パンツァードラグーン オルタ
>>14-579~580、>>17-664~669


579 パンツァードラグーン オルタsage2005/05/04(水)21:43:13ID://DivFQX
大崩壊から数百年、復興した帝国は生物兵器を生み出す遺跡「生命炉」の起動に成功します。
生み出した生物兵器:ドラゴンメアにより帝国は再び領土を広げていきましたが、
生命炉のオペレータだった亜人アバドが逃亡してしまい、帝国は代わりを血眼で捜していました。

辺境の1都市に亜人がいると情報を得た帝国は、さっそく兵隊を差し向けます。
部隊は監禁状態にあった目的の少女:オルタを発見しますが、
突如ドラゴンが現れ、部隊を壊滅させてオルタを連れ去ってしまいました。
自分の正体を知らず、世界を憎んでいたオルタでしたが、
匿ってくれた部族との生活や、身を挺して守ってくれるドラゴンとの交流に心を開いていきます。

オルタは旅の中、帝国から逃亡した亜人のアバドと出会います。
アバドはAZELにて破壊された「塔」管轄プログラムの再生を行っていましたが、
無理だとわかって自主行動を取り、オルタを使って何かやらせたいようです。
オルタはアバドの案内で、全ての情報が集まる「世界回路」へとアクセスします。
回路の深層部には、自分を生み出した母からメッセージが残されていました。
亜人の母が世界回路を使ってヒトの情報を交配させて生まれた存在がオルタなのだといいます。
本来なら亜人は子孫を残せない。これに反しているオルタ出生の真相を知ったアバドは、
亜人の複製を作るためにオルタの身体を欲して襲い掛かってきますが、
迷いの無くなったオルタはこれを撃退するのでした。

アバドは生命炉へと逃亡し、オルタもこれを追います。
生命炉付近での帝国との戦闘、またお約束通り生命炉が暴走して攻性生物が大量発生し、
さらには生命炉の中からアバドが駆る巨大なドラゴンが出現してしまいます。
世界は亜人によって管理されるべき、数百年の虚無・絶望の篭ったアバドとの戦闘は熾烈を極めました。
激戦の末にオルタはアバドを倒しますが、ドラゴンもまた力尽きてしまうのでした。

自分の役目は終わり、生きた証を残すことができた。
そう心に秘め、ドラゴンは満足そうに死んでいきます。

一面の青空、オルタは草原を歩いていきます。
その傍に、まだ幼いドラゴンを連れて。


580 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/05/04(水)21:52:27ID://DivFQX
ちなみにX-box360で坂口氏が作ってるブルードラゴンとやらは
パンドラとは何の関係もありません。
つД`)゚。



664 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:16:21 ID:uTYsusME
以前書いたパンツァードラグーンオルタの番外編。
帝国少年兵イーヴァの物語で埋めてみる。

665 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:17:17 ID:uTYsusME
「帝国は間違ってる!」
「イーヴァ。黙るんだ。」
「父様だってそうだ、作っているのは人殺しの道具じゃないか!」
「どきなさい。薬は飲んだのか?」
「薬なんて飲みたくないよ!いつも仕事ばかりでぼくの話を聞いてくれない。
 父様なんて、もう帰ってこなければいいん だ!」

その夜、イーヴァの父は死んだ。
シーカー(発掘を生業とする部族)の里を攻略 中に、
凶暴な攻性生物によって船を沈められたのだ。
帰ってきたのは、父が身に着けていた御守りだけであった。
だがイーヴァに悲しむ暇は無い。
帝国アカデミー最高研究者の息子といえど、孤児であることに変わりはなく、
孤児は軍人になるか、荒野へ追放されるかしか道はないのだ。
まだ幼いイーヴァに、選択肢などは無かった。

イーヴァは物心ついたときから父に貰った薬を飲んでいる。
薬が無ければ発作によって一日も生きられない。
残った薬の量は あと50日分・・・
軍の一人乗り兵器"ポッド"の乗り手として訓練を積むイーヴァ。
自分は強い、独りでもやっていける。そう自分に言い聞かせて。


666 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:17:56 ID:uTYsusME
イーヴァが気を抜いた瞬間、ポッドに攻性生物が襲い掛かってきた。
だが上級生が庇ってくれたおかげで大事には至らなかった。

「大丈夫か、君は中々いいセンしてるな。すぐに実戦に出られるぞ。
 俺はストラテだ。よろしく。」
「あ、ありがとう。ぼくはイーヴァです。」
「イーヴァ?噂は聞いてるよ。父親は気の毒だったな。」

久しぶりに聞く父の名前。イーヴァの目から堰を切ったように涙が溢れる。

「・・・家に帰りたい。父様に、会いたい。父様に会いたいよ。
 帰ってこなければいい、って言ってしまった。ぼくが、ぼくが父様を殺したんだ!」
「イーヴァ、自分を責めるな。責めるなら船を沈めたドラゴンにするんだ。」

厄災のドラゴン、光の矢を放つ最強の攻性生物。そんな怪物が本当にいるのだろうか。

それから2週間が立ち、イーヴァにも多くの仲間ができた。
そして今度の作戦にストラテが配属されることになった。
表向きは研究の資料採取だが、本当の相手はあのドラゴンだと噂されている。
冷酷な魔女が操るドラゴンの噂は兵士たちの間にも広まっていた。
イーヴァはこっそりストラテの飛空 挺へと忍びこむ。

