テイルコンチェルト

part51-168~182


168 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:20:39 ID:TKAIGD4Y0
テイルコンチェルト投下します。
本編イベントの一部をカットして書いてますがまとめの上では問題ない…はず。
小題をつけていますが、これは自分でイベントを分けたもので
ゲーム中にそういった表示があるわけではないのであしからず。

・世界観補足
【プレーリー】
本作の舞台。いくつもの浮遊群島で成り立っている国。
5万人の犬ヒトと2千人の猫ヒトが住んでいる。(※普通の人間は登場しない)
遺跡から発掘される不思議な力を持った部品によって栄えてきたが
それらを生み出したとされる古代文明については未だ謎が多い。

【鉄巨神】
古代文明の伝説に登場する恐ろしい巨人。
各地で鉄巨神のものと思われるパーツが発見されている。
通常の発掘部品とは異なるテクノロジーが使われているらしい。

【黒猫団】
身寄りの無い子猫たちで構成された猫ヒトの盗賊団。
あどけない子猫ではあるがミニ戦車等の兵器を扱うので侮れない。
長女アリシア・次女ステア・三女フレアのプリス三姉妹がボスを務める。

【ポリスロボ】
主人公ワッフルの操る二足歩行メカ。
バブル弾を発射して子猫を捕まえ、背後の転送装置で本部に送る。

169 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:22:11 ID:TKAIGD4Y0
★オープニング
その日、犬ヒトの警察官・ワッフルは子供の頃の夢を見ていた。
猫ヒトの女の子が一人うずくまって泣いている。
声をかけてもすっかり拗ねた様子で泣き止みそうに無い。
そこで、自分の持っていた青い宝石のペンダントを差し出した。
「これ、あげるよ」
「…いらない」
「そう…」
「…でも、あんたがいらないんだったら、もらってあげる」
「うん、いらないんだ。君にあげるよ」
女の子はペンダントを受け取ると、それを握り締めてにっこりと笑った。

170 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:25:45 ID:TKAIGD4Y0
★レサーカの町にて
ワッフルが夢から覚めると朝っぱらから電話のベルがやかましく鳴り響いた。
曰く「レサーカの町で黒猫団出現、子猫の大群が大暴れしている!」
本来は休日なのだが、治安を守る者としてこの事態を放置してはおけない。
ポリスロボに乗ってポルト村を出発し、いざレサーカの町へ。

町では子猫たちが爆弾を投げるわ酒樽に隠れるわ壁に落書きするわのイタズラ放題。
それらをなんとか捕まえて天空の遺跡へ向かうと
そこにいたのは黒猫団のボス、プリス三姉妹!
どうやら彼女達はこの遺跡に眠る“結晶石”なるものを取りにきたらしい。
しかし…
「あれっ、君は…?」「お前は…?」
実はプリス三姉妹の長女・アリシアは
8歳まで隣の家に住んでいた、ワッフルの幼馴染だったのだ。
話をしようとするもアリシアはお前なんか知らないの一点張り。
そして黒猫メカ一号とのバトルへ。

黒猫メカを撃破すると、黒焦げになった三姉妹はそそくさと逃げていく。
「覚えてろワッフル!今度あったらただじゃ済まさないからね!」
「すまさないからねー!」
「…また、やるの?」
名乗っていないはずの自分の名前を知っている―――
やはり幼馴染のあのアリシアなんだと確信するワッフル。
しかしなぜ、彼女が黒猫団のボスなどをやっているのか?

ふと気づくと、アリシアたちが赤く光る石を落としていた。
これが黒猫団の言う“結晶石”らしい。
一体これはなんなんだろう?ともかく、念のため回収しておくことに。
その直後、同僚の警官・パンタ君が署長からの通信を持ってきた。
「黒猫団のボスを倒したそうだな。よくやった!
 そこで今後お前に黒猫団退治を選任で任せる」
「え、僕休暇中なんですけど」
「バカモン!住人が困ってる時にのうのうと寝とるつもりか!
 子猫たちを一人残らず捕まえるまで休暇はナシだ、わかったな!」
「トホホ…」
こうして、ワッフルの休暇返上の長い戦いが幕を開けた。

171 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:28:38 ID:TKAIGD4Y0
★謎の猫ヒト
ワッフルに敗北しアジトに逃げ帰ってきたプリス三姉妹のもとに
シルクハットに杖をついた怪しげなオスの猫ヒトがやってきた。
「間抜け警官ごときにやられるとは、私の差し上げた兵器たちが浮かばれませんな。
 約束どおり5つの結晶石を集めていただけるのですかな?」
「次は負けないさ。お前も約束を守れよ」
「それはもちろん。商人は信用が命ですから」
そういいながらその猫ヒトは部屋を後にした。
いなくなったのを確認してから三女・フレアが言う。
「フレア…あいつキライ」
はたして、このネコの正体は…?

