ファンタシースターZERO

part60-136~140,147~154,161~171,312~217,329~336,338


136 :ゲーム好き名無しさん:2012/02/20(月) 06:39:12.35 ID:DlR/6pYu0
リクエストにないので需要はわかりませんが、Wikiにもないので
DS「ファンタシースターZERO」を投下します。

-----

かつてこの星では3つの種族が共存し栄光を築いていた。
人々は更なる繁栄のため『神』を作ったが、やがて神と人々の間に亀裂が入り、戦争が始まった。
種族同士の絆は分かたれ、星は汚染された。
大空白を経た今、人々はたくましく生きていた。
ヒューマンとキャスト、2つの種族が。

-----

◆用語説明
・ハンターズ
エネミー退治から探し物まで、人助けをしてまわる何でも屋。
ギルドに認定された者だけがハンターズになれる。
・ヒューマン
生命力と創造性に溢れる種族。
・ニューマン
今は地上にいない『失われた種族』
ヒューマンに似ているが耳が長い、フォトンの制御に長けているなどの特徴がある。
・キャスト
機械でできた種族。
無印などで言うところのアンドロイド。
大空白以来眠っていたようだが、最近目覚めるキャストが増えている。

137 :ファンタシースターZERO:2012/02/20(月) 06:45:35.23 ID:DlR/6pYu0
名前欄入れ忘れました。スミマセン。

主人公はキャラメイク式で種族と職業、あといくつかの項目が決められます。
種族によって展開が多少異なります。
今回のはキャスト編。
また、選択肢によってキャラの好感度が変わりますがその辺は気分でw

-----

雪山で目を覚ます主人公。
「聞こえる? ねぇ、聞こえる!?」
少女が心配そうな顔で呼び掛けているのがカメラに映る。
なかなか身体が動かない……だが、何とか「聞こえる」と返した。
驚く女の子。だが安心したのかすぐに笑顔になった。
「ボクはサリサ。君は?」
名乗る主人公。「いい名前だね」と笑うサリサ。
周囲を見渡すと墜落した乗り物(いわゆる降下ポッド)があるがそれには一切触れず、
寒いからシティに行こうというサリサに従い一旦下山。
「ヒューマンは野蛮だから気を付けて」
「サリサもヒューマンじゃないの?」
「あ、うん……そうなんだけどね」

138 :ファンタシースターZERO:2012/02/20(月) 06:47:10.25 ID:DlR/6pYu0
活気に溢れるダイロンシティに対し驚くばかりのサリサ。
一方主人公は何だかぼうっとしている。
空白期以前から眠る機械のヒトであるキャストは、最近あちこちで目覚めているが、記憶が曖昧になることも多いという。
そしてまた他人事のようにヒューマンを悪く言うサリサ。
とにかく、記憶の手掛かりを探すなら雪山に戻った方がいいかもしれない。
テレポーターがあるらしい建物に行き雪山に行きたいと言うと、二人は『ハンターズ』と間違えられる。
何でも、雪山に救援に行くために応援を頼んでいたらしい。
ヒューマンは苦手だが事件とあっては見過ごせない。
間違えられたのをいいことに、救援のついでに記憶の手掛かりを探すことにした二人だった。


139 :ファンタシースターZERO:2012/02/20(月) 06:49:44.95 ID:DlR/6pYu0
【記憶の雪どけ】
クエストを受け雪山についた二人。
主人公が目覚めた場所とは違うようだが、それも探すとしよう。
名前以外の記憶がないはずの主人公だが、襲い来るエネミーたちを難なく倒していく。
身体が覚えている、という奴だろうか。
それに感心するサリサだったが、自分はやっぱり落ちこぼれなのかな、とも呟いた。
月が綺麗な湖畔。
遥か遠くで流れ星のような光が空に向かって伸びている。
記憶喪失の主人公と遠くから来たらしいサリサにはそれが何だかわからなかったが。

夜明けが近付く頃、突如誰かの悲鳴が響く。
急いでそちらに向かうと、巨大なエネミーの群れに人が襲われていた。
自分がオトリになるという主人公。
だがサリサは一緒に戦う、一緒なら大丈夫だという。
それはサリサ自身を励ましているようだったが、とにかく群れと戦うことにする。

140 :ファンタシースターZERO:2012/02/20(月) 06:51:41.67 ID:DlR/6pYu0
何とか群れを撃退した二人。
だが助けを呼んでいたヒューマンは手遅れだった。
二人が聞いた悲鳴は断末魔の悲鳴だったのだろう。
このままだと可哀想だからと、粗末ではあるが墓を作り弔ってあげた。

あたりはいつの間にか朝になっていた。
主人公がいた場所もわからない。
これからどうしようか?
ふと月を見ると光の柱は朝の日差しにも負けず輝いていた。
あれを目指そう、と決めた所で巨大な銃剣を握った男がやってきた。
男の名はカイ。どうやら彼が本来の『ハンターズ』らしい。
偽称してきたのがバレたくないのか、道に迷ったことにするサリサ。
確かに迷っていたのは間違いじゃないが。
するとカイは自分が送っていくと言い出す。
エネミーを倒し仲間を弔ってくれた礼をしなければ、と。
了承したがサリサは不信感をあらわにしている。
「油断しちゃダメだよ、だってヒューマンは……」
「そんな風には見えなかった」
「……うん。ボクもそう思う。だけど教わってきたことと全然違うから……ごめん、もう少し考えさせて」

147 :ゲーム好き名無しさん:2012/02/21(火) 10:26:05.32 ID:/Z03Na1c0
ファンタシースターZERO、続き投下します。
なお、地の文には選択肢やキャラの会話以外にもだいぶ私の主観が入っています。
台詞も正確にはメモれていません。ご了承ください。

148 :ファンタシースターZERO:2012/02/21(火) 10:26:44.30 ID:/Z03Na1c0
ダイロンシティに戻りクエストの報告をすると成功報酬のメセタが貰えた。
お金なんていらないと言うサリサだが、罪悪感があるなら外に出た後パーッと使っちまえというカイの言葉に渋々頷く。
パーッと使うかは主人公に任せ、カイの案内で改めてシティを見てまわる。
やはり活気に溢れ、人々はみな温かい。
「そういや何でここらに来たんだ?」
「え、えと、世界を見て回りたかったから……かな? 変だよね、こういうの」
明らかに今考えた言い訳だが、カイはそういうのは誰にでもある、と笑った。
そして彼はサリサが周囲(主人公除く)を警戒し敵意を飛ばしていたのを見抜いていたようだった。
それ以上の探りは入れて来なかったが、世の中そんな悪い奴ばかりじゃないぜ、と言われてサリサは確かに頷いた。

シティに来たはいいがこの先どうすればいいのかわからない二人に対し、カイは話を切り出した。
二人をハンターズに推薦したい、と。
エネミーを倒す腕前、助け合いの精神。
ハンターズに、そしてシティで暮らす人々にとって必要なものを二人は持っていた。
このシティでは市長がハンターズギルドの代表も務めており、カイの紹介で話だけでも聞いてみることに。
市長に経緯を説明すると笑顔で礼を言い、その場でハンターズへの登録を済ませてくれた。
そして二つのことを尋ねる。シティの感想と、遺跡を壊してまわるヒトの噂。
前者はともかく後者に心当たりはない。
遺跡は古の技術が詰まった、人々の生命線だ。そんなものを壊す気が知れない、と話しあうカイと市長。
押し黙ってしまったサリサを気遣うと、多分違うはず、と何かを気にしているようだった。

サリサの不安はさておき、登録が済んだのでクエストカウンターに行くと、また遺跡というキーワードが出てきた。
オゼット湿地帯の遺跡に向かった調査隊が行方不明になったらしい。
それを聞いたら黙ってはいられない。主人公はサリサとカイと共に救援に向かうことにした。

149 :ファンタシースターZERO:2012/02/21(火) 10:27:28.16 ID:/Z03Na1c0
【仲間の力】

オゼットでは雨が降り注ぎ、張り巡らされた足場の一部が腐り落ちそうになっていた。
汚染が強かった土地(と言うよりも汚染が少ない場所の方が少なく、そこにシティが出来た)だが、自然が息を吹き返してきたのか草木が前より元気になっているらしい。
ここからも空に伸びる光が見える。カイによると『天の柱』と呼ばれるものらしいが、それ以上のことは誰も知らないのだという。
エネミーを蹴散らしながら進むと、助けを求める声がした。
三兄弟で調査隊をやっているようで、兄はまだ奥にいる。
急がなきゃと言いつつどこか嬉しそうなサリサ。
物語の登場人物になったみたいだと頬を赤らめる――まあ14歳だから仕方ないね。
やたらと本で読んだ知識をひけらかしてみたり自分のことを「ボク」と言ったりする、そういうお年頃だ。
そんな話をしているうちに雨は止み空には虹がかかっていた。
奥へ進むが人影はない。そのかわりに何かを引きずったような痕跡が残っていた。
巨大な水棲エネミーだろう、と気を引き締める三人。
そしてまたどこかで聞いたような叫びが。さっきの調査隊にそっくり(使い回し)で一目で兄弟だとわかる。
話を聞くと一番上の兄は弟たちのために最奥でオトリになっているという。
急いで駆けつけると、長兄に水中から触手が襲いかかろうとしていた。咄嗟にかばう主人公。
調査隊の三兄弟は無事に助けたが、この巨大なタコ型エネミー・オクトディアポを倒さなければめでたしとはいかない。

150 :ファンタシースターZERO:2012/02/21(火) 10:28:07.79 ID:/Z03Na1c0
悪戦苦闘の末オクトディアポを倒す。
サリサはフォースの中でもテクニックが上手い部類に入るらしい。
喜び合っている所に明らかにシティの人間とは違う雰囲気の青年が現れた。
「これが三種族が結束した力、か。おとぎ話とばかり思っていたがそうバカにしたものでもないようだな」
「レーヴェ隊長!? どうしてこんなところに?」
どうやらサリサの知り合いで、ここに来たのは任務のためだという。
「逆に問うぞ。お前こそ何故ヒューマンやキャストを連れ立ってこんなところにいるのだ?」
最初の頃のサリサと同じくまるで自分がヒューマンではないかのような口ぶり。
ヒューマンが遺跡の技術を手に入れるのをその手で排除するのが彼の任務だという。もっとも、オクトディアポは彼の差金ではないようだが。
ヒューマンが栄えればこの星は再び滅亡の道を歩む、ならば我々の手で管理すべきだと主張するレーヴェ。
サリサは小さく、だがしっかりと言い返した。
「ヒューマンはそこまで愚かではありません。過去にあやまちがあったとしてもそれを繰り返すとは思えない」
「随分とヒューマンに肩入れするな。オトモダチにでもなったのか」
「そうです。この二人はボクの友人であり、仲間でもあります。任務のためにはまずヒューマンのことをもっと知る必要があると判断したんです」
レーヴェは一人くらいはそういうのがいてもいいか、と瑣末なことは気にしない様子で立ち去った。任務を忘れぬように、と釘を差したが。
押し黙るサリサ。
「シティに帰ろう」
と主人公が声を掛けると随分と驚いた様子だった。問い詰められると思っていたのだろう。
カイも「嫌なことは忘れて帰ろうぜ!」と笑顔で同調する。
「言いたくないならそれ以上は踏み込まないさ。誰にだって言いたくないことはある。お前はオレたちのことを仲間だって言ってくれたじゃないか。話したくなったら話せばいい」
カイの言葉に頷く主人公。
サリサもありがとう、と言って笑顔になった。
「いつかは全てを話すと思うけど、今は時間をちょうだい」

151 :ファンタシースターZERO:2012/02/21(火) 10:28:37.45 ID:/Z03Na1c0
※余談
クエストカウンターからはストーリーとなるメインクエストの他にサブクエストやクエストを受けずにフィールドに行くことができます。
湿地帯のクエストにはオクトディアポの再出現の調査・額の後退が気になる市長のためにエネミーの粘液の採取を行なう、というものがあります。
そのどちらもサリサの同行が条件になっています。
また、主人公がニューマンだと湿地がスタート地点になり、やはりサリサが出てきます。
どうやらスタッフはサリサとタコの組み合わせに執着があるようですね。

