Shinobi

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>>3-475~478


475 Shinobi sage 04/02/0520:18ID:HAPZfUU5
アクションゲームなんで会話はステージ開始時、ボス前、クリア後だけです。

暗闇に浮かぶ桜の下に兄弟達が対峙する。
忍、朧一族はその掟により、末弟が元服を迎えた時、兄弟同士で殺し合い、生き残った者を当主とする。
誰もが優秀な兄が勝つと思っていた。しかし斬り結び、膝を着いたのは兄だった。
弟は涙を浮かべつつも、掟に従い兄を介錯する。
そして数年後……。

突如式神が出現し、崩壊した東京。
政府は朧一族の生き残りの一人で、当主でもある秀真(ほつま)に式神を操っている陰陽師、産土(うぶすな)ヒルコの抹殺を指令する。
東京に降り立つも、見覚えのある忍装束の集団が。
ヒルコは朧一族の死体を符術で操っていたのだ。
「仇は必ず…」
次々と現れる下忍の亡骸を斬り捨てる秀真の前にヒルコの妖術で式神と化したヘリまでも出現。
苦戦していると、抜け忍となり姿を消していたくノ一、朱刃(あげは)が現れ、二人でヘリを追い払う。
「一族を殺されて何が当主よ!」
秀真を叱咤する朱刃だったが、秀真は抜け忍になった者には関係ないと言い放ち、その場を去る。

ビルの屋上を飛び移り、奥まで進むと朧一族を惨殺した怨敵、蒼蛟龍(あおみずち)が現れる。
苦戦の末一刀を浴びせると、朧の当主の証、妖刀「悪食」が紅い光を帯びる。
「俺の血を吸って蘇ったか」
蒼蛟龍が産土神社で朧最後の上忍、拳(こぶし)を始末しようとしている事を告げると、式神ヘリが再び現れ、蒼蛟龍と共に姿を消す。

産土神社へ向かう途中、悪食が光り出し激しい脱力感に襲われる秀真。
朧に代々伝わる妖刀悪食の真の能力とは、「魄(人間の魂の穢れた部分)を喰らう程、切れ味を増す」というものだった。
斬った者の魄でも足りなければ持ち主の魄すらも喰らう妖刀。
秀真は道中の敵から魄を吸わせ、神社の奥へと向かう。
しかし途中で朧の上忍である銅(あかがね)と銀(しろがね)が現れる。
「殺してください」
「私達は操られています」
秀真は二人と戦い、倒した、すると二人の体から魄が吐き出される。
悪食が魄を吸収すると二人の死体は消えてしまった……。

拳と朱刃が神社の境内を逃げていると、式神ヘリが拳に向かってミサイルを放つ。
次の瞬間、秀真が現れ、ミサイルを両断。
拳をかばうようにヘリに立ち向かうと、魄を喰らい力を増した悪食によってヘリすらも両断する。
だが拳の傷は最早手遅れ。彼は秀真に、ヒルコは以前朧に暗殺され、神社に封印されていた事。
ヒルコが強大な力を手に入れるため、産土家の巫女を生贄にしようとしている事を告げ、息絶える。

産土の巫女を確保すべく、崩壊し迷宮と化した地下街を進む秀真。
しかし朧の上忍、狛楽が現れる。
忍犬を操る狛楽の攻撃をしのぎこれを倒すと、これでやっと楽になれる、と呟き、魄を悪食に吸われ消滅する。

地下街の奥へ進むと、蜘蛛の巣らしき物が大量にある部屋に辿り着く。
そこにある繭の一つを調べると、どうやら産土の娘はこの中に捕らわれている模様。
しかし繭を破壊する間もなく体は蜘蛛、頭は虎という異形の式神白雲(しらくも)が現れる。
子蜘蛛との同時攻撃をかわし、これを倒すが産土の娘に光が纏わりつき、連れ去ってしまった。
秀真はそれを追い地下から飛び出す。

光を追っている秀真の前に火炎が降り注ぐ。
朧の上忍、焔だ。彼もまた操られていた。
焔を倒し、止めを刺そうとすると彼は自らの炎で自害する。
「手前の始末は手前でつけます……っ!」

産土の巫女が捕らえられている所まで辿り着くとそこにもやはり式神がいた。
苦戦の末、紅天蛾(べにすずめ)を屠る秀真。
だが紅天蛾は最後の力を振り絞り、辺り一帯を溶岩で埋め尽くそうとする。
秀真は巫女を抱え、トンネルから脱出する。


476 Shinobi sage 04/02/05 20:19 ID:HAPZfUU5
目を覚ました巫女は篝(かがり)と名乗った。
悪食を持つ秀真を朧の当主と確信し、ヒルコを倒すように頼んでくる。
その時、秀真と篝の前に蒼蛟龍の幻が現れ、その背後から濁流が流れ込んでくる。
篝を抱えながらもなんとか濁流をかわすが、直後に朧の上忍「金剛」が篝を連れ去ってしまう。
金剛に追いつき、篝を返すように要求するも、彼は最初からそんな事には興味はないようだ。
「あんたとは一度、サシでやってみたかった」
彼は秀真に斬られ、悪食に魄を喰われながらも満足そうに消えていった。

金剛を倒し、一息つく間もなく濁流を操っていた式神、玄九蛇(くらくだ)が現れる。
秀真は玄九蛇を倒しようやく篝を取り戻すも、篝は自分がヒルコに生贄にされ、式神兵器「八面王(やつらおう)」が復活する事を恐れ、自分を殺すよう秀真に頼むのだった。
秀真は刀を抜くも、死を覚悟する篝に自らの兄の姿を重ね、斬る事ができない。
「……俺の任務は産土ヒルコの抹殺だ、お前を殺す事ではない」
しかしそこに蒼蛟龍が現れ、篝を連れ去ってしまう。
秀真は篝を救う為、ヒルコと癒着し、八面王の器を製造しているという中臣財閥の工場へ単身潜入する。

工場内を進み、八面王の格納庫の前に辿り着く秀真。
そこに朧の上忍、刻(きざみ)が現れ秀真に斬りかかる。
秀真は刻が盲目な事を利用し、壁と壁を飛び回り、なんとか倒す事に成功。
格納庫へと侵入する。

格納庫へ入った秀真が目にした物は、篝を磔にし、起動を完了した八面王だった。
秀真は八面王を真っ二つにして、篝を救出。
しかしそれこそがヒルコの狙いだった。
ヒルコは八面王が過去に殺し、穢れた大量の魄を吸収する為、わざと秀真に八面王を破壊させたのだ。
魄を吸収し終わったヒルコは、少年と呼べるまでに若返っていた。
ヒルコを討つべく斬りかかる秀真だが蒼蛟龍に妨害される。
「どうした、こやつには勝てぬのか?」
激しい剣戟の末、蒼蛟龍の仮面を破壊。
仮面の下から表れたのは、かつて自らの手で殺した兄、守恒(もりつね)だった。
ヒルコと守恒は、嘲りと共に姿を消す。
秀真は全てに決着をつける為、空に浮かぶ城、黄金城へと向かう。

黄金城の近くまでやってきた秀真の前に朱刃が現れる。
彼女は朧の当主を決める儀式は、悪食の飢えを抑える為の詭弁である事、ヒルコの封印を解いたのは自分である事を話し出す。
そんな事の為に守恒が死ぬ必要があったのか。
激しく憤る彼女はこれ以上先に進ませまいと、秀真に襲いかかるのだった。

秀真に斬られ、息も絶え絶えながらもヒルコと守恒のもとへ辿り着く朱刃。
ヒルコは「彼」が完全に蘇るまで後わずかである事を伝える。
笑みを見せる朱刃だが、彼女の胴を守恒の腕が貫いていた。
秀真が追いついた時には朱刃は息絶え、守恒の半身は爬虫類の様な鱗に覆われていた。
完全に式神、蒼蛟龍に乗っ取られた守恒。秀真は死闘の末、これを打ち破った。
これまで倒してきた上忍と同じく、死までの僅かな間だけ正気を取り戻す守恒。
「案ずるな、私の魂は悪食の中で、お前と共にある……朱刃も連れて行く」
秀真は悪食を鞘に収め、ヒルコを倒す為に黄金城を駆け上がって行くのだった。


477 Shinobi sage 04/02/05 20:20 ID:HAPZfUU5
黄金城の最上部にある舞台で舞いを踊るヒルコ。
「天の北斗七星の形に道程を作り、朧の忍を殺し合わせる裏北斗も完成した……あとは奴が持ってくる悪食さえあれば……」
秀真は黄金城の屋根や壁を飛び移り、巨大な門を破壊し、黄金城内部へと入っていく。

とうとうヒルコの待つ舞台まで辿り着いた秀真。
ヒルコは悪食の中に潜む大量の魄さえあればこの世すら支配すらできると言い、悪食を奪おうとする。
「兄を殺めたこの命……欲しければ貴様にくれてやる。だが、一族の血に塗れたこの刀で共に滅びよ!ヒルコ!!」

長き戦いが終わり、悪食がヒルコから全ての魄を吸い取る。
凄まじい光と風が止むとヒルコは力を失い、再び老人の姿となっていた。
「なぜだ……わしもお前も時代に取り残された存在……なぜ……」
主を失い崩壊していく黄金城、秀真は無言で立ち尽くしていた。
朝日が昇り舞台が照らされる中、崩れ落ちて行く瓦礫の中に彼の姿は見えなくなった。
政府から派遣された自衛隊と共に篝もやって来るが、秀真は悪食を残し、姿を消したのだった……。


478 Shinobi sage 04/02/05 20:21 ID:HAPZfUU5
終わりです。
裏設定として金剛は過去に守恒に敗れていて、守恒と再戦する前に秀真が当主となってしまったので秀真を当主と認めていなかったり、
刻が盲目になったのは初陣の秀真を庇って負った傷が原因だったりするらしいです。
忍者活劇なんで文章が軽く和風入って読み返すと恥ずかしいですな。
ガチアクションだからボス戦にギミックとかなくて書く事少ないし。
ちなみに続編のKunoichiはこのEDのあと、一年後の話だそうな。

最終更新:2006年12月16日 02:11