イースVIII

イースVIII

part71-174~214



172ゲーム好き名無しさん2017/07/10(月) 21:57:35.09ID:4Dhjnzw50
イース8投稿したいです
vita版発売から1年ほど経ってますが、PS4版が発売されたばかりなのでトリップ付けます
一応PS4版の追加要素は付けないつもりです

 


174イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:06:16.19ID:t/7pJC1g0
イースVIII -Lacrimosa of DANA-

 

主な登場人物

 

プレイアブルキャラ
・アドル…シリーズお馴染み赤毛の冒険者。今作では21歳。
・ラクシャ…ツンデレ貴族。今作の現地妻担当
・サハド…ガサツで下品だけど人情には厚い漁師
・ヒュンメル…裏社会で運び屋を稼業とする怪しい男
・リコッタ…野生児なロリっ娘。色々とヤバい格好をしている。
・ダーナ…2人目の主人公。予知能力を持つ。

 

その他のキャラ
・ドギ…イース1・2の頃から共に旅をしているアドルの相棒。
パーティキャラではない。ついでに今回壁は壊さない。
・バルバロス…豪華客船ロンバルディアの船長。バイト稼ぎをするアドルの雇い主
・オルガ…ダーナの友達1。
・サライ…ダーナの友達2。

 

主な用語説明

 

ロムン帝国…ローマ帝国がモデル。
アルタゴ公国…カルタゴがモデル。
グリーク地方…ギリシャがモデル。
ゲーテ海…地中海がモデル。
セイレン島…現地の船乗りに恐れられている、謎に包まれた無人島。行って帰ってきたものはいないという。
古代種…セイレン島に住まう、凶暴な爬虫類の姿をした異形の獣。いわば現実世界での恐竜。
漂流村…漂流者達がセイレン島から脱出するために整備した入り江の拠点。定期的に古代種に襲われる。

 

※アドル編とダーナ編で全く異なるストーリーが展開されるので、
ダーナ編は【ダーナ編】と付けてまとめていきます。

 

175イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:07:39.06ID:t/7pJC1g0
プロローグ「ゲーテ海の夜」

 

時系列としては5と6の間。
物語は、サンドリアとエレシア大陸をグリーク地方経由で結ぶ豪華客船、ロンバルディア号の船上から始まる。
サンドリアでの冒険を終えたアドルは、どうにかしてアフロカ大陸に渡ろうと考えていた。
この頃、アフロカ大陸のアルタゴ公国とエレシア大陸のロムン帝国が紛争中のため、アフロカには要人や軍関係者しか立ち入ることができなかったためである。
(なお、本作から2年後にアルタゴへの上陸を果たし、7の舞台となる。)

 

とりあえずまずは路銀が必要だということで、ドギと共に臨時の水夫として働くことになったのである。
休憩中、船員カシューにそんな話をすると「そんな無茶を考えるなんて」と呆れられる。

 

船長のバルバロスがアドルを呼んでいるとカシューから伝えられ、船長室にお邪魔するアドル。
バルバロス船長は、冒険家であるアドルに「セイレン島を知っているか?」と問う。
セイレン島は、グリーク地方に伝わる「永遠に呪われた島」であり、
島に近づく船はことごとく沈められてしまうため、生きて戻ってきた者はいないのだという。
興味津々なアドルに、船長は「近づくことはできないが通過する際には伝えよう」と言ってくれた。

 

船長からの依頼である晩餐会の警備を一通りこなしたところで船長から連絡。セイレン島の近くまで来たとのこと。
そのとき船体が大きく揺れ、甲板の方から乗客の悲鳴が上がる。アドルが駆け付けてみると正体不明の触手が船体に絡みついていた。
ドギから受け取ったイシオスブレード(5で手に入れた最強武器)で撃退するも、触手がいくつも現われ船体が傾き、乗客が次々に投げ出されていく。
アドルも踏ん張りむなしく力尽き、海の中へ。

 

176イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:08:33.21ID:t/7pJC1g0
第一部「セイレン島」

 

アドルはどこかの海岸に流れ着き、そこで目を覚ました。
近くに漂着していた錆びた剣を手にとって、魔物を退けながら行けるところまで行ってみる。
途中、岩陰で着替え中の女性とラッキースケベな出会い。ロンバルディア号の乗客の一人でラクシャと名乗った。
ラクシャはラッキースケベやら船沈没の責任など諸々でアドルに激しく反発するも、一緒に行動することに。

 

そのうち、魔物がいない入り江を見つけ、他に誰かいるかもと周辺を捜す二人。人影が洞窟に入ってくのを見つけて後を追う。
ボスを倒して洞窟を抜けると、その人物はバルバロス船長であった。
バルバロス船長は、船沈没の真相(触手襲撃)をラクシャに話すとともに、沈没時の潮の流れ等を分析し、ここがアドルに話した「セイレン島」だろうと話す。
無人島だと分かり悲嘆に暮れるラクシャ。バルバロス船長は一刻も早い状況把握と乗客全員が生還できるよう全力を尽くすことを約束した。

 

まずはバルバロス船長の依頼で、アドルは島を巡りながら漂流した乗客達の捜索と島の地図作成をすることに。
船長はこの入り江を整備し、島を脱出するための拠点にするという。
そこでなぜか保護されるべき乗客であるはずのラクシャが、船長の反対を振り切ってアドルに同行すると言いだす。
「アドルの"冒険家"という肩書きが気にくわない、自分の大嫌いな人に似てるから信用に値するか見定める!」とのこと。

 

島の探索に出てしばらくすると、大柄な中年男性に遭遇。彼は謎の異形の獣に襲われていた。
ラクシャがその獣の姿を見て大きく動揺する。「この獣は、まるで・・・」
アドル達は異形の獣をどうにかノックダウンさせたが、皮膚がとても硬く一切の武器が通用しない。結局、完全に倒すことはできずに逃走を許す。
助けられた男性は豪快に二人の肩を抱き、ガハハと大笑い。ゲーテ海の漁師サハドと名乗る。フケをまき散らすサハドにラクシャどん引き。
サハドをPTに入れたアドル一行が入り江に帰ると、船長のほかにドギが現われた。アドル達のいない間に合流したらしい。
その日の晩、異形の獣についての報告を聞いた船長は、入り江を身を守るための場所として本格的に発展させることを決め、ドギは拠点設備を担当することになった。

 

177イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:10:12.34ID:t/7pJC1g0
第二部「漂流者達の狂宴」

 

その夜、アドルは妙な夢を見る。それは、どこか見知らぬ村の少女が何かの使者達に引き取られる夢であった。
ぼんやりしながら目覚めるアドルにラクシャはあきれ顔。引き続き漂流者の捜索に乗り出す。

 

アドル一行が島を探索する途中、運び屋と名乗る男・ヒュンメルに出会う。
最初は「俺に関わるな」と立ち去るが、次に出会ったときは目的の方角が同じだからと半ば強引にPTインしてくる。
ラクシャは怪訝な顔をするが、アドルとサハドは快く受け入れる。
また道中、誰かが築き上げた見晴し台を発見し、登ってみると末尾に「T」の署名が書かれたメモを発見する。
どうやらロンバルディア号沈没より先に誰かが島に漂着し、生活している人がいるらしい。

 

【ダーナ編①】
島が広大なため、漂流者の捜索中に何度か野営をするが、そのたびにアドルは少女の夢を見る。
使者達に引き取られたダーナという少女は、「はじまりの大樹」という存在の巫女候補に選ばれたらしい。
ダーナを含めた候補者達一同は「大樹の寺院」と呼ばれる場所に集められる。
寺院のお偉いさんによれば、大樹の巫女は、理力という魔法みたいな力を駆使してエタニア王国という国を導く、女王と同等の存在だという。
しかし、何かのの予知を感じ取ったダーナはその場をこっそり抜け出していた。導かれるままにはじまりの大樹にたどり着き、そこで先代の巫女と出会う。
ダーナには、理力により生まれつきの予知能力が備わっていた。先代の巫女からは「今見えたものは誰にも話してはいけない」と諭される。

 

その後ダーナは、同じ巫女候補者であるオルガやサライと仲良くなり、共に巫女になるための修行を積み重ねる。
お転婆で人並外れた行動をするダーナとそれを咎めるお目付役的存在のオルガ、そして二人を優しく見守る冷静沈着なサライ。
3人のチームワークは素晴らしく、ときにはダーナの予知能力を使って巨大な山火事を救ったりと多くの功績を挙げていった。

 

夢から目覚めたアドルは仲間に「最近妙な夢を見る」と話すが、寝ぼけているだけだと軽くスルーされるのであった。
【ダーナ編①ここまで】

 

178イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:13:12.41ID:t/7pJC1g0
島の各地を巡り次々に漂流者を救出していくアドル一行。入り江も漂流村として立派に発展していく。
捜索活動は順調かに思えたが、バルバロス船長が何者かに襲われたという報せを受ける。
漂流村に戻ってみると、ベッドに横たわる船長と犯行予告のメモが残されていた。
漂流者の一人、ロムン帝国憲兵エアランはそのメモを見て、「それは『名無しの切り裂き魔』の仕業だ!」と憤慨する。
帝都を騒がせている凶悪犯「名無しの切り裂き魔」がロンバルディア号に乗り込むという情報を聞きつけたエアランは、
後を追ってロンバルディアに乗り込み、犯人を捜索していたとのこと。

