クリミナルガールズ

クリミナルガールズ

part57-241~247,251~255,257~259,264~268,274~278,281~287,289~294,305~308,313~322,part62-389

part68-436 (クリミナルガールズ INVITATIONでの追加要素)


241 :ゲーム好き名無しさん:2011/06/11(土) 01:49:13.59 ID:ioDG0DRr0
クリミナルガールズ行きます。
日本一ソフトウェアから出てるRPG。
CERODだけど、内容はコミカルで健全。
セリフが若干うろ覚えだけど雰囲気は大体合ってます。
 
242 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 01:54:15.13 ID:ioDG0DRr0
「起きなさい!」
声と共に思いきりひっぱたかれて、主人公は飛び起きた。
「初日から居眠りなんて、いい度胸してるじゃないの?」
目の前に、いかにも女教官といった感じの軍人風の女性が立っている。
彼女はミウ、見た目通り主人公の指導教官だと名乗った。
気付くと、自分も白い軍服を身につけている。
そこは、見知らぬ監獄の様な場所だった。
確か自分は新しいバイト先へ向かったのだが…。
バイト内容は、動物園の飼育係だったはずだ。

「ここは地獄の最下層、罪人の魂が来る場所よ。
安心して、キミは死んでないわ。体は現世で眠ってるから。
仕事が終われば、元の世界に帰れるわ。」
これは怖ろしい展開だ。時給3000円は伊達じゃない。

「全員集合!整列!!」
ミウ教官の掛け声と共に、7つの檻が開き、4人の少女が歩み出て一列に並んだ。
「あら?3人逃げたか。まぁいいわ。」
ミウ教官曰く、少女達は「半罪人」。
彼女達は悪い心を持っているが、罪を犯す前に命を落とした。
罪人の因子を持っているが決定的な罪を犯していない魂を、「半罪人」と定義するのだと言う。
 
243 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 01:55:21.68 ID:ioDG0DRr0
地獄では、半罪人の少年少女に更生、復活プログラムを実行している。
その名も、地獄特別法3822条2項更生プログラム『ヨミガエリ』。
悪い心を叩き直し、善人にしてもう一度生き返らせてやるという、慈悲深い取り組みだ。
4層からなる試練の塔を登り、4つの試練を通過して頂上に辿りつくことで現世に戻れるらしい。
主人公は彼女達4人―本当は7人…を引率し、更生へ導く担当教官に任命された。
彼女達を鍛え直し、試練に打ち勝ちながら共に歩み、試練の塔の頂上まで登らせるお仕事だ。
試練は過酷であり、悪い子のままでは進めない個所がある。
彼女達をどう改心させ、成長させていくのかが鍵であるらしい。

「まずは、あの子達をここまで連れて来なさい。首に縄をつけてでもね。」
そんな乱暴な…と思ったが、彼女達と会話を交わして主人公は理解した。
彼女達は、一筋縄では行かない超問題児だったのだ。
 
244 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 01:58:03.35 ID:ioDG0DRr0
まずは、金髪に大きなリボンのツインテールと話してみた。
「そのベルト、いくら?」
いきなりベルトの値段を聞かれ、正直に答えたら無視。
それ以降、どんなに話しかけても無視…。
■強欲【キサラギ】
本名如月恭華。強欲の罪を持つ少女。
超わがままで、口を開けば文句や不平ばかりの自己中スイーツ。
物の値段に異様にこだわり、セレブの自分はホンモノしか選ばないと豪語している。
典型的なツンデレで、真正面から来られると弱い。
攻守バランスが良く、臨機応変な前衛剣士に育つ。

デカ三つ編みを二つおさげにしたロリっ子と話してみた。
「…お友達が……」
焦点の定まらない目でブツブツと何か呟いている。
会話が成り立たない…。
■異端【アリス】
本名水菜悠里。異端の罪を持つ少女。
「アリスは特別だから…」が口癖の超能力者。
千里眼のような能力を持ち、霊感もあるようだ。
無口で引っ込み思案、見えないお友達とよく交信している。
MATが非常に高く、魔法攻撃のスペシャリストに育つ。 
 
245 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 01:59:25.45 ID:ioDG0DRr0
猫耳風クセっ毛ショートヘアのスレンダー娘と話してみた。
「おい、オマエ!ユコをどこにかくした!?」
知らないと答えると、怒って暴れ出してしまった。
激昂していて手がつけられない…。
■執着【サコ】
本名片木左子。執着の罪を持つ少女。
双子の妹ユコを命より大事にしている元気っ子。
行動の全てがユコの為、ユコのお願いは何でも全力で叶え、それを周囲にも強要する。
サコ自体は明るくおバカな為、違和感を抱きにくいが、
妹への愛情と執着は病的なレベルまで達している。
体はチビでも攻撃力はトップクラスの格闘家に育つ。

長身グラマラスなショートボブのメガネっ子と話してみた。
「テメェ、ケンカ売ってんのか?!」
いきなり殴りかかられ、重いパンチを喰らってしまった。
身の危険を感じる、一旦退却しよう…。
■憤怒【ラン】
本名蘭堂かよこ。憤怒の罪を持つ少女。
豪快で喧嘩っ早く、男は皆クズだと罵る男嫌い。
男には暴力的だが、女の子には面倒見がよく、
頼れるアネキ分としてメンバーをまとめる年長者役となる。
そのダイナマイトボディと剛腕で、「痴漢20人切り」を成した女傑である。
防御力の伸びはピカイチで、仲間を守る無敵の盾に育つ。 

全員に玉砕してしまった。
ミウ教官に泣きつくと、ぶん殴られた。
この任務に失敗したら、現世に帰してもらえないらしい。そんな…。
 
246 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 02:03:00.84 ID:ioDG0DRr0
ミウ教官が厳しく脅しつけてくれたおかげで、少女達はしぶしぶ主人公についてくる。
そのまま、少女達を引率してミウ教官を追っていくと…
モンスターが突然目の前に現れた。
「おかしいわね。ここはまだクリミナルの出現する階層ではないのに…。」
これはクリミナルと総称されるモンスターで、今から登る塔にはこんなのがゴロゴロしているらしい。
脅える少女達に、ミウ教官は「戦いなさい」と命じた。
戦わなければクリミナルに嬲り殺しにされ、「ヨミガエリ」が終了し、魂は無間地獄に落ちるだけ。
死者が命を取り戻す為には、相応の試練を勝ち進まねばならないのだ。

それでも尻ごみする少女達を見て、ミウ教官は主人公をぶん殴り、
「一人選んで、見せしめに処罰しなさい」と命じた。
かわいそうだが、ここで終わっては元も子も無い。自分も現世に帰れないし。
主人公は一人とっつかまえて、音を上げるまで少女の尻を叩いた。
涙目の少女を引っ張ってクリミナルとのバトルへ。
おしおきした一人しか戦ってくれないので苦戦するものの、勝利。

休憩場所として、各階層のワープと繋がった小部屋があてがわれる。
中には全員で寝転がれる大きな円形ベッドが置かれていて、ここで休憩とおしおきができる。
OPを溜めて色んなおしおきする毎に、スキルや技が増えていく仕組み。
 
247 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 02:08:20.33 ID:ioDG0DRr0
上の階へ進むと、奥の扉から唸り声が響いてきた。
「この階層にこんなレベルのクリミナルが出現する筈ないのに!
委員会にも連絡がつかないし、一体今回のヨミガエリどうなってるの?!」
ミウ教官は戸惑うが、主人公をどつき奥のクリミナルを倒すように命じる。
少女達を少し鍛え、大きなクリミナルに挑み撃破する。
「ヨミガエリのシステムに異常が発生しているみたい。
この分だと、上の階層がどうなっているか分からないわね。
私が調べてくるから、ここで待ってなさい。動いちゃダメよ。絶対、動いちゃダメだからね。」
ミウ教官は一人で階段を上っていった。

「ユコがこの先にいるんだぞ!ユコを早く見つけてあげなきゃ!」
ユコユコうるさいサコを扱いかね、勝手に進軍する事にする。
キサラギだけは、「ヨミガエリ」自体をめんどくさがってふてくされているが、
皆に置いていかれそうになり慌ててついてくる。

クリミナルを倒して鍛錬しながら上の階に上り、
一番奥まで進むと、扉の向こうから凄まじい咆哮が響いてきた。
「この先、よくない物がいる。
アリス、特別だからわかるの…。」
恐る恐る進軍すると、恐竜の様なクリミナルが暴れていて、部屋の隅にミウ教官が倒れていた。
倒すしか道はない。苦戦の末、なんとか巨大クリミナルに勝つことができた。
この短時間に、少女達はめきめきと強くなっている。
この調子で塔を一緒に上っていこう。
気付くと、ミウ教官が血を流しながら、奥の階段を上っていった。
慌てて追うと、そこはもう監獄の外。試練の塔の始まり、泥の試練だった。
ミウ教官は見つからなかったが、逃げた3人がこの試練を越えられず彷徨っている筈だ。
 
251 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 11:33:19.65 ID:7h3e+vDc0
第一層【泥の試練】

湿地を歩き回り脱走兵を探しているうちに、4人の人影が前方に見えてきた。
「あっユコ!おーい、ユコーっ!!」
サコの叫びで4人はこちらに気づき、一目散に逃げて行った。
「ユコ…?なんでにげるんだー…?」
それも不可解だし、逃げた少女は3人のはずなのに1人多かった。
まぁ、捕まえてみれば分かるだろう。
早速、クレバスを挟んだ対岸にユコを見つけた。
ユコが仕掛けのスイッチを押してくれれば、皆でそちら側に渡れるのだが…
「ごめんねサコ、ユコもう一歩も歩けないの…。何かおくすりがあったらがんばってスイッチ押せるのに…。」
「待ってろユコ!すぐにおくすり取ってきてやるからな!!」
ほんの一歩が歩けない訳なかろうに、ユコは何だかんだと4回もあれやこれやを取りに行かせる。
何かねだられる度にサコがはりきって駆けだしてしまうので、追わない訳に行かないのだ。
サコは体の弱い妹を守るお姉ちゃんを自負しているが、傍から見ると完全に犬である。

4度目に戻ると、ユコはクリミナルに追いかけられて走りまわっていた。
「あの子普通に走ってるじゃん。」
皆冷たい視線を送るが、サコは大パニック。ユコがすぐにスイッチを押し、皆で救援に駆けつけた。
クリミナルを倒し、ユコが仲間に入る。
「ユコは地獄に来なくていいって言われたんですけど、サコが心配でいてもたってもいられなくて。
姉がご迷惑をおかけしたと思いますが、これからは二人で頑張ります!」
主に迷惑をかけたのは君だが…。
 
252 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 11:35:42.08 ID:7h3e+vDc0
■怠惰【ユコ】
本名片木右子。怠惰の罪を持つ少女。
サコの双子の妹。サコより色白で髪色も淡く、おっとりふわふわしている。
いつもニコニコしていて、困るとすぐに泣き声をあげる甘ったれ。
難しいことや面倒なことは、何でもサコにお願いして自分は何もしない。
柔らかい口調で当たり障りの無いことばかり言うタイプ。
あらゆる回復、治療魔法を覚え、皆を癒す医療のエキスパートに育つ。

ユコは、主人公達から逃げ回っていた時の記憶が無いらしい。
どうやって脱走したかも覚えていなかった。
少女達に牢を破る力はないだろう。誰かが連れ去ったのかもしれない。
そうなると、一人多い少女の影が気になってくる。
 
253 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 11:36:45.82 ID:7h3e+vDc0
少女5人を連れて探索を再開すると、前方を少女が一人過ぎっていった。
後を追うと、仕掛け扉に道を閉ざされてしまう。
扉を開くスイッチが見つからず途方に暮れていると、扉の向こうから声がした。
「どないしはったん?」
さっき見かけた少女のようだ。向こう側のスイッチで扉を開けてもらった。
「ほなこの先も気をつけてなぁ。」
少女が別の扉をくぐった途端その扉が閉じ、今度は彼女が閉じ込められてしまった。
こっちが散々解除スイッチを探しまわった挙句、その子に尋ねると、スイッチは彼女の傍にあった。
「あら、こんなとこに。堪忍ねぇ。」
さっきから、こちらを走りまわらせる女の子ばかりである。
とにかく、その子も脱走少女の一人なので、仲間に迎え入れた。
■渇望【トモエ】
本名春川朋。渇望の罪を持つ少女。
おっとりたおやか、京都弁を操る色っぽい和風乙女。
長い黒髪に長身ナイスバディで、色白な爆乳がこぼれんばかり。
柔らかな物腰とツボを抑えた言動で、男を惑わせる。
女の子の機微や悩みに敏く、ランとはまた違う形で頼れるお姉さんポジション。
守備が低く高火力な武士タイプ。一撃必殺、最強の剣に育つ。

