ダンボール戦機

ダンボール戦機
part62-288~296,341~347,380~384

part63-87~90,147


288 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:26:30.46 ID:SVQbEfuv0
予約していたダンボール戦機、第1章いきます。
10分以上投稿がなかったら規制に引っ掛かっているので、無視して投稿してください。
前提として、世界観のあれこれ。

■LBX
Little Battler eXperience(小さな戦士達の経験)の略で、手の平に乗る程度の
大きさの人型のホビー用ロボット。
コアスケルトン(骨組み)とアーマーパーツ(外装)からなり、全てのパーツは
互換性があり差し替えて使うことが可能。
武器も剣、槍、銃等様々なタイプがあり、ミニチュアだが性能は侮れない。
また全てのコアスケルトンは胸部に「コアボックス」と呼ばれる四角形の空間が存在し、
そこにCPUやモーター、バッテリー、コアメモリと言ったコアパーツを入れることで
稼働するようになる。
基本的にCCM(携帯電話のような外見)という無線端末で操作し、操作可能範囲は半径約100m。
携帯電話のように通常の電話やメールのやり取りもできるので、操作端末兼携帯電話と言った方が近い。

2042年にタイニーオービット社(以下TO社)が発売したが、余りにも性能が良すぎて
遊んでいる最中に人や物を壊す事故が多発したため、一度は発売中止に追い込まれた。
しかし後に強化ダンボールが発明され、遊ぶなら強化ダンボールで囲んだ専用フィールド
(ジオラマみたいなもの)の中でという条件付きでLBXは再び発売されるようになった。
現在(2050年)はTO社のみならず様々なメーカーがLBXのパーツを売り出している。

■LBXのバトルルール
基本的にLBXは専用のジオラマフィールドの中で戦わせて遊ばせる。
基本的にはLBXの体力を削りきって行動不能にしたら勝ち。
このルールでは基本的に修理不可までに破壊することは認められない。
だが公的機関の目が届かない場所や破壊可のルールが設定される等、
場合によっては相手のLBXを物理的に破壊することも許可される。

■強化ダンボール
2046年にアスカ工業の霧島平治が開発した、外からの衝撃を80%吸収するという梱包材。
その性能は精密機器を詰めた強化ダンボールの箱を空高く飛んだヘリコプターから
地上に落としても中身が無事なくらい。

289 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:29:43.16 ID:SVQbEfuv0
■登場人物
山野バン:主人公のLBXが大好きな少年(中学1年生)
ただし母親にLBXを禁止されている為、最初は自分のLBXを持っていない

山野淳一郎:バンのパパで、LBXを開発した人。
その後飛行機事故に巻き込まれ行方不明に。死亡したと思われる

川村アミ:バンの友人の女の子(中学1年生)
成績の良い優等生だが強気な一面も。所持LBXは女性忍者のような外見のクノイチ

青島カズヤ:バンの友人の少年(中学1年生)
不良のような見た目だが人付き合いはよく仲間想い。アミと並ぶとヘタレに拍車がかかる。
所持LBXは闘剣士のような外見のウォーリアー。作中では「カズ」と呼ばれることが多いので「カズ」表記。

北島小次郎・北島沙希:「キタジマ模型店」を営む夫婦
イメージとしては地域の小さな模型店。旦那の小次郎は「店長」と
呼ばれているので「店長」表記。奥さんの沙希はうっかりや。

※登場人物は増える都度ざっくりと紹介します

■オープニング
何処かの研究施設でアラームが鳴り響く。
白衣を着た眼鏡で長髪の女性がアタッシュケースを大事そうに抱えながら逃げている。
背後からは女性と同じ白衣を着た人が「逃亡者だ!捕まえろ!」と叫びながら追いかけてくる。
逃げる女性の目の前のシャッターが下りはじめるが、間一髪滑り込んで女性は逃亡に成功。
追いかけていた研究員はシャッターの前で途方に暮れる。背後からやってきた
上司らしき男性(八神英二)に気付き、申し訳ないと頭を下げる。
「あのケースの中には例の物が……」「公になると大変なことになる」等の
会話の後、八神は「エージェントを総動員して何としても回収しろ!」と叫ぶ。

一方、逃げ出した女性はダムの見える山道を走っていた。
アタッシュケースを大事そうに抱えながら「博士、これは必ずあの子に届けます」と呟いた。

(●上司の男性=八神英二:何かの組織を率いる赤い髪のつり目の男性)

290 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:32:14.66 ID:SVQbEfuv0
■第1章 小さなマシンとの出会い

2050年、トキオシティのミソラタウン。
商店街の中のキタジマ模型店にバンがやってくる。
店内には既に北島夫婦とアミ、カズがいた。バンはLマガ(LBX専門雑誌)の
今週号を買いに行っていた為少し遅れたらしい。
バン、アミ、カズの3人が揃ったところで、北島夫婦が「面白いものがある」と
言って、1つの箱を見せる。LBXアキレスのアーマーパーツのパッケージだった。
(※LBXアキレス:ギリシャの闘剣士のような外見の白いLBX)
箱の隅にはTO社のロゴが印刷されていたが、バンはLマガの新製品情報に
載ってなかったと首をかしげる。店長も問屋から「新製品だ」と言われて
回ってきたものの、どのカタログにも載っていないという。
「超レア物!?ほしいー!」と盛り上がるバンだが、カズに「お前そもそも
LBX持ってないだろ、しかも母さんに禁止されてるんだろ?」と突っ込まれしょんぼり。
気を取り直して、借り物のLBXとカズのLBXウォーリアーを戦わせて遊ぶバン。
バンはキタジマ模型店で店のLBXを借り、それでこっそり遊ぶ日々を繰り返していた。

日が傾き、思いっきり遊んだ後にそれぞれ家路につくバン、アミ、カズ。
夕日の見える河川敷でバンは芝生に寝っころがって1人物思いにふけていた。
それは8年前(2042年)、パパ淳一郎が何かを作っているところを覗き込むチビバンの回想。
LBXの試作品を作りながら「これを完成させて商品化する。君が大きくなる頃には
皆でこれで遊べるようになるから、それまで待っててくれよ」と語る淳一郎を
きらきらした目で見上げるチビバン。
シーンは変わり、5年前(2045年)の回想。TVのニュースをじっと見入るチビバンとバンの母親。
テクノロジーサミットに向かっていた飛行機が消息を絶ち、行方不明になったと
淡々と放送していた。この飛行機にはサミットに参加する為様々な科学者が乗っており、
淳一郎も乗っていた。ニュースキャスターの「生存は絶望的」の一言で泣き崩れる母親。
ここでバンの回想は終わる。

「母さんは父さんを奪ったLBXが憎いから、俺にLBXを禁止したんだろう。
でも俺、LBXで遊んでると父さんと繋がっていられる気がするんだ」と思うバン。
そこに「あなたが山野バンね」と突然声をかけられる。
振り返ると白衣を着た眼鏡の女性(オープニングで逃げていた人)が立っていた。
土手の方から声がして、慌てて女性に手を引かれて橋の陰に隠れるバン。
改めてそっと窺うと、奇妙な仮面をした3人組が誰か人を探していた。
女性は「この中には人類の希望と絶望、両方が詰まっている。決して使い方を
誤ってはならない。これをあなたに託すわ」とアタッシュケースをバンに渡す。
その直後、女性は3人組の気を引くように囮となって飛び出して走っていく。
女性を追跡する3人組。その隙にバンはアタッシュケースを抱えて1人自宅へ走っていった。
だが、この時3人組の1人はアタッシュケースを持って逃げる少年(バン)の存在に
気付いていた。

(●奇妙な仮面をした3人組=エージェント:リーダー格の女性、ひょろっとした男性、
ずんぐりした男性の3人からなる。ノリとしてはベタな悪役トリオ)

291 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:34:14.95 ID:SVQbEfuv0
場面は変わってとある喫茶店にて。カウンターではマスターの男性(檜山蓮)が
何者からか電話で連絡を受けていた。
客は金髪オールバックの男性(宇崎拓也)のみ。
電話を切る檜山。檜山が「組織に潜らせていた人からの情報だ。新型LBXが
持ち出されたらしい」と話すと、驚く拓也。
「もし手に入れることができれば、イノベーターを追い詰める切り札に
なるかもしれない」「何とかしてそのLBXを手に入れられないものか」と2人で話し込む。

(●檜山蓮:とある喫茶店の男性マスター、声の渋いオッサン
●宇崎拓也:檜山の経営する喫茶店によく来ている金髪オールバックの男性、
檜山と比べると外見も声も若い)

夜、バンの自宅にて。ただいまと声をかけても返事はなく、母親は出かけているらしい。
リビングに腰を下ろし、改めてアタッシュケースをしげしげと眺めるバン。
……その様子をそっと覗き込むエージェント。
エージェントによると、アタッシュケースの中身は知らないが、許可されていない者が
開けると毒の矢が飛び出して死に至るというデスロックが仕掛けられているらしい。
何も知らないバンはアタッシュケースを開けてみることに。入っていたのはLBXの
コアスケルトンと操作端末のCCM。箱には「AX-00」と刻まれていた。
バンがLBXを手に取ると、LBXは突然バンの顔をスキャンした。
「ユーザー認証確認中……認証完了、使用を許可します」と告げるLBXの機械音声。
その様子を戦々恐々と見ていたエージェント。しかしデスロックは発動せず、しかも
中身はLBXと知り唖然。命令されていた通り強奪することに。
エージェントはそれぞれのLBXをトイレの窓から侵入させ、バンの元に向かわせる。
一方、LBXを手に入れてテンションが上がるバン。そこにエージェントの操るLBX3体が
乗り込んできてバンに向けて発砲する。
敵LBXの目的がAX-00だと気づき、咄嗟にCCMを手に取ってAX-00で応戦するバン。
キタジマ模型店で操作に慣れていることもあり、3体を物理的に撃破。
LBXを破壊され、ひとまず引き上げるエージェント。
(●AX-00:現時点ではコアスケルトンと、それを保護する程度の簡素な
カバーパッドという紙装甲。ただしバン曰く「反応速度が早い」で、かなり性能がいい)

一方リビングのバン。敵を全て撃破できたことに安堵するが、改めて室内を
見回すと部屋の中で銃撃戦でもしたのかと言わんばかりの荒れ模様。
どうしよう……とうろたえていると、そのタイミングで帰ってくる母親。
部屋の惨状見て絶句する母親。バンが持っていたCCMとAX-00を見て
バンがLBXを手に入れたことを察してしまう。
事情を話そうとしたバンを制止し、「もういいわ、ちゃんと片付けておくのよ」と
だけ言って部屋を出る母親。怒られないことに戸惑うバン。
一方別室にて。母親は「あなた……ついにこの日が来たのね」と深刻な顔をしていた。

292 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:37:17.85 ID:SVQbEfuv0
オープニングの研究施設のオペレーション室にて。AX-00が正規のユーザ認証により
起動されたことが確認されていた。
正規のユーザ名が「山野バン」と知り、納得する八神。
そして後ろに控えていた白衣の男性(博士)に叫ぶ。
「この事件の首謀者は貴方のようですね。どうしてこんな事をした?
あなたは世界を破滅に導くつもりか、博士!?」
高い志を実現するためには力が必要だと語る八神。
その中でAX-00にはプラチナカプセルが内包されており、それにデスロックが
仕掛けられていることが博士の口から語られる。
プラチナカプセルには重要なデータが入っており、無理矢理にでも認定ユーザ以外が
取り出そうとすると内部のデータが消えてしまう仕掛けになっていた。
そのデータは人々の希望であるが、もしそれが絶望になるのならば消すことも
躊躇わない、と言う博士。
しかしLBXがバトル中に破壊された場合デスロックは発動しないのでは?という
八神の指摘に黙ってしまう。
目的のためには手段を選ばない、LBXバトル中にAX-00を破壊できれば問題ないと
言う八神に、バンは簡単には負けないという博士。ひとまず博士は連行される。

翌朝、バンの自宅にて。気まずそうなバンに、母親はLBXをやってもいいと許可する。
ただしやるのなら誰にも負けないくらい強くなりなさいと言う母親。大喜びするバン。
早速AX-00の装甲を買いにキタジマ模型店に直行するバン。その途中
「あんなにうまくいくとは思わなかった」等と語り合う4人組とすれ違う。

キタジマ模型店にて。店内には北島夫婦、アミ、バン。
バンがLBXを手に入れられた事を祝う沙希とアミ。しかし店長はメーカーも分からない
LBXに「こんなコアスケルトンは見た事がない」と首をかしげる。
昨日起きたことを説明するバン。このAX-00をどうしようかと悩むバンに、
アミと店長は預かっているつもりで持っていればいいと背中を押す。
晴れてバンのLBXとなったAX-00。バンのLBX解禁祝いにLBXアキレスの
アーマーパーツをプレゼントしようと言い出す店長だが、それなら
朝イチで売れたよ、と沙希。落胆するバンと宥める店長だが、
支払いに使われたカードを見た沙希が突然「これ偽物だー!」と取り乱す。
沙希が見せたのは、手作り感溢れる偽物オーラ全開のプリペイドカード。
こんな偽物見間違うかよ……と呆れられるが、沙希の証言により
LBXアキレスのアーマーパーツを持って行ったのは4人組、しかもその1人は
「郷田君」と呼ばれていたことを知る。
「郷田」という名前に心当たりのあるアミ。バン、アミ、カズ達の通う
ミソラ第二中学校の3年で「番長」と呼ばれているらしい。
LBXアキレスのアーマーパーツを取り返しに行くから、もしうまく行ったら
俺にそのパーツをプレゼントしてくれ、というバンの要求を快諾する店長。

293 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:40:11.07 ID:SVQbEfuv0
その後ミソラ第ニ中学校にて。バンがLBXを手に入れたことをカズは祝うが、郷田の
事を聞くと途端に顔を曇らせる。
郷田はミソラ四天王のリーダーでLBXの腕も立ち、戦った相手のLBXを必ず
破壊することから「地獄の破壊神」と恐れられているらしい。
郷田を探しに行こうとバンが言うと、カズは「相手が悪すぎる」と逃げてしまう。
放課後、郷田を探しに行こうとするバンとアミにクラスメートの
リュウが声をかける。アミとLBXとバトルしようという話を無理矢理流し、
リュウも郷田探しにつき合わさせることに。
郷田の居場所や詳細を聞くため上級生に聞き込みをするが、郷田の名前を
聞くだけで怯えたり逃げ出したりする人が多くて中々情報が集まらない。
かなりの数の人が郷田にLBXを破壊されているらしい。
そんな中、バン達のクラスメートのミカが「郷田は体育館裏のスラムにいる」と情報をくれる。
礼を言ってミカと別れるバン達。その様子を遠くから窺うゾンビのような外見の男性が……。

(●リュウ=大口寺リュウ:バン達のクラスメートでブーデーの重機マニア。
アミ大好きだがアミには軽くあしらわれている。気弱で下手するとカズ以上のヘタレ。
使用LBXはキャタピラの脚を持つ重機っぽい雰囲気のブルド
●ミカ=三影ミカ:バン達のクラスメートの口数の少ない不思議ちゃん
郷田LOVE。隠し撮りしてCCMの待ち受けにしちゃうくらい大好き。
使用LBXは戦う女性のような勇ましい雰囲気を持つアマゾネス)

体育館裏にやってきたバン、アミ、リュウ。
体育館裏のスラムへはフェンスで仕切られており、その先は薄汚くごみごみしたスラム街。
3人はフェンスの扉を開け、奥に入っていく。その様子を遠くから眺めるカズの姿が……。

タチの悪い不良に絡まれながらも奥へと進んでいくと、行く手を3人に塞がれる。
ここはお前達優等生の来る場所じゃない、さっさと帰りなという3人に対し
郷田という人を探している、そいつは泥棒だと啖呵を切るバンとアミ。
すると「こいつらか……」と笑う3人。3人の正体は四天王の残り3人の「郷田三人衆」
リコ・テツオ・ギンジで、早速LBXバトルを仕掛けてくる。
まだカバーパッドのままのAX-00をリコ達に笑われるバン。リュウも大丈夫か?と
弱気だが、俺達が勝ったら郷田の居場所を教えてもらう!とバンは引き下がらない。
試合のルールは何でもアリ=相手のLBXを物理的に破壊しちゃってもOK。
勇敢に戦うバン&LBXAX-00ととアミ&LBXクノイチだが、1人逃げ腰のリュウ&LBXブルド。
リコ達にターゲットにされ、徹底的に攻撃されLBXブルドを破壊されてしまう。
泣き顔で逃げ出すリュウ。
残ったバンとアミも苦戦。バンがやられる!と思った瞬間、何処からか飛び込んで
相手に斬りかかるLBXウォーリアー。こっそり後をつけていたカズが援護にやってきたのだ。
何とかリコ達に勝つことができたバン達。引き上げて逃げ出すリコ達は端から約束を
守る気などなく、「地獄の破壊神にやられちゃえばいいんだ!」と捨て台詞を残す。
バン、アミ、カズの3人でさらにスラムの奥へと踏み込む。

294 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:41:42.43 ID:SVQbEfuv0
(●リコ=矢沢リコ:背丈の低いスケバン風の女の子。郷田三人衆の1人。
使用LBXはホバー装備を持つクイーン。ドレス状ホバーの内側からミサイルが飛び出す。
●テツオ=亀山テツオ:トトロのように背丈が高く、何処か抜けた雰囲気の少年。郷田三人衆の1人。
使用LBXは水陸両用のナズー。ズゴッグやアッガイに似ていると言われる。
●ギンジ=鹿野ギンジ:肌の色も悪く、ひょろりとしたゾンビのような外見の少年。郷田三人衆の1人。
郷田の事を聞きまわるバン達の様子を窺っていたのもコイツ。
使用LBXはカメレオンのような外見で迷彩能力も持つマッドドッグ)

スラムの最奥地、倉庫のような場所で郷田とリコ達は待っていた。
LBXアキレスを返せと迫るバンだが、郷田はLBXアキレスを守ったのだという。
というのも、郷田はレックスという人物からLBXアキレスが悪い大人やそこらのガキの
手に渡らないうちに回収するよう命じられていたらしい。
ちなみにレックスとはカズ曰く「ネットの世界では有名な伝説のLBXプレイヤー」。
店長との約束を理由にLBXアキレスの返却を迫るバン。郷田はバンのAX-00を見て、
コイツは面白そうだとバンにLBXアキレスのパーツの箱を投げ渡す。
バンのAX-00にLBXアキレスのパーツを装備させ、それで俺のLBXハカイオーと戦えと
勝負を挑む郷田。
バン、アミ、カズvs郷田の3体1でよい。ルールは破壊アリ。
バン達が勝ったらLBXアキレスはバンのもの、ただし郷田が勝ったらバンの
AX-00コアスケルトンごと頂くという郷田の条件をバンは承諾し、バトルへ。
(パーツを装備する時間はちゃんとくれる、これを以てバンのLBXはAX-00からアキレスに)
バトルの最中にカズのLBXウォーリアーがバンのLBXをかばい、それがきっかけで
LBXハカイオーの破壊ショーの犠牲となりバラバラに破壊されてしまう。
何とかバンとアミで郷田に勝利する。郷田は潔く負けを認め、アキレスパーツは
バンの物だと言う。そしてレックスに頭を下げに行くぞとリコ達を率いて去っていく。
カズは破壊されたLBXウォーリアーについては気にするなと言いつつも、何処か
沈んだ表情で1人去っていく。

(●郷田=郷田ハンゾウ:ミソラ第二中学3年で、四天王の1人の男性。
「番長」とも呼ばれており、見た目がアニメ店長によく似ている。
使用LBXは獅子頭でゴツい体格のハカイオー)

295 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:43:14.72 ID:SVQbEfuv0
場面は変わり、国会議事堂にて。
新しく総理大臣に就任した財前宗助の所信表明演説が行われていた。
その中で「"新たなテクノロジーに関わる者こそ、人間の良心を忘れてはならない"
私の尊敬する人の1人である科学者の口癖だ」と言った上で、不必要な軍事拡大は
しないと言い切る。拍手が沸き起こる議場。
が、それをよく思わない人もいるわけで……。
その1人、海道義光。義光はマスコミのインタビューに対し「財前総理は
若いからこそあんなことが言えるのだ。ここは大目に見てやろう」と言い、
マスコミを押しのけて自分のリムジンに乗って行ってしまう。
リムジン内にて1人、義光は「財前総理は邪魔だな、消えてもらわねばならない」と呟く。

(●財前宗助:圧倒的な支持を得て新しく就任した総理大臣
イナズマイレブンにも同名の人物が登場しているが、イナズマイレブンの
10年前がダンボール戦機とする説も
●海道義光:先進開発省大臣のおじいさん
髪型がバッハ等クラシック音楽家みたいなくるんとした白髪)

場面は変わり、研究施設にて。背後では何かの生産ラインが稼働している。
何処かに電話をかける八神。博士の様子を聞かれているらしく、博士は
大人しくしていると答える。
「"新たなテクノロジーに関わる者こそ、人間の良心を忘れてはならない"と
言うばかりでまだ我々の思想には賛同してもらえそうにない」と八神。
そしてAX-00についても私に任せろと答え、電話を切る。
「バトル中に破壊すればよいのだ」と呟きながら八神が眺める先では、
生産ラインとは別のスペースで黄色と水色の不気味なLBXが製作されていた……。

第1章、終了。

296 :ダンボール戦機 ◆l1l6Ur354A:2012/08/28(火) 21:45:46.48 ID:SVQbEfuv0
全部で12章ありますが、1章ずつ間を開けつつ投稿予定
文章まとめるのでしばらくお待ちください

やったのはPSP版。追加要素アリのPSP版と更に追加要素+移植の3DS版は
やってないのでそれらの要素については触れない予定です
ただしアニメ(2011年3月~2012年1月)ではゲーム作中で明かされなかった
あれこれが明らかになっているので、トリをつけた上で一緒に載せています
341 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:26:54.28 ID:ldrhuCdT0
■第2章 動き出す陰謀

TO社のビル、役員会にて。会議を終わらせようとした時、1人の役員が待ったをかける。
社長に対し、先日突然送られてきた正体不明のLBXの設計図を元にアーマーパーツを
無断で作ったこと、それを同封されていた手紙の指示通りに出荷したことを問いただす。
素人の書いた設計図を元にLBXを作るなんて、トップブランドでもある我が社の社長が
こんな軽率な事を……と役員は責めるが、社長はそれを認め、設計図のデータを見せる。
コードネーム:アキレスと名付けられたそれは綿密に3Dでデータが書き起こされており、
しかも廃熱問題に対する処理や回路構成も文句なしというシロモノ。
役員達もその出来の素晴らしさに絶句するほど。
その設計図は「J」と名乗る人物から送られ、その謎の人物の正体を突き止めるために
一連の行動を起こしたという。
そんな中、役員に紛れてアキレスのデータをこっそりダウンロードする苺鼻の男性の姿が。
会議終了後、社長室に戻る社長と秘書の元に、開発部の結城が「また新しい設計図が
届いた」と報告する。
コードネーム:ハンターと名付けられた設計図と一緒に手紙も送付されており、
今回も設計図通りにLBXの製作と出荷をお願いする内容だった。
設計図のLBXは遠距離射撃を得意とするタイプ。
最後に「J」と書き添えられており、面白いと社長は微笑む。

(●社長=宇崎悠介:TO社の社長、ドレッドヘアをまとめた独特の髪型と
逆ナイロールの眼鏡が似合うオッサン
言ってしまうとイナズマイレブンの鬼道有人に髪型がそっくり
●秘書=霧野紗枝:目元のほくろが色っぽい美人女性秘書
●結城研介:イケメンではないが、愛嬌のある顔をしたTO社開発部の男性社員)

翌日、ミソラ第二中学校でカズと会うバンとアミ。
カズは朝来ていなかったし、口には出さないもののかなり落ち込んでいる様子。
キタジマ模型店に行こうと誘うバンだが、カズは気が乗らず1人で行動することに。
一方リュウはLBXブルド改(ブルドを改良した感じ)を買い直したらしく、
早速試運転がしたくてアミやバン、カズにバトルを吹っかける始末。

ゲーセンに行ったり、本屋で雑誌を立ち読みしたり、ゲーム屋に行ったりと
あちこち行ってみるものの、どうしても気分が晴れないカズ。
駅高架下を歩いていると、ずんぐりした男性の露天商に声をかけられる。
LBXを見ていきなよ、安くするからと言われ、見るだけならと一通り見てみることに。
しかしどのLBXを見てもピンと来ないカズ。すると露天商はこんなのはどうだい?と
裏側から黄色と水色のLBXエジプト(第1章最後で製造されていたLBX)を取り出す。
カタログでも見た事がない、一点物だというLBXエジプトに見入るカズ。
カズがLBXエジプトを手に取ってじっくり見ていると、だんだんカズの様子がおかしくなり……
LBXエジプトを持ったままふらりと歩き出すカズ。「まいどあり!」と響く露天商の声。
誰もいなくなると露天商が変身を解く。その正体は、エージェントの1人。
(●LBXエジプト:黄色と水色のカラーリングがいかにもエジプトという雰囲気のLBX
頭部のシルエットはKKKの頭巾に見えなくもない、相手を催眠状態にする機能付き)

342 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:29:16.92 ID:ldrhuCdT0
一方、キタジマ模型店にて。カズの事を報告し、心配になるバンとアミ。
しかし北島夫婦は「カズなら必ず立ち直れる」と2人をはげます。
ところで店長、そのLBXどうするんですか?と訊ねるアミ。テーブルの上には
チューンナップ中の店長のLBXが1体。あぁ、これは……と顔を見合わせる北島夫婦。
そこへリュウが泣きながら飛び込んでくる。話を聞くと、カズのLBXにLBXブルド改を破壊されたという。
カズがそんなことをするはずがない、と驚くバンとアミ。
カズは河川敷にいると聞き、河川敷に直行するバンとアミ。河川敷ではカズが2人を待っていた。
LBXエジプトを見せながら俺と戦え、とバンに迫るカズ。バンは見た事もないLBXに興奮し、
出所や詳細を聞こうとするが、カズはただ戦えと一点張り。
専用フィールドを展開し、バトルを始めるバンとカズ。バンが劣勢になる度にだんだんカズの様子が
おかしくなり、ついには「壊れてしまえ!」と笑いながらバンのLBXアキレスをいたぶるカズ。
さすがにバンとアミもカズの異変に気付くが、カズは聞く耳を持たない。その様子を遠くから見守るエージェント3人。
また別の場所では、喫茶店のマスター檜山が1人で見守っていた。
LBXアキレスが破壊される!と思った瞬間、突然バンのCCMが展開し様々な画面が表示される。
画面の片隅には「Vモード」「自律攻撃行動」の表記が。
それと同時にLBXアキレスが金色に輝きだして起き上がり、自律行動を開始する。
CCMのコントロールも受け付けず、圧倒的なパワーでLBXエジプトを追い詰め破壊してしまう。
LBXエジプトが破壊された途端倒れるカズ。
LBXアキレスもまた元の色に戻り、展開していたバンのCCMも元に戻ってしまった。
同士討ちによりLBXアキレスの破壊を目論んでいたエージェントの作戦は失敗し、
その場から撤退するエージェント3人。檜山も「あのLBXにあんな力があったとは……」と
興味深そうに一部始終を見届けていた。

研究施設のオペレーション室にて。AX-00のVモード起動が確認されたと報告を聞く八神。
一刻も早くプラチナカプセルを回収しなければ……と焦る八神に、余所の3つの部門から遠回しに
非難の通信が入る。
彼らはイノベーターという組織の人達で、八神はその中でも黒の部隊(諜報活動)のリーダー。
他にも青の部隊(政治工作、リーダー:藤堂三良)、白の部隊(研究開発、リーダー:加納義一)、
赤の部隊(実力行使部隊、リーダー:貞松四郎)がおり、3人からLBXエジプトの件を責められていた。
一刻も早くイノベーターの名を知らしめたいと口々に言うリーダー達に対し、八神は
「我々はテロ組織ではない。理想を実現するのにテロ活動をしては、あの方の考えを
傷つけることになる」と反論する。ぐうの音も出ない3人。
「その通りだ」と登場する海道義光。「未来の宝である子供達を傷つけるわけにはいかない。
お前のそう考えるところを私は買っているのだ」と八神に声をかける。
義光に対し「海道先生」と呼び敬う部隊のリーダー達。

場面は変わり、キタジマ模型店。カズの話を聞くバン、アミ、北島夫婦。
カズは駅の裏で露天商に会ってLBXエジプトを手に取ったことまでは覚えていたが、
そこから先は覚えていないという。そしてその露天商は、改めてバン達が行ってみるともういなくなっていたという。
北島夫婦はLBXエジプトに催眠をかけられ、それでバンのLBXを破壊するよう
暗示をかけられたのではないかと推理する。しかし誰がそんな事を……と考えても、今は思いつかない。
催眠状態にかかっていたとはいえ、バンのLBXを本気で破壊しようとしてしまったことを
詫びるカズ。バンはそれを許し、それよりもカズが元に戻ったことを喜ぶ。
それじゃあこれを、と北島夫婦は1体のLBXをカズに渡す。それはバンとアミが店を
飛び出す前はチューンナップの最中だった機体で、カズが次のLBXを手に入れるまでに
貸し出すカズ用にチューンナップされたLBXだった。
LBXウォーリアーの事について吹っ切れたカズ。小遣いをためて、新しいLBXを手に入れることを誓うのだった。
早速アミのLBXクノイチとバトルするカズ。盛り上がる2人を余所目に、バンは1人だけVモードの事を考えていた。

343 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:32:07.32 ID:ldrhuCdT0
何処かの荒地にて。崖の下には無人の車が1台停められている。
突然爆発する車。爆発した車を見下ろせる崖の上には1体の不気味な黒いLBXが。
LBXが構えているのは、機体に似合わないほど大きいライフル。
その様子を眺める海道義光と青の部隊のリーダー、藤堂。
これなら上手くいくでしょう、とごまをする藤堂と、ほくそ笑む海道義光。

喫茶店にて。「総理大臣の暗殺!?」と驚く拓也。
檜山が忍び込ませた仲間からの情報によると、総理大臣就任パレードでLBXを使い
総理大臣を暗殺するという。
暗殺に使用されるLBXはコードネーム:アサシン。相当高性能なLBXらしい。
そこでこんなものがある、と檜山がカウンターの裏からLBXのパッケージを取り出す。
それはLBXハンターの箱だった。隅にはTO社のロゴ。
何者かが檜山にこれを送りつけてきたらしい。添えられた手紙には「白いLBXを持つ
少年達の力を借りろ」と書いてあった。白いLBXを持つ少年達に心当たりのある檜山。
そしてそこに「俺も知ってるぜ」と郷田もやってきた。

次の日の放課後、ミソラ第二中学校にて。カタログを眺めながら頭を抱えるカズ。
どのタイプのコアスケルトンを買おうか迷っているらしい。
(※コアスケルトンには様々な形があり、普通の人型に近いナイトフレーム、
細身で軽い身のこなしが得意なストライダーフレーム、どっしりした骨格で
一撃が大きいブロウラーフレーム等)
バン、アミ、リュウ、ミカに様々なコアスケルトンを勧められるが、
ここで悩むよりは実物を見に行こう!とバンとアミをキタジマ模型店に誘う。
キタジマ模型店でLBXを眺めながらやっぱり悩むカズ。そこへ檜山が現れ
「LBXを探しているならいいものがある」と3人に声をかける。
檜山蓮は喫茶店ブルーキャッツのマスター。ブルーキャッツはキタジマ模型店と
同じ商店街に入っており、つい最近できた……とは店長談。
檜山の誘いに乗るカズ、そしてバンとアミ。3人は喫茶店ブルーキャッツに向かう。

喫茶店ブルーキャッツにて。そこには檜山と拓也がいた。軽く自己紹介をする拓也。
バンのLBXを見せてもらえないかと頼む檜山。バンが見せたLBXアキレスを見て、
パーツのバランスもよく手入れもしっかりされた、素晴らしい機体だと褒める。
LBXは好きか?という檜山の問いに対し、好きだと答えるバン。だって父さんと
繋がっていられるから……という続きは心の中で呟く。
本題はこれだ、と檜山はバン達にLBXハンターのパッケージを見せる。見た事もない
新型LBXに興奮するバン達。組み立ててみろと檜山達に言われ、ちょうどLBXを
持ってなかったカズが組み立ててみることに。

344 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:35:28.22 ID:ldrhuCdT0
完成したLBXハンターを眺めながら、檜山達はこれから話す事は他言無用だと真面目な顔になる。
檜山達は、明日の就任パレードで財前総理の暗殺計画が秘密裏に進められているということ、
その暗殺にLBXが用いられること、LBXが相手では厳重な警備体制も潜り抜けられて
しまう可能性があり、警察でも手が打てない可能性があるということ、そして暗殺を
阻止したいということを3人に話す。LBXが暗殺の道具に使われると聞き激昂するバン。
そこでLBXにはLBXで対抗したいと、優秀なLBXプレイヤーであるバン達に声がかけられたのだった。
危険な任務だから降りても構わないと念を押す拓也に対し、バンは「LBXで悪いことをする人は
許せない」と参加を表明。アミも「バン1人で行かせるわけにはいかない」と参加表明。
カズは自分のLBXを持っていないことに断ろうとするが、参加してくれるというのなら
LBXハンターをあげようという檜山の交換条件を飲み、参加することに。
明日の朝パレードが行われるパレードストリートに集合せよ。またこの事は家族にも
言うなよと念を押され、バン達は解散。
(●LBXハンター:狼モチーフでライフルを構えた遠距離射撃に向いたLBX、しっぽもふもふ
なお、ハンターは「ワイルドフレーム」というコアスケルトンが骨格であり、
この骨格は極端な猫背、獣っぽい脚部等と完全人型というよりは獣人と言った方が近い)

バンの回想。8年前、河川敷で淳一郎と話すチビバン。
完成したLBXの試作品を見せながら「これを社長に見せたらいたく気に入ったとのことで、
商品化が決定したんだ」と嬉しそうに話す淳一郎。
「もうすぐこれが皆の手に渡る。LBXは子供達のいい友達になってくれるだろう」と夢を語る淳一郎。
ここで回想は終わる。

自宅のバンの自室にて、LBXのチューンナップに余念がないバン。
「父さんは悪事の為にLBXを作ったんじゃないよね?」と思いながら、
女性にAX-00(今のLBXアキレス)を渡された日の事を思い出す。
「あの時"これは人類の希望であり絶望、世界を救う鍵だ"と言われたけど、
世界を救う鍵ってこういう意味だったのかな」……と思っていると、
夜遅くまで起きていることを心配した母親がやってくる。
アミと喧嘩したから何時もと様子がおかしいんだ、そう思って声をかける母親。
本当のことが言えず「母さん、ごめん……」と心の内で謝りながら、バンは最後の調整を続ける。

アミはLBXクノイチの駆動のチェック、そして現場周囲の地図のチェック。
カズも新しく手に入れたLBXハンターの調整に苦心していた。

翌朝、パレードストリートで待機するバン、アミ、カズ。
ストリートは総理を一目見ようと駆けつけた人々で溢れかえっていた。
カズは一晩かけたにも関わらず遠距離射撃の命中率が思うように上がらなかったことが
理由ですっかり弱腰。「俺には荷が重すぎた……」と愚痴るカズを「やると決めたらやるのよ!」と
勝気なアミが発破をかける。
そこへ拓也からバンのCCMに連絡が入る。檜山の掴んだ情報によると、暗殺者はバン達のいる
近くのビルにいるらしい。
早速ビルに潜入するバン達。警備LBXに邪魔されながら階段を登っていくと、
ストリートに面した部屋でエージェント3人とばったり出くわしてしまう。
エージェントに総理暗殺の事を問いただすが、3人は「暗殺?」と首をかしげる。
逆切れしたエージェント3人にバトルを吹っかけられるバン達。

345 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:36:53.08 ID:ldrhuCdT0
エージェントが見せたLBXはバンがアタッシュケースを受け取った日、リビングで
AX-00を襲撃したLBXと同型だった。
バンを襲撃したのがエージェントだと知り「部屋を片付けるの大変だったんだぞ!」と
ちょっと別な方向でキレるバン。バトルに突入するが、あっさりとエージェントを打ち負かす。
「こうなったら最後の手段……撤退だよ!」と一目散に逃げ出すエージェント。
暗殺阻止できたんだ……と喜んだのもつかの間、バンのCCMに拓也から連絡が入る。
どうやらバン達は偽物の情報を掴まされてしまったようで、本物の暗殺者は
パレードの道路を挟んだ向こう側のビルにいるとの事。
外を見ると人々の歓声も徐々に大きくなっており、遠くに徐行運転の車も見える。
もうすぐ総理を乗せた車がここを通るらしい。
ここで拓也からの指示で、遠距離射撃できるLBXハンターとカズがビルに残り、
バンとアミが暗殺者のいるビルに乗り込むことに。カズはまだ弱気だが、バンとアミに
「お前を信じてる」と言われ、「ならやってやろうじゃねぇか!」と元気を取り戻す。
LBXハンターのスコープで暗殺者を探すカズ。

ビルを出たバンとアミは向かいのビルに向かおうとするが、ちょうど総理大臣が通過する
タイミングだったためにガードマンに行く手を塞がれる。
何も知らずに笑顔で周囲に手を振る財前総理。「総理!」と呼ばれた気がして彼が振り向くと、
バンとアミが総理に向かって何かを叫んでいる。
周囲の歓声で2人の声は聞こえないが、だんだん表情が険しくなる総理。
直後、鳴り響く銃声。一瞬の静寂。
車の上では伏せた財前総理に折り重なるようにガードマンが覆いかぶさっていた。
路上の警備をしていたガードマンが駆けつけると、財前総理と彼に覆いかぶさっていた
ガードマンは恐る恐る起き上がった。
「財前総理は撃たれてない……無事だ!」顔を見合わせて喜び合うバンとアミ。

先ほどの銃声は、カズのLBXハンターが向かいのビルの暗殺者に向けて発砲した声だった。
その狙撃により、暗殺者のライフルを破壊することに成功した。
そしてカズは暗殺者がいる部屋を教え、バンとアミはそこに向かう。
暗殺者のいる部屋に入るとそこには人がおらず、黒いLBXアサシンが1体いるだけ。
遠隔操作されているようで、スペアのライフルを手に取ってバン達に襲い掛かる。
バン達はこれを撃破、破壊。暗殺は阻止され、騒ぎが大きくならないうちに
バン達はストリートを離れることに。
(●LBXアサシン:暗殺用に遠距離射撃に特化したLBX
このLBXはイノベーターの青の部隊が送り込んだもので、操作者は青の部隊に
依頼されて暗殺を実行しようとした)

パレードが終わった後、戻ってきた喫茶店ブルーキャッツにて。
暗殺が阻止できたことを褒める檜山と拓也。喜ぶバン達だが「相手は暗殺用LBX、
下手したら死と隣り合わせだったんじゃ……」と思い出し、思い出した恐怖で
思わず黙り込んでしまう。
そしてついにバン達はどうして俺達じゃなきゃいけなかったのか、何故
俺達につき合わさせたのかと檜山達に問う。
意を決したように拓也が語る。バンの父親について。
飛行機事故に巻き込まれて死んだ淳一郎は生きていると。驚くバン達。

346 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:38:30.96 ID:ldrhuCdT0
何処か研究室にて。窓はなく外の様子は見えない。
テーブルに向かったまま物思いにふける白衣の博士……こと山野淳一郎。
彼がかける眼鏡、ただの眼鏡に見えるが、コナンの高性能眼鏡のように
情報端末としても機能しているようだ。
眼鏡のフレームについたスイッチをいじって情報を調整しながら、
淳一郎は「バン……」と一言だけ呟いた。

(●博士=山野淳一郎:バンのパパでLBX発明を発明した人
バンに似ているが、バンよりも顔が縦長で角ばっている。眼鏡がかっこいい)

第2章、終了。

347 :◆l1l6Ur354A:2012/08/31(金) 22:39:51.99 ID:ldrhuCdT0
Wikiまとめてくださった方、そして前回乙してくださった方、ありがとうございました
これからまた文章まとめるのに数日かかります、しばらくお待ちください

アニメでは総理暗殺阻止のイベントに大幅な手直しが加えられており、
道路沿いのビルではなくもっと遠く離れた高層ビルの屋上から総理を狙撃しようとしていました。
LBXハンターとLBXアサシンの狙撃合戦、LBXアサシンを直接叩きに町を奔走する
バンやアミも見どころです。
あと警備の敵LBXを挑発するLBXアキレスの動きが面白おかしくて、笑ったことを覚えているw

財前総理はイナズマイレブンからのゲストキャラですが、総理就任パレードでは
イナズマイレブンで総理のボディガード兼サッカーチームとして登場していた人達が
今作のガードマンとして登場してたりします。
イナズマイレブンはゲームやっておらず、アニメ見ただけなので詳しい説明は誰か頼む
380 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/05(水) 18:45:26.09 ID:n05KVOjJ0
■第3章 父さんを救い出せ!

バンの回想。5年前、河川敷で淳一郎と話をするチビバン。
淳一郎はテクノロジーサミットに出席し、LBXの基礎理論を発表するという。
そしてその為に、また明日からしばらく出かけるということも。
世界的な会議であるテクノロジーサミットで発表すれば、それは世界中に認められる。
そうして世界中の子供達にLBXを届けたい、それが淳一郎の夢だった。
この頃LBXは危険な玩具と認識され禁止されていた為、母親や学校の先生から
LBXで遊ぶなと言いつけられていた。
LBXを禁止されていることにしょげるチビバンだが、LBXで使われている技術は
確実に未来に繋がっている。だからまたいつか必ずLBXで遊べるようになる日が来ると
淳一郎は元気づける。ここで回想は終わる。

5年前の光景、テクノロジーサミットに向かう機内にて。
淳一郎が本を読んでいると、スチュワーデスが機内の人達に向かって
「窓の外をご覧ください」と言う。外を見ると、飛行機と並行して飛ぶ黒い飛行機が。
何事だとざわめく人々に対し、スチュワーデスは「貴方達には理想の世界へ導くための
協力をしていただく」と言う。見る見るうちに顔が奇妙な仮面に変わるスチュワーデス。
彼女の正体はエージェント。また飛行機の操縦席もいつの間にかエージェントにすり替わっていた。
そして眼鏡の長髪の女性(アタッシュケースをバンに渡した人)も「さぁ淳一郎博士、
協力していただきますよ」と迫る。驚いた顔で彼女を見上げる淳一郎。
雲の影が引いたとき、飛んでいたはずの飛行機は忽然と消えていた……。

場面は変わって現在、喫茶店ブルーキャッツにて。檜山と拓也は事の真相を語り出す。
総理暗殺を企てたのはイノベーターというテロ組織だということ、
5年前の飛行機事故はイノベーターによって仕組まれ、その時に淳一郎含む科学者や技術者が
イノベーターにさらわれたこと。そしてイノベーターは「エターナルサイクラー」を開発したくて、
それで淳一郎の頭脳が必要になってさらったということ。
エターナルサイクラ―とは、無尽蔵にエネルギーを生み出すことができるエネルギーの永久機関。
世界中のエネルギー問題を解決できる素晴らしいものだが、使い方を誤れば戦争兵器にもなるし、
世界を破滅に追い込むことだってできる。
淳一郎は最初はイノベーターの掲げる理想に賛同し、エターナルサイクラ―の開発に協力したものの、
イノベーターの真の目的……それが世界征服だという事に気付いた。
そしてデータだけでも何とか外部に持ち出せないかと考え、エターナルサイクラ―の
設計図やデータをプラチナカプセルに詰め込み、さらにそのプラチナカプセルを
AX-00のコアスケルトンの中に隠し、助手に持たせて助手を脱走させた。(OPと第1章の河川敷での出来事)
そしてデスロックの仕組みも説明され、バン達がイノベーターに狙われるのは
LBXアキレスのコアスケルトンAX-00の中に隠されたプラチナカプセルの為であり、
バトル中にはデスロックが発動しないためにバトルによって破壊を目論んでいることだと聞かされる。
また、パーツLBXアキレスはバンにプラチナカプセルを守ってもらうための外装として
淳一郎が設計したものだということ、LBXハンターもまたLBXアキレスをサポートするために
淳一郎が設計したという事も明かされる。
バンにプラチナカプセルが預けられたのは、淳一郎にとってバンが一番信頼できる人だったから。

381 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/05(水) 18:46:12.10 ID:n05KVOjJ0
淳一郎は、父さんは何処にいるの?という問いに檜山達は「そこまでは……」と口を濁す。
檜山達大人は何かあったら俺達がお前を守る、だから何かあったらすぐ連絡してくれ。
またイノベーターはあまりにも巨大な組織で何処に潜んでいるか分からないので
軽率な行動は慎むようにとバン達に釘を刺し、バン達は解散。
が、アミは違和感を覚えていたようで……。

日没後、バンの自宅にて。帰宅が遅くなったことを母親に怒られるバン。
バンは淳一郎の事を母親に聞こうとするが、母親に「ご飯出来てるから
さっさと食べて風呂入って寝なさい」とまくしたてられ、聞くことができなかった。

喫茶店ブルーキャッツにて。店内は檜山と拓也の2人っきり。
大人達だけで何かを話していた。突入するための下調べが粗方できているということ、
そして淳一郎は「天使の星」にいて、「神谷」が絡んでいるという事も。
……その様子を物陰から窺うLBXクノイチ。LBXクノイチは店を出てアミと合流すると、
アミはクノイチを回収し改めて帰路に着いた。

研究施設にて、八神は海道義光にLBXアサシンの写真を見せながら、総理暗殺を
仕組んだのは貴方の指示ではなかったのか?と問い詰める。
知らないと白を切る義光に、人を殺して世界を変革するのが我々イノベーターなのか、
これではただの野蛮なテロ組織ではないかと怒りをあらわにする八神。
義光はひたすら暗殺の件は知らないといい、八神もその言葉を信じようと大人しくなる。
そしてプラチナカプセル奪還の準備をするといい、八神は去っていった。
1人きりになった義光。「八神、あの男も扱いにくくなってきたな……」と一言。

翌日、ミソラ第二中学校にて。拡張工事をするらしく、校庭に重機がやってきていた。
アミはバンとカズを連れ、校庭の植木の茂みに隠れるとCCMを取り出した。
アミのCCMから再生されたのは昨日の喫茶店ブルーキャッツでLBXクノイチに盗み聞きさせた
檜山と拓也の会話。2人が何か隠していると感じたアミはLBXクノイチを忍び込ませたのだ。
そして出てきた「天使の星」と「神谷」のキーワード。
子供達だけで助けに行こうと決意し、バン達は2つのキーワードについて調べてみることに。
放課後、教室のパソコンで様々な情報を検索してみるが、これといったものは見つからない。
「天使の星」を他の言語に翻訳するとどうなる?英語ならエンジェルスター、独逸語だと
シュテルンダスエンゲルス、中国語だとティァンスィーデーズィン……やっぱり
ダメか……と思ってると、エンジェルスターに興味あるの?と背後からリュウが。
詳しくリュウから話を聞いてみると、エンジェルスターというのは今校庭にやってきている
神谷重工製の重機の名前。
神谷重工は国内最大手の重機メーカーで、エンジェルスターは神谷重工の重機ブランドの1つ。
性能がー云々かんぬんの話の中で、神谷重工の工場兼保管庫の1つには壁面に
シンボルマークの天使の羽が描かれており、それ故「エンジェルスター」と呼ばれることも。
このエンジェルスター、重機マニアにとっては聖地ではあるが、最近セキュリティが厳しくなり
中々見学させてもらえないらしい。
しかも地下で兵器を作っているという根も葉もない噂が流れたこともあるらしい。
すっかりマシンガントークのリュウはほっといて、バン、アミ、カズは電車で
エンジェルスターへ向かう。

382 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/05(水) 18:47:43.19 ID:n05KVOjJ0
日の暮れたエンジェルスター。巨大な工業地帯で、建物が不気味にライトアップされている。
正門には警備員が立っていて入らせてもらえそうにない為、裏の通用口から侵入することに。
しかし通用口は開かない。そこで近くのダクトからLBXを侵入させ、LBXに内側から
ロックを解除してもらうという作戦を思いつく。
ダクト内部で待ち構えていた敵LBXを撃破し、通用口を突破。バンは、ダクトで戦った
LBXデクーはリビングを襲ったLBXに系統がよく似ているという。
ここはイノベーターの基地?そんな不安を胸に抱きつつ、3人は潜入を続ける。
一方、エンジェルスターのオペレーション室にて。侵入者がいるという報告を八神と神谷藤吾郎が聞いていた。
監視カメラの映像を見て侵入者がバン達だと気付いた八神と神谷。
探す手間が省けたとほくそ笑む神谷は、子供達をどうする気だと問う八神には答えず
不気味な笑みを浮かべながら部屋を出ていった。

(●LBXデクー:ずんぐりしたボディのLBX、敵の雑魚役でザクポジション、実を言うと神谷重工製
監視型だったり改良型だったりバリエーションが多い
●神谷藤吾郎:神谷重工グループの会長のオッサン、福田○夫元総理の顔をもっと悪くしたような感じ
●霧島平治:強化ダンボールを開発した背丈の低いメタボ男性、カズ曰く「何か冴えないオッサン」)

バン達はダクトにLBXを侵入させる→ドアの向こう側に回り込ませてロック解除を繰り返し、
更に奥へと進んでいく。
LBXをダクトの中へ侵入させている途中、とある部屋に人がいることに気付いてLBXを介して
偵察を試みる。通気口から様子を窺うと、そこには八神、神谷、霧島の姿が。
神谷はひたすら霧島をねぎらうような言葉を繰り返す。霧島は神谷を「神谷会長」と呼び
怯えているようだが、神谷は「その呼び方はやめてください、私は技術者であるあなたを
尊敬しているのですから」と穏やかに返す。
霧島はアスカ工業の元社長で、強化ダンボールを開発した本人。だがその後、TO社に
強化ダンボールの利権を奪われアスカ工業は倒産。その後神谷重工に拾われて身を
寄せていたために神谷重工には頭が上がらず、またTO社を恨んでいた。
これは本当なのかと戸惑うバン達。すると神谷は通気口にいたLBXの存在に気付く。
その場で声を荒げずに、山野淳一郎はまだエンジェルスターの最深部に?と八神に訪ねる神谷。
八神は一瞬戸惑うが、神谷の演技だと気づきはいと答える。
その後、神谷は霧島に「アスカ工業再建にとっても悪い話ではない」と言いながら、
3人は部屋を後にする。
誰もいなくなったところで、神谷達がいた部屋に侵入するバン達。
そこは生産ラインの監視室で、そこでは兵器が作られていた。
兵器が作られているという噂は本当だったんだ!と知るバン達。
情報端末から最深部の部屋を検索し、そこへ走り出す。

一方、喫茶店のブルーキャッツにて。モニターしていたバン達のLBXの駆動状況と位置情報から
バン達が子供達だけでエンジェルスターに乗り込んでしまったことに気付く。
急いで救出に向かう檜山と拓也。

エンジェルスター、最深部の部屋。そこはだだっ広い倉庫のようで、コンテナが大量に積み上げられている。
父さーん!と叫んでみるが、返事は聞こえない。
すると突然、シャッターを突き破って巨大な重機が乗り込んでくる。バン達とLBXアキレスを
見つけるや否やアームを振り翳して潰そうとするので、バン達は高所に避難してLBXで戦うことに。

383 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/05(水) 18:48:26.83 ID:n05KVOjJ0
重機に乗っているのは霧島。実は監視室を出た後、神谷は霧島に「今ここにTO社のスパイが
潜り込んでいる、白いLBXを連れたスパイを退治したらアスカ工業再建に協力する」と焚きつけていたのだ。
スパイが子供達だと気づいて一瞬戸惑うが、TO社はこんな子供もスパイにするのか!と
TO社に対して怒りをあらわにして襲い掛かってくる。
ちなみにこの重機、普段運転席の窓ガラスはシャッターで閉じられており、
外側に取り付けられたカメラアイを介して外の状況を確認している。
そこでバン達はLBXを使ってちょこまかと翻弄し、カメラアイを破壊。
しかしカメラアイがダメになっても目視すればよい、と霧島は窓ガラスのシャッターを開き
再び襲いかかってくる。
LBXアキレスの身動きが取れなくなり絶体絶命と思われた時、突然投げつけられる煙幕弾。
煙幕弾を投げ込んだのはLBXアキレスとも違う白いLBX。誰も見た事がないLBXで、
解析してみても「UNKNOWN」と出るだけ。
敵か味方か分からないLBXに全員が警戒するが、直後バンのCCMに「コンテナを落とせ パンドラ」と
メッセージが届く。白いLBXはパンドラという名前らしい。
LBXパンドラはLBXアキレスを抱えて上高く放り投げると、LBXクノイチ以上の機動力で重機を翻弄していく。
一方、放り投げられたLBXアキレスは上からクレーンで吊り下げられたコンテナの上にいた。
重機が真下を通り過ぎるタイミングを見計らってLBXアキレスでクレーンのロックを破壊。
コンテナは重機の運転席に直撃。運転席は押し潰されはしなかったものの、乗っていた霧島は
頭を強打して意識を失う。
重機も止まり、静寂に包まれる倉庫。気がつくとパンドラはいなくなっていた。
突然館内放送でバンに呼びかける声が。山野淳一郎はもうここにはいない。淳一郎博士を
取り返したいのならばアングラビシダスに出場し、優勝しろと。
アングラビシダスはカズ曰く、裏の世界で行われているという幻の大会。
詳細は不明で、何処でやっているのかも分かっていない。
直後、背後からバン達を呼ぶ声。振り返ると私服らしいパーカを来た檜山の姿が。
地下通路を利用してエンジェルスターに忍び込んで助けに来たらしい。
その後檜山に連れられてバン達は脱出。

(●LBXパンドラ:インディアンの羽飾りのような飾りパーツのついた細身のLBX
雰囲気はモンハンのキリン女性装備に似ている)

とっぷり日が暮れた後の帰りの自動車の中にて。檜山、拓也、バン、アミ、カズ。
檜山達は最初からエンジェルスターに淳一郎がいることを知っており、万全に準備を
整えてから突撃する予定だったことを明かす。
そして最初にバン達に教えなかったのは、もし知ってしまったらバン達は危険な行動に
出るだろうからと予測していた為だとも。(ただし今回はそれが完全に裏目に出てしまった)
そしてイノベーターと神谷重工は繋がりがあったから、淳一郎はここにいたのだろうとバン達に教える。
バンは館内放送で聞いた「アングラビシダスに出場しろ」の件を檜山達に話す。驚く檜山と拓也。

場面は切り替わり、シャンデリアのある天井の高い部屋にて。
床は赤絨毯が敷かれ、カーテンは深い赤色。海道義光の肖像画も奥の壁に飾られている。
何処かの豪邸の食堂らしく、だだっ広いホールの長テーブルで食事をしているのは2人だけ。
上座に座っているのは義光。執事が淹れた紅茶に口をつけていた。
義光の向かい側ではバンと同い年くらいの赤い瞳の少年が食事をとっていた。
「明日から新しい学校だが、心配か?」と問う義光に対し、少年は
「心配いりません、おじいさま。目的は必ずやり遂げます」と淡々と答えた。

第3章、終了。

384 :◆l1l6Ur354A:2012/09/05(水) 18:49:27.71 ID:n05KVOjJ0
ダクト内に警備用LBXを配置する資金があるなら人件費に回して警備を強化し、
バン達が侵入した時点でバン達の方を取り押さえればいいんじゃないかとか
子供向けホビー物ゲームに突っ込んではいけません

ダンボール戦機はアニメやゲームだけでなく、劇中で登場するLBXがプラモデルとして
商業展開されています(コアスケルトンやCCMはないので手でガシガシ動かすしかない)
組み立て+付属シールだけでも充分カッコいいですが、本格的に改修して塗装するモデラーもちらほら
ちなみにモデラー曰く、組み立てるだけなら1時間程度と簡単なのに、
本格的に改修してエアブラシで塗装するとなるとパーツの形や塗装の問題の関係で
急に難易度が上がるとの事
87 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/22(土) 21:45:34.63 ID:Y26J5XxT0
■第4章 闇の戦場!アングラビシダス!!

数日後、ミソラ第二中学校にて。クラスは転校生がやってくるとの話題で持ちきりだった。
先生が言うには、転校生の名前は「海道ジン」。ただし少し遅れているようでまだ姿を見せない。
すると突然耳をつんざくような音が。聞いたこともない音にクラスがどよめく。
外からだ!とクラスメートが指差した窓の外を見ると、1機の戦闘機がこちらに向かって
高速で飛んでくる。物珍しさに思わず窓に張り付くクラスメート。
戦闘機は学校にぶつかる直前で急旋回すると、ホバリングしながらバン達のいる教室の前に近づいてきた。
ハッチが開くと、中から姿を見せたのは赤い瞳の少年。彼こそが転校生の海道ジンだった。
度肝を抜かれるクラスメート&先生。バンはジンと目が合ってしまう。
操縦していた執事は「行ってらっしゃいませ、おぼっちゃま」とジンを見送った。

(●赤い瞳の少年=海道ジン:熱血主人公とは正反対の無口、冷静と絵に描いたようなライバルキャラ
黒髪に一部白いメッシュを入れたかのような髪の色だが、全部地毛
●執事:海道家に仕えるのっぽで素敵なおじいちゃん
海道ジンの事を「おぼっちゃま」と呼び、大切にしている)

海道ジンはとにかくクール。ただしちょっと変わっていて、先生に自己紹介を促されても
「話す事はありません」と答えて先生を困らせる始末。
LBXやってるの?と聞いてもさっぱりで、自身の事はあまり詮索されたくないし
周囲にもあまり興味を持たない様子。
放課後の教室にて。バン、アミ、カズはそんな風変わりな転校生の事も気にしつつ、
これからブルーキャッツに行ってアングラビシダスの事を聞こうと言って教室を出る。
「アングラビシダス」の単語に思わず反応するジン。

喫茶店ブルーキャッツにて、檜山からアングラビシダスについて聞くバン達。
アングラビシダスはトーナメント方式の個人戦。ルールは何でもアリ、違法アイテムも違法改造も
破壊もOKの闇の大会。
しかも次の大会では、優勝者はLBX世界大会であるアルテミスへの出場権も与えられるという。
アルテミス出場を巡って何時もよりも激しいバトルが繰り広げられるだろうし、イノベーターから
送り込まれた刺客がバンのLBXを破壊しに来るだろう。それにアングラビシダスで優勝しても
淳一郎が100%解放される保証はない。それでもバンはアンブラビシダスの参加を表明。
アミやカズも参加すると言い出した為、檜山は「参加手続きはこちらでしておく」と承諾する。
次のアングラビシダスは1週間後。早速キタジマ模型店で特訓しようとするバン達に対し、
檜山達は「一度会場を見ておいた方がいい」と勧める。
拓也に連れられ、ブルーキャッツの一角の開かずのドアを開けて地下へ続く階段を下りるバン達。
しばらく進むと、コロッセオのような装飾の広い室内が見えてきた。

アングラビシダスの会場は喫茶店ブルーキャッツの地下にあり、ルール無用と言わんばかりに
下品な言葉の野次が飛んでいた。観客もガラの悪い人が多く、まさに世紀末状態。

88 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/22(土) 21:46:51.15 ID:Y26J5XxT0
会場のフィールドではLBXプレイヤーがフリーバトルを繰り広げており、その中に海道ジンの姿もあった。
ジン1人と彼の黒いLBXジ・エンペラー1体に対し、相手は3人の操る3体のLBX。
あっという間にLBXジ・エンペラーは3体の敵LBXに囲まれてしまった。
と、次の瞬間。目にもとまらぬ速さでジンはCCMの操作をすると、あっという間に3体のLBXを同時破壊。
ジンは一瞬で勝負をつけることから「秒殺の皇帝」という二つ名を持っていた。
呆然とする相手を余所に、ジンは静かに会場を下りていった。
ジンの実力も目の当たりにし、凄い!面白くなってきたと盛り上がるバン。
そんな彼らを、高い位置の観覧席から見下ろす背丈の高い紫髪の少年の姿があった。

(●LBXジ・エンペラー:海道ジンが操る、マントを羽織った厳つい皇帝のような風貌の黒いLBX
バンのLBXアキレスとはカラーリングも対の存在、ちなみに神谷工業製)

それからバン達はキタジマ模型店の店長に頼み込み、アングラビシダスに向けて特訓を始めることに。
練習相手の店長が操るLBXに苦戦するバン達。あれ?そう言えば沙希さんはLBXやらないんですか?と
バン達が聞くと、途端に店長が「その事は聞くな!ダメったらダメだ!」と派手に取り乱す。
何だ?と訳も分からずに顔を見合わせるバン達。
キタジマ模型店のみならず。路上でのフリーバトルでも練習を重ねるバン達。
その様子を、背丈の高い紫髪の少年が興味深そうに見ていた。

ある日、バン達がキタジマ模型店で特訓していると、リコ、テツオ、ギンジの3人がやってくる。
ゲーセンにいる郷田が呼んでいるからついて来いと言われ、リコ達について行くバン。
その途中でエージェントにバトルを吹っかけられたりもしたが、特訓を重ねたバンの相手ではなく
あっさりと下す。負けたなら撤収!とダッシュで逃げるエージェント。
そしてバン達がゲーセンに着くと、そこでは郷田が信じられないような物を見るような顔で膝をついていた。
LBXフィールドの中には無残に破壊されたハカイオーと、1体の不気味な黒いLBXジョーカー。
そして郷田をあざ笑うように見下ろす背丈の高い紫髪の少年。彼がLBXジョーカーを操り、郷田を破ったらしい。
彼の名は仙道ダイキ。ミソラ第一中学の3年生の番長格で、郷田とは性格や信条の食い違いから
しょっちゅう仲違いを起こしているらしい。
郷田の仇を取るために仙道にバトルを挑むバン。承諾した仙道が手元から引いたカードは「死神」。
お前は切り刻まれる、そして俺にひれ伏すのだ!と狂気じみた笑みを浮かべる仙道。

(●背丈の高い紫髪の少年=仙道ダイキ:ミソラ第一中学3年生の少年。
友情や義理を大事にする郷田とは違い、一匹狼で自分が勝つためなら平気で他人を利用する。
使用LBXはジョーカー。LBXの腕も中々のもので「箱の中の魔術師」の二つ名を持つ。
タロットカードも趣味で、事あるごとにカードを引いては預言めいたことを言う。
●LBXジョーカー:道化師のような外見のLBX、非常に癖が強く使いにくいらしい)

仙道&LBXジョーカーとバン&LBXアキレスのバトルが始まる。
仙道が引いたカードは「愚者」。動きが単調、愚の骨頂。お前の動きは見切ったと言わんばかりに
LBXアキレスの攻撃をするりするりとかわしていく。
そして仙道が「魔術師」のカードを引くと、「魔術師の本気を見せてやる!」と叫ぶと同時に
素早く動き回っていたLBXジョーカーが3体に分身した。
分身した3体のLBXジョーカーから集中攻撃を喰らうLBXアキレス。壊される!と思った瞬間、
突如LBXジ・エンペラーが乱入してLBXジョーカーの動きを止めてしまう。
登場したのはジン。君もアングラビシダスに出場するなら、そこで決着をつけた方が
目立つだろと仙道に言い、仙道も納得してその場は引き上げる。
去り際、仙道はジンに向かって「お前も出るなら潰されないように気を付けた方がいい」と言い放つ。
ジンも何も言わないまま、無言で去っていく。

89 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/22(土) 21:48:34.72 ID:Y26J5XxT0
残されたバン達。仙道とジンの乱入ですっかり忘れていたが、郷田はアングラビシダスに出場する
全選手のデータをまとめた情報端末をバンに渡すために呼んだのだった。
情報端末を受け取るバン。郷田によると、バンに渡すようある人物に頼まれたらしい。

アングラビシダス当日。ブルーキャッツの地下会場に到着するバン達と拓也(保護者代わり)。
ざわめく会場の中心にスポットライトが当てられ、主催者と思しき男が開会宣言を叫ぶ。
「俺はレックス!諸君、俺の名の元に試合ができることを光栄に思え!
破壊の祭典アングラビシタスへようこそ!」
しかし服装は違えど、主催のレックスと名乗る男性は檜山そのもの。
何時も喫茶店で見ていた穏やかな立ち振る舞いとは正反対のレックス(=檜山)の様子に
バン達は驚きを隠せない。
トーナメント表も発表され、バン、アミ、カズは全員違うブロックに振られることに。
参加者の中にイノベーターの刺客がいるかもしれないと警戒しつつ、お互いトーナメントを
勝ち抜くことを誓い合う。

バンは順調に勝ち抜進み、次の準決勝の相手は仙道ダイキ。
前回と変わらないLBXジョーカーによる3体分身攻撃に押されてしまう。すると突然Vモードが
発動し、バンのLBXアキレスが金色に輝きながら暴走してしまう。
そして3体に分身していたはずのLBXジョーカーは、3体ともそこに存在したまま立ちすくんでいた。
仙道ダイキの分身トリック。それは仙道自身が3体のLBXを同時に扱っていたというものだった。
最初こそ暴走したLBXアキレスの勢いに圧倒されかけるものの、バンのCCMの操作を受け付けず
自律プログラムで行動しているのだと気づくと、自律行動特有の行動パターンを見抜いて
反撃に出る仙道。LBXアキレスも操作できないしどうしようもない……と思ったその時、
バンのCCMに「これはパンドラからの贈り物だ」というメッセージ付で何かのプログラムが送られてきた。
バンがふと見回すと、観客の中にパンドラを肩に乗せて試合の様子を見守る男性がいた。
帽子を目深に被っている上、サングラスをしているので顔はよく見えないが……。
一か八かと勝負に出て受け取ったプログラムを実行するバン。プログラムをインストールすると
「ですトロイファンクション解除 コントロール可能」と表示され、Vモードが発動したままの
LBXアキレスを操作できるようになっていた。
コントロールできるようになったLBXを操り、LBXジョーカー3体を撃破し勝ち上がるバン。
一方試合の様子を見ていた拓也もバンの様子の異変に気づき、バンが見ているだろう先を見上げてみた。
目が合う拓也とサングラスの男性。驚く拓也、気まずそうに顔をしかめるサングラスの男性。
拓也は慌ててサングラスの男性を追いかけるが、いつの間にかサングラスの男性はいなくなっていた。
一方、バンが勝った会場にて。最後に仙道に「お前がイノベーターの刺客か?」と聞いてみるが、
仙道は「俺が誰かの命令を聞くものか。俺に命令できるのは俺だけだ」と言って立ち去ってしまう。
会場を去る直前、仙道が1枚のタロットカードを落とす。落としたのは「星」のカード。
「友情?……くだらねぇ」カードを拾うと、仙道はそのまま会場を後にした。

(●サングラスの男性:LBXパンドラを連れた、スーツを着こなした中年くらいの男性
サングラスやハットで顔はよく見えないが……?)

90 :ダンボール戦機◆l1l6Ur354A:2012/09/22(土) 21:49:13.94 ID:Y26J5XxT0
一方、ジンも「秒殺の皇帝」の通り名の通りに一瞬で決着をつけて順調に勝ち上がっていた。
試合を終えたジンが舞台から降り、控えブースに戻ろうと人気の少ない通路を歩いていると
「見事な腕前ですね」と手を叩きながら褒める声が。
ジンが見上げると、そこにはスーツを着た黒髪オールバックの男性が立っていた。

そして決勝戦。相手は海道ジン。カズやアミは途中で敗退してしまった。
試合前の会話で、ジンは自身がイノベーターの刺客だと認めた上で、この試合でバンのLBXを破壊し
プラチナカプセルを回収するとバンに宣戦布告。もしバンが勝ったら、バンが望む情報を教えると宣言した。
かくして始まった決勝戦。2人とも善戦し一歩も譲らない。お互いに必殺技を繰り出しては
かわしての繰り返し。ジンは目にもとまらぬ手つきでCCMを操作する。
バトルも白熱してきた頃、突然LBXジ・エンペラーの動きが停止してしまう。
ジンのCCMの入力速度にLBXの方がついていけず、CPUがエラーを起こして停止してしまったらしい。
少し閉まらない終わり方だが、今回のアングラビシダスの優勝者はバンに決定。
去り際、ジンはバンに耳打ちするように「ポイント579-934、君の欲しがっていた情報だ」と呟いた。

夕日が差し込む広い室内。全面ガラス張りの窓からは街並みが見下ろせる。
その室内には外を眺める海道義光が1人。そこへ突然ドアが開く音がして、苺鼻の男性が
畏まった様子で部屋に入ってきた。「海道先生!お孫さんが……」と言いかけた時、
突如鳴り出す義光の携帯電話。苺鼻の男性を一旦控えさせ、義光は電話に出る。
電話相手はジンだった。ジンは義光にアングラビシダスで敗れたことを詫び、
そしてバンに淳一郎の居場所を教えたことを淡々と報告した。
通話が終わると、義光は背後に控えていた苺鼻の男性に「沢村、次のプランに移行する」と声をかけた。

(●苺鼻の男性=沢村宗人:角ばった顔つきに苺鼻、趣味の悪いゴツい指輪が特徴の中年男性
TO社役員でありながらイノベーターの内通者でもあり、第2章序盤のTO社役員会議で
LBXアキレスの設計図をこっそりダウンロードしてたのはこの人)

アングラビシダス終了後、喫茶店ブルーキャッツにて。バン、アミ、カズとレックス、拓也はいた。
バンがジンから聞いた情報を元に檜山と拓也が位置を割り出す。
場所を知り思わず閉口する2人。その場所とは、海道義光の自宅。
先進開発省大臣であり海道財閥の総帥である海道義光こそがイノベーターの黒幕だった。
そして海道ジンが海道義光の孫であることも拓也の口から語られる。。
どうやらここに淳一郎が捕まっているらしい。海道邸は何処よりもセキュリティが厳しいだろう。
綿密に計画を立てなければ淳一郎の救出は難しいと頭を抱える彼らの元に
「私も手伝わせてもらえないかしら?」と女性の声と来店の音がする。
振り返り、その女性を見て驚くバン。彼女はバンにアタッシュケースを預けた人だった。
レックスと拓也も「石森里奈!?無事だったのか!?」と驚く。
「海道邸のデータならここにあるわ」と里奈が見せたのは、データの入ったUSBだった。

(●石森里奈=眼鏡で長髪の女性:バンにAX-00が入ったアタッシュケースを渡した人
レックスや拓也と面識があるらしい)

第4章、終了。 

最終更新:2013年01月02日 00:37