ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~

ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~

part57-133~144,161~182、part65-341~349,393,395~399


133 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 21:16:51.40 ID:L1HgYc5e0
◆人物一覧
ダリヤを筆頭に、まともな人間はあまり存在しない。

・ダリヤ
主人公、運動性失語症の少女。
過去にレイプされた挙句殺されかけ、そこを父から生物兵器の
プロトタイプへと改造されたことでなんとか命を繋いだらしい。
故に尋常ではない身体能力を持ち、バケモノとも殴り合えるのだと思われる。
しかしプロトタイプ故か、うまく感情をコントロールできないという欠陥を抱えている。
誰にも理解できない理由から、フォルドウンを殺す旅に出る。
歌うことや、音楽を聞くことが趣味。

134 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 21:19:56.97 ID:L1HgYc5e0
・セイ
仲間その一。賞金稼ぎの青年。
妹を殺され、その仇を討つ為家を飛び出しハンターとなった。
恋人の薬代を得るという名目でフォルドゥン討伐に繰り出すが、既に
賞金稼ぎ業が半ば生き甲斐となりつつある辺り、さりげなく末期症状。
下流階級の生まれらしく、それに少なからずコンプレックスを持っているようである。
一介の賞金稼ぎに過ぎないので、あまり世界背景に深く突っ込んだ話はしてくれない。
ツンデレ。

135 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 21:22:08.84 ID:L1HgYc5e0
・エイブラハム
仲間その二。独自の行動哲学が元、救いを探求するキリスト教徒。
昔は結構なやんちゃをしでかしていたらしいが、ある人物との出会いを契機に
贖罪というものについて考え始めたという。
話が哲学と宗教関係一択。世界背景については殆ど語らない。
しかも敬虔なキリスト教徒なのに、異端のグノーシス派についても語る。
表面的にまともに見える分、登場人物中一番タチが悪いかもしれない。

136 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 21:25:11.24 ID:L1HgYc5e0
・カタリナ
仲間その三。男性恐怖症の少女。ダリヤの幼馴染。
なぜ男性恐怖症なのかは、へその尾関連の話から察するべし。
ほぼ狂人しかいないこの世界において、数少ない普通の人。
どれくらい彼女が普通かと言えば、ダリヤの殺意値(高くなると仲間を殺しやすくなる)
がなかなか上昇しない程。しかしその普通が災いし、壊れる時は一気に壊れる。
エンディング的に一番報われない子。

137 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 21:27:15.84 ID:L1HgYc5e0
・ソーニャ
仲間その四。人類再興を目指す女科学者。
良くも悪くも科学者なので、全体的に考え方がドライ。しかしまぁ
とりあえずは、人類の未来を憂いているということに違いはない。
フォルドゥンとの繋がりもあって、世界設定はほとんどこの人が語ってくれる。
死に掛けのダリヤに回復剤をくれたり、ダリヤの失語症を治そうと試みたり
まだまだ普通の部類に入る。
これでもう少し人間味というものがあれば……。

138 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:02:48.75 ID:VWTuYORb0
・フォルドゥン
ラスボス。500歩を踏破した先にある『地球環境監視センター』にて
一人研究を続けている。
占拠している場所が場所なので、首に多額の賞金が賭けられている。
彼にとっては、世界>娘>自分>その他、であるらしい。
あらゆる意味でこの話の元凶。

139 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:04:56.72 ID:VWTuYORb0
◆世界背景
重度の環境悪化により、人類終焉がまことしやかに囁かれる世界。
(平均寿命の低下が著しく、80年で「長い」と言われるような感じらしい)
ケテル党という組織は、これを利用して世界統一政府を作ろうと目論む。
具体的には、傾いた地球環境を回復し、その功績によって自分達が
中心となって世界を統べる政府を作ろうと考えたのである。
こうして、地球復興プロジェクトの拠点として『地球環境監視センター』が
設立される。これが作中時間で開始15年くらい前の出来事。

