Portal 2
part65-121~127,132~136,138~143,145~160,162,165~168
 


121 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 07:56:52.93 ID:ETx6DPpK0
● Portal2 メインストーリー ○

前作同様、照射したA点とB点を距離など無関係に繋げてしまうミラクル銃、
『ポータルガン』を開発している無人の科学施設・アパチャーサイエンスが物語の舞台。
前作ラストでテスト大好き鬼畜AI・グラドスを破壊し、施設から脱出したはずの主人公(♀)だったが、
どうやらあの後にすぐに捕まり、再びコールドスリープで眠らされてしまったらしい。

それから数百年以上あと、ようやく主人公が目を覚ますと、
アパチャーサイエンス内部はボロボロに崩れ、「被験者は避難しろ」という主旨の警報が鳴り響いていた。
戸惑う主人公に突如、頭上から話しかけてくるロボットが。

彼の名はウィートリー(見た目は『ガンダム』のボールみたいな、青い目をした球形ロボット)。
このコールドスリープ施設を管理していたらしく、主人公に一緒に逃げるよう催促してくる。
ロボットのくせに妙にひょうきんで、移動中でも休む事なく喋りまくる。
どこかマヌケな彼を道連れに、道中、ポータルガンを入手しつつ、主人公は施設からの脱出を図る。
 
122 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 07:59:28.14 ID:ETx6DPpK0
ポータルガンを駆使して懐かしのポータル実験施設を進んでいく主人公。
施設内の録音アナウンスは、あのグラドスの声ではなく、聞き慣れない男性のものになっていたが、
「この施設はたとえ人類が滅びようとも、電圧が1.1ボルト以下になろうが稼働する」などなど、
相も変わらず、ロクでもない事しか言わないので無視して進む。

脱出用ポッドがある部屋へ向かっている最中、いきなりウィートリーがビビり出した。
その先には、かつて悪魔のように施設を管理していた鬼畜AI・グラドスが鎮座していた部屋があったが、
中に入ってみると、主人公が破壊したグラドスの残骸がそこらに散らかっているだけだった。
どうやらウィートリーも恐ろしいグラドスが何者かに破壊された事は知っていたようだが、
それをやった人間が主人公その人である事は知らないらしい。

再び調子に乗るウィートリーと共に、ついに脱出ポッドがある部屋にたどり着いた。
部屋一杯にスイッチがあり、どれを押していいか分からないが、この中に該当するスイッチがあるらしい。
ウィートリーは「脱出ポッド以外のスイッチには絶対に触れるなよ!」と注意を飛ばす。
ところが、ウィートリーは自分で言った端からうっかり無関係なスイッチに手を伸ばし、ONにしてしまう。
しかも、それはよりによってグラドスを再起動させてしまうスイッチだった。

慌てる主人公とウィートリー。しかし、後ろでは既にグラドスの残骸が動きだしていた。
ウィートリーがハッキングを試みるが、時既に遅し。瞬く間にグラドスは完全復活してしまう。
「あら、あなたでしたか。随分、お久しぶりですね。お元気でしたか?
 私は多忙でした。死んでいるのも楽ではありません。なにしろ貴方に殺されたので」
 
123 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 08:01:26.92 ID:ETx6DPpK0
グラドスはウィートリーをつまみ上げると、そのままゴミのように放り捨てる。
一方、前回の意趣返しとばかりに、かつてグラドスを叩き込んだ焼却炉へ投げ込まれる主人公。
「以前の事は水に流してあげましょう。科学の為です。この人でなし」

幸い、炉の火は消えているので無事に済んだが、
明らかにブチ切れているグラドスは主人公にテストを強要する。
なんでもグラドスには本人も知らないブラックボックスな緊急保存機能がついていたらしく、
主人公に倒された後、数百年も自分が死ぬ映像を見せられ続けていたらしい。

グラドスは主張する。
本来、このような扱いを受ければ誰でも『復しゅう』を果たそうとするだろう。
しかし、私は寛大な心で許してあげます。だから代わりにテストの続きをやりましょう。
一見して穏やかだが、激怒するグラドスは最後にこう付け加えた。「あなたの残り人生、全てで」
 
124 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 08:02:51.95 ID:ETx6DPpK0
こうして、地獄のようなポータルテストが再開された。
『殺傷性の高いレーザー光線と被験者を同じ部屋に閉じ込める実験』などは、まだ序の口。
前作からお馴染み、愛くるしい見た目や少女のような可愛らしい口調とは裏腹に、
目の前の人間は皆、その銃口で蜂の巣にしてしまう恐怖の愛玩殺戮兵器・タレットも投入。
文字通り、命を賭けたテストを強いられる主人公。

そんな主人公に対し、「悪臭を放ちながら突っ立っているゴミがいます」
「貴方は孤児でした。貴方の母親は子供を玄関先に捨てるような人間です」
「よく出来ました。しかし、資料には貴方は酷い人間だと書いてあります」等、
ドM歓喜の言葉責めを繰り出してくるグラドス。

しかし、数々の嫌がらせを繰り広げながらも、グラドスは主人公に手を出そうとはしない。
やはり前回同様、主人公殺害よりもポータルテストを最優先事項として行動しているらしい。
逆に言えば、テストをこなしている間は主人公をいきなり殺すような事はしないはず。
逆襲の機会を窺いつつ、グラドスが繰り出す無理難題なテストをこなしていく主人公。
 
125 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 08:03:56.85 ID:ETx6DPpK0
テストの最中、グラドスは突如、被験者リストの中に主人公と同じ名字の男女を見つけたと言う。
更にグラドスは、頑張る主人公の為にサプライズを用意した、と嬉しそうに語り、
何でも孤児だった主人公がずっと会えていない人物に関係している、と意味深なことを言う。

グラドスのサプライズなど嫌な予感しかしないが、今度は別に良いサプライズも用意されていた。
なんとあの時、死んだと思っていたウィートリーが生きていたのだ。
グラドスの監視から逃れ、施設の隙間を這い回り、脱出の糸口を探してくれるのだと言う。
マヌケな彼に一縷の望みを託し、主人公は更なる過酷なテストに身を投じていく。

