HEAVY RAIN -心の軋むとき-

HEAVY RAIN -心の軋むとき-

part56-47~58


47 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:32:24.27 ID:1n0GaGfm0
HEAVY RAIN -心の軋むとき-を投下します。

※このゲームは「ゲームオーバーがない」という仕様の為、途中のイベントを失敗しても物語が進むようになっています。なのでイベントの結果によっては、以下の流れと違う展開になる場合があります。

イーサン・マーズは妻グレイスと二人の息子ジェイソン・ショーンに囲まれ、幸福に暮らしていた。
しかしある日買い物に出かけた時、イーサンがジェイソンから目を離した為に、ジェイソンは車に跳ねられて死んでしまう。イーサンもジェイソンを庇おうとして共に車に跳ねられ、意識不明の重体に陥る。
二年後、ジェイソンの死が原因でイーサンの家庭は崩壊し、妻とは離婚。ショーンは両親に交代で預けられる生活を送っていた。
イーサンは息子を失ったショックを引きずっており、しかも事故に遭って以降、度々原因不明の頭痛に苛まれる様になっていた。
その頃、巷では『折り紙殺人鬼』と呼ばれる、少年ばかりを狙った連続殺人が起きていた。

私立探偵のスコット・シェルビーは、折り紙殺人の捜査を遺族から依頼され、調査の為に被害者遺族の一人、ローレン・ウィンターを訪問する。
息子を失った傷が癒えないローレンは、最初はスコットを拒絶するが、スコットの説得に応じて死んだ息子の事を語り始める。ローレンの夫はどうしたのかとスコットが尋ねると、息子が誘拐されてから行方を眩ましたとの事だった。

FBI捜査官のノーマン・ジェイデンは、折り紙殺人鬼の事件を捜査しに派遣される。
地元警察のカーター・ブレイク刑事に挨拶するが、よそ者のジェイデンは明らかに歓迎されていなかった。
ジェイデンはFBIの最新捜査機器ARIとプロファイリングにより、単独で捜査を進めていく。
折り紙殺人の特徴は、
「犯行は雨の多い秋に起こる」
「被害者は10歳前後の少年」
「3~5日間生かした後、雨水で溺死させる」
「死体に折り紙で作った仔犬と蘭の花を添える」
といったものであった。

イーサンは事故から生還してから精神科医に通っていたが、カウンセリングを受けてもイーサンの自責の念は消えない。
ショーンもまた打ち沈み、学校生活がうまくいっていない様子だった。イーサンは、ショーンの為にも立ち直らなければと考える。
公園で遊ぶうちに元気を取り戻していく二人だが、ショーンをメリーゴーランドに乗せてやった時、イーサンを例の頭痛が襲う。
意識が混濁し、ふと気づくと、イーサンは雨の降る道路のど真ん中に立ち尽くしていた。
混乱しながらもイーサンはショーンを探すが、姿が見えない。呆然とするイーサンがふと自分の右手を見ると、そこには折り紙で折られた仔犬が握りしめられていた。
ショーンは、折り紙殺人鬼に誘拐されてしまったのだ。

48 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:34:39.93 ID:1n0GaGfm0
警察署で折り紙殺人事件の分析をした直後、ジェイデンを発作が襲う。
実は、ARIの使用に必要な薬には副作用があった。薬を使わないと正気を保つ事が難しいが、薬を使い続けると身体が蝕まれていく。薬を使いたくないジェイデンは、何とか自分を奮い立たせる。
回復したジェイデンは、ブレイクと共にイーサンの事情聴取を行う。
警察署に駆けつけたグレイスは、またしても息子から目を離したイーサンを責めた。

