絶体絶命都市2―凍てついた記憶たち―

絶体絶命都市2―凍てついた記憶たち―

・設定:part24-304

・篠原一弥編:part24-305、part27-16、part29-203~204・230~231・247~249

・佐伯優子編:part29-328~333・353~358・365~366

・西崎佳奈編:part49-229~235

・須藤真幸編(超簡単に):part30-474

・陰謀や謎の解:part39-580~581


304 :絶体絶命都市2(1) ◆l1l6Ur354A:2006/08/20(日) 21:31:34 ID:GVJ+RRZy0
絶体絶命都市2いきます。とりあえず今日は(1)(2)まで。
細かい部分や分岐ははしょってますのでご了承を。

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前作舞台・首都島の壊滅から数年。
失われた第3首都の座は空席のまま。都市開発の波は激しさを増し、様々な都市に及んでいた。
ここ、富坂市ももその一つ。
四方を海と山に囲まれた地方都市、Z県富坂市。
どこにでもあるような一地方都市であるこの街を変えたのが、時の富坂市長である田辺宗一郎が提唱した
限られた土地を有効かつ計画的に開発する地下都市開発計画「ジオフロンティア計画」であった。
この計画は富坂市に飛躍的な発展をもたらし、今もなお、その勢いは留まるところを知らない。

時は2010年12月24日。
連日続く記録的な集中豪雨の中、韮沢ジオセクションにて「ジオフロンティア計画」
第一期計画工事完了を祝うパーティーが盛大に催されていた。
折りしも、この日はクリスマスイブ。
季節はずれの大雨は祝福の雨か、それとも・・・

305 :絶体絶命都市2(2) ◆l1l6Ur354A:2006/08/20(日) 21:32:45 ID:GVJ+RRZy0
■CASE1 篠原一弥編(大学生・男性・22歳)

どこにでもいる普通の大学生・篠原一弥。
(篠原一弥:ttp://www.zettai-zetsumei.com/zz2/f_gazou/f_shinohara.jpg)
12月24日14:06、彼はアルバイトウェイターとしてジオフロンティア計画第一期工事完成披露パーティー会場にいた。
壇上では今は県知事となった田辺宗一郎が雄弁に完成披露の挨拶を行っている。
(田辺宗一郎:ttp://www.zettai-zetsumei.com/zz2/f_gazou/f_tanabe.jpg)
だが、バイトウェイターらはそんな話などそっちのけで、同じバイト仲間の藤宮春香について噂話をしていた。
(藤宮春香:ttp://www.zettai-zetsumei.com/zz2/f_gazou/f_fujimiya.jpg)
「やっぱいいよな~、藤宮さん!なんでも、実はすげえ大金持ちの娘らしいぜ!」
そんなご令嬢が何故アルバイトなんかしているのかは謎だったが、当の彼女は会場内でせっせと給仕に励んでいる。
そんな彼女を手伝ったり食事を運んだりと篠原もウェイター業務をこなすが、そんな中、田辺知事に飲み水を頼まれた。
厨房へと水差しを取りに行くと、厨房では料理長が電話に向かって怒鳴りつけていた。
「水道もガスもだ!どっちも止まって使い物にならん!」どうやら水道やガスの調子が悪いらしい。
水差しを持って戻ろうとすると廊下を走る藤宮春香の姿が見えたので、気になって後をついていくと、天井からの雨漏りを発見。
雨漏りを報告した警備員は心配ないと言うが、パーティー会場外の廊下にも所々水漏れしている箇所が見られる。
頼まれた飲み水を田辺知事に給仕していると、先ほど中座していた青いスーツの男が血相を変えて駆け戻り、知事に耳打ちした。
(青山透:ttp://www.zettai-zetsumei.com/zz2/f_gazou/f_aoyama.jpg)
「…何!?わかった、すぐ行こう」パーティー会場を中座する知事と青スーツ。同時に、スタッフ全員にも集合がかけられる。

会場裏に集合したスタッフ全員に、市内を流れる羽代川が決壊したことが告げられる。
このパーティー会場は地下。騒然とするスタッフ達を一喝し、チーフはウェイター達に来場客の避難誘導指示を出す。
担当の会場ロビーの客に避難を呼びかける中、トイレにまだ田辺知事の秘書がいると聞き男子トイレへ向かうと、
壊れた蛇口から吹き出る水にパニクっている先ほどの青スーツの男がいた。
後は頼んだよ!と男がトイレから立ち去ると同時に轟音とともに大量の水が男子トイレに流れ込んできた。
篠原は慌ててトイレを出るが、目前で緊急シャッターが下り、その向こうでは来場客たちが慌しく避難している。
おーい!大声でシャッターの向こうに声をかけると、チーフから藤宮を探してきてくれと頼まれる。
なんでも、早退するためロッカー室に戻って以来姿が見えないらしい。

既に浸水や壁が一部崩壊している館内を抜けロッカー室にたどり着くと、開かないドアの中から助けを求める藤宮の声が聞こえた。
大量の水が押し寄せる中、篠原は間一髪崩れた壁からロッカー室に侵入し、別の崩壊した壁から二人は脱出を試みる。
途中、藤宮の携帯が鳴る。電話の主は藤宮の父だった。電話に出た篠原は、藤宮の父に彼女の避難を助けてやってくれと頼まれる。
藤宮に電話を代わる。「あのことはもう怒ってはいないから帰ってくるんだ」などという会話が聞こえる。どうやら訳アリのようだ。
会話中、突然起こった大きな揺れのせいで藤宮は携帯電話を水に取り落としてしまい、会話は中断される。
気を取り直して、変わり果てた館内を進み、合流場所の非常階段まで辿り着くが、そこにはもう誰もいない。
ふと吹き抜けのロビーを見上げると、上の階を走るチーフや避難客の姿が見えた。
直後、ガラス張りの吹き抜け天井が崩壊し、信号機や車が降ってくる信じられない光景が目の前で繰り広げられる。
同時に雨も降り注ぎ、浸水速度もスピードを増す。みるみるうちに足元が水に浸される。急いで上の階に行かなければ!

16 :絶体絶命都市2(3):2006/11/30(木) 07:58:32 ID:LFkbN1tp0
腰まで進む浸水、吹き抜けへ流れ落ちる水。
急流に足をとられ動けない藤宮春香を助けつつ、篠原一弥はエレベータを駆け上がり上の階へ進む。
年内工期に無理矢理間に合わせたせいか、会場裏ではあちこちに工事建材がそのまま積んである。
その工事建材の向こう側に先に避難したチーフや避難客らの姿が見えるが、叫んでも水音で声は届かない。
都合よく落ちてあった拡声器で助けを呼び、先に逃げた避難客らと合流するが、
既に避難経路は絶たれており、どこか進める経路はないか探しているような状況だった。
凍える寒さの中、文句を言う者もあり、次第に弱っていく者もあり。篠原はストーブを点火させひとまずの暖を確保する。
上の階に作業用の昇降機があり、それでなら地上に出られるだろうと施設の人間は言う。
篠原は濁流の中の僅かな足場を頼りに、吹き抜けの向こう側に見えるメンテナンス用の梯子まで移動。
大量の水やシャンデリアが吹き抜けを落下する中、その梯子から上階へと上り、非常用縄梯子を階下に下ろし避難経路を確保した。
高齢者や女性から上に、とチーフは避難客を誘導するが、既に腰まで水に浸ってる避難客らはパニック状態だ。
藤宮が梯子を上っている最中にも避難客は我先にと梯子へ殺到する。
落ち着いてください!とチーフが声を上げた瞬間、水に足をとられたチーフは断末魔の叫びとともに濁流へと流されていった。
続き次々に水に飲み込まれる避難客。25人近くいた避難者のうち、上階へ移動できたのは篠原・藤宮含みわずか6名…。
「チーフ!チーフが!!」目の前の光景にショックを隠せず泣き崩れる藤宮。
そんな藤宮を篠原は優しくなだめ、共に昇降機まで向かう。(★1)
動かない昇降機のキーを取りに行った作業員の男が足を負傷して戻ってくる。
篠原は歩けない男を背負い、崩壊する建物の中昇降機まで大ジャンプ!
昇降機は途中で止まってしまったが、ワイヤーを伝ってどうにか地下施設から地上へ脱出することに成功した。

12月24日16:16。
韮沢ジオセクション地上の街頭ビジョンでは、この大雨に関する緊急放送が流れている。
市の西部に避難命令が出ており、避難中の事故で危篤状態となり椿ケアセンターで緊急治療を受けている患者名が読み上げられた後、
殺人事件の容疑者の女性が韮沢署の陥没事故に乗じて脱走し市内を逃走しているとの報道だった。
(佐伯優子:ttp://www.zettai-zetsumei.com/zz2/f_gazou/f_saeki.jpg)
「私のせいで逃げ遅れたんだ…」とビジョンを見て呟く藤宮。危篤患者の中に知り合いがいるらしい。
藤宮は椿ケアセンターのある市の東側の様子をしきりに気にしていたが、
いずれにせよ、まずは避難バスが出ているという韮沢駅に向かうことにする。
途中、韮沢署の刑事が、先ほどの街頭放送の殺人容疑者の女性の写真を持ち、この女性を見なかったかと訊ねてきた。
なんと刑事が見せる写真越しに、横転した車の陰に隠れたその女性がいるではないか。
篠原は正直に見たままを告げた。(★2)
刑事は女性を後ろ手に捕獲し、容疑者の女性は「私じゃないんです!」と叫びながら連行されていった。
悪い人には見えなかった、など会話しつつ二人は韮沢駅を目指すが、身長以上ある陥没の段差を乗り越えないと駅までは行けそうもない。
藤宮を肩車で先に行かせ、篠原は周辺の工事現場から拝借したロープで段差を上り韮沢駅へと向かう。
地上とはいっても、ここはまだ海抜より下の場所。地表である韮沢駅へと向かうロータリーの車道を駆け上がる時、
二人は、押し寄せる大量の濁流にいままでいた場所が押し流されていくのを見た。

(★1選択肢)
 一緒に泣き崩れたり、どさくさで肩を抱こうとして拒否られたり、何ボサっとしてるんださっさと行くぞ!的な鬼畜な振舞いもできる。
(★2選択肢:相互干渉)
 知らない、と嘘をつくこともできる。この場合、佐伯編で警察に捕まらずに遠回りするルートとなる。

203 :絶体絶命都市2(4) 篠原編3:2007/03/08(木) 15:47:55 ID:PynBCLGs0
■12月24日18:23 韮沢区韮沢駅付近 被害/陥没・天気/雨

ロータリーの車道を駆け上がる最中、韮沢駅前に降下してくるヘリを目撃する篠原と藤宮。
「ヘリだ!助かるぞ!」と駅前広場に駐機するヘリに駆け寄ったところ、避難民の男が乗せろとヘリに詰め寄っていた。
そのヘリは藤宮グループ総裁(藤宮の父親)が私財を投げ打って重症患者の搬送を行っているものであり、
重症患者搬送優先という事で男も篠原・藤宮も置いてヘリは飛び去ってゆく。(★3)

二人は韮沢駅南口改札にたどり着いた。南口にいたのは駅員一人のみ。
韮沢駅は地下に流れ込んだ大量の水で電車が押し流されてきており、とても運行できるような状態ではなかった。
避難バスが出ている向かいのホーム(北口)に黄色いスーツの田辺知事らしき人物をはじめ、幾人もの人影が見える。
バスの行き先は富坂西I.C.らしい。藤宮は相変わらず椿ケアセンターがある富坂市東部の状況を気にしていた。
椿ケアセンターにいる知り合いは歩けない体のため、普通に避難できているかが心配のようだ。
「早く行きましょう!」と藤宮が駅の構内に駆け出したその時、ドォォォォォン!と轟音とともに地盤陥没が発生!藤宮が巻き込まれてしまう。
間一髪で南口に這い上がった篠原は、一階層下の地下ホームに倒れる藤宮の姿を確認した。
「藤宮さん!」声をかけるが反応がない。ただ、外傷はないため、幸いにも気を失っているだけのようだ。
彼女を助けなければ!しかし駅構内から地下へ行く階段は軒並み崩壊してしまっている。
そこで、篠原は駅前の地下街入り口から地下ホームへ回る事を試みることにした。

地下街入り口はシャッターが下りて進めない。
100円ライターの灯りで手元を確認しつつ、駅で確保したクランクハンドルでシャッターを開け先へ進む。
ライターの火で軽くボヤを起こしてしまい、けたたましい非常ベルとともにスプリンクラーが作動し
警官らが駆けつけたりもしてしまったが(★4)そんな事気にしている場合じゃない、とにかく藤宮さんを助けなければ。
篠原は足場足場を確保しつつ、崩壊した地下街の道なき道を藤宮のいる場所へとひたすら進む。
途中、進路確保のため目前の鉄柱を無理矢理取り除くと、その鉄柱を支えにしていたのか
ドシャーン!ドシャーン!と電車車両が次々に更に階下へ落下していった。(★5) 韮沢駅全体が揺れる。
「藤宮さん!」倒れる藤宮に駆け寄る篠原。気を失ったままの彼女を背に背負い(★6)、不気味に地鳴りを続ける構内を北口へと向かう。
北口の改札を抜けたその時、ホームが大きく斜めに傾いた。韮沢駅全体が陥没を始めたのだ。
「道路も陥没するぞ!ぐずぐずするな!」避難バスから、先に避難していた料理長の声が飛ぶ。
駅は容赦なく沈み続け、既に地表と駅の二階が同じ高さにまで陥没してしまっている。
篠原は二階から駅を脱出、沈みゆく道路をひた走り間一髪避難バスまで到達。
跡形もなく夜の闇に沈む韮沢駅を背に、避難バスは富坂西I.C.へと出発した。

(★3選択肢)
 この際、僕を乗せろ!と極悪非道な発言もできる。結局置いていかれるのであるが。
(★4行動選択/相互干渉)
 このボヤにより佐伯編で佐伯優子がピンチに。なお、ライター以外の光る物を使用した場合はこのイベントは起こらない。
(★5選択肢/相互干渉)
 この電車落下により、佐伯編で更に階下にいる佐伯優子が流され、佐伯編エンディング分岐が発生。
 また、この行動により韮沢駅全体が陥没・消失するので、柘植編で韮沢駅に来ることができなくなる。
 なお、鉄柱をそのままに回り道で回避する事もでき、この場合韮沢駅は沈まない。
(★6選択肢)
 とりあえず匂いをかいでみたり、ぶん殴って起こそうとすることも可能。これぞアイレムクオリティ。
 なお、これまでの選択肢により藤宮が普通に目覚める場合もある。

204 :絶体絶命都市2(5) 篠原編4:2007/03/08(木) 15:48:43 ID:PynBCLGs0
■12月24日22:58 稲穂区富坂西I.C.付近 被害/土砂・天気/雨

避難バスの最後部座席で揺られる二人。意識が戻った藤宮に篠原は状況を説明する。
相変わらず雨は続き、空にはゴロゴロと遠雷が轟く。大きな雷鳴に「キャッ!」と怖がり篠原へしがみつく藤宮。
篠原はここぞとばかり藤宮の肩に手を回し(★7)、暫く身を寄せあう二人だったが、
ふと気づいた藤宮は「す、すいません、ついっ…」慌てて身を離した。
その様子を見ていたのか、二人の前に一人の女の子が。「キャハハハハ!」と笑い母らしき女性の元へ戻っていく。
「お母さんか…」と呟く藤宮。藤宮は安心したのか、ぽつりぽつりと身の上話を始めた。
実の母が中学の時に死んだ事。
その後すぐに再婚した義理の母を受け入れる事ができず、冷たく当り散らしてばかりいた事。
そして、椿ケアセンターにいるのはその義理の母である事。
藤宮は義理の母・片桐芳枝に今までしてきた事を後悔しているようだった。

避難バスは富坂西I.C.に到着した。風邪が流行りつつあるのか、咳き込む人の姿が見られる。
設置されたラジオから災害速報が流れる。海岸線決壊により市内全域が水没する恐れがあるため、全市民に避難命令が出されたようだ。
高速の高架道路上には仮設ヘリポートが設置され、先に到着した避難民は来ない救助ヘリを苛立ちつつ待っていた。
とりあえずヘリを待つしかないな、と、避難民に炊き出しを振舞う料理長を手伝いつつ、篠原はヘリを待つ。
藤宮は何か考え込んでいるのか、ずっとガードレールに腰掛けたまま佇んでいた。
どうにか脱出できそうだねと篠原は藤宮に声をかけるが、藤宮はどこか浮かない顔だ。やはり義理の母の事が気になるらしい。
藤宮は、自分がどれだけ辛辣な態度を義理の母にとってきたかを篠原に語った。
母の形見のワンピースを誤って捨ててしまった義理の母に、お母さんのワンピースを返してよと執拗に責めた事。
あの人を置いてこのまま逃げてしまっていいのかわからない、と、藤宮はこのまま街を出る事を悩んでいた。

「ヘリが来たぞ!」という避難民の声に会話は打ち切られた。
ヘリポートへと駆け出す人々に、遅れて篠原・藤宮もヘリポートへ向かおうとしたが、
その時、信じられない事態が起こった。降下しようとしたヘリが墜落・炎上したのだ。
(※筆者注・着陸しようとした高架道路が陥没したのかもしれないがそのあたりよく判らない)
「何てことだ…!」料理長はヘリ墜落現場の高架道路に駆け寄るが、暫くして「うわぁぁーっ!」という彼の悲鳴が。
篠原らが事故現場へたどり着いた時には、料理長は今にも落ちそうな状態でヘリが墜落し崩れた高架道路の淵にしがみついていた。
篠原は料理長を助けよう手を差し伸べるが(★8)、料理長と共に高架下へ転落してしまう。
ヘリも二人も絶望的だ、もう自分たちも駄目だと次々に絶望を口にする避難民達。
「そうだ、東インター方面ならまだヘリが来るかもしれない!」誰かが叫び、皆傾れるようにそれに賛同する。
「待ってください、まだ私の彼が下にいるんです!(★9)」藤宮は叫ぶが誰も相手にしない。
避難民らは嫌がる藤宮を無理矢理バスに押し込め、避難バスは富坂東I.C.方面へ走り去っていった。

高架下。篠原は無事だったが、料理長は…。
「こんな事ならもっと息子の相手をしてやれば良かったよ…」料理長はそう呟き、息を引き取った。

必死の思いで崩れた高架道路へと這い上がる篠原。当然、バスはもういない。
「こんな所でくたばってたまるか…!」
篠原はただひとり、無人の高速道路を東に向かって歩き出した。

(★7選択肢)
 勿論紳士に振舞う事もできるし、罵倒する事もできる。
(★8選択肢)
 落ちそうな料理長を見てニヤリと笑ったり、料理長のコック帽を取ろうと手をのばす事もできる。選択肢狂ってるよw
(★9)
 藤宮の好感度によって「彼/友達/知り合い」と変化する。ちなみにこの時点で二人が付き合っているような事実は存在しない。

-続く-

230 :絶体絶命都市2(6) 篠原編5:2007/03/11(日) 19:57:46 ID:w/FVarUU0
>>203-204続き

■12月25日11:07 柿沼区柿沼S.A.付近 被害/暴風・天気/雨

富坂西I.C.付近よりおよそ8km、羽代川手前の柿沼サービスエリア前。
サービスエリア裏の山から土砂が店舗内になだれ込み、道路は羽代川からの水で浸水してしまっている。
乗り捨てられたトラック等も行く手を阻み、これ以上徒歩では進めそうになかった。
サービスエリア内のがらんとした食堂では、映らないテレビから災害速報の音声だけが流れ続けている。
災害速報は、災害対策のため市内を移動中の田辺知事が行方不明になったと告げていた。

篠原はサービスエリア内で入手したバールを使い、行く手を阻むトラックのコンテナをこじあけてとりあえずの進路は確保した。
しかし土砂や垣根に阻まれ、結局篠原一人では越えられそうにない。
幸いにも、誰かが乗り捨てたのかジェットスキーが1台水に浮かんでいる。
篠原はジェットスキーを操り、倒れた道路標識をジャンプ台代わりに垣根を大ジャンプ!
決壊した羽代川を突っ切るべくジェットスキーのスピードを上げたが、篠原が羽代川を渡る橋の上に差し掛かったその時、
羽代川上流から轟音と共に想像を絶する濁流―逆津波とでも表現したくなるような大量の水が下流めがけて一気に押し寄せてきた。
間一髪、濁流到達前に羽代川を渡りきった篠原だが、橋をも軽く押し流していく濁流の威力にバイクごと転倒。
篠原は無事だったが、バイクは壊れてしまう。
たった今の出来事が嘘のように静まりかえる水浸しの道路。篠原は動かないバイクを捨て、再び東に向かい歩き始めた。

231 :絶体絶命都市2(7) 篠原編6:2007/03/11(日) 19:58:02 ID:w/FVarUU0
■12月25日17:31 伏山区富坂東I.C.付近 被害/土砂・天気/雨

柿沼よりおよそ12km、伏山区富坂東I.C.付近。市街地に近く大型電気店やショッピングモールが立ち並ぶ地区だが、
道路は崩れ落ちショッピングビルの看板は落下し、災害前の賑わいは見る影もない。

篠原は富坂東料金所出口の標識までたどり着いた。さすがに疲れたのか、大きく息を吐く。
人はいないのかと更に進むと、道路上に女性がひとりぽつんと立っていた。避難バスで見かけた母子のお母さんだ。
女性は篠原の姿を見るとすがるように駆け寄ってきた。
「エリカが、娘が大変なんです!助けてくれようとしたお嬢さんまで!」
女性に連れられて道路を下りていくと、本来料金所だったであろうその場所はごうごうと激流が流れる大きな川となっていた。
今にも押し流されそうな料金所が流れの中に取り残されており、その屋根の上では藤宮とバスで出会った少女が抱き合いうずくまっている。
「藤宮さん!」篠原は駆け寄り二人に手を伸ばした。崩れた道路からは手を伸ばせば何とか届く距離だ。
「篠原さん、無事だったんですね!エリカちゃんを、この子をお願いします!」
篠原は、藤宮から託された少女を抱きかかえ救助する。
「さあ、藤宮さんも!」
篠原が再び手を伸ばしたその時、ついに水勢に耐えられなくなった料金所が下流へと押し流されていった。藤宮の悲鳴が響き渡る。
料金所は高速道路の高架支柱にせき止められる形でなんとか濁流の中に留まった。しかし藤宮はしゃがみ込んだまま動けない。
藤宮のもとまで渡れないか足場を探す篠原だったが、隣接するファッションビルから倒れた看板一枚が僅かに料金所に引っかかっているのみだ。
篠原はエリカの母の手を借りてファッションビルに這い登る。ビルのひさしから倒れた看板へと伝い歩き、濁流の中の藤宮のもとへと辿り着いた。
「さあ、行こう!」ショックのためか動けない藤宮を背負い、来たルートを引き返そうとするが
ガコンと料金所の端が割れ、伝って来た看板は押し流されてしまった。
運良く衝撃のはずみで高架支柱からフェンスが倒れてきたので、それを伝い高架支柱へとよじ登る。
しかしよじ登ったはいいがそこに道はない。ファッションビルから伸びた電飾ケーブルが一本引っかかっているのみだ。
意を決した篠原は、藤宮を背負ったまま電飾のケーブルを手にとり、濁流を渡り始めた。
押し流されてくる料金所の衝撃にケーブルが大きく上下する。下へと揺れるケーブルが濁流に浸かりながらも必死に掴まり耐える篠原。
篠原がケーブルを渡りきったその時、ほんの今まで二人がいた料金所は激流に飲み込まれ消えていった。
藤宮はその場にへたりと座り込み「篠原さん…!」と泣き崩れた。篠原はそんな彼女をここぞとばかりにしっかりと抱きしめた。(★10選択肢)
救助ヘリが降下してくる音が聞こえてくる。ああ、助かったんだ…篠原がエリカ母子とともに救助ヘリに向かい歩き始めたその時。
「待ってください!」
藤宮の声に篠原が振り返ると、その場に立ち尽くして動かない藤宮の姿があった。藤宮は信じられない言葉を続ける。
「私、やっぱり椿ケアセンターに行きます!あの人に今会っておかないと、私一生後悔すると思うんです」
藤宮の決意は固かった。篠原は答える。
「わかった、僕も一緒に行くよ!」(★11)
「本当ですか!……実は一人だと心細かったんです…本当にありがとうございます」

かくして、災害地に残る選択をした二人を残し、救助ヘリは飛び立っていった。

(★10選択肢)
 ここで藤宮を抱きしめるも罵倒するもプレイヤーの自由。「君にまた会えて良かった…」といった王道台詞から
 「どうして泣いているの?」「どうしてあんな所にいたの?」といった空気読めない系、
 「君に関わったら命がいくつあっても足りないよ!」と罵倒したり「泣きたいのはこっちだよ!」とヘタレたり選択肢は豊富。
(★11選択肢/エンディング選択)
 この選択肢で藤宮についていく事を選ぶことにより篠原編はAエンディングへと分岐する。
 ここで「もういいじゃないか、二人でここを出ようよ!」と藤宮をあの手この手で説得、一緒に脱出するとBエンディング(生還)、
 「僕は一人でヘリに乗るよ」と藤宮を見捨てるとCエンディング(生還)が発生し共に篠原編は終了する。
 なお、篠原編がAエンディングの場合は最終話"6th story"の主人公が篠原一弥、B・Cエンディングの場合は別の人物となる。
 余談だが、藤宮に一緒に逃げようと説得する篠原は「義母なんか所詮他人じゃないか!」等の極悪台詞を次々に繰り出しかなり笑える。

-続く-

244 :絶体絶命都市2(8) 篠原編7:2007/03/12(月) 20:32:13 ID:3bDlhI880
■12月25日17:31 伏山区レストランアンジェリーナ付近 被害/暴風 土砂・天気/雨

富坂東I.C.からファッションビル909駐車場へと土砂を降りる途中、藤宮が恥ずかしそうに口を開いた。
「良かったでいいんですけど…私のこと"春香"って呼んでくれませんか…?」
「わかった、じゃあ僕は"一弥"と呼んでくれ」(★12)
「はい、一弥さん!」嬉しそうに答えた春香だったが、その場にふらふらとしゃがみ込む。
ちょっと疲れただけだと言う春香の手をとり、手を繋いだ二人は豪雨の駐車場を進むが、途中
白衣姿の男が助けを求めて二人に駆け寄ってきた。怪我をしてるのか、右目に包帯を巻いている。
「連れがガレキの下敷きになっているんだ!手伝ってくれないか!?」
具合が悪そうな春香が心配だったが、人命第一という事で、篠原は白衣の男を手伝う事を承諾した。(★13)
春香をその場に残し白衣の男に連れられた先には、陥没した道路の底でガレキの下敷きになっている女性がいた。
二人がかりでガレキを浮かせて女性を無事救出。「恋人をこんな目に合わせちゃいけませんよ」と余計なお節介を妬く篠原だったが
二人はそんなんじゃないとしどろもどろになりつつ否定。どうやら恋人同士ではないようだ。
急いで春香のもとへと戻る。こうこうと灯りが灯るレストランの前だったので、二人は店内で休むことにした。

レストラン・アンジェリーナ店内。灯りは営業中同様あかあかと点いたまま、
ところどころ座席の料理も出しっぱなしになっており、営業中と違う事といえば全く人がいないという事くらいだ。
「ごめんなさい、すぐ良くなると思うんですけど…」
レストランの座席に座った春香はそう言うものの、その様子はぐったりとしており体は冷え切っているようだ。(★14)
篠原は厨房の食材であたたかい料理を作り、二人で食事をする。(★15)
春香は語る。本当はまだ椿ケアセンターに行くことを迷っていると。自分は本当に義母にひどい事をしたと。
「ひどい事って?」訊ねる篠原に春香は中学の頃の事件を告白した。
春香はその日もいつものように義母に当り散らしていた。
「あなたなんか嫌いよ!あなたが出ていかないなら私が出ていくわ!」「待って、春香ちゃん!」
車道に飛び出した春香を追った義母は車にはねられてしまい、それ以降彼女は歩けず車椅子にも乗れない体となったのだ。
そんな義母を見ているのが辛かった春香は、中学卒業とともに全寮制の高校に入り、それ以降父にも義母にも会っていないと言う。
「あの人を受け入れられない気持ちと罪の意識とが交錯して気持ちの整理がつかないの…一弥さん、どうすればいいと思う?」
春香の相談に篠原は「とにかく会ってみなきゃ!」と答えるのだった。(★16)
二人はとりあえずここで休み、仮眠をとったら椿ケアセンターへと出発することにした。

(★12選択肢)
 「そんなのは好きじゃない」と冷たくあしらう事もできる。なお、藤宮の好感度が低いとこのイベント自体発生しない。
(★13選択肢/相互干渉)
 何が何でも春香優先でガレキの女性を助けないこともできる。この場合、白衣の男編では女性を一人だけで助けなければならない。
(★14選択肢)
 冷え切った春香に「暖めあおう」と迫る選択肢も。「チッ、手のかかる女だ」と吐き捨てる事もできるのはお約束。
(★15選択肢)
 二皿作っておきながら、弱った春香の目の前で二皿とも篠原ひとりで食べるという暴挙も可能。
(★16選択肢/愛憎度)
 この他に「謝るべきだ」と諭したり「その人が悪いんだ」と義母を責めたりすることにより春香の義母に対する愛憎度が変化。
 後の彼女の行動に影響する。

245 :絶体絶命都市2(9) 篠原編8:2007/03/12(月) 20:32:38 ID:3bDlhI880
■12月26日5:12 伏山区ケアセンター付近 被害/津波・天気/雪

伏山区ケアセンター付近。公園、公民館と昔ながらの住宅街が立ち並ぶ地区だ。
雨は雪に変わり、道路も住宅も垣根もすっかり凍てついてしまっている。
住宅街を越えた高台にケアセンターの建物が見えたが、そこに至るまでの住宅街は一階部分が完全に浸水してしまっていた。
水上を渡る手段がないかと付近を探索したところ、避難民が乗り捨てたのかゴムボートが一隻水に浮かんでいた。
二人はゴムボートを漕ぎ水没した住宅街を進み、建物の崩壊、倒れた電柱の高圧電流を避けつつ椿ケアセンターまで無事到着した。
「すみません、どなたかいらっしゃいませんかー!」春香は叫ぶが人の気配は全く感じられない。
センター正面玄関に、患者も従業員も富坂市民公園まで避難したという内容の張り紙が残されてあった。
とにかく公園まで行こう!と言う篠原だったが、「でも、会ってどうすれば…」と春香はまだ思い悩んでいる。
篠原は答えた。「会って、謝るんだよ。君の気持ちは伝わるはずだ」(★17)
「そうだといいけれど…」俯く春香を篠原は駆り立てる。
「よし、行こう!」二人は再びゴムボートに乗り、富坂市民公園を目指した。

(★17選択肢/愛憎度)
 ここでも謝るのを勧める/義母を責める/ニュートラルな選択肢が発生。回答次第で後の春香の言動に影響する。

246 :絶体絶命都市2(10) 篠原編9:2007/03/12(月) 20:33:25 ID:3bDlhI880
■12月26日7:30 蓮野区富坂市民公園付近 被害/津波 土砂・天気/雪

住宅街の向こうにサーカステントが見える。どうやらそこが富坂市民公園らしかった。
川も住宅もわからない状態だったが、ボートを漕いでいるうち公園前の池に出たらしい。
「こっちだーっ!」ボート乗り場で救助隊員らしき人物が大きく手を振っている。
何故か発生している渦に巻き込まれそうになりながらも二人は必死の思いでボートを漕ぎ岸に到達、
しかしボートは二人が下りるとともに渦に飲み込まれていった。

サーカステントが避難所になっているので向かってくださいと言う救助隊員に春香は訊ねる。
「あの…椿ケアセンターの方々も避難されているんですか?」
「はい、何人の方々は今朝早く運び込まれましたよ」
隊員の答えに胸を押さえる春香。ここまで来てもまだ迷っている春香に篠原は言った。(★18)
「やっぱり謝らなきゃ。『お母さん、ごめんなさい』…そう言ってごらん」
「"お母さん"…?」驚く春香。「そう、そう呼んであげれば」篠原は優しく春香を諭した。
二人がテントに入ろうとすると、地盤が緩くなっているのか、地鳴りとともに高台の住宅が崩れるのが見えた。
これにより怪我人が出たらしく、篠原は患者の搬送・食事などを手伝う。
「あの…片桐という人を知りませんか?」患者を診ている医者に春香は恐る恐る訊ねた。
裏のトレーラーで休んでいるとの答えに、春香と篠原はテント裏のトレーラーへと向かう。
春香はトレーラーから出てきた医者に片桐の所在を確認するが、医者は春香が片桐の身内である事を確認すると、片桐がもう永くない事実を告げた。
早く言って声をかけてあげてください、という医者の言葉にもまだ迷っている春香。
「さあ、謝りに行こうよ」春香の最後の背中を押したのは篠原の言葉だった。
「…はい!」春香はトレーラーへと入る。篠原もそれに続いて乗車した。(★19)
トレーラー内の仮設ベッドの上には、目を閉じ、ハァハァと苦しそうに荒い呼吸を整えてる女性が横たわっていた。
おそるおそる声をかける春香。
目を開けた女性―片桐は目の前の春香に驚いたが、言わなければいけない事があると悲痛な顔をして告げる春香に優しく微笑みかけた。
「いいの、わかっているわ」
「え…?」
「そんなに自分を責めなくてもいいのよ…ここまで来るの、大変だったでしょう?ありがとう、本当にありがとうね…」
思いもがけない片桐の言葉に泣き崩れる春香。
「そんな…私…私、そんな事言ってもらえる資格なんかないの!」
それでも片桐は微笑みを絶やさずに続ける。短い間だったけれど、春香が自分の娘でいてくれて嬉しかったと。
激しく咳き込む片桐。「お母さん!お母さん、ごめんなさい、ごめんなさい!」春香は泣き叫びながら謝っていた。
「もう、自分を責めちゃ駄目よ…どうか、お父さんにもよろしくね…」
そう言い残し、春香の"母"は息をひきとった。

(★18選択肢/愛憎度)
 春香の義母に対する態度を決定する最後の選択肢。
 ニュートラルな選択肢を選び続けていると、ここでは謝るか罵るか立ち尽くすだけかを決定する内容の選択肢となる。
 なお、謝るのを勧め続けていると「お母さんって呼んだことあるかい?」「土下座して謝るんだよ」等いかにして謝るかの選択肢が出現し、
 義母が悪いと言い続けているといかにして罵るかの選択肢が出現する。
 「何も言わずにせせら笑ってやれ!」と春香をたきつける極悪篠原は必見らしい。(※筆者は未確認)
(★19選択肢)
 一緒にトレーラー内へは入らず、遠慮がちに中の様子をうかがうことも可能。
 この後の展開は前述の愛憎度次第で変わる。死にゆく片桐を春香が罵倒しようとする救いようのない展開もあるらしいが、筆者は未確認。

