極限脱出 9時間9人9の扉

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77 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/19(水) 00:32:40 ID:EfhVx5qo0
極限脱出9時間9人9の扉です。
マルチEDなので、ベストEDルートを書きます。

主人公が目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。
三段ベッドのある狭い部屋で、一つしかない金属製のドアはロックされている。
ドアには、赤いペイントで「5」と大きく書き殴られている。
手に、ゴツいデジタルウォッチのような物がはまっていて、全く外れない。
文字盤には、時刻ではなく「5」とだけ大きく表示されている。

よく船にあるような丸い窓がある。ここは船の中なのだろうか?
外は真っ暗で何も見えない。目を凝らしていると、その窓が急に割れた。
水が吹き出してきて、みるみる内に部屋が浸水していく。
主人公は焦りながら脱出の為探索を始めた。

探索中、姿見を見て最後の記憶を思いだす。
自分は深夜自宅アパートに帰宅し、窓が開いていたので不審に思い近づいた。
その時ガラスに、自分の背後に黒づくめの人影が映っているのが見えた。
分厚いフード付きマントにガスマスクのその人物は、白い手榴弾のような物を床に投げた。
そこからガスが吹き出して…意識が薄れ行く中、そいつの声が聞こえた。
「光栄に思うがいい。お前は選ばれたのだ。お前にはゲームをしてもらう。<ノナリーゲーム>。生死を賭けた、運命のゲームだ。」

狭い部屋を調べ回ると、「数字根」について書かれたメモと、数字の描かれたカードを見つけた。

【数字根】
数字を足して、合計が2ケタ以上になったら、1ケタになるまでケタ同士を足して出た数。
例えば、5,9,6,3なら、5+9+6+3=23→2+3=5で、数字根は5。

数字根が5になるように、カードリーダーに数字カードを差し込むと、ドアが開いた。
水と共に部屋を飛び出し、階段を駆け上がると、豪奢で品のいいアールヌーヴォー風の広間に出た。Cデッキとプレートに書かれている。
優美な木製の大階段をBデッキへ登ると、8人の男女に出くわした。
彼らもまた同じように拉致され、主人公より早く脱出し探索していたらしい。
その中に1人、知った顔があった。
小学校卒業で別れ別れになったきりの、幼馴染の倉式茜だ。初恋の相手でもあった。
思いがけない再会に、主人公は正直テンションが上がる。
78 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/19(水) 00:36:19 ID:EfhVx5qo0
やはりここは船の中のようだ。Cの上にはA、Bデッキの2フロアがあるが、どちらも扉が施錠されていて広間から先に進めない。
階下を見に行くと、Dデッキは完全に水没し、そこで水位はぴったり止まっていた。
Cデッキの広間には、開かないドアの他に、明らかに異質な2つのドアがあった。
頑丈な金属製の扉に、それぞれ「4」「5」と描き殴られていて、脇に指紋認証のようなデバイスがある。

そこで唐突に、艦内放送が流れ出した。
声は、「ノナリ―ゲーム」の主催者、この船の船長「ゼロ」と名乗り、ゲームのルールの説明を始めた。

【ルール】
・皆の手首にはめられたものは、それぞれの数字を表わす「バングル」。
この船から脱出した時か、装着者の心臓が停止した時に自動的に外れるようになっている。

・目の前にある数字のドアは、「ナンバリングドア」。
この船には、1~9のナンバリングドアがある。

・ナンバリングドアに書かれた数と同じ数字根になるよう、複数人のバングルの数字をデバイスに読み込ませるとドアが開き、そのメンバーだけがそこを通れる。
一緒にドアを開けられるのは、3~5人までである。

・このゲームのゴールは、この船を脱出すること。
今から9時間後、船は沈む。脱出口は船のどこかにある「9」のナンバリングドアだけ。

放送後、お互いを呼び合う名前を決めた。
安全性を考慮して本名は伏せ、自分のバングルの数字に因んだニックネームを名乗る。
淳平は、うっかり最初に本名を名乗った為、1人だけ本名で呼ばれる。
メンバーは、バングルナンバー順に、以下の9人。
79 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/19(水) 00:43:46 ID:EfhVx5qo0
1【一宮】
爽やかなナイスミドル。聡明で冷静な、頼もしいおじさん。
威厳があるが温厚で、揉めがちなメンバーを諌めるお父さん的存在。 

2【ニルス】
盲目の知的な青年。非常に博識で、落ち着いている。
全盲だが、音の反響や空気の動きで物の位置が分かり、本人曰く「走ったり殴ったりもできる」。
妹の四葉を、深く理解し慈しんでいる。 

3【サンタ】
ちょっと不良じみた銀髪の青年。24歳。 
マイペースで協調性が無く、ドライな性格だが、案外おどけた所や抜けた所がある。

4【四葉】
小柄で愛らしい18歳の少女。兄のニルスをとても慕っている。
元気娘だが結構シニカルで口も立つ。計算が得意で頭の回転が速い。

5【淳平】
主人公。大学4年生。
こういうシチュエーションの主人公にしてはヘタレでなく、結構乱暴な口も聞く。

6【紫】
本名は倉式茜。本名を名乗ろうとしたが、主人公の勧めで紫と名乗ることに。
主人公の幼馴染で、初恋の相手。彼女も、淳平のことを憎からず想ってくれているようだ。
清楚で優しく、しっかりした心根を持つ女の子だが、割と天然で間の抜けた所もある。

7【セブン】
目つきと柄の悪い大男。でもいい奴。
拉致と共に記憶喪失にされている。タイタニック周りの歴史にやたら詳しい。

8【八代】
踊り子のような、際どい衣装のお姉さん。
我侭で抜け目ない、和を乱すだけのビッチかと思いきや、元セキュリティソフト会社勤務で博覧強記の才女、PCがあると無双というギャップキャラ。

9【9番の男】
挙動不審な中年男。チュートリアルの為に死ぬ感じの人。

基本的には初対面同士らしいが、ニルスと四葉は兄妹で、主人公と紫(茜)は幼馴染だ。
セブンは記憶を失っていて、自分の事を思い出せずにいる。
80 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/19(水) 00:58:14 ID:EfhVx5qo0
9番の男はニックネームを名乗らない。「ボクは君達と行動する気は無いからね」
そう言って、四葉に飛びかかり、ナイフを突き付けて人質に取った。
目の前の<5>のドアに、四葉と一宮のバングルを認証させ、自分の9を認証する。
1+4+9=14→1+4=5。<5>のドアが自動的に開く。
9番の男は四葉を突き放し、1人で扉をくぐった。
「それじゃボクは一足先に脱出させてもらうよ。ごきげんよう。」
気味の悪い笑みを隔てるように、また自動でドアが閉まる。
そしてすぐに、向こうからドアを叩き始めた。
「開けてくれ!ここを開けてくれぇ―!!ボクは騙されたんだ!アイツに、アイツにィィ―――!!!!」

奇行とはまさにこの事である。開けてやろうとしたが、バングルが認証されない。
見ると、デバイスの液晶にはENGAGED(使用中)と表示されている。
9番の男は、一しきり訳の分からない事を喚いていたが、突如爆発音が響き静かになった。
デバイスの表示がVACANT(空室)に変わり、恐る恐る3人選んで認証を行った。
扉の先は、一面血の海だった。ドアの前には、9番の男だった肉塊が転がっている。
体は腹から破裂したようにズタズタになり、傍らに9のバングルが無傷で転がっていた。

怯える皆に、ニルスが「ルールの続きがある」と切り出した。
ニルスが目を覚ました時、ポケットに点字のプレートが入れられていたそうだ。

【ルール】
・参加者は、カプセル型爆弾を飲み込まされている。現在は小腸の辺りにあり、吐き出すことは出来ない。

・扉の脇にある赤いデバイスは、RecognitionDevice通称「RED」。
扉を入った先にも同じようなデバイスDeactivationDevice通称「DEAD」がある。