道中、古びた木刀が落ちているのを見つけた。
手に取ってみたが、ランに奪われてしまう。
「こんなもん必要ねぇだろ!!」
ランは木刀を遠くへ放り投げてしまった。
 
254 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 11:38:32.08 ID:7h3e+vDc0
泥の試練を登っていくと、また一人少女と出くわした。
しかし、合流しようという申し出を、少女は鼻で笑った。
「あなた達程度と行動すると、かえって危ない気がするけど?」
すまして歩き出した少女の背後で、仕掛け扉が閉まった。
行き止まりに閉じ込められた形になる。
「…ちょっとあなたたち。この周りに4つの解除スイッチがあるわ。
右奥のスイッチが正解だから押して来なさい。」
彼女曰く、理論上右奥のスイッチ以外はダミーだと決まっているらしい。
半信半疑で押しに行くと、右奥のスイッチはトラップで、彼女の目の前にクリミナルが現れた。
「逆!ひ、左奥よ!」
面倒だが押しに行くと、またダミー。少女を追いかけ回すクリミナルがもう一匹増えた。
「なんなんだよこのマップ!!ありえねえだろ!!GM出てこい!!!」
追い詰められて地が出ている。
結局こちらが選んでスイッチを押し、扉を開いてクリミナルを倒してやった。

「ふん!そこそこ戦えるようじゃない。まぁ合格ね。
これなら仲間になってあげてもいいわよ。」
「別に仲間になってなんて頼んでないけど?」
こちらも仕事なので、いがみ合う少女達をなだめて、新入りを仲間に迎え入れる。
■傲慢【シン】
本名初来慎。傲慢の罪を持つ少女。
幼いころから英才教育を受けてきた天才少女だそうで、確かに頭の回転は速い。
それを鼻にかけて他人を見下しており、高慢に振る舞う。
気取った喋り方は演技で、本来はネットスラングを多用した口調。
隠しているが、生前は某鯖NO,1ギルドのギルマスを務めたネトゲプレイヤー。
指揮官型という珍しい魔法タイプ。条件が整えば、自分のMP消費だけで他のキャラ達にも技を出させることが出来る。
総ダメージ量が凄まじく、優秀な対ボス用砲台に育つ。
 
255 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 11:44:02.74 ID:7h3e+vDc0
これで少女7人全員揃ったので、一応主人公の紹介も書いておく。
■教官【主人公】
少女達を引率する教官。白い軍服制帽に、黒のブーツと赤の飾り布でビシっと決めている。
でも中身は少女になめられがちな普通の兄ちゃん。
少女に色んなおしおきする変態とも言えるし、あんな少女密集空間に寝泊りして禁欲できる聖人とも言える。
少女達からは、基本的には先生と呼ばれる。他に名前呼び、「教官」「オヤジ」等。

もう一人の正体不明の少女の行方が気になるが、とりあえず上を目指して進軍していく。
道中、「ユーリ教」なる宗教団体のパンフレットが落ちていた。
「それ…呪われているの。それ持ってたら、悪いことが起きる…。」
アリスにボソッと忠告され、ただちに投げ捨てる主人公。

戦闘やおしおきを繰り返し、泥の試練の最上階まで辿りつくと、
そこにはあからさまに強そうな巨大クリミナルがいた。
「だ、だいじょうぶだぞユコ!
サコたちは、まえもこーんなおおきなきょうりゅうをたおしてるんだからな!」
そうであることを願いつつ、
ケタ違いに強いそのボスクリミナルに、今までの鍛錬の成果をぶつける。
苦戦の末、敵の巨体が沼地に伏した。
「うそっ、勝てた…?」
「すごくない?!こんな大きいモンスターを倒しちゃうなんて、私達やるじゃない!」
牢獄を出発したのがついさっきの事のように感じるが、
少女達は道程を経て、あの頃と比べ物にならないほど強く成長していたのだった。

巨獣が退いた先には、次の試練へと続く階段。
泥の中を這いあがり辿りついたのは、マグマ滾る酷暑の地。
摂氏88度、湿度10%の灼熱地獄、炎の試練。
 
257 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 14:20:57.76 ID:7h3e+vDc0
2層【炎の試練】

ヒィヒィ言いながら、サウナのような暑さの中を進む。
途中で、何故か結婚式の招待状を見つけた。
不思議に思い拾い上げると、横からトモエが手を出した。
うちわにして涼もうとしたらしいが、手を滑らせてマグマの中に落してしまう。
わざとかそうでないのか、トモエのおっとりした表情は読めない。

少し進むと、ボスっぽい大きなクリミナルがいた。
彼はここ一帯を仕切る魔族の頭だと威張っている。
確かに、今の少女たちでは全く歯が立たず、再戦を誓って撤退する。
「おめーら弱すぎ!口ほどにも無いじゃん。
まぁ、この塔にいる四天王を倒したらもう一回戦ってやってもいいけど。
じゃあ、炎の試練の一番上で待ってるぜ、子猫ちゃん!」

雑魚クリミナルで鍛錬を重ねつつ、中ボスクリミナル四天王を探しながら進むが、
一匹目の四天王と目があった途端、そいつは猛ダッシュで逃げてしまった。
困っていると、アリスがクリミナルの居場所を予言した。
「アリス、特別だからわかるの…。アリス、ほんとの事しか言わない。」
そういえば、アリスは超能力があると言い張っていた。
2度空振ったが、アリスの言う通りに進み、行き止まりにクリミナルを追い詰めることが出来た。
「すごいじゃねぇかアリス!」
ラン達に褒められ、珍しく微笑むアリス。
「…アリスが特別だから、テレビに追いかけ回されたりとか、嫌なこといっぱいあったけど…。
アリス、特別でよかった…のかな?」
「あたりまえやんか。アリスさんがおらんかったら、もっとずっと手こずってましたえ。」
普段喋らないアリスも、段々仲間たちと馴染んできたようだ。
 
258 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 14:22:20.08 ID:7h3e+vDc0
一匹目を撃破し、上へ登っていく。
歩いていると、トモエが困った顔で主人公に抗議した。
「センセ、何しはるん。うちのおしり触らんといて。」
全く身に覚えが無い。痴漢冤罪だ。
その内に、他の少女も悲鳴を上げ始めた。姿を消せる変態中ボスがいるようだ。
「あたしはテメェみたいなクズ男が大っ嫌いなんだよ!!!」
ランを筆頭に皆で追いかけまわし、行き止まりに追い詰めたが、
姿を消されるとどこにいるか分からない。
その時トモエが歩み出て、服にハタハタと風を送って涼み始めた。
「ああ、あっついなぁ、かなわんわぁ…。」
酷暑の中を走り回った汗だくの体に、白っぽい服が貼り付いて…
「ちょ、ちょっとトモエ、あんた胸透けてるわよっ!ていうか胸以外も色々っ!」
男なら誰だってたまらないだろう。
案の定トモエのおしりに手を出した中ボスは、ランにどつき飛ばされた。
そのまま皆で取り囲み、ぶッ殺して勝利した。
トモエの機転とおしりを皆で褒め称え、更に上の階に上っていく。
 
259 :クリミナルガールズ:2011/06/11(土) 14:23:26.87 ID:7h3e+vDc0
次の階の中ボスも案の定逃げ回る。
しかも、所々にある通路の途切れた所も軽やかに飛び越えていく。
落ちたら下はマグマ、そして跳べそうにない距離…。
「ねぇサコ、サコはこのくらい跳べるよね?」
ユコが、邪気の無い瞳でサコに問いかけた。
「えっ…?お、おう!サコはユコのためなら、このくらいよゆーだぞ!!」
サコは言うなり、対岸に思いっきりジャンプした。
流石の野生児、なんとか届くようだ。
そのままサコを走り回らせ、敵を追いこむユコ。
「サコーッ!ユコここで待ってるから、こっちに追い詰めて!」
とても飛べそうにない大きな裂け目を挟んで、サコに呼び掛けるユコ。
サコはユコの為に決死の大ジャンプに挑み、見事中ボスをメンバーの前に連れてくる。
敵を屠った後、皆でサコのジャンプ力を大絶賛した。
「オマエのジャンプ力、マジですげぇぞサコ!!」
「えへへっ……じゃない!サコはユコのいうとおりにしただけだから、ほんとーにすごいのはユコなんだぞ!
サコとユコ2人いっしょなら、なんでもできるんだ!」
「ねーっサコ☆」
「なーっユコ!」
ここまでくるとコメントしづらいが、美しい姉妹愛を褒めそやし先に進む。
 
264 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 01:11:46.77 ID:9QHUvg4x0
道中、行き止まりの崖っぷちに額縁入りの表彰状が落ちているのに気づいた。
拾い上げ文面を読んでみようとした時、
「先生、こっち見て!!」
ユコに突然引っ張られ、表彰状をマグマの中に取り落してしまった。
「あんなところにちょうちょが!」
ユコが指差す先には、火の粉が舞っているだけだった。
ユコはただ、見間違えちゃった、とニコニコしている。

汗だくで敵を潰しながら上へ上へ進む。
最後の中ボスは少し趣向が違い、逃げも隠れもしなかった。
ただ、全部で24体もいた。
「待ちなさい。これって、一体だけ本物で、あとはダミーってのがセオリーでしょ。」
シンの言葉に、キサラギが胸を張る。
「だったら私が見分けてあげるわ!
私ってホンモノに囲まれて育ったから、ホンモノかどうか見ただけで分かっちゃうのよね!」
シンの策略で24体を誘導して一部屋に集め、キサラギが一同を見渡す。
「いたわ!ホンモノはアイツよ!」
口ほどの物はあったようで、キサラギは本体を本当に見分け、
皆でそいつを倒すと、残りの23体は消え去った。
「あなた、自称セレブの口だけスイーツ女かと思ったら、中々やるじゃない。」
「何よそれ!まぁあんたの作戦も中々よかったわよ。」
シンとキサラギはどちらも高慢で我が強く衝突しがちだったが、少しは打ち解けたようだ。

「本当に四天王を倒しちまったなぁ。
男の約束だ。もう一度戦ってやるよ、子猫チャン達。」
招かれた先に、この試練の初めには手の届かなかった魔人クリミナルが待っていた。
「みんないいやつだったのになぁ。
オレにできるのは、てめぇら小娘の雁首揃えて4人の墓前に供えるだけよ!」
相手は全てのパラメータ上昇に加え自動回復までしてくる超強敵。
7人全員で、猛攻に耐え必死に相手を削っていく。
長い死闘の果てに、とうとう魔人が倒れた。
 
265 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 01:14:42.49 ID:9QHUvg4x0
「私達にケンカを売った奴は、みーんなこうなるんだからっ!」
「私の頭脳に、あなた達の悪逆非道さが加われば向かう所敵なしね。」
「サコたちは、さいきょーのワルしゅうだんなのだーっ!!」
「そうさ、あたしらが揃えば、どんな奴にも負ける気しねぇよ!」
「うちら、最高のパーティーやね。」
皆口々に、強敵を倒した事を喜び合う。
アリスがポソリと嬉しそうにつぶやいた。
「みんなの魂のキズナ、強くなってるの…。」

最初に顔を合わせた時は、みんな自分の主張ばかり。
ああだこうだと足を引っ張り合って、小競り合いを繰り返していたのに。
いつの間にか打ち解け、互いの活躍を認め合い、互いを補い合うまでになった。
最初は複数人で攻撃することすらなかったのに、今では色々な連携技がある。
主人公には未だに反抗的な態度だが、少女同士はうまく回り始めているのだ。
心身ともに、確実に成長している。

魔人の倒れた先には、次の試練へ向かう階段。
灼熱に苛まれながら駆け上がった先は、いきなりの氷点下。
白く凍てついた酷寒の地獄、氷の試練。
 
266 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 01:17:14.15 ID:9QHUvg4x0
3層【氷の試練】

