レムレスブルーの午前2時

レムレスブルーの午前2時

part68-420~431


420 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 22:41:50.64 ID:QPWp67lK0
    主人公達が通っているのは中高一貫の男子校で舞台設定は近未来の北海道。
    七月でも遅咲きの桜が咲いている。


    〇アオイ
    本編の主人公。
    青を基調とした見た目、主人公らしく明るいがあざとく毒舌な面もある。
    幽霊が見える体質らしい、中学三年生。


    〇ヒナタ
    真夜中の午前2時に現れた少年。
    白髪とその雰囲気からまるで幽霊のような見た目だが本人はいたってフレンドリー。
    『アカネ』を執着し、探している。


    〇イツキ
    七月という微妙な時期にアオイの通う学校にやってきた赤毛にピアスを付けた謎の転校生。
    本業は『アイドル探偵』を名乗っておりナルシスト。
    中学二年生。


    〇サクラ
    緑髪に眼鏡をかけたアオイと同じ寮にすむ先輩。
    今でこそ真面目そうな見た目だが中学時代は荒れていた。
    アオイとは過去からの知り合いであり、常に心配し気にかけている。
    高校二年生。


    〇アカネ
    スポーツ、勉強、芸術と何でもできる天才であるがゆえ周りの人間からは恐れられていた。
    七月の半ばに行方不明となり見つかっていない。
    彼の少年期の姿が幻影としてアオイを苦しめる。


    【プロローグ】
    親愛なる葵へ


    突然の便りに 君は驚いているかもしれません
    これを 君が読んでいるということは
    もう僕はこの世にはいないということです
    約束を守ってくれてありがとう
    縛りつけてごめんなさい
    もう僕のことは心配しなくていいから
    君が自分らしくいられる世界をつくりあげて
    それが僕の最後の願いです
    今まで沢山嘘をついてきたけれど
    最後だけほんとのことを教えてあげます
    僕は葵のことが好きでした
    さようなら


    アカネより


421 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 22:45:08.09 ID:QPWp67lK0
    【共通ルート】
    7月の半ば、『アカネ』が消えた


    アオイは午前2時に学校にある桜の木の下で幽霊のような不思議な少年、ヒナタに出会う。
    夜に密会と通じて親しくなって行く二人。


    今日は図書館で遊ぼうと校内に二人は向かうが途中でヒナタが消えてしまう。
    仕方なく一人で図書館に行くアオイ。
    その後音楽室に行くと、消えていたはずのヒナタがもの惜しげそうにピアノを見ていた。
    その場でヒナタに『アカネ』を探していると告げられる。
    アオイは『アカネ』は今は帰省期間で実家に帰っているというと答えた。


    その後一人になったアオイに少年期の『アカネ』の幻影が現れ、既に『アカネ』は故人なのに嘘をついたことを咎める。


    再び図書館に行くアオイ。
    そこで見つけたセピア色になり古びた卒業アルバムを開いてみると……
    そこにはヒナタに瓜二つの少年の写真が載っていた。


    分岐
    【ヒナタルート】
    死体が埋まっているとの噂の桜の下を掘るとそこには棺桶に入ったアオイの死体があった。
    その横にはアオイがいてもう一度自己紹介をする。
    「僕の名前は青井(アオイ)アカネ
    正真正銘の幽霊なんだ」
    ここで他2人のルートをクリアしないと続きの章が開かない。


    〇アオイとアカネは同一人物。
    〇幽霊なのはアオイだった。


422 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 22:51:30.78 ID:QPWp67lK0
    【イツキルート】
    ストーリーにおける『探偵』の役割。
    アオイの通う学校に転向してきたのは『ある人物』に『レムレスブルー』の秘密を暴く事を依頼されたから。
    警察に言わない、余計なことをしないとの条件付で。
    メインルートから出会う度辻褄の合わない言動を見せていたが実はイツキは双子だったことが発覚。
    兄の直太郎と弟の真之助(両者の違いはピアスの位置がわかりやすい)兄はアイドル、弟はマネージャーとして二人はいつも一緒に行動していた。


    (I)探索ルート(一周目強制)
    アオイの死がレムレスブルーとの因縁にあると突き止めたイツキ。
    ーー桜の木の下には死体が埋まっている。
    掘ってみるとそこにはアオイの死体があった。
    ここで『ある人物』であり依頼主のサクラが登場。
    約束を破られ怒っている。
    暗転。


    (II)アイドルルート
    隣にいる筈の弟が一時的に見えなくなっていた兄の方のイツキ、直太郎。
    弟の方のイツキ、真之助も幽霊だったのだ。
    ーー双子が子供の頃、イツキの父親は愛人を作って家を出て行ってしまった。
    そんな父親に瓜二つな双子。
    イツキの母は諦めきれない愛情を兄に向け、憎しみを弟に向けた。
    弟の方が優れているのにも関わらず、自分だけアイドルになるなど優遇されることに疑問を感じていたが……
    突然弟が交通事故で死んでしまう。


    探偵業とアイドルの掛け持ちで多忙を極めているイツキ兄。
    ロケ中に吐血し、倒れてしまう。
    メディアで大々的に放映され、再び弟の姿が見えなくなったことにより精神が崩壊してしまった。
    心配しイツキ兄の元を訪れるアオイ。
    イツキ兄はそのアオイを連れてある場所へと向かった。
    そこはイツキ達が子供の頃に住んでいたアパート。
    弟が見えなくなり一人の夜は初めてだから一緒に寝てくれというイツキ兄。
    二人は眠りについた。


423 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 22:52:54.38 ID:QPWp67lK0
    放送事故以降人前に出ることに恐怖を感じ、学校に戻った後も弟に依存し続けるイツキ兄。
    もう一度会いたいと願った時、目の前には弟がいた。
    「ーーイツキなら できるよ」
    その声が聞こえ 気がついた時には屋上の真ん中で倒れていた。


    アイドルとしてまた一から始め直す決意をしたイツキ。
    アオイに付き添ってもらい、いざ街に出てみるが不安が彼を襲う。
    公園のベンチに腰をかけるとアイドル探偵のファンだという男の子に話しかけられた。
    将来の夢は探偵だと語ったくれたその姿が弟と重なってしまう。
    男の子が公園を出て道路に出たところをスピードを出したままの車が突進してくる。
    弟の事故を思い出した彼はその瞬間道路に飛び出していた。
    警告の鳴るような痛みの中でも弟の分まで生きると決意した彼はこんな所では死ねなかった。


    目が覚めるとそこは病院のベッドの上。
    イツキは重傷の中生きていた。
    事務所の社長などが心配そうに見守る中、更生したイツキの母親もその中にいた。
    事故以降自信を無くしていた彼のもとには心配するファンからの沢山の手紙が……
    皆がイツキの帰りを待っていたのだ。


    ついにアオイの姿も見えなくなった。
    アオイを含め全ての霊が見えなくなったこと。
    これは弟への依存から卒業し、精神的に大人になったということである。
    彼の人生は再び開始する。


    〇イツキが探偵も兼業しているのは真之助の将来の夢だったから。


424 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 22:58:13.96 ID:QPWp67lK0
    【サクラルート】
    『アオイが死ぬまでの過去を語る人物』
    二年前の春。
    佐久良財閥の三男坊のサクラは父から優秀な二人の兄に比べられることでやさぐれてしまっていた。
    人生に失望し、学校の屋上から飛び降りようとしたところを青井アカネに友達になろうと声をかけられる。
    心を震わせるようなピアノを演奏したり、度々天才的な一面を見せるアカネ。
    行動を共にするうちに同性にも関わらず惹かれていってしまうサクラ。


    ある日からアカネは目的を告げずにブルーベリーを一日一粒サクラ食べさせるようになる。
    「レムレスブルーって知ってる?」
    アオイ曰く不老不死、生き返りの薬。
    青井家に伝わる存在らしい。
    それだけ言うとアオイは話をはぐらかせた。
    その後サクラはレムレスブルーの正体のヒントを紙に書いたものを受け取る。
    『アオイのハートを手に入れて』
    ただのアオイの惚気だった。
    その後アカネから大切な時以外に開けるなとの条件付きで『レムレスブルー』の入った袋を渡される。(※これからの重要な伏線)


    桜も散り、父に認められたくて少しずつ変わりつつあった冬のこと。
    久しぶりに会ったアカネのその姿は怪我をしてボロボロだった。
    天才であることを気味悪がったクラスメイトからイジメを受けていたのだ。
    アカネを守ろうと返り討ちにしたサクラだったがそれによって停学処分になってしまう。
    このショックでアカネはピアノが弾けなくなってしまった。


    才能の比喩である『アカネ』と呼ばれるのを嫌がるアオイはサクラに『アオイ』と呼んで欲しいという。
    なんだか恥ずかしいが了諾、そして恋愛感情にけじめをつけたサクラ。
    これからはあくまでも先輩と後輩として、お互いを先輩、アオイを呼び距離を置くことになった。


    再び春が来てサクラは高校生になった。
    そんなある日、来客があるので明日だけ一緒にいてほしいと言うアオイ。
    だが父から手紙で呼び出され、実家に帰らなくてはならないサクラは断った。
    心の底でやっと認められたかもしれないという期待を持ちながら。
    しかし実家に帰るなり父から失せろと言われてしまう。
    手紙の差出人はサクラを心配した使用人によるものだったのだ。
    当の父はサクラを拒絶した。


425 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:00:43.17 ID:QPWp67lK0
    寮に帰るとそこには血まみれのアオイとその父親の死体があった。
    今まで酷い事を受けてきて許せなかった、しかし僕はそれ以上に最低な人間になってしまったと言うアオイ。
    そのまま眠ってしまうサクラ(眠らされた訳ではなくショックのせい?)
    再び目覚めた時にはアオイは自殺してしまっていた。
    動揺するサクラだったが、生き返りの噂『レムレスブルー』を思い出し、アオイから貰った袋を開けるとそこにはあのブルーベリーが……手で渡そうとするとするが上手くいかず、口渡しをする。
    アオイとの先輩後輩の一線を超え、罪悪感に包まれるサクラ。
    結局アオイは生き返らなかった。
    その後アオイの父親の死体を自分の部屋に隠し、自分で棺を作り、血を拭き取り綺麗にしたアオイを桜の木の下に埋めた。
    また彼もアオイのいない世界なんて意味が無いと、その木で首吊り自殺をした。


    二人は消えずに幽霊になった。
    ものを何となく触ったり食べることはできるが、形状を変えることは出来ない。
    死にきれないこの体を『レムレスブルー』の呪いだとサクラは解釈した。
    ここで共通ルートと同じ時間軸に追いつく。


    桜の木の下でアオイと密会をするヒナタに対し隠してきた感情、嫉妬の念で敵対心を燃やすサクラ。
    誰にも邪魔されず、ずっとアオイの傍にいたいと願うサクラはアオイを部屋に閉じ込める。
    俺がこうして死ねないのもアオイが食べさせ続けた『レムレスブルー』のせいだから責任を取れと責めるがアオイは否定した。
    ーー死ねないのはサクラがこの世に未練があるからだ、と言うアオイ。
    サクラの未練はアオイと楽しく生きたかったということ。


    そしてアオイはサクラに手紙を渡す。
    信愛なる葵……から始まるその内容はプロローグで流れたあの手紙だった。
    サクラの本名は佐久良 葵、 アオイの未練はサクラへの気持ち。
    二人は両想いだったのだ。そしてこの世に未練の無くなった二人の体は消えていく。
    「俺は今、とっても幸せだよ」
    真夜中の午前2時、二人の幽霊は一生の眠りについた。


    〇プロローグはアオイとアカネが別人と思わせるミスリード。
    〇佐久良財閥のサクラは名字。
    〇アカネにアオイと呼ぶのを恥ずかしがったのはサクラ自身の下の名前だったから。
    〇登場人物が密会したり棺桶を掘る中、サクラの首吊り死体もぶら下がっている。(サクラ曰く不思議な力が隠してくれた)
    どうやら他ルートでもアオイの父親の死体はそのままのようです。


426 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:09:49.14 ID:QPWp67lK0
    【アオイヒナタルート】
    〇レムレスブルーの正体はまだ明かされない


    □回想
    昔ーー小さい頃のアオイは森の中で幽霊のような少年と出会った。
    ただ顔だけは思い出せなかった。


    -------------------


    シチューを作ったりアオイの自家農園に案内したり天体観測をしたり……打ち解けてきたヒナタにどうしてアカネを探しているのか聞くとアカネを許せないからだと言う。
    アカネ=アオイである事を知られたくないアオイは本当の事を言うこともできず、苦しんだ。


    幽霊であるイツキ弟と遭遇したアオイは父親から性的虐待をうけていたことを告白する。
    母親はアオイを守る為に彼のおじいちゃんの家に避難することになった。
    これがアオイがおじいちゃん子になった成り行き。


    イツキ弟がアオイに自殺した理由を聞くと大好きなおじいちゃんに「僕のために死んでくれ」と言われたからと答える。
    大好きなおじいちゃんの為なら死んでしまうことさえアオイにとっての幸福であった。
    アオイの寮に父親が訪問したあの日、父親はその伝言を言い渡すと劇薬を見せお前の母親は何処にいるのだと問いただした。
    アオイは隠していた包丁で父親を殺害した後サクラへの手紙を書き残し、劇薬を奪って服毒自殺をした。


    ヒナタ今の母親は実の母親ではない。
    産みの母親を探す為に探偵のイツキに自分の近辺調査を依頼する。
    故人になり報酬を払えなくなったサクラも巻き込み開始。


    ここで共通ルートのヒナタが棺桶を掘り出すところに追いつく。
    「僕の名前は青井 アカネ」そう告げられたヒナタはアカネがアオイ自身であることを知ってしまった。
    今まで自分がアカネでありながら黙っていた事に激怒したヒナタはアオイが大切に育ててきた農園に火を放ってしまう。


    □回想
    ヒナタはピアノに関して父親から大変厳しい教育を受けてきた。
    右手が使えなくなってしまった自分の代わりにそっくりでコピーのような息子を一流のピアニストに育て上げ、もう一度自分の名を世に知れ渡らせる事……これが目的だった。
    それはヒナタの為でなく紛れもなく自分の為である。
    ある日父と二人暮らしであるはずの家に綺麗な女性『詩乃』が現れた。
    自分に母親ができたと喜ぶヒナタ。
    そんな喜びもつかの間突然詩乃が消えてしまう。
    その理由を父親に聞くとお前の母親は『アカネ』が奪った。
    お前がピアノを弾かなくてはならないのも才能が無いのも、全てアカネのせいだと言う。
    これがヒナタがアカネを恨んでいる原因である。(この後に現在の奥さんと再婚したと思われる)


    -------------------


427 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:16:09.97 ID:QPWp67lK0
    アオイと初めて会った日を思い出し農園を燃やしたことを後悔するヒナタ。
    そこにサクラがやって来てショックでうなされ眠っていたアオイのもとへと案内する。


    アオイが目覚めた後音楽室に行く二人。
    お詫びにヒナタがアオイの為にピアノで一曲プレゼントするという。
    だがその演奏を聞いた瞬間……アオイの口から嗚咽が漏れた。
    これは一体何の曲だと訊ねるアオイに親父が俺に寄越した曲だとヒナタは答える。
    『この曲を最愛の君に捧ぐ』と書かれたその楽譜はアオイがおじいちゃんの家に避難していた時プレゼントされたものでもあった。
    ショックを受けたアオイは教室を飛び出し、入れ替わるようにイツキが入室した。


    近辺調査が完了し、イツキの口からヒナタの産みの母親の旧姓が『青井 詩乃』である事、アオイのおじいさんはヒナタの父でもある事が告げられる。
    つまり二人は父親違いの兄弟だったのだ。(しかも父親同士も血が繋がっている。アオイは詩乃似だからヒナタと似ていない)


    □回想
    18年前、青井家は詩乃の音楽の教師である神谷奏多に一生涯でも返せない借りをし、娘である詩乃を奏多に嫁がせることで帳消しにしてもらうことになった。
    詩乃との間に自分にそっくりな息子、『日向』を作り満足する奏多。
    ある日詩乃は奏多がヒナタに傷を付けているところを見てしまう。
    レムレスブルーの持ち主ならこの傷もすぐ治るだろうと言う奏多。
    しかしヒナタの傷はすぐには治らなかった。
    ヒナタがレムレスブルーを遺伝していないと悟った奏多は詩乃の持つレムレスブルーが遺伝するまで何回でも子供を作ろうと提案する。
    奏多が詩乃を迎え入れた目的は最初からレムレスブルーだった。
    母からレムレスブルー目当ての男に体を捧げてはいけないと言われてきた詩乃、後悔に耐えきれず家を出てしまう。


    孤独な彼女の前に現れたのは、大学時代に自分に想いを寄せていた響也であった。
    響也はなんと奏多の息子だったが、彼女は言えずにいた。
    (ここで奏多と別れる条件にヒナタの親権を渡している)
    不器用ながらも詩乃自身を愛してくれた響也との間に『アカネ』が産まれる。
    成長していくにつれ他の子供と違う類稀なる才能を開花させる息子に響也は嫌気がさす。
    奏多が仕掛けた罠により、詩乃の前夫が自分の父親である事を知り激昴。
    彼女とアオイにDVをするようになる響也。
    (すぐに傷の治るアオイには外傷以外、イツキに語った方法で傷付けている)
    冬の日、今度はアカネを連れ家を飛び出す詩乃だが……もう頼れる人物は居なかった。


    雪の中、倒れている詩乃を奏多が家に連れ戻す。


    -------------------


428 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:22:16.69 ID:QPWp67lK0
    こんな事実を知るなら出会わなければ良かったというアオイとヒナタ。
    ヒナタはしばらく考えた後やっぱり話し合わなければ解決にならないともう一度アオイに会いに行くが……
    アオイの隣にはヒナタにそっくりの人物が、そこに居た。
    ーー奏多のピアノの対する強い執念が若い姿の生霊として姿を現したのである。


    奏多の不思議な力により家に強制送還されてしまったヒナタ。
    閉じ込められた部屋はアオイが避難していた部屋であり、そこには彼の日記が残されていた。
    部屋の外から聞こえるおじいちゃんのピアノの音が大好きだと記されている。
    まあその音は奏多にピアノを酷使されていたヒナタのものだったのだが。


    □回想
    小さかった頃。
    ピアノを練習するのに疲れきっていたヒナタは外に出て休憩することに。
    森に出てみるとそこには見たことの無い少年ーーアカネがいた。
    白い髪から幽霊と勘違いされてしまうヒナタ。
    お互い家の中ではまだ会っていなかったのでこれがファーストコンタクトだった。(アオイが霊感があると思っているのはこの体験からか?)


    ある日奏多はヒナタにプレゼントがあると言った。
    12月、世間ではクリスマスの時期。
    ヒナタは密かに期待してしまう。
    だが、渡されたのは『この曲を最愛の君に捧ぐ』嫌いなピアノの楽譜だった。
    いつもは外で遊んでいたヒナタが居なかったのでアカネはこっそりピアノのある部屋に入った。
    ピアノに置かれた楽譜を見て、自分がおじいちゃんからプレゼントされたものだと勘違いしてしまう。


    ある日、ヒナタに僕もピアノを弾いてみたいと頼むアカネ。
    奏多が大切にしていたものだったが、アカネにで気に入られたかったヒナタは弾かせることにする。
    ピアノに初めて触れたのにも関わらず、人並みでない演奏をしてみせる天才、アカネ。
    ーーその演奏を聴いてしまい、憎悪を燃やした奏多が近づいてくる。
    ヒナタを自分のコピーにしたいだけであって、自分より上の存在は認めたくない奏多にとってアオイはどう映ったのか。
    その瞬間、詩乃はアカネを連れ走って逃げて行った。


    -------------------


429 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:26:19.67 ID:QPWp67lK0
    幽霊四年目のベテラン、真之助によってなんとか脱出できたヒナタは急いで学校に向かう。
    ヒナタの居ないうちにアオイを洗脳していく奏多。
    今に『レムレスブルー』が奪われようとしていた。


    洗脳されたアオイは悪に堕ち、『アカネ』としての本性を露わにしてヒナタを海に誘う。
    海の底に沈んでいくアオイの心を何とか引き戻すことができたヒナタ。
    アオイは自分の中のアカネをやっと受け入れ、認めることができた。


    そして異常な気配に気付く二人。
    茂みの中でイツキ達はぐったりと倒れていたのだ。
    奏多の霊力はいつの間にか他者に影響を与えるまでに。(操れたのは彼らが霊感が強かったり幽霊であるから)
    「茶番はここまでだ」
    アオイに取引を持ちかける奏多。
    イツキ達を解放する代わりにアオイの『レムレスブルー』を渡せと言う。
    アオイはそれを両諾した。


    連れ去られるアオイを追いかけるヒナタ。
    目覚めたイツキ達はレムレスブルーについての考察を始める。
    ブルーベリー、不老不死、死者をこの世に引き止めるもの……
    今までいろいろな考察がされてきたが一つ引っかかるもの、『アオイのハートを手に入れて』とは一体……?


    □回想
    雪道の中で詩乃はレムレスブルーの正体についてアカネに話す。
    死者を生き返らせ万病を治し、不老不死にさせる奇跡の力……
    この力を青井家は代々受け継いできたらしい。
    詩乃は人の生命力をコップの中の水に例えて説明を始めた。


    通常の人間の生命力はコップの半分まであり、怪我や病気をすると減っていくもので死んでしまえばコップの水は無くなってしまう。
    レムレスブルーの力とはコップにちょうど半分の水を注ぐこと。
    死んだ人間に注げば通常の人間と同じく息を吹き返し生きている人間に与えれば生命力がインフレ、怪我はすぐに治るようになり不老不死になるというのだ。
    レムレスブルーを体に宿している人物は通常の人よりコップの中の水が少し多い。
    この力は歳をとると衰えてしまうものだが、未だに詩乃自身も常人の二倍の速さで傷が治ると言う。
    大事なことはこの力は1回きりしか使えないということ。
    この力を使ってしまえばレムレスブルーの保持者はコップが空になり死んでしまう。
    その力を求める者が絶えないので絶対に他の人間に言ってはいけないと念を押す詩乃。


    -------------------


    必死に子供の頃の忘れてしまった記憶を巡らせ……思い出すヒナタ。
    「俺は一度、死んでいたんだ……」


430 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:31:24.52 ID:QPWp67lK0
    □回想
    奏多の家から逃げて沢山の月日が流れた。
    アオイを中学校に入居させる前の冬の日、老人の居ない隙にヒナタを一目見ようともう一度あの家に向かう。
    詩乃が家の中に入る間、アカネは外で雪遊びをしていた。
    そしてアカネは昔出会った幽霊、ヒナタを見つけ喜ぶ。
    彼に近付いたそのとき、地面の氷が割れた。
    アカネが歩いていたのは薄い氷が張った川の上だったのだ。
    そのまま川に落ちてしまったアカネを助けるべく自分も凍えた川の中に入るヒナタ。
    アカネは自力であがり生きていたが、ヒナタは水中のままあがってこない。
    アカネはヒナタを引きあげ、それに気が付いた詩乃は急いで人工呼吸をしたが……
    既に遅かった。


    詩乃は決意する、自分の命より息子の命の方がずっと大事だった。
    アカネに家から包丁とタオルを持ってくるよう指示し……


    -------------------


    イツキは確信する。
    アオイのハートとは彼の心臓。
    レムレスブルーとは保持者の心臓のこと、その心臓を食べることによって効果を発揮するというものだと。
    その頃奏多はアオイの死体から心臓を鷲掴みにし、ついにレムレスブルーを手に入れた。
    真夜中の森をボロボロになりながら駆け抜けるヒナタ。
    残るは神谷奏多との最終決戦。
    奏多の隣でもう戻れないと言うアオイに手を差しのべる。
    ヒナタはアオイを救出することができた。
    詩乃にレムレスブルー目当てで近づいたことを告白した奏多は……
    そのままアオイの心臓を口にする。


    しかし奏多は苦しそうに心臓を自分の血と一緒に吐き出してしまったのだ。
    アオイの説明が始まる。
    ーー奏多はレムレスブルーが複数あることを知らなかった。
    二年前、アオイがサクラに食べさせていたあのブルーベリー。
    レムレスブルーは抗体を持つもの以外が少しでも食べれば猛毒であり死んでしまうもの。
    もしものときの為、微量のレムレスブルーが含まれているブルーベリーをサクラに与えていたのだった。
    (ヒナタはレムレスブルーこそ遺伝していなかったが抗体はあった)
    そして奏多の生霊はそのまま消えていった。
    最後の種明かしが終わった後、サクラに心臓を捧げたアオイ。


    アオイとヒナタは今までの密会で一緒に行った思い出の場所を巡る。
    ヒナタが火を放った後の農園に好きな花を植えてほしいと言うアオイ。
    太陽は徐々に昇ってくる。
    死から始まった彼らの物語が終わろうとしていた。


    二人は最後に桜の木の下に腰掛ける。
    思い出を語った後安らかに眠る二人。
    太陽は完全に昇り、朝がやって来た。
    少年が一人きりで眠っている。


431 :レムレスブルーの午前2時:2015/11/29(日) 23:59:32.46 ID:QPWp67lK0
    【エピローグ】
    二年後の夏、自らの希望でアメリカに行くことになったヒナタ。
    イツキは幽霊が一切見えなったがアイドル業を再開する。
    これからも守護霊として見守る真之助。
    サクラは警察官になった。
    あの学校には向日葵の景色が広がっている。


    〇老いぼれだった奏多は最後成仏しています。
    〇奏多の詩乃ではない妻の存在の描写があやふやの為間違っているかもしれない。
    〇各ルートにトゥルーエンドのほか通常エンドが四個ずつあるが多いので省略。
    エロゲでいうところの鬱エンドといった感じです。


    以上です。
    叙述トリックが最初から最後まで続く作品なのでかなり話をカットしたがあまりにも長くなってしまったので最後に省略版。
    小さい頃に会って以来離れ離れになったアオイとヒナタ。
    少年になったあと再開した二人だったがアオイは幽霊になっていて、成仏させるまでの物語。

 

最終更新:2016年02月10日 22:08