アランドラ
>>17-47~49・55~56・72~73・90~92・97~98・102~103・105~107・131~134


47 アランドラ sage 2005/07/21(木) 20:48:28ID:8xBdEsnG
「神の御姿を描いた如何なる物--絵画、像などの所有を禁ずる」

突然、国王より偶像崇拝を禁じる触れが出された。
神が人間のこの行為に腹を立てないわけもなく、
罰として、愛すべき民は物を作り出す力
すなわち創造力を奪われてしまったのだった。
だが、神は人間を見捨てはしなかった。
人々は神より授かった、「夢に干渉する力」を使い、
失いかけた生きがいを夢の中に求め始めた。
そしていつしか、人間は夢を自由に操ることができるようになっていった…。

48 アランドラ sage 2005/07/21(木) 20:49:59ID:8xBdEsnG
その晩もまた、アランドラは夢を見た。
いつの頃からか、眠りにつくと必ず見る。
「イノアの村の北方、湖の深き底に眠る悪魔が
今まさに目覚めようとしておる。
滅びようとしている世界を救えるのはそなただけだ」
守護者を名乗る老人が必死に呼びかけてくる。
自分にそんな力があるのか?「悪魔」とは何者なのか?
そんな疑問に終止符を打つべく、アランドラはイノアの村へと向かう旅に出た。


旅の途中、アランドラが乗る船が嵐に巻き込まれ難破した。
彼が目を覚ますと、そこはベッドの上だった。傍らに中年男性の姿がある。
「気がついた様だね、よかった。
 君は気を失って海岸に流れ着いていたんだ。
 わしの名はアンゼス。このイノアの村で工匠をしている。
 よかったらこの部屋を使いなさい。わしは独り者だ。気を使うことはないよ。」
というわけで、アランドラは当分の間、アンゼスの家に居候することとなった。

当分はこのイノアの村に滞在することになる。
そこでアランドラは村人たちに挨拶回りをしに行った。
しかし、ちょうど今、村ではある問題が発生していた。
ワインズという老人が悪夢に苦しめられているというのだ。
数年前に村にやってきた、「夢」の研究者セクタスにもどうにもならないらしい。
アランドラはセクタスに依頼されて足を運んだ、
夢研究の第一人者ターレス(故人)の館で一冊の本を見つけた。
セクタスは、アランドラの額にある傷とその本を見比べて、言った。

「この本にはこう書かれています。
 額に傷ある者、人の夢に入る力を持つ。
 アランドラ、あなたはエルナ、すなわち『まどろみの一族』。
 人の夢の中に入り、悪夢と戦う力を持っているのです。
 あなたならワインズを苦しめている悪夢を何とかできるかもしれない。」

アランドラはワインズの手を握り、セクタスの言葉に従って意識を集中した。
次の瞬間、彼はワインズの夢の中に入っていた。
夢の中でワインズを襲っていた魔物を倒し、アランドラは現実の世界に戻った。
まもなくワインズは目を覚ました。ワインズは悪夢から救われたのだ。

ワインズが助かったという事を聞いた村人ゴウゼスは、アランドラを教会に誘った。
教会で、アランドラはロエイン神父とともに神に祈りをささげた。

49 アランドラ sage 2005/07/21(木) 20:50:57ID:8xBdEsnG

この村はなぜか悪夢に苦しめられている人が多く、それを救うためにセクタスはこの村に来たらしい。
しかし、結局は自分の無力を痛感するだけだったという。
あなたには悪夢と戦う力がある。
その力を貸して欲しいというセクタスの言葉に、アランドラはうなずいた。

そのとき、轟音がとどろいた。そしてまもなく、人の叫ぶ声が聞こえた。
「大変だ!炭鉱が崩れたぞ!」
家から飛び出した二人は、村長の家に運び込まれた鉱夫オーレンの元へ向かった。
崩れる炭鉱から脱出できたのはオーレン一人だけ。そのオーレンも重体だ。
オーレンは、気を失う直前、「ムルータ」と呟いたらしい。
「ムルータ」とは、村の北西の森に住む猿のこと。
炭鉱が崩れたのはそいつらの仕業だろうか?

何が起こったのかを知るべく、アランドラはオーレンの夢に入った。
オーレンの夢の中で見たものは、鉱夫が崩した壁の向こうから現れたムルータの群れだった。

アランドラは夢の中で見たことを周囲の人に話した。
ムルータに洞窟を掘るほどの知能があるとは考えにくいのだが…。
そんな話をしているうち、オーレンの容態が悪化。そのまま、彼は息を引き取った…。

アンゼスの家に戻りなさい、と言われたアランドラはその通りにした。
アンゼスは、工房にこもって何かを作っていた。

「偶像崇拝が禁じられてから、わしらは物を作る意欲を失ってしまった…
 きっと、神の怒りに触れてしまったのだろうね。
 しかし…わしは、やる。
 『武器を作ってくれ!その武器を取って、戦ってくれ!』
 …そう、オーレンの魂が語りかけてくるんだ。」

アランドラは、出来上がった「炸裂弾」を手にして、
生き埋めになった他の鉱夫を救出するべく炭鉱に向かった。

塞がった入り口を、炸裂弾で破壊して炭鉱内部を探索したアランドラ。
しかし、生存者は誰一人いなかった…。
オーレン含めて4人いた鉱夫は、誰一人として生きて帰らなかったのである。

55 アランドラ sage 2005/07/21(木) 21:56:51ID:8xBdEsnG
村に戻ったアランドラは、シヴィルという少女に会いに行った。
彼女の母親シーラがぜひ会ってやって欲しいと言ってきたのだ。

シヴィルは睡眠中には夢を見ず、覚醒中に夢を見るという特異体質であり、
しかも、その夢は「予知夢」であるのだと言う。
彼女の夢に入ったアランドラはさまざまなものを見た。

悪魔と思しき影を崇めるムルータ。
獣のような声が轟く村を徘徊する、村に住む狩人クライン。
囚われの少年の夢の中に次々飛び込んでいくムルータたち。

シヴィルは呟いた。
「いつか、この夢は現実のものとなるでしょう。」


アンゼスの家に戻ったアランドラは、鉱夫たちの墓参りをしてやって欲しいと花束を渡された。
それを受け取り、教会の隣にある墓地へと向かった。

鉱夫の墓前に花束を供え、祈りをささげた。
そして、立ち去ろうとしたアランドラの耳に、聞き覚えのある声が届いた。
その声に導かれるように、アランドラは、賢者ラアの地下墓所に入っていった。

その最深部で、今まで毎晩のようにアランドラの夢に登場し、
メッセージを送り続けていた賢者ラアと対面した。こんな話だった。

村の北にある湖の底に封じられている悪魔「メルザス」が世界を支配しようとしている。
奴の準備が整う前に封印を解き、メルザスを討て。
封印は、私を含む7人の「守護者」がそれぞれ守っている。

アランドラは、メルザスの封印を解く鍵のひとつ、「鳩血のルビー」の紋章を受け取った。
(うんちく:ルビーの中でも最高級のものは「鳩の血・ピジョンブラッド」と呼ばれている)

56 アランドラ sage 2005/07/21(木) 21:59:09ID:8xBdEsnG
墓参り(?)を終えて戻ったアランドラは、
青年ボージスと彼を慕う女性ナーシアの2人が倒れたと言う話を聞いた。
ナーシアは、眠ると周囲の物体を破壊してしまうと言う謎の力を持ってしまったため、
眠ると周囲に迷惑がかかると言って、もう6日も寝ていない。倒れて当然である。

ベッドで寝息を立てているナーシア。そのとき、どこかで何かが破壊される音が聞こえた。
飛び込んできた村人によれば、故・オーレンの家が破壊されたらしい。
これは悪夢のせいだと断じたセクタスの言葉を受け、アランドラはナーシアの夢に入ろうとした。
しかし、目を覚ましたナーシアは、それを拒絶した。
「アランドラが夢に入るには、私が眠っていなければならない、でも眠るわけにはいかない」
 それより…ボージスを連れて来て。愛してる、なんて言ってくれなくてもいいの。
 ただ、私のためだけに笑ってくれれば…。おねがい。」
報われない愛。ナーシアはこんなに想っているのに、ボージスは全く相手にしない。
そのため、冷たい現実を無意識のうちに破壊してしまうのだろうとはセクタスの弁。


アランドラは、ボージスの家に向かった。
ボージスは、眠りについたまま、どんなに起こそうとしても目を覚まさなくなってしまった。
うわごとで、「サーティ」という女性の名らしき言葉を呟くのみ。
アランドラは、ボージスの夢の中に飛び込んだ。

サーティとは、現実の女性を好きになれなかったボージスが夢の中に作り出した理想の女性だった。
しかし、サーティはいつしか人の魂を食らって生きる夢魔と化し、
今まさにボージスがその餌食になろうとしていた。
アランドラは、ボージスを救うために夢魔サーティを倒した。
夢魔サーティは、「ボージスが将来愛するであろう女を道連れにしてやる」と言い残して消滅した。


こうしてボージスは救われた。しかし、ボージスはサーティの最期の言葉が気にかかっていた。
もしかして、将来愛するであろう女とは、ナーシアの事じゃないか…

…残念なことに、その通りになってしまった。
サーティの力によるものなのか、現実を破壊する自分に耐えられなくなったのか、それはわからないが
ナーシアは、二度と覚めない眠りについてしまった…。

72 アランドラ sage 2005/07/22(金) 09:28:03ID:hKCbO9IF
アランドラは目を覚ました。いつもと同じような朝だった。
ただ一つ違うのは、ナーシアがいないことだった…。

「ナーシアの事を考えていたら、これを造ってしまったよ。」

1階の工房にこもっていたアンゼスは、鎖付き鉄球を取り出した。
それを受け取って表に出たアランドラは、ゴウセルに罵声を浴びせかけられた。
「お前が来てからというもの、まるで呪われたかのように、村人が次々と倒れていった。
 悪魔め!村から出て行け!」
しかし、アランドラを悪魔だと言う村人はむしろ少数派で、
ほとんどの人はアランドラに好意的に接してくれる。
ゴウセルは信心深すぎて、やや狂信的なところがある。
だから許してやって欲しいと言われた。


その一方で、村の南の海岸の潮が引いて洞窟が現れたと噂になっていた。
なにかある。
そう直感したアランドラは海岸の洞窟へ向かった。

海岸の洞窟の奥でアランドラは、「守護者」である占星術師ヴルと出会った。
しかし、ヴルの持っていた紋章は、ムルータどもに奪われてしまったという。
メルザスは、ムルータを使って自身の復活を画策しているようだ。

73 アランドラ sage 2005/07/22(金) 09:29:49ID:hKCbO9IF
村に戻ったアランドラは、自分がいない間に村にやってきた旅の少女の話を聞いた。
彼女の名はメディアム。アランドラと同じく、エルナの力を持っているらしい。
そして今、メディアムは、ナーシアの母親であるモラアスの治療に当たっているという。

メディアムは、夢そのものを見られなくするという方法でモラアスの悪夢を取り除いた。
そしてアランドラに言った。
「あなたは…甘いわ。夢そのものを見られなくするくらいでなければならないわ。
 少しでも隙を見せれば、悪魔はそれを狙ってくるのよ。」
しかしセクタスはそれを否定する。
「夢」とは人の生きる希望であり、それを失ったらもはや人ではなくなってしまうのではないかと。
しかし、たとえ夢を失うことになろうと、死ぬことだけは避けたいと願うのもまた人間である。
そう言われてもなおセクタスは反論する。
「悪夢を夢に戻す方法は実際にある。なのに夢そのものを消すのはやりすぎだ」と。しかしメディアムは
「確かに悪夢を夢に戻す方法はあるわ、でも、それにどれだけの危険が伴うのか考えたことはあるの?
 自分の理想を他人に押し付けないでよ。…迷惑だわ。」


その夜。
アランドラの部屋の窓から、狩人クラインが飛び込んできた。
狂気に満ちた目で、「お前の苦しむ顔を見せてくれよ」などと呟く。
まるで正気とは思えない。
物音を聞きつけて部屋に入ってきたアンゼスの姿を見て、クラインは姿を消した。
狂気のクラインを追ってアランドラは家を飛び出した。獣の咆哮が村中に響く。
それを聞いて起きてきたセクタスとともにクラインを追うが、
あちこち逃げ回るクラインを捕まえることはできない。
これではきりがないので、夜明けを待ってクラインの夢を調べることになった。


夜が明けた。
アランドラはクラインの家に向かった。すでにメディアムもクラインの家に来ていた。
しかし、メディアムは、クラインを治すのは無理だと言った。
クラインの夢には、正常な部分がまったく残されていない。
彼の自我は悪夢と融合していて、悪夢を無理矢理取り除こうとするとクラインは死んでしまうという。
それでもアランドラはクラインの夢に入ってみた。
しかしメディアムの言うとおり、もはや手の施しようがない状態であった。

アランドラが現実世界に戻ってくると、突然クラインはベッドから起き上った。
絶叫とともに、クラインは人狼へと変貌した。
彼の心を完全に浸食した悪夢は、ついに彼の肉体をも侵しはじめたのだ。

「俺の魂が叫ぶのさ…アランドラを殺せ、とな。」

クラインはアランドラに襲い掛かった。周囲には他の村人も集まっている。
やむなくアランドラは応戦する。
やがて、クラインの夢が暴走を起こし、それによってクラインは命を落とすことになってしまった。


悪魔…
メディアムは、人に悪夢を見せて苦しめているのは「悪魔」だと言った。
それは、メルザスのことなのだろうか…?

90 アランドラ sage 2005/07/22(金) 18:52:54ID:hKCbO9IF
次の日。
目を覚ましたアランドラの耳に、何かを作る音が聞こえてきた。
アンゼスは、クラインのことを考えているうちに造ってしまったという
「弓矢」をアランドラに手渡した。

村の南西には、リザードマンが住む沼がある。
ムルータがいつ村に攻めてくるかわからない今、
リザードマンの動きにも注意したほうがいいと考えて
アランドラは沼へ向かった。

リザードマンの住処の最深部にて、
アランドラは、人の身を捨てた錬金術師ジルと出会った。
ジルもまた、メルザスの封印を守る「守護者」の一人であり、
アランドラはジルから「青碧のラピス」の紋章を受け取った。


村に戻ってきたアランドラは、
今度はゴウセルが倒れてしまったと聞いて彼の家に向かった。
メディアムが先に彼の夢に入ったのだが、
彼女は何もせずに、すぐに出てきてしまったらしい。
メディアムは、アランドラに言った。
「ゴウセルの夢に入るの?…やめておきなさい。
 これは、悪魔のワナよ、私にはわかるの。」
仮にそうだとしても、ゴウセルを見捨てるわけにもいかない。
アランドラはゴウセルの夢に入り、悪夢を滅ぼした。

こうしてゴウセルは救われたが、ゴウセルはあまり嬉しそうな顔をしなかった。
ゴウセル自身が「悪魔」と呼んでいた者に救われたという矛盾ゆえか?それとも…

91 アランドラ sage 2005/07/22(金) 18:53:33ID:hKCbO9IF
村人の多くは、村の北にある「お袋」と呼ばれる洞窟にやってきていた。
この洞窟には、あらゆる者がここで生まれ、ここへと帰っていくという言い伝えがある。
それゆえ、瀕死の者がいる時、人々はここへやってきて、瀕死の者に向かって呼びかけるのだ。
「そっちへ行くな!帰って来い!」と。

