暗闇の果てで君を待つ

part51-110~118,119~124,127~138,141~144


110 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:14:59 ID:hD9UXc++0
「暗闇の果てで君を待つ」
いきまーす。ちょっと長いです失礼します。

山中の廃校に拉致され、指令に従わなければ処刑される脱出ADV。
同じく拉致された6人から、1人とタッグを組む。トゥルーEDのみ、後日談で相棒と主人公がくっつく。

【主人公】
金鳳学院高校2年生。紅一点。
機転の利く少女。つい最近、6年前まで住んでいた町に戻ってきた。

 【桜葉克己】
 金鳳学院高校2年生。写真部。
 主人公の幼馴染。幼い頃から6年前まで、実の兄妹のように育ってきた仲。
 やや口が悪いが、明るく気のいい少年。庶民的でまっすぐな根性の持ち主。  
 パン屋さくらベーカリーの息子で、自分もパン作りが得意。首にかけたゴーグルがトレードマーク。

 【秋山朋】
 金鳳学院高校2年生。テニス部。
 全国クラスのテニスプレイヤー。穂波とのダブルスは有名。
 でかくて単純で力任せの男。冗談の通じない野暮天で、友達が少ない。
 不器用で要領が悪く、正反対の穂波に割を食わされては苦い思いをしている。

 【穂波陽介】
 金鳳学院高校2年生。テニス部。
 全国クラスのテニスプレイヤー。秋山とのダブルスは有名。
 イギリス人とのハーフで、金髪緑眼の美少年。要領の良いタイプ。
 総明で愛想もいいが、秋山にだけ自分勝手に振る舞う。

 【風野太郎】
 羽生田商業高校一年生。
 中年ニートの両親と難病の妹を抱える、戦うブロガー。
 ブログのアフィリエイト料とWEB制作のバイトで一家を養っている。
 お金と自分が大好き。お調子者っぽく振舞うが、抜け目無く金儲けのチャンスを狙っている

 【葵水央】
 金鳳学院高校3年。生徒会長。
 葵財閥の御曹司。文武両道、眉目秀麗と持て囃されている。
 厳しいビジネス界で生き抜く為の教育を受けているものの、頭でっかちでトロい。
 無垢で素直で一生懸命で、ズレてるおぼっちゃん。

 【高坂貴彦】
 金鳳学院高校科学教師。
 長身メガネ白衣。冷静沈着。規則に厳しいが頼れる教師。
 誰にでも敬語を使うが、めちゃくちゃプライド高そうなのが透けて見える。

111 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:22:25 ID:hD9UXc++0
舞台は秋の七霧岳。
学校行事の林間学校で、ハイキング中に熱射病になった主人公は、
バスでふもとのキャンプまで戻る事になる。バスには同乗者が7人。
主人公を送る幼馴染の桜葉と生徒会長の葵、テニスの大会の為に林間学校を抜ける穂波と秋山、
同じ山での林間学校から脱走した他校生の風野。そして担任の高坂先生と、バスを運転する教育実習生の神子元。
幼馴染と先生以外は殆ど面識もないメンバーだ。
山道を下っていると、不意に前方から閃光が破裂し、バスが事故を起こして主人公は意識を失った。

目が覚めたら、もう夕方も遅く。見知らぬ荒れた教室で倒れていた。
室内には、幼馴染と実習生の神子坂がいて、同じように意識を取り戻したばかりだった。
教室は外から施錠されており、脅迫状のような手紙がドアの隙間に差し込まれていた。
「仮面の死神」なる者から宛てられた手紙には、
死神からの指令を守りながらここから脱出するゲームに招待されたこと、
安易に窓から出たら死が待っていること
この部屋からの脱出のカギは…という文字の横に奇妙な図形が印されていた。

神子元は勇敢にも、手紙を無視して、窓からカーテンを伝って助けを呼びに降りた。
幼馴染と待つうちに、銃声と神子元の悲鳴が響いた。手紙のルールは絶対なのだ。
もう一度手紙を確認した二人は、机から発見した針金を、手紙の図形に合わせて曲げてみる。
それでピッキングすると、呆気ないほど簡単に扉は開いた。

そこは2F建ての廃校だった。
今居るのは2F。1Fに降りる階段にはシャッターが降りている。照明はつかず、頼りは満月の光だけ。
隣の教室からうめき声が聞こえて近寄ってみると、扉上の換気窓に穂波がプーさん状態ではまっていた。
脱出しようとしたが窓が途中までしか開かず、にっちもさっちも行かなくなったらしい。
倉庫の工具箱からバールを見つけて彼を救出すると、中にまだ「ルナ」がいるという。
「ルナ」とは相棒の秋山朋に穂波がつけた仇名らしい。ゴツい秋山には大変ミスマッチだ。
 とにかく、筋骨隆々の秋山は換気窓を通れない。3人で頭を抱えていると、扉が吹っ飛んで中から秋山が出てきた。
「この方が早いと言ったろう」と真面目な顔で言う秋山に、穂波は「肩を壊したらどうするの」と毒づく。
名ダブルスと名高い二人だが、オフではあまり気が合わないようだ。
二人の脅迫状には長方形が二つ書かれており、穂波はそれをヒントに換気窓を使ったらしい。

4人で歩き始めると、階段前の理事長室からも話し声がする。
扉のガラスから覗きこむと、生徒会長の葵と他校生の風野がいた。
性格がまるで正反対の二人だが、バスの中では葵の世間知らずさを風野が面白がり、和気あいあいとしていた。
なのに今は、風野が葵を睨み殺しそうな雰囲気で口論している。
こちらに気づかせて話を聞くと、この部屋も鍵がかかっていて、脅迫状にはクモの巣のような模様が描かれているという。
そして、その通りのヒビが壁に走っているらしい。
理事長室の隣は資料室。皆で資料棚をどけてみるとやはり大きなヒビがあった。
秋山に頼むと、体当たりで壁を粉砕してくれる。
中の二人がビビる声を聞きながら、秋山を追って理事長室に入ると、。そこは贅沢な調度品で飾り立てられた部屋だった。
バチバチと嫌な音を立てるシャンデリアと、無残に切り裂かれた豪華なイスに栄枯必衰を感じる。

112 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:23:17 ID:hD9UXc++0
最後に開かずに残ったのが視聴覚室。隣の視聴覚準備室の連絡扉から中に入ると、
高坂先生が雁字搦めに縛りあげられて転がっていた。
部屋の隅には、見せしめのように、ルールを破った神子元の銃殺死体が吊るされていた。
全員で先生を縛る縄と格闘するが、素手ではとても無理だ。
試行錯誤していると、連絡扉が準備室側から施錠され、スピーカーから校内放送が始まった。

若い女性の声が、楽しげにゲームの内容を告げる。
・「一人飛び入りのゲストが居るようだけど」この中の6人を、その罪に相応しい方法で処刑していく。
・この中に一人、「内通者」がいて「仮面の死神」に協力している。
・最初の課題は、1Fへのシャッターを0時までに開けること。さもなくば刑が執行される。

「姉ちゃん…」幼馴染が呆然と呟く。それは、5年前に失踪した幼馴染の姉、桜葉綾子の声だった。
彼女にはこちらの声や映像が伝わっているらしい。嘆く弟をあやし、
その弟を含めて、6人にキリスト教の「七つの大罪」を割り振っていく。

・真実を求めて、叶わぬ怒りに身を燃やす桜葉克己には「憤怒」の罪を。
・他者に失望される事を恐れて己を偽り、その癖他者に理解を求める穂波陽介に「怠惰」の罪を。
・自分の方が正しいのにと、いつも得をする要領の良い相棒を妬む秋山朋に「嫉妬」の罪を。
・己の進む道に払われる犠牲を知らず、また知ろうともしない葵水央に「傲慢」の罪を。
・己の中に邪な欲望を隠し、隠せぬ者には憤りを覚える高坂貴彦に「色欲」の罪を。
・他者を己の利益の為の手段としか考えぬ、狡猾な風野太郎に「強欲」の罪を。

風野に罪が割り振られて、皆驚く。
風野はたまたま他校の行事を脱走して山中を歩いていた所をバスで拾った、いわば「飛び入りゲスト」なのだ。
「あなたにネット上でこの廃墟の情報を教えたのは誰だと思ってるの?」
彼女は笑い、ゲームの開始を告げて放送を切った。
飛び入りゲストは主人公だった、という事になるが、気になることが一つ。
綾子は幼馴染の姉であり、自分も綾子を実の姉のように慕って育った。
なのに、綾子の声は主人公の事をまるで知らないようだった。

でも幼馴染は、失踪直前に姉が彼の携帯に残した留守電を大切にしていて、今も時々聞いている。
彼が言うなら、あの声は綾子なのだろう。
記憶に残る綾子の顔、白いワンピースを着た、清楚な姿が脳裏に浮かんだ。

今は、先生の縄を解くのが先決だということで、皆で刃物を探す。
主人公が窓ガラスを鋭く割ろうと発案すると、葵が率先してバールをふるった。
呆気なくガラスは割れたが、力みすぎた葵の手からバールが抜け、戸外に飛んで行ってしまった。
バールはこの状況下で唯一の武器だっただけに、雰囲気が悪くなってしまう。
ひたすら恐縮する会長の姿に普段の威厳は無く、皆の白い目が突き刺さる。
ともかくガラスで先生の縄を切ると鍵が開く。とりあえずこれからの方針を立てることになる。

「内通者」がいるという先程の通告で、作戦会議は揉める。
風野の合流やバス事故は、誰かの誘導がなくては偶然に頼りすぎる。この中に「内通者」がいる可能性は大きい。
一人になりたくないが、組むには相手を信じられない嫌なムード。
結局、各自バラバラに探索を始めることになる。
女子の上に丸腰で、内通者容疑の薄い主人公は、護衛を兼ねたパートナーを一人、自由に選ぶ権利を与えられた。

113 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:24:29 ID:hD9UXc++0
※ここまでが共通ルート。次から真相解明順に各トゥルールートを書いていきます。
 脱出作業は全ルート同じなので、詳細は穂波ルートにのみ記載。
 真相だけ知りたい人は、最初の<穂波ルート>と最後の<桜葉ルート>だけお読みください。

114 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:34:57 ID:hD9UXc++0
【穂波陽介ルート】
華奢な方のテニス部員、穂波をパートナーに選んだ主人公。
穂波は一番知能が高く、探索中の「会話」コマンドで、的確な発案が多いが、事件の真相はほとんど明かされない。

第一課題のシャッターを開けるためには、倉庫のブレーカーを上げる必要がある。
親スイッチは固定されているが電力は供給されていない。他のスイッチを押し上げてもすぐに落ちてしまう。