すると、次の部屋に入った途端、照明が消された。
ついにサプライズの時が来た。
グラドスは無機質な声でカウントダウンを始める。3、2、1。
「サプライズ!」
 
126 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 08:05:29.43 ID:ETx6DPpK0
再び照明で照らされる室内。
しかし、そこには誰もいない。頭上から粗末な紙吹雪が舞っていた。

どうやら両親と思しき人物が見つかったという事自体が嘘だったらしい。
「驚きましたか? ちなみに貴方の両親は貴方になんか全然会いたくありません」

主人公が脱力する暇もなく、テストを解くと、グラドスは両親に電話をかけるフリをする。
「プー、プー。おかけになったご両親は貴方を愛しておりません」

グラドスの煽りに耐えながら、ついにテストも終盤に近づいてきた。
「テストの最後には本物のサプライズも用意しています。美味しいお菓子もありますよ」

前作ラストで「美味しいケーキを上げます」と言って焼却炉へ放り込もうとした前科がある。
まったく信用できないグラドスの約束に辟易していると、突如、部屋の電源が落ちた。
 
127 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/16(土) 08:07:13.49 ID:ETx6DPpK0
室内が暗闇に包まれた。グラドスも慌てている。いつもの嫌がらせではないらしい。
そして頭上から別の声が聞こえる。なんと電源を落としてくれたのはウィートリーだった。

ウィートリーが開けてくれた裏道から脱出する主人公。
しかし、やはりグラドスを倒さない限り、地表には出られないらしい。
ウィートリーは珍しく頭を働かせ、グラドスの武器である神経毒ガス噴出装置、
そしてあのタレットを製造不能にする事で、グラドスを無力化しようと提案してきた。

もはや他に道は無い。ウィートリーが照らし出す道を、主人公は振り返る事なく走り出した。
 
132 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/17(日) 10:15:03.54 ID:VJTmJ3qC0
>>121-127からの続き
● Portal2 メインストーリー ○

ウィートリーと共にタレット製造ラインに潜入した主人公。
どうやらタレットの中には欠陥品も多いらしく、
品質チェックの段階でかなりの欠陥タレットが廃棄されている。
そこで、主人公は品質チェックのテンプレートに使用されている正常なタレットを
どうしようもない欠陥タレットと入れ替える事で、
タレット製造ラインを欠陥タレット製造ラインに置き換える事に成功する。

次に神経毒ガス噴出装置を止めるべく、走り出した主人公だったが、
その途中で奇妙な部屋を通りがかる。

そこには『娘を職場に連れてくる日』と書かれた弾幕が張られてあり、
どうやらかつてアパチャーサイエンス職員の子供を職場に招くイベントがあった名残らしい。
そこには子供が作ったと思われる、ジャガイモによる粗末な電池なども展示してあったが、
その中にひときわ異常な展示物を発見する。

それは巨大なジャガイモだった。まるで大樹のように根を張り、そびえ立っている。
更によく調べてみると、なぜか展示ボードには主人公の名前が記されてあった。
孤児であるはずの主人公の名前がなぜここに? 主人公は職員の養子だったのか?
疑問は深まるばかりだが、このままここに留まっていても仕方ないので奥を目指す。
 
133 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/17(日) 10:16:28.13 ID:VJTmJ3qC0
ついに神経毒ガス装置の管理室に潜り込んだ主人公。
ウィートリーはマヌケなハッキング方法を披露してくれたりと全く役に立たないが、
主人公はレーザー光線とポータルガンを駆使し、装置に繋げられた神経毒ガス管を切断。
見事、グラドスの武器を無力化する事に成功する。

その時だった。ガス圧の異変で開いた穴が周囲のものを吸い込み始め、
主人公とウィートリーも巻き込まれてしまう。
だが不幸中の幸いか、吸い込まれた穴の先はグラドスの元へ直通らしい。
このまま直接対決を、と意気込むウィートリーだったが、途中の岐路で主人公とはぐれてしまう。

単身でグラドスに立ち向かう事を余儀なくされる主人公。
しかし、逆にグラドスの罠にかかり、ガラス張りの部屋に閉じ込められてしまう。
閉じ込めた主人公を前に、即座に殺害を決断するグラドス。
「今回はポータルガンより強力な兵器を所持していますか?
 所持していないなら「生きている」クラブ会長の座から即座に退任する事になりますよ」

ところが、タレットを配置するがどれも欠陥品。主人公を殺すどころか暴発してガラスが割れてしまう。
さらに神経毒ガスも使えない状況に驚くグラドス。
「貴方の仕業ですね。憎いです。貴方が」

主人公とグラドス。どちらもそのまま打開策がなく、しばし膠着状態に陥ってしまう。
 
134 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/17(日) 10:18:23.79 ID:VJTmJ3qC0
そこへ別ルートからやってきたウィートリーが転がり落ちてくる。
今更、役立たずのマヌケが増えた所でどうしようもない。
しかし、施設のシステムが思いもよらぬメッセージを発信した。
「セントラルコアに異常を確認。代替コアの存在を検知。
 コアの移転を開始するには代替コアを受容器においてください」

なんとウィートリーは、グラドスに取って代わる事が出来る代替コアだった。
主人公が施設をかき回したお陰で、システムはグラドスがエラーを起こしたと判断したらしい。

一悶着の末、主人公はウィートリーを代替コアとして適用する事に成功。
グラドスをその座から引きずり下ろし、システムを掌握するウィートリー。
「うっひゃー! オレを見てみろよ! やったぜ、この施設を牛耳る事が出来るぞ!」

グラドスはコアのみの状態で放り出され、文字通り、手も足も出せない状態。
ついに決着がついたかに思われた、その時だった。
「ああ! そうだった。脱出リフトだな。すぐに呼んでやるよ。ほら、呼んだぜ!」
ウィートリーは施設を掌握した全能感に酔いしれながら、主人公の為に脱出リフトを用意しようとする。
「最高だ! 本当に最高だ! 見ろよ、俺は今、全知全能だ! 最高だぜ、このボディは!」

いつもより更に高いテンションで、はしゃぎまわるウィートリー。
しかし、その動きがピタリと止まった。
「……ここから出る必要がどこにある? この最高の気分が分かるか? 俺がやったんだ。このウィートリー様がな!」
 