道中、雪景色の中に、トレイに乗せられた家庭料理が落ちていた。
違和感のある光景に騒いでいたが、シンの表情が暗い。
「え?ううん、なんでもないわ…。ただ、ああいう食事をしばらく取ってないなと思って。」
「そやねぇ。はよ帰っておばんざい食べたいわぁ。」
しかし、いつから落ちてるかわかんない料理を食べてはいけないので、
一同スルーして通り過ぎた。

寒さに歯を鳴らし、氷に足を取られながら進むと、突然少女に出くわした。
泥の試練の最初に見かけた、一人多かったあの少女だ。
「よかった、みんなに会えて。私はヒメカミ。姫神綾乃。
他のメンバーとヨミガエリに参加していたんだけど、はぐれてしまって…。」
「こんなところに1人でいたらあぶないぞー。」
「そうよ。私達と一緒に安全な所までいこ?」
少女達は皆でヒメカミを仲間に迎え入れようとする。
「みんなは優しいのね。
でも、自分に危険が迫った時、優しいままでいられるのかな…。」
呟いたヒメカミの言葉に皆が戸惑うと、ヒメカミは慌てたように手を振った。
「あ、ううん、なんでもないの。
みんなは大丈夫よね。こんなに信頼し合ってるんだもの。
私はもう少し仲間を待ってるから、気にせず先を急いで。」

先に進むと、道を塞ぐ大きな門扉に行き当たった。
「ここに3人を置き捨てよ。されば扉は開かれん。」と刻まれている。
少女達の中から3人をおいていかなければならないらしい。
ヒメカミが、扉の向こうに鍵があって合流できることを教えに来てくれた。
ならば恨みっこなし、じゃんけんで居残り3人を決めよう。
結果、ラン、アリス、キサラギが扉の外で待っている事になった。
「すぐに迎えに来るから、待っててね。」
笑顔で見送る3人を残し、扉が背後で閉じた。
 
267 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 01:33:06.75 ID:9QHUvg4x0

雪が降り始め、いよいよ寒さも身に凍みてくる。
扉の先には、広い迷路に幾つも偽のカギがちらばっていた。
かじかむ指で雪をまさぐり、明らかに大きさの違うカギを確認していく。
待っている3人を案じながら探しまわり、ようやく小さな鍵を見つけた。
喜び勇んで扉まで戻ると…、扉は既に開いていた。
迷路の中には3人はいなかった。迷路の奥にあった階段から上へ進んだのだろうか。
「だったら、私達と合流してから進むべきじゃない!?」
「せっかく鍵、さがしたのに…。」
何か事情があったのかもしれない。トモエが皆を慰め、気を取り直して上へ進んだ。

上の階には、早速扉が待ちかまえていた。
「一人を選び、その力を捧げよ。されば扉は開かれん。」
力…一体何が起きるのだろう。後に回復する手段はあるのだろうか。
ここも恨みっこなしでじゃんけんをする。結果、ユコが負けた。
「サ、サコぉ…、ユコどうしよう…!」
涙目になるユコに、サコが即座に助け船を出す。
「だいじょうぶだぞユコ!サコがかわってあげるからな!
おい扉、きーてたか!ユコのかわりにサコから力をとるんだぞ!!」
扉がサコから何かを吸いとると、レベルが1に戻りそれ以上上がらない状態になってしまった。
守備の脆いトモエ、魔術師のシンとユコというメンバーでは、アタッカーのサコに頼れないのは辛い戦況だ。
なんとか敵を倒しつつ先に進むと、またも扉があった。

「二人をここに置き捨てよ。されば扉は開かれん。」
また、向こうで鍵を探すパターンだろうか?
じゃんけんをすると、またもユコが一人負けた。
もう一人選ぼうとじゃんけんを始めると、サコが遮った。
「サコがユコとまってる。サコとユコはいつもいっしょだったし、ユコもそのほうがいいよな?」
いつもなら笑顔で「うん!」と頷くユコは、硬い表情で黙っていた。そして、
「……ユコは、トモエと待ってたい。」と呟いた。

トモエは、現在の4人で唯一の前衛だ。年長で頼りになる。
レベルが1に戻ったサコは要らない。そういう宣言だった。
そして同時に、何が待つか分からないこの先を、
レベル1のサコと、守備の弱い魔術師のシンの二人に行かせるという宣言だった。
さすがのシンも呆気に取られ、トモエに確認する。
 
268 :ゲーム好き名無しさん:2011/06/12(日) 01:41:36.11 ID:9QHUvg4x0
「…ええよ。センセと分かれるんは残念やけど、せっかくのご使命やし、ここに残るわ。」
ショックで呆然としていたサコの目に怒りの炎が灯った。
「なんでだよユコ!!サコのレベルが1にもどったからか!?
ユコもトモエも、だいっきらいだ!!!!」
扉が開いた先に駆けて行ったサコを、主人公とシンも追う。
幸い扉の向こうにクリミナルはおらず、進んだ先にはキサラギとアリス、そしてヒメカミがいた。

「ちょっとあんたたち、どうして私たちを放って先に進んだのよ!!
ヒメカミが鍵を見つけてくれたんだからね!!」
「はぁ!?何言ってんのよ!?
こっちは1Fの隅から隅まで鍵を探して回ったんだからね!
あなたたちこそ、私たちを探さずに先に進んだんじゃない!勝手に仲間まで増やしてさ!!」
喚きあうシンとキサラギを、ヒメカミと一緒に宥める。
キサラギ達も向こうの扉の外にランを待たせているらしい。早く全員合流しなくては。

「ところでサコさん、ずいぶん弱くなってしまったのね。」
ヒメカミに話しかけられて、サコは元気に答えた。
「うん!はやくつよくなって、みんなをたすけるんだ!」
ヒメカミは一瞬冷たい表情になってサコを見下ろした。
「言いにくいけど、それ、もう元に戻らないよ。
私の仲間もそうだったから。」
サコの表情が凍りつく。慰めようもない内に、ヒメカミは仲間を探しに離脱してしまう。

曲がりくねる道を進むうちに、待っているユコとトモエの声が聞こえる場所を通った。
「トモエさんが残ってくれてよかったぁ!
ユコ、サコ以外の人と一緒にいるの初めてなんです!」
「ええんよ。ユコさんの考えてること、わかるから。」
楽しげに笑い合う声に、サコの表情はますます暗くなっていく。
 
274 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 10:40:46.91 ID:9QHUvg4x0
少女達の雰囲気は重苦しく、戦闘ボイスも専用のテンション低いバージョンが用意されてるほど。
口数少なく先に進むと、またも忌々しい扉が立ちはだかった。
「一人をここに置き捨てよ。されば扉は開かれん。」
「もう、じゃんけんするひつようないよな。
サコがのこる。こんなによわくなっちゃったし、これいじょういっしょにいるのめーわくだよ。」
気弱なサコを、主人公はヤケになるなと励ます。
「ヤケじゃないよ!みんなのことかんがえたらこれが1ばんいーんだよ!」
気丈に微笑むサコを置いて、後ろ髪引かれる思いで進む。

先には階段があるだけだった。それを登るとすぐそこには…
「あっラン!ランーっ!!無事だったのね!」
「おうよ、無事も無事!
シンと合流できたのか、よかったなぁ!」
ランの力強い声と、頼もしい笑顔に、少女達はほっとする。
「ん?サコユコとトモエはどうしたんだ?」
そう尋ねられ、シンが言いにくそうに今までの経緯を話した。
「ああ!?お前ら一体何をしてんだよ!?
弱ってるサコを一人でおいてくるなんて…オヤジは止めなかったのかよ!?」
ランに問い詰められて、主人公は本人の意思だからと言い訳する。

「何寝言ほざいてやがる!!オヤジも所詮その程度の男だったってことだな!
もうてめぇを信用できねぇよ。これからは私がこいつらを守る!!」
ランと主人公が険悪になってしまい、どちらにもつけない少女達はいっそう気まずくなる。
雪の降る中、後戻りする事もできず進んだ先には、また扉が閉じていた。
「一人の力を捧げよ。されば扉は開かれん。」
嫌でも進まねばどうしようもない。また恨みっこなしでじゃんけんする。
負けたのはシンだった。
「……うそ、この私が…。…アハハハハ!
そーよね、恨みっこなしだもんね!恨むんならクソ弱い私のじゃんけん力を恨めってとこよね!!」
「シン!私達だって好きであんたを犠牲にするわけじゃないのよ!」
「大丈夫だシン、私が守ってやる。」
シンの狂態を案じるアリスとキサラギ、励ますラン。
ギリギリの精神状態で進んだ扉の先には、また扉。
その前には、ヒメカミが立っていた。
 
275 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 10:41:52.82 ID:9QHUvg4x0
「…ヒメカミ?あんた仲間は?」
「仲間?いないけど、それがどうかした?」
「…前から思ってたけど、ヒメカミはどうやって扉を通ってるの…?
犠牲を捧げないと、開かないのに…。」
「犠牲?扉?そんなのあったけぇ?」
ニヤニヤと笑ったヒメカミは、背後の扉を振りかえる。
「今度は、誰をおいていくのかなー?」

ヒメカミの言葉に怒った皆を、突然シンが怒鳴りつけた。
「いいかげんにして!!どうせ今度は私を置いていくんでしょ!!
当然よね!こんなクソ弱くなっちゃったんだし!邪魔者の私は消えてあげるから、みんなで先に進めば!?」
シンは駈け出して、降りしきる雪の向こうに見えなくなってしまった。
すぐさま、レベル1のシンを守る為にランも後を追い、いなくなってしまう。
「お、追わなきゃ…」
慌てるアリスにキサラギがヒステリーを起こす。
「はぁ!?あんな奴ら放っておけば!?
…何よその目っ!私が悪いっての!?みんなが勝手ばっかり言うのがいけないんじゃない!!
こんなの、こんなの私のせいじゃないしっ!
もううんざりなのよ、ヨミガエリも地獄もうんざりなの!!」
キサラギも泣きながら走っていき、すぐ見えなくなってしまった。
一人残ったアリスはうろたえていたが、キサラギを追って走り出した。
一度だけ主人公を振りかえったが、すぐに雪の向こうに消えていく。

振り向けば、いつのまにかヒメカミもいなくなっていた。
降り積もる雪の中、主人公一人だけが残された。
目の前の扉に刻まれた文字を読むと、
「1経験値を捧げよ。されば扉は開かれん。」
そんなバカな…。1ポイントを差し出すと、呆気なく扉は開いた。
しかし、少女達の姿はどこにもない。

他にどうしようもなく、主人公は扉をくぐり先へ進んだ。
雪の中一人で歩く。しばらくすると、上へ続く階段があった。
階段に足をかけて主人公は物思いにふける。
少女達は、このまま地獄に落ちて行ってしまうのだろうか…。
最初は騙し打ちのような理不尽なバイトだった。反抗的で問題ばかり起こす少女達…。
主人公は、いつも後ろをついてきてくれた少女達の事を思った。
 
276 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 10:43:06.10 ID:9QHUvg4x0
やっぱり戻ってみんなを見つけよう。
そう思いなおし、主人公は雪道を引き返した。
少女達の名前を叫びながら歩くが、全て雪に吸い込まれてしまいそうな気持に陥る。
不安と闘いながら彷徨う内、前方に人影を見つけた。
雪の中見えた小さな姿は、うずくまり何か念じているアリスだった。
主人公が駆け寄ると、アリスは目を開いた。
「アリス、お祈りしてるの…。みんなが無事でまた会えるように…。
…雪、やめ… 雪、やめ…!」
一心に祈るアリスの傍らで、主人公は大声で皆の名前を叫ぶ。
重苦しい雪を払いのけて、皆の元に声が届くように。

「ユコーーーー!!!トモエーーーー!!!」
扉の前でクリミナルを食い止める為戦っていた二人は、呼ぶ声を聞いて振り返った。
「先生の声が…。あっ…雪がやんでいくよ…。」
背後の扉が、二人を迎え入れるように開く。

「サコーーーー!!!」
トボトボと歩いていたサコは、声が聞こえて顔を上げた。
「…こーしていてもしかたないしな!ユコにもあいたいし…みんなのところにいこう!」
走りだしたサコの体に、力がみなぎっていく。