164 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:01:42.65 ID:KJAe13U+0
続き投下します。規制引っかかったら支援お願いします・

-----
シティに戻って市長に報告。レーヴェのことはサリサが話す気になるまで黙っておこう。
「皆優しいよね……市長さんも仲間だって言ってくれたし」
「そりゃあまあ、世の中助け合いだろ? むしろサリサの方が変わってるぜ。ヒトを見たら泥棒と思えとか教わったのか?」
「……うん。ヒトの中にも色々なヒトがいるから気を許しちゃダメって、そう学んだの」
「ちょいとばかり寂しい話だな。他人を信じないで生きていけるような世の中じゃないってのによ」
「そうだね。悲しい教えだと思うよ。でもボクはそれが間違ってるってわかったから、よかった」
辛気臭くなってしまったので話をやめて外に。
すると怪しげなおっさんが主人公に物凄い勢いで近寄ってくる。
知り合い? 覚えていないだけかもしれないけれど、それも何だか違うようだ。
彼はニコラ。遺跡から発掘されたもので商売をしているようだ。
「君、実はもう200年くらい生きてるとか、そんなことはないかな?」
シティに住む老人のキャストが言っていた。
『大空白』――約200年前に何かが起こり、ニューマンは消え、キャストは眠りにつき、ヒューマンの人口も著しく減ってしまった、記録にも残らない歴史。
目覚めたキャストも記憶がなく、いまやニューマンは姿形がわからないどころか存在すら疑問視されている。
主人公は眠りについていたキャストだから、200年前は普通に生活していたかもしれないが全然覚えていない。
話が見えてこない。カイが痺れを切らすとニコラは語る。
最近見つかった遺跡に、大空白前の映像投影装置が残っており、主人公そっくりのキャストがそこに映っていたのだという。
それは不思議だ。興味を示すと、ニコラは『オギ』の所に行ってほしいという。
ニコラの友人であり遺跡に行った時に同行していたキャストのハンターズだが、渓谷のエネミーを討伐中に行方不明になったという。
そういえば市長も優秀なハンターズが行方不明になったと言っていた。
これは渓谷に行かなければならないだろう。

165 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:02:16.13 ID:KJAe13U+0
【機械じかけの仲間】

グラーシア渓谷は湿地とは打って変わってカラッとした場所だった。
エネミーを倒しながら渓谷を進むがなかなか見つからない。
腕は立つようだから死んではいないはずだが、と話していると何かの声が聞こえた、気がした。
「そこのヒューマン! おい、こっちだ!」
声の方向を見ると生首、もといキャストの頭が落ちていた。
「きゃあ! な、なにこれ!」
「そう驚くこともないだろう。キャストのヘッドパーツが落ちているだけじゃないか」
どうやら声の正体はこの頭らしい。そして彼がオギだ。
ボディが壊れて立ち往生していたらしいが、こんな状況でも冷静というか飄々としているというか。
サリサが腰を抜かしているが、キャストにとって体は飾りであり、あったほうが便利には違いないがなくても死ぬわけではないとやはり冷静に語る。
ヒューマンなら死ぬんだよ、とカイが呆れながらツッコミを入れた。
「お前たちヒューマンにとってもハートこそが一番大事なものなんだろう? それがキャストにとっては頭なだけだ。そこのキャスト、お前ならばワタシの言ってることを理解してくれると思うが……」
「か、飾りなの!? ねえ、体ってただの飾りなの!?」
視線が集まっている。何か言わなければ……というところでオギが話題を変えた。自分で振ったくせに。
主人公の名を問い、ニコラと同様200年前のことを聞く。
大空白の前に何があったのかを記す映像投影装置。閉ざされた記憶に興味があるのは皆同じだ。
オギが案内を引き受けるが、その前にやらなければならないことがある。
オギを助けたことで主人公たちの依頼は達成されたが、オギが受けていた依頼の巨大エネミーを倒さなければならない。
動けないオギの頭をカイが抱え、奥に進むことに。

166 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:02:48.00 ID:KJAe13U+0
そして気になることがある。オギの不意を突きボディを壊したのは、エネミーではなくヒトだという。
だがオギにはヒューマンの外見の違いには頓着がなく、不意を突かれたこともあり特徴を挙げることは出来なさそうだ。
「たとえば、凄い雷のテクニックを使う、とかは?」
サリサには心当たりがあるようで、オギもそれに頷く。
その人物は湿地で出会ったレーヴェだろうが、それ以上の詮索はせず、渓谷の奥地に進む。
潜んでいたのは巨大なドラゴンだった。力も相応だろうと他人事のように分析するオギ。
「今のワタシには手も足も出ないだろうな」
「小洒落たこと言ってんじゃねえよ! ったく、色々な意味で重い依頼だな!」
「上手い言い回しをしたのかもしれんが……な」
「……カイ、つまらない」
漫才をしている間にドラゴンは準備万端。
強烈な炎を避けつつ、何とか倒すことに成功した。
そして戦いの中でオギは確信した。
映像にあった何者かと戦う勇猛なキャスト、その戦いぶりは同型の別人ではなく主人公そのものだと。
サリサもレーヴェのことを切り出す。彼は『地上のヒト』が過去の遺産を手に入れるのを防ぐために遺跡を破壊してまわっているのだという。
映像投影装置が狙われるのも時間の問題だ。
「隊長は強い、でもこれはボクが何とかしなきゃいけない問題だと思う」
主人公はこれは皆の問題だ、とそれを否定する。
もうサリサ一人の問題じゃない。仲間はいつも、いっしょなんだから。

167 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:03:36.25 ID:KJAe13U+0

シティに戻り市長に報告する。
オギのボディをどうするかだが、これから行く遺跡ならパーツもあるだろうということ。
シティにとってもオギの戦力や遺跡の調査は重要という訳で正式な依頼としてクエストカウンターに登録される。
勿論行くのは主人公、サリサ、カイ、そしてオギだ。