・手首のバングルは、体内の爆弾の起爆スイッチである。
REDで認証し、ナンバリングドアを通過することでスイッチは起動し、何もしなければ81秒後に爆弾が爆発する。

・REDで3~5人が認証してドアを開く。ドアを通過すると起爆スイッチがONになる。
ドアが自動で閉まった後、ドアを開いたのと同じメンバーがDEADにバングルを認証させれば、起爆は解除される。

・ナンバリングドアは一方通行。そして基本的には一度しか通れない。
そのドアを進んだメンバーが全滅しない限り、そのドアは<使用中>ということになるから。

”このルールは開始しばらく伏せておく、盲目の君へのアドバンテージだ。皆に教えるも、活用して邪魔者を排除するのも君次第だ。”そう書かれていたらしい。

広間の時計によれば、今は午後の9時過ぎ。翌朝6時に船は沈んでしまう。
皆はルールに従い、<4>と<5>のドアにそれぞれ分かれ、先に進むことに決めた。
主人公は、サンタ、茜、八代と共に<4>のドアを開いた。
急いでDEADに認証すると、バングルの警告音が止まり、一安心。
ドアの向こうにあったのは、客室の並ぶ廊下だった。
殆どのドアが施錠されているが、隅の2部屋だけが開くようだ。
突き当たりには、星座のマークの扉がロックされている。
84 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 02:40:31 ID:qY6BBa1X0
ここから基本的に、施錠されてない部屋を探索して仕掛けられた謎を解き、見つけた鍵で星座のドアを開けて進む、というのを繰り返し進んで行く。
幼馴染の茜と同チームで嬉しい主人公。基本的に茜とニコイチで行動する。
探索中に仲間と、後の伏線になって来る雑談をする。
このタイミングでない物も、ここにまとめておく。

【ノナ】
ノナリ―ゲームの「ノナ」は、9を意味する接頭語。
1の「ユニ」や2の「バイ」と同じ。
9人が9時間以内に9の扉を抜け脱出を目指す、それがノナリ―ゲームだ。

【この船は何なのか?】
この船はレトロな巨大豪華客船と見える。というか内装がタイタニックにそっくりらしい。
セブンが、この船はタイタニックの姉妹船<ギガント>だと推定する。
ギガントはタイタニックと同じ規格、内装だが、一次大戦の時に、一部改造されて病院船としての機能も持っている。

【Ice9】
成分は水だが、分子の結びつきが変異している為、36℃まで溶けない氷が存在する。

【Allice】
完全に生前の美貌を保ったエジプト王女のミイラが、本物のタイタニックには積まれていた。
彼女がまるで生きているかのようで、ただ全身が凍ったように硬かった。
体中の水分がIce9で出来ているからではないかと言われており、彼女はAll-Ice…アリスと呼ばれていた。
彼女はギガントの持ち主だった富豪に秘密裏に買い取られ、「ギガントのへその下、知識の森を抜けた小部屋」に隠されたと伝えられている。
この船がギガントなら、アリスもこの船のどこかに眠っているのだろうか。

【フューティリティ】
小説家モーガン・ロバートソンの書いた海洋小説。
タイタニック沈没の14年前に書かれたに関わらず、細部に至るまでタイタニックと一致する豪華客船が、氷山にぶつかり沈没するという内容だった。
しかも、ロバートソンは実際のタイタニックの乗客だったのである。
ロバートソンは未来を予言したことになる。あたかも、時を越えて14年後の自分とシンクロしたかのように…。


サンタと一緒に寝室を調べていると、不意にサンタが何かを差し出した。
「なぁ、これやるよ。」
押し花にしてラミネート加工した、四つ葉のクローバーだった。
ソファの隙間にはまっていたらしい。
「俺の嫌いな言葉は四つある。Hope、Faith,Love、Luckだ。四つ葉のクローバーには、それぞれの葉にリーフワードがあるんだぜ。今の四つがそうだ。」
希望、信頼、愛、幸運。いい言葉ばかりなのに。
サンタはおどけてクローバーを押し付けてくるので、遠慮なく貰っておく。
85 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 02:45:43 ID:qY6BBa1X0
途中、複雑なだまし絵が飾ってあった。それを見た八代が、これに似た「だまし絵」を、ある学術書で見たと言い、内容を教えてくれる。

【形態形成場仮説】
実際にシールドレイクが提唱した理論。
大まかに言うと、誰かの知識が、全く接触無く他者に伝わる事。100匹目のサル。

【実験例】
だまし絵クイズを2つ用意し、片方の正解をTVで放送する。片方は公開しない。
TV放映の前後に、それぞれ違う地域(TV放映国とも違う国)で、約1000人にその2つのクイズを出す。
正解を放送しなかったクイズは、正解率が放映前後で9.2%→10%に対し、正解を放送したクイズは、正解率が3.9%→6.8%と倍増した。

主人公は、一発でそのだまし絵が「犬」だと正解する。

進むうちに、無数のドアが面した長い廊下と、大きな両開きの扉に行きついた。
大きな扉を開けると、呆気に取られる程広い部屋を、整然とベッドが埋め尽くしていた。
ここは大病室なのだろう。やはりこの船は、「ギガント号」だ。
奥に、<8>、<7>、<3>のナンバリングドアと、何も書かれていない扉が1つ、計4つドアがあった。
しかし、REDの液晶に表示が無く認証もできない。下部のスロットから基盤が抜かれているようだ。

試すがめつしているうちに、<5>のドアに入ったチームも大病室に入ってきた。
一度別れても、ナンバリングドアの前にまた合流できる、そういう風に工夫されているようだ。
<5>のチームが、あの無数の部屋を何室かざっと調べたところ、全て病室だったらしい。
基盤を探す為、人海戦術で全ての病室を調べることになる。

自分の受け持ち区画を済ませて大病室に戻ると、大体皆集まっていた。
誰も基盤を見つけられなかったのに、REDが起動している。皆が大病室を空けた隙に、ゼロが基盤を挿したのか。
そして、いくら待ってもニルスが帰ってこなかった。探しに行くが、どこにも居ない。
既にここだけで2時間ほど時間を食っているので、捜索を打ち切り進むことになる。
しかし、今いる7人では、どう分けても全員先に進むことはできない。どのドアでも誰か1人余るのだ。
そして、一度誰かが通ったナンバリングドアは、使う事が出来ない。
八代は、「犠牲になる人を投票で決めましょ」と言い出す。

茜はそれに反発するが、表示の無いドアは開かず、ナンバリングドアは全員じゃ通れない。
「私が残ろう。」
一宮が立候補する。「君達が救助を連れて帰って来てくれるのを待っているよ」と。
「だめです!犠牲は1より0の方がいいに決まってるじゃないですか!」
茜は泣きながら一宮を見捨てるのを拒むが、一宮は麻酔薬を自分に打ってしまう。
一宮は、製薬会社の経営者なのだそうだ、速攻性の麻酔薬が売りの会社で、今も携帯していたらしい。
茜が吹っ切れるように、それを打ってくれたのだろう。
眠りに落ちた一宮に感謝しながら、もう一度チームを編成する。

1が居ないと<3>は通れない。<7><8>はどの計算でも主人公と茜は同じになれないので、別れ別れになる。
「淳平くん…絶対また会えますよね?」
茜と涙の別れをしながら、メンバーにひきずられてそれぞれのドアへ。
主人公は、四葉、セブンと3人で<7>のドアを開いて進む。
86 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 02:52:08 ID:qY6BBa1X0
四葉は、兄のニルスが行方不明になった事で、塞ぎ込んでいる。
2人きりの時に、主人公はサンタ経由の四つ葉のクローバーと、受け売りのリーフワードで四葉を慰めた。
「愛」し、「信頼」し、「希望」を持ち続けること、その3つが揃って初めて「幸運」がやってくると。 
四葉は思いがけずとても喜んでくれる。
「ねぇ、実験って聞いて思い当たることない?」と唐突に聞かれ、きょとんとしていると
「そっか…じゃあ、淳平がリーフワード知ってたのは偶然だね。」
そう言って四葉は、とんでもないことを教えてくれる。

9年前にも、同じこのギガント号で、ノナリ―ゲームが行われたと言うのだ。
しかも、ニルスと四葉もそれに参加していたと言う。
詳しい事を聞きたいが、セブンが呼びに来たのでお預けになる。
2人きりの時にしか、この話題を出さないと取り決める。

しばらく進むと、拍子抜けするぐらいすぐに、<8>のチームと再会できた。
更に、鍵を見つけて扉を開けると、それは大病室のあの表記の無いドアだった。グルっと回って戻ってきただけだ。
もちろんそこでは一宮がぐーすか寝ている。叩き起こして、微妙な再会を喜び合う。
1が居れば<3>のドアが開けられる。
<3>も大病室に戻って来るだけだろうが、ニルスを探す四葉を尊重して、一宮とセブンと四葉は<3>の扉へ。
残りは、探索で見つけた鍵を使って未知のフロアを下見しに行く。

一度最初の広間に戻り、そこから二手に分かれて違うフロアへ進んだ。
主人公は茜とペアになって、エレベーターの先を調べに行く。
エレベーターには下に行くボタンしかない。しかしDデッキは水没しているはずだ。
表記によると、更に下にEデッキとボトムデッキがあるらしい。
主人公は二つのボタンを押して素早くエレベーターを出、降下したエレベーターを呼び戻した。
戻って来たエレベーターは全く濡れていなかった。Dより下は浸水していないのだ。
ゼロは、Dデッキだけを水で満たせるよう、船を改造したことになる。
一体、どれだけ莫大な予算を注ぎ込んでいるのだろう?
改めて2人で降りると、Eデッキには<6>のドアが、下のボトムデッキには、<2>のドアがあった。
上に戻って、サンタと八代ペアと合流する。2人はAデッキで<1>のドアを見つけていた。
87 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 02:53:03 ID:qY6BBa1X0
<3>に入ったメンバーと合流する為に、大病室に戻る。
待っていた3人は、ひどく暗い雰囲気だった。特に四葉は、虚ろな目をしている。
「ニルスが…、ニルスがな…死んでたんだ。」
セブンに案内されて、無記名のドアから現場へ行く。
<7>と<8>で開かなかったシャワー室が、<3>チームによって開けられていた。
その中には、血と人の破片が惨たらしくぶちまかれていた。
9番の男と同じ、爆死だ。狭い部屋で爆発したからか、原型を留めていない。
でも確かにニルスのジャケットである左袖から、開放骨折した惨たらしい手の残骸。
その傍らに、<2>のバングルが無傷で転がっていた。

そのシャワー室は、<3>のドアからはすぐの所で、そこにDEADがあった。
基盤を探していたあの時、誰かが持ち場を離れてニルスを殺したのだ。
犯人は少なくとも2人。それぞれとニルスのバングルで<3>を開け、ニルスだけ放りこんだ。
ドアを通って起爆スイッチが起動したニルスは、縋る思いでDEADまで辿りついたが、もちろん1人だけ認証しても、起爆は解除されない。そして81秒が立ち…

数字の組み合わせを計算すれば犯人は推測できるだろう。
でも、タイムリミットまであと3時間しかない。犯人捜しも、それを追及する時間もない。
抜け殻のような四葉を励ましながら、<1>と<6>と<2>のチーム編成をする。
89 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 14:40:53 ID:qY6BBa1X0
※ここで一度、違うルートに張られた、このEDの伏線を書きます。
このルートを先に見ないと、ベストEDは見られず、内容も関わりがあるので、大事な所を抜き出します。

■サンタの妹■
サンタが、妹についてぽろりと話す。
サンタは身寄りが無く、妹と助けあいながら世知辛い世間を生きてきた。
サンタは、妹のサンタクロースだった。毎年どんなに家計が大変でも、時間をかけて妹の望むプレゼントを用意した。
その妹はもういない。何年も前に死んでしまったのだそうだ。

■四葉の死■
ニルスの死体発見後、塞ぎ込んだ四葉を慰められず、彼女は単独行動が多くなる。
9年前の話は途中で打ち切られ、中々四葉と2人になれず数度目の別行動時に、四葉は何者かに刺殺されてしまう。

■ゼロの手紙■
四葉の死んでいた一等客室は、主人公チームが一度探索した場所だった。
その時開けられなかった金庫を再び調べると、周りに錆びが落ちていて、四葉の指も茶色く汚れていた。
四葉は、この金庫を開けたのだ。四葉のポケットにメモが入っていた。
「真実は去り、真実は去り、真実は去った。答えは弓手の闇に眠っている。」

金庫の中には、更にゼロからの手紙が入っていた。

・9年前にも一度、ノナリーゲームは行われている。
・バングルナンバー<2>は、9年前のゲームの参加者である。
・ノナリ―ゲームは、クレイドル製薬が秘密裏に行った生体実験だった。
・それを行ったのは、クレイドル製薬の社長を中心にした4人のメンバー。
・今回ノナリ―ゲームを開催したのは、9年前の首謀者に裁きを下し、当時のノナリ―ゲームで奪われた、無垢な魂を救う為である。

という内容だった。主人公は手紙を隠し、皆には秘密にする。
90 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 14:42:33 ID:qY6BBa1X0
■ニルスの生存と暗号解明■
最後の最後で、ニルスがひょっこり生還する。
ニルスは棺桶の中に閉じ込められ苦しんでいるが、ロックを開くパスワードの手がかりが無い。
焦った主人公は、藁に縋る思いで、四葉の遺したメモを読む。

「真実は去り、真実は去り、真実は去った」
真実→right→右、去る→left→左
「答えは弓手の闇に眠る」
弓手=左手、左手といえばバングル。バングルの文字盤は黒い。

会心の閃きを得て、主人公はバングルの左右のリューズを交互に操作した。
バングルの数字が明滅し、数字が幾つか表示されて5に戻った。
その通り棺桶のパネルに打ち込むと、見事棺桶が開きニルスが出て来た。
ニルスは眠らされていたらしく、浦島状態で呑気な顔。
四葉が死んだことを誰も言い出せず、そのままになる。
ニルスは、修道士のような服を着せられている。
爆死体は、ニルスの服を着ていた。あれは誰だったのか。

■一宮の正体■
主人公はふとしたきっかけで、一宮が「相貌失認症」だと気付く。

【相貌失認症】…人の顔が識別出来ない脳神経疾患。
人の顔を区別出来ず、全体の特徴を捉える事が出来ない。

気付いただけで黙っていたが、ニルス生還、ゼロの手紙、9番の男のバングルが無くなっていたことで状況が変わる。
ニルスの服の男と四葉を殺したのは一宮だ。

ニルスが別人だと咄嗟に気づかない人物は、一宮だけだ。
9番の男の「9」、一宮の「1」、男の「2」で「3」のドアを開けて男を蹴り込んだのだ。
理由は、一宮こそクレイドル製薬の社長だから。
過去の自分を知るニルスと四葉を、危険因子として排除したのだ。

そう暴き立てると一宮は豹変し、9番の男も自分がハメたと哄笑する。
一宮は紫を人質に取り、他に2人選んで「9」の扉を開けようとするが、四葉が殺されたことを知り激怒したニルスと相討ちになり、焼け死ぬ。

■茜の死■
茜は、探索中に度々倒れる。
一時的に高熱を出して動けなくなるが、数十分で収まる。
一宮に連れ去られた後、再会した時にまた高熱を出していて、そのまま息を引き取った。
基本的に茜はベスト以外の全てのEDで死ぬ。
茜の死後、拉致された時と同じ催眠弾で眠らされてしまい、そこでED。真相解明不能。
91 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 14:45:52 ID:qY6BBa1X0
※ここから、またベストEDのストーリーに戻ります。

主人公は、自分が四葉と行動できるよう、希望ドアを紙に書く投票制を提唱し、イカサマをしてゴリ押す。
結果、<1>に主人公、四葉、一宮。<6>に八代、セブン、サンタ、紫(茜)。<2>は保留になった。