★フェルゼン鉱山にて
黒猫団がフェルゼン鉱山の結晶石を狙っているとの噂を聞き早速向かうワッフル。
フェルゼンに着くと、鉱山に似つかわしくない格好の老犬ヒトが
よろよろと歩いてくるのが見えた。
「ど、どうしたんですか!?」
「ひ、姫様が、黒猫団に…!」
話を聞くと、この老人はプレリア王の息女・テリア姫の付き人のじいやで
フェルゼンで発見されたという“鉄巨神の頭”をお忍びで見に来たところ
運悪く黒猫団の飛行船に出くわしてしまったのだという。
これは一大事と、急いで姫救出に向かうワッフル。

172 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:32:25 ID:TKAIGD4Y0
入り組んだ鉱山から三姉妹を見つけ出すと、そこには縛られたテリア姫もいた。
アリシアはテリア姫開放の条件として、まず以前忘れていった赤い結晶石を返してもらうこと、
そしてこの鉱山のどこかにある緑の結晶石を探してくることを要求する。
探すついでに子猫たちも捕まえて、ワッフルは要求どおりに結晶石を持ってくるのだが…
「ワッフルは…そんなにこの女が大事なのかよ」
「あたりまえじゃないか。テリア姫は国民にとってかけがえのない人だからね」
「ふん!プレーリーの犬ヒトなんか、もっともっと困ればいいんだ!」
「アリシア…」

「姉さん、約束は約束よ」
次女・ステアが姉をたしなめ、テリア姫はちゃんと解放してもらうことに。
さっきのじいやに姫を任せ、ワッフルは奥へ逃げた三姉妹を追う。
追いついてみるとそこには黒猫メカ2号が待ち構えていた。
「もうここには用がないからね、このドリルで穴だらけにしてやるよ!」
戦いの末に今回も無事勝利を収めるワッフル。
そして今回も黒焦げになって逃げる三姉妹。そんな中、ふとアリシアが叫んだ。
「ワッフルは…猫ヒトの味方じゃなかったのかよ!」
一体どういうことなのだろうか?
ともかく、今回も三姉妹が忘れていった結晶石を回収し、鉱山事件は一段落した。

★プレリア城にて
ワッフルは姫救出の功績を称えられプレリア城に招かれた。
王からの言葉を賜ったあと帰路に着こうとすると
赤いナイトロボに乗った犬ヒトの騎士に声をかけられる。
「私は王宮騎士団長シアン・ガーラント。貴様に勝負を申し込む!」
「はぁ…?」
唐突すぎて呆気に取られるワッフル。
「貴様のようなへっぽこ警官に姫の賞賛を独占させるわけにはいかん。
 どちらが黒猫団を退治できるか私と競ってもらおう!
 本当の勇者が誰なのか、姫に気づいていただかねばな。ハハハ!」
「えーと…」
わけのわからぬうちに妙なライバルが出来てしまったワッフルであった。

173 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:37:50 ID:TKAIGD4Y0
★グリムトにて
以前のじいやからの連絡で、黒猫団がグリムトに向かったとの情報が入る。
グリムトは“鉄巨神の剣”があり観光地としても人気のある場所。
ともかくそこへ向かうと、なんとテリア姫たちも現場へ来ていた!
好奇心かワッフルに会うためか、或いはその両方か、
ともかく我が儘を言ってつれてきてもらったらしい。
しかしさすがに危険すぎるので二人には入り口で待っていてもらうことに。
子猫たちを捕まえ、グリムトにあった紫の結晶石を取り返してから
再び入り口へ引き返すと…またまたテリア姫がいなくなった!?
じいやがちょっと目を離した隙に忽然と姿を消したらしい。
これも黒猫団の仕業だろうか?