140 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:07:12.12 ID:VWTuYORb0
そのプロジェクトの責任者がフォルドゥンであり、助手を務めたのがソーニャ。
(因みに二人はダリヤの両親であり、若き日にソーニャが産み捨てた未熟児を
フォルドゥンが密かに育てていたらしい。この未熟児というのがダリヤ)

プロジェクトはほぼフォルドゥン一人の力で押し進められた。
しかしこのプロジェクトには致命的なリスクが存在し、万が一失敗すれば
取り返しが付かなくなる程地球環境を破壊し尽してしまうという。
フォルドゥンはそのリスクを明らかにしないまま、プロジェクトを進行させた。

141 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:09:17.41 ID:VWTuYORb0
しかしプロフェクトは失敗し、見るも無残に地球は荒廃してしまった。
これを“大崩壊”と呼ぶらしい。
(セイやソーニャの発言から察するに、発生時期は開始5~10年前。
崩壊後の世界は、ろ過しないと水も飲めない、奇形の魚が市場に出回る、
配給のレトルト食品に人肉が使用されている、などというレベルらしい。
このまま進めば50年で人類は滅亡するとも言われている)

142 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:11:36.14 ID:VWTuYORb0
プロジェクトに失敗してしまったフォルドゥンは、関係者を皆殺しにして逃走。
一人『地球環境監視センター』に立て篭もってプロジェクトを進め始める。
当のケテル党は内部抗争で大きく体性が移り変わり、元々繋がりのあった軍部と結託し、
武力で統一政府を作り上げる。
しかし行政情報が混乱していたり、この政府がまともに機能しているかはだいぶ怪しい。

地球環境の荒廃に伴って、世界情勢も大きく変化した。
“統一戦争”なる戦乱が起こったり、それを発端に死体が起き上がって生者を襲う
という怪現象が頻発するようにもなった(科学的根拠はソーニャさんをもってしても不明)。
ここ十年間での死者総数は一億とも十億ともつかないらしい。

143 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/20(金) 22:13:53.84 ID:VWTuYORb0
『地球環境監視センター』には、どういう訳か実に一発で地上の1/3もの生物を
殺しうるミサイルが存在していた。誰が運んできて何に使うつもりだったんだ。
これを統一政府は求めていたが、センターはフォルドゥンが占拠しており、
なおかつそこへ到る道中には政府の研究機関から逃げ出した生物兵器が徘徊している。
故に統一政府は、フォルドゥンの首に多額の賞金を課すことにした。
誰かがフォルドゥンを倒してくれれば、ミサイルも回収でき賞金分の損は取り戻せる、という訳である。

この賞金を求めて、数多のハンターがフォルドゥン討伐に乗り出すが
センターまでの道が“殉教者の路”と呼ばれる程に死んでいったという。
それでもハンターの数は一向に減らず、死者はますます増える一方。

ダリヤがフォルドゥンを殺すために歩み始めた所から、物語は始まる。

161 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:04:54.74 ID:K2mc47vY0
◆オープニング

天空は永久に蒼く   
大地は永遠に揺るがせはせずにあり
春ともなれば花咲き乱れ――

だが、人間たる君よ

君はどれだけ生き長らえていくものか

百歳とは許されぬ身の上で気まぐれ慰むとて
全てこの大地の儚き戯れを楽しむだ

其処彼処に佇み見下ろし給え

月光を浴びた墓の上に       
座して蹲るものは荒々しくも不気味な物影

それは孤独な猿一匹

聴け、その鋭き叫びを

この世の甘美な香りに
甲高くむせび泣き絶叫していくのを――

李白「悲歌行」より

162 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:07:44.69 ID:K2mc47vY0
ダリヤ
「…………。」
(Dunkel ist das Leben, ist der Tod.)