<1>の先は、海図室と操舵室だった。操舵室の奥にはロックされた船長室もある。
作業分担と称して、一宮を操舵室に追っ払い、四葉と2人になる。
四葉と2人きりになって、9年前の事を聞く為、あえて茜と離れたのだ。
しかし、ニルスの死で四葉は、とても話に付き合ってくれる心境ではない。
しばらく四葉を慰めた後、操舵室へ行き一宮と船長室のロックを開いた。
すると…、中で全く知らないじいさんが死んでいた。
明らかに船長っぽい服、ご丁寧に<0>のバングルの人物が、船長室で死んでいる。
ここまでされると、逆にこの人がゼロでないことは一目瞭然だ。

一宮は海図室を調べに行き、四葉と主人公は船長室に残る。
この老人は、斧で刺されて死んでいる。
でも、凄惨な爆死体を見た後だからか、人が死んでるというショックが希薄だった。
そんな事を話していて、ニルスの左手の開放骨折のひどさを、主人公はポロリと語ってしまう。

失言だったと慌てたが、いきなり四葉が主人公の胸に飛び込んできた。
ニルスの左手は、義手なのだと言う。
「あの死体…お兄ちゃんじゃなかったんだ…!」
嬉し泣きする四葉を抱きしめながら、主人公も安堵する。

「ありがとう、淳平…。私、淳平がくれたクローバーがあったから、ここまで頑張ってこれた
本当は、「絶望」と「不信」と「憎しみ」でいっぱいだったけど、これがあったから…」
そこまで効果があるとは思わなかったので、ちょっと照れ臭い。
正直に、リーフワードはサンタからの受け売りだと告白すると、四葉が目を丸くした。
「じゃあ、サンタは私達の仲間だったんだ?!そうか…お兄ちゃんは目が見えないし、私はネヴァダのチームだったし…」
訳が分からない。
ちょうど一宮が室外へ探索に出かけているので、9年前のノナリ―ゲームの詳細を聞く。
92 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 14:49:41 ID:qY6BBa1X0
【ノナリ―ゲームの正体】
9年前、同じ<ギガント>号で、ノナリ―ゲームが行われている。
ある製薬会社が、秘密裏に行った生体実験だった。
実証しようとしたのは、形態形成場仮説という理論。

【形態形成場仮説の研究】
その実験の首謀者は、この理論を研究し次の結論を出した。
生き物には、大いなる共通の意識があり、個体の経験や発見がそこに書き込まれ、距離や時間に関係なく、別の個体もそれを読みとれる。
人類にも、それは存在する。大多数の人類がそれを読み書きする力をほぼ失っているだけである。
それにアクセスする力が強い人間も、未だ存在する。

【実験の理由】
<危機>と<閃き>の2つが、その力を飛躍的に上昇させるという仮説がある。
被験体に命の危機を与え、極限状態で謎を解かせることによって、形態形成場を立証、実用段階への一歩を踏み出す為、ノナリ―ゲームが計画された。

【18人の子供達】
製薬会社の系列下の病院を通じて、9組の兄妹が被験体に選ばれた。四葉とニルスもその中の1組だった。
これは、兄妹の片方が「書き込む力」に優れていると、もう片方は「読みとる力」が強い傾向がある為。
18人の子供達は、拉致されて2組に分けられた。
<読みとる力>が強いチームは、海上のギガント号へ。
<書きこむ力>が強いチームは、ネヴァダ砂漠の地下に作られた、ギガント号内部を完全に再現した実験施設「Q棟」へ送られた。

【9年前のノナリ―ゲーム】
ルールは、今進行中のゲームとほぼ同じだが、
・ネヴァダのチームは、もちろん水没はしない。ギガントは9時間後に沈没する。
・ギガント号のチームには、ヒントが与えられず自力で謎を解いて進むことが出来ない。
ネヴァダチームがヒントから謎を解いて形成場に答えを書きこみ、ギガントチームがそれを読みとって進んでいかなければならない。

胸糞の悪くなるような実験だ。
しかし四葉とニルスが生還している以上、形態形成場仮説は立証されたことになる。

「私は、ネヴァダのチームだったから、ギガントのことはお兄ちゃんに聞いただけなんだけど…。」
9年前、ギガント号で皆が仲間割れしそうになった時、ニルスが四葉のクローバーでみんなを励ましたそうだ。
四葉の9歳の誕生日の為に、ニルスは1年かけて四葉のクローバーを9本集めていた。
それを全員に配り、リーフワードを教えて、愛する兄妹と再会することを誓いあった。
ギガント号の子供達にとって、四葉のクローバーが結束の証になり、お守りになったのだ。

それでも、ノナリ―ゲームは1人の死者を出してしまった。
「亡くなった子は、ギガント号の子だったから、私は直接会ったことはないの。女の子だったって。」
93 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 15:00:09 ID:qY6BBa1X0
一宮が戻ってきたので、探索を再開する。
もう一つある扉のロックを解除すると、Bデッキの大広間へ出た。
<6>のチームもそこへ合流して、主人公は無事茜と再会する。
「淳平くん!見つかったんですよ、最後のドアが!」
<9>のドアがとうとう見つかった。よく抜け駆けせず戻ってきてくれたものだ。
ナンバリングドアは5人までが一度しか使えない。1345678の、全員が<9>を通る事は出来ない…。

ゲーム開始からあったこの不安は、その場に行くと一度氷解した。
礼拝堂の様な場所の正面に、大きな<9>の扉。その脇の壁にも、ちょこんと<9>の扉があった。
<9>の扉は2つあったのだ。仮に1から9まで全員が生存すれば、1+2+3+5+7=18→1+8=9、4+6+8+9=27→2+7=9
全員がすんなり通れる。
もし疑心暗鬼に陥り、ここに来るまでに殺し合っていたら、罪悪感に苛まれる。
そういうゲームだったのだ。

そして、不安は大きくなって戻ってきた。
今居る組み合わせでは、3人と4人に分かれても、片方しか数字根が9にならない。
制限時間の6時までは、あと90分ほど…。
黙りこむ皆の前に、セブンが一歩歩み出た。
「誰も突っ込んでくれねぇようだな。自分で言っちまうぜ。…俺が1人で残る。」
1+3+5=9、4+6+8=18→1+8=9
7さえ抜ければ、3人3人で扉を通れることになる。

「ここを抜けちまえば脱出なんだ。お前らが助けを連れて帰ってきてくれるのを待ってるぜ。」
そう言うが、一宮の時とは訳が違う。もう時間も少ないし、一度出たらどうなるか分からない。
全員が、セブンを置いていくことを却下した。
セブンと口喧嘩ばかりしていた八代さえ、大変な剣幕で反対する。
ちょっといい雰囲気になりかけるが、1人黙っていたサンタが口を開いた。
「俺はまだ何も言ってないぜ?」
戸惑う皆に、セブン1人置いていくのは反対だとサンタも言う。ホッとしかけたが、
「置いていくのは、3人じゃねえとな。」
サンタが突然、紫に銃を突きつけた。そのまま、一宮、八代にバングル認証するように命令する。
拒否する2人の目の前の床に、サンタは弾を撃ち込む。間違いなく実弾だ。

「なんで…?だって、だってサンタは私達の仲間だったはずで…クローバーのリーフワード、知ってるんでしょ?」
四葉の問いに、一瞬サンタの頬が引きつる。しかし冷たい態度は変わらなかった。
「認証にはバングルだけあればいい。別にお前らの体は要らないんだぜ?」
そう言って銃を構える。

主人公は、拒否する一宮と八代に向かって、「行ってくれ!俺達は俺達で何とかする!」と叫んだ。
このままでは死者が出る。それに…最悪でも茜は脱出できる…。
3人がサンタに連れて行かれ、正面の<9>のドアから出ていく。
残ったのは、主人公、四葉、セブンだ。
96 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 20:45:31 ID:qY6BBa1X0
この3人は、最初にも組んだし人柄も信頼できる、打ち解けたメンバーだ。
この先どうしようね、と顔を見合わせていると、急にドンドンとくもった音が聞こえた。
何かを内側から叩いているような音だ。祭壇の奥に、電子ロックのついた棺桶が安置されていて、その中から音が聞こえる。
中にいる誰かは、酸欠なのかもしれない。音がどんどん激しくなる。
焦るが、どこにもヒントらしきものが無い。こうしている間に中にいる人が死んでしまったら…

「真実は去り、真実は去り、真実は去った。」
雷光のように、文章が頭の中を駆けた。
全く覚えの無い、文脈も分からない文章だ。それなのに分かる。これは暗号だ
バングルのリューズを、右左と交互に操作して、表示された数列を棺桶のロックに打ち込む。
棺桶がパクリと開き、中からニルスが起き上った。

「お兄ちゃん!!!」
四葉がニルスに飛びつき、わぁわぁ泣き始めた。感動の再会だ。
ニルスは、今さっきまで眠らされていたらしく、何が何だかわからないようだが、とりあえず妹をなだめている。
時間が残り少ないが、セブンは四葉をひきはがすような無粋をする男ではない。
主人公は、先程の脳裏を駆けた文章のことを考えていた。さっぱり分からない。
改めて見ると、ニルスは修道士のような黒い衣を着せられていた。
では、ニルスの服を着て死んでいたのは、一体誰だったのか?そして船長室の老人の正体は?

