(Part4/4:飛沢陽平編、高峰隆士編、青井則生編、高峰厚士編) ページ容量上限の都合で4分割されています。
>>8-273~279・351~356・360・377~380・382~384・387~388・393、>>24-63~66
273街の人sage04/05/2213:30ID:/NAEhvfb
今回は女の子が沢山出てくるので、先に説明。

飛沢陽平 …緑山学院高校生。プレイボーイ。
倉科亜美 …花屋で働く女性。妊娠していることを告げる。
片瀬ユキ …陽平の昔の彼女。子供を連れて再び現れる。明るくさっぱりとした気性。
秋葉美奈子…私立渋谷聖女学館のミス渋聖。社長令嬢。
優作   …ユキの子供。

では本文投下。

274街の人sage04/05/2213:31ID:/NAEhvfb
飛沢 陽平「で・き・ちゃっ・た!」グッドエンド
― 一日目(10月11日水曜) ―
陽平は、名前をイニシャルで書かれた呼び出しの手紙を受け取り、ハチ公前に呼び出された。
しばらく待つと、陽平の覚えのない女性が現れる。彼女が呼び出した本人のようだ。
一緒に喫茶店へと向かった。

それとなく名前を聞き出すと彼女の名は「倉科亜美」という、花屋で働く女性だった。
陽平は一度だけ彼女とデートした記憶がよみがえり、その日限りの関係を結んだことも思い出す。
そして彼女は「赤ちゃん、できました」という。陽平はいきなりのことで本当かどうかすら分からない。
しかし、この場は一度分かれることにし、学校へと戻ることにした。

動揺したまま学校への道を戻る途中、やたらと人の秘密をさぐってはチクる、学校一の嫌われ者「青井則夫」通称「青虫」に出会う。
青虫は陽平が亜美と喫茶店でしていた会話の一部始終を聞いていたようで、学校にばれたら大問題だとか、
女の子達に広めようかとか言い出し、これから二人は同じ秘密を共有する親友だと言ってきた。
陽平は嫌がるが、青虫に冷たい態度をとると、秘密をばらされることになるため、親友となってしまう。

学校内へ入り授業を聞くが、上の空。亜美は本当に妊娠したのか、本当に自分の子なのか。
もう一度会って、本当のことかを確かめることにしようと決め、授業を終えた。

校舎から出ると、亜美とは別の快活な女性に声をかけられた。
彼女は「片瀬ユキ」。陽平の彼女だった女性だったが、2年前突然失踪していた。
懐かしい彼女と会い、一緒に喫茶店へと向かう。
店で、何故失踪したのかと問うと、彼女の知り合いらしい女性が入店してくる。
その女性は小さな子供をユキに渡すと、帰っていった。
子供は2年前にできた子で、陽平の子でもあるという。名前は「優作」
ユキは2年前実家に帰り、子供を産んで育てていたのだという。
また問題が出てきたが、思い当たる節があった陽平には認めざるをえなかった。
ユキはしばらくこっちに居ると告げると、店を出ることになった。

また同じ日、陽平は私立渋谷聖女学館のミス渋聖である「秋葉美奈子」に呼び出される。
美奈子が今の陽平の彼女だった。彼女の目的は、美奈子の父に陽平を引き合わせることだった。
彼女の父は、大手通販会社オータムリーフの社長「秋葉雄三」である。
美奈子の父は忙しい人なので、会社で詳しい話をすることになり、三人で社長室へと向かった。
色々と話した結果、「結婚を前提としたお付き合いをする」ことになってしまう。
美奈子と結婚するということは、次期社長になるということである。
転がり込んできた「逆玉の輿」を喜ぶ陽平だったが、亜美から妊娠とユキの子供を告白されたことを考えると、気軽には答えられない。
しかも美奈子の叔父は関東白峰組の組長「白峰忠道」だという。もしこのことがバレたら、タダで済むはずがない。
途中亜美から社長室へ電話があったが「会うのは明日にしてくれ」と上手く切り抜け、その場にいた二人にも「友達の彼女」とごまかした。
結婚という話は親にも相談してからということにし、家路へと向かった。

自宅では母親がオータムリーフの通販カタログを眺めていた。
そこの社長令嬢と結婚することになったと話すと、感情もなく「良かったわね」と言われる。
社長になることも伝えるが、反対の意思はなさそうだ。(母親は冗談だと思っている様子)
とにかく母親には伝え、自室へと戻った…。

275街の人sage04/05/2213:33ID:/NAEhvfb
人名が分からなくなったら>>273 参照

― 2日目(10月12日木曜) ―
登校中、青虫に声をかけられ、嫌がらせを受けるが、何とかごまかし授業へと向かう。
今日も授業は上の空で聞き、ユキが何故子供を連れて戻ってきたのか確かめることと、
美奈子と結婚するために亜美をなんとかすることを心に決め、授業を終えた。

放課後、学園の女子3人とドーナツ店でお茶をしていると、太った女性が陽平に向かって「ヨウチャン!」と叫ぶが、
自分には見覚えのない女性だった。(太った女性=細井美子)
そんなとき、美奈子からのポケベル呼び出しがかかり、店を出て、別の店へと向かった。

美奈子と落ち合うと彼女は、両親が一緒にお食事をしたいと言っているという。6時に店の予約をしてあるというので、
美奈子の両親と陽平の四人で食事をすることになった。
予約された店は、高級なレストラン。そこで婚約の内祝いをする。途中、白峰も同席して祝いを言うが、
陽平には「知られたくない事」があるため、どぎまぎしながら食事会を終えた。
表に出ると、二人でこのままデートすることになり、両親と白峰とも別れた。
このままどこへ行こうかという話になるが、亜美と今日会う約束をしていたことを思い出し、
明日学校が休みだから、婚約指輪を一緒に買いに行こうと約束し、美奈子と別れた。

約束の映画館の前へ行くと、既に約束の時間は2時間も過ぎていたが、亜美はまだ待っていた。
妊娠したのは本当なのか確かめるため、薬局で検査薬を購入し、亜美の家へと向かう。
が、途中さっき分かれた美奈子とバッタリ出会った。美奈子には、亜美を「友達の彼女」と説明し、
亜美には「イトコ」と説明してごまかして、その場を切り抜ける。
亜美の家へと上がり、検査薬で試したが、しっかりと陽性反応が出ており、妊娠に間違いはなかった。
関係を持ったのも、陽平のみだった亜美のお腹の子供は、確実に陽平の子供だ。
そんなとき、玄関チャイムが鳴る。それは亜美の父親が尋ねてきたのだ。
今陽平を父親に会わせるわけにはいかないと、亜美は陽平をベランダから外へ出した。

陽平は自宅へと戻ると、ユキが家へ上がりこんでいた。付き合っていた時からよく家に来ていたのだ。
両親には優作が陽平の子だとは話さず、上手く話をつないだ。
母親の配慮で、ユキがしばらく陽平の家に居ることになってしまった…。

276街の人sage04/05/2213:34ID:/NAEhvfb
人名が分からなくなったら>>273 参照

― 3日目(10月13日金曜) ―
深夜。寝ている陽平をユキが起こし、3人一緒に寝ることになる。
優作は夜泣きが治らず、泣いてはユキが寝かしつけることを続けていた事を陽平は半分閉じた目で見ていた。

電話のベルで目が覚める陽平。相手は美奈子で、昨日約束した指輪を買いに行こうというのだ。
12時にと約束し、電話を切る。しかし家の中には誰もおらず、優作だけがポツンと残されていた。
放ったまま出かけることもできず、面倒をみながら出かける準備をすることにした。
途中母親から連絡が入り、近所の人が事故にあったというので、母親は病院に来ているという。
ユキはちょっと出かけているとメモ書きが残されていた。時間が過ぎてもユキは戻らない。
美奈子との約束の時間が過ぎたとき、美奈子から催促の電話がかかり、仕方なく優作を連れて出ることにした。
優作は途中で病院に居る陽平の母親に渡すことに決め、家を後にした。

病院へ向かう途中、美奈子とバッタリ出くわし、優作を預かっていたから出かけられなかったと言ったそのとき、
背後からユキが声をかけて来た。美奈子にユキのことを「母親の後輩」と説明しておき、ユキに優作を返し、
ユキには美奈子を「陽平の両親が彼女から借金してる事を理由に付き合ってる相手」と苦しい説明をしておく。
ユキは今日実家に帰って荷物を取りに帰り、明日またこっちに戻ってくるという。
美奈子とユキが話してしまうが、火花が散るだけでばれる事は無く、ユキは駅へと歩いていった。
美奈子に連絡が入り、急用で結局出かけることができなくなり、陽平は自宅へと帰った。

しばらくすると、両親がそろって帰ってきた。白峰から電話があり、自宅へ行くといっているという。
一時間半ほど待つと、白峰が手下をつれてやってきた。白峰は結納の品を持ってきたのだった。
和室に白峰たちが支度した結納品一式を前に、挨拶をしたそのときに初めて婚約という事実を認識した両親。
放心状態の両親を尻目に、陽平は白峰を玄関まで送り出した。白峰のベンツで話すことになり、同行する。
めでたいと喜びを表す白峰だったが、美奈子を裏切ったら許さないと釘をさされる。

亜美から産みたくなくなるように、陽平は酷い男を演じる決意し、
亜美の仕事が終わるころ、店へと出向いてデートに誘った。
パチンコ店へと向かい、女の金を巻き上げる悪い男を演じることにするが、亜美がフィーバーで儲けてしまう。
今度はバーへと入り、酒乱で女に暴力を振るう悪い男を演じることにした。バーには目つきの悪い男が居たが、
このまま帰るわけにいかず、そのまま奥の席へとつく。バーボンを何倍も煽り、暴言を吐くが、
自分にだけ本心を見せているんだと感じた亜美は逆に喜んだ。暴力を振るうにしても、フェミニストの陽平には無理だった。

自宅に帰ると美奈子から電話があり、結納で正式な婚約をした喜びを語ったが、
ユキが帰って来て、結納品を見たときのことを考えると、めまいがした。

その晩、飛沢家の住人は全員うなされながら眠った。

277街の人sage04/05/2213:35ID:/NAEhvfb
人名が分からなくなったら>>273 参照

― 4日目(10月14日土曜) ―
美奈子とデパートで買い物をしている。新婚生活の品を美奈子が選びたかったからだ。
屋上にあがると子供向けのキャラクターショーをしているところだった。そこで青虫と遭遇する。
美奈子は青虫の言動を不信に思い、陽平を執拗に脅す行為に腹を立てる。
青虫が去った後、映画を見に行こうという話になったとき、亜美が屋上に居るところを見つけた。
慌てて証明写真のボックスへと美奈子を連れて入った。陽平は先に映画で並んでおくと説明し、先に出る。
外に居た亜美の腕を取り、美奈子の居る所と反対の場所へと移動した。亜美は青虫から連絡があったのだという。
このまま亜美といると、美奈子と鉢合わせることになるので、急いで別の百貨店へと移動した。

店に着くと、美奈子からポケベルへメッセージが入った。急用ができたという。陽平には好都合だった。
店内をぐるりと回っているとき、店内放送で陽平を呼び出す案内が入った。案内所を見ると、そこにはユキが居た。
ユキは、陽平の母親から「百貨店へ行くって言っていた」と聞いたのだという。荷物が多い上に、優作が居るから、
迎えが欲しかったから来たのだった。亜美のことは、「ストーカーっぽく追い回している女」と説明する。
亜美にユキのことを「陽平の父親が勤めている病院の精神病患者」とごまかした。
だが亜美とユキの会話は当然ぶつかり、火花を散らす。そのとき、大きな地震があった。
ユキはしゃがみこみ、具合が悪そうにする。体調を崩して熱をだしていたのだった。
風邪だったら優作にうつすわけにもいかないと、子供をひとまず亜美に預けてユキを自宅へ送っていくことにした。
タクシーで自宅へユキを送り、母親ユキのことを頼み、美奈子からの結納品を片づけてから亜美の家へと優作を迎えに行った。

