ロックマンDASH2 エピソード2 大いなる遺産

ロックマンDASH2
>>要約スレ1-143~144・146・148、>>18-54~59・63・149~150


143 ロックマンDASH2 sage 2005/03/25(金) 00:43:51ID:9dBKHIVl
「大いなる遺産」が眠ると言われる禁断の地に向かったバレルやその友人が
ユーナという謎の女性の妨害によって遭難してしまったために、
彼らを助けに行ったロックが禁断の地の中心で封印を解いて見つけたものは、
セラと言う少女とその部下の青年だった。

自らを古代人と偽った彼らは、大いなる遺産を目覚めさせるために、と言って
ロックに4本の「封印の鍵」を集めさせる。
各地の遺跡をクリアし、空賊の横取り作戦も蹴散らしたロックは4つの鍵を集めたが、
セラはそれを奪って軌道上に浮かぶ宇宙ステーション「ヘブン」へと行ってしまう。
その際に青年と相討ちになったロックはユーナに治療され、その時に
「ロックマン・トリッガー」であった時代の記憶を再生される。

老いも病の苦しみもないヘブンに残った世界で最後の人間である「マスター」は、
自分自身よりオリジナルの人間に近いほどのデコイを作り地球に住まわせていた。
デコイの生命の輝きはヘブンより魅力的であると考えだしたマスターは、
システムを破壊してくれ!と仲良くしていたトリッガーに遺言する。
最後の人間であるマスターが死ぬとシステムは「人類再生プログラム」を開始し、
デコイを全粛正してから本来の人類を遺伝子記録から再生する作業に入るからだ。

トリッガーはマスターの願い通りシステムを破壊しようとしたが、
システムを守りプログラムを実行する役目であるヘブンのマザー、セラと
相討ちになって大破し、おサルのデータに記憶を預けてリセットをかけた。
そのリセットされたトリッガーを偶然バレルが見つけ、ロックとして育てたというわけ。
ちなみにユーナはプログラムのキー「封印の鍵」を管理する役目である
地上のマザーだが、デコイに好意的だった。

ユーナの助力を得てヘブンに到達したロック。
セラはマスターの真意を知り、プログラムの実行を躊躇していた。
ラスボスであるセラを倒すと、感情に溢れマスターに好まれるお前やユーナが
うらやましかったなどと言い残して消滅しようとするが、
「システムが止まったせいで、システムによって封印されていた「古き神々」が
動き出しちゃったわよ。マザーとして放っておけないでしょ?
それにあんたがいなくなると、私、寂しいじゃない!」
と言うユーナの言葉に思いとどまる。

144 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2005/03/25(金) 00:48:36 ID:9dBKHIVl
書き込む前にも推敲はしたけど書き込んでから読み返すと文の変なところが気になる。
一応これで終わりです。
ロールちゃんもトロン様も切り捨てて必要最小限書いたつもりですが結構長くなった。

146 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2005/03/25(金) 02:11:24 ID:OgbTyg07
>>144
俺も>>142じゃないが乙
時に>>143の後、プチ後日談みたいのってなかったっけ?
その後ロックは…みたいなの。

単に俺の記憶違いかもしれんけど、
もしあるのであればそれもお願いできますでしょかm(__)m

148 名無しさん@お腹いっぱい。sage 2005/03/25(金) 17:13:59 ID:9dBKHIVl
>>146
セラを説得した後、ユーナが
「シャトルが動かせないから、あなたを地球に戻す方法が無くなっちゃったのよ」
と困ったようにロックに告げる。
しかしロックは「大丈夫だと思いますよ、きっと何とかしてくれます」と
ロールたちに対する信頼を見せるのだった。


~スタッフロール~


草原でロケット打ち上げ実験をやっている…が、失敗して爆発している。
どうやったのか一匹だけで戻ってきたデータに古代文明の技術を提供され、
それを元に何度も試作しているがなかなかうまくいっていないらしい。

バレルの孫娘であるロール(ロックの事が好き)と
空賊のボスの妹であるトロン(ロックの事が気になっている)の
二人の少女メカニックはロケットの設計について議論をしている。
ロールはシンプルで骨太な、信頼できるユニットを作ろうと思っているのだが
お金がかかりすぎて現実的じゃないとトロンに突っ込まれており、
トロンは既存のパーツを組み合わせて使うことで費用を削減しようと
思っているのだが、ギリギリの調整をしないといけないエンジンなんて
不安定すぎてダメ、とロールにつっこまれている。

その二人に近づいて話しかけるデータ。
「だから~、ぼくの言うとおりにすれば大丈夫なんだってば。あのねっ…」
ロール&トロン「「データは黙ってて!!」」
ピシャリと言われて聞いてもらえない。
データはすごすごと引き下がって、論争を続ける二人に背を向けて
天空にうっすらと見えるヘブンを見上げて話しかける。

「ごめんよロック~、当分、迎えに行ってあげられそうにないや~……」

END
54 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:05:25ID:qcwbF+Ip
前スレ639で依頼があった、ロックマンDASH2~大いなる遺産~を書きます。
今手元になくて記憶だけで書くので、間違いがあったりとか、詳しく思い出せたところだけ
詳しくなったり思い出せないところは雑になったりとか、アラが出ると思いますが。
世界設定と前スレのあらすじなどは要約スレの
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1082540928/134
を参照してください。
DASH2の要約版はこちら。
http://game9.2ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1082540928/143

55 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:09:26ID:qcwbF+Ip
キャラ紹介
ロック・ヴォルナット
主人公。赤ん坊の頃に遺跡の中でバレルに拾われて育てられた。今では一流ディグアウター。
青いアーマーがトレードマークの黒髪の少年。右腕をバスターに、左腕を特殊武器に付け替えて戦う。
声はラピュタのパズーと同じ。

ロール・キャスケット
バレルの孫で、ロックがディグアウトをしている時はナビゲーターとして、
ロック達の住まいでもある小飛空船フラッター号から通信でサポートしてくれる。
またメカニックとしての腕も確かで、特殊武器の作成や改造もしてくれる。
赤い帽子に赤い服がトレードマークの金髪の少女。
声はラピュタのシータと同じ。

データ
ロックと一緒にバレルに拾われたおサル。言葉が話せる。おっちょこちょいで悪戯好き。
前作の最後で、ロック自身も知らないロックの出自について何か知っている事を匂わせた。

バレル
ロールの祖父。若い頃はスゴ腕ディグアウターだったが引退している。ヒゲでハゲ。
「禁断の地」に赴いて生還したのはバレルとミュラー氏のコンビだけだと言われる。
娘夫婦(ロールの親)もディグアウターだったが、ディグアウターが禁断の地に眠ると噂する、
具体的には全くの謎の『大いなる遺産』を求めて禁断の地に挑戦し、そして帰ってこなかった。

ウェルナー・フォン・ミュラー
バレルの友人で、昔のディグアウター仲間。紳士風。
ディグアウターを引退してから事業を始めて大成功を収め、大富豪になっていた。
ある時ミュラーは事業を全て整理し、全財産をかけて大型で高性能な飛行船サルファーボトム号を建造する。
再び、禁断の地に眠ると言われる大いなる遺産を探索するために。

56 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:10:11ID:qcwbF+Ip
ティーゼル・ボーン
前作から出ている空賊ボーン一家のボスで三兄弟の長。灰色の髪のおっさん。
基本は有能なようだがどこか冷酷になれないのが災いするのか、一家はロックに負け続けている。
実は彼は空賊からは足を洗ってカタギになりたいらしく、現在一家はデパート経営中。

トロン・ボーン
ティーゼルの妹の、黒髪の女の子。お転婆だが根は上品らしく兄には丁寧語でしゃべる。
犬に追い掛けられているところを助けてもらって以来、ロックのことが気になっているようだが
素直になれずに憎まれ口を叩いてしまう。
メカニックの天才でボーン一家の武装などは彼女の手によるもの。

ボン・ボーン
ボーン三兄弟の末っ子で、まだ赤ちゃんらしくバブーとしかしゃべれない。
しかし巨体と怪力、さまざまに付け替える腕の武装で果敢に戦う。
見た目はつぶらな目が付いて、カワイイおしゃぶりをくわえてふよふよ浮いている
直径2mくらいありそうな巨大なボールが兜を被った感じ。
この世界のヒトは人類とは少し違うらしく、このボンやロックのように体と機械の境があいまいなようだ。

コブン
レゴを2頭身にして表情をかわいくしたような感じの、ボーン一家の下っぱたち。
四十数体いるらしく、微妙に性格が異なるがみなボーン一家に忠実ないい子。

グライド
空賊グライド一家のボス。薔薇を持ったキザな二枚目…に見えるがオカマ言葉をしゃべる。
嫌味ったらしい性格なようだ。
ボーン一家のコブンのように、シタッパーというたくさんの鳥を部下として持つが
上司の性格を反映してかそいつらも性格が悪い。

バンコスカス
ボーラと組んで十何年も空賊をやってきたベテラン。だが最近は年齢もあって体がついていかないらしい。
鎧を着込み兜をかぶった大男なため年齢はわからないが、声や言動は口うるさいおっさん。
「大いなる遺産」にロマンを抱いている。

ボーラ
バンコスカスの相棒。熱血タイプのバンコスカスと違っていい加減で冷めた性格。
覆面をしているためやはり年齢はわからないが、細身な体や声からはそれほど年とって見えない。
しかし言動によるとやっぱり年齢による衰えを感じているようだ。
ふわふわ浮いていたり、ドロンと消えたり表れたりと妙な能力がある。

57 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:12:25ID:qcwbF+Ip
禁断の地を取り巻く巨大な竜巻に向かい空を行く巨大飛空船サルファーボトム号。
その内部の一室では、バレルが幼児を抱いた夫婦の写真を見つめていた。
そろそろ記者会見を始めよう、と入ってきたミュラーはその写真に目をとめる。
「もう十年にもなるか…娘さん夫婦があの島で遭難してから」
「馬鹿じゃよ二人とも…幼い子を残して、いってしまいよって……」
そう言って少し黙った後、バレルはぽつりと言う。
「なぁ」
「うん?」
「考え直さんか?あれに手を出すのは。」
「今更やめられんよ。私の全財産この船にかけたんだ、今更やめられるか。
…やっぱりお孫さんは来なかったんだな。」
「先越されると思ってスネとるんじゃよ。ロールもずいぶん大いなる遺産にはこだわっとるからな」
「いくらあの子が可愛くても、これだけは譲れんからな」
そう言ってミュラーは苦笑し、二人はサルファーボトム号内の記者会見会場へ向かった。

一方フラッター号の居間では、ロールがパジャマのままソファーに寝そべりぐたーっとしていた。
エプロンをしたロックが、ロールが好きな半熟ハムエッグを出しても、
机に頬を付いてふにゅぅぅー…と気のない声を出しながらフォークでつつくだけだ。
ロックは苦笑しながら元気付ける。
「大丈夫だって!大いなる遺産がそんなに簡単に見つかっちゃうわけないよ。
あっ!ほらテレビ!記者会見始まるみたいだよ!」

記者会見会場には報道陣に混ざって、大いなる遺産の横取りを狙う空賊たちも変装して紛れこんでいた。
ひそひそ声で口喧嘩をしている。
グライド「どーしてアンタたちまでここにいるのよ~、空賊足洗ったんじゃなかったの?」
ティーゼル「うるせえ、こっちにだって事情ってもんがあんだよ!」
グライド「あぁら、もしかしてデパートもう潰れちゃったのぉ」
ティーゼル「ば、馬鹿、潰れちゃいねえよ!ただちょっと経営が苦しいからバイトするだけのこったよ!」
トロン「お兄様が自分の趣味で商品を仕入れすぎるからですわ!」
ティーゼル「ぐっ…」
バンコスカス「おめえらうるせえぞ!ちったあ静かにしてろ」
ティーゼル「な、なんだとぉ?この零細空賊が!」
グライド「協定忘れたの?もめ事は後になさいな」
そうしているうちにミュラーの記者会見は始まった。

58 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:13:58ID:qcwbF+Ip
「本日はお集まりいただきありがとうございます。今から我々が赴こうとしている禁断の地…
いままで多くのディグアウターがあそこに挑戦し、そして帰っては来ませんでした。
私と、このバレル氏を除いて。我々があの時、あそこで見た物は何か!……今は、言わないでおきましょう。
なぜならあなた方もすぐに、それを見ることになるからです。」
そうミュラーが言うと、窓のシャッターが開いて報道陣から軽いどよめきが漏れる。
これまでまったく振動などを感じていないのに、すでに竜巻の近くまで来ていたのだ。
ミュラーは続ける。
「私は確信しています。我々が追い求めてきた『大いなる遺産』は、あの中に眠っていると!」
会場は大きくどよめいて、カメラのフラッシュが次々に焚かれた。
トロンは技術者として興味がわくようだ。
「風の影響をほとんど受けてない。スタビライザーが効いてるわ!」

「さて、私からは以上ですが…何か質問はございますか?」
そうミュラーが促すと、真っ先にマイクを持ってTV局の腕章を付けた金髪の女性が手を挙げた。
「よろしいですか?」
「どうぞ」
「『大いなる遺産』が禁断の地に眠っているとのことですが…ミュラーさんは具体的には遺産とは
どのようなものだとお考えなのでしょうか?」
「そうですな…。ディフレクターに代わる新たなエネルギー源とか、人類に大きな飛躍を
もたらしてくれる…まあ、そういったものですかな。」
「なるほど。そちらのバレルさんも、そうお考えなのですね?」
「え?あー、わしはですな…」
それまでぼーっとしていたバレルは焦って答えようとしたが、次の瞬間息を飲んで、叫んだ。
「マ、マチルダ……!い、生きとったんかぁ……!?」
ちょうどその時、武装した船員とともに記者会見場に本物のレポーターが駆け込み、
インタビューしていた女性を指差して叫ぶ。
「あーっ!あいつです!私をロッカーに閉じ込めたのは!」
緊迫する空気の中、偽リポーターの女性は窓の方へ後ずさりながら笑って言う。
「私は、あなたたちの事なんてどーでもいいの。だけど、一つだけ忠告してあげるわね。
あそこに眠ってるのは、あなたたちが思ってるようないーものじゃないわよ。
どちらかと言うと、大いなる遺産と言うより…大いなる災いなんだから!」
そう言い終えて窓の近くに立ち、「ガーちゃん!」と何者かを呼ぶ。
すると鳥型の大型リーバードが飛んできて外から窓を割り、突風が吹き荒れる中
女性は最後にまた不吉な言葉を残す。
「お騒がせしちゃってごめんなさいねぇ~?でも、あの子が起きたらこんなものじゃ
済まないと思うから。じゃっあね~!」
そして、そのリーバードの背に乗って謎の女性は去っていった。
空賊たちは、お宝の匂いがぷんぷんしやがるせ!とか、素晴らしいですわお兄様!とか盛り上がっている。
バレルはつぶやく。
「大いなる災い、あの子が起きる……、何をいっとるんじゃマチルダ……?」

59 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)03:15:36ID:qcwbF+Ip
フラッター号の居間のテレビでその光景を見ていたロールも驚いていた。
「ロック!あの人…あの人お母さん!」
「えっ?」
「でもどうして…お母さんがあんなことするはずないし…」
考え込んでしまったロールに、ロックは力強く言う。
「会いに行こう、ロールちゃん!」
「えっ?」
「会って確かめるんだ!」
「……そっか……うん、そうだよね!行こ、ロック!」
「うん!」

謎の女性の言葉にもめげずに、サルファーボトム号は竜巻へと向かっていた。
ほとんどの報道陣は船から降りたが、二人だけ残っている記者にミュラーが尋ねる。
「君たちは降りなくていいのかね?」
「ウチは体当たり取材が売りでね。あんな根性無したちと一緒にしねえでもらおう。」
その二人とは、ティーゼルとトロンの二人だった。

サルファーボトム号が依然として禁断の地へ向かうのを、あの鳥型リーバードの背に立って
上空から見ていた、あの謎の女性は言う。
「忠告を無視するつもりね~?」
するとリーバードが青年っぽい声で話しはじめた(普通リーバードは喋るような知能は持たない)。
『攻撃します』
「しょうがないわね~。墜としちゃダメよ。」

口からエネルギー弾を放ってサルファーボトム号を攻撃しはじめるリーバード。
サルファーボトムも機銃などで反撃するが、素早い動きを捉えられない。
そしてついにサルファーボトム号は煙を噴き、操舵不能となった。しかし針路は竜巻になっていたわけで…

黒煙をあげながらも竜巻の中へと入っていったサルファーボトムを見ながらため息をつく女性。
『す、すみません』
「あ~あ、面倒な事になってきちゃったわね~…」

63 ロックマンDASH2 sage 2005/08/27(土)15:15:34ID:qcwbF+Ip
禁断の地に行くにしても、あの竜巻の中にはこのままのフラッター号では入れない。
とりあえず禁断の地の近くの、カリンカ大陸にある雪深いヨーションカの街に向かうことにしたロックたち。
データがタコヤキ作ろうとして起こした船内火事を消火したりしつつヨーションカの街に到着した。

まずは、何か改造などのヒントは無いかとジャンクショップに行くと、ジョーという暗い影のある男が
ジャンクショップの主人と何か話しているところだった。
「本当に行くのかい?あそこは危険だよ」と、ジョーを引き止めようとする主人だが
「だが、あれを完成するためにはあそこにあるディフレクターが必要なんだ…」
そう言ってジョーは出ていってしまった。
主人に詳しい話を聞いてみると、ジョーは何かを作ろうとしており、その動力となる大型ディフレクターを
入手するために街の郊外にある炭鉱の奥の遺跡にディグアウトしにいったらしい。
ジョーがその何かを作っていたという作業場に行ってみると、そこにあるものを見てロールは驚く。
それは昔ロールの父さんが設計し、製作していた「ドロップシップ」にそっくりだったのだ。
ドロップシップとは、垂直方向に下降・上昇するだけの機能しかない一人乗りの船だが
飛空艇で禁断の地の竜巻の真上に行ってドロップシップで降下すれば禁断の地に降りられる、というもの。
なぜこれがここに…?と困惑しているロールだがその時、
「あなたたち誰!?ここはお父さんの仕事場よ!」
小さな女の子が不審そうにこちらを見ていた。お父さん?と聞き返すと、
「そうよ!本当のお父さんじゃないけど、きっとお父さんになってくれるんだから!」
と言う。どうやらジョーのことらしい。
街の人やバーの女主人などから情報を集めると、ジョーは何年も前にひどい怪我をして街の外に
倒れていたところをバーの女主人とその娘(さっきの小さな女の子)の母一人子一人の家族に救けられ、
それ以来記憶喪失にかかったジョーはその母娘と一緒に暮らしているらしい。
あの子はジョーに本当の親子のようによくなつき、母親の方もいつかジョーが記憶を取り戻して
本当の家族の元へ帰ってしまうのではないかと恐れながらもジョーを愛してしまっているようだ。
とにかくジョーに会ってみることにして、ロックたちも炭鉱の奥の遺跡へと入る。

遺跡の最深部、最後の部屋の手前まで行くと、ジョーが深手を負って倒れていた。
この次の部屋にいるボスの大型リーバードにやられたらしい。
すぐに地上に運んで治療しようとするが、ディフレクターを手に入れずに帰るわけにはいかないと
言うジョーの頼みを受け、ボスを倒してディフレクターを手に入れて地上に戻った。
ジョーの手当てを終えて話を聞くと、記憶喪失になっている彼が持っていた設計図、
その設計図の機械をどうしても作らなくてはならないという不思議な気持ちが消えず、
あんな命がけの挑戦をしたらしい。
彼は助けてくれたロックたちに感謝し、ドロップシップを必要としていることを聞くと
私は怪我が深くてしばらくはベッドから起き上がれないし、自由に使ってくれ、と申し出てくれた。
こうして禁断の地へ侵入する手段を手に入れたロックたちは、いよいよ大竜巻へと向かう。
(ちなみにロールの日記を見ると、「あの設計図はお父さんの書いたものだった。ずいぶん感じが
違っているけど、ジョーさんは…」というようなことが書いてある。
もしかして、と思いながらも、言いだせなかったようだ)

149 ロックマンDASH2 sage 2005/08/31(水)17:26:18ID:e8HNJJJk
ドロップシップによって禁断の地に降り立ったロック。そこは風の吹き荒れる氷の大地だった。
そこここに飛空船の残骸が散らばっている。禁断の地に挑戦したディグアウターたちのものだろう。
リーバードを蹴散らしながらしばらく進んでいくと、不思議なドーム状のバリアに包まれて
眠っている人間を発見した。周りを見渡してみるとそれは一つではなくいくつもある。
また、ロックたちの使ったものにそっくりなドロップシップも発見した。
中では緑色の長い髪をした女の子が死んだように眠っている。
それらには触れられないのでとりあえず先に進むロック。

襲ってくるリーバードたちを退けて辿り着いた禁断の地の最奥。そこは大きな広場になっており、
中央の空中には巨大な正八面体が浮かびその下にはディフレクターが台座に安置されていた。
ロックがディフレクターを取り外してみると、突然大型のボスリーバードが襲ってくる。
辛くもロックが勝利すると急に風がおさまってきた。
そして正八面体は崩れ、その中からは緑色の短い髪をした少女と
その脇でひざまづいている長い髪の青年が現われた。

遠くからその光景を見ていた、あの謎の女性は残念そうに、やっぱり封印を解いちゃったのね、と言う。
彼女の近くには、あのドロップシップ内にいた緑色の長い髪の少女の躰を抱えた青年がいた。
青年はあの鳥型リーバードと同じ声で女性に呼びかける。
「ユーナ様、もうよろしいですよね。デコイ達は自らセラ様を起こした…」
「ちっともよくないわよ~!イレギュラーを狩る立場だったあの子がなぜ最大のイレギュラーになったのか、
マスターが何を考えていたのか、まだぜぇんぜんわかってないんだから!」

正八面体から出てきた二人はその様子を感知していたらしく、つぶやく。
女の子「ユーナか。」
青年「あの様子では、まだ鍵をお渡ししていただける気にはなっていないようですな。」

そして上空には、風が弱まったことで機能を回復したサルファーボトム号が雲を割って現われた。
ロール『おじいちゃん達の船!よかったー、無事だったんだ……』

「ふぅ、やっと揺れがおさまったか」
「やれやれ、ひどい目にあったわい」
「お前も年だなぁ。私なんかこの通り、ぴんぴんしてるぞ?」
「ふんっ!しかし、全財産かけた割りに大した船じゃなかったのう?」
「こほん!まぁ、あれは言ってみれば事故だから…」
そんな会話を交わすミュラーとバレルの近くでは、ティーゼルとトロンが揺れでダウンしていた。
「あ、あのおっさんたちなんであんなに元気なんだ…?」

とりあえず正八面体から出てきた二人から、サルファーボトム号の中で話を聞いてみることになった。
彼ら二人は自らを遺跡の時代の人類、古代人であると自己紹介し、
世界に散らばっている4つの封印の遺跡から「封印の鍵」というアイテムを一つずつ集めて
鍵が4本揃えば大いなる遺産の封印を解いてあなた方に提供することができる、と話す。
少女「……」
青年「我々は既に滅んだ文明の人間です。これから静かに暮らすことができれば、それでいいのですよ」
ミュラーやバレルは彼らになんとなくうさんくさいものを感じながらも封印の鍵を集めることにし、
ロックに封印の遺跡のディグアウトを頼んだ。

一方、ティーゼルは盗聴器でその会話を聞いていた…が、そこにいたグライドやバンコスカスも
ティーゼルに耳を寄せて盗み聞きしていた。
怒りかけるティーゼルだがトロンの、
「まあまあお兄様。人数は多い方がいいし、鍵が集まってから全て横取りすればいいだけのことですわ」
という耳打ちに思い直し、協力態勢をとることにする。

150 ロックマンDASH2 sage 2005/08/31(水)18:26:09ID:e8HNJJJk
ロックがミュラーやバレルに話を聞くと、あの禁断の地に点在していたバリヤーのドームの中で
眠っていた人々はみな遭難していたディグアウターで、なぜドームの中に居たのかは不明だが
先程ドームが消え、救助されたらしい。

ヨーションカの街では、彼ら遭難者たちが帰ってきていた。
妻や妹のもとで感動の再会をしている者たちや自分の墓を眺めて変な気分だと言っている者など、
彼ら帰還者に話を聞いてみると、あの禁断の地で遭難して意識が薄れ倒れるとき、
謎の人物に助けられたのをうっすら覚えているらしい。
しかしある程度昔に遭難した人の話ではその人物は緑色の長い髪の少女なのだが、
ある時点より新しくなるとなぜか助けてくれたのは全く容姿の異なる金髪の女性になるようだ。

また、この街には神殿や二人の女神の像もあってそれにまつわる伝説が聞ける。
 天上で書庫を守る天の女神と地上で書庫の鍵を守る地の女神。
 ある時天の女神が地の女神に鍵を借りようと地上に降りてきた。
 しかし地の女神は鍵を天の女神に渡さず、二人は喧嘩になった。
 そして地の女神は天の女神を禁断の地に封印してしまったという。


キャラ紹介2
ユーナ
サルファーボトム号での記者会見の場に現われた謎の金髪の女性。その正体は、古代文明における
地上のマザーコンピュータであり、ヨーションカに伝わる伝説における「地の女神」。
明るくはつらつとした性格で、デコイ(DASHの世界で現在生きている人々)にも好意的。
本来の端末ボディは緑色の長い髪をした少女の姿なのだが、そのボディはロールの母マチルダが禁断の地で
大怪我を負って遭難していた所を助けた時にパーツを使ってしまい自由に動けなくなってしまった。
そのため、ユーナは現在マチルダの体を端末ボディとして使わせてもらっている。

ガガ
ユーナからは「ガーちゃん」と呼ばれる、ユーナの補佐的な立場の青年。
人工生命体であり、鳥型リーバードの姿にもなれたり機械と同化して支配できたりもする。
デコイに対する態度は中立的。ユーナに振り回されて苦労しているようだ。

セラ
禁断の地の最奥に封印されていた、古代人と名乗る緑色の短い髪の少女。その正体は、
宇宙ステーション「ヘブン」のマザーであり、ヨーションカに伝わる伝説における「天の女神」。
冷徹・厳格な性格で、マザーとしての職務の遂行にこだわっている。

ジジ
セラの補佐的な役割を担っている、長い髪の青年。ガガと同じような能力を持っている。
セラと同じく冷徹な性格。


最終更新:2007年01月02日 03:25