四葉も落ち着いたので、一同はニルスに状況を報告し合い、先に進む算段をする。
めでたいことに、ニルスが加われば2+4+5+7=18→1+8=9で、<9>の扉を通れる。
しかし主人公は、「進む前に確かめたいことがある。四葉、ポケットの物貸してくれ」と頼む。
バレてたか、と四葉がポケットからバングルを取りだした。
船長室の老人が付けていたとおぼしき、0のバングルだ。

まず、全員自分のバングルで認証すると、<9>の扉は開いた。
そのまま通らず閉まるのを待って、今度は0のバングルと四葉と主人公で認証する。
これが本当に0なら、0+4+5=9でドアは開くはず。しかし、扉には「ERROR」と出た。
「やっぱりな。これは0じゃないんだ。」
ある組み合わせで認証し、このバングルは<6>だという答えが出た。
今までの謎ときには、頻繁に十進法ではなくアルファベットを使った進法の問題が出てきた。
つまり、これは数字の0ではなく、アルファベットのOなのだ。

では、6は2人いるのか?いや…紫(茜)の6もまた6ではなかったとしたら。
ニルスが、「彼女は9だったのではないだろうか」と言い出す。逆さまにバングルがはめられていたのではと。
「そしたら、今まで紫ちゃんが通ったナンバリングドアの計算が、めちゃめちゃになっちゃうじゃん。」
四葉は、今までのチーム分けを全て記憶していた。
紫が通ったドアのメンバーをメモ帳に書きだし、6を9に直してしまうと、

<4>9+3+5+8=25→7なので×、<8>9+3+8=20→2なので×
<6>9+3+7+8=27→9なので×、<9>9+3+1+8=21→3なので×。
97 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/20(木) 20:51:18 ID:qY6BBa1X0
ここで全員同じ事に気づく。サンタが必ず紫と同じチームになっている。
仮にサンタの数字が何なら、全ての計算式が破綻しないのか?
答えは、0。ゼロだ。
サンタがこの仮説の通りゼロだったとしたら、彼は主催者にもかかわらず、四苦八苦してゲームのルールに則っていた事になる。
しかし、だからこそ処刑や進行が自動で行われるよう、手間をかけた細工がされていたとも言える。

そろそろタイムリミットまで1時間を切った。不気味な軋みが聞こえ始めている。
一同は急いで<9>の扉をくぐり、先に進んだ。
そこは廊下になっていて、奥に星座の鍵つきのドアがある。まだ謎解きが待っているようだ。
9時間ぎりぎりで<9>を開けていたら、お陀仏になるところだった。
ここはボトムデッキ、一番底なので、最上階まで今から登る事になるのだろうか。

開けられる扉は1つ。そこは壮観な大書庫だった。
博識なニルスに助けられながら、本を使った謎を解き進んでいく。
「ギガントのへその先、知識の森を抜けた小部屋で、アリスは眠っている」
この先に、ALL-ICEがいるのだろうか…。

探索中、ニルスと2人で話す機会があった。四葉の話を補完してもらう。

【ゼロからの口止め】
ニルスは伏せていたが、渡されていた点字プレートに、9年前の事を口止めする文章があったそうだ。
口外すれば四葉を殺すと書かれていた為、念を入れて四葉にも口止めをしておいた。
結局、四葉は主人公を信頼し殆ど打ち明けてしまったが。

【9年前の首謀者】
ニルスは独自に調査し、9年前に巻き込まれた実験の首謀者を掴んでいた。
クレイドル製薬の経営者、本郷を始めとする、4人のメンバーが秘密裏に研究を進めていた。
クレイドルは、本郷が起こした会社で、即効性で副作用の少ない優秀な麻酔を開発、各国の軍需産業からひっぱりだこで、超黒字の大企業だ。

【18人の子供達】
一度に18人も子供が失踪したのだから、当然ニュースにもなった。
しかし、失踪した子供は16人と報じられた。
一組の兄妹は、気にかける大人が周囲に居なかった為、捜索願が出されず報道から漏れたようだ。
16人の子供達は無事に親元に帰り、問題も起こらず、クレイドル製薬は全てを揉み消してしまった。
だが、流石に迂闊には動けなくなったのだろう。ノナリープロジェクトは動きを見せず結局、計画は半ば頓挫し、解散状態になった。 

「亡くなったのは、その身寄りのない兄弟の妹でね。結局報道もされなかった。兄は葵、その子は茜と言った。」
一瞬世界が歪んだ。
紫は倉式茜だ。でもすぐに気を取り直す。茜なんて、珍しい名前ではない。
100 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/21(金) 18:13:43 ID:v7ZWzKbn0
書庫から進んだ先は、ごちゃごちゃと散らかった作業場の様な所だった。
今まで見てきた謎解きの仕掛けのパーツと思しき物が散乱している。ここはゼロのアトリエだろうか。
ALLICEと書かれた棺が、やはり隅に置かれていた。
謎を解いて棺を開けたが、中には先へ進める星座の鍵が入っているだけだった。

全部謎解きをすませると、ゼロの作業机の引き出しがアンロックされた。
その中には1枚の写真が入っていた。ギガント号の優美な大階段を背に、4人の男が写っていた。
その中の3人に見覚えがある。
小太りの初老の男は、船長室で死んでいた老人だ。鳥の巣頭の科学者然とした男は、最初に死んだ9番の男だ。
そして、中心でワイングラスを掲げ、不遜に微笑んでいる男。随分印象が違うが、これは一宮だ。
全員、今より10歳程若いようだ。写真の裏には、「NonaryProjectの成功を祈って 虹崎、窪田、武蔵堂とともに…」と書かれていた。
全て、ニルスの調べた9年前の首謀者の名前だ。ということは、これは本郷の持っていた写真になる。
そして、年恰好からして、本郷こそ一宮であるという事が分かった。
「声を聞いて、薄々そうじゃないかと思っていたんだ。でも証拠もないし、危険だからね。本郷は、実験の時ギガント号に乗り込んでいたから、四葉は会ってないだろう?」

主人公は困惑していた。一宮=クレイドル製薬の本郷、9年前の首謀者。
そう知っても、全く驚きが湧いてこなかったのだ。むしろ、当たり前のことを言われた気持だった。

黙りこむ主人公から、セブンが写真を取り上げて唸りだした。
ブツブツと呟きながら写真を食い入るように見ている。そして、突然叫んだ。
「大変なことになったぞお前ら!思い出したんだよ!何もかもひっくるめて全部思い出したんだ!」
積もる話があるらしいが、タイムリミットまで1時間ないので、手短に回想シーンで語ってもらう。
こちらにまとめておく。

【セブンの職業】
セブンの正体は、ベテラン刑事だった。9年前も、連続児童失踪事件を追っていた。
失踪した子供達の共通点は、同じ病院に通院歴がある事のみ。セブンはその親会社のクレイドル製薬の幹部を疑っていた。
上からは圧力があったが、一匹狼だったセブンは、タレコミのあった埠頭を1人で張っていた。
夜も更けた頃、港に車が止まり、黒服の男達が何かを船に詰め込み始めた。
あれは人間が入った袋だ…。銃を構えて飛び出そうとしたセブンの後頭部に、銃が付きつけられた。
そのままあえなく、麻酔薬を打たれ意識を失った。

【ギガント号での出来事】
セブンが目を覚ましたのは、独房の様な粗末な船室だった。
現在の状況で言うと、水没しているDデッキの下等船室辺りか。
閉じ込められ、成す術もなく二度寝していると、微かに子供達の声が聞こえてきた。
言葉は聞き取れないが、盛んに話し合いながら移動している気配が伝わって来る。
部屋中を引っくり返してベッドの下に通気口を見つけた。この先から声が聞こえる。
自慢の腕力で鉄格子をもぎ取り、中に潜り込んだ。
そこは、船内中に張り巡らされた通気ダクトのどこかだった。
セブンが通るには狭すぎるが、必死で這った。移動する子供達の声を追って…しばらく行くと、四つ這い出来る程に管が広くなり、行く先に光が見えてきた。
子供達の声がはっきり聞こえる。泣きわめいている。パニックに陥り怯えている。
鉄格子を蹴破り、穴から顔を出すと…そこは思いがけず、かなりだだっ広い空間だった。
101 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 18:15:32 ID:v7ZWzKbn0
【9のドアと焼却炉】
広く、天井がドーム状になった空間の、床から7~8mの換気口から、セブンは顔を出していた。
下には、中~小学生の子供達が9人。突然の闖入客に呆気に取られている。
「俺は刑事だ!お前らを助けに来た!」そう言ったものの、飛び降りられる高さでもない。
「ここは焼却炉なんだ!俺達、あと15分くらいで焼き殺されちまう!」銀髪の学ランが叫び返してきた。
英語だが、確かにそうアナウンスが繰り返されている。
部屋には幾つかのドアと、<9>と書かれた大きな扉が1つある。”ややこしくて説明は省くが、全部開かない”そうだ。
セブンは閃き、「ちょっと待ってろ!」泣き縋る子供達の声を後に、死に物狂いでパイプを逆走した。
人間がこんなに早くずり這いできたのか、という速度で独房まで戻り、シーツをはいでまた舞い戻る。
そして、シーツを裂いてロープを作り、床まで垂らした。
子供達は、何故か半分に減っている。「刑事さんが来てくれたから、5人は<9>を通らせたんだ。」とのこと。
さっぱり分からないが、兎に角1人ずつ子供達を換気口まで引っ張り上げた。
焼却開始まで1分に迫り、最後の1人、銀髪の少年を引き上げようとした時のこと。
「子供達がいない!!!!どうなっているんだ!?」
部屋の端のドアから、洒落た身形の男が飛び込んできた。これが9年前の一宮――本郷だ。

【狂気の本郷】
怒り狂った本郷を尻目に、急いで銀髪を引っ張り上げ、子供達を急かして通気ダクトを逆走させた。
独房へ続く管を回避し、曲がって下っていく。適当な大きさの出口を見つけて、皆で這い出た。
殺風景な通路に、「INCINERATOR」と記された物々しいドア。
子供達もここは通ったことが無いらしいが、INCINERATORとは焼却炉。さっき居た部屋の外側に出たらしい。
近くにあった非常扉を開き、非常階段を上らせる。螺旋状の長い階段だ。
小6くらいの女の子を先に登らせ、中学生らしき2人の少年と一緒に、まだ小さい女の子を連れて追う。
銀髪の小生意気な少年と、落ち着きのある盲目の少年だ。
しばらく登った時、銀髪が不審がり始めた。「おかしいな…いくら走っても茜に追いつかない。」
先頭を走っていた、おっとりした少女だ。彼の妹らしい。
「あいつ、本当はネヴァダのチームなんだけど、手違いでこっちに送られたんだ」
途中のフロアへの入り口で休んでいたのを、追い越してしまったのかもしれない。
小さな女の子を先に行かせ、セブンと銀髪は階段を引き返した。盲目もついてくる。
一番下まで下ると、茜が本郷にひきずられていくのが見えた。
飛びかかろうとしたが数秒遅く、本郷は茜を連れて焼却炉に入り、ドアをロックした。

【茜】
男3人はドアにへばりついた。
18分後に焼却を開始する、とアナウンスが告げている。
中は見えないが、茜の声は聞こえる。本郷は、茜を置いて反対側のドアから外へ出たと言う。
「お兄ちゃん…!怖いよぅ…!怖いよぅ……!死にたくない…死にたくない…」
「待ってろ茜!すぐ助けてやるからな!!」
そうは言っても、どうしたらいいのか全く分からない。
茜の泣きじゃくる声を聞きながら、男3人はただただ焦ってドアの前を右往左往する。
そして、何も出来ないまま18分がたった。
どれだけ待っただろうか。自動でロックが開き、3人は焼却炉の中に転がり込んだ。
呼吸する度に肺が焼けていきそうな熱気の中、部屋の中央に、少女の形の黒い塊が転がっていた。
その傍らに、銀髪が崩れ落ちた。
102 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 18:18:14 ID:v7ZWzKbn0
セブンはそこで思い出話を打ち切った。ニルスにとっては辛い過去、四葉には兄に聞いた話の補完だっただろう。
主人公は、決死の思いで聞いた。
「その…『茜』って子の名字を教えてくれ…。」
不審げにセブンが答える。「倉式だよ。倉式茜――それが亡くなった子の名前だ。」

主人公は、ショックでしばし呆然とする。
その間に、ニルスとセブンが時間差で再会を祝う。
そして、記憶の戻ったセブンによって、サンタが茜の兄の倉式葵であると確認された。
間違いない。サンタが「ゼロ」であり、偽ニルスを含めた殺された3人は9年前の首謀者だ。
残る本郷は一宮。直接3人に手を下したのも彼だろう。本郷にとって、ノナリープロジェクトは消したい過去に変わっていた。
彼が3人を殺すよう、ゼロが誘導し仕向けたのだ。

そこまで話した時、船が大きく揺れ、水音が聞こえた。タイムリミットが来てしまったのか。
見つけた鍵で扉を開き、先へ急ぐ。
「INCINERATOR」と書かれた扉の前へ出た。ここは焼却炉の入口で、四葉もニルスも前回の最後に通った場所らしい。
レバーを引いて扉を開け、中に踏み込む。
目を引くのは大きな<9>の扉。その前に、先に行った4人が居た。

一宮がサンタから銃を奪ったらしい。サンタは腹を押さえて苦しげに呻いている。
紫は高熱を出しているらしく、赤い顔でグッタリと壁にもたれている。
八代は一宮に抱え込まれ、銃を突きつけられていた。
一宮に、9年前のノナリープロジェクトの事を突きつける
「お前らに俺の苦しみが分かるか!?」と一宮は吼えた。
「相貌失認症の苦しみか。」
主人公の呟きに、一宮が驚く。一宮は何もボロは出していない。
だが主人公には分かっていた。一宮が相貌失認症を患っていること、3人を殺した手口。
何故分かるかはどうでもよかった。兎に角知っていた。

一宮はまだ勝り誇り、9のバングル、自分と八代で<9>の扉を開こうとした。が、開かない。
1+8+9=18→9で計算は合っているのに、何度認証してもエラーになる。
焦った一宮は、銃を足元に置き、REDに掛かり切りになる。
その隙を逃さず、セブンが一宮をぶん投げた。

主人公は、一宮―本郷が、かつての仲間3人を殺した事を暴く。
9番目の男を、「1人でも通れるようデバイスの設定が変わっている。あとで<5>の先で落ち合おう」
そう言って騙し、爆死させた。
船長室の老人は、主人公と四葉が話し込んでいる隙に、一度謎を解いて船長室に入り、殺した。
偽ニルスは、9番の男から落ちたバングルと、自分と偽ニルスで<3>を開き、中に蹴り込んだのだ。

一宮は、全て認めた。最初に目覚めた時、ゼロからの手紙が一宮にも届いていた。
「船長室にあるビデオカメラの前で、9年前自分の犯した罪を告白しろ。それは全国にネット配信される。そうすれば、お前をこの船から出してやろう。船長室に、1人証人を用意しておいた。彼にも併せて証言を頼むといい。」そう書かれていた。
だから一宮は、9年前を知る証人を殺そうと、それを念頭に置いて行動した。
そして老人も偽ニルスも、殺して下さいと言わんばかりに、麻酔で朦朧とした状態だったと言う。
105 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 21:19:20 ID:v7ZWzKbn0
「一宮ももう気付いているんだろう?お前はそう誘導されていたんだ。そうだろ?サンタ。いや、ゼロ。お前は、9年前の復讐の為に、今回のノナリ―ゲームを計画したんだ。」
サンタは笑い、また銃を掬い取って皆に突きつけた。そして、2つ訂正点があると言った。
「確かに俺は9年前の参加者、倉式葵だ。それは認める。だが俺はゼロじゃない。確かにゼロの協力者であり、参謀だが、ゼロじゃない。もう一つ、復讐だけの為にこんな事をした訳じゃない。これは<救済>だ。一つだけあるのさ。妹を…茜を救う方法が。」
では、誰がゼロなのか?主人公は、茜を振り返った。
いない。壁にもたれていたはずの茜が、忽然と消えていた。

サンタは、ノナリープロジェクト研究の要点を念押しする。
人物QからAに、物理的な接触を持たずに、情報を伝えること。
人間にだけ認識しうるフィールドを介して、送信者が受信者に情報を伝えること。
「茜は、本来ネヴァダQ棟に送られる筈の送信者だった。だが手違いでこっちに来ちまったんだ。もう分かるだろ?淳平。何故お前は一宮が相貌失認だと知っていた。どうやってニルスの棺を開けた?」
どうして、自分はそれを知っていたのだろう。知る筈の無い情報を。

それは<私>が知っていたから。
<私>が形成場に書きこんだ情報を、彼が受け取っていたからだ。
情報は、常に過去から未来へと流れる。過去にいる人間は、未来の事を知ることは出来ない。
時間は、例えると川だ。二股になった川を思い浮かべて欲しい。人の字を見てもらうと分かりやすい。
川上の人は、川下に流れる物を知る事は出来ない。また、2つに分かれた川下同士の人も、互いの事は分からない。
でも、<私>にはその全てが分かる。形成場を通じて見ることが出来る。
では、私とは誰か?
私は。アルファベットの9番目の文字であり、<ゼロ>でもある。
いや、ゼロ未満と言うのが正しいだろう。今から9年後の未来に、私は<ゼロ>に成るのだ。

<私>は見ていた。彼の視界、彼の思考、彼が知覚する全ての事を。
私の目の前の現実と、彼の目の前の現実、二つは並行し、どちらも認識できた。
私は時間を越えて、彼に完全にシンクロしていた。
9年後の淳平くんの世界に。

今から約9時間前、この船が一部爆破され、沈没へ向かい始めた時、シンクロは始まった。
私は今、螺旋階段を上へ走っている。
焼却炉で行き詰ったところを、刑事さんが助けてくれて、今先頭を走って逃げている。
お守りを握りしめようとして、それが無い事に気付いた。
卒業式に淳平くんがくれた人形。私のお守り、宝物。
通気ダクトの中ではあった。這い出た時に落としたのかもしれない。
どうしても取りに戻りたい。途中のフロアの入口に隠れてお兄ちゃん達をやり過ごし、急いで階段を下りた。
思った通り、人形は非常扉の前に落ちていた。拾って急いで階段に戻ろうとしたら、誰かに掴まれた。
「よく戻って来たねぇ。さぁ、実験をやり直すんだ!!」
109 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 23:14:16 ID:v7ZWzKbn0
本郷は私を焼却炉に引きずり込み、自分は反対の扉から出て行った。
18分後に焼却を開始する、とアナウンスが始まった。
怖くて怖くて、涙が溢れてきた。お兄ちゃんの声が扉の外から聞こえる。
動揺して、淳平くんとのシンクロは途絶えてしまった。

焼却炉の中央に、床から機械がせり出してきた。
寄ってみると、画面の中の気の遠くなるような升目に数字が羅列されている。

「俺はサンタクロース。あいつの願いを叶えてやるのさ。」
苦悶する主人公と、不安げな仲間を置いて、サンタは一宮を引き摺って焼却炉を出て行った。
そして、機械音が響き、程なくしてアナウンスが始まった。
あと18分で、焼却を開始すると言う。
<9>の扉のREDの表示が消え、中央に何かタッチパネルのついた機械がせりあがってきた。
この問題を解けば、<9>の扉が使用可能になるようだ。

扉の窓から、本郷が覗いていた。この問題を解けば、<9>の扉が使用可能になると言う。
扉の前に、2つのバングルが置かれていた。私の数字と併せれば、扉を開いて出られる。
でも…私は中学に上がったばかりだ
「こんな難しい問題、解けません!!」
「そーんなことはわかっている!形成場にアクセスして、答えを読みとるんだな!!」
できない、読みとれない、何も見えない。
怖くて集中できない、問題はどうやって解くのかすらわからない。
タッチパネルのガラスに、泣きじゃくる私の顔が映っている。
足がガクガク震える。手に汗がじっとり滲む。
お守りの人形を握りしめて祈った。助けて淳平くん、助けて…淳平くん、淳平くん…


声が聞こえた。茜の声だ。
主人公は立ち上がり、声を張り上げる「茜!茜!!返事をしてくれ!!」
四葉とニルスは寄り添い、主人公を見守っている。セブンと八代は、気味悪そうに遠巻きにしている。
それでいい。誰かに声をかけられたら、この細い糸が切れてしまう。
やがて徐々に強く、茜の返事が返ってきた。
茜の目の前にも、全く同じ機械と問題があるらしく、それを解けば出られると言う。
全てはこの瞬間に辿りつく為に、緻密に計画され用意されたものだった。
紫は、ゼロは、茜は、9年前に垣間見た未来を再現する事によって、自分を救おうとしたのだ。
茜とシンクロを保ったまま、主人公は最後の問題に挑む。
茜は、主人公の視界とシンクロし、彼の指の動きをなぞり、ただただ主人公を真似て数字をタッチしていった。
最後の升目に数字を入れ終え、Enterを押した。
警告音が止まり、焼却を中止したことを知らせるアナウンスが流れた。


「淳平くん!焼却が止まりました!!外に出られます!!」
茜からの返事に、主人公は安堵した。
「よしっ早くそこから出るんだ!こっちはちょっと立てこんでるから、いったんシンクロを中断させてくれ!」
さて、主人公は四葉とニルス、完全に引いてる八代とセブンに向き直る。
こちらもさっさと脱出しなくては。力強くEnterを押した。
しかし、「Incineration will start in 90seconds.」無情なアナウンスが流れる。
<9>の扉は使えるが、焼却が止まらない。
でも、この5人では数字根は<9>にならないし、何より、先程一宮は数字根9で扉を開けられなかった。
110 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 23:15:35 ID:v7ZWzKbn0
もう時間が無い。カウントダウンが始まった。皆焦り、考えがまとまらない。
気になる事が1つある。問題は解けたが、画面下に、2+4+5+7+8=?という数式が残っているのだ。
全部足すと、26だ。26、26といったら…目の前の、叩きつけるように書き殴られた<9>と見比べる。
「この船のどこかにある、<キュウ>の扉…」最初のゼロのアナウンスが脳裏を過り、主人公は叫んだ。
「全員REDに認証しろ!!急げ!!!」

訳の分からないまま皆REDに飛びつく。
5、2、4、7、8。全員認証すると扉は開いた。飛び出し、DEADに認証し、へたり込む。
新たなノナリ―ゲームで、ゼロは最後に一ひねり利かせてきたのだ。
あれは、9でなく「q」だった。
9まで進むとaに切り替わる、「進法」の謎解き。今までにやけに多かった問題のパターンだ。
qに対応する数字は、26。
最終的にどのメンバーが残るか計算し、全員出られるように数字を対応させたのだろう。
達成感に満たされる。茜に呼びかけてみたが、もう返事は帰ってこなかった。

茜が<9>の扉を通った先には、兄の姿があった。
その胸に飛び込み、顔を擦り付け、泣いた。今ここにいる奇跡を思った。
ライト(彼は9年後ニルスと呼ばれることになる)と刑事(こちらはセブン)は、突然現れた茜に仰天している。
一同は、もう一度螺旋階段を目指して駆けだした。


ぐるぐると登る、登る、息が切れ心臓が破裂しそうになってもまだ登る。
やがて主人公達は、一枚の頑丈なハッチへ辿りついた。
取っ手を掴み、ぐるぐると回して開ける。

茜は、あまい安らぎに包まれていた。茜達9人の子供を乗せた救助艇を、巨漢の刑事が力強く漕いでいる。
沈んでいくギガントの輪郭が、遠ざかっていく。悪夢の船は、海の中へ轟音と共に呑みこまれていった。
「終わったな。」兄が囁く。頷きかけたが、茜は知っている。
これは終わりではない。9年後に起きる出来ごとの始まり。序章なのだ。


主人公達は、ハッチを開けて外に飛び出した。
眩しさに視界が真っ白になる。照りつける灼熱の太陽、一面の乾いた大地。
「Q棟だったんだ…。」
沈没などしなかったのだ。皆の足もとに、一斉にバングルが落ちた。
主人公は、それを拾い上げ、裏ぶたを開けてみた。そこには一片のICチップがあるだけ。
爆弾の起爆装置なんて、どこにも見当たらなかった。
111 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 23:16:58 ID:v7ZWzKbn0
【エンディング】
ネヴァダの大いなる荒野、その道なき道を、一台の車が疾走する。
この大型SUV車は、実験棟の脇にキー付きガソリン満タンで停められていたものだ。
後部座席には、男3人が詰め込まれている。助手席には八代、ノリノリでハンドルを握るのは四葉だ。
国際免許を持ってる野郎がいないんだから仕方ない。
道しるべは、実験棟から伸びる一筋のわだち。その先を、サンタと紫―葵と茜が走っているはずだ。

10年前の記憶。猫にガソリンをかけていた中学生達から、茜は猫を助けようとした。
反対に絡まれ、主人公が助けに入り、中学生に闘いを挑んだ。
ボコボコにされても、主人公は逃げなかった。一人一人殴りつけていった。
そいつらが、茜の可愛がっていた学校のウサギを殺したと分かっていたから。
乱闘の後、夕日の丘で、茜と主人公は並んで腰をおろし、寄り添っていた。
主人公は、茜に人形を渡した。「ブドウ人形のグレープ君だ。」
「淳平くん、それってブードゥー人形だと思いますよ。タイのどこかの部族のお守りです。」
茜は喜んで受け取る。ブドウじゃないけど、紫色だからやっぱりグレープ君だ。
中学に進むと、2人はあまり会えなくなる。違う中学に進むからだ。
「だから、それ、やる。」
「うふふ、その言い方、淳平くん部族の頭領みたい。」
「ソウ、オレ、トウリョウ。ウソ、ツカナイ。
コレ、ワガブゾクニツタワル、デンセツノオマモリ。コレアレバ、イツデモ、イッショ。
コマッタコトアレバ、ソレヲニギッテイノレ。オレ、イツデモ、ドコデモ、カケツケル。」
「ありがとう、淳平くん…」
茜の瞳から涙が零れ、グレープ君に浸みこんでいった。

回想から覚め、荒野を疾走する車内で、淳平は幾つか残る疑問を考える。
まず、一宮がノナリープロジェクトを計画した動機は何か?
これは聞けば済むことだ。トランクには、元から一宮が簀巻きにされて放りこまれていた。
後ろを覗きこみ、一宮の口のガムテを剥がして聞いてみる。
「私は、顔を…人の顔を見てみたかっただけだよ」
成程。続きが長くなりそうだったので、もっかいガムテを貼る。
もう一つは、紫=茜の正体だ。
彼女は9年前に焼却炉で死んだ筈だ。では、どうやって紫として存在できたのか?
それは、主人公が焼却炉でシンクロして過去の茜を助けたからだ…。…それはいいとしよう。
すると、1つの矛盾が起きる。
112 :極限脱出9時間9人9の扉:2011/01/21(金) 23:21:01 ID:v7ZWzKbn0
ニルスはいい。目が見えないから、焼却炉の中に何があったか、彼は見ていない。
だがセブンは、焼却炉の中に茜の焼死体を見たと言った。
そこに焼死体があったなら、歴史に矛盾が生じてしまうことになる。
1つだけ合理的な解がある。
セブンの都合のいい記憶喪失、絶妙なタイミングの記憶回復、そしてこの矛盾を一度に解決する答えが…。
隣のセブンを見ると、彼はどこか満足げな表情を浮かべていた。

「ねぇ、誰か立ってるみたい!」
四葉が示し、前方を見ると、一つの人影があった。
白いエジプト風の衣装を纏った、セクシーな女性がヒッチハイクを求めて親指を立てている。
彼女は何者なのか。
主人公がそれを知るのは、もっと後の話である。

【完】

終盤の超展開がややこしい。主流の解釈は以下のようです。

茜は9年前に死ぬはずだったが、淳平とのシンクロで死を回避した。
だから、9年後その時に見た光景を寸分違わず再現しなければならない。
兄と共に、打ち捨てられたネヴァダのQ棟を使いノナリ―ゲームを作り上げた。

紫は、9年前の生存可能性から遠ざかるほど高熱(焼死の影響?)を出すようになり、焼却炉のシンクロ再現が不可能になると死亡するようです。
あと、最後のエジプト女性は、砂漠の熱気で溶けて蘇生した「Allice」らしいです。
以上です。
113 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/22(土) 00:13:40 ID:JN++SwWE0
乙です。面白かった。
製薬会社の巨大実験とか死ぬはずの人間を助けるためとか、Ever17思い出すな。

ところで、
淳平はシンクロの為、
一宮と船長と9の人とニルスの服を着ていた人は復讐の為、
サンタと紫とセブンは首謀者&協力者、
ニルスと四葉は一宮が他の人を殺すように誘導する為?だとして、
八代さんはどうして今回のノナリーゲームに呼ばれたんだろうか?
彼女だけ今回の事件で関係するところがないように思うのだが、まさか数合わせ?
114 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/22(土) 00:23:52 ID:fom64jGj0
>>113
八代さんはマジで1人だけ無関係みたいです。
終盤、「9年前」を当たり前の顔でやりとりする一同に、「だから9年前って何なのよ!?」ってキレてました。

倉式兄妹的には、シンクロで見えた人を全員かき集めなきゃなんねぇし、制作陣的にはPCスキルがバリ高かつ拉致できそうな脇の甘さっていう人材だったんではないかと。
115 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/22(土) 00:49:11 ID:haeokW490
うろおぼえで申し訳ないんだけど、八代の娘が9年前の実験に参加してなかったっけ?
んでもって八代はそのことを知らなかったような…
116 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/22(土) 01:16:10 ID:fom64jGj0
>>115
えっそうだったんですか!!すいません多分そうです!
セブン記憶回復の時に八代がいるルートをやってないので、そこで判明するのかも。
そういえば、9年前の子供達の中に、同じ髪色でモブ顔じゃない子がいました。
117 :ゲーム好き名無しさん:2011/01/22(土) 02:16:51 ID:JN++SwWE0
>>113だけど、聞いといて何ですがwiki行ってきました。
八代さんの双子のお子さんが過去に参加しているようですね。
でも彼女自身は知りたくても事件のことを知らされることはなかった、と。

シナリオ書いた人インフィニティシリーズの人と一緒だった。そりゃ手法が似てるはずだ。
というかその人が書いてるから興味持ってたんだった。すっかり忘れてた。
アリスの話とかにも他に面白そうな解釈があるみたいだし、こういうの好きだから今度買ってこようかな。ありがとね。





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