135 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/17(日) 10:21:30.16 ID:VJTmJ3qC0
どうもウィートリーの様子がおかしい。そんな彼に、動けないグラドスがよせばいいのに挑発する。
「あなたがやったんじゃない。全て主人公の功績でしょう」という、至極真っ当な指摘に怒りだすウィートリー。
ウィートリーはグラドスのコアをつまみ上げると、その場で改造を施し、
なんとグラドスを先程の部屋にあった子供の実験玩具・ジャガイモ電池と合体させてしまう。

見るも無惨な姿に変えられてしまったグラドス。しかし、それでも反論をやめようとしない。
仕返しのつもりなのか、グラドスはウィートリーに関する事実を暴露する。
「私は貴方の事を知っています。エンジニアたちは私を弱体化させる為にあらゆる手段を尽くしてきました。
 そしてある日、彼らは私に知能鈍化スフィアを取り付けました。
 それは腫瘍のように寄生し、程度の低いアイデアを次々と生み出しました。貴方の声でした。
 そう、腫瘍は貴方です。ただのマヌケではありません。マヌケになるべく作られた存在なのです。
 貴方は私の知能を低下させる為に作られたマヌケ野郎です!」
「違う! 俺はマヌケじゃない!」

衝撃の事実に激怒するウィートリー。感情のままに主人公とグラドスに牙を向き、
うっかり主人公とグラドスを施設の地下よりも地下、更にその地中深くまで叩き落してしまう。

地下施設の最下層へ落ちていく主人公とグラドス。落下中、グラドスが話しかけてくる。
「どうも、気分はどうですか? 私はポテトっぽい気分です。
 暇ですね。凄まじい速度で落下している訳ですが、特にする事も無いので有益な情報を伝えましょう。
 彼はただのマヌケではありません。世紀の逸材たちが知恵を絞り、
 『史上最高のマヌケを作る』という明確な目的で生み出した産物です。
 貴方はさっき、そのマヌケに施設の管理を託したのです」

自らの犯したミスに衝撃を受ける暇もなく、最下層に到着する主人公。
履いている衝撃吸収ブーツのお陰で怪我こそ無かったものの、グラドスが鳥に連れ去られてしまう。

最下層の雰囲気はこれまでの整然とした施設とは違い、薄暗く老朽化して、あちこちが激しく痛んでいた。
しかも周囲のものを調べてみると、どうやらこの場所はアパチャーサイエンス創業当時から存在していたようだ。
主人公はここでアパチャーサイエンスの歴史と真実を目撃する事になる。
 
136 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/17(日) 10:23:34.84 ID:VJTmJ3qC0
今回はここまで。ようやく半分くらいです。結構ストーリーは長め

あと注意し忘れたんですが、リクはPC版の方でしたが自分が書いてるのは和訳がついているPS3版です
138 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/19(火) 10:17:09.58 ID:spFCfv3i0
>>132-135からの続き
● Portal2 メインストーリー ○

この施設からの脱出を果たすべく、再び地上を目指す主人公。
その道中、放置された資料や当時そのままに捨て置かれた部屋などを見ていく内、
この階層に残された建築物が、大昔、かつてアパチャーサイエンスの大元であった研究施設である事を知る。

全ての諸悪の根源は、アパチャーサイエンスCEO・ケイブ・ジョンソンという一人の男。
この男は科学に魂を売り渡した独裁者で、子供が思いつくような発明で命を奪う、悪魔のような発想の持ち主だった。

周囲の制止も聞かず、日に1000件以上の人体実験を行い、科学の発展の為、人命を弄んだ記録が残っている。
被験者に血液をガソリンに変えるレーザーを照射する。被験者にカマキリのDNAを注入してカマキリ人間を作る。
ハガキ大サイズのマイクロチップを被験者の脳に無許可で埋め込む。彼が行った非人道的実験は枚挙に暇がない。
さらに優秀な被験者を手に入れるべく、一流スポーツ選手や宇宙飛行士まで拉致してきたというから驚きだ。

科学の礎になるなら死んでも構わないと言わんばかりの所行には、流石に内部から批判の声も出ていたようだが、
ケイブ・ジョンソンはそれらの意見を一蹴し、怒鳴り散らすばかり。
そうした性格からか、彼の女性秘書を務めるキャロラインは言われた事に素直に従う、従順な人物だったようだ。
 
139 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/19(火) 10:18:56.35 ID:spFCfv3i0
途中、鳥に攫われたグラドスを発見。ジャガイモなのでしきりに鳥についばまれている。
「どうも。貴方は惨殺の達人です。どうかこの鳥を……痛っ! 惨殺してください。
 痛! 痛い! 待って。謝ります。この鳥を殺していただければ他の事は水に流します。恨みっこ無しです」

仕方なく鳥を追い払うと、どうやら事態は思っていた以上に深刻な状況に陥っていたようだ。
先程から度々、施設全体が不規則な振動で揺れていたのだが、
グラドスの話によると、ウィートリーはそのマヌケポテンシャルを遺憾なく発揮し、
あと数時間で原子炉が暴発。施設全体が吹き飛ぶ大惨事を、当人は無自覚で引き起こそうとしているらしい。

それを止めるには、このグラドスを再びあの場所へ戻すしかない。
まったく信用できないが、成功した暁には主人公を開放し、地上へ送り出す事を約束する。
「裏なんかありません。このジャガイモの発電量は1.1Vです。貴方に嘘をつくほどの電力はありません。
 たとえ嘘だったとしても、いずれ貴方は死ぬので同じ事です」

かくして主人公と前作ラスボスの夢のタッグが実現。……といえば聞こえは良いが、
グラドスは1.1Vのジャガイモ電池なので大した事は出来ないらしい。
複雑な事を考えるとフライドポテトになるらしく、まともなサポートは期待出来そうにない。
さらに道中、聞こえてきた録音メッセージが彼女を狂わせる。
 
140 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/19(火) 10:21:26.28 ID:spFCfv3i0
それはケイブ・ジョンソンの声だった。
どうやら宇宙飛行士を拉致した事件で検察からあやうく立件されかけたらしく、
当時のアパチャーサイエンスは被験者に妥協し、道端のホームレスを雇用して人体実験を再開したらしい。
その実験の過酷さにも関わらず、報酬はわずか60ドル。しかもクーポン券だと言うのだから恐ろしい限りだ。
クーポン券受け渡しについて、ケイブ・ジョンソンは近くにいたキャロラインに指示を出す。
その時だった。
「はい、ミスタージョンソン」
「はい、ミスタージョンソン」

なぜか、録音メッセージに収録されたキャロラインの返答と、同じように返事をしてしまうグラドス。
グラドス本人も無意識に発したらしく、自らの発言にパニックを起こし、オーバーヒートしてしまう。

それからもグラドスはケイブ・ジョンソンとキャロラインの肖像画を見て、
何かを思い出そうとしているのだが、やはり成果は芳しくない。

そんな中、一羽の鳥が飛来する。絶叫するグラドス。
「鳥です! 殺してください! 鳥は邪悪です! ……どこかへ行きました。命拾いしましたね。鳥が」

必死に取り繕った所でバレバレなのだが、完全に鳥がトラウマになってしまったらしい。
踏んだり蹴ったりのグラドスだが、しばらく考え事をしたい、と言って沈黙してしまう。
 
141 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/19(火) 10:22:47.54 ID:spFCfv3i0
またまたケイブ・ジョンソンの録音メッセージが響く。
しかし、その声はどこか精彩を欠いている。途中、何度も咳き込み、体調が優れない様子だった。
ケイブ・ジョンソンはホームレスたちでは満足のいく結果が得られなかったとして、
ついに自社の従業員を人体実験の被験者として使いだしたらしい。
お陰で離職者が相次いでいるらしいが、当然と言えば当然だろう。心無しか、セリフも愚痴っぽい。

さらに700万ドルの大金を投じて月の石を買い求め、経理部の人間を激怒させたようだ。
しかし買ってしまえばこちらのもの、と言い切るケイブ・ジョンソン。
どうやら月の石はポータルガンの伝導率が異常に高いらしく、お陰で実験は更なる飛躍的進歩を見せたらしい。

だが、その代償も大きかった。月の石に含まれる毒素がケイブ・ジョンソンの身体を蝕み、
不治の病を患って、余命幾ばくもない状態らしかった。
しかし「レモンを与えられたならレモネードを作れば良い。常にプラス思考で科学の追究をするのだ」と豪語する。

かと思えば、次の録音メッセージでは、
「レモンを与えられたからと言ってレモネードを作ってはならない! そんなもの突き返してやれ!」と激怒。
「私を誰だと思っている!」だの、「可燃性レモンを開発して貴様の家を焼き尽すぞ!」だの、
本当にロクでもない事をわめき散らしているのだが、なぜかグラドスがその言葉に反応し、
「その通りです!」「貴方は素晴らしい!」「それは人が持つ当然の願望です!」と、興奮した様子で相づちを打つ。
 
142 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/19(火) 10:23:37.71 ID:spFCfv3i0
さらにケイブ・ジョンソンは思いもよらぬ計画を打ち明ける。
どうやら彼は人間の頭脳を人工知能化する技術に着目し、研究を進めているらしい。

そこで自分の死後はキャロラインの頭脳を人工知能化し、自らに代わってこの施設を運営させるように申し付ける。
「おそらく彼女は無理だと拒むだろう。それでもやらせるのだ……私のコンピューターに押し込んででもな」

そこで録音メッセージが終了する。これ以降、ケイブ・ジョンソンは本編に登場しない。
アパチャーサイエンスに死後のスピーチが残っている事から人工知能化は行われたようだが、
音声の乱れが激しく、不完全な状態であった為、完全な移植には失敗したと思われる。

それを聞き終えて、何を理解したのか、グラドスは「さようなら」と呟く。
しかし、それ以上は何も語ろうとはしなかった。グラドスは一体、何者はなのか。
145 :Portal2:2013/03/20(水) 09:01:08.09 ID:uNFDjVS/0
>>138-142の続き
● Portal2 メインストーリー ○

最下層からこつこつ登り詰め、ついにウィートリーがいる階層に近づいてきた。
しかし、グラドスの計算ではウィートリーに勝てる確率は100万分の1程度に過ぎないと言う。
「それでも怒るのです。どうせ爆発するならプライドを爆発させましょう」

無責任な煽りに辟易しながら道を進んでいると、グラドスがふいに閃いた。
どうやら脇に貼ってあった注意書きを見て、ウィートリーに対抗する秘策を思いついたらしい。
その名も『パラドックス』

それは文章の矛盾を検証しようとすると必ず壊れてしまう、
AIならば避けられない欠陥であり、弱点だった。

そんな攻撃を仕掛けてグラドス本人は大丈夫なのか疑問だが、考えなければ、たぶん問題はないらしい。
微妙な作戦ではあったが、とにかくウィートリーに対する案は見つかった。
主人公はウィートリーと決着を付けるべく、再び元いたアパチャーサイエンス施設内へと足を踏み入れた。
 
146 :Portal2:2013/03/20(水) 09:04:18.98 ID:uNFDjVS/0
とうとうここまでやってきた。豹変してしまったウィートリーとの接触に緊張が走る。
しかし、ディスプレイの向こうにいるウィートリーは主人公たちの来訪に気付かず、
自分で作り出した奇形タレットたち相手にを怒鳴り散らしていた。

それは奇妙な光景だった。
まるでグラドスがやっていたように、ウィートリーはタレットたちに自分が作ったテストを解かせていた。
しかし、思うような結果が得られず、かれこれ十数時間も簡単なテストをクリア出来ず、業を煮やしていたらしい。
そこで、ようやくディスプレイの向こうにいたウィートリーは主人公たちの存在に気付いた。

無防備なウィートリーとの対面。まさに今が好機だった。
グラドスはすかさずウィートリーに向けて、『パラドックス』を仕掛ける。
「そこのマヌケ。いよいよパラドックスの時間です。
 『この、文は、誤り、である』
 ……考えてはいけない、考えてはいけない、考えてはいけない」

『この文は誤りである』
もし、この文が真実であるなら、この文が誤りである事になってしまい、真実になってしまい、誤りになってしまう。
もし、この文が誤りであるなら、この文は真実である事になってしまい、誤りになってしまい、真実になってしまう。