二人で各部屋を調べていると、理事長室で穂波のダブルスパートナー、秋山を見つけた。
彼に示されて見ると、シャンデリアの下で羽虫が山のように死んでいた。
シャンデリアからは爆ぜるような音が聞こえる。漏電しているのだろうか?
こちらにやって来る穂波を秋山が止める。「お前は見ない方がいいぞ」。
それに食ってかかる穂波に閉口して、秋山はどいて羽虫たちを見せた。
その途端、穂波はこちらが驚くほどの激しさで飛びすさり、かばってくれた秋山を罵倒して、走り去ってしまった。
虫嫌いにしても理不尽な言い草に、「穂波君って秋山君にだけキツいよね」と主人公はいぶかしむが、秋山はそれ程気にしてないようだった。

逃げた穂波をいさめて、もう一度理事長室に戻り、漏電したシャンデリアをゴム手袋を使って取り外す。
落ちてきたメモの暗号を解いて、その通りにスイッチを操作すると、電気が復旧して照明が点いた。
久しぶりの明るさに心が和むが、シャッターの先に何があるのかは分からない。
全員で警戒しながらシャッターを開けたが、先には真っ暗な1Fが広がるばかり。

すると、ぱつり、とまた校内放送が始まった。
「まだ誰も死んでないのね、がんばってくれるじゃない。」
次は午前二時までに1F南へのシャッターを開けること、そう指令が下る中、
先も見えない暗い廊下を、葵が急に走り出して消えてしまう。
放送が終わり、とぼとぼと戻ってきた葵を囲んで、会長の奇行を問い質す。
「1Fは放送機材が職員室にしかない。だからそこに急げば取り押さえられるかと思ったが、誰もいなかった。
 隣の保健室から物音がしたけれど…」
おとぼけ生徒会長ではすまない言動である。先陣を切って、主人公が尋ねる。何故間取りを知っているのか?と…
「ここに来たことがある」と答える葵に、全員が疑いの目を向ける。
バールを紛失したこと、ここがどこなのか知っていて隠していたこと、
細かな言動も怪しく、風野の糾弾を受け、会長は視聴覚準備室に監禁される。

またバラけて、各自シャッターを開ける為探索を始める。
穂波と主人公は、物音がしたという保健室に特攻してみた。
中には思いがけず中年の男性がいた。「ここを突破しようとしたら敵と見なす」と威嚇してくる。
見れば、足から血が滴っている。警戒を解かせて、保健室内部に入り、応急手当を施す。
彼は綿貫、いわゆる「フリーのカメラマンさ」という奴だった。
取材対象を追ってこの敷地内に迷い込み、銃で撃たれて、窓から校内に逃げ込んだらしい。
そうこうする内に綿貫が倒れてしまう。出血性ショックを起こした彼の為に、灯油とポンプを探し出してストーブを点けてやる。
命を助けてやりながらも、穂波は彼に刺々しく、綿貫も穂波を知っているようだった。

115 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:40:19 ID:hD9UXc++0
2-2に入ると、秋山が熱心に何かを見ていた。
穂波は主人公と相談の結果、秋山にさっきのことを謝ると決意していたが、
普段にくたらしい態度を取っているだけに、素直に謝るのは相当勇気がいるらしい。
どもって中々切り出せない穂波に、秋山が先に謝ってくれる。
照れくさい雰囲気の中、秋山が「そうだ」と言って穂波の手に何か乗せた。

蛍だった。

穂波は絶叫して蛍を床に叩きつけ、秋山に「絶交」を宣言して走り去る。
秋山に悪意はなかった。ただデリカシーもなかっただけのことなのだが、
秋山も蛍を殺した穂波に怒り、ちょっと手の出しようもなくこれじてしまう。

穂波は、隣の教室に居た。綿貫に会ってから元気もないし、さっきの態度は異常だ。
笑顔で茶化す穂波に、こんな状況なんだから強がらずに何でも相談してほしいと言う。
一転疲れた顔で、穂波はぽつりぽつりと自分の秘密を打ち明ける。

綿貫が追っている取材対象は、穂波自身なのだそうだ。
劣性遺伝の薄い色素が、ハーフの穂波に遺伝しているのは、遺伝子操作で生まれたデザイナーベイビーだから。
父の穂波博士は、ノーペル賞受賞候補とも言われる遺伝子学者だが、我が子に秘密裏に実験を施した。
博士は、奥さんにそっくりかつ最高に才能豊かな女の子が欲しくてついやってしまったようだが、実験は大失敗。男の子が生まれた。
博士は子供を、日本にいる母、つまり穂波の祖母に送りつけた。
運動をしても筋肉がつかない体、従来の医学が体に対応しない不安。
出生の秘密が露見すれば父は失脚し、自分も今までどおりの暮らしはできなくなる。
だから他人へバリアを張るが、そのくせ一人は寂しいから、上辺だけ愛想をふりまいている。
テニス一筋の秋山は、私情でパートナーの穂波を見限ることはできない。
だから、秋山を甘えやストレスのはけ口にして、我が儘に振る舞ってしまうらしい。
でも、先程の態度はそれだけが理由ではない、ともう一つ秘密を打ち明けられる。

日本に送られて、ごく幼い頃、穂波は高齢の祖母と二人マンションでひっそり暮らしていた。
夏場、祖母が寝ついたまま死んでしまった。
ほんの幼児だった穂波にはどうしたらいいのか分からず、数日たち、祖母は腐り始めた。
おぞましく臭う祖母にびっしりたかっていた虫たち…
それ以来、虫を見るたびにその光景を思い出し気が動転してしまうらしい。

それを素直に秋山に打ち明けて謝ったらどうかと勧めるが、穂波は拒絶する。
今のは勢いで打ち明けてしまったが、他人に知ってほしいことではない。
めんどくさい奴だが、それでも秋山と仲直りはしたいらしく、ぼかして「とりあえず謝る」という方針を決める。

主人公がガンガン謎を解き、シャッターを開けるパスワードまで解決したが、電圧が足りない。
地下にある機械室で配電盤を見つけ、病床の綿貫に2Fの電力を1Fに回す方法を教わる。
連携プレイが必要で、頭数が足りないので、ひとまず葵を出して来る。
高坂先生が視聴覚室から校内放送で連絡係を務めると名乗り出た。単独行動になってしまうが、大人なので我慢していただく。

116 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:46:08 ID:hD9UXc++0
主人公と穂波は教わった通り配電盤と格闘。電力を戻し、1Fにも照明がつくようにする。これで全校内が明るくなった。
不安な夜に、光は驚くほどの安らぎを与えてくれる。和やかな気持ちになり、二人はささやかな勝利に微笑みあう。
現在ほとんど2時。もう6時間も力を合わせて謎を解き続けてきた。
たった6時間かもしれないが、二人には戦友のような絆が生まれ始めていた。
その穏やかな空気を引き裂くように、葵会長の悲鳴が響く。
「高坂先生が視聴覚室で殺されている!早く来てくれ!!」

視聴覚室は施錠され、中では血溜まりに高坂先生が伏せている。
準備室からの連絡扉も施錠されており、防音の為頑丈な扉は秋山にも破れない。
何もルールを破っていないのに先生は殺され、シャッターを開けたのに次の指令は無い。犯人はゲームを放棄して殺人を始めたのだろうか?
恐怖しながらも、蛍光灯の明るさに勇気づけられて、皆散り散りに探索を始める。

穂波と主人公は、未知の領域シャッターの向こうへ挑む。
そこは特別教室棟で、実習教室や、口の字型に囲まれた中庭への入口があった。
調理室には巨大な冷凍庫があり、美術室には何故かアイアンメイデンが飾られている。
用務員室には、やけに荒い作業で板が打ちつけてあって入れない。バールが無いのが悔やまれる。
美術室横の隅に、表示のない扉が施錠されていた。

今までと違い、1F南の空き教室は綺麗に掃除されていた。
よく見ると、大きな染みがうっすらと残っている。それ以外何もない室内の静謐さが逆におぞましい。
もうゲームは最終局面、いつ死ぬかもしれないと自覚した主人公は、穂波に忠告する。
はやく秋山君に謝らないと、もう二度と謝れないかもしれないよと。
穂波はそれに苛立ち、そんな穂波に主人公も苛立つ。
関わらないでと言う割に、自分に過去を打ち明けたり 八つ当りはするくせに、秋山に謝りたいと焦ったり
穂波が他人にどうして欲しいのかわからないと詰る主人公に、穂波が萎れる。
”本当は誰かに頼りたい。でも一度甘えたら、一挙にもたれかかってしまいそうで怖い。”
と打ち明ける穂波に、もたれかかってもいいよと主人公が答える。
穂波は少し泣いて、あまり頼らないようにするから、よろしくねと返した。

落ち着いた穂波と廊下に出ると、シーンとした空気に違和感を覚える。
皆が歩き回る気配、意見を交換する声が感じられない。
探し回ると、綿貫が職員室でぐったりと座り込み、腕からは点滴チューブが伸びていた。

「毒を注入されている」と点滴を取りはらおうとした穂波を、綿貫が弱弱しく止めた。
「これは解毒剤だ。」仮面の男が綿貫に何かを注射し、この点滴をセットしていったらしい。
滑稽な自殺をさせるための細工だったのだろうが、パックの薬品名を綿貫が知っていたのが幸いだった。
そして、それは医学の嗜みがある穂波にも分かったはずだ。スクープを恐れて、反射的に自分を殺そうとしたのだと綿貫は言う。
人の命を何とも思わない、お前達親子は同類だ。そう断罪されて穂波は言い返せなかった。

そこに、久しぶりに校内放送が入り、仮面の死神に処刑の開始が告げられる。
「憤怒に燃える桜葉克己は、どうにもできない巨大な力に圧し潰され
 怠惰な穂波陽介は、己の心と同じく冷たく凍えて
 嫉妬でがんじ絡めの秋山朋は、窓のない部屋で息を詰まらせ
 強欲な風野太郎は、己の姿を描かれる場所で助けを待ち、
 傲慢を自覚しない葵水央は、荒れ狂う水にその仮面を押し流される」
そして放送が切れて、最初の処刑を報せるチャイムが鳴った。

117 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:51:19 ID:hD9UXc++0
<ここからは、各処刑者を見つけ、かなり厳しい制限時間で、助けるアイテムを探し当てなければいけない。>

<憤怒>
機械音を聞きつけて、二人は地下機械室に降りる。
機械室の壁際には、更に地下の水脈へ連携していく巨大な歯車が連なっている。
今はその間から、桜葉の首から上が覗いていた。

駆け寄ると、苦しげな桜葉が、首が上下の歯車にぎっちり挟まれて動けないと苦笑した。
地下からは唸るような機械音。
歯車がその運動をここまで伝えた時、彼の首は押し潰される。そう仮面の死神に言われたらしい
桜葉の頭上、壁に緊急停止ボタンが見える。でも、隙間が狭くて手が届かない。
1F掃除用具入れから火バサミを取ってトンボ帰りし、スイッチを押した。
やがて歯車達が噛み合い始め、緊張の中、本来の設計と逆に回転し、桜葉の首を解放した。
安堵のあまりへたり込む一同だったが、また次のチャイムが鳴り響く。

桜葉は犯人に頭を殴られていて、急ぎの探索には堪えそうにない。
綿貫と一緒に、職員室で待機してもらうことにする。

<嫉妬>
唯一窓のない、2F倉庫を開けると、中から緑色の気体が這い出した。
踏み込むと、座った姿勢で手錠と足枷をつけられた秋山が居た。傍らには、開いたボンベがある。
致死性のガスらしい、と嫌な咳をしながら秋山が言う。
「非常に重いガスだから今は床に溜まってるけど、口の高さまで達したら、俺、死ぬんだと…」
焦る二人を、秋山は「部屋を出て俺をかまうな」と突っぱねる。
秋山の拒絶を、自分への拒絶と受け取った穂波はショックを受ける。
調理室の空きボンベの栓で毒ガスを止め、理科室の塩酸を取ってきて、枷の金属部分に振りかける。
量が足りず、酸化は途中で止まっていまうが、案の定、秋山は枷をぶっ壊して立ちあがる。
唖然とする二人を秋山が促して、ガスの溜まった倉庫を脱出した。

改めて秋山と向き合った穂波は、「僕の事嫌いでもいいから」と、自分の秋山への甘えを正直に告白して今までの振る舞いを謝った。
秋山も、自分の中の嫉妬や葛藤を打ち明け、「別に嫌いじゃない」と穂波を許す。
仲直りした、というより初めて心を通わせたダブルスを、引き離すようにチャイムが鳴る。

秋山の怪力は非常に魅力的だが、まだ咳をしていて具合が悪そうだ。
彼にも職員室で休んでいてもらうことにした。

<強欲>
己の姿を描かれるのは、美術室だろう。
行ってみると、案の定風野がアイアンメイデンの中に繋がれていた。
首輪が風野の身動きを封じていて、開けられた蓋の裏側には、鋭い棘が光っている。
蓋の表の取っ手にロープが結ばれ、それがロープカッターを組み込んだ装置に繋がれている。
時間が来れば、ロープが切られて、アイアンメイデンが閉じる仕組みだ。
ふと足元を見ると、穂波こだわりの靴に目がとまる。そういえば雑談中、靴に鉄板を入れていると話していた。
鉄板入りなら刃を通すこともないだろう。片方脱いでもらって、それをロープカッターにかませた。
あとは首輪を外すだけだが、ネジが小さくてドライバーでは回せない。図書室で眼鏡用ドライバーを見つけ、風野を救出する。

風野は、薬物を吸入させられていて足元が覚束ない。職員室へ行くよう促して、そこにまたチャイムが鳴った。

118 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 00:53:15 ID:hD9UXc++0
<傲慢>
水に押し流されると言っても、この廃校は水道すら出ない。
しかしどこからか水音が聞こえてくる。音を追って中庭に出ると、枯れていた池に、水門から水が噴き出していた。
覗きこむと、池の底が抜けて落ち込んでおり、そこで葵会長が暴れていた。
まだ膝までしか水位は無いが、葵は完全にパニック状態でこちらに気づかない。
まず水門を塞ぎたい。美術室から未開封の袋石膏をありったけ運んで土嚢代わりに詰めた。
そうしておいて、一番最初に神子元が伝って降りたカーテンで葵を引っ張り上げた。
何故足がつくのに慌てていたのか聞くと、恥ずかしそうに「水が怖い」と打ち明けられる。
秋の夜にびしょぬれは厳しい。保健室のストーブで服を乾かして職員室に行くように指示する。

<怠惰>
これで全員の安否が分かった。
職員室で皆が休息を取っているのを確かめた二人は、先程擦り剥いた膝を消毒しに保健室へ行く。
治療後、穂波は偵察に出かけていった。主人公はしばらくストーブに当たっていたが、穂波が一向に戻ってこない。
探し歩くと、調理室の冷凍庫が稼働していて、扉が分厚い氷に覆われていた。
覗き窓から、穂波が凍えているのが見える。
電源コードを包丁で切り、アイスピックで氷を掻いて救出した。
飛び出してきた穂波と無事を喜び合う。いい雰囲気になったところに、銃声が響く。

全員が駆けつけると、3-2で高坂先生が死んでいた。
視聴覚室で死んでいたはずの先生が何故ここに?死体を調べると遺書が出てくる。
”今回の事件は私高坂貴彦の単独犯行であり、自分は今までにもここで快楽殺人を続けてきた。
 全員を殺し海外へ逃れる望みが断たれた以上、生き恥をさらす前に死を選ぶ”
と先生の字で綴られていた。

事件は終わったようだが、結末はとても納得が行かない。
秋山が、そういえば探索中に一つカメラを見つけたと言い出した。小さなワイヤレスの無線カメラだったそうだ。
風野もいくつか見つけたという。恐らく全部屋に仕掛けられ、どこかに映像が送られていたのだろう。
そんな機材があるのは、視聴覚室か、あるいは開かない美術室の横の扉の中か…。
話し合っていると綿貫が、すぐそこに停めたバイクで麓に助けを呼びに行くと言い出した。
おとなしくしていろと言い残して、綿貫は去ったが、妙に静かだ。
「バイクの音が聞こえない。綿貫はまだ校内にいるんだ。何故だと思う?」
取材はまだ終わっていないからだ。
綿貫はマスコミの人間だ。この事件の一部始終の映像データなんてものを欲しがらない訳ない。
穂波は、出生の秘密を主人公に喋ってしまっている。綿貫の点滴を抜こうとしたところも映っているだろう。

二人は即座に行動を開始する。
開かなかった用務員室の板を燃やし、水門から引かれた水道で消火して中に入る。
そこで懐中電灯を発見して、唯一まだ暗いトイレを捜索、鍵束を発見した。
それで、最後まで開かなかった美術室横の扉を開ける。そこは、校舎と繋がった礼拝堂だった。
主人公と短くお互いの絆を確かめ合い、穂波はすぐに踵を返して職員室に向かう。
もう一人信頼できる仲間が必要だ。
秋山を呼び出して、礼拝堂の中に何か機材があれば全てぶち壊してほしいと頼んだ。
秋山は、まだ辛そうだが理由も聞かず快諾してくれる。
彼と別れて、穂波と主人公は視聴覚室に向かう。
そこにはやはり、PCに向かう綿貫が居た。死体を検分した時に鍵を抜いたのだろう。


120 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 02:38:08 ID:hD9UXc++0
綿貫は、穂波博士を告発できるだけのデータを確認したとほくそ笑む。
それに、お前が取り戻したがっているデータはここにはないぞ、と告げる綿貫に、穂波は知ってるよと微笑んだ。
不気味そうにこちらを見て、素早くマウスを操った綿貫は
「たった今確認したデータが消えている…」と驚く。
現在進行形で、イントラネットで繋がったマザーPCを秋山が破壊しているのだ。

勝利に喜ぶ間もなく、綿貫が不敵に笑う。
心得のない人間が闇雲に外部から破壊しても、データは復元できる確率が高い。
ここの機材は全て警察に押収され、解析されるだろう。あとは警察内のコネからデータを横流ししてもらえばいい。と
愕然とする穂波と主人公の後ろから声がした。
「僕のデータに何をした…」

振り向くと、黒衣に仮面をつけた背の高い男が立っていた。手にはナイフを持っている。
「お前さえ殺せばあとは病人と女だけだ…」男は明らかに綿貫を狙っている。
綿貫は奥へ後じさり、男は穂波に目をつけた。穂波は、今のうちに逃げろと主人公をかばう。
主人公は逃げない。穂波は焦る。男は面白がり、穂波を嬲り始める。
武器を探す主人公は、男の死角、部屋の奥で武器を探す綿貫と目があった。背後に放送機材がある。
綿貫に目配せすると、綿貫は即座に機材に気づいて持ちあげる。
それを男越しに確認した穂波が男に命乞いを始め、それに興奮している男を、綿貫が後ろから殴り倒した。
穂波がナイフと銃を取り上げて蹴り飛ばし、それを主人公が回収、綿貫が男を取り押さえる。
「ゲームセットだ」と綿貫に宣告され、仮面の死神はがっくりと力を抜いた。

男を縛りあげて、3人とも息をつく。
出し抜けに、「綿貫さん、僕の事告発していいよ」と穂波が言い出した。
何があっても僕を見捨てない人がいるってわかったから怖くない。
そう言う穂波に、綿貫は「命の恩人を破滅させるようなことは、俺には書けねぇよ」と返した。

今度こそ終わった。
夜は明けて、綿貫が呼んだ警察が到着し、皆を車に乗せていく。
皆、毒が抜けたような顔をしていて、不思議な連帯感と親近感を感じている。
それぞれまた会う約束をして、主人公と穂波は次の車を待って二人きりになる。
穂波は、悪い癖でまた恰好をつけようとするが、すぐに撤回する
仮面の死神に指摘された自分の嫌らしい面と向き合えたと微笑み、
主人公に、自分の好きな景色を見せて、どんな顔をするのか見たいと話した。

<後日談>
ゴタゴタを抜けて日常生活に戻った二人は、待ち合わせて穂波の”お気に入りの景色”を見に行く。
そこは、丘から一面の麦畑を見下ろせる場所だった。主人公は感動し、穂波もそれを見て喜ぶ。
麦畑を渡る風に吹かれながら穂波は主人公に告白し、主人公もそれを受ける。
並んで麦畑を見ながら、同じ景色をこれからずっと見ていこうと約束する。

121 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 02:44:02 ID:hD9UXc++0
【秋山朋ルート】
屈強なテニス部員、秋山をパートナーに選んだ主人公。
その怪力は魅力的だが、推理力は低く、「会話」コマンドは漠然としたアイディアが多い。
シャッターの開け方他進行謎解きは、穂波ルートと一緒なので割愛。
二人は特に親しい訳でもなく、最初は話も弾まない。
探索で力を合わせるうちに、主人公の機転、秋山の誠実さ、お互いのいい所を見つけ合って打ち解けていく。

理事長室で、シャンデリアの下に羽虫の死骸の山を見つける
穂波ルートと同じように、羽虫を見た穂波は秋山を理不尽に罵倒し出て行ってしまう。
主人公がガラス張りのテラスで満月に感嘆すると、秋山は「月は好きじゃない」と呟いた。
テニス部で初めて穂波に会って、トモはどう書くかと尋ねられ「月が二つだ」と答えて以来、穂波が発案してテニス部中に「ルナ」と呼ばれているらしい。
何度も嫌だと言ったのに、皆に「おいしいイジられ方なんだからいいじゃん」と流される。皆穂波の方を好いて、自分の言い分は聞いてくれない。
秋山は彼らしくない愚痴っぽさで零す。

・1Fへのシャッターを開けると、南へのシャッターを開けるよう指示される。 開け方は穂波ルートと同じなので割愛。

綿貫の助け方も同じ。綿貫が、ここがどこなのかを教えてくれる。
ここは廃校になった「私立黒稜館学院」。葵グループが経営していた寄宿制の学校だった。
設立当初は、隔絶された山中、名家の子女が少人数で家族のように暮らす、ぬくもりのある学校だった。
しかし、次第に問題のある御曹司や令嬢が島流しにされる場所になっていき、末期にはセレブ向けの矯正施設のようになっていたという。
数年前に、礼拝堂とここ中等部校舎だけを残して焼失。原因は解明されていない。