亜美の家では優作が静かに眠っていた。亜美と会話していると、優作がけいれんを始めた。
慌てたが、一分ほどで症状が治まった。熱を測ると38度もあった。
赤ん坊は急な発熱からけいれんを起こすことがあると何かで読んだと亜美は言う。
熱が下がるまで優作を動かせないと、亜美の家で看病することにして、実家へ報告した。
二人で優作の看病を続け、ようやく熱は下がった。亜美の家で食事をすることにした。
ふと目を話した隙に、消しゴムを飲み込んでしまう優作。なんとか吐き出させて事なきを得てホッとしていると、
優作は初めてヨチヨチ歩きができた。陽平のもとまで歩いて来て、陽平に抱き上げられると、
優作は「パーパ」と喋った。陽平は嬉しくなった。
食事を終え、帰ることにし、途中まで亜美が送ってくれるというので、家を後にした。

帰り道で白峰のベンツが目の前に止まり、白峰は言った。
「明日の午後2時に結婚式場を予約した」と。両親にももう伝えたのだという。
言うだけ言うと、白峰は去っていった。
亜美は茫然としていたが、突然「妊娠なんて嘘で、本当は他の人の子供です」と言うと、
優作を陽平に渡し、走り去っていった。

自宅へ帰ると、ユキはすっかり元気になっていたが、結婚式のことを聞いたらしく、
帰ると言い出し、出て行った。
陽平の両親はてんてこ舞いで、親戚に連絡を入れたり、礼服を用意したりしていた。
だが、陽平はあっさり引き下がった亜美とユキのことが気になり、不安と安堵で支度どころではなかった。

278街の人sage04/05/2213:36ID:/NAEhvfb
人名が分からなくなったら>>273 参照

― 5日目(10月15日日曜) ―
結婚式当日の朝。実感が湧かないまま当日になり、ばたばたと時間だけが過ぎた。
式場で、陽平は着替えを済ませ、親戚縁者の対応などをして過ごした。

式が始まった。そこには優作を抱いたユキが居た。視線を痛いほど感じながら式は進行して行く。
そして誓約式に移行し、誓いますと言おうとしたそのとき、ユキが立ち上がり叫んだ
「いっちゃダメよ、陽平!」
その言葉に合わせるように、後方の扉が勢いよく開き、亜美が立っていた。
「その結婚待ってください!私のお腹には飛沢君の赤ちゃんが居るんです!」
陽平は一気に血の気が引いた。ユキは陽平の子供は優作だけよ!と叫んだ。
神父は結婚に意義を申し立てるものが居れば結婚は中止だと言うと、美奈子が邪魔しないでと言った。
陽平の両親は既に気を失っていた。
三人は互いに言い争い、陽平のごまかした互いの素性を言い合い、喧々轟々となっている。
そして陽平は詰め寄られた。だが陽平は今までの嘘を素直に謝る。
亜美はお腹の子を堕ろして欲しいの?と言って、陽平にビンタし、走り去ってしまう。
ユキは、優作を父親を居ないことにして一人で育てろっていうの!?と言い陽平にビンタし、走り去ってしまう。
その状況を見た白峰は、酷い屈辱だと呻く。陽平はやばいと思ってその場を逃げ出した。

飛び出していったユキと亜美を追いかけた。
陽平の行く手を青虫が塞いだが、突き飛ばしてそのまま走った。
渋谷のスクランブルまで追いかけ、亜美とユキの姿をとらえた。
街宣車が止まっており、そのマイクを奪い、街宣車の上で叫んだ。
「ユキ!亜美!聞いてくれ!父親は俺だ!亜美のお腹の子も、優作も、間違いなく俺の子供だ!
全部俺の責任だ!だからどうか無茶をしないでくれ!大切な、かけがえのない命なんだ!
お前達にとって大切な命は俺にとってもかけがえのない命なんだ!頼む、行かないでくれ!」と。

公園で、陽平の目の前にはユキと亜美、ウェディングドレス姿の美奈子が居た。
ユキには、昨日初めてヨチヨチ歩きをしたこと、陽平をパパと呼んだことを伝え、今まで一人で苦労させたことを詫びた。
亜美には、2ヶ月間連絡を取らず不安な思いをさせたことを詫び、子供の父親の責任を果たすことを約束した。
美奈子には、結婚式を台無しにしたことを詫びた。
そこへ美奈子の父がやってきた。陽平はただ土下座で謝ると、陽平との結婚を諦めてはいないという。
美奈子の母が赤ん坊を美奈子へ渡した。「この子はあなたの子よ」と美奈子は言った。
実は2年前に既に出会っていたのだ。今まで美奈子は両親へ子供の父親を告げなかったが、昨日初めて言ったのだった。
「これからは、生まれてくる子供もみんな合わせて六人、ずっとあなたと一緒よ」美奈子は嬉しそうに言う。
「しっかりするのよ、陽平」
「頑張りましょうね、飛沢君」
陽平は、今度は本当にその場に倒れた。

その夜、空に大きな花火が上がった。
陽平は放心していたが、やがてそっと呟いた。

「まさか四人目は出てこないよね…」

「で・き・ちゃっ・た!」完

279街の人 長文嫌いさんへsage04/05/2213:44ID:/NAEhvfb
…やっぱ長いな。
長文嫌いさんは以下を読んで終了って事で。

プレイボーイの「陽平」という男が、女の子に妊娠しましたと言われ、
立て続けに元カノにも自分の子が居たことを知り、さらに今カノに結婚をせまられてピンチになる。
今カノにまで自分の子供が居た。彼女3人に子供3人。
散々ごたごたがあったが、結局自分が悪かったことを自覚して、
父親として責任を取る決意をして終了。

以上、超短文「街 飛沢陽平編」でした。
これで勘弁して。

351街 高峰隆士編sage04/05/2810:16ID:asuZohBA
― 一日目(10月11日水曜) ―
「俺はなぜ帰ってきちまったんだ……」
行く当てもなくスクランブル交差点に立ちすくみ、彼はそうつぶやいた。
高峰隆士は日本人ではない。書類上ではフランスに仮国籍を持つ、外国人である。
3年前、誰にも告げずに日本を離れ、フランス外人部隊「レジョン」に入隊、と同時に日本国籍を捨てた。

隆士が見る三年ぶりの渋谷は、苛立ちしか映さなかった。
常に緊張感の張り詰める戦地と平和な渋谷の街とでは、あまりにギャップがある。
彼は、喧騒を抜けようと彷徨っていると、山下公園に着き、ベンチで横になると泥のように眠る。
夢の中で、機関銃の銃口を向けられ、死を覚悟し、叫び、起きた。
目を覚ますと、戦場ではない、平和ボケした街がそこにあった。

街中で難癖をつけてきた若者たちと喧嘩を始めてしまう。
だが子供のころからあらゆる挌闘技を身につけてきた彼にとって、若者たちは相手になりようがなかった。
隆士自身、そもそも争うつもりはないが、相手を倒してゆくうち、自分の中の抑えがたい異常な衝動を感じ始める。
人を傷つけ、殺すことの喜び。自分のなかのその存在に恐怖し、目の前に立つ若者たちに昔の自分を重ねた。
いじめられ続けた幼い自分。強くなりたいがために様々な挌闘技を身につけた。
だが臆病な自分が強さを持ったとき、それは残虐に変わった。
そして今、あのときの自分を、今度は別の所から逃げ出した自分が殴りつけている。
殴りながら、涙が流れた。

なんでぼくをいじめるんだ。
なんでぼくがこんなめにあわなきゃいけないんだ。

やがて彼は叫び、逃げ出した。
どこへ逃げればいいのか分からないまま。

散々走り回った挙句、安酒場に来ていた。
そこへチンピラが声をかけてきたが、無視すると、チンピラは胸元に手を入れた。
反射的にパンチを繰り出す。ケンカになるが、結局チンピラを伸して、通報される前に店を出ようと
金を支払い店を出て、走り出し、逃げた。

352街 高峰隆士編sage04/05/2810:18ID:asuZohBA
― 2日目(10月12日木曜) ―
老人に揺すり起こされる。ホームレスの老人が住まうダンボール製の家の隣のベンチで眠ってしまっていたのだ。
老人に隆士は、行くところがないから泊めてくれと頼むが、老人は「カラスでも自分のねぐらは自分で見つける」と答えただけだった。
仕方なく彼の持つ煙草をその場に置いて、立ち去った。

渋谷をあてもなく歩いた隆士は、ふと見慣れた道にいる自分に気く。
「冗談じゃねえ……こんなところへ来ちまって」
彼は顔を上げ、目の前にある家を眺めた。三年前、黙って出たきりの我が家がそこにある。
フランスに渡って一度だけ「生きている。探すな」と書いた葉書を送っただけの我が家。
三年間、思い出しもしなかったし、戻りたいとも思わなかったはずの家。
来るべきじゃなかったと、隆士は通り過ぎようとしたがそのとき、通りの角から警官がやってくるのが見えた。
彼の服には血がついていた。今引き返せば怪しまれるだろう。
彼はやり過ごすだけのつもりで門をくぐったが、その瞬間、玄関から姉が現れた。
「リュッ……隆士ッ?!」
隆士の姉、高峰綾(牛尾のプロポーズ相手)は、そう叫ぶや家のなかの母を呼び、そして隆士を家へ招き入れた。
「お母さん、隆士!……隆士が帰ってきたわよっ!」
彼は帰ってくるつもりなどなかった。だがこのままでは警官が不自然に思うだろう。
やむなく隆士は家のなかへ、三年ぶりの「わが家」へ戻った。
母も姉も彼の突然の帰宅に喜びをあらわにした。だがその腫れ物をあつかうような空気も、隆士にはうとましいばかりである。
そんななか、彼がもっとも再会したくない父・厚士が現れた。
「……今ごろ、何しに戻って来た」
父は昔と少しも変わっていなかった。
「お前のような奴は、もうどこも受け入れてはくれんのだぞ」父の言葉に「違う!」と心の中で呟く。
だが、父はいつも隆士の心を読む。違うと叫んだ心の中まで見通している。
「仕事もせずにフラフラしているだけで、何の役にも立たないクズを置いておく気はない。出て行け!」
机を叩きながら叫ぶ父。止めに入る母は、父に突き飛ばされるだけだった。
ああ。上等だ。言われなくても出て行ってやるさ。心で思ったその言葉も、父には分かられている。
「失せろ、このクズめ!」
出て行こうとする隆士を母と姉が止めようとし、昔を思い出して!というが、「昔」が嫌になって飛び出した隆士は止まろうとしない。
もう一度父と目が会い、二度と来るもんか。心で呟くと、追い立てるように父は言った。
「放っておけ。どうせ金でもせびりに来たんだろう」と。
カッとなった隆士は父を殴りつけ、家を飛び出した。
こんなつもりじゃなかった、こんなつもりじゃなかった…同じ言葉をただ繰り返した。

また公園のベンチで座り続けている。
休暇は五日。本来出国を認められていない彼は、五日のうちにフランスへ戻らないと脱走したことがばれてしまう。
知り合いの貨物機で日本に戻ってきたが、その貨物機が厚木を離陸するのはあと4日後。
脱走兵が捕まれば、一生特権も地位もなく労働するだけの兵になる。戻れば、あと1年で退役。
一生脱走兵という名の日陰者として生きるのはうんざりだ。帰りたいが、帰りたくもない。

レジョンでの生活は厳しかったが、居心地よくもあった。心許せる仲間もいた。
だが戦いと殺人を何度も経験するうちに、彼は殺人を楽しむもう一人の自分に気づくようになる。
初めての殺人のとき、わきあがったのは震えではなく、笑いだった。
身震いするほどの興奮、快感、そして終わったあとに感じる愉悦と安堵。
殺める瞬間に確かに存在する残虐な自分。仲間はそんな彼を、血と名前にかけて『ルージュ(赤)』と呼んだ。
( このままでは、本当の異常者になってしまう )
悦びのあとの冷静さがそう恐怖した。隆士はレジョンを抜け出し、そして日本にもどってきた。

気分を変えるため、代々木公園に移動し、途中で買ったウィスキーのボトルをあおった。
どこへ行くあてもない彼は、酔いに任せて芝生の上で寝込んだ。

353街 高峰隆士編sage04/05/2810:19ID:asuZohBA
― 3日目(10月13日金曜) ―
何かの発砲音、笑い声と叫び声。これらの物音で起きた。すっかり深夜だ。
反射的に武器を探すが、当然そこにはない。
目の前に昨夜の老人とは別のホームレスの老人が倒れこんできた。暗がりで誰かが来る気配がする。
三人のガキどもが様々な軍服を着て武器を所持している。ホームレスを狩るゲームをしているのだった。
手前にやってきたデブを倒す。すると、のっぽの男とひ弱そうな男(以下青虫)が来る。
青虫は先に逃げるがのっぽは好戦的に銃を撃ち続ける(銃はモデルガンで、玉はBB弾)
逃げた青虫を先に倒すため、後を追うと草陰に隠れて警察に連絡しているところを見つける。
青虫の背負っているバックの中からスタンガンを取り出し、青虫に当て、気絶させる。
残りのノッポも青虫の様子を見に来たところで、殴り倒す。しかしノッポは懇願する。
だが、ナイフの先が隆士めがけて飛んできた。一瞬の隙を点かれたのだ。
素人相手にやられたことに腹が立ち、手加減などせず殴り倒す。ナイフを取り出しノッポを刺そうとするが、
戦場で殺した相手の顔がフラッシュバックし、結局殺しはしなかった。

夜が明けきらない街を彷徨っていると、昨日の老人が匿ってやるから来いと言う。
隆士は老人に従い、着いて行くことにした。
途中、老人は自分も兵隊だったという。老人には隆士が兵士であることがわかっているようだった。

連れてこられたその場所は、ダンボール製のホームレスの城だった。
中には、さっき襲われていた老人が横になっており、周りには他のホームレス達が座っていた。
どうやら老人を助けた礼をする為に、隆士をここへ連れてきたようだ。
昨日出会った老人は、皆から「伍長」と呼ばれていた。注がれたスコッチは、相当の上物だった。
飲んで、酔って、眠った。

目が覚めると、もう城には誰もいなかった。
ベンチの横を通りがかると、若い男が出し抜けに立ち上がり、「白峰組の方」と言っている。
殴り倒し、眠らせてやってその場を後にしそのまま街を彷徨った。(若い男=篠田正志)

日暮れ近くにビジネスホテルを取り、雨の中コインロッカーの荷物を引き取り再びホテルへ戻った。
俺は今どこに居て、どこへ行くのか?そんなことを考えながら、ベッドで横になる。
井端という、高校からの友人で、一緒に空手を習った男へ電話をかけてみることにした。
相手もよく覚えていてくれ、バーで落ち合う約束をした。

二人は落ち合い、昔話に花を咲かせた。連絡が取れずにいた隆士を心配していた井端は、隆士に今まで何をしていたのかと問う。
隆士は軍隊に居て、人殺しをしていたという。井端は何故そこに入ったのかと聞くが、自分でも分からない隆士に答えることはできなかった。
高校生のカップルが入店して来たが、昔の自分達も同じようにここで飲んでいたのだから言えた義理ではない。(カップル=陽平)
井端は、末永も呼んで飲もうという。末永は、高校時代に隆士が付き合っていた相手だ。井端は連絡先を書いた名刺を隆士に渡した。
そのうち連絡すると言って受け取った。それらの思いでも、今では煩わしいばかりだった。
出よう。そういって二人は店を後にした。

もう一軒行こうと二人で決める。道路に立っていると、後ろからクラクションが鳴らされ、無視すると、ライトが点滅し、怒鳴り声が聞こえる。
どうやらヤクザが絡んできたようだった。井端も呆れた様子だったが、あっさりとヤクザを倒す。井端を見ると、チンピラを伸した後だったようだ。
車にはボディガードをしているようなヤクザたちが何か話していた。その隙に逃げようと決め、二人は走り出した。
愉快に思えて、顔を見合わせ大笑いしながら、街を走り抜けた。

かなり酔いの回った井端は、同じ事を繰り返している。わからないよ俺には。と。
だが、何故レジョンに入ったのか、自分でも正確な答えが出ない為、うまく答えることはできなかった。
酔いつぶれ、眠ってしまった井端を横に、トイレへ向かうと、個室を空け放したまま座り込んでいる中年男(市川)がいた。
「BODY…変るんだ…」と呟いている。ただ、がんばれよ。そう声をかけ、隆士はカウンターへと戻った。

354街 高峰隆士編sage04/05/2810:20ID:asuZohBA
― 4日目(10月14日土曜) ―
井端を起こし、ラストオーダーであることを告げると、これからどうするんだと聞いてきた。
まだ決めていないと答えると、何かあれば声をかけてくれと言い、伝票を手に出て行った。

ホテルに戻ることが煩わしくなり、しばらく街を彷徨った。

眩しい光で目が覚めた。ホテルのベッドの上で寝ていたのだ。休暇はあと3日。
考える時間はそれだけしかない。自分はどうしたいのか考える。だが、自嘲気味に答える頭の中の声は、
後何人女子供を殺せば気が済むんだというばかりだった。
シャワーを浴び、部屋に戻ると電話が鳴った。フロントからの伝言で、電話が入っているというのだ。
相手は末永だった。井端がホテルを一軒一軒当たって、末永に連絡したのだという。末永は井端への義理で電話したという。
6時に店で待ち合わせする約束をし、電話を切った。

落ち合うと、話はかみ合わず、互いを傷つける言葉ばかり吐き続けた。
末永は、会ったのは、ケジメをつけるためで、会いたかったわけではないという。
最後に、結婚するのと告げ、出て行った。

店を出ると、突然背後から「井の頭通りよ、私は還って来たァ!」と声がした。
ジムニーから軍服を着たヤツらが銃口をこっちに向けていた。かなり撃たれたがそれはモデルガンで、
昨日公園で痛めつけたガキどもだと気付いた。ドアごと蹴り、中からデブを引き釣り出して殴り倒した。
ノッポへも同じく殴り倒した。最後の一人である青虫へは、クロスボウを撃った。のた打ち回る青虫。
「メルドォォッ(くそったれ)!!」
苛立ちは収まらず、フロントガラスを殴り割った。だが、結局は制御しきれない暴力を振るっているだけだ。
後悔と苛立ちが募るばかりだった。
後ろから警官二人が隆士を押さえ、パトカーへ乗せ、傷害の現行犯で捕まった。

取調べで「お前は何者だ」と聞かれるが、フランス語で「分かりませんよ」と答えておいた。
自分でも良くわからないのに答えられるわけがないのだ。

355街 高峰隆士編sage04/05/2810:21ID:asuZohBA
― 5日目(10月15日日曜) ―
外人部隊だとわかり釈放された。そのとき、持っていた末永の連絡先が書かれた名刺も返され、
井端も末永も知らないと言っていたという。

井端は気を使って知らないと言ってくれたのだろう。末永は本当に忘れたいのだろうと思った。
また街を彷徨うことにした。

なぜかまたホームレスの老人「伍長」の城へと来ていた。
老人は、お前も国が恋しくなったかと言ったが、隆士は「まさか」と答えた。老人は続けた。
「男にとって、国とは生まれた場所でも、育った場所でも、親兄弟の元でもない。己の居るべき場所のことだ。
おまえはワシと同じ目をしている。お前はねぐらを探すハグレ鳥だ。」
老人に「父」を感じ、隆士は涙が溢れた。淡々と老人は語り続けた。
老人は伍長(伍長とは旧陸軍の階級。最下級の下士官。)ではなく、ただの二等兵だったという。
臆病だから人を殺しすぎて、臆病だから金儲けに走り、一山当てすぎた。
金は金を呼び、悪事に手を染め、気が付けば自分の居場所がなくなっていた。
老人は、隆士を穏やかな目で見て言った。
「お前も、もうツッパリはやめた方がいい。人間は元々いい加減で、気楽なものだ。」
隆士はおんおんと子供のように声を上げて泣いた。
老人は外人部隊に入っていたことも見抜いていた。
隆士は吹っ切れた気がすると老人に告げると、立ち上がり出て行った。心はすっかり晴れていた。

この街を出よう!
どこへ行って何をするにせよ、ここはその場所じゃない!
部隊には帰らない。腹に決めたらとたんに頭が天につき抜け、心が晴れた。
南の国で新しい生活を始めよう。
だが、初日に出会った若者達が、仲間を呼んできたようで取り囲まれる。
ひと暴れした後、新たな目標ができた彼には、トラブルに巻き込まれたくなかった為逃げ出した。

ホテルに戻り、荷物をまとめ、タクシーを呼んでもらい、フロントで待つことにした。
煙草に火をつけ、家族のことを考える。ふと、自分は父を愛していたのだろうか?と思う。
友人の井端のことも考えるが、新しい生活が待っている喜びに、過去の記憶を消した。
車が来たとフロントに言われ、外へ出た。
タクシーの運転手へ荷物を預け、後部座席へと歩き出した。

空に大きな花火が上がった。

と同時に、隆士は背後から撃たれ、その場に倒れた…。
慌てふためく運転手の声が聞こえる。
南へ…目を閉じてアフリカへと思いを馳せた…。

空には大きな花火があがっていた…。

「迷える外人部隊」完

356街の人sage04/05/2810:26ID:asuZohBA
読むのも面倒だという人は以下を読んで。
超簡単にまとめるとこんな感じ。

高峰隆士(たかみねりゅうじ)というフランス外人部隊に所属している男が日本へ脱走。
自分は何のために存在しているのか。
人を殺して喜びを得るのは異常だ。などと悩み続けるが、途中出会ったホームレスの老人に、
適当に生きてみろと言われ、ふっきれる。
新しい人生を創るんだ!と意気込んで街を出ようとしたとき、背後から撃たれ、倒れた。

以上。街でした。

360街の人sage04/05/2818:45ID:asuZohBA
隆士は誰に撃たれたかは、
次回執筆予定の「青ムシ抄」にて明らかに!!

…というわけで、もう2~3日待って。

377街の人sage04/05/3112:56ID:7S7cgnZt
では、予告通り街「青ムシ編」投下。
今日はいつもより短いです。
ただ、飛沢陽平編と、高峰隆士編が激しく関係してるので、
人物関係なんかはそっちで参照してくれ。

378街 青井則生編sage04/05/3112:57ID:7S7cgnZt
青井 則生「青ムシ抄」グッドエンド
― 1日目(10月11日水曜) ―

現役高校生で、プロのエロ漫画家である青井則生(以下青ムシ)は、
ひねくれた性格、オタクな趣味、チクリ魔、真性のヘンタイだが、結局友達が欲しいだけという奴。
今日も登校途中にデジカメでのぞき写真を撮っていると、同じ学校に通う飛沢陽平を見かける。
しばらく見ていると、女の子と合流していたので、後を追って喫茶店へ行った。
会話を聞いていると、彼女の名前は「倉科亜美」といい、妊娠したという。丁度いい弱みを見つけた。
外へ出ると、考え込んでいる陽平に脅迫をはじめ、親友になる約束をとりつけた。

授業を終え、下駄箱の中をのぞくと、女子高生からの手紙が入っていた。
公園へ呼び出しされていたので、わくわくしながら向かう青ムシ。
またデジカメで盗撮しようとしているところに、篠田正志と名乗る男がやってきた。
手紙は彼が出したという。青ムシを呼び出すための非常手段として女子高生を装ったらしい。
喫茶店へ呼び出され、散々脅しつけられる。嫌になって、トイレの窓から逃げた。
外へ出ると、セーラー服の女の子が、喫茶店から出てきた。
正志と話しているところを見かける青ムシ。彼女は「水曜日」と呼ばれていた。
青ムシは一目惚れし、盗撮したくなったので、水曜日の後をつけた。
…が、階段を彼女が上り始めたとき、青ムシは彼女に蹴り倒されて気を失った。

気が付き、歩いていると、陽平と秋葉美奈子が美奈子の父の車で移動するところを見かける。
これは二人で父の会社へ行くのだと思い、亜美に陽平の連絡先をチクる。

379街 青井則生編sage04/05/3112:58ID:7S7cgnZt
― 2日目(10月12日木曜) ―
登校中、陽平の後を着けて脅してから授業へ行く。
昼休み中に、白ブタと呼ばれているデブ男に声をかけられるが、青ムシは彼が嫌いである。
とっとと逃げ出して授業へ戻るが、授業は適当に聞き、陽平の観察をして終了。

放課後はぶらぶらして、夕方にドエロH2編集長の黒川に会うため、喫茶店へ行く。
3時間ほど待って現れた黒川に、エロ漫画原稿を見せるが没った。
変わりに黒川から酷い内容のシナリオを提案され、仕方なくそれをアレンジして描くことに。
作業の早い青ムシはとっとと書き上げ、黒川の元へと行くが、結局没った。
暗い性格を変えろと言われ、黒川はミリタリーウェアを青ムシに着せ
ホームレス狩りをさせられることになった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
― 3日目(10月13日金曜) ―
夜の公園。黒川と青ムシと白ブタも加え、3人でホームレス狩りがはじまる。
黒川と白ブタはホームレスを撃っているが、青ムシは結局空き缶や看板ばかりを撃っている。
草陰がゆれ、そこへ白ブタが走り去り撃っていると、突然消える。
黒川が様子を見に行くと、白ブタは泡を吹いて倒れていた。それを見て目茶苦茶に撃ちまくる黒川。
それを尻目に逃げる青ムシ。草陰で110番していると、大男(高峰隆士)に蹴り倒された。
黒川に持たされていたリュックから、男はスタンガンを奪い、青ムシに当て、青ムシは意識を失った。

昼になり、ようやく眼が覚めた青ムシは、デパートのチラシでキャラクターショーがあるのを見つける。
が、携帯で黒川に白ブタに連載を頼んだと言われ、青ムシは黒川の機嫌をとり、自分のチャンスも得るため、
3時に黒川の元へ行く約束をした。

黒川の元へ行くと、新しい漫画の内容提案をされ、巧い方を採用と言われ、自宅に帰り、案を練った。

380街 青井則生編sage04/05/3112:58ID:7S7cgnZt
― 4日目(10月14日土曜) ―
原稿をようやく書き上げ、一眠りしてから、キャラクターショーを見るため、デパートへ。
ショーが終わると、レンズ越しに美奈子と一緒に居る陽平の姿を見つける。
陽平に間接的な言い回しで嫌がらせを言っていると、美奈子が青ムシにビンタをするが、陽平は
他の彼女のことを知られたくないので、青ムシの肩を持った。
青ムシはとりあえずその場を去り、亜美の居る花やへ行き、陽平の居場所をチクった。

黒川の元へ原稿を渡しにいくと、白ブタが没になり、青ムシの原稿が採用されることになった。
調子に乗った青ムシは、ホームレス狩りを提案すると、黒川も元々そのつもりだった。
3人そろって車に乗り込み、公園目指して出発した。
が、途中で昨日の男(隆士)を見かけたので、攻撃することになった。
「井の頭通りよ、私は還って来たぁ!」掛け声とともに攻撃が始まるが、
青ムシの撃った弾は太った女(細井美子)に当たった。
黒川と白ブタは散々男に伸される。青ムシは助手席に置かれた自分の荷物を取ろうとしたとき、
攻撃され、右手を怪我する。左手で掴んだカメラのフラッシュをたいた瞬間男はひるんだ。
そのまま何とか逃げようとするが、尻に矢を射られて意識を失った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

― 5日目(10月15日日曜) ―
看護婦に尻の手当てをしてもらっていた。矢は財布に当たっていたので大した怪我ではない。
だが、右手が複雑骨折しているので、ペンすら持てないため、原稿は描けないと言われる。
ショックを受ける。他の二人は再起不能だとも聞かされる。

病院を抜け出して編集社へ行くが、昨日の事件で警察に捜査されて大変だという。
青ムシ、黒川、白ブタの三人は業界で噂になっているため、爪弾きだと宣告されて外へ出た。
太陽の光を手でさえぎったとき、目の前にタクシーが止まった。
仕方なく乗る。座った席に銃が置かれていた。本物かと思ったが、運転手におもちゃだと言われた。
ちょうどそのとき、外で亜美とユキが走っていくところを見かけ、タクシーを降りた。
その後ろを陽平が追いかけてきている。行く手をさえぎるように青ムシは立ったが、あっけなく突き飛ばされ、
街宣車のうえで、陽平は今まで自分が秘密にしていたことをすべて話してしまい、弱みを握っていることは無くなった。
ふとポケットを探ると、そこにはさっきのモデルガンが入っていた。

マンガも描けない手になり、チクることも無くなり親友が居なくなったと街を彷徨う。
そのとき、目の前にあの男(隆士)がいた。
すべてはコイツのせいだと、切れてしまい、銃を撃ちはなった。
それと同時に花火があがった。そして、男は胸を押さえ、倒れこんだ。
銃は本物だった。

「青ムシ抄」完

382街 高峰厚士編sage04/05/3113:01ID:7S7cgnZt
高峰 厚士「花火」グッドエンド
― 1日目(10月11日水曜) ―
夢を見た。三年前に家を飛び出した隆士の夢だった。
本当に可愛い子だと思った。誰よりもおとうちゃん子だと思った。
隆士は花火の好きな子だった。おとうちゃんとどっちが好きだという質問にも、お父ちゃんと答える子だった。
隆士の思い出はいつも花火につながっていた。

着替えをしているとき、妻に夢を見たと話すと、彼女も同じだという。
虫の知らせではないかと言いながらも、見送られながら家を出た。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
― 2日目(10月12日木曜) ―
今日も同じように隆士と花火をする夢を見た。連続4日目だった。
あの子は今どうしているんだろうと、考えを口にした。
隆士が幼いころ、大きくなったら何になりたいかと聞くと花火屋さんになりたいと答え、笑い合った。

着替えを済ませ、新聞を読んでいると、表から娘の声が聞こえた。
隆士と叫んでいた。息子が帰ってきたのだ。
嘘ではないかと考えたが、息子の声が襖の向こうで聞こえた。現実だ。
襖を開けるとあの可愛かったころの<隆クン>ではない、隆士がそこに居た。
だが、厚士は心と反対の冷たい言葉を隆士に浴びせていた。
隆士の心の叫びさえも感じ取っていたが、厚士は思っていることと反対のことを言っていた。
隆士は出て行く前に目で言った。「くそ。二度と来るもんか」と。
厚士は「行くな。隆くん。」そう思ったが、やはり口から出る言葉は反対のことを言っていた。
金でもせびりに来たんだろうと。そして隆士に殴られた。
暗い目で二度と戻るもんかと言って、<隆クン>は出て行った。
寂しさを感じながら、気を失った。

383街 高峰厚士編sage04/05/3113:02ID:7S7cgnZt
― 3日目(10月13日金曜) ―
気が付いたのは、翌朝ベッドの上だった。
妻と娘が厚士を見て泣いていた。娘が隆士を家に上げたことを詫びた。
厚士も頭の中の<隆クン>を消し、娘を仕事へとベッドの上から送り出した。

妻と二人になり、妻はあなたが可愛そうだと泣いた。
厚士は一晩中うわごとを言っていたという。<隆クン、隆クン、花火だよ>と。
そう言いながら楽しそうに笑っていたと妻は言った。
楽しかったですね。あの頃は…。そう言う妻の目から涙がこぼれていた。
二度と息子の話はしないと決め、妻を家へと帰した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
― 4日目(10月14日土曜) ―
目が覚めた。まだ隆士との思い出が頭から離れない。
花火とつながる息子の思い出が。
電話で佐久間という部下に連絡を取り、明日の夜8時きっかりにと、用事を頼んだ。

主治医に、明日の夜8時に目覚めるよう睡眠薬を打ってもらい、眠った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――
― 5日目(10月15日日曜) ―
目を開けると、夜8時少し前だった。妻と娘が来ていた。
不安げに見る二人に、厚士は心配ないと言った。
時計の針が8時ちょうどをさしたとき、厚士は窓の外の空を指差した。
そこには大きな花火があがっていた。
驚いた妻と娘は、それが厚士がやったことだと理解した。
10月15日午後8時は、隆士が生まれた時間だったのだ。
隆士に見せようとして、渋谷だけではなく日本中に丁度この瞬間、花火をあげさしていた。

厚士はただ、息子と一緒に見た思い出を胸に、花火を見つめた。

「花火」完

384街の人sage04/05/3113:05ID:7S7cgnZt
以上で「街」全ストーリー終了です。
長い間お付き合いくださいましてありがとうございました。
分からないことなどありましたら聞いてください。補完します。

では、名無しの海深くに潜ります。

387名無しさん@お腹いっぱい。sage04/05/3122:29ID:NfHdbSs3
青ムシ、もうちょっと無かったっけ?警察に取り調べうけてたような。
アレ見て更に殺意が沸いた記憶が。

388名無しさん@お腹いっぱい。sage04/05/3122:30ID:iLoq9zOw
>>380
青ムシはまだ続きがあったような

刑務所で弁護士に面会する青ムシ
さすがに落ち込んでいる青ムシに
弁護士は君は銃が本物と知らなかったんだからきっと情状酌量されるよと言う
そんな青ムシが弁護士にペンと紙を差し入れして欲しいと頼む
青ムシはこんな状況でもまだ漫画が書きたかったのだ

こんな感じだと思いました。

393街の人sage04/06/0109:50ID:Xgmyh60J
>>387
続き確かにあります。
でも、必要性を感じなかったので削除してしまいました。
スマソ_| ̄|....○

>>388
青ムシの「銃は確かに本物だった」の続き
補完ありがとうございます。
確かにその通りです。

そして再び名無しへと還る・・・

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/02(水)20:26:38ID:HATeyiBL
「街~運命の交差点~」というサウンドノベルゲームの
「花火」というシナリオを、宜しければお願いします。

とても感動するシナリオらしいのですが、そのシナリオを見るためには
途方も無い努力が必要らしいので‥

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/02(水)20:34:47ID:7dLVNiRs
>>63
まとめサイトにある

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/02(水)20:43:19ID:7dLVNiRs
…と思ったらまとめサイトにはまだ無いようだ
wikiから過去ログさがしてみ

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/02(水)21:28:58ID:Xp9rJcOc
じゃあ簡単に説明します。
大企業の重役である主人公。
企業には裏で兵器を取り扱っているという黒い噂があり、主人公の息子は反発し大分前に家を出ていた。
そんなある日息子がふらりと帰ってくるが、あまりにも昔と変わっていた(海外で傭兵をやって人も殺した事がある)
言い争いになり、今までの心労がたたったのか入院する主人公
入院生活で息子との思い出を思い返す主人公。
その中で一番の思い出だった花火を上げようと方々に働き掛け花火を打ち上げる
もうこの街にはいないかもしれないが、どこかで息子が見てくれる事を願い。
(街のその他の主人公達のエンディングで何故かあがっていた花火はこういう理由)






| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー