近藤だった。
だが、近藤は拳銃にオレの指紋をつけるためではなく、
朝露さんと接触するためにウロチョロしていたらしい。
三浦に、近藤と直接話がしたいと頼んだ。

法子が再び病院に行ってきてくれた。
朝露さんの本名を出したら、意外なことが解った。
おふくろの心臓は、朝露さんに移植されていたのだった。



320 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:28:04 ID:vzgm0Wm10
◇11月30日 過去の清算

白川一朗の妻、美佐恵は、のぞみの実母ではないらしい。
前妻とは死別していたが、数年前、一朗は美佐恵に一目惚れし、再婚を決めたのだという。
そのことをのぞみに教えてやったら、心底驚いていた。

近藤と話をする。近藤は、白川一朗と高校のときの同級生だったらしい。
そして、一朗から賄賂を受け取り、見返りに便宜をはかっていた。
近藤は収賄の容疑で逮捕された。犯行当時のアリバイもハッキリしたし、近藤は犯人ではなかった。

七芝がオレより一足先に釈放となった。嫌疑不十分らしい。
寂しいような、せいせいしたような。


◇12月1日 最後の疾走

法子を病院に行かせて話を聞いてきてもらった。
朝露さんの心臓移植は、播磨という医師の独断で執り行われたらしい。
播磨医師は、真二から一朗への心臓移植も行っていた。
ここは播磨医師に話を聞きたいところだったが、播磨医師は今は行方不明になっているそうだ。


◇12月2日 凡ての結末

法子から最後の報告を受ける。これで疑わしい人物のアリバイがハッキリした。ただ一人を除いて。
そう、朝露さんのアリバイがハッキリしないままだった。
尋問のとき、そのことを三浦に告げた。
朝露さんを確保すべく刑事が探偵事務所に向かったが、朝露さんは行方不明だという。
三浦がオレに手紙を差し出した。事務所のドアに挟まっていたという手紙。
「ようやく長い間捜していた人物が
見つかったので、しばらく留守にします。
ごめんね、コウちゃん・・・」



321 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:30:50 ID:vzgm0Wm10
エピローグ

次の日、検察庁に行って検事聴取を受け、オレは晴れて釈放となった。
いや、まだ終わってない。朝露さんに話を聞かなければ・・・。

オレは法子と一緒に、朝露さんを捜すことにした。
手紙にあった、朝露さんが捜していた人物とはたぶん、播磨医師だ。
オレたちは病院に行って、播磨医師のことをくわしく聞く。
播磨医師は、休みの日は別荘にいるらしい。

別荘の場所を教えてもらい、車を飛ばした。
朝露さんは、男に向けて拳銃を構えていた。男の顔をよく見る。そいつは意外な人物――七芝だった。

吉本ユミは、朝露さんと白川真二の子だった。
真二は渡欧し、腎臓の手術に失敗したと見せかけて、播磨に殺された。
そしてその心臓を一朗に移植した。
播磨は、臓器移植の際、記憶が継承されるという話に興味があった。
その実験のために、吉本ユミを一朗に会わせた。ユミは一朗を父親と認識し、度々会いに行くようになった。
一朗の死後も、それは続いていた。
朝露さんはユミを守るため、そして真二の復讐を果たすため、播磨を捜していたのだった。
播磨は、朝露さんから逃げるために、七芝に化けて留置所に入ったのだった。

拳銃を構えてはいたが、朝露さんは撃てないでいた。
逆に朝露さんは播磨に撃たれてしまった。どうやら急所は外しているらしいが・・・。
播磨にはまんまと逃げられてしまった。

数週間後。傷が癒えた朝露さんが退院して、留置所に送られる日。
オレは三浦の計らいで、朝露さんと少し話をすることができた。

ユミを守りたい一心で、朝露さんは一朗を殺そうとした。
VIPルームで、朝露さんは一朗を撃った。弾は一朗の腕に当たった。致命傷ではない。
だが一朗は心臓を押さえて苦しみだした。そして突然笑顔になった。
「君を殺人犯にはさせない」
そのとき、朝露さんは真二と再会したのだった。
やがて、一朗に移植された真二の心臓は止まった。

「ねぇ、コウちゃん、弁護士になったら?今からでも遅くないわ」
朝露さんが言う。
そういえば、オレが弁護士になる、ってのは、おふくろの希望だったっけ。
それもいいかも知れない。オレは笑った。
「その笑顔があれば、どんなに辛いことでも、乗り越えていけるわ」
オレはそのとき、おふくろと再会した。

END


322 :遠隔捜査:2010/07/07(水) 18:32:57 ID:vzgm0Wm10
伏線を回収しつつ補足。
真二はおふくろに憧れていた。その真二の心臓を移植された一朗は、
おふくろに似ている美佐恵に一目ぼれした。
真二は朝露さんと恋仲になったが、まだおふくろのことが忘れられないでいた。
それを知ったおふくろは、何かあったら自分の心臓を朝露さんに移植してほしいと言っていたらしい。


※法子の調査結果等、実際のゲームとは日付がずれている場合があります。

※このゲームの肝は滅多に体験できないであろう、留置所生活が満喫できることです。ええ。
それだけでもこのゲームの価値があると思う。





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