247 :絶体絶命都市2(11) 篠原編10:2007/03/12(月) 20:34:06 ID:3bDlhI880
トレーラーの外。「一弥さん…」と呟いた春香を、篠原はそっと抱き寄せる(★20)。春香は、篠原の胸の中で泣いた。
ひとしきり泣いた後、篠原の胸にぐったりともたれかかる春香。妙に熱っぽい。
篠原は心配するが、春香は篠原からそっと離れ、しばらく一人にしてほしいと片桐の眠るトレーラーの中へと入っていった。

篠原はサーカステントに戻るが、テント内には誰もいない。不思議に思いテント前に出ると、そこには救助ヘリが到着していた。
救助隊員が救助ヘリの隣で大きく手を振った刹那、まるでそれを合図にしたかのような地鳴りが公園に響き渡る。
無慈悲に陥没していく地面、振り落とされる救助隊員、緊急離陸できずにバランスを崩し墜落する救助ヘリ。
篠原の足元も大きく傾いてゆく。陥没とともに浸水がはじまったのだ。
サーカステント内を突っ切って、急斜を押し寄せてくるトラックやトレーラーをかわしテント裏手へと必死に走る篠原。
トレーラー!?春香は、春香は無事なのか!?テント裏に抜けた篠原に「こっちです!」と春香の声が飛ぶ。
高架線路に向かって走る春香は手を振りながら必死に篠原を呼んでいた。
背後に迫る水から必死に逃げ、高架線路へと駆け上がる二人。
線路に上がった二人が振り返ると、水に沈んだ公園にサーカステントが浮かんでいた。
富坂市民公園は一瞬のうちに水に沈んでしまったのだ。
「クソッ、だめか!」ほんの今まで話をしていた人々が水に沈んだ事実に、篠原は首を振る。
線路に立ち尽くすそんな二人のもとに、遠くから一機のヘリが近づいてくる。
「…お父さん!?」ヘリを見て叫ぶ春香。「お父さん、お母さんが、お母さんが!」
ヘリから身を乗り出した紳士は春香の言葉に頷くと、はるか彼方にそびえ立つタワーを指差した。
「あれは…メディアタワー?(★21)あそこへ、行けっていってるみたいだ…」
指差した方向に飛び去ってゆくヘリコプター。
「よし、春香、メディアタワーへ行こう!」二人は線路を走り出した。

(★20選択肢)
 様々な言葉を投げかけることができるが、篠原の抱きつき癖は最早お約束。
 ちなみに好感度が低いと抱きつこうとするたびに振り払われる羽目になり、とても無様である。
(★21選択肢)
 見当違いな施設を答えて春香に怒られるのも良し。

248 :絶体絶命都市2(12) 篠原編11:2007/03/12(月) 20:34:41 ID:3bDlhI880
■12月26日10:40 中央区 中央ジオセクション2付近 被害/暴風 津波・天気/吹雪

 ロード画面に災害情報が流れる演出があるのだが、そこでの災害ニュースは市全体がほぼ水没したことを告げている。
 富坂駅・メディアタワー近辺のみが僅かに水没を免れているものの遠からず冠水する見込みであり、
 避難民の方はあきらめずに退避行動を続けてください、とニュースは締められている。

猛吹雪の高架線路。線路下に見えるビル街は既に水没してしまっている。
前傾姿勢をとっていないと飛ばされるほどの極寒の風を受けながら、二人はひたすら進む。
線路を伝っていけば富坂駅へたどり着けるはずなのだが、線路高架自体ところどころ倒壊してしまっており
寸断された線路を上の線路・下の線路と支柱の梯子を移動しつつ進む。
途中、線路はビルへと倒れ掛かるように倒壊し、完全に寸断されていた。
篠原は思い切りジャンプし、なんとかビルに飛び移る。しかし春香は飛べない。
篠原は思い切り手を伸ばし叫ぶ。「春香!」意を決した表情で頷く春香。覚悟を決め、飛ぶ。
二人の手が触れる。しっかり握った手を引上げて、二人は無事ビルに飛び移った。
飛び移ったビルには、富坂駅方面への高架線路から、わずかに線路に引っかかった電車車両が突っ込んでいた。
篠原らはその電車の上に飛び移り、線路へと駆け抜ける。不吉に軋む音が聞こえる。
不安定な電車の上を走った衝撃からか、二人が電車を駆け抜け終えるが否や電車車両は水没したビル街に落下していった。(★22)
無事富坂駅方面への線路に渡りきった二人だったが、安心する間もなく地響きが聞こえてきた。
轟音の方向を見る二人。その音の正体は、津波だった。
迫り来る水から必死で逃げる二人。富坂駅を目前に、高架道路までも水に飲み込まれて沈んでいった。

(★22行動/相互干渉)
 歩けば落下しないが、所々走る事により電車車両が落下。
 それにより下の水没したビル街にいる白衣の男がピンチに陥り、白衣の男編でエンディング分岐が発生する。

249 :絶体絶命都市2(13) 篠原編12:2007/03/12(月) 20:36:45 ID:3bDlhI880
■12月26日15:13 中央区 富坂駅付近 被害/暴風 津波・天気/吹雪

富坂駅が見えてきた。線路からホームに上り、ところどころ水没する構内へと二人は進む。
出口への改札を抜け、倒れる巨大クリスマスツリーを避け、メディアタワー前出口の半開きのシャッターをくぐると、
駅前広場に藤宮グループのヘリと藤宮の父が待っていた。
「お父さん…!」「春香!」駆け寄り抱き合う父娘。
「お父さん、お母さんが…お母さんが…!」父の胸で泣く春香。
「お母さんに会ってきてくれたのか…ありがとう春香、もう泣くな。
 お前には辛い思いをさせてしまった…もういい、もういいんだよ…」
そう言い、父はしっかりと娘を抱きしめる。
「お父さん…」
「帰ろう、春香!」



篠原編Aエンディングのモノローグが流れる。
(行動によりこのモノローグの内容は変化する)

『2010年 富坂水害 帰還者の手記より 篠原一弥』
篠原が語る"帰還者の手記"…のはずだが、その内容はほとんど藤宮春香の事で埋めつくされていた。

-CASE2・佐伯優子編へ続く-

328 :絶体絶命都市2(14) 佐伯編1:2007/03/18(日) 23:17:32 ID:O8PgUzl20
>>203-204>>230-231>>244-249続き

■CASE2 佐伯優子編(殺人事件容疑者/大学2年生・女性・20歳)

12月24日14:17、佐伯優子は殺人事件の容疑者として韮沢署内の留置場に勾留されていた。勿論、全く身に覚えなどない。
しかし、檻の外の刑事・秋本は彼女の言葉に全く聞く耳を持たないばかりか
「おまえのような犯罪者など、この檻に守られていなきゃあ俺がこの手で…」など物騒な事を言う始末だ。
どうして、こんな事に……。檻の中の佐伯は自らの身に起こった出来事を思い返す。

12月24日12:13、佐伯は兄・佐伯聡の住むマンション・レジデンス市ノ谷を訪れていた。
兄に急いで会いにいくように―兄の会社の人間を名乗る人物からそう連絡を受け、自分の暮らす町から富坂市に住む兄を訪れたのだ。
兄の部屋のドアははじめから開いていた。「お兄ちゃん?いるんでしょう?」佐伯がリビングへと入ろうとしたその時、
リビングから黒いスーツに身を包んだ一人の男が飛び出してきた。
「奴の女…お前は成瀬沙耶か?」佐伯を見るなり男はそう訊ねる。
「いえ、違います…佐伯の妹です…」「そうか…」そう呟いた男はチラリとリビングへと視線を移し、言った。
「奴はこうなる運命だった………すまない」それだけ言い残し、黒服の男は走り去っていった。
リビングのドアを開けた佐伯を息を飲んだ。腹部から血を流す兄がうつ伏せで倒れていたのだ。
「お兄ちゃん!?どうしたの、お兄ちゃん!!」兄に駆け寄った佐伯に、瀕死の兄は最後の力で言葉を発した。
「…オ…オルゴール…」それだけ言い残し事切れる兄。隣の部屋から、小さくオルゴールの音色が聴こえている。
隣の部屋は誰かが何かを探したのか荒らされており、佐伯は散乱した家具の下からオルゴールを見つけた。
オルゴールには兄のメッセージカードが添えられており、クリスマスのプレゼントのようだった。
突然、インターホンが鳴る。「韮沢署のものです!人が殺されているとの通報がありましたが大丈夫ですか!」
佐伯が急いでドアを開けると、そこには制服警官と先ほど佐伯に対し物騒な発言をしていた刑事が立っていた。
佐伯は叫ぶ。「私の兄が殺されたんです!」
「ほぉ…本当ですか?」秋本刑事は佐伯を一瞥し、ただそれだけを言ったのだった。

329 :絶体絶命都市2(15) 佐伯編2:2007/03/18(日) 23:17:35 ID:O8PgUzl20

「お願い!もう一度ちゃんと調べて!」鉄格子を掴み佐伯は叫ぶが、その言葉に耳を傾けるものはいない。
諦めきれずに鉄格子の中から叫び続ける佐伯。「おーい!」佐伯が叫んだその時、その叫びに呼応するように韮沢署が大きく揺れた。
轟音と共に次々に壁が崩れ、水音が辺りに響き渡る。どこからか流れ込んだのか、足元はすぐに水浸しとなった。
どこからか助けを求める男の声が聞こえる。佐伯は崩れた壁から独房の外へと脱出し、声のする部屋へと足を踏み入れた。
そこでは看守がロッカーの下敷きになり身動きがとれなくなっていた。羽代川が決壊したため、佐伯を避難させようとしていたそうだ。
佐伯は看守を助け(★23)、負傷している看守に代わり留置場出口の扉を開けた。その瞬間バタン!とドアが開き秋本刑事が現れた。
「何をやってるんだ!もしこの凶悪犯が逃げ出したら、きさま、どうするつもりだぁ!?」一方的に看守を怒鳴り散らし、佐伯に手錠をかける秋本。
申し訳なさげにその場を去る看守を尻目に秋本は怒鳴り続ける。「だいたいだな、なぜ凶悪犯の命を助けなけりゃならんのだ!」
そう怒鳴った秋本は、佐伯を留置場の中に残したまま留置場の扉を施錠した。ええ!?佐伯は慌てて鉄格子を握り締めるがドアは開かない。
「よーし!地下は全員避難完了したぞー!」そう言いながらその場を去る秋本。
叫んでも誰も来ない。ドゴォン!留置場の倒壊はさらに進み、あちこちの壁が瓦礫へと変貌する。
壁が崩れたことによりとりあえず留置場からは出ることができたが、水と瓦礫に阻まれ避難できない佐伯は署内地下を右往左往するばかり。
そんな中、廊下に割れた天窓を発見する。佐伯が天窓から脱出するのと、韮沢署地下が流れ込んだ泥水により水没するのはほぼ同時だった。

なんとか地上には出られたが、韮沢署敷地内ではあちこちに巡回中の警官がいる。
佐伯は物陰から物陰へと警官の目をかいくぐり署の敷地を抜け出した。事故だろうか、トラック数台が停車している先に炎に包まれた車が見える。
その炎をわき目にタンクローリーの横をすり抜ける時、佐伯はタンク排出口に足を引っ掛けてしまう(★24)。地面に滲み出る油。
直後、タンクローリーの油が事故火災に引火し、駐車トラックが次々に爆発炎上する。極め付けはタンクローリーの大炎上。
爆発の衝撃で付近の陥没も発生し、男女が巻き込まれたのも見えた。佐伯は逃げるようにその場を立ち去った。

