桃太郎奇伝

桃太郎奇伝

part67-17~23


17 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:08:24.34 ID:ySYLDFdM0
コミックメーカーで作られたフリーRPG『桃太郎奇伝』行きます。
プレイしたのが随分前な上にセーブデータがなくなっていたので
オープニング以外はかなり適当ですがご了承ください。
あと、ゲーム自体のオープニングが昔話がかっている影響で
このまとめもオープニングの項目だけ昔話風になっちゃってます。

『オープニング』

むかーしむかし、ある山奥におじいさんが一人で住んでいました。
おじいさんが川へ洗濯に行くと、どんぶらこっこ、どんぶらこっこと、
桃(のような形をした機械)が流れてきました。
おじいさんはそれを持ち帰って早速食べようとすると、
なんと中から赤ちゃんが出てきたではありませんか。
ですが、その赤ちゃんは五体満足ではありませんでした。
両手も両足も、目も口も耳も鼻も無い、無残な姿だったのです。
「なんと可愛そうに!助けられる命なら助けてあげたい。
私は医者だ、なんとしてでも助けてみせる!」

こうして赤ん坊は医者のおじいさんに助けられ、すくすくと成長しました。
体は不自由なままでしたが、
手足の部分には竹の棒を付けて、顔は布袋をかぶせる事で、
近くに遊びに行ったり近所の女の子と遊んだりといった
ある程度の行動は取れるようになっており、
それなりに満足していました。この男の子がゲームの主人公です。

ある日、いつもどおりに主人公が川辺で遊んでいると、
いきなり近くの林から怪我をしたお侍さんが出てきました。
そしてそのお侍さんを追いかけてくる忍者のような男も出てきました。
主人公は遊びで掘っておいた落とし穴に忍者を落とすと、
医者であるおじいさんに診てもらおうと家にお侍さんを連れて行きました。

お侍さんは明智光秀と名乗りました、あの有名な、織田信長の家臣です。
明智光秀は、織田信長の過去について話をしました。
織田信長はある日空から落ちてきたUFOに乗っていた
典型的リトルグレイな宇宙人と交渉し、
宇宙人の技術力を得る代わりに人体実験のための人間を提供したのです。
その際「なんだったら俺の息子の手足や目鼻を取ってしまってもいいぞ!」
と言ったために織田信長の息子は本当に手足や目や鼻などを失った挙句、
桃の形の機械に入れられ川に捨てられてしまったのです。
そんな織田信長を見ていた明智光秀は不信感を募らせていたのですが、
最近になって人間を殺人サイボーグに改造するという計画を知り、
そんな事には手を貸せないと思った明智光秀は、
殺人サイボーグの設計図を奪って逃げたのだと言います。
先ほどの忍者は織田信長から差し向けられた追っ手だったのでしょう。
 
18 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:08:55.16 ID:ySYLDFdM0
以上の話を聞いたおじいさんは、
昔拾った主人公が織田信長の息子かも知れないと考え、
その部分だけを省いて主人公に伝えた後、こう提案しました。
「なあ主人公や、自由に動かせる手足や顔が欲しいかね?」
「もちろん」
「よし、ならば怪我の治療の対価としてこの設計図を貰い、
これを使って主人公をサイボーグに改造しよう!」
「そんな、一切使われる事の無い様に盗んできたのに!」
「もう決めたもんねー。それに、殺人サイボーグの体とはいえ、
要はその力の使い方次第なのじゃよ」

こうして主人公をサイボーグに改造したおじいさんは、
手術後の体力回復のために主人公を治療カプセルに入れ、
目覚めを待つ事にしました。
そこに、先ほどの明智光秀を殺そうとした忍者が現れます。
二人が対峙している所に、主人公の友達の女の子が遊びに来て、
戦闘ロボットに変身した忍者を見て「へんなかおー」と無邪気に笑うと、
忍者は、単に邪魔者を消そうとしたのか、それとも笑われて怒ったのか、
光線銃を女の子に向けて撃ち、
無残にも女の子の顔面を爆破させてしまったのです。
(この爆破の後、「あなたは18歳以上ですか?」と
ナレーションに聞かれる。いわゆる『遅すぎた警告』みたいなもの)
そして忍者が今度こそ明智光秀を殺そうとしたその時、
治療カプセルからサイボーグの体となった主人公が出てきました。
そして奥歯に仕込んだ加速装置を使って高速の攻撃を繰り出し、
忍者を倒す事に成功したのです。
女の子は最期に主人公に別れの言葉を言うと、こと切れてしまいました。
(さっき頭が破裂していたはずなのに、その時は瀕死だが頭は元通り。
昔の漫画やアニメでは物語上の矛盾が多かったのを真似たのかも)

その後、主人公は女の子の敵をとるため、
そして日本を救うために織田信長を倒すべく旅立つ事にしました。
こうして主人公の冒険は始まったのです。
 
19 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:09:50.27 ID:ySYLDFdM0
(本編)
こうして打倒織田信長のために、
ドラクエ1のアレフガルドような形をした日本を旅する事にした主人公。
まずは自宅のすぐ近くにある脳天寺というお寺を訪ねることにした。
すると、お坊さんなのにウェーブがかったロンゲで口癖が『フッ…』という
典型的二枚目キャラなイケメン『脳天和尚』が出迎えてくれる。
主人公が旅の目的を正直に言うと、織田信長を倒すのを手伝いたいと、
脳天和尚が旅に同行してくれる事になった。
(ちなみにゲーム上での扱いは、普通のRPGみたいに
戦闘時にパーティーの一員として主人公と共に敵と対峙するのではなく、
MPに相当するチョコレートを使う事で主人公の変わりに魔法攻撃するという、
主人公の攻撃技の一つのような扱いになる)

ドラクエ1のアレフガルドのような形の日本を旅するという事は、
出発地点を少し北に進んだ所から西と東へ行く道があるという事だが、、
東の方に行くと「ええじゃないか、ええじゃないか~!」と踊っている人々が、
道を埋め尽くすほどに大量にいた。これでは人が邪魔で先に進めない。
という事で、先に西の方を旅することにした主人公。

甲斐へ行くと、あの武田信玄の跡継ぎ、武田勝頼に会うことができた。
甲斐は以前に信長に、あの長篠の戦いで火縄銃三段撃ちどころか
宇宙人から貰い受けた光線銃によって一方的に武田騎馬軍団を壊滅させられ
それ以来鉄砲に力を入れているようで、勝頼自身も鉄砲の名手となっていた。
「打倒織田信長に力を貸そう。この振込み用銀行カードを渡すから、
狙撃が必要な時はそれを使ってチョコレートを振り込んでくれ。
そうすれば俺が狙撃しよう」
こうして主人公は勝頼の助力を得る事が出来た。
(戦闘中にそのカードを使ってMPに値するチョコレートを消費すると、
まず『新聞にG13型トラクターに関する広告が掲載される』
『ラジオで賛美歌十三番が流れる』『とある銘柄の株が暴騰』
『カジノでジャックポット発生』『人工衛星が13の破片に分かれて落下』
といった、どこかで聞いた事のあるイベントが発生し、
それによって勝頼が狙撃の依頼を察知して主人公のために敵を狙撃する、
という流れが、たった1戦闘ターンの間に起きる。
つまりは脳天和尚と同じ、MPを使っての攻撃魔法のようなもの)

京の都へ行くと、女天皇を初めとした京の都のあらゆる人と話が通じないと気づく。
主人公はその理由が分からないが、旅の仲間の脳天和尚がその理由に気づく。
「しまった、信長は情報規制によって京の人々に
京言葉以外の言葉を話せないようにしたのだ!」
主人公達は京言葉を解読するための石版を発見し、京言葉を理解できるようになった。
すると女天皇は「あ、あなたに感謝なんてしてないんだからね!」
とか言っちゃうツンデレっ子だと判明する。
ともかく、女天皇も主人公に協力し、必要な情報を教えてくれる事になった。
 
20 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:10:20.88 ID:ySYLDFdM0
その後、「安徳天皇にもう一度会いたい」と言いながら砂漠を放浪する
女形アンドロイドであるかぐや姫に、
海の怪物と化した安徳天皇を倒して手に入れた形見か何かを渡す事で
安徳天皇と再び会えたと安堵させて機能を停止させる事で
砂漠に隠された電波搭を見えるようにし、
電波塔の頂上まで登り電波を停止させる事で、
ええじゃないか~と踊りながら道を塞ぐ人々を正気に戻し、
日本の東側を探索できるようになった。

日本の東側の、とある地方へ行くと、そこの民衆はみんな飢えてやせ細っていた。
彼らは言う。
「ここの領主様、本田忠勝様は心の優しいお方だ。
年貢を、秋だけ100%にして、他の季節は0%にしてくれるんだ」
「あんた、それ騙されてるよ!」
と思わずツッコミを入れる主人公だった。
秋にだけ収穫がある農民にとって、秋だけ年貢100%は、
全収入を年貢として奪われる事に等しい。
農民を騙し私腹を肥やす本田忠勝に怒りを覚えた主人公は城へ乗り込む。
そして学生服を着た中高校生のような姿をした本田忠勝と対峙した主人公は、
以前にも会った事がある相手だと気づく。
ゲーム序盤から移動中のランダムイベントで時々この男と会い、その度に
「私は金が有り余ってるブルジョワだ。金をやるから殴らせてくれないか?」
と言ってきて、承諾すると殴られてHPが減るのと引き換えにお金をくれたのだ。
その有り余るお金というのは、この地方の農民達から騙し取ったものなのだろう。
「キミィ、この地方の田畑や財産は私のものなのだよ」
と驕る本田忠勝に対し
「違う!田畑は、財産は、みんなのものだ!」
と言い返して勝負を挑む主人公。
なんとか勝った主人公は、本田忠勝を城から追い出し、この地方に平和を取り戻した。
農民の話によると、その後本田忠勝は一切の財産を農民達に取り返されて無一文になり
ハローワークで仕事を探しているらしい。
 
21 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:10:51.29 ID:ySYLDFdM0
また別の地方に行くと、そこでは庶民が領主である前田利家の命令によって
強制的に機械の体(というかガンダムのザクのような体)にされていて、
人間の体に戻りたいと嘆いていた。
そんな酷い事をしている奴は許せないと城へ乗り込む主人公。
城の最深部へ行くと、そこには見慣れた女の子の姿があった。
この、キューティーハニーのような姿をした女の子の名前はリカちゃん。
移動中のランダムイベントで時々出会い、現実でも役立つ手軽な体の鍛え方を教えてくれる子だ。
「やあリカちゃん、僕は領主をやっつけるためにここまで来たんだ、彼はどこだい?」
「それなら私のことよ」
「いや、僕が探してるのは前田利家なんだけど?」
「だから私が前田利家よ。利家と書いてリカって読むの」
「なんじゃそりゃ!」
意外な展開に驚いたものの、みんなを救うためにリカちゃんと戦う事にした主人公。
リカちゃんを倒すと、そこへ一人のニヤけた顔の遊び人風の男が来た。
主人公はこの男にも見覚えがあった。
移動中のランダムイベントで時々遭遇し、恋愛に関する昔の偉人の格言を教えてくれた人だ。
彼の名前は前田慶次。天下一の傾き者である、リカちゃんこと前田利家の友だ。
「よう、利家を倒すなんてなかなかやるじゃないか。俺とも戦ってくれよ」
いきなりの2連戦に苦戦しつつもなんとか倒すと、
なんと前田慶次はゲッターロボそのものとしか言い様がないロボットに変身し
「まさか自分だけが強いと思ってるんじゃないだろうね?」
と言いながら再び襲い掛かってくるが、主人公はなんとか3連戦を制する。
主人公に破れ、元のニヤケ顔の人間の姿に戻った前田慶次は言う。
「いやあ、まいったまいった、アンタ本当に強いねえ。
なあ利家、こいつが織田信長を倒してくれる事に賭けてみようじゃないか、
そして、領地の機械の体にしてしまった人たちを元に戻そうぜ」
前田利家はその説得を受け、民衆の体を元通りにするのであった。

本田忠勝が主人公に負け領地を失い、
前田利家と前田慶次は裏切って主人公側についた、
という知らせを受けた織田信長は激怒し、
忍者の長である老人に主人公を倒すことを命令し、その長も承諾した。
その事を知った主人公は、長が洞窟で待ち構えてると知り乗り込む。
だが、その長も実は主人公が織田信長を倒すことに期待していたのだ。
「もしお主が破壊のための破壊をするような奴だったら命に代えても倒すつもりだった。
だがお主は、みんなの笑顔を守るために戦っているようだな!」
そういうと長は、蛇腹剣(ソウルキャリバーシリーズのアイヴィーが使っているような剣)を、
主人公に渡した。これを織田信長の住む城がある島の東側から伸ばしてその上を渡れば、
織田信長の下にたどり着けるのだ。早い話がドラクエ1の虹のしずくの変わりである。
 
22 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:11:50.63 ID:ySYLDFdM0
織田信長の城は意外な事に以前のボスの城と大差なく、簡単に織田信長に会えた。
「よくぞ来たな主人公。ところで、お前の出生の秘密について知りたくは無いか?
実はお前はだな…」
「ようやく会えたな織田信長!勝負だ!とおっ!」
「ぐおっ!待て、まずは話を聞け。お前は私のだな…」
「覚悟しろ織田信長!とりゃあっ!」
「ぐはあっ!ええい、もういい!勝負だ主人公!」
さすがは織田信長なだけあって、
『すれ違いざまに互いに一閃してしばらくしてから主人公が傷を押さえてうずくまる』
という時代劇風な必殺技を使ってきたりしたが、なんとか主人公は勝利した。

そこへ唐突に、巨大な青白い女性が来て、こう言ってきた。
「私は地球意志。この地球は汚れすぎました。よって一度浄化します!」
その言葉に驚いていると、以前から時々マップ上のランダムイベントで会った、
天使の羽を生やした女の子『天人』が来て、「やめてくださいお母様!」と叫ぶ。
地球意思を名乗る女性ははるか上空へ行ってしまったので、
主人公は空を飛べる天人に上空まで連れて行ってもらった。
こうして始まった最後の決戦。
地球意思は『地球を脇にかかえてどつく』という地球規模でのダメージを与えてきたりと
無茶苦茶な強さを誇るが、主人公は全力を振り絞って戦い、勝利した。そして…

(バッドエンド)
敗北した地球意思は爆発し、主人公はそれに巻き込まれてしまった。
しばらくして主人公が目を覚ますと、そこには荒れ果てた荒野と赤い空が、
見渡す限り広がっていた。
「まさかここは、数十億年後の地球なのか!?」
こうして生物が一切いない数十億年後の地球で一人ぼっちになってしまった主人公。
ただ救いがあるとしたら、こうして地球が残っていたということは、
主人公が助けたかった日本のみんなは戦いの後も生き残ったと考えられるという事だろう。
ナレーター役の黒子いわく
「とはいえ、これはどう見てもバッドエンド。
幸せな結末を迎えたかったら、天人と仲良くする事ですな」
 
23 :桃太郎奇伝:2014/01/21(火) 23:20:38.84 ID:ySYLDFdM0
(天人の3択問題)
天人はマップ上で出会うたびに3択問題を出し、
基本的には善良な回答をすれば気に入ってくれて友好度が上がる。その問題は、
Q:あなたは渋滞に巻き込まれました。どうしますか?
1:クラクションを鳴らしまくる
2:イラついてハンドルを殴る
3:こんな事もあるさと気楽に待つ
といった普通に道徳的な問題、
Q:あなたは芸術に目覚めました。何をしますか?
1:絵を描く
2:彫刻を彫る
3:爆発する
という有名人ネタ、
Q:おばあさんが横断歩道を渡ろうとしてますが車が多く荷物も重そうです。
1:everything助ける
2:同じ道を通るなら助ける
3:報酬をもらえるなら助ける
というどこかで見た事のある問題など、いろいろあります。
(ちなみに最後の問題の元ネタは、
ウィザードリィ1の善・中立・悪という性格がどのようなものかという一例)

(グッドエンド)
こういった問題に上手に答えて天人との友好度を高めていた場合は、
地球意思が爆発する時に、近くに待機していた天人が主人公を助けてくれて、
無事に地上に戻ることができる。
織田信長と地球意思を倒した後の日本は平和になったようだ。
おじいさんや武田勝頼や女天皇は主人公に感謝しながら帰りを待っている。
前田利家と前田慶次は主人公と再び戦うのを楽しみにしつつ諸国を旅していた。
本田忠勝は、農民にこき使われてヒイヒイ言いながら畑を耕している。
その頃主人公と天人は旅を続け、途中でとある村へ寄っていた。
「すいません、僕達は旅の者です。仕事を何でも手伝いますから、
しばらくこの村に置いてもらえませんか?」
「ほんだったら、若いようだし、畑仕事を手伝ってもらおうかの」
「主人公さん、この村の人たちは優しくてよかったですね」
「そうだね、天人…」

END


以上です。元々RPGを作るようには出来ていないコミックメーカーを使って、
ネット上での素材に頼らず自身でグラフィックを書き上げ、
親族にキャラクターボイスを当ててもらい、
石ノ森章太郎や手塚治虫などの昔の漫画のネタを随所にちりばめるという、
決して洗練されてはいないが独特の手作り感があるこのゲームは
最近のフリーゲームには無い持ち味を持っています。
一風変わったRPGを楽しみたいならばプレイしてみてはいかがでしょうか?
 
 
25 :ゲーム好き名無しさん:2014/01/22(水) 04:27:26.56 ID:kGvEvhbT0
桃太郎奇伝の人乙

何となくDグレやシャイニングフォース髣髴とさせる部分があるけど
それも大御所の元ネタがあるんかねぇ?
 
27 :ゲーム好き名無しさん:2014/01/22(水) 20:56:04.79 ID:+19SDXOK0
>>25
Dグレもシャイニングフォースも知らないので分かりかねますが、
主人公の必殺技に『仮面ライダー達の遺影を身に着けてそれらの力を借りたライダーキックを放つ』という、
平成仮面ライダーのカード要素を不謹慎気味にパロるという技があるのを考えると
昔の作品にしか興味が無いわけでもなさそうだし、元ネタが大御所とは限らないですね。
最終更新:2014年01月30日 12:58