「ランーーーー!!!!シンーーーー!!!」
クリミナルに追い詰められていた二人は、呼ぶ声を聞いて辺りを見回した。
「今、教官の声がしなかった…?」
「おい、この扉開くぞ!」
二人の背後にあった扉が音をたてて開いた
「力が、戻って来た…。帰りましょう、みんなの所へ!」

「キサラギーーーー!!!」
一人歩いていたキサラギは、名を呼ばれて立ち止まった。
「帰らなきゃ、みんなの所へ…!」

いつのまにか雪がやみ、空が心なしか明るくなっていた。
主人公は視線を下におろし、静かに名前を呼んだ。
「…そして、アリス。」
アリスは微笑み、主人公を見て頷いた。
 
277 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 10:44:16.74 ID:9QHUvg4x0
皆を探して歩く内、主人公とアリス、ユコとトモエ、サコは三叉路でばったりぶつかった。
「ユコ!ごめんなおこって!
あれからかんがえてわかったんだ!ユコは弱いサコを守るためにのこってくれたんだよな!」
理屈がちょっと分からないが、そういうことだったらしく仲直りする。

そのまま残りの皆を探しまわり、ランとシンにも再会できた。
そこに、向こうからキサラギも走って来た。
「シン!あんた無事だったのね!!」
「なぁに?心配して走ってきてくれたの?」
「べっ別に…!
私は、あんたたちのしもやけに利きそうな薬があったから届けに来てあげただけよ!」

「しもやけ?」
アリスとランが首をかしげて皆の手を覗きこむと、
「ど、どうしたんだよ!手がパンパンじゃねぇか!」
最初の扉の向こうで、雪を掻き分けて長い間鍵を探しまわったからだ。
「別に当然のことよ。だ、だって、仲間でしょ?」
シンがそっぽを向く。
みんなお互いの事をちゃんと想っていた。あちこちですれちがってしまっただけ。
「そう、すれ違いになったらまずいと思って、私達扉の前に書き置きを残したのよ。」
「書き置き?そんなものなかったわよ。」
「…雪が全部悪いの。雪が降ってから、全部おかしくなったの。」
扉も、全部押せば開く物ばかりだった。
自分達は、幻に踊らされていたのだ。

「哀れよのう。
私の作りだした幻に溺れ死んでいくのが、お前達には似合いであったのに。」
氷でできた巨大な花の様なクリミナルが、仲直りした仲間達に襲いかかって来た。
こいつが今までの幻を作り出していた化け物らしい。
「囚人ごときが心を通わせ合うとは生意気な。
お前達は、幻を味わう事もかなわず、ここで死んでいくのだ。」
一層絆を深めた7人の前に、しゃらくさいボスなど物の数ではない。
タコ殴りにされ、ボスは一時退却していった。

幻が全て解け、我に帰るとそこは氷の試練の入口だった。
「またのぼりなおしかーー!」
「今度は7人一緒やもん。すぐに登れるよ。」
「あたしらは、やっぱり7人一緒じゃないとな!」
少女達は自分達の確かな絆を確認し、しっかりと信頼し合った。
主人公のことも教官として認め、休憩時やおしおき時のセリフが友好的な物に一新される。
 
278 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 10:46:35.43 ID:9QHUvg4x0
7人揃った少女達は、順調に塔を登っていった。
道中、道に日記が落ちているのに気付き拾い上げた。
可愛いピンクの日記に、日々の出来事がきれいな字で書き留められている。
「ひとの日記をかってによんだらいけないんだぞー!」
サコに叱られ、元あった場所に日記を戻しておく。
しばらく行くと、今度は携帯電話を見つけた。
ストラップの沢山ついた、女の子の持つような携帯だ。
「センセ、拾たらあかんえ。」
「そうだよ、女の子の携帯は絶対に中見ちゃだめ!」
トモエとユコに叱られて、携帯を道端に戻す。
何故か、キサラギの表情が暗いのが気にかかった。

氷の試練最上部には、少女達をたばかったボスクリミナルがいた。
「囚人ごときが、この私の迷宮を破るとは…
しかし、そのようなかよわき絆がいつまで保つかな」
「おあいにくさま!私達の絆は、綱引きしても千切れないロープみたいにぶっといのよ!」
氷の試練の化身に再度決戦を挑む。
状態異常攻撃を頻繁にしかけてくる強敵だが、連携プレイで7人全員の力を合わせ、撃破した。
「囚人のかりそめの絆で進めるほど、この先の試練は甘くないぞ」
呪詛のように呟き、化け物は息絶えた。

怨敵が退いた先には階段へ続く扉。
そこに、ヒメカミが入っていく後ろ姿が見えた。
「ヒメカミ!…ヒメカミの仲間って本当にいるのかな?
私達、他には誰も見かけなかったでしょ?」
ヒメカミは、一人でこの塔を彷徨っているのだろうか。
「だとしたら…すごく辛いだろうな。」
「うん…。私、一人だったら絶対ここまで来れなかったな…。」
「私も。皆と…先生がいてくれたから、ここまで頑張ってこれたんだよ。」
互いの絆を確かめ合う7人と主人公。
初めて顔を会わせた時は、こんな風に心を通わせ合う時がくるなんて想像もつかなかった。

「ヒメカミに次に会ったら、無理やりにでも仲間に入れちゃおうよ。」
「そやね、一人は危ないもんね。」
素性のわからない少女の事を、真剣に心配できる心を誰もが培っている。
少女達は、見違えるほど成長した
残る試練はあと一つ。少女達の巣立ちの日は近付いている…。
 
281 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 11:58:16.98 ID:9QHUvg4x0
四層【学び舎、16時の記憶。】

階段を上の層に登ると、そこは唐突に校舎の中だった。
夕焼けが廊下をオレンジ色に染めている。
現実的すぎて非現実的だ。
今までずっと、いかにも地獄という感じの場所ばかりだったのに、一体何故?
少女達を振りかえると、全員どの試練に挑んだ時よりも表情が硬かった。
学校も、人によっては地獄となる、ということか。

廊下を歩きだすと、すぐに一枚のメモが落ちていた。
女の子らしい字で、「アンタなんか大嫌い!」と書かれている。
軽いジャブだが、少女達の顔を見るに、地味にダメージをくらっているようだ。
校舎を探索していると、ある教室の扉に文字が書かれていた。
<16:00 春川朋の記憶>。

春川朋は、トモエの本名だ。
教室内には不鮮明な人影がまばらにいた。
「春川さんってさ、美人で優しくて女っぽくて、いいよなー。」
「俺らなんて話しかけづらいけど、向こうから話しかけてくれるもんね。
あれ?もしかして脈アリってこと?ふひひ…」
「春川さんって、クラスの級長までつとめちゃってすごいわよね。
バリバリ仕切るタイプじゃないけど、そこがまた頼れるっていうかー。」
どの人影も、トモエの容姿やそれに驕らない気立ての良さを褒め称えていた。
トモエは生前、とても人望があったようだ。

少しして同じ場所に戻ると、人影の数が増えていた。
廊下でしゃべっている人影の会話が聞こえてくる。
「またケンカらしいよ、A組。どうしちゃったんだろうね。」
「本当だよね。春川さん大変だろうね。級長だもん。」
A組の中の人影は、皆おかしくなっていた。
「これ、春川さんに教えてもらったアクセなんだ!
コーディネートも上から下まで全部春川さんの真似!」
「あのオタク野郎、春川さんに慣れ慣れしくしやがって!勘違いしてんじゃねえよ!ぶっ殺してやる!!」
「あの子最近気持ち悪くない?春川さんの真似ばっかしてさ。
春川さんもほんとのところ迷惑なんだって。私にだけ相談してくれたんだ。」
女子は皆トモエの真似をして、男子はトモエを巡っていがみ合っている。
 
282 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 11:59:34.50 ID:9QHUvg4x0
「うふふふ、楽しいなぁ。みんなが壊れていくのを見るんは。」
振り向くと、トモエとそっくりの人影が立っていた。
「みんなトモエが壊したんよ。
女子に羨望されるより、男子に褒め称えられるより楽しいこと。
トモエの周りには人が集まる。街燈にたかる羽虫みたいになぁ。
でも、トモエの周りにはトラブルばかり。それは…」
人影はそこで言葉を切った。本物のトモエは黙りこくっている。
「トモエがやったのか?」
主人公の問いかけに、トモエが頷いた。
「そうです。うちがやったんです。
うちは小さい頃から、人に愛されて大事にされるんが、当たり前の事やと思うてました。
人から愛されるいい子なだけではつまらん。だから人の心をもてあそんで楽しむようになった。」
人影が笑い声を上げた。
「トモエを愛する人たちが、トモエの為に苦しむ。
それはトモエにとって、とってもキモチエエことのはずよ。」

うつむいたトモエから、他の少女達に人影は視線を移した。
「ランさんは男嫌いって言うてはるけど、
むしろ、アリスさんを見る目が時々やーらしいのは、うちの気の性やろか?
サコさんはユコさんが大好きやけど、ユコさんの方はどうなんやろ?
こないだ、ふかーいため息ついてたけど?」
トモエの影は楽しそうに、聞くに堪えない言葉を吐いていく。
皆が慌てて必死に反論するが、なんとなく曲解できる事実を基にしているだけに気まずい。
「やめて!みんなうちの大事な仲間や!壊したくなんてない!」
「あら、そうなん?あの時は、あんなに楽しそうに大事な従妹を壊しとったのに?」
トモエの影は消え、トモエはその場に立ち尽くした。
「罪は償う為にあるんだ。」主人公はトモエを励ます。
「うちは、この為に地獄に落ちてきたんやね。
うちの罪の証が、きっとどこかにある。うち、罪を償いたい…。」
 
283 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 12:02:25.52 ID:9QHUvg4x0
トモエの、罪の証。主人公の頭に、トモエの投げ捨てた招待状のことが過った。
動かないトモエを置いて、休憩部屋のワープから炎の試練2Fに戻る。
招待状の落ちていた場所への道中、人影がまばらに立っていた。
「お嬢さん、可哀想にねぇ。花婿が式当日に逃げ出すなんて。
真面目そうな人に見えたのに、わからないものね。」
「気丈に振る舞ってたけど、盛大なお式が台無しになって気の毒ね。」
「それにしても、花嫁に付き添ってた黒髪の子、美人だったよなー!
あの子が花嫁だったら、俺は絶対逃げないね。」
トモエがマグマに落した筈の、結婚式の招待状。元の場所に落ちていた。
それを拾って、トモエの元に帰る。

招待状を渡すと、トモエは懺悔を始めた。
「大好きな従姉のユキエちゃんに縁談が決まって、ユキエちゃんはほんまに幸せそうやった。
なのにうちは、また遊び半分でその縁談を壊してしもたんよ。
ユキエちゃんがうちに抱きついて泣いてた時も、うちは悪いことやなんて全然思うてへんかった。
でも今のうちにはわかる。うちの罪が…。」
トモエの影が現れて、またトモエの罪を暴き立てる。
「アホくさい、あんたはあの時確かに楽しんでたやないの。
大事な人たちのつながりを叩きつぶして、自分は安全なとこから高みの見物…」
「やめて!!!!うちは先生やみんなとのつながりがあったからここまで来れた!
うちは変わったんよ!うちは、もう二度と間違わん!!」
「アーハハハハハハ!せやったら、ええ子のトモエは死ね!!!!」
人影は実体となり、「春川朋」との戦闘が始まる。
高火力のトモエの影だけあり苦戦するが、何とか勝利する。
「かんにん、かんにんな…。」
 
284 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 12:04:27.91 ID:9QHUvg4x0
トモエが自分の罪を受け入れた事で影は消え、校舎の封印されていた扉が開いた。
そこから先は、また違う学校の校舎の様だ。
「うそ…ここって…」
キサラギが青ざめる。教室の扉には、<16:00、如月恭華の記憶。>と書かれていた。
教室の中では、女生徒達の人影が声高に話し合っていた。
「如月のバッグ、あれってコピーじゃない?」
「だよねー。あんだけ安っぽいと流石にわかっちゃうっていうか。
私達に合わせようとして一生懸命なのはわかるんだけどさー。」
「しょうがないよ。あの子のお父さん普通のサラリーマンらしいから。」
「でもさ、普通の家の子が、無理してこの学校来る方が悪くない?」
「言えてるー!!なんか、見ててかわいそうなんだよね!」

