逆転検事
>>66-32~41・43~52・127



32 :ゲーム好き名無しさん:2013/09/01(日) 22:39:24.67 ID:EEuebQZM0
未解決一覧から「逆転検事」投下します。
事件解決までのおおまかなストーリーとそこに至るまでの伏線については
できるだけ書くようにしましたが
序盤の細かい論証などは一部省略しています。ご了承ください。



33 :逆転検事 第1話「逆転の来訪者」1/2:2013/09/01(日) 22:40:45.20 ID:EEuebQZM0
3月14日午前2時。主人公・御剣怜侍(みつるぎれいじ)検事は1ヶ月間の海外出張から帰国した。
一度、検事局に顔を出しておこうと自分の執務室を訪れた御剣は
部屋の中に転がっていた男の死体に驚く。
唖然とする御剣の背中に、何者かが銃を押し付けた。この男を殺した犯人なのか?
「私の執務室で事件を起こしておいて、逃げきれるなどとは思わないことだ」
御剣の宣戦布告に侵入者は答えず、一発の威嚇射撃を残して去っていった。


すぐに顔なじみの刑事・糸鋸圭介(いとのこぎりけいすけ)が駆けつけて捜査が始まる。
落ちていた警察手帳から、被害者は刑事の仲間戸真治(なかまどしんじ)と判明。
そこへ、突然ひとりの騒々しい男が割り込んできた。
彼の名は優木誠人(ゆうきまこと)。仲間戸のパートナーだった検事である。
仲間戸との別れを惜しむ優木をよそに御剣は捜査を進めるが、奇妙な点が見つかる。
凶器は部屋の床に落ちていた仲間戸の拳銃だが、その銃から撃たれた弾丸は一発きり。
しかし、室内には被害者とは別に、あの威嚇射撃の弾痕が残っている。
その上、仲間戸の背後にあった本棚は殺人事件の前に何者かがファイルを動かし
被害者の死後、またファイルを本棚から引っ張りだした形跡がある。
この矛盾や犯人の不自然な挙動は何を意味するのか?
そんな御剣の捜査とは別に、本棚に「イトノコギリ」という血文字が残っているのを見た優木は
御剣の留守中、部屋の管理を任されていた糸鋸が犯人だと言い出した。
だが御剣はその推理を一蹴。血文字が書かれていた本棚のファイルのひとつが
明らかに血文字が書かれた後、一冊盗まれていたのだ。
本当に糸鋸が犯人なら、その時点で血文字を放っておいたはずはない。
推理を否定された優木はあっさりと主張を撤回。「本命の容疑者が別にいる」と
警備員の須々木マコ(すずきまこ)を連れてくる。彼女は糸鋸の後輩だった元婦警で
逆転裁判2、3にも登場していた女性。転職の果てに検事局の警備員に就職していた。
マスターキーを預かる彼女なら執務室にも出入りできたと優木は語る。
マコは反論するが、その主張は「事件の起きた頃、マスターキーは盗まれていた」
という頼りないもの。しかも、いつの間にかマスターキーが戻っていたというからかえって怪しい。
優木は「容疑者と親しい君たちには任せられない。この事件は僕が担当する」と
御剣たちを現場から追い出してしまった。


廊下へ追い出されてしまった御剣たち。しかし、もちろん捜査を止める気はない。
「どうやって犯人は鍵のかかった部屋に入れたのか?」そのヒントは廊下にもあるはずだ。
調査をしながら、マコにマスターキーの件を詳しく問いただすと
事件の少し前、自分の執務室(御剣の隣の部屋)の鍵を忘れた優木検事のために
マスターキーを使って扉の鍵を開けたという話が出てきた。
マスターキーは貸出禁止なので、用事が済んで部屋を閉めるときも改めてマコが閉めに行ったのだが
その時点ではマスターキーを盗まれていたため、鍵を掛けたふりでごまかしたという。
だが奇妙なことに、優木の執務室のドアにはしっかり鍵がかかっている上に
仲間戸刑事が生前に残した連絡メモが挟まったままになっていた。
さらに、優木のドアの前にこれみよがしに置かれていたバスケットのゴールポストが
最近動かされた痕跡を見つけた御剣は、推理によって優木が犯人であることを確信する。



34 :逆転検事 第1話「逆転の来訪者」2/2:2013/09/01(日) 22:41:30.91 ID:EEuebQZM0
現場へ戻った御剣は、捜査中の優木を「おまえが犯人だ」と告発する。
御剣の部屋のナンバープレートを自分の部屋のそれとすり替え、さらにゴールポストを隣に動かすことで
マコに部屋の違いを意識させないまま鍵を開けさせ、御剣の部屋に忍び込んだ。
だが御剣の部屋を探っている時に、優木に会いに来た仲間戸がそれを見つけてしまい
優木は口封じに仲間戸を殺したのだ……という御剣の推理に反論できない優木。
ところが、話が死体発見直後、御剣と「犯人」が出会った話になると、優木の表情が明るくなった。
「その時間、僕は仕事で少し離れた警察署にいたよ。アリバイ成立だね!」
問い合わせてみると確かにその通り。これでは優木は犯人でないことになる。
自分の推理に穴があったか?嬉々としてマコを連行しようとする優木の前で
急いで事件を再吟味した御剣はあることに気づいた。
「2発の弾丸、部屋を2度荒らした痕跡……侵入者は二人いたのだ!
 被害者を殺した最初の侵入者と、私が会った二人目の侵入者は別人だ!」
こうなると、優木のアリバイは無意味になる。話をはぐらかそうとする優木の言葉を聞いているうちに
御剣は彼が「仲間戸から預かった2つの証拠品」と口にしたのを確かに聞いた。
仲間戸が優木の執務室のドアに挟んだメモによれば、証拠品の数は3つのはずだ!
指摘されて青くなった優木を無理やり身体検査すると、血がべっとり付いたビデオテープが出てきた。
コレが決定的な証拠となり、優木は仲間戸刑事の殺人容疑で緊急逮捕されたのであった。


こうして殺人犯は逮捕された。しかし謎はまだいくつも残っている。
御剣の執務室から古い事件ファイルを盗んでいった「二人目」の侵入者の正体、
頑なに黙秘している優木検事の背後に見え隠れする巨大な犯罪組織の影。
そして、御剣の執務室を捜査中に発見された「三本足のカラス」の紋章が入った謎のカード。
それはかつて、義賊と呼ばれた怪盗「ヤタガラス」が使っていた印だった。
「事件はあの時すでに始まっていたのだ……」
御剣が思い出したのは2日前、海外出張から帰国する飛行機内での出来事……



35 :逆転検事 第2話「逆転エアライン」1/3:2013/09/01(日) 22:42:48.90 ID:EEuebQZM0
3月12日午前6時。ヨーロッパから帰国する御剣は大型旅客機の機内ラウンジでくつろいでいた。
その時エアポケットにより機体が大きく揺れ、地震にトラウマのある御剣は気絶してしまう。
10分ほどしてから目を覚ました御剣はエレベータで客席に戻ろうとするが
開いたエレベータの中には、乗客の一人が死体になって転がっていた。
そこへちょうど現れたCAの木之路いちる(このみちいちる)によって、御剣は犯人として拘束されてしまう。
だが、犯罪目撃者の尋問であれば御剣の専門分野。
御剣は難なく木之路の主張を論破し、彼が犯人でないことを納得させる。
これで問題なし……と思いきや、次に立ち上がったのは乗客のひとりでボルジニア国の大富豪ジンク・ホワイト氏。
神経質でいつも時計を気にしている彼の証言によると、被害者のアクビー・ヒックスは
午前6時にエレベータでラウンジに向かった。その時ラウンジにいたのは御剣だけなのだ。
確かに状況を見れば御剣が怪しい。彼は濡れ衣を晴らすべく、自ら現場捜査することを申し出る。


木之路が機長から許可を取り、彼女の監視下で捜査が始まった。
彼女の報告によれば、エコノミーやビジネスクラスからはラウンジに入れない。
つまり御剣含むファーストクラスの乗客のみが容疑者となる。
現場を捜査するうちに御剣が見つけたのは、エアポケットの揺れでエレベータ前にこぼれたジュースの染みと
その上を通って機内ショップの方へ歩み去る一組の足跡。
つまり、誰かがエレベータに死体を残してそこを離れたことを意味するものだ。
「エレベータに乗っていたのはアクビー一人だけだ」と主張するジンクをより詳しく尋問するうちに
気の早い彼が、飛行機に乗った時点で時計を到着地日本の時刻に合わせていたことが判明する。
しかし、機内の時刻は中継地である西鳳民国(せいほうみんこく)の時間に合わせてあり
日本の時刻とは3時間の開きがあるのだ。つまり、ジンクの被害者目撃は午前3時の話になる。
犯行時刻に3時間もの幅があるなら御剣の容疑は晴れる……と思ったところで
もう一人のCA、白音若菜(しらおとわかな)が新たな証言をした。
飛行機は午前4時から5時の間、西鳳民国で給油と荷物の積み下ろしを行った。
5時の時点で一度乗客の点呼を取ったが、そのときアクビーはまだ生きていたというのだ。
そして御剣は、5時から6時までひとりでラウンジにいた。つまり、結局犯行が可能なのは御剣だけだ!
御剣は捜査で集まった証拠品を使って反論する。先ほどの足跡、そして
現場にあった凶器の貯金箱が、機内ショップに置かれていた商品である事実。
事件が機内ショップとも関係するなら、「ラウンジにいた」だけでは犯人であることの証明にはならない。
機内ショップも捜査……しようとしたところで白音のツッコミが入る。
機長は捜査の許可など出していない、これまでの捜査許可は全て木之路の独断だというのだ。
木之路は無言でその場を去り、改めて(正規の許可を取って来た)白音の監視下で捜査が再開される。


