パワプロクンポケット3

パワプロクンポケット3
智美BADルート:part24-379~383・386・389~391
正史と思われるルート:part63-175~183,186~187


379 :パワプロクンポケット3:2006/08/27(日)01:32:37 ID:dVnV8dqn0
極悪久高校の甲子園優勝から3年。
世界のスポーツはそのほとんどがプロペラ団のものになりつつあった。
のりかとの結婚生活を送っていた主人公はひょんなことから死に、
亀田と唐沢博士の手によって、サイボーグとして蘇ったのだった。

第一章 生きる為に働け!

主人公には生きていた頃の記憶が全くない。
亀田は主人公はプロペラ団との戦いによって死んだと説明し、
半ば強引に主人公は自分たちの組織「ネオプロペラ団」の一員にする。
プロペラ団と戦う正義の組織なのにも関わらず
「ネオ」プロペラ団という敵の名称が入った名前に疑問を持つ主人公だったが、
アパートの一室を秘密基地として、アルバイトで活動資金を稼いでいく。
一般的な悪の組織と戦うサイボーグヒーローとのギャップを感じる主人公。
聞くと亀田は主人公の得意な野球でプロペラ団を倒すという。
亀田の計画は毎年プロペラ島で開かれる闇大会で優勝、
その時に入れる中枢を滅茶苦茶にして島を沈め、
プロペラ団の資金源を断つというものだった。
一方プロペラ団支部では、支部長となった智見がビッグボス、Mrリッチモンドによる指令を受けていた。
何が何でも全てのスポーツを支配しようとするビッグボスにあきれる智見。
智見はプロペラ団を脱走した唐沢博士を亀田を警戒するものの、放置することを決める。
大会に参加するため、火星に行くことが夢である火星カンパニーのチーム
火星オクトパスを見つけてくる亀田。
だが元プロのためセンスはあるものの、能力不足のため主人公は入団試験に落ちてしまう。
アルバイトに励む主人公はある日、近所の子供達からスポーツはあらかじめ優勝するチームが
決まっていることとを知る。
プロペラ団はリーグを面白くして、収入を安定させるために
ある程度スポーツの勝ち負けを演出してコントロールしているのだ。
プロペラ団を倒してスポーツ界をまともな状態に戻すことを決心する主人公。
資金を溜め、パーツを買うことでパワーアップをした主人公は
見事火星オクトパスに入団するのだった。
だが自称アスリートで元極悪久高校の英語教師アルベルトがオクトパスで4番を打っていることを知り、
二人は先行きに不安を感じる。
12月、元スリーエーの女投手アンヌとも知り合いになり、
いよいよプロペラ島での試合!
と思ったものの、主人公は今年から巨額の賞金目当ての実績のないチームを絞るため、
一年かけて予選を行ない、選抜を行なうことになったことを知る。
ルールを変えられたことに怒る亀田。
そして予選の一回戦。
相手チームの木岡率いるラッキーフラワーズは垣内社長との因縁の相手。
久しぶりの試合にはりきる主人公。
火星オクトパスは先制点を上げ、そのままフラワーズに勝利。
木岡と垣内があらかじめ他のチームを潰しておいたため、
この一回戦の勝利だけでオクトパスはプロペラ島へと駒を進めるのだった。


380 :パワプロクンポケット3:2006/08/27(日)01:35:16 ID:dVnV8dqn0
第二章 命ある限り…

アルバイトを続ける主人公だったが、なんだか調子が悪い。
唐沢博士に相談すると、生命維持装置の耐久性が低くあと一年しか命が持たないという
とんでもない宣告をされる。
おまけに装置の交換に必要な資金は300万円!
主人公は文字通り資金集めに命をかけることとなる。
亀田にプロペラ団の基地をつぶし、資金を集めることを薦められた主人公は
次々とプロペラ団の拠点を調べていく。
一度は敗北するものの、爆弾ネズミ、ゾンビ、ロボットのPX001を倒した主人公は
組織から爪弾き者となっている元聖皇学園4番のネロ、バッタの改造人間立花、
PX001改めたかゆきを説得して仲間にする。
さらにプロペラ団を抜けた宿敵、元大東亜学園投手の鋼、
プロペラ団によってクビにされたくらがり、ドミオ、
トラブルメーカーの冬野を勧誘し、
オクトパスはどんどん強力なチームに変貌していく。
主人公自身も、たこ焼きやを始めた外藤に出会い、徐々にだが記憶を取り戻す。
ある日、智美は主人公の墓参りをしているときに偶然通りかかった主人公を見かける。
智美にあった外藤は、主人公は生きていたものの
記憶喪失で居場所がなくなり苦しんでいることを告げるが、
主人公の死を確認した智美はそれを信じない。
智美がプロペラ団の収入源のひとつである新興宗教フラップ教団の視察を行なっている最中に
主人公が突如登場。
教祖とスプーン曲げ対決を行なうものの、負けてしまった主人公は信者にボコボコにされる。
主人公を病院に連れて行き、何者なのか問う智美。
「ただのサイボーグです」とか無茶苦茶な返答をする主人公。
怪しいと感じた智美は美千代という偽名を名乗り、正体を探るために電話番号を渡す。
退院した主人公はフラップ教団の教祖に再挑戦し、なんとか教祖も仲間にするのだった。
「活動資金をもらっていくでやんす~」
「クラゲ飼育セットが欲しいのでやんす~」
「パソコンが安いのでやんす~」
「英会話セットが安かったのでやんす~」
何故か理不尽な理由で溜めた金を容赦なく最悪20%も奪っていく亀田にも負けず、
300万円を用意した主人公は、博士の作ったパーツでなんとか一命を取り留めた。
そしていよいよプロペラ島での野球大会へと参加する火星オクトパス。
初戦の相手は何とプロペラ団所属の優勝候補、プロペラデストロイヤーズ。
自分たちの存在がばれたのではないかと危惧する主人公と亀田。
そうこうしているうちに試合が始まるが、強力な選手を引き連れ、
強化された火星オクトパスはなんとプロペラデストロイヤーズに勝利してしまう。
あわてるプロペラ団。
しかしビッグボスはオクトパスの買収を指示。
優勝賞金の半分を提示された垣内は2回戦を辞退。
自分たちの安全を確認した亀田もそれに賛同し、オクトパスは島から帰ってきてしまう。
火星へ行くという夢のため、確実に金を得る方を選んだ垣内だったが、
主人公や社員達の頑張る姿を思い出し、素直に主人公に謝る。
そんな社長を見た主人公は、来年こそ優勝することを約束するのだった。


381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/27(日)01:38:14 ID:dVnV8dqn0
第三章 記憶を求めて!

主人公は鋼からプロペラ団について聞き出す。
プロペラ団は元々アメリカでスポーツの健全化を図る普通の権利団体としてスタートした。
しかし、理想論だけではスポーツを暴力や利権から守れない。
スポーツの健全化を建前に次々とより大きな権力、利権を取り込んでいた結果
破壊行為、脅迫を平気で行なう狂気の集団になってしまったのだ。
現在でも構成員のほとんどはスポーツの健全化を信じ、無償のボランティアで
活動を行なっていることに驚く主人公。
現在のプロペラ団を「自分の死を認めようとしない死病の鯨」と例える鋼。
鋼は組織が拡大しすぎてしまったため、現状維持ができなくなり、
存続のために勢力拡大を行なうプロペラ団は、いずれ滅びる運命にあると断言する。
プロペラ団を倒し、無政府状態となったスポーツ界が、必ずしも健全になる保障はないとも…。
鋼はプロペラ団と決別をつけるためにネロと共に基地を襲撃、
主人公に強力なパーツを渡すのだった。
さらに夢の中で記憶ゲージを8割埋めろという具体的な指示を貰った主人公は、
外藤のたこやきやでバイトしたり、のりかの悪夢を見たり、廃校となった極悪久高校に通うことで
本格的に記憶を取り戻し始める。
偽名を名乗る智美としばらくデートをした後、極悪久高校へと誘う主人公。
主人公は智美にどうして自分と知り合いだったことを黙っていたのかを問い詰める。
自分のことを思い出してほしかったと答える智美。
この出来事で謎のサイボーグが主人公であることを確信した智美は
唐沢博士と亀田が主人公の脳を持ち出していたことを突き止める。
「全て亀田の仕業だったのね」真相に気付く智美。


そして12月。
鋼の予言通り、組織としての限界がきてしまったプロペラ団。
力によって選手達を抑えることができなくなり、
南米支部での選手達のストライキを皮切りに各支部で次々と問題が発生。
大混乱の中、ビッグボスは新たな動きを起こす資金を得るため、プロペラ島へと向かう。

再びプロペラ島へと向かうオクトパス。
来図率いるドルフィンズを破り、勝ち進んでいったオクトパス。
決勝の相手はやはりプロペラデストロイヤーズ。
追い詰められるものの、鋼の力投、味方打線の爆発でついに逆転勝利。
しかし、オクトパスに主人公と亀田がいることを知った智美は、試合場に工作員を突入させる。
オクトパスと工作員の大乱闘で滅茶苦茶になる試合場。
その騒ぎに乗じて亀田はプロペラ団の中枢へと潜り込む。
亀田の目的は最初からプロペラ島に眠る隠し財宝だったのだ。
だが、遅れて亀田を追ってきた主人公は島の時限自爆装置を作動させてしまう。
大混乱に陥るプロペラ島。
ビッグボスを爆弾付きのヘリに乗せ、爆殺しようとする智美だったが
失敗の責任を追求するビッグボスに撃たれてしまう。
逃げようとする主人公の前に、虫の息の智美が現れる。

「あなたが…甲子園で優勝した……時
わたし、亀田君を利………前の支部長を…たから
あのときに………言えなかったから………今言うね。
甲子園優勝…おめでと……う…。」

最後の言葉を交わし、智美は主人公の目の前で絶命する。
隠し財宝を求め、中枢へと向かうビッグボス。
しかし、ついに自爆装置が作動。
プロペラ島はプロペラ団と共に崩壊するのであった。

382 :パワプロクンポケット3:2006/08/27(日)01:40:20 ID:dVnV8dqn0
ついにプロペラ団を倒したものの、釈然としない主人公。
その時、頭にボールが激突。
主人公は自分の死因が、崖から落ちたことであることを思い出した。
主人公の死は保険金を得ようとしたのりかの仕業だったのだ。
亀田を問いただす主人公。
「なぁんだ。全部思い出しちゃったでやんすか。」
ついに亀田が本性を表した!
亀田はおこづかい、唐沢博士は研究費を得るためプロペラ団を抜け、
主人公を好きな智美に手加減させるために主人公を蘇らせ、こきつかっていたことを語る。
さらに亀田はプロペラ団残党をまとめ上げ、世界征服を行なうことを宣言する。
大切に思っていた智美を助けるためにプロペラ団に入ったにも関わらず、
智美が本当に好きな人が主人公であり、
自分が主人公の当て馬でしかなかったことを知った亀田は、
智美と主人公への復讐のためにこの計画を思いついたのだった。
「力ずくでもそんなことやめさせてやる!」
二人の男の決闘が始まった!
激しい殴り合いの末、主人公に負ける亀田。
しかし亀田には最後の切り札があった。
亀田の呼び出しに答え、地下から地響きと共に巨大なスーパーロボット、
ガンダーロボがその姿を現す。
亀田は主人公から奪った金で、こっそり1/1スケールのアニメのロボットを作り上げていたのだった。
「うおおーついに長年の腐れ縁に決着をつけるときが来たのでやんす!」
主人公vs亀田の第2ラウンド
サイボーグvsスーパーロボットの戦いの火蓋が切って落とされた!
圧倒的な力で襲い掛かってくるガンダーロボ。
主人公がミスをするたびに強力な光線が襲いかかってくる。
おまけにガンダーロボの体力はとんでもなく多く、一発や二発のカウンターではびくともしない。
絶望的な状況の中、攻撃を潜り抜け、着実に反撃でダメージを与える主人公。
一進一退の攻防。
そして長く苦しい死闘を制したのは、サイボーグである主人公であった。
敗れた亀田に、何故こんなことをしたのか問う主人公。
亀田は極悪久高校を甲子園に導いた主人公のように何かを成し遂げたかったと語る。
全ては亀田の主人公への嫉妬が原因だったのだ。
「その割には俺だけ働かせて、何にもしなかったじゃないか!」
「そうなのでやんす。おいらヒマでヒマでもう張り合いがなくなっちゃって…」
亀田をぶん殴る主人公。
主人公はクローン再生装置で人間へと戻り、
亀田と共にプロ野球に殴りこみをかけることを誓うのだった。

パワプロクンポケット3 完

383 :パワプロクン:2006/08/27(日) 01:45:48 ID:dVnV8dqn0
とりあえずプロペラ団三部作はこれでおしまい。
ルートによっては、主人公が奴隷になったり、
亀田と一緒に世界征服したりするけど、これが正史です。
今多分パワポケの中でも一番ストーリーが濃いであろう6と6のしあわせ島を書いてます。
4、5、7、8、ダッシュとかは誰か書いて。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/27(日)18:38:11 ID:me1ZwHAe0
パワプロクンポケットの人、毎回乙です。
あいかわらずイヤなイベントのある話ですね

しかし公式サイト行ってみたんですが、
ttp://www.konami.jp/gs/game/poke/8/history.html
>まとめとして…プロペラ団関係者のその後
>[死亡]
>日本支部長
>ビッグ ボス
>[行方不明]
>四路智美
>唐沢博士
>イワノフ

となっているんですが。
後からそういう設定になったが、作中では智美は死亡と描写されてるって事ですか?

389 :パワプロクン:2006/08/28(月) 17:15:49 ID:54lynq6f0
>>386
一応5では死亡がほのめかされているようなイベントがあるので、
個人的にはほとんど死亡扱いだと思ってます。
他にも主人公が防弾チョッキをプレゼントしたおかげで助かり、
プロペラ団の下部組織を合法のものとして残すパターンと
主人公に別れを告げて、悪の道まっしぐらパターンがあるんですが、
上の二つだと行方不明にならないんで、死亡ルートを選びました。

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/28(月)18:57:34 ID:KVUQWWzF0
>>389
3は1みたいに他のヒロインがいたりはしないの?

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/08/28(月)23:06:11 ID:1lcqBKLKO
全シリーズいるよヒロイン達は
ただ、ブラックな過去が多い
3はガンダーロボ戦に集中しないと勝てないからいつやっても緊張する


175 :ゲーム好き名無しさん:2012/09/30(日) 09:59:21.85 ID:8ySs+97M0
>>174
乙でした

終わった直後にまた投下いきます
パワプロクンポケット3(多分正史)です
既にパワポケ3は詳しい解説が載っていますが
2008年に発売されたパワポケ11で正史と思われるルートがほぼ確定したので、改めてそれを書いてみたいと思います。
公式で「正史は存在はするが、明確にはしてない。ゲーム中起きえないことでも正史になり得る」と述べられているように
これが完全に正史と確定しているわけではありません。
ですが、wikiに載っている智美BADルートよりは遥かに可能性が高くなっております。
何分プレイしたのも随分前のため、情報をかき集めながら解説しております。
本編の本筋の内容はwikiに載っている部分と同じなので、詳しくはそちらを見ていただければわかると思います。
自分の文章より、よっぽどわかりやすくまとまっておりますので。
以下、主人公の名前はパワポケ、で統一していきます。

176 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:00:43.22 ID:8ySs+97M0
亀田と唐沢博士によりサイボーグとして復活したパワポケだが、最初は戸惑うことばかり。
とりあえずネオプロペラ団として、サイボーグとして生活の仕方を詳しく教えてもらった。
「充電で動くサイボーグには食事は不要だが、サイボーグとて人間。
 食事を行わなかった旧式のサイボーグはよく精神崩壊を起こしていたのだが…」
などと恐ろしい事をのたまう唐沢博士だが、詳しいことがまとめてあるファイルを家に忘れてしまったらしい。
その直後、ノックの音が響き、見知らぬ女の子が部屋に入ってきた。
「お父さん、忘れ物よ」
「おお、すまんな。」
その女の子の名は唐沢ヒナコ。唐沢博士の娘だという。
(娘…ムスメ?孫じゃないのか?)
軽く見積もっても確実に初老は超えている唐沢博士の娘というには、ヒナコはあまりにも若い。
普通に十代の少女にしか見えない。
何やら不自然に思えるが、とりあえず変にツッコむようなこともせず、適当にスルー。
「えっとパワポケさんでしたよね。唐沢ヒナコです。よろしくね。」
「よ、よろしく。」

パワポケがサイボーグ生活にも慣れてきた頃、ネオプロペラ団のアジト(アパートの一室)で過ごしていたパワポケの元にヒナコがやってくる。
「いつも働いていて大変そうだから、そのうち暇なとき、一緒にどこかに行かないか」とデートの誘いをかけてきた。
「本当に、本当にいいの?」とパワポケは喜んで誘いに乗った。
以後、パワポケは金策に走り回りながらも、合間合間を見つけてはヒナコと過ごすようになり、互いに少しずつ引かれ会うようになる。

そしてヒナコと仲良くなり始めてしばらく経ったある日、博士はパワポケにヒナコはどこにいるか、と尋ねてきた。
ここにはいない、と答えると「ジャマしたな」とのみ告げて博士は立ち去った。
しかし博士が立ち去ろうとしたとき、何かを落としたのを発見する。
拾い上げてみると、それは数十年前のものと思われる白黒写真。
移っているのはまだ黒髪だった頃の唐沢博士、そしてヒナコによく似た博士の奥さんと思われる女性である。どうやら家族写真のようだ。
微笑ましく写真を眺めていると、いきなり博士に写真を奪われてしまった。
「今のは見なかったことにしろ」と、パワポケに迫る博士。
元々常識人とは言いがたい人間ではあったが、ここまで取り乱すのは初めて見る。
とりあえず適当に「はい」と答えてその場を凌いだものの、またあることに気が付いてしまう。
「さっきの写真…服装は違ったけど、真ん中に移っていたのはヒナコちゃんだったぞ?
 なんで、なんで今と同じ姿なんだ?」

しばらく経ってある日、ヒナコとのデートの後、例の写真について博士に話を聞いてみることにした。
「おお、あれのことか。だが真ん中の娘はヒナコではないぞ。ヒナコの姉のハナコだ。
 もうとっくに結婚して、最近はちっとも顔を見せんでな。」
ナルホド、と納得したそぶりを見せるパワポケ。
「そもそも30年も前の写真だ。普通の人間が歳もとらずにいるわけがなかろう。」
ハッハッハと談笑する二人。話は解決と言うことでその場を後にする。
「絶対ウソだな。何か隠してる」と、パワポケは感づいている。
博士は博士で誤魔化し切れていないことに気付いているようだ。

177 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:02:11.27 ID:8ySs+97M0
その後、パワポケはヒナコに向かって年齢を聞いてみると、やや面食らいながら18と答えた。少しではあるが動揺してるようにも見える。
やっぱり何かがおかしい。ヒナコには何か秘密がある、とパワポケは確信する。

ある日、博士はサイボーグの身体の点検がある、呼び出される。
素直に言うことを聞くパワポケだが、なんと手足をロックされて身動きがとれなくなってしまった。
「これ以上ヒナコの事を詮索するな。」と脅迫する博士。このままでは何をされるかわかった物ではない。
しかしパワポケにとってヒナコはもはや他人ではない。事情くらい説明して欲しいと言い返す。
「はっ。まさか博士、ヒナコちゃんに何かしたんじゃ?!」
「だったらどうする?」
「あ、あんた悪魔か?!」
元々そこらへんの野良犬を「おもしろそうだから」などといってサイボーグに仕上げようと追いかけ回したり
それ以前に元プロペラ団所属の科学者という時点で善人とは言いがたい人物ではあったが、まさか実の娘に手を掛けているとは…
「人間をなんだと思っているんだ!」と激しい怒りをぶつけるパワポケだが、博士は少しもひるむ様子はない。
「…お前さんは、自分の立場がわかっていないようだな。」
そういって博士は懐からリモコンを取り出す。
「お前さんに組み込んである自爆装置のスイッチじゃよ。ワシの作ったマシンには全て付けてある。
 外部制御不能な機械などナンセンスというのがワシのポリシーだからな。」
そう言って、有無を言わさずパワポケを爆破してしまう。
幸い大破することはなかったが、黒焦げになってそのまま倒れ込んでしまうパワポケ。
このままだと流石に問題だからか、一応パワポケを修理し復活させる博士。
「よし、点検が終わったぞ。」
「はっ…あれっ?う~ん。えっと、なんだっけ。なにか大切なことを忘れているような?」
爆発のショックのせいか、それとも気絶してる間に頭をいじられたのか、パワポケはヒナコに対する疑惑を忘れ去ってしまう。

そんなことがあってヒナコのことを詮索することはなくなったが、彼女との関係は続いている。
そして夕日の輝くある日、パワポケは買い物帰りのヒナコを見つけ、荷物持ちをしてあげた。
綺麗な夕日に照らされながら帰る二人。
「………ねぇ、パワポケさん…。」
「なあに?」
「私のこと、好き?」
「……うん!」
「私が…、私が何者でも、好きでいてくれる?」
「えっ?!」
「クスクス、なんでもない…。なんでもないの。」
微笑みながらそう答えるヒナコ。
何はともあれ、この日から、パワポケはヒナコと正式な恋仲になった。

恋仲となったからといって特に様子が変わることもなく、これまで通りのお付き合いをする二人。
だがその別の日、町中で主人公は目の前で、ヒナコがプロペラ団の工作員に車に連れ込まれるのを目撃する。
パワポケは慌てて車に飛びつき必死に奮闘。
なんとか彼女を助けることに成功するも、助け出した彼女はぐったりしており、すぐに病院に彼女を担ぎ込む。
博士に電話でそのことを話すと「急いで病院からヒナコを連れ出せ」となぜか怒られてしまう。
「な、なんなんだ!ケガ人を連れて帰れなんて!」と憤るパワポケ。
幸いにも彼女は軽い脳震盪で命に別状はないらしく、一人で帰宅した模様。

178 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:03:46.49 ID:8ySs+97M0
「それよりもあの子いったい何者?普通の医者ならともかく、あたしの目はごまかせないわよ。」
とパワポケに問いかけるのは本家パワプロシリーズでおなじみの加藤女医。
ダイジョーブ博士の助手として鍛え上げられた彼女にはヒナコの秘密がバレてしまったようだ。
しかし博士によって記憶が吹き飛んでしまったパワポケには、何のことやらさっぱりだった。
そのまま博士の研究所に帰ってみると、ヒナコも無事に帰ってきているようで一安心。
父親にうるさく言われたので一人で帰ってきてしまって申し訳ない、と謝るヒナコ。
白昼堂々プロペラ団が動くとは珍しい、と驚く亀田。
博士が言うには、今回の件でプロペラ団も無闇に行動できなくなるはずなので、今まで通りに過ごしても問題ないとのこと。
「ただし、尾行を捲くときは今までより念入りにな。」
「うん」
(今までもそうしていたのか…)
自分の知らないヒナコの一面をしってパワポケは少し驚く。

そんなことがあってしばらく経ち、今度はヒナコのほうからパワポケに話があるといって呼び出した。
「前に私のこと好きだって言ってくれたでしょ?今でも気持ち変わらない?」
うん、と頷くパワポケ。彼の想いを確認したヒナコは全てを打ち明けてくれた。

やはりヒナコもパワポケと同じ、博士によって改造されたサイボーグなのだという。
高価な生体部品で作られたため、安価な金属部品で作られたパワポケと違って極めて人間に近い身体を持ち
パワポケのようにサイボーグの身体をもてあますことは殆ど無い。

今は無きヒナコの母は、夫と同様研究者で、ある実験を行っていた。
しかし30年前、母親の実験事故により、母親はその場から消滅、ヒナコは身体の半分以上を失ってしまう。
博士はヒナコを生命維持装置で眠らせ、いつか医学が進歩して娘を助けられる日まで待っていた。
しかしその日が来る前にヒナコの身体が崩壊し始めてしまう。
そこで博士はプロペラ団に加入、プロペラ団の最新設備と莫大な予算をつぎ込み
誰にもわからないように、一人でヒナコをサイボーグに改造して蘇らせる事に成功した。
なぜ黙っていたのか、とパワポケに聞かれるも
「自分が受け入れられるかどうか怖かった。もうあんな化け物扱いされる哀しい思いはゴメンだった。」と答えた。哀しい過去があったことを覗かせる。

既に日の沈んだ帰り道、ヒナコはパワポケに胸の内を告げる。

「もし、生まれ変わりがあるなら、私、今度は普通に生きたい。
 普通に恋をして、普通に結婚をして、普通に家庭を持つの。
 変な組織から逃げ回ったり、好きな人に自分の正体がバレないかとか、心配しなくて済むような。
 ……あ、でも普通じゃなかったから、こうしてパワポケさんとも出会えたのよね。
 普通じゃない運命に感謝しないといけないのかな?クスクス。」

そしてヒナコはパワポケに一つだけお願いをする。今度の大会に自分を連れて行って欲しいと。
以前の誘拐騒ぎもあったので、プロペラ団主催の大会に彼女が行くのは危険じゃないのか、と思うパワポケだったが
亀田と博士曰く、大会中はお偉いさんが来て、プロペラ団支部はその対応に追われるはずなので自分たちなど眼中にないはず。
火星オクトパスの皆と一緒にいれば何ら問題は無いとか。
ヒナコをマネージャー登録してあげれば、大会中でもずっと一緒にいられるし、オクトパスの連中の士気もあがる、と珍しく優しい亀田。
それなら問題ない、だったら格好いいところを見せてやる、とパワポケは意気込んで彼女を大会に連れて行くことを約束する。

179 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:05:50.79 ID:8ySs+97M0
大会で火星オクトパスは順調に勝ち抜いていき、見事優勝を果たす。
そしてプロペラ島の財宝を狙う亀田、勘違いした(?)パワポケの手によりプロペラ島の自爆装置が作動。島全体がパニックになる。
財宝を得られなくなり、ショックでうろえている亀田の腕を引っ張りながら、パワポケは自爆する前になんとか島を脱出しようとする。
その頃、活動資金を狙いにプロペラ島に来ていたプロペラ団のビッグボスが、パニックの中
逃げ惑う人々とは逆にプロペラ団基地の内部に入り込み、財宝を探し始めていた。

パワポケが基地の中を迷っていると、胸騒ぎを感じて向かえに来たヒナコと出会った。
彼女に道案内を頼み、脱出を試みるもなんとそこでビッグボスと鉢合わせてしまう。
ビッグボスは事を起こしたのが目の前にいる男だと悟り、逆上して発泡。
何発か命中し、パワポケはケガ(故障)をしながらも、サイボーグの身体のおかげで大事には至っていない。
パワポケがサイボーグであることに気付いたビッグボスは、動けなくなったパワポケの頭部を狙う。
「だめええええええ!」
パン!パン!
パワポケを庇い被弾するヒナコ。生体部品が仇となり、パワポケと違って致命傷を負ってしまったらしい。
怒り狂ったビッグボスは彼女に銃を向ける。
「やめろぉ!」
パン!

決死でビッグボスの凶弾からヒナコを救い、故障した身体を無理矢理動かしてその場をくぐり抜けるパワポケ。
ビッグボスは金と共に沈んでいき、パワポケ達は火星オクトパスと共になんとか島から脱出する。
しかしまだ死んでこそいないが、ヒナコは重体のまま。
博士が修理にかかるが、博士でさえも修理が難しいほどの様態だという。

その後記憶を取り戻し、亀田との決着を付けたパワポケは博士の下に向かう。
もはや博士自身にもヒナコのサイボーグの身体を修理することは不可能。
そこでヒナコのクローンの体を再生させ、そこに記憶を流し入れて人間として復活させることになった。
つまりヒナコはもはやサイボーグではなく、普通の人間の身体で復活するのである。
喜びかけるパワポケだが、話はそう上手くはいかない。
同じサイボーグでも、パワポケの場合、脳だけが保管されていたので
機械だろうがクローン体だろうが、とにかく身体だけ用意し、そこに脳を入れれば復活できた。
しかし、脳から身体まで全てクローン体でまかなおうとするヒナコの場合、そうは行かなかった。
例えクローンを用意しても、クローンの体には記憶が無く、ヒナコの頭は白紙のままなのだ。
苦肉の策として、プロペラ団の研究所で実験的にバックアップしていたヒナコの記憶データを流し込むことにしたが
このデータはヒナコをサイボーグとして復活させる前のデータでしかない。
つまり自分がサイボーグになったこと、プロペラ団との因縁のことも全く覚えていないのである。

180 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:08:15.88 ID:8ySs+97M0

「お前さんにとって一番重要なことは、『3年間のお前さんとの思い出はなかったことになる』という事だ。」

「そんな…
 でも、それでヒナコちゃんが目を覚ますなら…。
 ヒナコちゃんが望んでいた普通の生き方ができるなら…。」

記憶データを流し込み、晴れて人間として復活したヒナコ。まだ目を覚ます様子はない。
博士は昔、彼女が使っていた目覚まし時計を用意した。何気ない目覚めを演出するには一番とのこと。
そしてパワポケが初めて見るような優しい顔で自分の娘の目を覚まさせる。

「あ、お父さん。おはよう。」
「ああ、おはよう。ぐっすり眠っていたな。」
「うん、なんだかすごく長い夢を見ていたみたい。あら、お客様?」
そういってヒナコは不思議そうにパワポケを見つめる。
「ああ、ワシの友人だ。」
やっぱりもう自分のことは覚えてないのか…落胆するも、それを隠しなんとか元気を取り繕って「はじめまして」とだけ述べるパワポケ。


「…?
 ……?
 …パワポケ…さん?」

「!! はじめまして。えっと、ヒナコさん…でしたよね。
 パワポケです。よろしく。」
「…よろしく。」


―…つまり、お前さん達はもう一度「出会い」からやり直すということだ。ただし、目を覚ましたヒナコが、またお前さんの事を好きになるとは限らん。

―イヤなこと言いますねえ。

―なぁに、父親のヤキモチじゃよ。

―…大丈夫です。やり直せます。そして今度は俺がヒナコちゃんを守ります。



181 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:09:38.31 ID:8ySs+97M0
数年後、博士は自分の家に戻り一休みしている。
「やれやれ、教会のイスがあんなにカタいものだとは思わなかった。腰が痛いわい。
 ヒナコの奴、あんな野球バカのどこがいいんだか…。」
愚痴を言いつつも、どこか嬉しげな唐沢博士。
これで肩の荷が下りた、後はのんびりしようとする博士だったが、突如謎の男が目の前に現れる。
「むっ!お前達はプロペラ団の残党か!?いや…ちがうな!?」
「探しましたよ唐沢博士。30年前のツケ、今ここで払ってもらおう」
「30年前?そうかお前達は…!」

バン!バン!

あれから唐沢博士は姿を消してしまった。
主人公はそのうちひょっこり戻ってくると思っているが、ヒナコは「二度と戻ってこない気がする」と言っている。

謎を残したままパワプロクンポケット3は幕を閉じる。

182 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:14:47.90 ID:8ySs+97M0
補足説明
ここから先は他のパワプロクンポケットシリーズ全体のネタバレになるため、そちらのネタバレが嫌な方はご注意ください。


・なんでこれが正史の可能性が高いの?
パワポケ11の回想シーン(というか種明かしシーン)で実際に博士が「やれやれ、教会のイスが~」と言っているシーンがあるからです。
そこで同様に博士が暗殺されていることが正史だとわかっているため、ヒナコルートが正史の可能性はかなり高いです。

・最後に博士を襲った男達はなんだったの?
この時点では名前も出てきませんが、パワポケ9当たりから本格的に登場し始めるジャジメントと言われる組織の工作員です。
パワポケ11で主人公が所属しているジャジメントナマーズの親会社でもあります。
全スポーツ統一というまだ可愛げのあるプロペラ団と違って
ガチで世界征服に王手をかけている、裏でヤバいことやりまくってる危ない組織です。

・30年前のツケってなんだったの?
詳しいことはわかりませんが、唐沢博士は奥さんの実験のためにジャジメントを利用していたようで、色々と恨みを買われていたみたいです。プロペラ団には単純に裏切り者として追われているようです。

・奥さんの実験事故ってなんだったの?
これもまた詳しいことはわかりませんし、完結作の14でも明らかになっていませんが
博士がその事故を調査した結果、なんとタイムマシンの基礎理論を発見したのです。
なので恐らく奥さんはどこかの過去に飛ばされてしまった可能性が高いです。
スタッフもこの辺の話をどうしてもゲーム中に組み込みたかったようですが
流石に話が脇道に逸れすぎるためか、直接触れられることはありませんでした。

・その後、ヒナコと主人公はどうなったの?
わかりません。基本的に前作の主人公が再登場することはないので、触れられることはありませんでした。
しかし何の手がかりも無いのかと言うとそうでもなく
パワポケ14で、道で倒れている瀕死の女性が、近くを通りかかったメガネ達(山田・落田・湯田の歴代の相方三人)に赤ん坊を託す場面がありました。
その赤ん坊が成長して14の主人公となるのですが
彼の所属するフィンチーズの監督、元極亜久高校野球部の外藤が言うに「死んだ後輩によく似ている」らしいのです。
さらに彼の父親は「数奇な運命を辿った野球選手」であることが作中で明かされ
母親の方も公式で「詳しくは明けられないが、過去に登場したヒロインのいずれか」と述べられており
彼らの両親はこの二人の可能性があります。
もしそうだとしたら、彼らは「普通の生活」を遅れなかったのかも…
といっても該当するキャラクターは他にもいるため、一概にそうだとは決めつけられません。
個人的には幸せな生活を送っていると信じたいです。

183 :パワプロクンポケット3:2012/09/30(日) 10:15:20.15 ID:8ySs+97M0
・ヒナコが正史だというなら、他の彼女候補達は何にも関わっていないの?
そこは明らかにされていませんし、そういうわけでもありません。
ちなみに公式で「1・3の主人公は正史で唐沢ヒナコ、四路智美、寺岡薫の三人と交流があった」と述べられており
そのうち寺岡薫は自分から身を引いた事が明らかになっているため、確実な選択肢は既に2択に絞られています。
ちなみに彼女が主人公の身体を調べ、サイボーグ技術を学んだことによって
世界は大きく動いていくのですが、その辺はパワポケ12で詳しく描かれているいます。
四路智美はパワポケ5の時点で行方をくらませている描写がある程度で、詳しいことは何もわかっておりません。
ひょっとしたら高校時代からの片思いを成就させ、彼女が主人公とくっついている可能性もゼロとは言い切れません。

・博士、博士言われてるけど、唐沢博士の本名ってなんなの?
唐沢博士(からさわひろし)です。

以上でパワプロクンポケット3(多分正史)の投下を終えます。
長文連続投稿失礼しました

186 :ゲーム好き名無しさん:2012/10/02(火) 14:58:10.28 ID:PW6QLCKN0
博士に脅されたところは有無を言わさず爆破じゃなくてちゃんと選択肢は出てくるし、博士もテレビのリモコンと間違えて自爆ボタンを押したはずだよ

なんか揚げ足取ってるみたいで悪いけど気になったから

187 :ゲーム好き名無しさん:2012/10/02(火) 20:47:29.00 ID:0NId5WQe0
>>186
正確に言うと「詮索をやめろ」という選択肢に「イヤだ」と答えると爆破されるが正しいですね
選択肢に関しては話をわかりやすくするために色々と省いていますが
「さてTVのリモコンはどこかな?」
「それはTVのじゃなくて爆弾の…」
「ハッハッハ、すまん手が滑ってしまった」
という理不尽な話だったので「有無を言わさず」という表現を使いました

他にも加藤先生から名刺をもらう場面や、ヒナコと主人公を見守る亀田と博士などの場面もありましたが
説明が少しややこしくなりそうなのでカットしてあります
最終更新:2013年01月02日 00:41