人影が消え、キサラギは肩を震わせる。
「お前、セレブじゃなかったのか?」
「私、セレブ…になりたかった…。」
別の教室の中には、エルメスの時計、グッチの財布、ビトンのバッグ、プラダのリング、
他にも色々なブランド品が沢山置かれていた。
これらは全部、本物なのだと言う。
「…だって、私が買ったやつだから…。…汚いことしたお金で…。」
「キサラギ、お前まさか…援助交際を?」
問いかけた主人公に、キサラギは慌てたように弁明した。
「私、エッチな事はしてないよ!?…でも、ご飯食べて、カラオケ行って、一回5千円。
…5回やれば、お財布が買えるの。10回やれば、バッグが…。」

キサラギは目を潤ませてうつむいた。
親を説得してやっと入ったお嬢様学校で、みじめな思いをしたくなかったのだと言う。
クラスメイトは手の平を返したように仲良くしてくれたが、心は満たされなかった。
「当然だよね。ホンモノに囲まれてても、私だけニセモノなんだもん…。」
「あーら、あんたニセモノなんだ?」
振り向くと、キサラギにそっくりな人影が立っていた。
人影は、キサラギのブランド品を奪い取った。
「ニセモノのあんたにはホンモノを持つ資格なんてないわよね?
私はホンモノのキサラギだし、ホンモノのセレブなの。
ニセモノのあんたは、地味~ないじめられっ子生活をひっそり送ってれば?」
「私…ニセモノ…。」
 
285 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 12:06:33.61 ID:9QHUvg4x0
「ちょっとキサラギ、しっかりしなさいよ!」
「…私、償わなきゃいけないんだ。あのデータも、全部消さなきゃ…。」
データ。雪の中に落ちていた携帯電話が頭を過る。
キサラギを置いて氷の試練3Fに戻ると、そこにはまばらに人影が立っていた。
「その制服、聖泉白女学園だよね?キョウコちゃんおじょうさまなんだー。」
「キョウコちゃん、そのソックス売ってよ。
ダメ?なんでー?いつもおこづかいあげてるじゃーん。」
「お茶なら3000円、カラオケは5000円。
大丈夫、いやらしいことはなーんにもしないから。」
携帯電話は、元の場所に落ちていた。
拾い上げ、キサラギの元に戻る。

「これ、お小遣い稼ぎ用に使ってた携帯…。」
キサラギは携帯電話を受け取り、それを真っ二つにへし折った。
「これでいいの。私、援交する時キョウコって偽名使ってた。
その名前でよばれるたびに、自分がニセモノなんだって思い知らされた。」
キサラギは、自分の影に向き直る。
「あんたも私も、物の値段ばかり気にして、本当の価値を見ないふりをしてた。
そうやって自分の弱さを誤魔化してたんだよね。」
「はぁ?弱いのはあんただけでしょ。
本当の価値って何?それっていくらで買えるの?」
「買えないよ!!!買えないから価値があるの!
先生やみんなとの絆は、絶対にお金じゃ買えなかった。
それに気付いたから、私変わるの!!みんなに恥ずかしくない本物の私を見せたいから!」
影は実体となり、「如月恭子」との戦闘が始まる。
状態異常攻撃やHP吸収を操る強敵だが、苦戦の末キサラギの影は倒れた。
「バイバイ、私…。」
キサラギの頬を涙が伝った。

キサラギが自分の罪を受け入れた事で、影は消え校舎の扉の封印が解けた。
その先の階段を上ると、そこはまた別の学校だった。
<蘭堂かよこ、16:00の記憶。>
校舎を歩むと、閃光が明滅しどこからともなくシャッター音が響く。
教室の床に、写真が一枚落ちていた。小学校高学年頃の少女の写真だ。
「これ、あたしだ…。こんな写真撮られてたんだ…。
アイツだ、絶対アイツだよ…。」
ランの額に脂汗が浮いている。
他にも、同じ年頃のランの、スクール水着姿を隠し撮りした写真などが点々と見つかる。
 
286 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 12:10:53.95 ID:9QHUvg4x0
探索する内に入った教室の教卓に、一眼レフのデジカメが置かれているのに気づいた。
手にとって電源を入れようとすると、ランが飛びかかってきた。
「やめろ!見るな!!見るなってばぁ!!」
ランはデジカメを床に叩きつけ、何度も何度もそれを踏みつぶした。
取り乱したランは、なだめる主人公にも拳を振り上げる。
「うるせぇ!!お前だって男だろうが!死ねっ!死ねよ!!」
「そうさ、やっちまいなラン。」
振り向くと、ランにそっくりな人影が立っていた。
「いつもみたいに、適当なインネンつけて男をボコボコにしなよ。
だって、ランは男に人生をめちゃくちゃにされたんだから、やりかえして当然だろ?」
「ちがう!今のは、ただ勢いで…。オヤジはあたしの味方だ!」
「へぇそうかい?でもそいつも男じゃないか。
しかもランをめちゃくちゃにした奴と同じ、教師だ。」
「やめろぉ!!言うな言うな言うなあああ!!!!」

錯乱したランを鎮める為、彼女の罪の証を皆で探しに行く。
もう随分前、ランが忌々しげに投げ捨てた木刀。
泥の試練3Fに戻ると、そこには人影がまばらに立っていた。
「何だよコイツ!俺ナンパしてただけだろ?!
女だと思って相手してやったのに、武器使ってくるなんて聞いてないぜ!」
「おい、蘭堂かよこだぜ。目ぇ合わせんなよ。
俺の友達、あいつの学校の女に声かけて半殺しにされたんだ。
声かけただけだぜ!?あいつ、マジで鬼だよ。」
ランが放り投げたはずの木刀は、元の場所に落ちていた。
拾い上げ、ランの元に戻る。
 
287 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 12:14:13.72 ID:9QHUvg4x0
木刀を見せると、ランの目に理性が戻って来た。
「これ…弱かった頃のあたしの武器…。
小学生の時ひどい目に合って、私はこれを買って体を鍛え始めたんだ。
男に片っ端からインネンつけて、痛めつけて…
そうしたら、あいつに汚された私が、その分だけきれいに戻るような気分になれて…。」
「元に戻れるわけないだろぉ!?
あんな目に合わされたんだ、忘れられるわけねぇよ!
男どもに仕返ししてやるくらい、当然の権利なんだよ!特に教師ってヤローにはな!!」
「違う!そんなの、間違ってた…。
暴力で最悪の記憶を誤魔化して、救われた気になってただけなんだ。
悪いのはアイツだ!オヤジも、みんなも悪くない!」
「ちっ!コシヌケになりやがって…。
いいぜぇ、ランの代わりに、私がその男をぶっ殺してやるからよォ!!!」
ランの影が吠える。ランがその前に立ちはだかる。
影は実体となり、「蘭堂かよこ」との戦闘が始まった。
盾役のランの影だけあって固い難敵だが、じりじり削り勝利する。

「あたしのこと汚いと思うか?」
ランが不安そうな顔で主人公に問う。
「馬鹿だな。思う訳ないだろ。」
「…ありがと、オヤジ。」
ランの頬に涙が伝う。
ランが自分の罪を受け入れた事で、影が消え校舎の扉の封印が解けた。

そこから先は、また別の校舎。
放課後の教室の中で、先生と母親らしき人影が、二者面談を行っていた。
<片木左子、16:00の記憶>。
「サコくんは元気で活発で、明るい子ですよ。
ちょっと勉強の方がおろそかになってますが。」
「あの子ったら!いつも言い聞かせてはいるんですけど…」
「ユコくんは真面目で努力家で、いい子ですね。
二人の仲も、とてもいいですし。
双子といえど思春期になるとうまくいかなくなるものですが、あの二人は問題ないでしょう。」
 
289 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:23:16.91 ID:9QHUvg4x0
校舎を進むと、ユコとサコにそっくりの人影が廊下で立ち話をしていた。
「ユーコっ!たいそうふくかしてー?」
「また?もーしょうがないなぁ。体育終わったばかりだから汗臭いかもよ?」
微笑ましい双子の日常の再現だったが、サコの表情が暗い。
「…サコ、あの体操服何に使うんだ?」
「えっ?本当に忘れたんだよ!普通に体育に使うだけだってば。」
主人公の問いかけに焦ったように答えるサコ。いつもと口調が違う。
明るく舌足らずな幼い喋り方でなく、きちんとしたイントネーションだ。
「…サコ、今までバカなふりをしていたんじゃないのか?」
図星らしく、サコは押し黙る。

体操服を借りて駆け去ったサコの人影は、
隣の教室で体操服に顔をうずめていた。
「ユコ、ユコ、大好き…。」
皆が近づくと、サコの影は無表情にこちらを見返した。
「変だって分かってる。でも好きなんだからしょうがないじゃない?
だから、バカのふりをしてユコにべったりくっついてる。
そうでしょ?サコ。」
女性的で大人びた口調だった。
サコはユコの顔を見られず、青い顔でうつむいている。
サコにも、自分の罪を乗り越えるきっかけが必要なのだ。
サコに叱られて元に戻した日記帳。きっとそこに答えがあるだろう。
炎の試練の3Fに戻ると、まばらに人影が立っていた。
「片木さんとこのサコちゃんの方、最近変じゃない?
前はもう少ししっかりしてたと思うんだけど…。」
「右子ちゃんも大変だよね。あんな風にお姉ちゃんにべったりされてさ。
結構可愛いのに、彼氏も作れないなんて可哀想。」
日記帳は、元の場所にまだ落ちていた。
拾い上げ、サコの元に戻る。

日記帳を差し出すと、サコはやっと顔を上げた。
「それ、サコの日記帳。先生、読んでいいよ。」
ページをめくると、丁寧な字で毎日欠かさず、ユコのことばかりが書き込まれていた。
「サコはユコのことが本当に好き。
ユコにどこにも行ってほしくなくて、バカのふりしてユコを縛りつけてた。」
 
290 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:25:22.42 ID:9QHUvg4x0
サコの影が口をはさむ。
「ふーんそうなんだ。
でもユコはサコのものだから、サコにはあげないよーだ。」
「ユコは誰のものでもない!サコの…私のものでもない!」
「えー?だってサコいつも言ってたじゃない。
サコとユコは一心同体、ずーっとずーっと一緒だって。」
「ちがう!ユコは一人のちゃんとした人間なんだ!」
「サコのユコへの想いってその程度のものなんだ?
じゃあサコと勝負しようよ。サコが勝ったら、ユコはサコのもの。」
影は実体となり、「片木左子」との戦闘が始まる。
さすが特攻隊長サコの影。素早い上に2回行動、HP自動回復までする強敵だが、何とか勝利した。

「ごめんな、ユコ。
こんな気持ち悪いお姉ちゃん、嫌いになるよな。」
「バカ!サコはユコのたった一人のお姉ちゃんだもん!
嫌いになんてなる訳ないじゃない!!」
サコの頬に涙が伝う。
サコが罪を受け入れた事で、校舎の扉の封印が解けた

ここは、少女達が自分の罪を受け入れ乗り越えて、
新しい自分に生まれ変わる為の学校なのだ。
全員が自分を変えることが出来た時
少女達はこの学校から、そして主人公から卒業していくのだろう。
 
291 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:29:07.60 ID:9QHUvg4x0
扉の中の階段を上った先は、また別の校舎。
シンが呟く。「私の番、来たみたい。」
<16:00 初来慎の記憶>。
教室の中に、一つだけ隅に寄せられた机があった。
食べかけのパンや消しゴムのかす、ホコリ等でひどく荒らされている。
教室後ろの黒板には、大きく落書きがされていた。
「消えろオタク女」「根暗ブス」「ひきこもりは学校くんな(笑)」

シンが無言で黒板を消し始めた。
「え?イヤね。私がイジメなんて低俗なことに関わるわけないじゃない。
それより、これ早く消さなきゃ…」
「シンがいじめられてたのか?」
主人公が問いかけると、シンは無理に笑い声を上げた。
「まさか、この私が?
私は4カ国語ペラペラ、17歳で博士号を取った天才少女なのよ?!」
興奮しているシンをなだめ、探索を続ける。

教室の中に、PCがぽつんと置かれていた。
起ち上げてウェブブラウザを開くと、デフォルトで設定されているオンラインゲームの画面に繋がった。
「Hatsu_nyan」というハンドルでログインされている。
チャットウィンドウを見ると、
「35時間突入~(*^p^)まだまだ行くよ~!
「狩りに行く人挙手ノ」
Hatsu_nyanはかなりコアなゲーマーのようだ。
チャットログを更に遡ろうとした時、
「教官、どいて!!」シンが重たい辞書をPCに叩きつけた。
「読まないで!それ以上ログ読まないでよぉ!!」
Hatsu_nyanはやはり、シンのアカウントだった。
「でも私、もう足を洗ったの!」

その時、現れたシンにそっくりの人影が、シンを突き飛ばした。
「おいっ何やってんだこのカス!
いきなり人のPC壊すとか、ありえねえだろ常考!」
「わ、私はもうネトゲはやめたの!だからPCはもう必要ない!」
「よく言うぜ!厨二丸出しの自分設定作り込んでやがったくせにw
飛び級して17歳で博士号を取った天才数学者ぁ?
プギャーm9(^Д^)恥ずかしすぎ!黒歴史決定だなwwwww」
「やめてよ、私は、私は…」
「これだからヒキオタニートの三重苦女は!いや、ネトゲ廃人入れたら四重苦かw
ハタチ過ぎてこれとかマジ終わってんなwwwww回線切って死んでこい!」
言い返す事もできず、シンはがっくり放心してしまった。
 
292 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:33:02.13 ID:9QHUvg4x0
シンの罪の証、暗い表情で見下ろしていた手作りの夕食。
氷の試練1Fに戻ると、そこには3人の人影が立っていた。
「姉ちゃん…お父さんもお母さんもすっごく心配してるよ?
ゲームならリビングでやったらいいじゃん…そろそろ出てこいよ…」
「慎、今の時代学校に行かなくてもどうってこと無いんだぞ。
定時制も通信性もあるし…大学に行きたかったら大検だってある。
だから、とりあえず出てきて顔を見せてくれないか?」
「慎、体の調子はどう?…たまには外に出ないと…
ううん、無理しなくていいから…ご飯ここに置いておくから、ちゃんと食べてね…」
雪の上に、ぽつんとトレイにのった夕食が置いてある。
取り上げ、シンの元に運んでいく。

シンに料理を見せると、シンの目に光が戻った。
「お母さんの作ったごはんだ…。私が引きこもり始めてからも、毎日持ってきてくれた…。
色んな人に支えられて生きてるのに、私、自分は独りなんて思いこんで…」
「はぁ?一人超楽じゃん。親とか友達とかウザいだけだって。
それよりログインしないと。…あれ?データ飛んでる?
…てめぇら、私の大事な大事なPC壊しやがってよおおおお!!!!」
シンの影が実体化し、襲いかかって来る。
「私、変わりたいの…!」
「初来慎」&「ギルドメンバー」との戦闘が始まる。
全体魔法攻撃や回復を1ターン3回もしてくる、気の狂いそうな難敵だが、なんとか撃破する。

シンは、皆に向き直った。
「ごめんなさい。私みんなをだましてた。
私本当はハタチなんだ。高校中退でヒッキーでニートのネトゲ廃人。
地獄に来た時、ここなら理想の自分になれると思って、「シン」を演じてた…。
でもダメ、演じ切れなかった…。」
うつむくシンに、「何言ってんだ、シンはシンだろ?」と声をかける。
「私、皆と教官に会えてよかった…。
本当の私をちょっとだけ好きになれたから…。」
シンの頬を涙が伝った。

シンが自分の罪を受け入れた事で、影は消え校舎の扉の封印が解けた。
扉の先は、見覚えのある校舎。そうここは…
 
293 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:39:32.02 ID:9QHUvg4x0
<16:00、片木右子の記憶>。
廊下で立ち話をしている人影がいた。
「聞いた?合唱コンクールの話。
ピアノ伴奏の片木さん、突き指しちゃったんだって。
あんなに頑張るって言ってたのに可哀想だね。」
「そうそう、でお姉さんが代わりに伴奏するってはりきってるんだけど、
あの人ピアノなんか弾けないでしょ?だから右子ちゃんがつきっきりで教えてあげてるの。
美しき姉妹愛って感じだよねー!」

音楽室では、ユコの人影がサコの人影にピアノを教えていた。
「サコならできるよ!
頑張ってサコ、ユコも頑張って突き指なおすから!」
ユコの顔色が悪い。主人公はそっと尋ねた。
「突き指って、嘘なのか?」
ユコはビクンと肩をすくめたが、素直に頷いた。
「練習が嫌だったのか?」
「…うん。ユコ、練習って嫌いだから…。」
「たまにはサボりたくなるよな。」
「ちがうよ。ユコはいつもサボってる。」

振り向くと、ユコにそっくりな人影がこちらまで来ていた。
「いいじゃない、ユコは可愛いし☆
頑張る頑張るってとりあえず言っておけば、周りは頑張りやさんだと思ってくれるし。
それにめんどくさくなったら、サコに投げちゃえばいいんだもん。
サコなら喜んで片付けてくれるよ。」
「やめて!言わないでよぉ!!!」
ユコはぶるぶる震えてしゃがみこんでしまった。
サコは呆然とユコを見ている。今度はユコが罪を償う番なのだ。

ユコがわざと落させた表彰状。
火の試練4Fに戻ってみると、まばらに人影が立っていた。
「片木さんは本当に優秀ね。この自由研究すごくよくできてる。
気温、湿度、雲の形、害虫の状況まで、こんなに細かな朝顔の観察記録滅多にできるもんじゃないわ。
先生感心しちゃった。満点です!」
「片木はまた賞状を取ったのか。本当に優秀な生徒だな。
姉の方も、もう少し課題にちゃんと取り組んでくれたらいいんだが…。」
額縁入りの賞状は元の場所に落ちていた。
夏休みの自由研究に贈られた、文部科学大臣賞とある。
宛名は片木右子になっている。これが、ユコの罪の証。
 
294 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 13:47:16.96 ID:9QHUvg4x0
ユコの元に帰り、賞状を手渡した。
「これ中学2年生の時にもらった、ユコの…ううんサコの表彰状。
そうだよね?サコ。」
サコは黙っている。
「ユコはね、頑張るのは嫌い。でも褒められるのは大好き。
面倒な課題はみんなサコに押し付けて、自分は何もしなかった。
だからサコには自分の課題をやる時間なんか全然なくて、先生に怒られてばっかりだった。」
「ユコ!いいんだよ、そんなの…そんなの…」
「ほぉーら、サコはいいって言ってるよ?甘えちゃえばいいじゃない。
その表彰状も、もらっちゃえばいいんだよ。」
ユコの影がニコニコと笑う。
「そんなのダメだよ…!
確かに前まではそういう風だったかもしれないけど、今は違うの!
ユコとサコは、変わったんだから…。
もう、自分や相手の為じゃなくて、みんなの為に頑張ってるんだから…。
だからこの表彰状は、サコのなの!!」
「…ちがうよ!それはユコのだよ!
勝手にサコにあげないで!!!!」
ユコの影は実体となり、襲いかかって来る。
治療のエキスパートだけあって、HP回復量が半端じゃないが、猛攻で押し切った。
「ユコ、頑張るって言うだけで、何もしてこなかった。
サコ、みんな、先生、ごめんなさい。これからは自分の力で頑張るから…」
ユコの頬を涙が伝う。
 
305 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 20:28:03.58 ID:9QHUvg4x0
ユコが自分の罪を受け入れた事で、影が消え校舎の扉の封印が解けた。
残る罪人はあと一人。
<16:00、水菜悠里の記憶>
教室の中で、人影が何やら騒いでいる。
「あれ?オレの筆箱どこいった?お前知らない?」
その集団に、アリスそっくりの人影が近づいてきた。
「アリスには見える。アナタの失せ物、北東の方角暗い場所。」
筆箱はそこから北東のゴミ箱の中にあり、的中に驚く一同。
しかし、それを見ていたアリスの表情は暗い。
「後ろ暗いことがあるのか?」
尋ねた主人公に、アリスは一言「アリスは、嘘つき」と返した。

「水菜さんって、よく予言みたいの当てるでしょ?
それで親が祀り上げて、宗教みたいのやってるんだって…
なんか怖くない?あっ私が言ってたって言わないでよ!呪われたりしたら怖いし…。」
「なんか地震が来るの言い当てたんだってよ。
水菜さんマジすごくね?ケガとか治しちゃうしさ…。
おっと、アリスか。割と可愛いけど変な子だよな。自分の事アリスとか呼んで。」
別の教室では、アリスの影がうずくまっていた。
「アリスは、アリス…。みんなとは違うの…。」

アリスの影に近づくと、その腕は真っ赤に染まっていた。
「かまってほしいのか?」
そう尋ねると、本物のアリスが口を開いた。
「そう…かまってほしい…。一人はいや…。
だからいっぱいうそをついたの…」
「いいんだよ。アリスの嘘は、みんなを幸せにする嘘だから。
これは、赤い絵の具。これをサッとふき取るだけで、
みんなアリスがケガを治したってビックリしてくれるの。
アリスは特別な力を持ってるけど、
いつもいつもはうまくいかないから、時々こうやって嘘をつくの。」
悪びれず、スラスラ流暢にしゃべるアリスの影。
「人をだますのは悪いことだぞ!」
「それは普通の人の話。
アリスは特別だから、少しくらいズルしてもいいの。」
平然と話すアリスの影の前で、アリスは目を閉じてうずくまってしまう。
 
306 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 20:30:23.40 ID:9QHUvg4x0
アリスが捨てさせたユーリ教のパンフレット、あれがきっとアリスの罪の証。
泥の試練4Fに戻ると、そこには人影がまばらに立っていた。
「ユーリ様は素晴らしい方です!
あんなに小さな体で、私達の為に祈ってくださる!ゴホッ…ゴホ…
この手術痕見てごらんなさい、私は末期ガンだったのよ?!それが今は…ゴホッ…」
「母ちゃんがハマっちゃって、無理やり連れてこられたんだ。
友達と遊ぶ約束してたのになぁ。大体、何でも叶えられるなら、
お布施集めてないで自分で大金持ちになればいいのに。」
「ユーリ教の手引き」と書かれた薄いパンフレットが、元の場所に落ちていた。
拾い上げ、アリスの元に帰る。

パンフレットを渡すと、アリスは目を開いた。
「…ユーリ、アリスの名前…。
アリス、いっぱい嘘の予言した…。」
アリスの影が続きを引き取る。
「アリスの予言が当たると、パパとママはとっても喜んでくれるの。
パパとママだけじゃなくて、知らない人もたくさん喜んでくれるの。
だからアリスはいっぱいいっぱい予言するの。
外れるのもあるけど、当たってるのもあるんだから、いいよね。」
「でも、嘘をついて色んな人からお金をとった…!」
「アリスは特別だからいいの!
嘘だけじゃなくて、本当の時もあるんだから。
アリスの力は本当なの!死んだ人を生き返らせることだってできるんだから!
本当なの!本当だもん!!あなたの体で、証明してあげる…!」
アリスの影は実体となり、「水菜悠里」との戦闘が始まる。
メンバー1の魔法使いなだけあり、恐ろしい程のMAT。その分DFが低いので速攻で殴り倒す。

「最初は全部本当だったの。パパとママもすごく喜んでくれた。
でもそのうち、アリスのわからないことも聞かれるようになって…
できないと、パパとママが凄く悲しむから、アリスは…」
「もうそんなことしなくていい。」
主人公が言いきると、アリスは微笑んだ。
「みんながいるから、もう特別はいらない…。」
アリスの頬を涙が伝う。
 
307 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 20:31:40.72 ID:9QHUvg4x0

アリスが自分の罪を受け入れた事で、影が消え校舎の扉の封印が解けた。
その先には、また階段があった。
上に登ると、そこもまだ学校の中だった。
ぼんやりした人影達が何やら話している。
「あの子ウザ…ない?騎士…補だかな…だか知らな…けど、お高く…まっちゃって…ぁ。
「そう…う、一人だけ…然戦わな…しさぁ…
さす…騎士候補様、余……ねぇ。」
一体誰の記憶なのだろう。ノイズがひどくて聞き取り辛い。
ミウ教官が言っていた、ヨミガエリのシステムの異常だろうか?