スコットは被害者遺族の一人が経営する雑貨店を訪れ、話を聞こうとする。
被害者の父親である店主はスコットを拒絶するが、そこへ突然、強盗が乱入。スコットが強盗を撃退すると、店主は心を開いてくれた。
店主はスコットにある箱を渡した。箱の中身を確認すると、折り紙で折られた動物などが入っていた。
店主によると、息子が誘拐された後に謎の手紙が送られてきて、その手紙で指定された場所にこの箱があったのだという。しかし、箱の中身の意味するところは店主には解らなかった。
スコットは礼を言い、箱を持って店を立ち去った。

新聞記者のマディソン・ペイジは、自宅で悪夢から目を覚ました。
ひとまず気分を落ち着けようとしたが、いつの間にか部屋に侵入していた暴漢たちに襲われる。
マディソンは暴漢たちと激しくもみ合い、首をかき切られた……ところで、本当に目が覚める。
彼女は慢性的な不眠症に悩まされていたのだった。

事情聴取を終え、家に引きこもるイーサン。家の外にはマスコミが押し寄せていた。
家に届いていた手紙をチェックしていると、折り紙殺人鬼からのものと思われる手紙が見つかる。イーサンは、手紙で指定された駅のコインロッカーへと向かった。
しかし駅の人混みは、ジェイソンを亡くした日のショッピングモールを思い出させた。イーサンは気分が悪くなってその場に倒れそうになるが、ジェイソンの幻を見つける。幻の後を追ううち、気づけばイーサンはコインロッカーの前に立っていた。
指定された番号のロッカーの中には、箱が入っていた。
モーテルの一室でイーサンが箱を開いてみると、中には折り紙で折られた動物と、拳銃と携帯電話、携帯に接続するカードなどが入っていた。
携帯にカードを接続してみると、画面にショーンの姿が映る。ショーンはどこかの排水溝に閉じ込められ、水が溢れそうな中で助けを求めていた。
すぐにショーンの姿は映らなくなり、代わりに画面に文字が映し出される。
『愛するもののために あなたは命をかけられますか?』

49 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:37:50.03 ID:1n0GaGfm0
ジェイデンは警察署長たちの前で事件を分析する。
犯人は白人、30~45歳。犯行は緻密な計画に基づいている。殺人の動機は怨恨ではなく、被害者の少年たちは単なる象徴に過ぎない。
理論的に犯人を捜し当てようとするジェイデンは、頭の固いカーターと捜査方針を巡って口論になる。
ジェイデンとカーターは、第一容疑者のナサニエル・ウィリアムスという男に会う。カーターはナサニエルを煽って自白させようとするが、興奮したナサニエルは妄想に囚われ、カーターに拳銃を突きつける。ジェイデンはナサニエルを説得し、銃を下ろさせる。
性格が悉く食い違うジェイデンとカーターの対立が、より一層深まった。

スコットは折り紙殺人鬼の被害者遺族、ボウルズ夫人の自宅を訪ねる。
息子を亡くして自殺未遂を起こしていた夫人を介抱し、話を聞く。息子の誘拐後、彼女の夫は姿を消した。夫人は残った幼い娘を一人で育てる事に限界を感じ、自殺しようとしたのだという。
ボウルズ夫人から夫が残していった携帯電話を貰い、スコットは去った。

折り紙殺人鬼がイーサンに与えた試練は、「高速道路を一定距離逆走する」というものだった。
イーサンはショーンを救うため、自分の命を賭けて車を走り出させる。
何とか成功させたものの、車は大きく滑って転倒し、道路脇に投げ出されてしまう。
重傷を負いながらもイーサンは次の指示を受け、その場を立ち去った。

マディソンはどうしても自宅で眠れない為、モーテルに部屋を取る。
モーテルの廊下で彼女は、怪我をしたイーサンと出会う。痛みで歩く事もままならないイーサンは、マディソンに頼んで自分の部屋へと連れて行ってもらう。
そこでマディソンは、イーサンが持っていた折り紙の仔犬を見てしまう。イーサンが折り紙殺人鬼と関連ありと睨んだ彼女は、彼に興味を持ち、職業を写真家と偽って自己紹介する。
しかしイーサンは次の試練があるため、礼もそこそこにマディソンを部屋から追い払った。

ジェイデンはカーターと共に新たな被疑者、ミロソラフ・コーダに話を聞こうとする。
コーダは後ろ暗いところでもあるのか、刑事と見るや逃げ出したが、長い逃走の末に追いついたジェイデンに逮捕された。

50 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:38:49.06 ID:1n0GaGfm0
スコットは自宅兼事務所で一時の休みを取りながら、警官だった頃の写真を眺めていた。
そこへローレンが訪ねてきて、調査を手伝わせてほしいと言い出す。
渋るスコットだが、ローレンの頑固さに負けて彼女の頼みを引き受ける。
ローレンは新しい手掛かりとして、夫が受け取ったらしい手紙を見せる。手紙には古いタイプライターが使われており、それが手掛かりになりそうだった。
スコットはローレンを連れ、ゴーディ・クレイマーという青年を訪ねる。スコットの調査によると、ゴーディが折り紙殺人の被害者の一人を車に乗せていたらしい。
しかしゴーディは証拠がないのをいい事に余裕たっぷりの笑顔を浮かべ、「俺が折り紙殺人鬼だ」とまで言い放ってみせる。
クレイマー家は地元の名士であり、スコット一人ぐらい容易に潰せる立場だった。

イーサンは次の試練に赴く。
無人発電所で、ガラス片が撒かれたパイプ内を這い回る。パイプ内には「先客」と思しき死体があった。殺人鬼の試練に挑んだ者達は他にもいたらしい。
パイプを潜り抜け、高圧電流の流れる迷路を突破し、次の指示を受ける。

マディソンがイーサンの部屋を訪ねると、更にひどい重傷を追ったイーサンが寝ていた。マディソンは彼を手当する。
イーサンは彼女の心遣いに感謝するが、試練の事を知られる訳にもいかず、次の試練へと向かった。

グレイスは警察署でカーター達に、イーサンの頭痛の事を話していた。グレイスは、イーサンこそが折り紙殺人鬼ではないかと疑っていたのだ。
ジェイデンとカーターは、イーサンの担当医に事情を聞く。医者はプライバシー保護のため口を閉ざすが、カーターは医者を殴りつけて脅す。
ジェイデンがカーターを咎めたところで、医者はある物を見せた。イーサンが以前ポケットから落としたのを、こっそり拾っておいたのだという。
医者が見せたものは、折り紙で折られた仔犬だった。

スコットはゴーディの父、チャールズ・クレイマーに呼び出される。
クレイマーは紳士的な態度でスコットを脅しつけ、事件の調査から手を引くよう迫るが、スコットは怯まなかった。

51 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:42:31.85 ID:1n0GaGfm0
古いアパートに向かったイーサン。彼に与えられた次の試練は、自分で自分の指を一本を切断することだった。その場にあった道具を使い、イーサンは指を切断する。
あまりの激痛とショックですぐには歩けない状況だったが、イーサンは折り紙殺人の重要参考人として指名手配されており、警察が向かってきていた。
マディソンがイーサンの逃亡を助けようとするが、失敗し、イーサンは警察署に連行される。
ジェイデンは苦悩した。彼の目に映るイーサンは、折り紙殺人鬼ではなく、息子を助けようと足掻いている父親にしか見えなかったからだ。
だが、頑迷なカーターがジェイデンの言葉に耳を貸す事は最早ない。
ジェイデンは迷った末、イーサンをこっそりと警察署から逃がしてしまった。

スコットはタイプライターの事を調べるため、ローレンと共に知り合いのマンフレッドの店を訪れる。
地元で古いタイプライターの修理部品を持っているのはマンフレッドだけであるため、犯人はマンフレッドの客である可能性が高かった。
しかし、スコット達が目を離した隙にマンフレッドが店の裏で撲殺されてしまった。しかも犯人によって警察に通報されていた。
駆けつけてきた警察に見つかれば、事情聴取を受けなくてはならない。ショーンの命が残り僅かである以上、無駄な時間を浪費する訳にはいかなかった。スコット達は店内の証拠を消し、マンフレッドの顧客名簿を持って立ち去る。
自分たちがいる店内で、殺人鬼はマンフレッドを殺してのけた。いずれは殺人鬼と対決する事になり、そうなればローレンも危険な目に遭う。
スコットはローレンを事件から降ろそうとするが、彼女の心を変える事は出来なかった。

イーサンに与えられた次の試練は、ある麻薬の売人を射殺する事だった。
麻薬の売人なら罪悪感も薄れるかと思いきや、売人は涙ながらに自分の娘たちの写真を見せて、命乞いをする。
しかしイーサンはショーンの事を思い出し、目を背けつつも売人を射殺した。

マディソンは、イーサンが呼び出された古いアパートを調べ、アパートの持ち主であるドクターの自宅を訪ねた。
ドクは明らかに怪しい男であったが、マディソンは油断してドクに気絶させられる。
気がつくと、彼女は地下室に拘束されていた。
ドクは電気ドリルでマディソンに襲いかかり、二人は激しくもみ合う。
結局ドクは返り討ちに遭い、ドリルで腹を貫かれて息絶えた。

52 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:44:04.47 ID:1n0GaGfm0
ジェイデンは車の解体業者のジャクソン・ネビル、通称マッドジャックの店を訪ねる。ショーンの誘拐現場近くで目撃された怪しい車を調べるうち、マッドジャックが捜査線上に浮かんできたのだ。
ARIで探している車が店にあった痕跡と、蘭の花粉を見つける。折り紙殺人鬼の車と見て間違いなかった。
しかし、マッドジャックは不意をついてジェイデンに襲いかかる。辺りは人気がなく、マッドジャックは本気でジェイデンを殺すつもりだった。
ジェイデンは彼を取り押さえる事に成功するが、その時、薬の発作に襲われる。
薬を使いたくはなかったが、使わなければこの状況下では殺される。ジェイデンは薬を使って発作を抑え、マッドジャックを逮捕する。

スコットとローレンはマンフレッドの名簿を組み合わせて調べるうち、「ジョン・シェパード」という名前に行き当たる。
だがジョンは、30年も前に幼くしてこの世を去っていた。
シェパード家は父・母・ジョンとその双子の弟の四人家族であったが、兄弟が近所の建築現場で遊んでいる時、ジョンが水路にはまって溺死してしまったのだ。
ジョンの死後、ジョンの両親は親権を剥奪され、ジョンの弟は養子に出されたという。弟の名前は不明だった。
ジョンの墓には、折り紙で折られた仔犬が供えられていた。
折り紙殺人鬼はジョンとどういう関係なのか。ジョンの双子の弟は今どうしているのか。色々な疑問が湧く。
スコット達が墓地を去ろうとした時、遠くから入れ違いにやって来たのはチャールズ・クレイマーだった。二人はこっそりと様子を伺う。
クレイマーが花を供えていたのは、ジョンの墓だった。

マディソンはドクの家で得た情報から、クラブ「ブルー・ラグーン」を訪れる。
彼女は情報を得るため、オーナーのパコ・メンデスに近づく。クラブの奥に連れ込まれ性的な意味で危ない目に遭うが、マディソンはパコを脅しつけ、折り紙殺人鬼の情報を得る事に成功する。
悠々とクラブを立ち去るマディソンと入れ違いに、ジェイデンがパコを訪ねる。だがマディソンが帰ってからジェイデンが来るまでの僅かな間に、パコは折り紙殺人鬼に射殺されてしまう。
殺人鬼は自分の連絡先が記されていると思われるパコのアドレス帳と持ち去るが、ジェイデンと出くわす。
ジェイデンは殺人鬼ともみ合うが、薄暗い部屋だった為、相手の顔を確認出来ないまま取り逃がしてしまう。
ARIで部屋の証拠を調べると、犯人の銃や蘭の花粉、ガソリンスタンドのレシート、それにマディソンの指紋が発見される。
また、偶然にもARIに、ジェイデンが犯人ともみ合う一部始終が録画されていた。

53 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:46:36.41 ID:1n0GaGfm0
モーテルの部屋に戻ったイーサン。彼に与えられた試練は残り一つになった。
息子を救う為とはいえ、人を殺してしまった事にイーサンは苦悩する。
折り紙殺人鬼は試練を通して、イーサンのショーンに対する愛情を試しているようだった。イーサンは、折り紙殺人鬼の正体は自分自身の別人格なのではないか……と考えていた。
だがマディソンはイーサンの無実を信じ、彼を励ます。やがて、どちらからともなく二人は抱き合い、体を重ねた。
寝息を立てるマディソンを残し、イーサンは最後の試練に向かおうとする。だがマディソンの持ち物を見て、彼女の正体が記者だと気づく。
騙されていた事に怒り、イーサンはマディソンを責めた。しかしマディソンは単にスクープ目当てでイーサンに近づいた訳ではなく、イーサンが息子を必死で救おうとしている姿に心打たれたのだと言う。イーサンはマディソンの嘘を許した。
そこへ、イーサンの所在を嗅ぎ付けた警察が到着する。イーサンは警察の追っ手を振り切り、最後の試練へと向かった。

スコットとローレンの事務所にチャールズ・クレイマーが部下達を引き連れて現れる。
気絶させられたスコットが目を覚ますと、ローレンと共に拘束された状態で車に閉じ込められていた。しかもその車は湖の奥底に沈められていた。
スコットは気絶しているローレンを引っ張り、車の窓を割って何とか湖の上へと這い上がった。
口封じの為に自分たちを闇に葬ろうとしたクレイマーへ、スコットは復讐を決意する。スコットは単身クレイマー邸へ乗り込み、用心棒達を次々と返り討ちにしてクレイマーを殴りつけた。
だがクレイマーによると、ゴーディは折り紙殺人鬼の模倣犯であっても、殺人鬼自身ではないと言う。
クレイマーがジョンの墓に参っていたのは、ジョンが死んだ建築現場の所有者が彼だった為だった。彼なりに、ジョンの事件を引きずっていたのだという。
スコットが立ち去ろうとした時、クレイマーは心臓病の発作を起こして動けなくなる。クレイマーを助けるべきかスコットは迷ったが、彼に薬を取ってやると、クレイマー邸を後にした。

マディソンはジョンの母親であるアン・シェパードの行方を突き止め、彼女が入院している病院を尋ねる。
アンは年齢のせいか記憶がおぼつかず、マディソンの質問にもまともに答えられなかった。だがマディソンが折り紙や花を見せると、息子達の事を思い出して話し始める。折り紙も蘭の花も、彼女の息子たちが好きなものだったという。
ジョンの弟を養子に出した後、アンは病気になって息子に会いに行く事が出来なかった。あの子は母親に見捨てられたと思ったでしょうね……とアンは零す。
そしてアンの口から、ようやくマディソンはジョンの弟の名前を聞き出した。

54 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:48:21.20 ID:1n0GaGfm0
イーサンは最後の試練に辿り着いた。
一時間後に死ぬ遅効性の毒を飲むよう迫られ、イーサンは毒を飲む。イーサンが毒を飲むと、ショーンの居場所の手掛かりが知らされた。
残された一時間を使って、彼はショーンが監禁されている場所へ向かった。

ジェイデンがクラブで殺人鬼と格闘した際の映像を分析すると、ある手掛かりが見つかった。犯人の左腕にはまった金の腕時計である。
ジェイデンが初めて警察署に来た時、署の受付に同じ金の腕時計が飾られていた。受付嬢によると、この署では昇進祝いとして、カンパでその腕時計を送る慣習があるのだという。
折り紙殺人鬼は、地元警察の関係者だ。
これまでの証拠と警察関係者の住所を照合し、ようやく有力容疑者が絞り込まれた。

スコットはローレンを彼女の母親の元に行かせる事にした。
「もうこれ以上危険に巻き込みたくない。全て終わったら話す」
スコットはローレンにそう約束し、二人は抱き合って唇を重ねた。

55 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:49:09.13 ID:1n0GaGfm0
折り紙殺人鬼にしてジョンの弟である男は思い出していた。
ジョンが水路に落ちたあの時、彼一人では力が足りなくて引き上げる事が出来なかった。
しかし、自宅には父親がいた。だから彼は父親を呼びに走り、ジョンを助けてほしいと縋ったのだ。
だが父親は彼の手を払いのけて嘲笑し、ジョンを見捨てた。
無力な彼は、雨水が溢れかえる水路の中でジョンが溺れていく中、ジョンの手を握っている事しか出来なかった。
「僕の事を忘れないで、スコット」
それが、ジョンが双子の弟に遺した言葉であった。

事務所にて、スコットは机の上にこれまで集めた事件の手掛かりを並べた。
店主が受け取った箱。
ローレンの夫宛の手紙。
ボウルズ夫人の夫が残した携帯電話。
マンフレッドの顧客名簿。
パコのアドレス帳。
スコットはゴミ箱の中に火を点けたマッチを入れ、そこへ手掛かりを一つ一つ投げ入れた。
雑貨店に強盗がやって来た時、その気になれば店主を見殺しにする事も出来た。だが店主は箱の中身の意味に気づいていない。それに、箱を回収する目的は果たせていた。
ボウルズ夫人も同じく何も知らないし、携帯電話を回収出来ている。
マンフレッドはスコットの顔見知りだったし、ローレンは店の売り物に気を取られていた。だからスコットがそっと近づいてマンフレッドを撲殺するのは造作もない事だった。
パコを殺すのも同様に簡単であった。だが、その直後に刑事が現れる事までは予想出来ず、クラブに多くの証拠を残していってしまったのは痛手であった。
だが、スコットの目的はようやく達せられようとしている。
スコットは回収した全ての手掛かりを燃やした。彼が、折り紙殺人鬼である事を示す手掛かりを。

マディソンはスコットの事務所に侵入し、中を調べた。
クローゼットに掛かっていた警官の制服を見つけ、彼が子供たちを容易に誘拐出来た理由を悟る。
クローゼットの奥には隠し部屋があり、そこで蘭の花が栽培されていた。また、ショーンの監禁場所を示す手掛かりも発見出来た。
だが、そこへスコットが現れ、全てを知ったマディソンを隠し部屋に閉じ込めて事務所に火を放つ。
間一髪のところでマディソンは脱出し、ショーンの監禁場所にバイクを走らせた。

56 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 19:51:34.12 ID:1n0GaGfm0
イーサンが寂れた倉庫に辿り着くと、ショーンが溢れかえった雨水の中で凍えていた。
一刻も早く息子を救い出さなければと思ったところに、スコットが現れて全てを語った。
スコットはずっと「息子の為に命を投げ出す父親」を求めて、連続殺人を行っていた。試練を突破したイーサンは、スコットにとっては待ち望んだ「息子の為に命を投げ出す父親」だったのだ。
スコットが用済みとなったイーサンを射殺しかけたところで、ジェイデンが駆けつける。スコットは逃走し、ジェイデンはそれを追った。
イーサンがショーンを引きずり上げ、必死で緊急蘇生を行うと、ショーンは息を吹き返した。涙を流して息子を抱きしめるイーサンだったが、一時間が経過しようとしている事に気づく。
ショーンに最期の別れを告げるイーサンだったが、何故か一時間を切っても毒の効果は現れなかった。

その頃、倉庫の外にはカーターら警察が到着していた。カーターは逃走を続けるイーサンに痺れを切らし、彼を射殺する許可すら出していた。
マディソンはカーターに事情を説明しようとするが、カーターは彼女の言葉を無視して部下に連行させようとする。マディソンはバイクで警察を攪乱し、倉庫に突入した。
下手に出て行けば、興奮した警察はイーサンを射殺しかねない。マディソンはイーサンを説得し、初めに二人で警察の前に姿を現す。マディソンがイーサンを連れて出てきた為か、カーターも即座にイーサンを射殺するような事はしなかった。

警察車両の遙か上を走るベルトコンベア。その上で、ジェイデンとスコットは必死の格闘を続けていた。
散々揉み合った末、スコットは破砕機に落下して死亡した。
ようやく、折り紙殺人鬼の狂気が終わりを告げたのだった。


以下エンディング。マルチエンドです。

・「再出発」
 イーサンがマディソンとくっつき、ショーンを救出し、三人が生存した場合のエンド。
 イーサンはショーンとマディソンの三人で日当たりの良い家に引っ越し、心機一転して新しい生活を始める。

・「ヒロイン」
 イーサンとマディソンがくっつかず、マディソンが生存した場合のマディソン個別エンド。
 マディソンは今回の事件をまとめた取材本を出版し、一躍時の人となる。本の題名は「HEAVY RAIN」。

・「解決」
 ジェイデンがARIで犯人を突き止め生存した場合の、ジェイデン個別エンド。
 事件後もジェイデンは捜査官として働き続けるが、幻覚を見るようになる。薬が彼の精神を蝕む事は、避けられなかったのだ。

・「折り紙の墓」
 スコットが死亡し、ローレンが生存した場合のエンド。
 ローレンはスコットの墓前に立っていた。
 自分の息子を殺した手で、自分を抱きしめた男。彼の考えていた事は、ローレンの理解を越えていた。
 彼女はスコットに軽蔑の言葉を吐き捨てて、墓地を去った。

57 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 20:00:15.53 ID:mifqA49b0
他のエンディングです。

・「新しい始まり」
 イーサンがマディソンとくっつかず、ショーンを救出して生存した場合のエンド。
 イーサンはショーンと引っ越して新生活を始める。「再出発」とほぼ同じ。

・「別れ」
 イーサンがショーン救出に間に合うが、マディソンが倉庫に入れなかった場合のエンド。
 ショーンを救出したイーサンだったが、カーター達に犯人と間違われたまま射殺される。真犯人は不明なまま。
 事件後、イーサンの墓前で泣きじゃくるショーンの姿を、マディソンが遠くから悲しげに見つめていた。

・「現実と…」
 ジェイデンが、マッドジャックやスコットに殺された場合のエンド。
 ジェイデン殉職のニュースがテレビで流れる。

・「復讐」
 スコットが死亡せず、ローレンが生存している場合のエンド。
 雨の中、通りを歩くスコットの前にローレンが現れる。
 被害者遺族を訪ねて回った彼女は、既にスコットの正体に気づいていた。彼は被害者遺族の依頼など受けておらず、自分がばら撒いた証拠を集める為に嘘をついていたのだ。
 息子を殺した男に、ローレンは憎しみを込めて銃を向ける。

58 :HEAVY RAIN -心の軋むとき-:2011/03/21(月) 20:02:26.85 ID:mifqA49b0
以上です。連投規制食らったので途中からIDが変わっています。
大変長くなって申し訳ありません。

ローレンの夫やボウルズ夫人の夫は、ゲーム中では明確にされていませんが、おそらく試練の途中で死んだものと思われます。
イーサンが最後の試練で飲んだ毒が効かなかったのは、実は毒など入っておらず、ただ挑戦者の覚悟を試しただけだったからの様です。
アンは、マディソンが訪ねてきた後に亡くなった様です(スコットが殺した可能性も考えられる)。
イーサンが折り紙を握っていたり、マディソンが悪夢を見る理由は不明です。

修正すべき点がありましたら、修正をお願い致します。
あと、他のエンディングについて、加筆をお願い致します。

最終更新:2011年03月26日 22:54