【過去との出会い】
廃棄都市パル。『大空白』以前の文明で栄えていた都市だが、今はすっかり風化して植物とエネミーに覆われている。
エネミーもそれに適応したのか爆弾を吐くカエルやアイテムボックスに住み着いたヤドカリといった顔ぶれに、主を失ったガードマシーナリーが混ざっている。
サリサは興味津々だがカイはあまり過去に興味がないようだ。飽くまでサリサと主人公の保護者であるというつもりらしい。
『ハンターズ心得』――地球に生きるものはみな兄弟であり家族である。
自分のためでなく他人のために何かをやるってのも面白いものだ、とカイは語る。
目覚めて1年のオギはそこまでは思えていないようだが、まずは体がないことには始まらない。

半分くらいまで来たところで、キャストの骨格やパーツが沢山転がっているのを見かける。
殆どはエネミーに荒らされていたが、ほぼ完全な状態のボディがあった。
もしかしたら眠りについているだけかもしれない、と土などをどける――だが駄目だった。頭部が完全に失われている。このキャストは死んだのだ。
オギがそのボディを使えないか試す。サリサには抵抗があるようだが、体は服のようなものだとケロリとしたオギ。
カイはどちらにも理解を示すが、ヒトの役に立てた方がこのキャストも浮かばれるだろうと言うと、サリサも納得した。

168 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:04:09.55 ID:KJAe13U+0
接続するとオギが尋常でないうめき声をあげた。大丈夫か!?
「いや、なに、拙者は大丈夫でござるよ」
明らかに大丈夫じゃない!
キャストはボディにサブのメモリーがあるのだが、その不適合により言語回路にエラーが出たらしい。
それ以外は問題ないし体も動く。
「安心めされい。この口調も、しばしの間の話でござる」
「……この体のキャストはこういう話し方だったのかな?」
「そのようでござるな。かすかに残るメモリーから判断するに、当時からかなりの変わり者として見られていたようでござる」
「当時のヒトたちが皆そういう話し方ってわけじゃなかったのね?」
「勿論でござる」
「……なんか、すっごく良かったって思うわ」
なにはともあれ、ボディを手に入れたオギもハンターズとして復帰、仲間に加わる。

さあ、進もう――――「あいやまたれぃ!」
オギがボディのメモリーから面白いデータを見つけたらしい。
地図だ。割と広い地域を示したもののようで、解析に時間はかかるが新しい遺跡の手がかりになりそうだ。
とりあえず映像投影装置を見て、帰ったらまた考えよう。
遺跡が見付かったならまた4人で。焦る必要はない。

169 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:04:56.37 ID:KJAe13U+0
ところで、フィールドにはハンターズの足跡とでも言うべき『メッセージパック』がある。
戦闘の基本やエネミーの生態など、後に続くハンターズのためのものが多いが、中には単なる呟きもある。
雪山や湿地、渓谷でも見かけたとあるパーティーの旅の思い出をここでも見かける。
『毎日が楽しいな』『あのバカを誰か止めてくれ』『バカだけどちょっと羨ましい』そんな和気藹々とした旅路だったが、最近皆の咳が止まらないらしい。
気になるがこれは過去のこと、このパーティーが無事であったことを祈るしかない。

映像投影装置まで辿り着いた。ここにはエネミーもいない。
オギが装置を起動させると、確かに主人公そっくりのキャストが戦う姿が映っていた。
敵はキャスト――いや、自分の意思のない『ロボット』のようだ。
ござる口調が出るエラーも修正し、他の映像も出ないか探る。
そこに雷のテクニックが襲いかかる。
現れたのは勿論レーヴェ。サリサを今度こそはと問い詰める。
サリサたちはヒューマンは地上を荒廃させた下等生物であると『大いなる母』に教えられてきたらしい。
ヒューマン同士、そしてキャストと支え合う姿を見てサリサは考えなおした、だが何が地球を変えてしまったのかという問いには答えられない。
そして『母』が間違っていると言うこともできない。ただ誤解があっただけなのだと言うが、言葉は通じない。
無論彼にとって下等生物であるところのヒューマンや、それと手を取り合うキャストの言うことなど聞くはずもない。
レーヴェが2機のホバー戦車型機動兵器を呼び出した。
D・メビウスとD・ケイオス。ドリルと堅牢な装甲を持つ強敵だが、力を合わせて撃退に成功した。
「なるほど……ヒューマンとキャスト、そしてニューマン。三種族が集まった時の力は計り知れぬモノがあるようだ」
だが貴様らは無残にも朽ちるだろう、と捨て台詞を残して去るレーヴェ。


攻撃と戦闘の影響で装置は完全に沈黙してしまったようだ。
そしてここまで来ては隠し事もしていられない。
サリサはヒューマンじゃない。『失われた種族』であるはずのニューマンだ。そして、レーヴェも。

170 :ファンタシースターZERO:2012/02/25(土) 02:05:40.18 ID:KJAe13U+0
ダイロンシティに戻り詳しいことを聞こうとすると、空から何かが聞こえ、そして見えた。
機械で出来た兵器らしきエネミーがシティに次々と降下してきたのだ。
ダイロンシティだけではない。近隣のアローマシティを含め、各地のシティが同時に攻撃を受けているという。
幸い、各シティにはハンターズがいる。2日間の攻防の末防衛に成功したようだ。

そこでサリサから三人と市長に話があった。
全てを話すことを決心したのだ。
ニューマンは『今は地上にはいない』だが大空白で月に逃れ、そこで世代を重ねてきた。
今になって地球にやってきた理由――それは命令、いや、お告げを受けたからだ。
ニューマンたちには『母』や『マザー』と呼ばれる絶対的な指導者がいる。
ただ、マザーは姿を見せず声のみを届け、一般市民にわかる姿は似姿のレリーフしかない。
声も親衛隊であるレーヴェのようなエリートにしか直接は届かないのだという。
それはまるで神のようだ。
月の神『マザートリニティ』の命令は『ヒューマンの監視』と『ヒューマンが過去の遺品を手に入れるのを妨害すること』
マザートリニティは地上が荒れ果てたのはヒューマンの罪によるものだとニューマンに教えている。
ヒューマンはニューマンを月に追いやり、キャストを眠りにつかせた挙句、地上を荒廃させ、自らも一度は滅びかけたような愚かな種族だ、と。
その教育はかなり徹底しているらしい。実際、最初の頃のサリサもキャストである主人公以外には心を開かなかったものね。