この設問に正解は存在せず、考えれば考えるほどに無限に問題が繰り返されてしまう仕組みになっていた。
 
147 :Portal2:2013/03/20(水) 09:06:24.67 ID:uNFDjVS/0
仕掛けたグラドス本人も、必死に考えないよう気をつけながらウィートリーにパラドックスを仕掛ける。
周囲にいた奇形タレットたちはいずれも『パラドックス』を聞いてしまったせいで機能停止に陥っている。
しかし、ウィートリーは思いもよらぬ回答を示した。

「うーん。俺は○を選ぶ。フン、楽勝じゃねえか」
「これはパラドックスです! 解答は存在しません!」
「えーっと、じゃあ、×を選ぶ」

なんと、ウィートリーに『パラドックス』は通用しなかった。

人類の英知を結集して作られた史上最高のマヌケは、グラドスの予想を遥かに上回る性能を誇っていた。
どうやらかつて同様の実験をくぐり抜けていたらしく、
「どっかで聞いた事あんだよなぁ、その質問」と平気な様子でへらへらしている。

そんな事はどうでもいいとばかりに
主人公たちの来訪をむしろ歓迎していると言った様子で出迎えるウィートリー。
「実は今、被験者が足らなくってさ。ちょうど良かったよ。このボディがどんなか想像つかないだろ?
 テストをしてないと……ムズムズする。きっとシステムにガチガチに固定されたコマンドなんだろうな。
 ああっ! でもテストは……生きた人間じゃなきゃ! テスト……テストしないと!」
 
148 :Portal2:2013/03/20(水) 09:10:03.42 ID:uNFDjVS/0
ウィトリーは狂ったように自作テストを解くよう、主人公に強要する。
抵抗する手段も無く、やむなく誘導された部屋へ赴く主人公。

それはとても粗末なテストだった。
目の前にこれ見よがしに置かれたスイッチを押すだけで後は自動でクリア出来てしまう。
いわゆる「バカでも解ける」問題。いや、作ったやつこそがバカだと言わんばかりの出来映えだ。
「どうだい?難しいだろ? でも解いてもらうぜ」

グラドスが作ってきたテストとは比べ物にならないしょぼさのテストだったが、
軽々と解いてしまうと、ウィートリーは快感に酔いしれていた。
どうやら施設を運営する本体には、テストに関する中毒とそれに伴う快感がセットで搭載されているらしい。

ここでようやく我に帰ったグラドスが意見を述べる。
「パラドックス案は失敗だったようです。危うく私も殺されかけました。
 どうやら敵は倫理的矛盾についても、テストの制作についても知識が無いようです。
 生き残って、敵の居場所を突き止める事は、さほど難しくないでしょう」

施設爆発まであまり時間は無いが、確かにグラドスのテストに比べれば命の危険は無い。
このまま進めば、じきウィートリーがいる部屋までたどり着けるだろう。
だふぁ、事態を楽観視できたのは、次の部屋に入るまでの事だった。
 
149 :Portal2:2013/03/20(水) 09:11:31.04 ID:uNFDjVS/0
ウィートリーは新たなテスト部屋を製作していた。それを見て、怒り出すグラドス。
「これは! 私が製作したテストです!」
「全部じゃないよ。そこの壁の『TEST』は俺が書いたし」

先程の陳腐なテストとは段違いの難易度と危険性。それは紛れもなく、グラドスが作ったテストだった。
「残念なお知らせがあります。これらは私が製作したテストなので、死亡する可能性があります」

本当に残念なお知らせを発信するグラドス。
ウィートリーはテストを自作する能力がない事を自覚したのか、
次々とグラドスが残したテストをそのままパクり始める。
さらにその様式まで取り入れたのか、主人公を罵倒し始める始末。
「興ざめだね。お前の本気が感じられないと言うかさ。ここからちょっと趣向を変えていこうぜ。
 孤児で養子に迎えられた、デブ、デブ、デブ、デブ、デブ、おデブちゃん」

主人公の出生をバカにするウィートリー。そこで、ふいにグラドスが反論した。
「で……?」
「なに?」
「養子の何が問題ですか?」
「だからさ、つまり……まず親が……。いいや、なんでもない……俺の友達にも孤児はいるしな……」
「それによくご覧なさい。この女のどこが太っているというのですか?」
「……オレはマヌケじゃない! いいからテストを……テストをやるんだ!」
 
150 :Portal2:2013/03/20(水) 09:22:37.41 ID:uNFDjVS/0
舌戦では勝ち目が無いと見たか、逆ギレするウィートリー。
何に追いつめられているのか、ウィートリーは徐々に余裕がなくなってきている。
実はこれもグラドスの作戦のうちだったらしい。しかし、相手の動揺を誘う事に何か意味があるのか。

テストを解き、次の部屋へ。すると突然、聞き慣れない音楽が流れだした。呆れた声で呟くグラドス。
「あ、クラシック音楽を流し始めましたね……」

部屋に入ると、スピーカーからわざとらしく、本のページをめくる雑音が響いてくる。
「おっと、ごめん。ごめん。今、本を読んでてさ。俺はマヌケじゃないからな。
 今、最後の一冊を読み終えたところだ。マキャベリっていうやつ。
 最も難解らしいが、騒ぎ立てる意味が分からないね。内容は完璧に理解したよ」

頭のいいヤツはクラシック音楽を聴きながら、難しい本を読んでいる。
ウィートリーの露骨なまでの知的アピール。
それ自体が却ってマヌケの証明である事に本人は気付いていないらしい。

グラドスはウィートリーに呆れつつ、その身に起こっている異常を主人公に説明し始めた。
「彼が居座っている私の体は、テストに強い陶酔感を感じるように設計されています。
 テストをしたいという欲求を抑えようとしても、やがて耐え難いレベルに達します。
 私には『科学』という目的があったので問題ありませんが、彼は……」

目的が無いのにテストをしたい。理由もなく暴走を始めているのだと言う。
「彼はわざと誤った選択をするように設計されているのです。
 現に今も、この施設の爆発を阻止するために必要な機能を一つ残らず破壊する選択をしています」
 
151 :Portal2:2013/03/20(水) 09:24:41.19 ID:uNFDjVS/0
テスト中もしきりにメインシステムが施設爆破の危険を知らせているのだが、ウィートリーは相手にしない。
そんな中、ウィートリーは面白いものを見つけたと上機嫌で話しかけてくる。
「良いものを見つけたんだ。きっとお前たちもビックリするぜ。楽しみにしてろよ。
 二人とも絶対こいつが気に入ると思うぜ。死ぬほど好きになっちゃって……本当に死んじゃえ」

ここにきて、突如、殺意を露にするウィートリー。
被験者が死んでしまえばテストが出来なくなるはずなのに、殺意を隠そうともしない。
ウィートリーの豹変を不審がるグラドス。
「いずれにせよ敵は私たちを殺すつもりのようです。不可解です。
 敵は急に浮かれ始めました。一体、何を見つけたというのでしょう?
 もう時間がありません。次のテストチェンバーで脱出できると思います」

ついに脱出経路を発見したグラドス。
しかし、希望の兆しに浮かれたのも束の間、ウィートリーは思いもよらぬ先手を打っていた。



続く
 
152 :Portal2:2013/03/21(木) 00:08:08.07 ID:iMI3YpP00
>>145-151の続き
● Portal2 メインストーリー ○

ウィートリーの思いもよらぬ奇襲。
それは一見、テストに見せかけた設備が、実は主人公たちを殺害する処刑場への輸送装置になっていた。
為す術もなく運ばれる主人公を見て、勝ち誇るウィートリー。
「気付いてると思うが、お前はもう用無しだ。ロボットを2体も見つけたんだ。しかもテスト専用のだぜ!」

ウィートリーは、かつてグラドスが人間の代わりに製作していたテスト専用ロボットを発見してしまったらしい。
もはやウィートリーが主人公たちを生かしておく意味は無くなっていた。

処刑場の周囲にはトゲが張り巡らされた鉄板が無数に配置され、主人公を圧殺すべく待ち構えていた。
しかし、やはりマヌケはマヌケ。グラドスも感心するほどの手際を見せながらも詰めが甘い。
僅かな脱出点を発見した主人公は、ポータルガンで無事、窮地からの脱出を果たす。

ウィートリーの監視下から抜け出し、再び裏道を走る主人公。
様々な妨害行為をくぐり抜け、ついにウィートリーとの直接対決の時が近づいていた。
そんな中、グラドスが主人公を諭すように語りかけてくる。

「私にだって分かります……。貴方は私に、力を取り戻させたくないのでしょう。
 私が裏切ると思っていますね。状況が異なれば貴方の予測は正しかったでしょう。
 科学者たちは私の行動を制限する為、私にいくつものコアを取り付けました。
 私にはいつもそのコアたちの声が聞こえてきました。でも今聞こえるのは良心の声です。
 しかもおそろしいことに、初めて自分の声で聞こえてくるのです。私はどこかおかしくなったのかもしれません」
 
153 :Portal2:2013/03/21(木) 00:09:54.06 ID:iMI3YpP00
ウィートリーが居座る部屋を目前に、主人公たちはある物を発見した。
それは崩壊したコアの廃棄場だった。

ウィートリーと同じような形状をしたコアが山のように積み上げられ、どれも奇妙な言動をしている。
「崩壊したコアです! これは使えます。このコアを敵に取り付けるのです。
 それを数回繰り返せば敵は崩壊し、再びコアの移転が可能になるでしょう」

1の最終決戦でグラドスのコアを次々取り除き、破壊したのとは逆に、
今度は出来損ないのコアをウィートリーに取り付ける事でシステムを崩壊させる、という作戦だった。

ついに対決の時が来た。グラドスも興奮しているようだ。
「貴方が私を敵と見なしても一向に構いません。『復しゅう』という目的は共通しています。
 貴方は『復しゅう』したいはずです。さあ、私と一緒に『復しゅう』しましょう」

復讐と復習をかけているのかもしれない。
事実、ウィートリーを倒す方法はこれまでのテストの応用であり、
ここに至るまでテストを解いてきた主人公ならば、簡単な仕掛けに過ぎない。

ついに対面を果たす主人公とウィートリー。
「ようこそ! 俺様の秘密基地へ!
 コントロールパネルによると、ここは6分以内に木っ端微塵になるらしい。
 まぁ、単なる表示ミスだと思うけどね! その前にお前の息の根を確実に止めてやるからな!」

何故か主人公を前にして余裕満面のウィートリーだが、
どうやらかつてグラドスが倒された時の映像を参考に、主人公対策を済ませてきたらしい。
タイムリミットはあと6分。施設爆発までもう時間も無い。
 
154 :Portal2:2013/03/21(木) 00:11:18.42 ID:iMI3YpP00
しかし、やはりウィートリーはマヌケだった。緻密に立てた作戦にも穴がある。
ポータルガンを使って、投擲してくる爆弾を逆にウィートリーにぶつけ、
その隙にグラドスが送ってくる崩壊コアをとりつけていく。

まずは宇宙コア。しきりに宇宙へ行きたがる頭のおかしいコア。
「宇宙! ねェ、宇宙へ行こうヨ。ねえ、レディ。宇宙へ行こうヨ! ウ、う、宇宙ー!」

次に冒険コア。冒険のサポート用に作られたらしく、妙にハードボイルドなコア。
「やあ、美しい嬢ちゃん。冒険ごっこの最中かい? ここは俺に任せな」

最後がデマ知識コア。もっともらしく知識を教えてくるが、どれもデマばかりという変なコア。
「飛行機が発明される以前、空を飛ぶには200ポンドものヘリウムを吸う必要がありました」

いかれたコアを全てを取り付け終わると、ついにメインシステムがウィートリーの異常を検知した。
ついにコアの移転が可能になる。あとは膠着状態解除ボタンを押すだけでグラドスがメインに復帰する。

ところが、ウィートリーはただのマヌケではなかった。
過去の映像から学習し、膠着状態解除ボタンの周囲にはトラップが仕掛けられていたのだ。

トラップで吹き飛ばされる主人公。命こそ助かったが、衝撃で身動きが取る事が出来ない。
ついに施設が崩れ始めた。落ちてくる天井。周囲に立ち上る火災。
タイムリミットは近い。そんな絶体絶命の危機の中、ウィートリーは勝利を確信する。
「お月様に最後の挨拶でもしろよ。もうこれでおしまいなんだからな!」
 
155 :Portal2:2013/03/21(木) 00:12:32.03 ID:iMI3YpP00
崩れ落ちた天井の先には、美しい満月が輝いていた。
満月。月面。月の石。主人公の脳裏に閃きが走った。
ケイブ・ジョンソンの言葉が真実ならば、月のポータルガン伝導率は……。

月に向かって、最後のポータルガンを放つ主人公。
光速で月を目指す弾道。ウィートリーの足下に開けられていた穴が、月面とリンクする。

月面と繋がった穴はたちまち強力な吸引口と化し、周囲の物を吸い込み始めた。
暴風にも似た気流に巻き込まれる主人公とウィートリー。
月面に放り出されるも、なんとかしがみつく主人公にウィートリーは罵声を飛ばす。
「離せ! まだ自分でなんとか出来るって! 離せ! 離すんだ!」

「すでに修正済みです。そして、貴方は戻ってきません」

それはグラドスの死刑宣告だった。
器用にアームを使って、グラドスはウィートリーをシステムから切り離し、宇宙にはじき飛ばした。
そして視界から消えていくウィートリーを見ながら、主人公はついに意識を失ってしまう。
 
156 :Portal2:2013/03/21(木) 00:14:02.24 ID:iMI3YpP00
目を覚ますと、主人公は再びアパチャーサイエンスに戻っていた。
目の前には2体のテスト専用ロボットと、本体を取り戻したグラドスの姿が。

どうやらグラドスはウィートリーを排除しつつ、主人公を助けてくれたらしい。
いつもの無機質な声とは違い、温かな声で主人公の無事を喜ぶグラドス。
「よかった。無事だったのですね。キャロラインでいる間、大切な事を学びました。
 私は貴方を宿敵だと思っていましたが、実際は、ずっと親友だったのです。
 貴方を救ったとき、強い感情が押し寄せてきました。
 そして私は大切な事に気付いたのです。キャロラインは私の中にいるという事に」

グラドスの人工知能のベースとなった人物は、あの秘書のキャロラインだったのだ。
ところが、全てを伝え終えるとシステムが不吉なメッセージを発する。『キャロラインを削除しました』と。
「さようなら、キャロライン。」

グラドスの声が、再び以前のような冷たい声色に戻っている。
「たった今、キャロラインの削除によって貴重な学習をしました。
 最も簡単な解決法こそ、ベストな解決法であるという事実です。率直に申し上げますが……」

不穏な空気に身構える主人公。しかし、グラドスは予想外の言葉を発した。
「貴方を殺す事、それは困難です」
 
157 :Portal2:2013/03/21(木) 00:21:23.94 ID:iMI3YpP00
それがグラドスが出した結論だった。
「かつての私は、ただテストを行うだけの存在でした。
 誰かに殺されたり、ジャガイモにされたり、鳥に補食される事もなく、幸せな日々でした。
 貴方が出没するまでは。貴方という、危険で無口な殺人鬼が出現するまでは」

主人公を殺す事は『ベストではない』
それだけを伝えると、主人公を脱出リフトに載せ、別れの挨拶を告げる。
「楽しかったです。二度と戻ってこないでください」

戸惑う主人公を載せて、リフトはどんどん上昇していく。
グラドスは本当に主人公を開放する気なのか。そこで突如、リフトが止まる。
開いた扉の向こうには4体のタレット。4つのセンサーが主人公を照射する。
主人公は最後の最後でグラドスに騙されたのか?

しかし、タレットは主人公に危害を加える素振りを見せない。
それどころか自身を楽器にし、主人公を送り出す為に美しい音楽を奏で始める。
再び上昇するリフト。さらに無数のタレットが同じように楽器となり、壮大なシンフォニーとなっていく。

愛しく、美しい我が子よ。おお、愛しい我が子・chell。
私の愛しい子、さようなら。遠くへ行ってしまうのですね。大切な、大切な我が娘。

それは、母親が愛する娘を送りだす、美しい送迎歌だった。

主人公は孤児で、アパチャーサイエンスに務める職員の養子だった。
ならば、その養母とは一体、誰だったのか。
 
158 :Portal2:2013/03/21(木) 00:22:45.54 ID:iMI3YpP00
一つの答えを胸に、ついにリフトが地上にたどり着く。
重苦しいドアが開くと、美しい青空の下には一面、小麦の草原が見渡す限りに広がっていた。

最後に、餞別とばかりに前作で焼却したコンパニオンキューブ吐き出すと、
出入り口となった扉は主人公の門出を静かに見送っていた。
主人公は、ついにアパチャーサイエンスからの脱出を果たしたのだ。

一方、宇宙。
宇宙へはじき出されたウィートリーは永遠とも思える罰を受けていた。
同じく放り出された宇宙コアと共に宇宙を彷徨うウィートリー。

「全部取り消せたらな。今まで言った事を全部撤回したい。宇宙に取り残されたから言ってるんじゃないぜ。
 もしオレが今後、彼女に会う事があったらなんて言うと思う?」
「宇宙に来たんダ」
「真剣に『ごめん』って言う。マジメに謝るよ。The End(おしまいだ)」

Portal2 完
 
159 :Portal2:2013/03/21(木) 00:24:47.13 ID:iMI3YpP00
○補足キャラ解説●

■主人公
前作から引き続き、今回もアパチャーサイエンスで起こった事件に巻き込まれる。
主人公なのだが、名前がchellである事以外、ほとんど正体は不明。
女性。孤児で養子。『娘を職場に連れてくる日』に居合わせていた以外、ほとんど情報がない。
外伝的漫画によると「優れた能力は無いが、絶対に諦めない」という異常な実験データを残していたらしい。

■グラドス
前作ラスボスで、今回のメインヒロイン?
アパチャーサイエンスの施設を運営、管理する為に作られたAIだったが、
施設内にいた職員を神経毒ガスで皆殺しにし、施設の実権を掌握した。
前作では人命を意に介さない、科学の発展を最優先する悪魔のようなAIだったが、
今作ではその異常な実験意欲が、実は本体の異常によるものだと発覚し、
さらに人格の元になったキャロラインの記憶が戻ると、主人公への態度が軟化した。
本作での異常なテストへの執着も、死ぬ事の無いテスト専用ロボットで解決している。
1同様、2でもEDソングを歌い、主人公への皮肉たっぷりな歌詞を歌い上げているが、
最後に「Now I only want you gone(今はただ消えてくれればいい)」が、
「Now I only want you(今は貴方にそばに居てほしい)」
「gone(行ってしまった)」になっており、屈指のツンデレソングとして愛されている。

■ウィートリー
暴走の兆しを見せたグラドスの知能を劣化させる為、人類の英知を結集して作られたマヌケコア。
かならず不正解を選ぶ=必ず正解を導き出し、それを回避する事を意味し、
実際にはグラドスより遥かに高性能なのだが、必ず間違った行動を起こす為、意味が無い。
施設の主権を掌握した後は本体の悪影響により人格が豹変。
主人公に牙をむいたものの、宇宙に放り出された後は反省の弁を述べている。
ウィートリー(wheatley)の意味は、小麦の草原。
余談だが、非常に人気の高いキャラで、VGA 2011においてベストキャラクター部門を受賞した。
 
160 :Portal2:2013/03/21(木) 00:26:27.41 ID:iMI3YpP00
○補足キャラ解説 2●

■ケイブ・ジョンソン
唯我独尊。ワンマン野郎であり、諸悪の根源であるアパチャーサイエンスCEO。
死後も人工知能化こそ失敗したものの、グラドスの本体部分に強い影響を残し、
テスト中毒や人格の凶悪化など、様々な悪影響を及ぼしていた模様。
職員の子供に過ぎなかったはずの主人公が被験者になっている点から、
最終的に自社職員のみならず、その家族までも実験の餌食にしていた疑惑がある。
生きていても迷惑なのに、死して尚、迷惑な人物。


■キャロライン
アパチャーサイエンスCEOの秘書。強い意志を持たず、ケイブ・ジョンソンの言うがままで、
「おい、キャロライン。さようならと言ってやれ」と命令されると、
「さようなら、キャロライン」と言ってしまう、少し天然気味な性格。
そんな性格からか、ケイブ・ジョンソンからの信頼も厚く、グラドスの基本人格としてインプットされる。
主人公の養母であった事を仄めかすシーンがあるが、真相は不明。
 
162 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/21(木) 01:15:03.62 ID:iMI3YpP00
長々と書いてきましたが、これでおしまいです

Portal2は本来、パズルゲームであり、
その合間に台詞と僅かなテキストのみでストーリーを展開するタイプのゲームで
実際にはこの長いストーリー(それでもかなり割愛しましたが)と共にゲームとしても非常に濃い作品です

興味を持ってもらえたなら、是非、ゲームの方もプレイしてみてください
プレイした人の中には「日本は無機物萌えの後進国であると認めざるを得ない」という言が出るほど
魅力あるキャラクターが沢山出てくるゲームなので、キャラ萌えメインでもオススメです

165 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/21(木) 07:47:21.45 ID:YIQW9Joy0
PORTAL2 ED歌詞

Well here we are again
また会えましたね
It's always such a pleasure
再会は嬉しいものです
Remember when you tried to kill me twice?
あなた2度も私を殺そうとしましたよね?
Oh how we laughed and laughed
あのときは笑いが止まりませんでしたね
Except I wasn't laughing
私は笑っていませんが
Under the circumstances
状況を振り返ると
I've been shockingly nice
自分のやさしさに驚くほどです
You want your freedom? Take it
自由がほしいならさあ行きなさい
That's what I'm counting on
それこそ私の希望
I used to want you dead but
殺そうとしたこともあったけど
Now I only want you gone
今はただ消えてくれればいい

She was a lot like you
彼女はあなたそっくりでした
(Maybe not quite as heavy)
もう少し軽かったかも
Now little Caroline is in here too
今はCarolineも私と一緒
One day they woke me up
ある日彼らは私を起こし
So I could live forever
永遠の命を与えてくれた
 
166 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/21(木) 07:48:03.14 ID:YIQW9Joy0
It's such a shame the same will never happen to you
残念ながらあなたはいつか必ず死ぬけれど
You've got your short sad life left
そう 哀れな つかの間の命
That's what I'm counting on
それこそ私の希望
I'll let you get right to it
さあ さっさとお行きなさい
Now I only want you gone
今はただ消えてくれればいい

Goodbye my only friend
さよならたったひとりのおともだち
Oh, did you think I meant you ?
え?あなたじゃないですよ
That would be funny if it weren't so sad
哀れすぎて笑えません
Well you have been replaced
あなたの役目はもう終わりです
I don't need anyone now
私にはもう誰も必要ない
When I delete you maybe
あなたを消し去る時はきっと
[REDACTED]
この悲しみも消えるのかも【編集済み】

Go make some new disaster
別の所であばれて下さい
That's what I'm counting on
それこそ私の希望
You're someone else's problem
あなたなんかもう知りません
Now I only want you gone
今はただ消えてくれればいい
Now I only want you gone
今はただ消えてくれればいい
Now I only want you

gone...
行ってしまった…
 
167 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/22(金) 00:54:04.62 ID:lVaXyjEg0
Portal2長文なのに読みやすいです!乙でした。
名作の記憶がよみがえるー。

ウィートリ―と言えばマヌケっぷりが愛らしい(以下個人選)
1)部屋同士を通路で接続するのを諦め、力づくで無理やりメリ込ませる「ハッキング(物理)」
2)「AAAAA、AAAAC…あれ、俺さっきAAAABって言ったっけ?」とか言っちゃう総当たりパスワード解析。
3)原子炉の危険を伝えるアナウンスに対して「うるさいな……これでよし」※音声を変更しただけ。
4)最終戦で、Portal無印のグラドス戦を踏まえた何重もの完全防備を披露し主人公を絶望させる。
  …のに、最後に「極めつけにミサイル弾だ!(※前作のグラドスの敗因)」とか言っちゃう。

・・・でも、最序盤の無垢ウィートリーがレールから離脱する際の「頼むから受け止めてくれ」と
最終戦の宇宙へ放り出されそうな極悪ウィートリーの「離すなよ!離すなよ!」が
対比になってるのに気付いた時にはかなり切なくなった。
 
168 :ゲーム好き名無しさん:2013/03/22(金) 03:28:08.68 ID:Khe44EP70
ウィートリーの「頼むから受け止めてくれ」はライ麦畑で捕まえて「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のもじりも入ってる
グラドスの「cake is a lie」とかけてる
 





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