南へのシャッターを開ける為に探索する。
教室で秋山が何かを捕まえた。手を開くと緑がかった淡い光が瞬いた。蛍だ。
二人は顔を寄せ合い、幻想的な光を楽しむ。テニス一筋の堅物のようだった秋山に、虫好きの一面も伺える。
暗い1Fでは蛍も貴重な光源だ。秋山が優しくティッシュでくるみ、ポケットに忍ばせた。

蛍を仕舞うと、ちょうど入ってきた穂波と出くわした。気まずげな穂波に、秋山はさっきのお詫び、と蛍を手に乗せてやる。
秋山は、綺麗なものを見せてやろう、位の気持ちだったのだろうが、虫嫌いにはたまらない。
穂波は絶叫して蛍を床に叩きつけ、秋山を罵倒する。
「お前、人には無茶苦茶するくせに、自分が傷つけられたら随分騒ぐんだな。」
秋山の言葉に絶句した穂波は、「絶交」を宣言して逃げていく。
床に落ちた蛍をそっと秋山が拾う。蛍は潰れて死んでいた。
「せっかくこの季節まで頑張ってたのに。嫌いでも殺すことないだろ。今度こそは俺、あいつから謝るまで許さない」
こじれてしまったダブルスに気を遣いつつ、秋山と二人で探索する。

122 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 02:54:11 ID:hD9UXc++0
資料室のトロフィーがテニス大会のもので、秋山が手に取る。すると、カメラが床に落ちた。
無線式のワイヤレスカメラのようだ。壊れてしまったが、中のSDカードは無事だった。一応取りだして持っていく。

・葵を解放して南へのシャッターを開ける。高坂先生が密室で死んでいる。詳細は穂波ルートを。

2F教室のキャビネットを調べていて、秋山が上のラックに頭をぶつける。すると何か落ちてくる。
見てみるとまたワイヤレスカメラ。SDカードを取り出しておく。
教室を出ようとすると、向かいの視聴覚室の鍵が回る音がはっきり聞こえた。
視聴覚室は先生の死体を閉じ込めたまま密室になっているはずだ。その鍵を開けられる人物は、犯人しかいない。
もう廊下に出る余裕はなく、二人は教卓の裏に身を潜める。
足音がして、戸口に人の気配がした。そっと窺うが、黒っぽいシルエットと手に提げたナイフしか確認できない。
通り過ぎてほしい…と祈るのもむなしく、影はこちらに足を踏み出した。
その時、廊下からシャッター音とフラッシュが閃き、影が踵を返した。
階段を駆け下りていく足音、それを追って走っていく影。今のうちにと逃げ出して、ひとまず違う教室に隠れる。
カメラを持っている桜葉が、フラッシュを焚いて囮になってくれたのだろう。手近にいないが二人で感謝する。

そのまま理科室へ行き、ちょっといちゃこいたイベントを済ませて出てくると、校内は死んだように静まり返っていた。
綿貫生存、処刑宣告は大体穂波ルートと同じ。


<憤怒>穂波ルートと同じ手順なので割愛。
     桜葉救出後、さっきのフラッシュの事でお礼を言うと、「そんな事してない」と否定された。

<怠惰>
調理室に入ると、冷凍庫が稼働しており、液体窒素のボンベが床に転がっている。
室内に踏み込むと、背後で扉が閉まり施錠された。
とりあえず冷凍庫に駆け寄ると、扉は厚い氷に覆われて、覗き窓から穂波が不安げにこちらを見返してきた。
「早く助けよう。凍傷になれば、あいつからテニスが奪われてしまう」
今回は、包丁が見つからなくても、しばらく氷を掻いたら、秋山は氷ごと扉をひっぺがせる。
軽く霜の降りた穂波を引き摺りだし、二人で手足をこすって温めてやる。
穂波のポケットから携帯が落ち、秋山が拾って持たせてやるが、指が動かない穂波はまた取り落してしまう。
「後で拾うからいいよ。電池1になっちゃったから切ってあるしね。」
と言う穂波に秋山が突っ込む。「お前、電池が減ってきたから切っとくって言ってただろ?1になるまで何に使ったんだ?」
穂波は触れられたくなさそうだが、秋山が食い下がる。
穂波は観念して「さっき2Fでルナの声がして…声をかけようかなと思ったら、仮面の男がその部屋に入って行ったから…」
咄嗟に携帯でフラッシュを焚いて囮になったのだと言う。

穂波は笑うが、秋山は項垂れて、蛍の時に言った事を謝ろうとする。
慌てて真面目なムードを茶化そうとする穂波に、秋山が正面から切り込む。
そうやって距離を取ろうとしているのは知っている。でもそうされたら俺は傷つく。
言い切った秋山に、穂波も俯き、つっかえながら今までの事を謝る。
新生ダブルスが誕生したと同時に、チャイムと共に鍵が開く。

ついていきたがる穂波を職員室へ送り、次の処刑地へ

123 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 02:56:57 ID:hD9UXc++0
<強欲>大体穂波ルートと同じ。靴ではなく、拾った縄跳びを床の出っ張りと結んで扉を固定する。

<傲慢>水を止める手順は同じ。
     秋山は、バスに乗る前に穂波に川に落とされたので、一人だけポロシャツを着ている。
     丈夫な生地のそれをねじって、葵先輩をつかまらせて引っ張り上げる。

<嫉妬>
全員の安否を確認できたので、開かなかった用務員室に挑もうとする…が、後ろから殴られて主人公は昏倒する。
目を覚ますと、倉庫に座り込んでいた。
足元には色のある気体が溜まり、隣には手錠と足枷に繋がれた秋山が座っている。
秋山を救う方法は穂波ルートと同じ。
秋山が枷を吹っ飛ばすと、棚からカメラが落ちてくる。またSDカードをゲット。

二人で倉庫を脱出し、テラスで一息つく。
月光に照らされていいムードになり、秋山は主人公に告白しようとする…がそこに銃声が響く。
駆けつけると、教室で高坂先生と仮面をつけた男が死んでいた。
男の仮面をはがそうとしたが、ぴっちりとした素材のそれは容易にははがれない。
あきらめて、高坂先生の遺体を調べると、遺書が出てきた。内容は穂波ルートと同じく、高坂一人の犯行と書かれていた。
では、この仮面の男は何者なのか?
皆不可解な幕切れに戸惑っていたが、ふと見回すと風野が居ない。
穂波に尋ねるが、穂波も何故か上の空だ。

綿貫が麓へ助けを呼びに行った後、二人は3枚のSDカードの中身を確認してみることにした。
穂波の携帯で再生してみると、その室内での一部始終が、そしてその中の一枚に、銃を携えて窓辺に立つ高坂先生が映っていた。
やはり、高坂先生は内通者だったのだ。
それにしても穂波の反応が悪い。秋山が問い質すと、穂波は懺悔するように胸の内を吐き出した。

カメラマンの綿貫は、穂波の出生の秘密を取材する為に来た。彼は穂波に付きまとっていて、万が一スクープされると自分は破滅する。
綿貫が職員室で点滴されているのを見つけた時、解毒剤と知っていながら、それを引き抜いてしまった。
廊下に出てすぐに、やはり人殺しはできないと思い直して点滴を挿しに戻った。
その一部始終を録画したカメラとSDカードを風野が発見し、その映像を見つけて

恐喝してきたのだと言う。

大金を求められて、断れば風野はそれを公表するだろう。
穂波を助ける、という選択肢以外は秋山にも主人公にもない。3人は頭を寄せて作戦会議を始めた。

秋山と主人公が視聴覚室に行くと、やはり風野がPCをいじっていた。
掘り出し物が沢山あると風野は勝ち誇っている。葵を強請るネタも仕入れたらしい。
そんな風野に秋山が賭けを提示する。こちらは、風野が欲しがりそうなデータの詰まったSDカードを3枚持っている。
風野が3枚全て中身を確認した後、3枚をシャッフルする。風野がそこから1枚選び、中にどのデータが入っているか当てる。
当たればこちらのデータも風野の物。外せば全てのデータを消させてもらう。

124 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 02:58:19 ID:hD9UXc++0
風野はSDカードを一瞥して賭けに乗り、こちらの携帯でデータを確認する。
そして、一枚を選び、先生が銃を持っていたデータが中にあると宣言した。
勝利を確信している風野に、秋山が携帯の画面を見せる。そこには違うデータが映されていた。
そんな筈はない!と風野は焦るが、携帯から吐き出されたのは間違いなく風野が選んだSDカードだ。
約束通り、主人公がPCからデータのバックアップを消していく。
秋山は穂波を脅かすSDカードをつまんで掲げ、それを指の力だけでへし折った。
「これで妹を救えると思ったのに…」風野がそう呟いて項垂れた。

実は、3枚のSDカードは全く同じように見えて、1枚だけ容量が違った。
風野は間違いなくそれに気づき、機械に疎い秋山を見下して、勝ち誇って賭けに乗るだろう。
それを見越して、穂波が携帯に違うSDのバックアップを取っておく。
風野が容量の違うSDを確認した後、秋山が携帯で穂波と通信し、そのSDへバックアップを上書きする。
ぴったり息を合わせたインチキだ。誰も、中身を確認した後にその中身が変わるとは予想できないだろう。

綾子の声以外は全てが解決した。
秋山と主人公は朝焼けの中、警察の車に乗り込む前に二人きりで話し合う。
秋山は人が変わったような穏やかな笑顔だ。
自分が正しいんだとふんぞり返って、何もせず相手を僻んでいた、今までの自分をそう自覚できたと言う。
きっと、今までと違うテニスが出来る気がする。試合を見に来てほしい。
そう告げる秋山に、主人公は応援に行くと約束する。

<後日談>
冬が来て、主人公は約束通り秋山の応援に行った。試合が終わり、秋山を待つ。
連れ立ってやってきた秋山と穂波はすぐに口喧嘩を始めるが、以前とは違いじゃれ合っているようにしか見えない。
穂波は一しきり喚いた後、「じゃ、僕原チャリだから。」とごゆっくり、と猛スピードで去っていった。
二人の雰囲気が変わったね、と言うと「前はあれでもまだ遠慮してたらしくてな。最近の毒舌といったら…」
あれ以上遠慮をなくせるものなのだろうか、まぁ秋山もその穂波を遠慮なく流している。
テニスも格を上げたし、うまく行ってるのだろう。

バス停に着いて、寒がる主人公に、秋山が「この中入れ」と自分のコートを広げる。
「噂になっちゃうから」と言うが「俺は別にさしさわりない。お前は問題あるのか?」と返される。
そう言われると、無い。おとなしくコートにくるまれると、秋山の鼓動が速くなっていくのを感じる。
秋山が主人公に告白し、主人公もそれを受け、明日も一緒に帰ろうと約束した。

127 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 12:34:04 ID:hD9UXc++0
暗闇続き行きまーす。
謎解きは省略。詳細は穂波ルートにあります。

128 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 12:36:20 ID:hD9UXc++0
【風野太郎】
ちゃらいようでいて抜け目のない他校生、風野をパートナーに選んだ主人公。
風野からのオファーをOKして、面識のない風野とタッグを組む。
やけにおどけて陽気に振る舞う少年だが、苦労を知らない育ちや性善説を見下して馬鹿にしている。
謎解きは前述ルートと同じなので割愛。

風野は、葵先輩が葵財閥の跡取りだと分かってから、やたらと食ってかかる。
何故自分を嫌うのか?改善できる事ならば教えてくれと問う葵に、
風野は、求めればいつでも納得のいく答えがあると思っていること自体が、お育ちの良さの表れだと毒づく。
世の中には、最初から納得のいく答えなど用意されていない、泥沼を這いまわらざるを得ない層が存在しているのだと。
葵は、風野の事を他人の価値観を踏みにじる「傲慢」な人間だと評して去っていく。
改めて葵につっかかる理由を尋ねると、風野は、「葵家の人間が、自分にお綺麗なイメージを持っているのが許せない」と皮肉げに答えた。

理事長室の切り刻まれた椅子を見て、風野が顔を顰める。
尋ねても何も答えないが、何かにゾッとしたようだ。他にも、風野は何か隠している様子を随所で見せる。

・1Fシャッターを開ける。葵を監禁する。詳細は穂波ルート参照。
 綿貫を助けて、ここが「黒稜館学院」だと聞く。詳細は秋山ルート参照。

理科室を怖々進むと、背後から「ぐぇっ」と声がした。振り向くと、風野の長いペンダントが鉄骨に引っかかって首を絞めていた。
照れた風野は、これは妹が作ってくれたペンダントだから外せないと苦笑した。
妹は重い病気で入退院を繰り返しており、見舞いに行くと趣味の金属アクセサリーを作ってくれるらしい。
それなのに両親は中年ニートだから、風野のブログのアフィとWEBのバイトで妹とどうにか暮らしている。
そう愚痴りながらも、風野は誇らしげだった。

空き教室に入ると、翼の折れた鳥を見つけた。巣立ったばかりのようだ。
風野は、先程のペンダントトップの金属片で木片を削り、添え木を作ってやる。ここは虫が多いから、飛べなくても生きていられるだろう。
「自分はどういう状況でも少しでも長くあがきたいから、安楽死って何か違うと思うし」
と風野は照れ笑いする。

探索を進めると、床板が腐っている部分を見つけた。
「気をつけろよ、俺はそれ対策に軍用ブーツ履いてきたけど、そんな靴じゃ踏み抜くとケガするぜ」
ダウト!という事で言い争いになる。
風野は、廃墟マニアとして元からここに来るつもりで、林間校舎を脱走しただけだと主張する。
他に他意は無い、と言う風野だったが、
探索中もずっと携帯をいじっている彼を主人公が小突くと、椅子から落ちた風野の手から携帯と何か機械が転がり出た。
風野がすっ転んでいる間に、その機械を拾い上げると、それはビデオカメラのようだった。携帯もカメラモードの画面が表示されている。

それは犯人側が設置した赤外線カメラだった。携帯のカメラモードを通すと、その放光部が探せるらしい。
赤外線カメラの周囲には、SDカードを内蔵したカメラが設置されている事が多い。
そのSDを持ち帰り、ブログで解析してひと儲けするつもりだったそうだ。
知る筈の無い事を知っている風野を内通者と疑うが、風野はそれを晴らす為に全てを白状する。

129 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 12:38:28 ID:hD9UXc++0
風野は、オカルトや都市伝説系のブログを運営していて、ネットでは顔が広い。
ある日、この廃校での殺人ビデオがアメリカの動画サイトにアップされているという情報が垂れこまれた。
そのビデオは、椅子に縛りつけられた、ワンピースの綺麗な女が…というもの。それがあの理事長室の椅子だった。
今思えば、この情報自体が犯人側のトラップだったのだが
殺人ビデオが本物だったらめっけもの、そうでなければ廃虚探索特集にすればいいと思い、林間校舎を抜け出した。
その結果、自分が殺人ビデオの登場人物になっているという訳だ。
どんな状況からも利益を探す風野は、この事件もひと儲けのチャンスにしようとしている。

・葵を解放して南へのシャッターを開ける。高坂先生が密室で死んでいる。詳細は穂波ルートを。

図書室で葵会長に出くわした風野は、ギラギラした目で歩み寄る。
「高坂先生、ほんとは死んでないんだろ?」
全く嘘をつく素質の無い葵はすぐにうろたえ、態度で語ってしまう。
風野は、「黙ってて欲しければ、妹の手術代1億2000万を全額負担するという証文を書け」と脅迫する。
「どうして」とまた聞く葵に、風野は、「俺のオヤジとおんなじこというんだな~」とニヤつく。
風野の父は、葵財閥系列の工場を経営していて、不況の折に工場ごとリストラされた。
「どうして」と食い下がる父を財閥は突き放し、ストレス耐性の低い父母は、何もかも放棄して宗教に走ってしまった。
だから、風野は葵につけ入る隙を虎視眈々と狙っていたのだった。潔癖な葵に「下衆め」と蔑まれるが、風野は全く意に介さない。

美術室で、聖なんちゃら像を見つけ、しばし宗教観について話し込む。
主人公は漠然とした神秘的な存在と、世界の美しい面を信じている。
風野は形の無いものを信じていない。父母の信仰も、再就職に立ち向かうよりも楽な逃げ場にしか見えない。
飯を食うのに必要無いものなんか、要らない。 と風野は断言する。

改めて「オレって結構お前に手の内見せちゃってるよな」と風野は零す。
「オレを裏切らないって約束してくれないか」と言う風野に、主人公は悩む。彼は善人とは言い難い。
覚悟を決めて指きりをする主人公に、風野は彼流の誠意を示す。
曰く”金の絡まない『約束』をしてくれた相手には、裏切られても恨まない。それが何の社会的信用も無い自分に『約束』してくれた人への礼儀”
風野にとっては生命線を預ける信頼の表明だが、主人公には自分の覚悟を軽んじられる言葉だった。
お互いがお互いの反応にショックを受け、価値観の相違で気まずくなる。

処刑の宣告、綿貫生存。詳細は穂波ルートを。
<憤怒><嫉妬>も他と同じだから省略
<怠惰>では、包丁ではなく、例のペンダントトップでコードを擦り切る。

<傲慢>
葵を他と同じ方法で池から引き上げる。
命の恩人に「誠意」を見せろとニヤつく風野に、葵は「それは出来ない。」と答える。
葵財閥の資金を葵水央個人が動かすことはできない。財閥の後継ぎは他に10人程いるから、葵水央の命には1億2000万の半分の価値もない。
そう答える葵に風野は歯噛みする。
”葵先輩を脅迫しても財閥への復讐にはならない。葵先輩も財閥に値段をつけられるような立場なんだよ”と説得する主人公に
風野は荒れながらも脅迫を一旦取り下げた。

130 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 12:40:29 ID:hD9UXc++0
探索に戻った二人は、後ろから誰かに殴り倒される。
目が覚めると、主人公は美術室に倒れていて、目の前にはアイアンメイデンに固定された風野が居た。
助け方は他ルートと同じ。
彼を助け出し、床に座り込む。「でかい借り作っちまったな」と落ち込む風野に、主人公がキレる。
「貸しとか損得じゃないってどうしたら分かってくれるの!」と怒る主人公に、風野も「今さら主義は変えられない」と主張する。
価値観の相違に苦しむ二人の口論を遮って、銃声が響いた。

空き教室に駆け込むと、仮面の男と高坂先生が絶命していた。
男の仮面は取れず、先生の遺書には「高坂貴彦の単独犯行である」としたためられている。詳細は秋山ルート参照。
綿貫が助けを呼ぶ為に下山していき、風野はネタを仕入れる為に奔走し始める。
鍵束を見つけて視聴覚室を開け、PCを起動する。パスワードを割り出しながらSDのデータを解析する。
金儲けの種になりそうな映像を探す風野に呆れると、
「お前が俺に会長さんを金づるにするのを諦めさせたからだろ?」とウィンクする。

パスワードを割り出し、録画データを溜めているマザーPCへアクセスすると、異変が起きた。
誰かが現在進行形でデータを消去している。焦る主人公を待たせて、風野はネットを立ち上げて何か操作する。
マザーPCのありそうな場所は、開かなかった美術室横の扉だけ。
扉を開くと、そこは礼拝堂だった。祭壇から、葵会長が悲しそうな眼でこちらを見下ろしていた。
「高坂先生に関するデータは全て消去した」と告げる葵を、風野が煽り誘導する。
「ワンピースの女性の殺害、黒稜館を焼いた映像、全て消去した。貴彦叔父があんなにも快楽殺人を続けていたなんて…」
「葵財閥と政界を繋ぐ高坂家の人間が殺人鬼でした、なんてワイドショーが飛び付きそうだよなぁ」
口調だけ同情的な風野の言葉に、葵がコクンと頷く。この期に及んであまりにも人を疑わない葵に、主人公が警告する。
時すでに遅し、風野は喜色満面だった。「今のはすげぇ重要な証言になるなぁ~」

「恐喝の種になるようなデータは残ってない」と言う葵に、風野は恐喝は止めたと頷く。
「ただ、何も持ってない人間の方が強いこともあるのを思い知らせてやりたくてね」
今、この会話は高坂の隠しカメラによって録画され、それが風野の自宅へ転送されている。と風野は言う。
それは想定済みだ。と葵は答える。
そしてそれはアメリカの動画サイトにリアルタイムで配信されている。と風野は言う。
葵は言葉を失う。
俺は何も失うものはないんでね、と風野は笑う。
「行こうぜ会長さん。
俺は強請りの未遂で、あんたは証拠隠滅の罪で。」

131 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 12:43:17 ID:hD9UXc++0
警察がやってくる前の束の間、風野と主人公は短く約束を交わす。
主人公が葵系列の株を売り、今回の件が発覚し下落したら株を買い戻すこと。(それインサイダー取ry
そして、俺が出てくるまで待っていてほしい、と風野は言い、護送車に収容されていった。

しばらくは、世間は猟奇殺人と葵財閥のスキャンダルに湧き、動画に顔が出てしまった主人公もマスコミに追い回される毎日だった。
うまく株を伝手で売買し、一段落した頃、街角のスクランブル交差点で風野と再会した。
結局拘留だけで済んだ風野は、株で儲けた金でアメリカに渡り、妹と闘病する事にしたらしい。
とりあえずお礼に、とブランド物の高級時計を差し出す風野。「換金性」をプッシュして来るので、また揉めてしまう。
「あの時といい、何かキマんないんだよなー」とぼやきながら風野は旅立っていった。