鈍色の曇天の下、少女は独り

陰鬱な口笛を吹きながら昏き道を往く


静謐な黒の空気の中         

冷たき風は死せる者たちの息吹にも似て――


ダリヤ
「…………。」
(Lasciatemi morire,
Lasciatemi morire...)

(E che volete voi che mi conforte
In cosi dura sorte,
In cosi gran martire?)

(Lasciatemi morire...)

ダリヤ
「………………。」

163 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:10:48.64 ID:K2mc47vY0
◆ステージ1ボス

半裸の大男
「なんだあ?
どこのハンターかと思ったら、
ずいぶん可愛い顔したお嬢ちゃんじゃねえか。
……こりゃちょうどいいや。
女を犯りたくて仕方がなかったところだ。
動けないように手足を切り取って、
とことん楽しませてもらうぜ。
グヘヘ……
下手に抵抗すると余計に痛くなるぜえ?」

164 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:18:50.90 ID:K2mc47vY0
大男は下劣な欲望を隠しもせず遅いかかってきたが、
所詮ダリヤの敵ではなかった。いとも呆気なく倒される。

半裸の大男
「ど、どうなってんだ……
おかしいだろ、てめえ、その強さは……
まさか、あの……せ、生体兵器……」

ダリヤ
「…………。」

半裸の大男
「いやいや、お、俺が悪かった!
その、悪気はなかったんだよ!
たまたま、事情がさ……
いや、ほら、な?
み、見逃してくれよ……?」

ダリヤ
「…………。」

その時、ダリヤの心臓が大きく脈打ち、
視界が朱に染まる。

ダリヤ
「!」

165 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:21:12.63 ID:K2mc47vY0
するとここで、以下の選択肢が出現する。

ダリヤ
「             ?」
殺す
殺す
殺す

……無論、選択の余地はない。
ダリヤは、大男にとどめを刺した。

ダリヤ
「………………。」

半裸の大男
「ぐお、がっ…………!」

ダリヤ
「…………。」





歌のない世界は 灰色の空




166 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:28:17.35 ID:K2mc47vY0
※ステージ2から仲間が登場し、ラスボス撃破時に誰を連れていたかで
エンディングが分岐します。
今回の投下分ではセイを仲間にした場合について進めていきます。

◆ステージ2・セイとの遭遇


セイ
「おい、そこのお前。」

ダリヤ
「…………。」

セイ
「そう、お前だよ。
そんな得物を抱えて、
どこ行こうってんだ。
まさか、賞金首のフォルドゥンの
ところじゃねえだろうな?」

ダリヤ
(nod)

167 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 00:30:47.28 ID:K2mc47vY0
セイ
「おめえみたいなガキでもか……
まあいい。お前がタダモンじゃ
ねえのは見りゃ分かるさ。
奴の根城に行こうと思ったら
この道を通るしかねえが、
何せバケモンの数がハンパじゃねえ。」

ここで選択肢。(nod:首を縦に振る shake:首を横に振る)

セイ
「俺と手を組まねえか?」
nod
shake

168 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:00:40.52 ID:K2mc47vY0
(shakeを選んだ場合)

セイ
「ケッ、そうかいそうかい。
勝手にしやがれってんだ。
じゃあな。」

そしてセイは立ち去り、以後出会うことは無くなる。



(nodを選んだ場合)

セイ
「……なんだよお前、
もしかしてしゃべれねえのか?
まあいいさ。俺はセイってモンだ。
あんたの名前は……
その首から下げたプレートのやつか?
ダリヤか。
なんつーかまあ、
いい、名前なんじゃないの?
ま、そーゆーわけだから、
ひとつよろしく頼むぜ。」

169 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:09:28.62 ID:K2mc47vY0
◆ステージ2ボス

