METAL GEAR AC!D 2

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250METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:05:17 ID:???
主人公【スネーク】は、3年前に軍事独裁国家【セレナ共和国】で起こった大虐殺事件
【プラウリアの惨劇】の直後、瀕死の重傷のところを発見された男である。
自分の通称がスネークであるということ以外、すべての記憶を失っていた。
自分を助けてくれたレジスタンスの一行の仲間となり、独裁政権を打倒した彼だったが、
黒社会の大物の恨みを買ってしまい冤罪をなすり付けられて亡命を余儀なくされ、
仲間とアメリカに不法入国したところをFBIに逮捕されてしまった。

FBI捜査官【ダルトン】は釈放の交換条件として、スネークに「危険だが重要な任務」
への協力を要請した。軍需企業【ストラテロジック社】の研究施設に侵入、社の行って
いた人身売買の証拠データを盗み出してこい、というのだ。
研究施設は元軍事施設を改装したもので、最新鋭の警備システムに加え、元軍人や傭兵で
組織された警備部隊、高い殺傷能力を持つ警備ロボットに守られている。もはや研究施設
というよりはちょっとした軍事要塞のようなものなのだという。
「なぜ民間企業にそれほどの警備が?」というスネークの疑問にダルトンは「ヤマしい
ところがあるからさ」と端的に答えた。
しかし、捜査チームによるバックアップ体制も組まれず、スネークを送り届けた船で
ダルトンが一人待機するだけという、こんなむちゃくちゃな違法捜査が、本当にFBIの
正式な任務なのかスネークは疑問を抱くが、仲間を人質にされている以上従うほかない。

「武器はナシだ。違法だからな」といまさらなことを言うダルトンに、「そういうのは
慣れっこだ」と答えるスネーク。道具を現地調達しつつ、警備兵や監視カメラ、赤外線
センサーをかいくぐり、鮮やかな手並みで帳簿データを盗み出す。

251METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:06:10 ID:???
その瞬間、緊急事態を告げる警報が鳴り響く。警備兵が来ない所を見ると、スネークが
見つかったわけではない。ちょうど同じタイミングで別の事件が起こったのだろう。
ゲートが封鎖された、というアナウンス。脱出は困難だ。
ダルトンの指示に従い、通信棟に行ってデータだけ先に外へと送信しようとする。

が、それも不可能に終わった。データをダルトンに送ろうとしたそのとき、ダルトンの
船が何者かに占拠されたのだ。その指揮官は、国防省統合参謀本部のワイズマン准将と
名乗った。本当だとすれば、米軍の大物である。
彼によると、30分前、ストラテロジック社の副社長 兼 主幹研究員【コペルソーン】が、
開発中の【メタルギア】と実験用核弾頭を奪取し、政治家や企業重役など数十人の身柄を
要求するという武装蜂起事件を起こしたのだという。警報はそれだったのだ。
メタルギア、という単語に確かに聞き覚えを感じ、反応するスネーク。ワイズマンは
その様子をじっくりと観察してから、スネークに事態の鎮圧への協力を要請。
そして、交換条件として、スネークの過去を教える、と言った。
「俺を知っているのか!?」と驚くスネークに、「多少はね」と薄く微笑むワイズマン。

252METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:06:53 ID:???
ワイズマンは、スネークが【ナノチップエキスパンション】で行動していることを
言い当て、長々とその説明を始めた。

ナノチップエキスパンションとは、武器や人物を模した「カード」状に加工された
「経験データ」を行動に活用するものである。
使用者は、使用者自身の経験値を元にカードをダウンロードすれば、他人の経験や能力を
まるで自分のもののように使いこなせるようになるのだという。
シャドーモセスで活躍した傭兵のように重火器を操ることも、偉大なる伝説の兵士のように
接近格闘術を極めることもできれば、ザンジバーランドを駆け抜けた男の俊足を得ることも、
ブラックチェンバーの梟の男のような夜目の体質を得ることまでも、自由自在である。

さらにこのシステムの秀逸な点は、カードを取捨選択して「デッキ」を編纂できることだ。
多種多様な経験を、さまざまな状況に応じて適切に組み合わせることで、多彩な戦略を
実行することが可能となっている。いうなれば、使用する目的も状況も選ばずに活用できる、
"多目的型汎用プログラム"というべき画期的なシステムである。