慌てて探しに行こうとすると、王宮騎士シアンが登場。
姫を助けるのは私だ!と勇ましく先陣を切る様はまさに騎士…
と思いきや、直後に先から叫び声。
追いかけるとすぐそこに沼にはまって動けなくなっているシアンが。
「ふ、ふん、身を挺して危険を教えてやったのだ。今回は貴様に任せてやる!」
言われたとおりワッフルは沼でもがくシアンを無視して奥へ。

少し先へ行くとテリア姫が普通に歩いている。
捕まったわけではなく、三姉妹の姿を見て勝手に追いかけてきただけらしい。
ならば三姉妹はどこに…?と、その時、上から黒猫メカ3号が出現。
アリシアがメカを降りて猛ダッシュで接近してくる。
「やい!てめー、ワッフルに付きまとってどういうつもりだよ!」
「あなたこそ、ワッフル様のお仕事をわずらわせないでください!」
アリシアとテリア姫、繰り広げられる女のバトル。
二人を落ち着かせようとするワッフルだが、逆に二人から鋭く睨まれる。
「そもそもデレデレしてるお前が一番悪いんだ。その根性叩きなおしてやる!」
何か妙な意気込みでメカに乗り込むアリシア。
が、例の如くあえなく撃沈、例の如く煤まみれで逃走する…
はずだったが、今回は三女フレアが手を滑らせてロープから落ちてしまう。

そこへ颯爽とシアン復活!
「どけぇーい!三姉妹の一人はこのシアンが召し取った!」
アリシアが急いで助けようとするも間に合わない。
とうとう三姉妹の一人が御用となった。

174 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:42:23 ID:TKAIGD4Y0
★牢屋にて
プレリア城の地下牢の中、姉を思いながら膝を抱えて泣くフレア。
それでも人前では気丈に振る舞い、頑なにアジトの場所を吐かなかった。
そこへワッフルがやってきてフレアに問う。
なぜアリシアはあれほど犬ヒトを目の敵にするのか?

「それは…犬ヒトが猫ヒトを憎んでるからだって。
 このプレーリーは昔は猫ヒトの土地だったんだって。
 でもそこへ犬ヒトが侵略してきて、長い間戦争をしてたの。
 犬ヒトは遠い祖先の本能で、今でも猫ヒトを憎んでるんだよ」

聞いたことも無い話だった。
フレアもアリシアが誰からその話を聞いたのか知らないという。
フレアは三年前に事故で両親をなくした孤児であり
本来三人は血の繋がった姉妹ではない。
それでも姉となってくれた2人をフレアは深く信頼し、疑おうとしないのである。
プレーリーでは猫ヒトは幸せになれないと考えたアリシアは
身寄りの無い猫たちを集めて猫ヒトの国を作ろうとしているらしいが…
「それと結晶石が何か関係あるのかい?」
「うん。アレを5つ集めると、フールが…あっ…なんでもない」

話を済ませてワッフルが去ろうとすると、最後にフレアが呼び止めた。
「ねぇワッフル。犬ヒトって…ほんとに猫ヒトが嫌いなの?」
「そんなこと、絶対にないよ」

そしてワッフルと入れ替わるようにしてシアンが登場。
「アジトの場所をはかないのなら少々痛い目を見てもらうことになる」
と、冷酷さをアピールしたシアンだったが…
「…痛い」
「へ?」
「痛い痛い痛い!おなかいた~い!」
「な、何!?大変だ!!おい、大丈夫か!?
 えーとこういうときは…ってあれ?」
お人好しすぎてフレアの仮病にあっさり騙されてしまい
看病しようと牢を開けた隙にあっけなく脱獄されてしまうのであった。

175 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:50:17 ID:TKAIGD4Y0
★クールラントにて
ある日、ワッフルの祖父・ラッセルから
知人からとある資料を借りてきて欲しいと通信が入る。
ラッセルは飲んだくれで偏屈な男ではあるが
“鉄巨神の伝説”の研究には人一倍の情熱を見せる立派な考古学者でもあった。
頼まれついでに結晶石を見せてみると、なんとこれは鉄巨神と同じテクノロジーで作られているという。
ひとまず結晶石を預けて詳しく調べてもらうことに。
資料を取りにクールラントへ行くと、こんなところにも黒猫団が!
プリス三姉妹の姿は見えないが、今回も結晶石を求めてやってきたらしく
資料と一緒に子猫たちから黄の結晶石も回収。これで結晶石は赤・緑・紫・黄の4つとなった。
戻って結果を報告するとラッセルはその場で早速資料に目を通し始める。
「この資料と結晶石、これで鉄巨神の謎はほぼ解明したぞ」

二人はひとまずワッフルの家に戻って話し始めた。
「まず、古代には二つの文明があったのだ。
 二大文明は戦争状態で、鉄巨神はその戦争の為につくられた兵器だった。
 しかし際限を超えた力はやがて創造者にも抑えきれなくなり、
 鉄巨神は破壊の限りを尽くし、世界は新たなる暴虐に晒されることとなった。
 わずかに生き残った者たちは空へ逃れ、鉄巨神が休眠に入った隙に
 心臓部から5つの重要なパーツを抜き取り封印したのだ」
これがラッセルの解き明かした鉄巨神の伝説の真実である。
“5つの重要なパーツ”これは間違いなく5つの結晶石のことであろう。
となれば、黒猫団が結晶石を集める理由は…

そこへ突然の地響き。
見れば黒猫団の移動要塞がワッフルの村へ直接攻撃をしかけてきていた。
「聞こえるかワッフル!とっとと降参して結晶石を渡しちまいな!」
アリシアの声が届いてくる。
「アリシア…やっぱりこの結晶石は、君には渡せない!」
ワッフルはポリスロボに搭乗し、黒猫団の本拠地へ乗り込んでいった。

176 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 16:57:06 ID:TKAIGD4Y0
★移動要塞にて
要塞攻略中、シアンが駆けつけてくるが
一人で特攻した挙句に痛めつけられてやはり何もしないまま即戦闘不能に。
壊れたロボでへたり込むシアンを放置してワッフルは攻略を進める。

要塞内の子猫たちを一人残らず逮捕しながら数多のトラップと兵器を潜り抜け、
ついに三姉妹との決戦の時がきた。まずはステアとフレアの二人が向かってくる。
「フレアは、犬ヒトが嫌いなのかい?」
「嫌いじゃないけど…アリシアおねえちゃんが嫌ってるから、あたしもキライ!」
「ステア、君も戦うのか?」
「見極めです」
「見極め…?なんの?」
「あなたのです。では、いきます!」
そして激戦の末にワッフルが勝利。いつものような逃げ場はもうない。
しかしワッフルは二人を捕まえようとはしなかった。
「待ってるよ。君達が自分の意思で犬ヒトと友達になってくれるまで」

残るはアリシアのみ…のはずが、なにやら誰かと話をしている様子。
「私は結晶石を集めさえすれば猫ヒトの国を作る援助は惜しまないとあなたに約束しました。
 犬ヒトどもに虐げられる子猫たちを救う為でしょう?」
「でも…そんなの卑怯だ」
会話相手はシルクハットに杖姿の、あの怪しい猫ヒト。
なにやら今後の策についてもめているらしい。
ワッフルが姿を見せるとその男は自己紹介を始めた。
「キシシシ。はじめまして…ですかな?私の名はフールと申します」
その名にはワッフルにも聞き覚えがあった。
違法な手段で荒稼ぎをする危険な武器商人フール。
彼こそ黒猫団に兵器提供をし、結晶石を集めさせていた黒幕なのだ。
「フール、下がってな。ここでワッフルを倒して結晶石を取り返せばいいんだろ」
ワッフルの胸中を余所にアリシアはあくまでも強硬的な姿勢を見せる。
結晶石の力を説明しようとしてもうるさい、どうでもいいと一蹴され
一切聞く耳を持ってくれない。
煮え切らない思いを抱えながら、2人の決戦が始まった。
最後の黒猫メカがメガホンから声を響かせて攻撃してくる。
『ワッフルの、バカーーー!!』

そして決着。
「アリシア、もう止めるんだ」
戦いの後にワッフルが声をかける。が、やはりアリシアは受け入れようとしない。
フールの気球に救出され要塞から脱出していくアリシア。

これにて黒猫団はついに完全壊滅した。
しかし、まだ全てが解決したわけではない。
ワッフルはまず各地に散った三姉妹を探しに行くことにする。

177 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:01:21 ID:TKAIGD4Y0
★三姉妹のその後
元気いっぱいで無邪気な三女のフレアは
レサーカの時計塔内部の隅っこで座り込んでいた。
「よくわかんないよ。この町の人たち、誰も猫ヒトを虐めたりしないんだもん」
「だからいったじゃないか。犬ヒトは猫ヒトを嫌いなんかじゃないって」
「そう…みたい」
町の人々の親切に触れてようやく犬ヒトへの誤解が解けたフレア。
ひとまず彼女を家に招いて、2人の姉を探し出すまで待っていてもらうことに。

姉妹のなだめ役で大人しい次女のステアは
グリムトの森で一人佇んでいた。
ステアはアリシアをどう思っているのかとワッフルに質問する。
「アリシアは幼い頃に辛い目にあって、心に傷を負っています。
 あなたは彼女の傷を癒すことが出来ますか?」

ポルト村のある住人の情報によれば、昔アリシアの親が重い病気にかかってしまい
周りの犬ヒトたちはなんとか手を尽くそうとしたが
猫ヒト特有の病気であった為にろくな対応が取れなかったのだという。
幼いアリシアにはそれが、犬ヒトたちに親を見殺しにされたように映ったのかもしれない…

ステアの直球で真摯な問いかけに、ワッフルも精一杯に答える。
「心の傷を癒すなんて、大層なことができるかわからないけど…
 でも、苦しいって気持ちを聞いてあげることは出来ると思う。
 誰にも、何も話せないのが一番辛いんじゃないかな」
「ワッフルさんは正直な方ですね。わかりました。一緒に行きましょう。
 そして姉の苦しみを聞いてあげてください」

男勝りで素直になれない長女のアリシアは
暗くなった頃に躊躇いがちにワッフルの家の戸を叩いてきた。
「アリシア!」
「あの…あたい…」
明るさを取り戻し始めた妹達とは対照的に、彼女はなにやら顔色が悪い。
疲れているのだろうか、ともかく三人が揃ってよかったと喜ぶワッフルたちだったが…

その夜、寝ていたワッフルが人の気配を感じて目を覚ますと
持っていた結晶石がなくなっている!
「ワッフル…ごめん」
夜の闇の中で独りそうつぶやいて去っていくアリシア。
彼女の気球が遠ざかっていくのを見たワッフルは急いで後を追っていく。

178 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:05:08 ID:TKAIGD4Y0
★鉄巨神復活
アリシアはタマゴ岩と呼ばれる場所にやってきていた。そこにはフールもいる。
このタマゴ岩は鉄巨神の心臓パーツにあたるといわれているのだ。
「首尾はどうでしたか?」
「約束どおり、結晶石を持ってきたよ」
以前、移動要塞内で二人が話していた「卑怯な策」とはこのことだったのだ。
「アリシア駄目だ!その結晶石は…」
ワッフルが制止しようとするも時既に遅く、
とうとう4つの結晶石がフールの手に渡ってしまった。

早速フールが結晶石を天に掲げると石はタマゴ岩に吸い付くようにして飛んでいく。
「これで結晶石は4つ。最後の一つは…」
言いながらフールが懐から取り出したのは、青い宝石のついたペンダント。
「あれは…?」
「あたいのペンダント、いつの間に!?」
アリシアが咄嗟にフールに掴みかかろうとするも
ペンダントはフールの手を離れ、他の結晶石のもとへ飛んでいってしまった。

全ての結晶石が揃い、各地の鉄巨神のパーツが共鳴して一つに集まっていく。
やがて地上から浮遊群島のプレーリーを超えるほどの巨体が組み立てられていった。
「さぁひざまずけ鉄巨神よ!忠誠の証を見せるのだ!」
嬉々とした様子で鉄巨神に呼びかけるフール。
動き出した鉄巨神はゆっくりとタマゴ岩に近づき、そして…
「キシシシシ…し!?」
その大きな手でタマゴ岩を島ごと握りつぶし、最後のパーツを体内に取り込んだのだった。