<後日談>
半年程が過ぎ春が来た。風野からは「妹の手術が成功した」という短いメールが来た切り。
新学期、下校しようとした主人公の前に、まさに成金チャラ男、という風体の風野が現れる。
話題性を利用して、抜け目なく儲けてきたのだろう。そして風野は、金鳳の制服を着ていた。
風野は突然、「黒稜館でのオレは忘れてくれ!」と赤い顔でまくし立てる。夜思い出しては布団の中で悶えていたらしい。
あの頃、俺は世界の価値を下げてその分自分をアゲてたんだと思えるようになった、と言い、風野は指輪を差し出した。
大粒のダイヤが乗った指輪に、また同じパターンの喧嘩が始まりそうになるが
「後ろ暗いところの無い金で買ったものだ。何かの代償じゃなく、お前に贈って、できればただ喜んでほしい」と風野は告げる。
主人公は受け取り、風野は主人公の指にそれをはめて「お前はオレを全部変えたんだよ」と囁いた。

132 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:39:32 ID:hD9UXc++0
【葵水央ルート】
おぼっちゃま生徒会長、葵水央をパートナーに選んだ主人公。
彼は人が良い素直な世間知らずだが、常に教育されてきた通りに行動するよう躾けられている。

葵の言葉には「~するべき」が多く、個人的意思が感じられない。
それでも色々話をすると、葵がお笑い芸人を尊敬していることが分かる。自分が人を笑わせるのが不得意だからだそうだ。
持ちネタを聞くと、救いようのない空気になるダジャレを聞かせてくれる。

探索中、妙に攻撃的な風野に絡まれた。風野は、葵の「お育ちの良さ」をディスってくる。
「あんた、こうやって因縁つけられても、相手のことなんか考えちゃうんだろ?」
いきなり一方的に悪意をぶつけてくるなんて、風野くんにも事情があるに違いないとか思っちゃうんだろ?」
そう言う風野に、葵はキョトンとして「私は今、悪意をぶつけられていたのか?」と返す。
風野が辛辣な言葉を投げつけ去った後も、葵は何事もなかったように穏やかな笑顔を浮かべている。
彼は風野の言葉の意味は理解していても、その言葉を発したことの意味、風野の感情を理解しようとはしていないのだろう。

・1Fシャッターを開ける。葵を監禁する。詳細は穂波ルート参照。

1Fへのシャッターを開けた直後、この廃校の地理を知っていることが露見して、葵は内通者として吊るしあげられ監禁されてしまう。
主人公は一時的に高坂先生とタッグになり、閉じ込められた葵を見舞いに行く。
葵は、ここ「黒稜館学院」初等科の卒業生であること、高坂先生と叔父甥の関係であること
そして、高坂もここの卒業生で、葵は中等科に居た高坂といつも一緒だったことを主人公に打ち明けた。
他人の演技をやめた葵と高坂はとても仲が良く、二人で礼拝堂の秘密基地で遊んだ思い出を楽しげに語り合っている。
他のメンバーには秘密に、と約束して高坂先生と探索に戻る。

・葵を解放して南へのシャッターを開ける。詳細は穂波ルートを。

配電盤操作の為に、葵が仮釈放されてまた主人公とコンビを組む。
二人で明かりを復旧させて、微笑み合うも束の間、葵が真剣な目で主人公に秘密を打ち明ける。
「貴彦叔父は、これから死ぬことになっている。しかしそれは偽装だ。そうしてメンバーを抜けて一人で真相を追いたいとおっしゃっている。」
そう言って、葵は高坂が密室にした視聴覚室前まで行き、「高坂先生が死んでいる」と一芝居打った。

先生の死は、皆にすんなり受け入れられたかに思えたが、風野が葵の元へやってくる。
「高坂先生、死んでないんだろ?」
この極限状況で、その事を他の皆にバラされたら、どんな事になるか分からない。内通者としてリンチを受ける可能性すらある。
その他にも、風野は高坂や葵の、外聞を貶める物証を色々握っている口振りだ。
風野は口止め料に「妹の手術代1億2000万」を支払う念書を要求してきた。
去り際に、風野は「あんた先生に、いいように使われてるぜ」と忠告していく。しかし、葵は頑なに高坂を信じている。
葵は小さい頃、何度も溺れたことがあるらしい、今も水が生理的に怖い程だ。
その度に助けてくれたのが、貴彦叔父だった。他の事でも、貴彦叔父はいつも助けてくれた。
優しくて聡明な叔父を、葵は心底敬愛しているのだ。

133 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:40:26 ID:hD9UXc++0
それでも不安な気持ちがあるのか、葵はいつになく自分のことを話す。
ここに来て初めて、「自分は役立たずなのではないか」と感じているのだそうだ。確かに皆の足手まといになっている。
葵はその原因を「目的が無いこと」だと分析していた。
例えば、秋山の「明日のテニス大会に出る」、桜葉の「姉の失踪を解明する」、風野の「妹の治療費を葵家に負担させる」
に匹敵する強い目的が無い。だから常に行動が場当たり的なその場凌ぎになる。
そして、それは自分の人生そのものにも当てはまることに気づいたのだった。
「なるべき自分」から「なりたい自分」に意識がシフトし、葵は悩み始める。
主人公は「まだ起こってない事はいくらでも取り返しがつく」という、わかったようなわからないようなアドバイスをする。

綿貫が点滴を受け、校舎から人の気配が消え、処刑が開始される。
<憤怒><怠惰><嫉妬>は前述ルートと同じなので割愛。詳細は穂波・秋山ルートを参照。

<強欲>
美術室の扉を開くと、アイアンメイデンに繋がれた風野が露骨に顔をしかめた。
「よりによって会長さんかよ…」
恐喝者を見殺しにする罪、恐喝者の命を助けて葵グループの安全を揺るがす罪。
葵の受けてきた教育では、より大勢の不幸を阻止できる葵グループの安定を取るべきである。
「だからそれを貫けよ!でないと俺は、あんたを憎めなくなる!」
「まだ起こっていない事はどうにかなる。まず君を助けてから、君の脅迫問題に当たることにする。」
葵のネクタイでアイアンメイデンの蓋を床の出っ張りに固定し、眼鏡用ドライバーで風野を救出した。
風野は「それが無いとどう歩いていいかわからないもの」を奪われた気がする、と元気がない。
真面目に対応しようとする葵のとんちんかんな受け答えに、風野が呆れかえり、苦笑する。
そこに、またチャイムが鳴った。
もう処刑者全員の安否はわかっているが、高坂先生が生きていることはこの場の3人とも知っている。
2人は高坂先生を救出に行き、風野は職員室へ休みに行く。

<傲慢>
中庭に出ると、枯れた池の底にポツンと万年筆が落ちていた。
「あれは、貴彦叔父の万年筆ではないか?」
確かに、先生は胸ポケットに鎖付きの万年筆を入れていた。それは葵が誕生日にプレゼントした特注の一点物らしい。
ここで先生の身に何か起きたのだろうか?葵は池底に降りて、万年筆を拾いに行く。
すると、轟音と共に葵の姿が消えた。覗きこむと、偽の池底が割れ、そこから2M程落ち込んだ本当の池底が見えた。
慌てる葵に追い打ちをかけるように、水門が開いて水が池に流れ込み始める。
パニックを起こした葵を置いて、主人公はカーテンを取りに走る。一人では葵を引っ張り上げられず、石像にカーテンを結んで垂らし、よじ登らせた。

生理的に水が怖い、と言っていた通り葵は非常に消耗し、またショックを受けている。
びしょ濡れの葵を連れて保健室に行き、葵をシーツに包まらせて、脱いだ制服をストーブ前に吊るした。
葵は虚ろな目でストーブの炎を見ていたが、「誰が僕を罠にかけたと思う?」と主人公に尋ねる。
言いにくいが、それは高坂先生しかいない。高坂と葵しか知らないデータを使ったトラップなのだから。
「やはりそうか」と呟いた葵は、ボロボロと涙を零し泣き始めた。主人公は葵にしがみつかれたまま慰める。
混乱している葵に、主人公は「先輩の受けてきた教育は、こんな時にどうしたらいいか教えてくれませんか?」と尋ねた。
葵は幾らか落ち着きを取り戻す。不測の事態に動揺せず、常に最善の道を選択する。葵が学んできた事自体は間違ったものではないのだ。
まずは高坂を見つけ、話をするのが一番いい。そう結論が出た時、一発の銃声が響いた。

134 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:41:14 ID:hD9UXc++0
生乾きの服を羽織り、教室へ駆けつけると、高坂先生が絶命していた。。
左手の傍に拳銃が落ちていて、遺書も発見された。内容は、他ルートと同じ「高坂貴彦の単独犯」という内容。
絶対におかしい。辻褄が合わない。
綿貫が助けを呼びに山を降りていった後、生存者全員で死体を取り囲む。
それぞれの異なった目が、それぞれに矛盾を探し当てて光っている。頼もしい仲間達に、葵は隠してきた秘密を打ち明けた。
高坂と自分が親類であること、高坂の死亡偽装を手伝ったこと。皆はそれでも真相解明に付き合うと言ってくれた。

利き手の違い、模造された万年筆、遺書の内容。矛盾が多すぎる。
しかし顔も服も、高坂先生と同じだ。皆は死体を、容姿を似せた犯人側の誰かだと結論付けた。
まだ開いてない礼拝堂への扉の鍵を見つけて、葵は高坂先生は礼拝堂に居ると確信する。
全員で行こうと言う皆を、葵が止める。高坂は銃を持っている。大勢で行っても混乱を招くだけだ。
葵は「作戦」を話し、皆にある事を頼む。そして葵と主人公は二人で礼拝堂へ足を踏み入れた。

奥の祭壇に、見慣れた白衣の背中があった。
先生は、遺書を信じて下山しなかった葵に失望したと話す。確かに以前の葵ならそうしていただろう。
何故皆を殺そうとしたのか?と問う葵に、先生はよく分からない答えを返す。
ここから先生の厨二病全開の語りが続くが、まとめると
元から生き物を殺したい性質・極度のナルシスト・厨二病を手遅れな程こじらせている という事だと思われる。

それでも、ナルシストが幸いして、高坂貴彦は自分の性質を隠して生きてきた。
しかし、自分と同じ魂を持つ片割れに出会ってしまった事が、歯車を狂わせた。
葵家程ではないが、高坂家も歴史と因習に縛られている。
「双子が生まれたら片方を殺す」というおなじみの因習をゆるーく守り、高坂家は双子が生まれたら片方を遠縁に里子に出す。
貴彦にも双子の弟、秀彦が居た。
二人はお互いの存在を隠されていたが、18歳の時偶然出会ってしまった二人は、お互いが同じ残虐な性質を共有していることを知った。
同じ魂を持つ半身と、血なまぐさい妄想を話し合う内、彼らは欲望を抑えることができなくなった。今回に限って言えば、双子殺しは守られるべきだった事になる。
二人は両親を殺し、それを火事に偽装し、更に貴彦の母校まで焼いた。
貴彦は焼け残った母校を買い取って秀彦に与え、生贄を誘い込んでは、趣向をこらして二人で殺人を楽しんだ。
そして全てを映像として残し、それを反芻し、殺害した対象を慈しむことが、彼らにとっては無上の快楽だった。
しかし今回は失策だった。日本ではもう年貢の納め時だ。秀彦をトカゲの尻尾にして海外に逃亡するつもりだったが

「最後に貴方を殺せて嬉しいですよ」と貴彦は葵に微笑む。
葵が幼いころから、どういう風に殺そうかいつも夢想して興奮していた。
そう言う貴彦に、葵は溺れた自分をいつも見つけて助けてくれた思い出を話す。しかしそれも
「貴方が溺れるよう仕向けていたのは誰だと思うんです?」という答えに打ち砕かれた。
幼い葵に水への恐怖を植え付け、それが生活に支障を来たすのを、若い貴彦は興奮しながら楽しんでいたのだ。
もう何を言っても無駄である。決着をつけることにする。

ナイフを持ち近づいてくる貴彦からじりじり後じさりながら、腕時計を睨む。
間に合わないかと思われた時、地響きの様な音が響いてきた。
高坂が音源を探した隙に、二人は全速力で外へ走る。
数秒後には、仲間達が操作して水門から進路を変えた水の奔流が、この礼拝堂を洗い流すからだ。

135 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:42:59 ID:hD9UXc++0
水が引き、崩壊したチャペルの残骸を見ながら、葵は叔父への別れの言葉を呟く。
貴彦がこの学園の水路の構造を知っているのに音の正体を見抜くことができなかったのは、葵の水への恐怖を確信していたからだ。
それを葵が逆手に取った。
二人で貴彦の元へ行ったのも、貴彦が水門を操作する時間分くらいは自分を殺さないと知っていたからだ。
「だって、貴彦叔父は、僕に何かを教えるのが本当に好きだったからな。」
葵もまた、貴彦の事をよく知っていたと言う事だ。
そして、この廃校での経験が、葵を貴彦の知っていた葵水央から大きく成長させていたのだった。
綾子以外の謎は解明された。解明されたことによって、この醜聞は世間に広まるだろうが、葵はそれをは恐れることも恥じることも無かった。

<後日談>
1か月程はマスコミに追い回されたが、生存者の殆どが未成年であった事が幸いし、報道は下火になっていった。
主人公は、葵の生徒会長業務を手伝うようになり、今日も二人で生徒会室に居残っていた。
夕日に照らされながら、葵は、興味津津でコンビニおでんのカップを手にしている。
「僕はこの食物を一生食べずに死んで行くのだと思っていた。だからとても食べてみたかった。」
現に、父はこれを食べたことが無いと思う、と言いながら葵は箸をつけた。
「美味しい」と無邪気に喜ぶ葵を主人公がからかうと、葵は少しむくれて大根をくれる。
いわゆる「あーん」を初体験した葵は、くすくす笑い出した。「以前の自分がどういう風に生きていたか思い出せない」と言う。
遠回しな告白に、主人公も同意した。


136 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:52:17 ID:hD9UXc++0
【高坂貴彦ルート】
一番年長の高坂先生をパートナーに選んだ主人公。
謎解きは他ルートと同じ。穂波ルートを参照。
先生が主人公の携帯を取り落し、バッテリー部分に発信機を見つける。
これで、窓の外に出た途端銃撃される仕掛けがわかった。

高坂は、ジェントルで聡明な教師として振る舞っているつもりなのだろうが、間抜けな言動が目立つ。

・しょっぱなからもう、桜葉と穂波に内通者だと判断されている。

・綿貫のケガを見もせずに、「撃たれていても」と口走り、綿貫に「何故銃創だとわかる」と責めつけられ、言い訳も苦しい。

・秋山に、穂波を内通者として疑うように仕向け、失敗。
 秋山と穂波の結託は友情からではなく、お互いをよく知っているから、内通者である可能性を検討し除外できただけなのだが
 やけにムキになって二人を仲違いさせようとし、結局論理的に言い負かされる。

更に、他校の風野を捕まえてバスに乗せたのも、バス事故を起こした神子元の助手席に乗っていたのも高坂先生である。
ここまできて分からない方がおかしい。
図書室で二人きりになり、主人公は、「あなたが内通者ですね」と告げる。
「証拠が薄いですね」と微笑む先生に、主人公は
「あなたを告発するつもりはありません」と答える。

呆気にとられる先生とプレイヤーの前で、主人公は
「先生が全員を殺すつもりなら、私も手伝います」と、先生への盲目的な恋情を打ち明けた。
先生は主人公の首を絞めかけるが、「どうしても君を殺せない」と囁く。

これから自分は、配電盤をいじる騒ぎに乗じて、死んだふりをして一行を抜ける。
それから全員を殺していくつもりだったが、
「私は、共犯者である双子の弟に不信感を持っている。私は彼と対峙します。
あなたは、他の全員を殺して、この校舎の最後の生存者になりなさい。」
その時には…と主人公に微笑みかけ、主人公はそれに熱っぽく頷いた。

予定通り先生は最後のシャッター解除と共に死亡を演じ、仮面の死神による処刑が始まった。
今回は犯人サイドが揉めている為か、一度に全員は拉致されず、処刑者以外は呑気にうろついている。
職員室に行くと、綿貫がグッタリと座り込み点滴されていた。
「大丈夫、解毒剤だ…」と笑う綿貫の腕から点滴を引きぬき、点滴パックの中身を床にぶち撒けた。
「まさか、お嬢ちゃんが…」綿貫は愕然としながら痙攣に呑まれていく。
息絶えていく綿貫を確認しながら、決意を新たにする。あと5人殺せばまた先生に会える。

137 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:53:35 ID:hD9UXc++0
<憤怒>
地下室で、歯車に首を挟まれた幼馴染を発見する。気丈に笑って見せる桜葉を残して、校内を見回る。
手を下す必要は無い。他のメンバーが処刑者を助ける可能性を潰せば、あとは放置するだけでいい。
歯車の緊急停止ボタンを押せる棒状のもの、火バサミを発見する。
それを窓から捨てようとした所に、穂波が室内に入ってきた。
「虫が居たから摘まもうと思って」と誤魔化すと、穂波は真っ青になり、廊下で待ってると言って出ていく。
無事に窓の外へ火バサミを投げ捨てたが、その瞬間、桜葉の笑顔が脳裏に浮かんだ。
ほんの小さいころから実の兄妹のように育った仲だ。思い出は沢山ある。
しゃがみこんでそれに耐え、思わず笑う。
先生を勝ち取るためには、あと4人殺さなくてはならない。

穂波が見ていたのではと不安になるが、廊下に出ると彼はいなかった。
そこに次の処刑を報せるチャイムが響く。

<怠惰>
給食室に入ると、冷凍庫の扉が氷に覆われ、中から音がする。
覗き窓から窺うと、穂波が助けを求めていた。見回して、電源コードの保護を念頭に置く。
そこに、秋山が入ってきてしまう。咄嗟に、「冷凍庫に穂波くんが!」と事実を告げた。
秋山が覗き窓に気を取られているすきに、包丁とアイスピックを回収する。
両方隠している暇は無い。包丁を隠し、アイスピックを秋山に差し出した。
アイスピック一本で厚い氷を掻くのは果てしない作業だった。
扉を開けた時には、うずくまった穂波に白く霜が降りていた。
その傍らに膝をつき、項垂れる秋山を見ていられなくて、主人公は図書室へ逃げ込む。
ここで先生と約束したのだ。もう3人殺したのだ。立ち止まることはできない…。
チャイムが鳴って、主人公は重い腰を上げた。

<嫉妬>
倉庫で、毒ガスの立ち込める中、秋山が枷に繋がれていた。
まだテニスをしたい、助けてくれ、と頼む秋山に頷き、倉庫を出る。
その足で理科室に行き、枷を溶かせそうな薬品類をシンクに捨てた。
しばらく待って倉庫を確認すると、秋山は口から血を、目から涙を流して事切れていた。
武骨でブレない秋山が初めて見せた涙だった。
残りは二人だけ…。次のチャイムが鳴った。

<傲慢>
中庭に出ると、水門が開いていた。池を覗きこむと、抜けた底で葵がもがいている。
残っているのは風野一人。やせ型の彼には、一人で葵を引っ張り上げられないだろう。
池べりにあるのは、しっかりした石像だけ。これさえ始末すればロープ類を結びつけられるようなものはない。
じりじりと石像を押し、池へ落としこむ。あとは保健室の窓から観察することにした。
やがて風野が葵を見つけた。カーテンやロープ、色んなものを池へ垂らしたが、やはり一人では引き上げられないでいる。
これだけ見れば十分だ。最後の生存者、風野をここで待つことにする。

138 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 15:54:23 ID:hD9UXc++0
<強欲>
葵を看取った風野が、保健室へ入ってきた。
「最後の二人になっちまったな」とおどけて笑う。しかし目は油断ならない光を放っていた。
彼はどんな状況にも対応でき、誰よりも抜け目無い。
そして、他の内通者候補が消えた今、2-1の答えは簡単だ。機先を制して、主人公は俯いて呟いて見せた。
「風野君、最後にどうして皆を殺したのか教えてくれてもいいでしょ?」
風野の疑惑が揺らぐのを感じ、主人公は更にいじらしい演技を続ける。
主人公が内通者でなければ生存確率が上がると言う願望に負け、風野が主人公を信用した時
その後ろから、先生の白い手が彼のペンダントを掴んで交差させた。
待ち焦がれた人との再会に、主人公は歓喜する。
その主人公を睨みつけたまま、風野は絶命した。


今から弟と決着をつける。美術室横の礼拝堂に後で来なさいと言い、先生は去っていく。
胸を高鳴らせてチャペルの扉を開けると、
そこには、先生と、先生と同じ顔の男がナイフを持ち向かい合っていた。
早すぎた。まだ弟が生きている。逃げようとする主人公を弟が引っ掴む。

弟に人質に取られた主人公は、先生に「私を殺して」と叫ぶ。
私を刺す感触を、私を殺す感覚を先生だけに捧げたいと言う主人公に、弟とプレイヤーがドン引きする。
その隙に、先生が弟の腕に切りつけ、主人公は解放された。

「愛していますよ秀彦…まるで自分を愛するように…」
そう言いながら先生は弟を貫く。弟は二人にドン引きしたまま絶命した。
弟の返り血を浴びたまま抱き合う二人。
いつか先生の手にかかることを知りながら、主人公は二人で生きることを選ぶ。

<後日談>
日蔭者であった高坂秀彦の死体は、高坂貴彦のものとして処理され、先生は”社会的に死亡”した。
そして現在、廃校での連続殺人の重要参考人として主人公は国際的に指名手配されている。
ヨーロッパの何処かの寒村、安宿のベッドの上で二人はイチャついていた。
地図に無い道を北上しよう、と言う先生に、どこに行く道なの?と主人公は尋ねる。
「どこにも」 答える先生に主人公は納得する。
自分たちの道はどこにも通じているはずがない。それでも先の無い二人旅に主人公は幸福を感じていた。

141 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 17:55:00 ID:hD9UXc++0
最後は全てが解明される幼馴染ルートです。

【桜葉克己ルート】
幼馴染の桜葉とそのままタッグを継続した主人公。
桜葉は、姉の声での放送に動揺している。
お姉ちゃん子だった桜葉は、5年前の綾子失踪からずっと真相の解明を望んでいた。今日それが叶うかもしれない。

桜葉が写真部に入った事が意外だという話題になる。
確かに桜葉は芸術に興味がある子供ではなかった。綾子が大の写真好きだったから、遺されたカメラを彼が受け継いだらしい。
彼女も金鳳の写真部で、ここ七霧岳にもたまに写真を取りに来ていたそうだ。
それを聞いて主人公も思い出した。小学校の自由研究に、綾子の指導で、桜葉と一緒にピンホールカメラを作ったことがあった。
紅茶の缶に小さな穴を穿ち、中に印画紙を貼り付けておく。そうして映したい景色に掲げて待つと、印画紙に目の前の光景が逆さに焼き付くのだ。
懐かしかった。優しかった綾子を思い出し、先程の放送にやはり違和感を感じる。

・1Fへのシャッターを開けて、葵を監禁し、綿貫を助ける。
・葵釈放、南へのシャッターを開け、視聴覚室の密室で高坂先生が死亡。 詳細は穂波、秋山ルートを参照。

他のルートでは開けられなかった、鎖でぐるぐる巻きにされたキャビネットに、桜葉が興味を示す。
機械室でガスバーナーを見つけて、渡りに船とばかりに持っていく。下げてたゴーグルをかけ、桜葉が鎖を焼き切った。
中からは、「AS」と記されたビデオテープが出てきた。テレビは見当たらないが、とりあえず持っていく。
その時、向かいの視聴覚室の鍵が回る音がはっきり聞こえた。視聴覚室は高坂先生の死体を閉じ込めたまま密室になっていたはず。
それを開けられるのは…
桜葉と主人公は一目散に廊下に走り出て、階段へ逃げる。しかし仮面をつけた黒衣の男に追い詰められてしまう。
桜葉は、主人公を先に行かせ、ガスバーナーで脅して仮面の男を撃退する。

思い出話などしつつ探索する。
中庭で、お腹をすかせた主人公に、桜葉がじゃーんとパンを取りだした。
桜葉が練習で作ったパンなのだそうだ。美味しい。さくらベーカリーを継ぐ継がないの雑談から、昔結婚する約束をした話になる。
何だか変な空気になったので主人公は茶化そうとしたが、桜葉は乗ってこない。
そのまま遠回しに告白されるが、桜葉自身が話題を変えて、保留になる。

・綿貫が点滴され、処刑が始まる。穂波ルート参照。
・一応おさらい
「憤怒に燃える桜葉克己は、どうにもできない巨大な力に圧し潰され
 怠惰な穂波陽介は、己の心と同じく冷たく凍えて
 嫉妬でがんじ絡めの秋山朋は、窓のない部屋で息を詰まらせ
 強欲な風野太郎は、己の姿を描かれる場所で助けを待ち、
 傲慢を自覚しない葵水央は、荒れ狂う水にその仮面を押し流される」

・処刑者の救出方法全て、前述ルートと共通なので割愛。穂波、秋山ルート参照。

142 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 17:58:02 ID:hD9UXc++0
全員を救出し、職員室で休ませている間に、更に校内を探索しようとすると、
思いがけず綾子の声が校内放送で響いた。
「よく頑張ったわね克己、視聴覚室で待っているわ」と。
罠かもしれない。綾子ではないかもしれない。綾子だとしても、二人の知っていた綾子でないのは間違いない。
視聴覚室にいきなり入るのは躊躇われ、隣の視聴覚準備室から様子を窺う。壁の修繕後に、3mm程の小さな穴が開いていた。
そこから室内を覗きたいが、穴が小さいのと眩しいのとで全く見えない。どうも穴のすぐ近くに光源があるようだ。
その時、名案が閃いた。
スクリーンを穴の正面に広げ、照明を落とす。すると、スクリーンに視聴覚室の様子がぼんやりとに映し出された。
綾子が教えてくれた、ピンホールカメラの原理だ。
スクリーンには、逆さの画面の中、暇そうな仮面の男が映し出されている。男は放送機材をいじり、綾子の声で喋り出した。
「どうしたの?克己。私から行った方がいいかしら?」
放送を切った男は、コンソール横のナイフを手に取り、視聴覚室を出て行った。階段を下っていく音が聞こえる。
桜葉はガックリを膝をつき、嗚咽を漏らし始める。主人公が桜葉を慰めようと膝をついた時、後頭部に衝撃が走った。

主人公が機械室で目を覚ますと、目の前で桜葉が首を歯車に挟まれていた。
逃げろ逃げないから喧嘩になり、片思い問題にも論点が飛び火し、気がつけばお互い半泣きで言い争っていた。
こんな時に何をやってるのだろう。主人公は、大急ぎで火ばさみを探し出して緊急停止ボタンを押した。
桜葉の手を握って待つ。やがて機械音が近づいてきて、歯車が逆転し桜葉は解放された。
いい雰囲気になる間もなく、階上から銃声が響いた。

教室で、高坂が死んでいた。傍には遺書があり、全て高坂貴彦の単独犯行だと書かれている。
勿論納得はいかない。仮面の男と、綾子の声について何も分かっていない。
主人公と桜葉は、開かなかった用務員室を開き、そこでテレビとビデオデッキを見つける。
鎖で封印されていたビデオを再生してみると、そこには懐かしい顔が映っていた。

白いワンピースを着た綾子が、あの理事長室の椅子に括りつけられている。ナイフを見せられて、それでも綾子は凛とした目でこちらを睨んでいる。
「弟と引き換えに命乞いをしろ」という仮面の男の要求を、綾子は毅然として撥ねつけた。
「どうしてだい綾子、僕は君をこんなに愛しているのに、僕を信頼してくれないのかい」
語りかける男に、綾子は「それは私が店の倉庫でネズミを捕まえた時と同じ気持ちね」と返す。
相手の生殺与奪を握っている快感を脳が持続させようとしてるだけだと、男の愛を一蹴する。
横から高坂先生の声がして、綾子に何かが振り下ろされる。それでも綾子は弟を差し出せという要求に屈しなかった。
「兄さん、僕ここまでコケにされたの初めてだよ」「この撮影は失敗ですね。」男たちがナイフを振り上げる。
綾子の顔から気丈な笑みが消え、ギュッと眉が顰められる。その瞬間、桜葉がビデオを止めていた。
泣きじゃくる桜葉の横で、主人公も涙を流す。どうして綾子の事を、少しでも疑ったりしてしまったのだろう。
二人は泣き、鼻をかんで立ちあがった。犯人はもう一人いるはずだ。

143 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 18:00:53 ID:hD9UXc++0
もう一つ開かなかった扉の鍵を探し出す。
その先は石畳の小道で繋がった礼拝堂だった。
扉を開けると、そこには見慣れた男が立っていた。「高坂先生!?」
「違うわ、私は彼の双子の弟。秀彦よ。」男は綾子の声、綾子の口調で答えた。手には変声機が握られている。バーロry
「姉ちゃんの声を汚すな」と怒る桜葉に、「あなたの中の桜葉綾子を汚したかったのよ」と秀彦は答える。
兄さんには怒られたけど、細工を頑張った甲斐があったなぁーと秀彦は悦び、滔々と語り出した。

桜葉綾子は、高坂秀彦にとって彼を唯一負かした特別な女だった。
誰もが死の間際、秀彦に命乞いをする。難攻不落と謳われた美女は下手な媚を売り、成り上がりの守銭奴が全財産を取引に使う。
皆、自分が人生で築け上げた一番の宝物を秀彦に差し出すのだ。それを憐れみ、慈しみながら絶望に落とすのが秀彦に取って最高の快感だった。
しかし、桜葉綾子だけが、死の瞬間まで一貫して、自分の命よりも大切な宝物があると主張し続け、秀彦を拒んだ。
その屈辱が忘れられず、秀彦はその宝物「桜葉克己」を今回の拉致に加えた。
そして桜葉の本性を暴き、守られる価値の無い人間だと貶め、綾子が下らない物の為に命を落とした愚かな女だと証明する。
それが秀彦の身勝手な復讐だった。

それなのに、桜葉は自分の命と引き換えに主人公を差しだすことを拒んだ。
「自分の命以上に大事なものが無い人生を送ってるお前にそんな事言われても、ちゃんちゃらおかしくて涙が出るぜ」
そう言われて憤怒に燃えた秀彦は、二人にナイフを振りかざす。
桜葉はガスバーナーを突き付けたが、もう戦闘できる程のガスがタンクに無い事を見抜かれてしまう。
祭壇から伸びる通路を秀彦がゆっくり歩いてくる。
主人公は閃き、桜葉に床を指し示した
ほこりにまみれ乾燥しきった床に、バーナーの炎を噴き付ける。一瞬で炎は床を舐めて大きくなり、秀彦へ向かっていく。
秀彦は焦り「僕のコレクションが燃えてしまう!!」と叫んで奥の地下室へと駆けて行った。
乾いた木造の礼拝堂はあっと言う間に火に呑まれる。その傍に二人はずっと立ちつくしていたが、秀彦が逃げ出してくることはなかった。
「あいつこそ、命以上に殺人フィルムが大事だったんじゃねぇか」
「ううん、彼は自分が死ぬかなんて考えてもなかったと思う。自分の命を実感できたことがなかったんじゃないかな」
そんなもの、まっとうに飯食って働いてりゃ幾らでも実感できるのにな…桜葉は彼らしい意見を呟く。
今度こそ全てが終わった。

神子元以外、全員が生存した。
皆晴れ晴れとした顔で、お互いに不思議な連帯感、親近感を感じている。
また会う約束を交わして、桜葉と二人になった。
二人だからここまで来れたと再確認し、主人公は桜葉に写真を撮ってもらう約束をする。

<後日談>
病院での精密検査、綾子の葬式、警察の事情聴取、更に欠席分の補習。
目の回る程忙しい日々の中、二人は補習をサボって、また七霧岳へ登った。
紅葉の中、桜葉特製のお弁当を広げてピクニックをする。
今日で綾子の事を後悔するのを止める。その決意表明の為に、全てが終わったこの山にまたやってきた。
そう言う桜葉に、「無理に止めないで、時々は私に愚痴った方がいいよ。」と主人公は言う。
どんな気持ちであれ、無理に気持ちを押し殺すことは、よくない事だ。
桜葉は、改めて主人公に告白し、主人公もそれを受ける。
キスをするとあろうことか感想を聞かれ、主人公の答えも「なんかしょっぱかった。」
でも、何となく甘いムードにはなったのだった。

144 :暗闇の果てで君を待つ:2010/05/17(月) 18:05:54 ID:hD9UXc++0
以上です。長文失礼しました。削っても削っても長くなって焦りました。






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