「お袋」に来ていた村人は、ゴウセルが助かったということをアランドラから聞いて、村へ戻っていった。
そのとき、アランドラは洞窟の奥の壁にひびが入っているのに気付いた。
…なにかある。そう思ったアランドラは壁を叩き壊し、その奥へと入っていった。

「お袋」の最深部には、生と死の女王ンヴがいた。「守護者」の一人である。
しかし、ンヴの持つ紋章もまた、ムルータに奪われてしまったという。


ンヴの力によって村に戻されたアランドラの元にセクタスがやってきた。
メディアムが気になることを言っていた、という。
曰く「悪夢の原因は、ロエイン神父が神ではなく悪魔に祈りをささげているからだ」と。
それを確かめるべく、アランドラとセクタスは教会へ向かった。
その途中で、アランドラはシヴィルに呼び止められた。
また気になる夢を見たから、どうしてもそれを伝えたかったのだという。

シヴィルの見た夢、それは…
メルザスの神殿を独り突き進むアランドラ。
その手には、村人の一人ルータスが悪魔を討つために自らの命を捨て、
その死を受けてアンゼスが造り出した「聖剣エルナート」が握られていた。
そしてついにアランドラはメルザスと対峙する…
そこでシヴィルの夢は終わった。

教会の入り口には鍵がかかっていた。二人は、窓を割って教会に入りこむ。
教会の中を探索すると、隠し階段を発見した。
その階段の先に、神父ロエインはいた。
そして、国王によって禁じられたはずの神の像がそこにあった。

ロエインは言った。
人が悪夢を見ることになったのは、偶像崇拝を禁じられたことで
神への祈りの力が弱まったことに怒った神の御業なのだと。
すなわち、悪夢の原因は人の側にこそあるのだと。
だから私はあえて禁を破ったのだ。
それに対して、セクタスは宣言した。
たとえ、相手が神であろうとも戦う、と。

…神の像。
その姿は、アランドラが今まで夢の中で度々目にしたメルザスの姿そのものであった。

92 アランドラ sage 2005/07/22(金) 18:55:19ID:hKCbO9IF
次の日の朝。工房から聞こえてくる音に、アランドラは目を覚ました。
朝起きたら無性に何かを作りたくなった、というアンゼスから「パワーグローブ」を受け取った。
…嫌な予感がした。アンゼスが何かを造り出す時…それは。

その時、セクタスが家に飛び込んできた。なんと、シヴィルが「殺された」という。
シヴィルは、昨晩の夜遅くに発見され、首の骨を折られて死んでいた。
悪夢によるものではない。明らかに、人の手によるものだ。
犯人はおそらく悪魔に味方する者だろう。

メディアムは昨晩、遅くまで起きていたらしい。
まさか、シヴィルを殺したのは彼女なのだろうか…?
彼女が敵か味方かを確かめるため、アランドラはメディアムの夢の中に入った。
そこで、アランドラは、メディアムの過去を見ることになる。


父を事故で亡くしたころから、母は神に対して疑いを持ち、
神の正体を知ろうと、さまざまな文献を調べまわっていた。
そのことが神の怒りに触れたのか、母は火炙りの刑に処せられた。
そして、その娘メディアムもまた追われる身となり、彼女は故郷を捨てた。
旅暮らしの中で、いつしか彼女はエルナの力に目覚め、
その力をもって人々の夢を癒しているうちに、「神の正体は悪魔である」ことを突き止めた。
そして、イノアの村にたどり着いた彼女は、この村の近くに悪魔がいると確信した。
そして彼女は亡き母に誓う。必ず悪魔メルザスを討つと。


そんな過去を持っていたからこそ、
彼女は夢そのものを消してまで悪夢に対抗しようとしたのだろう。
目的は同じなのだから、協力しあうこともできるはずだ。
メディアムが心を開いてくれることを願いながら、アランドラは床についた。

97 アランドラ sage 2005/07/23(土) 00:17:37ID:izBOYSJj
次の日。
村から少し離れたところに住む老人ハヴァンと会ったアランドラは
巨神ニルードに会え、と言われた。
ニルードとは、かつて「神」として崇められていた巨神族の生き残りである。
今もなお、ニルードを神と崇める小人族ミミングの妨害をかわし、
アランドラは巨神ニルードの元へたどり着いた。

ニルードはアランドラの力を認め、メルザス打倒を彼に託した。
ニルードもまた、メルザスの封印を守る「守護者」であったのだ。
その時、メルザスの部下である悪魔ゾルジアが現れ、ニルードを亡き者としてしまった。

去り際にゾルジアはアランドラに言った。「次は、ないよ」と。

アランドラはニルードに託された「黄玉のトパーズ」の紋章を手に、村へ戻った。


アランドラは、村人ルータスに「相談がある」と言われ、話を聞いた。
なんでも、最近ルータスの身の回りにおかしな事が起こっていると言う。
落石にあったり、モンスターに追いかけられて殺されそうになったり。
おかしな事と言うのは、そんな時には決まってロエインが助けてくれることだと言う。
単なる気のせいなんだろうか?…いや。

ルータスの家を出ると、そこにはメディアムがいた。二人の話を聞いていたらしい。
ルータスには言わなかったが、アランドラには心当たりがあった。
シヴィルの予知夢によれば、ルータスの死によって聖剣エルナートが造られる事になっている。
ロエインはそれを妨害しているのだ。
しかし、シヴィルがそんな事を他人に話すわけがない。
いつ、どこで、どうやってそれを知られてしまったのか?

「アランドラ…あなた、もしかしてメルザスに祈ったことがあるんじゃないの?」
思い出した。村に来てすぐのこと。ワインズを悪夢から救った直後だ。
確かにあの時、教会で神に祈った。
「祈るという事は、神を心の中に住まわせるという事なの。
 つまり、あなたはメルザスに夢を盗み見られていたことになるわ。」

…教会地下にあるメルザスの像を破壊しよう。
祈るべき対象がなくなれば、メルザスの力も弱まるはず。
そう考えた2人は教会に入っていった。
しかし、ロエインは言った。
像の存在は村長も知っている。つまり、これは村全体の意思なのだと。
それを破壊したとなれば2人は村を追われることになるだろう。
引き下がるしかなかった。

「そっちがそう来るのなら、こっちにも考えがあります。後悔させてやりますよ…」

2人は、シヴィルを殺したのはロエインだと確信を抱いた。
おそらく、次もまた、アランドラと親しい者を狙ってくるだろう。
メディアムはセクタスを守るから、アランドラはアンゼスを。
そう決めて、それぞれの家に戻った。

その話をアンゼスにした。
「ロエインがそんな事を?…いや、考えられる話だな。
 …君は先に寝なさい。わしは…まだ寝られないよ。
 寝る前にやるべきことがあるからね。」
不安を感じつつも、アランドラは自分のベッドにもぐりこんだ。
アンゼスは、アランドラの寝顔を見ると、何かを決意したかのように家を出て行った。

98 アランドラ sage 2005/07/23(土) 00:19:23ID:izBOYSJj
次の日の朝。
アランドラの部屋に飛び込んできたメディアムが叫んだ。
「アランドラ、起きて!! 大変な事が…アンゼスが……。
 …殺されてしまったわ。」


アンゼスの葬儀がしめやかに執り行われた。
村人たちは黙祷をささげ、アンゼスの墓に花束を供えていく。
アランドラはただ、呆然と立ち尽くしていた。

村人たちはみな墓場から去り、最後まで残っていたアランドラの耳元でロエインが囁いた。

「お前が村に来なければ、アンゼスが死ぬこともなかった。
 そう…
 お 前 が 殺 し た のだ。」

失意のうちに村へ戻ったアランドラに、セクタスが特殊な鍵を手渡した。
アンゼスは、死んでもなお、これを強く握り締めていたらしい。
アランドラは、その鍵を使って、アンゼスの工房にあった、鍵の掛けられた箱を開けた。
中には、手紙が入っていた。


君が、これを読んでいるということは、わしはもう生きていないのだろう。
君だけに危険なことはさせられないと思い、
わしは夜中に墓地でロエインと会うことにした。
わしも君と同じように彼が人間の道を踏み外しているのではないか、と思っている。
それを、確かめてみるつもりだ。
正直に言ってしまうと、今、とてもおそろしいんだ。
この手紙を、丸めてどこかに捨ててしまいたい。
そして、あたたかなベッドに潜り込んで、寝てしまいたい。
そうすれば、いつもと変わらぬ朝を迎えることができるだろう。
だが、それはできない。
わしは、君のことを本当の息子のように思っているのだ
父親であるわしが、そんなに臆病では、情けない。
だから勇気をふりしぼってロエインと戦おうと思う。

妻だけでなく、生まれたばかりの息子にまで死なれてしまい、
生きる希望を失っていたこのわしに、君は、笑顔を運んできてくれた。
短い間だったが、とても楽しかったよ。
ありがとうアランドラ。本当に、ありがとう。

                          父より


悪夢とさえ思える1日がようやく終わろうとしていた。
目を閉じると浮かんでくるのはアンゼスの優しい笑顔…。
いくら涙を流しても、心の痛みは消えなかった。

いつしか眠りに落ちたアランドラは
いつもと同じ朝が来ることを無意識の内に祈っていた。
だが…


神は、いなかった。
無情の朝がやってきた。

102 アランドラ sage 2005/07/23(土) 13:00:16ID:izBOYSJj
アランドラが心休まる日は来ないのであろうか。

今度は、村に住む少女エリーンが悪夢によって倒れた。
エリーンは、母親が駆け落ちして行方不明になったことがきっかけで人格が分裂してしまった。
今の彼女は、4つの人格を持っている。
メディアムは1度エリーンの夢に入ってみたのだが、
多重人格ゆえに夢の構造も複雑をl極め、
そのため、悪夢退治をあきらめて戻ってきたのだった。

メディアムは、アランドラに協力を申し出た。
1人では手に負えないが、2人なら何とかなるかもしれない。
アランドラとメディアムは、2人でエリーンの夢に入った。

2人の協力により、エリーンの4つの人格に巣食う悪夢は退治される。
そして、そのうち3つの人格は、悪夢とともに消滅した。

エリーンの救出に成功した2人は、心身ともに疲れ果てていた。
時間はまだ早いが、休むことにした。

103 アランドラ連投規制うざ杉sage 2005/07/23(土) 13:04:04 ID:izBOYSJj
その日の夜も更けたころ。
ゴウセルの妹・キーシャがアランドラの元にやってきた。
またしてもゴウセルが倒れた、助けて欲しいと。

メディアムは先にゴウセルの元に来ていたが、彼女はなぜか夢に入ろうとしない。
そして断じた。これは罠だと。

今まで、こんな真夜中に悪夢で倒れる人はいなかった。
何故か?
それは、悪夢で倒れた人を他の人に見せることによって「恐怖」を与え
神への祈りを捧げさせるためなのだ。
メルザスは、今までそうやって力をつけてきたのだ。
しかし、エルナの2人が村にやってきてから、悪夢は退治されるようになった。
悪夢は、人々を脅かす存在ではなくなりつつある。
そうなると、神に祈る人もいなくなる。
祈る者がいなくなった神は、もはや神ではいられない。
そこで…人を脅えさせるための悪夢ではなく、2人を殺すための悪夢を仕掛けたのだ。

その時、外から猿の鳴き声が聞こえた。
ムルータ。 ゴウセルの家をすっかり囲んでいるようだ。
メディアムの推理はこれで立証された。
2人が夢に入った後にゴウセルを殺し、2人を現実世界に戻って来れなくするのが狙いなのだ。

アランドラは家を出て、村に侵入したムルータを一掃した。
これで、メルザスの計画は破れたわけだ。
そして、ゴウセルの夢に入ろうとしたその時。
咆哮をあげ、ゴウセルは獣と化した。クラインの時と同じように…。

「神からのお告げがあった!アランドラ、お前を殺せ、とな。」

正気を失ったゴウセルは、止めに入った妹キーシャを突き飛ばした。
アランドラが剣を抜こうとしたその時。

「…キーシャ?…まさか…俺がやったのか?
「アランドラ…お前さえいなければ!お前が…
「いや、そうじゃない…俺は…俺じゃない!
 シヴィルやアンゼスを殺したのは…俺じゃないんだ!
 神が…メルザス様が…」

ゴウセルは戦っていた。悪夢と。自分自身と。
「兄さん…元のやさしい兄さんに戻って…」

ゴウセルは絶叫とともに朽ち果てた。死体すら残さず消えてしまったのだ。
ただ、最期の瞬間、彼は確かに人の姿に戻った。
彼は、悪魔の下僕としてではなく、人間としての死を選んだのだ。
そこへ騒ぎを聞きつけた村長がゴウセルの家にやってきた。

いままで神と呼ばれていたメルザスが悪夢を作り出している。
それを聞いた村長は、それでも神への祈りを捨てることはできないと言う。
「祈りはすでに生活の一部になっていた。
 神はいないと思って生活するなど、耐えられない…」

それを受けて、セクタスは言った。
「それなら、彼に…アランドラに祈りを捧げてください。
 人々を悪夢から救うのが神だというのなら…彼こそが、その人なのですから。」


ゴウセルは信心深い男だった。その心の隙を狙われてしまったのだ。
アランドラは、メルザスに対する強い憤りを感じていた。

105 アランドラ sage 2005/07/23(土) 16:56:48ID:izBOYSJj
次の日。
昨晩の件を考えるに、いよいよ敵も本腰を上げてきたようである。
こういう時は先手必勝。
アランドラは、ムルータの住処である大樹の塔に攻め込んだ。
一度は敵の罠にかかり、囚われの身となってしまうもあっさり脱出に成功。
所詮は猿知恵、といったところである。

そして、アランドラはムルータの王・ザザンを討ち、
奪われていた2つの紋章「真紅のオパール」と「褐色のアゲート」を奪い返した。


アランドラが村に戻ると、突然地震が起こった。
村の北西にある「トーラ山」が噴火を起こしたらしい。
しかし、村人はだれもトーラ山が火山だったなどとは知らなかった、という。

アランドラはトーラ山の調査に向かった。
そこにいたのは、火竜ウィルダ。
「深緑のオリビン」を持つ「守護者」の一人である。
ウィルダに自らの力を示したアランドラは、6つ目の紋章を託された。


いつもと同じように夜は更けていく。
村の誰もが、いつもと同じ朝が来ることを疑わなかった。
しかし…

部屋で眠っていたアランドラはメディアムにたたき起こされた。
村に住む少年ベグラスがムルータに誘拐されたという。

べグラスの居所がわからないので助けに行くこともできない。
そんな時、セクタスによって妙案がもたらされた。
べグラスには、双子の弟ネスタスがいる。
そして、双子は夢の中でも通じ合っているのだ。
つまり、ネスタスの夢に入ってべグラスの夢へ抜ければ、
べグラスがどこにいようと関係なく、助けに行くことができる。

アランドラはネスタスの夢に入り、べグラスの夢へと抜けた。
べグラスは、大樹の塔の近くにある小屋に幽閉されていた。
小屋を脱出し、村への帰路につく2人。

106 アランドラ sage 2005/07/23(土) 16:57:51ID:izBOYSJj
村に戻ったアランドラとべグラスが見た物。
それは、ムルータによって火を放たれ、燃え盛るイノアの村であった。
こみあげる怒りに任せて、村にいたムルータを全滅させたアランドラ。
しかし、この焼き討ちによって、多くの村人が命を落とした。
ワインズ、ボージス、モラアス、シーラ、エリーン……


生き残った村人たちは、被害が少なかった村長の家に集まっていた。
ムルータどもは、アランドラとは逆に、
べグラスの夢からネスタスの夢へ抜けてきたのだとセクタスは言った。
猿知恵でそんなことが思いつくわけがない。
間違いなく、メルザスの入れ知恵だ。

村人たちは、これからの事について話し合った。
まず、村人の考えをひとつにまとめる必要がある。
それは、神について、である。

村人たちにも、悪夢を見る理由がすでに見えてきていた。
神を裏切るのかというロエインに、村人たちは一斉に反発する。

「…神なんていないわ。いるのは、悪魔よ!」
「そうだ!祈りを捧げさせておいて、人を苦しめるなんて最低だ!」
「偶像崇拝を禁じ、像や絵画を破壊しただけで怒り、創造力を奪ったのですからね。」
ロエイン「しかし、その代わりに、我々は夢を操る力を授かったのではありませんか!」

その時、メディアムはすべてを理解した。
メルザスは、偶像崇拝の禁止に怒って創造力を奪ったのではない。
偶像崇拝を禁じられたことで、メルザスの力は弱まった。
そんな時に、もしも人間がメルザス以外の誰かを神として崇めるようになったら…
メルザスはそれを恐れて、人々の創造力を奪ったのだ。
しかし、その反動で人々は夢を操れるようになってしまった。
夢を操り、現実にもその影響を及ぼすことができるほどの力は、
物を造り出す事よりも遥かに大きな事ができるはずだ。
すると、今度はメルザスはそれを恐れた。
メルザスは、自分の力を超えつつある人間を滅ぼすしかなかったのだ。

「つまり、我々が力を合わせて夢を操れば、メルザスと戦うこともできるわけですね。」
結論を急いだセクタスを、村長はたしなめた。

今決めるべきことは、
それでもメルザスに祈りを捧げ、奴に神の座を与え続けるのか。
あるいは、死を覚悟で夢を操り、メルザスと戦うのか。
つまり。
メルザスを神とするか、悪魔とするか、なのだ。

村長は、各自の考えをまとめる時間を与えた。
明日の昼。 その時、村の意思を決める。
しかし、村人の意思はすでに一つに固まっていた。
ある一人を除いて。

「…呪ってやる。お前を一生、呪ってやる。」
アランドラに向けてそう言い、ロエインはその場を去った。

107 アランドラ sage 2005/07/23(土) 16:58:36ID:izBOYSJj
村の意思を決める日。

アランドラの前に、ロエインが現れた。
「お前だ!お前さえいなければ…
 お前が、神と我々の関係を破壊してしまったのだ!
 だが、まだ望みはある。 お前を生贄として捧げれば…」

ロエインはメルザスに祈りを捧げた。
この「悪魔」を滅ぼす力を与えて欲しいと。
その時、ロエインは見るもおぞましい姿へと変貌した。

「こ…この体は!
 す…すげー、かっこいーぞー!
 アランドラよ!神はお前のような者にも、大いなる慈悲を与えてくださったぞ!
 私の、この美しい体で、殺されることができるのだ。
 ああ、なんという幸福!私が代わりたいほどだっ!」

アランドラは、メルザスの下僕と化したロエインを倒した。
思えば、ロエインも哀れな男だった。
ただ、神に忠実なだけであったのに、
その神がたまたま悪魔であったからこのような事になってしまったのだ…。


村人たちは、全員で教会の地下にこもった。
教会の建物は頑丈に作られている。
ここなら、ムルータに襲われてもそう簡単には侵入を許さないだろう。

村人たちはある一つの目的のために、ここでただひたすら眠ることになった。
夢を操って、メルザスと直接戦うアランドラを支援する。
村人たちが見る夢は、「とにかくひたすらに強いアランドラ」の夢。

その前に、決戦に旅立つアランドラに、してやれることがひとつある。
村人たちは、手を取り合って眠り、全員で同じ夢を見た。
村人たちの夢は形となり、アランドラの手で強く輝く。


彼の手には、村人の想いから生まれた「聖剣エルナート」が握られていた。

131 アランドラ sage 2005/07/24(日) 15:28:33ID:qZMIfOA7
村人たちの想いを手に教会を出たアランドラを、墓守のケイトスが呼び止めた。
「…わしやハヴァンがこの村の者ではない事を、何となく気づいているようだな。
 我々はゾリスト。長き時を生きる民だ。
 メルザスが現れるよりも前から、この地に住んでおる。
 国王の命により、メルザスの真の復活を遂げさせぬ事。
 それが我々の役目だ。…だが、それも今日で終わりだ。
 やつは血に飢えている。やつを復活させ、その息の根を止めねばならぬ。
 最後の紋章はハヴァンの手にある。…頼んだぞ。」
アランドラはハヴァンの元へ向かった。

ハヴァンは、傷つき床に倒れていた。
「…ゾルジアを知っておるか?…奴が来たのだ。
 紋章の隠し場所を喋らなかったばかりに…このざまだ。」
ハヴァンから紋章の隠し場所を聞き、
アランドラは最後の紋章「白銀のダイヤ」を手にした。

「メルザスのことを教えてやろう。
 奴は、隕石とともに空からやってきた化け物なのだ。
 一度は王によって捕らえられたのだが、
 奴に甘い夢を見せられた王は、奴を処刑できなくなった。
 奴には神の座が与えられ、数多くの絵画や像が作られた。
 だが、奴は人間を支配する事に味を占め、
 夢を通じて現実世界へと干渉しはじめた。
 王は世界の破滅を予感し、奴の絵画や像をすべて破棄させたのだ。
 今、奴は自分の信者としてムルータを選んだ。
 ムルータ程度の生き物なら、反乱の危険はないと考えての事だろう。」

その時、窓が割れ、ゾルジアが飛び込んできた。
「くっ…ゾルジアめ、戻ってきたか!」

「アランドラ。悔いの無いように生きたか?
 俺は以前、お前さんに『次は、ないよ』と言ったよな。
 ニルードのおっさんをぶっ殺した時だよ。
 俺も男だからさ、ま、そういうわけだ。」

アランドラは、そう言って襲いかかってきたゾルジアを倒したが、
ハヴァンはそのまま息を引き取った。
「長生きなどするものではないと思っていたが…間違いだな。
 守護者とならなかったら…お前には、会えなかった。
 頼むぞ…奴を…」

132 アランドラ sage 2005/07/24(日) 15:30:11ID:qZMIfOA7
メルザスの封じられた湖のほとりに、7つの祭壇がある。
そのそれぞれに紋章を納めると、湖からメルザスの神殿が姿を現した。

広大な神殿を抜け、アランドラはメルザスの元へ歩み出た。
「貴様…そうまでして、このメルザスに歯向かうか。
 よかろう…後悔させてやる。
 出でよ、わが忠実なる下僕よ!」
メルザスはブラックドラゴンを呼び出し、アランドラにけしかけた。
アランドラは激しく消耗しながらも、これを何とか倒した。


その頃。
教会の地下で眠っていた村人たちは、次々に目を覚ました。
彼らの耳には、確かにアランドラの声が聞こえたのだ。
「…通じたんだわ!
 私たちの、祈りにも似た夢が、あの人の心に通じたのよ!」

村人たちは皆、アランドラのために祈り始めた。
「兄ちゃんは強いんだ!メルザスなんかには負けないよね!」
「みんな、あなたを待ってるのよ!」
「どうか、みんなの仇を討ってくれ!」

村長「天国のアンゼスも、きっと君を応援しているはずだ!」
セクタス「人々のために、身を呈して戦ってきたあなたこそが神なのだと、私は思います。
      どうか、悪魔を!メルザスを…!」
メディアム「…後悔しているわ。
       たとえ、駄目だと言われても、あなたについていけばよかった、と。
       お願い、無事に帰ってきて!あなたが帰ってきてくれたら、私…」


アランドラは、村人たちの祈りの声を聞いた気がした。
そうだ、自分は一人じゃない!
体に力がみなぎってくる。
村人たちの思いを一身に背負い、アランドラはついにメルザスを討ち果たした。

「くくく…アランドラよ。
 確かに貴様は神を…このメルザスを打ち倒した。
 だが、貴様らの望む平和は、それでも訪れぬであろうな。
 ……。
 貴様ら人間が、その心に闇を住まわせている限り、血は流され続ける。
 それこそが、人間の歴史なのだ。
 心の底から崇める事の出来る、全能の神が現れるまでは……。」


アランドラは、崩れ落ちる神殿から脱出した。
主を失った神殿は、再び湖の底へと沈んでいく。
これで…終わったのだ。

133 アランドラ sage 2005/07/24(日) 15:32:02ID:qZMIfOA7
村に戻ったアランドラは大いに歓迎され、勝利の宴が催された。
注がれた酒を一息に飲み干すアランドラ。

村も復興の兆しを見せはじめ、アランドラも村のために汗を流した。
みな、一生懸命だ。

ある日の夜、アランドラの部屋のドアをノックする音が。
そこに立っていたのは、メディアムだった。

そして、アランドラとメディアムは、村人たちに見送られながら村を後にした。
雨に打たれ、風に吹かれながら、2人手を取り合い旅を続けていった。
しかし、やがてそんな2人にも、道を分かつ時が来た。
メディアムは、彼にそっと口づけて、手を振りながら去っていった。

アランドラの胸中に、メルザスの最後の言葉が蘇る。
いつか、世界に真の平和が訪れる日は来るのだろうか。それとも…。
彼の旅は、まだ終わらない。


             -The End-

134 アランドラ sage 2005/07/24(日) 15:34:48ID:qZMIfOA7
ちなみに、「アランドラ2」のほうは、「1」とはまったく関係ないストーリーです。
アランドラも登場しません。
雰囲気も異様に明るく、というか軽くなり、前作とはまったく別物になっています。
ゲーム的にはそこそこ面白いかもしれないけど、ストーリー的には駄作と言っていいかもしれません。





| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー