キングダム ハーツ バース バイ スリープ

キングダム ハーツ バース バイ スリープ

概要、用語紹介、プロローグ:part53-161~165

チュートリアル、テラ編・旅立ちの地:parrt54-105~110


161 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/08/09(月) 23:21:37 ID:YyjN+jU30
まずざっと概要を。

このキングダムハーツ バースバイスリープは2010年1月9日に発売されたアクションRPGです。
キングダムハーツ本編より約10年前が舞台のお話。
キングダムハーツⅡファイナルミックス+のシークッレトムービーに深く関係しています。
またFM+の追加ムービーの種明かしや隠しボス「留まりし思念」のことについて、
リク、カイリがキーブレードを使える理由等も明らかになります。



162 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/08/09(月) 23:22:49 ID:YyjN+jU30
用語紹介
キーブレードマスター……キーブレード継承の儀式を経て修行を積み、その力を十二分に発揮できるようになった人間のこと。師匠のマスターに認められて初めて新たなマスターが誕生する。現在は数える程しかいない。
キーブレードライド……キーブレードを乗り物に変化させ、騎乗する技。今回の主人公はこれを用いて各世界間を移動する。この状態で戦闘もできる。
星のカケラ……ミッキーの移動手段。力が不安定で、どのタイミングでどこの世界に飛ばされるか分からない。これを改良したものがグミシップ。
アンヴァース……突如世界中に現れた謎の化け物。「生に精通しないもの」という意味でイェン・シッドが名付けた。

メイン登場人物紹介
テラ……真面目で実直な青年。また良くも悪くも純粋。戦闘ではスピードは劣るがパワーをのせた攻撃が持ち味。
ヴェントゥス……名前はラテン語で「風」という意味。愛称はヴェン。好奇心旺盛で明るい性格。キーブレードを逆手に持ち、素早い攻撃を得意とする。
アクア……紅一点。ヴェン、テラを優しく見守るお姉さん的な存在。軽やかな動きと魔法を得意とする。
エラクゥス……名前はスクエアのアナグラム。三人の師匠で、弟子をわが子のように大切に思っている。光を重んじ、闇は排除すべきものと考えている。
ゼアノート……エラクゥスの友人のキーブレードマスター。仮面の少年と共に何か企んでいるようだが……?
仮面の少年……仮面(というかフルフェイスヘルメット)を被った謎の少年。ヴェン、アクアの行く先々で立ちふさがる。
ミッキー……ご存じディズニーキャッスルの王様だが、今回はミッキー個人として活躍する。修行中の身でありながら、世界の異変にいてもたってもいられず師匠の元を飛び出す。
イェン・シッド……ミッキーの師匠で、現在は隠居の身。世界の異変をいち早く感じ取る。




163 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/08/09(月) 23:24:33 ID:YyjN+jU30
プロローグ


黄昏時のデスティニーアイランド・離れ小島。
黒い服に身を包んだ銀髪の青年が海岸に佇み、呟く。
「この世界は狭すぎる――」




164 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/08/09(月) 23:25:15 ID:YyjN+jU30
数十年後。
夜のデスティニーアイランド・離れ小島。
腕に白い毛布に包まれた“何か”を抱えた、黒いコートをまとった老人が一人。
「何もない牢獄のような世界――お前にふさわしい場所だ。」
そう言ってパオプの木の幹に“何か”を乗せる。
その“何か”は、虚ろな目をした少年だった。


   ねえ ここはどこ?

「君は?」
少年の精神世界へ、一筋の光と共に来訪者が訪れる。
   ボクは生まれたばかりの心
「どうして――ここは僕の心なのに。」
   光があふれてたんだ
   その方向に進んだら――ここだった
「うん、僕の心は欠けている。きっとそのせいなんだ」
確かに少年の心は一部が欠け落ちていた。
「でも――もうすぐすべて失われる。」
   だったら ボクの心とつなげばいいよ
「え?」
みるみるうちに少年の欠けた心が塞がっていく。
   キミとボクの心は こうして触れ合った
   欠けた心は 二人の心がつながる事でふさがれ――
   いつかキミ自身の力で心を満たしていくんだ
「うん。わかった。」
   じゃあ 目を覚まして
   いっしょに――


扉を開こう


羽のように光が舞い、少年―ヴェントゥスの心が復活した。


変化は現実世界にも表れた。
老人が立ち去ろうとすると、ゆっくりとヴェントゥスの手があがり、キーブレードを出現させた。
キーブレードから空へ光が放たれる。
老人が妖しく微笑む中、ヴェントゥスの閉じられていた目がゆっくりと開かれる。
まだ虚ろなままのその目には、まばゆい光の粒達が映し出されていた――


106 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/10/18(月) 14:25:05 ID:x2RMnZaw0
チュートリアル
――旅立ちの地・夜――


眠れない夜。ヴェントゥス(以下ヴェンと表記)がふと窓から空を見上げると、流星群が降り注いでいた。
部屋から飛び出すヴェン。
途中寄り道をしながら高台に登り、寝転がって星空を眺めていた。
「こんな星空、前にも――」
そう思いながら、いつの間にかうたた寝してしまったヴェン。
大きく欠伸を一つすると、もう一度横になる。
と、アクアの顔が視界に広がった。
驚いて起き上がる。
(このあたりのやりとりは一作目のソラとカイリのやりとりほぼそのまま)
ヴェンはアクアに、ここではないどこかで今日のような星空を見たと話すが、アクアは私達はずっと一緒だったと優しく頭を撫で、相手にしない。
二人は高台の淵に座り、星とは、光とは何かを話す。
そこへテラがやってくる。
テラは星のひとつひとつが世界であり、光はその世界の心の輝きで俺達を照らしてくれていると話した。
しばし他愛のない話しをし、笑いあう三人。
そして三人で空を眺めた。
しばらくして、アクアが明日に控えたテラ、アクアのマスター承認試験に向けてお守りを作ってきたと言い、二人に『つながりのお守り』を渡す。
「世界のどこかに星型の実をつける木があって――その実はつながりの契りになるんだって。そして、その実を貝殻で模したお守りを持っていると――たとえ離れ離れになったとしても必ず再会できるらしいの。」
いつか本で読んだ、知らない世界のお守り。本物の材料は当然手に入らなかったため、ステンドグラスのかけらを集めて銀で溶接し、星型のお守りにしたのだった。
そういうところは女の子なんだな、とからかうテラに、本物じゃないと効果がないの?と心配するヴェン。
そんな二人に、アクアはこのお守りには魔法をかけたと言う。
“つながり”という魔法を。
その後、明日の試験に向けて軽く手合わせをして帰る三人。


重なる三人の声。
俺(私)達が同じ星空を見たのは――これが最後になった



チュートリアル・END




107 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/10/18(月) 14:28:43 ID:x2RMnZaw0



一方その頃。
不思議な塔で修行に励むミッキー。
イェン・シッドが重々しく口を開く。
「ミッキーよ、何やら良からぬ事が起きるやもしれぬ――」






108 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/10/18(月) 14:29:41 ID:x2RMnZaw0
テラ編・旅立ちの地


翌朝。
旅立ちの地の広間では、マスター承認試験が予定通り行われていた。
今回は遠方よりマスター・ゼアノートもかけつけ、試験に立ち会う事になった。
最初の試験は、エラクゥスが魔法で出現させた光の球を消す事。
だが、誰にも悟られずにこっそりとゼアノートが魔法をかけ、光の球は暴走してしまう。
光の球は試験に立ち会うだけだったはずのヴェンにも襲いかかってきた。
三人でそれらを倒す。
エラクゥスは不測の事態に対しての対処を計る機会として、あえて止めなかったのだった。
次の試験内容は候補者二人による模擬戦。
勝敗は問わない。能力が拮抗する相手と戦う事で浮き彫りになる心の在り方をみるのだ。
アクアに追い詰められ、テラは一瞬闇の力を使いそうになる。
それが理由でテラは試験に落ち、アクアだけが新たなキーブレードマスターとなった。
テラは二人に、一人にしてほしいと伝える。


退席するゼアノート。
彼は広間からややはずれた場所に待機していた仮面の少年に語りかける。
「どうだヴェントゥスは?」
「まだ全然だ。俺が鍛えてやらないとな。」
「ここでは止めておけ。奴に感づかれると面倒だ。」
「わかってる。あいつにも旅をさせてやろうと思ってるんだ。」




109 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/10/18(月) 14:30:55 ID:x2RMnZaw0
一人になり、自分の心の闇について考えるテラ。
自分には心の闇に負けない強さがあると考える。
そこへゼアノートが現れ、テラの心を見透かしたかのように闇を恐れる必要はないと言う。
ゼアノートは更に続ける。
闇を認めないエラクゥスのもとで修業をしていてもマスターになれるかどうか――と。
テラは教えを乞う。自分は何を学べば良いのかと。
ゼアノートは答える。そのままでいい、心の闇を消すのではなく、力で制するのだと。
マスターの教えに感謝するテラ。
その時、旅立ちの地に三人を呼ぶ鐘の音が鳴り響く。
広間へ引きかえすテラの背後で、ゼアノートは異空の回廊を開き旅立ちの地を後にするのだった。



テラが広間に駆けつけると、エラクゥスからマスターの心得を聞いていたアクアは既におり、ヴェンだけがまだ来ていなかった。
エラクゥスは誰かと話しをしているようだ。
「では、私の弟子たちを調査に向かわせましょう。うむ、承知致した。失礼する。」
それで通話は終わった。
エラクゥスは二人に、通話の相手がイェン・シッドであること、彼からの報告で光のプリンセスに脅威が迫りつつあること、その脅威は負の感情にあふれ出す存在――アンヴァーすであること、ゼアノートとの連絡が途絶えたことを伝えた。
そして、エラクゥスは二人に事態の収拾を命じる。
アンヴァースの討伐とゼアノートの捜索である。
エラクゥスは二人のために本来行き来が出来ない世界を繋ぐ異空の回廊を開いた。
多用すれば心を闇にとらわれるが、鎧がそれを守ってくれる。
また、他の世界の事は決して他言してはならないと二人にきつく言いつけた。
早速任務に就こうとするテラを、エラクゥスは呼びとめる。
今回の任務の働き次第では、マスター承認を再考したい、と。
エラクゥスはテラを本当の息子のように思っていて、今すぐにでもマスターの称号を与えたいが、テラは力にこだわり過ぎるのだと言った。
敗北を恐れてはならない。恐れが力に執着させ、執着が闇を呼び込むのだ。
テラはその気持ちに必ず応えてみせると言い、広間を後にした。



テラが旅立とうとすると、ヴェンが駆けてきた。
ヴェンは何か言いたげだったが、テラは大丈夫だと言ってヴェンの頭を優しく撫でるだけだった。
そしてテラが左肩の鎧を軽く叩くと、光に包まれ次の瞬間には全身を赤を基調とした鎧を身にまとっていた。
さらにキーブレードで異空の扉を開き、キーブレードをバイク状に変化させて飛び乗り、旅立ちの地を後にした。


旅立ちの地・END


110 :キングダムハーツ バースバイスリープ:2010/10/18(月) 14:34:09 ID:x2RMnZaw0
今回は以上です。
次回はワールド三つくらい書けたらいいなと思います。

フロンティアの方もなるべく早くまた投稿したいです。

最終更新:2010年10月19日 01:10