セイ
「ホント、こう死体ばっか
ゴロゴロ転がってんのを見てると、
時々自分が生きてるんだか
死んでるんだか分からなくなるぜ。
“生きてる”ってのは、
“たまたま死んでないだけ”
ってことなんじゃねえかってな。
いや、だからどうしたと言われたら
それまでなんだがよ。」

他愛も無い会話に興じつつも、絶えず足を進める二人の前に
一匹の生物兵器が現れる。
爬虫類じみた双頭を併せ持つ怪鳥。
道中のそれとは一線を画する実力で生物兵器は襲い掛かったが、多勢に無勢。
程なくして完全な沈黙を果たした。



ぬめぬめとした 不快な悦楽



170 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:15:33.06 ID:K2mc47vY0
◆ステージ3ボス

生物兵器を屠りながら進む二人の前に、
道化師のような姿をした怪人が現れた。

殺人鬼
「あひひひひひひ!
ひひゃひゃひゃひゃはひゃひゃ。
あは、あは、き、気持ちいーい!
気持ちいい、殺して切り刻む!
いい、気持ちいいよ。
血ぃ!
見せてよ、全部!
内臓をぶちまけてさ!
ウキキ。
うひっ!
うひひひひひひひひ!」

狂った言葉を止めぬままに、そいつは襲いかかって来た。

171 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:18:39.43 ID:K2mc47vY0
人間離れした膂力で殺人鬼は奮戦するが、じきに力尽きた。

殺人鬼
「えっ……ダメじゃん。
君がっ! 君が死ぬの!
苦しんで、もがいて、這いずってさ。
僕からこんな、血が、血がねえ。
ああー、抜けていく僕の血が。
ひー。おほほひおひひふひはひ……
ダメだよ! お、面白くないよ!
僕が死ぬのは、怖いじゃないか。
早く、助け、助け…………」

ダリヤ
「…………。」



痛いのは


裂けて千切れる肉でもなく

きしんで砕ける骨でもなく


血を流し悶える 私の心



172 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:24:09.91 ID:K2mc47vY0
◆ステージ4ボス

セイ
「聞いたハナシなんだけどな。
『地球環境監視センター』の地下には
永久機関があって、食い物も電気も、
今なお余るほどに作られてるってよ。
政府があんだけの賞金を出すウラには、
そういう事情もあるんだってなあ。
いっそのこと、
俺がセンターを乗っ取って、
それを利用して
大もうけ出来ねえもんかなあ。」

施設に近づくにつれ、その強さを増していく生物兵器達。
そして二人の前に、またも立ちふさがる異形。
しかしその姿形は……。

セイ
「何だよコイツ……
バケモンの分際で、
何かしゃべってやがるのか……?
ケッ、何だか知らねえが、
こいつもブッ潰していくまでだ!」

何やらブツブツと呟いている、それの上半身は……
人間の輪郭に、とても良く似ていた。

173 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:28:56.43 ID:K2mc47vY0


??????
「ダリヤ……
ダリヤ……!

誰が、ああ、クソッ!
こんな、こんなひどいことを……!

っ……!
どうして、どうしてダリヤなんだ!
他のどうでもいい奴でいいだろうが!

血が……止まらない……
クソッ、クソッ! クズどもが!
生きる価値もないゴミどもの分際で!

手段は……もうあれしかない。
生体兵器として、義体を移植するしか。

でも、生きるためだ。
お前は、生きなければならない……」

174 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:31:30.90 ID:K2mc47vY0
??????
「恐らくは、脳に障害も残るだろう。
正常な、人間らしい生活は、
二度と出来ないかもしれない……

だが、生きろ。
そして望むままの相手を殺せ!

お前が憎いと思うなら、
世界中の人間を殺しても構わない!