別の場所では、同じく不鮮明な1人の人影が、複数の人影に寄ってたかっていじめられていた。
「あ…た、一人だけお荷物…のよ…い…かげ…にしな……よ!」
「メ…メソしちゃ…さ!泣けば…いと思…るわけぇ?」
「今度足…ぱったら、…当に置……いくからね!!」

いじめられた人影は、一人で泣いていた。
「も…イヤ…、あん…人達と……しょに行…なん…、浄化…んてできな…
どう…て騎士…んかに選らば…たの?もう帰…たい…。」

よく分からないが、どうにもできなさそうだし、階段も見つかったので上に進む。
そこは学校の屋上だった。夕焼け空がいっぱいに広がっている。
その夕焼けに照らされて、巨大な化け物が主人公と7人を待っていた。
「…なんだか、懐かしい感じ」
「うん…私、こいつを見たことがある気がする…」

化け物から声が響いてくる。
「そう、私はあなた達の罪。
あなたたちが来る日を待っていた。そして、あなたたちを殺せる日を待っていた。
今なら分かるでしょう、私の苦しみが。
あなたたちの汚さ、醜さ、罪深さが…。」
「ええ、今なら分かる。そして、あんたを乗り越えなきゃいけないってこともね!」
「私達は、変わるんだよ!!」
「変わる?おかしなことを。
私は変わらず、地獄の淵で苦しみのたうち回っているというのに。
あなた達だけ変わるなんて、救われるなんて、許さない。」
 
308 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 20:47:18.56 ID:9QHUvg4x0
少女達の罪の化身、<ディスペア>に戦いを挑む。
旅の初めの少女たちなら、ひとたまりもなく瞬殺されていただろう相手だ。
でも、今の少女達は7人力を合わせ、相手と対等に渡り合っている。
死闘の果てに、罪の化身は少女達に倒され、消えていった。
その向こうには、夕焼け空に続く階段が見えている。
4つの試練は終わった。これを登れば、<ヨミガエリ>は終了だ。

オレンジ色に染まった屋上で主人公と7人はしばし物思う。
「これが終わったら、みんな離れ離れになるんだな。」
サコとユコ以外は、皆散り散りに別れてしまうだろう。
「うふふ、これでやっとサコさんのいびきに起こされんで済むわぁ」
「ええっ!いびきなんかかいてたか!?」
「…寝言と、はぎしりもひどかったの…。」
「あうぅ、それはユコかも…!」
「私はいびきとかよりも、シンのうんちく聞かなくてよくなるのが嬉しいわ♪」
「なっ!あんたこそ、メイクだのコーデだの、役にも立たない話ばっかりして。
全くくだらないったら!」
軽口を叩きあう皆の目に、いつの間にか涙が溜まっていた。
「なんや、卒業式の朝みたいやわ。」
辛いと思っていた学校も、巣立つときには名残惜しく愛しい。
切ない気持ちで、主人公と7人は階段を登った。
 
313 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:21:26.07 ID:9QHUvg4x0
5層【少女地獄】
塔の最上階は、毒々しいピンク色の上に浮かぶきらびやかで可愛らしい東屋だった。
あとは、出口を探してここから出ればハッピーエンドだ。

歩き出そうとすると、目の前にクリミナルが立ちふさがった。
「何でここにもクリミナルいるの…!?」
ただ徘徊している雑魚クリミナルにしては強すぎる。
何とか倒し、東屋を探索すると、ワープギミックを見つけた。
それに乗ると、同じピンクの上に浮かぶ別の東屋にワープした。
どうも、ここがゴールとは思い辛い。
「ミウ教官が言ってた、ヨミガエリのシステム異常ってことかしら…?」
「でも、どんな異常にぶつかっても私達は上に登って来た。
それなら、やることは一つだぜ!!」
今までと同じように、力を合わせて探索を始める。

しばらく進んだ時、アリスが突然叫んだ。
「ダメ!!!ダメなの!怖い子が来る…!」
皆反射的に足を止めた。一瞬の後、
「先生、あぶない!!」
生徒達に押され、もつれるように後方へ転ぶ。
今全員が立っていたところに、光の弾が炸裂した。

「あなたたち、痛いのが好きなの?」
現れたのは、ヒメカミだった。
「嫌い?だったら今ので死ねば楽だったのに。
何も知らずに死んだ方が、怖くないでしょ?もう、無理だけど。」
ヒメカミは一方的に襲いかかって来た。
こちらの攻撃が全く通じず、ヒメカミの発する謎の攻撃に全員瀕死状態になる。
「ヒメカミ、どうして…」
「だって、おかしいじゃない?
あなたたちみたいな悪い子が地獄を抜けだして生き返るなんて。」
「だ、だって…それがヨミガエリっていうシステムじゃ…」
「そう。だから壊さなくっちゃね。あなたたちも、先生も、この塔も。
大丈夫よ。私はいい子だから、すぐ楽にしてあげる。」
ヒメカミが少女達に向けた手に、白い光が集まる。
主人公は咄嗟に駆け出し、ヒメカミの手を掴んで自分の体に押し付けた。
「どうして!?どうして悪い子をかばうの…」
 
314 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:23:37.18 ID:9QHUvg4x0
気がつくと、涙を浮かべた少女達に取り囲まれていた。
「先生!聞こえる!?」
返事をしたいが、のどが焼けついて喋れない。
「いいよ、しゃべらなくて…。」
ヒメカミが土壇場で日和ったのか、命は助かったようだ。
「先生をこんな目にあわすなんて、許せない…!」
「ああ、許せねぇよ。あたし達は本気でヒメカミを心配してたのに…」
ヒメカミの怖ろしい強さは身にしみて思い知った。
でも、今までも到底かないっこなかった敵を倒してきた。きっと手立てがあるはずだ。

しばらく彷徨った後、見知った後ろ姿を見つけた。
「ミウ教官!!」
「あなたたち…!これは一体どういうことなの!?
それに、キミのそのケガは…?」
ヒメカミにやられたことを伝えると、ミウは激しく動揺した。
「ヒメカミ、やっぱりあの子…でもどうして私の所に来ないの?
…いいえ私のせいじゃないわ!当然のことをしたまでだもの!!
私だって被害者なの!早く帰りたいのに!!」
ミウの気持ちが落ち着くのを待って、状況を聞き出した。
今、ヨミガエリ自体に前代未聞のシステムエラーが生じているらしい。
委員会が必死に修復を図っているが、見通しは絶望的とのこと。
それでもあきらめない皆は、ミウ教官にヒメカミのことを問い質す。

「…君はいい先生になれたみたいね。」
ミウの言葉に、主人公は「生徒に助けられてばかりだ」と返す。
「ずいぶん謙虚なのね。でも、それこそが囚人を率いていくのに必要な素質なのかもしれない。
そして、私はそれを持ち合わせていなかった…。」
ミウ曰く、ヨミガエリが実行に移されたのは今から3年前。
しばらくして、実験的に「騎士化」という制度が導入されたらしい。
悪の因子である半罪人7人と、善の因子である良い子1人を共に試練に臨ませるという制度。
良い子には、半罪人たちの魂を浄化する役割が任される。
その為に、旅の中で成長し、半罪人達と信頼関係を結んだ後、強大な力と騎士の称号を与えられるのだという。
選ばれた早逝の良い子が、蘇生のチャンスを与えられる代わりに、半罪人のお守りを押し付けられるわけだ。
結局、肝心の騎士化がうまくいかず計画はすぐ頓挫した。
 
315 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:28:46.72 ID:9QHUvg4x0
ヒメカミはやはりその騎士化の被験体だった。
「あたし達が騎士になって、ヒメカミを倒せばいいじゃねぇか!」
少女達の思いつきをミウは一蹴する。
「騎士化は、あんたたちの手に負えるようなもんじゃないのよ!
私はこの先を調べに行くわ。あんたたちはさっさと諦めるか、じゃなきゃ好きにしなさい。」
諦めるなんて選択肢は元からない。とにかく塔を登っていく。
所々で、ヒメカミがヨミガエリに参加していた頃の音声が切れ切れに聞こえる。
案の定、相当いびられていたようだ。
大体、地獄に落ちるほどの根性悪7人の中に、大人しい良い子を1人放りこんで、
「この子はあなたたちと違ってとってもよい子だから、あなたたちを浄化してくれますよ」
なんて言った日には、何が起きるか想像くらいつきそうなものだ。

塔を上へ進むうち、切れ切れに聞こえる音声の中にミウの声が混じり始めた。
ミウがヒメカミ+7人の担当教官だったようだ。
ミウは、7人の更生がうまくいかないことに焦り、
7人と良い関係が結べないヒメカミに、責任を押し付けて当たり散らしていた。
「どうしてあなたはこんなこともできないの!?あなたがそんなじゃこっちが困るのよ!!」
「ご、ごめんなさい先生、ごめんなさい…」
7人から陰険な嫌がらせを受け続けるヒメカミ、
そのヒメカミを叱るばかりで追い詰めていくミウ。
「もういいわ!これを使って早く騎士化しなさい!!」

「もうイヤ…。あんな人たちと一緒に行動して、魂を浄化するなんて、私にはできない…
どうして騎士に選ばれたの?もう、帰りたい…。」
聞き覚えのある言葉だった。4層の校舎で聞いたノイズ混じりの声だ。
4層をもう一度探索すると、ヒメカミにそっくりの人影が教室に入っていった。
「これを飲めば騎士になれる…。でも、あんな人たちの魂を浄化するなんて、私にはできない…。
私、もういいんだ。悪い子になっても…。」
ヒメカミの人影は、手に持った何かを教室隅に投げ捨てた。
行ってみると、そこには青い液体の入った試験管があった。
「…ヒメカミを倒すんじゃなくて、救ってやることはできねぇのかな?」
「このままじゃ、可哀想なの…」
「私達が騎士になれば、ヒメカミのタマシイも浄化してあげられるんじゃないかな…?」
 
316 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:30:43.40 ID:9QHUvg4x0
5層に帰り、上へ進んでミウ教官に追いつく。
騎士化試験薬を見つけたことの報告と、使い方の質問だ。
最初ミウは、騎士化は簡単なことではないと拒んでいたが、熱意に負けて説明を始める。
騎士になるには、その薬を飲むだけで良い。ただしその試験管には一人分しか入っていない。
その薬は善良な良い子しか飲んではいけない。
だから今の7人のうち1人が飲むなら、その少女は完全に更生した本当の良い子でなければならない。
少女達は、騎士候補の選択を主人公に委ねる。

主人公は、手塩にかけてきた少女達のうち、最も信頼する少女を選ぶことになる。
メタ的には、全スキル習得しているキャラから選択可。
騎士化した少女は、コスチュームが囚人服モチーフから、
それぞれの戦闘スタイルに特化した物に(そしてエロく)変わる。
その子のボイスだけ一新され、おしおきがとても性的な有様になる。

主人公は選んだ少女に、試験管を手渡す。
少女は主人公を信じて薬を飲み干し、力を授かって騎士になる。
すんなりと騎士化を終えた少女を見て、ミウはもう口出しをすることをやめた。
少女達を率いて、ヒメカミの元に向かう。
ヒメカミは塔最上部の玉座に座っていた。

「私を救う?面白いこと考えるのね。
でも私は救われたくなんてない。」
異形化し襲いかかって来るヒメカミとの、最終決戦が始まる。
またもヒメカミに攻撃が利かないが、
騎士になった少女が進み出て、ヒメカミのバリアを打ち破る。
「騎士…!?そんな、ばかな…。」
あとは7人全員で力を合わせ、ヒメカミと激闘を繰り広げる。
弱ったヒメカミは人の姿に戻るが、まだ戦意を喪失していない。
「まだよ…。騎士なんて、騎士なんてエエェェェl!!」
皆の声援を受け、騎士がヒメカミに最後の一撃を加える。
 
317 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:44:55.84 ID:9QHUvg4x0
勝負がつき、ボロボロになってもまだ、ヒメカミはあきらめなかった。
自分も7人も悪い子だから、ヨミガエリごと消し去ると言う。
「まって!!!ヒメカミさん…」
ミウが玉座の間に駆けこんできた。
「ずっとあなたに謝りたかった…。
私はあの時初仕事で、そのプレッシャーをあなたに押し付けて…
筋金入りの悪い子達の中で、あなたは本当に素直で頑張りやだった。
あなたが脱走して初めて、自分の罪に気付いたわ…」
「やめて!言い訳なんて聞きたくない。」

「言い訳じゃない。これは、懺悔なの。最低の教師のね…。
ヒメカミさん、あなたさえ許してくれるなら、もう一度この塔を二人で登りましょう。
今度は絶対、絶対に、あなたを見捨てたりしない。」
ヒメカミは顔を歪ませ、大声を上げて泣き始めた。
「…怖かったの…!ごめんなさい…!」

抱き合って泣く師弟を眺めてると、突然警報が鳴り始めた。
「委員会がシステムエラーの原因を突き止めたんだわ…。
処罰を与える為に犯人捜しが始まる。」
皆はヒメカミに、逃げようと促す。すぐそこが現世への出口だ。
しかしヒメカミは、残って処罰を受けることを選んだ。
これ程大規模なエラーを引き起こした罪が、どのくらい重い物になるか分からない。
ミウは一緒にその罰を受け、二人でやり直すと決めたようだ。

※初回orキャラエンドの場合
ヒメカミの後ろにある扉が音を立てて開き、そこから眩い光が溢れだした。
この扉をくぐれば、現世へ帰ることが出来る。
立派にヨミガエリをやり遂げた少女達は、現世へ向かって巣立っていく。
主人公も騎士に選んだ少女と手を繋ぎ、二人で光の中へ歩き出した。
暗転の後、選んだ少女と現世で幸せに過ごしている後日談が入って終り。
 
318 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:52:26.02 ID:9QHUvg4x0
※トゥルーエンドの場合
ヒメカミの後ろにある扉が音を立てて開き、そこから眩い光が溢れだした。
扉をくぐり、光の中を歩いていけば現世に帰れる。
でも、このまま帰っていいのだろうか?ヒメカミとミウに、危険はないのだろうか。

「ヒメカミとミウを置いて帰れない」
主人公の選択に、少女達7人も賛成する。
光の中を引き返すと、もう玉座にミウとヒメカミはいなかった。
警報と共に、重大な違反者2名が確認された旨と、その確保の為に現世への扉を施錠する事が放送された。
振り向けば、扉は閉まりビクともしなくなっていた。
自分達の選んだ事だから仕方ない。もう退路は断たれたのだから、二人を助けに行く。

玉座の間の外へ出ると、ちょうどヒメカミとミウが、出現したワープポイントに捕捉され吸い込まれるのを目撃した。
主人公達もそのワープポイントの中に駆けこむ。

X層『支配者ノ領域』
そこは、発光体が点在する宇宙の様な空間だった。
足場を伝い、アンチウィルスやガードシステムが巡回している。
ここがヨミガエリを運行、管理している場所の様だ。

大所帯は早速セキュリティマシンに発見される。
「侵入者を8名発見。騎士を1体確認しました。
騎士は現在ヨミガエリシステムの管理対象外に設定されています。
試験薬KNシリーズの廃棄を確認してください。
強制排除に移ります。」
とりあえずボコボコにぶっ壊しておく。
どうやら騎士は、ヨミガエリ運営側にはタブーとなっているらしい。

セキュリティをぶっ潰しながらヒメカミ達を探しまわると、
一際大きな扉を見つけた。アリスはその中からヒメカミ達の声が聞こえると言う。
手をかけてみたが、ビクともせず警報が鳴る。
システム管理対象は、ここに立ち入ることはできないという警告だった。
「スタッフ以外お断り」みたいなものだろう。
なら、システムの管理から外れた騎士なら入れるのではないだろうか?
 
319 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:54:17.01 ID:9QHUvg4x0
試験薬の廃棄の確認を、とセキュリティマシンが通信していた。
急いで探しまわれば、まだ騎士化試験薬がいくつか残ってるかもしれない。
広大な空間を探しまわると、いくつもの別な廃棄薬品が保管されている中、
あちらに一本、こちらに一本と、それらに紛れて騎士化試験薬が見つかる。
案外杜撰な管理体制だ。根気よく探しまわり、とうとう6本見つけて、
一度少女地獄まで戻り、少女達に試験薬を配る。

スキルを全開放していれば、全員つつがなく騎士化に成功する。
騎士専用奥義スキルを一通り覚えさせたり等前準備をして、再び支配者の領域に突入。
もう一度大きな扉に手をかけると、すんなり扉は開いた。

扉の中には、無機質な金属で覆われた大天使の様なものがいた。
その向こうに、拘束されたミウとヒメカミがグッタリとしている。
機械天使は統括システムと名乗った。ヨミガエリプログラムのマザーコンピュータ的存在だ。
ヨミガエリのシステム改竄、ヨミガエリへの再参加という二つの違反を犯した二人に、
処刑という罰が執行されようとしていたのだった。

「まちなさいよ!ヒメカミは、あんた達の実験の被害者なのよ!?」
「この二人は違反を犯しました。ルールは絶対です。例外はありません。」
「だから!そのルールが間違ってるって言ってるんじゃない!」
統括システムは、聞く耳を持たない。
主人公達も当然ルールを違反しまくっているので、処罰の対象になる。
「違反者8名、排除に移ります。」

統括システムは鬼のように強いが、
騎士化少女達も冗談みたいな強さなので、接戦となる。
よく訓練された少女7人に、完成された連携でメタメタにされ、統括システムは強制終了する。
「しすてむ…ダウン……再起動 デキマ…せ…」
 
320 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 21:56:03.38 ID:9QHUvg4x0
システムがダウンしてる内に、急いでヒメカミとミウの拘束を解く。
あんまり考えずにここまで来たけど、現世の扉の鍵開いてなかったらどうしよう?
困る皆に、ミウが「統括システムがロックを管理しているから、今は全ロックが機能していない」と教えられる。
それならもう、あとは急いでトンズラするだけだ。
「ヒメカミ、今度は残るとか言わないわよね?」
泣き笑いのヒメカミとミウを連れて、現世の扉まで急ぐ。

最後にまた、光の前でしばし別れを惜しむ。
「ここをくぐれば、皆はなればなれになるんだな…」
「あーもう、湿っぽいのは無し!」
「そうさ、案外みんな近所に住んでるかもしれないぜ?」
「学校が近いかもしれないしね!」
「…私、20歳なんだけど…」
隠れ最年長のシンに、ユコが慌ててフォローを入れる。
「うーっそれはっ…大丈夫だよ、ほら定時制とかあるし!」
「先生とも離れたくないよ…。先生が担任の先生だったらいいのに。
ミウ先生は生活指導の先生かな。」
和気あいあいと騒ぐ少女達の輪の中で、ヒメカミも笑っていた。
こんなにしっかり結ばれた絆なんだから、きっとみんなまた会える。
ヒメカミとミウ、主人公と少女達全員で光の中へ進んでいく。
 
321 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 22:12:56.88 ID:9QHUvg4x0
暗転後エンディング。

とある高校の会議室へ着くと、中から少女達の賑やかな声が聞こえて、
主人公は中に入らずそっと覗きこんだ。

そこでは、制服姿の7人の少女達とヒメカミがかしましく会議をしていた。
「もー、まとまんねぇなぁ!」
「早く決めないと、先生のお誕生日はもう来週の日曜日だよ?」
「まぁしょうがないわよ。私達、まとまったことなんてないじゃない?」
主人公の誕生日のプランを練ってくれているようだ。
「あの…なにかみんなで手作りするのはどう?」
控え目にヒメカミが案を出し、サコがそれに喰いつく。
「何作るんだ?ハンバーグか?オムライスか!?」
「そ、そういうのじゃなくて、色紙に寄せ書きするとか…」
「んー、悪くないんだけど、ちょ~~っと地味じゃない?」
「せっかくの誕生日なんだから、とびっきりの物にしないと!」

そのうちに、先生の欲しい物が分からないから、自分達の欲しい物をプレゼントしようという流れになる。
「うちはやっぱり…センセ自身が欲しいなぁ…♪」
「おいおいおい、トーモーエーー!」
「だけど、ユコもそうかも…♪」「ゆ、ユコぉ!?」
女子力有段者2名の発言に騒然となるが、段々その方向に意見がまとまってくる。
「1日で8人全員が、先生と順番にデートってのはどう?」
「先生がちょっと、大変じゃないかな…?」
「大丈夫大丈夫、オヤジは頑丈だもん!」
「それじゃさ、最後は先生の部屋に全員で集合して、サプライズで誕生会しない?」
「うはーー!なんか楽しそうだぞー!」
「デートの順番決めなきゃなの…」
「なら恨みっこなし、いつものやつで決めましょうか。」
賑やかにじゃんけんをしている少女達の元に、扉を開いて入っていく。
途端に少女達がわぁわぁと詰め寄ってきた。
「センセ、次の日曜日のご予定は?」
「何で?って、野暮なこと聞かずに開けといてよね!」
「すっごく楽しー計画があるんだからな!」
日曜は、大変な1日になりそうだ。

END
 
322 :クリミナルガールズ:2011/06/12(日) 22:15:02.02 ID:9QHUvg4x0
ちなみにトゥルーエンド後、隠しコマンドを打ち込むと続きがある。
「虚空座標437のソラ」というダンジョンに飛ばされ、
「ちょっと!私達生き返れたんじゃなかったの!?」という展開に。
「これって、エクストラダンジョンじゃない?」
「サコ知ってるぞ!うらめんってやつだろ?」
という訳で、最後の一花咲かせたろかい、ということになる。
ラスボスZEROが倒せなくて、最後どうなるのかわかりません。
完クリ済の方教えてください。

これで終わりです。支援して下さった方ありがとうございました。
おしおきだけがウリのバカゲーかと思いきや、普通に面白かったです。
むしろおしおきはボイス以外全然大したことない。
 

389 :クリミナルガールズ エクストラダンジョン:2012/09/07(金) 22:22:39.35 ID:wHxc0Egn0
「終わったーーー!!!」
「今度こそ本当にクリア…よね?」
「もうクリミナルの気配はないから…きっとそのはずよ。」
「はぁ…さすがに骨が折れたけど…やっぱりスッキリするわぁ!」
「現世に帰っちまったらこんな大暴れできないもんな!」
「たまにはじごくにあそびにきてバトルできたらいーんだけどな~」
「初めて地獄に来たときはそんなこと全然思わなかったけど…地獄もけっこう楽しかったね♪」
「思い出…たくさんできたの……」
「あっ!!そーだ、写真!!」
「???」
「みんなで一枚も取ってなくない?あーん、携帯壊さなきゃ写メできたのに~!!」
「そういえば!うっかりしとったねえ…」
「じゃ、帰ったらみんな集合して記念写真撮ろうぜ!」
「おう!それいーな!!」
「教官、撮影は任せたわよ。」
「あの…わたしも混ざって……」
「いいに決まってるでしょ!」
「みんなで一緒に帰って…みんなで一緒に撮るの…」
「よし、それじゃ行くわよ!」
以降会話しながらフェードアウトしてスタッフロールへ。
集合写真の1枚絵で終了。
OPに戻るとGALLERYに9ページ目が追加されて、集合写真とヒメカミのおしおき絵が追加。
 

436 :ゲーム好き名無しさん:2015/12/12(土) 21:37:46.63 ID:Zb25kEAFO
    クリミナルガールズ INVITATION
    (クリミナルガールズのVita版)での追加部分を簡単に。
 

    ミウとヒメカミを連れて現世の門に着くが門が開かない。
    そこに出現した旧式システムによると、二人の更正が終わってないから開かないとのこと。
    (ミウも元々は半罪人でヨミガエリに失敗したが、
    更正寸前だった為指導教官になる代わりに地獄行きを免除された)
    改めて二人を更正させて門に行くが、
    旧式システムは調べたらお前ら指名手配されてるから処分。と襲ってくる。
    「常時自分をセーブして殺られたらロードして復活」というシステムらしく倒してもすぐ復活される。
    ミウとヒメカミが、自分達が相手している内に無理矢理門を開けて行け。
    と言うが、そんなこと聞くようならそもそも二人を助けに戻ったりしてない。
    結局もう一回ぶっ倒して復活しきる前に門を突破する事にする。
    そしてなんとか逃げ切り全員でのヨミガエリを成功させたのだった。


    EDはPSP版のトゥルーEDにミウが追加されてる以外は変わらない。

 

最終更新:2016年02月10日 21:56