「イーヴァ!?ついて来たのか。仕方ない、俺の防護服を着ろ。
 いいよ。怪我したことないような育ちのお前と違って、俺の体は丈夫なんだ。」

そして現れた厄 災のドラゴン。
光の矢が次々と味方を貫き、イーヴァとストラテの機体も破壊されてしまう。


667 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:18:55 ID:uTYsusME
イーヴァが目覚めると、そこはシーカーの里だった。
生存者は自分一人。
なぜ皆が死んでしまったのか、自分が死ぬべきだったのに。
イーヴァはドラゴンへの復讐を決意する。

記憶喪失を装い、シーカーへと溶け込んだイーヴァ。
自分を看病してくれた少女エミーデ とも仲良くなる。
やがて彼らの仕事を手伝ううちに、シーカーの一員として認められるように。

「私達の村は別のところにあったんだけど、帝国軍に追われちゃって・・・」
シーカーの旧集落は、イーヴァの父が命を落とした場所でもあった。
ドラゴンメアの大群の前に、シーカーたちは一溜まりも無かったのだという。
帝国が造った生物兵器ドラゴンメア、その開発にはイーヴァの父も関わっていた。

「前の集落といえば、旧世紀の破壊兵器が発掘されたばかりなんだって。
 なんでも辺り一面を破壊する爆弾だそうよ。」
「そんなこと、ぼくに話していいの。」
「あら、もう貴方はシーカーの一員じゃない。」
――自分は、記憶がないふりをしているだけ なのに。

ドラゴンを見たという情報を知り、イーヴァはすぐさまポットに乗り込む。
シーカーの技術で強化されたポッドは、ドラゴンへ向けてぐんぐん加速していく。
邪魔な攻性生物を退け、ポッドは一瞬だがドラゴンに追いついた。

イーヴァは撃てなかった。
ドラゴンに乗った少女の瞳は、深い孤独に彩られていたのだ。
自分と同じ瞳、彼女も独りぼっちで苦しんでいるのかもしれない。

668 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:20:34 ID:uTYsusME
シーカーの里へと戻ったイーヴァを、病気の発作が襲う。
再びエミーデに看病されるイーヴァ 。
父の薬はこれで最後、次に発作が起これば命は無いだろう。
形見の御守りをじっと見つめ るイーヴァ。
「手紙入れじゃない。誰からなの?」
御守りだと思っていたそれは、シーカーが使う手紙入れだった。
エミーデに開けてもらうと、そこには父の手紙が残されていた。

「この手紙を読んでいるということは、私は既にこの世にいないのだろう。
 イーヴァ、お前に言わなければならないことがある。」

イーヴァの体は樹海の微細菌に冒されている。幼い頃に誤って生水を飲んでしまったためだ。
普通なら数時間で死んでしまうところだが、イーヴァの父は攻性生物の体液から薬を調合した。
一時は助かったものの、耐性ができるのか薬の効果は徐々に弱まっていく。
イーヴァの父はその度に強い攻性生物を捕まえては薬を上書きしていった。
やがてどんな攻性生物のものも効かなくなり、父はドラゴンメアの開発に参加するようになったという。

「イーヴァ、お前は争いごとが嫌いだったね。
 お前の言うことが正しいのかも 知れない。
 ドラゴンメアは本来いないはずの存在だ。強すぎる力は世界を滅ぼす原因にもなりうる。
 だが、私は少しでも長くお前と生きたかった。
 こんな父親を許してほしい。
  薬はどれくらい残っているだろうか?
 どうかお前が最後まで、希望をもって生きてくれることを願っている。」

669 名無しさん@お腹いっぱい。sage2005/08/28(日) 17:21:45 ID:uTYsusME
辺りに警鐘が響く。村が帝国軍に発見されたのだ。
現れた無数のドラゴンメアと飛空挺。その中にはイーヴァの仲間もいた。
イーヴァを撃てないと、命令を拒否する仲間達。
彼らに避難するよう告げ、イーヴァはポットを加速させる。
向かう先はシーカー旧集落、最深部の破壊兵器。
「父様の作ったドラゴンメア、僕が倒さないと!」

エンジンから火を噴きだしたポッド、追い縋るドラゴンメア。
遺跡を越えて、ついにイーヴァは破壊兵器を起動させる。
天を貫く ように、光の柱が昇っていった。

ドラゴンメアは撤退していった。
結局、破壊兵器はシーカー達が思っていたようなものではなく、
対攻性生物用の防衛システムだったようだ。
だが人間の心にも作用したのか、人々は争いを止めて美しい光景に見とれていた。
イーヴァもエミーデに抱かれ、光り輝く虹を見上げる。

「・・・父・・様・・・」
「どうしたの、イーヴ ァ?」
「ぼく・・・眠くなっちゃった・・・」
「眠りなさい。ずっと傍にいてあげるから。 」
「ありがとう・・・」

まるで天国のような光景。
人間は争うだけでなく、これほど美しいものも作ることができる。
この世界に生まれてよかった。
イーヴァは安らかな気持ちで、父や友人のところへ旅立っていった。







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