もし、もしも……
お前がそう望むのなら、
たとえこの私であっても……」



ダリヤ
「………………。」

175 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 01:34:29.14 ID:K2mc47vY0
◆ステージ5ボス

遂に辿り着いた『地球環境監視センター』。
そして其処に住まう生物兵器の主が、姿を現す。

ダリヤ
「………………。」

フォルドゥン
「やはり私を殺しに来たか、ダリヤ…… 
ずっと、そんな予感はしていた……

だが、私はまだ死ぬわけにはいかない。
私が、地球再生のプロジェクトを
完遂させるその日まで。

なぜ、お前が私を
殺したいのか知らないが、
言葉を持たない今のお前では――
いや、たとえ声が出ていたとしても、
語らうことによってお前の気を
変えさせることは出来ないだろう。

176 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:01:28.84 ID:K2mc47vY0
 もしここで、私がお前を殺したら――
プロジェクト完成の後、
私はお前の後を追おう……

だが今は、
止まるわけにはいかないのだ……

さあ、
やるというなら全力で来るがいい。
生体兵器として、
自ら改良を重ねたこの身体、
生半可では朽ちん。

私を殺せ!
そして生きろ!
それがお前の生きる道というならば!」

最後の戦いが、幕を開けた。

177 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:03:51.23 ID:K2mc47vY0
激しい戦いの末、満身創痍のフォルドゥンに
決定的な一撃が決まった。

フォルドゥン
「やはり……
こう、なったか……


フフ……お前は……
最後の最後まで、
分からない子だった……
何を考えているのかも、
何が欲しいのかも、
どう愛したらいいのかも……

私には、理解者と呼べるものはなく、
お前もまた、誰からも理解されない……
思ったのだ……
私の孤独を癒してくれるのは、
お前だけだと……

178 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:06:05.72 ID:K2mc47vY0
 だが、違う。
お前は、理解されることを拒絶する。
この世の中でも、
とりわけ異質な感性……
私では、
想像もつかない人間だ、お前は……

それにしても、
自ら世界の未来を閉ざすとは……
私がなくては、
地球再生の道は途絶える。
人類が進む道は、
必然としての滅びだ……
まあ、それも、
人間の選択のひとつか……

……せめて最期くらい、
お前の、声が聞きたかった……
ダリヤ……」

そう言ってフォルドゥンは崩れ落ち、絶命した。

179 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:08:11.62 ID:K2mc47vY0
◆セイエンディング

セイ
「勝っ……ちまったのか……?
意外とあっさりしたモンだな……」

ダリヤ
「…………。」

セイ
「ん、この写真は?

これ、お前か、ダリヤ……?
それとフォルドゥン……
やっぱりそうか、親子だったのか……」

ダリヤ
「………………。」

セイ
「なんで、自分の父親を殺そうと……
いや、いいさ。聞かねえよ。

180 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:10:51.44 ID:K2mc47vY0
 あー、その、なんだ。
俺は、賞金が手に入ったとしても
ハンターをやめる気はねえ。
で、おめえはどうなんだ……
行くところとか、ねえんだろ?

……俺と一緒に来いよ。
まだしばらくは、
俺たちゃ“相棒”だ。
……それでどうだ?」

ダリヤ
「…………。


…………ぁ……あ……ぅ………」

セイ
「あー、分かった!
分かったから無理はすんな!

181 :ダリヤ ~Lasciatemi morire~:2011/05/22(日) 02:13:05.71 ID:K2mc47vY0
 そんじゃ、めんたまの飛び出るような
賞金をいただいて、それから王都の
一番高いメシ屋で何か食おうぜ。」

ダリヤ
(nod)

セイ
「……アンタの笑った顔、初めて見たぜ。
なんつーか、その……
可愛い、じゃねえか……」

ダリヤ
「…………。」

セイ
「って、馬鹿野郎!
言ってみただけだ!
あー、ほら、もう行こうぜ!
ダリヤ!」



END

182 :ゲーム好き名無しさん:2011/05/22(日) 02:17:34.32 ID:K2mc47vY0
途中二度も連投規制を喰らった上、セイとの会話もすっ飛ばして
駆け足気味に終わらせましたが、とりあえず投下終了です。
次はエイブラハムかカタリナになると思いますが、殆どボスのセリフなんかは
共通しているので今回のように長引くことはないと思います。

そして>>154のまとめ様、何時もお疲れ様です。

341 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:14:25.96 ID:amDFPV4E0
放置されてるのでダリヤの他の仲間のED。
……え、真エンド? 何のこと?