 

イヤミな帝国貴族カーラン郷が続けて襲われ、疑心暗鬼に陥る村の人々。
同行していたヒュンメルもいつの間にか姿を消していた。
さらにはその村も獣の集団に襲われ、迎撃で手一杯。そこにはサハドを襲った異形の獣も含まれていた。
そこにヒュンメルが現われて異形の獣を撃退するが、ますます怯える村の面々。
ところが、ラクシャは異形の獣の正体に心当たりがあるという。
最初は話すことを躊躇っていたが、船長に促されて意を決し、異形の獣は大昔に絶滅したはずの「古代種」だと説明する。
中には信じない者もいたが、古い地層から大きな骨が出土されることがあり、帝国でも研究が始まったばかりだという。
船長達に感謝され、意外そうな顔をするラクシャ。
その日の晩、ラクシャは自分が古代種に詳しい理由をアドルに語った。

 

ラクシャの父は貴族でありながら古代種の研究者で、ラクシャはかつて父を尊敬していた。
自分も古代種について勉強していたが、父が研究に傾倒しすぎて家が崩壊。貴族の地位と領地の返上命令が下りる事態に陥った。
そんなことがあり、自分が持つ知識を疎ましく思うようになり家を出奔したのである。
しかしここでは自分の知識が役に立つと分かり、自分の居場所を見つけた気がするという。
何かとアドルに反発していたのは、容姿・性格が父に似ていたせいだったことも分かる。デレるラクシャ。

 

翌朝、カーラン郷が「もう沢山だ!貴様らが何もしないならワシ一人で島を脱出するのである!」と
作りかけのボートを勝手に持ち出してしまう。挙句、例の触手に襲われてボートごと海の藻屑に。
触手の正体は、巨大な海洋生物型の古代種であった。
ますます悪い雰囲気に包まれる事態を打開すべく、捜査に乗り出すアドル一行。
一般人には上陸できないはずのアルタゴへの渡航歴があることなどから、犯人は漂流者の一人、開業医キルゴールだと判明。

 

エアランと共にキルゴールを追い詰めると、ヒャッハーな本性を表し村から逃走する。
エアランや船長と共にキルゴールを追って海岸へ出ると、小さな少女が倒れているのを発見。
助けに入ろうとした船長だがキルゴールの罠だった。少女の前に張られたワイヤートラップで大腿部を斬られてしまう船長。
エアランにその場を任せてキルゴールを追い、袋小路に追い詰めたところでボス戦。
キルゴールは逃げようとするが、突如現われた古代種にあっけなく食われる。そのまま立ち去る古代種。
エアラン達の所に戻るが、船長の傷は致命傷だった。後をアドルに託して、船長は息を引き取るのだった。

 

 


180イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:28:13.62ID:t/7pJC1g0
第三部「ジャンダルムを超えて」

 

【ダーナ編②】
再びアドルはダーナの夢を見る。ダーナは修行の末、正式に大樹の巫女に選ばれた。
オルガとサライは彼女を祝福するも、オルガはダーナの後先考えずに行動する性格を心配していた。

 

大樹の巫女としての初仕事、植樹祭に臨むダーナ。(ここから初めてダーナが操作可能になる)
寺院近くの大峡谷を敵を蹴散らしながら進み、その最奥で「ヒモロギの苗木」を植える。
そこではエタニア王国の未来が見えるらしい。ダーナの予知能力を使うと果たしてどうか。
ダーナが見たのは、遠くまで広がる草木と青空。
やがて夜の海上に景色が変わり、突如水底へ引きずり込まれる。息苦しさで我に返るダーナ。
今の光景はなんだろうか?疑問に思いながらも植樹祭は無事成功した。
エタニア史上「最も幸福な時代」の始まりだと皆が祝福した。

 

夢から目覚めるアドル。今までは彼女の出来事が紙芝居のように流れていただけであったが、
今度は自分自身がダーナになったような現実感があった。これは本当に夢なのだろうか。
【ダーナ編②ここまで】

 

名無しの切り裂き魔事件により船長が命を落としてから一週間が経っていた。
村の漂流者達は悲劇から徐々に立ち直りつつあった。
アドル達は亡き船長の遺志を継いで、残る漂流者の捜索と島探索の続行を決意。
島の東西南はあらかた調べ尽くしたので、残る北部に行くことを決めた。

 

しかし北部に行くには、天高くそびえる山を乗り越えなくてはならない。
さらに、山の手前には巨大な峡谷が行く手を遮っており、これもどうにかする必要があった。

 

エアランにちなんで憲兵を意味する「ジャンダルム」と名付けた山に、ひとまず向かう一行。
すると、巨大な木の幹が峡谷に橋を架けるように伸びており、あっけなく峡谷を渡れてしまった。
前に来たときにはこんなもの無かったはずだとみな首を捻る。
さらにラクシャが言うには、この巨大樹も古代のもので、今では存在するはずのないものだという。

 

ジャンダルムに差し掛かると、サハドを襲ったのとは別種類の古代種に遭遇。
今の武器ではやはり倒すことができなかった。
古代種に注意しつつ行けるところまで行こうと決意し、入り口の手前で夜を明かす。

 

【ダーナ編③】
巫女に選ばれなかったオルガとサライは、故郷に帰るか否かの決断に迫られていた。
サライは故郷に帰ることをダーナに告げた。
そして、竜種といわれる獣に効果のある金属、ヒイロカネを纏った半月刀をダーナにプレゼントする。
付近の古い地層からヒイロカネが沢山とれたので、自分の代わりとして傍に置いて欲しいと。
【ダーナ編③ここまで】

 

181イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:30:53.04ID:t/7pJC1g0
古代種に苦しめられながらジャンダルム中腹にたどり着くと、木々でカモフラージュされた丸太小屋を発見。
中を捜索すると、机に置かれた日誌の「T」の署名から、見晴し台と同一人物が築いた拠点だと判明。
しかしハンモックは2台あった。どうやら住んでいるのは「T」一人だけではない?

 

さらに進むと、サハドを襲った古代種による3度目の襲撃。
そのとき「いざ、助太刀仕る!」と古風な言葉を話す少女が現われ、クナイのような武器を投擲。
古代種は悲鳴の雄叫びを上げて立ち去っていった。

 

一行を助けた少女リコッタは、物心付いた頃からこの島に住んでおり、
現在は彼女に言葉を教えた義父の探検家タナトスと一緒に、丸太小屋で暮らしていた。
しかし少し前からタナトスは行方不明となっており、彼の行方を捜しているのだという。
護身用の投擲武器が気になったアドル達。鏃の先端が金色に輝いている。
見たことの無い金属だが、リコッタはこれで古代種を倒せると告げ、一同驚く。
しかし作り方はタナトスしか知らない。ひとまずリコッタを連れて漂流村へ引き返す。

 

漂流者の一人である鍛冶職人カトリーンは、これが伝説の金属ヒイロカネだと推測。
どこかに採掘場所があるはず。そこでアドルはダーナの夢(ダーナ編③)を思い出し、近くに古い地層があるのではと考える。
リコッタには心当たりがあった。そして読み通り、ヒイロカネの採掘場所を探りあてた。
夢とここまで一致するなんて偶然とは思えない。この島には常識を超えた何かが眠っていると疑い始めるラクシャ。
手に入れたヒイロカネで皆の武器をグレードアップし、古代種の討伐に成功。村の面々は大いに盛り上がる。

 

ジャンダルムの頂上にたどり着くと、巨大な翼竜型の古代種がアドル達を待ち構えていた。
どうにか倒して、頂上から北部を見下ろしてみると、そこには古代種がうようよ。
まさに、太古の世界そのものであった。

 

182イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/11(火) 06:32:43.65ID:t/7pJC1g0
まずはここまで。
第四部以降は後で書きます

 

 

184イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 00:12:46.80ID:LFLbtsaR0
続き行きます

 

主な登場人物②

 

・タナトス…漂流してから1年以上セイレン島で暮らしている探検家「T」。リコッタの義父。
常にユーモア心を忘れない初老の男性。
・キャプテン・リード…100年前にゲーテ海を大暴れしたと言われる伝説の海賊。

 

主な用語説明②

 

・竜種…エタニア時代における古代種の呼称。
・エタニア王国…太古の世界に栄えていたエタニア人達が収める王国。「女王」と「大樹の巫女」を国の要としている。
・王都アイギアス…エタニア王国の王都。アドルの時代では遺跡になっている。
・エタニア人…太古の時代に地上を収めていた者達の総称。
ヒトとは異なり竜種から進化した存在で、みな怪力かつ背が高い。人間サイズのダーナだけが特別。
・理力…エタニア人が駆使できる魔法の力。
エネルギー源は地脈から供給され、エタニア人が築いた巨大な水晶柱によって制御している。
・バハの塔…王都の東にあるエタニア時代の学術機関。現代では地盤が緩み斜塔になっている。
・始生代の大穴…王都の北側、島の北端に位置する巨大な大穴。海水が滝のように流れ落ちている。
・王家の谷…王都の西に位置しエタニア王家の墓地がある。大樹の巫女も立ち入れない聖域。
・モノリス…理力を使ったエタニア時代のコンピュータ。
・オケアノス…ロンバルディア号やカーラン郷のボートを沈めた古代種で触手の正体。巨大イカ。
・エレフセリア号…セイレン島周辺の海域をさまよう幽霊船。実はキャプテン・リードの海賊船。

 

185イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 00:13:34.95ID:LFLbtsaR0

第四部「失われた世界」

 

ジャンダルムの頂上から北部の様子をしばらく観察する一行。
中心部には人が造ったものとおぼしき遺跡があり、北の端には、海水が滝のように流れ落ちている巨大な穴がある。
そして南側には、森にも見える巨大な大樹がそびえ立っていた。
島の北部がこんなことになっているとは、と驚愕するサハド。アドルは眼下に見える大樹に見覚えがあった。
ここで、第2部以来戦線を離脱していたヒュンメルが再び強引にPTイン。快く受け入れるアドルやリコッタ、それに呆れるラクシャ。
なんとか山を下りてきた一行。目の前には大樹と遺跡が広がる。古代種が闊歩する原野へ挑む前に野営をすることにした。
やはり、この辺りの光景は夢と似ている。アドルは改めて夢の内容を皆に説明するのだった。

 

【ダーナ編④】
オルガが寺院の祭司長としてダーナに仕える身となってから、しばらくの後。
エタニア王国の女王交代の報せを受けて謁見に向かうダーナとオルガ。
そこで待っていたのは故郷に戻ったはずのサライであった。実はサライが次期女王だったのだ。

 

夢から目覚めたアドルは、目の前に広がる大樹と遺跡「大樹の寺院」の前で一人考え込んでいた。
夢の中では壮麗だった寺院が、現実世界ではボロボロの姿で存在している。一体どういう事か、謎は尽きない。
【ダーナ編④ここまで】

 

リコッタが古代種にさらわれるなどのトラブルを経て、無事巨大な都市の廃墟までたどり着いたアドル一行。
しかし先に道がなく、廃墟に降りることができない。
ふと、近くにある水晶柱が光り始める。アドルが水晶柱に手を触れると、周辺が輝きだし、アドルの意識がダーナの世界に飛ぶ。

 

【ダーナ編⑤】
ダーナのほうも、アドルの存在に気がつき始めた。ダーナの予知の中で、アドルとして冒険しているような感覚を覚えるのだった。
そしてアドルの目を通してみた廃墟は、ダーナの世界におけるエタニア王都アイギアスであった。ボロボロになった王都の姿を見て困惑するダーナ。
ダーナはオルガに事の次第を相談する。オルガはダーナの予知能力を熟知しているだけに、これは見過ごせない事態だと言い行動を共にする。

 

ダーナは、予知の光景を頼りに、アドルが道中足止めを食らっている水晶柱のある場所まで移動する。
アドルの見た廃墟の光景と王都の姿が重なり、やはり見えたのは未来であることを確信する。
そして、傍に「ヒモロギの苗木」を植え「アドルさん達を導いてくれますように」と苗木に祈るのだった。
【ダーナ編⑤ここまで】

 

水晶柱の傍で倒れていたアドルが目を覚ますと、
手を触れる前には存在しなかった巨大な樹が突如現われ、廃墟まで幹を伸ばしていた。その光景に驚愕する一同。
ラクシャは、大峡谷の巨木も同じ現象によるものだと推測。自分たちは、夢の中のダーナの行動に助けられている。
理屈は分からないがまあとにかく先に進めて良かったと廃墟に降り立つ一行。

 

186イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 00:15:34.46ID:LFLbtsaR0
廃墟を散策する中で、リコッタの義父タナトスを発見。
彼は翼竜型の古代種にさらわれ、ジャンダルムから北部まで飛ばされたのだという。
隙を見て脱出し、せっかくなので遺跡を探検していたのだ。

 

そこにヒュンメルが突然タナトスに近づき、「あんたに届け物がある。確認してくれ」と大切に持っていたケースを差し出す。
彼がパーティに勝手に入ったり抜けたりしていた裏には、タナトスに荷物を届けるという明確な目的があったのだ。
怪訝に思い中身を見ると…出てきたのはタナトス好物のピクルスと何かの紙。
かつて、タナトスが冗談のつもりでボトルに入れて流した手紙が、実はヒュンメルに届いていたのだった。
さらに、紙は船の設計図であった。仕事に生真面目なヒュンメルは、島脱出のカギを最初から持っていたことが判明。
誇らしげに仕事を語るヒュンメルと、それにげんなりするラクシャ。
触手野郎の件は残っているがひとまず脱出への手立てが一歩進んだ。

 

その後の会話の中で出てきた「寺院」という言葉に興味を示すタナトス。
ダメもとで夢のことについて説明すると、「なんということじゃ…アレは間違いではなかったということか」と意外な反応。
その言葉の真意について聞いてみると、「それはお前さんがその目で確認するのが一番いい」と、寺院の方角へ案内する。
道中の橋は崩れていたが、傍にあった水晶柱を発見し、もしかしてと手を触れてみる。再び意識はダーナに飛ぶ。

 

【ダーナ編⑥】
ダーナは、アドル達が旅をしているのがエタニア王国が滅んだ遙か未来だと確信する。
それを知ったオルガは「どんなに栄華を誇る国でも、いつかは滅びの時が来るというのか…」と落胆する。
問題は、"それ"がいつ起きるか。オルガはサライ女王に相談するべきかダーナに聞くが、まだ情報が足りていないので保留に。
ダーナはアドルの時代に崩落していた橋まで移動し、再びヒモロギの苗木を植える。
【ダーナ編⑥ここまで】

 

成長したヒモロギによって復元された橋を渡り、寺院を探索。
理力で動く守護像を撃退し、はじまりの大樹の根元までたどり着く。
そこには、木の枝に包まれて深い眠りにつく女性の姿が。それは、何度も夢の中で見たダーナその人であった。
思わずアドルが呼びかけると、目覚めるダーナ。枝が独りでに引っ込んで落ちてきたダーナを抱き留めると、
「アドルさん…どうしてだろ…私、何も思い出せない」と言ってそのまま意識を失ってしまう。言葉を失うアドル。
タナトスは、翼竜型の古代種に捕まった際、上空からダーナの姿を発見していた。本人は何かの見間違いかと思っていたが、そうではなかったのだ。

 

そこに、漂流村が古代種に襲撃されているという報せ。ひとまず一行はダーナを連れて漂流村へ戻るのだった。

 

187イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 00:18:03.84ID:LFLbtsaR0
第五部「大樹の巫女」

 

眠るダーナを漂流村の面子に任せて、漂流村を襲う古代種の迎撃にあたるアドル達。
今までと異なり強大な古代種ばかりが襲ってくるので疲弊していく仲間達。
そのとき半月刀のブーメランが古代種達を斬り刻む。ダーナが目覚め、アドルの元に駆け付けたのだった。
古代種撃退後、「一応、初めましてだよね?私はダーナ。アドルさん、よろしくね」と握手を交わす2人。

 

その日の晩、ダーナは、エタニア王国は古代種が栄えていた時代の王国であるとドギ達に説明する。
その時代にまだヒトはいないという、今までの学説が全て覆されてしまうと驚くラクシャ。
古代種が栄えた時期は、あまりに古すぎてはっきりと判明していないのだ。

 

ダーナは、自分の出自やアドルと意識を共有していたところまでは覚えているが、
何故この時代に生きているのかまでは思い出せないという。
そこでダーナの記憶を取り戻すため、アドルと行動を共にすることにした。

 

船の設計図は手に入ったが、簡単には脱出できない。
なぜならロンバルディアを沈めた触手野郎を倒す方法を考えなくてはならないからだ。
ダーナはその触手野郎に心当たりがあるという。
エタニア時代でも触手野郎=オケアノスは脅威であり、盛んに研究されていたのだ。

 

オケアノス討伐の手がかりを掴むべく、一行は王都の東に位置するバハの塔に赴く。
塔の前が例によって進めなくなっており、水晶柱を使って過去のダーナの力を借りることに。
意識転送時に、今度はダーナの理力も使って、アドル以外の仲間達にもエタニア時代の景色を見せるのだった。

 

【ダーナ編⑦】
なぜアドルの時代に自分がいるのか理解できないダーナ。
エタニア滅亡の原因を探るため、自身もアドルを追ってバハの塔へ向かい、ヒモロギの苗木を植える。
【ダーナ編⑦ここまで】

 

翌日、バハの塔に突入する一行。
エタニアの理力を封じ込めた理法具の力を借りながら最上階までたどり着くと、そこにはモノリスの部屋があった。
まだ壊れていないモノリスを使ってオケアノスの情報を検索する。
オケアノスは普段周辺海域を回遊しているが、定期的に縄張りに戻って休息をとるらしい。そこが討伐のチャンスなのだという。
住処を見つければ活路がある事は分かったが、具体的な討伐方法については示されていなかった。

 

ついでにダーナは、はじまりの大樹について改めてアドル達に説明する。
はじまりの大樹は、その恩恵によって命ある者に「進化」を促す存在。
代々の巫女は大樹に祈りを捧げ、その恩恵を最大限享受する。
エタニア人は、はじまりの大樹によって竜種=古代種から進化した存在なのだという。

 

188イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 00:20:43.47ID:LFLbtsaR0
漂流村に帰ると、辺りに濃霧が立ちこめていた。
村の漂流者達はなぜか海の方を見て大騒ぎしている。
望遠鏡を覗き込むと、青白い光を纏った幽霊船が異常なスピードで海上を漂っていた。
そして島の反対側にある岬の裏に隠れてしまった。

 

その日の晩、タナトスは「幽霊船を捜して脱出用に使ってみないか?」と提案する。
脱出に仕えるかどうかはさておき、一部を除いて興味津々なアドル達は、幽霊船が消えた岬に向かうことにした。
岬の洞窟を探索すると、例の幽霊船を発見。ボロボロで脱出には使えそうにない。
船名はエレフセリア号。近くに置かれていた日誌を見てサハドが戦慄する。
「キャプテン・リードだと!?グリーク人なら誰でも知ってる悪名高き海賊だぜ!?」
100年前に女子供構わず虐殺したという残忍さで恐れられている海賊の船と聞いてチビリそうな勢いのサハドだったが、
独りでに甲板からタラップが展開される。
乗り込んでみると、船は勝手に出航の鐘を鳴らし、青白い光を出しながら沖合に出てしまった。

 

リードの日誌を辿っていくうち、彼の伝説はグリーク海軍が作り上げた隠蔽工作であることが判明。
リードは奴隷開放のために、軍の脅しでセイレン島を探索させられた末、伝染病で命を落としていた。
甲板上のボスを倒すと、リードの亡霊が姿を現す。
未練に捕らわれていた魂を開放してくれたことに感謝し、生前作成していた脱出のための海図をサハド達に託す。
そこにはオケアノスの回遊経路も書かれていた。

 

漂流村に戻った一行は、海図をもとにタナトスやドギと協議した末、
王都北側にある「始生代の大穴」付近にオケアノスの住処があると睨んだ。
かつてはエタニア王宮の基底部から大穴付近の海底に潜ることができたが、現代では王宮は建物ごと消失。
再び過去のダーナの力を頼ることに。

 

【ダーナ編⑧】
オルガとの協議中、ふと空が翳ったような気配を感じるダーナ。
エタニア王宮消失の話は、オルガにも受け止めきれるものではなかった。
無用な混乱を避けるため、ダーナとオルガ以外の部外者にはまだ誰にも話していない。
最近ダーナ達の様子が違うことに気づき、気遣う者もいた。
今は話せないが、必要なときになったら遠慮無く頼らせてもらうと説得。
ダーナ達は人知れずエタニア王宮に向かい、ヒモロギの苗木を植えるのだった。
【ダーナ編⑧ここまで】

 

「な、なんじゃこりゃああああ!」サハドの叫びがこだまする。
崩れ落ちていた橋の先、目の前に巨大な王宮が現われた。
ヒモロギの樹は、外の何かから王宮を守るように包み込んでいた。これで地下から大穴の水底に潜れる。
道中で水中で息のできる理法具も手に入れ、オケアノスの住処にたどり着く。
そこには、もはや破片になったロンバルディア号の亡骸が辺りを漂っていた。
ロンバルディア号の仇打ちと船長の弔い合戦が始まろうとしていた。

 

作戦会議の後、いよいよ村の漂流者総出でオケアノス討伐作戦を開始する。
ドギやタナトス率いる漂流者組は、陸上からオケアノスを攻撃。
住処に逃げてきたオケアノスをアドル達が迎え撃った。
激闘の末、ついに倒れるオケアノス。島脱出最大の障害を打ち破ったのだった。歓喜に舞うアドルや漂流者達。

 

しかし、そのときダーナが何かの予知を感じ取り一人苦しんでいることに、誰も気づいていなかった。

 

189イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 01:11:18.81ID:LFLbtsaR0
連投規制入ったので、続きは明日に。

 

 

191イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 18:20:21.88ID:LFLbtsaR0
続き行きます

 

その日の晩、村ではオケアノス討伐を祝しての大宴会が繰り広げられていた。
宴が落ち着いた頃、「ダーナはこれからどうするつもりなんだろうな。ここを脱出しても、彼女は…」とドギがぽつりと呟く。
「それは俺も気がかりだった、島に心残りがあるんじゃねぇのか?」とエアラン。
タナトスの助言で、一人ぽつんと立っているダーナにそれとなく聞いてみるアドルだったが、

 

「アドルさん達は島を脱出することに集中して欲しいな。一緒に島を出たとしても、どうすればいいか…。」
「自分はどうしてこの時代に生きているのか、エタニア王国がどうなってしまったのか、
それが分からない限り、ここを去るわけにはいかないよ。」と答えるのだった。
結局はっきりしたことは聞けず有耶無耶になり、そのままアドルは眠りについた。

 

【ダーナ編⑨】
ダーナが大樹に祈りを捧げていると、また空が翳ることに気づくダーナ。
その瞬間、ある強烈な予知が脳裏を駆け巡った。

 

「…星?星がここに落ちてくるの?あの大穴は星が落ちた痕跡…!?」
ダーナは叫ぶ。「誰か、誰かいませんか!オルガ祭司長を!王宮に…サライ女王に会いに行きます!」

 

オルガを引き連れ、流星落下によるエタニア王国の滅亡を、正式な予言としてサライに報告。
サライは王都の中心にある水晶柱を使って、王国上空に巨大な障壁を築くことを提案。
そんなことをすれば、地脈が枯渇してしばらく理力が使用できなくなると警告するとオルガは警告するが、
何も行動せずにその時を受け入れるわけにはいかないと、王国中の理術士(魔道士)に障壁の準備をするよう手配をかける。
かつて修行僧時代に起こった山火事を救ったときのように、3人のチームワークが再び試されるときが来た。

 

準備する間もなく、"その時"は訪れた。ダーナが流星の到来を告げ、サライは予定通り障壁の展開を開始した。
流星は障壁により破壊されたが、実は流星は一つではなかった。愕然とするダーナ。
怒濤のごとく降り注ぐ流星雨により障壁にヒビが入り始める。障壁を展開している理術士達を援護するため、ダーナとオルガは王宮を飛び出す。
しかし突如濃霧が立ちこめて周りが見えなくなってしまい、ダーナはオルガとはぐれてしまう。
そこに現われた謎の竜種。倒すと景色が戻り、オルガと再会する。

 

しかしその瞬間、ついに流星が障壁を突破し、王宮傍に落ちてしまった。
その瞬間ヒモロギが急成長し王宮は守られたが、周囲の建造物は破壊された。
何かの過去がダーナの脳裏にフラッシュバックし、「また…また助けられないの!?」とダーナは激しく取り乱す。
さらに、不意に腕が焼けるような痛みを感じて呻くダーナ。オルガが腕を覗くと、謎の赤い文様が現われていた。

 

「始まったようだな。大いなる選択と淘汰の時代が」
いつの間にか、黒いローブを纏った人物が傍に立っていた。
「禁忌の地、王家の谷を目指すがいい。そこには巫女にも知らされていない大樹の真実が眠っている」とだけ言い残してローブの人物は消えた。
【ダーナ編⑨ここまで】

 

192イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 18:22:33.85ID:LFLbtsaR0
オケアノス討伐の宴から一夜が明けた。アドルだけでなく、仲間達も今のダーナの夢を見ていた。
エタニア時代での急展開に誰もが困惑する中、ダーナが漂流村から姿を消してしまった。
「エタニアは流星雨が原因で滅びたのか?」いや、その後も生き延びていたようだからまだ記憶には続きがあると考えるドギ達。
先ほど見た夢をヒントにして、ダーナは王家の谷に向かったと推測する。しかし何故一人で行ってしまったのか。
「国が滅び、仲間もいないこの世界に一人取り残されて、ダーナは一体どんな気持ちでいたのか…」
自分たちのことばかりで浮かれてしまい、ダーナのことは気にかけることができなかったと後悔するラクシャだが、
ダーナが村を抜けた理由は、彼女の複雑な事情もあるだろうが、もっと単純なことだと思うぞとタナトスの助言。
仲間達は急いでダーナの後を追いかける。

 

ダーナに追いついた一行であったが、ダーナはアドルとの合流を拒む。
実はオケアノスを倒した瞬間、ダーナは皆と別れの時が必ず来ることを予知してしまっていた。
漂流村で過ごすうちにもっと一緒にいたいと思うようになったダーナは、
自分のことは構わずここで別れた方が…と思い村を抜けたのだった。
「別れの時なんて、ここにいる全員にやってくる。だからこそその時は笑ってお別れしたいだろ」と諭すサハド。
「それだけ皆を想ってくれていること、本当に嬉しい」とリコッタ。
「ここではもはや大樹の巫女ではない。皆と対等の存在だからもっと頼って欲しい」とラクシャ。

 

説得の末、ダーナはアドルと再び合流することを決意。
「笑ってその時を迎えるため、私は自分の言葉でお別れを告げたい。だから、記憶を取り戻すのを手伝って欲しい」と皆にお願いするのであった。
まずはそばに置かれていた水晶柱に手をかざす。ローブの人物がダーナを呼び出した王家の谷が、この先にある。
鬼が出るか蛇が出るか、果たして。

 

【ダーナ編⑩】
流星雨は止まったが、流星の墜落が大地を刺激し、各地で火山の噴火などの天変地異が巻き起こっていた。
また、落下の衝撃で巻き上げられた粉塵により太陽が見えなくなってしまい、温暖だったエタニアの気候も寒気に見舞われ始めていた。
王都はあちこちの建造物が破壊され、さながら被災地の様相を呈していた。
豊作だと予言されていた作物もとれなくなり、エタニアの民が徐々に王都から逃げ出していく。

 

そんな中ダーナは、ローブの人物の言うとおり、王家の谷に向かうことを決意。
未来の自分自身にも頼まれたことだから、と。
しかし王家の人間しか立ち入ることを許さない禁忌の地。入り口では衛士が門番をしていた。
ダーナは彼らを理力で眠らせてから、水晶柱の傍にヒモロギの苗木を植えるが、巡回中の衛士に見つかってしまう。
一筋縄ではいかない王家の谷への侵入。ここは一旦退くことに。
【ダーナ編⑩ここまで】

 

王家の谷突入前の野営で、ダーナは自身が後先考えずに行動する性格になった経緯を仲間達に語る。
生まれつき予知能力を持ったダーナは、見たくない予知までガンガン入ってきてしまうので塞ぎがちになっていた。
それを見かねたダーナの母は、普通に生活できるよう理力を抑える指輪の理法具をダーナの指に嵌めた。
それからしばらくは普通に生活していたが、ある日自宅の納屋が火事になり、母が巻き込まれて亡くなった。
自分がこの指輪を嵌めていなければ、火事を事前に予知して母を救えたかもしれないと後悔したダーナは、
それ以来、たとえ理不尽でも目の前の救える者は全て救おうという決心をしたのだった。
※【ダーナ編⑨】でのフラッシュバックは、この時の出来事である

 

193イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 18:27:48.40ID:LFLbtsaR0
王家の谷の最深部で、はじまりの大樹にまつわる壁画を発見したアドル一行。
しかしその壁画は、はじまりの大樹が地上を滅ぼしているような構図であった。
どういうことか悩むダーナの前に、夢に出てきた黒いローブの人物が現われる。「待っていたぞ、ダーナ」
大昔の人物ではなかったのか、と困惑するラクシャをよそ目に、ローブの人物は壁画について語る。

 

「まだ記憶は戻っていないようだな。ならば、その壁画を見て驚いたであろう。
大樹信仰は、一部のエタニア人どもが築き上げた絵空事にすぎないからだ」
「大樹がもたらす大いなる進化とは、"種"を成長させることではない。
外的環境に適応した者を"選択"し、不適応者は"淘汰"するという原理なのだ。」

 

つまり壁画にあるように、大樹は一定周期で天変地異を引き起こし、
それに適応した者には加護を与え、生き残れなかった者は淘汰する。
この地上を維持していくために、選択と淘汰による生命の選別を行うことが、大樹本来の役割であった。

 

この大樹による淘汰は涙の日(ラクリモサ)と呼んでいる。
エタニア王国も流星雨というラクリモサにより淘汰されたのであり、滅びは回避できない運命にあったのだ。

 

「我らを"拒否"したお前がどう行動するか、見届けさせてもらおう」
そうダーナに告げ、ローブの人物は消えた。
拒否とは一体どういう事か、ダーナは思い出すことができなかった。

 

194イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 18:29:51.30ID:LFLbtsaR0>>195>>203
第六部「絶海のラクリモサ」

 

再び漂流村が古代種達に襲われる。
王家の谷から戻り、いつものごとく迎撃に当たるアドル達ではあったが、いつもと様子が違う。
ダーナも知らない古代種が現われたのだ。すなわち、エタニア紀以前の生物。胸騒ぎを覚えるラクシャとダーナ。
いつにも増して殺気立っている古代種達は留まることを知らない。昼夜問わず襲いかかってくる。
篭城戦に持ち込まれた漂流村。食料や物資も尽きてきた。このままでは、島脱出の前にいつまで村が持つか…

 

隙を見て、情報収集のためにジャンダルムの頂上まで理力ワープ。
すると、はじまりの大樹周辺が霧の繭に包まれていた。霧の中から、エタニア紀以前の生物が次々に飛び出してくる。
詳しい状況を確かめるべく、大樹に移動。ところが、橋を延々と歩いても大樹が霧に隠れて見えてこない。
そのうち、アドルは霧の中で仲間達とはぐれてしまった。
霧の中で謎の古代種に遭遇。その姿は、【ダーナ編⑨】で過去ダーナが戦った謎の竜種に類似していた。
倒すと仲間達と合流。結局大樹にたどり着くことはできず、いつの間にか元の場所に帰ってきてしまった。

 

ふと、アドルは腕に激しい痛みを感じて呻く。思わず腕をまくってみると、ダーナと同じ赤い文様が現われた。
すると、霧の繭が急に広がり始めた。困惑するアドル達だが、「はじまりの大樹による世界の進化が再び始まった」と、聞き慣れない声が聞こえてきた。
その声はローブの人物のものではない。ローブの人物を含め、4人の人ならざる者達が歩いてきた。

 

声の主は、海洋生物のような姿をしておりヒドゥラと名乗る。
そのほかは、雄牛のような姿をしたミノスと、虫の姿をしたネストール、そしてローブの人物ウーラ。
彼らは「進化の護り人」と名乗り、大樹のもとで世界の進化を見届ける存在であった。
それゆえ、彼らはアドル達に危害を加えるつもりはなく、ただ見守るだけなのだと諭す。

 

ラクシャは「大樹による世界の進化」とはどういうことか、護り人に真意を問う。
「あなた方人間も、ラクリモサによって淘汰される対象に選択されたのです。」
「リコッタ達、死んじゃうのか!?」「ええ、誠に残念なことですが…」

 

ラクリモサはその時代によって異なる厄災を引き起こす。
エタニアは流星雨。この時代に対しては「古代世界への回帰」が今回のラクリモサ。
霧の繭が膨張すると共に、ラクリモサの影響がこの地方全域に拡大するという。
「同情を禁じ得ませんが、私達は何もしてあげられません」とヒドゥラは言う。

 

護り人達には、アドルやダーナと同じ赤い文様が刻まれていた。
自身の正体を思い出したダーナは動揺。ダーナはエタニア時代の「進化の護り人」だったのだ。

 

ラクリモサによって滅び行く"種"の中で、最も輝く魂を持つ者が「進化の護り人」に選ばれる。
彼らは自分と同じ"種"が滅びる様を見届け、それから未来永劫世界を見守っていく。
ヒドゥラ達は、それぞれラクリモサによって滅んだ"種"の生き残りだというのだ。

 

すると、アドルに赤い文様が現われたということは…
「アドル、あなたもこの時代を代表する進化の護り人に選ばれたのです。」

 

「そんなことは許されない!」と憤慨するアドル達。
好きなだけ抗うと良い。また来るから、それまでに覚悟を固めろ、と言い残して護り人達は去っていった。

 

 


196イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:12:38.32ID:LFLbtsaR0
主な登場人物③
ヒドゥラ…最初の時代の護り人。かつては原初の海を支配していた。セレンの園建設者
ミノス…大氷河期時代を代表する護り人。氷に覆われた大地を支配者する一族の王であった
ネストール…昆虫が世界を支配した時代の女王。感情を持ち合わせておらず、あっさりとラクリモサを受け入れた。
ウーラ…黒いローブを纏った人物。正体はサライで実は擬態の能力を持つ天上人。
リトル・パロ…バルバロス船長が伝令役として言葉を仕込んだ、セイレン島のオウム。
船長亡き後も、村からの伝令をアドル達に伝える役目を担っていたが…
大地神マイア…はじまりの大樹を創った神。最初に大樹の真実をヒドゥラに教えて以来、永い眠りにつく。

 

主な用語説明③
ラクリモサ…はじまりの大樹による天変地異とそれによる種の淘汰。エタニアはラクリモサで滅亡した。
進化の護り人…大樹の進化を見届ける存在。それぞれラクリモサによって滅んだ種の生き残りで不老不死。
セレンの園…神の摂理であるラクリモサに対抗すべく、かつてヒドゥラが作った施設。滅んだ種の膨大な量の想念を利用する。
見届けの丘(オクトゥス)…はじまりの大樹の内包世界。ラクリモサで滅んだ種の想念が捕らわれている。

 

197イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:14:27.85ID:LFLbtsaR0
護り人が去った後、ダーナは何故彼らと行動を共にしていないのか疑問に感じていた。
すると、傍にあった水晶柱が輝き出す。ダーナはそれに手をかざす…

 

【ダーナ編ラスト】
流星雨の終結から幾ばくかの時が過ぎ…
エタニアの寒冷化は一層強みを増し、今や季節外れの雪が降り始めていた。
この寒冷化により、生き残った人々も次々に病に倒れていく。
流星雨以来、王宮の門は何故か閉ざされたままで、サライ女王も行方不明であった。
昏迷を極める王都。滅びの道を辿るエタニア王国。もはや、国の誇りも尊厳も失われていた。

 

そんな中から、大樹の巫女を糾弾する一派が現われた。ダーナこそ、あの凶星を呼び寄せた魔女なのだと。
かつてダーナと親しかった者達も、次々に糾弾派へと掌を返していった。
彼らの目をかいくぐり、必死に王都を駆け回るダーナとオルガ。
皮肉なことに、王家の谷は警護が手薄になった。今なら難なく入れるだろう。

 

オルガは文献や伝承を読み漁り、ラクリモサに抗う最後の手段と言われる「セレンの園」の在処について調査していた。
そのセレンの園の在処がようやく判明、予想していたとおり、王家の谷にあった。
王家のサライならこの事を知っていたはず。なぜ隠していたのか。そしてどこに行ってしまったのか。
アドルの時代にはそんなものは見つからなかったが、恐らくアドルの時代に至る前に崩落したのだろう。

 

自分たちにはまだできる事があると、セレンの園に向かおうとするが、王都の出口で糾弾派に見つかってしまう。
そこには、かつてダーナの護衛として働くことを夢見ていた若き衛士、ラステルの姿があった。
ダーナに惚れていたラステルは「いつか立派な衛士になって、この手で巫女様を守って見せます!」と約束を交わしていたのだが…
ラステルが目標としていた衛士長の父を流星で失い、
「教えて下さい巫女様…。何故こんな事に!どうしてエタニアを守ってくれなかったんだ!」と怒りの矛先を向ける。

 

「ラステル、あなたの問いにはまだ答えることはできません。でも、何よりも知りたい。巫女として、彼らの友人として。」
「彼らがどうして命を落とさなければならなかったのか。そして、どうすればエタニアを…皆を救えるのかを。」ダーナの言葉にハッとするラステル。
「この命尽きようとも、真実を知らなくてはいけないのです。さあ、ここを通して下さい!」
巫山戯るな、とダーナに石を投げつける糾弾派達。顔面に迫った一つを…ラステルの槍がはじき返した。
「あのとき、父と言葉を交わすことはできなかった。でも父は、自分の役割を全うして死んでいったに違いない。」
「ならば…父と同じように己の使命を全うしてみせる!自分が守ると決めた者を最期まで守ってみせる!」

 

「あの時の約束、今ここで果たさせて下さい」と言い遺し、ラステルはダーナを逃すのであった。

 

198イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:16:43.83ID:LFLbtsaR0
セレンの園への道中、大樹の寺院にて侍女の報告を受けるダーナ。
流星雨の直前に、はじまりの大樹が黄金に輝き、地中の理力も異常に高まっていたのだという。
やはり、壁画の内容は真実だった。ダーナは、糾弾派の言い分もあながち流言ではないなと皮肉った。
もはや寺院の存在意義も失われたも同然。今後どうするか、指示を請う寺院の修道女達。
人々に苛まれても、今まで通り苦しむ人々の傍に寄り添おうと諭すダーナ。信仰は失われても、大義までは失うまいと。
やはりダーナを巫女に推挙したのは間違いではなかったと、寺院の修道女達も覚悟を固めた。

 

王家の谷の壁画前にあるセレンの園にたどり着いたダーナ。
周囲の溝から水のようなものが流れ落ち、中心の小さな樹に集まってきている。
その木の前には石碑が置かれてあった。
「『セレンの園』は各々の時代を生きし種の想念が辿り着く場所…想念を糧としてかの樹は育つ。」
「"想念の樹"が育ちし時、あらゆる摂理や理法に干渉し、忌まわしき涙の日の克服が可能となるだろう」

 

しかし、流れる想念の水は弱々しい。ダーナの背後に、進化の護り人達が現われる。
セレンの園はヒドゥラが造った場所であり、弱々しく流れている想念がエタニア人のものであると説明。
ラクリモサほどの摂理に干渉するには膨大な想念が必要で、
過去生きてきた種の想念を積み重ねても、樹が十分育つには全然足りていなかった。

 

崩れ落ちるダーナ。「この園が、最後の頼みの綱だった…!」
護り人達は、その気になったらいつでも訪ねてこいと言って去って行く。
しかしダーナは自分にムチを打つ。「まだ…まだだよ…!」
「あの人も、同じ…。この園が、いつか必要になるときが来る。」そう言って、ヒモロギを植えるのだった。

 

199イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:17:58.36ID:LFLbtsaR0
それから、さらに年月が流れた。
かつて青空の下で栄えていたエタニア王国は、今や深い雪の中。今もなお、雪は深々と降り注ぐ。
一人、雪に埋もれた大樹の前で祈りを捧げるダーナの前に、ローブの人物、ウーラが現われる。
ウーラは問う。「いつまでそうしている気だ?」

 

「相次ぐ天変地異により、すでにエタニア人全ての命が失われた。親友のオルガとやらもこの世を去ったのだろう。」
このうえ何のために、と問うウーラにダーナは答える。「私には、まだ助けられる人たちが残っているから…。」
「遠い未来でラクリモサに対峙しているアドルさん達と、護り人という呪縛に捕らわれ続けているサライちゃん、あなたたちを助けたい。」
ダーナは、ウーラの正体がサライ女王だと言うことに気がついていた。ローブを取ると、サライの顔が現れた。

 

「私達護り人を呪縛から解放するなんて、意味のない話だ。それに、それが何を意味するのか分かっているのか?」
「護り人のみんなが私を見る目。それが、自分自身を見守るような目をしているから…」ハッとするウーラ。

 

そしてダーナは、自らのこめかみに指を当て、自分自身を射貫く。
倒れるダーナに驚くウーラ。「何故、そこまでできる…!」
他の護り人達が現れ、すでに自殺なんて出来ない身体なのに、と言うが、そうではなかった。
ダーナの周りに木々が生え、身体を取り囲み始めた。木々の中で眠るダーナ。

 

ダーナはラクリモサによって絶望に捕らわれる前に、自分自身を封印した。そして、次のラクリモサの時に目覚め、再び立ち向かうつもりなのだ。
なかなか根性のある女じゃねーか!と感心するミノス。
ダーナが次の種と交信する力を持っていたことと合わせて、自分たちが知り得る以上の事が起こっているのでは、と考える。
ラクリモサの前に抗えるとは到底思えない。遙かな叛逆の道を選択したダーナをこれからも見届けようと、護り人達は消えた。

 

そして遙かな時を超えて、ダーナはアドルと邂逅するのであった。
【ダーナ編ラスト ここまで】

 

200イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:22:37.30ID:LFLbtsaR0>>203
ついに全てを思い出したダーナ。ダーナはアドルに会うために、大樹の前で眠りについていたのだった。
それに、ローブの人物はダーナの親友だったサライであることも判明。
アドル達もラクリモサに抗うために、おそらくヒモロギで復元されたであろうセレンの園に向かうのであった。

 

【サブクエスト「親友の遺言」】
※本編ではないですが、真エンドを見るためには必須のシナリオなので書いていきます。

 

ラクリモサを前にして、ダーナは漂流村で一人オルガのことを思い出していた。
話を聞くと、ダーナは当時エタニアを救うのに必死で、オルガの死に目には立ち会えなかったのだという。
「青い鳥の伝承を知っているか?そうだな、いざという時はかの者に託すとするか…」それがオルガとの最期の会話だった。
その会話が気がかりになっていたのだという。オルガは死ぬ前に何かを遺したのでは、と。
今ではもう無駄かもしれないが、とダーナは言うが、アドルは一緒に探すことを決意。

 

手がかりを元に王都を捜索した末、鳥の石像の首にペンダントがかかっていた。「そんな…オルガちゃんのだ…」
その時、ペンダントから想定外の声が聞こえてきた。「ダーナ、聞こえるか?」

 

「これを見つけたと言うことは、私はもう力尽きたようだな…。」
「お前は、自分たちと出会ったことや大樹の巫女になったことを後悔しているか?悔やんではいまい。私も同じだ。」
「よく覚えていておけ。お前が自分たちを大切に思ってくれているように、私もお前のことを想っているということを。」
「せめてこの品をお前に贈ろう。私の残る理力を全て込めておいた。負けるなよダーナ。また、どこかで会おう…」

 

「やっと…やっと受け取ったよ、オルガちゃん…!」
オルガからのメッセージを受け取ったダーナは、あの流星雨以来、はじめて涙するのであった。
【サブクエスト「友人の遺言」ここまで】

 

201イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/12(水) 21:26:36.13ID:LFLbtsaR0
再び連投規制入ったので今日はここまで。
恐らく次がラストになります。

 

 

204イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/13(木) 23:55:36.54ID:w4317uHF0
復元されたセレンの園に辿り着いたアドル一行。
しかしセレンの園の中心にある想念の樹は、エタニア時代に比べて大きくなっているものの、まだ十分には育っていなかった。
途方に暮れるアドル達の前に、護り人達が現れる。ラクシャは、そもそもなぜセレンの園を造ったのか、とヒドゥラに聞く。
ヒドゥラは、ちょうど今のアドル達のように、かつてラクリモサを止める方法を必死で捜していたのだという。
研究者だったヒドゥラは、セレンの園を築く事には成功したがそれまでだった。結局、為す術もなく彼の種は滅んでしまった。

 

「それならば、私達の気持ちも分かるはずです!」
あくまでも諦めようとしないアドル達に、無駄だろうと考えつつも助言を出すヒドゥラ。
セレンの園に流れ込むのは、あくまでもラクリモサ以前に生きた者達の想念である。
しかしラクリモサによって淘汰された者達の想念は、未だはじまりの大樹に捕らわれ続けているのだという。
それを開放すれば、流れ込む想念の量が増大して樹は一気に育つのではないか。

 

ひとまず大樹のもとへ来て下さい、と言って去るヒドゥラ。
後を追って大樹にやって来ると、転移門のようなものが目の前に現わる。
中に入って転移すると、そこには大樹の内包世界、見届けの丘(オクトゥス)が広がっていた。
見届けの丘で、護り人が生きた各時代を再現した領域を突き進む。

 

最初にヒドゥラの領域で想念を解放すると、ヒドゥラは語る。
最初に大樹の真実を教えたのは、ヒドゥラ達の種を原初の海から地上に遣わせた、大地神マイアという神であったと。
大地神マイアはそれきり姿を消し、再び地上に現れたことはないのだという。

 

ミノスの領域で彼の種の想念を解放すると、ミノスは同胞の想念を解放してくれたことをアドルとダーナに感謝する。
「ダーナ、お前がアドルに入れ込む理由が分かった気がするぜ。諦めの悪さに関しては二人ともそっくりじゃねぇか!」ダーナは苦笑する。
最後に、「もしラクリモサを止めるのに失敗したときは、一緒にここで酒でも酌み交わしながら最後を見届けようぜ」とアドルに投げかけるのだった。

 

ネストールの領域では、ネストールが自ら進んで護り人になったことを告白。
ラクリモサがこの世界に必要だと本能で理解したとき、彼女が束ねていた100万以上の眷属全てが自分たちから生け贄になったという。
「ラクリモサが停止すれば、世界は歪み、地上は危機を迎える。この期に及んで何故ラクリモサに抵抗するのか?」
「とことん足掻くのが人間ってことよ!」とサハド。

「人間が妾たちと決定的に異なる種であることは理解した。行くがいい…お前たちの選択が正しいかどうか、直に明らかになるだろう」と言ってネストールは去った。

 

最後の領域、ウーラの領域で想念を解放すると、ウーラが現れる。
あくまでもウーラのことを"サライちゃん"と呼ぶダーナに、「もうやめてくれ…」という。自分には、その名で呼んでもらう資格がないのだと。
ウーラは、遙か天空から地上に降り立った、擬態の能力を持つ"種"の代表であった。
エタニアの時代が来ると、護り人となったウーラは次の護り人を見いだすために再び地上に降り立ち、王家に近づいた。
その時、病床に伏していた幼い本物のサライと出会う。事切れた本人に擬態し、成り代わったのだ。

 

突然ウーラは苦しそうに跪く。「これは…まさか…!」「これが…罪滅ぼしになるとは思えないが…」
しばらくすると立ち上がり、話し口調が変わった。「お久しぶりです、ダーナさん。」
ウーラはサライの人格に入れ替わったのであった。サライの人格はウーラにより復元されたものではあるが、それでも幼い頃から一緒に育ったサライには違いない。
ウーラは、ラクリモサを見届ける己の使命と、ダーナを騙していたことへの罪悪感との間で葛藤していたのだった。
その葛藤が原因で、意図せず人格の入れ替わりが起こったのだ。
思わずサライの胸に飛び込むダーナ。ダーナに辛い思いをさせてしまったことを謝るサライ。それとオルガのことも…

 

積もる話はあるだろうが、時間はあまり残されていない。十分に育った想念の樹の元へ、アドル達は向かうのであった。

 

205イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/13(木) 23:56:12.82ID:w4317uHF0
想念の樹に戻ってきたアドル達。これから受け取る「想念の力」は、世界の摂理や理法とは対極に位置するもの。
ダーナは、自身が持つ理力とは相反する想念の力を、自分ではなくアドルに受け取って欲しいと頼む。
アドルの持つ剣を想念の樹に掲げると、樹は光り出し、見えない力の奔流が押し寄せてきた。
やがて剣の元に光が集まると、剣は全く異なる姿に形を変える。「想剣ミストルティン」の誕生である。
これがラクリモサを止める力、そして過去の種全ての「生きたい」と願う意志そのものであった。

 

再び、見届けの丘に戻ってきたアドル達。目指すはその中心に位置する「選択の間」。
中にあるのは、進化の摂理そのものであるとサライは言う。進化の摂理とはすなわち世界の摂理にも等しい。
ネストールが言ったとおり、この摂理に干渉してしまえば何が起こるか分からない。
それでも行かなくてはならない。生き残るために。ドギ達が篭城している漂流村ももう限界だ。
「選択の間」の閉ざされた門を、ミストルティンの一撃が切り拓いた。

 

【ダーナ好感度MAXイベント】
※本編には関係ないですが、真エンドを見るには必須のイベントなので書いていきます。

 

漂流村の見晴し台に登るアドルとダーナ。束の間だが、気の休まるひとときを過ごす二人。
「ラクリモサを止めたらどうなるか分からないけど、やっとここまで来たんだね。」
「この時をずーっと待ち続けていたから、流石に感慨深いかな…」
ダーナは、改めてアドルに出会えたことを感謝する。でもだからこそ、アドルには謝りたいことがあるのだと言う。

 

「私達って、ちょっと不思議な縁があったよね。お互いの意識を共有していたり、こうして一緒に旅をすることになったり。」
「そんな中で、私は心のどこかで確信するようになっていった。今の地上で"最も輝く魂"を持つ者は、この人なんじゃないかって。」
つまり、アドルを進化の護り人に選んだのはダーナ自身ではないかと言う。ラクリモサを巡る危機にアドルを巻き込んでしまったと、謝るダーナ。
アドルは、「謝る必要なんてない。むしろ君に選ばれて光栄だ」と答える。
「アドルさん…そうだね。」「うん、今回はあの時とは違う。その想剣があれば…きっと。」

 

何かが吹っ切れたようにダーナは話す。「やっぱり想念の力は、アドルさんに受け取ってもらって良かったな。」
実際のところ、想念の力はダーナが手にしたかった様子。しかし、アドルとは最後まで一緒に戦いたいので想念の力を託した。
それを聞いたアドルは、「ダーナにはいつも驚かされるな」と言った。
それは、かつてダーナの大胆な行動を見たオルガやエタニアの人々が口にしていた言葉。
ついにアドルさんにも言われてしまった、とダーナは苦笑。しかし、今考えてもその選択が一番良かったと語る。

 

そしてダーナは、皆を助けたいという想いの原点である、母の形見である指輪をアドルに託すのだった。
その剣と一緒に持っていてくれたら嬉しいと。

 

こうして二人は、最後まで諦めずに戦うことを誓い合うのだった。
【ダーナ好感度MAXイベント ここまで】

 

207イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/13(木) 23:58:56.63ID:w4317uHF0
>>206
すいません、一部分抜けてました。
>>206は無視して下さい

 

「選択の間」へ突入しようとしたとき、ダーナはある予知を感じ取った。「今のは…」
アドルは何が視えたのかダーナに聞くが、全部終わったら話すと誤魔化されてしまった。
選択の間の最奥で、アドル達は進化の理「デオス・デ・エンドログラム」と対峙する。
ラクリモサを巡る最後の戦いが始まった。

 

「デオス・デ・エンドログラム」を倒したアドル達。それと同時に、島中を暴れ回っていた古代種達が次々と消失していく。
選択の間からは外の様子が確認できない。ラクリモサを止めることができたのか分からないうちに、突然空間全体が激しく揺れ始めた。
何が起こっているのか分からないアドル達に、ウーラが駆け付けてくる。
「ラクリモサを止めることはできました。ですが…世界が、この島を中心に消失し始めています!」呆然とするアドル達。

 

「摂理に干渉したのはやはり間違いだったのでしょうか…」
「まだ諦めない!」「で、でも…もう…」もはやアドル達には為す術がない。万事休す。

 

「まだだよ、アドルさん!」その時、ダーナは叫んだ。身体がやんわりと光る。
「私達がやったことを…間違いになんて…させない!」

 

セイレン島が、ゲーテ海が、世界が白く染まっていく。

 

208イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/13(木) 23:59:44.13ID:w4317uHF0
エピローグ「蒼き怒濤の果て」

 

※ここまでのアドルの行動によって、3つのエンディングに別れます。
※バッド、ノーマルは真エンド√からぶつ切りという形で分岐するので、真エンドを中心にまとめます。

 

気がつくと、アドルは漂流村のハンモックの中にいた。
そこにラクシャがやって来る。起き上がるアドル。
「いつまで寝ているのです?ドギ達はもう積み荷を運び込む作業を始めていますよ。」

 

積み荷?何のことだ?
「寝ぼけているのですか?一週間後に脱出するのですから、それに必要な水と食料のことです」

 

ラクリモサはどうなったのか。ダーナは…
「ダーナ…どなたです?漂流者の中にそのような名の方はいませんが…」

 

着替えるからとラクシャを追い出すが、そのとき想剣ミストルティンが元の剣に戻っていたことに気づく。
居ても立ってもいられなくなり、急いで着替えてから村の広場に出てみた。

 

漂流者達の表情は明るく、活気に満ちていた。しかし、ダーナやラクリモサのことは、誰も覚えていなかった。
覚えていないというより、最初からそのような人などいなかったというような振る舞いである。
ダーナと一緒に島を探索し、ラクリモサに抗ったラクシャ達4人も同じだった。
「6人で一緒に島を駆け回ったよなぁ…ん?5人だったっけか。」

 

そういえば、はじまりの大樹はどうなったのだろうか。
アドルは一人で島の北部へ行くことにした。

 

そこには、何もなかった。寺院も、はじまりの大樹も…。
最初からここには何もありはしなかったかのように、ただ草木が鬱蒼と生い茂っていた。

 


※バッドエンドはここで打ち切り。アドル以外全員ダーナの存在を思い出さないまま、最後のシーンへ飛ばされる。

 

しばらくそこで立ち止まっていると、ラクシャ達4人の仲間がやってきた。
アドルは一体皆でどうしたのかと聞く。全員何かに呼ばれたような気がして、ここまで来たのだという。
なんとなく、ここに来なくてはいけない気がした。何もない風景にも違和感を覚える仲間達。
目の前には、小さな木が立っている。そこに近づくアドル達。何もないのに懐かしさを覚えるのは、なぜだろう。

 

そこにやってきたのは、村の伝令役であったオウム、リトル=パロ。
亡きバルバロス船長に言葉を仕込まれ、島の探索中に、漂流村が襲われたことを連絡したりしていた。だが、いつもと様子が違う。
「あどる・くりすてぃん。ヨクゾ、ココマデキマシタ。」
「タノモノモ、ワガショウチニ、ヨクゾオウジテクレマシタ。」
パロは光に包まれる。そして、水晶のような球体を抱え持った女性の姿へと変貌を遂げた。驚く一同。

 

209イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/14(金) 00:00:23.92ID:yelBDDki0
「失われし世界の記憶を、今一度あなたたちの元に…」
女性はそう言って手をかざすと、仲間達にある記憶が流れ込んできた。そうして仲間達はついに思い出した。
「なぜ、今まで忘れていたのでしょう…かけがえのない友人の存在を。ダーナさんと共に過ごした日々を。」

 

存在しない記憶だが、復元したのだという女性。
彼女こそ、はじまりの大樹と進化の秩序を創造した大地神マイアであった。

 

「夢を見ていました…。進化によって移ろう、果てしなく続く絵物語のような夢を…」
「それはとても心地の良い夢…。ですが先刻、私はその夢から目覚め、それによって世界が滅びたのです。」
この地のあらゆる出来事は、マイアがまどろみの中で見る夢そのものであるという。地上のあらゆる種の営みや、ラクリモサですらも。
進化の根源たる力が停止したことでマイアは目覚めた。そして、世界は確かに一度滅びた。

 

だが、ダーナは世界がマイアの夢であることに気づいていた。おそらく「選択の間」突入前にダーナが見た予知がそれである。
デオス・デ・エンドログラムが倒れた瞬間、ダーナは無意識的に自分自身を身代わりに差し出した。
その行為の代償として、ダーナは自身の「存在」を失い、新たな「進化の概念」に昇華してしまった。
マイアはそのおかげで、崩壊しかけた世界の再構成ができたのだという。

 

つまり、アドル達によって世界は終末をむかえたが、
ダーナがマイアを目覚めさせて世界を再構成することにより、結果的にラクリモサを阻止したのであった。
しかし、その代償は衝撃的なものであった。新たな世界ではダーナは概念でしかなく、過去にも存在していないのだ。
「そんなのありかよ…」サハドが落胆する。

 


※ノーマルエンドはここで打ち切り。最後のシーンに飛ばされる。以降が真エンド√

 

210イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/14(金) 00:02:54.33ID:yelBDDki0
重苦しい空気に包まれる中、アドルは静かに怒る。「忘れたなんて言わせないぞ」
それは、かつてダーナと交わした約束。「笑ってその時を迎えるため、自分自身の言葉で別れを伝える」ことを。

 

「ふふ…それでもあなたはダーナを探すつもりですね?ならば、私も少しだけ力を貸しましょう。」
世界を再構成したのは、アドルとダーナ、あなたたちが見たいからだった、マイアはそう言って目の前の空間を切り裂き、
「はじまりの深淵」への門を開いた。ダーナに会いたければ、ここを突破しろと。
はじまりの深淵の最奥で、原初生物の姿をした「はじまりの命」(真ラスボス)と対決するアドル達。
全ては、もう一度ダーナに会うために。あの約束を果たすために。

 

「はじまりの命」を倒すと、元の森に戻ってきていた。ダーナに会えるのではなかったのか?
マイアは微笑んで応える。「ダーナは概念であるが故、存在はありません。しかし、いつでもどこにでも"いる"のです。」
そう言うマイアの横に、あの懐かしくも見慣れた蒼髪の女性の姿が現れた。
「紹介しましょう…新たに我が眷属に加わった"進化の女神"、ダーナです」

 

真っ先にダーナの胸に飛び込むリコッタ。「ダーナ姉、なんで隠れんぼしてた?」
「あはは、ごめんね…。はじまりの命に触れないと、もう皆に認識してもらえないみたいで。」
今までの感謝の言葉をダーナにかける仲間達。

 

そしてアドルとダーナは…
「…ごめんね。あの時は無我夢中で、気づいたらこんな姿になっていて。きっと心配かけたよね…」

 

マイアは語る。
生まれたての大地は変化のない退屈な世界だった。それ故に、選択と淘汰により進化を促すための樹を創った。
それがはじまりの大樹。しかし移ろいあらば、自ずと歪みや淀みを生じるのは必定だった。
アドルとダーナの不思議な縁も、そうした歪みの一つであったのだと。

 

ラクリモサはなくなったわけではない。マイアが夢を見続ける限り、その日は再び訪れる。
しかし、今後ラクリモサの管理は進化の女神に委ねられることになった。
「ラクリモサに苦しみ続けてきたダーナがその役目を担うというのは、いささか酷じゃねーのか?」
「実はちょっぴり自信がないかな。だから、今度は彼らに助けてもらおうと思って。」
そう言ってダーナが呼んだのは進化の護り人達。彼らは今回の一件で、護り人の任を解かれた。
これからはダーナの下でラクリモサの管理を補佐していくとサライは言った。
「地上が早々に乱れないよう、気を付けておく事じゃ。」「ワハハ!ワシらがいつでもお前たちを見張っているということだ!」

 

211イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/14(金) 00:06:09.73ID:yelBDDki0
おおう連投規制。次が最後です

 

 

213イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/14(金) 00:07:52.61ID:yelBDDki0
マイアが再び眠りにつこうとしている。
ダーナとの別れの時である。あのときの約束を果たすときが来た。

 

「アドルさんはここへ来てから私のことを知ったと思うけど…。私はずっと昔から、アドルさんのことを知ってたよ。」
「地上にたった一人残されて、絶望に捕らわれそうになる中で…アドルさんやみんなの生きる姿に、私はどれほど励まされたんだろう…」

 

「ずっと私を励ましてくれて、ありがとう。」
「仲間として私に接してくれて、ありがとう。」
「それとね…最後に私を見つけてくれて、ありがとう…」
肩を抱き合う二人。

 

「名残惜しいけど、これで本当にお別れだね。ありがとう…さようなら…!」

 

それから一週間後。
「ロンバルディア二世」号はついに出港準備を整えた。
村の人々が船に乗り込み、残るはアドルと仲間達だけになった。

 

色々なことがありすぎて、脱出するのが嬉しいはずなのに村を去るのが本当に名残惜しい。
脱出後は皆それぞれの道を歩むことになるだろうが、いつかまたどこかで会おう。
そう言って握手を交わし、アドル達は船に乗り込むのだった。

 


後にアドルが書き残した冒険日誌には、こんな一文が綴られている。

 

――我々は神の道具ではない。
生きている、意思のある存在なのだ。

 

それでも人智の超えた運命を
否定出来ない瞬間は訪れる。
そんな時、君はどう振舞うだろうか?

 

極限に身を置いて尚、
意思と誇りを抱き続ける姿は美しい。

 

私はそのような存在になりたいと願ったし、
数十年を経た今となっても、
”彼女”に畏敬の念を禁じ得ないのである。

 

~アドル・クリスティン著「ゲーテ海案内記」序文より~

 

THE END
-To be continued in Adol's next adventure diary-

 

214イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/14(金) 00:10:31.38ID:yelBDDki0
以上になります。支援ありがとうございました

 

 

219イースVIII ◆l1l6Ur354A 2017/07/15(土) 08:36:42.61ID:xxH3HoI10
はじめに書いたとおり、PS4版の追加要素は含まれていません。
PS4版ではダーナ編のシナリオが大幅に肉付けされておりますが、
そこは誰かにお願いすることにします。

 

最終更新:2017年10月11日 20:17