「ボルジニア語の読み書きができる」以外、全てが適当な白音に調子を狂わされつつ捜査を進める御剣。
機内ショップに入ると、陳列棚のガラス戸が割れてガラスが床に散らばっていた。
棚の外へガラスが散っているので、エアポケットの揺れで棚の中の貯金箱が飛び出したと推理できる。
だがそれでは、被害者が殺された時点で貯金箱はまだ棚の中にあったことになる。
犯行と凶器の食い違いに、白音は「ショップ担当の木之路さんなら戸を割らずに鍵を開けられた」と指摘。
棚の鍵を持つ彼女なら、そのような工作をすることができた、と言うのだが……。
もう一つ見つかった証拠品は、やはりショップに置かれていたキャスター付きスーツケース。
2つ並んだスーツケースのうちひとつは、車輪止めもなく置かれていて非常に危なっかしい。
鍵がかかっていなかったので中を改めると、そこには血まみれの布と血痕が残されていた。
このケースで死体を運んだのだとすると、やはりラウンジは事件現場では無さそうだ。
ひととおり捜査が済んだところで、まもなく目的地に着陸との機内放送が入る。



36 :逆転検事 第2話「逆転エアライン」2/3:2013/09/01(日) 22:43:45.27 ID:EEuebQZM0
日本の空港に到着し、一度機を降りた御剣。
そこに、逆転裁判2・3にも登場している顔なじみの狩魔冥(かるまめい)検事が現れた。
無線で伝えられていた情報を元に御剣を逮捕しようとする冥をなだめ、まずは現場を見ろとうながす。
機内に戻り、現場検証を終えた冥と御剣が対峙する。冥は御剣の犯行を立証しようとするが
すでに手広く現場捜査をしている御剣の方が証拠も多く有利だ。御剣は自らの推理を披露する。
「犯行後のエアポケットで棚から飛び出した貯金箱と、ショップに置かれた血痕付きのスーツケース。
 犯人は別の場所からスーツケースで死体をエレベータに運び、ケースをショップの商品に紛れさせる。
 そして落ちていた貯金箱を凶器のように見せて現場を工作し、さらに気絶していた私に被害者のサイフを押し付け
 濡れ衣を着せたのだ」
犯人がスーツケースや血染めの布を残していた点から、あまり工作の時間がなかったことがうかがえる。
どこかに真の凶器が残っている可能性が高い。それを見つければ捜査は一気に進むはず。
だが御剣の推理に対して冥は「貯金箱はやはり真の凶器かもしれない。棚の鍵を自由に開けられれば」と返す。
そう、ショップの鍵を持っていて、しかも事件直後に現場に現れた木之路こそ真犯人かもしれないのだ。


CA控え室で木之路の尋問が始まる。まずは事件直前、木之路がショップを訪れていた件について。
ショップ担当として自分の担当区域を見まわっただけだと語る木之路に、御剣は残酷な現実を突きつける。
件のスーツケースは社内公募で木之路のデザインが採用されたものだが、売れ行きは良くないらしい。
彼女はそれが気にかかって、頻繁にショップを見回っていたのではないか。
御剣の指摘に木之路はうなだれる。彼女はケースの売行き不審に責任を感じ、自腹で度々購入していた。
貨物室にはまだ結構な在庫があるが、それは間もなく処分されてしまう予定だという。
犯人が使ったケースは貨物室から持ちだされたらしい……だがそこで冥が鋭い指摘を入れる。
貨物室に入るには専用カードキーが必要。そしてそのキーは木之路の管理下にあるはずだ、と。
木之路がチェックすると、キーが紛失しているのが分かる。しかし冥は、それが偽装工作だと言って譲らない。
結局、木之路は最有力容疑者として連行されてしまう。
確かに現状では彼女が疑わしい。しかし御剣はどうしても彼女が犯人だとは思えない。
最初に御剣を疑ってしまった償いとして、越権を承知で捜査を手伝ってくれた彼女には誠意を感じたからだ。
彼女を助けられるとしたら、それは真犯人を捕らえること。真実を求めて御剣たちは貨物室へ踏み込む。


長い階段を降りて、大きな貨物室に入った御剣たち。
その床にアクビーの割れた眼鏡のレンズが落ちている。やはり彼はここに来ていたのだ。
冥の言葉によれば、彼の正体は国際警察の捜査官。冥と組んで、世界的な密輸組織の摘発に当たるはずだった。
彼は密輸の証拠をつかもうとして貨物室に入り、組織の人間に殺されたのではないか……。
だが冥は、貨物室に入るキーを持っていたのも、凶器の貯金箱を用意できたのも木之路だけだと主張する。
彼女の推理を覆すなら、凶器が偽物だと証明しなければならない。
丁度そのとき、貨物室にある自分の荷物を返せと詰め寄るジンクが警察官と押し合いになり
階段の手すりを越えて大きな荷物の上に転げ落ちたのを見た御剣ははっと閃いた。
「凶器は見つからなかったのではない……大きすぎて気付かなかったのだ!」



37 :逆転検事 第2話「逆転エアライン」3/3:2013/09/01(日) 22:44:20.83 ID:EEuebQZM0
御剣の推理は、アクビーの死因である打撲傷は鈍器によるものではなく
倉庫の階段から突き落とされた「墜落死」だというものだ。
それを立証するには、まず階段の真下にある巨大な荷物が事件当時「なかった」ことを証明せねばならない。
ジンクが言うには、この荷物は出発地のヨーロッパから買い付けてきた石像。
その通りならこの像はずっとここにあり、アクビーが墜落死する空間的余裕は無かったことになるが……。
国際警察が追っている密輸組織の件がある。この像にも組織の手が及んでいるかもしれない。
アクビーの遺した資料と照らし合わせると、この像が贋作だと分かる。
本物はヨーロッパから運び出されること無く、中継地の西鳳民国で偽物が積み込まれたのだ。
像をどかして床を調べると、大きなルミノール反応が。やはりここが殺害現場で間違いない。
……とすると、ひとつおかしな点がある。
アクビーの死亡時刻は、西鳳民国で荷物が運び込まれる4時より前。
だが、白音は「5時の点呼の時にアクビーは生きていた」と証言していた。
事実に反する証言で捜査を混乱させた彼女こそ真犯人なのでは?


白音が呼び出され、木之路も立ち会いの上で彼女の尋問が始まる。
証言の嘘、そして偽の美術品に関するボルジニア語の預かり証を発行していた件が突き付けられるが
白音は寝ぼけ顔でそれらをサラリとかわす。
いずれもミスやささいなすれ違いであり、殺人犯である証拠にはならないと言うのだ。
まだ見落としている証拠はないか……考えをめぐらした御剣はひとつの品に思い至る。
アクビーの携帯電話。彼が持ち歩いていて、しかし死体からは発見されなかった物だ。
真犯人は何か意図があって携帯を持ち去ったのではないか?
アクビーの電話番号を知る冥が試しに電話をかけてみると、CA控え室から着信音が響く。
なんと、木之路のロッカーから携帯が出てきた!
おそらくは真犯人の工作だろうが、木之路にまた不利な証拠がひとつ出てしまった。
しかし御剣はうろたえない。真犯人が一度この携帯を持ち去ったからには、これ自体に何か意味があるはず。
携帯の液晶画面は割れていたが、冥によれば中身は無事であり、データが取り出せた。
それは飛行機が西鳳民国に到着する前、石像が貨物室に無かったことを示す証拠写真。
殺人事件を示すものではなさそうだが……御剣は、そこに写った段ボール箱の山に目を留める。
ボルジニア語の書かれたその箱は、ジンクによると「衣装」と読める。
そう、殺害現場の血痕を拭き、スーツケースに押し込まれていた布はここから取られたのだ。
ボルジニア語の表書きを読んで中身を知ること、そしてこの荷物が西鳳民国で運び出され
証拠が残らなくなるのをあらかじめ知っていたこと。それができたのは白音以外にありえない!
今から西鳳民国の空港に問い合わせて荷物を押さえれば、決定的な証拠になる。
そう告げられて、ついに白音も自白せざるを得なくなった。
国際捜査官を名乗り、倉庫に入って写真を撮り始めたアクビーの口を封じるため
白音はアクビーを突き落とし、偽装工作を行ったのである。


事件は解決した。白音が逮捕され、木之路は濡れ衣を着せられずに済んだことを喜ぶ。
だが、白音は密輸組織の実態については怯えるばかりで話さないという。よほど根の深い問題らしい。
そして、新たな現場を求めてまた旅立つ冥は最後に御剣へ情報を語る。
冥とアクビー以外に、もう一人密輸組織を追っている国際警察の捜査官が居るという。
そのうち、御剣もその人物と会うことになる。謎めいた予告を残して冥は去っていった。
いぶかる御剣に応えるように、彼の携帯が鳴る。それは新たな事件の発生を告げる電話だった……。



38 :逆転検事 第3話「さらわれる逆転」1/4:2013/09/01(日) 22:46:14.24 ID:EEuebQZM0
3月13日午前10時。御剣はある任務を帯びて、遊園地「バンドーランド」を訪れた。
第2話最後の電話は御剣の後援者である富豪、天野川丈一郎(あまのがわじょういちろう)からのもの。
丈一郎の息子、天野川光(あまのがわひかる)が誘拐され、身代金一億円を求める脅迫状が届いた。
身代金の受け渡し役に、信頼できて目端が利く人物が必要ということで
帰国したばかりの御剣に白羽の矢が立ったのである。
2話でもらったスーツケースに一億円を詰めて遊園地に入った御剣に、携帯で誘拐犯から連絡が入る。
園内のあちこちを回ったあげく、たどり着いたのは不気味な「ホラーハウス」。
指示されるまま奥の部屋に入り、身代金を置いて部屋を出た御剣は
突然、何者かに後ろから殴られて気を失ってしまった……。


気がつくと、御剣は倉庫らしき部屋の中にいた。
柱に体を縛られており身動きが取れない。なんとか抜け出せないかともがいていると
上の方にある窓から、笑いながら謎の女の子が現れた。
女の子は、「2代目怪盗ヤタガラス」を自称する一条美雲(いちじょうみくも)。
検事の前で大泥棒を名乗る彼女とかみ合わない会話が続く。
幸い、携帯電話が手元に残されていたので糸鋸刑事に救援を求めるが
電話に出た「国際警察の捜査官」を名乗る人物は「救援に割く人手はない」と要請を一蹴。
仕方なく、御剣と美雲は倉庫内の品々を使ってなんとか部屋を脱出した。


倉庫を脱出し、遊園地の「ウエスタンランド」に出た御剣の前に
先ほどの捜査官、狼士龍(ろう しりゅう)が現れた。
なぜか御剣に敵意をむき出しにする狼によって警察の捜査権は掌握されてしまい
御剣は捜査から外され、糸鋸も狼の下に組み込まれる。
代わって御剣の助手に名乗りを上げたのは、「“真実”を盗む」と息巻く美雲だった。
御剣の記憶によれば「怪盗ヤタガラス」が狙うのは金品ではなく
企業の不正に関する情報を盗んで暴露すること。ある意味「“真実”を盗む」とも言える。
家に帰れという御剣の説得を美雲が聞く様子もなく、仕方なく彼女を連れての捜査が始まった。
最初に話を聞いたのは、現場に駆けつけた丈一郎。
被害者の光に関する情報を訪ねてみると、光だけでなく執事の小倉真澄(おぐらますみ)とも
先日から連絡が取れなくなっているという。事件と関係あるのだろうか。
続いて御剣が話しかけたのは、近くで踊っていた着ぐるみの「タイホくん」。
美雲が茶目っ気を出して着ぐるみの頭を取ると、そこから顔を出したのは
「逆転裁判 蘇る逆転」にも登場した無能警官、原灰ススム(はらばいすすむ)だった。
園内の客に配慮して、着ぐるみで変装しながら捜査をしていると言うのだが
奇妙なことに、彼自身がタイホくんに扮しているにもかかわらず
「園内に1体しか居ない」はずのタイホくんとすれ違ったらしい。
どうやら誘拐犯は、倉庫から予備の着ぐるみを着込んで逃走したようだ。
にわか雨の後なので、地面はぬかるみ足跡をたどることができる。
着ぐるみの足跡を追って、近くにあった車庫のシャッターを開けた御剣たちが見たものは
車庫の中に転がった、小倉執事の死体だった。駆けつけた狼は
「銃刀法の関係上、この周辺で銃を持っているのは警官だけだ」と言って原灰を容疑者として逮捕する。
御剣は現場の不自然さを指摘するも、捜査権を握っている狼は聞く耳を持たず
原灰を連行し、御剣たちを現場から追い出してしまった。



39 :逆転検事 第3話「さらわれる逆転」2/4:2013/09/01(日) 22:46:48.61 ID:EEuebQZM0
死体発見現場を追い出された御剣たち。だが、捜査の合間を縫って顔を出した糸鋸の情報によって
「目撃者」がいるというステージエリアへ向かうことになった。
そこで待っていたのは、かつて「蘇る逆転」で対面し
今はアメリカ留学から休暇で帰国中だという宝月茜(ほうづきあかね)
そして、マスコットキャラ「タイホちゃん」の着ぐるみで登場した“オバチャン”大場カオル(おおばかおる)。
どうやらオバチャンが、殺人の瞬間を目撃したらしいのだが
興味のないことにはトコトン適当なオバチャンの証言はどうも要領を得ない。
そこに美雲が取り出したのは、大ドロボウの秘密兵器「ぬすみちゃん」。
彼女が小さな機械を操作すると、周囲の風景が丸ごと立体映像に切り替わってしまった。
本来は盗みのシミュレーション用なのだが、これを使えば過去の出来事でも目の前で検証ができる。
さっそく、オバチャンの証言に添って殺人事件を再現してみると
どうやら、殺された被害者は着ぐるみを着ていたらしいことが判明。
茜の科学捜査による足跡検出もその推理を裏付ける。
オバチャンは2階席で昼寝をしていて事件を目撃したため、現場が良く見えていなかったのだ。
そこにまたしても割って入ってきた狼捜査官は、被害者が射殺されたこの目撃証言こそ
原灰が犯人である証拠だと主張する。
だが、御剣はこの推理には未完成の部分が残っていることを指摘する。
現時点での推理は「ステージ上の犯人が、下にいた着ぐるみの被害者を撃った」。
だが死体の傷は、弾丸が腹から肩へ突き抜けたことを示していた。
ならば状況は「下にいた犯人が、ステージ上の被害者を撃った」でなければならない。
これを以って、殺人は着ぐるみを着て逃走中の誘拐犯同士による仲間割れであると主張し
原灰は犯人ではあり得ない、と御剣は主張する。
そこへ、手錠をかけられた青年がふらふらと現れて倒れこんだ。
その青年こそ、誘拐されたはずの天野川光その人である。
自力で監禁場所から抜け出してきたという彼の証言から、誘拐犯の中に女性がいたことが明らかになるが
狼捜査官は光も、オバチャンたち目撃者もすべて自分で囲い込み、またしても御剣を追い払ってしまう。


御剣はウエスタンランドへ戻り、丈一郎、そして天野川家の使用人で光のガールフレンドだという
織戸姫子(おりとひめこ)に光が発見されたことを伝える。
もちろん、殺人事件の謎が残っている以上は御剣もここで終わるつもりはない。
ダメ元で、犯人一味が隠れていた倉庫を捜査できないかと警官に訪ねてみると
警官は「糸鋸刑事に頼まれているから」と通してくれただけでなく、捜査資料まで渡してくれる。
被害者の小倉は、実は脱獄したまま行方不明だった犯罪者「鞍馬純夫(くらますみお)」だったという情報だ。
倉庫に入って捜査を行った御剣は、そこに残されていた痕跡から、誘拐犯が3人いたという推理を導く。
殺された執事、光が見たという「女」の他に、もうひとりの誘拐犯がいるということになる。
ちょうどそこへ、倉庫内の着ぐるみを出そうとしたスタッフが現れたのだが
倉庫内を見たスタッフは、悪役キャラ「ワルホくん」の着ぐるみがないと騒ぎ出す。
ワルホくんは普段園内におらず、定時のショーにだけ出演するキャラクター。
つまり本来なら、倉庫には2体のワルホくん着ぐるみがあるはずなのに2体ともなくなっている。
倉庫内にあった8体の着ぐるみのうち、本来の用途で出払っているものが3体
誘拐犯が着て逃げたであろうものが3体。それとは別にワルホくん着ぐるみが1体持ちだされているのだ。
行方不明のワルホくん着ぐるみは、倉庫内のごみ処理コンテナに押し込まれていたのがすぐ発見される。
だがその手からは、据付の銃が剥ぎ取られていた。空砲しか撃てないモデルガンだとスタッフは言うが……。