そして今の攻撃。あれは月製の兵器だ。普段は防衛用に使っているようだが、レーヴェの報告によりそれが地上に向けられたのだろう。
――――マザートリニティと交渉出来ないだろうか?
友好条約とはいかなくても一時停戦くらいは出来るかも知れない。
しかし月に行く手段がない。通信網もあるはずがない。無線が使えないからとサリサも通信機は持たされていない。
レーヴェのメビウス&ケイオスならヒトを乗せて行き来が出来るが、それ以外に帰還の方法はないという。
市長が「こんなこともあろうかと!」と言って何もないというKYな発言をしつつ、作戦会議。
月に行く手段――――
「月に行く巨大テレポーターとか?」
主人公がひらめく。カイは茶化すがサリサはそこから「地球と月は光の門を通じて行き来していた」というおとぎ話を思い出す。
そしてそれはきっと――――『空の柱』だ。
オギのサブメモリーの地図にも『空の柱』という単語が記されているらしい。
その道を辿り、『空の柱』を目指すとしよう。

313 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 01:00:37.90 ID:rCzLNhhD0
【遠き旅路】
洞窟遺跡マカラ。かつて『光の門への道』と呼ばれた場所。
輝く水晶の洞窟には、暗所にもかかわらず花が溢れている。
道すがらカイはかつて天の柱を目指したハンターズの話を始める。
サリサと主人公は目を輝かせる。
カイはつまらない話だと言ったが、ここで期待しなかったらウソだろう。特にお話好きのサリサにとっては。

――――あるシティに、今のサリサと同じくらい若いハンターズがいた。
大人顔負けの、才能に溢れるハンターズだった。
「だもんで、自分が何でも出来るだなんて恥ずかしい勘違いをしちまったのさ。まだまだ子供だってのにな」
世界の謎を解くのだと言って、同じような若者を集めて天の柱へと旅立った。
最初は順調だった。エネミーに遅れを取ることもない。
しかし若者たちはひとり、またひとりと倒れていった。
ヒトの手が入らない未開の地は空気が汚染されている――後悔した時にはシティへの帰り方もわからなくなっていた。
とうとう一人だけになってしまい、自分がどれだけ愚かだったのか、どれだけ仲間を苦しめてしまったのかを後悔しながら、遠くに見える天の柱だけを目印に進んだ――――

「……って話」
「そ、それでどうなったの!? その子は辿り着けたの? それとも……?」
「そいつは死ななかった。汚染への強い耐性があったんだろう。歩いて、歩いて、歩き続けて……」
「…………」
赤くなったサリサが夢中で話を聞いている。
「歩いてたら、見たことのないシティが偶然見つかってな。で、そこに居座ることにしたのさ」
世界の謎は諦め、先輩たちの指導はちゃんと聞いて、のんびりと。


サリサの落胆は物凄かった。


でもこれは実際にあった話、サリサが好きな物語やおとぎ話とは違うのだ。
「案外その辺を歩いている奴がそいつだったりしてな」
とカイが締めくくると、サリサもそれはそれで納得したようだ。
オギが何かを言いたがっているが、世の中言わないことがいいこともあるものだ。


そしてあのパーティーの足跡をここでも見つける。
でもこれが最後だと嫌でもわかる。
「皆いなくなっちゃったけど、あたしはアンタといっしょで楽しかった……よ…………」
『後悔はない』と題されたそのメッセージパックを横目に、主人公たちは進んだ。


水晶に囲まれた大広間には見たこともないような巨大テレポーターがあった。
だが、そこは水晶を主食とするエネミーの巣になっていた。
倒しても倒してもキリがない。離れた所にある起動装置にカイが向かうが、エネミーに取り囲まれてしまった。
「これだけのエネミーを引き連れてそっちに戻るわけにはいかん……俺たちが為すべきことを考えたら判断は1つだ。オギ、お前はわかってくれるよな?」
そして、主人公も。

テレポーターの光がその輝きを増す向こうで、カイがエネミーの海に呑まれていく。
泣き叫ぶサリサを羽交い締めにして、3人は光に包まれた。

314 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 01:01:24.42 ID:rCzLNhhD0
目を覚ますと、星空と白い荒地が見えた。
大きな青い星が地平線の向こうに浮かんでいる。
あれが地球。ヒューマンやキャストが暮らし、ニューマンが憧れ続けた星。
そして3人がさっきまでいた場所。テレポーターはやはり月に続いていた。
「カイにも見せてやりたかったな……」
「そうだ! カイ! 早く助けに行かないと……!」
そうしたいけれど、それは出来ない。
こうしている間にも月からの降下部隊はシティに攻撃を仕掛けている。
カイは3人のために足止めになることを選んだ。その意思を無駄には出来ない。
「託されたものを投げ捨てて、一体お前は何をするつもりだ!」
オギの厳しい言葉が続く。そしてサリサは反論出来ない。
カイのしてくれた昔話のことをオギは切りだす。
あれはカイ自身のことだ。無茶をして仲間を犠牲にしてしまった、かつての若いハンターズ。
だからこそ彼は一歩引いた所でサリサや主人公たちを見守っていたのだ。自分と同じ轍を踏まないように。
「これは無論ワタシの推測に過ぎない。だが、キャストであるワタシにもわかったことなのだ。キャストよりもヒューマンに近い、ニューマンのお前にならもっとよくわかるのではないか?」
「……ねえ、オギが言ってることは本当なの? カイは……?」
主人公にすがりつくがその手をオギが止める。
汚れ役を引き受けてくれているのだろう。
「カイは悲しんで欲しくてあんなことをしたのではない。本当にカイを大切に思うならば、進まなければ」
そしてサリサも決意するが、そこに足音がやってきた。
銃を構える沢山のニューマン。
一見どれもレーヴェに見えるが、微妙に異なっている――だが、中央にいるのは本物だ。
「ん? 確か男のヒューマンがもう1人いたはずだが? ここに来るまでにくたばったか?」
「……ッ! カイは死んでなんかいない!」
「ほう、つまり死を確認することも出来ない状況だったと。エネミーの巣になっていたからあの道は放置したが、オトリにするとはな。それとも見捨ててきたのか?」
「見捨ててなんかいない! カイが……それを望んだから……!」
「だが、そのヒューマンが死んだという事実には違いあるまい……いや、別にお前のせいではないな。ヒューマンのようなクズにはお似合いの死に方だ。つまりは、ただの必然」
気に病む事はない、と言いながら言葉責めを続けるレーヴェ。
これには流石にオギも黙ってはいられない。仲間を貶されて黙っているほど気が長い訳ではないのだ。
だがそれすらも機械人形ごとき、と切り捨てる。レーヴェが見下しているのはヒューマンだけではなかったようだ。

「厄介な状況だな。逃げ道はなく、敵は大勢。どうする?」
決まっている。
「戦う」
「そうね、ここで降参したらカイに怒られちゃう」
「付き合うぞ、2人とも。地球のヒトの力、見せてくれよう」
固まっていればやられる。散開して、生き残ったものがマザートリニティに向かう。
作戦とすら呼べないものだったが、オギの指令に対して2人は頷いた。

「撃て!」

だが、銃声は響かなかった。
代わりに爆発音が響き、煙幕が張られた。
混乱のさなか、誰かの声が導いている。
生き残れるならこの際何でもいい。導きに従うと、暗い研究室に辿り着いた。

315 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 01:01:49.38 ID:rCzLNhhD0
会議中の女性がこちらを向いて微笑んだ。
彼女の名前はアナ。レジスタンスのリーダーだという。
マザーの私兵軍団ともいうべきニューマンの中で、隠れて活動をしていたらしい。
サリサもレジスタンスの存在は知らなかった。
何でそんなニューマンがいるのだろう?
助けられた礼は言うが、当然その疑問は生まれてくる。
アナはどこから説明しようかしら、と半分面白がっているような様子だ。
「ニューマンはヒューマンを元に作られた種族である、ってことは知ってる?」
サリサは驚く。下等生物と教えられてきたヒューマンと先祖が同じなんて、笑い話にもならない。
「調べてみたところによると、ヒューマンの遺伝子を改造して作られたのがニューマン、という話よ」
遺伝子は少なくとも今のこの世界では聞きなれない単語らしい。
アナにとっても本による聞きかじりの知識のようだが、マザーの教育よりは確かだと彼女は考えている。
むしろ全てがマザーの言われるがままの状況に、どうして誰も文句を言わないのかのほうが不気味で不思議だ、と。
「……ま、そんなことを考えるあたしが他のニューマンと違ってひねくれてただけなんだろうけどね」
ヒューマンの血が色濃く出たせいなのかもしれないと語った。

確かに彼女は外見も他のニューマンとは異なっている。
たとえば褐色の肌。たとえば―――――
「……ちょっと、オギ、どこ見てるの?」
「胸だ」
しばかれた。

※なお、ニューマン編でも触れられないので蛇足ではありますが、主人公で作れるニューマン♀もかなり『外見的特徴』があられています。
ハニュエールのぴったりボディスーツを注視するの禁止!

「見るのではなく、具体的な数値にしてその明らかなる差を表現すべきだっ……」
しばかれた。
316 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 01:02:39.01 ID:rCzLNhhD0
笑顔で進行を促すサリサに引き気味のアナだが、話を進めた。
疑問を持ったアナはマザーの教育を受けずに月を調べて回った。
収容所送りモノだが、監視の目すら届かないような所に彼女は入り込み、そして日記を見付けた。
マザーは人目につくような資料は隠蔽したようだが、日記にまでは及ばなかったようだ。
200年前に起きた戦争、それは力に溺れたヒューマンではなく、マザー自身が引き起こしたものだと日記には書かれていた。
それについては予想がついていたが、何故戦争が起き、マザーとは何者なのかについてがわからない。
日記は破損が大きく原因についてはわからないが、マザーの正体は生体コンピュータだ(キャストとは少し違う)
これについてはアナの推測ではあるが、ヒューマンやニューマンに200年を生きるのは無理だし、機械の軍団を自在に操れるのはコンピュータくらいだ。
そして、戦争の推移。
突然の戦争でヒトもちぐはぐだった最初はマザーの優勢だったが、やがて三種族が力を合わせたことによって、マザーを月へと追い詰めた。
追いつめられたマザーはいくつも禁断の手を使った。
病原菌によるバイオ攻撃。身体の丈夫なヒューマンはともかく、生命力の低いニューマンはそれで地上で暮らせなくなった。
バイオ兵器が通用しないキャストに対しては、フォトンノイズ。いわゆるミノフスキー的な粒子で、侵食された機械は機能を停止してしまう。
月の都市は無事だったが、地球からの援軍が望めない状況でマザーの機械の軍団を相手にしては勝ち目がなく、滅ぼされてしまった。
そしてマザーは追撃を加えた。フォトンイレイザーという巨大なレーザーで地上を焼き払ったのだ。
マザーも地上に降りることは出来なくなったが、この戦争はマザーの勝利で終わった。
その日記が嘘である可能性もあるが、整合性があるし、隠蔽された資料を見付けてみれば日記と大差なかった。本物と見ていいだろう。

ただ、その後何故滅んだはずのニューマンが月で暮らしているのか、ヒューマンが地上に出てキャストが目覚めたのか、説明できないことは数えきれないほどある。
でもあらゆる出来事の中心には常にマザートリニティがいた。絶対に何かある――故に彼女はレジスタンスを組織したのだ。

アナの話はそこまでだ。

そして、これからのこと。
フォトンイレイザーを使われたら今度こそ地球は終わりだ。
そのエネルギー供給源を叩けば、発射は止められる。
だが、その場所がわからない――そこで必要なのが、オギだ。
大空白前月にいたキャストのほぼ完全な形での亡骸(つまり首だけがない)を見付けた。
フォトンノイズも月では散布していない。マザー自身も影響を受けるから。
アナの無線による誘導でそのボディの在り処に行くことにした。

330 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 22:46:48.63 ID:rCzLNhhD0
【明かされる真実】
アルカプラント。ヒトや原生生物の姿はなく、ガードマシーナリーのみが徘徊する基地。
ベースメントを抜けると、廃棄物置き場に辿り着いた。
ゴミの山にキャストの遺体が放置されていることに憤りを感じる3人。
通信でアナに聞いた所によると、これは全て200年前にマザートリニティに敗れたキャストだという。
使えそうなボディのあては既にある。
「ぬおおおおおおおっ!!」と叫び声を上げながらボディ交換をするオギ(合体アニメは必見!)
この前の「ござる」の時とは随分様子が違うが、オギにピッタリのボディだったため嬉しくてつい派手に動いてしまったらしい。
ボディの持ち主はマザーへの敗北を悟った時、サブメモリーに全ての記録を移していたらしい。
やがて誰かがボディとその記録を生かしてくれることを祈って。
情報量が多すぎて整理しきれないが、フォトンイレイザーへのエネルギー供給炉の場所はすぐにわかった。
この基地の最奥だ。恐らくこのキャストたちもそれを潰しに向かっていたのだろう。


フォトン供給炉はかつてはヒトの発展のために使われていた施設だが、それを兵器として使われるとは何とも皮肉だ。
「とにかく壊しちゃおう、こんな施設」
「ホッホッホ、それは止めていやだきましょうか、地上の皆さん」
そこにマザートリニティの声が響く。月の女王が自ら出向くとは、と思ったがどうやら声だけらしい。
「ポンコツキャストが2匹と役立たずのニューマン……そんなモノの相手にこの私がわざわざ出向くなんてありえないでしょう?」
代わりにマザーはレーヴェを差し向けた。
だが、今は彼を説得する材料がある。オギのボディの記録だ。
それに彼も気付いているはずだ。地上のどこにもあれだけの汚染を引き起こせるようなものはない。
3人とマザーの言葉の間で揺れるレーヴェ。だが、彼を説き伏せることは出来なかった。
彼は再びD・ケイオスとD・メビウスを呼び出した。
その手は通用しない、と思いきや2機は合体しヒト型の巨大ロボット・ヒューミリアスになった!

2種類のビームと大剣を使う強敵だが、撃退に成功した。
マザーはレーヴェを役立たずとして切り捨てた。戦闘前は可愛いレーヴェ、と言っていたのに。
そして、この供給炉も。マザーは200年の間にもう1つの供給炉を作り上げていたのだ。
3人が動いたせいでレジスタンスのアジトも知られてしまった――完全に利用された形だ。
その功績に免じて短い人生を自由に生きることくらいは許してあげましょう、とマザーの声は途切れた。
放心状態のレーヴェに声をかける。今すぐ仲間になるのは無理でも、同じ道を歩むことは出来ないか?
ヒューマンもニューマンもキャストも敵味方も関係ない。同じ、ヒトなんだから。
だがレーヴェは確かめねばならんことがある、と去ってしまった。
とにかく一度アナの元へ戻らねば。

331 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 22:47:33.49 ID:rCzLNhhD0
アジトはまだ無事だった。至急オギのボディの記憶を伝える。200年前に何が起こったのか。
マザートリニティはヒトがその叡智を集め地球の環境を管理・保護するために作られた生体コンピュータ。
マザーは突如狂い、暴走を始めた。その結果がマザーとヒトの戦争、そしてマザーが勝利した結果の『大空白』だ。
「勝てるのかな? そんな相手に……」
「ヘッ! だからなんだってんだ! 過去は過去、今は今、だろ?」
聞き覚えのある声。これは……!
「諦めるにしても、やることやってからだ。まだ何も終わっちゃいない、だろ?」
カイだ! 紛れも無く、あのカイだ。
曰く、一度は死んでしまったはずだが昔の仲間たちに追い返されたらしい。
月に来てみると騒動の中心に雰囲気が変わったレーヴェがいて、アジトの場所を教えられたのだとか。
そしてもう1つのフォトン供給炉の場所と防衛機械の配置図の入ったメモリーを渡された。
アナたちレジスタンスはフォトン供給炉へ、そして主人公たち4人はマザートリニティの所へ。
これが最後の戦いだ。

332 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 22:48:54.36 ID:rCzLNhhD0
【最後の戦い】
暗黒神殿。マザートリニティの居所であり、防衛しているのは原生生物でもマシンでもなく、得体のしれない、暗黒生物と呼ぶべきモノだ。
アナとの通信は繋がりにくく、しかもかなりヤバそうな状況だ。
でも、彼女たちを信じなければ。

ここのメッセージパックにはかつてのマザーらしき存在の定期報告が残されている。
環境改善のための提案はだいたいが理由をつけて却下されていたらしい。
最後の報告は
「案件六六六、却下。案件却下。進言、却下。申告、却下。全て却下。全て全てスベテ……」
と狂っていく様子だった。

そしてマザートリニティの所にたどり着く。
相変わらずの上から目線で質問に答える。
何故人類に牙を向いたか。
それは地上の環境の改善のためで、人類は最初からどうでも良かったのだ。
サリサたち月のニューマンは100年前にマザートリニティが過去のデータを元に作りなおした存在、その子孫だ。
一度全て真っ更にしてその後ヒューマンやキャストも作り出す、それがマザートリニティが出した答えだった。
でもニューマンにいくら教育を施しても結局無駄だった。ヒトとはかくも愚かなものか。
4人に天罰の光、フォトンイレイザーが襲いかかる。
出力は最小、それでも既に4人はボロボロだ。
身体が動かない……しかしそれでも主人公は無言で立ち上がった。

「200年前もそうでした。実に不愉快です。たった一人のキャストが人類をまとめあげて私に歯向かってきましたね」
手を焼いたが結局それでも結果は変わらなかった、と笑うマザーを睨みつけると、その笑いが止まった。
見間違えるはずもない。200年前の人類側のリーダー、それは記憶を失う前の主人公だったのだ。
許せない、と繰り返す。時を越えて歯向かう主人公が、そして、人類が。
最早手加減など不要。最大出力のフォトンイレイザーで主人公を焼き払ってくれる――しかし、その収束が止まった。
アナとの通信が復帰する。エネルギー源の停止に成功したのだ。
アナたちニューマンだけでは敵わなかった、しかしダイロンたち地上からの援軍が到着したのだ。
ヒューマンが、キャストが――――いや、仲間が。
レーヴェが全てを話し、彼らを月まで送り届けたのだ。

あとは主人公たちの仕事だ。
ここまでやられて立ち上がらない訳にはいかないだろう。

そこに仲間がいるから。平和を乱す奴がいるから。大切なものを守るため。笑顔を取り戻すため。


これが、マザートリニティがゴミクズと呼んだヒトの力だ。

333 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 22:49:22.49 ID:rCzLNhhD0
しかし崩れたマザーから影が、闇が広がる。
闇の名はダークファルス。混沌と滅びの化身。
マザートリニティという依代を失ったダークファルスは次の依代として主人公を選んだ。
「ふざけないで! ふざけないでよ! 何が依代よ! 何が混沌よ! ボクたちの住むこの世界、これ以上あなたの好きになんてさせやしない!」
主人公は主人公だ。仲間たちと一緒に生きるんだ。
「必ず皆で生き抜いて、そして、皆で笑って帰るの! 伝えたい事も言いたいこともあるんだから……ジャマを、するなぁっ!」
これが、正真正銘の最終決戦。



死闘の末、ダークファルスの実体が消えて行く。
この空間も危ないようだ。早く逃げなければ。
しかしカイが倒れてしまった。だいぶ無理をしていたらしい。
弱音を吐くカイを殴りつける。仲間を見捨てるハンターズなんていない――少なくとも、主人公やサリサの師匠はそんな教えはしてこなかった。
今度ばかりはオギもカイを助け起こす。今度こそ、4人で帰るんだ。


皆が迎えてくれた。
レーヴェに下った裁定はアナの補佐をして未来の為に働くこと。
マザートリニティは倒れたが、エネミーに汚染、月のニューマンたち、問題は山積みだ。
だが、ヒューマンとニューマン、キャストたちが手を取り合っていくのだ。未来は明るいだろう。
物語はやっぱりハッピーエンドじゃなくっちゃ――いや。
「新しい物語の始まりだ」
やらなければならないことも、やりたいことも、いっぱいある。
だから。

「行こう!」

334 :ファンタシースターZERO:2012/03/18(日) 22:50:14.54 ID:rCzLNhhD0
ファンタシースターZERO、これにて本編EDです。
ED後はサリサ、カイ、オギに加えレーヴェが仲間になりサブシナリオや100F中断セーブ無しのマジキチ塔、それぞれの高難易度に挑むことになります。
以下は補足です。


【主人公の種族による展開の違い】
最初の渓谷・湿地・雪山の順番が代わり、また、ヒューマン編のみ【最後の戦い】での仲間がカイではなくレーヴェになります。
設定としては
ヒューマン編:主人公はカイの弟子の見習いハンターズ。卒業試験で渓谷に向かった所、サリサと遭遇する。200年前のリーダーは主人公の先祖。
ニューマン編:主人公はサリサと同様レーヴェの部下の降下部隊、なのだが降下の際記憶喪失になってしまった。マザーがニューマンを再生する際、200年前のリーダーもうっかり再生してしまったというお話。


【EDについて】
選択肢によるキャラの好感度で上記ED後の個別EDが変わります。
全員の好感度が一定以下だった場合のシティの皆とのエンディングの他、サリサ・カイ・オギ、あと難しいですがレーヴェのEDもあります(ヒューマン編以外でも可能)
また、サリサとカイは主人公の性別によって台詞が変わります。
サリサEDで主人公が男だった場合かなりハッキリと好意を告げられます。女だった場合は友達だと釘を刺されますがw
カイEDで女主人公だった場合は一応レディ扱いをされ「お前といると退屈しないぜ」くらいの甘さです。
オギやレーヴェに甘さはありませんw


【シリーズごとの繋がり】
マザートリニティの存在・攻撃は各作品のオマージュ。
アイテムや武器の名前、DFとラッピーは最早お約束。
ラッピー以外のレアモンスターとしてウリボーのような『ブーマオリジン』が登場しますが、PSOには獣人型の『ブーマ』が登場します(多くの場合最初に遭遇する敵)
また、PSOに登場するパイオニア船団の母星は『コーラル』ですが、クリア後のサブシナリオでPSZの地球がかつては『コーラル』月が『アルカ』と呼ばれていたことが明らかになります。
あとはご想像にお任せ、といった所でしょうか。

335 :PSZ:2012/03/18(日) 22:51:58.90 ID:rCzLNhhD0
これにて投下を終了いたします。
気になった所があれば補足いれますのでお気軽にどうぞ。

336 :ゲーム好き名無しさん:2012/03/19(月) 21:33:02.69 ID:o+KuQVsZ0
PSZの人乙です!
ニューマン編主人公はアナ率いるレジスタンスの一員じゃなかったっけ?
「アルカプラントのキャストの遺体から情報を引き出すために適当なキャストを連れてくる」
という任務を引き受け降下部隊に潜入した、だったような

338 :ゲーム好き名無しさん:2012/03/20(火) 02:22:58.80 ID:TqNYx5yL0
>>335
ダークファルスは何時から、どうやってマザートリニティに寄生したの?
話を見る限り、マザーを造る際に製造者達が何も知らずにダークファルスの
細胞を使ってしまったみたいだが。

 






| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー