EMIT
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390EMIT:2013/03/09(土) 22:44:03 ID:???
●EMIT

田中百合:ごく普通の17歳の女子高生。ポニーテール。
田中敏子:百合の母親。
田中和夫:百合の弟。
小沢洋子:百合のクラスメートの友達。
太田一郎:中学からの男友達。
ケン:向こう側の世界の子供。
ジュリア:ケンの母親。百合にそっくり。

『不思議な老人』
信号待ちをしていた百合に60才ぐらいの老人が年月日を尋ねてくる。
年月をきかれる事を変に思いながらも答えると、1994年かと老人が考え込む。
次にこの辺りに昔、時計屋が無かったかと聞いてくるので知らないと答えた。
老人はあなたぐらいの年齢なら知っていると思ったと、礼を言って去っていった。
百合は信号を渡る。するとEMIT(エミット)という言葉が後ろから聞こえた。
振り向くとさっきの老人が深刻そうな顔でこちらを見ている。驚いた百合は走って逃げた。

『夕食どき』
百合・敏子・和夫の三人で夕食中。百合は母に時計屋の事を聞いた。
今ある駅前の本屋が以前は時計屋だったらしい。もう何十年まえだとの事。
電話が鳴ったので百合はとりに行った。

『電話』
電話の相手はクラスメートの小沢洋子。
今まで風邪をひいて休んでいた、明日から学校に行くので英語の授業がどこまで進んでいるのかを教えてほしいと聞かれる。
受話器を置いて二階の自室のノートを見にいく。自室で鞄を開けると走り書きのメモが入っていた。
”エミットの事を知っていたら教えてください。困っているのです。またお会いできたら。明日にでも。”
老人の物と思われるメモ。百合は電話口に戻り洋子に英語の授業を教え、そのあと老人の事を話した。
放っておいたら? と言われ、そうすることにする。その後、無駄話を続ける。
ずぶ濡れの父が帰ってきて、傘を持ってきてほしいと電話したかったのに通じなかったと長電話を叱られた。

『若返った男』
一ヶ月後、信号を待っていると男にエミットと声をかけられる。老人に声が似ていたが、明らかに若かった。
話があると言われ、土曜日で時間があるのと顔が魅力的だったのでついて行く。

391EMIT:2013/03/09(土) 22:44:56 ID:???

『喫茶店』
信号近くの喫茶店に入る。百合は男にエミットについて聞いた。
すると男は百合が知り合いに似ていて知ってるかもしれないから聞いたと答えた。
前に会った老人は父親ですかと百合は聞く。
あれは僕自身だと答えられた。変装か何かかと尋ねると、年を取ったと答えられた。
どう見ても20~30にしか見えないと百合が考えていると、男は別の世界から来たと言った。
その世界とこの世界は目につかないトンネルで結ばれている。
ここに来た時に使ったトンネルが壊れて、帰るために他のトンネルを探している。そのトンネルが時計屋の地下にあるらしい。
百合は信じることができず呆れた返事しかできない。
前に会った老人は60歳ぐらい男は30ぐらい、別人に見えると百合は聞いた。
この世界では僕は1日に1才ずつ年をとる。しかもこちらの世界にとっては逆にだと答える。
二つの世界は時間の進み方が違い、男が年をとっているのを、こちらでは若返っているように見える。
「つまり60才の子供だったあなたが、30日で30才の大人になったわけですか?」
男は肯定し、百合は老人に見えると答えた。
その言葉に怒った百合は「いい加減にしてください!」と言って、喫茶店を走るように飛び出した。

『校庭にて』
喫茶店から2週間後。
次の時間は英語のテスト。洋子と気軽に話していると、洋子がフェンスの向こうに12才ぐらいの少年を見つける。
百合が見るととても悲しそうな目をしていた。百合は少年を呼ぶ。
「助けてください、あともう1日たつと僕の力では扉が開けられなくなる」
百合は校庭を飛びだし、洋子が止めるのも聞かず学校を出た。

『脱出1』
本屋の奥。段ボールの積まれた部屋の所に立ち入り禁止と書かれた鉄の扉があった。
それを開くと花の匂いがする。「僕の世界の匂いだ」と少年は嬉しそうに入っていく。
一緒に入る百合、少年は床の土を払うと扉が地面に現れた。

『脱出2』
百合が取っ手を引っ張るがびくともしない。
少年は扉のプレートにEMITと掘らないといけないと言われ、百合は石で力を込めて書く。

『脱出3』
徐々に引き上げていくが、錆びているのか扉はなかなか開かない。
すると背後の扉を叩く音がしたのか「誰かいるのか?」どうやら本屋の人らしい。
何とか力を込めて引き上げ、少年を隙間に入れる。
「ありがとう」
「ねえ、私は誰に似ていたの?」
「僕のお母さん」
「せめて恋人と言ってよ」
「今度、こっちの世界に遊びに来て、いつでもいいから、僕の名前は……」
背後の扉のノックが激しくなる、慌てて百合は扉を閉める。そして土を上からかぶせた。

392EMIT:2013/03/09(土) 22:50:23 ID:???

『EMITの秘密』
百合は自室で母の敏子にテスト時間をすっぽかした事を叱られる。本当の事を話しても信じないだろうと百合は理由を言えない。
明日は先生に一緒に謝りに行くことを約束され、母は出ていった。
百合は老人の事、そしてもう一つの世界の事を考える。できれば老人の17才ぐらいに会いたかったと思う。
少年が百合の事を母親に似ていたと言っていたのを思い出し、あっちの世界では自分の未来の姿があるのではと考える。
ノートにEMITと書いて、いつか遊びに行きたいとわくわくしていた。
そのとき百合はあることに気づきノートに文字を書いた。それはEMITの逆、TIMEという言葉だった。

『書店にて』
百合が本屋で本を読んでいると、一郎とバッタリ会った。
一年ぶりと挨拶する百合。昨日会ったと言う一郎。詳しく話したいと百合は自宅に誘った。
幻でも幽霊でもないと歩きながら言う一郎に、百合は気味が悪いと思った。

『EMIT再び』
百合の自室。
昨日の誕生日パーティーで百合に出会ったと言う一郎。送ると言ったが一郎の自宅前で別れたと言う。
一郎は帰り際にその娘が言った言葉を思い出した、「エミット」と。

『地下室の扉』
百合は再び、本屋の扉がある所に来ていた。
もしかしたら以前の老人の母親がこちらに来ているのではないかと、考えたからである。
土を払いEMITと書いて扉に手をかける。以前と違い簡単に扉が開いた。

『もう一人の百合』
扉の中を覗くと自分そっくりの娘が、下から見上げていた。
唖然としながらもとりあえず挨拶する百合。
相手も挨拶を返してきて、いい所であったと彼女は百合の手を取った。そして扉の中に引きずり落とした。
意識を失っていた百合が周囲を見ると真っ暗だった。見上げるとかなり高い所に閉じた扉がある。
はしごかなにか上に登る手段があるかと探すが見当たらない。
トンネルの向こうに微かに光が見える。ここでじっとしても仕方ないと、そっちに向かった。

『向こうの世界へ』
辿り着いた所は行き止まり、頭上の高い所から光がさしている。
どうすればいいのかと考えていると、地面がエレベーターの様にせり上がる。
さっきの場所もこうなっていたのかと百合は考えた。
地面が止まり扉が前にあった。ゆっくり扉を開けて覗きこむと、二人の警備員が待っていた。
「戻ってきたようだな」「世界の行き来は重罪だ」
困惑する百合。警備員達は百合を捕まえ腕に注射を打ちこむ、百合は気絶した。

393EMIT:2013/03/09(土) 22:51:06 ID:???
『再会』
目を覚ますと、百合はベッドにいた。そばに自分を母さんと呼ぶ老人がいた。
以前あった少年だと気付いた百合は話そうとするが、私に任せて黙っててと老人は言う。
さっきの警備員の二人が来る。百合の代わりに謝罪する老人。
「今回は見逃してやる」「この年齢なら仕方ないな」
部屋から出される二人、外の風景は元の世界と同じだった。
老人はケンと名乗り、老人の母親の名前はジュリアだと教えられる。
もっと年寄りらしく歩かないと周りに変に思われると言われ、百合はゆっくりと歩いた。

『次元のトリック』
公園で子供たちは弱々しく語り合い、老人たちが元気に遊びまわる。百合は変な気分になる。
道を歩きながら百合とケンはジュリアについて会話する。
ジュリアはこちらの世界に遊びに行き、そこで太田一郎に恋をしてしまった。
そしてジュリアは百合に成り変わり、戻らないつもりだと。
ケンはもう一つの問題を口にする。ここでは百合は毎日1つずつ年齢が増えると。
百合は茫然としてしまった。

『焦り』
真夜中。百合とケンは壁の裏側から、警備員たちがいる古いビルを伺う。
すでに3日が過ぎている。何度も忍びこもうとしてたが、失敗している。
ジュリアは今頃、太田一郎に言いよっている。この世界で百合は毎日、年を取る。
百合がこの世界に居る限り、ジュリアは年を取らないらしい。このままでは完全になり変わられてしまう。

『冷たい雨』
百合はもう20才。ケンが殺されると止めるも待てなかった。
猫がお尻に当たり悲鳴をあげる百合。「誰だ!」と警備員が出てくる。
猫を放り出すと「なんだ猫か」と戻っていった。

『未来が呼んでいる』
大雨が降りだす。
危ないからと再び止めるケン、しかし百合は「さよなら私の坊や」と言って走り出した。
彼女の未来が呼んでいるのだ。


『危険な賭け』
扉の近くまで走り寄った百合。
建物の中には銃を持った警備員が二人、猫と遊んでいる。
ケンが「助けてくれ」と叫ぶ。警備員たちは二人とも外に出て、一人はケンの元に走りもう一人は扉の前に立った。
百合は警備員を突き飛ばし、中に入る。

394EMIT:2013/03/09(土) 22:51:57 ID:???
『脱出』
「止まれ、撃つぞ!」警備員の警告を百合は無視する。
エレベーターの場所に行き、ボタンはどこかと壁を触る。すると下へと動き出した。
安堵する百合に、上から警備員が拳銃の引き金を引いた。

『小さな疑惑』
夜の百合の家。敏子は娘の百合が、何かがおかしいと感じていた。
タオルの置き方、コップの位置。些細なクセが色々と変わっている。
しかし百合は百合だと思い直し、気にしない事にした。
そこに一郎が訪ね、敏子が出る。
友達に百合の様子が変だと言われ気になって訪ねたと言うと、敏子もまた百合の様子がおかしいと答える。
そこに百合が現れる。

『百合じゃない!?』
百合は一郎に挨拶をし、「この間のパーティーは面白かったわね」と言った。
一瞬、疑惑の目を向ける一郎。すぐに笑顔に変える。
心配する敏子をよそに二人は百合の部屋へと移動する。
何の用と聞いてきた百合に、一郎はこの前に貸したエジプトの本を返してもらおうと思ってと言った。
何処に直したかわからないと答える百合。また今度でいいよと一郎は笑顔で去っていった。
百合は何かに気付き、ベッドに座ってうつむいた。
敏子に一郎は言う「あれは百合じゃない」。

『残された手紙』
百合にそっくりな娘がいる。
一郎と敏子はキッチンで話しあい、本物の百合はどこか問いただす事にした。
二人は百合の部屋に行き、入る。
すると誰もいない。開いた窓から逃げ出したらしい。
置き手紙がおいてあった。
「いつか分かる事が思ったより早く来た。でも私はこの世界から出て行きたくない。いつかまた……」
まだ近くに居ると二人は家の外へと、探しに走りだした。

『帰還』
本物の百合が家に帰ると、誰もいない。
銃弾のかすめた右腕から出血し、ズキズキと痛む。
とにかくへとへとに疲れていた百合は、居間のソファに倒れ込み目を閉じた。

395EMIT:2013/03/09(土) 22:52:39 ID:???
『対決』
やっと自宅に帰って来たのだ、このまま眠ってしまいたい。
だが眠ってはいけないと、やらなければならない事があると頭の中で思考が働く。
ジュリアの事を考える。
目を開ける百合。すると目の前に百合がいた。
夢かと思って瞬きをすると、目の前の百合がナイフを振りおろしてきた。
「やめて!」叫びながら百合は転がるように、ナイフを避けた。

『説得』
「どうして帰って来たの?」
「あなた……ジュリアさんでしょ」
名前を呼ばれて驚くジュリア。
「ケンが心配してるわ、戻ってあげて、あなたも母親でしょ?」
「私は……私はここにいたいのよ」
「どうして? あなたには逆の世界でしょ?」
「私は……」
そのとき玄関から音がした。息を飲み窓から逃げ出すジュリア。
代わりに一郎と敏子が入ってくる「百合をどうしたんだ!?」。
説明し本物である事を認めてもらう。

『思い出の行方』
ジュリアが逃げてから10日以上たった。
下校途中で洋子にもう一つの世界の事を話したが、全く信じてもらえない。
百合はそれもそうかと考える。ひどい目にあった百合は、あちらの世界とはかかわり合いになりたくなかった。
歩いている途中、扉のある本屋が工事中になっていた。
工事現場の人に聞くと、明日には地下も取り壊すらしい。

『消えゆく存在』
洋子と別れ一人で歩く百合は、ジュリアの事を考えていた。
ふと歩きながら公園を見ると、EMITと小石が並んでいた。
公園に入り、ベンチに座っていた老人ケンを見つける。
お互いの無事を確認する二人。ジュリアはまだ帰ってないらしい。
明日には扉が工事で壊されてしまう。それもあるがケンはもっと深刻な事態がある事を言った。
ジュリアはかなり年齢を取ってしまった。

396EMIT:2013/03/09(土) 22:53:34 ID:???
『刻限』
あと3日もすれば、こちらで言えば0才。それ以降は存在が消滅してしまうと言う。
百合はケンに家で待ってるように言った。
夜になり、百合は一郎に寄り添うように歩く、傍から見れば恋人同士の様に。
キスしようかと冗談で言っている時に、幼い少女が前方に現れた。
ジュリアと声をかけると走って逃げていく。しかしケンが道を塞いだ。

『涙』
「間に合ったよ母さん、さあ帰ろう」
幼い少女は一郎を振りかえり、涙を見せる。
百合は一郎にジュリアを抱きしめるように言う。言われた通り抱きしめた。
ジュリアもまた顔を一郎の肩にうずめた。

『別れ』
別れを言い、祖父と孫娘のように見える二人が闇の中へと去っていった。
幼い少女は一度、振り返ったが、時期に見えなくなった。
「肩が濡れてる、あの子、泣いてたんだ」
「女の子泣かして、悪い奴だ」

『私にさよならを』
百合と洋子が本屋の近くを歩いていると、ビルが更地になっていた。
もう二人がどうなったかは確かめようがない。
でも、他にもトンネルがあって向こう側の人がこちらに来てるのではないかと思うと、百合は嬉しくなった。
「ねえ、私エステ行ったんだけど、若返って見える?」
「エステも良いけど、ほどほどにしときないさよ」
「どうして?」
「若返りすぎると、誰にもわからなくなっちゃうんだから」
もちろん洋子には冗談にしか聞こえなかった。

終わり。

397名無しさん:2013/03/09(土) 22:54:55 ID:???
投下終了。音楽を小室哲也、百合の声は林原めぐみと割と豪華
なんか黒歴史扱いされてたけど、理由は知らない


 






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