40 :逆転検事 第3話「さらわれる逆転」3/4:2013/09/01(日) 22:47:27.65 ID:EEuebQZM0
倉庫を出た御剣の元へ、糸鋸が駆けつけた。正門前でタイホくん着ぐるみが発見されたのだという。
着ぐるみの中から発見されたのは「HIMEKO・K」の名前が入った翼のペンダント。。
狼捜査官はこれを見て、誘拐と殺人の犯人は姫子であると告発。姫子があっさりと自供したことで
全ての元凶は彼女だったという方向に傾きはじめた。
しかし、御剣は納得しない。彼女の自白は御剣の推理する真犯人と符合しないからだ。
御剣は反証として、死んだ小倉が身に着けていた馬のペンダントを取り出す。
それは姫子の翼型ペンダントと組み合わされて、ペガサスのペンダントになるよう作られていた。
脱獄囚だった小倉と幼くして生き別れた一人娘、それが姫子なのだ。娘を犯罪に引きこんで裏切る父親がいるだろうか。
「親子だからこそ強く結託して犯罪を企む可能性もある」と反論する狼。だが、それも御剣の想定内。
なぜなら、誘拐犯は3人だからだ。疑われもせずに逃げおおせている3人目が存在する。
御剣が告発した「3人目」の名は「天野川光」。そう、これは元々、光を中心とした狂言誘拐だったのだ!
放蕩息子の光は個人的な借金を抱えており、その返済のために金を必要としていたのである。
では、殺人事件の犯人は?姫子は、ステージエリアで確かに自分が小倉を撃ったと主張。
だが御剣は、小さな矛盾からその証言を突き崩す。ステージエリアで姫子が出会ったのは
頭だけをワルホくんに取り替えることで小倉になりすました光だった。
光はあらかじめ、ワルホくん着ぐるみから取ったモデルガンを姫子に「本物の銃」と言って渡しており
トリックによって「姫子が小倉を撃った」と姫子自身が思い込むよう仕向けたのだ。
なぜか?それは、光が小倉を殺した犯人であり、他人に濡れ衣を着せる必要があったからだ。
姫子は反論する。倉庫を出る少し前に、裏切ろうとした小倉が倉庫の奥に閉じ込められているのを見た。
その時点で小倉が生きていたなら、時間的に光が小倉を殺せたはずはない……。
しかし、その主張はむしろ御剣の抱えていた疑問の一つを解決した。
どうして誘拐犯は、身代金と共に御剣までさらって倉庫へ運び込んだのか?おそらく、その時点で小倉は死んでいた。
気絶させた御剣に着ぐるみの頭をかぶせ、小倉に見せかけることで姫子を騙したのである。
滔々と推理を述べる御剣に「どれも推測にすぎない」と一歩も譲らぬ狼捜査官。
決め手となる証拠はないのか?あるとしたら……小倉が殺された「真の殺害現場」。
御剣の誘拐が、小倉の死後に企まれた隠蔽計画のためであるなら、殺害はそれ以前。
おそらく、御剣がさらわれた「ホラーハウス」が鍵だ!
御剣は狼に、ホラーハウスの現場検証を要請。狼もこの提案に乗って捜査を開始しようとするが
それを遮ったのは、光をかばっていた丈一郎だった。彼はつい先程、遊園地の経営会社に金を積んで
ホラーハウスの権利を買い取ったと主張、権利者として現場検証を許可しないと宣言する。
どうやら彼は、すでに光から事件の真相を聞き出しており、光のために真相をもみ消すつもりらしい。
光が狂言誘拐を企んだことまでは、ごまかしきれなくなった光自身が認めたが
このままでは、殺人の容疑は金の力でごまかされ、姫子が犯人として裁かれてしまう!



41 :逆転検事 第3話「さらわれる逆転」4/4:2013/09/01(日) 22:47:59.51 ID:EEuebQZM0
捜査が手詰まりになったかと思われたその時、美雲が得意げに「ぬすみちゃん」を取り出した。
捜査資料の中にあったデータを打ち込むと、周囲はホログラフィに覆われてホラーハウスの情景が再現された。
もちろん、ホログラフィから物的証拠は出てこない。だが精密なシミュレーションとロジックを組み合わせれば
真実に近づくことは可能なはずだ……!
御剣が注目したのは、自分を背後から襲った犯人が誰で、どこに隠れていたのか。
廊下は一本道で、隠れるような場所はない。だが廊下の奥に「倒れたタイホくん」の人形があった。
これがただのオブジェではなく、着ぐるみでオブジェになりすました犯人だったなら
背後から御剣を襲うことは可能といえる。
だが、狼がその推理に反証を突きつける。遊園地のパンフレットにホラーハウスの紹介もあり
そこには「消えるタイホくん」として、廊下に倒れているタイホくんが出たり消えたりする仕掛けが記されていた。
つまり、最初からホラーハウスの仕掛けとして人形が置かれており、犯人の隠れ場所には成り得ない。
推理の矛盾を突かれて状況を調べ直す御剣は、「消えるタイホくん」の胸に掛かったベルトが
なぜか左右逆になっていることに気づく。そう言えば、ホラーハウス内にはやけに鏡が多い……。
御剣は「消えるタイホくん」が、鏡を使った大仕掛であると看破する。
真っ直ぐな廊下は実は丁字路になっており、普段は壁に見せかけた大扉で塞がれている。
大扉の裏は鏡になっていて、扉が開くと分岐が鏡に映り、見た目は真っ直ぐな廊下に見える。
そうやって2つの廊下を切り替えることで、人形が出たり消えたりを演出しているのだ。
……とすれば、犯人は扉の裏側に隠れることができたということになる。
御剣は思い出す。一度ホラーハウスで奥の部屋に入り、身代金をおいた直後、ガラスの割れる音がしたことを。
それこそが小倉が射殺され、鏡の大扉が割れた時の音だ。
御剣が部屋から出た時見た「タイホくん」は、アトラクション用の人形ではなく
着ぐるみを着たままそこに投げ出された小倉の死体だったのだ。
そしてその工作ができたのは、小倉とともにホラーハウス内にいた光しか居ないということになる。
元々メンタルの弱い光は、殺人の瞬間を正確に言い当てられたことで屈服し、泣きながら容疑を認めた。


事件は解決した。光は狂言誘拐と殺人、そして丈一郎も証拠の隠蔽を罪に問われ逮捕される。
だが、狼はそれ以外にも、密輸事件について丈一郎を問い詰めるつもりらしい。
そこへ、第一話の優木検事と仲間戸刑事が現れ、捜査への協力を申し出るが
(時系列上、第2話→第3話→第1話なので、まだ仲間戸は生きているし、優木も逮捕されていない)
狼はその申し出を無視し、丈一郎を連行していく。
どうやら「天野川コンツェルンの周囲に、密輸組織に協力する悪徳検事がいる」という情報をすでに得ており
それが御剣に対する攻撃的な態度の元にもなっていたようだ。
だが、それ以外にも狼の言動には、検事そのものに対する不信感がにじみ出ている。
御剣に事情を問われた狼の助手、シーナ捜査官はその理由を「法廷のせいで狼家が失墜したから」と語る。
狼家は西鳳民国の犯罪捜査を長く手がけてきた名家。だが、近年は検察による証拠の捏造が横行し
現場捜査を行う狼家は軽んじられるようになった。だから彼は検事を信用しないのだ、と。
一方で、美雲は今回の事件について糸鋸とひとしきり話した後
「私たち、『はじめまして』じゃないんだよ」と言い出す。
以前に出会ったことがあったのか?思い出せずに首を傾げる御剣に、美雲が見せたのは一枚の白布。
それを見た時、御剣は思い出した。7年前のある事件のことを……。
 


43 :逆転検事 第4話過ぎ去りし逆転」1/4:2013/09/02(月) 22:09:04.80 ID:Y3koqLB10
7年前のあの日……御剣検事の法廷デビューに“なるはずだった”事件。
それはとんでもない騒動から始まった。
コードピア国大使館前で起こった、大使館職員の銃殺事件。
殺人の瞬間を捉えた警備カメラ画像があることから、有罪判決は秒読みと思われていた。
しかし、容疑者の真刈透(まかりとおる)は、法廷でそれまでの否認から一転
「自分は怪盗ヤタガラスから依頼された実行犯だ。そしてヤタガラスはそこにいる検事だ」
と、この事件の担当検事だった一条九郎(いちじょうくろう)を告発したのである。
容疑者にされてしまった一条検事に代わる担当検事として
師匠の狩魔豪(かるまごう)と共に、後学のため傍聴していた御剣に白羽の矢が立ったのだ。
資料に目を通す御剣に、狩魔検事は今回の事件と「KG-8号事件」の関連性をほのめかす。
KG-8号事件、それは3年前、天野川コンツェルンの密輸疑惑に絡んだ殺人事件。
コンツェルンの社員が証言台に立つ直前に殺され、コードピア大使館の職員が容疑者となったが
結局、容疑者は無罪となった。その裁判の担当検事も一条だったという。
2つの事件の相違点は、今回の事件の影に見え隠れする「怪盗ヤタガラス」のみ。


御剣が法廷に立つが、引き継ぎを行うはずの一条検事が現れない。
そこへ飛び込んできたのは、新人刑事の糸鋸圭介(これが御剣と糸鋸の初対面である)。
彼は、控え室で一条検事と真刈が死んでいると報告する。
現場に急行した御剣が出会ったのは、真刈の担当弁護士だった葛氷見子(かずらひみこ)と
証人として出廷する予定だったという刑事、馬堂一徹(ばどういってつ)。
さらに、アメリカ留学から一時帰国中の冥(当時13歳)が、御剣への対抗心むき出しで割り込んでくる。
馬堂刑事は、御剣や冥を子供扱いして現場に入れてくれないが
狩魔検事の鶴の一声で、御剣たちが事件の捜査を担当することになった。
控え室には、折り重なって倒れた真刈と一条検事の死体。
ナイフを持った真刈の死体の上に、拳銃を持った一条検事の死体が重なっている。
拳銃は証拠品として一条検事が持ち込んだものだが、ナイフは出所不明。
被告人である真刈が持ち込めるはずはないから、一条検事の持ち物だろうと推測される。
現場を一瞥した冥は、対立した二人が争い、相打ちになったものと断定するが
御剣は、丁寧に集めた証拠品から、冥の推理が含む矛盾を突く。
検死によれば一撃で即死したはずの一条検事の死体が、真刈の死体の上にあること
さらに左利きの一条検事が右手に拳銃を握っていることなど。
細かい点で、二人が争っての相打ちという推理には矛盾がいくつも上がってくる。
殺人現場には三人目の「真犯人」がいて、現場を偽装した。御剣はそう推理する。
だが、控え室の外では糸鋸刑事がずっと見張りをしており、誰も通らなかったと証言しているのだが……。
そこへ、葛弁護士が、裁判長(逆転裁判シリーズおなじみのあの爺さんである)を連れて登場。
裁判長によれば、糸鋸刑事が持ち場であるはずの控え室前にいない時間があったとのこと。
糸鋸刑事は、被害者の他に控え室に入ったものはいないと証言していたが
彼自身が殺人犯だとすれば、その主張も無意味になるのではないか?



44 :逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」2/4:2013/09/02(月) 22:11:11.68 ID:Y3koqLB10
御剣と冥は、狩魔検事の元へ戻り捜査状況を説明する。
被告人と担当検事が死んだ今、公訴棄却で捜査も無用となるはずなのだが
状況に違和感を抱く御剣は、無理を言って捜査続行の許可を得る。
聞き込みによって得られる新たな情報。
葛弁護士は、KG-8号事件で殺された被害者の姉で、関連事件の弁護を通じて情報を集めているらしい。
そして、馬堂刑事もKG-8号事件で被害者の警備を担当していたという繋がりがあった。
一方、容疑者となってしまった糸鋸刑事だが、その振る舞いはどうにも不自然だ。
自分が不利な立場になるのは分かっているのに「控え室前にいたのは自分だけ」と言い張っている。
真相を知るべく、御剣は控え室前の廊下を調べることにした。


廊下を調べた御剣は、ソファに付けられた糸鋸刑事の手形と、床に落ちた餡この欠片を発見する。
そしてソファの上には、窓辺に飾られたサボテンと、割れた風船の切れ端。
これらの証拠から推理を進めた御剣は、裁判長の元を訪れて彼を尋問する。
裁判長は廊下から中庭を挟んだトイレの窓から、廊下に誰も居ないのを見たと証言していたが
実のところ、糸鋸刑事は窓辺のソファに腰掛けてどら焼きを食べていただけ。
窓の位置関係から、ソファに座った糸鋸が見えなかったにすぎない、というわけだ。
裁判長が聞いたという「銃声」も、他者の証言と時間が合わないことから
窓辺のサボテンに引っかかった風船が割れた音だ、と御剣は看破する。
糸鋸が現場を離れていた、という疑いは晴れた。が、もう一つの疑惑が上がってくる。
廊下には糸鋸以外に誰かいた。そして、糸鋸はその人物をかばっているのではないか……?
と、そこへ現れた少女を御剣が取り押さえる。糸鋸を糾弾する御剣に怒りの視線を向けるその少女は
法廷を見学していた一条検事の娘、美雲(10歳)であった。
すでに一条検事の死についても聞いているようで、話すうちに美雲は泣きだしてしまう。
涙を吹こうと差し出されたハンカチの代わりに、美雲が御剣の胸元のクラバットで鼻をかんでしまう一幕もあったが
落ち着いた美雲の証言によって真相が明らかになる。
「知らない人から物をもらってはいけない」という、父親との約束を重んじる美雲に対し
美雲と二人で自販機のどら焼きを買った糸鋸は、美雲のために彼女のことを隠し続けていたのだ。
愚直極まりない行動だが、これで糸鋸の嫌疑は晴れた……と思いきや
葛弁護士は「糸鋸が事件現場の前を離れていないなら、犯行のチャンスが有ったのは彼だけだ」
と、むしろ糸鋸が犯人なのは確実だという主張を展開、再び糸鋸は連行されてしまう。


事件現場の隣にある別の控え室で、御剣は馬堂刑事と相対する。
銃声がしたとき、馬堂はこの部屋に葛弁護士とともに待機していたという。
馬堂と葛、そして一条検事の関係を問うことで、御剣は事件の裏にある闇に踏み込んでいく。
KG-8号事件で妹を失った葛、そして捜査を担当していた一条と馬堂。
彼らは、事件の背後で暗躍していた巨大な密輸組織を各々の職務を通じて追っていたが
組織の闇は恐ろしいほど深く、組織の全貌は一向につかめなかったという。
一方、今回の事件で名前が出た怪盗ヤタガラスだが、真刈がヤタガラスでないのは確実だと馬堂は請け合う。
標的に関する正確な情報収集、警備を突破する高度な窃盗術、そして現場に証拠を残さない狡猾さ。
ヤタガラスの特徴とされるこの3点に、真刈の犯行は全く合っていない。
なにより、ヤタガラスが今回警察に送りつけてきたという「証拠品」が何だったのか
真刈は答えることができなかったのだ。
しかし、ヤタガラスを騙った真刈と、ヤタガラスだと告発された一条が同時に殺された今回の殺人。
ヤタガラスが何らかの形で関係していることは間違いないと御剣は考える。
そこへ、法廷係官が「証拠品受け渡しの用意が整った」との知らせを持ってきた……。



45 :逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」3/4:2013/09/02(月) 22:13:20.11 ID:Y3koqLB10
法廷に入り、裁判長立ち会いの元で証拠品を受け取る御剣。
一条検事が持っていた今回の裁判の証拠品と、彼の遺品となった捜査手帳がそこに含まれている。
だが、手帳の内容に目を通した御剣はある疑問を抱く。
一条を刺したナイフ。容疑者の真刈が凶器を持ち込めない以上、これは一条が証拠品として持ち込んだ物のはず。
だが、手帳にはナイフに関する記述がない。その一方で、ヤタガラスが送ってきたという奇妙な形の「鍵」が
並べられた証拠品の中に入っていないのだ。
御剣は、存在しないはずの「ナイフ」と、あるべきなのに無い「鍵」の関連に目をつける。
ナイフの柄の部分をいじると、柄はナイフの刃を包むように開き、中から「鍵」が飛び出した。
このナイフこそ「ヤタガラスの鍵」だったのだ。
どうやら一条も、この鍵がナイフにもなることを知らなかったらしい。とすると、この鍵を凶器に使えるのは
鍵の元の持ち主……すなわち、怪盗ヤタガラスその人ではないのか?
そしてもう一つ、あるべき証拠品がここにない。裁判の中で一度公開された、犯行時の映像。
銃声まではっきり記録されていた警備カメラの映像ビデオがなぜか紛失しているのだ。


御剣は事件現場に戻り、そこにいた馬堂に「ヤタガラスの鍵」の仕掛けについて伝える。
思った通り、馬堂もこの鍵の仕掛けを知らないまま、消えた鍵の行方を探していたのだ。
馬堂から話を聞くうちに、御剣は今まで気づかなかったある矛盾に気づく。
法廷の控え室は機密保持の観点から、防音にも力が入っている。なのに、なぜ馬堂は事件の瞬間
隣の部屋からの銃声をはっきりと聞くことができたのか?
事件現場の窓は何故か開いていた。そして、馬堂と葛がいた隣の控え室の窓も開いていた。
それは、葛が香水をこぼしてしまい、部屋に匂いがこもってしまったからだ。
おかげで、馬堂たちは銃声を聞いてすぐ現場に殺到した。だが、それが真犯人の思惑通りだとしたら?
御剣はある推理を元に、現場にあったテレビとビデオデッキを改める。……御剣が予想したとおり
そこに紛失していた証拠品のビデオがあった。犯行の瞬間の「銃声」が入っているビデオが。


法廷に戻った御剣は、糸鋸が犯人だと主張する葛に対し、実際の裁判のように向い合って、反論を展開する。
「真犯人」は、30分前に二人を殺した後、控え室の窓を開け、証拠品のビデオを掛けっぱなしにした。
そして30分後、ビデオが犯行の瞬間を映したときに響いた銃声を、皆は「犯行の瞬間」と思い込んだのだ。
だが、隣の部屋まで銃声が聞こえるには、もう一手「隣の部屋の窓を開けさせる」ことが必要だ。
香水をこぼすという「事故」で、窓を開けさせた葛弁護士こそ、一連のトリックを用意した「真犯人」である!
御剣の真剣な表情を茶化すようにたびたび爆笑する葛を、御剣は冷静にロジックで追い詰める。
一条も馬堂も知らなかった「ナイフに変形する鍵」を使って一条を殺害できたのは
鍵の送り主であるヤタガラスのみ。つまり、葛こそがヤタガラスなのだ。
御剣の追求に抗しきれなくなった葛は、ひときわ大きな笑いの後にその指摘を認める。
自分こそがヤタガラスであること。だが同時に、密輸組織の人間でもある。
だから真刈に口封じの殺人を依頼し、その真相に気付きかけた一条を真刈ともども始末したのだ、と。
御剣は葛を逮捕しようとする。が、葛は素早く拳銃を取り出し、それを御剣に向けた。
とっさのことで体がすくみ、動けない御剣。そのとき、法廷の隅で様子をうかがっていた美雲が叫んだ。
「お兄さん、右によけて!」具体的な指示に反射的に従うことで、御剣は銃撃を交わす。
だがその隙を突いて、葛は「ヤタガラスの鍵」を奪ったまま逃げ出してしまった……。



46 :逆転検事 第4話「過ぎ去りし逆転」4/4:2013/09/02(月) 22:15:04.32 ID:Y3koqLB10
葛の自白と逃走により、糸鋸の容疑は晴れ、事件は一応の収束を迎えた。
結局、葛は捕まらず、彼女の動機など具体的な真相は暴かれぬままになってしまったのだが
御剣によって無実が証明され首もつながった糸鋸刑事は御剣に心酔するようになり
以後、彼の部下として大いに奮闘することになったのである。
そして、結果的に御剣の命の恩人となった美雲とは、その後会う機会はなかった……


ここで、時系列は第3話終了時点まで戻る。
美雲が取り出した白布……あとで洗って返してくれと、彼女に預けたままだった御剣のクラバットを見たことで
御剣は、あの事件で会ったのが2人の最初の出会いだったと改めて認識したのである。
だが、不可解なことがひとつある。あの事件では、ヤタガラスの正体は葛だったということで決着した。
なのに、なぜ美雲は「2代目ヤタガラス」を名乗って現れたのか?
疑問をぶつけられた美雲は答える。最近になって父の遺品を整理した際に
父、一条九郎こそが本物のヤタガラスだったという記録を発見したのだと。
信じがたい話だが、美雲が持つ「ぬすみちゃん」は、子供が用意できる代物ではないのも事実だ。
そして美雲は、先日「ヤタガラスの予告状」が届けられたという新聞記事を見せた。
父がこの世にない以上、このヤタガラスは偽物。おそらくは葛につながっているはず。
偽ヤタガラスを捕まえて真実を明らかにするのに、御剣の協力がほしいと美雲は訴える。
御剣としては、真実を明らかにするためとはいえ「盗み」という手段は認められない。
だが、7年前の事件、そしてたった今の事件でも美雲は自分を助けてくれた。
それにあの事件のことが未だ引っかかっているのも事実。
「盗みはしない」という条件で、御剣は美雲への協力を誓った。



47 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」1/6:2013/09/02(月) 22:17:37.59 ID:Y3koqLB10
ここで、ようやく時間軸は第1話の時点に戻る。
御剣は一連の事件を回想しながら、昨夜の事件(第1話)のことを思い返す。
殺人犯とは別に、事件ファイルを盗み出したもう一人の侵入者は「ヤタガラス」の関係者だったのだろうか?
静かに考えを巡らす御剣に対し、美雲は一刻も早く偽ヤタガラスを捕まえようと息巻いている。


事件を追って御剣たちが訪れたのは、「アレバスト王国」と「ババル共和国」の大使館。
それは、あの「コードピア」が、その後の内乱で東西に割れた国の名前である。
両国の大使館も、コードピアのそれを二分割して使っているという奇妙な状況だ。
一方で両国再統合の動きもあり、今日は両大使館の間に設けられた「永世中立劇場」において
両国合同のイベントが企画されている。そして、そのイベントがヤタガラスの標的とされているのだ。
劇場に入ってみると、そこで行われていたのは「大江戸戦士トノサマン」と「忍者ナンジャ」の
日本特撮ヒーローショー。トノサマンの隠れファンである御剣は密かに喜ぶが
ヤタガラスが現れる気配はない。やはり空振りか……そう思っていたところへ
「アレバスト大使館にヤタガラスが現れた」との叫び声が上がる。
美雲はアレバスト大使館に駆け込もうとするが、そちらへの入口は封鎖されていたため
警備の薄いババル大使館側から回りこもうとする。御剣も慌ててそれを追った。
ババル大使館の中庭で美雲を見失った御剣が目撃したのは、突然の火事で炎に包まれる
大使館の建物であった。これもヤタガラスの仕業なのだろうか?


消火が済んだところで大使館の執務室に駆け込んだ御剣が見たのは
狼捜査官の助手シーナと糸鋸刑事が、美雲の身柄を巡って争っている姿だった。
さらにそこにはもう一人、大使秘書のマニィ・コーチンが死体になって転がっていたのである。
怪しい人物を追って大使館内に入った美雲は、執務室で死体に出くわし
そこをシーナに発見され、地元警察から警備のため派遣されていた糸鋸との間で
彼女を殺人容疑者として逮捕すべきか押し問答になったらしい。
御剣はシーナの行動に異を唱えようとするが、大使館という場所柄、地方検事の御剣に捜査権限はなく
シーナは御剣を無視したまま美雲を逮捕しようとする。
そこへ、国際捜査官として活動中の冥が、駐日ババル大使のダミアン・ヒンジ氏と共に現れた。
御剣はとっさに「自分は冥の助手である」と名乗り、ダミアン大使に捜査の許可を求める。
唐突な発言に眉をしかめる冥だが、御剣を自分の下に置くという状況に思うところがあったらしく
彼が助手として捜査に加わることを認める。こうして、御剣は現場の捜査権を得た。
被害者のマニィを調べた御剣は、彼がKG-8号事件の容疑者であったことを思い出す。
さらに驚いたことに、彼のポケットには7年前の事件で葛に持ち去られた「ヤタガラスの鍵」があった。
いくつかの証拠、そして密輸事件を追っていた冥がこの場にいることから推測して
どうやら密輸組織の黒幕は、旧コードピア大使館であるこの場に潜んでいるらしい。
執務室に、固く閉ざされた金庫があるのに気づいた御剣は、もしやと思い鍵を金庫の鍵穴に差し入れる。
すると、金庫が開いた。やはりこの鍵はここで使われていたものだったのだ。
さらに金庫は二重になっており、その奥には密輸された美術品と密輸の書類が入っていた。
……ひと通り捜査が済んだところで、御剣はシーナと相対する。
現場で美雲が凶器のナイフを握っているのを見たというシーナ。落ちていたナイフを拾っただけと主張する美雲。
ナイフを改めた御剣は、刀身が血まみれなのに柄には血が付いていない不自然さに気づく。
どうやらこのナイフは柄と刀身が簡単に外せるらしい。ババルの国章である「蝶」の紋が入った柄を外してみると
刀身には「花」の紋が。これはアレバスト王国のものではないか!
凶器は執務室に飾られていたババルのナイフだと思っていたが、どうやらババルのそれと対になる
アレバストのナイフらしい。アレバスト大使館に入ってもいない美雲がこのナイフを用意できるわけはないので
彼女の殺人容疑は退けられるが…果たして、このナイフはどうやって大使館の境を越えてここに来たのか?



48 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」2/6:2013/09/02(月) 22:20:39.40 ID:Y3koqLB10
いったん劇場まで引き返した御剣たちそこで出会ったのは、アレバスト大使館を捜査中の狼と
駐日アレバスト大使のカーネイジ・オンレッド翁。
彼らの話によると、アレバストでも大きな事件が起きたようだ。
自分の部下であるシーナとの諍いをすでに聞いている狼は、御剣のアレバスト大使館入りを阻もうとするが
そこに現れたダミアン大使が口を利いてくれたおかげで、御剣と冥はアレバスト大使館に入れることになる。
移動中に、冥から密輸に関する詳細な情報を聞く御剣。
今回の狙いは、ババルの特産品とされる「ババルインク」。ババルでしか作られないこのインクは
偽札を作るのに最適とされ輸出が制限されている。密輸組織はこのインクを大きく扱っているらしい。


アレバストの大使執務室に入った御剣を出迎えたのは、なんと着ぐるみのトノサマン。
着ぐるみの頭を外すと出てきたのは、逆転裁判シリーズでもおなじみ御剣の悪友、矢張政志(やはりまさし)だった。
天性のトラブルメーカーなこの男、アレバスト大使館で起きた殺人事件の容疑者にされてしまったらしい。
狼捜査官、そしてヤタガラス事件と聞いて駆けつけた馬堂刑事も交えて捜査が始まる。
こちらの被害者は、怪人☆仮面マスク2世。逆転裁判3に登場した怪盗の模倣犯である。
死因は撲殺。現場には、血まみれになったトノサマンの刀が残されていた。さらに悪いことに
事件直後、矢張は執務室の真上にある暖炉の煙突に入ろうとしていたところを拘束されたという。
友人として彼の人となりを知る御剣は彼が殺人犯ではないと確信しているが、状況は極めて不利だ。
隣の部屋で休憩中だったヒメサマンの役者が、前任者急病のためピンチヒッターで入れ替わっていた
オバチャンだったという衝撃の事実により、状況はますます混迷を極めていく。
ひと通り捜査を終えたところで、御剣はまず矢張の尋問から取り掛かる。
屋根の上にいた理由を、サンタクロースの真似だと主張して譲らない矢張であったが
御剣はあっさりとそれを論破する。矢張はヒメサマン役の交代を知らず、元の役者(もちろん若い女性)を追いかけて
煙突からヒメサマンが休憩中の部屋へ忍びこむつもりだったのだ。
執務室の暖炉は、抜け穴で隣の部屋とつながる仕掛けがあったが、構造上煙突も共有されており
そのため煙突に入ろうとしていた矢張は、執務室へ忍びこむように見えてしまったというわけだ。
現場周辺での不審な行動にはこれで説明がついた。では、現場にトノサマンの刀があった点についてはどうか?
御剣は、この刀が演劇用の模造刀で、人を撲殺するほどの強度はないと主張するが、狼は反論する。
大使館内で血液反応が出た品はこの刀だけ。これ以外に凶器たりえるものは無いのだ。
……だが、御剣は狼の緻密な捜査にひとつ抜けがあることを指摘した。
執務室に安置されていたアレバストの国宝「ダイカイ像」。
元々コードピアの国宝だったが、2国分裂以後、なぜか両国ともそっくりの像を所有しており
自分たちが持っている像こそ本物で、正統政府の証だと主張している両国紛争の火種だ。
本来なら大使とその秘書クラスしか触れないこの像にうかつに手をかければ国際問題になってしまう。
だが、御剣の指摘を受けた狼は、カーネイジ大使を無視して像の科学捜査を強行する。
像から出たのは血液反応と、何者かの手形。さっそく指紋の照合が行われるが
その結果、なんとこの手形はババルで死んでいたマニィのものだと判明する。
つまり、この像はいつの間にかババル側のそれとすり替えられていた、ということだ!
アレバストのナイフがババルにあった謎を解くどころか、さらなる「密輸品」が増えてしまったではないか。



49 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」3/6:2013/09/02(月) 22:22:11.97 ID:Y3koqLB10
ババル大使館に戻ってきた御剣。報告を受けたダミアン大使は、すでにババル側の像を鑑定していた。
予想通り、こちらにあったのはアレバストの像。なぜ分かるかといえば、像が「本物」になっていたから。
そう、ババルの像は偽物だと大使は知っていた。その上で、国のメンツ上ごまかし続けていたのだ。
2国の大使館を凶器が行き来する不可思議な殺人事件。鍵になるのは、両方で目撃情報がある「ヤタガラス」。
そのヤタガラスが最初に現れたという、アレバストの中庭へと御剣は向かう。
真ん中に大きな池のある中庭、そこで今夜、カーネイジ大使の演説が行われる予定だった。
だが、その直前、スポットライトにヤタガラスの影が浮かび上がったという。
パニックに陥った観客によってライトが倒され、混乱のうちに影は消え去ったが
たしかにマントを翻したような大きな影が映った……と、警護を担当していた狼が語る。
だが、現場を見渡した御剣は、そこに仕掛けられたトリックに気づいた。
庭に飾られた複数の彫像、それに予め計算された角度から光を当てることによって異形の影を映す仕掛けである。
ライトの点灯で自動的に影が映し出されるこの仕掛けがあったということは、逆に言うと
仕掛けが発動した時点でヤタガラスはここに居なかった。
ヤタガラスはババル側におり、こちらには仕掛けを用意した「共犯者」がいた、と御剣は判断する。
そのとき、馬堂刑事が新たな証拠品を持ってきた。現場付近にいた女性ジャーナリスト
(実は、逆転裁判シリーズに登場していた『大沢木ナツミ』である)が撮ったという写真。
なぜか言葉を濁す馬堂にその写真を見せてもらった御剣と冥は絶句する。
その写真は、中庭の上を真っ直ぐ飛ぶ、大きな影を映し出していた。
ババルからアレバストの方向へ飛んでいったという影。これが怪盗ヤタガラスなのだろうか?
その正体に迫るべく、御剣は影の起点となるババル大使館へと戻る。


御剣はババル大使館、マニィが殺されていた執務室へと戻ってきた。
そして美雲の「ぬすみちゃん」で、事件直後の現場を再現する。
大きな疑問点は、美雲が目撃した謎の人影。執務室へ入ったその人影を美雲は追っていたのだが
部屋の中にそれらしき人物はおらず、隣の部屋から駆けつけたシーナに美雲自身が疑われてしまった。
ふと御剣は、左右対称の大使館を2つの国が分けて使っている点に着目し
暖炉の中を調べると、アレバストと同じように隣の部屋への抜け穴が開いた。
だが、犯人がここを通って逃げたなら、隣の部屋にいたシーナが気付かないはずはないのだが……。


永世中立劇場で御剣はシーナを詰問。自分の部下が疑われて苛立つ狼を退け、シーナは直接御剣と向き合った。
殺人現場から暖炉の抜け穴を通り、隣の部屋へ抜けた「ヤタガラス」。それをシーナが目撃していないのは
彼女こそが殺人犯ヤタガラスだからだと告発する御剣に、シーナはそれまでの寡黙さが嘘のように
甲高い笑い声を上げ、饒舌になる。その振る舞いは、御剣たちにある人物を思い出させた。
そう、彼女こそ、7年前の事件で逃走していた葛弁護士その人だったのだ。
彼女は密輸組織のスパイとして、素性を隠して国際警察に潜り込んでいたのである。
父の仇を前に思わず身を乗り出した美雲を人質に取り、この場を逃げ出そうとしたシーナ=葛の背後に
こつ然と現れた馬堂が銃を突きつけていた。そして、ついに御剣はヤタガラスの正体を知る。
葛が企業の内情を、一条が犯罪の手口を含む情報を提供し、馬堂が捜査の現場で証拠をもみ消す。
ヤタガラスとは、法の限界を知る者たちが創りだしたチーム名だったのだ。
だが、葛はヤタガラスの一員であると同時に、実在しないKG-8号事件被害者の姉を装って
一条と馬堂に近付き、スパイとしてヤタガラスの行動を牽制していた。
その関係が破綻したのが、第4話の事件の真相だったのである。
強引に突破しようと動く葛。だが次の瞬間、狼が馬堂と葛の間に割って入り、足に銃弾を受けながらも葛を取り押さえた。
狼によって連行される直前、葛は御剣にあることを語る。「今夜、私は誰も殺していない。真犯人は別にいる」
全てが嘘だった女の証言だが、その言葉は奇妙な真実味を持って響く。密輸組織の首領がまだ隠れているのだ。



50 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」4/6:2013/09/02(月) 22:23:36.47 ID:Y3koqLB10
葛が連行され、馬堂もヤタガラス最後の一人として自供し、糸鋸に自らを逮捕させる。
その直前に馬堂が御剣に託したのは、第1話で御剣の部屋から盗まれた事件ファイル。
(そう、第1話の「侵入者」の正体は馬堂だったのだ)
そのファイルには、かつて一条が手に入れた「マニィがKG-8号事件で受け取った組織の指令書」が隠されていた。
そしてもう一つ、KG-8号事件の裁判で一条が盗まれた、証拠品のビデオテープが出てくる。
天野川丈一郎が隠匿していたものだが、彼が第3話で逮捕されたためガードが崩れ、流出したのだ。
第1話の優木検事は、これらの証拠品を組織側に取り戻そうとして暗躍していたのである。


すでに時刻は午前0時過ぎ。カーネイジ大使は、式典再開の準備のために捜査の終了を要求してくる。
まだ「密輸された凶器」の謎が解けていない御剣としては、ここで終わらせたくはないのだが……。
そこへ戻ってきた狼捜査官は「事件の真犯人がわかった」と宣言する。
狼が告発したのは、なんと冥である。両国大使館の入国許可を持っていた彼女なら犯行が可能だというのだ。
冥は怒り狂うが、狼も一歩も引かず、事件解決のためもう一度アバレスト大使館の捜査を申し入れる。
カーネイジも仕方ないという様子で許可を出し、一同はアバレストの執務室へと移った。


アバレスト大使館の執務室で、御剣と狼が対峙する。狼の主張は
「演説の直前、冥はカーネイジ大使を呼ぶため執務室に入っている。犯行はその時行われた」というもの。
これに対し御剣は、冥から直接証言を求め、そこに見えた小さな違和感から推理を組み立てていく。
窓辺のプランターから引きぬかれたトケイソウの支柱、壁に飾られたボウガン、そして天井のファン……
まず、ボウガンで「長いワイヤーの両端を結んだ支柱」を打ち出し、ババル側にいた共犯者のシーナに受け取らせる。
ババル側でワイヤーの端を結んで円を作り、それを天井のファンに引っ掛けてベルトコンベアのように
両国のダイカイ像を運んで交換した。これが「空をとぶ影」の正体だったのだ。
そして御剣は告発する。この仕掛けは大使館の内部に精通した人物でなければ思いつけない。
犯人はアレバストの執務室にいた、大使館のベテラン。つまりカーネイジ大使しかありえない!
疑問点があるとすれば、なぜ彼はアレバストの「本物のダイカイ像」を放出して、ババルの偽ダイカイ像を求めたのか。
それは偽ダイカイ像を調べればすぐ明らかになった。中空になった像の中に、偽札の原盤が隠されていたのだ。
カーネイジ大使こそ、この大使館に潜んでいた密輸組織の首領だったのだ。
だが、カーネイジは大胆にもしらを切り通す。自分が密輸組織の人間だという証拠はない、と。
ここで御剣は決断を迫られる。馬堂が残した証拠品を使うべきだろうか?
これが密輸組織の首領を脅かす品なのは間違いない。だが、これは違法なやり方で確保された証拠品なのだ。
法の番人として、違法な証拠品を使うべきなのか。それとも、違法な証拠品でも真相に迫れるなら活用すべきか。
悩んだ結果、法の限界も人の信念によって超えられると信じ、御剣は馬堂の遺した証拠品を取り出す。
ビデオテープは、KG-8号事件の現場となったマンション入口の防犯カメラの映像。
そこには、組織の指令書を持ってマンションに入るマニィと、彼が乗って来たコードピアの公用車が映っていた。
その映像を拡大すると、公用車に載っていたのがカーネイジであることも明らかになったのである。
この証拠によって、KG-8号事件、そして密輸組織との関連を決定的に突き付けられたカーネイジは
それまでの腰が曲がった弱々しい姿から一転、反り返った尊大な姿勢に変わる。
だがその直後、彼はあっさりと自首を宣言。逮捕して締め上げようとして、御剣たちははたと気づく。
事件現場は大使館の敷地内。そして彼は現役の大使。二重の「治外法権」により、彼は日本の法では裁かれない。
故郷アレバストの法廷に送られ……そして、組織と癒着した法廷によって無罪判決を得るだろう。
これがかつて一条や馬堂を絶望させた「法廷で裁けぬ犯罪者」の正体だったのだ。
愕然とする御剣たちに、カーネイジは大使館からの退去を命じた。



51 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」5/6:2013/09/02(月) 22:25:34.14 ID:Y3koqLB10
カーネイジを取り逃し、大使館からも去らねばならぬ御剣たち。しかし美雲はまだ諦めない。
なぜカーネイジは即時退去を命じてきたのか?それは、知られてはまずいことがまだあるからだ。
美雲のこの指摘によって、御剣はふたたび立ち上がる。
まず劇場内を調べたところ、正門前に飾られたトノサマンと大使たちの集合写真の中で
カーネイジの持っていた花束の中に、マニィ殺害の凶器である花の紋入りアレバストナイフが紛れていることに気づく。
密輸組織の仲間だったマニィとカーネイジが仲たがいし、カーネイジがマニィを殺害。
密輸に関する証拠をすべて死んだマニィに押し付けて逃げる計画を立てた……
両国の大使館に分かれて働いていた2人が会い、殺人事件が起きたのは、実はこの中立劇場ではないか?
だとすれば、カーネイジを守る二重の治外法権のひとつが消える!
御剣は冥から、劇場と大使館を繋ぐ通路の監視カメラ映像を受け取り、人の出入りをチェックする。
不自然なことに、マニィがババル大使館に入った映像がない。やはりこの事件にはまだ裏がある。
そのとき、カーネイジが劇場に現れた。故国の警察に出頭するため帰国するというのだ。
だがそれこそは彼が逃げ延びるための手段。なんとしても引き止めねばならない。
駆けつけたダミアン大使が、同じ大使としての立場から証言を要求し
美雲は、父の形見である捜査メモをちらつかせて彼に証言を強要する。
だが、それだけの手札を動員しても、大使として治外法権に守られているカーネイジには届かない。
万事休すかと思われたその時、席を外していた狼捜査官が再び乗り込んできた。
彼が突きつけたのは、カーネイジを大使の職から解任するというアレバスト本国からの緊急人事。
狼は、名門としての狼家のコネクションをフル動員してアレバストに圧力をかけ、この決定を引き出したのだ。
盾を失ったカーネイジとの対決が始まる。御剣は、トノサマンの小道具である手押し車を示して
劇場でマニィを殺したカーネイジが死体を舞台用の手押し車に詰め、何も知らない矢張に運ばせることで
マニィの死体をアレバスト大使館へ隠したことを暴く。……だが、そこから死体をババル大使館へ運ぶ方法が分からない。
ここで手詰まりなのか?そのとき飛び込んできたのは、トノサマンとヒメサマン、すなわち
矢張とオバチャンのお騒がせコンビであった。あきらかに状況を分かっていない2人だったが
アレバストでなくしたぬいぐるみが、なぜかババルでびしょぬれになって発見されたという矢張の話を聞いて
御剣はついに、死体をアレバストからババルへ運ぶトリックの正体を見抜く。
建物の他の部分同様、中庭の池も両大使館で左右対称になっており、2つの池が地下でつながっていた。
まずババルにいた共犯者の葛が火事を起こす。消火のため、貯水槽でもある池から水が抜かれる。
その際カーネイジはアレバストの池に死体入りの手押し車を浮かべ、ババルの葛は自ら池に入る。
貯水槽の水が抜かれることで自然と水位は下がり、両者は池の底に到達する。
そこで葛は手押し車をババル側に運ぶ。やがて貯水槽に水が足され、葛と死体はババルの地上に上がることができる。
これが、死体をババル大使館へ「密輸」した謎の答だったのだ。


死体移動のトリックを暴かれてなお白を切るカーネイジを決定的に追い詰めるため
論戦の主題は「殺人の瞬間のアリバイ」に移っていく。
劇場ではトノサマンショーを見ていて、席を外す時間はなかったというのがカーネイジの主張だが
そこに割って入った矢張のお喋りから、カーネイジが「劇中で使われなかった必殺技」の名前を口にしたことが判明する。
スタッフ以外がそれを知る方法は、劇場控え室のホワイトボードを見ることだけ。
やはりカーネイジはショー上演中に席を抜け出し、控え室に入り込んでいたのだ。
死体移動に小道具の手押し車が使われていたことといい、もしや控え室こそ殺人現場だったのでは?
だが、ここまで来てなおカーネイジは罪を認めない。控え室で殺人が行われた証拠も
そこに自分が居合わせた証拠もない、と言い張るのだ。
確かに、控え室もすでに狼の部下たちが捜査を済ませているが、特に変わったものは発見されていない。
極限までカーネイジを追い詰めながら、最後の詰めに至る証拠が存在しないことになってしまう……。



52 :逆転検事 第5話「燃え上がる逆転」6/6:2013/09/02(月) 22:27:14.60 ID:Y3koqLB10
緊迫した場の空気を断ち切ったのは、全く状況が分かっていないオバチャンだった。
彼女が差し入れとして出したのは、彼女曰く「すぺしゃる」な銘菓「とのさまんじゅう」。本来なら包みに描かれた扇が
ただの丸印のはずなのに「日の丸」になっているという代物だという。
それを見て、御剣ははっと気づく。この赤い丸は血痕だ。もとは控え室に置かれていたはずのまんじゅうに
血が付いていたとすると、これはそこで殺人が行われた証拠になるのではないか?
さっそく包み紙が鑑識に回される。しかし、それを見てもカーネイジは動じない。
それが被害者の血痕だったとしても、自分が殺人現場に居合わせた証拠にはならない、と言うのだ。
ところが鑑識からは「これは血痕だが、血液型がマニィとは一致しない」との報告が返ってくる。
これでは何の証拠にもならない……と思いきや御剣は、彼の「ライバル」のような逆転の発想に至る。
殺人現場に会った血痕が被害者のものではない。ならば「誰の血痕ならありうるのか」?
そう、答えは「加害者の血痕」。カーネイジがマニィを殺す際、反撃を受けて傷を追った証拠だ。
御剣はさらに一歩踏み込み、マニィが使った凶器が「ヤタガラスの鍵」であると指摘する。
密輸の罪をマニィに全て押し付けるため、カーネイジは密輸金庫の鍵を隠すわけにいかなかったのだ。
「殺人現場で、被害者と流血沙汰を起こしていた」ことまで証明されては、さすがのカーネイジも逃げられない。
ついにカーネイジは力尽き、殺人事件の容疑者として逮捕された。


こうして、密輸組織と怪盗ヤタガラスをめぐる一連の事件は終結した。
組織の首領であるカーネイジが逮捕されたことで、密輸と偽札に関する捜査は大いに前進している。
一方、父親の仇を討った美雲だが、大泥棒ヤタガラスの名を返上するつもりはないらしい。
だが、「真実」を盗むヤタガラスが活躍するのは、真実が隠されようとするときだけ。
法の番人が勤めを果たし、真実が明らかになっていればヤタガラスが盗みを行う必要もないのだ。
美雲の期待に答えるべく、御剣はこれからも法の力、そして法を運用する人の力を信じて
真実を追い求めていくことを誓うのであった。
 


127 :ゲーム好き名無しさん:2013/10/07(月) 23:18:05.29 ID:bPOxqO2T0
「逆転検事」にちょっとだけ補足。
第5話で狼が冥を犯人と告発するシーンがありますが、
後にこれは演技だったと判明します。
カーネイジが強引に捜査を打ち切りにしようとしてきたので
捜査を続行させ証拠を集めるために、わざと冥を告発する芝居をうったわけです。
カーネイジは「これで冥が犯人になれば好都合」だと思い、捜査の許可を出した。
それが狼の狙い通りとも知らずに。






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