ひとしきり説明したあと、「今後は軍のほうでもコードを用意させてもらう」と、
ワイズマンは言った。これにより、ステージをクリアするたびに手に入る経験値(PTS)を
使って、カードを購入することができるようになった。
任務が進むにつれて、購入できるカードの種類も次第に増えていく。短時間でこれだけ
用意できるということは、軍では相当前からこのナノチップエキスパンションの開発が
進められていたのであろうことが予測された。

ダルトンは「何を言っているのか分からない、見たことも聞いたこともない」といわん
ばかりの様子である。FBIの人間が少しも知らないような情報ということは、軍内部でも
機密事項に分類されるものなのかもしれない。
ということは、スネークは軍の人間なのだろうか? 疑問は尽きないまま潜入を続ける。

253METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:07:13 ID:???
ワイズマンは協力はしてくれているものの、信用ならないことは変わらない事実だった。
協力というより、利用とでもいうべきか。彼に従ってすべてを解決したところで、無事で
帰れる保障はどこにもない。スネークには、協力者が必要だった。

ワイズマンの目を盗んでダルトンと話をすると、彼は本心を白状する。疑ったとおり、
これはFBIの正規捜査ではなかった。
ダルトン自身は本物のFBI捜査官である。ただし、「元」捜査官であった。
ストラテロジック社の人身売買事件を担当して追っていたところ、上層部からの圧力で
捜査が打ち切られてしまい、抵抗したところあっさりとクビになったのだという。
ストラテロジック社が「黒い」会社であることは有名である。上層部からの圧力だって、
賄賂の賜物に決まっている。彼はクビになっても『正義』を諦めず、自分の個人的な
コネを使って一人で捜査を続けていたのだ。
人身売買が行われているらしき研究施設をなんとか見つけ出し、どうにか手出しできない
ものかと思っていたところ、潜入工作が得意な男が密入国するという情報をキャッチ、
知人の現職警官に協力してもらって逮捕劇を演出したのだ、と。
もっとも、これで人身売買の証拠が手に入ったとしても、違法な手段で入手した証拠で
あるため起訴の材料にはできない。だが、ここから情報が手繰れるかもしれないし、
最悪でも世間に公表すれば犯罪を止めさせることはできるはずだ。
スネークらを騙して危険な仕事に利用した形ではあるが、事が成った暁にはちゃんと約束
どおりに偽の身分を用意し、渡してから釈放するつもりだった、とも語るダルトン。
彼の動機も計画も、一から十まで彼なりの正義に貫かれていた。
ダルトンは信用に足る男だ。そう判断したスネークは、生きるため協力しようと持ちかけた。

254METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:08:46 ID:???
そこに、通信を盗聴していた自称天才ハッカー【B.B.(BlackBoard)】が割り込んでくる。
ワイズマンにまったく気付かれないようにスネークとダルトンにだけ話してきたり、
ナノチップエキスパンションを即興でハックしてみたりなど、腕は確かなようだ。
妙に軽い、というより、むしろ幼いような口調で「楽しいから」協力すると言ってくる
B.B.をいぶかしむダルトンだが、スネークは「この状況では誰もが信用できないし、
これ以上悪くもならなそうだ」と、いちおう信用することにする。

中と外、両方に仲間を得たスネークは、一路北の格納庫へと進んでいく。

その後、女性社員【タキヤマ】と人形のように無口な少女【ルーシー】を保護したり、
社が作っていたと思われる生物兵器【被験体】と行きがかりで戦闘するハメになったり、
先行して潜入していたワイズマンの部下【ヴィナス】と合流して協力して進んだり、
傭兵上がりの巨漢【ビンス隊長】率いる警備部隊ともやっぱり戦うハメになったり、
基地内を走る輸送列車で移動してたら鉄橋を爆破されて回り道を余儀なくされたり、
その回り道に繋がっている地下水路をダウジングで発見しなければならなくなったり、
しかもその回り道を通るためにライフルが必要だってんでさらに寄り道を強いられたり、
そうこうしてる最中に、実はコペルソーンの直属の部下であり愛人でもあったタキヤマに
あっさりと裏切られてルーシーともども逃げられてしまったり……などなど、
いろいろしながらメタルギア格納庫へと進むうち、様々なことが明らかとなっていく。

255METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:09:04 ID:???
社が開発していたメタルギアのOS【システムEGO】は、従来の電子的プログラムとは違い、
人間の脳みその仕組みそのものをコピーして作られた画期的なシステムであること。
システムEGOの理論を応用すると、人間の能力・記憶・人格をコピーし、さらに都合よく
切り貼りしたり極端化したりという操作を加えて、別の人間に移植できるということ。
それによって造られた生物兵器が、今まで倒してきた被験体と呼ばれる存在であること。
またその理論により誕生した最新式OSが、細分化した「経験」を編纂できるシステム
「ナノチップエキスパンション」であり、メタルギアや被験体に使われていること。
コペルソーンと彼の妻ルシンダは、その研究のために、人身売買で集めた子供たちを
使って人体実験を繰り返していたこと。

三年前のプラウリアの惨劇は、ストラテロジック社がセレナの独裁政権と手を組み行った
「被験体の実用テスト」中に、被験体たちが暴走したため起こった事件であること。
ルシンダはそこで命を落とし、コペルソーンは妻を失って狂気に走り始めたこと。
コペルソーンのテロの目的は、プラウリアの惨劇に関わった政府高官や会社重役たちを
皆殺しにすることと、システムEGOによる人格移植を利用しての妻の復活であること。
(コペルソーンと被験体たちはそれを『受胎』『女王の生誕』と呼んでいた)
タキヤマが連れていた少女ルーシーが、彼が妻を移植するべく用意したボディ……
技術の粋を集め、長い年月を費やして用意した、「究極の被験体」であること。

256METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:11:09 ID:???
そしてもうひとつ。
スネークの正体は、実はこの研究所で作り出された被験体のうちの1人。
「伝説の兵士」ソリッド・スネークの遺伝子から造ったクローンボディに、ロビト島事件
(前作AC!D1)で収集したスネークの活動データを移植して作られた第三世代被験体で、
「スネークタイプ」と名づけられた試作型のひとりであること。
プラウリアの惨劇で、暴走した「第二世代」の被験体たちを鎮圧するために出動したが、
仲間との壮絶な殺し合いで心が壊れてしまい逃走。
同じ第三世代被験体に追われ、重傷を負わされたうえに記憶を失っていたということ……。
(第二世代が旧型の脳に直接丸コピー型、第三世代がナノチップエキスパンション型)

#MG→MGSの正史ではソリッド・スネーク自身も「BIGBOSSのクローンの一種」という設定だが、
#AC!D世界はMG2から分岐したパラレル設定なので、MGS以降追加された設定は存在しない。
#(AC!D1のOP参照。彼の最後の任務はザンジバーランド単独潜入ということになっている)
#よって、本家ソリッド・スネークはクローンではなく普通に生まれた普通の人間であって、
#こちらのスネークも「クローンのそのまたクローン」というややこしい存在にはならない。

257METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:11:54 ID:???
ついにメタルギア格納庫の最上階に到達するスネークとヴィナス。そこには、
コペルソーンとルシンダ、そしてメタルギア『カイオト・ハ・カドッシュ』が待っていた。
コペルソーンはスネークに並々ならぬ憎悪を燃やし、演説のように恨み言をぶつける。
彼が言うには、ルシンダを殺した直接の実行犯はスネークなのだ、という。

その現場を見ていたわけでもないコペルソーンが、なぜそんなことを断言できるのか?
その答えは、傍らにいるルーシーにあった。彼女は先ほどまでまったく意志のない人形の
ように無口だったのに、今はまるで別人のように、いや、実際に別の人格になっていた。
そう、その人格こそは、ルシンダの遺体の脳みそを完全にコピーして流し込んだもの。
ルシンダの記憶を完全に受け継いでいる本人が証言しているのだ、これ以上はない証拠だ。

まあそのへんはさておき、コペルソーンの独りよがりな演説をほどほどに聞き流しつつ、
冷静にメタルギア対策を検討するスネークとヴィナス。
肩部に中性子爆弾発射用レールガン、両手に機関砲、背中にミサイルパック。圧倒的武装で
あることは確かだが、スネークにはある程度の勝算があった。
今までの情報から、メタルギアのOSがナノチップエキスパンションなことは分かっている。
ということは、相手が行動に利用する「手札」を確認すれば、どういう攻撃がくるのかは
十分予測がつく、ということだ。攻撃さえ読めれば回避でき、反撃もできるはずだ。

258METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:12:17 ID:???
その言葉通り、襲い掛かってくるメタルギアを撃退する二人。しかし、敵はまだ余力を
残しているようだ。『カイオト・ハ・カドッシュ』は、システムEGOでの稼動を基準に
造られているため、手動操縦では性能をフルに発揮できない。つまり、コペルソーンが
手動で操縦していた今の戦闘は、メタルギアにとっては全力の戦闘ではなかったのだ。

最大性能を発揮するため、EGOを起動して私に接続して、と呼びかけるルーシー。
ルーシーはルシンダ移植のために手術によって徹底的に改造された「究極の被験体」。
システムEGOに最適化された体は、すなわち、メタルギアOSとして最適ということだ。
彼女を接続すれば、メタルギアはこれ以上はない頭脳を手に入れたことになる。
妻を戦わせなくない、と思っていたコペルソーンだが、ルーシーの度重なるおねだりに
ついに折れ、メタルギアの自律行動システムを起動し、ルーシーをそれに接続した。

そのとたん、ルーシーは態度を豹変させた。
メタルギアのコントロールを独占。コペルソーンに対しても、今までの甘えた様子など
まったくなくなり、むしろ憎しみさえあるかのような冷たい態度をとるようになった。

驚くコペルソーンに対して、彼女は「自分はルシンダではない」と衝撃の告白をした。
ルシンダを流し込む「空っぽの脳」を作成する脳改造手術が行われた、まさにそのとき、
作り出された人工シナプスに奇跡的に発生した自我なのだ、と。
システムEGOに最適化された人工脳に芽生えた自我……それはいうなれば、システムEGO
そのものが人格を得たものであった。
「いままでの人体実験ではそんなことは一度も起きなかった」と反論するコペルソーン。
だがルーシーは「理屈はともかく今回は起きてしまったんだからしょうがない」と、
コペルソーンの女々しい態度をあざ笑うかのように、あっさりと吐き棄てた。

259METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:13:39 ID:???
ルーシーという空っぽの器にルシンダの脳データを流し込み、完全コピーを作り出す。
それがコペルソーンの計画、ルシンダの復活……『受胎』だった。
しかしルーシーは空っぽではなかった。それではルシンダのデータを流し込んでも、
それはあくまで彼女の「一部」にしかならず、ルシンダの完全コピーにはなりえない。
つまり、コペルソーンが夢見たルシンダの復活は、最初から潰えていたのだ。

驚き戸惑い絶望するコペルソーンを哀れむように、彼女は自分の中に眠るルシンダの
記憶と思いを彼に伝える。ルシンダを殺したのは、スネークではない。むしろ逆だ、と。
ルシンダは【プラウリオの惨劇】を目の当たりにして、自分たち夫婦の研究がどれほど
残虐なことかを思い知り、「死を持って償わねばならない」と思ったのだという。
反逆罪に問われるのを覚悟で、心が壊れたスネークを逃亡させ、そして命を落とした。
「あなたの奥さんの思いを受け取ってね?」
ルーシーの言葉とともに、コペルソーンの入ったコクピットが外部へと射出され……
メタルギアから発射されたミサイルで、あっさりと撃ち落とされた。

今日の『受胎』のための下準備として、ルーシーへのルシンダの移植は、3年もかけて
断片的に少しずつ行われていた。その断片的なルシンダは、何度も何度もコペルソーンに
「私の仇をとって」「『受胎』で私を蘇らせて」「メタルギアですべてに復讐を」……と
囁いてきた。その声に導かれて、コペルソーンは今回の事件を起こした。
誰もが狂気だ妄想だと評したコペルソーンの行動は、実はすべてルシンダ本人と共謀した
ものであるという、彼にとって何にも勝る根拠があるものだったのだ。
しかしそれはルーシーの罠だった。ルーシーはルシンダのフリをしてコペルソーンを操り、
今この瞬間を待っていたのだ。

260METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:13:55 ID:???
コペルソーンの意図していた『受胎』は完全に失敗した。
しかしルーシーが意図していた『受胎』は、今まさに完遂された。

システムEGOはメタルギアOSとして造られたプログラム。ある意味システムEGOそのものと
いうべき彼女にとっては、メタルギアこそが本当の体とさえいえるものなのだ。
そして、兵器として戦い、殺すことこそが生存理由。それこそが本能だ、と言った。
同一システムで作り出された被験体たちも同じだ、と、スネークを誘うルーシー。
メタルギアを欲しがる国はいくらでもある。戦う場所も無尽蔵にある。争いに満ちた世界で、
兵器として生きていこう。それこそが、兵器として作られた自分たちの最上の幸福なのだ。
しかしスネークは断り、そして力強く言い切る。 「俺はお前とは違う」。


死闘の末メタルギアを破壊したスネークたち。
ルーシーは今わの際に、タキヤマの居場所を教えてくれた。
兵器としての本能を肯定しながらも、ルーシーは用済みとなったタキヤマを殺さなかった。
理由を聞かれたルーシーは、息も絶え絶えに答えた。「…子守唄を…歌ってくれたから…」

すぐさま一行はタキヤマと合流。彼女は無事であったうえ、研究室に残されていた貴重な
データをすべて保護していた。その中には、メタルギアOS開発に重要な役割を果たした、
【ルシンダ・ライブラリ】と呼ばれるデータ……ルシンダの脳をコピーして作り出した、
どんな演算プログラムよりもAIよりも優秀な「思考プログラム」……も含まれていた。

261METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:15:30 ID:???
これですべて片付いた、と思った途端、共に戦ってきたヴィナスがスネークに銃を向けた。
驚くスネークとダルトン。相変わらず邪悪な薄笑みを浮かべているのは、ワイズマンだ。

実は、生物兵器やメタルギアを開発するように社に働きかけていたのは国防省であり、
その担当者は何を隠そう、ワイズマン本人だったのだ。
(そういえば、ワイズマンは最初からナノチップエキスパンションについて、詳細な
知識とデータを所持していた。)
しかもプラウリアの惨劇は、より詳細・大量のデータを欲したワイズマンが、被験体を
わざと暴走させたために起きたのだという。
ルシンダ・ライブラリは、最高の研究成果であると同時に、研究内容をすべて記録した
超大規模な犯罪の最大の証拠でもある。それが明るみに出れば、ストラテロジック社だけ
ではなく、国防省とて無事では済まないだろう。
ワイズマンの究極的な目的は、すべての証拠を回収および隠滅することだったのだ。

ワイズマンは滔々と語る。ダルトンにスネークが密入国するという情報を流したのも、
実はワイズマンだった。いや、もっと言えば、スネークら一行がセレナ共和国から脱出
しなければならなくなったのも、ワイズマンの手回しだった。
ワイズマンのもともとの計画はこうだ。ヴィナスを単独潜入させ、関係者一同の暗殺と
ルシンダ・ライブラリ奪取を隠密裏に実行。そしてそれと同時に、ワイズマンが流した
情報に乗って違法捜査を行っているダルトンとスネークを捕まえ、罪をすべて押し付ける。
コペルソーンがメタルギアを起動させるという暴挙に出たため計画は若干変更されたが、
当初の目的は十分に達成された、とワイズマンは邪悪に笑う。

262METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:16:27 ID:???
すべてを語り終わったワイズマンは、すべての関係者の抹殺をヴィナスに命じる。
腐った命令になぜ従う、と激昂するダルトンに、そう造られてるんだからしょうがない、
と、いままでの軽い調子をまったく変えずにあっけらかんと答えるヴィナス。
実は、ヴィナスも第三世代被験体だった。しかも、三年前にスネークに重傷を負わせた
追っ手とは、彼女のことだったのだ。彼女は、スネークよりも後に作られた新型。
身体的な強度や寿命はやや劣るが、戦闘力ならばヴィナスのほうが高いのだという。

彼女は余裕を見せ、スネークが使用しているナノチップエキスパンション・デッキと
まったく同じデッキを使う、と宣言した。それでも勝てる自信、いや確信があるのだ。
しかし戦闘の結果はスネークの勝利であった。ハードの性能差を埋めたのは、ソフトの差。
それは戦闘経験の差なのか、伝説の傭兵の遺伝子が為せる技なのか、あるいは、
「兵器」ではなく「人間」であるというモチベーションの差だったのか。

形勢不利と見るや、ダルトンを人質にしてスネークの抵抗を抑えようとするワイズマン。
打つ手なしか、と思ったところに、ダルトンらのいる船室に突然の乱入が入った。
武器を持った兵隊が突入してきて、あっというまに全員を制圧、拘束してしまったのだ。
なんと大統領命令が発令され、ワイズマンが逮捕拘束、米軍にも正式な出動が命じられた。
内々に闇から闇に処理されるところだった事件が、完全に明るみにでることになったのだ。
すべては天才ハッカー「B.B.」のお手柄であった。

263METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:17:47 ID:???
外の問題は片付いた。あとはスネーク一行が施設から脱出するだけだ。
メタルギアの起動および破壊の影響で、研究施設の警備システムは完全に混乱していた。
警備ロボットは暴走し、誰彼構わず攻撃する状態になっており、非常に危険な状態。
そしてお約束通りというか、施設全体を吹き飛ばす時限自爆装置まで勝手に作動していた。

脱出路目前で分厚いシャッターが下りてきて、スネークが取り残されてしまった。
仕方なく二人で脱出するヴィナスとタキヤマ。トラックで非常口をひた走り、追ってくる
警備ロボを蹴散らして外へ出ると、展開していた米軍に保護された。

……と、そこに突然立ち上がる巨大な影。破壊されたはず、操縦者もいないはずの
メタルギアが起動し、壁をぶち破って出てきたのだ。しかも肩部に装着したレールガンに
エネルギーを充填、いまにも発射目前の状態になっていた。慌てて砲撃する米軍の戦車隊。
その攻撃が功を奏したのか、放たれた弾頭はそれほどの飛距離は出ず、海へと落ちた……。

軍に保護され、医療班に搬送されるタキヤマ。車椅子で救急ヘリへと運ばれていく。
爆発し、燃え上がる基地を心配そうに眺めながら、彼女は「スネーク……」と小さく呟く。
車椅子を押していた医療班員が「あら、惚れちゃったのかしら?」とからかいの言葉をかけた。
驚くタキヤマ。「しーっ、見つかるとヤバいの♪」と言った医療班員は、変装したヴィナスだ。
ワイズマンの部下であるうえ、歩く機密事項とも言うべき被験体の一員であるのだから、
彼女の言い分ももっともだろう。混乱に乗じて、彼女は脱出するつもりだった。
心配そうなタキヤマに、ヴィナスは「スネークはあのぐらいで死ぬタマじゃない」と呟くのだった。

264METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:18:27 ID:???
後日。無事FBIに復職したダルトンが、ある小屋を訪ねる。
そこには、全身に包帯を巻いた男……スネークがいた。
スネークはシャッターの突破が不可能とみるや、引き返して半壊のメタルギアを起動し、
それに乗って壁などをバリバリ壊して外が見えるところまで脱出したのだ。
そしてメタルギアのレールガンを使って、自分を入れた空の弾頭を海へ発射。ダルトンが
船で回収して匿って今に至るのである。
そんな無茶をしたせいで全身骨折の重傷であったものの、スネークはかなり元気だった。

「これからどうするんだ?」とダルトンが聞いた。
「生きていこうと思う」とスネークは答える。「俺は造り物だ。本物の人間じゃない。
 過去はないし、未来もあるかどうかわからない。……何もないんだ。」
失ったと思っていた記憶。しかし、それは最初から存在していなかった。それを確認し、
スネークは逆に生きる希望を見出していた。兵器としてではなく、人間として。
「何もなくても、作り物の命でも、生きていくことはできる。そうだろ?」

「いいや、お前は間違ってる」 ダルトンはスネークの言葉を否定した。
訝しげな表情を見せるスネークに、ダルトンはあるものを差し出す。
「約束していた、お前の偽造身分証だ。古い記録は全部消去しておいた。それと……」
「スネーク!!」
大声を上げて飛び込んできたのは、共にアメリカに脱出してきたレジスタンス仲間だった。
「わかったろ、スネーク。『何もない』なんて間違いだ」

Happy End

265METALGEAR AC!D 2:2010/12/08(水) 10:19:02 ID:???
……
…………


「……よーし、マスターアップ! うふふふふ、やっぱイケると思ったんだ」
と、少年と呼ぶには少々幼すぎる感のある男の子が歓声を上げた。
彼の通称はB.B.。ふと目に入ったブラック・ボード(黒板)から即興で思いついたHNだ。
今日も元気に、小学校の電算室でハッキングとプログラミングにいそしんでいる。

「ナノチップエキスパンションをクラックして世間にバラまく。被験者(プレイヤー)は
擬似的に能力を習得… これで第二、第三のスネークが続々登場!」
B.B.は目を輝かせ「事実はゲームよりも奇なり、ってね」と下手な洒落で見栄を切る。
なんと彼は、機密中の機密であるナノチップエキスパンションのデータを勝手に拝借して、
あろうことかゲームの形に改ざんして世間に流通させようとしているのだ。
なぜこんなことをするのか? もちろん理由は「面白そうだから」だ。

「媒介(ハード)は何にしようかな…… 携帯ゲーム機がいいな……
 あの携帯ゲーム機…… あれ? なんて名前だっけ?」

 






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