カタリナED

カタリナ
「はぁ……はぁ…………

た、倒したの……?
私たちが……?

……でも、フォルドゥンって、
ダリヤちゃんの
お父さんだったんだね……

どうして……

いや、ダリヤちゃんにも、
いろいろあるんだよね……」

ダリヤ
「……。」

カタリナ
「……それにしても、
本当にあんな額の賞金が
もらえるのかな?

もらえたら、
もし、ちゃんともらえたらね……

あたしはみんなのために使おうと思う。

みんなって言っても限界はあるから、
一番、人のためになるような、ね。

親に捨てられた子供たちを集めて、
ちゃんとした生活をさせて、
ちゃんとしたことを教えるの。

そうしたらたぶん、
男の子は他の人のものを奪わない、
女の子も自分の身体を売ったりしない、
そんな人になれるんじゃないかな。

342 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:15:21.12 ID:amDFPV4E0
 もちろんさ、
そんな上手くばっかりは
いかないと思うけど、

それでもあたしは――

あたしはそうしたい。
その意志が、
あたしの生命そのものだから。」


ダリヤ
「……。」

カタリナ
「え……何?
手を……?

あ、字を書く……?
うん、どうしたの?

…………。

…………。

え、ウソ……?

ダリヤちゃんも、あたしと一緒に……?」

ダリヤ
(nod)

カタリナ
「……ああ、神様!

なんて言ったらいいのかな……
なんかもう、言葉に詰まっちゃって……

……ありがとう。

343 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:16:37.24 ID:amDFPV4E0
 ダリヤちゃんがいてくれれば、
なんでもうまくいくような気がする。

最初に助けてもらった時から
そうだけど――

あたしはダリヤちゃんを信じてるから。

たとえ何があっても、
あたしは自分の命を、
ダリヤちゃんに預けられる。

たとえダリヤに殺されたとしても、
あたしはダリヤちゃんを恨まない。
それはきっと、間違ってないから。

……。

って、何言ってるんだろうね、あたし。

でもそういう気持ちなんだってこと、
伝えたかったから。ね?

……さて、と!

それなら、これからが本番だから!
気を引き締めないとね!

これからもよろしくね、ダリヤちゃん!」

344 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:18:54.84 ID:amDFPV4E0
エイブラハムED

エイブラハム
「倒したか。

やはり生体兵器の
生みの親だけあって、
生命力は凄まじいものがあったな。」

ダリヤ
「……。」

エイブラハム
「しかし、この男を倒すことが、
私の考える罪の浄化ではない。

この辺りにあるはずだが……

ところで、どうして君は、
自分の父親を手にかけたのか……?」

ダリヤ
「……。」

エイブラハム
「……いや、すまない。
たとえ君に声があろうとも、
答えられたものではないな。

……ああ、これだ。

これが、
私の求める真理というべきもの。

これが何だか分かるかね、ダリヤ君?

統一政府が多額の賞金をかけてでも
求めてやまなかったもの――

たった1発の弾頭で、
地上の3分の1の生物を消去する、
歴史上最高の威力を持つ
ミサイルの発射スイッチだ。」

ダリヤ
「!」

345 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:19:33.18 ID:amDFPV4E0
エイブラハム
「世界のために、
人類を消去しようとする試行――

それこそ、
いや、それ以外の浄化など、
存在しようものか。

さらば、人よ。
未来の地球に光あらんことを!

ぐ……

……フ。

……ククク。

それでよいのだ……

……これが、
私の求める最高の死、
私という存在の浄化というものだ。

世界を滅ぼそうとする一人の男と、
世界を存続させんとする一人の少女……

人類の代表でもない二者が、
一瞬の判断で世界の命運を左右する。

わ、私は……満足している。
君の行動に。決断に……

千の書をひもとき、
万の語を尽くすよりも、
刹那の迷いなき判断が
世界を正しく導くのだ……

生きろ……
その意志のある限り……

屈するな……
君なら、真実を、その手に……」

ダリヤ
「……。」

346 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:25:01.07 ID:amDFPV4E0
ソーニャED

ソーニャ
「ふう。
手こずったけど、
やっとセンターを取り戻したわ。

しかし哀れな男ね。
自分がいなければ地球の未来は
ないという思い込みもそうだけど。

誰にも理解されない孤独を
自分の娘に癒やしてもらおうとして、
仕舞いにはその娘に殺されるなんて。」

ダリヤ
「……。」

ソーニャ
「……ちょっと独り言を言うわ。

(ガチで長い上に概要が上にあるので省略します。
このあたりで、自分とフォルドゥンの関係や15年前の真相、
現在の世界の状況などについて教えてくれます)

347 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:25:49.84 ID:amDFPV4E0
 ダリヤ……。
あなたも私の研究を手伝わない?
あなたは、平凡な頭脳の
持ち主のはずがないから。

だってあなた……

彼、フォルドゥンと、
私の間に出来た子だから。」

ダリヤ
「!」

ソーニャ
「……知らなかったのよ。
8ヶ月で生み捨てた
つもりだった未熟児を、
彼が秘密裏に育て上げていたなんて。

あの人は、プロジェクトのリスクを
言わなかっただけじゃなく、
そんなことすら教えていなかった。

……そういう男だったのよ。

ねえ、ここに残って、私と一緒に
プロジェクトを再興しない?」

nod
殺す

348 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:27:03.73 ID:amDFPV4E0
ダリヤ
(nod)

ソーニャ
「……なんて言ったらいいのかしら。

私には、母親という意識もなければ、
その資格さえあるか
どうか分からないのに。

えーと、こういう時母親は
どうすればいいのかしら。

ねえ、その、私は、ほら、
親に可愛がってもらった
覚えがないから……

ああもう、困るじゃない。

とりあえず、ハッグよ。
今からギュッて抱きしめるから、
逃げないでね?」

ダリヤ
(nod)

ソーニャ
「……温かいわね、あなたって。

う……うぅ……

……ごめんね。今まで、ずっと……

……ごめんね……」

ダリヤ
「……あ、あ……ぅ……」

349 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/05/02(木) 22:28:23.05 ID:amDFPV4E0
(殺すを選択する)

ソーニャ
「……。

やはり、十分に想定し得た結果だわ。

ま、いいでしょ。
今になって情が沸かないと
いえば嘘になるけど。

所詮あなたは、
幼い日の私の火遊びが生んだ残滓。

責任をもってあなたを始末し、
センターの前に墓標を立ててあげるわ。

私の、悔恨の思い出として。」


(ソーニャを倒せば真EDで、ダリヤがフォルドゥンを殺した動機も分かるそうなのですが
どうがんばってもソーニャが倒せませんorz おかーさん強すぎ。)

 

393 :ゲーム好き名無しさん:2013/06/05(水) 01:02:40.67 ID:NHHPc3g/0
ダリヤについて、ネットのどこかで紹介されて行ってみたら、そこの掲示板で
「真エンドが難しすぎて見れない人が多いので、見れるように最強セーブデータを作りました」
という事で管理人さんの作った最強データがあったので、それを使って真エンドを見た事があります。

随分昔の事なのでうろおぼえですが、たしか、
容赦なくラスボスを殺した後、今までまともに言葉を話せなかった主人公が
「私はなにもかもどうでもいい、歌う事さえ出来れば何でもいい、歌う事が私の全てなの」
みたいな事を言う、つまりは主人公が一番の狂人だった、みたいなエンドだったと思います。

 

395 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/06/05(水) 03:33:19.06 ID:9bkKmj+E0
wiki見たら懐かしいタイトルを見かけたので
テストプレイモードでステいじって真エンド見てきました
>>349の続きソーニャ撃破後からです

ソーニャ
「そんな……この力は……

あり得ない……
だって、それじゃ……


ダリヤ
…………あ。

……あ、あ、あ!

声が……声が。

…………。

……もう、死んでるのよね。ソーニャ。
せっかくお話しようと思ったのに。

まあいいよ。勝手に話すからね。

どうしてあなたと、
私のパパを殺したかって。


396 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/06/05(水) 03:34:31.81 ID:9bkKmj+E0
フフフ、どうせ理解できない。
誰にもね。

パパも、あなたも、どいつもこいつも、
救いのないバカばっかりだから。

私はね、歌を歌うことが
出来ればそれで良かったの。
お金も、恋も、家族も、友達も、何も、
私には石ころと同じ。どうでもいいの。

私は一度……
どうしようもないクズどもに
メチャクチャに陵辱されて、
殺されかけた。

このまま死ぬんだと、
ただ冷静にそう考えたの。
別にそれでもいい、
それが私の寿命だから。


397 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/06/05(水) 03:35:29.33 ID:9bkKmj+E0
でも、パパは私を生かした。
生体兵器として。
……私にはそれが許せなかった。

声も出なくなるし、
頭もおかしくなってくる。
私にとってはそれは、
生きてるということじゃない。

死よりもなお暗く苦しい、
不快な灰色の世界。

あなたは。
いまさら出てきて母親面?

母親なんかじゃない。
ウジ虫にも劣るただの売女。

生み捨てたですって?
お前のようなブタは
死んで当然よ、このクソ女。


398 :ダリヤ ~ Lasciatemi morire ~:2013/06/05(水) 03:36:50.11 ID:9bkKmj+E0
気にいらないものは全員殺せ。
それはパパが私に言ったこと。
私はそうすることに決めたの。

これからは好きに生きさせてもらうわ。

私は歌う。そして殺し続ける。

誰も私のことを止められないんですもの。

世界は私を受け入れた。
……そういうことでしょ?

Quand il me prend dans ses bras.

Qu'il me parle tout bas.
Je vois la vie en rose.

Il me dit des mots d'amour.
Des mots de tous les jours.

Et ca m'fait quelque chose.
Il est entre dans mon caur.

Une part de bonheur.
Dont je connais la cause...


399 :ゲーム好き名無しさん:2013/06/05(水) 03:52:23.32 ID:9bkKmj+E0
以上です.
ちなみにダリヤは続編の短編小説(Internet Archiveで作者のHP探せば読める)があったりとかDREAM GARDENてフリーゲームに友情出演してたりしてるみたいです

ついでに作者のエンディングに関するコメント返信?っぽいテキストが保存して合ったのではっつけておきます

ダリヤ(>ダリヤの性格・・・
>選択一つ変えるだけであんなにも豹変するとは・・・
変わってないですよ。
周りの人が勝手なイメージを投影しているだけです。
ダリヤは人との関係に積極的ではありませんけど、
他人を拒むこともしないのです。
どうせ彼女と深くかかわったら死ぬだけですし。
ええ。

裏ボス・真EDはご指摘の通りです。
ダリヤは元々がああいった性格で、
たぶんしゃべれた頃でもほとんど口を利くこともなかったろうと思いますし、
歌を歌うこと意外に何の興味も関心もない、どこまでも偏った人間です。
真ED以外はいちおうのED、ということで、
何かこうすっきりしないものを残す形にしたような気がしてます(気のせいかもしれませんけど)

最終更新:2013年07月02日 18:14