天誅・忍凱旋
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人は死して名を残し、忍者は死して影すら残さず
時は戦国、群雄が割拠し多くの血涙が地を濡らすこの時代、野心を捨てただ国と民の安寧のみを
願う大名が居た、その名は郷田松之信。一人娘の菊姫と老中、関谷直忠に支えられるこの男を
闇より支える二つの影あり。その正体は東忍流頭目、力丸とくノ一彩女。松之信は領内外を騒がす
不埒な輩を二人に誅殺させてきたのだ。そして今宵も二つの影が悪に天誅を下す!
松之信の命により越後屋や悪代官、スペイン海賊そしてカルト教団の教祖を天誅し、
また時には密書を運んだり、姫の病気を治す薬草を採るため山登りなどをしていく力丸と彩女。
だが任務をこなしていく内に、二人は郷田家を狙う謎の忍者鬼陰と、その背後につく冥王と言う者の存在を知る。
そして鬼面の忍者集団に占拠された隣国の城に潜入していた隙を突かれ、姫が誘拐されてしまう。
姫を救い冥王もまた討ち果たさんと、雪山に位置し屍兵の守る冥王の居城へと忍び込む力丸と彩女。途中に立ちはだかる鬼陰を
辛くも倒した上、一人が冥王と戦っている間にもう一人が姫を救出する作戦も無事成功させる二人だった。がしかし
戦いに敗れ冥府の底へと沈んでゆく冥王であったが、それと呼応するように城もまた崩れてゆく。心技体総ての忍術を駆使し
脱出路へと急ぐ三人、しかしあと一歩の所で道が大岩に塞がれてしまっていた。力丸は忍として心を決めると彩女に
頭目の証である忍者刀、十六夜を手渡すと渾身の力で岩を持ち上げ何とか二人を先に進ませる。そして降り注ぐ瓦礫の中に消えていった・・・
力丸の犠牲により無事脱出に成功した彩女と菊姫に駆け寄る松之信と関谷、だが力丸を失った事を知り二人もまた悲しみに暮れる
深々と降る雪の中、彩女は十六夜を地に突き立て、東忍流頭目としてこの世の邪悪に闇より天誅を下していくことを誓うのであった。
天誅・忍凱旋 完