逃げる優子を見つけたのか、反対車線のパトカーが急停車する。「あっ、貴様!佐伯優子、待てぇ!」乗っていたのは秋本刑事だ。佐伯は走り続ける。
「緊急事態発生、凶悪犯が脱走した!至急応援頼む!」秋本は警察無線にそう怒鳴るのだった。

(★23選択肢)
 当然、見捨てることもできる。その場合、留置場の倒壊とともに看守の断末魔の叫びが…
(★24行動選択/相互干渉)
 これにより、柘植編で事故見物している柘植が爆発・陥没に巻き込まれピンチに陥り、柘植編Bエンディングへの分岐が発生。
 佐伯が韮沢署内で婦警服を発見・装備しニセ婦警として正面玄関から堂々と脱出した場合は、この爆発は起こらない。

330 :絶体絶命都市2(16) 佐伯編3:2007/03/18(日) 23:19:09 ID:O8PgUzl20
■12月24日16:05 韮沢区 韮沢ジオセクション付近 被害/浸水・天気/雨

サイレンの鳴り響く豪雨の中、走り続ける佐伯。びちゃん!転んで地面に倒れこむ。
「こ、ここまで来れば…」道に倒れ全身ずぶ濡れの佐伯は肩で息をした。
『番組の途中ですが、緊急放送をお送り致します』突然映し出される韮沢ジオセクションの街頭ビジョンに顔を上げる佐伯。
大雨による避難命令と危篤患者情報の後、殺人事件の容疑者の女性―自分が、市内を逃走中のため市民に注意を呼びかける、そんな放送だった。
ビジョンに大きく映し出される自分の顔に思わずうつむく佐伯。市民の目にも触れないように、俯いたまま、放置車両の物陰を伝い進む。
「おい!佐伯優子はいたか!?」聞き覚えのある嫌な声に、物陰の佐伯は思わず体を強張らせた。声の主は秋本刑事だ。
「兄を殺した凶悪犯を取り逃がしたりしてみろ!その時は貴様…わかってるな!?」
秋本は住民の避難誘導をしている警官を怒鳴り脅しつけてまで佐伯の捜索を最優先させていた。尋常ではない。

あてもなく人目を避け逃げ続ける。秋本が道行く男女に何かを尋ねているのが横転車両の陰から見えた。尋ねられていた男は、無慈悲に佐伯を指差す(★25)。
「あっ、貴様!」秋本に発見され、抵抗虚しく捕まり後ろ手に拘束される佐伯。
「私じゃない、私じゃないんです!」そんな無実の訴えも虚しく、佐伯は警察車両内へと連行されてしまった。
警察車両内に押し込まれる佐伯。「まったく、手間を取らせやがって…」車両内に佐伯一人を残し、秋本が車両を離れた瞬間、
大きな地響きとともに車両が横転した。付近の道路が陥没してしまったらしい。
横転した車から人一人這って通れる用水路らしき通路に下りられたので、佐伯はそこから脱出した。

地下都市であるジオシティの"ジオセクション"は、いうなれば巨大な穴を掘り、その断層を利用して建設された都市である。
従って、そこに水が流れ込んだ場合、みるみるうちに穴は水に満たされることとなる。完璧を謳っていた排水システムも今となっては無意味だった。
佐伯がジオセクションの階段を一段層上がった時、今までいた場所は地上から滝のように流れ込む大量の濁流で押し流され沈んでいった。
もしももう少しあの中に居たら…佐伯は緊張と安堵からか街灯によりかかるようによろよろとしゃがみ込む。
「残念だねぇ、逃げられると思ったか?」聞き覚えのある嫌な声にハッと顔を上げると、上の階層から悠々と秋本刑事が下りてきていてた。
秋本は、佐伯のような凶悪犯罪者でも捕まって裁判を受けたら大した刑にはならない、生ぬるい殺し得殺され損の今の刑法・司法に対する怒りを口にした。
「今の刑法は生ぬるいったらありゃしない、お前みたいなのがはびこるのもそのせいだ」と怒りを隠そうともしない。
「最後に聞こう、どうして兄を殺した」秋本は尋ねるが、身に覚えがない佐伯は「私は犯人じゃない!」とあくまで認めない(★26)。
秋本はそんな佐伯を鼻で笑った後、証拠は見つかっていると凄む。
「観念しろ佐伯優子!裏の広場で見つかったナイフから、兄の血液とお前の指紋が検出されたんだ!」
そう怒鳴った秋本は、佐伯に向けて拳銃を構えた。「抵抗する凶悪犯をやむを得ず射殺…ま、よくある話だ…」問答無用で佐伯を射殺する勢いだ。
秋本が拳銃の引き金に手をかけたその時、秋本の背後から突然濁流が流れ込んできた。
濁流に巻き込まれ流される秋本、流されないように街灯にしがみつく佐伯。
「どわああぁぁぁぁぁぁぉぉぉぉぁっが!」悲鳴を上げながら、秋本は濁流に流されていった…

(★25相互干渉)
 男は篠原である。篠原がしらばっくれた場合は佐伯は捕まらずに逃げ続けることができるが、実は捕まったほうがルートとしては近道。
(★26選択肢)
 「兄の財産目当てよ!」と口走り秋本を喜ばせることも可能。

331 :絶体絶命都市2(17) 佐伯編4:2007/03/18(日) 23:20:45 ID:O8PgUzl20
■12月24日18:30 韮沢区 韮沢駅付近 被害/浸水・天気/雨

濁流一過。泥水を飲んだのか、秋本が下りてきた階段のふもとに倒れこみ苦しそうに咳き込む佐伯。
「あ、あなたは!?だだだ大丈夫ですか!?」そんな佐伯のもとに、階段の上から一人の男が駆け下りてきた。
駆け下りてきた青いスーツの男は倒れている佐伯を助け上げるが、佐伯の手錠を見て顔色を変える。
違うんです!と必死に叫ぶ佐伯(★27)。そんなやり取りの最中でも水位はみるみるうちに上昇し、二人の膝元まで達していた。
「君は悪い人じゃなさそうだ…後で正直に事情を話してくれるなら、今は君を信用するよ」
そう告げた男に事情を説明する事を約束し、とりあえず水から逃げるために二人は韮沢駅へと向かうエスカレーターを駆け上がった。
韮沢駅前には警官がいたが、青山透と名乗ったその頼りなさそうな眼鏡の男が警官の注意を引いてくれ、
佐伯はその隙に韮沢駅の地下街入り口へと移動することができた。

韮沢駅地下街。人一人いない構内に華やかなクリスマスの飾りつけがどこか空しい。
落ち着いて話ができそうな状況になったので、佐伯は今までの出来事を青山に説明する。
一通り話を聞いた青山だが「普通に考えたら君が犯人としか思えないよ」と全く頼りない。
それでも、ここまで正直に話をした佐伯を信じると青山は言った。青山は続ける。これからどうするつもりだい?と。
「兄の…仇を討ちたいんです」(★28) 
佐伯がそう告げた瞬間、ドォォォォォン…遠くで何かが陥没する音が聞こえ、地下街の電気が消えた。
「そうか、それなら…もう一度、兄さんのマンションを調べてみたらどうかな」と青山は提案した。
今なら警察も災害にかかりっきりで居ないだろうからそこで手がかりを探してみよう、僕も一緒に行くよ!と言うのだ。
「よし、じゃあ行こう!」
かくして、どうにも頼りなさそうな青山と同行する事になった佐伯。二人は暗い地下街を梅沢区方面に向かって歩き始めた。

(★27選択肢)
 「私、殺人犯なんかじゃないんです!」「お願いです、警察を呼ばないでください!」の他に
 佐伯優子の名台詞「この手錠は好きでつけているんです!」という問題発言あり。
(★28選択肢)
 無実を証明したい/仇を討ちたい/どうしたらいいかわからない…の三択。どれを選んでもさほど話に影響はない。
 ちなみに直後の震動は篠原編で藤宮が駅構内に落ちた時の震動である。

332 :絶体絶命都市2(18) 佐伯編5:2007/03/18(日) 23:22:07 ID:O8PgUzl20
地下街の書店に差し掛かったその時、ジリリリリリリリ…とけたたましく非常ベルが鳴り、天井からスプリンクラーが降り注ぐ。(★29)
「佐伯さん隠れて、誰か来る!」青山とともに物陰に身を潜める佐伯。
「どうした、見つけたのか!?」バタバタと警官らが駆けつけ、警官らはそのまま周辺の巡回を始めてしまった。
巡回する警官の目を掻いくぐり、佐伯たちは下のフロアへ移動した。
下のフロアはほぼ水没してしまっており、足場といえば水面に上部が僅かに見える沈んだ電車車両のみだ。
僕が先に行って大丈夫か確かめてみるよ、と先導を申し出る青山。頼りないながらも彼なりに頑張っているらしい。
足場は意外と大丈夫そうだった。青山は無事対岸の非常口まで渡り切り「気をつけて渡っておいでよー!」と佐伯を呼んだ。
佐伯も続き電車車両の上を走るが、その時、地下1-2階を突き抜けていた電車車両が突然階下に落下してきた。(★30)
落下の衝撃で佐伯の足場となっていた車両が流され、青山が待つ非常口が遠くなっていく。
流れ着いた先には、駆けつけた救助隊員たちが待機していた。
佐伯は迷う。こんな思いをしてまでこの街にいたくない…いっそのこと、捕まって楽になってしまおうか…
ふらふらと救助隊員に向かって歩き始める佐伯。
「佐伯さん!?駄目だ、こっちに来るんだ!」場所を移動したのか、先ほどとは違う非常口から青山が叫ぶのが聞こえた。
「兄さんの仇を討たなくていいのか!?無実を証明しなくていいのか!?よっ、弱虫ーーーっ!!」叫び続ける青山。
救助隊員の前まで辿り着いた佐伯を迎える隊員たち。「よく頑張った、もう大丈夫だぞ!」しかし次の瞬間、手錠を見て顔色を変える。
「!その手錠は…?と、とにかく一緒に来るんだ!」
最後の一歩を踏み出そうとした佐伯に、青山の悲痛な叫びが聞こえてきた。
「やっぱり君が殺人犯だったんだね!僕は!騙されてたんだね!」
青山さん…。違う、私は殺人犯なんかじゃない、あなたを騙してなんかいない!
「い、嫌っ!捕まりたくない!」そう叫んだ佐伯は目前に迫る救助隊員に背を向け、青山の待つ非常口に向かって駆け出していた。(★31)

非常口の梯子で青山に迎えられた佐伯。
「さあ急ごう、ここも危険だ!」佐伯は先導する青山を追い、絶え間なく震動を続け次々に崩壊していく地下街を脱出した。


(★29相互干渉)
 篠原がボヤを起こしスプリンクラーを作動させたせいである。迷惑な奴である。
(★30相互干渉)
 篠原が電車車両を落としたためである。本当に迷惑な奴である。なお、これが佐伯編Bエンディング分岐となる。
(★31選択肢/エンディング選択)
 このまま救助されると佐伯編Bエンディング(生還)。佐伯は逮捕され、事件の真相は闇の中。

333 :絶体絶命都市2(19) 佐伯編6:2007/03/18(日) 23:22:43 ID:O8PgUzl20
■12月24日20:48 韮沢区 羽代川トンネル付近 被害/土砂・天気/雨

地下街を抜け、車道を走る二人の背後から猛スピードで一台のパトカーが近づき急停止した。
「止まるんだ!佐伯優子!」そう怒鳴りながらパトカーから降りてきたのは、再び現れた秋本刑事。
止まるわけにはいかないと走り続ける二人だったが「まったく、手間をとらせやがって…」と佐伯に銃口を向けた秋本に追い詰められてしまった。
「兄殺しめ…!年貢の納め時だ!」秋本はそのまま発砲しかねない勢いだ。
「やめろ!彼女は無実なんだ!」突然そう叫んだ青山は、佐伯の前に飛び出して秋本に体当たりした(★32)。バランスを崩しその場に倒れこむ秋本。
「今のうちだ!逃げよう!」「はい!」倒れた秋本を尻目に再び走り出す二人。しかし、途中で道は崩れており、土砂に阻まれてしまった。
銃口を向けたまま秋本が近づいてくる。佐伯の目前まで秋本が迫ったその時、ゴゴゴゴゴゴゴ…地鳴りがしたかと思うと、
秋本は地すべりを起こした土砂に流されていった。「うわぁぁぁぁぁー!」叫びながら流される秋本。土砂の先は濁流だ。
秋本が多少気の毒ではあったが(★33)、気にせず二人は先を急ぐことにした。

土砂を越え、兄のマンションのある梅沢区へと続く羽代大橋/羽代川トンネル前の公園に抜けた。本来カップル待ち合わせの名所でもある公園だ。
「こんな状況じゃなければなぁ…」青山はそう呟き、思わせぶりに佐伯を見つめる。
羽代川トンネル入り口に『至梅川区』の表示が見えたので、二人は羽代の川底を抜けるトンネルに入った。
トンネル内は水族館をあしらった遊歩道になっていて、いくつもの水槽の中に魚が泳いでいる。
ベンチやツリーのイルミネーションも設置されており、普段は市民の憩いの場なのだろう。
しかし、そんなトンネル内は小さな震動を絶えず繰り返しており、青山は嫌な予感がするから早く抜けよう、心臓に悪いなどとしきりに繰り返す。
ふと設置されたツリーを見ると、ツリーのふもとに白衣の男が座り込んでいた。どうやら気を失っているらしく、声をかけても反応がない。
置いていくわけにもいかないな…と佐伯が思っていると(★34)、青山が「僕が背負うよ」と申し出てきた。
そんな中、大きな揺れが起こり、水槽や天井・壁がいくつも割れてトンネル内はみるみるうちに水で溢れかえる。
梅川区への階段はフェンスで塞がれていたので、佐伯たちは作業室で拾ったペンチでフェンスを切断し、トンネルを脱出した。

トンネルを抜けると「おーい、そこは危険ですよー!」と外に待機していた救助隊員から声をかけられた。
青山は佐伯に身を隠すよう言い、やってきた救助隊員に白衣の男を託した。
「うまくいったみたいです」戻ってきた佐伯に告げる青山。そんな青山を「青山さん…ステキです…!」(★35)と佐伯は褒める。
青山は「そそ、そんな事言われたの、う、生まれて初めてです…」と、声を上ずらせて照れまくった。
「じゃあ、兄さんのマンションへ向かいましょう!」そして二人は豪雨の梅川区を歩き出したのだった。

(★32信頼度)
 今までの選択肢によって青山の信頼度が高いと起こるイベント。一度だけ身を呈して佐伯を助けてくれる。
(★33選択肢)
 心配する発言、ホッとする発言の他に「アハハハ!いい気味だわ!」あざげり笑うのも良し。
(★34選択肢/相互干渉)
 白衣の男を助けるor放っておくで白衣の男のスタート地点が変化する。ここで助けなかった場合、白衣の男はトンネル出口で瀕死の状態から始まる。
(★35選択肢)
 青山へ告げるお礼の選択肢が並ぶ中、「さ、行きましょう」と青山の頑張りを冷たくスルーする事も可能。

-続く-

353 :絶体絶命都市2(20) 佐伯編7:2007/03/22(木) 21:47:29 ID:b5ioqDHQ0
>>203-204>>230-231>>244-249>>328-333続き

■12月24日22:18 梅川区 レジデンス市ノ谷付近 被害/土砂・天気/雨

「あ、あれが兄さんのマンションだね」目前に見えるレジデンス市ノ谷を見上げて青山は口を開く。
二人がマンションの前に差し掛かったその時、前方に止まっていたパトカーのライトが突然カッと点灯し、急発進で二人めがけて走ってきた。
けたたましくスピンターンで止まったパトカーから降りてきたのは、三たび現れた秋本刑事。今度ははじめから拳銃を手にしている。
「兄殺しの凶悪犯め!消えろ!」そう怒鳴り、パトカーから降りるなり佐伯に向けて拳銃を構える秋本。既に発砲体勢だ。
「逃げろ、佐伯さん!」青山の声に逃げ出す二人。パンッ!「きさま!凶悪犯をかばう気か!」秋本は何の迷いもなく逃げる二人の足元に発砲してきた。
「次は心臓に撃ってやる!観念しろ!」佐伯の目の前で秋本が引き鉄に手をかけたその時、
ゴゴゴゴゴゴ…と揺れた地面がみるみるうちに傾き、秋本の背後からパトカーや放置車両が次々に滑り落ちてきた。陥没だ。
「うぐわあああああああああ!」滑り落ちてくるパトカーに巻き込まれる秋本。
間一髪滑落する車両を避けた二人は、パトカーの下敷きになっている秋本を放置し、レジデンス市ノ谷へと向かった。

レジデンス市ノ谷の正面エントランス。
青山は警察の応援部隊を警戒しているのか、玄関で見張りをして後で部屋に行くと言うので、佐伯ひとりで兄の部屋へと向かう。
兄の部屋は事件当時とは全く違い、倒れた裏庭の巨大ツリーが部屋に突っ込む形で壁が崩壊しており、室内の一部は雨ざらしになっていた。
佐伯はリビングに放置されていた兄のオルゴールを手にとった。兄が最期に言った言葉「オルゴール」。一体これが何だっていうの?
底を見たり曲を聴いたりしているうちに、佐伯はカサカサと何かが入ってる音に気がついた。
取り出してみると、紙片が一枚。そこには『奥富の水の守り神 空の上から底を目指せ』と書かれている。
「何…?これ…」佐伯が首をかしげていると、背後から紙片を取り上げる手が。驚き振り向く佐伯。そこに居たのは、あの時の黒スーツの男だった。
「その紙を返して!」佐伯は叫ぶが、男は佐伯の言葉を無視し「奥富…?水の守り神…?」と呟いたかと思うと、そのまま紙片を手に走り去った。
走り去る男と入れ違いで慌しくやって来る青山。
「佐伯さん!今の男は!?」
「兄のオルゴールから出てきた紙片を見て飛び出して行きました!」
「な、何だって!?」
「たぶん、あの男の人は…(★36)兄を殺した犯人に違いないわ!」
「何だって!?あいつが君の兄さんを…!?」佐伯の言葉に驚く青山。
黒服の男が奪っていったあの紙片に書かれていた内容が何かの鍵に違いない、とメモの内容を二人は推理する。
このあたりで奥富といえば奥富ダムくらいしか思いつかない、とにかく奥富ダムまで行ってみよう!と青山は結論づけた。
かくして、水没しかかった地下駐車場から聡の車を拝借し、二人は奥富ダムへと移動を開始するのであった。

(★36選択肢)
 選択肢は豊富だが、それっぽい回答の他にも「借金取りに違いないわ!」「タクシーの運転手に違いないわ!」
 「兄のファンに違いないわ!」などのボケ回答も並ぶ。大真面目にボケる佐伯と青山のやりとりが間抜けである。


354 :絶体絶命都市2(21) 佐伯編8:2007/03/22(木) 21:48:14 ID:b5ioqDHQ0
■12月25日2:14 伏山区 レストランアンジェリーナ付近 被害/土砂・天気/雨

奥富ダムに向けて移動する二人だったが、伏山区・ファッションビル909に差し掛かったあたりで急に車のエンジンが停止してしまう。
車は直せそうになかったため、このあたりに動かせそうな車はないか、二人で手分けして探すことにした。
佐伯が道を歩いていると、目の前のマンションから出てきたらしい一人の女性と鉢合わせた。
小柄で清楚な感じのその女性は、この人を知りませんか?と先ほどトンネルで見た白衣の男の社員証らしきカードを見せる。
トンネルで救助されていたことを告げる佐伯(★37)。女性は礼をいい、羽代川トンネルに向けて走り去っていった。
佐伯はレストラン・アンジェリーナの前に差し掛かる。灯りがこうこうとついていたので店内に入ってみた。
人がいない以外は営業中とほとんど変わりのない店内だったが、座席にひとり、何やら考え事をしているらしきサングラス姿の男性が座っていた。
「この仮説は間違っていないはずだが…駄目だ…動機がわからない…何故、隠す必要があるんだ…会社の幹部にも内緒で…」
サングラスの男はしきりにぶつぶつと何かを呟いていたが、隣に立つ佐伯の気配に気がつき、ふと顔を上げた。
「んっ…?君は確か…ニュースでやっていた兄殺しの…」
(★38)私は無実です、お兄ちゃんを殺してなんかいません!とその言葉を必死に否定する佐伯。
そんな佐伯に、男は唐突に質問した。「君のお兄さんは、確か新富製薬に勤めていたはずだね?」
「…?どうしてそれを…?」
「まあ、僕はこう見えても報道の人間なんでね。君が犯人でないのなら…新富製薬の研究者を殺したい人間がいたということだね…」
男は、再び何やら考え込んでいる。
「ふむ…新富製薬の研究者の命を奪おうとした人間がいることは確かだ…!」

(★37選択肢)
 韮沢署に私と一緒に留置されていました、などと唐突に嘘をつくことも可能。
(★38選択肢)
 「この手錠は好きでつけているんです!」と、ここでも問題発言再び。

355 :絶体絶命都市2(22) 佐伯編9:2007/03/22(木) 21:49:30 ID:b5ioqDHQ0
「おーい!佐伯さーん!レジにキーがあったよ!この下の駐車場にある車が使えそうだ!」
佐伯と男との会話が中断される。車を見つけた青山が騒がしく乱入してきたのだ。
「んっ?佐伯さん、この人は?」
「報道関係の人だそうです」
「報道の?まさか、彼女のことをあることないこと書き立てるつもりじゃないだろうな!?彼女は犯人なんかじゃない!」
"報道関係"という言葉に過敏に反応した青山は、男に食ってかかる。
「いや、僕はそんなつもりはないが…」
「青山さん…ありがとう、もういいんです(★39)」佐伯は、そんな青山をやんわりとなだめた。
「んっ!あ、思い出した!君はたしか、パーティー会場で田辺知事のそばにいた…!」
青山を見てそう言うサングラスの男。彼はどうやら韮沢ジオセクションの完成披露パーティーに来ていたらしい。
「た、確かに僕は田辺知事の秘書だけども…」自分の素性をサングラスの男に告げられ、心なしか動揺する青山。
「こんなところにいていいのかい?田辺知事は救助活動をしているんだろう?」
「ぼ、僕は…彼女の無実を証明したいんだ!知事ならきっとわかってくれるはずだ!」
「…そうかい」男はそう言い、それ以上青山を詮索はしなかった。

出発前、レストランアンジェリーナの車の前で、佐伯は青山に訊ねてみた。
「あの…青山さんは…(★40)いえ、やっぱりいいです、行きましょう」
質問を口ごもった佐伯を察した青山は、知事秘書という自分の身分を明かしていなかった事を佐伯に詫びた。
隠すつもりはなかった、だけど知事に迷惑がかかるかもという思いも確かにあった、本当にごめん、と。
県知事・田辺宗一郎。元々は伝染病の権威の医者であり、原因不明の風土病が蔓延する寒村に単身乗り込んだ等数多くの逸話を持つ人物。
青山は田辺知事に対する尊敬の念を口にし、自分もいつかは知事のような人物になりたいんだと照れながら佐伯に語った。

出発の準備が整い、車へと乗り込む二人。奥富ダムに向け、レストラン・アンジェリーナの商用車は豪雨の暗闇へと走り出していった。

(★39選択肢)
 その他の選択肢は「青山さん、もっと言ってやってください!」「青山さん、あっち行っててください!」ひでぇw
(★40選択肢)
 続ける言葉は「慌てんぼうですね」「どうして知事の秘書をしているんですか?」「いい人ですね、ありがとう」の四択。
 どの選択肢でも結局知事尊敬話に繋げてくる青山。もはや知事萌えの域である。

356 :絶体絶命都市2(23) 佐伯編10:2007/03/22(木) 21:50:32 ID:b5ioqDHQ0
■12月25日11:40 柿沼区 奥富ダム付近 被害/暴風 土砂・天気/雪

雪深い山中の奥富ダム、下流側ふもとに停車したアンジェリーナの商用車。
車から降りた二人は、ダムを駆け上がる黒いスーツの男を目撃する。
「あいつは!君の兄さんの部屋から出てきた…!」そう叫ぶなり、黒スーツの男を追うべく駆け出す青山。
佐伯も後を追うが、黒服と青山が走り去った後、轟音とともにダム堤体の中央部分が崩壊し、二人を見失ってしまう。
仕方なく上れる階段を上っていくが、次々にダムのあちこちから水が噴出し、堤体や階段が崩壊していく。
ダム堤頂に上りきったその時、ガコン、と大きく崩れる足元。いよいよダムの決壊がはじまったのだ。
次々に崩れ去る足場を対岸に向けてひた走る佐伯。最後の轟音とともに、佐伯は対岸に倒れるように体ごと飛び込んだ。

ダムの決壊がおさまった。遠くで聞こえる災害サイレンの音。降りしきる雪。対岸に倒れる佐伯。
「青山さんは…どこに…」青山の安否を心配した佐伯は、起き上がり周囲を見渡した。
ダム堤体は完全に崩れ去り、貯水した水が決壊とともに大放出された為、ダム湖の水位はかなり低くなっている。
水位の低くなったダム湖の水中には、ダム建設により廃村になった町だろうか、水に沈んだ数々の家屋が見えていた。
目前には水質管理棟。棟からは、ダム湖水面へと向かう長い長い梯子が降りている。
兄のメモにあった言葉『空の上から底を目指せ』もしかしたら…
佐伯は水質管理棟に入り、ダム水面へと続く梯子を降りてゆく。長い長い梯子を降りた先には、ディスクケースがひとつぽつんと置いてあった。
ディスクには、兄・聡が優子に当てた手書きの手紙が添えられていた。

『優子へ
 もし、このディスクを見つけたのが…優子、お前だったら…この手紙を見た時には、俺はもうこの世にいないかもしれない。
 だから…すまない、お前にどうしても頼みたいことがあるんだ。
 俺は悪魔の研究に力を貸してしまったんだ。
 このディスクには、その悪魔の力から世界を救う方法が記してある。このディスクを、同僚の根岸という男に渡してほしい。頼んだよ。
 追伸 優子、お前に贈ったオルゴール、その曲は気に入ってくれたかい? お前の幸せを祈っているよ   聡より』

聡は自分の死を覚悟していたらしい。
「悪魔の研究って…なんだろう…?」あまりに唐突な話に混乱する佐伯。

佐伯が梯子を上り水質管理棟を出ると、「おおーい!」と手を振る青山の姿が見えた。無事だったらしい。

357 :絶体絶命都市2(24) 佐伯編11:2007/03/22(木) 21:52:01 ID:b5ioqDHQ0
「どうですか?何か見つかりましたか?」
青山は佐伯に唐突に訊ねてきたが、どこか様子がおかしい。普段の落ち着きのない甲高い喋り方とはほど遠い、妙に落ち着いた口調なのだ。
「青山さん!どこにいたんですか!?」(★41)佐伯は青山を心配して怒ったが、青山はその言葉を遮って続けた。
「そんな事より、僕の質問に答えてもらえませんか? …何か、見つかったんでしょう?」
今まで聞いたことのない低い声色で喋った青山は、おもむろに眼鏡を外すとナイフを取り出し、それを舐めた。
「さあ…手に持っているものを渡してください」ナイフを弄びながらあやしく笑う青山。佐伯の知る気弱で人の良い青山とはまるで別人だ。
「(★42)青山さん!どうして!?」
青山の変貌に戸惑いを隠せない佐伯は青山に問うが、青山はそれを嘲笑うかのような言葉を返した。
「もう君にはうんざりしてるんだよ。ほら、渡してくれないと、このナイフが君にひどいことするけどいいのかなあ?」
青山はそう言ったかと思うと、佐伯に向けて思い切りナイフを振りかぶった。その時だ。
「よせ!青山!」
背後から違う男の声が聞こえた。振り返ったその場に立っていたのは、兄のマンションに現れた黒いスーツの男。
「おおお前は根岸!?」
叫んだ青山は目前にいた佐伯を羽交い絞めにし、その顔に向けてナイフをつきつけ、黒服の男―根岸に向き直る。
「製薬会社の研究員風情が…!同僚の仇討ちのつもりか!」
根岸に怒鳴る青山。そんな青山に向けて根岸が返した言葉に、佐伯は耳を疑った。
「貴様!兄だけでなく妹まで殺す気か!」
「!? 青山さんが、お兄ちゃんを…!?」
驚きの表情で青山を見上げた佐伯を、青山は憎憎しげに怒鳴りつけた。
「僕たちを裏切ったおまえの兄貴が悪いんだよ!」
「青山さん…」青山こそが兄の仇だった。青山に羽交い絞めにされ、呆然とする佐伯。
(★43)佐伯は呆然としたまま、青山への想いを言葉にしていた。
「青山さん…ずっと…好きだったの…」
青山を見上げて想いを告げる佐伯。しかし青山はそんな佐伯を容赦なく罵倒した。
「そぉーかい!僕はずうっと君のことが大っ嫌いだったよ!最後までイライラさせる女だ!」
そう怒鳴った青山は佐伯を突き倒し、彼女めがけてナイフを振り下ろした。

キンッ!

辺りに響く金属音。
佐伯は無事だ。青山のナイフは佐伯が咄嗟に頭上にかざした手の間で止まっている。
皮肉なことに、今まで佐伯を苦しめていた手錠の鎖が、青山のナイフから佐伯を救ったのだ。
再び青山がナイフを振りかぶったその時、ゴゴゴゴゴゴ…と地響きをたて辺り一帯が大きく揺れ、雪山から木々が次々と滑落してきた。
雪崩の発生だ!

(★41選択肢)
 ディスクが見つかった事を告げる・告げない・もったいつけるとの四択。どの選択でも青山は豹変し、それぞれ違う態度で佐伯を問い詰めてくる。
(★42選択肢)
 ディスクを渡す・渡さないとの三択。大人しく渡しても「いい子にはこのナイフの味を教えてあげるよ~」とか言いながら結局切りかかってくる。
(★43選択肢)
 青山に好きだと告白の他に、噛み付き・肘撃ち・踏みつけの攻撃系から根岸へ意味ありげな目配せ(根岸( ゚д゚)???状態で結局無意味)、
 泣いてやったり、しまいには突きつけられたナイフを自ら舐める変態行為まで選択肢は多彩。
 この先エンディングまでは選択肢がやたらに多く、選択肢次第で話の印象が全く変わってしまう。

358 :絶体絶命都市2(25) 佐伯編12:2007/03/22(木) 21:54:21 ID:b5ioqDHQ0
「危ない、何かにつかまれ!」根岸の声が聞こえた。掴まれそうなものといえば、目前の街灯一本。
佐伯と青山は一本の街灯を巡って突き飛ばし突き飛ばされの泥沼の攻防戦を繰り広げ、最後に街灯にしがみついていたのは…佐伯。
轟音。雪崩が何もかも飲み込んでゆき、視界が真っ白に染まる。

静まり返る周囲。佐伯は顔を上げ、あたりを見渡す。青山の姿は…無い。
佐伯は雪崩が崩落していったダム湖に向けて歩き出し、湖を見下ろした。
そこには、辛うじて岸に掴まっているが、今にもダム湖へ落ちそうになっている青山の姿があった。
今にも落ちそうな青山に向かって、佐伯は自らの思いの丈をぶつけていた。
「(★44)私の愛を受け入れないなんて、どういう事!?」 思い切り論点のズレた怒りを青山にぶつける佐伯。青山もそれに負けじと声を張り上げる。
「だだだって!僕にだって好みというものが!」
「なんですってぇ!?」
佐伯、激昂。その迫力に恐れおののいた青山は態度を180度ひっくり返し泣き叫んでいた。
「ひいいいい!ごめんなさい!受け入れます!あなたを愛しています!」
「よくも…お兄ちゃんを…」(★45) 今なら兄の仇を討てる。でも…
佐伯はしゃがみ込むと、岸にぶら下がる青山に向かって手を差し伸べていた。
「はっ?た、助けてくれるのか…?」
差し出された手に驚く青山。(★46)そんな青山に佐伯はどことなく悲しげに告げるのだった。
「やっぱり…あなたが好きだから…」

助け上げられ、その場に泣き崩れる青山。パトカーのサイレンの音が聞こえてくる。
到着したパトカーに向きなおった佐伯は、毅然とした表情でしっかりと顔を上げた。



佐伯編Aエンディングのモノローグが流れる。(行動によりこのモノローグの内容は変化する)

『青山さんへ 佐伯優子』
内容は佐伯から青山への語りかけ。最後は「さようなら…青山さん」と結ばれている。

(★44選択肢)
 落ちそうな青山に告げる一言の選択肢の数は六つ。強制的に愛を迫る他には「よくもお兄ちゃんを…許さない!」「あなたを信じてたのに…」
 「よくも私を殺そうとしたわね!」「はじめから怪しいと思ってたわよ!」「あなたにはずっとイライラしてたのよ!」など。
 どれを選んでも情けない答えを返す青山、もはやどちらが殺人犯かわからない状況である。
(★45選択肢)
 青山をどうするかの三択。手を踏みにじってダムに落とす、放置して立ち去る(どちらも青山はダム底へ落下)、救いの手を差し伸べる。
 エンディングモノローグに変化はあるがいずれもAエンディング。泣き叫ぶ青山の命乞いを無視し手を踏みにじる佐伯の笑顔が怖すぎる。
(★46選択肢)
 助け上げた青山に告げる最後の一言。選択肢の数は画面を埋め尽くす9選択。大杉。 「あなたを殺してもお兄ちゃんは喜ばないわ…」
 「生きてその罪を償いなさい!」「私はあなたみたいな人殺しにはならないわ」といった火サス王道台詞から
 「あなたは殺すにも値しない虫ケラよ!」「フフッ…生きて死ぬより辛い地獄を見せてあげる…」といった暗黒全開台詞まで。佐伯怖すぎ。

-CASE3・タクシー運転手・柘植明編へ続く-

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 09:38:00 ID:IBccRE910
ところで雪崩のあと、根岸さんはどうなったの?

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 10:57:49 ID:8MyRwXto0
>>365
ご指摘のとおり、雪崩後の根岸氏の描写を書き忘れておりました、すみません。

「危ない、何かにつかまれ!」と叫んだ根岸氏は、
彼の目の前にあった街灯にちゃっかり一人だけしがみついて雪崩被害からは事無きを得ております。
佐伯と崖っぷち青山がやりあっている最中は全く画面中に映っていませんが、
最後に佐伯が真直ぐ前を見据えた時、その後ろで雪の中に落ちたディスクを拾い上げていました。

根岸氏の今までの行動、これからの行動は、この後別の主人公の視点から語られることになります。

231 :絶体絶命都市2:2010/01/29(金) 17:12:19 ID:kpeseBv40
では絶体絶命都市2の4章(西崎編)のみを投下します。

登場人物
・西崎 佳奈(にしざき かな)
15歳の高校一年生。いじめられっ子。選択肢によってはお茶目で変な一面も見せる。
・比嘉 夏海(ひが なつみ)
教育実習生。前作ではヒロイン候補として登場しているが今回はチョイ役。
・桜坂 綾乃(さくらざか あやの)
西崎の同級生。取り巻きを連れて毎日のように西崎をいじめていた。
・辺見先生(へんみせんせい)
下の名は泰造。生徒の悩みに真剣に向き合う先生(学級日誌で分かる)だが…?

12月25日 蓮野区 富坂商業高校
倒れた掃除用具入れがガタガタと音を立てて開き、中から西崎が現れる。
教室には誰もおらず、黒板に『体育館に避難してください』と書かれているだけ。
そう、西崎は今日も綾乃とその取り巻きにいじめられ、皆が避難を始める中、
一人だけ掃除用具入れに閉じ込められていたのだ。
「綾乃さん…絶対に仕返ししてやる…!」(※1)
綾乃への復讐を決意しつつ、遅まきながら避難を始める西崎。

途中で校舎が崩れて進めなくなっていたので、窓の外を通って隣の教室に入ると…
「おーい、そこに誰かいるのー?」
反対側の校舎から誰かが呼びかけてきた。
あれは確か、教育実習生の比嘉先生だ。
早く体育館に避難するよう促す比嘉先生。
西崎は何を思ったか、「OK」とボディランゲージを返す。(※2)
直後、地響きがして先生の悲鳴が。
思わず「せんせーい!」と呼ぶと、「たすけて~!」と返事が。
早く助けに行かないと。

※1…早く避難しなきゃと冷静に思ったり、綾乃が避難できたか心配することもできる
※2…普通に返事したり、酷いことに無視しようとすることもできる

232 :絶体絶命都市2:2010/01/29(金) 17:13:29 ID:kpeseBv40
途中、廊下やトイレの前で綾乃にいじめられていたことを思い出したりしていると…
誰もいないはずの女子トイレから物音がする。
西崎が女子トイレに入っていくと、個室の前に男物のズボンが落ちている。
恐る恐る「早く避難してください」と声をかけると…

「ウッフッフッフッフッフ…ヒャッヒャッヒャッヒャッハッハ……!」

不気味な笑い声が聞こえ、驚いている西崎の前で個室のドアが開く。
中から出てきたのは白衣を着た辺見先生(なぜか両手にピンセット)。
ゆっくりとズボンを穿き、こちらを振り向く。

「やっぱり西崎さんは優しいなぁ~
 西崎さん…君とは運命的なものを感じていたよぉ
 君が入学した時からずっと見てきたんだ…」

どうやら災害で理性のタガが外れたらしく、不気味な表情で迫ってくる辺見先生。
「だ、誰か!」(※3)
思わず叫ぶ西崎に、「誰も来やしないよ~」と、襲ってくる辺見先生。

辺見先生に捕まるとゲームオーバーなので、必死に逃げなければならない。
階段を降り、中庭を渡って隣の校舎へ。(※4)
その時、ちょうど洪水が押し寄せてきて、西崎が隣の校舎に入った瞬間に
水でドアが閉まる。辺見先生がどうなったかは分からない…

※3…「イヤ!」と定番の叫びをしてもよし、アイテムを使おうとしてもよし。
   また、トイレを調べに行かなかった場合でも辺見先生は襲ってくる。
※4…3章の柘植編で、タクシーに乗ったままこの場所を通過することになるが、
   タクシーの通ったルートによっては西崎の動きがタクシーに邪魔されて
   辺見先生から逃げにくくなるので注意。

233 :絶体絶命都市2:2010/01/29(金) 17:14:37 ID:kpeseBv40
校舎の下駄箱では綾乃たちに靴に画鋲を入れられたことを思い出し、
購買に焼きそばパンを買いに行かされたことも思い出し、「許せない…!」と
復讐を決意する西崎。(※5)

そこから2階へ上がり、比嘉先生のいる廊下へ向かう。
近づいてみると、比嘉先生はピアノの下敷きになっていた。
比嘉先生を助ける為に一度その場を離れる西崎。

人を呼ぶ為に体育館に行こうとするが、体育館に通じる渡り廊下の扉は閉まっていて、
そこには綾乃が書いた張り紙が。
綾乃が鍵をかけてしまったらしく、開けることができないようだ。
仕方なく西崎は、何か道具を探すことにする。

調べていると、使えそうな物がいくつか見つかる(モップ、消化ホース、サラダ油)。
正解は消化ホースだが、他の二つでも反応あり。特にサラダ油は面白い。
比嘉先生の顔や身体にかけたり、全身に塗って滑りを良くしてから引っ張ったりできる。
特に意味はないがw

比嘉先生を助けると、ちょっと職員室で休んでいこうと言う。
ストーブに当たりながら話をする二人。
ここで比嘉先生の過去(絶体絶命都市1)についての話が少しだけ聞ける。(※6)

※5…冷静な反応や、自虐的な反応をするのも可。
※6…ストーリーに影響はしないが、綾乃にいじめられていたのを伝えることも可能。

234 :絶体絶命都市2:2010/01/29(金) 17:16:05 ID:kpeseBv40
その後、渡り廊下の鍵を比嘉先生が探してくれて、二人は体育館へ行くことにするが、
西崎が渡り廊下を渡っている時、床が崩れてしまう。
西崎は鉄骨一本にぶら下がっている状態だ。そこへ辺見先生が…
「西崎さん…さぁ、こっちへおいで」

生きていた辺見先生は、鉄骨を渡り西崎を捕まえようとしてくる。
西崎は必死に比嘉先生の方へ逃げる。
もう少しで追いつかれるという時、地響きが起きて辺見先生は鉄骨から落下。
濁流に飲まれて今度こそ行方不明に。

ようやく体育館にたどり着いた西崎。
体育倉庫で跳び箱に閉じ込められたことを思い出し、「この恨みは晴らしてみせる」
などと復讐に燃えつつ(燃えないことも可能)、皆が集まっているステージへ向かう。

そこでは、見るからに体調の悪そうな生徒が数人と、校長先生だけが残っていた。
他の生徒たちは既に救助されたらしい。
もうすぐ次の救助ヘリが来るので、それまで待っているとのことだ。
そこへ現れる白衣を着た老人。(※7)
「なんてことだ!ここまでの事態になっているとは…もうおしまいだ!」
老人が誰か、何に驚いているのか分からないまま、
老人に促されてこの場から避難することにする西崎たち。

比嘉先生たちが弱った生徒を連れて先に避難して行く。
西崎も避難しようとした時、近くに倒れていた女生徒に足を掴まれる。
「西崎さん…助けて…」
なんとそれは綾乃だった。蘇る綾乃にいじめられた思い出。

ここで、綾乃を罵ったり冷ややかな目で見下ろしたりできる。
もちろん、良い子でいたい方むけの「私でいいんですか?」的な発現もあり。
なお罵るを選択すると、豊富な選択肢が表示されて、様々な言葉で罵れる。
「ふふふっ、いい気味だわ!」という軽めの罵りから、
「いつもの取り巻きの人たちはどうしたの?」というキツイのまで。
この後は綾乃を連れて行くか見捨てるかの選択になるが、
見捨てても綾乃は後ろをついてくるので、お好きな方を。

※7…この老人の正体は5章で判明します。

235 :絶体絶命都市2:2010/01/29(金) 17:18:41 ID:kpeseBv40
途中、白衣を着た謎の男を見て辺見先生を思い出したのか、
「へ、変質者!」などと叫んで逃げたりしながらも、屋上へ向かう二人。(※8)

しかし屋上の救助ヘリまであと少しのところで、階段が崩れて綾乃が落ちそうになる。
ぶら下がったまま助けを求める綾乃。再び甦る綾乃にいじめられた思い出。
ここで究極の、綾乃を助けるか、見捨てるかの選択が。
助ける場合は普通に終わるが、罵るを選んだ場合が強烈。
今まで恨みを晴らすべく、ここぞとばかりに罵ることができる。
一例を挙げると…。

「どうしました?私をイジメないんですか?」
「あなたが落ちるのを見ていてあげます」
「もうすぐ私に会わなくなるから、嬉しいでしょう?」

などの言葉を順番に投げかけていける。
しかし、調子に乗ってやりすぎると…

「あなたが、この世からいなくなればいいんです!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
「キャッ!」
突然の地鳴りにバランスを崩して落ちていく西崎。(※9)
その瞬間に見たのは、唇の端を吊り上げて笑う綾乃の姿だった。

※8…これは変質者ではなく5章の主人公。記憶を失っている彼は、
   西崎の言葉に自分が変質者だと思ってしまう(ストーリーには影響しません)。
   なお、「変質者」ではなく、「カッコイイ人」と声をかけることもできる。
※9…ある一定回数以上罵るとこうなるので、生き延びたければ、
   その前に助けるかどうかの選択を。ちなみに見捨てた場合、綾乃は落ちてしまう。

書き忘れ
綾乃や他の生徒たちは、原因不明の病気でかなり衰弱している様子。
謎の老人が驚いていたのもそれと関係があり、5章で詳細が判明します。

 西崎編 終了


474 :絶体絶命都市2:2007/05/20(日) 04:11:04 ID:M1W4u7ts0
須藤編だけ超簡単に書いておく。重要な部分は誰か頼む

新聞社に一人残り推理続ける須藤。(ちなみに須藤は前作の主人公で足に後遺症があります)
様々なピースを組み合わせ黒幕が田辺知事である事を推理する。
外にでると浸水はかなり進んでいた、急いでメディアタワーを目指す須藤
途中で飛んでくる看板を交わし落下するジオ君を交わしなんとかメディアタワー頂上付近に到達する
そこにはなぜか重傷の根岸が居た!根岸に世界を救うディスクを渡され頂上を目指す
タワーの先端にしがみついてると後輩が取材用ヘリにのって救助にやってきた。
ヘリに飛び移りこれからの事を考える須藤。しずかにゆっくりと海の底へと沈んでいく根岸とタワー。

                終わり

ちなみに推理を完成させずにタワーに向かうと後輩が現れずメディアタワーと共に沈みます




580 :絶体絶命都市2 凍てついた記憶たち:2008/07/17(木) 02:02:25 ID:y4E4We/30
知事の田辺は過去に故郷が疫病で滅んだ時
物語の舞台である富坂市が疫病をシャットアウトする為に
故郷を見捨てた事を怨んでる

知事に上り詰めた彼はアポロンとして秘書(青山)を初めとした腹心達と
佐伯優子(二人目のプレイヤーキャラ)の兄、記憶の無い男(5人目)
アガサ博士(仮・中の人が一緒)、根岸(あちこちで登場するキーマン)
という科学者たちに疫病ウイルスを作らせ
頃合を見計らって街にばら撒こうとする

災害が発生しても復讐の鬼と化した田辺は計画を変更しなかった
(冷静さを失っていると思える描写がある、しかし感染したキャリアが
災害の被災者としてあちこちに非難すれば国自体に復讐が可能なのも
計画の中に織り込み済みなのかもしれない)

しかし佐伯の兄は裏切りワクチンを作り秘匿し、秘書(青山)に殺され
アガサ博士・仮は計画に加担した贖罪の為に街と運命を共にした
唯一ウイルスのデータを持っていた記憶の無い男も選択肢次第では
佐伯の兄の恋人と共に命をかけてウイルスのタンクを変電所の電気を使い焼殺
そして佐伯の兄が残したワクチンを佐伯優子のシナリオで手に入れた根岸は
それを最後のシナリオで息絶え絶えながらも篠原(一人目)又は須藤(前作の主人公)
街を脱出した人々の手に渡され、恐らく知事の陰謀は最小限に抑えられた
・・・はず


581 :ゲーム好き名無しさん:2008/07/17(木) 02:11:23 ID:y4E4We/30
訂正
ワクチンではなくワクチンの作り方が入ったデータディスク

最終更新:2020年03月21日 23:27