179 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:11:51 ID:TKAIGD4Y0
★突入
潰される直前にタマゴ岩から脱出していたワッフルとアリシア。
しかし逃げる途中、いつの間にかアリシアとはぐれてしまっていた。
ひとまずみんなでプレリア城に集ったが
鉄巨神が復活した今、これからどうすれば良いのか。
古代文明のように自分達も滅びてしまうのか――
途方にくれているうちにパンタ君のところに何者かの通信が入ってきた。
「ごめんワッフル。あたい、取り返さなくちゃ…ペンダント…!」
通信相手はアリシアだった。
彼女は一人鉄巨神に立ち向かい、そしてそのまま鉄巨神の口の中へ飲み込まれていった。
「アリシア!!」

ワッフルはようやく昔の事をはっきりと思い出した。
あの青いペンダントは本当は母親の形見であったが、
泣いているアリシアを励まそうと思わず差し出してしまった事。
そしてその時アリシアが「あんただけは猫ヒトの味方だね」と言っていた事。
うつむくワッフルにテリア姫が呼びかける。
「ワッフル様。行ってあげてください。あの人…きっとあなたを待っています」
どこか悲しげな笑顔を向けながらそう話すテリア姫。
その言葉を聞き、ワッフルも鉄巨神へ立ち向かうことを決意する。

とはいえ、当然鉄巨神に近づくのは容易ではない。
鉄巨神が剣を少し振り上げただけで風圧に吹き飛ばされそうになる。
あまりの迫力に圧倒されて逃げ腰になっていると、背後から何者かの影が。
「しっかりしろワッフル!」
「シアンさん!」
「お前だけに良い格好はさせんぞ」
やってきたのはあの騎士団長シアン・ガーラント。
彼はワッフルをサポートする為に自ら囮役を申し出たのだ。
シアンは鉄巨神の攻撃を華麗にかわしながら撹乱し、
その隙を見てワッフルは鉄巨神の口の中へ飛び込んだ。

180 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:14:56 ID:TKAIGD4Y0
★ラスボス戦
鉄巨神の内部は不思議な空間になっていた。
まるで水中のように揺らめき、妙な生き物があちこち泳ぎまわっている。
不安定な足場をたどっていくと、ワープ空間の先に倒れているアリシアを発見。
急いで駆け寄ろうとするワッフルだったが
突如ロボットのような魔物が出現して襲いかかってきた。

どうやらここは鉄巨神の心臓部にあたる場所で
こいつはその防衛システム的な存在らしい。
そのすさまじい猛攻に苦しめられるワッフルだったが、死闘の末についに撃退に成功する。
が――――

突然壁から5つの結晶石が出現。
それが怪しく光ると、なんと先ほど倒したばかりの魔物が復活した!

辛くも二度目の勝利を収めたものの
やはり結晶石の輝きと同時に魔物は復活してくる。
もしやあれが復活に関係しているのか?
そう考えたワッフルは壁の結晶石を一つ、強引に毟り取る。
するとついに防衛システムは停止。
心臓パーツをなくした鉄巨神の体も次々に崩れていった。

181 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:16:15 ID:TKAIGD4Y0
★ED
ばらばらになって海の底に沈んでいった鉄巨神の体。
城で待っていた者たちは飛行船で様子を窺いに来る。
奇跡的に生き延び、木片に捕まって波に漂っているフールを完全スルーして
心配そうに海を見つめる面々。

その時、水中から何か急浮上してくるものが…

水面を破って出て来たのは、アリシアを抱え
ポリスロボのジェットで飛び出してきたワッフルだった。
「おーい!」
ワッフルが大きく手を振るとみんなそれぞれに喜びの声を上げた。

182 :テイルコンチェルト:2010/05/20(木) 17:17:37 ID:TKAIGD4Y0
そしてアリシアが目を覚ました時、彼女はワッフルの家のベッドに寝かされていた。
そばに座っていたワッフルを見るなり寝返ってそっぽを向く。
相変わらず素直になれない様子だったが
ワッフルがあのペンダントを取り出すと、ようやく顔を起こした。

「これ、あげるよ」
「…いらない」
「そう…」
「…でも、あんたがいらないんだったら、もらってあげる」

「…いらないわけじゃないけど、君に持っていて欲しいんだ」

アリシアはペンダントを受け取ると、それを握り締めてにっこりと笑った。
(終わり)






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